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リアルタイムCGM導入によるDM患者の入院率は?/JAMA

 インスリン療法を受けている糖尿病患者で、医師によりリアルタイム持続血糖モニタリング(CGM)が導入された患者は、CGMを開始しなかった患者と比較し、HbA1cの有意な低下と低血糖による救急外来受診/入院率の減少を認めたが、高血糖または理由を問わない救急外来受診/入院に有意差はなかった。米国・カイザーパーマネンテのAndrew J. Karter氏らが、探索的後ろ向きコホート研究の結果を報告した。CGMは1型糖尿病患者に推奨されているが、インスリン療法を受けている2型糖尿病患者におけるCGMの観察的エビデンスは不足していた。なお、今回の結果について著者は、「観察研究の結果のため、選択バイアスの影響を受けている可能性がある」との指摘もしている。JAMA誌2021年6月8日号掲載の報告。リアルタイムCGMを開始した患者と開始しなかった患者を後ろ向きに比較 研究グループは、Northern California integrated health care delivery system(2014~19年)に登録されている、CGM使用歴のない血糖自己測定を行っているインスリン療法中の糖尿病患者4万1,753例(1型5,673例、2型3万6,080例)を対象に、リアルタイムCGMの導入による臨床アウトカムを、差分の差分法を用いて解析した。 評価項目は、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、低血糖(救急外来または病院利用)、高血糖(救急外来または病院利用)、HbA1c 7%未満、8%未満、9%以上、理由を問わない1回以上の救急外来受診、理由を問わない1回以上の入院、外来受診および電話受診回数の10項目とし、ベースラインの前後12ヵ月間で評価した。 リアルタイムCGMを開始した患者(CGM群)は3,806例(平均[±SD]年齢42.4±19.9歳、女性51%、1型91%、2型9%)、開始しなかった患者(対照群)は3万7,947例(63.4±13.4歳、女性49%、1型6%、2型94%)であった。リアルタイムCGMの導入で血糖コントロール、救急外来受診または入院を要した低血糖の発現が有意に改善 CGM群は、ベースライン前の平均HbA1cが対照群と比較して低値であったが、ベースライン前の低血糖および高血糖の発現率が高かった。 平均HbA1cは、CGM群で8.17%から7.76%まで低下し、対照群では8.28%から8.19%まで低下した(補正後の差分の差分推定値:-0.40%、95%信頼区間[CI]:-0.48~-0.32、p<0.001)。低血糖の発現率は、CGM群で5.1%から3.0%へ低下、対照群では1.9%から2.3%へ増加した(-2.7%、-4.4~-1.1、p=0.001)。 HbA1c 7%未満(補正後の差分の差分推定値:9.6%、95%CI:7.1~12.2、p<0.001)、HbA1c 8%未満(13.1%、10.2~16.1、p<0.001)、HbA1c 9%以上(-7.1%、-9.5~-4.6、p<0.001)の患者の割合、外来受診回数(-0.4、-0.6~-0.2、p<0.001)、電話受診回数(1.1、0.8~1.4、p<0.001)についても、補正後の純変化量に統計学的な有意差が確認された。 一方、高血糖、理由を問わない救急外来受診、理由を問わない入院の発生率については、いずれも統計学的に有意な変化は認められなかった。

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トファシチニブ、COVID-19肺炎入院患者の予後を改善/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎で入院した患者の治療において、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬トファシチニブはプラセボと比較して、28日以内の死亡または呼吸不全のリスクを抑制し、安全性に大きな差はないことが、ブラジル・Hospital Israelita Albert EinsteinのPatricia O. Guimaraes氏らが実施した「STOP-COVID試験」で示された。NEJM誌オンライン版2021年6月16日号掲載の報告。ブラジル15施設の無作為化プラセボ対照比較試験 研究グループは、COVID-19肺炎入院患者の治療におけるトファシチニブの有効性と安全性を評価する目的で、二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を行った(Pfizerの助成による)。本試験では、2020年9月16日~12月13日の期間に、ブラジルの15施設で患者登録が行われた。 対象は、年齢18歳以上、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染が確定され、画像検査(胸部CTまたはX線)でCOVID-19肺炎の証拠が認められ、入院から72時間未満の患者であった。被験者は、トファシチニブ(10mg、1日2回)またはプラセボを経口投与する群に無作為に割り付けられ、14日間または退院まで投与された。 主要アウトカムは、28日時点での死亡または呼吸不全とされた。米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の疾患重症度に関する8段階順序尺度(点数が高いほど、病態の重症度が高い)で、6点(入院中に非侵襲的換気または高流量酸素装置による換気を受けている)、7点(入院中に侵襲的機械換気または体外式膜型人工肺[ECMO]の装着を受けている)、8点(死亡)の場合に、主要アウトカムを満たすと定義された。全死因死亡には差がない 289例が登録され、144例がトファシチニブ群、145例はプラセボ群に割り付けられ、それぞれ2例および3例が試験薬の投与を受けなかった。全体の平均年齢は56歳で、34.9%が女性であった。COVID-19の診断から無作為化までの期間中央値は5日だった。 ベースラインの全体のBMI中央値は29.7で、50.2%が高血圧、23.5%が糖尿病を有しており、75.4%が酸素補充療法、78.5%が糖質コルチコイド、77.9%が予防的抗凝固療法、20.8%が治療的抗凝固療法を受けていた。入院中に89.3%が糖質コルチコイドの投与を受けた。 28日の時点での死亡または呼吸不全の発生率は、トファシチニブ群が18.1%(26/144例)と、プラセボ群の29.0%(42/145例)に比べ有意に低かった(リスク比:0.63、95%信頼区間[CI]:0.41~0.97、p=0.04)。 28日時の全死因死亡の発生率は、トファシチニブ群が2.8%(4/144例)、プラセボ群は5.5%(8/145例)であり、両群間に差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.49、95%CI:0.15~1.63)。 プラセボ群と比較したトファシチニブ群の8段階順序尺度スコアの比例オッズは、14日の時点で0.60(95%CI:0.36~1.00)、28日時は0.54(0.27~1.06)であった。 重篤な有害事象は、トファシチニブ群が14.1%(20例)、プラセボ群は12.0%(17例)で発現した。とくに注目すべき有害事象は、トファシチニブ群で深部静脈血栓症、急性心筋梗塞、心室頻拍、心筋炎が1例ずつ認められた。重篤な感染症の発生率は、トファシチニブ群3.5%、プラセボ群4.2%であった。また、死亡を除き、試験薬投与中止の原因となった有害事象は、それぞれ11.3%および3.5%でみられ、最も頻度の高かった原因はアミノトランスフェラーゼ値上昇(4.2%、0.7%)と、リンパ球減少(2.8%、1.4%)だった。 著者は、「ACTT-2試験(バリシチニブ+レムデシビルはレムデシビル単剤に比べ、とくに高流量酸素補充または非侵襲的機械換気を受けている患者で、回復までの期間を短縮)と本試験の結果を統合すると、JAK阻害薬は、侵襲的機械換気を受けていないCOVID-19肺炎患者の新たな治療選択肢となることを示すエビデンスがもたらされた」としている。

