サイト内検索|page:195

検索結果 合計:4441件 表示位置:3881 - 3900

3881.

エンテカビル、R-CHOP後のHBV関連肝炎を0%に/JAMA

 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)療法を受ける患者に対し、エンテカビル(商品名:バラクルード)の投与は同療法後のB型肝炎ウイルス(HBV)関連肝炎の予防効果が高いことが判明した。発生率は0%に抑制できたという。中国・中山大学がんセンターのHe Huang氏らが、第III相無作為化非盲検試験の結果、報告した。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。エンテカビルvs. ラミブジンをR-CHOP療法終了後6ヵ月後まで投与 試験は2008年2月~2012年12月にかけて、中国10ヵ所の医療機関を通じて、R-CHOP療法が予定されている未治療のDLBCL患者121例について行われた。 研究グループ被験者を無作為に2群に分け、エンテカビル(0.5mg)またはラミブジン(商品名:ゼフィックス、100mg)を、1日1回、R-CHOP療法1週間前から同療法終了後6ヵ月後まで投与し、HBV再活性の予防効果を比較した。 主要有効性エンドポイントは、HBV関連肝炎の罹患率だった。副次エンドポイントは、HBV再活性化率、肝炎発生によるR-CHOP療法の中断、治療関連の有害事象発生などだった。HBV再活性化率もラミブジン群30%に対しエンテカビル群6.6% 追跡期間最終日は2013年5月25日、同中央値は40.7ヵ月だった。 結果、HBV関連肝炎の発生率は、ラミブジン群で60例中8例(13.3%)だったのに対し、エンテカビル群では61例中0例(0%)と有意に低率だった(群間差:13.3%、95%信頼区間:4.7~21.9%、p=0.003)。 また、HBV再活性もラミブジン群が30.0%だったのに対し、エンテカビル群は6.6%と大幅に低率だった(p=0.001)。化学療法中断となった割合もそれぞれ18.3%、1.6%とエンテカビル群で有意に低率だった(p=0.002)。 一方、治療関連有害事象の発生率はラミブジン群30.0%、エンテカビル群24.6%で、両群差は有意ではなかった(p=0.50)。エンテカビル群の主な同事象の報告は、悪心9.8%、めまい6.6%、頭痛4.9%、疲労感3.3%だった。

3882.

医師が選んだ2014年の10大ニュース! 1位はやはり、あの騒動 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

1位 STAP細胞の発表論文に不正発覚 STAP細胞は、一度分化した細胞に外部刺激を加えることで再び分化能を獲得したという生物界の常識を覆す大発見であった。論文筆頭著者である小保方 晴子氏が若い女性であったこともあり、大きな注目を集めた。 しかし、世界中の研究者が追試をしてもSTAP細胞を作製できなかった。そのような中、論文の共著者である若山 照彦氏(山梨大教授)が、論文と理化学研究所(理研)発表文書の矛盾点や画像の誤りを発表し、論文の撤回を呼び掛けた。その後、理研の調査委員会が本論文に対する不正を認定、7月2日の論文撤回に至った。 その後、理研の検証チームおよび小保方氏独自の検証実験が行われたが、STAP細胞を再現できなかった。これにより、STAP細胞が存在しない可能性がさらに高まった。 2位 エボラウイルスの感染拡大 エボラ出血熱がギニア、シエラレオネ、リベリアなど、西アフリカで蔓延した。スペインやアメリカにおいても、この地域からの帰国者が感染していることが確認された。現在、エボラ出血熱に対する治療薬やワクチンが臨床試験中であり、WHO、国境なき医師団など、世界中から支援の手が差し伸べられている。 出典:国立感染症研究所 3位 消費税が5%から8%に 4月1日、消費税が5%から8%に引き上げられた。消費税引き上げは17年ぶり。当初、政府やエコノミストは、増税当初の経済活動はいったん落ち込むが夏場から回復すると見込んでいた。しかし、回復は遅れ、来年10月に予定されていた10%への引き上げは、17年4月に延期された。 4位 臨床試験の不正が相次ぎ発覚 製薬会社社員の関与、不適切な資金提供、データ捏造など、臨床試験の不正が相次いで明らかとなった。ディオバン問題では逮捕者も出て、日本発臨床研究の信頼が大きく揺らいだ。 5位 ノーベル物理学賞を日本人が受賞 ノーベル物理学賞を赤崎 勇(名城大教授)、天野 浩(名古屋大教授)、中村 修二(カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)の3氏が受賞した。授賞理由は、実用的青色発光ダイオード(LED)の開発。日本人のノーベル賞受賞は、22人となった。 6位 デング熱が日本で流行 7位 御嶽山が噴火 8位 ソチ五輪開幕 羽生選手が金メダル 9位 テニスの錦織選手が全米オープンで決勝進出 10位 朝日新聞が吉田調書と慰安婦問題で謝罪 #feature2014 dt{width:50px;}

3883.

C型肝炎治療を変える!ソホスブビルとギリアド ~ギリアド社長インタビュー~

慢性C型肝炎の治療は、今、まさにパラダイムシフトの時を迎えている。インターフェロン(IFN)が当たり前のように使われていた時代から、IFNフリーの時代へと急激に変わろうとしている。その主役を担うと期待されているのがソホスブビルである。本年6月にその製造承認申請を行った、ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下、ギリアド)の代表取締役社長 折原 祐治氏に話を聞いた。ソホスブビルの現況は?折原 祐治氏折原 ソホスブビルは、C型肝炎のIFNフリー治療を目指して開発されました。2014年6月に、ゲノタイプ2型のC型肝炎に対する治療薬としてソホスブビルの製造販売承認を申請し、2014年9月には、ゲノタイプ1型に対する治療薬としてソホスブビル・レジパスビルの配合剤を申請しました。現在は承認を待つ段階ですが、申請以来、患者さんや医師からの承認時期に対するお問い合わせが相次いでいます。承認は楽しみでもありますが、患者さんや医師の期待を考えると身が引き締まる思いで、楽しみよりも緊張のほうが大きいです。ソホスブビルの臨床効果は?折原 ソホスブビルは、ゲノタイプ1型と2型のそれぞれに対して臨床試験が行われています。まずは、ゲノタイプ2型の試験から紹介します。未治療および治療歴のあるゲノタイプ2型のC型肝炎例に対して、ソホスブビルとリバビリン(600~1000mg/日)を12週投与したところ、97%(n=148/153)において治療終了後12週時の持続的ウイルス学的著効(SVR12)が達成されました。一方、ゲノタイプ1型のC型肝炎例に対しては、ソホスブビル・レジパスビルの12週間投与により、未治療患者(n=83/83)および治療歴のある患者(n=88/88)それぞれでSVR12が100%となりました。このときの主な有害事象は、鼻咽頭炎(29%)、頭痛(7%)、倦怠感(5%)などでいずれも軽度でした。ソホスブビルの特徴は?折原 この薬剤の特徴は主に3つあります。SVR、安全性、耐性です。SVRと安全性については、先ほどの臨床試験結果で紹介しましたので、ここでは耐性についてお話ししたいと思います。現在開発が進んでいるC型肝炎の主な治療薬は、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬、NS5A阻害薬、NS5Bポリメラーゼ阻害薬の3種類です。いずれもC型肝炎ウイルスの増殖を直接的に阻害する作用を有しています。ソホスブビルは、NS5Bポリメラーゼ阻害薬に分類され、NS5Bポリメラーゼ阻害薬としては唯一の申請中の薬剤です。増幅するHCV RNA中に入り込み伸長を停止する核酸アナログ製剤であり、この作用機序から、耐性が起こりにくいと期待されています。これからのC型肝炎治療では、いかに薬剤耐性を起こさないで治療するかが重要となってきます。そのため、先に承認された海外では、耐性を起こしにくいソホスブビルはC型肝炎治療のベース薬として使用され、「ソホスブビルに何を追加するか?」が議論されています。ソホスブビルのような革新的な薬剤が、なぜ開発されたか?折原 ギリアドは、いまだ医療ニーズが満たされていない疾患領域の、とくに生命に関わる疾患の治療を向上させることを目指しています。その結果の1つがソホスブビルだと思います。ギリアドは、「For the Patient」を実践しています。興味深い例を1つ挙げますと、米国本社での会議では、「患者さんのためにどうすべきか?」が話し合われます。「日本の患者さんはどのような治療を受けているか?」「良くなっているか?」「何か困っていないか?」が優先して次々に尋ねられます。これまで私は複数の製薬企業に勤務してきました。これまでの製薬企業の場合、売上やシェアといったことが議題のほとんどでしたから、この違いには本当に驚きました。このあたりの姿勢が、革新的な薬剤を生み出すきっかけになっていると思います。ゲノタイプ2型から治験・申請した理由は?折原 ゲノタイプ2型に対する治験から行ったのも、ギリアドならではだと思っています。わが国では慢性C型肝炎のうち約7割が1型、残りの3割を2型が占めると言われ、ゲノタイプ1型に対するIFNフリー治療は、複数社が開発を進めていました。一方、ゲノタイプ2型に対するIFNフリー治療の開発は進められていませんでした。日本にはゲノタイプ1型の患者さんのほうが多く、競合も多いですから、通常、ゲノタイプ1型の治験を優先するかと思います。しかし、私たちはそのように考えませんでした。ゲノタイプ2型の患者さんをIFNフリーに導けるのはギリアドしかいないと考え、まずはゲノタイプ2型に対する治験から開始したのです。ギリアドとは?折原 ギリアドは、1987年に米国カリフォルニアに創立され、2013年に日本進出を果たしたバイオファーマです。全世界での売上は、2013年度が約1兆円、今年度は約2兆円が見込まれ、売上では世界のトップ10に入ると予想されるほど勢いがあります。製品パイプラインは、HIV/AIDS、肝疾患を中心に、今後はオンコロジーへも展開予定です。また、あまり知られていませんが、実は「タミフル」「アムビゾーム」の開発会社でもあります。最後にゲノタイプ1型C型肝炎に対する治療の進歩の速度は驚異的である。約10年前は、IFNの副作用に苦しみながらもSVRは10%程度であったが、リバビリン、PEG-IFN、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬と次々に開発され、ついにSVR が約90%まで改善した。そして、NS5Bポリメラーゼ阻害薬であるソホスブビルの登場により、SVRはほぼ100%に到達する。さらに、安全性も飛躍的に改善されてきている。折原氏も、ベテランの肝臓専門医から「まさか自分が現役の時代にC型肝炎が駆逐される時が来るとは思わなかった。」と言われることがあるという。ソホスブビルなどのIFNフリー治療によりSVRを達成した症例で、実際に肝臓がんが減るかについてはまだ検討が必要である。しかし、C型肝炎患者をSVRへ導きやすくなることは明らかである。今後のC型肝炎治療の明るい未来に大いに期待したい。(ケアネット 鈴木 渉)

