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ALK肺がんへのbrigatinib、FDAは1次治療の優先審査指定、CHMPは肯定的見解/武田

 武田薬品工業は、brigatinibについて、2020年2月23日、米国食品医薬品局(FDA)がALK陽性転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対するファーストライン治療薬としての適応追加申請を優先審査指定したこと、同3月3日、欧州医薬品評価委員会(CHMP)がALK陽性進行性NSCLC患者に対する単剤療法としての承認を推奨する肯定的見解を示したことを発表した。 FDAへのファーストライン治療適応追加申請もCHMP の肯定的見解も、ALK阻害薬未治療のALK陽性局所進行あるいは転移のあるNSCLC患者を対象にbrigatinibとクリゾチニブを比較評価する臨床第III相ALTA-1L試験の結果に基づいている。ALTA-1L試験において、brigatinibは盲検化独立審査委員会(BRIC)の評価による無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示し、主要評価項目を達成した。

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レンバチニブ+ペムブロリズマブ、進行固形がんの成績/JCO

 新しいがん治療薬として期待される免疫チェックポイント阻害薬について、その活性を増強する研究報告が示された。米国・オレゴン健康科学大学のMatthew H. Taylor氏らは、血管新生阻害による血管内皮増殖因子を介した免疫抑制の調節が、免疫チェックポイント阻害薬の活性を増強する可能性が示唆されていることから、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法の第Ib/II相試験を実施。腎細胞がん、子宮内膜がんおよびその他の進行固形がん患者を対象とした同併用療法が、有望な抗腫瘍活性と管理可能な安全性プロファイルを示したことを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年1月21日号掲載の報告。 研究グループは、第Ib相試験としてレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法の最大耐用量(MTD)を決定した後、第II相試験を実施した。試験適格対象は、転移のある腎細胞がん、子宮内膜がん、頭頸部扁平上皮がん、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、尿路上皮がん患者であった。 主要評価項目は、第II相試験における投与24週時の客観的奏効率(ORR)であった。 主な結果は以下のとおり。・全体で137例(第Ib相試験13例、第II相試験124例)の患者が登録された。・用量制限毒性(DLT)として、Grade3の関節痛およびGrade3の疲労の2つが、第Ib相試験の初回投与量で報告され、その後の用量漸増コホートではDLTは認められなかったことから、第II相試験におけるレンバチニブの推奨用量は20mg/日に決定された。・第II相試験での投与24週時のORRは、腎細胞がん63%(19/30例、95%信頼区間[CI]:43.9~80.1%)、子宮内膜がん52%(12/23例、30.6~73.2%)、悪性黒色腫48%(10/21例、25.7~70.2%)、頭頸部扁平上皮がん36%(8/22例、17.2~59.3%)、非小細胞肺がん33%(7/21例、14.6~57.0%)、尿路上皮がん25%(5/20例、8.7~49.1%)であった。・主な治療関連有害事象は、疲労(58%)、下痢(52%)、高血圧(47%)および甲状腺機能低下症(42%)であった。

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capmatinib、METΔex14変異非小細胞肺がんのFDAブレークスルーセラピーに/ノバルティス

 ノバルティスは、2020年2月11日、米国食品医薬品局(FDA)がcapmatinib(INC280)の新薬承認申請(NDA)に対する優先審査を受理し、これを許可したと発表した。capmatinibは、METex14変異を有する局所進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者および治療歴のある患者の治療薬として審査が行われているMET阻害薬である。 現在、METex14変異を有する進行NSCLCを標的として承認された治療法はない。NSCLCは肺がん症例の約85%を占めている。METex14変異は、新たに進行NSCLCと確定診断された患者の3~4%に認められ、発がんドライバー遺伝子として認識されている。ノバルティスとFoundation Medicine社の取り組みの一環として、腫瘍組織とリキッドバイオプシーの両方を対象とするcapmatinibのコンパニオン診断の開発が進められている。これらはFoundationOne CDxとFoundation Medicine社のリキッドバイオプシープラットフォームの次のバージョンに組み込まれる予定であり、現在、FDAによる審査が行われている。  capmatinibの承認申請は、GEOMETRY mono-1の第II相試験から得られた結果に基づいて行われた。RECIST v1.1に準拠した盲検下独立判定委員会(BIRC)の評価に基づく全奏効率は、未治療の患者で67.9%(95%信頼区間[CI]:47.6~84.1)、治療歴のある患者で40.6%(95%CI:28.9~53.1)であった。また、奏効期間の中央値は未治療の患者で11.14ヵ月(95%CI:5.55~NE)、治療歴のある患者で9.72ヵ月(95%CI:5.55~12.98)であり、capmatinibがすべての患者において持続的な奏効を示した。すべてのコホート(n=334)において多くみられた治療関連有害事象(AE)は、末梢浮腫(42%)、悪心(33%)、クレアチニン増加(20%)、嘔吐(19%)、倦怠感(14%)、食欲減退(13%)、下痢(11%)であった。

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がん患者のCOVID-19~非がん患者と比べて/Lancet Oncol