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アタマにやさしい冠動脈血行再建法は?(解説:今中和人氏)-1406

 心原性ショックなどの一部を除き、冠動脈血行再建法は長期成績に基づいて選択されるべき時代に入って久しい。医療者側は生命と心臓アウトカムを重視しがちな一方、当事者たちの最大の関心事の1つは認知機能低下である。患者さんの家族に「心臓を治してもらってからボケが進んじゃって…」という意味のことを言われて複雑な気持ちになった経験が、循環器系の医師なら誰しも一度や二度、いや、何度もあるのではないだろうか。 本論文は、2年ごとに米国の50歳以上の成人の健康状態を聞き取り調査する、Health and Retirement Study(HRS)という前向きプロジェクトに参加したメディケア加入者2万3,860例のうち、医療費支払い記録を基に65歳以上で冠血行再建を受けた患者1,680例(CABG 665例[うちオフポンプ168例]、PCI 1,015例。両方受けた患者は、初回の血行再建法で分類)を抽出し、治療前後にわたる記銘力の推移を検討している。諸因子を補正して両群とも約75歳、男性6割、白人85%強、糖尿病28%台、脳梗塞既往13%台で、治療前に平均2.3回、治療後に平均3.2回、合計5.5回の聞き取り調査を実施した。ただ実際は、CABG群もPCI群も14%強と、約7人に1人は血行再建後の評価が行われなかった(うち9割前後は死亡か辞退のため)。 記銘力評価には単語記憶テストを用い、72歳以上の一般HRS参加者の成績を基準にz値でスコア化した。この母集団の加齢に伴う記銘力低下は1SD相当の0.048memory unit/年以内(循環器領域では必ずしもなじみのない指標だが)とし、治療後については、その2倍を超える経年低下を高度、1~2倍の低下を軽度の記銘力障害の出現と定義し、定性的評価を追加した。また臨床的に認知症が疑われる状態を副次アウトカムとした。 記銘力低下のスコア評価は、PCI群は治療前0.064→治療後0.060memory unit/年の低下、CABG群は治療前0.049→治療後0.059memory unit/年の低下で、群間でも治療前後でも有意差がなかった。だがCABG群をオンポンプとオフポンプに分けてサブ解析すると、オンポンプの術前0.055→術後0.054memory unit/年に比し、オフポンプでは術前0.032→術後0.074memory unit/年とむしろ記銘力低下が顕著で、オフポンプ群の治療前後の変化はPCI群での変化と比べ、有意に近い悪化であった。 定性的評価では、高度記銘力障害の出現がCABG群6.4%、PCI群4.8%、軽度はCABG群20%、PCI群16%で、高度と軽度に分けると有意差がつかないが、合算するとCABG群に有意に多かった(p=0.03)。副次評価は治療後5年の時点でCABG群の10.5%、PCI群の9.6%が臨床的な認知症疑い状態と判断され、有意差はなかった。 要約すると、PCIでもCABGでも遠隔期の認知機能はほぼ同等だが、オフポンプCABG後は記銘力の低下が目立つ、というのが本論文の結論である。 かねてよりCABG術後に認知機能障害が多いとされてきたが、今回の研究でPCIと有意差がなかったことについて、両群とも記銘力スコアの低下が一般HRS参加者より顕著だったことも含め、著者らは血行再建を要するほどの冠動脈疾患を持つ、この母集団の特性による帰結であろうと論じており、首肯できる考察だと思われる。一方、オフポンプCABGの結果が悪かったことについては、文献的に(今回の調査対象ではなく)オフポンプCABGでは不完全血行再建症例が多いせいではないかと推論しているが、こちらは異論があるであろう。オフポンプCABGのメリットが想像以上に乏しいことが明らかになるなか、周術期脳血管障害だけは、ほぼすべての臨床研究でオフポンプのほうが少ないし、PCIとCABGを比較したほぼすべての臨床研究でも、PCIは早期脳血管障害が少ない。これらは遠隔期の認知機能に大きな影響があるはずで、本論文の結論と整合しない。 本論文のピットフォールの可能性として、本論文の記銘力評価には治療後も調査に参加している必要があるが、主に死亡と辞退のため7人に1人で治療後調査が行われていない。早期脳血管障害と、それに準じる状態の患者さんがこの脱落群に高率に含まれ、CABG群やオフポンプ群の評価が修飾された、つまり、まずまずの経過だった方だけが評価対象となり、気の毒な転帰をたどった方が除外された可能性があると思われる(このバイアスをうまく回避できる方法を提案できないが)。 「アタマにやさしい冠動脈血行再建法」は循環器診療の一大テーマである。本論文の結論に若干の違和感はありつつも、長期的な認知機能という観点から特定の血行再建法を勧めるほどの大差はない、とはいえそうである。

