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HER2過剰発現NSCLCへのT-DXd、第II相試験結果(DESTINY-Lung01)/Lancet Oncol

 抗HER2抗体薬物複合体(ADC)トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、既治療のHER2遺伝子変異陽性の進行・再発非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした国際共同第II相試験(DESTINY-Lung02)において有用性が認められ1)、すでに用いられている。既治療のHER2過剰発現またはHER2遺伝子変異陽性の進行・再発NSCLC患者を対象とした国際共同第II相試験(DESTINY-Lung01)も実施されており、HER2過剰発現の集団における結果が、オランダ・Leiden University Medical CenterのEgbert F. Smit氏らによって、Lancet Oncology誌2024年4月号で報告された。なお、本試験のHER2遺伝子変異陽性の集団における結果はすでに報告されている2)。・対象:HER2過剰発現(IHC 2+または3+)が認められ、既知のHER2遺伝子変異のない既治療の進行・再発非扁平上皮NSCLC患者90例・5.4mg/kg群:T-DXd 5.4mg/kgを3週間ごとに点滴静注投与 41例(コホート1A)・6.4mg/kg群:T-DXd 6.4mg/kgを3週間ごとに点滴静注投与 49例(コホート1)・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)に基づく奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)など 主な結果は以下のとおり。・年齢中央値は5.4mg/kg群62歳、6.4mg/kg群63歳であり、男性の割合はそれぞれ54%、61%、白人の割合はそれぞれ76%、63%であった。・前治療ライン数中央値はいずれの群も3で、プラチナ製剤による治療歴を有する割合は5.4mg/kg群98%、6.4mg/kg群92%、抗PD-1/PD-L1抗体薬による治療歴を有する割合はそれぞれ80%、73%であった。・データカットオフ時点(2021年12月3日)における追跡期間中央値は5.4mg/kg群10.6ヵ月、6.4mg/kg群12.0ヵ月、治療期間中央値はそれぞれ5.5ヵ月、4.1ヵ月であった。・BICRに基づくORRは、5.4mg/kg群34.1%(CR:2例、PR:12例)、6.4mg/kg群26.5%(CR:0例、PR:13例)であった。・DOR中央値は、5.4mg/kg群6.2ヵ月、6.4mg/kg群5.8ヵ月であった。・PFS中央値は、5.4mg/kg群6.7ヵ月、6.4mg/kg群5.7ヵ月であった。・OS中央値は、5.4mg/kg群11.2ヵ月、6.4mg/kg群12.4ヵ月であった。・Grade3以上の有害事象は、5.4mg/kg群51%(21例)、6.4mg/kg群82%(40例)に認められ、主なもの(いずれかの群で10%以上に発現)は好中球減少症(それぞれ0%、24%)、肺炎(5%、12%)、疲労(7%、12%)、病勢進行による死亡(10%、12%)、呼吸困難(5%、10%)であった。・治療薬に関連したGrade3以上の有害事象は、5.4mg/kg群22%(9例)、6.4mg/kg群53%(26例)に認められた。・薬剤性間質性肺疾患/肺臓炎は、5.4mg/kg群5%(2例)、6.4mg/kg群20%(10例)に認められた。 本研究結果について、著者らは「HER2過剰発現のNSCLCでは既存治療の抗腫瘍活性が低いことを考慮すると、T-DXdはアンメットニーズを満たす可能性がある。本研究結果は、T-DXdによる治療のさらなる検討を支持するものである」とまとめた。

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EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法の第2回OS中間解析(FLAURA2)/ELCC2024

 EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のオシメルチニブと化学療法の併用療法とオシメルチニブ単剤を比較する国際共同第III相無作為化比較試験(FLAURA2試験)が実施されており、主解析の結果、併用群で無増悪生存期間(PFS)が改善したことが報告されている(治験担当医師評価に基づくPFS中央値は併用群25.5ヵ月、単独群16.7ヵ月、ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.49~0.79)1)。欧州肺がん学会(ELCC2024)において、本試験の全生存期間(OS)に関する第2回中間解析の結果と、主解析時点をデータカットオフとした病勢進行後の治療成績が、ペルー・Instituto Nacional de Enfermedades NeoplasicasのNatalia Valdiviezo氏により報告された。試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験対象:EGFR遺伝子変異陽性(exon19欠失/L858R)でStageIIIB、IIIC、IVの未治療の非扁平上皮NSCLC成人患者557例試験群:オシメルチニブ(80mg/日)+化学療法(ペメトレキセド[500mg/m2]+シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチン[AUC 5]を3週ごと4サイクル)→オシメルチニブ(80mg/日)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごと(併用群、279例)対照群:オシメルチニブ(80mg/日)(単独群、278例)評価項目:[主要評価項目]RECIST 1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[副次評価項目]OS、PFS2(2次治療開始後のPFS)、最初の後治療または死亡までの期間(TFST)、2つ目の後治療または死亡までの期間(TSST)など 主な結果は以下のとおり。・OSは第2回中間解析でも未成熟(成熟度:41%)であった。データカットオフ時点(2024年1月8日)のOS中央値は、併用群が未到達、単独群が36.7ヵ月であった(HR:0.75、95%CI:0.57〜0.97、p=0.0280)。なお、第2回中間解析での有意水準はp≦0.000001に設定されており、有意差は示されなかった。・1年、2年、3年時のOS率は、併用群がそれぞれ89%、80%、64%であり、単独群がそれぞれ92%、72%、50%であった。・OSに関するサブグループ解析では、ほとんどのサブグループで併用群のHRが0.8を下回り、併用群が良好な傾向にあったが、中国人を除くアジア人のサブグループのHRは1.04(95%CI:0.70~1.54)であった。・PFS2中央値は、併用群が30.6ヵ月、単独群が27.8ヵ月であった(HR:0.70、95%CI:0.52~0.93、成熟度:34%)。・TFST中央値は、併用群が30.7ヵ月、単独群が25.4ヵ月であった(HR:0.73、95%CI:0.56~0.94、成熟度:42%)。・TSST中央値は、併用群が未到達、単独群が33.2ヵ月であった(HR:0.69、95%CI:0.51~0.93、成熟度:32%)。・併用群では1次治療が中止となった患者の46%(57例)が後治療を受け、その内訳として多かったのはプラチナ製剤を含まない化学療法(37%)、プラチナ製剤を含む化学療法(32%)であった。同様に、単独群では60%(91例)が後治療を受け、そのうち81%がプラチナ製剤を含む化学療法であった。 本試験結果について、Valdiviezo氏は「EGFR遺伝子変異陽性の進行NSCLCに対するオシメルチニブ+化学療法の併用療法は、初回増悪後も臨床的に意義のあるベネフィットを示した。OSに関する第2回中間解析において、OSの有望な傾向が認められた」とまとめた。

