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重症ANCA関連血管炎、リツキシマブは長期に有効/NEJM

 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の重症(臓器障害)例の寛解導入と維持の長期(18ヵ月間)有効性について、リツキシマブ(商品名:リツキサン)の1コース(週に1回を4週間)単独投与の治療が、継続的に免疫抑制薬を投与する従来の免疫療法と、同程度の効果があることが明らかにされた。米国・メイヨークリニック財団のUlrich Specks氏らが、多施設共同無作為化二重盲検ダブルダミー非劣性試験「RAVE」を行い報告した。ANCA患者は大部分が最終的に再発するため、導入療法の選択においては、寛解までの期間、再発の重症度、治療の累積による毒性が重要な因子となる。RAVE試験では、6ヵ月時点の寛解達成がリツキシマブ治療群において優れていたことが報告されていた。NEJM誌2013年8月1日号掲載の報告より。6ヵ月までに完全寛解し18ヵ月時点でも寛解維持がされているかを比較検討 重症ANCA患者に対する治療として比較検討されたのは、リツキシマブ(375mg/m2体表面積を週1回)を4週間投与しその後はプラセボを投与する治療(リツキシマブ1コース治療)と、シクロホスファミド(商品名:エンドキサン)3~6ヵ月間投与+アザチオプリン12~15ヵ月間投与する治療(従来の免疫療法)であった。 主要評価指標は、6ヵ月までに完全寛解し、18ヵ月時点でも寛解が維持されていることとした。 被験者は、2004年12月~2008年6月の間に登録された197例の重症ANCA患者で、リツキシマブ治療群に99例、従来免疫療法群に98例が無作為に割り付けられた。リツキシマブ治療群は非劣性基準をクリア 6ヵ月までの完全寛解達成は、以前に報告したように、従来免疫療法群53%に対し、リツキシマブ治療群は64%だった。 12ヵ月、18ヵ月時点で完全寛解を維持していたのは、それぞれリツキシマブ治療群では48%、39%であったのに対し、従来免疫療法群は39%、33%で、リツキシマブ治療群は事前規定の非劣性基準を満たした(非劣性マージン20%でp<0.001)。 完全寛解の持続期間または再発の頻度および重症度を含むいかなる有効性基準にも、有意な群間差はみられなかった。 ベースラインで再燃例だった101例の患者においては、6ヵ月時点(p=0.01)、12ヵ月時点(p=0.009)ではリツキシマブ治療群が従来免疫療法群より優れていた。しかし、18ヵ月時点(p=0.06)では優越性が認められず、同時点においてリツキシマブ治療群のほとんどの患者においてB細胞の再構築が認められた。 有害事象については、全患者について登録から試験終了時まで収集されたが、有意な群間差は認められなかった。

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もはや他人事じゃない?医療訴訟―勤務医に聞く”こんな時代の医賠責”事情

触診・内診が“セクハラ“に?!えっ私にも説明責任があるの?患者でなく、交通事故被害者に巨額の保険金を支払った保険会社から訴えられる!…などなど、いつどんな場面で訴訟に巻き込まれるかわからない今の世の中。通常は病院が「病院賠償責任保険」に加入していますが、個人でも「医師賠償責任保険」(医賠責)に加入する勤務医も増えているとか。今回は勤務医の先生方に限定して、医賠責そして医療訴訟について思うことをお尋ねしました。他の先生は入っているのか?加入している先生&していない先生、その理由は?コメントはこちら結果概要勤務医の7割以上が医賠責に加入、若年世代・病床数が多い施設ほど加入率が高い医賠責の加入(保険料自己負担のもののみ)の有無について尋ねたところ、全体の73.4%が「加入している」と回答。年代別に見ると、60代以上で51.2%、30代以下80.0%と、若年層ほど加入率が高い結果となった。また所属施設別では20~99床の施設で54.4%、100~499床で71.3%、500床以上で76.2%、大学病院で91.3%と、施設規模に比例して高い加入率を示した。加入の理由、「自分自身が訴訟対象になるのが不安」「いざとなったら勤務先から守ってもらえない?」「加入している」とした医師に理由を尋ねると、「(病院でなく)自分自身が訴訟の対象になるのが不安」が最も多く72.1%、次いで「いざとなったら勤務先が守ってくれるとは思えない」「複数施設で勤務しているため」がそれぞれ50.1%。「自分の専門科は訴訟リスクが高いため」との回答は加入医師の7.6%で、診療科に関係なく『患者側に不幸な転機を全て“医療ミス”にしたがる風潮がある』『高度な医療をする医師がいなくなるのでは』といった意見が多く見られた。加入していない医師の約8割、「病院が加入する保険で足りているはず」「(現時点で)加入していない」とした医師の理由としては「病院が加入する保険で足りていると思うため」が最多となり77.1%であった。一方「侵襲的な診療行為をしていないため」は9.0%、「自分の専門科は訴訟リスクが高くないと思うため」は4.9%。医賠責非加入の医師に関しても“自身が訴訟に巻き込まれる可能性は低いから”との考えは少数派であり、回答者全体で見ると9割以上が“ある程度の訴訟リスクを想定”していることが明らかとなった。設問詳細「医師賠償責任保険」についてお尋ねします。現在、医療訴訟は、診療上の過失を問われるものが大半を占めています。しかし昨今は、触診・内診をセクハラと誤解するケース、チーム医療における説明責任が問われるケース、また患者サイドではなく交通事故被害者に保険金を支払った保険会社が原告となり病院の過失を訴えるケースなど、従来になかった例も出ているのが実状です。通常、病院は「病院賠償責任保険」に加入していますが、病院だけでなく担当医も共同被告として連名で告訴されるケースもあり、個人で「医師賠償責任保険」(医賠責)に加入する医師も増えています。そこで先生にお尋ねします。Q1.先生は、個人で医師賠償責任保険に加入していますか?(学会・同窓会などを経由した申込み含め、保険料をご自分で支払っているものに限ってお答え下さい)加入している以前加入していたが現在は加入していない加入していないQ2.(Q1で「加入している」とした医師のみ)加入している理由として当てはまるものをお選び下さい(複数回答可)いざとなったら勤務先が守ってくれるとは思えないため(病院でなく)自分自身が訴訟の対象になることが不安なため施設・医局で勧められたため学会で勧められたため自分の専門科は訴訟リスクが高いと思うためいつ医療ミスが発生してもおかしくない状況(疲労度・勤務時間など)にあるため自身の留意に関わらずトラブルに巻き込まれる場合もあるため複数の施設で勤務しているため(アルバイト含む)勤務施設の保険加入状況に不安があるためなんとなくその他Q3.(Q1で「加入していない」「以前加入していたが現在は加入していない」とした医師のみ)加入していない理由として当てはまるものをお選び下さい(複数回答可)病院が加入する保険で足りていると思うため常勤の施設以外では勤務していないため臨床の現場にいないため侵襲的な診療行為をしていないため自分の専門科は訴訟リスクが高くないと思うため費用がかかるため医賠責について考えたことがないその他Q4.コメントをお願いします。2013年7月12日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の勤務医コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「内科医で、直接患者に侵襲を与える検査や治療も行わないので訴えられる可能性は非常に少ないが、この世の中では何で訴えられるか判らないので、安心料と思って払っています」(60代以上,膠原病・リウマチ科,大学病院)「医療行為を通常通り行っても、患者さんからの満足度が少なく訴えられそうになったことや、 高齢者の手術後の合併症と一般的に理解されるべきものも、医療ミスとして訴える風潮を感じるため」(40代,整形外科,一般病院[100~499床])「最近は理解に苦しむ訴訟や、避けられないことまで訴えられることが多い。また、裁判では裁判官の知識不足が目につき、医療の常識が通らないことも多い。国民には、『医療とは不確かな科学』という認識を持ってもらいたい」(40代,外科,一般病院[20~99床])「医療事故を見聞きするたびに、明日は我が身と思います」(40代,外科,一般病院[20~99床])「勤務先は全くあてにならない。オーナー、事務長とも保身のみ、いいかげん極まりない。開業までは自分の身は自分で守る必要があるため」(40代,精神科,一般病院[100~499床])「入っていない。精神科医で身体管理はあまりしないのと、治療関係を結ぶ前に常にリスクについて説明し、何かあっても訴えられないような信頼関係を構築し、訴えられないように注意しているため。外科や産婦人科などと比べはるかに訴訟リスクは少ないので、保険料が安ければ考えても良いとは思う」(50代,精神科,一般病院[100~499床])「日々慎重に診療していますが、不可抗力はあるでしょうし、コメディカルのミスも主治医に責任が来ると思うと保険は必須です。入らないと万が一の時に自分のすべてが失われるかもしれないし」(50代,内科,一般病院[20~99床])「病院が、個人もカバーするタイプの保険に入ってくれているので、それまでの保険はやめました」(50代,消化器内科,一般病院[100~499床])「勤務医の身なので、個人でというより病院でかけてもらうのが自然と思います。それなりのリスクと責任を負っていて、待遇良くもないので、それぐらいは当然病院でお願いします」(40代,泌尿器科,一般病院[500床以上])「個人での加入は高価」(50代,外科,一般病院[100~499床])「加入している一番の理由は、司法が‘正しい者’を護ってくれると思えないため、です。 この国はオカシイ!」(40代,糖尿病・代謝・内分泌内科,大学病院)「患者側に、訴訟のチャンスをうかがう姿勢が時々見られる」(40代,内科,一般病院[100~499床])「たとえ自分に非がなくても、巻き込まれることはあります。その上で、医療現場を知らない裁判官が理不尽な判決を出すことも多いです」(50代,麻酔科,一般病院[100~499床])「私の知る限り、加入していない医師は見当たらない。医療訴訟は原告側にも被告側にも得られるものはほとんどないし、素人の弁護士、裁判官による医療裁判ほど茶番はない。早く公的に医療事故調査委員会が設立、機能することを望む」(60代以上,消化器内科,一般病院[100~499床])「勤務医は結局あとで病院から請求されたりする。味方に撃たれる感じですな」(50代,消化器内科,一般病院[100~499床])「現在は訴訟リスクの低い診療内容を担っているが、以前行っていた訴訟リスクの高い診療内容に関して寝耳に水的な係争が生じる可能性があることを鑑み、向こう5年間は保険に加入しておこうと考えている」(40代,リハビリテーション科,一般病院[100~499床])「医師の解釈と患者さんやその家族の解釈が異なることはよくありますので、常に訴訟のリスクはあると思っています。」(30代以下,整形外科,一般病院[100~499床])「万が一のときに、精神的なストレスを抱えて仕事をすることを避けるため」(40代,脳神経外科,一般病院[500床以上])「入っていない。真剣に考えたら心配な面はあるが、何となく大丈夫だろうという根拠のない理由で自分をごまかしている気がする」(50代,内科,一般病院[100~499床])「直接責任からは遠い位置におりますので不要。ただ、何故こんなに訴訟対策をしなければいけないのかが疑問」(40代,リハビリテーション科,一般病院[100~499床])「病院が訴訟に負けた場合、病院が医師に損害賠償を請求してくる恐れがあります」(40代,眼科,一般病院[100~499床])「医者になった当初から現在まで加入しています。(今は公的病院なのでもしかしたら必要ないのかもしれませんが)やはり勤務先が守ってくれるとは限らないという意識が強いです。(以前勤務した病院で、私には全く責任のない、看護師と患者とのトラブルを危うく私の責任にされかかったことがあるため)」(50代,消化器内科,一般病院[500床以上])「小児科なのでリスクが高いと思って」(30代以下,小児科,一般病院[500床以上])「現在は加入していない。訴訟などを含め、医療におけるイザコザは、患者に対する接遇が原因と考えるから。接遇に気をつけていれば、理不尽な患者でない限り問題は生じず、理不尽な患者ならば当方が法的に負ける事はないと考えるから」(30代以下,総合診療科,大学病院)「正直、(医賠責について)あまり深く考えていなかった」(40代,精神科,一般病院[500床以上])「周囲では、常勤施設以外でも勤務されている先生は加入されていると思います」(40代,内科,一般病院[100~499床])「友人の外科医が訴訟になり、大変な苦労をしていたため」(30代以下,外科,一般病院[100~499床])「自分の身を守るため加入しています。そもそも、医療における事故・リスクはヒューマンエラーである以上、ゼロになりません。裁判という形以外での、事故が減るような医療事故をフォローする体制を望みたいものです」(50代,総合診療科,一般病院[100~499床])「上級医として、部下の監督責任なども生じてくることを感じます」(40代,形成外科,大学病院)「公的病院だと訴訟に関しては顧問弁護士がいて、交渉をしてくれるから加入していない」(60代以上,消化器内科,一般病院[100~499床])「医療訴訟の多くが医学の本質的でない部分で争っていることが多く,原告(患者)やその弁護士の「言葉遊び」や「揚げ足取り」に過ぎないことがほとんどである.こうした悪意あふれる法曹界の医療に対する態度へのせめてもの防御として,保険に加入している」(40代,血液内科,一般病院[500床以上])「個人では入っていないが、冷静に考えてみると、病院が加入している保険のみでは、万が一の時に対応できないと感じる」(40代,消化器内科,一般病院[100~499床])「アルバイトで当直をしています。何かあったら不安なので加入しています」(40代,脳神経外科,一般病院[100~499床])「現在の状況は訴訟が多すぎる。自分の子供には、臨床医は勧められない」(50代,腎臓内科,一般病院[100~499床])「主勤務先は国の機関であるが、外勤先がクリニックであるためリスクを考える必要があるため」(40代,リハビリテーション科,大学病院)「医療の不確実性を一般の方に理解していただきたい」(50代,消化器内科,大学病院)「当直などの緊急対応での医療事故が一番気になる。加えて、昨今、患者側に不幸な転機を全て医療ミスにしたがる風潮があり、医療訴訟は増加すると考えられる。訴訟になって支払いが生じた場合、病院で支払えない金額の場合もあると考え、個人的に医師賠償責任保険へ加入している」(40代,血液内科,一般病院[100~499床])「現施設では、訴訟リスクの高い侵襲的治療は極力避けている」(50代,消化器外科,一般病院[100~499床])「いつ訴訟をおこされてもおかしくない時代ですので、やはり医賠責は必要不可欠だろうと思います。私のところは医局員全員が入っています。年間5万円ぐらいですが、自動車保険のように、事故がなければ安くなるシステムがあれば、もっとありがたいです」(50代,膠原病・リウマチ科,一般病院[500床以上])「どんなことでも賠償していたら度な医療をする医師がいなくなることを、患者と司法関係者に理解してもらわなければならない」(40代,外科,一般病院[100~499床])「専門外を診ているとき。全てを専門家にお願いするのは(つまり全ての細かいトラブルの都度、紹介状を書くのは)非現実的なので、専門外でも緊急性がない軽症であれば自分で処方・処置する事もある。しかし、専門外で対応したために悪化する、診断を困難にするなどがあったらどうしよう…とはよく思う」(40代,内科,一般病院[100~499床])「精神科です。医療行為での訴訟リスクも当たり前ですが、それ以外でのリスクも大変心配しています」(40代,精神科,一般病院[100~499床])「最近は病院だけなく医師個人も訴えられている。精神科医は患者の自殺で訴訟の対象になりうる。保険料は痛いがやむを得ない」(40代,精神科,一般病院[100~499床])「多少トラブルに対しての不安があるが、臨床現場から徐々に遠ざかりつつあるので今後は必要ないかなと考えています。」(60代以上,内科,一般病院[100~499床])「都立病院勤務中は個人で加入していたが現在は病院が加入してくれている。 小児科は病気の進行が早かったり、親の思いがあったりして、保護者によっては訴訟の可能性は高くなると思う」(60代以上,小児科,一般病院[100~499床])「医療訴訟の大半は、医療と患者の間の人間的トラブル。技術的な問題以上の、人間関係構築が重要と思われる」(50代,消化器内科,一般病院[100~499床])「昔に比べると医療現場が医療従事者より患者“様”を重視する姿勢が強くなり、患者がクレームを言いやすくなったことも問題にあると思う」(40代,アレルギー科,一般病院[100~499床])「勤務先を全面的に信頼して、いざという時にはしごを外されたら対処できないため」(40代,消化器外科,一般病院[100~499床])「公立病院に勤務していますが、個人が訴訟の対象になりうるため。 脊椎外科が専門でありリスクが高い。」(40代,整形外科,一般病院[500床以上])「きちんと説明しトラブルなどに対し謙虚に対応していれば訴訟になることはほとんどないと思う。実際、訴訟リスクを感じたことはほとんどない」(40代,整形外科,一般病院[500床以上])「現役の小児外科医で、執刀もしているので新生児手術などかなりリスクの高い状態にあります。保険は必須であると感じています」(50代,その他,一般病院[500床以上])「『病院が責任をもつ』と言ってくれているため、本当にそれで十分なのか?と心配しながらも、惰性で加入しないまま時が流れています」(50代,循環器内科,一般病院[100~499床])「実際にどの程度の保証が得られるのか不明ですので、2つ加入しています」(50代,呼吸器内科,一般病院[500床以上])「学会関連の医師賠償責任保険に加入しています。これは、医局の先輩から勧められて入りました。年数千円ですが、安心感があります」(50代,放射線科,一般病院[100~499床])「勤務先と同じ保険会社に加入している。保険会社間の争いに巻き込まれないため」(50代,麻酔科,大学病院)「病院として保険に加入している事、侵襲的な手技を行っておらず賠償請求の可能性は低いと考えている事から、加入していない」(60代以上,循環器内科,一般病院[20~99床])「勤務先の病院より半ば強制的に加入させられましたが、現在は入っていてよかったと思います。これまで訴訟に巻き込まれたことはありませんが、今後いつそのようなことになるかはわかりませんから」(40代,呼吸器内科,大学病院)「自分の専門科(糖尿病内科)は訴訟リスクはそれほど高くないが、クレーマー的患者に遭遇することがありトラブルに巻き込まれることもありうるために加入。 アルバイト先で、慣れない小児科の患者を診察することもあり不安である」(50代,糖尿病・代謝・内分泌内科,一般病院[500床以上])「これまでに訴訟になったことはないが、なりそうになったことは2回ほどあります。入ってないと不安で臨床はできないと思います」(40代,循環器内科,一般病院[100~499床])「今まで毎年必ず加入していましたが、現在の病院から”この病院内での診療において発生したトラブルについては病院が守る”と言われているので現時点では加入していません。正直なところ心配もありますが、費用もバカにならないため」(40代,腎臓内科,一般病院[100~499床])「訴訟対象が病院だけでなく個人に向けられる傾向があること、また、病院も賠償金の一部を勤務医に支払うように求めてくる傾向は今後も続くと思われ、個人で保険に加入する意義は大きい」(30代以下,麻酔科,一般病院[100~499床])「産婦人科をしていると、分娩による脳性麻痺に遭遇する可能性がある。現在の医療訴訟は敗訴するケースが多く、賠償金も高額化しているため」(50代,産婦人科,一般病院[20~99床])「たまたまモンスターペイシェントに遭遇する可能性もあり、そういった相手となんらかのトラブルになることが怖いので加入している。現在は救急診療をしておらず専門分野のみの診察であり、訴訟のリスクは全体には低いと感じている」(30代以下,皮膚科,一般病院[20~99床])「加入しないでいる人の気がしれない」(30代以下,泌尿器科,一般病院[100~499床])「大学医局に所属しているが、研修医当時から個人でも加入するように勧められていたので、加入するのが当然と思っていた。今のところは個人を対象とした訴訟はないが、今後増えそうな危惧があり、補償額をワンランク上げた」(40代,内科,大学病院)「意図せずに起こる偶発症や、ある程度の確率で生じる合併症と思われる事例でも訴訟になり、医療者側が敗訴している例が少なからず認められる。このままでは特に手術を含め侵襲的な医療行為を行うことに躊躇してしまいかねず、患者の不利益になる。元々が健康体ではなく症状を有する患者に行った治療行為で、結果が悪ければ訴えるというのはいかがなものか」(30代以下,外科,一般病院[100~499床])「医学的に見たら仕方ないと思えることでも、患者さんが期待していたのと異なる転機をたどった場合に訴訟を起こされるリスクが高いと思う。医学的な知識がほとんどない人が外部からあれこれ口をだし、医療者側へ怒りを向けるように仕向けているように思えるケースもある」(30代以下,小児科,一般病院[100~499床])「勤務する地域により訴訟のリスクも変動するように感じている。現在の勤務地ではそのリスクが高いように思われ、周囲では加入者が多い」(30代以下,小児科,一般病院[500床以上])「20年前に医療訴訟で4年間かかって勝訴した経験あり、平素の診療に常に気をつけているつもりです。 診療に際しては治療のリスクを説明して家族の承諾の上で行っています」(60代以上,消化器内科,一般病院[20~99床])「よそでアルバイトをするなら保険が必要と思うようになって、アルバイトをやめました」(40代,産婦人科,一般病院[100~499床])「必要とは思いますが、非侵襲的な検査しかしておらず訴訟リスクが低い医師も、通常と同じ保険費用の負担が必要なのが納得いかず加入していません」(50代,循環器内科,一般病院[100~499床])「侵襲的検査や治療の説明を行う時は、常に訴訟のことを意識して、合併症に重きを置いて説明してしまう」(30代以下,循環器内科,一般病院[500床以上])「リスクは確かに高いが、いたずらに不安を煽って加入させる手もどうかと思う」(40代,精神科,大学病院)「医療訴訟が多い時代、医賠責に入らないでいる人の方が不思議。誰しもがヒヤリハットすることがある。訴訟になっても仕方のないミスも多いのが現状だが、不可避なものやリスクを背負ってでも行わなければならない治療に対してまで訴訟を起こされることは、判決如何にかかわらず、医療者や患者・その関係者と多くの人に遺恨を残すことになり望ましくない」(30代以下,脳神経外科,大学病院)「以前勤務していた病院でトラブルに巻き込まれて以来加入している。そのときは幸い大きな問題にはならなかったが、まだ加入していなかったため不安であった」(30代以下,呼吸器内科,一般病院[500床以上])「病院が加入している保険が今年から個人も対象となるため、個人で加入している保険をどうしようか考えています」(40代,呼吸器内科,一般病院[100~499床])