3884.

治療抵抗性の慢性咳嗽に対する新選択肢(AF-219)の有効性について(解説:小林 英夫 氏)-291

 外来診療で、咳止めを処方してくださいという声をしばしば耳にされませんか。そんなときはどう対処されていますか。当然ですが、疾患を問わずすべての咳嗽を抑制できる夢の薬は存在していません。細菌性肺炎に鎮咳薬のみを投与しても効果は期待できないので、まず咳嗽の基盤病態の鑑別が医師の出発点ですが、受診者は余計な検査などせず咳止めを出してくれればそれでけっこうです、と主張することも少なくないと思います。 無理とは思いつつ、幅広い病態に有効な鎮咳処方箋はないかと願うこともあります。 新薬AF-219は、気道の迷走神経に発現し咳嗽感覚の過剰反応に関与するP2X3 受容体に対する低分子拮抗薬で、米国Afferent製薬により治験が進められている。同社ホームページによると、P2X3受容体は無髄の細径C神経線維に特異的で内臓、皮膚、関節にも存在し痛覚や臓器機能に関与している。その機序はATPをリガンドとして活性化されるチャンネルで、痛覚感作経路に発現する。英国で慢性咳嗽への治験(本論文)、米国で変形性関節炎による疼痛治療、さらに膀胱痛への治験中とのことである。本来の役割からも咳嗽よりも鎮痛効果を狙っている印象である。本薬を鎮咳に用いた根拠は、気道の迷走神経C線維にP2X3受容体が存在すること、モルモットではATPやヒスタミン吸入させるとP2X受容体を介した咳嗽反射が強まることなどであった。 本研究は、基礎疾患の明らかでない難治性(治療抵抗性)慢性咳嗽患者を対象とし、第II相二重盲検無作為化プラセボ対照試験、単一医療機関でのクロスオーバー法(2週間服薬、2週間wash out、2週間服薬)で実施された。結果は、咳嗽頻度は75%低下し期待できる鎮咳薬である、となっている。 臨床的に満足できる鎮咳薬が少ない実状を踏まえればAF-219に期待したい一方で、論文を読み込むとまだまだ未解決点がある。評価できる点として、primary endpointである鎮咳効果を音響学的自動咳嗽記録機(VitaloJAK)により計測し客観的量的評価がなされている。同時に主観的なvisual analogue scale (VAS)などもsecondary endpointとしているが、咳嗽回数を記録することの価値は大きい。 マイナス点としては対象集団の曖昧さがある。本論文に限らないが慢性咳嗽の研究では回避できない問題である。エントリー基準は、閉塞性障害、胃食道逆流、喫煙、感染、薬剤性咳嗽などを除外し、明らかな咳嗽の原因疾患を有さず、治療によっても8週間以上咳嗽が継続する症例、が選択されている。本邦で重視されるアトピー咳嗽の概念は導入されていない。また、呼吸機能は施行されているが胸部CTについては記載がなく、英国での試験なので未施行と推測される。さらに平均咳嗽罹病期間は9年間である。どのような病態が混在しているのかが不明瞭であろう。次の問題点は、24例中6例が有害事象により服薬中止となっている。重篤な副反応はみられないものの、全例で味覚障害が出現している点が用量変更で解決できるかどうかが大きな課題であろう。これは舌味蕾にP2X3が存在するためで、減量により味覚障害が回避できる可能性があると考察されている。 抗てんかん薬であるガバペンチン、徐放性モルヒネ、サリドマイド、リドカイン吸入などが最新の咳嗽研究対象薬であるが、いずれも十分な鎮咳効果は得られなかった。鎮咳薬という分野での選択肢が少ない、遅れているという現状からは、P2X3受容体拮抗薬の今後に期待したいが、実臨床への過程には今いっそうの検討を経なければならない。さらに有効疾患の絞り込みも望まれる。なお、本邦の咳嗽診療指針として日本呼吸器学会編集の「咳嗽に関するガイドライン第2版(PDF)」は無料ダウンロード可能なので参照をお薦めしたい。

3885.

ポリフェノールは皮膚疾患の新たな治療選択肢

 米国・カリフォルニア大学デービス校のWilliam Tuong氏らは、皮膚疾患の新たな治療選択肢としてのポリフェノールベース治療について、システマティックレビューによる検討を行った。その結果、特定の皮膚疾患の治療に有効でありうると質的に結論づけられると述べ、臨床医に、エビデンスに基づく知識(有効性、適応症、副作用)が必要であると示唆した。同時に、さらなる厳格な臨床試験を行う必要性、有効性の評価が不可欠であることにも言及した。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2014年11月26日号の掲載報告。 植物由来のポリフェノール物質は、in vitroおよびin vivoでバイオロジカルな特性があることを示し、特定の皮膚疾患の新たな治療の開発につながっている。本検討で研究グループは、臨床医にポリフェノールベースの治療法の有効性を評価している臨床試験の概要を提供すること、および、新たな治療として、使用を裏づけるエビデンスがあることを強調するのが目的であった。 システマティックレビューは、PubMed、Embaseのデータベースを介して、2014年7月4日時点で文献検索を行った。2人の独立レビュワーが、要約をレビューし包含。関連スタディについて参考文献の検索も手動で行った。 データの抽出は、適格条件を満たした試験から個別に行い、矛盾点についてはコンセンサスによって包含判定を下した。 主な結果は以下のとおり。・検索により、356の特色のある要約が得られた。そのうち17試験が包含および除外基準を満たした。・ポリフェノールは、外用および経口の形態で用いられていた。・緑茶ポリフェノールが肛門性器疣贅の治療に効果がある可能性を示唆する質の高いエビデンスが認められた。・ポリフェノールが脱毛症、にきび、真菌感染症、シミや日焼けした皮膚の治療として効果がある可能性を示唆する、限定的だが有用なエビデンスも認められた。・著者は、「皮膚科領域でのポリフェノールベース治療の臨床使用増大とともに、その有効性、適応症、副作用に関するエビデンスベースの知識が必要となる」と述べている。

3886.