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がん罹患数が著増、がん死は減少~英国の25年/BMJ

 英国の年齢35~69歳の集団では、1993~2018年の25年間にがん罹患数が大きく増加したのに対し、がんによる死亡率は減少しており、この減少にはがんの予防(喫煙防止策、禁煙プログラムなど)と早期発見(検診プログラムなど)の成功とともに、診断検査の改善やより有効性の高い治療法の開発が寄与している可能性があることが、英国・Cancer Research UKのJon Shelton氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2024年3月13日号に掲載された。23部位のがんの後ろ向き調査 研究グループは、1993~2018年の英国の年齢35~69歳の集団における、23の部位のがんの診断数および死亡数を後ろ向きに調査した(特定の研究助成は受けていない)。 解析には、国家統計局、ウェールズ公衆衛生局、スコットランド公衆衛生局、Northern Ireland Cancer Registry、イングランド国民保健サービスなどのデータを用いた。 主要アウトカムは、がんの年齢調整罹患率と年齢調整死亡率の経時的変化とした。前立腺がんと乳がんが増加、ほかは安定的に推移 35~69歳の年齢層におけるがん罹患数は、男性では1993年の5万5,014例から2018年には8万6,297例へと57%増加し、女性では6万187例から8万8,970例へと48%増加しており、年齢調整罹患率は男女とも年平均で0.8%上昇していた。 この罹患数の増加は、主に前立腺がん(男性)と乳がん(女性)の増加によるものだった。これら2つの部位を除けば、他のすべてのがんを合わせた年齢調整罹患率は比較的安定的に推移していた。 肺や喉頭など多くの部位のがんの罹患率が低下しており、これは英国全体の喫煙率の低下に牽引されている可能性が高いと推察された。一方、子宮や腎臓などのがんの罹患率の増加を認めたが、これは過体重/肥満などのリスク因子の保有率が上昇した結果と考えられた。 また、罹患数の少ない一般的でないがんの傾向については、たとえば悪性黒色腫(年齢調整年間変化率:男性4.15%、女性3.48%)、肝がん(4.68%、3.87%)、口腔がん(3.37%、3.29%)、腎がん(2.65%、2.87%)などの罹患率の増加が顕著であった。男女とも胃がん死が著明に減少 25年間のがんによる死亡数は、男性では1993年の3万2,878例から2018年には2万6,322例へと20%減少し、女性では2万8,516例から2万3,719例へと17%減少しており、年齢調整死亡率はすべてのがんを合わせて、男性で37%(年平均で-2.0%)低下し、女性で33%(-1.6%)低下していた。 死亡率が最も低下したのは、男性では胃がん(年齢調整年間変化率:-5.13%)、中皮腫(-4.17%)、膀胱がん(-3.24%)であり、女性では胃がん(-4.23%)、子宮頸がん(-3.58%)、非ホジキンリンパ腫(-3.24%)だった。罹患率と死亡率の変化の多くは、変化の大きさが比較的小さい場合でも統計学的に有意であった。 著者は、「喫煙以外のリスク因子の増加が、罹患数の少ない特定のがんの罹患率増加の原因と考えられる」「組織的な集団検診プログラムは、がん罹患率の増加をもたらしたが、英国全体のがん死亡率の減少にも寄与した可能性がある」「この解析の結果は、新型コロナウイルス感染症の影響を含めて、がんの罹患率およびアウトカムの今後10年間の評価基準となるだろう」としている。

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高齢NSCLC患者へのICI、化学療法の併用を検討すべき患者は?

 PD-L1高発現(TPS≧50%)の非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、PD-1またはPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬(ICI)単剤療法、ICIと化学療法の併用療法は標準治療の1つとなっている。しかし、高齢者におけるエビデンスは限られており、ICI単剤療法とICIと化学療法の併用療法のどちらが適切であるかは明らかになっていない。そこで、70歳以上のPD-L1高発現の進行NSCLC患者を対象とした多施設共同後ろ向き研究において、ICI単剤療法とICIと化学療法の併用療法が比較された。その結果、ECOG PS0または非扁平上皮がんの集団では、ICIと化学療法の併用療法が全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を改善した。本研究結果は、京都府立医科大学の武井 翔太氏らによってFrontiers in Immunology誌2024年2月23日号で報告された。 本研究は、70歳以上でECOG PS0/1のPD-L1高発現の進行NSCLC患者のうち、初回治療でICI単剤療法による治療を受けた患者131例(単剤群)およびICIと化学療法の併用療法による治療を受けた68例(併用群)を対象とした。傾向スコアマッチングにより背景因子を調整し、両群のOSとPFSを比較した。 主な結果は以下のとおり。・OS中央値は、単剤群が25.2ヵ月であったのに対し、併用群が42.2ヵ月であったが有意差は認められなかった(p=0.116)。・PFS中央値は、単剤群が10.9ヵ月、併用群が11.8ヵ月であり、有意差は認められなかった(p=0.231)。・単剤群のサブグループ解析において、喫煙歴のない患者はOSが有意に短かった(ハザード比[HR]:0.36、95%信頼区間[CI]:0.16~0.78、p=0.010)。・併用群のサブグループ解析において、ECOG PS1の患者(HR:3.84、95%CI:1.44~10.20、p=0.007)、扁平上皮がんの患者(同:0.17、0.06~0.44、p<0.001)はOSが有意に短かった。・ECOG PS0の集団におけるOS中央値は、単剤群が26.1ヵ月であったのに対し併用群は未到達であり、併用群が有意に長かった(p=0.0031)。同様にPFS中央値は単剤群が6.5ヵ月であったのに対し併用群は21.7ヵ月であり、併用群が有意に長かった(p=0.0436)。・非扁平上皮がんの集団におけるOS中央値は、単剤群が23.8ヵ月であったのに対し併用群は未到達であり、併用群が有意に長かった(p=0.0038)。同様にPFS中央値は単剤群が10.9ヵ月であったのに対し併用群は17.3ヵ月であり、併用群が有意に長かった(p=0.0383)。 本研究結果について、著者らは「PD-L1高発現の高齢NSCLC患者の治療選択時には、ECOG PSと組織型を考慮すべきである」とまとめた。

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がん患者のつらい倦怠感に何ができるか【非専門医のための緩和ケアTips】第72回

