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乳児の細気管支炎、エピネフリン+デキサメタゾン併用療法で入院が減る可能性

 乳児に最もよく見られる急性感染症の細気管支炎(大半はRSウイルスが原因)には、エピネフリン+デキサメタゾン併用療法を行うことで、入院を有意に減らす可能性があるとの報告が、カナダから寄せられた。オタワ大学小児科のAmy C. Plint氏らPERC(Pediatric Emergency Research Canada)の調査による。北米での細気管支炎による入院は、ここ10~15年でほぼ倍増しており、入院医療費は1998年時点で約4億~7億ドルに上ると試算されている。一方で、細気管支炎への治療についてはなお論争の的となっており、気管支拡張薬とコルチコステロイド療法は広く行われているが、推奨はされていない。研究グループは、それら懸念や論争に一石を投じるべく、救急部門で行われている治療(エピネフリン吸入療法、短期のデキサメタゾン経口投与、もしくは両治療の併用)によって入院が減っているかどうかを調べた。NEJM誌2009年5月14日号より。乳児800例対象の多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験 小児科救急部門を受診した細気管支炎の乳児800例を対象とした、多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験。対象患児は、無作為に4群(併用群、エピネフリン群、デキサメタゾン群、プラセボ群)に割り付けられた。 エピネフリンは、0.1%溶液3mLの吸入を2回、デキサメタゾンは、経口投与6回(救急部門で1.0mg/kg体重、以後0.6 mg/kg体重/日を5日間)で治療された。 主要転帰は、救急部の初回受診から7日以内の入院とした。 ベースラインでの臨床的特徴は4群とも同等だった。 入院率は併用群17.1%、プラセボ群26.4% 7日までに入院したのは、併用群が34例(17.1%)、エピネフリン群47例(23.7%)、デキサメタゾン群51例(25.6%)、プラセボ群53例(26.4%)だった。 重大な有害事象は特に見られなかった。 解析の結果、補正前解析では、プラセボ群と比較して併用群だけが、7日以内の入院率が低いように思えた(相対リスク:0.65、95%信頼区間0.45~0.95、P=0.02)。しかし、多重比較解析後には、この結果は意味をなさなくなっていた(P=0.07)が、研究グループは、「併用療法を行うことで、入院を有意に減らす可能性がある」と結論している。■「デキサメタゾン」関連記事術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ

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バリキサに臓器移植と悪性腫瘍におけるサイトメガロウイルス感染症への効能・効果追加承認

田辺三菱製薬株式会社は21日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「バリキサ錠450mg(一般名:バルガンシクロビル塩酸塩)」について、5月20日付で効能・効果の追加に係る承認事項一部変更承認を取得し、これまでの「後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎の治療」から、「後天性免疫不全症候群、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)、および悪性腫瘍におけるサイトメガロウイルス感染症」の効能・効果となったと発表した。サイトメガロウイルス(CMV:cytomegalovirus)は、典型的な日和見病原体ウイルスで、日本人のほとんどは生後早期にCMVの感染を受け、潜伏感染の状態でCMVを終生体内(肺、消化管、肝臓など)に保有しているといわれている。近年の強力な免疫抑制剤の使用により、臓器移植の臨床成績は著しく向上している一方で、同剤の使用により誘因される免疫不全状態は日和見感染症(CMV感染症等)を誘発し、致命的感染症へと進展することが少なくないという。国内では、臓器移植後のCMV感染症には、同社が製造販売する「デノシン点滴静注用500mg」が抗CMV化学療法剤として使用されているが、点滴静注で投与することから、患者への負担が大きく、経口投与が可能な製剤が望まれていた。同社は、経口剤であるバリキサ錠450mgの臨床試験を2006年より開始し、その結果、臓器移植患者における本剤の高い効果が確認されたことから、2008年6月に本効能・効果の追加の承認申請を行っていた。詳細はプレスリリースへhttp://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2009/MTPC090521.html

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4価HPVワクチンGARDASILのHPV16型に対する長期予防効果が実証される