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2型糖尿病に新クラスの治療薬イメグリミン承認/大日本住友製薬

 大日本住友製薬は、2型糖尿病治療薬イメグリミン(商品名:ツイミーグ錠 500mg)について、6月23日付けで、2型糖尿病を適応症として、日本における製造販売承認を取得したと発表。同剤の承認は日本が世界で初めてとなる。 日本において、同社はPoxel社と共同で1,100例を超える2型糖尿病患者を対象とした3本の第III相試験(TIMES1、TIMES2、TIMES3)を実施し、それらの良好な試験結果等を基に、2020年7月30日、日本における製造販売承認申請を行った。 同剤は、既存の経口血糖降下薬とは異なる構造と、2つの血糖降下作用をもつ新クラスの経口血糖降下薬である。ミトコンドリアへの作用を介して、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取込み能改善)により血糖降下作用を示すと考えられている。 これまでの第II、III相試験で得られた良好な有効性および安全性に関するデータに基づき、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性がある。ツイミーグ錠500mgの概要・販売名:ツイミーグ錠500mg・一般名:イメグリミン塩酸塩・規格・含量:1錠中イメグリミン塩酸塩 500mg・効能・効果:2型糖尿病・用法・用量:通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1,000mgを1日2回朝、夕に経口投与する

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降圧薬のイベント防止効果は1次および2次予防や心血管疾患既往の有無で異なるか?(解説:江口和男氏)-1405

 血圧は下げれば下げるほど将来の脳心血管発症リスクが減少する。わが国およびその他の国際的な高血圧ガイドラインでは、降圧薬による降圧治療の適応は、生活習慣修正により十分な降圧効果が得られない場合や、血圧レベルが高くない場合でもリスク表により高リスクと判断される場合である。一般的に降圧薬開始の基準となるのは、外来血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上の場合であり、それ以下の血圧の場合、降圧薬治療開始の適応とはならない。高血圧のリスク表(JSH2019ガイドライン表3-2)については、糖尿病や尿蛋白の有無、心血管疾患の既往のありなしで血圧目標が異なり、日常診療で応用するにはやや複雑である。たとえば、心血管疾患既往があれば、高値血圧(130~139/80~89mmHg)の範囲であっても、リスク第三層「高リスク」に分類される。しかし、心血管疾患既往の有無やベースラインの血圧レベルで、どの程度イベント抑制効果が異なるかということについて結論が出ていなかった。 本メタ解析では48のRCTに登録された34万4,716例という膨大な数の対象者を個別解析した。ランダム化前の血圧は、心血管疾患既往者(15万7,728例)では146/84mmHg、心血管疾患既往なし(18万6,988例)では157/89mmHgであった。ベースラインのSBP<130mmHgの者は、心血管疾患既往者では3万1,239例(19.8%)、心血管疾患既往なしでは1万4,928例(8.0%)であった。中央値4.15年の観察期間で12.3%が少なくとも1回の心血管イベントを発症し、心血管疾患既往なしでは、MACEの発症率は対照群で31.9/1,000人・年、治療群で25.9人・年であった。心血管疾患既往者においては、MACEの発症率は対照群で39.7/1,000人・年、治療群で36.0人・年であった。SBP 5mmHg低下当たりのMACE発症のハザード比は、心血管疾患既往なしで0.91(95%CI:0.89~0.94)、心血管疾患既往者で0.89(95%CI:0.86~0.92)と、ともに有意であった。層別解析では心血管疾患既往の有無やベースライン血圧カテゴリー別で明らかな差は認められなかった。 本メタ解析ではSBP 5mmHg当たりの低下はMACEを約10%減少させたが、それは心血管疾患既往の有無や正常もしくは正常高値の血圧値であっても同様であった。では、本メタ解析の対象者のリスク層別化はいかがであろうか? 一般に高リスクとされる集団からイベントが発症しやすいが、実臨床では必ずしも高リスクに分類された人のみから心血管イベントが発症するとは限らず、低リスクと考えられていた人からもイベントが発症することがある。したがって、リスクの高い人だけを治療するのではなく、低リスクであっても降圧治療により下げておくメリットがある。本メタ解析の結果はTROPHY試験(Julius S, et al. N Engl J Med. 2006;354:1685-97.)―すなわち、正常高値血圧の血圧レベルでも、2年間のARB治療によって66.3%が高血圧への進展を免れうる―に通ずるところがあり、興味深い。 本メタ解析の著者らの主張としては、降圧薬治療により一定の降圧効果が得られれば、MACEの1次および2次予防効果が得られ、それは現在降圧薬治療の適応とはならない低い血圧値であっても有効であるというものである。JSH2019によれば、「正常高値血圧および高値血圧レベル、かつ低・中等リスクであれば3ヵ月間の生活習慣の是正/非薬物療法を行い、高値血圧レベルでは高リスク者であってもおおむね1ヵ月は生活習慣の是正を行い、改善が見られなければさらなる非薬物療法の強化に加え、降圧薬療法の開始を検討する」とされている。しかし、そこまで待ってよいのであろうか? 低リスクだと本当に何も起こさないのであろうか? 本メタ解析の結果を考慮すると、血圧レベルに関係なく、心血管疾患既往の有無にかかわらず、まず降圧薬による治療を開始し、同時に生活習慣の修正を試みながら可能であれば徐々に薬を減量、中止していくというアプローチのほうがいいのではないだろうか?(実際にそのようにしている臨床医も多いと思われる)

