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新型インフルエンザ、健康体でも重篤な呼吸不全のおそれがある

本論は、メキシコの国立呼吸器疾患研究所のRogelio Perez-Padilla氏らによる、NEJM誌オンライン版2009年6月29日に発表された論文。2009年3月後半、メキシコで多発した呼吸器疾患は、その後の調査で、新型のブタ由来インフルエンザA型(H1N1)ウイルス(S-OIV)によるものであることが判明した。本論は、メキシコ市にある国立第三次呼吸器疾患病院に肺炎で入院し、検査の結果、このいわゆる新型インフルエンザと診断された症例の臨床像および疫学的特性についての報告である。本誌ではNEJM誌2009年8月13日号で掲載された。98例中18例がS-OIV感染によるものと判明Padilla氏らは、2009年3月24日から4月24日にかけて、メキシコ市の国立呼吸器疾患研究所に急性呼吸器疾患で入院した患者のデータを、後向きカルテ・レビューにて分析した。S-OIV感染の有無は、リアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応法を用いて確認した。その結果、98例の入院患者のうち18例がS-OIV感染による肺炎であった。18例の半数以上が13~47歳で、基礎疾患を有していたのは8例のみだった。また18例のうち16例は、当該疾患で入院していて、残り2例は他院から紹介されての入院例だった。臨床像としては、全患者で発熱、咳、呼吸困難または呼吸窮迫、乳酸脱水素酵素の血中濃度上昇、両側性斑状の肺炎が見られた。他の一般的な所見としては、クレアチンキナーゼ値の上昇(患者の62%)、リンパ球減少(同61%)がみられた。18例中12例が人工呼吸、7例が死亡また、12例は人工呼吸器を必要とし、そのうち7例が死亡した。初期の症例患者と接触して7日間以内に、医療従事者のうち22人が軽度または中等度のインフルエンザ様疾患を発症し、オセルタミビル(商品名:タミフル)を投与された。医療従事者における二次感染はいずれも重篤なものではなく、入院には至っていない。以上から研究グループは、若年層から中高年層にかけては、たとえ健康体でもS-OIV感染が急性呼吸不全症候群や死亡に至る重篤な疾患を引き起こす可能性があると結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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HPV 16の短期的持続感染は、数年後の子宮頸がん初期病変を強く予測する

登録時と1年後の遺伝子検査で2回とも発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)が検出(短期的持続感染)された女性は、数年後に子宮頸がんの初期病変としての子宮頸部上皮内がん(CIN)を発現する可能性が有意に高いことが、アメリカ国立がん研究所疫学・遺伝学部門のPhilip E Castle氏らがコスタリカで実施したコホート研究で判明した。発がん性HPVの持続感染は子宮頸部異常のリスクを増大させることがわかっており、スクリーニング法としてHPVの発がん性の遺伝子型に関するDNA検査の導入が進んでいる。HPV遺伝子検査は高い信頼性を持つが、従来の細胞診に比べ感受性は高いものの特異度が劣るという。BMJ誌2009年8月8日号掲載(オンライン版2009年7月28日号)の報告。コスタリカ人女性を対象に40以上のHPVの遺伝子型を解析研究グループは、発がん性HPVの短期的な持続感染の検出と、CIN grade II+、III+の累積発現率の関連について検討するために地域住民ベースのコホート研究を実施した。対象は、コスタリカのグアナカステ州在住の性的活動期にある女性2,282人。受診時に採取した試料を用いて40以上のHPVの遺伝子型について解析した。特に発がん性の高い遺伝子型として、HPV 16、18、26、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68、73、82が考慮された。主要評価項目は、組織学的に確定されたCIN grade II+の3年および5年の累積発現率とした。陽性/陽性例の3年累積発現率は17.0%、2回ともHPV 16だと40.8%登録時と約1年後(9~21ヵ月)の遺伝子検査の双方で発がん性HPVが陽性であった女性(陽性/陽性例)におけるCIN grade II+の3年累積発現率は17.0%であった。これに対し、登録時陰性で1年後陽性の女性(陰性/陽性例)における3年累積発現率は3.4%、陽性/陰性例は1.2%、陰性/陰性例は0.5%であり、いずれも発現リスクは有意に低減した。陽性/陽性例のうち、検出された遺伝子型が2回の検査で同じ場合と違う場合を合わせたCIN grade II+の累積発現率が17.0%であり、遺伝子型が2回とも同じ場合に限ると21.3%であったが、両者に大きな差は認めなかった。HPV 16の短期的持続感染によるCIN grade II+の3年累積発現率は40.8%と、高い予測値が確認された。これらと同様のパターンが、CIN grade II+の5年累積発現率およびCIN grade III+の3年、5年累積発現率にも観察された。著者は、「発がん性HPV、なかでもHPV 16の短期的持続感染が検出される場合は、数年後のCIN grade II+の発現が強く予測される」と結論し、「HPV 16、18など最もリスクの高い遺伝子型を集中的にモニターして、他の発がん性の遺伝子型はまとめて評価する方法が実践的である。HPV 16、18の検出に発がんリスクに関する高い信頼性を置き、これと引き替えにそれ以外の遺伝子型が繰り返し検出されてもHPV持続感染とはみなさないというトレードオフの考え方は許容できるものであり、さらなる検討を進めるべき」としている。(菅野守:医学ライター)