第72回 がん患者のつらい倦怠感に何ができるかがん患者の倦怠感はよくある症状ですが、ほかの症状に紛れて患者本人が気付かない、訴えないことも多いようです。また、緩和が難しい身体症状の1つでもあります。このようながん患者のつらい倦怠感に、われわれができることは何なのでしょうか?今日の質問外来通院しているがん患者さんが倦怠感を訴えています。訴え方は「だるい」「気分が優れない」といった漠然としたものです。こうした症状にステロイドを使用すると聞いたのですが、処方したほうが良いのでしょうか? ステロイドの長期使用は弊害もありそうで、ちゅうちょしています。がん患者の倦怠感は、しばしば見逃されることがあると報告されています。今回の質問者は患者の訴えをしっかりと聞く診療をされているのでしょう。私もこうした診療ができるよう取り組みたいものです。がん患者の倦怠感は、さまざまな原因から生じます。欧州緩和ケア協会では、がん関連倦怠感を主に炎症性サイトカインが関連する一次的倦怠感(primary fatigue)と、貧血や感染症、うつ病、電解質異常、薬剤などが原因の二次的倦怠感(secondary fatigue)に分けて考えることを提唱しています。一次的倦怠感は、腫瘍から生じるさまざまなサイトカインの影響により倦怠感が生じる病態であり、悪液質と呼ばれる病態に関連した倦怠感もここに分類されます。一方、がん以外の原因によって生じる二次的倦怠感にも注意が必要です。低ナトリウム血症などの電解質異常や睡眠不足、抑うつなどの精神心理的な問題といった要因が考えられます。こちらのほうが改善できる可能性が高く、注意して評価する必要があります。私がとくに注意しているのは「薬剤」による倦怠感です。利尿剤など、もともと内服していた薬剤が病状の変化に伴って過剰になる、といったことはよく生じます。現在の投与量で継続するのか、タイミングを計って見直すことが重要です。さて、今回質問をいただいたステロイドですが、確かにがん患者の倦怠感に対してステロイドが有効であることは私自身も経験していますし、論文でも有効性が述べられています。一方で、効果が限定的である点や副作用とのバランスを念頭に置いて判断する必要があります。「効果が限定的」というのは、2つの側面があります。1点目は「対象者」です。多くの専門家が、予後が数ヵ月以上見込まれる患者に対してステロイド使用を推奨しています。予後が限られる患者には、効果があまり見込めないのです。2点目は「持続時間」です。ステロイドは投与中ずっと効果が持続するケースは少なく、多くの患者が1週間程度でその効果を実感しなくなります。こうした観点から、総合的にステロイド適応を判断します。最後に、予後が限られた状況における倦怠感にも触れておきます。この場合、症状緩和が難しいことが多く、ステロイドもあまり有効でありません。こうした場合は、睡眠覚醒の工夫や病室での過ごし方といったケアの面で、できることを工夫します。ときに緩和的鎮静も検討することになるでしょう。今回のTips今回のTipsがん患者の倦怠感、ステロイド処方は適応を十分検討する。

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ICIによる心臓irAE発症タイミングと危険因子~国内RWDより/日本循環器学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)とは、ご存じのとおり、近年注目されているがん薬物療法で、T細胞活性を増強することによって抗腫瘍効果をもたらし、多くのがん患者の予後を改善させている。しかし、副作用として心筋炎や致死性不整脈など循環器領域の免疫関連有害事象(irAE)の報告も散見される。そこで、稗田 道成氏(九州大学医学部 第一内科 血液・腫瘍・心血管内科)らがLIFE Study1)のデータベースを基に心臓irAEの発生率を調査し、3月8~10日に開催された第88回日本循環器学会学術集会Late Breaking Cohort Studies2において報告した。 稗田氏らは、大規模なリアルワールドデータを利用することで、心臓irAEを起こしやすい患者タイプ、発症タイミング、リスク因子を明らかにするため、LIFE Studyのデータベースを基にICI治療を受けた2,810例の解析を行い、実臨床で比較的頻度が高い心筋炎、心膜炎、死亡率の高い劇症型心筋炎や致死性不整脈の発症状況を調査した。 解析には、国内承認されているICIの6剤(抗PD-1抗体[ニボルマブ、ペムブロリズマブ]、抗PD-L1抗体[アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ]、抗CTLA-4抗体[イピリムマブ]の投与患者が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・LIFE StudyデータベースからICI治療を受けた2,810例を抽出後、心臓irAEと診断された124例を同定した(ICI治療開始から心臓irAE発症までの期間 3ヵ月未満:69例、3ヵ月以上:55例)。・124例の平均年齢±SDは70.2±8.0歳、女性は39例(31.5%)であった。・全心臓irAEの発症率は4.41%で、その発生率は100人年当たり2.02人だった。・心臓irAEの主な病態として、心膜炎(2.17%)、心室頻拍(1.14%)、心筋炎(0.78%)、心室細動(0.32%)が挙げられた。・3ヵ月未満で心臓irAEを発症したのは69例(56%)で、その割合はICI治療患者の2.46%、発生率は100人年当たり10.16人であった。・多重ロジスティック回帰分析の結果、不整脈、慢性心不全、がん転移の有無が心臓irAE発生の独立した危険因子であることが示唆された。また、年齢が高齢になればなるほど心臓irAEのリスクは低下することが判明した。 同氏は「本解析で明らかになった心臓irAEの発生率は既報の海外データと類似する結果2,3)であったが、日本人の大規模なリアルワールドデータを活用することで、心臓irAEの発生ならびにICI治療患者のリスク因子を実証することができた」とコメントした。

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喫煙による咽頭がんリスク、非喫煙者の9倍に

 飲酒、喫煙ががん罹患リスクと関連するとの報告は多いが、頭頸部がんと飲酒、喫煙、食習慣との関連をみた研究結果が発表された。米国・ワシントン大学のDaniel P. Lander氏らによる本研究の結果は、JAMA Otolaryngology誌オンライン版2024年2月8日号に掲載された。 本研究は、前立腺がん、肺がん、大腸がんおよび卵巣がん検診に関する臨床試験参加者のコホート解析だった。参加者は55~74歳、1993年11月~2001年7月に全米10施設で募集された。頭頸部がんを発症した参加者は、喫煙、飲酒、食習慣解析のため、人口統計学および頭頸部がん家族歴に加え、喫煙状況および喫煙期間に基づいて対照群とマッチングされた。データ解析は2023年1~11月に行われた。 主な結果は以下のとおり。・計13万9,926例(女性51%、平均年齢62.6[SD 5.4]歳)が解析の対象となった。追跡期間中央値12.1(四分位範囲[IQR]:10.3~13.6)年に571例が頭頸部がんを発症した。・喫煙に関連した頭頸部がんのリスクはがんの部位が肺に近いほど増加し、リスクが最大だったのは喉頭がんだった(現在喫煙者の非喫煙者と比較したハザード比[HR]:9.36、95%信頼区間[CI]:5.78~15.15)。・飲酒と食習慣の解析には、喫煙解析例のうち9万4,466例が含まれ、追跡期間中央値12.2(IQR:10.5~13.6)年で264例が頭頸部がんを発症した。・頭頸部がんリスクは大量飲酒で増加(HR:1.85、95%CI:1.44~2.38)した一方で、全粒穀物の摂取(1オンス/日、HR:0.78、95%CI:0.64~0.94)、果物の摂取(1カップ/日、HR:0.90、95%CI:0.82~0.98)、Healthy Eating Index 2015でスコア化した健康的な食事の摂取(10ポイント、HR:0.87、95%CI:0.78~0.98)で減少した。 研究者らは「喫煙に関連する頭頸部がんのリスクは、肺に近い部位ほど大きくなった。大量飲酒はより大きな頭頸部がんのリスクと関連したが、健康的な食事はリスクの緩やかな低下と関連した」とした。