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多剤併用の高齢者、他の薬剤継続もスタチン中止で心血管リスク増

 高齢者の多剤併用(ポリピル)は主要な健康問題に発展するため、近年問題になっている。処方薬を中止すれば薬の使用を減らすことができる一方、臨床転帰への影響は不確かなままである。そこで、イタリア・University of Milano-BicoccaのFederico Rea氏らがスタチン中止によるリスク増大の影響について調査を行った。その結果、多剤併用療法を受けている高齢者において、ほかの薬物療法を維持しつつもスタチンを中止すると、致命的および非致命的な心血管疾患発生の長期リスクの増加と関連していたことが示唆された。JAMA Network Open誌2021年6月14日号掲載の報告。 研究者らはイタリア・ロンバルディア地域在住で多剤併用を受けている65歳以上を対象に、他の薬剤を維持しながらスタチンを中止することの臨床的意義を評価することを目的として、スタチン中止に関連する致命的および非致命的転帰のハザード比(HR)と95%信頼区間[CI]を推定した。対象者は2013年10月~2015年1月31日の期間(2018年6月30日までフォローアップ)に、スタチン、降圧薬、糖尿病治療薬、および抗血小板薬を継続服用していた患者。データはロンバルディ地域の医療利用データベースから収集し、2020年3~11月に分析した。また、スタチン中止後最初の6ヵ月間にほかの治療法を維持した患者とスタチンも他剤も中止しなかった患者について、傾向スコアによるマッチングを行った。 主な結果は以下のとおり。・全対象者は多剤併用の高齢者2万9,047例だった(平均年齢±SD:76.5±6.5歳、男性:1万8,257例[62.9%])。また、5人に1人が虚血性心疾患(5,735例[19.7%]を、12人に1人が脳血管疾患(2,280例[7.9%])を併存しており、そのほかにも心不全(2,299例[7.9%])や呼吸器疾患(2,354例[8.1%])があった。・全例のうちスタチンを中止するも他剤を継続したのは5,819例(平均年齢±SD:76.5±6.4歳、男性:2,405例[60.0%])で、傾向スコアでマッチングさせ4,010例が評価対象となった。 ・スタチン中止群の患者はすべて維持した群と比較して入院リスクが高く、心不全ではHR:1.24(95%CI:1.07~1.43)、心血管疾患の発生はHR:1.14(同:1.03~1.26)、あらゆる原因による死亡ではHR:1.15(同:1.02~1.30 )だった。・年齢や性別、臨床プロファイルなどの層別分析によると、スタチン中止の効果が各カテゴリー間で有意に不均一であるという証拠は示されなかった。・negative exposure analysisによれば、プロトンポンプ阻害薬の中止が死亡率に影響を及ぼしたという証拠は得られなかった(HR:1.08、同:0.95~1.22)。

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スクリーニング普及前後の2型糖尿病における心血管リスクの予測:リスクモデル作成(derivation study)と検証(validation study)による評価(解説:栗山哲氏)-1404