腎移植後のBKウイルス尿症、キノロンで予防できるか/JAMA

 腎移植後レシピエントの重大合併症であるBKウイルス感染症に対して、移植後早期開始のレボフロキサシン(商品名:クラビットほか)療法(3ヵ月間投与)は、BKウイルス尿症発症を予防しなかったことが、カナダ・オタワ大学のGreg A. Knoll氏らによる、前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、判明した。BKウイルスの一般集団保有率は60~80%であり、移植後免疫療法は同ウイルスを再活性化することが知られる。ウイルス尿症に始まり、ウイルス血症、最終的にウイルス腎症に至る感染症の進行は、レシピエントの移植失敗に結びつくこと(10~100%)から問題視されている。今のところ同感染症に対する有効な治療戦略はないが、後ろ向き検討において、キノロン系抗菌薬の抗ウイルス効果が示されたことから、前向き試験による予防的投与の効果を検討する本試験が行われた。JAMA誌2014年11月26日号掲載の報告。移植後5日以内に3ヵ月間投与、プラセボ群と比較 試験は、2011年12月~2013年6月にカナダの7つの移植医療施設で行われた。被験者は、死体または生体腎移植を受けた154例で、移植後5日以内に開始する3ヵ月間のレボフロキサシン投与(500mg/日、76例)を受ける群と、プラセボ群(78例)に無作為に割り付けられ追跡を受けた。 主要アウトカムは、移植後1年以内のBKウイルス尿症発症(定量リアルタイムPCR法で検出)までの期間。副次アウトカムは、BKウイルス血症の発生率、ウイルス量最大値、拒絶反応、患者死亡率および移植片生着失敗率などであった。BKウイルス尿症発生のハザード比0.91で有意差なし、むしろ耐性菌リスク増大 本試験は、被験者154例のうち38例が追跡予定期間(12ヵ月)を完遂できなかった。38例のうち11例はウイルス尿症を発症したため、また27例はリスクが認められ、試験を早期に終了した(全被験者が完了した追跡期間は8ヵ月間)。全体の平均追跡期間は、レボフロキサシン群46.5週、プラセボ群46.3週であった。 BKウイルス尿症の発生は、レボフロキサシン群22例(29%)、プラセボ群26例(33.3%)で、両群に有意差は認められなかった(ハザード比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.51~1.63、p=0.58)。また、各副次エンドポイントについても、両群間で有意差はみられなかった。 一方で、レボフロキサシン群でキノロン耐性菌感染症のリスク増大が認められた(58.3%vs. 33.3%、リスク比:1.75、95%CI:1.01~2.98)。また、有意ではなかったが腱炎リスクの増大も認められた(7.9%vs. 1.3%、リスク比:6.16、95%CI:0.76~49.95)。 試験期間中の腎機能は両群で同等であった。

3887.

【GET!ザ・トレンド】Dr岩田が提言 エボラ、医療者が知っておくべきポイント

かつてないアウトブレイクで加熱するエボラ報道。伝えられている情報はどこまで正しいのか?岩田健太郎氏が緊急出演、いま医療者が正しく知っておくべきポイントを3分で解説いただいた。エボラ出血熱の正しい情報をNew England Journal of Medicine /EBLA OUTBREAKhttp://www.nejm.org/page/ebola-outbreakThe New York Timeshttp://www.nytimes.comCDC( Centers for Disease Control and Prevention )/Ebola Updatehttp://www.cdc.gov/vhf/ebola/index.htmlWHOhttp://www.who.int/en/The Lancet /Ebola Resource Centrehttp://ebola.thelancet.com/より詳しい情報はCareNeTVライブ アーカイブへ「岩田健太郎が緊急提言!エボラ出血熱にこう備えよ!」(2014年11月27日OA)https://www.carenet.com/report/series/asf/cnlive/37.html

3888.

HHV6関与の小児薬物アレルギーは重症化

 ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)陽性の薬物アレルギー症候群(DHS)患者は、より重症化する傾向があることが明らかにされた。また、全身性コルチコステロイド治療が、統計的有意差は示されなかったが入院期間の短縮および発熱日数を減少し、統計的に有意に早期回復をもたらしていた。J. Ahluwalia氏らが小児29例の症例についてレトロスペクティブに評価し報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年11月4日号の掲載報告。 研究グループは、DHSの重症度にはHHV6陽性が影響する可能性が示唆されており、また、HHV6陽性DHS患者への全身性コルチコステロイド治療は疾患を長期化することが推測されていたことから、次の2点について検討を行った。(1)小児患者におけるHHV6陽性(再活性を検出)DHS患者vs. HHV6陰性DHS患者の重症度の評価、(2)全身性コルチコステロイド治療に対する反応の評価である。 29例の患者を対象とし、HHV6陽性群vs.陰性群、全身性コルチコステロイド治療の有無で層別化し、入院期間、総発熱日数、疾患の進行停止(CTP)までの期間を調べた。 主な結果は以下のとおり。・HHV6陽性患者とHHV6陰性患者の人口統計学的特性は類似していた。・陽性患者のほうが陰性患者と比べて、入院期間(11.5日vs. 5日、p=0.0386)、総発熱日数(12.5日vs. 3日、p=0.0325)、CTP期間(4日vs. 2日、p=0.0141)が有意に長期であった。・HHV6陰性全患者と、大半の陽性患者(80%)が、全身性コルチコステロイド治療を受けた。・HHV6陰性患者でコルチコステロイド治療を受けた患者は、受けなかった患者よりも、CTP期間が有意に短縮した(3日vs. 2日、p=0.043)。・また、統計的に有意差は示されなかったが、入院期間と総発熱日数も短縮化の傾向がみられた。・DHS頻度が高かった薬物は、ST合剤(33%)、フェニトイン(10%)、アモキシシリン(10%)などであった。

3889.