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NIMSと旭化成クラレメディカルが、血液浄化用医療用フィルターなどの共同開発に着手

独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)と旭化成クラレメディカル株式会社は、両社が血液浄化用医療用フィルターならびにバイオ医薬品プロセス用分離デバイスの共同開発に着手することに合意したと発表した。今回の合意では、NIMSのナノ有機センターの研究グループが開発した水処理用ナノ膜の技術を血液浄化システム等に応用するために、ナノ膜の分離性能の最適化や安全性の向上を目指すとのこと。NIMSでは、有機分子を高速濾過する多孔性ナノシートを開発しており、同様な分画分子量(濾過される分子の大きさ)をもつ市販の水処理膜と比較して、約1000倍の処理速度を実現している。また、高分子やタンパク質を除去するナノ膜の製造において、独自の技術を開発してきた。一方、旭化成クラレメディカルは、血液透析で使用される人工透析膜(ダイアライザー)の市場において、国内1位、世界シェア2位を競うメーカーである。ダイアライザーの需要は、経済成長が著しい中国やインドなどで増加しており、市場が急速に拡大することが見込まれている。また旭化成クラレメディカルは、血液浄化療法(アフェレシス)用、バイオ医薬品向けのウイルス除去用のデバイスなども手がけている。詳細はプレスリリースへhttp://www.nims.go.jp/news/press/2009/08/p200908180.html

4164.

新型インフルエンザ感染妊婦は迅速に治療を

汎発性H1N1 2009インフルエンザウイルスに感染した妊婦は重症化しやすく、合併症をきたして入院に至る可能性が高いため、確定例のみならず可能性例を含め迅速に治療を開始すべきことが、アメリカ国立慢性疾患予防・健康増進センターのDenise J Jamieson氏らが実施した調査で明らかとなった。アメリカを含む世界規模で広範に発生した発熱性呼吸器感染症の原因として、汎発性H1N1 2009インフルエンザウイルスが同定された。症状は軽度~重度までさまざまだが、妊婦への影響に関する報告はほとんどないという。Lancet誌2009年8月8日号(オンライン版2009年7月29日号)掲載の報告。CDCによる強化サーベイランスの一環として調査研究グループは、今回の発生から1ヵ月以内にアメリカ国内の妊婦におけるH1N1ウイルスの感染状況および発生後2ヵ月以内の感染死亡例について解析を行った。妊婦感染の初回報告後、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は強化サーベイランス(enhanced surveillance)の一環として、汎発性H1N1ウイルス感染妊婦の病態および死亡について系統的な情報収集を開始した。急性呼吸器感染症の症状を呈し、リアルタイムRT-PCR法あるいはウイルス培養にて汎発性H1N1ウイルスが確認された場合を「確定例(confirmed case)」と定義した。発熱をともなう急性呼吸器感染症の症状がみられ、インフルエンザA型は陽性だがH1およびH3が陰性の場合を「可能性例(probable case)」とした。感染妊婦は合併症発現リスクが増大、日頃から妊婦へ情報提供を2009年4月15日~5月18日までに、13州から34人の妊婦が確定例および可能性例としてCDCに報告された。入院例は11例(32%)であった。発生1ヵ月以内におけるH1N1ウイルス感染者の推定入院者数(10万人当たり)は、一般人口の0.076人に対し妊婦は0.32人と高率であった。4月15~6月16日までに、CDCには6人の感染妊婦の死亡が報告されたが、いずれも肺炎を発症し機械的人工換気を要する急性呼吸促迫症候群を呈してした。著者は、「妊婦は汎発性H1N1ウイルス感染による合併症の発現リスクが増大している可能性がある。これらのデータは、H1N1ウイルス感染妊婦には迅速に抗インフルエンザ薬による治療を行うべきとする現行の勧告を支持するものである」と結論し、「妊婦には、H1N1ウイルスや他の新たな病原体について、どのような公衆衛生上の対策があるかの情報を伝えることが重要である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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【書籍紹介】市中感染症診療の考え方と進め方-IDATEN感染症セミナー