 中国およびその他の地域では、SARS-CoV-2による重症急性呼吸器症候群が発生している。がん患者は化学療法や手術などの抗がん治療によって引き起こされる全身性の免疫抑制により、易感染状態であることが多い。そのため、SARS-CoV-2についても感染リスクが高く、さらに感染後も予後不良の可能性がある。 中国の国立呼吸器疾患臨床研究センターと国家衛生健康委員会が協力し、中国全土でCOVID-19症例を観察する前向きコホートを構築した。2020年1月31日のデータカットオフの時点で、31の地方行政区域から2,007例の症例を収集。記録不十分な417例を除外し、1,590例のCOVID-19症例を分析している。Lancet Oncology誌2020年3月1日号では、その中から、がん患者について分析している。・COVID-19患者1,590例のうち18例(1%、95%CI:0.61~1.65)にがんの既往があり、これは285.83/100,000人(0.29%、2015年がん疫学統計)という中国人全体のがんの発生率よりも高かった。・COVID-19を合併した18例のがん患者内訳をみると、最も頻度が高いのは肺がん(5例、28%)であった。・重症イベント(ICU入院、要侵襲的換気または死亡)は、がん患者では39%(18例中7例)に観察されたが、非がん患者では8%(1,572例中124例)で、がん患者で有意に重症イベントのリスクが高かった(p=0.0003)。・重症イベントはさらに、1ヵ月以内に化学療法または外科手術を受けた患者では75%(4例中3例)、受けていない患者では43%(14例中6例)と、化学療法または外科手術を受けた患者でリスクが高かった。・重症イベントまでの時間を評価すると、がん患者では中央値13日、非がん患者では43日で、がん患者のほうが急速に悪化することが明らかになった(年齢調整後HR:3.56、95%CI:1.65~7.69、p<0.0001)。

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EGFR変異陽性肺がんにはTKI単独療法だけでよいのか「NEJ009試験」【肺がんインタビュー】 第41回

第41回 EGFR変異陽性肺がんにはTKI単独療法だけでよいのか「NEJ009試験」EGFR変異陽性非小細胞肺がん1次治療における、ゲフィチニブ単剤とゲフィチニブ+プラチナ併用化学療法を比較した第III相試験「NEJ009試験」の結果がJournal of Clinical Oncology誌で発表された。試験統括医師である東北大学大学院の井上 彰氏に聞いた。EGFR-TKI単剤を上回る治療効果―試験実施の背景について教えていただけますか。われわれは約10年前に、ゲフィチニブ単剤とプラチナ併用化学療法を比較するNEJ002試験を実施しました。その結果、ゲフィチニブの有用性が示され、EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)には、ゲフィチニブなどのEGFR-TKI単剤が標準治療となりました。とはいえ、TKI単剤で病勢が抑えられるわけではなく、その後に化学療法を使うことになります。しかし、NEJ002試験の後解析で、ゲフィチニブ治療の後、3分の1くらいの患者さんが標準化学療法を受けられていないことが明らかになりました。その患者さんたちに、しっかりTKIとプラチナ併用化学療法を使うことができれば、さらに生存成績が改善できるのではないか。では、どうすればTKIとプラチナ併用化学療法をすべて受けられるか、それを検討するためにNEJ005試験を行いました。この試験では、ゲフィチニブとプラチナ併用化学療法を同時に用いる方法と、交互に用いる方法を比較しました。その結果、同時療法は交互療法より手間がかからずに実施でき、さらに安全性は交互療法と同程度、有効性の面では、むしろ同時療法のほうが良好である可能性が示されました。そこで、この同時療法と標準治療となったゲフィチニブ単剤とを比較することとなりました。それがこのNEJ009試験を実施した背景です。―NEJ009試験の概要と主な結果について教えていただけますか。NEJ009試験では、EGFR変異陽性NSCLC初回治療において、ゲフィチニブ+プラチナ併用化学療法という3剤併用群とゲフィチニブ単剤群を比較しました。エンドポイントは、まず無増悪生存期間(PFS)、そして最終的に全生存期間(OS)をみていくデザインで始めました。対象患者は46施設から345例が登録されています。結果、初回治療のPFSはゲフィチニブ単剤群で11.9ヵ月、ゲフィチニブ+化学療法併用群では20.9ヵ月(ハザード比[HR]:0.490、p<0.001)と、併用群で有意に延長しました。また、奏効率も84%対67%(p<0.001)と、併用群で10%ほど上乗せできています。また、Waterfallプロットで腫瘍縮小率を見ると、効果が深い(deep response)ことがわかります。このようにNEJ009レジメンの初回治療としての能力は、かなり高いことが示されました。また、それが50.9ヵ月対38.8ヵ月(HR:0.722、p=0.021)というOS中央値に反映されたと考えています。この50ヵ月を超える併用群のOSは、肺がんでは今まではあり得なかったような成績です。有害事象については、それぞれの薬剤で既知のものであり、肺がん治療に慣れている先生方であれば、十分対処できるものでした。EGFR変異陽性NSCLCの選択肢の幅を広げる―この試験結果が臨床に与えるインパクトはどのようなものでしょうか。今ではEGFR変異NSCLCの初回治療では多くの方がオシメルチニブを使うでしょう。しかし、どの患者さんでもそれでよいのか。たとえば、体力があって、効果の高い治療を受けたいと希望している患者さんにも、オシメルチニブ一辺倒でよいのかは疑問です。最近の研究成績を見ていると、EGFR-TKI単剤での初回治療の限界が見えてきたのかもしれないと思います。元気で、高い治療効果を望む患者さんには、TKIに化学療法を上乗せするという選択肢を、少なくとも提示しなければいけないと思います。―NEJ009試験はこれで最終報告となりますか。NEJ009と同様のレジメンは、インドの臨床試験でも有効性が示されています。このことからも、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療におけるEGFR-TKIと化学療法の併用の成績については、ある程度結論が付いたと思います。長期追跡データや付随データは出ると考えられますが、NEJ009本体の発表はこれで完了です。―読者の方々にメッセージをお願いします。肺がんでは今、多くの薬剤が開発され、一昔前に比べ、治療しがいのある状態になったと思います。その中で、EGFR変異陽性NSCLCの患者さんに対しては、従来のEGFR-TKI単独に加え、さらに高い効果が得られる可能性のある併用レジメンが、新たな選択肢として、エビデンスを持って現れました。この治療に耐えられる全身状態と本人の要望がある場合には、選択肢として積極的に勧めてよいと考えています。参考Hosomi Y, et al. J Clin Oncol. 2020 Jan 10;38:115-123.