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加算導入後1年超、半数以上の医師は現在も”一般名処方”を行っていない

2012年4月に新設された“一般名処方加算”。導入後1年以上が経過した今、実施率はどんな状況なのでしょうか?行わない先生、その理由は?「一般名は長い!覚えられない!書けない!」「後発品の銘柄をいちいち覚えられない、いっそ全て一般名で」といった“名前問題“から、「成分が同じでも効果はどうなの?」「どの製品が出されるのかわからないのに責任持てないよ」などの“後発品って…問題”まで、一般名処方をめぐるあれこれを伺ってみました!コメントはこちら結果概要昨年より比率は高まったものの、半数以上の医師は現在も一般名処方を行っていない一般名処方の実施有無について前回調査(2012年6月)と同様に尋ねたところ、『行っている』との回答が17.4%(前回15.1%)、『一部行っている』が25.4%(同19.3%)であり、何らかの形で行っている医師は全体で42.8%(同34.4%)。診療報酬改定前後で17.2%→34.4%と倍増した前回結果と比較すると実施率はゆるやかな伸びに留まった。『行っていない』とした医師を施設別に見ると、診療所・クリニックでは39.4%、一般病院では62.9%、大学病院では71.4%に上った。(回答医師単位の集計であり、処方箋枚数および金額は加味していません)行っていない医師、最大の理由は「一般名を調べるのが手間」。煩雑さに加え、処方ミスを不安視『行っていない』とした医師に理由を尋ねると、『一般名を調べる手間がかかるため』で42.1%、『電子カルテに一般名処方のサポート機能がなく煩雑』29.7%、『紙カルテで煩雑』10.1%と、一般名の長さ・複雑さによる処方(事務作業含む)の手間を挙げた回答が多く見られた。その点に関連して『処方ミスを起こす不安がある』も24.0%に上り、「一般名は"うろ覚え"が現実。いつでも・どこでも事故が起こる可能性がある」「専門外では覚える余裕はない」などのコメントが寄せられた。「後発品の効果・供給体制に懸念」、「処方はするがどれでも良いわけではない」後発品に対して懸念点がある医師からは『後発品の効果に疑問があるため』24.0%、『供給体制に不安があるため』8.2%といった回答が挙がった。その他『後発品も銘柄指定で処方するため』21.0%との意見があり、「後発品にも良いものや粗悪なもの、作用の強いもの弱いもの様々で、成分では怖くて(処方箋を)書けない」といったコメントが寄せられるなど、既に後発品を処方している医師にとっても、製品を指定できない一般名処方へのハードルは高いことが明らかとなった。設問詳細一般名処方についてお尋ねします。2012年4月の診療報酬改定で“一般名処方加算”が新設されるなど、医療費削減策の一環として、後発医薬品の使用促進策がさまざまな形で検討・実施されています。厚労省は今年4月5日、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を公表。普及に関する目標値の算出方法をこれまでの“全ての医療用医薬品に占める後発品のシェア”から“後発品に置き換え可能な医薬品(長期収載品と後発品を含める)に占める後発品のシェア”に変更し、2018年3月末までにシェア60%(現在約45%)を達成するという数値目標を掲げました。そこで先生にお尋ねします。Q1.先生は一般名処方を行っていますか?行っている一部行っている行っていないQ2.Q1で「行っていない」と回答した先生にお尋ねします。一般名処方を行わない理由として当てはまるものを全てお選びください。(複数回答可)後発品に関しても銘柄指定で処方するため後発品の効果に疑問があるため後発品の供給体制に不安があるため後発品を患者が嫌がるため慣れた薬が変更となるのを患者が嫌がるため一般名を調べる手間がかかるため処方ミスを起こす不安があるため紙カルテで処方が煩雑なため電子カルテだが一般名処方のサポート機能がなく煩雑なため院内処方のためその他Q3.コメントをお願いします。2013年6月6日(木)~7日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「専門外領域の一般名処方は、調べることが多く面倒だ。」(一般病院,内科,60代)「後発薬には、明らかに効果に疑問符のつくものがある。思いもかけない副作用が出ることもあり、 後発薬なら何でもOKというわけにはいかないのが実情。一般名とする場合、慣れるまで相当に処方に余計な時間を要し、診療にも支障が出る。事務・薬局の混乱も避けられない。何が何でも後発薬に・・という風潮はいただけない。」(診療所・クリニック,内科,40代)「間違いのない処方をおこなうためには、慣れた、性質、データの良くわかった先発品が優先になります。後発品はやはりばらつきがあり、副作用データもよくわからず使いにくいです。」(診療所・クリニック,内科,40代)「ジェネリックの場合はジェネリック可としてその薬剤名を書いています」(診療所・クリニック,耳鼻咽喉科,50代)「まだコンピューターのシステムが対応していないので難しい。個人的には一般名でかまわないが・・・」(診療所・クリニック,精神科,40代)「一般名処方が基本だと思う。同じ薬剤で異なる商品名を覚えること、同じ薬剤で違った名前があることは安全管理の面から好ましくない。しかし、当院では一般名処方がサポートされておらず残念」(大学病院,麻酔科,60代)「一般名が多すぎて、他院で処方されている薬の手帳を 見せてもらっても、何の薬か分からない。調べる手間がかかり迷惑以外のなにものでもない。いかにも現場のわかっていない役人が考えた事だというのがよくわかります」(診療所・クリニック,皮膚科,70代以上)「一般名で処方することは医師の義務と考えており、厚労省の方針は妥当と思う。」(一般病院,消化器内科,50代)「一般名にすると、胃腸薬など処方ごとに薬が変わり患者に不信感を与えたことがある。効果に私自身も疑問がある。」(一般病院,小児科,60代)「後発品のエビデンスがはっきりしないのにそっちへ強引に切り替えさせようとする厚労省の方針には呆れます」(診療所・クリニック,循環器内科,40代)「専門領域では商品名と一般名の両方を憶えられますが、専門外ではそんな余裕はありません」(一般病院,糖尿病・代謝・内分泌内科,30代以下)「ただでさえ忙しい中、いちいち一般名を調べていたら堪りません」(診療所・クリニック,内科,70代以上)「一般名で処方しても薬局から先発品が出ることもある。意味がないような気がする」(診療所・クリニック,皮膚科,50代)「後発品も先発品と同じPK/PDの試験が義務付けられ、同等と判断できれば積極的に使います。最大の欠陥はこれが行われていないこと。試薬ではないので、同一成分同一効果ではない。有効成分に添加剤や賦形剤などを加えている。例えるなら、同じ材料で料理を作っても、味も栄養の吸収も料理人の腕で変わるということと同じ」(一般病院,呼吸器内科,40代)「商品名で入力して、自動的に一般名になるようなシステムがあれば一番良いのでは」(診療所・クリニック,呼吸器内科,40代)「後発薬の名前が長すぎて処方箋に記載するのが大変。(当院は手書きのため)また、覚えていないものもある」(一般病院,泌尿器科,30代以下)「当初は行っていたが、薬局が患者さんの希望を聞かず処方し、大混乱になり中止した。また、処方した薬をきちんと報告する薬局としない薬局まちまちで カルテがメチャメチャになってしまった」(診療所・クリニック,心療内科,50代)「後発品の臨床成績を、先発品から独立して示してほしい」(診療所・クリニック,内科,50代)「一般名のほうが判りやすいし、迷わない」(一般病院,麻酔科,50代)「後発品にも良いもの、粗悪なものと様々で、mgをそろえても作用の強いものや弱いものもある。処方に関して責任を医師に求めるならば成分では怖くて書けない。副作用が出てから動いても遅い。チェックは厚労省主導でないと何も始まらないので粗悪なジェネリックを締め出してほしい」(診療所・クリニック,内科,50代)「先発品は純度99.5~99.9%に対して、後発品の純度は98%前後です。不純物の比較だと、4~20倍 の差があります。私自身も、ある日突然、病院の方針で抗生剤が後発品に変わっていて、心肺停止を起こした症例を経験しています。余程患者が望まない限り、後発品は使用しません」(診療所・クリニック,糖尿病・代謝・内分泌内科,50代)「後発薬の名前が、他の成分の先発品などと似ていた為 誤処方、誤薬が起きかけたことが何度かある。後発品の商品名はリスク要因である」(診療所・クリニック,内科,40代)「電子カルテに一般名処方の機能がなくできません」(大学病院,呼吸器内科,50代)「レセコン(電カル)なので、設定すればストレスなし」(診療所・クリニック,内科,60代)「ジェネリックを積極的に採用、使用している」(大学病院,泌尿器科,40代)「医師免許を取得した20年以上前には今ほど後発品は無く、当時の厚生省としても、一般名処方に関しては何の方針も有していなかったと思うが、先発品の一部は複数社から異なる薬品名で販売されており、『同一成分なのに複数の製品名を知っておかねばならない」ことに煩わしさを感じていたので、当時から『処方は一般名で良い」と思っていた。その考えは今も変わらないが、後発品の中には薬効が不確かな製品もあり、流通する製品の効果・副作用や安全性に対する保証が不十分なまま、医療費削減を動機に政策を推進しようとする厚労省の姿勢はいただけない。」(一般病院,整形外科,50代)「後発品の選択については患者が望むならそうすべき。効果の同等性については一般医が結論づけることは困難。厚労省が推進するかぎり、齟齬が生じた場合には厚労省が責任をとるのだろう」(一般病院,麻酔科,50代)「後発品はメーカーにより品質がまちまちで、全く先発品に劣ってしまっているものも多い。でも薬局は後発品比率を上げるために必死で質の良くない後発品を勧めてしまっている。患者が迷惑だと思う」(診療所・クリニック,内科,40代)「一般名処方は考え方としては妥当であろうが、医療現場で実際に対応するには甚だしく準備不足であると考えます。実務上、最大の障害は電子カルテの対応が追いつかないことにありますが、そもそも後発薬一般について、基剤成分が先発薬と違うのか否か等の情報が不十分であると感じてもいます」(診療所・クリニック,放射線科,40代)「薬局でジェネリックに変更された際にこちらに届く、処方変更の書類の束の処理が困る」(大学病院,血液内科,50代)「やらなければいけないのか、やらなくても良いのか、中途半端な方針が多すぎる。監督省庁として適切な方針を責任を持って立てて頂きたい。明確に出されないと、システム更新のための予算手配もできない」(大学病院,その他,40代)「一般名処方をしても院外薬局に先発薬を出されるケースが多く困っています」(診療所・クリニック,内科,40代)「医師も混乱するが、看護師はほとんど一般名を知らないので全銘柄覚えられるとは思えない。外来時は先発品を、入院後は後発品を投与していた患者がいたが、同一成分薬とは知らず重複投与していたということに。」(一般病院,泌尿器科,50代)「成分が同じだけで、効果は明らかに違うように実感している。目先の安さに飛びつき、効果不十分であれば結局医療費は長期的には増大するし、また先発の製薬会社を窮地に追いやることで新薬の開発が鈍ると危惧している。ジェネリックが素晴らしいように煽るCMなど、やめてほしい」(大学病院,精神科,30代以下)「電子カルテで、商品名を入力すれば、一般名に変換できるシステムがあれば、先発品・後発品にはこだわらない。手書き処方箋の場合は厳しい」(一般病院,精神科,40代)「一時期混乱致しましたが、現在ではもう慣れました」(一般病院,整形外科,40代)「商品名:エコリシン点眼液 一般名:エリスロマイシンラクトビオン酸塩・コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム点眼液。こんな長い薬名、処方箋に書けるわけがない」(診療所・クリニック,皮膚科,60代)「抗アレルギー薬の後発品にアレルギーを起こした症例を見ました。他の薬に対するアレルギーならまだしも、抗アレルギーに対するアレルギーは少し後発品の怖さを感じます」(一般病院,呼吸器内科,30代以下)「後発品を使うことで後発品の品質向上がもたらされることはいいことです。先発メーカーの利益が損なわれることによる創薬へのマイナス面が気になります」(診療所・クリニック,小児科,50代)「後でどこの会社の薬を処方したか確認しないといけないから大変!」(診療所・クリニック,消化器内科,40代)「厚労省がジェネリックや一般名処方を強力に推進する意図は、唯一「医療費の削減」ですが、それによって果たして医療費の削減がなされているかのしっかりしたデータはあるのでしょうか?その処方をする事により、病状がかえって改善するのに時間が掛かり服薬期間が長くなったり、本来なされない検査が追加される事になったり、本来の効能が十分発揮されなかったりした事例が数多く臨床現場で発生しているのを聞きますし、それで来院した症例も数多く経験しています」(診療所・クリニック,循環器内科,60代)「医療費が0割の方には、後発薬がある薬剤に関してはその使用を義務化して頂きたい」(大学病院,神経内科,30代以下)「レセコンの性能の問題かもしれませんが、一般名処方も覚えなくてはならないのが困ります。後でカルテを見る時に、この薬は何の薬?と思ってしまう事が多々あり、いずれ医療事故を招きかねない感じがします」(診療所・クリニック,内科,50代)「どんな後発品でも良いから変更させて医療費削減しか考えない厚労省、突然『その薬剤はうちでは生産中止になりました』という製薬会社、自分に都合の良いように処方を変える調剤薬局。病院(医師)側だけが面倒な一般名処方をする必要はない」(一般病院,内科,50代)「処方箋に一般名を書くのは、調べるのと書くのに手間がかかる。また覚えにくいので歓迎できない。仕方なく実施している」(診療所・クリニック,内科,60代)「推進したいのであれば『自己負担のない方は、原則的に後発品処方』くらいの姿勢が必要と思います」(一般病院,循環器内科,30代以下)「一般名の管理番号(厚労省のコード)が振り当てられていないものが多く、一般名処方が適宜、状況に応じてになってしまっている」(診療所・クリニック,耳鼻咽喉科,50代)「門前薬局と事前に打ち合わせて、一般名だが先発品を使うもの、後発品でも構わないものを分けている。何が出されているか分からないのは避けるようにしている。降圧剤等循環器系の薬は出来るだけ先発を使っているが、痛み止め、胃薬などはゾロでも構わないかもと考えている」(診療所・クリニック,腎臓内科,40代)「後発品は多くの会社が生産しているが、調剤薬局では一般名だとどこの会社が選ばれているのかが分からない。後発品の一般名がまだ手書き処方をしているため、一診察に時間がかかっている」(診療所・クリニック,内科,40代)「長い名前を書くのが大変なので最初の4文字だけにして欲しい。錠とかの材形は省略可にして欲しい。余計な手間がかかって診療に集中できない」(一般病院,整形外科,40代)「合剤やらいろいろ出ている中、一般名で全て済ませるのは無理がある」(大学病院,膠原病・リウマチ科,40代)「医療費抑制のため後発品を推進するのは仕方ないとしても、生活保護受給者が『どうせお金がかからないから先発品で』と言ったり、生活保護こそ後発品にすべきだという意見に『差別するのか』と言うのはけしからんと思う。厚労省は強い態度で臨んでほしい」(一般病院,外科,50代)「後発品は使用したくないが、点数のためにしています。やむをえず・・・」(診療所・クリニック,皮膚科,30代以下)「後発品使用についてはやむをえないと思うが、ころころ政策を変えすぎで混乱しやすい」(診療所・クリニック,整形外科,40代)「厚労省の方針や後発薬について思うこと 1)抗痙攣薬では、先発品と後発品の間で明らかに効果に差があります。2)医師のみならず、レセコン入力の事務職員、薬局のレベルでも仕事が煩雑となり、ミスが起きやすくなります。3)医療費の削減に際しては、根幹の、終末期医療をどうするのか、先端医療の費用は、国民皆保険制度はどうするのかを議論せず、後発薬の普及は枝葉末節の話だと思っています」(診療所・クリニック,小児科,50代)「このたびの一般名処方加算は、なんとも下らないものである。後発品への移行を促すならば、もっと抜本的なインセンティブを考えるべきである」(診療所・クリニック,糖尿病・代謝・内分泌内科,40代)「後発品の名称は、先発品名の後ろに後発品であることがわかる記号や製造会社名を付加する形式にすれば良かったのです。なぜこんなに単純なことが素直にできなかったのか。また後発品メーカーには、医薬品費低減目的のためにも広告は一切禁止すべき」(一般病院,内科,50代)「すべて一般名処方とするのがふさわしいと思う」(一般病院,精神科,30代以下)「院内で先発薬を処方するのと、処方箋を出し後発薬を薬局で処方してもらうのとでは、患者からみたトータルコストはほぼ変わらない。こんな薬局寄りの保険点数配分はおかしい」(診療所・クリニック,内科,40代)「ほとんどの医師は一般名は"うる覚え"が現実です。いつでも・どこでも事故が起こる可能性があります、が、事故が起こっても厚労省は隠す(積極的な公表はしない)でしょうが…」(一般病院,小児科,30代以下)「今後発売する後発品はいわゆる商品名はつけず、すべて一般名での発売としてもらいたい。先発品ならいざ知らず、売れなければいつ撤退し手に入らなくなるかも知れない後発品にまで商品名がつけられ、それをその都度覚え直すという全く価値のない作業にこれまでどれほどの労力を割いたことか」(一般病院,整形外科,50代)「①後発品使用を推進するのは、財政上もっともかと思います。一部の循環器系薬などは、後発品が先発品と同等の効果を持っていないようですが、私が関係する領域では概ね『後発品で効かなくなった』『効き方が先発品と違う』等のクレームは経験していません。②そもそも日本では先発品の薬価が高すぎるのが問題。日本の薬剤費の高さは異常です」(一般病院,精神科,50代)「医療費削減のために後発品を推奨するなら、先発品の特許が切れたのち先発品の値段を後発品並みに下げればよいと思う」(一般病院,消化器内科,60代)「後発薬の有無が分かりにくいときがある」(一般病院,呼吸器内科,40代)「後発品の中にはいまだ品質などが安定しないものも多く、基本的には先発品の使用を行いたいが、受けてくれている薬局などに対し後発品の使用割合による支払額の差などがつくため『やむを得ず』一般名処方を行っているのが本心である」(診療所・クリニック,小児科,50代)「しくみをよくわからず、電子カルテのなすがままに任せています。今のところ、トラブルはないようですが・・・」(大学病院,産婦人科,30代以下)「先発品と後発品の保険適応を一致させるべき」(一般病院,内科,40代)