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糖尿病患者の死因1位は男女ともに悪性新生物/糖尿病学会

 従来、糖尿病患者は、大血管障害で亡くなる患者が多かった。最新の『糖尿病診療ガイド 2022-2023』では、糖尿病治療の目標を「健康な人と変わらない人生」と定義し、糖尿病合併症である糖尿病細小血管合併症や動脈硬化性疾患の発症、進展の阻止を治療の柱としている。 では現在、糖尿病患者はどのような原因で亡くなっているのだろうか。糖尿病学会では「アンケート調査による日本人糖尿病の死因に関する研究委員会」(委員長:中村 二郎氏[愛知医科大学医学部 先進糖尿病治療学寄附講座 教授])を設置し、全国の医療機関にアンケートを行い、死因の調査を行っている。 今回、本委員会による2011~20年の糖尿病患者の死因の調査結果が、日本糖尿病学会誌である「糖尿病」に掲載された。なお、この結果は、2023年に鹿児島で開催された第66回日本糖尿病学会年次学術集会で発表されている。日本人一般に近くなってきた糖尿病患者の死因 本委員会は、1971年から10年ごとの死因の調査を行っており、今回で5回目となる。今回の2011~20年の調査では、1,154施設にアンケートを依頼し、施設全体での死亡症例(糖尿病患者/非糖尿病患者)を収集。208施設より登録された23万3,176症例(糖尿病患者:6万8,555例、非糖尿病患者:16万4,621例)を解析した。 糖尿病患者の死因に関する結果は以下のとおり。・全体では、1位が悪性新生物(38.9%)、2位が感染症(17.0%)、3位が血管障害(10.9%)だった。・男女とも悪性新生物が1位だったが、男性(40.6%)は女性(35.4%)より比率が高かった。血管障害の比率は男性(10.3%)より女性(12.1%)が多く、性差がみられた。・糖尿病性昏睡は全体で0.3%、低血糖性昏睡は全体で0.1%と1%を切っていた。・血管障害の内訳は、脳血管障害は全体で5.2%、虚血性心疾患は全体で3.5%、慢性腎不全は全体で2.3%だった。・悪性新生物の内訳で男性に注目すると、肺がん9.6%、膵がん6.1%、肝臓がん4.6%の順に多かった。膵がんは女性が7.2%と多かった。・感染症では、肺炎が全体で11.4%と感染症全体の3分の2を占めた。・1971~80年の死因に比べ、血管障害(慢性腎不全、虚血性心疾患、脳血管障害)が減少し、悪性新生物と感染症での死亡が増加していた。

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EGFR変異陽性NSCLCの1次治療、治験不適格患者へのオシメルチニブの効果は?

 オシメルチニブはFLAURA試験(未治療のEGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん[NSCLC]患者を対象に、オシメルチニブと他のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬を比較した試験)の結果1)に基づき、EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移NSCLC患者の1次治療に広く用いられている。実臨床においては、臨床試験への登録が不適格となる患者にも用いられるが、その集団における治療成績は明らかになっていない。そこで、カナダ・BC Cancer AgencyのJ. Connor Wells氏らがリアルワールドデータを用いて解析した結果、半数超の患者がFLAURA試験への登録が不適格であり、不適格の患者は適格の患者と比較して大幅に全生存期間(OS)が短かったことが示された。本研究結果は、Lung Cancer誌オンライン版2024年3月4日号で報告された。 本研究は、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学附属バンクーバー総合病院において、1次治療でオシメルチニブが投与されたEGFR遺伝子変異(exon19欠失変異、L858R変異)陽性の進行・転移NSCLC患者311例を対象に実施した。FLAURA試験への登録の適否で対象患者を2群に分類し(適格群/不適格群)、OSを比較した。なお、ECOG PS2以上、症候性またはステロイド治療を必要とする脳転移を有する、ヘモグロビン値90g/L未満、血小板数100×109/L未満、クレアチニンクリアランス50mL/min未満のいずれかを満たす患者をFLAURA試験への登録が不適格と定義した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者の44%が適格群、56%が不適格群に分類された。・追跡期間中央値26.5ヵ月時点における全体集団のOS中央値は27.4ヵ月であった。・FLAURA試験への登録の適否別にみたOS中央値は、適格群が34.2ヵ月であったのに対し、不適格群では15.8ヵ月と有意に短かった(p<0.001)。 本研究結果について、著者らは「FLAURA試験への登録が不適格であった患者が半数以上を占めたことから、本研究におけるOS中央値は27.4ヵ月であり、FLAURA試験の結果(38.6ヵ月)と比較して約1年短かった。しかし、適格群のOS中央値は34.2ヵ月であり、FLAURA試験の結果と同様であった。不適格群の患者は、ベースライン時の疾病負荷が高く、予後不良となった可能性がある。これらの患者の予後を改善するためには、さらなる研究が必要である」とまとめた。

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緩和ケアにおける低ナトリウム血症【非専門医のための緩和ケアTips】第71回