C型肝炎は内服でほぼ全例が治癒する時代へ

 C型肝炎ウイルスに対する治療は、2011年の直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals;DAA)の登場で大きく変換した。現在、効果のより高い薬剤・レジメンの開発が続いている。2014年11月26日、都内で開催されたC型肝炎プレスセミナー(主催:アッヴィ合同会社)にて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がC型肝炎治療の進歩と著効率の変遷を解説、さらに開発中のレジメンを紹介し、「来年にはC型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と予測した。■日本人で多いのは「ジェノタイプ1b型・高ウイルス量」 C型肝炎ウイルスの遺伝子型は民族によって異なり、日本人ではジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者が多く、5割以上を占める。しかしながら、1992年に承認されたインターフェロン(IFN)単独療法では、このジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者に対して、虎の門病院における著効率は11.7%と低く、全体でも著効率は3割と、つらい治療にもかかわらず7割が無効であったという。また、次に承認されたペグ-IFN+リバビリン(RBV)併用療法でも、2004年~2011年における、ジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者の著効率は48.8%と5割に満たなかった。しかし、2011年にDAAが登場し、IFN+RBV+プロテアーゼ阻害剤併用療法により、ジェノタイプ1型のSVR率は、初回治療例ではテラプレビルで73%、シメプレビルで88%、バニプレビルで84%と高い効果を示した。しかし、前治療無効例に対しては、順に34%、50%、61%と徐々に増えているものの低いことが課題であった。■IFNフリーの経口剤が登場 日本人のC型肝炎患者の特徴として、高齢者が多いこと、副作用(とくにIFN)に敏感なこと、高齢化のために欧米より肝がんの発生頻度が高いことが挙げられる。そのため、高齢者・うつ病・IFNが使えない患者にも使える、IFNフリーの経口剤治療が求められていると熊田氏は述べた。このような状況から、IFNフリーの経口治療薬であるダクラタスビル(NS5A阻害剤)+アスナプレビル(NS3阻害剤)併用療法が開発され、今年9月に両薬剤が発売された。 これら2剤の併用療法における第III相試験での著効率は、ジェノタイプ1b型のIFN治療に不適格の未治療または不耐容の患者で87.4%、IFN治療無効の患者で80.5%と、高い有効性が示された。また、この有効性には、性別、年齢、開始時HCV-RNA量、肝硬変などの背景因子の影響はみられなかった。有害事象については、鼻咽頭炎、頭痛、ALT増加、AST増加、発熱が多く、有害事象による投与中止例は5%であったと熊田氏は紹介した。■「前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株あり」は著効率が低い この2剤併用経口療法の登場により、厚生労働省「科学的根拠に基づくウイルス性肝炎治療ガイドラインの構築に関する研究班 C型肝炎ガイドライン」が今年9月に改訂された。このガイドラインの治療選択肢の患者群ごとのSVR率をみると、・IFN適格の初回・再燃例:88%(IFN+RBV+シメプレビル3剤併用療法)・IFN不適格の未治療/不耐容例:89%(ダクラタスビル+アスナプレビル2剤併用療法)・前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株ありの患者:43%(IFN+RBV+シメプレビル3剤併用療法)・前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株なしの患者:85%(ダクラタスビル+アスナプレビル2剤併用療法)となる。 熊田氏は、前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株ありの患者では43%と低いのが問題であると指摘した。■内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来 最後に熊田氏は、わが国で経口剤のみの臨床試験がすでに実施されているレジメンとして以下を紹介し、このうち、ギリアド、アッヴィ、ブリストルの薬剤は来年には発売されるという見通しを語った。・NS5B阻害剤+NS5A阻害剤(ギリアド・サイエンシズ、2014年9月申請)・NS5A阻害剤+NS3阻害剤(アッヴィ、Phase3)・NS5A阻害剤+NS5B阻害剤+NS3阻害剤(ブリストル・マイヤーズ、Phase3)・NS5A阻害剤+NS3阻害剤(MSD、Phase2~3) これらレジメンの治療期間は12週と短くなっている。熊田氏は、これらの著効率が海外で95~100%、日本でもギリアドのNS5B阻害剤+NS5A阻害剤が99%(Phase3)、アッヴィのNS5A阻害剤+NS3阻害剤が95%(Phase2)と高いことから、「C型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と述べた。

3890.

グラゾプレビル+エルバスビル、8週vs. 12週/Lancet

 肝硬変なし未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型単独感染患者およびHIV/HCV重複感染患者に対し、グラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法はリバビリン併用の有無を問わず、8週投与よりも12週投与が有効であることが判明した。米国・ジョンズホプキンス大学のMark Sulkowski氏らが第II相無作為化試験C-WORTHYの結果から報告した。グラゾプレビル+エルバスビル併用療法に関する検討はすでに、より大規模な第III相試験が行われている。著者は、「われわれの検討結果は、第III相試験の継続を支持するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。肝硬変なし未治療のHCV単独感染またはHIV/HCV重複感染患者について評価 C-WORTHYは、HCV患者に対するグラゾプレビル(1日100mg)+エルバスビル(1日20または50mg)併用療法について、リバビリン投与あり/なしで検討した第II相の国際多施設非盲検無作為化並行群間比較試験である。 研究グループは、肝硬変なし未治療のHCV遺伝子型1型単独感染またはHIV/HCV重複感染についての検討所見を報告した。被験者の適格条件は、18歳以上、末梢血HCV RNA値1万IU/mL以上の未治療HCV遺伝子型1型感染症患者であった。 検討では、パートAにおいて、HCV単独感染患者に対する併用療法+リバビリンあり/なしの12週投与を行った。被験者は遺伝子型1a、1b群で層別化され、次の各群に無作為化された。A1群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(20mg)+リバビリン、A2群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリン、A3群(1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)。 パートBでは、HCV単独感染患者に対する8週投与と12週投与の検討、およびHIV/HCV重複感染患者に対する併用療法+リバビリンあり/なし12週投与の検討を行った。被験者は遺伝子型1a、1b群で層別化され、次の各群に無作為化された。B1群(1a):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリンを8週投与、B2群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリンを12週投与、B3群(1a):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)、重複感染患者についてはB12群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリン、B13群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)でいずれも12週投与。 主要エンドポイントは、ウイルス学的著効(SVR)について、各治療終了後12週時点でのHCV RNA値25 IU/mL未満達成患者の割合で評価した(SVR12)。12週投与群のSVR12、HCV単独感染群93~98%、HIV/HCV重複感染群87~97% 試験に登録されたのは、HCV単独感染患者159例、HIV/HCV重複感染患者59例の計218例であった。 結果、12週投与リバビリンあり/なしのSVR12達成率は、HCV単独感染群が93~98%、HIV/HCV重複感染群は87~97%であった。このうちリバビリン投与なし群についてみると、HCV単独感染群は98%(95%信頼区間[CI]:88~100%、43/44例)、HIV/HCV重複感染群87%(同:69~96%、26/30例)であった。リバビリン投与群については、HCV単独感染群は93%(同:85~97%、79/85例)、HIV/HCV重複感染群97%(同:82~100%、28/29例)であった。 一方、HCV(遺伝子型1a)単独感染患者に対する8週投与のSVR12は、80%(95%CI:61~92%、24/30例)であった。 ウイルス学的失敗以外の理由で早期に治療中止となった被験者は6例いたが、そのうち5例は、試験最終測定時でHCV RNA値25 IU/mL未満を示していた。 12週治療群のウイルス学的失敗例は7例(7/188例、4%)で、薬剤関連耐性変異によるものであった。 安全性プロファイル(グラゾプレビル+エルバスビル併用療法+リバビリン投与あり/なし)は、HCV単独感染群、HIV/HCV重複感染群で類似していた。有害事象や検査値異常による治療中断例はなかった。最も頻度が高かった有害事象は、疲労(51例、23%)、頭痛(44例、20%)、悪心(32例、15%)、下痢(21例、10%)であった。

3891.

肝移植後HCVへのIFNフリーレジメンの検討/NEJM

 肝移植後の再発C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症患者に対し、インターフェロンを用いない、NS5A阻害薬オムビタスビル+リトナビル・ブースト・プロテアーゼ阻害薬ABT-450(ABT-450/r)+非ヌクレオチド系NS5Bポリメラーゼ阻害薬ダサブビル+リバビリンの24週治療は、治療後のウイルス学的著効(SVR)が12週後、24週後ともに97%を示し、有効であることが示された。米国・インディアナ大学のPaul Y. Kwo氏らが、患者34例を対象とした試験で明らかにした。今回試験対象とした移植後再発患者は、従来の標準治療レジメンでは、治療反応率は13~43%に留まっていたという。NEJM誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。主要評価項目は治療終了12週後のSVR 被験者は、12ヵ月前までに肝移植を行い、HCV遺伝子型1型感染症の再発が認められ、線維症がないか軽度な患者34例で、オムビタスビル+ABT-450/rの合剤、ダサブビル、リバビリンを24週間投与した。 具体的なレジメンは、オムビタスビル-ABT-450/r(オムビタスビル25mg、ABT-450/r 150mg、リトナビル100mgをそれぞれ1日1回)、ダサブビル250mg1日2回と、リバビリン(初期投与量とその後の貧血症状に基づく用量調整は治験担当医の判断)を投与した。 主要評価項目は、SVR 12だった。12週後、24週後ともにSVRは97% その結果、治療終了12週後、24週後ともに、被験者34例中33例でSVR達成が認められ、その割合は97%(95%信頼区間:85~100)だった。 最も多くみられた有害事象は、疲労、頭痛、咳だった。また、エリスロポエチンの投与を要した人は5例(15%)で、輸血は0例。治療中の移植片拒絶は認められなかった。 治療中には、血中カルシニューリン濃度を測定し、用量を調節し治療レベルの維持が図られていた。

3892.