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第21回嚢胞性腎疾患研究会 一般演題募集のご案内

 嚢胞性腎疾患の代表的疾患である多発性嚢胞腎では、尿細管上皮に並んだ絨毛に対する研究が疾患理解の新しい扉を開いた。この理解のうえに立ち、嚢胞腎尿細管細胞内のさまざまな情報伝達経路が明らかになり、これが新規治療薬の開発へとつながってきている。 本研究会ではこれらの大きな流れを、特別講演と市民公開講座の中に組み込み、広く基礎的研究者、臨床医、患者間での情報の共有化を図り、今後の基礎研究や臨床研究のさらなる発展を目指すものである。■開催日:2013年9月21日(土)■参加費(会費):3,000円■プログラム(予定):   9:00 –12:00 研究会       会場:杏林大学医学部付属病院 外来棟10F 第一会議室            〒181-8611 三鷹市新川6-20-2       ◆ 特別講演「繊毛病としての嚢胞性腎疾患」         京都府立医科大学 生体機能形態科学 教授 横山 尚彦 先生       ◆ 一般演題 *公募   14:00 – 16:00 市民公開講座                    *杏林大学医学部 多発性嚢胞腎研究講座 共催       会場:杏林大学医学部付属病院 第2病棟4F 大学院講堂       ◆ 講演「多発性嚢胞腎の治療について」             杏林大学医学部 多発性嚢胞腎研究講座 教授 東原 英二 先生【一般演題の募集について】嚢胞性腎疾患に関する基礎研究、臨床報告などの演題を公募いたします。 締め切り: 2013年8月9日(金) 応募要領:A4用紙1枚に演題名、演者名、所属、600字以内の抄録本文をご記入のうえ、      下記アドレス宛e-mail添付ファイルにてお送りください。      折り返し受領メールをお送りします。 発表形式:口演(PC発表)です。詳細は演題受領後にお知らせします。*演題送付先・お問い合わせ: muraa@ks.kyorin-u.ac.jp杏林大学医学部泌尿器科 奴田原教授室(担当:村上、竹下)〒181-8611 三鷹市新川6-20-2 ℡ 0422-47-5511(内5815,3564)

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高力価スタチン服用者、急性腎障害による入院リスクが高い/BMJ

 慢性腎障害がみられない患者の場合、高力価スタチン服用者は低力価スタチン服用者に比べ急性腎障害による入院率が有意に高いことが、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学のColin R Dormuth氏らの検討で示された。スタチンの腎臓に対する有害作用の可能性を示唆する研究がいくつかあるが、スタチンによる急性腎障害に関する検討はこれまで行われていなかったという。BMJ誌オンライン版2013年3月20日号掲載の報告。高・低力価スタチンの急性腎障害リスクをコホート内症例対照研究で評価 研究グループは、急性腎障害の発現と、高力価および低力価スタチンとの関連についてレトロスペクティブに検討した。9つの地域住民ベースのコホート試験とメタ解析のデータベースを用い、コホート内症例対照デザインに基づいて解析を行った。 対象は、1997年1月1日~2008年4月30日の間に新規にスタチン治療を開始した40歳以上の患者206万7,639例。急性腎障害で入院した個々の患者と背景因子をマッチさせた対照を無作為に選択した。 ≧10mgのロスバスタチン(商品名:クレストール)、≧20mgのアトルバスタチン(同:リピトールほか)、≧40mgのシンバスタチン(同:リポバスほか)を高力価スタチンとし、これら以外を低力価スタチンと定義した。主要評価項目は急性腎障害による入院率であった。120日以内の入院率の差:34%、121~365日:11%、366~730日:15% 206万7,639例のうち慢性腎障害患者は5万9,636例で、残りの200万8,003例には慢性腎障害を認めなかった。スタチン治療開始から120日以内に急性腎障害で入院したのは、慢性腎障害のみられない患者が4,691例、慢性腎障害患者は1,896例であった。 慢性腎障害がみられない患者では、治療開始から120日以内の急性腎障害による入院率が、高力価スタチン服用者のほうが低力価スタチン服用者に比べ34%高かった[率比:1.34、95%信頼区間(CI):1.25~1.43)]。治療開始から121~365日(同:1.11、1.04~1.19)および366~730日(同:1.15、1.09~1.22)の急性腎障害による入院率も、高力価スタチン服用者で有意に高かったが、120日以内に比べるとその差は小さかった。 慢性腎障害患者では、このような差は認められなかった(治療開始から120日以内の率比:1.10、95%CI:0.99~1.23、121~365日:1.08、0.96~1.22、366~730日:1.04、0.92~1.18)。 著者は、「慢性腎障害がみられない場合、高力価スタチン服用者は低力価スタチン服用者に比べ急性腎障害の診断による入院率が高く、この差は特に治療開始初期(120日以内)に大きかった」と結論し、「日常診療で高力価スタチンの使用を考えており、特に低力価スタチンも選択肢となる場合は、このような腎障害のリスクを考慮すべきである」と指摘している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(74)〕 進行性腎機能障害を呈する特発性膜性腎症の治療にはステロイド+アルキル化剤が有用

特発性膜性腎症は、その経過中に自然寛解する例が20~30%あるため、これが薬物療法の評価を一部左右する可能性がある。また、腎機能がすでに低下している症例に関しては、臨床試験の確実なエビデンスが得られていない。  本研究は進行性の腎機能障害が確認されている例が対象であるため、自然寛解の影響を考慮する必要がなく、また、すでに腎機能障害のある症例の治療効果を検証するという意味で、意義が大きい。  わが国では、厚労省の班研究の結果から、まずステロイド治療を行い、ステロイド治療抵抗性であればシクロスポリン(CyA)、ミゾリビン(MZR)、シクロホスファミド(CPA)のいずれかの併用を考慮するとの診療指針が提示されている。しかし欧米では、1990年頃のカナダ・イギリスにおける複数の研究で、膜性腎症に対するステロイド単独療法の効果は否定され、現在は本研究の治療群のようにステロイドとアルキル化剤のクロラムブシル併用、CyAによる治療が臨床試験のエビデンスとして報告されているため、これらが治療の主体である。  本研究ではCyA群の効果は否定されたが、これは著者らも述べているようにCyAには高血圧や腎機能障害の合併症があるため、腎機能障害例では効果が出にくいと推測される。  わが国ではアルキル化剤としてはクロラムブシルの代わりにCPAを用い、ステロイドと併用したPonticelliの変法が用いられることが多い。まだ、大規模なRCTの結果は報告されていないが、他の治療法に比較して優っている印象がある。

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プレドニゾロン+クロラムブシル、特発性膜性腎症の腎機能低下を抑制/Lancet

 特発性膜性腎症で腎機能障害が進行している患者について、プレドニゾロンと免疫抑制剤クロラムブシル(chlorambucil)による併用療法(1ヵ月ずつ交替で6ヵ月間)が最も支持される治療アプローチであることが、英国・バーミンガム大学のAndrew Howman氏らによる無作為化試験の結果、報告された。本検討は免疫抑制剤の腎保護効果の検証を目的としたもので、同時に検討されたシクロスポリン単独12ヵ月の治療については腎保護効果がみられず、同治療については「回避すべきである」と報告した。膜性腎症の一部の患者について免疫抑制剤による治療効果が認められているが、これまで腎機能が低下している患者については試験に基づくエビデンスは得られていなかった。Lancet誌オンライン版2013年1月8日号掲載報告より。支持療法、併用療法、免疫抑制剤単独療法で比較 研究グループは、免疫抑制剤治療が腎機能の低下が認められる特発性膜性腎症患者において腎保護効果を有するかを評価する無作為化試験を行った。 試験は英国内の腎クリニックまたは急性期病院の腎臓病部門37ヵ所から被験者を募り行われた。被験者は、18~75歳の、生検により特発性膜性腎症と診断され、血清クレアチニン値が300μmol/L未満、腎排泄機能20%以上低下が試験にエントリーする前の2年間で3ヵ月以上測定されたことが3回以上ある患者であった。 被験者は無作為に1対1対1の割合で、(1)支持療法のみ受ける群、(2)支持療法+6ヵ月間にわたるプレドニゾロン(1、3、5ヵ月時:静注1g/日×連続3日間、経口0.5mg/kg/日×28日間)とクロラムブシル(2、4、6ヵ月時:経口0.15mg/kg/日、漸次減量)の併用療法、(3)支持療法+シクロスポリン12ヵ月(5mg/kg/日、漸次減量)に割り付けられた。主要アウトカムは、intention to treat解析による、ベースラインからの腎機能20%以上低下であった。プレドニゾロン+クロラムブシル併用療法のさらなる進行リスクは0.44 108例が無作為化され、33例が支持療法のみ群に、37例がプレドニゾロンとクロラムブシル群に、38例がシクロスポリン群に割り付けられた。そのうち2例(シクロスポリン群1例、支持療法群1例)は適格条件を満たしておらず、intention to treat解析には組み込まれなかった。また45例は試験終了前にプロトコルからは逸脱していた。大半の患者が投与量が調整され少量投与になっていた。 フォローアップは、主要エンドポイント達成時または主要エンドポイントに達しない場合は3年間とされた。 結果、腎機能20%以上低下のリスクは、支持療法群と比べてプレドニゾロンとクロラムブシル併用療法群で有意な低下が認められた[エンドポイント達成 19/33例(58%)対31/37(84%)、ハザード比(HR):0.44、95%信頼区間(CI):0.24~0.78、p=0.0042]。 シクロスポリン群[29/36(86%)]と支持療法群とのリスクは有意な差はみられなかったが(HR:1.17、95%CI:0.70~1.95、p=0.54)、3群間のリスクの差は有意であった(p=0.003)。 重大有害事象の発生は3群ともに頻度が高かった。プレドニゾロンとクロラムブシル併用療法群の同発生は支持療法群よりも高かった(56件対24件、p=0.048)。