第71回 緩和ケアにおける低ナトリウム血症電解質異常には、いろいろな種類がありますが、遭遇する機会が最も多いものが「低ナトリウム血症」でしょう。頻度は高くとも、程度によっては意識障害や痙攣といった重篤な症状を引き起こします。緩和ケアでは、低ナトリウム血症とどのように向き合えば良いのでしょうか?今回の質問訪問診療で診ている終末期がん患者さん、低ナトリウムにどの程度介入すべきかを悩んでいます。低ナトリウム血症の原因は、SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)だと考えています。水分制限も考えるのですが、口渇が苦痛のようで、厳密に取り組むのは難しそうです。がん患者の低ナトリウム血症の原因として、しばしば見かけるのがこのSIADHですね。抗利尿ホルモンが不適切に分泌されることで水分の再吸収が過剰となり、低ナトリウムに至ります。この病態は、さまざまな原因で生じることが知られており、痛みや吐き気といった、がん患者でよく経験する症状でも悪化します。SIADHの治療は、原因除去と併行して、低ナトリウムの程度によっては水分制限を行います。回復可能な病態の高齢者に生じたSIADHに関しては、これらに取り組むことで改善することが通常です。ただし、緩和ケア領域で悩ましいのはここからです。改善可能な原疾患がないことが多いため、厳しい闘いを強いられます。水分制限も、今回のように口渇がある場合には、どこまで厳密に行うかは悩ましいところです。ここで考えるべきは予想される予後とのバランスでしょう。予想される予後が月単位を切っている状況であれば、すでにコントロール困難な低ナトリウム血症に対して、厳密な介入はデメリットのほうが大きい、と判断する専門家が大半でしょう。もちろん、この辺りは関係者で擦り合わせながら取り組むべき領域です。患者は口渇感を和らげるために飲水を望みますが、実はここでは口腔ケアも有効です。スポンジブラシなどで口の中を湿らしながらケアすることで、口渇感が和らぐことが知られており、検討するのも良いかもしれません。口腔ケアは病態改善だけでなく、症状緩和の観点からも重要なので、積極的に看護師と相談したい分野です。近年、予後が比較的保たれる状況での低ナトリウム血症に対する介入に、新たな選択肢が増えました。心不全患者に使用されていたトルバプタンが、2020年にSIADHへ適応拡大されたのです。予後の問題から私は処方経験があまりありませんが、状況によっては選択肢になるでしょう。ただし、採血でナトリウムを頻回に確認する必要があり、在宅医療における有効性は難しいところがあります。今日のTips今日のTipsがん患者の低ナトリウム血症、SIADHに注意しよう。

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RET融合遺伝子陽性の固形がん、セルペルカチニブの有効性(LIBRETTO-001)/日本臨床腫瘍学会

 RET融合遺伝子は主に非小細胞肺がん(NSCLC)や甲状腺がんにみられるが、それ以外のがん種でもまれではあるものの認められることがある。RET受容体型チロシンキナーゼ阻害薬セルペルカチニブは、本邦ではRET融合遺伝子陽性のNSCLCおよび甲状腺がん、RET遺伝子変異陽性甲状腺髄様がんにおける治療薬として用いられている。セルペルカチニブは脳転移を有するNSCLC患者において良好な頭蓋内奏効を示し1)、肺がん・甲状腺がん以外のRET融合遺伝子陽性の進行固形がんでも、有望な抗腫瘍活性を示すことが報告されている2)。第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)において、大江 裕一郎氏(国立がん研究センター中央病院 副院長/呼吸器内科長)が、国際共同第I/II相バスケット試験(LIBRETTO-001)の肺がん・甲状腺がん以外の患者を対象とした最新の解析結果を報告した。 LIBRETTO-001試験は、RET融合遺伝子陽性の進行・転移固形がん患者を対象とした国際共同第I/II相非盲検バスケット試験で、用量漸増パートと用量拡大パートから構成されている。用量拡大パートでは、セルペルカチニブ160mgを1日2回経口投与した。本解析は、肺がん・甲状腺がん以外の固形がん患者55例(有効性解析対象集団は52例)が対象となった。主要評価項目は独立判定委員会(IRC)評価に基づく奏効割合(ORR)で、副次評価項目は治験責任医師評価に基づくORR、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・有効性解析対象集団の年齢中央値は54.0歳(範囲:21~85)、前治療歴なしが9.6%、1~2ラインが61.5%、3ライン以上が28.8%であった。・有効性解析対象集団におけるがん種は16種類で、膵がんと大腸がんが最も多かった(いずれも13例[25.0%])。そのほかは唾液腺がん4例(7.7%)、肉腫、原発不明がん、胆管がん3例(5.8%)などであった。・IRC評価に基づくORRは44.2%(CR:3例、PR:20例)で、日本人集団(11例)では63.6%(CR:2例、PR:5例)であった。膵がんでは53.8%、大腸がんでは30.8%であった。・追跡期間中央値24.8ヵ月時点のPFS中央値は13.2ヵ月で、日本人集団では18.7ヵ月(追跡期間中央値33.1ヵ月)であった。・DoR中央値は37.2ヵ月で、日本人集団では17.3ヵ月であった。・追跡期間中央値33.2ヵ月時点のOS中央値は18.0ヵ月で、日本人集団では18.7ヵ月(追跡期間中央値34.4ヵ月)であった。・多く認められた有害事象(30%以上に発現)は、ALT上昇(45.5%)、AST上昇(36.4%)、下痢(32.7%)、口渇(32.7%)、高血圧(30.9%)であった。・安全性に関する新たなシグナルは認められなかった。 本研究結果について、大江氏は「セルペルカチニブはRET融合遺伝子陽性の固形がん患者において、持続的な抗腫瘍活性と忍容可能な安全性を示した。日本人集団の有効性・安全性は全体集団と同様であった。RET融合遺伝子などのactionableな遺伝子異常を同定するためには、全がん種でCGP検査を実施することが重要である」とまとめた。 なお、セルペルカチニブのRET融合遺伝子陽性固形がんへの適応追加について、日本イーライリリーが厚生労働省へ承認申請中である。

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ソトラシブ、アジア人のKRAS G12C変異陽性肺がんに対する成績(CodeBreaK200)/日本臨床腫瘍学会

 既治療のKRAS G12C変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するソトラシブの第III相CodeBreaK 200試験におけるアジア人サブグループ解析を、九州大学の岡本 勇氏が第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)で発表した。・対象:免疫チェックポイント阻害薬と化学療法薬の治療歴を有するKRAS G12C変異陽性のNSCLC(過去の脳転移治療例は許容)・試験群:ソトラシブ960mg/日(Soto群:171例)・対照群:ドセタキセル75mg/m2 3週ごと(Dtx群:174例)Dtx群からSoto群へのクロスオーバー投与は許容・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性、患者報告アウトカムなど 主な結果は以下のとおり。・アジア人集団は37例(日本24例、韓国13例)、Soto群18例、Dtx群19例であった。・アジア人患者の年齢中央値はSoto群65.0歳、Dtx群68.0歳で、ほとんどが現および前喫煙者であった。・BICR評価のPFS中央値はSoto群8.3ヵ月、Dtx群5.6ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.46、95%信頼区間[CI]:0.18〜1.15)。・BICR評価のORRはSoto群 27.8%、Dtx群15.8%、病勢制御率はSoto群94.4%、Dtx群57.9%であった。・BICR評価による奏効に至るまでの期間はSoto群1.3ヵ月、Dtx群2.3ヵ月であった。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)はSoto群の44.4%、Dtx群の62.5%で発現した。・Soto群で頻度が高かったTRAEは下痢、悪心、肝機能障害(AST、ALT、ALP上昇)であった。

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B7-H3標的ADCのI-DXd、固形がんへの有効性・安全性は?/日本臨床腫瘍学会