HCV経口レジメン、グラゾプレビル+エルバスビル第II相試験/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症へのグラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法は、リバビリンの追加併用を問わず、未治療の肝硬変併存患者、ペグインターフェロン+リバビリン(PR-null)既治療が有効であった肝硬変併存患者または非併存患者において、12週投与、18週投与ともに高い効果を示したことが、米国・テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らによる第II相非盲検無作為化試験の結果、報告された。Lawitz氏は、「結果は第III相の試験実施を裏付けるものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。グラゾプレビル+エルバスビル、リバビリンありなしを検討 HCV治療については、インターフェロンを用いず、経口投与のみの短期間治療のニーズが高まっている。加えて、その治療対象患者は多岐にわたること(肝硬変が伴う患者、ペグインターフェロンやPR-nullが既治療の患者を含む)も求められている。 本検討では、ベースライン特性不良のHCV遺伝子型1型感染症の患者について、グラゾプレビル+エルバスビル併用療法、リバビリンあり・なしでの有効性、安全性を評価する「C-WORTHY」試験を行った。 本報告では、2つの試験集団について得られた所見を報告している。コホート1は、肝硬変を伴う未治療患者集団(123例)であり、コホート2は、PR-null既治療が有効だった患者(肝硬変のありなし問わず、130例)であった。 被験者の適格条件は、18歳以上の血中HCV RNA値は1万IU/mL以上のHCV遺伝子型1型感染症患者とした。 被験者は無作為に、グラゾプレビル(1日100mg)+エルバスビル(1日50mg)、リバビリン追加併用ありなしの12週投与または18週投与群に割り付けられ追跡を受けた。 具体的にコホート1では、60例が12週投与群に割り付けられ(リバビリンあり31例、なし29例)、63例が18週投与群に割り付けられた(同:32例、31例)。コホート2は、65例が12週投与群に(同:32例、33例)、65例が18週投与群(33例、32例)に割り付けられた。 主要エンドポイントは、12週治療後12週時点でのHCV RNA値が25 IU/mL未満を達成していた(SVR12)患者の割合とした。多様な患者集団でSVR12達成割合が90~100% SVR12の達成率は、リバビリン併用ありなし、治療期間の長さに関与しておらず、90%(コホート1の12週投与リバビリン併用、28/31例、95%信頼区間[CI]:74~98)から100%(コホート2の18週投与リバビリン併用あり、33/33例、同:89~100)と高率を示した。 12週投与のリバビリン併用なし群は、コホート1では97%(95%CI:82~100、28/29例)、コホート2では91%(同:76~98、30/33例)であった。 10%以上の報告があった有害事象は、疲労感(66例、26%)、頭痛(58例、23%)、無力症(35例、14%)であった。

3893.

肺炎球菌ワクチン導入で直接および間接的な効果/NEJM

 南アフリカ共和国では、2009年に小児への7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)定期接種が導入され、2011年からはPCV7に代わりPCV13の定期接種が行われている。同国National Health Laboratory Service(NHLS)のAnne von Gottberg氏らは、ワクチン定期接種導入前後の侵襲性肺炎球菌感染症発症の変化を調べた。その結果、2歳未満児と22~45歳の年齢群での効果が最も大きく、それぞれPCV7タイプの肺炎球菌髄膜炎の減少は89%、57%であったことなどを報告した。NEJM誌2014年11月13日号(オンライン版2014年11月11日号)掲載の報告より。ワクチン導入前と導入後の侵襲性肺炎球菌感染症の発生の変化を調査 2009年に導入された同国PCV7、PCV13の接種スケジュールは3回タイプのもの(生後6週、14週、36週時)で、2012年において1歳児の接種率(3回接種を完了)は推定81%であったという。 研究グループは、全国規模の検査施設ベースのサーベイランスを行い、ワクチン定期接種導入前(2005~2008年、ベースライン)から導入後2011年および2012年への疾患発生の変化を、同国ハイリスク年齢群(2歳未満、25~44歳)に焦点を当てて調べた。全年齢の侵襲性肺炎球菌感染症の発生は40%減少 8年間(2005~2012年)のサーベイランスで、3万5,192例の侵襲性肺炎球菌感染症症例を特定した。このうち70%で分離株を入手できた。年齢が不明な症例は5%であった。 全年齢における侵襲性肺炎球菌感染症の発生は10万人年当たり、ベースライン9.4例から2012年は5.7例へと相対比で40%減少していた。 減少率が最も大きかったのは2歳未満児群と25~44歳群であった。 2歳未満児群の発生は、54.8例から17.0例へと69%減少していた。このうちPCV7に含まれる血清型の発生例だけをみると32.1例から3.4例へと89%(95%信頼区間[CI]:-92~-86%)減少していた。 HIV非感染小児におけるPCV7血清型疾患の発生は、85%(95%CI:-89~-79%)の減少であった。一方で、同群ではワクチンに含まれていない血清型の発症例が33%(同:15~48%)増大していた。 25~44歳の成人では、疾患発生は3.7例から1.6例へと57%(同:-63~-50%)減少していた。 結果を踏まえて著者は、「小児と成人においてみられたPCV7血清型の侵襲性肺炎球菌感染症発生の減少は、ワクチン接種の直接的効果と間接的効果が反映された結果だと思われる」とまとめている。

3894.

携帯電話で服薬リマインド、効果は?/BMJ

 HIV感染患者を対象に、抗レトロウイルス療法(ART)の開始にあたって携帯電話を使った治療薬服用に関するリマインドの介入を行ったが、治療効果を示すウイルス学的失敗までの時間や同発生率について、非介入との差は示されなかった。また、治療薬のアドヒアランスへの効果も認められなかった。インド・St John’s Medical College HospitalのAnita Shet氏らが、631例のHIV感染患者について行った無作為化比較試験の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2014年11月6日号掲載の報告より。毎週、自動音声による双方向通話と、その4日後にリマインド画像メッセージを送付 研究グループは、インド南部の3ヵ所の保健医療施設(国立の外来診療所2施設、民間HIVヘルスケアクリニック1施設)で2010年7月~2011年8月にかけて、ART未治療の成人HIV感染患者631例を対象に検討を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方には毎週、患者の携帯電話に、双方向となるようYes/Noの質問方式(1または2を押して回答)を取り入れた自動音声通話をかけて、薬の処方どおりの服用を促した。患者が応答しない場合は通話が成立するまで最大3回のコールが24時間にわたって行われた。また同通話から4日後に、リマインドを目的とした画像メッセージの送付を非双方向で行った。 もう一方の対照群には、携帯電話による介入のない通常どおりの治療を行った。 主要評価項目は、2回連続測定でのウイルス量400コピー/mL超で定義した、ウイルス学的失敗までの時間だった。副次評価項目は、治療薬の数により判断したART治療のアドヒアランス(遵守率)、および死亡率、治療離脱率だった。最適アドヒアランスは平均95%未満と定義した。ウイルス学的失敗率、非最適アドヒアランスは両群で同等 結果、ウイルス学的失敗率は、介入群が10.52(95%信頼区間[CI]:8.11~14.19)/100人年に対し、対照群は10.73(同:7.95~13.92)/100人年と、両群で有意差は認められなかった。ウイルス学的失敗の患者数は、それぞれ49/315例(15.6%)、49/316例(15.5%)だった。 また、ウイルス学的失敗までの時間についても、両群で有意差は認められなかった(補正前ハザード[HR]比:0.98、同:0.67~1.47、p=0.95)。 最適アドヒアランスも、両群で同等だった(補正前罹患率比:1.24、同:0.93~1.65、p=0.14)。最適アドヒアランスの定義を満たした人は、それぞれ81/300例(27.0%)、65/299例(21.7%)だった。 これらの解析結果は、交絡因子で補正後も変わらず両群間の有意差は示されなかった(HR:0.96、p=0.85)。また、副次評価項目(死亡率の補正後HR:0.91、p=0.74、離脱率の同0.59、p=0.10)、施設や年齢などによるサブグループ解析の結果も似通ったものだった。

3895.