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「糖尿病透析予防指導管理料」の実践ワークショップ開催のお知らせ

 日本医療企画は、「糖尿病透析予防指導管理料 ~組織的算定のための実践ワークショップ~」を3月21日に開催する。 2012年度診療報酬改定において、糖尿患者に対するチーム医療として、「糖尿病透析予防指導管理料」が350点というきわめて高い点数で新設された。しかし、臨床現場からは「算定を推進するにはどうしたらよいのか?」という声が多く聴かれている。 このような臨床現場の声に応えるために、組織的算定のポイント解説に加え、多数算定している各地の病院の推進の工夫も紹介する。過去開催の2回のセミナーはいずれも満員で、今回が3回目。算定推進のためのより実践的なワークショップや対象患者抽出のデータベース作成や栄養指導ツールの作成も行う。 講師は、本管理料の1,000件以上の算定実績をもつ平井愛山氏(千葉県立東金病院院長)。 概要は次の通りである。・日時 平成25年3月21日(木) 13:00~・会場 株式会社日本医療企画5Fセミナールーム   (〒110-0033 東京都千代田区神田岩本町4-14 神田平成ビル)・対象 医師、看護師、管理栄養士、療養指導士、事務職等・定員 50名・受講料 21,000円(税込・『「糖尿病透析予防指導管理料」算定ハンドブック』1冊含む)・プログラム 講演 組織的な算定推進のポイント  ワークショップ1 対象患者抽出の為のデータベースを作る  ワークショップ2 透析予防の栄養指導ツールを作る  総合検討■詳しくは日本医療企画まで

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(50)〕 降圧薬併用にNSAIDsで、急性腎障害が増加する!-多剤併用にご用心

薬剤による腎障害は、腎臓が多くの薬物の排泄臓器であることから、急性腎不全の重要な原因であり、臨床家は薬剤の使用にあたって、常に薬剤に起因する腎障害のリスクに配慮することが望まれている。数ある薬剤の中でも、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、その汎用性から、多くの使用機会があり、注意が必要とされる薬剤の一つである。とくに高齢者は複数の疾病を併存することが一般的であり、個々の疾病に沿ったガイドラン治療は、多くの場合、併用薬物によるリスクまでは十分に言及されていないのが現状である。 本論文は、およそ50万人のコホートを対象に、降圧薬、中でも降圧利尿薬、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬と、NSAIDsの併用による腎障害の発症リスクを解析した論文である。急性腎障害の判定は、ICD-10の診断コードに基づいている。 CKD診療は、腎保護と心血管保護とを両立させることが大きな目標である。降圧薬は高血圧合併のCKD診療において重要な地位を占めているが、これまでの臨床研究からは、その期待に反する結果をもたらす実態が明らかになっている。とくにRA系阻害薬では、併用による有害作用が報告されている。たとえば、RA系阻害薬同士の併用は、ALTITUDE試験やONTARGET試験において、腎機能障害を増加させることが示唆されている。また、RA系阻害薬と降圧利尿薬との併用は、GUARD試験およびACCOMPLISH試験で、尿蛋白改善とeGFR低下という腎保護効果に乖離が認められ、腎イベントの増加をもたらした。本研究では、RA系阻害薬、降圧利尿薬およびNSAIDsの、三剤併用により30%の急性腎障害の増加が認められ、その発症の多くは30日以内であり、改めて降圧薬の腎障害リスクに警鐘を鳴らすものとなった。 多くの臨床研究は、結果をもたらすメカニズムを証明することはできない。この研究も例外ではないが、著者らは本論文中に、“Biological Mechanism”の一節を設けて、降圧利尿薬とNSAIDsの併用下では、腎血流の低下(体液量の減少)と輸入細動脈の収縮(プロスタサイクリンの合成抑制)が起り、angiotensin IIを介する輸出細動脈の収縮と、ナトリウム貯留によって糸球体濾過量が保たれていること、RA系阻害薬がこのようなangiotensin IIの生理的な機能を抑制することにより、有害作用をもたらすことに言及している。局所性RA系が、さまざまな臓器障害をもたらすとする仮説が提示され、これまでにしばしば、RA系抑制薬の “降圧を超えた臓器保護効果”が訴求されている。しかし、これまでの大規模臨床研究の結果は、必ずしもこのような作用の存在を支持している訳ではない。 今一度、生体の恒常性を維持する生理的システムとしてのRA系の役割に対する認識を新たにすることが、必要ではないか。

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腎同種移植片拒絶反応の未知の表現型を同定、高い移植片喪失リスク示す/Lancet

 フランス国立保健医学研究所(INSERM)のCarmen Lefaucheur氏らの研究グループは、腎同種移植片の拒絶反応の未知の表現型として、「抗体関連型血管性拒絶反応(antibody-mediated vascular rejection:ABMR/V+)」を同定したことを、Lancet誌2013年1月26日号(オンライン版2012年11月23日号)で報告した。このタイプの拒絶反応は全体の約2割を占め、移植片喪失リスクが既知のタイプの拒絶反応に比べて高いこともわかった。現在の国際分類では2つの急性拒絶反応の表現型(T細胞関連型拒絶反応、抗体関連型急性拒絶反応)が示されているが、表現型とアウトカムの臨床的関連は複雑なため、その同定は困難であり、見逃されている表現型が治療に直接悪影響を及ぼしている可能性があるという。拒絶反応のパターンを地域住民ベースの調査で評価 研究グループは、腎同種移植片拒絶反応の表現型の特性を評価して抗HLA抗体との関連を同定し、予後を正確に予測することを目的に、地域住民ベースの調査を行った。 1998年1月1日~2008年12月31日までに、パリ市のNecker病院およびSaint-Louis病院でABO適合型腎移植を受けた患者を対象とした。フォローアップは2010年3月31日まで行われた。急性拒絶反応をきたした患者の生検標本を調べ、移植片の機能低下と病変の病理組織学的な特性の関連に基づいて定義づけを行った。 主要評価項目は腎同種移植片喪失(再透析)とした。さらに、拒絶反応のパターンを検討するために、移植片の組織像、生検標本のC4d沈着、ドナー特異的抗HLA抗体を調べることで、拒絶反応エピソードのレトロスペクティブな評価を行った新たな治療法の開発につながる可能性も 2,079例が主解析の対象となり、そのうち302例(15%)が生検で急性拒絶反応を証明された。拒絶反応例の平均年齢は45歳(非拒絶反応例49歳、p<0.0001)、男性が49%(同:69%、p<0.0001)、再移植例は40%(同:12%、p<0.0001)であった。 以下の4つの腎同種移植片拒絶反応パターンが同定された。1)T細胞関連型血管性拒絶反応(TCMR/V+、26例、9%)、2)抗体関連型血管性拒絶反応(ABMR/V+、64例、21%)、3)T細胞関連型非血管炎性拒絶反応(TCMR/V-、139例、46%)、4)抗体関連型非血管炎性拒絶反応(ABMR/V-、73例、24%)。 このうちABMR/V+は、これまで認識されていない表現型であり、循環血中のドナー特異的抗HLA抗体による動脈内膜炎で特徴づけられた。 TCMR/V-と比べた場合の移植片喪失のリスクは、ABMR/V-が2.93倍(p=0.0237)で、ABMR/V+は9.07倍(p<0.0001)に達していたが、TCMR/V+ではハザード比が1.5であったものの有意差は認めなかった(p=0.60)。 著者は、「現在の腎移植片拒絶反応の分類にはないタイプの拒絶反応――抗体関連型血管性拒絶反応(ABMR/V+)――を同定した。この移植片喪失リスクが高い拒絶反応が広く知られるようになれば、抗HLA抗体を標的とした戦略など新たな治療法の開発につながり、多くの腎同種移植片が救済される可能性がある」と結論している。なお、これらの知見は、マウスモデルで確立されている動脈硬化の免疫学的な進展の概念がヒトでも支持されることを示唆するという。

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月1回のペギネサチド、週1~3回のエポエチンに非劣性/NEJM

 貧血を伴う血液透析患者に対し、赤血球造血刺激因子製剤(ESA製剤)のペギネサチド(本邦未承認)の月1回投与が、エポエチン週1~3回の投与と同程度の効果であることが明らかにされた。米国・Hofstra North Shore–LIJ School of MedicineのSteven Fishbaneらが第3相オープンラベル無作為化試験「EMERAL1、2」を行った結果、報告した。NEJM誌2013年1月24日号掲載より。ペギネサチド月1回投与とエポエチン週1~3回投与を比較 研究グループは、血液透析患者1,418例を対象にした、2つのオープンラベル無作為化試験(EMERAL 1:693例、EMERAL 2:725例)を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはペギネサチドを月1回投与し、もう一方の群には継続してエポエチンを週1~3回投与した。投与量は、ヘモグロビン値を10.0~12.0g/dLに維持するように調節し、52週以上継続した。 主要エンドポイントは、試験開始時のヘモグロビン値から評価期間(29~36週)の平均ヘモグロビン値への変化量の平均値とした。 また、心血管イベントに関する安全性について、EMERAL 1、2と、血液透析をしていない患者を対象にした別の2つの試験を併せて評価した(被験者総数2,591例)。同安全性評価に関するエンドポイントは、総死亡、心筋梗塞と、うっ血性心不全、不安定狭心症、不整脈による重度有害事象の複合とした。安全性に関する複合イベント発生リスクも、有害事象リスクも同等 その結果、ペギネサチドはエポエチンと比較してヘモグロビン値の維持について、事前に規定した基準により非劣性であることが認められた。主要エンドポイントのヘモグロビン値の平均群間差は、EMERAL 1が-0.15g/dL(95%信頼区間:-0.30~-0.01)、EMERAL 2が0.10g/dL(同:-0.05~0.26)だった。 また安全性に関する複合エンドポイント発生率も、非透析患者も合わせた4試験の結果では、ペギネサチド群22.3%に対し、エポエチン群21.6%と、ハザード比は1.06(同:0.89~1.26)だった。EMERAL1、2の結果では、同ハザード比は0.95(同:0.77~1.17)だった。 有害事象、重度有害事象の発生率も、EMERAL試験の各治療群で同程度だった。プールコホート解析でも、心血管安全性についてペギネサチドと対照ESAは同程度であった。

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「ヒヤリ・ハット」、先生は報告してますか?記名or匿名?電子or紙?実態大公開