 既治療の進行・転移固形がん患者を対象として、抗B7-H3(CD276)抗体薬物複合体ifinatamab deruxtecan(I-DXd;DS-7300)の有用性が検討されている。第I/II相試験(DS7300-A-J101)の小細胞肺がん(SCLC)、食道扁平上皮がん(ESCC)、去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)、扁平上皮非小細胞肺がん(sqNSCLC)における最新結果が、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)において、土井 俊彦氏(国立がん研究センター 先端医療開発センター長)により報告された。 B7-H3は免疫関連分子であり、多くの固形がんで発現が認められるが、正常組織では発現しないか非常に低発現であると報告されている。また、B7-H3が高発現であると、予後が不良であることも報告されている1,2)。I-DXdは、国内で製造販売承認を取得しているトラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ)と同じリンカーとペイロードを用いた製剤である。 DS7300-A-J101試験は、既治療の進行・転移固形がん患者を対象とした第I/II相試験で、用量漸増パートと用量拡大パートから構成されている。用量拡大パートでは、推奨用量となったI-DXd 12.0mg/kgが3週ごとに投与された。I-DXdは10がん種の174例に投与され、本発表では、そのうちSCLC患者21例(日本人:5例)、ESCC患者28例(同:20例)、mCRPC患者59例(同:8例)、sqNSCLC患者13例(同:5例)における有効性、I-DXdが投与された全患者の安全性の結果が発表された。安全性の解析はI-DXdを投与された全例、有効性の解析はI-DXdを4.8~16.0mg/kgの用量で投与された患者が対象となった。 主な結果は以下のとおり。・SCLC、ESCC、mCRPC、sqNSCLC患者における有効性の結果は以下のとおり(括弧内は日本人のデータ)。 -追跡期間中央値(月):11.7(6.7)、14.9(14.9)、16.6(14.5)、5.2(4.4) -奏効率(%):52.4(40.0)、21.4(20.0)、25.4(12.5)、30.8(40.0) -奏効期間中央値(月):5.9(未到達)、3.5(2.8)、6.4(2.8)、4.1(4.0) -無増悪生存期間中央値(月):5.6(4.7)、2.8(3.9)、5.3(4.4)、不明 -全生存期間中央値(月):12.2(未到達)、7.0(9.7)、13.0(11.4)、不明・SCLCおよびmCRPC患者においてB7-H3の発現量と最良奏効との間に関連は認められなかった。・安全性解析集団における治療継続期間中央値は12.3ヵ月(日本人:12.3ヵ月)であり、Grade3以上の有害事象は43.7%(同:39.3%)に発現した。治療関連死は1例(同:1例)に認められた。・安全性解析集団において、8.0~16.0mg/kgの用量で投与された患者のうち10例(6.9%)に間質性肺疾患(ILD)が認められたが、多くがGrade1/2であった。ただし、16.0mg/kgの用量で投与された日本人集団の子宮内膜がん患者1例に、ILDによる死亡が認められた。 本研究結果について、土井氏は「多くの前治療歴のある固形がん患者において、I-DXdは忍容性があり、有望な抗腫瘍効果を示した。現在進行中の進行SCLC患者を対象とした第II相試験(NCT05280470)を含め、各がん種でのさらなる開発が期待される」とまとめた。

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テポチニブ、日本人METexon14スキッピング肺がんのリアルワールドデータ/日本臨床腫瘍学会

 テポチニブによる日本人METexon14スキッピング非小細胞肺がん(NSCLC)の最新のリアルワールドデータが発表された。 神奈川県立がんセンターの加藤 晃史氏は第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)で、テポチニブによる日本人METexon14スキッピングNSCLCの市販後調査の更新結果を発表した。対象は2020年6月〜2021年3月に登録されたMETexon14スキッピングNSCLC158例で、安全性・有効性評価対象は147例であった。観察期間はテポチニブの投与開始から52週である。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は72歳、PS2以上が2割以上、2次治療以降が半数以上を占めた。・全Gradeの有害事象(AE)発現率は72.1%、Grade≧3のAEは18.4%であった・頻度の高いAEは体液貯留(全Gradeで46.9%)、腎機能障害(同36.7%)、肝機能障害(同13.6%)で、間質性肺疾患は6.8%に発現した。・全奏効率(ORR)は51.0%、病勢制御率は77.6%であった。・ORRはECOG PSおよび前治療の有無にかかわらず一貫しており、PS2~4では45.2%、3ライン治療では46.2%、4ライン治療以降では51.5%であった。 発表者の加藤氏は、「この市販後調査結果は、日本人のMETexon14スキッピングNSCLCにおけるテポチニブの安全性と有効性を裏付けるものだ」としている。

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肺がん診療ガイドライン2023押さえておきたい3つのポイント【DtoD ラヂオ ここが聞きたい!肺がん診療Up to Date】第4回

第4回:肺がん診療ガイドライン2023押さえておきたい3つのポイントパーソナリティ日本鋼管病院 呼吸器内科 部長 田中 希宇人 氏ゲスト岡山大学病院 ゲノム医療総合推進センター 呼吸器内科 二宮 貴一朗 氏参考1)日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2023(オンライン版)関連サイト専門医が厳選した、肺がん論文・ニュース「Doctors'Picks」(医師限定サイト)講師紹介