CareNet座談会 「高齢者の肺炎診療 ~新しい肺炎球菌ワクチンで変わる高齢者肺炎予防~」

<座長><出席者>高齢者肺炎の現状と肺炎球菌ワクチンの重要性賀来(座長) 本日は、感染症の専門の先生方にお集まりいただき、高齢者の肺炎の現状と新しい肺炎球菌ワクチンについて伺います。私どもは東日本大震災後の感染症について解析しており、災害後の集団感染リスクから被災者を守る必要性を感じています。震災後に東北大学病院に入院した感染症患者は、高齢者の誤嚥性肺炎を含めた市中肺炎などの呼吸器感染症が67%を占め、肺炎の原因菌の25.8%が肺炎球菌であり(図1)1)、肺炎球菌ワクチン接種による肺炎発症予防の重要性を感じました。図1 東北大学病院における震災関連感染症の解析画像を拡大するはじめに、高齢者における肺炎球菌感染症対策の重要性について伺います。門田 肺炎はわが国の死因の第3位の疾患であり、死亡者の大半を高齢者が占める現状がありますが、なかでも肺炎球菌による肺炎が多く、65歳以上の市中肺炎入院患者を対象とした検討では肺炎球菌が約30%を占めることが報告されています2)。また、生命を脅かす重篤な疾患である髄膜炎や敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症も高齢者に多く起こりますので、肺炎球菌感染症の予防はきわめて重要です。三鴨 高齢者ではさまざまな基礎疾患を有することが多く、それらが肺炎リスクを高めていると考えられます。例えば、糖尿病患者では白血球の貪食能、殺菌能の低下により、感染症リスクが高まると考えられます。また、脳梗塞や一過性脳虚血発作の後遺症がある場合は、誤嚥が関連する肺炎のリスクが高いと考えられます。さらに、高齢者に対する治療を考えると、腎機能低下例が多いために抗菌薬療法を十分に行えない可能性があります。腎機能や肝機能に留意した治療が求められるのが高齢者の特徴です。賀来(座長) 誤嚥は肺炎の要因になりますが、そこでも原因菌として肺炎球菌は重要でしょうか。門田 誤嚥の疑いのある高齢者の肺炎において肺炎球菌が26%を占めていたという報告もあり3)、意外に多いことが明らかになりつつあります。三鴨 とくに不顕性誤嚥(睡眠中に無意識のうちに唾液などが気道に入る)があると誤嚥性肺炎のリスクが高まり、免疫機能の低下が加わることでさらにリスクが増加します。肺炎球菌が意外に多いことを考えると、やはり肺炎球菌ワクチンによる予防が重要となります。また、高齢者の基礎疾患と肺炎リスクは関連があると考えられますので、高齢者全員にワクチンを接種するユニバーサルワクチネーションの考え方が重要です。高齢者肺炎の診断と病態の特徴賀来(座長) 次に、高齢者肺炎の診断と病態の特徴について伺います。門田 高齢者肺炎において注意していただきたいのは、細菌性肺炎であっても白血球数が上昇しない場合があること、また、症状が潜在性の場合があることです。典型的な症状がなくとも、食欲減退・不活発・会話の欠如などがあり、肺炎が疑われる場合には早めに胸部画像検査をしていただきたいです。三鴨 高齢者の肺炎で、もう1つ臨床上重要な点は、不顕性誤嚥があると肺炎を繰り返す例が多いことです。門田 肺炎を繰り返すと、抗菌薬治療を繰り返すことで耐性菌が出現するリスクも高まります。三鴨 おっしゃるとおりです。そのため、私たちは高齢者の肺炎患者に対しては退院時に積極的に肺炎球菌ワクチンを接種するようにしています。新しい肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)のエビデンス賀来(座長) これまで高齢者に対しては肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV)が用いられてきましたが、先頃、小児において使用実績の高い肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が成人(65歳以上)に対しても適応が認められ、選択肢が広がりました。この新しいワクチンの特徴と期待されるメリットについて伺います。門田 PPVは肺炎球菌の莢膜多糖体を抗原とするワクチンですが、PCV13は莢膜多糖体にキャリアタンパクを結合させたワクチンであり、免疫原性が高いことが特徴です(図2)。図2 多糖体ワクチンと結合型ワクチンにより誘導される免疫応答の概略画像を拡大するキャリアタンパクを結合することでB細胞のみならずT細胞を活性化することが可能であり、免疫応答の惹起に加え、メモリーB細胞を介した免疫記憶の確立が期待できます。賀来(座長) これらの特徴は臨床試験からも確認されているのでしょうか。三鴨 国内における第III相試験4)では、肺炎球菌ワクチン未接種の65歳以上の日本人高齢者764例を対象として、従来のPPVを対照群とする非劣性試験が実施されました。接種1ヵ月後のオプソニン化貪食活性(OPA)を比較した結果、両ワクチンに共通する12種類の血清型のいずれについてもPCV13はPPVに対して非劣性を示しました。このうち9血清型についてはPCV13におけるOPAの有意な上昇が認められ、PCV13の免疫原性が示されました(図3)。図3 ワクチン血清型別OPA*幾何平均力価比画像を拡大する一方、海外における第III相試験5)では、1回目にPCV13またはPPVを接種し、その3~4年後にPPVを再接種した場合のOPAの上がり方を検討しており、PCV13を接種した群における再接種時の免疫応答からPCV13による免疫記憶の確立が示されています(図4)。この結果から、1回目にPCV13を接種すると、PCV13に続いて2回目に接種されるワクチンの免疫応答も増大すると考えられ、今後、両ワクチンの特性を活かして接種スケジュールを検討する際の参考にできると思います。図4 肺炎球菌ワクチンの2回目接種前後のワクチン血清型別OPA画像を拡大する高齢者に対する肺炎球菌ワクチン接種の今後の展望賀来(座長) PCV13が高齢者にも使用可能になったことにより肺炎球菌感染症の予防にさらなる期待がもたれます。今後、高齢者へのワクチン接種をさらに普及させるうえでどのような方策が必要でしょうか。門田 日本呼吸器学会では「ストップ肺炎キャンペーン」を展開しており、一般向け・医療従事者向けの冊子をWebでも公開しています6)。今後、呼吸器科のみならず他科の先生方にも肺炎予防の重要性を周知し、他疾患領域の学会とも連携して取り組む必要があると思います。三鴨 糖尿病やリウマチでは、新薬の登場により治療成績が向上していますが、その一方で感染症リスクが高まる場合もあるため、高齢者の感染症予防に対する関心が高まっています。こうした面からも肺炎球菌ワクチン接種の意義を訴求していけると思います。また、ワクチンの普及には行政の役割も重要です。2014年10月から、65歳以上を対象に成人用肺炎球菌ワクチンが定期接種化されました(表1)。国の制度では5年間で順次接種することになっていますが、私はすべての高齢者に接種することが望ましいと考えています。そのため、居住地である岐阜市の市長がワクチン接種の公費助成に力を入れる方針を示していることを知り、この地域に居を構えるアカデミアの一人として肺炎球菌ワクチンについて提言を行いました(表2)。その結果、岐阜市では本年度に65歳以上全員を接種対象として予算を組んでくれました。高齢者医療はこうした比較的小規模な枠組みからも改善でき、非常に重要な動向であると思っています。賀来(座長) 本日は、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの現状と今後の展望について詳細にお話を伺うことができました。皆さま、ありがとうございました。表1 65歳以上の成人用肺炎球菌ワクチン定期接種(B型)の経過措置を含めた接種対象年齢画像を拡大する表2 肺炎球菌ワクチンについての提言画像を拡大する参考文献1)賀来 満夫. 日本内科学会雑誌. 2014; 103: 572-580.2)石田 直. Infection Control. 2005; 14: 645-649.3)Ishida T, et al. Intern Med. 2012; 51: 2537-2544. 4)ファイザー(株) 社内資料 国内第Ⅲ相試験(非劣性試験、未接種者、B1851088試験).5)Jackson LA, et al. Vaccine. 31; 2013: 3594-3602.6)日本呼吸器学会ホームページ PCV13についての詳細は製品添付文書をご覧ください。

3896.