本論文は何が新しいか? 2型糖尿病の心血管リスクを、予知因子を用いてリスクモデルを作成(derivation study)し、さらにその検証(validation study)を行うことで評価した。ニュージーランド(NZ)からの本研究は、国のデータベースにリンクして大規模であること、データの適切性、対象者の95%がプライマリケアに参加していること、新・旧コホートの2者の検証を比較して後者での過大評価を明らかにしたこと、などの点で世界に先駆けた研究である。本研究のような最新の2型糖尿病スクリーニング普及は、低リスク患者のリスク評価にとっても重要である。リスクモデル作成研究(derivation study)と検証研究(validation study) 実地医家にはあまり聞き慣れない研究手法かもしれない。糖尿病や虚血性心疾患などにおいてリスク予測のためCox回帰モデルからリスク計算をし、それを検証する2段階の統計手法。症状や徴候、あるいは診断的検査を組み合わせてこれらを点数化し、イベント発症の可能性に応じ患者を層別化して予測する。作業プロセスは、モデル作成(derivation)と、モデル検証(validation)の2つから成る。モデル作成のコホートを検証に用いた場合、内的妥当性が高いことは自明である。したがって、作成されたモデルは他のコホート患者群に当てはめて外的妥当性が正しいか否かを客観的に検証する必要がある。心血管疾患リスクの推定は、複数の因子(例:治療法の変遷、危険因子にはリスクが高いもの[肥満]と低いもの[喫煙]があることなど)によって過大評価あるいは過小評価される可能性がある。結果の概要1)リスクモデルの作成(derivation study):2004~16年に行ったPREDICT試験を母体にしたPREDICT-1°糖尿病サブコホート試験(PREDICT-1°)において用いられたリスクの予測モデル因子は、年齢・性・人種・血圧・HbA1c・脂質・心血管疾患家族歴・心房細動の有無・ACR・eGFR・BMI・降圧薬や血糖降下薬使用、などである。これら糖尿病および腎機能関連の18の予測変数を有するCox回帰モデルから、5年心血管疾患リスクを推定した。2)リスクモデルの検証(validation study):2004~16年にかけて施行されたPREDICT-1°におけるリスク方程式を、2000~06年に行われたNZ糖尿病コホート研究(NZDCS)におけるリスク方程式にて外的妥当性を検証した。PREDICT-1°は追跡期間中央値5.2年(IQR:3.3~7.4)で、登録した46,625例の中で4,114件の新規心血管疾患イベントが発生した。心血管疾患リスクの中央値は、女性で4.0%(IQR:2.3~6.8)、男性で7.1%(4.5~11.2)であった。これに対して外的検証で用いたNZDCSにおいては心血管疾患リスクが女性では3倍以上(リスク中央値14.2%、IQR:9.7~20.0)、男性では2倍以上(17.1%、4.5~20.0)と過大評価されていることが示された。このことから、最近行われたPREDICT-1°は、過去に行われたNZDCSよりも優れたリスク識別性を有することが検証された。また、この新しいPREDICT-1°のリスク方程式によってリスク評価を行わない場合、糖尿病の低リスク患者を(新たに開発された)血糖降下薬などで過剰診療する可能性なども示唆された。糖尿病の心血管リスクスクリーニングの世界事情 先進国においては、強化糖尿病のスクリーニングを受ける成人が増加している。このため、これらの先進国では糖尿病患者の疾病リスク予測は、より早期と考えられる患者群(低年齢・軽度の高血圧や脂質異常症)に移行しており、より多くの患者が症候性になるより早期に糖尿病と診断されるようになってきた。ちなみにNZでは、スクリーニング検査の推奨項目として空腹時血糖値を非空腹時HbA1cに置き換えることにより、対象者の糖尿病スクリーニング受診率を向上させる新たな国家戦略を立ち上げ、2001年に15%、2012年に50%、2016年には対象者の90%で糖尿病スクリーニング受診という目標を達成してきた。一方、アフリカ、東南アジア、西太平洋ではスクリーニングによる診断よりは臨床診断が主体となるため、心血管疾患リスクスコアを過大評価している可能性がある。本論文から学ぶこと 最新のPREDICT-1°においては、HbA1cによるスクリーニングが普及し、心血管疾患のリスクが低い無症状の糖尿病患者が多数確認された。これにより2型糖尿病において早期発見・早期治療が可能になる。また、心血管疾患リスク評価式は、時代の変遷に応じて現代の集団に更新する必要がある。私見であるが、糖尿病への早期介入推奨の潮流は、たとえばKDIGO 2020年の糖尿病腎症治療ガイドラインなどにすでに反映されている。このガイドラインでは、腎保護戦略のACE阻害薬、ARB、SGLT2阻害薬などの薬剤介入と平行して、自己血糖モニタリングや自己管理教育プログラムの重要性にも多くの紙面を割き言及している(Navaneethan SD, et al. Ann Intern Med. 2021;174:385-394. )。 翻って、本邦での糖尿病スクリーニングによる心血管リスク予測の課題として、国家レベルでの医療データベースの充実化、健診環境のさらなる改善、そして本研究におけるPREDICT-1°に準じた新たな解析法の導入などが考えられよう。

1749.

統合失調症患者における重度心血管疾患の有病率

 フランス・ロレーヌ大学のJ-C Marche氏らは、統合失調症患者における入院が必要な重度の心血管疾患の有病率について、調査を行った。L'Encephale誌オンライン版2021年5月20日号の報告。 2015年にフランスの精神科病院5施設に入院した統合失調症または精神疾患患者を対象とし、調査を行った。心血管疾患患者の定義は、精神科入院前の5年または入院後の3年に一般病院での入院対応歴(ICD-10コード)を有する患者とした。心血管疾患には、心筋梗塞、脳卒中、心不全、冠動脈疾患、末梢動脈疾患を含めた。高血圧、肥満、糖尿病などのリスク因子についてのデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、合計4,424例であった。・心血管疾患と診断された患者は、203例(4.6%)であった。内訳は、冠動脈疾患93例(2.1%)、心不全86例(1.9%)、脳卒中49例(1.1%)であった。・リスク因子の有病率は、高血圧11.3%、肥満9.7%、糖尿病7.8%であった。・心筋梗塞患者の年齢中央値は57歳(四分位範囲:49~70歳)、糖尿病患者の年齢中央値は56歳(四分位範囲:48~66歳)であった。 著者らは「統合失調症患者は、早期に入院が必要な重度の心血管疾患を発症するリスクが高い。これには、リスク因子の有病率の高さが関連していると考えられる。心血管疾患およびリスク因子の早期スクリーニングと治療は、統合失調症患者の生命予後やQOLを改善するために重要であろう」としている。

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運動するなら、朝と夕方どちらが効果的?