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EGFR exon20挿入変異陽性NSCLC、amivantamab+化学療法の日本人データ(PAPILLON)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR exon20挿入変異は非小細胞肺がん(NSCLC)のEGFR変異のうち3番目に多く、12%を占めるという報告もある1)。しかし、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬はEGFR exon20挿入変異陽性のNSCLCに対する効果が乏しい。そこで、EGFR exon20挿入変異陽性のNSCLCを対象とした国際共同第III相無作為化比較試験(PAPILLON試験)において、EGFRおよびMETを標的とする完全ヒト型二重特異性抗体amivantamabと化学療法の併用の有用性が検証され、化学療法単独と比べて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な改善が報告された2)。第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)において、小野 哲氏(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)がPAPILLON試験の日本人サブグループの結果を報告した。・試験デザイン:国際共同非盲検無作為化比較第III相試験・対象:未治療のEGFR exon20挿入変異陽性のNSCLC患者・試験群:amivantamab+化学療法(amivantamab+化学療法群:153例[日本人:19例])・対照群:化学療法(化学療法群:155例[日本人:15例])※・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)に基づくPFS[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、PFS2(2次治療開始後のPFS)、安全性など※:化学療法群は病勢進行時にamivantamab単剤療法へのクロスオーバーが許容された(全体集団の65例、日本人集団の11例がクロスオーバー)。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値はamivantamab+化学療法群15.6ヵ月、化学療法群20.1ヵ月であった。・日本人集団において、ベースライン時に脳転移を有していた患者の割合は、amivantamab+化学療法群21%(全体集団:23%)、化学療法群33%(同:23%)であった。・日本人集団におけるBICRに基づくPFS中央値は、amivantamab+化学療法群15.5ヵ月(全体集団:11.4ヵ月)、化学療法群5.6ヵ月(同:6.7ヵ月)であった(ハザード比[HR]:0.22、95%信頼区間[CI]:0.09~0.53)。・日本人集団におけるORRはamivantamab+化学療法群72%(全体集団:73%)、化学療法群67%(同:47%)であった。 ・日本人集団におけるOS中央値は、amivantamab+化学療法群では未到達(全体集団:未到達)、化学療法群25.5ヵ月(同:24.4ヵ月)であった(HR:0.79、95%CI:0.17~3.62)。・日本人集団におけるPFS2中央値は、amivantamab+化学療法群18.6ヵ月(全体集団:未到達)、化学療法群13.9ヵ月(同:17.3ヵ月)であった(HR:0.44、95%CI:0.15~1.34)。・日本人集団における治療継続期間中央値は、amivantamab+化学療法群13.2ヵ月(全体集団:9.7ヵ月)、化学療法群5.1ヵ月(同:6.7ヵ月)であった。・日本人集団におけるGrade3以上の有害事象は、amivantamab+化学療法群90%(全体集団:75%)、化学療法群53%(同:54%)に発現し、全治療薬の中止に至った有害事象は、amivantamab+化学療法群11%(同:8%)に認められ、化学療法群では0例(同:8%)であった。・日本人集団における安全性プロファイルは全体集団と同様であり、安全性に関する新たなシグナルは認められなかった。 本研究結果について、小野氏は「amivantamabと化学療法の併用は、有効性・安全性が日本人集団でも全体集団と同様であり、安全性に関する新たなシグナルも認められなかった。これらの結果は、未治療のEGFR exon20挿入変異陽性のNSCLC患者において、本レジメンが新たな標準治療となることを支持するものである」とまとめた。

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EGFR変異陽性NSCLCの1次治療、ラムシルマブ+エルロチニブのOS最終解析結果(RELAY)/日本臨床腫瘍学会

 未治療のEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験(RELAY)において、VEGFR-2阻害薬ラムシルマブとEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)エルロチニブ併用の有用性が検証されている。エルロチニブへのラムシルマブの上乗せは、エルロチニブ単剤と比較して主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが報告され1)、実臨床でも本レジメンが用いられている。本試験は対象患者の約半数が日本人であり、日本人集団の有効性が良好で、とくにEGFR exon21 L858R変異を有するサブグループでさらに有効である可能性が報告されており2)、全生存期間(OS)の解析結果が期待されていた。第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)において、中川 和彦氏(近畿大学病院 がんセンター長)が世界に先駆け本試験のOSの最終解析結果を報告した。・試験デザイン:国際共同第III相無作為化比較試験・対象:未治療のEGFR変異陽性(exon19del、exon21 L858R)StageIV NSCLC患者・試験群:ラムシルマブ(10mg/kg、隔週)+エルロチニブ(150mg/日)を病勢進行または中止基準に該当するまで投与(併用群:224例[日本人:106例])・対照群:エルロチニブ(同上)を病勢進行または中止基準に該当するまで投与(単剤群:225例[日本人:105例])※・評価項目:[主要評価項目]PFS[副次評価項目]OS※、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DOR)、安全性・データカットオフ日:2023年10月20日※:OSの解析は約300例のイベント発生時に実施することが事前に規定され、データカットオフ時点で297例にイベントが発生した。検出力は設定されなかった。 主な結果は以下のとおり。・ITT集団におけるPFSの改善は、OS解析時(追跡期間中央値45.1ヵ月)まで一貫していることが確認された(層別ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.53~0.83、p=0.0002)。・日本人集団におけるPFS中央値は、併用群19.4ヵ月(ITT集団:19.6ヵ月)、単剤群11.2ヵ月(同:12.4ヵ月)であった(HR:0.69、95%CI:0.51~0.93)。・日本人集団におけるOS中央値は、併用群54.3ヵ月(ITT集団:51.1ヵ月)、単剤群46.0ヵ月(同:46.0ヵ月)であり(HR:0.91、95%CI:0.65~1.26)、OS中央値の差は8.3ヵ月(同:5.1ヵ月)であった。・日本人集団における4年OS率は併用群57.6%(ITT集団:52.8%)、単剤群48.0%(同:48.3)であった。・日本人集団におけるL858R変異患者のOS中央値は、併用群54.3ヵ月(ITT集団:51.6ヵ月)、単剤群43.2ヵ月(同:45.8ヵ月)であり(HR:0.63、95%CI:0.40~0.99)、OS中央値の差は11.0ヵ月(同:5.9ヵ月)と、併用群が良好な傾向にあった。・日本人集団におけるexon19del変異患者のOS中央値は、併用群53.9ヵ月(ITT集団:49.0ヵ月)、単剤群62.1ヵ月(同:51.4ヵ月)であり(HR:1.40、95%CI:0.65~1.26)、OS中央値の差は-8.2ヵ月(同:-2.4ヵ月)と、単剤群が良好な傾向にあった。・病勢進行時のEGFR exon20 T790M変異の発現率は、治療群によって違いはみられなかった(日本人集団の併用群52.0%[ITT集団:47.0%]、単剤群51.0%[同:46.0%])。・日本人集団において、試験薬による治療終了後にEGFR-TKIによる治療を受けた患者の割合は併用群85.8%、単剤群85.7%であり、オシメルチニブによる治療を受けた割合はそれぞれ60.4%、55.2%であった。・日本人集団におけるGrade3以上の有害事象は、併用群81.9%(全体の安全性解析対象集団:76.0%)、単剤群61.9%(同:56.4%)に発現し、全治療薬の中止に至った治療関連有害事象は、それぞれ18.1%(同:16.3%)、21.9%(同:11.1%)に認められた。・安全性プロファイルは、既報と同様であった。 本研究結果について、中川氏は「OSの検出力の設定はなされていなかったが、ラムシルマブとエルロチニブの併用により、臨床的意義のあるOS中央値の数値的な延長がITT集団と日本人集団で示された。OS中央値の数値的な延長は、日本人患者および日本人のL858R変異を有する患者で顕著であった。この結果から、これらの患者集団にはエルロチニブとラムシルマブの併用療法がベネフィットをもたらすことが示唆された」とまとめた。