万有製薬株式会社の発表によると、子宮頸がんを予防する4価HPVワクチン GARDASILが、HPV16型に対して長期予防効果があることがわかったという。この結果は、GARDASILに含まれているHPV16型のワクチンの長期的な有効性に関する臨床試験結果と、GARDASIL接種後の細胞診結果や子宮頸部病変に対する治療に関する臨床試験結果で、スウェーデンにて開催された国際パピローマウイルス学会(International Papillomavirus Conference)で発表された。HPV16型ワクチン接種群では、HPV16型に感染していない女性群において、平均8.5年の間、HPV16型への感染、またHPV16型に起因する前がん病変(子宮頸部上皮内腫瘍、 CIN)の発生は認められず、また、別の試験では14種類のHPVに感染していない女性群において、GARDASILは細胞診の異常を17~45%減少させるという結果が出たという。GARDASILは米国など109ヵ国で承認されており、多くの国で、接種の義務化や接種費用の公費助成が行われている。多くの国での適応は、9~26歳の女性に対するHPV6、11、16、18型に起因する子宮頸がん、外陰がん、腟がん、それらの前がん病変または異形成、HPV16、11型に起因する尖圭コンジローマの予防である。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2009/merck_0515.html

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感染研が新型インフルエンザの「診断の流れ」と「治療・予防投与の流れ」を掲載

国立感染症研究所感染症情報センターは5月6日、日本国内の医療機関に向けて、新型インフルエンザの診断・治療・予防投薬について示した文書を掲載した。  ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)診断の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_diagnosis.pdf ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)抗ウイルス薬による治療・予防投薬の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_treatment-chemoprophylaxis.pdf 

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米国CDC暫定ガイダンス、豚インフルエンザで1歳未満にもオセルタミビルを推奨

米疾病対策センター(CDC)は米東部時間28日午後7時、豚由来インフルエンザウイルス感染の確定例や疑い例の小児を診る米国の臨床医に向けて暫定ガイダンスを発表、1歳以上の幼児の豚由来インフルエンザの治療と予防にオセルタミビルとザナミビルの投与を推奨している。 注:ガイダンスは暫定的なものであり、今後、データの蓄積により変更もありえる ●Interim Guidance for Clinicians on the Prevention and Treatment of Swine-Origin Influenza Virus Infection in Young Childrenhttp://www.cdc.gov/swineflu/childrentreatment.htm 

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米国CDC暫定ガイダンス、豚インフルエンザで妊婦の治療・予防にも抗ウイルス薬を推奨

米疾病対策センター(CDC)は米東部時間28日午後1時45分、豚由来インフルエンザウイルスの妊婦に対する治療や感染予防に関する暫定ガイダンスを発表、妊婦であっても抗インフルエンザ薬による治療、予防を推奨している。 注:ガイダンスは暫定的なものであり、今後、データの蓄積により変更もありえる ●Interim Guidance—Pregnant Women and Swine Influenza: Considerations for Clinicianshttp://www.cdc.gov/swineflu/clinician_pregnant.htm 

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HIV-1感染者に対する抗レトロウイルス薬療法はいつ開始すべきか?

AIDS非発症HIV-1感染者に対する抗レトロウイルス薬療法は、CD4細胞数が350/μLまで低下する前に開始すべきことが、When To Start Consortiumによる共同解析で明らかとなった。HIV-1感染者にどのタイミングで併用抗レトロウイルス薬療法を開始すべきかという重要課題を解決するには、CD4細胞数の閾値の下限を決定する必要があるが、これを目的とした無作為化対照比較試験はいまだなされていないという。同研究グループのJonathan A C Sterne氏(イギリスBristol大学社会医学科)らが、Lancet誌2009年4月18日号(オンライン版2009年4月9日号)で報告した。コホートのデータを用いてCD4細胞数の範囲とAIDS発症率、死亡率の関連を評価When To Start Consortiumの研究グループは、無作為化試験が存在しない状況で、HIV-1感染者にどのタイミングで併用抗レトロウイルス薬療法を開始すべきかという疑問に答えるために、18のコホート研究のデータの解析を行った。18試験中の15試験に登録されたHIV感染者で、前治療として抗レトロウイルス療法を受けていない患者のうち、1998年1月1日以降に併用抗レトロウイルス療法を開始したもの(AIDS非発症、CD4細胞数<550/μL、注射薬物の使用歴なし)が解析の対象となった。併用抗レトロウイルス療法導入前(1989~95年)のコホートに登録された患者のデータを用いて、未治療例におけるCD4細胞数の変動幅を推算し、AIDSの発症状況および死亡率の評価を行った。また、治療開始のタイミングが遅い場合(待期的治療)と早い場合(即時的治療)で、CD4細胞数の範囲とAIDS発症率、死亡率にどのような関連があるかを評価した。CD4細胞数350/μLを閾値下限とすべき併用抗レトロウイルス療法導入以前にフォローアップが行われた2万1,247例と、併用療法で治療が開始された2万4,444例のデータが得られた。CD4細胞数が251~350/μLに低下してから治療を開始した患者では、351~450/μLの段階で治療を始めた場合に比べAIDSを発症して死亡する率が有意に高かった(ハザード比:1.28)。CD4細胞数の閾値が低下するに従って、待期的治療による有害事象が増加した。待期的治療の死亡率は、即時的な治療法に比べ高かった。著者は、「これらの結果により、HIV-1感染者に対する抗レトロウイルス薬療法開始の指標として、CD4細胞数350/μLを閾値の下限とすべき」と結論し、「この知見は治療を開始するタイミングの決定に役立つだろう」としている。(菅野守:医学ライター)