 太り過ぎの男性が運動療法を行う場合、朝よりも夕方に行ったほうが代謝機能の回復効果が高いことが、ノルウェー科学技術大学のTrine Moholdt氏らによる研究の結果、わかった。Diabetologia誌オンライン版2021年5月19日号に掲載された。 研究者らは、高脂肪食の摂取が血糖コントロール、全身の健康マーカー、血清メタボロミスクに及ぼす影響が、運動トレーニングを行う時間帯(朝と夜)によって変化するかどうかを検討した。 オーストラリア・メルボルンの大学で実施されたこの3群並行群間無作為化試験では、過体重・肥満の男性が11日間連続で高脂肪食(エネルギーの65%を脂肪から摂取)を摂取した。参加者は、ソーシャルメディアやコミュニティ広告を通じて募集した。参加資格は、男性、30~45歳、BMI27.0~35.0kg/m2、座りがちな生活とされた。心血管疾患(CVD)または2型糖尿病患者、処方薬服用者、シフト型勤務者は除外された。 参加者は高脂肪食を5日摂取した後、朝(6:30)運動する群、夕方(18:30)運動する群、運動なし群のいずれかに割り当てられ、その後5日間活動した。血清代謝物、循環脂質、心肺機能、血圧、および血糖値の変化をグループ間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・25例(朝群:9、夕方群:8、運動なし群:8)が割り付けられ、24例が解析対象となった(各群8例ずつ)。・24時間後のグルコース値はいずれの群でも有意な変化は見られなかったが、夕方群は運動なし群と比較して夜間の血糖値が低かった(4.9±0.4 vs 5.3±0.3mmol/l、p=0.04)。・最大酸素摂取量は、運動なし群と比較して、朝群(推定効果1.3ml/kg/分、95%CI:0.5~2.0、p=0.003)と夕方群(推定効果1.4ml/kg/分、95%CI:0.6~2.2、p=0.001)の両方で改善した。・空腹時血糖値、インスリン、コレステロール、トリアシルグリセロール、LDL-コレステロール値は夕方群のみで低下した。意図しない効果や副作用はなかった。 著者らは、5日間の高脂肪食摂取により、脂質とアミノ酸の代謝に関連する血清代謝物に大きな変化が生じた。運動トレーニングが代謝物に与える変化は高脂肪食の影響よりも小さく、夕方に行った場合のみ高脂肪食による代謝物の変化の一部を回復させた、とまとめている。

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嚥下機能低下の患者さんへの糖尿病治療薬/田辺三菱製薬

 高齢者や病中・病後の患者さんなど飲み込む力、すなわち嚥下機能が落ちている患者さんにとって薬を飲みこむことは一仕事であり、場合によっては服薬中断など服薬コンプライアンスを悪化させる原因となる。こうした身体状況に対処できる工夫はあるだろうか。 田辺三菱製薬株式会社は、選択的DPP-4阻害剤テネリグリプチン(商品名:テネリアOD錠20mg、同錠40mg)について、6月18日に薬価基準に収載され、発売したと発表した。 同社は、高齢の患者さんや嚥下機能が低下した患者さん、また、水分の摂取制限が必要な患者さんにおける、さらなる利便性や服薬コンプライアンスの向上を目指し、口腔内崩壊錠(OD錠)の開発を行い、本年2月に同薬剤の製造販売承認を取得していた(「テネリア錠20mg」は2012年6月に、「同錠40mg」は2018年8月に製造販売承認を取得)。 同社では、治療薬の研究・開発・提供を通じ、「2型糖尿病治療における新たな選択肢を提供し、糖尿病治療により一層貢献していく」と抱負を語っている。製品概要製品名:テネリアOD錠 20mg/同OD錠 40mg一般名:テネリグリプチン効能・効果:2型糖尿病用法・用量:通常、成人にはテネリグリプチンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら40mg1日1回に増量することができる。薬価:20mg 1錠 134.70円/40mg 1錠 202.50円製造販売承認日:2021年2月5日薬価基準収載日:2021年6月18日発売日:2021年6月18日製造販売元:田辺三菱製薬株式会社