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ニボルマブ・化学療法併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年2月27日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対するプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法による用法及び用量の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、化学療法未治療のStage4または再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した多施設国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験CheckMate-227のPart1およびPart2の結果に基づいている。

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オシメルチニブ耐性:メカニズムから頻度、期待される治療まで【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第11回

第11回 オシメルチニブ耐性:メカニズムから頻度、期待される治療まで1)Leonetti A, Sharma S, Minari R, et al. Resistance Mechanisms to Osimertinib in EGFR-mutated Non-Small Cell Lung Cancer. Br J Cancer. 2019;121:725-737.2)G.R.Oxnard, J.C.-H.Yang, H Yu, et al. TATTON: A multi-arm, phase Ib trial of osimertinib combined with selumetinib, savolitinib or durvalumab in EGFR-mutant lung cancer. Ann of Oncol. In press.FLAURA試験の結果、EGFR変異陽性例に対する初回治療はオシメルチニブというコンセンサスが得られたものの、日本ではサブセットに関する賛否両論もある。一方、今後の治療戦略を考えるうえで、オシメルチニブの多彩な耐性機序を整理しておくことは非常に重要であり、今回British Journal of Cancer誌によくまとまったレビューが掲載されているので紹介したい(論文1 Fig 1は必見)。本稿では耐性機序をOn-target / Off-target /組織型の転化に分け、頻度は初回治療・既治療(T790M陽性)に基づいて記載した。末尾にそれぞれに関する治療戦略も付記しているが、多くの治療が前臨床・治験レベルであることはご了解いただきたい。1. On-target(EGFR遺伝子)の獲得耐性頻度 初回治療 7%(FLAURA)   既治療 21%(AURA3)いずれにおいてもC797X変異が最多であり、それ以外にもL792X、G796X、L718Qなどが報告されている。L792Xは他のEGFR変異と併存することが多く、逆にL718QはC797Xとは独立して生じるようで、これらが今後の薬剤選択にどのように影響するのかは現時点で不明。FLAURAでは、T790Mの出現は認められていない。T790M陽性例では、治療期間が短い一因として、耐性時にT790M変異が消失している例が挙げられ、こうした症例ではKRAS変異(最近注目のG12Cではない)やMET遺伝子増幅など他の耐性機序を生じている症例が多かった。2. Off-target(EGFR遺伝子以外)の獲得耐性Off-targetによる耐性は、初回治療としてオシメルチニブを用いた場合に多くなる傾向があり、EGFR変異は保持されたままであることが多い。これは腫瘍のheterogeneityを反映しているのでは、と考察されている。機序は多種多様だが、報告されている中ではMET遺伝子増幅が最多。頻度 初回治療 15%(FLAURA)   既治療 19%(AURA3)またMET遺伝子の近傍に位置するCDK6やBRAFなどの遺伝子増幅を同時に認める症例があるとのこと(Le X, et al. Clin Cancer Res. 2018;24:6195-6203.PMID: 30228210)。近年いくつかの薬剤の有効性が示されているMET exon14 skippingも症例報告レベルではあるが報告されている(Schoenfeld AJ, et al. ASCO 2019. abst 9028.)。ほかにはHER2遺伝子増幅(FLAURA 2%、AURA3 5%)、NRAS変異、KRAS G12S変異、BRAF V600E変異(同3%、3%)、PIK3CA変異(4%、4%)、cyclin D1などcell cycle関連の変異(同12%、10%)、融合遺伝子変異(FGFR・RET/NTRK1・ROS1・BRAFなど3~10%、初回投与では少ない?)などがそれぞれ報告されている。3. 組織型の転化小細胞肺がんへの転化が4~15%でみられ、これらの症例では治療前からRB1やTP53の不活性化が確認されている。最近では扁平上皮がんへの転化も報告されている(治療ラインにかかわらず7%前後、Schoenfeld AJ, et al. ASCO 2019. abst 9028.)。4. 有効な治療方針は?耐性例ではとくに、空間的・時間的な不均一性が問題になることが指摘されている(現時点で何か解決策があるわけではないが)。つまり1ヵ所の再生検のみでは全体を十分に把握できていない可能性がある。一方で上記の頻度は解析材料(組織生検か、リキッドバイオプシーか)にも左右されうることには注意が必要。耐性時点でのT790M変異消失は予後不良とする報告がある(Oxnard GR, et al. JAMA Oncol. 2018;4:1527-1534.)。耐性機序が多彩であることを踏まえてNEJ009レジメンに倣った化学療法の併用について前臨床での報告がなされている(La Monica S, et al. J Exp Clin Cancer Res. 2019;38:222.)。C797S変異:前臨床の段階だが第4世代EGFR-TKI(EAI045)やアロステリック阻害薬(JBJ-04-125-02)の開発が進行中(To C, et al. Cancer Discov. 2019;9:926-943.)。MET遺伝子増幅/変異に対してはクリゾチニブをはじめとしたc-MET阻害薬の併用やcabozantinibの有効性が少数ながら報告されている(Kang J, et al. J Thorac Oncol. 2018;13: e49-e53.)。HER2遺伝子増幅例に対しては前臨床でオシメルチニブとT-DM1の併用が有望とされている(La Monica S, et al. J Exp Clin Cancer Res. 2017;36:174.)。その他BRAF阻害薬、AXL阻害薬、ベバシズマブ、Bcl-2阻害薬、mTORC阻害薬、CDK4/6阻害薬など多くの薬剤が検討中であるが、総じて臨床データは乏しい。最近ではTATTON試験においてc-MET阻害薬savolitinibやMEK阻害薬selumetinibとの併用が報告された。安全性は確認されたものの、対象が雑多なこともあり有効性について目立った成果は示せていない(Oxnard GR, et al. Ann Oncol. 2020 Jan 24. [Epub ahead of print])。特殊な治療として、本論文の末尾にはCRISPRを用いた‘molecular surgeon’についても紹介されていた(Tang H, et al. EMBO Mol Med. 2016;8:83-85.)。