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新型インフルエンザに関する情報サイト

新型インフルエンザに関する情報サイトのリンクです。 ●MLインフルエンザ流行前線情報DBhttp://ml-flu.children.jp/ ●日本感染症学会緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」http://www.kansensho.or.jp/ ●日本予防医学リスクマネージメント学会「新型インフルエンザ A(N1H1) 情報」http://www.jsrmpm.org/JSwineinfo.html ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)診断の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_diagnosis.pdf ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)抗ウイルス薬による治療・予防投薬の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_treatment-chemoprophylaxis.pdf ●UP-TO-DATE「Epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis of swine H1N1 influenza A」http://www.utdol.com/home/content/topic.do?topicKey=pulm_inf/18836 ●新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)に係る症例定義及び届出様式についてhttp://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090429-03.html  ●首相官邸「海外における新型インフルエンザの発生に関する政府の対応状況」http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html ●厚生労働省「新型インフルエンザ対策関連情報」http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html ●厚生労働省「ブタインフルエンザに対する対応について」http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090426-02.html ●WHO「Swine influenza」http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html ●CDC「Swine Influenza (Flu)」http://www.cdc.gov/swineflu/ ●国立感染症研究所感染症情報センター「ブタインフルエンザ」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html ●青木眞先生のブログにCDCの一般向けの翻訳が掲載されていますhttp://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/b60eb34d09d10229a171a400faf59300 ●新型インフルエンザ・ウォッチング日記http://blog.goo.ne.jp/tabibito12 

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ヒト用パンデミックインフルエンザワクチンEmerflu、オーストラリアで承認を取得

サノフィ・アベンティス株式会社は31日、仏サノフィパスツール社が、ヒト用パンデミックインフルエンザワクチンであるEmerfluがオーストラリア治療製品局(TGA:Therapeutic Goods Administration)から販売承認を取得したことを発表しました。Emerfluワクチンは、パンデミックが公式に宣言された場合のオーストラリアにおけるパンデミックインフルエンザワクチンとして承認された。Emerfluは、同定されたパンデミック株から製造され、オーストラリア政府による行動計画のもと、オーストラリアで接種される。オーストラリアにおけるEmerfluの承認は2004 年後半に開始された、アルムアジュバントを含有する、不活化H5N1 パンデミックインフルエンザワクチン候補の臨床試験結果に基づき、2009年2月13日、オーストラリア医薬品評価委員会(ADEC:Australian Drug Evaluation Committee)による肯定的な勧告を受けて決定された。これらの試験では、現在世界各国の保健当局と専門家が次のパンデミックの原因になりうると同定しているH5N1ウイルス株に対するEmerfluの安全性と防御免疫応答について評価が行われたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/8E70BBBE-FD94-4CA7-8E20-293E401C087C.pdf