日常診療で誰もが遭遇する市中感染症だが、医師は目の前の患者をどう診断し、治療していったらよいのか? 日本における臨床感染症診療と教育の普及・確立・発展を目的として設立された「IDATEN(日本感染症教育研究会)」メンバーが、そのプロセスをわかりやすく解説する。 主な内容第1章 市中感染症へのアプローチ  感染症診療の基本原則(青木 眞)  初期治療に反応しない場合の評価と治療のストラテジー(大野博司) 第2章 臨床でよく出遭う市中感染症のマネジメント  1.肺炎のマネジメント(岩渕千太郎)  2.細菌性髄膜炎のマネジメント(笹原鉄平)  3.皮膚・軟部組織感染症のマネジメント(大曲貴夫)  4.骨・関節・軟部組織感染症のマネジメント(岩田健太郎)  5.感染性心内膜炎のマネジメント(大曲貴夫)  6.胆道系感染症のマネジメント(矢野晴美)  7.急性下痢症のマネジメント(土井朝子)  8.尿路感染症のマネジメント(藤田崇宏)  9.急性腹症のマネジメント(岩田健太郎)  10.STI・骨盤内炎症性疾患のマネジメント(本郷偉元)  11.敗血症のマネジメント(大野博司)  12.急性咽頭炎・急性副鼻腔炎のマネジメント(上田晃弘)  13.深頸部感染症のマネジメント(具 芳明)  14.腹腔内感染症・腸管穿孔のマネジメント(大野博司) 第3章 臨床で重要な微生物  Introduction  グラム陽性球菌(山本舜悟)  グラム陰性桿菌(山本舜悟)  嫌気性菌(岩渕千太郎) 第4章 臨床で重要な抗菌薬  ペニシリン系抗菌薬(大野博司)  セフェム系抗菌薬(大野博司)  マクロライド系抗菌薬(大野博司)  キノロン系抗菌薬(大野博司)  判型 B5 頁 216 発行 2009年08月 定価 3,675円 (本体3,500円+税5%) ISBN978-4-260-00869-3  詳細はこちらへhttp://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=63002

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抗インフルエンザウイルス薬CS-8958の第III相臨床試験で安全性を確認

第一三共株式会社は10日、抗インフルエンザウイルス薬CS-8958(一般名:laninamivir)の第III相臨床試験の結果を発表した。同試験は、A型またはB型のインフルエンザウイルスに感染した20歳以上の成人患者を対象とし、CS-8958の20mg、40mg 単回吸入投与群の有効性と安全性について、オセルタミビルリン酸塩(タミフルカプセル)75mg の1日2回、5日間反復経口投与群(計10回投与)を対照とした二重盲検比較試験として実施。その結果、有効性の主要な評価指標であるインフルエンザ関連症状の改善時間について、CS-8958の20mg、40mg の各投与群で、いずれもオセルタミビルリン酸塩投与群に対する非劣性が検証されたとのこと。CS-8958 の用量間の比較では、20mgより40 mg の方が優れた効果が認められ、安全性については、問題となる有害事象は認められなかったという。また、小児(9歳以下)を対象とした第II/III相試験は、オセルタミビルリン酸塩(タミフルドライシロップ)を対照とした二重盲検比較試験として実施。その結果、CS-8958の20mg、40mgの各投与群でいずれもオセルタミビルリン酸塩投与群より優れた効果が認められたとのこと。安全性については、問題となる有害事象は認められなかったという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.daiichisankyo.co.jp/4less/cgi-bin/cs4view_obj.php/b_newsrelease_n1/1012/20090810_CS-8958%20P3%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9_J_final.pdf

4167.

新型インフルエンザA 型(H1N1)ワクチンを米国FDA に一変申請

サノフィ・アベンティスグループ(EURONEXT:SANおよびNYSE:SNY)のワクチン事業部門であるサノフィパスツールは7日、米国食品医薬品局(FDA)に、2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの承認事項の一部変更承認申請(以下「一変申請」という)を行ったことを発表した。この一変申請は、2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンについては、季節性インフルエンザワクチンに含まれる新ウイルス株を承認する場合と同じ薬事手続きで審査するという、最近のFDA勧告を受けて行われたもの。今回のサノフィパスツールの2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチン一変申請は、非アジュバントワクチンに限定するという。これらのウイルス株変更の一変申請では、新たな臨床データによって裏付けを行う必要はないとのことだが、免疫原性と安全性に関するデータは、臨床研究を通じて検討されるとのこと。サノフィパスツールは、米国において6日から、2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの免疫原性と安全性を臨床試験で検討する予定だ。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/EDCCEFFC-8AD2-40D6-B5F7-EF5D80EEDE10.pdf

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HPVタイピングDNAチップ「クリニチップHPV」 製造販売承認取得