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ペグフィルグラスチムの自動投与デバイス国内臨床試験開始/協和キリン

 協和キリンは、ペグフィルグラスチム(商品名:ジーラスタ)の自動投与デバイスに関する国内臨床試験を本年2月19日に開始した。 ペグフィルグラスチムは持続型G-CSF製剤。がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とし2014年より日本にて販売している製品で、がん化学療法を行った翌日以降に医療機関にて投与が行われる。 ペグフィルグラスチムが翌日に自動投与される仕組みを搭載した同デバイスをがん化学療法と同日に使用することにより、ペグフィルグラスチム投与のための通院が不要となり、患者の通院負担、さらには医療従事者の負担の軽減にもつながることを期待している。 同試験は、第I相多施設共同非対照非盲検試験で、対象はがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制。主要評価項目は安全性で、予定被験者数は30例である。第I相臨床試験の位置づけだが、本臨床試験のデータを使用し厚生労働省へ製造販売承認申請を行う予定だという。

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エヌトレクチニブ、ROS1肺がんに国内承認/中外

 中外製薬は、2020年2月21日、エヌトレクチニブ(商品名: ロズリートレク)に関し、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の適応拡大の承認を厚生労働省より取得したと発表。 エヌトレクチニブは、ROS1およびTRKファミリーを選択的に阻害するチロシンキナーゼ阻害薬で、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」の効能効果にて2019年6月18日に承認を取得し、同年9月4日に発売している。 今回の承認は、主にオープンラベル多施設国際共同第II相臨床試験(STARTRK-2試験)の成績に基づいている。 なお、エヌトレクチニブの「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応判定は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルによって行う。FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルのコンパニオン診断機能の追加については、2019年12月25日に厚生労働省より承認を取得している。

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医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法(2)【新型タバコの基礎知識】第16回