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CMV糖蛋白Bワクチンの有効性

サイトメガロウイルス(CMV)の先天性感染は、新生児の聴覚・認知機能・運動障害の重要な原因である。米国では、2001年に医学研究所委員会が、CMVワクチン開発を最優先事項の1つと定めたが、一方で、ワクチン開発が始まって30年以上になるものの、効果が確実なワクチンは未だ開発には至っていない。本論は、1990年代に臨床試験が開始されたCMV糖蛋白Bワクチン(MF59アジュバントを加えた組み換えCMVエンベロープ糖蛋白Bワクチン)の第2相試験の結果で、アラバマ大学(米国・バーミンガム)小児科のRobert F. Pass氏らによる報告である。NEJM誌2009年3月19日号より。出産後0・1・6ヵ月時点で母体に接種試験は無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、妊娠可能年齢の女性のうち出産後1年以内のCMV陰性の女性を対象に行われた。参加者は、出産後0ヵ月時点、1ヵ月時点、6ヵ月時点でワクチン接種群(230例)あるいはプラセボ接種群(234例)に無作為に割り付けられ、3ヵ月ごとに42ヵ月間、CMV感染の有無が検査された。主要エンドポイントは、CMV感染が確認されるまでの期間。中間解析時点でワクチンの有効性確認試験は中間解析の時点で、ワクチンの有効性が確認され、勧告により中止となった。CMV感染者は、追跡期間1年時点で49例(ワクチン群18例、プラセボ群31例)。カプラン・マイヤー解析の結果、ワクチン群が42ヵ月間感染しない可能性は、プラセボ群より高いことが示された(P=0.02)。ワクチンの有効性は、100人当たり感染率を基礎とし50%(95%信頼区間:7~73)と算出されている。被験者新生児の先天性感染は、ワクチン群1例、プラセボ群3例。プラセボ群よりもワクチン群で、局所反応(疼痛、紅斑、硬結、熱感)、全身反応(悪寒、関節痛、筋肉痛)がより多く確認された。これらの結果を踏まえ研究グループは、「CMV糖蛋白Bワクチンは、母体感染および先天性感染を減ずる可能性がある」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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08~09シーズンのインフルエンザA型におけるタミフル耐性は98.5%:アメリカ

2008~09シーズン中に検査を行ったインフルエンザA(H1N1)ウイルスのうち、オセルタミビル(商品名:タミフル)耐性株が98.5%を占めたことが、CDC(米国疾病対策センター)のNila J. Dharan氏らワーキンググループの調べで明らかになった。同耐性株は、2007~2008シーズンから世界的に増加してきている。JAMA誌2009年3月11日号(オンライン版2009年3月2日号)より。耐性株の割合は昨シーズン12.3%から今シーズン98.5%に大幅増加同氏らは、2007年9月~2008年5月、2008年9月~2009年2月にかけて、CDCに寄せられたインフルエンザA(H1N1)ウイルスについて分析を行った。オセルタミビル耐性については、ノイラミニダーゼ阻害薬検定とピロシーケンス分析で確認した。その結果、07~08シーズンのインフルエンザウイルスのうち、19%がA(H1N1)ウイルスで、24州から集められたインフルエンザA(H1N1)ウイルス1,155のうち、142(12.3%)がオセルタミビル耐性株だった。08~09シーズンについては、インフルエンザA(H1N1)ウイルス268のうち、264(98.5%)がオセルタミビル耐性株だった。オセルタミビル耐性株、症状や既往症、地域などで感受性株と類似性別、年齢、人種や既往症についてオセルタミビル耐性株99例と感受性株182例について比較したところ、有意差は見られなかった。抗ウイルス薬で治療を受けた人を除いて症状について比較したところ、感受性株群で筋肉痛や関節痛の発症率が有意に高かったが、その他の症状には有意差はなかった。また、入院率についても、感受性株群で有意に高率だったが、耐性株群のうち、入院直前で死亡した2人を含めると、有意差はなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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幹細胞移植によるHIV-1長期コントロールの可能性