診療中、検査中、手術中、「おっと危ない」と心のなかでつぶやいたこと、ありませんか?「ひょっとしてとんでもない事態になっていたかも」と大汗をかいても、喉元過ぎれば…でまた繰り返してしまったり。最近は「とにかく報告をあげろ」という病院も増えているようですが、果たして防止策につながっているのか?責任追及や懲罰は?具体的なエピソードと共に、一挙公開します!コメントはこちら結果概要3人に1人が月に一度以上ヒヤリ・ハットを経験、最も多いシーンは『薬剤の処方・投与』日々の診療でのヒヤリ・ハットの経験頻度について尋ねたところ、『週に一度』(5.7%)『月に一度』(26.3%)を合わせ3人に1人が月に一度以上は何らかの形でヒヤリ・ハットに遭遇していると回答。一方『なし』とした医師は全体の14.4%。内容別では『薬剤の処方・投与』『治療・処置』『転倒・転落』と続くが、「報告は形式的で成果が上がっていない。誤薬と転倒のみが表立っていて、もっと問題視すべき事象は表に出ないまま」「報告数を増やすため些細なものも報告している」などの他、「“報告すること”が目的化してしまい、有効な対策の検討にはつながっていない」といった声も挙がった。経験医師の約6割が『報告しないことがある』、最も多い理由は『レポート作成が手間』そうしたケースに遭遇した場合の報告の有無について尋ねると、全体の41.1%が『全て報告する』と回答。その他の医師の“報告しない理由”として、『レポート作成に手間がかかるため』46.0%、次いで『院内に報告の仕組みがないため』『報告しても事故予防に役立たないと思うため』と続く。『責任追及される、評価・懲罰に関わるため』とした医師は全体の2.2%。しかしその内訳は勤務施設によって異なり、診療所・クリニックにおいては『報告の仕組みがない』が約6割に上った。報告システムの電子化進むが、「かえって面倒」との声も施設の報告体制・安全対策として、4割近い医師が『スタッフ用マニュアル』『定期会議での検討・分析』『研修・セミナー』があると回答。当事者を明らかにするか否かについては、『記名式』35.5%、『匿名式』17.2%であった。報告手段については『紙ベース』44.9%、『電子化された報告システム』32.3%となったが、電子化システムの導入について施設別に見ると、一般の病院では26.5%だったのに対し、参加登録申請医療機関では60.2%、報告義務医療機関では70.1%となった。しかし前述の“報告しない理由”で『レポート作成が手間』とした医師は、報告義務医療機関では66.3%に上り「紙ベースの時のほうが報告しやすかった」「面倒なシステムだと、文化以前の段階で敬遠されてしまう」といった声も見られた。設問詳細ヒヤリ・ハットおよびその報告についてお尋ねします。昨年12月21日のCB医療介護ニュースによると、『日本医療機能評価機構は20日、今年7-9月の四半期に報告を受けた医療事故情報が、同機構が医療事故情報収集・分析・提供事業を始めた2004年10月以降で最多の814件だったことを明らかにした。(中略)同機構によると、9月末現在、報告が義務付けられている国立病院や特定機能病院など「報告義務対象医療機関」は273施設で、自主的に事業に参加している「参加登録申請医療機関」は637施設。7-9月は、157施設の報告義務対象医療機関から計726件、29施設の参加登録申請医療機関から計88件が報告された。同機構の担当者は、前年の報告数が約2800件に上ったことや、今回、四半期としての記録を更新したことから、「事故を報告する文化が定着しつつあるのではないか」と話している(略)』とのこと。医療事故につながる事例として「ヒヤリ・ハット」あるいは「インシデント」があります。日本医療機能評価機構による「ヒヤリ・ハット」の定義は以下です。(1)医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。(2)誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例または軽微な処置・治療を要した事例。ただし、軽微な処置・治療とは、消毒、湿布、鎮痛剤投与等とする。(3)誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例。そこで先生にお尋ねします。Q1.日々の診療におけるヒヤリ・ハットのご経験について過去1年間で最も近い頻度をお選び下さい。週に一度月に一度半年に一度年に一度なし(Q1で「なし」を選んだ方以外)Q2.どのような場面でヒヤリ・ハットを経験しましたか?当てはまること全てをお選び下さい。治療・処置薬剤の処方・投与ドレーン・チューブ類の使用転倒・転落検査医療機器の使用輸血その他(Q1で「なし」を選んだ方以外)Q3.経験したヒヤリ・ハットへの報告の有無についてお答え下さい。全て報告している報告しないことがある全く報告しない(Q3「全て報告している」を選んだ方以外)Q4.報告しない理由について最も当てはまるものをお選び下さい。レポート作成等に手間がかかるため責任追及されるあるいは評価・懲罰に関わるため報告しても事故予防に役立たないと思うため院内に報告の仕組みがないためその他Q5.ご勤務施設のヒヤリ・ハット報告体制、および医療安全対策について当てはまることを全てお選び下さい。電子化された報告システムを導入している報告書は紙ベースである報告は匿名式である報告は記名式である報告されたヒヤリ・ハットに関し定期的な会議にて検討・分析している報告件数・内容などが集計され院内に発表される医療安全に関わる研修・セミナーを実施しているスタッフ用医療安全マニュアルがある上記全て当てはまらないQ6. コメントをお願いします(具体的なエピソード、防止策、報告に関する勤務施設内での対応方針、報告したことによる評価・責任追及・懲罰の有無、その他ご意見など何でも結構です)F1. 先生が勤務されている施設を以下からお選び下さい。おわかりにならない先生は「上記以外」からお選び下さい。「報告義務医療機関」とは国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所独立行政法人国立病院機構の開設する病院学校教育法に基づく大学の付属施設である病院(病院分院を除く)特定機能病院「参加登録申請医療機関」とは上記以外で医療事故情報収集等事業の参加に希望する医療機関報告義務医療機関参加登録申請医療機関上記以外の病院(20床以上)上記以外の一般診療所・クリニック(19床以下)その他F2. 年代F3. 診療科2013年1月17日(木)~18日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「報告自体が医師の負荷を増しているのが悩ましい」(40代,内科,上記以外の病院)「同じような失敗が性懲りもなく繰り返されるが、対策を立てると減少する事例、患者サイドの要因が大きくなかなか減少しない事例がある。」(40代,脳神経外科,上記以外の病院)「報告システムはあるが形式的で結局なにも成果があがっていない。 誤薬と転倒のみが表立っていてもっと問題とするべき事項は表に出ないまま終わっている」(50代,神経内科,報告義務医療機関)「薬剤名の間違い(電子カルテで上下の段にある薬を誤って処方してしまう)がほとんど」(60代以上,耳鼻咽喉科,上記以外の一般診療所・クリニック)「他職種のヒヤリハットであっても、全て医師が患者や家族に説明する体制になっていてなんとなく腑に落ちないときがある」(40代,精神・神経科,上記以外の病院)「どの程度から報告したらよいか悩むことがある。今回、報告しなかったのは子どもが診察室の椅子で暴れて落ちそうになったことであり、ヒヤリハットの定義に当てはまらないと思われるが、転落してケガをしたら報告しなくてはならない。小児科であり、今回と同様のことをすべて報告していたらきりがない。以前の病院では、名前を伏せたレポートを冊子化しており、“こんなことが起こりうるのか”“このように注意したらよいのか”など参考になることがあった。レポートを提出することで注意されたり非難されたりしたことは一切なかったので、その環境はレポートを提出しやすくなるので大切」(60代以上,小児科,上記以外の病院)「ただ単に報告するだけでは、重大事故は防げないと思う。重大事故が既に過去に生じているから「ヒヤリ・ハット」と認識できるのであり、それだけでは新たな重大事故防止に不十分であると思うからです。報告することが目的のように勘違いされている風潮があります。重大事故を想像・想定する一歩進めたKYT(危険予知トレーニング)をもっと重視するべき」(50代,外科,上記以外の病院)「エピソードの報告があっても、原因・対応策の真剣な取り組みが見られないし、指導する者が居ない」(60代以上,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「医師は本来業務が煩雑で、ヒヤリ・ハットが多いが、忙しすぎていちいち報告できないのが現状」(40代,内科,上記以外の病院)「インシデント・アクシデントの報告は病院にとって宝であり、原則責任追及や懲罰はなく、特に発見者や対応策の提示者には表彰があります。」(40代,内科,上記以外の病院)「ピリン禁忌の患者にピリン系薬剤を処方し薬剤師より注意された。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「電子カルテを最近導入したが,処方の際に小数点が落ちてしまったり,前回処方をコピーしようとして 前々回の処方をコピーしたりすることがある。電子カルテの操作性や,日付順に記載内容が表示されない など,電子カルテそのもののできが悪いとしか言いようがない。」(50代,小児科,報告義務医療機関)「昔なら問題にすらならないようなことまで、問題にされる傾向である。」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「事故を起こした個人の責任とせず、組織で再発防止を考える最近の流れに、大いに賛成しています。 昔は、ひどかった・・・。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「ミスは誰にでもあるので、個人的な責任を問わないという姿勢も大事だとは思うが、明らかにミスを繰り返す傾向のある人もいる。その人に対して、どう対応すればいいのか?」(50代,小児科,上記以外の病院)「事故を報告する文化の醸成が重要、文化のないところにシステムを構築しても機能しないのではないかと思う。それと、報告システムの手間の軽減策、あまりに面倒なシステムだと、それが足かせとなって文化以前の段階で敬遠されてしまう。」(50代,消化器科,報告義務医療機関)「後日、重要なものについては医療安全管理室から事情聴取がある。」(60代以上,麻酔科,その他)「codeblueの館内放送が流れない部屋があったり、ブレーキの壊れた車椅子で院外に出た患者が危うく交通事故に合いそうになったりなど。」(60代以上,救急医療科,その他)「対策はしても責任追及はしない。あまりに報告が少ない部署は、むしろ要注意。」(50代,整形外科,上記以外の病院)「オカーレンスレポートを提出した事がありますが、某教授から退職するように強要されました。責任を追及しないなんて全くの嘘ですので。」(50代,循環器科,上記以外の一般診療所・クリニック)「責任追及ではないので、報告することで病院機能改善の方向に向かうと考えている。」(50代,耳鼻咽喉科,参加登録申請医療機関)「自身も含めインシデント・アクシデントの報告・連絡・相談は思うように行かない・・というのが実感」(40代,内科,上記以外の病院)「玄関前が凍結しており、患者が転倒することがあった。打撲程度であり、患者家族にも理解をしてもらえた。それ以後、翌朝凍結が予想されるときには診察終了時に玄関前に凍結防止剤(塩)を散布し、朝には湯をかけて凍結転倒しないよう配慮している。」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「報告件数・内容などが集計され院内に発表され対策会議にて再発予防策を策定しています。」(50代,泌尿器科,上記以外の病院)「自分自身、規格違いの内服薬の誤処方、静注薬の過量投与などを起こしたことがあるが、インシデントが起きたことを患者に説明すると、院長名の文書で具体的な改善策を求められ、患者側の意識が以前より高くなっていると感じる。当院ではレベル3b以上では、緊急に医療安全管理委員会が開かれて対応を協議している。報告は原則として安全管理システムの向上を目的としており、当事者の責任追及や懲罰はなされないのが通常の対応であるが、分析によって明らかに当事者個人の対応に問題があった場合はあり得る。」(50代,小児科,参加登録申請医療機関)「以前勤めていた病院で、手術中のエピソード(腰椎麻酔下での血圧低下と一過性の呼吸抑制のため一時術野から手をおろし対応)を報告したら、現場を知らない事務方に医療事故対応をとられる寸前のところだった。県立大野病院の事件の直後の頃である。ヒヤリ・ハットの報告も大事だが、関わるすべての人にきちんと責任をもってもらいたい。」(40代,産婦人科,上記以外の一般診療所・クリニック)「絶対ベッド上安静の患者(認知症なし)が勝手にベッドから降りようとして転倒した。 少ないスタッフでの看護にも限界あり。」(40代,整形外科,上記以外の病院)「外来での処方忘れや、看護師への細かい指示の行違い等、報告しているとキリがない。これらを無くすることは現実的には無理だと思う。 報告すべき事例と、しなくても良い事例の線引きが困難である。 」(40代,循環器科,報告義務医療機関)「ヒヤリハットの範囲が不明確である。処方での入力ミス(非危険薬):用法用量などがキーの入力ミスで 入力後気づく、あるいは薬剤師からの疑義解釈で気づくなどの場合、ヒヤリハットといえるか必ずしも明確でない(手書きでは起こらないことが電カルでは頻繁に起こる)。」(60代以上,リウマチ科,上記以外の病院)「電子カルテシルテムの様式が煩雑でハードルが高い」(50代,眼科,参加登録申請医療機関)「無床クリニックでの安全体制って、皆様いかが取り組んでいらっしゃるのか、知りたいところです。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「研修医は直属の上司がはっきりしないため、報告システムが確立していない。」(30代以下,内科,報告義務医療機関)「よく似た名前の患者は、呼名で確認しても患者がハイと返事するので困った。番号で呼ぶのが良いかもしれない。」(50代,腎臓内科,上記以外の病院)「定期的に発信していかないと、報告数が減少してしまいます。報告者への責任や懲罰はありませんが、個別にはいろいろともめる原因になっているようです。」(40代,産婦人科,参加登録申請医療機関)「日常業務に差し支えのない程度の簡単な報告様式にするか、事務が書いてくれるなどしてくれるといいのだが。」(30代以下,産婦人科,報告義務医療機関)「外来処方時の日数間違えなどは登録していません。 入院中の点滴オーダー忘れや検査で有害事象が起きたときはすべて報告しています。」(30代以下,循環器科,その他)「当院では報告しても周囲に報告やお知らせなどせず、反映されていない」(40代,整形外科,報告義務医療機関)「もっと簡単なフォーマットになっていればいいと思います。」(40代,その他,報告義務医療機関)「うちの施設では、犯人探しになってしまうことが多い」(40代,呼吸器科,上記以外の病院)「電子カルテになって、電子化された報告システムになったが、紙ベースのときの方が報告しやすかった」(50代,外科,上記以外の病院)「懲罰はないが、あまりにひどい場合には依願退職した人もいる。」(60代以上,放射線科,参加登録申請医療機関)「報告による評価・責任追及・懲罰の有無はないとされているが、長期的に見た場合、全くヒヤリハット報告がない医師と、正直にすべて報告した医師とで、本当に評価の差が無いのか不安。」(30代以下,小児科,その他)「報告はある程度保存したあとは、残さないというルールでなければ報告は増えないと思います。」(40代,整形外科,上記以外の病院)「どこの病院でも医師からのインシデントレポート(ヒヤリ・ハット)は少ない。関係者が複数の場合、だれが報告を上げるかでも病院幹部の考え方が違っており統一されていない点が問題である。医療評価機構などが報告数を上げることを目的にしているように医師には思えてくるのではないか?真の医療の質の向上に結びついているという実感がないことが多いため報告しない可能性が高いと思う。」(50代,小児科,参加登録申請医療機関)「安全に対する対策費の増額が必要であるが、現状の医療環境の中で捻出が困難」(50代,消化器科,その他)「ワクチンの打ち間違えは痛かった。院長である以上、スタッフ全員に目を配らなければ。」(50代,小児科,上記以外の一般診療所・クリニック)「看護師による誤投薬で責任を取らされたことがあり腑に落ちない」(30代以下,呼吸器科,上記以外の病院)「処方箋の記入間違いがどうしても減らず困っています。」(50代,内科,参加登録申請医療機関)「医者は基本的にインシデント報告をしない人が多い気がします」(30代以下,精神・神経科,報告義務医療機関)「報告により責任追及は行われないことになっているが、誰が見ても防げる単純なミスなどはみっともないと思われるのは通常。どこまでを報告範囲とすべきか、決まっていないものもあり、手術時間の延長についても報告されない場合とされる場合がある」(40代,外科,報告義務医療機関)「MRM委員会と事例検討会が毎月開催されています。」(40代,呼吸器科,その他)「ヒューマンエラーは決してゼロにはならないとの観点から、ヒヤリハットの報告システムは重要と考える。しかし、報告したことや情報を収集したことで満足し、業務内容の改善等に生かされないのであれば意味がない。」(40代,血液内科,報告義務医療機関)「外来診察で高度の認知症のある別の患者が入室したことがあったが、診察終了までそれに気がつきませんでした。」(30代以下,皮膚科,報告義務医療機関)「病院首脳でヒヤリハット会議に出席しているメンバーに、ヒヤリハット事例の常連メンバーがおり、会議自体が形骸化している」(40代,内科,参加登録申請医療機関)「医師からの報告が少ないので、数字を増やすため、些細なものも報告している」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「報告しても、防ぐ手立てがないものが多い。今後、お互いに気をつけましょうで終わってしまう。」(50代,精神・神経科,上記以外の病院)

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降圧薬2剤併用にNSAIDsを追加併用、30日間は急性腎不全に注意が必要/BMJ

 利尿薬、ACE阻害薬あるいはARB、NSAIDsの組み合わせによる3剤併用制法は、急性腎不全リスクを増大することが、カナダ・Jewish General HospitalのFrancesco Lapi氏らによるコホート内症例対照研究の結果、報告された。リスクは、治療開始から30日間が最も強かったという。著者は、「降圧薬は心血管系にベネフィットをもたらすが、NSAIDsを同時併用する場合は十分に注意をしなければならない」と結論している。BMJ誌2013年1月12日号(オンライン版2012年12月18日号)掲載報告より。2剤併用とNSAIDsを追加した3剤併用療法の、急性腎不全リスク増大との関連を調査 研究グループは、降圧薬の利尿薬、ACE阻害薬あるいはARBの2剤併用療法に、NSAIDsを追加し3剤併用療法とした場合の、急性腎不全リスク増大との関連について調べた。 コホート内症例対照研究の手法を用いた後ろ向きコホート研究で、UK Clinical Practice Research DatalinkとHospital Episodes Statisticsデータベースから一般診療関連のデータを抽出して行われた。 主要評価項目は、直近の2剤または3剤併用療法との関連でみた急性腎不全の発生率[95%信頼区間(CI)]だった。3剤併用療法、開始後30日間の急性腎不全の補正後発生率比1.82 対象は、降圧薬を服用する48万7,372人であった。 平均追跡期間5.9年(SD 3.4)の間に、急性腎不全の発生が特定されたのは2,215件であった(発生率:7/1万人・年)。 全体として、利尿薬、ACE阻害薬、ARBのいずれかと、NSAIDsとの組み合わせによる2剤併用療法の利用者では、急性腎不全発生の増大はみられなかった。補正後発生率比は、利尿薬+NSAIDsは1.02(95%CI:0.81~1.28)、ACE阻害薬またはARB+NSAIDsは0.89(同:0.69~1.15)だった。 一方で、3剤併用療法の利用者では急性腎不全発生の増大がみられた。補正後発生率比は1.31(95%CI:1.12~1.53)だった。 また2次解析の結果、3剤併用療法で最も高率のリスクがみられたのは、使用開始後30日間だった。同期間の補正後発生率比は1.82(95%CI:1.35~2.46)だった(31~60日:1.63、61~90日:1.56、≧90日:1.01。またNSAIDs半減期別では、<12時間:1.29、≧12時間:1.77)。

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女性医師1,000人に聞きました!出産後の復職どうする?復帰にあたっての不安材料は