第16回 医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法(2)Key Pointsタバコ対策が不十分な日本では、電子タバコによるハーム・リダクションを検討する前に、紙巻タバコへの規制を強化すべき通常、商品から規制値を超えるホルムアルデヒドが検出されると、その商品は回収されることとなるが、タバコは回収されない特別扱い新型タバコも含めた「タバコの煙」全てを有害物質だと判定し、タバコ対策を進めていくことが必要今回は、まず(加熱式タバコではない)電子タバコに対する規制方策について紹介します。次に、現実社会におけるタバコや新型タバコの扱いについて検討し、新型タバコも含めたタバコの有害性についてどういう捉え方ができるのか、国際がん研究機関(IARC)の判断をみていき、新型タバコへの対処方法について考えてみたいと思います。※加熱式タバコと電子タバコの違いについては、第1回および第2回を参照ください(加熱式タバコを含まない)電子タバコに対する規制は今どうなっている?新型タバコといっても、加熱式タバコではない、電子タバコの規制については国際的に一致した見解が得られていないのが現状です。英国政府は電子タバコを医薬品として承認して、ハーム・リダクションの手段として積極的に活用する方針であるのに対して、米国では若年者における電子タバコの蔓延による悪影響が考慮され、規制が強化されてきています。こうした背景には、各国におけるタバコ対策の進捗状況の違いがあります。英国には、国際的にトップランナーとしてタバコ対策を進めてきた実績があります。タバコ1箱当たりのタバコ税が約900円と高く設定されており、飲食店やホテル等のサービス産業も含め、屋内を全面禁煙化することが罰則付きで法律により定められています。英国ではタバコ対策はかなり進められているが、それでもまだタバコを吸っている人に対してどうするか、という文脈で、電子タバコの禁煙効果に期待が集まっているわけです。しかし、電子タバコに禁煙させる効果があるとは証明されていません。また、電子タバコにも有害性がないわけではありません(第10回記事参照)。分かっていないことも多いのです。そのため、米国など多くの国で電子タバコへの規制強化が検討されています。タバコ対策が十分に進んでいない国であればあるほど、電子タバコがタバコ対策や社会に悪影響を与える可能性があると考えられます。英国と比べて、日本のタバコ対策はかなり不十分といえるでしょう。日本では、電子タバコによるハーム・リダクションを検討する前に、まず本丸である紙巻タバコへの規制を強化することが重要です。日本ではタバコは安すぎるし、屋内禁煙は徹底できておらず、脱タバコ・メディアキャンペーンはほぼ実施されていないのです。この現状では、ハーム・リダクションとして新型タバコを導入することよりも、これらのタバコ対策を進めることが優先されるものと考えられます。他の商品とタバコとで異なるアルデヒド検出への対応タバコからは5,000種類以上の化学物質、70種類以上の発がん性物質が放出されており、中でもタバコの煙から多量に検出されるホルムアルデヒドは、発がん性などのタバコの有害性を形づくる主要な有害物質の一つです。通常、商品から規制値を超えるホルムアルデヒドが検出されると、その商品は回収されることとなります(図)。規制値を下回るレベルであったとしても発生原因が調査され、健康被害に配慮した厳格な対応が取られ、回収されているのです。しかし、タバコの場合には、これとは全く異なった対応となっています。すべてのタバコ製品から規制値をはるかに上回るレベルのホルムアルデヒドが検出されており、日本だけでも年間10万人以上がタバコが原因で死亡しており、非常に多くの重篤な健康被害が発生していると分かっているものの、タバコは回収とはならないのです。画像を拡大するそれはなぜか。タバコだから、です。たばこ事業法などの法律の下、タバコは通常の商品ではなく、タバコとして扱われます。本来であれば(在るべき姿としては)、タバコは有害性が実証された段階で禁止されていてしかるべきものです。しかし、タバコの有害性が実証された1950~60年代には、タバコ利権が巨大過ぎて、タバコを禁止できませんでした。その後、世界のタバコ使用を減らすことができていればタバコ利権が弱まり、タバコを禁止する方向へと話を進められたかもしれません。しかし、現実には世界のタバコ消費量は近年拡大しており、タバコ産業の利権は1950~60年代当時よりもはるかに巨大なものとなっているのです。「タバコの煙」自体が有害物質と認定されているこのように歪められたタバコへの対応を改善してタバコのない社会を目指すために、次に示す考え方は参考にできるのではないでしょうか。国際がん研究機関(IARC)は、科学的根拠に基づき、「タバコの煙」自体を有害物質(発がん性物質)だと判定しています。この判定の根拠となったデータは、現実社会における人々の記録です。人々が「タバコの煙」を吸ったかどうか記録され、その人が追跡され、がんにかかったかどうかが調べられてきたのです。そのようなデータを沢山集め、科学的根拠に基づいて「タバコの煙には発がん性がある」と判定したのです。実は、これまでの50年以上にわたるタバコのリスク研究全部をもってしても、紙巻タバコの有害性の全容は分かっていません。途中のメカニズムには不明な点もありますが、タバコの煙を吸うと、肺がん、心筋梗塞や脳卒中などの病気になってしまうと分かっているのです。ここで重要な予防の観点は、途中のメカニズムがどうであろうと、とにかくタバコの煙を吸うのを防ぐことができれば、病気を防げるということです。人々をがんなどの病気から守るためにも、われわれは人々を「タバコの煙」からできるだけ遠ざけなければなりません。具体的には、禁煙支援を実施したり、受動喫煙を防止するために屋内を禁煙にしたり、学生にタバコの害を教えたり、社会的にタバコは許容できるものではないとの規範を広めたり、タバコを規制する法律を作ったりしていかなければならないのです。「タバコの煙」自体を有害物質だと判定し、タバコの害についての認識を共有したことが、世界的なタバコ対策の発展へとつながっているのです。新型タバコにはまだ長期間の記録がありません。新型タバコの研究は難しく、新型タバコによって病気になるリスクはしばらく解明されないかもしれません。しかし、第5回でみたように、新型タバコからは明らかに有害物質が出ています。新型タバコからも「タバコの煙(もしくはエアロゾル)」が出ているのです。その「タバコの煙(エアロゾル)」自体を、由来がどのタバコだろうとも、規制の対象であるとすべきだと考えられます。新型タバコに対してどのように規制していけばいいのか、これから最良の対応方法を模索していかなければならないと思います。第17回は、「禁煙をし続けるために本当に必要なこと(1)」です。

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低線量CT検査により肺がん死亡率は低下する(解説:西村光世氏)-1190