積水メディカル株式会社は6日、株式会社東芝と共同開発したHPV型判別(以下、HPVタイピング)DNAチップ「クリニチップHPV」の体外診断用医薬品の製造販売承認を7月30日付にて厚生労働省より取得し、9月より販売を開始すると発表した。「クリニチップHPV」は子宮頸がんの原因である高リスク13種のヒトパピローマウィルス(HPV)を高感度にタイピングすることが出来る日本で初めての体外診断薬であり、東芝が開発した電流検出型DNAチップ技術および栄研化学株式会社が開発した遺伝子増幅技術であるLAMP法を採用した純国産技術による新規診断薬。なお、積水メディカルは、本診断薬の製品化のために、既に栄研よりLAMP法特許の実施許諾を取得している。なお、試薬の製造および検査キットの製造販売は積水メディカルが行い、HPV‐DNAチップおよび測定装置の製造は東芝ホクト電子株式会社が担当するという。また、東芝および東芝ホクト電子は、最大24個のDNAチップを連続で自動測定可能な自動ローディング装置を一体化した自動DNA検査装置を開発し、本診断薬の発売に併せ、積水メディカルを通して発売を開始するとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.sekisuimedical.jp/news/release/090806.html

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ノロウイルスをタンパク質存在下でも除去できる消毒剤を開発

メルシャン株式会社は7月31日、ノロウイルスをタンパク質存在下でも除去できる消毒剤の開発に成功したと発表した。「ノロウイルス」の感染防止策として、患者からの吐物などのウイルスを含む汚染物の処理が重要であるとされているが、ウイルス粒子の感染性を奪うには、次亜塩素酸ナトリウムで消毒するか、85℃以上の加熱が必要とされているという。同社では既存の予防策よりもより安全さと使い易さを実現するため「エタノール」と食品添加物としても利用可能な「リン酸」の組み合わせによる新しい消毒剤の開発を行った。試験では「ノロウイルス」のモデルとして「ネコカリシウイルス(F9株)」を用い、感染価の測定はネコ腎臓細胞(CrFK)によるプラック法にて実施。試験サンプルと蛋白質(一般細菌用ブイヨン培地)を加えたウイルス液(蛋白質含量80mg/ml,40mg/ml,20mg/ml,0mg/ml)を等量混合し、1分間作用させた後、感染価の測定を行った。研究結果は以下の通り(抜粋)。●20%~80%濃度のエタノール単独では、ウイルス不活化効果が認められなかった。●同社の開発した消毒剤は、「エタノール」に「リン酸」を添加することで、60秒以内の短時間でウイルスを100万分の1以下に減少させる不活化効果を付与することができた。さらに、高濃度の蛋白質を加えたウイルスに対しても有効であり、1600ppm濃度の次亜塩素酸ナトリウムよりも高い不活化効果があった。なお、この研究成果を、『ネコカリシウイルスをモデルとしたノロウイルスに対する消毒剤の開発』として「日本食品工学会第10回(2009年度)年次大会」(会期: 8月1日(土)、2日(日))で発表された。詳細はプレスリリースへhttp://www.mercian.co.jp/company/news/2009/09039.html

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ペグインターフェロン、α-2aとα-2b間および用量の違いでの奏効率に有意差なし