先生の勤務先には、出産後に職場復帰された女性の先生はいらっしゃいますか?あるいは先生ご自身がまさに子育て真っ最中でしょうか。いまや国家試験合格者の3割が女性である現在、妊娠中のフォロー、出産・子育て期間中の業務分担をどうするかは避けて通れない問題です。今回は女性医師1,000人に、出産後の復職についてどのように考えるか、経験者の方へは経験談をお尋ねしました。制度の利用、上司・同僚の反応、仕事と家庭生活の両立、キャリア形成の壁などいくつもジレンマを抱えていることが明らかに…セキララコメントも必見です!コメントはこちら結果概要約7割の女性医師が時短・非常勤の勤務を望むが、経験者の半数近くがフルタイムで復帰今後出産を考えている女性医師のうち、施設の別を問わず『短時間あるいは非常勤で復帰したい』と回答したのは約7割。一方、実際に出産した医師の経験で最も多い回答は『同じ施設にフルタイム勤務』で37.7%。『別の施設でのフルタイム勤務』(8.4%)と併せると約半数がフルでの復帰という結果となった。50代以上では「時短勤務どころか育休すらなかったため」「妊娠中・授乳中も当直した」「夜間の呼び出しに子どもを連れて行った」といったエピソードが多く寄せられた。経験者のうち『時短・非常勤』を選択した医師は若い年代ほど増えるが、30~40代においても「フルで復帰するか退職かを迫られた」「上司の理解がなく、制度があっても使えなかった」といった声が多数見られた。いちばんの不安材料は『子どもを預ける施設』、病院に勤務しながら病児保育探しに奔走産後の生活を検討する際の不安材料について上位3つまで選択してもらったところ、経験者から最も多く挙がったのが『保育所・病児保育など施設の利用』で48.9%に上った。「自院の保育所は看護師しか利用できない」「自分が手術中に、発熱した子どもをすぐ迎えに来るよう保育所から連絡がきて途方にくれた」といったコメントが寄せられ、通常の保育所の確保に加え、病院勤務にも関わらず病児保育探しに奔走していることを嘆く声が多く挙がった。一方「子どもはペットではない、長時間預けっぱなしにできれば解決する問題ではなく、医師全体での勤務時間短縮が必要」といった意見も寄せられた。同僚の厳しい視線、精神的に耐えかねて退職・転職も産後の復帰形態を大きく左右する要因として、“上司・同僚の理解”を挙げる声が多く寄せられた。「施設の制度が整っていても、『所属科の前例がない』と言われる」「産後の当直免除について男性医師から『オレにも子どもはいる』などと反対された」などのほか、子どものいない女性医師の視線がいちばん厳しいといった意見もあった。周囲の冷遇に加えて、同僚の負担が増えることへの申し訳なさから退職を選んだとする回答も。子どものいる女性医師だけの問題ではなく、医師全体が過重労働であることの改善が必要との声も挙がった。家族の協力の有無に大きく左右される復帰形態特にフルタイム勤務の継続に関し、家族(特に実母)の育児協力の有無が大きいとした意見が多かった。実家から遠いその他の理由で協力が得られない状況の場合、時短・非常勤勤務を選ばざるを得ない医師が多いこともコメントからうかがえる。一方、「子どもはほとんど母が育てたようなもので、それでよかったのか疑問」といった声も。また夫も医師という場合は特に家事・育児への協力が得られない場合が多く、「夜中に患者が急変し、寝ている子どもをおいて出かけざるを得ず、綱渡りのような生活」など、周囲の環境と子ども、自分の心身のバランスに疲弊する日々を“綱渡り”と表現する医師も複数見られた。描いていた将来像に必要な知識・経験の不足から、やむなくキャリア転換も今後出産したいとする医師の最大の不安点として、『現場感覚の薄れ』『技術・知識の遅れ』が挙げられた。実際に経験者からは、「勉強や学会参加など自己研鑽に充てられる時間が大幅に減った」「病棟を担当できず知識・経験を蓄積できないため専門医取得ができないまま」、その他、本来の専門をあきらめ転科あるいは産業医や公衆衛生関係などに転向したというケースも寄せられた。設問詳細女性医師の出産後の復職についてお尋ねします。12月3日の長崎新聞によると『厚生労働省の2010年の調査によると、医師は全国に約29万5千人おり、そのうち女性は18.9%の約5万6千人。県内でも医師4062人のうち、15.3%の621人が女性で、1996年の327人からほぼ倍増した。20年後には医師の4人に1人が女性になるのではないかともみられている。しかし、医師不足などを背景に産休や育児休暇を取りにくいなど、職場環境が整備されていないために妊娠、出産を機に辞めてしまうケースもある。女性医師が増える中でそうした課題を放置しておくことは、医療崩壊を招く原因にもなるという(略)』とのこと。そこで先生にお尋ねします。Q1.ご自身について当てはまるものをお選び下さい。1.配偶者あり、子どもあり2.配偶者あり、子どもなし3.配偶者なし、子どもあり4.配偶者なし、子どもなしQ2.出産後数年間について、どういった働き方を選びたいですか?出産された方は当時の選択に近いものをお答え下さい。1.出産前と同じ施設にフルタイム勤務2.出産前と同じ施設に短時間あるいは非常勤で勤務3.一度退職し、別の施設でフルタイム勤務4.一度退職し、別の施設で短時間あるいは非常勤で勤務5.退職し、医師としての仕事はしない6.子どもをもうけるつもりはない7.その他(Q2で「子どもをもうけるつもりはない」を選択した方以外)Q3.出産後の生活をどうするか検討するにあたり、特に不安に感じることはありますか?出産された方はその当時の考えをお選び下さい(3つまで選択可) 1.医療技術・知識が遅れること 2.臨床現場の感覚が薄れること 3.勤務施設内で、短時間・非常勤勤務などの仕組みが整備されていないこと 4.勤務施設内で、先輩女性医師の実例があまりないこと 5.職場の同僚・上司の、理解・協力が得られるかどうか 6.託児所・保育所・病児保育など子どもを預ける施設の利用について 7.専門医など資格取得について 8.診療科選択、留学の有無などキャリア形成について 9.自分の働き方に対する、夫・家族との考えの違い10.仕事と家庭生活との両立について11.特にない12.その他Q4.コメントをお願いします(Q2.3の選択に関して思うこと、周囲の方を含め具体的なエピソード、出産された方は想像していたことと現実とのギャップ、施設や社会に望むことなどどういったことでも結構です)2012年12月19日(木)~29日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の女性医師コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)【子どものいる医師】「託児所等は子供が病気になったとき預かってくれません。医療施設に勤めているのだから、そうなった時のサポートを配慮してくれたらいいのにと思いました。」(40代,内科,その他)「男性医師の感覚では、最も理解のある方々でさえ、子供を長時間預かる施設や病児保育所さえ開設すればよいと考える人が多いですが、子供はペットではないので勤務時間の短縮は不可欠。また、そして勤務時間短縮によってまず諦めなければいけないのは学会活動や研究、自己研鑽の時間となります。今の状況で子育て中の医師がバランスのよいキャリアを築くことはほぼ絶望的です。」(50代,麻酔科,一般病院)「17年前に第1子を出産。先輩女医の実例がほとんどなく、妊娠判明と同時に退職、医局に戻らされる状態でした。医局でも特に仕事に対する義務や強制はなく、自然と仕事の割合が減り家庭に入っていくという状態でした。しかしそれが前例となり、どんどん後輩達も出産後は当直なし・パートと負の連鎖となり、むしろ医局崩壊の一原因になったように思います。組織としての女医の未来のビジョンがあったらと思います。」(40代,小児科,一般病院)「医師としてキャリアを積むには病棟管理は必要。となると緊急呼び出しにも対応せざるを得ないが、子供が小さいうちは、夜間でもいつでも頼める人がいないと難しい。年老いた母に気軽に毎回お願いするのも気が引ける。信頼できる第三者にはなかなか巡り会えず、結局自分が非常勤でみている。外来だけで専門医の知識・経験の蓄積は難しいです。本当はフルタイム勤務したい。家事育児のサポートが必要。」(40代,腎臓内科,一般病院)「出産は女性にしかできないが、育児、家事は男性でもできる。男性の家事育児への積極的な参加が必要と思われる。男性は参加しているつもりでも、女性にしてみればまだ不十分と思うことはたくさんある。育児についての支援は、女性ばかりでなく、男性にも反映されるものである。」(40代,内科,一般病院)「出産前後で勤務先を変えるかどうかは出産前の勤務先が短時間勤務でも可能か、自宅から通いやすいか、職場での理解が得られるかなど、様々なことに影響されると思います。実際に産後、復帰に向けて勤務先と調整をしていく中では、事前に話し合っていた条件と少しずつずれる場合もあり、育児をしながらの復帰についてはまだまだ理解が得られにくいと感じています。保育園は長時間預かってもらえますが、小学校は下校が早い日も多く、仕事と育児の両立がより難しい。地域によって、学童保育の終了時間も様々なようです。」(20代,精神・神経科,一般病院)「勉強をする時間がない、病棟を持ちづらくなる、家事の負担は大きくのしかかる、加えて、とくに教育機関病院の場合診療時間を超えた仕事(研究会発表、学生の勧誘、指導など)ができないことで、年齢を重ねフルタイムで働いていても立場は研修医と同じ、それが現実です。」(40代,血液内科,大学病院)「祖父母の応援がない、子供が病気がちなど、どうしても突発での休み・早退が避けられないことがあります。特に医師は男性的社会なので育児に関して理解のない人が多い。『男性社会』でなく『男性的社会』というのは女性医師であっても理解のない人が数多くいることを指します。意識改革をしなければ働きにくい職場が減らず、復職しない又はフルタイムで働かない女性医師が増え、医師不足はどんどん加速すると思います。」(40代,放射線科,一般病院)「当時は院内保育所はあっても女医は利用できず、看護師さんのためだけのものでした。病院から一番近い保育所に預けましたが、手術中に保育所から電話がかかり、子供が発熱したのですぐに迎えに来て欲しいと言われ途方にくれたことがありました。「あと3時間何とかみていて欲しい、責任は自分が取るから」とお願いしたことが忘れられません。結局5時間後となり、保母さんたちから白い目で見られ針の筵のように感じました。病児保育がなかったことが一番つらいことでした」(50代,皮膚科,一般病院)「院内保育に預け、時短で勤務しています。時短ゆえ主治医免除なのですが、主治医制なので、担当がなく手持ち無沙汰なことも。周りは担当患者の仕事で忙しくしている中、どう観られているのだろうと気になります。手術も第2助手程度で、後輩たちが助手や執刀医として手術するのに焦りを感じます。かといって、主治医になって、こどもがインフルエンザにでもかかろうものなら遅刻、早退となりかねず・・・キャリアは頑張ればいつでも積めるが、子育ては今しかできない、そう言い聞かせて毎日仕事に向かっています。朝6時から夜11時、12時まで仕事をしているときにはつらいと思ったことはありませんが、今の勤務の方が精神的につらい。意外でした」(30代,産婦人科,大学病院)「勤務先は女性に優しい職場で、出産後は復帰を考えていました。 が、つわり時に半休を月1-2回取った時点で、”今後絶対に休まないという100%の保証ができないなら、年度末に辞めてもらう”と言われました。結局、妊婦検診のときの代診も他科Drに頼んで、必死で産休までつなげて職場を去ることになりました。産前、産後に使える制度があっても上司、同僚がそれを認めなければ何の意味もないと思いました。」(40代,腎臓内科,その他)「近くに頼れる親類がいないため、子供の急な病気の時や休日出勤、出張などで困る。自分はバリバリ働くタイプだと思っていたが、子供の病気の際などは置いて出たり病児保育に預けるのもはばかられ、結局比較的自由のきく研究職にとどまっています。一番仕事のできる30代をこのように過ごしてしまい、今後自分が医師としてどうやって生きていけばいいのかわからなくなることが多い。」(40代,消化器科,その他)「子供は急に病気をします。事前に急病時の体制を依頼し事務長も了解との事でしたが、実際は『代替えの医師はいない』と言われ困った記憶があります。診療所出向時は、3歳児と一緒に出勤した事があります」(50代,内科,一般病院)「子育てというと『3歳あるいは就学まで』ととらえられがちですが、子供の成長を見守る上では少なくとも大学入学までは親の目(見守り)が必要。子供一人あたり約20年間という長い目での支援が望まれます。具体的には小学生・中学生をひとり置いて、宿泊を伴う学会参加はかなりの困難が伴います。 未就学児であれば学会で託児が可能ですが、小学生以上はそれもありません。いざという時に子供を夜間、安心して任せられるサービスがあればと思います。保育園・学校・職場・学会活動、いつも「すみません」と謝ってばかりでちょっと疲れます。(心の中では「悪いことをしている訳ではないのに…」と独り言を言っていますが)」(50代,神経内科,一般病院)「どんな形でも働き続けていれば、いつかは貴重な戦力となりうる。子育ても社会貢献であり、プライベートなこととして切り捨てない社会であってほしい。子育ての経験は、患者に共感できる医師になるために大切」(50代,内科,診療所)「法的に産休があっても、教師の産休用員のような補填システムがないため同僚に多大な迷惑をかけることになり、精神的に非常につらい。また産休は6週(今は8週)しかないが、0歳児を預かる認可保育所でも4月時点で6カ月になっていなければ入れず、無認可保育所で浪人しなければならない。そういう制度の矛盾が障壁」(60代以上,内科,その他)「産休以外は働いてきました。子守りは両方の親に助けてもらいながら、2人目の出産後は夫の実家に同居。当時は出産した女性Drが復帰すること自体珍しく、出産前後の当直を免除する規定さえ院内にはありませんでした。妊娠4カ月目で当直の夜中にDOAがきて心マッサージをしながら病棟に挙げ、その後お腹が張って具合が悪くなり、やっと診療部長に当直免除を申し出たことを覚えています。今はだいぶん環境が整備されてきましたが、女性側から妊娠出産に関連する要望を主張しにくい雰囲気は続いていると感じます。また現在の女性医師復帰援助の流れ自体、『医師が不足しているから』であって、女性医師の生涯の負担の大きさについて本当に理解し改善しようとしているわけではないのではと皮肉に考えてしまいます。」(50代,神経内科,一般病院)「復帰に向けての研修制度のようなものがあれば利用したかった。フルタイム=朝から夜まで(残業有)の勤務・病棟主治医(休日回診、呼び出し有)と、パート=時短・外来のみの格差がありすぎ。もっと負担を軽減しながらも臨床の仕事が可能な制度の確立が必要と感じる。」(30代,消化器科,一般病院)「周囲の環境整備もとても大切ですが、一番大事なのは、子育てを楽しみながら、医者として第一線でよい仕事がしたいという高いモチベーションだと自分の経験上、確信しています。」(60代以上,眼科,大学病院)「専門医取得準備期間中に産休になりました。年齢的にも女性は専門医取得と出産は重なりやすいと思う。認定機関に連絡したところ、『産前6週、産前8週以上休むと専門医取得要件を満たさないため1年遅れになる』とのこと。産後8週の時点でまだ帝王切開の傷が痛んだし、歩くだけで痔になる状態での復帰をしましたが、産前産後の体調は全員が良好とは限らない。母乳も出ていたのにあきらめました。専門医を同級生が取っていく中で自分だけ遅れたくないとの思いで頑張りましたが、産休期間の取り扱いについてもう少し選択肢の幅を持たせてほしい」(30代,泌尿器科,一般病院)「女性医師は転地・休職・復職を余儀なくされがちである。その是非はさておき、キャリアが途切れがちであるからこそ資格取得は必須と考えられます。産休中の自宅学習についてプランニング・指導など厚生労働省が主導となりe-learning,各大学、大学院との連携モデルを確立していただきたい。男性の育児休業取得に繋がるよう確固なシステム構築をお願いしたい。医師はその人口問題に介入すべき職種と考える」(50代,内科,一般病院)「周囲におられる年配の女医は家政婦を雇って開業医を続けている人が多く、比較的若い女医さんは実家のお母様が同居され手助けをうけつつ勤務医を続けている人が多いように思います。逆に親のサポートがない女医さんは、子供を保育園に預けて勤務時間を短くされています。常勤で勤務しようと思ったら両親(特に実母)のサポートが不可欠のように思います。」(40代,耳鼻咽喉科,診療所)「育児と大学でのキャリアの両立を目指している。第1子出産時は産休のみの取得で復帰したが、キャリア上に受けた不利益を思い出すとなかなか第2子妊娠に踏み切れない。」(30代,神経内科,大学病院)「優秀でかつ人間的にも申し分ない女医の知人の多くが子どもをあきらめている。 こうした女性が子供を産まないことは社会にとって損失だと思う。」(40代,眼科,大学病院)「今は良い時代になったと思います。私はこどもと一緒に当直もしましたし、重症の患児がいるときは自分のこどもと小児科病棟で寝泊まりもしました。病児保育も未だそれほどなかった。核家族で、夫が産婦人科医で、私がフルタイムで働くことは無理で、2人目から非常勤に。ロールモデルもいなかったし、なにより孤独でした。」(40代,小児科,一般病院)「周囲の人々の協力なくしては、女性医師が仕事を続けていくことは不可能。保育園、自分の親、兄弟、知人、近所のおばちゃんなど、子育てに総動員。悩む時間すらもなかった、あのころが懐かしいなあ・・・」(50代,整形外科,診療所)「勤務医では周囲の理解が得られず、結局開業医をえらびました。」(40代,内科,診療所)「Q3は全部選びたいぐらいでしたが、上位3つにしました。 医師は“卒後○年目”で見られるので、年数だけ経ってしまい、復職した際の研修・指導が十分ではないのでは、などの不安があります。 医局などでの位置も産前より低いところに置かれているように感じます」(30代,代謝・内分泌科,一般病院)「しばらくは義母に子どもを預けて当直もしていましたが、どうしても帰宅時間が遅くて家事ができなくなり、当直なしの外来のみの個人病院へうつりました。そこで数年間働きましたが、自分の専門の患者さんを診る機会がなくなって技術も知識も古くなってしまいました。もう本来の専門分野の一線では働けないとあきらめています。」(50代,小児科,その他)「いわゆる「昇進」は遅れましたが、出産後研究生活で学位取得、専門領域での研究、学会発表等、得るものはたくさんありました。ただ、専門外来で予約制でしたので、子供が具合悪くても休めず、朝早く実家の母に1時間半かけて出てきてもらうことがあり「自分の子供は診られないの」と言われたのが、辛く、申し訳なかったです。」(50代,内科,診療所)「医師になるまでに、多くの税金や学費が使われている。女医は、出産育児などある一定の時期は、仕事をペースダウンせざるをえない。しかし、どのようなかたちであれ仕事を継続しやめないことが、社会への還元として重要と考える。そういう覚悟をもって、現在、育児と仕事を継続している。」(40代,耳鼻咽喉科,大学病院)「勤務先に病児保育室が併設されているのでとても便利です。保育園も勤務先から徒歩数分圏内。 発熱などで、園から連絡があったら、10分だけ仕事を中断し迎えに行き、そのまま病児保育室へ入れてます。恵まれた環境だと思います。育児が落ちつく数年間はお給料の安さや仕事の内容関係なく、今の環境で仕事する予定」(30代,小児科,一般病院)「当時は、フルタイムでの勤務でしたが、当直や病棟から外れて、外来、検査を中心とした仕事内容にかわりました。 周囲に女性医師が多く、経験した先輩に相談しながら、仕事を続けました。検査(心エコー)を中心に仕事をしましたが、のちにその仕事から、留学や論文に結び付き、帰国後の就職にも心エコーを中心の仕事に就くことができました。 出産を機に自分のできることが新たに見つかることもあるのだと思います。 若い先生にも、希望を持って仕事を続けていただきたいです。」(40代,循環器科,診療所)「就学前までは保育所やシッターサービス等、子供が病気の時や時間外、休日など保育をサポートしてくれる方法が複数ありました。むしろ小学校に入学し、1人で過ごさせるのが心配な1,2年生の頃、学童になじめなかったり、学童自体がなかったりして短時間勤務や休職を余儀なくされるケースが散見されました。低学年児童を抱えるワーキングマザーを支える方策(ワークシェアリングなど)がもう少しあった方がよいと思います。」(40代,産業医,その他)「私の働いている病院はとても制度も文化も恵まれていて、出産後、産休、育休をとって、娘が1歳から家庭医療の後期研修をスムーズにスタートし、育休中も給与はある程度保障されていましたし、働き始めても、こどもの急な病気などでの急な欠勤なども問題なく過ごすことができています。今後第2子も考えていますが、後期研修も途中で途切れても継続できる仕組みになっています」(20代,総合診療科,一般病院)「まだ勉強したいことも多いのにドロップアウトしそうで怖かった。大学院+パート勤務で復帰したが、子供の体調変化等で穴をあけがちで、気持ちと現実のギャップを感じました。周囲も忙しいし、身近に頼れる環境もなく皆さんに迷惑をかけた」(40代,内科,診療所)「看護師からの見えない意地悪に翻弄させられましたが、自分が先陣をきっているので、後輩たちが仕事をしやすいよう頑張り続けました。男性医師の三倍は仕事をしました。ひたすら根性です。子供の寝顔で救われました。」(50代,精神・神経科,一般病院)「出産まではほかの先生達とも問題なく仕事をしており、第1子出産後職場に復帰したところひどいいじめにあい、退職しました。