これまでの知見として、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染には、CD4レセプターとケモカイン・レセプター(CCR、主にCCR5)の存在が不可欠であり、CCR5アレル(対立遺伝子)のうち、32塩基対が突然変異で欠損した遺伝子(CCR5 delta32)をホモ接合で持つ人はHIV-1感染に対して抵抗性を示すことが知られている。シャリテ医科大学(ドイツ)Gero Hutter氏らの研究グループは、このCCR5 delta32ホモ接合のドナーから取り出した幹細胞を、急性骨髄性白血病に罹患したHIV-1感染症患者1例に移植し、HIVの長期間にわたるコントロールが可能かどうかを調べた。NEJM誌2009年2月12日号に短報が掲載された。変異したCCR5のHIV-1抵抗性に期待HIV-1はCD4レセプターと結合して宿主細胞に侵入し、その後CCR5またはCXCケモカイン・レセプター(CXCR4)と相互に作用する。しかし、CCR5アレル32塩基対欠損型のホモ接合(delta32/delta32)は細胞表面のレセプターが不活性であるため、HIV-1感染に対して強い抵抗性を示すとされている。免疫応答に深く関わるヒト白血球抗原(HLA:Human Leukocyte Antigen)領域が一致するドナーからの幹細胞移植は、急性骨髄性白血病患者の治療法としては実行可能な選択肢であるが、この治療法はHIVにも感染している患者の治療法としては確立されていない。HIV感染症患者の予後は多剤併用療法(HAART)の導入以後かなり改善している。その結果として、HAARTを併用した同種異系間の幹細胞移植も2000年から始まり、好成績をおさめている。2回目の移植後3ヵ月でHIV-1DNAは検出されず今回報告された急性骨髄性白血病に罹患した40歳白人男性の症例は、10年以上前にHIV-1に感染していたが、4年前からHAART療法を受けており、その間、AIDSに関連する疾病は見られなかった。Gero Hutter氏らは、この患者に対し同種異系間の幹細胞移植を2回行ったところ、3ヵ月時点でHIV-1RNAは検出されなくなり、急性白血病も寛解した。患者は移植後20ヵ月間、臨床的反跳を起こすことなく、また抗レトロウイルス療法も中断したままであると報告している。これらから、CCR5 delta32ホモ接合はHIV-1感染から守る重要な役割を示していると述べている。今回の移植は、あらかじめCCR5 delta32欠損とホモ接合性の有無をスクリーニングした上で、HLAが一致した非血縁ドナーから提供された幹細胞を使って行われた。(朝田哲明:医療ライター)

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英国政府が新型インフルエンザ対策としてリレンザに関する契約を締結

グラクソ・スミスクライン株式会社は18日、英国GSK社が新型インフルエンザのパンデミック発生時に使用することを目的として、同社の抗インフルエンザウイルス薬「リレンザ」(一般名:ザナミビル)を1,060万人分供給するという契約を、英国政府と締結したと発表した。この契約は、2009年1月29日に英国政府が追加購入した1,800万人分の抗ウイルス薬の一部。今回の購入により、英国保健省が有する抗ウイルス薬の備蓄量が倍増し、英国人口の約半数に相当する量の抗ウイルス薬が備蓄されることとなった。これは、英国政府が描く最悪のシナリオである、人口の50%が新型インフルエンザを発症した場合でも発症者全員を治療できる十分な量である。ザナミビルは、現在の英国の抗ウイルス薬備蓄量の約3分の1を占めている。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_01/P1000532.html

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nitazoxanideの国内開発、製造、販売のライセンス契約が締結

中外製薬株式会社は18日、米国Romark Laboratories社が海外でC型慢性肝炎治療薬として開発を進めているnitazoxanide(販売名:Alinia)について、国内における開発、製造、販売に関する独占的な権利取得のライセンス契約を同社と締結し、国内での開発を決定したことを発表した。nitazoxanideは、寄生生物、細菌ウイルスに対し広範囲なスペクトルを有する経口のチアゾリド系化合物であり、既に寄生虫症の下痢に対する適応で2002年に米国食品医薬品局より承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp;jsessionid=LA3HAOLLDQTRSCSSUIHSFEQ?documentId=doc_12811&lang=ja

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乳幼児RSV感染症は入院・外来医療ともに大きな負荷をもたらす