本試験は、低線量CTによるスクリーニング検査によって、高リスク群の肺がんの死亡率の影響をみる大規模無作為化比較試験の結果である。2000年より2015年12月31日まで最低10年以上の経過をみた。年齢中央値は58歳で(50~74歳)、男性1万3,195例、女性2,594例が登録され、1年、3年、5.5年にCTを受けるスクリーニング群とコントロール群に無作為に分けられた。結果として、肺がん発症率はスクリーニング群で5.58件/1,000人年、コントロール群では4.91件/1,000人年で、スクリーニング群ではIAおよびIBの患者は58.6%であったが、コントロール群ではそれぞれ14.2%と13.5%であり、III/IV期が70%であった。死亡率はそれぞれ2.50件/1,000人年、3.30件/1,000人年であった。10年時点で男性では累積生存率比は0.76で女性は0.67であった。以上より、著者らはCTスクリーニングを推奨している。本試験に先立ち2011年に、米国よりNLSTの約5万3,000例のハイリスク患者においてCT検診で20%の死亡率が減少するとの有用性の結果が報告されていたが、それ以外の大規模試験での肺がん全死亡率の低下を示す有用性の報告はなかった。この試験の結果は、CT検診を進める根拠となりうる重要な論文と考えられる。ただし著者らもコメントしているが、女性については人数が少なかったので今後の検討が必要である。本邦において検診のシステムは比較的充実しているが高齢者では受診率が低く、低線量CT検診を導入するに当たり、被ばく、費用および要精密検査率の増加等の不利益もあるので、CT検診の適応症例には十分な検討が必要である。

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肺がんEGFR変異の検出、凍結生検でより高く/Lung Cancer

 生検技術が、EGFR変異陽性の検出に影響するという検討結果が示された。ドイツ・エバーハルト・カール大学のMaik Haentschel氏らは、単一施設でのレトロスペクティブ研究を行い、気管支鏡下凍結生検によって得られた組織におけるEGFR変異の検出率を、ほかの標準的な組織標本採取法技と比較した。その結果、気管支鏡下凍結生検は、ほかの組織採取法と比較し、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるEGFR変異の検出率が高いことが示されたという。EGFR変異陽性の検出は、NSCLCの個別化治療にとってきわめて重要となっているが、これまで生検の手技が、EGFR変異の検出率にどのように影響を及ぼすかは不明であった。著者は、「今回の結果は、進行NSCLC患者の個別治療を最適化するのに役立つと思われる。ただし後ろ向きの解析であるため、最終的な評価には前向き研究が必要である」とまとめている。Lung Cancer誌オンライン版2020年1月号掲載の報告。 研究グループは、2008年3月~2014年7月に組織学的にNSCLCと診断されEGFR変異の有無が既知の414例について後ろ向きに解析した。 気管支鏡下凍結生検により得られた腫瘍組織標本群(125例)と、ほかの手法で得られた腫瘍組織標本群(298例)のEGFR変異検出率を比較した。主な結果は以下のとおり。・気管支鏡下凍結生検組織では、125例中27例(21.6%)で29のEGFR変異が検出された。・一方、非凍結生検法(気管支鏡鉗子生検、穿刺吸引、画像ガイド下経胸壁および外科的手技)で得られた生検組織では、298例中40例(13.8%)で42のEGFR変異が検出された。検出率は、凍結生検組織が非凍結生検組織よりも有意に高率であった(p<0.05)。・凍結生検は、鉗子生検と比較して中枢型腫瘍におけるEGFR変異の検出率が高く(19.6% vs.6.5%、p<0.05)、末梢型腫瘍についてもわずかだが高い傾向が認められた(33.3% vs.26.9%)。

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SCRUM-Japan第三期プロジェクト、FoundationOne Liquidの利用契約/中外・FMI

 ファウンデーションメディシン社(FMI)および中外製薬は、国立がん研究センターと、国内最大規模の産学連携全国がんゲノムスクリーニングプロジェクト「SCRUM-Japan」の第三期プロジェクトにおいて、リキッドバイオプシー検査FoundationOne Liquidの利用に関する契約を締結したと発表。国内およびアジアを対象とした幅広い地域で、医療機関と連携しゲノムスクリーニングを行うことで、革新的なバイオマーカーを用いたがん治療における個別化医療の高度化の促進を目指す。 SCRUM-Japan第一期および第二期プロジェクトでは、1万人以上の患者の臨床・ゲノムデータが登録され、本データを用いた臨床試験をもとに、5つの新薬および6種類の体外診断薬の薬事承認を取得するなどの成果が得られている。SCRUM-Japan第三期プロジェクトでは、(1)アジアの医療機関が一体となり、希少頻度の遺伝子変異を持つ肺がん患者をスクリーニングして、新薬開発につなげることを目的とした「LC-SCRUM-Asia」、(2)研究対象を、広範な固形がん患者さんへと拡大した「MONSTAR-SCREEN」の2つのプロジェクトが進行しており、FMIと中外製薬は、これら2つのプロジェクトに参加する国内の医療機関へFoundationOne Liquidを提供するとしている。

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ROS1陽性肺がんの血栓塞栓イベント/Lung Cancer