その後もっと責任を持って働きたいのですが、近くの病院に適切な病院がなく、つらい思いをしています。子供をもつと他の医師と全く同じように働くことは不可能であり、 病院として枠組みをきちんと整備されていない現在、自分のような医師が多数いると思う」(30代,皮膚科,一般病院)「『夫も医師で経済的にも困っていないのにどうしてそんなに頑張るの?』と聞かれると心が折れそうになります。身近な友人や親戚から『子供がかわいそう』とか『しつけや教育が行き届かないのでは』と無神経な言葉を投げかけられることも。 そんな中、上司や同僚の励まし、夫の就業に前向きな姿勢に助けられています。」(30代,麻酔科,一般病院)「第2子出産後、仕事育児に関しての夫との考えの違いが広がった。第3子の妊娠中、育児と仕事に頑張りすぎ肉体的精神的無理がたたり、死産となった。この子の死をきっかけに夫と子育てについての歩み寄りができた。」(50代,小児科,一般病院)「実は、女性同士のほうがつめたい」(40代,腎臓内科,大学病院)「意外だったのは、独身女性の同僚や子育て経験のある15~20年上の女性医師の視線が1番厳しいこと。もっとも理解があるのは、同じ境遇か子育て世代の男性医師(特に奥様が女医の家庭)。」(20代,麻酔科,大学病院)「職場では、当時出産した女医はほとんどいなくて、こどもが1歳過ぎたら当直は当然という風潮がありました。が、こどもによって、母がいなくても夜寝られるかどうかは全く違い、私の場合は全く不可能でした。1年~小学校低学年の現在まで、当直でなく日直に振り替えてやらせてもらい、フルタイムの勤務を続けることができています。必要に応じて選択できるとありがたいです。 発熱時は、幸い主人の職場に病児保育があったので、外来に穴を開けずに済みましたが、働き続けるには、病児保育は必須と思います。」(40代,血液内科,一般病院)「出産前は大学病院に医員で勤めていました。出産時は当然のように一旦退職し、1年後に復帰しました。看護師は産休、育休などがきちんとあるのに、医師はやめてもらわなければ補充できないとのこと。すこし不満に感じました。」(40代,内科,一般病院)「大学院で研究をする・・という選択は時間的や精神的には非常に居心地がよかった。研究のペースを子供の病気などで都合することができたし、臨床に多忙を極める同僚にもあまりあてにされずに楽だったように思う。ただし、経済的な部分や臨床のスキルはどうしてもペースダウンしたが、その後非常勤として戻り、リハビリすることができた。」(40代,麻酔科,その他)「周囲は『働くのであれば前と同様に』って感じ。当直や緊急の呼び出しは無理なので、結局仕事をあきらめざるを得ない状況。健康診断ばかりで専門的な知識を活かす場所がない。周囲は別に頑張らなくてもいいんじゃないかという雰囲気。働きたいのに。」(40代,血液内科,一般病院)「短時間、非常勤のシステムがなく、自分のできないことをほかの医師に押し付けてしまう(当直、入院の受け持ち、救急など)ことに罪悪感を感じ、職場をやめた。」(40代,その他,その他)「大学病院勤務だが、附属の保育園が看護師しか利用できない。医師、検査技師、放射線技師、栄養士、医療事務など多数の女性職員がいるのに全く理解できない。一番困るのが病児保育や病後児保育の手配。せっかく病院が隣にあり、小児科も充実しているのだから是非とも院内保育園で病児保育を導入してほしい。」(30代,神経内科,大学病院)「多様な就労形態を許容するシステム作りが必要.例えば当直は一切しないが昼間はOK,という人と,当直も昼間の勤務もするという人との基本給が全く同じでは不公平感が生ずる可能性がある.基本給が同じで当直手当を手厚くするなど工夫が必要. 出産後の女性医師側も,日和らないでまずはフルで戻ることを考え,何が障害なのか,何ができないのかを考えて,戻るためにはどういう配慮が必要なのかを申し出るべき.最近は,出産したらフルで働きたくないから非常勤,という後ろ向きな人がいて不愉快かつ残念. 復帰は早い方がいい.時短でもいいから早く復帰する.育休が長い方がいいということは絶対ない.」(40代,産婦人科,大学病院)「いかに意識を維持するかが大切で、家族の考えも大きい。医師を妻にするという意義を良く考えていただきたいと思います。男性にも責任があります。」(50代,呼吸器科,大学病院)「働く母親にとっては自分の母親(もしくは実家)がしっかりとサポートしてくれている場合は比較的キャリアも子育ても安定しているケースが多いと思います。そうでなければ(自分含む)、自分が3役こなさなければならず、フルの仕事は厳しい。特に夫も医師で多忙である場合は余計困難 」(40代,腎臓内科,一般病院)「来年度から復職予定ですが、働き先は大学病院しかないと言われました。通勤にかなり時間がかかるため一歳の子供を一日12時間も保育園に預けることになり、心が痛みます。」(30代,代謝・内分泌科,大学病院)「上司が理解のある人で、その方のおかげで続けてこられたようなものだったと思う。今と比べ保育所も少なく、綱渡りのような生活だったが、続けてきてよかった。若い先生にも、短縮勤務でもいいから続けて欲しいと思うし、そのための助力としたいと願っています。医師会でも相談窓口を作っているので、困ったときには相談してみてください。医師会に加入していなくても構いません。」(50代,耳鼻咽喉科,その他)「実母と姑の全面的な応援により、仕事をすることができました。つらいことは沢山ありましたが、こどもは母が必死に仕事していたことをきちんと理解していました。 ただ、私のようなつらい思いは、娘や嫁にはさせたくありません。」(50代,耳鼻咽喉科,その他)「勤めていた施設に託児所がなく、別の病院に転勤しました。そこで二人目も出産しましたが、同僚の先生方が協力してくださるので、非常に快適に仕事を続けられました。職場の人間関係と院内保育園この二つが大事だと感じます」(40代,小児科,一般病院)「第1子妊娠時に痛烈な嫌味を言う上司がおり、大学では産後復帰は無理だなと思いました。復帰はアルバイトに行っていた先(保育所あり)の外来時短勤務を直接交渉してお願いしました。第2子出産後は家族のサポートが必要となるため転居し、以前お世話になっていた先輩に相談して新しい職場(保育所あり)で外来時短勤務で復職しています。実際に子供のことで急にお休みをせざるをえないことがあるので自分がやすんでも助けていただける環境を探しました。人の好まない仕事を率先してすることで他の先生方とのバランスをとって働いています。子供をもつまで救急対応をずっとしてきていたのでかなり違う状況になっているのが現状です。子供の成長をみつつ過ごせる時間をもつためには仕方がありません。」(30代,循環器科,一般病院)「独身の頃と同じように働きたいと思って努力したが、難しかった。身近な同僚、所属大学の医局は理解があったが、派遣先の病院では他科の男性医師から嫌味や陰口を言われ、辛かった。」(40代,眼科,一般病院)「主人も勤務医(中間職)で、子供が病気になった時も夜間の面倒はみられないと言われました。私も産前同様に仕事をしたかったが、夜間呼び出しに応じられないこともあり、短時間・非常勤勤務としました。」(40代,内科,診療所)「出産するまでは、育児中で当直をしない時短勤務の人が同じ職場にいると、働くモチベーションが激しく低下していました。自分が出産後に同様の勤務体制となったとき、同僚たちが同様に考えるのではないかと思い、時短勤務は自分としてしたくありませんでした。現在当直は免除させてもらってますが、それ以外はフルタイムで働いています。 周囲の人の理解とは言いますが、こちらが理解して欲しいと思っても、不公平と思ってしまうのは事実で、そう思われてまで働きたいとは思えません。」(30代,小児科,一般病院)「3人目を出産後、体力的にも精神的にもきつくなって、退職しました。一度退職してから、復職するのは大変でした。また、離職期間が長かったので、以前と同じような働き方はできなくなり、また専門医取得もできませんでした。」(50代,内科,診療所)「医師になった息子から『乳児期から何故自分を他人に預けてまで仕事をしたのか』と非難されました。仕事、育児、家事で息つく暇も無かった30年ほど前の自分の生活は、子供にとっては憎むべき姿だったのかと」(60代以上,内科,一般病院)「病院併設の保育園の充実が大切だと実感しました。当時無認可保育園でしたので保育士や職員のボーナスの獲得にバザーを開いたり寄付をお願いしたりしてなんとかしのぎました。技術的な遅れは後からとりもどせます。 最初はあせりましたが、63歳の現在もまだまだ勉強は続けています。家族や医局の先輩、後輩の理解があったこともラッキーだったと思います。娘たちも同じ職業を選んでくれました。大変な時は一時です。 恐れず、腐らず一生懸命やればなんとかなります。」(60代以上,循環器科,診療所)「職場で時間外勤務を免除してもらい、常勤で仕事を続けることができている。 しかし子供の病気の時に病児保育や親に頼らざるを得ず、場合によっては仕事を休まなければならないのでいつも綱渡りの状態。」(30代,代謝・内分泌科,一般病院)「出産前は脳神経外科専攻だったので、両立困難であった。私の場合は母親が子供をほとんど育ててくれたが、それはそれで寂しい思いもしたし、これでいいんだろうかとずいぶん迷った。結局は内科系に移らざるを得なかった」(60代以上,神経内科,一般病院)「子育てしながらフルタイムで働いていて、子どもの急な病気の時に、自分の外来を代われる医師がおらず、休むことが難しかった。ベビーシッター、病児保育、県外の祖父母など子どもをみてくれる人・場をやりくりしたり、夜中に患者さんが急変した時も、寝ている子どもだけを家において出かけることもあり、今から思い起こしても綱渡りのような生活だった。 一人で責任を負う形ではなく、仕事を同僚とシェアできたり、労働時間も個人の状況に合わせ、フレキシブルに選択できるような働き方ができると子育て中の女性医師は働きやすくなると思う。」(40代,小児科,一般病院)「単独主治医制でなく、複数主治医制になっていくことがこれからは必要と思う。」(40代,内科,一般病院)「臨床特有の「勘」が薄れてしまって、取り戻せるのかどうかがとても怖かったです。 出産して職場復帰して思うのは、「早めの復帰に限る」これに尽きます。 ただそれには、周囲の理解や環境整備がまだまだ必要だと思います」(30代,精神・神経科,一般病院)「出産後、大学勤務を退職し、夫の留学についていったが、子供が小さかったため自分はセミナーにしか参加できず、せっかくの海外留学の機会もうまく活かせなかった。また夫は医師であるため、育児を分担することはほぼ不可能で、帰国後も保育所、一時保育の問題から、常勤勤務、研究会、学会への参加は難しく、アルバイト生活を続けた。そのため、自分のキャリアは出産前から著しく後退してしまった。常勤復帰後、出産前に技術がもどるまで約2年がかかり、さらに専門医取得は同期男性と比べると4年以上遅れた。 常勤の職場や研究会にも保育所または学童等の施設を併設しなければ、女医が常勤で働くことは難しいと思われる。」(40代,基礎医学系,大学病院)「どんなに頑張っていてもつわりによる仕事の量激減で周囲の評価が下がる(出産経験のある女性医師からは理解が得られるが)。子供の突然の発熱などでの早退、休診の場合のフォロー体制、子供の迎え時間に制限があることなどなかなかまだ理解が得られにくい。『わかるけど、あとの仕事は誰がするの?』って感じです」(30代,外科,大学病院)「同僚に女性医師がいなかったので、その科の医局会(20名程度出席)で、『出産後はいつから当直が可能か』などその時点では答えることが困難な質問をいくつもされ、誰も助け舟を出してくれず、セクハラ・パワハラにあたるのではないかと思われる状況でした。若い医師であったならば退職に追いこまれていたかもしれません」(40代,内科,一般病院)「現在、子供2歳。フルタイムで夜間・休日呼び出しありの勤務であるが、正直きつい。近くに住む祖父母の助けを借りて何とかこなしているが、綱渡りのような日々である。そろそろ、勤務形態を変えようと思っている。」(30代,耳鼻咽喉科,一般病院)「保育園は子ども3人合わせて15年間通いました。毎朝診療前に保育園に送り届けるという戦争のような日々は、体力・気力が必要でとても疲れます。しかしこれなしには仕事も続けられず、フレキシブルな保育園の存在が大切」(50代,代謝・内分泌科,診療所)【子どものいない医師】「上司に来年度子供を作る予定だから妊娠中は当直業務からはずしてほしいというと『他の医師にしめしがつかない、今の働き方ができないなら辞めてもらう』といわれました。私だって働きたいけど、先輩たちの流産、切迫早産を見ているので退職することにしました。仕事を継続している医師でも、小学校に上がると子供を預けるシステムがなくなるためそこでやめざるを得ない、という人も。妊娠・育児しながら働きたい、けれども上司との意見の相違・医療界のシステム(36時間労働など)の問題でやめていく女医は本当に沢山いると思います。」(20代,心療内科,大学病院)「残念なことですが、女性が男性と対等になるには、同じではだめで、それ以上の働きを示す必要があります。 例え2~3か月の産休でさえ、劣ってみなされてしまいます。 そう考えると産む気になりません」(40代,形成外科,診療所)「出産適齢期に不妊治療を受けられるようにしてほしい」(40代,神経内科,その他)「出産後の女医が働きやすければ離職せず、独身女医や男性医師の負担も軽減するので、出産後の女医が働きやすい環境はすべての人にとって重要だと考えます。私の属する医局は今大変な人手不足ですが、職場環境が整備されていないため、医局を離れ民間病院に転職する女医が後を絶たないという悪循環。そういった女医のために、私たち後輩まで「女医はいつ妊娠してやめるかわからない」という目で見られて、非常に迷惑しているのも事実です。産後の女医ばかりに目が行って、独身女医や男性医師にしわ寄せが行くことはあってはならないと思います。この高齢社会では、男性医師も家族の看病や介護をする可能性は十分にあります。職場の全員が働きやすく、必要時は休みやすい環境を整えていくことが大切だと考えます。」(20代,産婦人科,一般病院)「医学部増設よりも女医の復職環境を整備する方が、医師不足の解決に繋がる」(40代,循環器科,診療所)「出産はしていませんが、介護でも結局同じことだと思います。経過さえ順調なら、ある意味出産のほうが気持ちの上での準備ができるだけよいのかも。患者から、医師は時間外対応も休日がつぶされても当然と思われているような状況では、一般病院は男女とも単身で親も元気というときでないと勤務は無理なのでは?」(40代,産業医,その他)「高齢となり、妊娠は難しそうです。当直して流産したことが悔やまれてなりません。」(40代,精神・神経科,一般病院)「今妊娠中ですが、不妊治療など含め理解を得ることが難しく、一生懸命働くことも一人の女性としての幸せも両方という選択肢を選ぶのが難しく感じてしまう。病院側は大事な戦力を最終的には失う方向になるのではないでしょうか。」(30代,消化器科,一般病院)「育児を理由に働かない先輩医師がいます。純粋に能力給が支払われるなら良いのですが。週4日外来のみ・入院診ない・オンコールや当直免除にも関わらず常勤扱いを受けている人をみると、働く意欲を失う」(30代,小児科,一般病院)「私は結婚しませんでした。どうしても医師として、しっかりした仕事をしたかった為です。周りの出産後の女医を見ていると、嫌な面が多くどうしても好きになれません。せっかく多くの税金を使って、あるいは親の金を使って医師になったのに辞めてしまう女医、そのために医学部に入れずに医師になれなかった人がでるんですよ、と言いたい。税金を、親の苦労を無駄にしている。仕事に出てくる人にも言いたい、仕事をするのなら、他医に甘えるな、負担をかけるな、どれだけ同僚に迷惑を掛けているかわかっているのか、と。」(60代以上,小児科,診療所)「キャリア・収入・勤務内容、これらに優先順位をつけて周囲と折り合っている女医さんは応援したいと思う。正直、自分のキャリアアップに繋がる仕事、収入に繋がる仕事はする、だが医局の皆でまわしている雑用は子持ちだからしない、という母親医師は応援したくない。周囲が納得して協力できるような体制も考えてもらえたらと思う。」(40代,内科,一般病院)「私の年代では育児をしながら仕事を続けている女性医師のロールモデルが身近にありませんでした。私自身こどもを持たない人生を選択しました。」(40代,精神・神経科,一般病院)「女性医師の出産や子育てを考えていくのはいいが、一方で結婚しない女性医師、子供を産まない女性医師、子供が産めない女性医師の気持ちは置き去りになっている気がする。ある意味、逆差別のような・・・。そう考えるのは、子供が産めない女のひがみでしょうか。」(40代,代謝・内分泌科,一般病院)「医師の世界は男性を中心に回っているので、結婚・妊娠・出産は考えられない状況にある。」(40代,代謝・内分泌科,診療所)「私の勤務先では女性医師の待遇改善を積極的に進めており、診療部長の先生や事務長が率先的に週30時間以上で常勤扱い、夜間オンコールや当直免除などを導入しているので、そういった病院を探して転職するのもよいかと思います。産婦人科のくせに医局員は妊娠出産禁止と言っていた大学病院とは大違いです。」(30代,小児科,一般病院)「女医さんが多ければ理解を得て働きやすいかと思いきや、若い女医さんが産休や当直免除に入ると晩婚の女医さんが妊娠出来なくて大変そう。男性と女性のバランスが大事。人手不足の診療科、医員を守れる医局かどうかは大事と思う。施設の整備(遅い時間の保育、病児保育)を進めて欲しい。」(30代,内科,大学病院)「欧米のように当たり前に働き方が選べたり、勤務時間の調整が受けられ、それに対して後ろめたさを感じないでいいようになればいいと思います。 男性医師がフルタイムで働けるのも、妻が女性医師の場合、そうやって時間をやりくりしているおかげだと思うから。 子育てで一時的に休職することは、とても大切なことだと思いますが、以後完全に医師をやめてしまう人に関しては少し憤りも感じます。 何のために医師になったのか。だったら、その人の代わりにずっと医師を続けられる人を合格させた方が社会にとって良かったのではと思います。」(30代,その他,一般病院)「出産後の女医が働きやすければ離職せず、独身女医や男性医師の負担も軽減するので、出産後の女医が働きやすい環境はすべての人にとって重要だと考えます。私の属する医局は今大変な人手不足ですが、職場環境が整備されていないため、医局を離れ民間病院に転職する女医が後を絶たないという悪循環。そういった女医のために、私たち後輩まで『女医はいつ妊娠してやめるかわからない』という目で見られて、非常に迷惑しているのも事実です。産後の女医ばかりに目が行って、独身女医や男性医師にしわ寄せが行くことはあってはならないと思います。この高齢社会では、男性医師も家族の看病や介護をする可能性は十分にあります。職場の全員が働きやすく、必要時は休みやすい環境を整えていくことが大切だと考えます。」(20代,産婦人科,一般病院)「2回の流産歴があり、通院しながら常勤で働いています。通院時間の都合もあり、専門病院の消化器内科から地域病院の内科に転職しました。無事に妊娠・出産する方も仕事を続けるにあたり苦労があると思いますが、不妊・不育症の場合は周りが気づかなかったり理解してもらえなかったりするので、本当のことを上司や同僚に伝えられず肉体的にも精神的にもつらかったことがあります。 専門分野は続けられないと思い半分あきらめていますが、非常勤でも勤務ができるところがないかまた探そうと思っています。 仕事は続けたいので、ワークシェアや非常勤など、ある程度自由の利く勤務体制が広まるといいなと思います」(30代,消化器科,一般病院)「家庭の協力がある先輩は上手に両立していて、独身の医者より活動的に働いていた。周囲の状況と本人自身の意思が、結果を左右すると思う。」(40代,麻酔科,診療所)「今妊娠中ですが、不妊治療など含め理解を得ることが難しく、一生懸命働くことも一人の女性としての幸せも両方という選択肢を選ぶのが難しく感じてしまう。病院側は大事な戦力を最終的には失うのでは」(30代,消化器科,一般病院)「両立という言葉はどちらも中途半端という意味に聞こえる」(30代,循環器科,一般病院)「外科医であるため妊娠から産後の落ち着くまでの期間は第一線を退かざるを得ないということが一番不安。現場に少しでも携われるように外来などにはできる限り関わっていたい。」(20代,外科,一般病院)「子供がいるという理由で、周りに何の配慮もなく早く帰り自分の論文を仕上げていた時には許せないと思った」(40代,内科,診療所)「診療体制としては主治医制度をやめていく方向とし,夫側は育児休暇を取りやすくする,本人側としては病児保育・24時間保育のある病院(もしくは確保できる病院環境)で出産・育児したり職場内で出産・育児期間が重ならないように計画するなどの工夫が必要。また両親・親族などの協力が得られない状況での出産・育児は無計画と言わざるを得ない。」(40代,その他,一般病院)「家庭を持ち、出産あるいは子供のいる同僚の手助けはもちろんしたいと考えています。しかし、「手助けされて当然」という受け身は納得いきません。全てではないが、そういった方に対しては、手助けするのも躊躇されます(終日の講習会や夜の飲み会などには出席するのに、午前中のみ1日のみの出勤を拒否される、とか)。」(30代,救急医療科,一般病院)「現在勤めている病院では、産休をとった先輩女性医師がおらず、自分が将来出産したり、復職したりする際、立場や勤務体制がまったく分からない。病院側からは、「将来出産しても勤務を継続してほしい」とのことだが、口約束であり心配である。出産・育児もしたいが、フルタイム勤務は難しいだろうし、親も年をとってきておりどれだけ子供を預かってもらえるか分からず、保育所の確保も難しそうで、不安だらけである。」(30代,眼科,一般病院)