C型慢性肝炎患者には、治療ガイドラインで、ペグインターフェロンα-2a(商品名:ペガシス)もしくはα-2b(商品名:ペグイントロン)を、リバビリン(商品名:コペガス、レベトール)との併用で用いることが推奨されている。しかし、両剤には構造上および投与用量(体重補正 vs. 固定)の違いから、臨床転帰に重大な違いがもたらされると言われ、いくつかのエビデンスも報告されている。そうした中で、米国デューク大学医療センターのJohn G. McHutchison氏らIDEAL研究グループは、「HCVジェノタイプⅠ型患者で、製剤間・用量間による有意差はなかった」とする報告を発表した。NEJM誌2009年8月6日号(オンライン版2009年7月22日号)掲載より。HCV未治療患者3,070例を、3治療群に無作為化し48週治療IDEAL(Individualized Dosing Efficacy vs. Flat Dosing to Assess Optimal Pegylated Interferon Therapy)は、ペグインターフェロン製剤の用量について、標準用量投与(α-2a、α-2b)と低用量(α-2b)との比較を主目的とする試験。米国の118の医療施設から、HCVジェノタイプⅠ型の未治療患者を、無作為に48週間、3つの治療群に割り付け、持続性ウイルス陰性化率、安全性、有害事象を調べた。3つの治療群は、(1)ペグインターフェロンα-2b標準用量(1.5μg/kg体重/週)+リバビリン800~1,400mg/日、(2)ペグインターフェロンα-2b低用量(1.0μg/kg体重/週)+リバビリン800~1400mg/日、(3)ペグインターフェロンα-2a標準用量(180μg/週)+1,000~1,200mg/日。2004年3月~2006年6月に4,469例がスクリーニングを受け、3,070例が3群に無作為化された。3治療群間で、持続性ウイルス陰性化、安全性とも同等3群間の持続性ウイルス陰性化は、同等だった。(1)α-2b標準用量群は39.8%、(2)α-2b低用量群は38.0%、(3)α-2a標準用量群は40.9%[(1)対(2)のP=0.20、(1)対(3)のP=0.57]。α-2b標準用量群と低用量群との奏効率の推定差は1.8%(95%信頼区間:-2.3~6.0)、α-2b標準用量群とα-2a標準用量群とでは-1.1%(同:-5.3~3.0)だった。再発率は、α-2b標準用量群では23.5%(同:19.9~27.2)、α-2b低用量群で20.0%(同:16.4~23.6)、α-2a標準用量群31.5%(同:27.9~35.2)だった。安全性プロフィールは、3群間で同等であり、重篤な有害事象は、8.6~11.7%の患者で観察された。治療4週と12週の検出不可能なHCV RNAレベルを有する患者の間で、それぞれ、持続性のウイルス学的効果は、86.2%と78.7%において成し遂げられた。HCV RNA量未検出だった患者の、治療4週時点の持続性ウイルス陰性化率は86.2%、12週時点では78.7%だった。McHutchison氏は「HCVジェノタイプⅠ型患者で、3つの治療間に、持続性ウイルス陰性化率および忍容性に有意差はなかった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)●厚労省関連サイトhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/hokushin/index.html●慢性肝炎診療のためのガイドラインhttp://www.jsh.or.jp/medical/gudelines/index.html

4171.

サノフィパスツール、フランス政府より新型インフルエンザA型(H1N1)ワクチンの製造を受注

サノフィ・アベンティスグループ(EURONEXT:SAN、NYSE:SNY)のワクチン事業部門であるサノフィパスツールは、フランス保健省より、新型インフルエンザA型(H1N1)ワクチンの製造要請を受けたと発表した。今回のフランス保健省からの発注は、初回分として新型インフルエンザA型(H1N1)ウイルスに対するワクチン2,800万回接種分に関するものであり、追加の2,800万回接種分を発注するオプションも含まれているという。なお、今回の発注は、パンデミックと宣言された、あるいはパンデミックの可能性があるとして世界保健機関(WHO)によって特定されたウイルスに対するワクチンをフランス保健省が購入することを規定した、パンデミックインフルエンザワクチンの供給に関するサノフィパスツールとフランス政府間の既存契約に従って行われたとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/88FAC59A-4479-4168-850B-583303D89427.pdf

4172.

空間除菌剤(低濃度 二酸化塩素ガス発生ゲル)配置により小学校生徒の欠席率減少

大幸薬品株式会社は、北京にて開催された学会「World Summit of Antivirals」において、「呼吸器ウイルス感染症に対する低濃度二酸化塩素の効果( Effect of low-concentration chlorine dioxide gas against respiratory virus infection)」の研究結果について発表、その中で、空間除菌剤(低濃度 二酸化塩素ガス発生ゲル)配置により小学校生徒の欠席率が減少したと報告した。本研究では、小学校において二酸化塩素ガスを発生させる機材(今回は『クレベリン G* 150g』を使用)を3 個配置した教室と、何も配置しなかった教室(ともに約65 平方メートル)において、在籍する児童の欠席数/欠席率を比較。その結果、二酸化塩素ガスを発生させなかった17の教室(生徒数:593 名)ののべ出席日数が21634 日(96.0%)、のべ欠席日数が900 日(4.0%)だったのに対し、低濃度の二酸化塩素ガスを発生させた教室(生徒数:34名)ではのべ出席日数が1272 日(98.5%)、のべ欠席日数は20 日(1.5%)となり、教室内で二酸化塩素ガスを発生させることによる生徒の欠席率における有意な差が見られたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.seirogan.co.jp/dl_news/file0028.pdf

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HIV インテグレース阻害薬「S/GSK1349572」の前期第2相臨床試験を公表