乳児の入院に至る主要な要因にRSVウイルスがあることはよく知られているが、幼児におけるRSV感染症が医療資源全体に与える負荷については明らかではない。ロチェスター医科大学(アメリカ)のCaroline Breese Hall氏らは、アメリカの3つの郡(テネシー州ナッシュビル、ニューヨーク州ロチェスター、オハイオ州シンシナティ)で、5歳未満児における急性呼吸器感染症について、住民ベースの前向き調査を行った。NEJM誌2009年2月5日号より。生後6ヵ月未満児のRSVによる入院リスクは高い研究グループは、2000年~2004年にかけて入院した乳幼児、2002年~2004年にかけて外来救急や小児科クリニックを受診した乳幼児を登録し、培養と逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応法でRSVを検出した。臨床情報は保護者からの聞き取りとカルテから入手し、RSV感染症と関連する入院率を算出するとともに、外来受診率を住民ベースで推計した。登録した5,067例(入院2,892例、救急・外来2,175例)のうち、RSV感染症は入院が546例、救急・外来が355例、合わせて919例(18%)あった。全体として、11月から4月にかけての急性呼吸器感染症による入院の20%、救急受診の18%、小児科クリニック受診の15%がRSVと関連していた。年間平均入院率は、生後6ヵ月未満の乳児で17例/千人、5歳未満の幼児で3例/千人だった。大部分の乳幼児に併存疾患は見られず、早産児であること、低年齢であることが入院の独立したリスク因子と認められた。5歳未満児の外来受診率の高さもターゲットにすべき一方、5歳未満の幼児におけるRSV関連のクリニック受診率は救急受診の3倍と推計された。これを全米に当てはめると、RSV感染症に罹患する5歳未満児は210万人で、救急受診が約52万人、クリニック受診が約152万人(そのうち61%、126万人は2~5歳児が占める)と推計された。ところが、外来患者には中等度のRSV関連疾患が見られるものの、RSVに起因する疾患と診断が確定した患者はわずか3%に過ぎなかった。研究グループは、アメリカにおける乳幼児の入院・外来いずれの環境においても、RSV感染症が罹患率に大きく関わっており、しかもRSV感染症に罹患した乳幼児の大部分はそれまで健康であったことから、ハイリスク乳幼児だけを対象とした感染管理戦略では、RSV感染症がもたらす医療資源全体に対する負荷にもたらす効果は限定的であり、わずか18%にとどまる5歳未満児のワクチンの接種率を上げるべきだと述べている。(朝田哲明:医療ライター)

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リアルタイムPCR法によるHIV RNA定量試薬「アキュジーン m-HIV-1」新発売

アボットジャパン株式会社は9日から、リアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によるHIV(ヒト免疫不全症ウイルス)RNA定量試薬「アキュジーン m-HIV-1」(96回用)を発売した。アキュジーン m-HIV-1は2008年11月10日に医薬品製造販売承認を取得し、同年12月16日に保険適用された。本品はリアルタイムPCR測定装置「Abbott m2000rt アナライザー」の専用試薬で、HIV-1のグループM(サブタイプA-H)、グループN、グループOを検出・測定できる初のリアルタイムPCR法によるHIV RNA定量試薬。1.0mLの血漿検体を用いて40コピー/mLのごく微量なウイルス量から10,000,000 /mL(107/mL)の高ウイルス量まで、感度良く、広いダイナミックレンジで定量できるため、正確なウイルス量のモニタリングと最適な治療の選択が可能となった。アキュジーン m-HIV-1は、世界50ヶ国以上で販売されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.abbott.co.jp/press/2009/090209.asp

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インフルエンザ患者数が減少も依然と高い水準に

インフルエンザ流行レベルマップによると、2009年第5週のインフルエンザの全国レベルでの定点当たり報告数は35.62(患者発生報告数170,498)と前週の定点当たり報告数37.45よりも減少したことがわかった。ただし、減少したといえども、流行はまだ高い値にある。都道府県別では、沖縄県(67.9)、香川県(56.0)、宮崎県(52.6)、長崎県(48.2)の順。警報レベルを超えている保健所地域は363箇所(46都道府県)と増加し、注意報レベルのみを超えている保健所地域は177箇所(42都道府県)におよぶ。また、第36週以降これまでに、インフルエンザウイルスの検出はAH1(Aソ連)型960件、AH3(A香港)型644件、B型234件が報告されている。インフルエンザ流行レベルマップhttps://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/index.html

3958.