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2030年末までにグローバル売上の3分の1をオンコロジーにする/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズは2024年2月19日、都内でオンコロジーメディアラウンドテーブルを開催した。 社長のケネット・ブライスティング氏はオンコロジー領域の展開に関する全体像を説明した。 ギリアドはグローバル戦略として、2030年末までに売り上げの3分の1をオンコロジー領域にするという目標を掲げている。日本法人でも、従来のウイルスや炎症に加え、オンコロジーを新たな注力領域とした。すでに、2023年のAxi-Cel(商品名:イエスカルタ)販売承継、24年には抗Trop-2抗体薬物複合体sacituzumab govitecan(SG)の乳がんに対する国内製造承認を申請している。25年以降は、肺がんなど固形がんに対するSGの追加適応、急性リンパ性白血病およびメルケル細胞リンパ腫を適応とした同社2剤目となるCAR-T brexucabtagene autoleucel(Brexu-Cel)の上市を計画している。 開発本部長の表 雅之氏は固形がんにおけるSGの展開について説明した。Trop-2は上皮細胞の膜表面タンパクで細胞内シグナル伝達に関与する。さらにTrop-2高発現は、がんの予後不良因子であることが知られる。SGはTrop-2を標的とした抗体とイリノテカンの活性代謝物SN-38の抗体複合体として抗腫瘍活性を発揮する。 SGはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)、HR+/HER2-乳がん、および尿路上皮がん治療薬として海外で承認されている。日本では2024年1月、第III相ASCENT試験1)および国内第II相ASCENT-J02試験2)の結果を基に、2ライン以上の治療歴のある進行TNBCに対する製造承認申請をした。乳がんに対してはさらに、TNBCの1次治療3)、HER2-例の術後補助療法4)、HR+例(3次治療および内分泌療法抵抗例)5)についての治験もグローバルで行われている。 SGの開発は非小細胞肺がん(NSCLC)でも進行中である。今年(2024年)1月にプレス発表された既治療のNSCLCにおける第III相EVOKE-01試験では、主要評価項目(全生存期間[OS])は未達であったものの、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)無効例では3ヵ月以上OSを延長したと発表している6)。NSCLCではさらに、1次治療での試験7)、ICIとの併用8)も進行中である。 そのほか胃・食道胃接合部がん、頭頸部がん、小細胞肺がん、子宮内膜がん、大腸がん、膵がんでSGのグローバル臨床試験が進行している。日本ではTNBC、HR+HER2-乳がん、膀胱がん、NSCLCで治験を実施中である。 ブライスティング氏は今後の開発について、多くの製薬企業やバイオテック企業と連携して開発を推進したいとしている。また、昨今問題となっているドラッグロス問題に関連して、グローバルの試験には日本法人として第III相から参加していきたいと述べた。■参考1)ASCENT試験(Clinical Trials.gov)2)ASCENT‐J02試験(jRCT)3)ASCENT-03試験(Clinical Trials.gov)4)SASCIA試験(Clinical Trials.gov)5)TROPiCS-02試験(Clinical Trials.gov)6)EVOKE-01試験(Clinical Trials.gov)7)EVOKE-02試験(Clinical Trials.gov)8)EVOKE-03試験(Clinical Trials.gov)

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緩和ケアでもよく経験する高カルシウム血症【非専門医のための緩和ケアTips】第70回

第70回 緩和ケアでもよく経験する高カルシウム血症緩和ケアでは、急性期ほど頻繁に検査は行いませんが、そうした中でも検査がカギとなる疾患もあります。そのうちの1つが高カルシウム血症です。どのようなときに、この疾患を疑うべきなのでしょうか?今日の質問訪問診療で担当する終末期の肺がん患者さん。1週間ほどでどんどん意識状態が悪化し、経過が速いことを心配して採血をしたところ、カルシウム値がかなり上昇していました。基幹病院に搬送したところ、回復して食事摂取も可能となりました。こうしたことは、よくあるのでしょうか?今回のご質問は、がん患者の高カルシウム血症についてです。私もこうした状況はよく経験します。文献にもよりますが、がん患者の10〜20%に高カルシウム血症が生じるという報告もあります。高カルシウム血症を疑う症状としては、倦怠感や口渇、多飲、便秘などがあります。可逆性も期待できる病態ですが、重症になるとせん妄や意識障害を引き起こすことがあります。がん患者に生じやすい電解質異常だと知ったうえで、これらの症状に注意して診療することが重要です。臨床的に問題になるのは、進行したがん患者には、そもそもの病状進行やオピオイドの使用などによって傾眠をはじめ、さまざまな症状が生じることです。こうした要素がある分、高カルシウム血症を疑うタイミングが遅れてしまうことがよくあります。今回の質問者はファインプレーをした、という見方もできるでしょう。がん患者の高カルシウム血症の治療は、ビスホスホネートの投与と脱水の補正が中心となります。私が研修医の頃は、まだビスホスホネートがなかったので、大量に輸液をしていました。最近は脱水の補正ができれば十分、という推奨が増えています。ここまで、がん患者における高カルシウム血症を中心にお話ししましたが、非がん患者でもこの病態が問題になることがあります。さて、ここからは私の失敗談です。患者は80歳代の女性。頸部骨折の手術後にリハビリ入院をした際に、私の担当となりました。入院からしばらくして、それまで元気だったのに、突然意識障害が進行しました。採血するとカルシウム値が非常に高くなっています。原因は、手術前から継続していたビタミンDでした。入院後に軟便で脱水になったタイミングがありましたが、その際も内服を継続しました。脱水傾向が出ているにもかかわらず内服を継続したことでカルシウム値が上昇し、さらに脱水が悪化する、という悪循環が生じていたのです。身体状況の変化で調整が必要になった薬剤に気付かず、高カルシウム血症を生じさせてしまった……。この苦い経験を通じて、緩和ケアに限らず、高齢者の診療では高カルシウム血症の可能性を忘れないようにしよう、と誓いました。今回は私の失敗談も含めてお話ししました。皆さまの参考になれば幸いです。今日のTips今日のTipsがん患者、とくに高齢患者では、高カルシウム血症を常に疑う。

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新規抗体薬物複合体SG、既治療のNSCLCに対する第III相試験の結果(EVOKE-01)/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズは2024年1月22日、既治療の進行または転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)に関するsacituzumab govitecan(SG)の第III相EVOKE-01試験において、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成できなかったと発表した。 EVOKE-01試験はプラチナベース化学療法や免疫チェックポイント阻害薬でPDとなった進行または転移のあるNSCLCを対象に、SGとドセタキセルを比較した試験である。 結果、主要評価項目であるOSは、SG群において良好な傾向が認められたものの、統計学的有意には至らなかった。もっとも、試験集団の60%超を占める、抗PD-1/L1抗体に奏効しなかったサブグループでは、対照群に比べてSG群で3ヵ月以上のOS延長が認められたとしている。 今回のデータは今後開催される医学学会で発表される。また、ギリアドは同試験の結果について規制当局との議論を予定している。 SGのNSCLCに関する臨床開発プログラムは、EVOKE-01以外にペムブロリズマブとの併用による第II相EVOKE-02試験、PD-L1高発現例の1次治療に関する第III相EVOKE-03試験が進行中である。

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