塩野義製薬株式会社は21日、Shionogi-GlaxoSmithKline Pharmaceuticals, LLC(本社:米国デラウェア州)を通じて開発中の次世代インテグレース阻害薬S/GSK1349572(塩野義製薬 開発番号:S-349572)について、南アフリカ共和国(ケープタウン)で開催されている国際エイズ学会(IAS)第5回年次総会において前期第2相臨床試験結果を公表したと発表した。S/GSK1349572は、HIV 患者を対象とした前期第2 相臨床試験において、インテグレース阻害薬の臨床試験では唯一、1日1回投与で各種評価目標を達成したという。同試験はインテグレース阻害薬の治療経験がなく、同薬の投与前に抗HIV 治療を受けていないHIV-1 感染患者35名を対象に、S/GSK1349572を2mg~50mg、あるいはプラセボを単剤で投与する群に無作為割付し、二重盲検による1日1回、10日間投与の治療を多施設において共同で実施。S/GSK1349572 は上記投与量(2mg~50mg)に応じた血中濃度及び薬効を示し、プラセボと比較すると11日目の血中HIV RNA量のベースラインからの減少量は1.5~2.5log コピー/mL に達し、また50mg投与群では、ウイルス量検出限界(50コピー/mL)以下まで血中ウイルス量が低下した患者の割合が70%(7/10例)に達したとのこと。同薬の投与期間前後でS/GSK1349572耐性ウイルスの出現は認められていないという。安全性に関しては、S/GSK1349572 は概して良好な忍容性を示し、死亡や重篤な有害事象の報告はなく、副作用を原因とする治験からの患者の脱落もなかったとのこと。最も多くみられた有害事象は下痢と倦怠感で、これらの有害事象が発現した確率はプラセボ群(下痢43%、倦怠感29%)よりもS/GSK1349572投与群の方が低い結果になったという(下痢14%、倦怠感7%)。なお、S/GSK1349572は、後期第2相臨床試験を準備中で、7月中にも試験を開始する予定とのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/090721.pdf

4174.

扶桑薬品と3DMが外科用止血材TDM-621の国内独占販売を提携

扶桑薬品工業株式会社は22日、株式会社スリー・ディー・マトリックス(3DM)と、同社が開発中の自己組織化ペプチド「PuraMatrix」を原料とした外科用止血材製品(開発コード:TDM-621)の国内における独占販売許諾契約を締結したことを発表した。今回の提携は、3DMが扶桑薬品に対して本製品の国内における独占販売権を許諾し、この製品を3DMより独占的に仕入れし、全国の医療機関への販売を行うもの。外科用止血材TDM-621は、人体の構成成分である3種のアミノ酸から成るペプチドを原料とした透明な液体で、血液に触れると瞬時にハイドロゲルを形成する特性(自己組織化)により、血管を物理的に塞いで止血を行うもので、外科手術全般への使用が対象となる。このペプチドは化学合成により製造し、動物由来の物質を完全に排除できることから、C型肝炎ウイルス等に感染するリスクがないことが特徴。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.fuso-pharm.co.jp/news_topics/pdf/2009_07_22.pdf

4175.

メカブフコイダンの鳥インフルエンザの感染予防作用を確認

 理研ビタミン株式会社は21日、富山大学大学院 医学薬学研究部 生薬学研究室 林 利光教授との共同研究でわかめのメカブから抽出したフコイダンに、鳥インフルエンザの感染予防作用があることを動物試験にて確認したと発表した。  7N2 亜型)を鼻から感染させ、メカブフコイダンをウイルス感染1週間前から感染1週間後までの2週間、経口投与した。その結果、メカブフコイダンの投与により肺や気道でのウイルス増殖が有意に抑制されたとのこと。また、抗体の産生量が上昇していることもわかり、これらの効果はメカブフコイダンの投与量に依存したものだという。  さらに、ウイルスが感染する場であるのどや鼻などの粘膜面に存在し、ウイルス細菌などの侵入を阻止する生体防御成分である分泌型IgA の産生量が、メカブフコイダンの摂取により増加することが明らかになったとのこと。 なお、同研究成果はオーストリア・ウィーンで開催される国際会議「15th European carbohydrate symposium」で発表するとのこと。 詳細はプレスリリースへ(PDF) http://www.rikenvitamin.jp/profile/ir/20090721_ir.pdf

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抗インフルエンザウイルス薬「ペラミビル」の第3相臨床試験について

塩野義製薬株式会社は17日、ノイラミニダーゼ阻害剤・ペラミビル (開発コード番号:S-021812) が、第3相試験において主要目標を達成したことを発表した。本剤の第3相単回投与試験 (二重盲検試験) を多施設国際共同治験 (日本100施設、韓国*25施設、台湾21施設) として1099例の季節性インフルエンザ感染症患者を対象に実施した結果、主要評価項目であるインフルエンザ罹病期間において、ペラミビル300mgおよび600mgを単回静脈内投与した両群で、オセルタミビルリン酸塩(タミフル)経口投与群(1回75mgを1日2回、5日間)に対する非劣性を証明することができたという。インフルエンザ罹病期間の中央値は、300mg群:78.0時間、600mg群:81.0時間、タミフル群:81.8時間。また、300mg投与群はタミフル群に対して有意に低い副作用発現率を示したという。なお、二次的な有効性評価項目や安全性データの詳細については、現在解析中とのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/090717.pdf