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(45)〕 腎障害を伴った心不全に対して持続的限外濾過療法は有害?

本研究は、腎機能悪化を伴う急性非代謝性心不全例に対して持続的静静脈限外濾過治療と通常治療(フロセミドの静脈内投与)の効果や副作用を比較したものである。このような急性心腎症候群例は実臨床ではよく遭遇するが、エビデンスのある治療法は確立されていない。 本研究は、このような例を対象に限外濾過法を早期から使用することによりその予後を改善できることを期待して行われたが、その結果は、残念ながら明らかな改善効果はみられず副作用が若干多かったというものであった。しかし、この研究を解釈するにあたり、考慮しなければならない事がいくつかある。 第一に、患者群は比較的若年(中央値で68歳)で、軽症(早期)の心腎症候群と思われる(割り付け前の血清クレアチニン上昇値は0.45 mg/dL)。つまり、利尿薬やその他の抗心不全薬でまだ改善が期待できそうな例が含まれている。第二に、研究開始時には血管拡張薬と強心薬が静脈内投与されていた例は除外されているが、最終的(第1エンドポイント確定前)に限外濾過群と比較して通常群で強心薬の静脈内投与が多く用いられている(3% vs 12%、p < 0.05)。第三に、心不全の原因として虚血性心疾患の割合が通常治療群に比較して、限外濾過群で有意に高いことである(51% vs 70%、 p < 0.01)。虚血性心疾患による心不全例は非虚血性心疾患によるものに比較して予後が悪いことが知られている。最後に、論文中でも述べられているように、急性心腎症候群に対する適切な限外濾過治療法(濾過の速度、量、時間)がまだ確立されていない事も問題である。 以上より、本研究を解釈する際には、利尿薬静注の工夫でまだ改善させうる余地がある急性心腎症候群例に対し、限外濾過群が若干不利な状況(虚血性心疾患が多い、強心薬併用頻度が低い、濾過の適切使用法が未確立)で行った結果であることを考慮する必要があろう。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(43)〕 もうひとつのeGFR算出式(CKD-EPI)を使った200万人規模のメタ解析が明らかにする『高齢者CKDはAgingに非ず』

今世紀になって、CKDが新たな心血管リスクとして注目されているのは周知のことである。CKD診療のゴールは、『健康長寿(healthy longevity)の実現』と『腎不全の回避』を両立させることにある。CKDの診断基準は、持続するeGFRの低下あるいは、アルブミン尿(蛋白尿)をはじめとする腎障害のいずれか(あるいは両方)を満たす場合とされたが、KDIGO Controversy Conferenceに代表される議論の末1)、eGFR・アルブミン尿(タンパク尿)・腎障害の原因を考慮したComposite Rankingが採用されることになった。 本論文はCKDクライテリアであるeGFRとアルブミン尿(蛋白尿)について、全死亡・末期腎不全(ESRD)に対するサロゲートマーカーとしての妥当性・正当性を、改めて検討することを主眼にしている。とくにeGFRの低下と加齢については、その独立性についての疑問が指摘されており、CKDの分類以前に、受容できる臨床リスクとしての性能や精度が問われていた背景がある。eGFRの低下は高齢者では加齢による結果であり、不可避な老化現象ではないかといった議論が根強く残っていた。本研究では、eGFRの算出にあたり、従来のModification of Diet in Renal Disease(MDRD)Study式に代わって、同じ変数を使いながら、よりリスク予測能が高いとして注目されている慢性腎臓病疫学共同研究(CKD-EPI)式2)を用いていることも大きな特色である。 200万人を超える膨大なデータを解析した結果、eGFR(CKD-EPI)とアルブミン尿(蛋白尿)はともに、年齢とは独立したリスク(全死亡、ESRD)であった。一般集団・ハイリスク集団を対象とした解析から、全死亡に対するeGFRの相対リスクは、加齢とともに低下する傾向にあったが、絶対リスクは、加齢とともに増加する傾向が認められた(Figure1 A/C)。eGFRの低下は、加齢によるリスク上昇により相殺される傾向があるといえる。eGFRを標的にした治療には、年齢別にcost-effectivenessを考慮する必要がでてくるかもしれない。ESRDをエンドポイントとした解析では、アルブミン尿(蛋白尿)は、加齢に対する独立性は認められるものの、年代によるリスク差がほとんどないことが特徴であった(Figure2 B/D)。この結果は、CKDクライテリアに質的診断を加味したComposite Rankingの妥当性を裏付けているといえよう。 先行するCKD-EPI式とMDRD式によるeGFRの算出結果を比較検討した研究から、従来のMDRD式によって、低eGFRによるCKDが過大に評価されている可能性が示唆された3)。精度の足りない計測や測定法による数値に基づいた議論が、診療の最適化を目指すガイドラインを有名無実にすることがあってはならないのは、言うまでもないことであろう。

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聖路加GENERAL 【腎臓内科

第1回「CKD」第2回「尿異常の検査方針」第3回「高カリウム血症」第4回「急性腎障害(AKI)」 第1回「CKD」健診で、腎機能低下を指摘され、精査を指示された65歳の女性。糖尿病で通院しているが、今まで腎臓については何も言われたことがありませんでした。検査の結果、Cr値がやや高めである以外は、特に異常はありません。しかし、このCr値を元に推算GFR推算式によってeGFRを求めてみると、意外に腎機能が低下しているらしいということがわかりました。放置すれば、約5年で人工透析という予測結果です。腎疾患の治療の目的は、まず腎機能の低下を抑えることです。腎機能は年齢とともに低下しますし、糖尿病患者では、健常な人の約10倍も低下の速度が高くなります。また、CKDは、腎臓のみならず心血管事故を起こす可能性もあります。特に欧米では、透析適応になるより、その前に心疾患で死亡する方が多いという報告もあります。まずは、自覚症状が少ないため見逃しがちなCKDについて、その診断方法と、適切な治療によって悪化を抑え、腎不全と心血管事故を防ぐための方法をお伝えします。第2回「尿異常の検査方針」健診で尿潜血と尿蛋白を指摘された28歳の男性。健診で見つかる血尿は、尿潜血反応によるもので、実際に血尿があるかどうかは顕微鏡による尿沈査検査によって確認します。実際、健診においては、3〜10%という高率で顕微鏡的血尿が見つかります。これら全員を泌尿器科に送るわけにもいきません。そこで、まず泌尿器悪性腫瘍を除外します。特に、40歳以上の男性、喫煙歴などはリスクファクターになりますので、さらに検査を進めます。そして、さらに尿蛋白も陽性だった場合、IgA腎症などの慢性糸球体腎炎の可能性が高くなります。IgA腎症は、約30%が将来的に腎不全に至ると言われており、早期発見、早期対処が求められます。この他にも、血尿と尿蛋白が出るさまざまな例について解説します。また、尿蛋白を定量するための蛋白クレアチニン比の算出方法についても、具体的な事例を用いて解説します。第3回「高カリウム血症」数日前から感冒、発熱のある65歳の男性。知人からいただいたスイカを2個食べたところ、全身脱力、筋力低下が強まり歩行困難となって受診。実は、昔から腎臓によいとされているスイカは、豊富にカリウムを含んでおり、高カリウム血症の患者にとってはとても危険。それ以外にも、糖尿病性腎症、横紋筋融解症などの既往、ARB、Nsaidsなどの薬剤など、高カリウム血症に悪影響を及ぼす要因はさまざまです。高カリウム血症への対応において、最も重要なのは不整脈を起こさないということです。そのために、積極的に心電図を活用します。治療については、一時的に細胞内へカリウムを移動する方法、体外にカリウムを排泄する方法があります。程度に応じた治療法について、具体的に丁寧に解説します。第4回「急性腎障害(AKI)」痛風、高血圧の既往歴があり、全身倦怠感と嘔気を主訴に来院した55歳男性。血清クレアチニン値が高い場合、最初にやることは、それが慢性腎臓病(CKD)なのか、急性腎障害(AKI)なのかを鑑別することです。ところが、いつからCr値が上がったのか、なかなかわからないことが多いと思います。過去の健診のデータ、前医のカルテなどが入手できればよいですが、それも難しい場合は身体所見と病歴聴取から推測します。AKIの診察のポイントは、腎前性、腎性、腎後性に分けて考えることです。特に、腎前性と腎後性は重症化する場合がありますので、見逃してはいけません。他に気を付けなければならないものとして、造影剤腎症があります。腎機能が低下している患者に造影剤を使ってよいかどうか・・・。そんな現場の悩みにも、小松先生が丁寧に答えてくださいます。

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