エボラ、初期データ解析からの知見/NEJM

 2014年5月にシエラレオネで起きたエボラウイルス病(EVD)のアウトブレイクの初期データから、潜伏期間や死亡率は同時期の他の地域や過去の事例と類似しており、出血はまれで発熱や下痢などの消化管症状が多いとの特徴があることが、同国ケネマ国立病院とWHOの研究チームの調査で明らかとなった。10月25日現在、EVD例はギニア、シエラレオネ、リベリア、セネガル、ナイジェリア、マリの6ヵ国で1万100例を超えたが、収集された患者データは限られたものだという。NEJM誌オンライン版2014年10月29日号掲載の報告。潜伏期間6~12日、死亡率74% シエラレオネのケネマ国立病院は、ウイルス性出血熱の研究拠点であり、2014年5月に起きたEVDのアウトブレイク以降、患者を受け入れ治療を行っている。 今回、研究チームは、2014年5月25日~6月18日までにEVDと診断され、同院で治療を受けた患者のデータを精査した。診断には定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用い、ザイール種エボラウイルス(EBOV)のウイルス量の測定も行った。 ラッサ出血熱またはEVDが疑われた213例のうち、106例(50%)がRT-PCR法でEVDと診断された。このうち転帰が確認できたのは87例で、詳細な臨床情報が得られたのは44例だった。 潜伏期間は6~12日と推定され、死亡率は74%であった。また、症状発現から入院までの期間は平均5.7±0.5日、死亡までの期間は9.8±0.7日であった。生存例の罹病期間は平均21.3±2.6日で、入院期間は15.3±3.1日だった。発熱、衰弱、めまい、下痢、肝・腎機能低下が死亡と関連 発症時の主要所見として、発熱(89%)、頭痛(80%)、衰弱(66%)、めまい(60%)、下痢(51%)、腹痛(40%)、咽頭炎(34%)、嘔吐(34%)、結膜炎(31%)などがみられた。 これら発症時の臨床症状や検査値異常のうち致死的転帰との関連が認められたのは、衰弱(p=0.003)、めまい(p=0.01)、下痢(p=0.04)のほか、血中尿素窒素(BUN、p=0.01)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST、p=0.009)、クレアチニン(Cr、p=0.04)の上昇であった。初診時の発熱は死亡とは関連しなかったが、38℃以上の場合は関連が認められた。 また、下痢を発症した患者の死亡率は94%に上ったが、下痢がみられない場合は65%であった。出血を認めたのは1例のみであったが、データが少ないため可能性は排除できない。 さらに、6つのバイタルサイン(発熱、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、呼吸速度、酸素飽和度)を6時間ごとに測定したところ、死亡との有意な関連を認めたのは発熱(38℃以上)のみであった(p=0.001)。入院時の平均体温は、死亡例のほうが生存例よりも有意に高かった(37.5 vs. 35.9℃、p=0.001)。45歳超、コピー数107/mL超で死亡率94% 死亡率に関する探索的解析では、21歳未満が57%と45歳超の94%に比べ有意に低く(p=0.03)、21~45歳の死亡率は中間的(74%)であった。EBOVのコピー数が105/mL未満の患者の死亡率は33%であり、107/mL以上の94%よりも有意に低かった(p=0.003)。 一方、ほとんどの患者が入院時または入院中にアシドーシスをきたしていた。死亡例は経時的にBUNおよびCrが上昇したことから、入院経過では脱水や腎機能低下が重要な役割を果たすことが示唆された。  著者は、医療従事者の感染予防策の重要性を強調したうえで、「EVD施設は検疫よりもむしろ患者の治療や延命に注力すべき」とし、「これらの臨床所見と検査所見は、今回だけでなく今後のEVDアウトブレイク時の対策の参考となるだろう」とまとめている。関連記事 発見者ピーター ピオットが語るエボラの今 エボラ出血熱 対策に成功し終息が宣言された国も エボラ出血熱の最新報告-国立国際医療研究センターメディアセミナー

3898.

エボラ国際伝播、出国検疫強化がカギ/Lancet

 カナダ・トロント大学のIsaac I Bogoch氏らは、国際線航空機搭乗者を介したエボラウイルス伝播の可能性について、国際線フライトデータとエボラウイルス調査データを連動し評価を行った。その結果、現在アウトブレイクが伝えられる西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネの3ヵ国からは、毎月平均2.8人のエボラウイルス感染旅行者が出国している可能性を報告。同時に、それら3ヵ国に関連した出国時の検疫を強化することで、感染リスクの高い全旅行者の健康状態の評価が可能になるとして、国際的な支援の必要性を提言した。Lancet誌オンライン版2014年10月21日号掲載の報告より。フライト制限、出入国時スクリーニングの有効性をモデル化 Bogoch氏らは、2014年9月1日~12月31日までの国際線フライトスケジュールや、2013年の旅行者データを分析し、ギニア、リベリア、シエラレオネからの航空機による出国旅行者数などを割り出した。 それらとエボラウイルス調査データを連動して、予想されるエボラウイルス感染者の出国者数を調べ、航空機出国旅行を制限することの有効性、空港での出入国時スクリーニングの有効性をモデル化し検討した。検討では、対象3ヵ国の国内線または国際線搭乗者は全員、エボラウイルス曝露の可能性があるとみなし、その他の旅行者には有意な曝露リスクはないものとみなした。ギニア、リベリア、シエラレオネから毎月2.8人の感染旅行者が出国 分析の結果、2013年における全世界の航空機搭乗者に占める出国搭乗者は、ギニア、シエラレオネからはいずれも0.02%、リベリアからは0.01%であった。各国からの出国者数は、2014年9月1日時点でフライトキャンセルや減便などにより、リベリアで51%、ギニアで66%、シエラレオネで85%まで減少していた。 モデル検討により、空港での旅行者の健康スクリーニングが、エボラウイルス伝播の阻止に最も有効であると推定された。スクリーニングが必要なのは、出国時については3ヵ国の3都市の空港、入国時については3ヵ国からの直行便がある15ヵ国の15都市、また直行便のない1,238都市での入国時スクリーニングが必要であることも判明したという。 また、3ヵ国からは毎月平均2.8人のエボラウイルス感染旅行者が出国していることが推定され、ギニア、リベリア、シエラレオネからの航空機搭乗出国者のうち64%(9万1,547例)は、低所得国、低中所得国に向かっていると予測され、3ヵ国3都市の出国時スクリーニングが、エボラウイルス感染曝露が高い全旅行者の健康評価を実現できる可能性が明らかになったという。関連記事 発見者ピーター ピオットが語るエボラの今 エボラ出血熱 対策に成功し終息が宣言された国も エボラ出血熱の最新報告-国立国際医療研究センターメディアセミナー

3899.