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免疫抑制剤「プログラフ」に潰瘍性大腸炎での国内追加適応取得

 アステラス製薬株式会社は7日、免疫抑制剤「プログラフ」(一般名:タクロリムス水和物)に関し、日本において「難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)」の追加適応症について承認を取得したことを発表した。 潰瘍性大腸炎の病因は、これまで細菌ウイルス等の感染説、自己免疫説、血管障害説等が提唱されてきているものの、未だその原因は不明であるが、近年、腸管粘膜局所における免疫学的異常が発症に深く関与していることを示唆する知見が得られているという。そのため、プログラフが、大腸粘膜における活性化T細胞からの種々の炎症性サイトカインを抑制することで大腸の炎症を抑え、症状を改善することが期待されているとのこと。 タクロリムスは、同社が創製した免疫抑制剤。現在、プログラフという製品名で、臓器移植における拒絶反応抑制剤として世界80以上の国と地域で発売されている。日本においては、さらに骨髄移植、全身型重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎の適応症を追加取得しているが、(全ての)重症筋無力症についても申請中とのこと。また、プログラフに加えて、タクロリムス1日1回投与の徐放性製剤について日本(製品名:グラセプター)、欧州(製品名:アドバグラフ)をはじめ、世界25ヵ国で発売されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-54.html

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小児急性リンパ性白血病治療における予防的頭蓋照射は必要か

予防的頭蓋照射は、中枢神経系(CNS)再発リスクの高い小児急性リンパ性白血病(ALL)の標準治療とされてきたが、長期生存が可能になるにつれてその副作用が問題となっている。聖ユダ小児研究病院(米国テネシー州メンフィス)のChing-Hon Pui氏らのグループは、新たにALLと診断された小児全例で、化学療法と併用される予防的頭蓋照射を除外できるかどうかを調べるため臨床試験を実施した。NEJM誌2009年6月25日号掲載より。非照射群71例と照射群56例の5年完全寛解期間を比較2000年6月から2007年10月にかけて、評価可能とされた1歳から18歳まで498例のALL患者が対象として登録された。化学療法の強度は寛解導入治療後の所見と微小残存病変のレベルに基づいて決定された。以前であれば予防的頭蓋照射となる71例の非照射群と、すでに照射を受けた56例の対照群とで、完全寛解の持続期間を比較した。498例の患者の5年イベントフリー生存率と全生存率はそれぞれ、85.6%(95%信頼区間:79.9~91.3)と93.5%(89.8~97.2)だった。CNS単独再発5年累積リスクは2.7%(1.1~4.3)、全CNS再発率(CNS単独再発と合併再発の計)は3.9%(1.9~5.9)だった。非照射群の完全寛解期間が有意に持続71例の非照射群の完全寛解期間は、56例の照射群より有意に長期間持続した(P=0.04)。CNS単独再発患者は11例で、全例、第2寛解期を0.4~5.5年間持続した。CNS白血病(CNS-3)または診断時に腰椎穿刺で芽細胞が認められることと、寛解導入療法後6週の微小残存病変が高レベル(≧1%)であることは、イベントフリー生存率の有意な低下と関連していた。CNS再発のリスクファクターとしては、t(1;19)(TCF3-PBX1)遺伝子変異、診断時にわずかでもCNS併発が見られること、そしてT細胞免疫表現型であることが挙げられた。よく見られた有害事象としては、アスパラギナーゼに対するアレルギー反応、骨壊死、血栓症、播種性真菌感染症などだった。これらから研究グループは、リスク調整した効果的化学療法を施行すれば、予防的頭蓋照射を小児期ALLの治療から除外することに問題はないと結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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新型インフル感染642例の症例報告:CDC(2009年6月3日時点)