 オーストラリアの6施設がROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の静脈および動脈血栓塞栓症(TE)の発生率、転帰に関するプール解析を行った。Lung Cancer誌オンライン版2020年1月22日号の掲載報告。 主な結果は以下のとおり。・登録患者42例の患者のうち、20例(48%)がTEを経験した。・TEの内訳は、動脈塞栓症1例(2%)、肺塞栓症13例(31%)、深部静脈血栓症12例(29%)であった。・TE患者のうち、6例(30%)が複数のイベントを経験した。・TEは診断期前・中・後いずれの時期にも発現した。・TEはまた治療戦略に関係なく発生した。・TE合併患者の全生存期間中央値は、TE合併患者21.3ヵ月、TE非合併患者では28.8ヵ月であった(HR:1.16、95%CI:0.43~3.15)。・化学療法1次治療群の全奏効率(ORR)は、TE合併患者で50%、TE非合併患者では44%であった。・標的治療薬1次治療群のORRは、TE合併患者で67%、TE非合併患者で50%であった。 ROS1融合遺伝子陽性肺がんでは、治療戦略に関係なく、診断期間を超えてTEリスクが持続的することがリアルワールドデータで示された。著者らは、ROS1融合遺伝子陽性肺がんでは、1次血栓予防の検討が推奨されると述べている。

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低線量ボリュームCT検診、肺がん死を抑制/NEJM

 肺がんのリスクが高い集団において、ボリュームCTによる検診を受けた集団は、これを受けなかった集団に比べ、10年間の肺がんによる死亡率が低下し、肺がんを示唆する検査結果に対しフォローアップ処置を行う割合も低いことが、オランダ・エラスムス医療センターのHarry J de Koning氏らが行った「NELSON試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年2月6日号に掲載された。全米肺検診試験(NLST)は、低線量CTによる肺がん検診(年1回で3回)は従来の胸部X線に比べ、肺がん死亡率を20%低減したと報告している。一方、このような肺がん検診の死亡に関する有益性を示した無作為化試験のデータは限られているという。オランダとベルギーの地域住民ベース無作為化試験 研究グループは、低線量ボリュームCTを用いた検診により、高リスクの男性参加者の追跡期間10年時の肺がん死亡率を25%以上低下させることを目標に、地域住民ベースの無作為化対照比較試験を実施した(オランダ保健研究開発機構などの助成による)。 2003年と2005年に参加者登録が行われた。対象は、喫煙歴が1日15本以上を25年以上または1日10本以上を30年以上の現喫煙者または元喫煙者(禁煙から10年以内)であった。オランダとベルギーの4地域に居住する50~74歳の男性1万3,195例(主解析)と女性2,594例(サブグループ解析)が解析に含まれた。 参加者は、低線量ボリュームCTによる検診(ベースライン、1、3、5.5年)を受ける群または受けない群(対照群)に無作為に割り付けられた。 オランダとベルギーの全国レジストリと連携し、がんの診断と死亡の日付・原因に関するデータを入手した。判定委員会は、可能な場合に、肺がんが死亡の原因であることを確認した。2015年12月31日までに、すべての参加者が最短追跡期間10年に達した。女性のほうが利益が大きい可能性も 男性は、検診群が6,583例、対照群は6,612例であった。両群とも、年齢中央値は58歳(IQRは検診群55~63、対照群54~63)で、喫煙歴中央値は38.0 pack-years(IQRは両群とも29.7~49.5)だった。 男性では、合計2万2,600件のCT検査が行われ、平均検診受診率は90.0%(95%信頼区間[CI]:76.9~95.8)であった。9.2%(2,069/2万2,600件)で、検診検査アウトカムを決定する前に、体積倍加時間を算出するための再CT検査が行われた。最終的に、2.1%(467/2万2,600件)が陽性で、呼吸器科医による精密検査を受け、肺がん検出率は0.9%(203/2万2,600件)であった。また、陽性反応適中度は43.5%だった。 追跡期間10年時の肺がんの発生率は、検診群が1,000人年当たり5.58人(がん341個)、対照群は1,000人年当たり4.91人(がん304個)であった(率比:1.14、95%CI:0.97~1.33)。肺がんの59.0%(203/344個)が検診で検出され、12.8%(44/344個)は中間期がんであった。 10年間で、検診群の156例、対照群の206例が肺がんで死亡した。肺がん死亡率は、検診群が1,000人年当たり2.50、対照群は1,000人年当たり3.30であり(10年時の累積肺がん死亡率の率比:0.76、95%CI:0.61~0.94、p=0.01)、検診群で有意に低下した。8年および9年時の率比もほぼ同じで、検診群で有意に良好だった。 10年全死因死亡率は、検診群が1,000人年当たり13.93、対照群は13.76であった(率比:1.01、95%CI:0.92~1.11)。 一方、女性では、追跡期間10年の肺がん死亡率の率比は0.67(95%CI:0.38~1.14)であった。また、7年時の率比は0.46(0.21~0.96)、8年時は0.41(0.19~0.84)、9年時は0.52(0.28~0.94)であり、男性に比べ良好な傾向が認められた。 著者は、「ボリュームCT検診は、良好なアウトカムを損なわずに、偽陽性や不要な精密検査を減少させることが可能と考えられる」とまとめ、「女性は男性よりも利益が大きいと示唆されるが、本試験では女性は相対的に参加者が少ないサブグループであった。他のサブグループと共に、女性に関する研究を進める必要がある」と指摘している。