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AZ製ワクチン接種後のVITT、免疫グロブリン療法による治療転帰/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアデノウイルスベクターワクチンの、まれな副作用であるワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)の治療として、高用量免疫グロブリン静注(IVIG)療法と抗凝固薬の併用療法が推奨されている。カナダ・マックマスター大学のAlex Bourguignon氏らは、ChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)の接種後にカナダで確認されたVITTの、最初の3例におけるIVIG療法について報告した。NEJM誌オンライン版2021年6月9日号掲載の報告。3例とも動脈血栓症を発症 3例はいずれもインド血清研究所で製造されたワクチンを接種していた。また、63~72歳と高齢であるが、カナダでは、VITTは若年者に多いという欧州の報告に基づき、ChAdOx1 nCoV-19の使用を55歳以上に限定していたことが背景としてある。3例のうち1例は女性であった。 2例が四肢動脈血栓症、3例が脳静脈および脳動脈血栓症を発症した。注目すべきは、3例全例が1つ以上の動脈血栓症を発症したことで、高齢のVITT患者は動脈血栓症を呈しやすい可能性が推察された。 また、ヘパリンおよび血小板第4因子(PF4)に対する血小板活性化のパターンはさまざまであり、血清におけるVITTの兆候は不均一であることが示唆された。3例ともIVIG療法により抗体誘発性の血小板活性化が低下した。VITTを発症した3例の臨床経過【症例1】 72歳女性。特記すべき既往歴なし。接種7日後に左下肢痛と跛行を発症し、発症8日後に入院。画像診断にて、左浅大腿動脈と深部大腿動脈の閉塞、腹腔動脈と右腓骨動脈の部分的血栓を伴う副腎血栓を認めた。ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は疑われなかったことから未分画ヘパリンの投与を開始し、3日後に外科的塞栓摘出術を実施。その頃にはVITTが疑われ、アルガトロバン投与を開始するも、5日間で血小板数の改善を認めず、高用量IVIGを投与した。その後、血小板数は増加し、アピキサバン経口投与を行い、退院となった。【症例2】 63歳男性。心血管リスク因子および血栓症の既往歴なし。接種18日後に左下肢けいれんを認め、その4日後に急性呼吸困難を発症。接種24日後に救急外来受診、造影CTにて左下肢急性動脈血栓症と広範囲の肺塞栓症を認め、低分子ヘパリンのtinzaparinを投与し、外科的塞栓摘出術を施行。VITTが疑われたため、ヘパリンからフォンダパリヌクスへ変更するとともにIVIG投与。その後、新たな血栓症は発症しなかったが、下肢遠位部の血栓残存のため足尖部の虚血性壊死となり、本報告時点では切断術の待機中。【症例3】 69歳男性。2型糖尿病、高血圧症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、前立腺がん(最近診断されステージはまだ不明)の既往あり。血栓症の既往なし。9ヵ月前に経カテーテル大動脈弁置換術を受けた際にヘパリンが投与され、その後1日1回アスピリン(81mg)を服用中。 接種12日後に、頭痛と混乱状態、進行性の左半身脱力を主訴に入院。入院3日目に左半身脱力の増強、出血性変化を伴う右中大脳動脈梗塞が確認され、VITTと診断した。さらに、右内頸動脈、右大脳横静脈洞とS状静脈洞、右内頸静脈、肝静脈、下肢遠位部静脈に血栓を認め、肺塞栓症も発見された。フォンダパリヌクスとIVIGで治療し、片麻痺は持続したが新たな血栓症は認めなかった。その後、血小板減少症が再発しIVIGを追加投与。その後、接種後47~62日の期間に血漿交換療法を13回行い、徐々に血小板数は回復し正常化した。

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「ユリノーム」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第56回

第56回 「ユリノーム」の名称の由来は?販売名ユリノーム®錠50mgユリノーム®錠25mg一般名(和名[命名法])ベンズブロマロン(JAN)効能又は効果下記の場合における高尿酸血症の改善 痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症用法及び用量(1)ユリノーム錠 50mg1)痛風通常成人1日1回1/2錠または1錠(ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg)を経口投与し、その後維持量として1回1錠を1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与する。なお、年令、症状により適宜増減する。2)高尿酸血症を伴う高血圧症 通常成人1回1錠を1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与する。なお、年令、症状により適宜増減する。(2)ユリノーム錠 25mg1)痛風通常成人1日1回1錠または2錠(ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg)を経口投与し、その後維持量として1回2錠を1日1~3 回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与する。 なお、年令、症状により適宜増減する。2)高尿酸血症を伴う高血圧症 通常成人1回2錠を1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与する。なお、年令、症状により適宜増減する。警告内容とその理由1.劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現し、死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので、投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず、定期的に肝機能検査を行うこと。また、患者の状態を十分観察し、肝機能検査値の異常、黄疸が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。2.副作用として肝障害が発生する場合があることをあらかじめ患者に説明するとともに、食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに受診するよう患者に注意を行うこと。禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1.肝障害のある患者 [肝障害を悪化させることがある。]2.腎結石を伴う患者、高度の腎機能障害のある患者 [尿中尿酸排泄量の増大により、これらの症状を悪化させるおそれがある。また、効果が期待できないことがある。]3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人4.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年6月16日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年4月改訂(第5版)医薬品インタビューフォーム「ユリノーム®錠50mg/25mg」2)トーアエイヨー:製品情報一覧

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コントロール不良2型DM、CGMでHbA1c改善/JAMA

 食前インスリン療法は行わず、基礎インスリン療法でコントロール不良な2型糖尿病の成人患者の血糖測定法として、持続血糖モニタリング(CGM)は通常の血糖測定器(BGM)によるモニタリングと比較して、8ヵ月後の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が統計学的に有意に低下することが、米国・International Diabetes Center, Park Nicollet Internal MedicineのThomas Martens氏らが実施した「MOBILE試験」で示された。JAMA誌2021年6月8日号掲載の報告。米国のプライマリケア施設の無作為化臨床試験 本研究は、プライマリケア施設で基礎インスリン療法を受けている2型糖尿病成人患者におけるCGMの有効性の評価を目的とする無作為化臨床試験であり、米国の15施設が参加し、2018年7月~2019年10月の期間に患者登録が行われた(米国・Dexcomの助成による)。 対象は、年齢30歳以上、2型糖尿病でプライマリケア医の治療を受け、持効型または中間型基礎インスリンを1日1~2回投与され、食前インスリン療法は行っていない患者であり、非インスリン血糖降下薬の投与の有無は問われなかった。 被験者は、CGM(Dexcom G6 CGMシステム)またはBGMでのモニタリングを行う群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。CGM群は、間質液中のグルコース濃度を5分ごとに測定し、必要に応じてBGMでのモニタリングが行われた。BGM群は、空腹時および食後に、1日1~3回、血糖値が測定された。 主要アウトカムは、8ヵ月後の平均HbA1c値とした。目標範囲内時間の割合が高く、血糖値>250mg/dLの時間の割合は低い 175例(平均[SD]年齢57[9]歳、女性88例[50%]、平均HbA1c値9.1%[0.9])が登録され、CGM群に116例、BGM群に59例が割り付けられた。このうち165例(94%)が試験を完了した。 平均HbA1c値は、CGM群がベースラインの9.1%から8ヵ月後には8.0%へ、BGM群は9.0%から8.4%へと低下し、CGM群で有意な改善効果が認められた(補正後群間差:-0.4%、95%信頼区間[CI]:-0.8~-0.1、p=0.02)。 CGM群はBGM群に比べ、血糖値が目標範囲内(70~180mg/dL)の時間の割合(59% vs.43%、補正後群間差:15%、95%CI:8~23、p<0.001)、血糖値>250mg/dLの時間の割合(11% vs.27%、-16%、-21~-11、p<0.001)、ベースライン値で補正された8ヵ月後の血糖値(179mg/dL vs.206mg/dL、-26mg/dL、-41~-12、p<0.001)が、いずれも有意に良好であった(割合と血糖値は平均値)。 重篤な低血糖は、CGM群で1例(1%)、BGM群で1例(2%)に発現した。糖尿病性ケトアシドーシスは、CGM群で1例(1%)にみられた。 著者は、「本試験はプライマリケア施設で患者の募集が行われ、内分泌専門医は関与していないが、糖尿病専門医がプライマリケア医に助言を行っており、これは現在の標準的な診療形態ではないため、得られた知見の一般化可能性には限界がある」としている。