世界保健機関(WHO)が、新型インフルに関して人-人感染の拡がりを警告するフェーズ4を宣言したのは、2009年4月27日夜(日本時間28日朝)だった。日本政府は同発表を受け同日、公式な警戒宣言を発令した。そして6月30日18時現在、警戒水準はパンデミックを示すフェーズ6、感染者数は世界で70,893名(死亡311名)、日本でも、1,211名(死者0)となっている。新型インフルのヒトへの発現が初めて確認・報告されたのは4月23日(日本時間24日)、米国疾病対策予防センター(CDC)からだったが、本論はそのCDCによる、米国での4月15日~5月5日に新型インフル感染が確認された642例に関する報告で、NEJM誌2009年6月18日号に掲載されたものである。Fatimah S. Dawood氏らCDCのNovel Swine-Origin Influenza A(H1N1)Virus Investigation Teamによる同報告は、オンライン版で5月7日に発表されたが、本誌掲載時のデータは6月3日に更新されている。60%が18歳以下、主症状は発熱、せきCDCが、ブタ由来新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス[swine-origin influenza A(H1N1)virus]を同定したのは、2009年4月15日と4月17日の2つの疫学的に関連のない患者からだった。以後、同一のウイルス株は、4月15日~5月5日の間に、全米41州で642例が確認された。以下に、主な結果を示す。・患者の年齢:3ヵ月~81歳。60%が18歳以下の患者だった。・感染経緯:データが得られた患者18%(68/381例)が、最近メキシコに渡航していた。また16%(104/642例)は、学校での集団感染だった。・主な症状:最も多く見られたのは「発熱」94%で、「せき」92%、「のどの痛み」66%と続く。また、「下痢」25%、「嘔吐」25%もあった。・入院有無が確認できたのは399例。そのうち実際に入院を要したのは36例(9%)だった。・入院時のデータが得られたのは22例である。そのうち12例は、重篤な季節性インフルエンザのリスクが増大した特徴を有していた。11例には肺炎が見られ、8例がICUにて治療を受けた。4例が呼吸不全を呈し、死亡は2例だった。研究チームは最後に、「確定症例数よりも、実際の症例数はずっと多い可能性が高い」と述べているが、6月25日時点での米国内感染者数は27,717例(死亡127例)と発表されている。(本稿関連・情報参照先サイト)・厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html・CDC:H1N1 Fluhttp://www.cdc.gov/h1n1flu/・読売新聞:新型インフル特集http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/index.htm(朝田哲明:医療ライター)

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新型インフル流行前、2005年末から散見されていたトリプル再集合体ウイルス:CDC

すでに各メディアで報じられているので耳にしたことがあると思われるが、本論は、米国疾病管理予防センター(CDC)Vivek Shinde氏らがNEJM誌2009年5月7日号で発表した、新型ウイルスパンデミック前夜に散見されていた、トリ・ヒト・ブタのインフルエンザウイルスの遺伝子を有する「トリプル再集合体ブタインフルエンザA(H1)ウイルス」の感染症例に関する報告である。本誌では2009年6月18日号で収載された(データは、5月22日にアップデートされたものが掲載されている)。1990年代以降北米のブタで大流行し続けているトリプル再集合体ウイルストリプル再集合体ブタインフルエンザA(H1)ウイルス(以下、トリプル再集合体ウイルス)は、1990年代後半、北米においてブタに出現し、以後、同地域のブタの支配的な風土病となっているウイルスタイプである。本来同地域のブタ風土病は、古典的なタイプのブタインフルエンザA(H1N1)ウイルスによるもので、インフルエンザウイルスがブタおよびヒトで疾患原因として同定された1930年代以降、ほぼウイルスタイプが変化することなく、ブタの間で流行を繰り返してきていた。なお、A(H1N1)型のヒトへの感染については、過去35年間で50症例ほどが世界で報告されており、ブタに曝露する職業に就く人々では感染リスクが高いことが示唆されていたが、2009年4月まで、ヒト-ヒト感染については非常に限られた報告しかなかった。しかし今回、A(H1N1)型がヒト-ヒト感染に至っているばかりか、さらにその中から4例(カナダ2例、アメリカ2例)のトリプル再集合体ウイルスの感染例が報告された。米国内で2009年2月までに11例のヒトでの感染報告トリプル再集合体ウイルスのヒトへの感染を、CDCが初めて確認したのは2005年12月。以後、2009年2月までに11例の感染報告を受けている(そのうち8例は、2007年6月の動物由来のインフルエンザウイルスのヒトへの感染報告が義務付けられて以降のもの)。11例の年齢中央値は10歳(16ヵ月~48歳)。4例には基礎疾患があった。ブタ曝露が確認されたのは9例で、5例はブタに直接接触、4例はブタがいる場所には行ったが直接は接触していなかった。また、その他1例については曝露が確認できなかった、残り1例についてはヒト-ヒト感染が疑われた。直近の曝露から発症までの期間(潜伏期間)は、3~9日だった。症状は、10例で、「発熱」90%、「せき」100%、「頭痛」60%、またインフルエンザではまれな「下痢」30%などが見られた。CBC(全血球計算値)が入手できた4例から、白血球減少が2例で見られ、またリンパ球減少が1例で、血小板減少が1例で見られた。入院例は4例だった。そのうち2例が重度の下気道疾患に至り人工呼吸器による治療を受けた。また4例がオセルタミビル(商品名:タミフル)投与を受けた。全例が回復に至っている。(朝田哲明:医療ライター)

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