エボラ熱“最後の1人まで終わらない”と発見者ピオット氏

 2014年10月30日、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)メディアセミナーが開催され、エボラウイルス発見者の1人であるロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長 ピーター・ピオット氏が「エボラ出血熱やその他の感染症への対応と課題」について講演した。今回は、記者との質疑応答をレポートする。前回記事(「発見者ピーターピオットが語るエボラの今」はこちら)今までのアウトブレイクとの違いは? 今回の死者は約5,000人となり(会見時:2014年10月30日)、1976年の発見以降の38年間におけるエボラによる死者数の3倍に達する。これまでのアウトブレイクは非常に限定的なものであった。ところが、今回は、医療システムの崩壊、政府への信用欠如、対応の遅れなど、さまざまな要素が合わさり、流行を制御不能にした。また、医療従事者に悪影響を及ぼし、医療システムの崩壊を招いている。このように社会全体に与えている影響を鑑みると、大規模な国際的取り組みは喫緊の課題といえよう。事態は好転しているのか? 国際的協力が進み、社会の認知が改善したことで良い刺激が出てきているが、国によって状況は異なる。シエラレオネでは流行はまだ悪化している。リベリアでは一部の地域で沈静化のサインが出てきている。実際の社会での拡大阻止を実現できるのは、国際的援助ではなく、地域の人間の活動である。リベリアでは、伝統的指導者が、(死者の身体を拭くという)埋葬の方法を変えるべき、と発言するなど新たな動きが出てきた。これは非常に重要なことだ。 個人的な楽観的シナリオではあるが、クリスマスまでには緩やかな減少が各地にみられるかもしれない。防御服を着ても医療従事者の感染が起こっているが? 防御服を脱ぐ時が問題である。エボラウイルスは死亡患者の身体にも非常に多く生存する。嘔吐、下痢、出血などがその原因だ。死亡者の身体でも2~3日は感染性が高い状態が続き、患者の寝ていたシーツやテーブルの上などでも数時間生存する。ウイルスは口、鼻、結膜などから侵入する。防護服を脱ぐ際、過って患者や死亡者の体液がついた防御服に触れ、その手で瞼や鼻をさわるなどして感染を起こす。そのため、国境なき医師団など熟練した組織では現在、防御服の脱衣を監督下で行っている。中国、日本への拡大リスク 伝播は世界中どの国でも起こりうるが、中国での危険性は高いといえる。現在、何千人という中国人労働者がアフリカ大陸にいる。人の渡航は止めることはできない。中国人労働者がエボラを本国に持ち帰ることも、逆にアフリカ人が中国にウイルスを持ち込む可能性もある。だが、ここで最も大きな問題は医療機関の感染制御の質なのである。SARSの経験で徐々に改善されているものの、中国の公の病院の感染制御レベルはまだ低い。そういう意味で、中国は脆弱性が高いと考えられる。 一方、日本は衛生面、感染制御とも基準を満たしている。だが、同じレベルにある米国テキサスでも死者が発生していることからも安全とはいえない。この時期に、国全体でより良い感染制御の訓練を加速すべきである。これは一部の指定された病院だけでなく、すべての病院が対象となるべきだ。エボラウイルス治療薬、ワクチンの開発 現在は患者の隔離、生命維持、水分補給、接触者の検疫措置、環境改善などの原始的な形でしか封じ込めはできない。そのようななか、富士フイルムグループの富山化学工業のインフルエンザ治療薬アビガン錠がエボラ治療薬として認められた。エボラに対する効果はヒトでは確認されていないが(マウスでは確認済み)、WHOは本疾患の死亡率を鑑みこの判断を下した。現在、用量設定試験が進行中である。そのほかにも幾つかの治療薬が開発されつつある。また、ワクチンも開発されつつある。現在の混乱した状況では効果確認は容易ではないが、いつくかの候補があり、うち1つのワクチンで第I相試験が行われている。 エボラの大きな問題は、他者に感染させる危険がある最後の1人がいなくなるまで終わらないことである。実際、ギニアでは一旦沈静化したにもかかわらず1人の有名人に集まった葬儀参加者から感染が再拡大している。つまり、患者が1人いれば流行が再燃するには十分なのである。この点が他の感染症とは大きく違うところである。そして、これは同時に今後も全面的な取り組みが必要であることを意味する、とピオット氏は強調した。グローバルヘルス技術振興基金 GHIT Fund(Global Health Innovative Technology Fund):開発途上国に蔓延する感染症制圧に必要不可欠な医薬品、ワクチン、診断薬の研究開発および製品化の支援を目的とし、官・企業・市民がパートナーシップを組み資金を拠出して設立したグローバルヘルスR&Dに特化した基金。途上国の最貧困層が必要とする医薬品・ワクチン・診断薬の研究開発・製品化に向け活動している。

3900.

肺結核の1次治療、より簡略なレジメンが非劣性/NEJM

 肺結核の1次治療では、高用量リファペンチン(国内未承認)+モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)の週1回投与を含む6ヵ月レジメンの有効性が、イソニアジド(同:イスコチンほか)+リファンピシン(同:リファジンほか)の6ヵ月連日投与を要する標準治療に劣らないことが、英国・ロンドン大学セント・ジョージ校のAmina Jindani氏らが行ったRIFAQUIN試験で示された。現在の肺結核に対する6ヵ月レジメンは、薬剤感受性菌の場合、適切に投与すれば95%以上の無再発治癒達成が可能だが、より短期間で簡略化されたレジメンの確立が求められている。リファペンチンの間欠投与では再発率が高く、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の重複感染例ではリファマイシン系薬への抵抗性がみられるが、マウス実験では高用量リファペンチンとモキシフロキサシンの併用が治癒率を改善する可能性が示唆されている。NEJM誌2014年10月23日号掲載の報告。簡略、短期レジメンの非劣性を無作為化試験で評価 RIFAQUIN試験は、肺結核患者の1次治療において、高用量リファペンチン+モキシフロキサシンの間欠投与を含む6ヵ月および4ヵ月レジメンの、標準治療であるイソニアジド+リファンピシンの6ヵ月連日投与レジメンに対する非劣性を検証する国際的な無作為化対照比較試験。対象は、年齢18歳以上、体重35kg以上で、2つの喀痰塗抹の顕微鏡検査で結核菌陽性の未治療の患者であった。 被験者は、以下の3つのレジメンのいずれかに無作為に割り付けられた。(1)エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、リファンピシンを2ヵ月連日投与後、イソニアジドとリファンピシンを4ヵ月連日投与する群(対照群)、(2)対照群のイソニアジドをモキシフロキサシンに変更して2ヵ月連日投与後、モキシフロキサシンとリファペンチン900mgを週2回、2ヵ月投与する群(4ヵ月レジメン群)、(3)対照群のイソニアジドをモキシフロキサシンに変更して2ヵ月連日投与後、モキシフロキサシンとリファペンチン1,200mgを週1回、4ヵ月間投与する群(6ヵ月レジメン群)。 喀痰検体の顕微鏡検査と培養検査を定期的に行った。主要評価項目は、治療不成功と再発の複合エンドポイント(治療効果不良)であった。非劣性マージンは6%とし、per-protocol(PP)解析とmodified intention-to-treat(mITT)解析の双方で90%信頼区間(CI)の上限値が6%を超えない場合に非劣性と判定することとした。4ヵ月レジメンでは効果はむしろ不良 2008年8月15日~2011年8月1日までに、南アフリカ、ジンバブエ、ボツワナ、ザンビアから827例が登録され、593例(6ヵ月レジメン群:277例、4ヵ月レジメン群:275例、対照群:275例)がmITT解析、514例(186例、165例、163例)がPP解析の対象となった。mITT集団の64%が男性、27%はHIVとの重複感染例だった。 PP解析では、治療効果不良率は対照群の4.9%に対し、6ヵ月レジメン群は3.2%(補正後対照群との差:-1.8%,90%CI:-6.1~2.4%)、4ヵ月レジメン群は18.2%(同:13.6%、8.1~19.1%)であった。 mITT解析では、治療効果不良率は対照群の14.4%に対し、6ヵ月レジメン群は13.7%(補正後対照群との差:0.4%、90%CI:-4.7~5.6%)、4ヵ月レジメン群は26.9%(同:13.1%、6.8~19.4%)であった。 すなわち、6ヵ月レジメン群はPP解析、mITT解析の双方で90%CIの上限値が6%を超えなかったことから、対照群に対する非劣性が確認された。一方、4ヵ月レジメン群はいずれの解析でも上限値が6%を超えており、非劣性であることは認められなかった。なお、より厳格な95%CIでは、6ヵ月レジメン群のPP解析は非劣性マージンを満たしたが、mITT解析は満たさなかった。 38例に45件の重篤または生命を脅かす有害事象がみられたが、治療に関連するものはなかった。割り付けの対象となった827例中25例が死亡し、このうち4例は結核による可能性があると判定された。 著者は、「高用量リファペンチンとモキシフロキサシンの週1回投与を含む6ヵ月レジメンは、HIV重複感染のない患者やイソニアジド抵抗性の患者などの1次治療として使用可能と考えられる」としている。

検索結果 合計:4441件 表示位置:3881 - 3900