約10分で鳥インフルエンザウイルスを検出する技術が開発される

 シスメックス株式会社は9日、大阪府立公衆衛生研究所と共同で新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高いと言われる鳥インフルエンザウイルスを簡易・迅速に検出する技術(検査キット)を開発したと発表した。 これまで鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスの区別には遺伝子増幅法など特殊な分析技術が必要だったが、この技術は前処理した検体を試験紙に滴下する簡単な操作で、約10分と短時間で検出できるという。様々なタイプの鳥インフルエンザウイルスの検出が可能で、将来、その発生が懸念されている新型インフルエンザウイルスの検出にもつながのではと期待されている。 従来のインフルエンザウイルス迅速診断キットでは、鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスを区別することはできなかった。しかし、同社と大阪府立公衆衛生研究所の共同研究により、鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスの内部に存在するたんぱく質(核たんぱく質)の構造にわずかな違いがあることを突き止め、これを目印に鳥インフルエンザウイルスのみを簡易・迅速に検出する技術を確立したという。また、核たんぱく質は変異に影響されにくいという特徴もあるため、鳥インフルエンザウイルスの表面構造(表面たんぱく質)が変異した場合も検出できると考えられている。詳細はプレスリリースへhttp://www.sysmex.co.jp/news/press/2009/090209.html

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麻疹(はしか)は2010年までに撲滅できるか ?

2010年までに麻疹(はしか)ウイルスを撲滅するというヨーロッパの計画は、ワクチン接種率が不十分なため達成できない可能性が高いことが、デンマークStatens Serum研究所疫学部のMark Muscat氏らEUVAC.NETの研究グループの調査で明らかとなった。ヨーロッパでは、2006~07年にいくつかの国ではしかの大規模感染が起きたため、ウイルスの撲滅が計画されたという。Lancet誌2009年1月31日号(オンライン版2009年1月7日号)掲載の報告。32ヵ国からデータを収集ヨーロッパでは子どものルーチンなワクチンプログラムに、はしかワクチンが導入されて20年以上が経過したが、感染はいまだに存続している。そこで、研究グループは2010年までのウイルス撲滅を目的に、はしかの疫学的なレビューを行った。ヨーロッパ32ヵ国の国立の調査機関から2006~2007年のデータが集められ、年齢層、確定診断、ワクチン接種状況、入院治療、疾患合併症としての急性脳炎の発現、死亡に関するデータが得られた。30ヵ国からは、疾患の他国からの流入に関するデータも寄せられた。臨床症状が見られ、検査で確定のうえ疫学的な関連が確認された症例のうち、調査の要件を満たすものが解析の対象となった。これらの症例が1歳未満、1~4歳、5~9歳、10~14歳、15~19歳、20歳以上に分けられた。10万人当たりのはしかの年間発症数が0例の国を無発症国、0.1例未満の国を低発症国、0.1~1例の国を中発症国、1例以上の国を高発症国とした。患者のほとんどがワクチン未接種か不完全2年の試験期間中に記録されたはしか患者1万2,132例のうち85%(1万329例)を5ヵ国(ルーマニア、ドイツ、イギリス、スイス、イタリア)の症例が占めた。そのほとんどがワクチン未接種あるいは不完全な子どもであったが、20歳以上の症例は少なかった。この2年間に記録されたはしか関連死は7例であった。高発症国ではワクチン接種率が十分ではなかった。他国から流入したはしかに感染した210例のうち、117例(56%)がヨーロッパ以外の国からのもので、43例(20%)はアジアからであった。著者は、「ワクチン接種率が不十分であるため、2010年までのはしかウイルス撲滅という目標の達成には深刻な疑念が浮上した」と結論し、「ヨーロッパにおけるはしか撲滅計画には、十分なワクチン接種率の達成とその維持、そして調査法の改善が不可欠」としている。(菅野守:医学ライター)

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GSK社が抗インフルエンザウイルス薬「リレンザ」を追加輸入へ

グラクソ・スミスクライン株式会社は10日、抗インフルエンザウイルス薬「リレンザ」(一般名:ザナミビル水和物)について、今季の季節性インフルエンザの流行状況を鑑み、安定供給確保のために追加輸入を決定したと発表した。今回、追加輸入が決定したのは合計200万人分。市場への供給は、2月に40万人分、3月に60万人分、4月に100万人分となる予定。同社は当初、今季に向けて300万人分のリレンザを準備した。この量は平均的な年のインフルエンザウイルス薬処方量の約半数に対応できる量だが、現在流行しているインフルエンザの約半数を占めるA/H1N1型(Aソ連型)インフルエンザウイルスのほとんどが他の抗インフルエンザウイルス薬に耐性を持つとの報告があり、リレンザへの注目と需要が大幅に高まったためである。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_01/P1000525.html

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