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がん患者さんのための「男の整容本」ダウンロード可能に

 資生堂は2月4日、日本対がん協会の協力で小冊子「男の整容本」を発行した。がん治療の副作用による外見上の変化(肌や頭皮の乾燥、眉の脱毛など)は女性だけでなく、男性にも現れる。それらをカバーするために、化粧に不慣れな場合であっても試すことができるよう、簡単でわかりやすいテクニックや美容情報がまとめられている。 治療の進歩や早期発見により、がんと向き合って過ごす期間が長くなる傾向にあり、就労をしながら通院しているがん患者も増加している。「男の整容本」では、外出時やビジネスシーンなどで役立てられるよう、男性のために考えられたテクニックを全15ページでわかりやすくアドバイス。外見ケアを実際に体験した男性患者からの声として、「もうすぐ仕事に復帰するので、眉を描いたら、やっとスーツ姿の自分が想像できた」、「化粧に抵抗があったが、思っていたより自然で外出が気楽になった」などが紹介されている。<小冊子の概要>1. タイトル:「男の整容本」(ホームページからダウンロード可能)2. 内容: Section 1 男の眉メイク Section 2 男の肌色カバー Section 3 男の頭髪ケア Section 4 男の肌ケア Section 5 男の唇ケア Section 6 男の手指ケア3. 発行:2020年2月4日(火) *価格は無料 同社は2019年10月に女性向け美容情報の小冊子「がん患者さんのためのBeauty Book」を発行しており、こちらも上記ホームページからダウンロードが可能。また、医療従事者用の専用ページも設けられており、医療従事者向け・患者向けそれぞれの外見ケアセミナー(無料)への申し込みが可能となっている。

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化学療法誘発性悪心・嘔吐にオランザピン5mgは有効か(J-FORCE)/Lancet Oncol

 オランザピンは、化学療法誘発性悪心・嘔吐にアプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾンの3剤からなる標準制吐療法への追加が推奨されるが、その用量は10mgである。オランザピン5mgは、複数の第II相試験で10mgと同等の活性と良好な安全性プロファイルが示されている。国立がん研究センター中央病院の橋本 浩伸氏らは、シスプラチンベース化学療法による悪心・嘔吐の予防における、オランザピン5mg追加の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相J-FORCE試験を実施した。Lancet Oncology誌オンライン版2019年12月11日号掲載の報告。 J-FORCE試験は国内26施設で行われた。対象は、シスプラチン(50mg/m2以上)の初回治療を受ける、造血器悪性腫瘍を除く悪性腫瘍患者。年齢は20~75歳。ECOG PSは0〜2。対象患者は、アプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾンに加え、オランザピン5mg/日またはプラセボを投与する群に1対1に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、完全奏効(遅延期[24~120時間]において嘔吐がなく、レスキュー薬を使用しない)患者の割合とした。 主な結果は以下のとおり。・2017年2月9日~2018年7月13日に、710例の患者が登録された。・356例がオランザピン5mg群に、354例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。・完全奏効患者の割合は、オランザピン5mg群79%(354例中280例)、プラセボ群66%(351例中231例)と、オランザピン5mg群で有意に多かった(p<0.0001)。・オランザピン群で、治療に関連したGrade3の便秘、Grade3の傾眠がそれぞれ1例に発現した。 筆者らは、「標準制吐療法であるアプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾンへのオランザピン5mgの追加は、シスプラチンベース化学療法患者の新たな標準制吐療法となりうる」と述べている。

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肺がんuncommon EGFR変異に対するアファチニブの有効性/JTO

 uncommon EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するアファチニブの有効性を検討した知見が示された。uncommon EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者におけるEGFR-TKIの有効性に関する臨床データは限られている。国立台湾大学病院のJames Chih-Hsin Yang氏らは、さまざまな臨床試験のプール解析から、アファチニブは、主要なuncommon EGFR遺伝子変異および複合変異を有するNSCLCに対して有効性を示すことを明らかにした。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年1月10日号掲載の報告。 研究グループは、無作為化臨床試験、拡大治験(人道的使用および拡張アクセスプログラム)、第IIIb相試験、非介入試験および症例集積研究においてアファチニブによる治療を受けたuncommon EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者計693例のプール解析を行った。 対象患者は、EGFR遺伝子変異により次のように分類された。(1)T790M、(2)exon 20挿入、(3)主要uncommon遺伝子変異(T790Mおよびexon 20挿入を除くG719X、L861Q、S768I、その他)、(4)複合変異、(5)その他のuncommon遺伝子変異である。 主要評価項目は、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、治療成功期間(TTF)であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象のEGFR-TKI未治療患者は315例であった。・主要uncommon遺伝子変異群では、TTF中央値は10.8ヵ月、ORRは60.0%、DoR中央値は17.1ヵ月であった。・複合変異群では、TTF 14.7ヵ月、ORR 77.1%、DoR 16.6ヵ月であった。・その他のuncommon遺伝子変異群では、TTF 4.5ヵ月、ORR 65.2%、DoR 9.0ヵ月であった。・exon 20挿入群では、TTF 4.2ヵ月、ORR 24.3%、DoR 11.9ヵ月であった。

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