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1型DM成人患者、リアルタイムCGMで血糖コントロール改善/Lancet

 1型糖尿病成人患者の血糖測定法を、必要に応じて測定する間欠スキャン式持続血糖モニタリング(isCGM)から、リアルタイムで測定し血糖値の高低を予測して警告を発する機能の選択肢を有する持続血糖モニタリング(rtCGM)に変更すると、isCGMの使用を継続した場合と比較して、6ヵ月後のセンサーグルコース値が70~180mg/dLの範囲内にある時間の割合が高くなり、全体として血糖コントロールが改善されることが、ベルギー・KU Leuven病院のMargaretha M. Visser氏らが実施した「ALERTT1試験」で示された。Lancet誌オンライン版2021年6月2日号掲載の報告。ベルギーの6病院の無作為化対照比較試験 本研究は、ベルギーの6つの病院が参加した無作為化対照比較試験であり、2019年1月29日~7月30日の期間に参加者の募集が行われた(米国・Dexcomの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、1型糖尿病の診断から6ヵ月以上が経過し、頻回注射またはインスリンポンプによる治療を受けており、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値≦10%で、少なくとも6ヵ月間isCGMを使用している患者であった。 被験者は、isCGMからrtCGM(Dexcom G6)に変更する群(介入群)またはisCGMを継続する群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。参加者、担当医、試験チームは割り付け情報をマスクされなかった。 主要エンドポイントは、intention-to-treat集団における6ヵ月後の血糖値が目標範囲内(センサーグルコース値3.9~10.0mmol/L[70~180mg/dL])にある時間(time in range:TIR)の平均群間差とした。HbA1c値、低血糖、低血糖恐怖スコアもrtCGM群で良好 254例が登録され、rtCGM群に127例(平均年齢42.8[SD 13.8]歳、男性64%)、isCGM群に127例(43.0[14.5]歳、60%)が割り付けられ、それぞれ124例および122例が試験を完了した。ベースラインの平均HbA1c値は両群とも7.4(0.9)%だった。 6ヵ月の時点におけるTIRの割合は、rtCGM群が59.6%と、isCGM群の51.9%に比べ有意に高かった(平均群間差:6.85ポイント、95%信頼区間[CI]:4.36~9.34、p<0.0001)。 また、rtCGM群はisCGM群に比べ、6ヵ月時のHbA1c値(rtCGM群7.1% vs.isCGM群7.4%、p<0.0001)、臨床的に意義のある低血糖(センサーグルコース値<54mg/dL)の時間の割合(0.47% vs.0.84%、p=0.0070)、低血糖恐怖調査(Hypoglycaemia Fear Survey version II worry subscale)のスコア(15.4点vs.18.0点、p=0.0071)がいずれも良好であった。 重症低血糖は、rtCGM群で少なかった(3例vs.13例、p=0.0082)。センサー挿入部位からの出血の報告はrtCGM群(12例に14件、このうち5件でセンサーの交換を要した)でのみ認められた。皮膚反応はisCGM群で頻度が高かった。 著者は、「rtCGM群はisCGM群よりも、血糖コントロールと患者報告アウトカムが良好であり、臨床医は患者の健康状態や生活の質を改善するために、rtCGMを考慮すべきと考えられる」としている。

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2型DMの心血管リスク、スクリーニング普及で変化/Lancet

 糖尿病スクリーニングが広く普及する前に開発された心血管リスク予測式は、スクリーニングで検出された多くの患者の心血管リスクを過大評価することを、ニュージーランド・オークランド大学のRomana Pylypchuk氏らが明らかにした。スクリーニングで発見された最近の糖尿病患者の多くは、腎機能が正常で、血糖降下薬を投与されておらず、心血管リスクは低いことも示された。スクリーニング普及前は、ほとんどの糖尿病患者は糖尿病と診断された時に症候性であり、心血管リスクが高く心血管イベント予防薬を処方すべきと考えられていたが、ニュージーランドで世界初となる全国的な糖尿病スクリーニングが導入されて以降、その受検率は2012年の50%から2016年には90%に増加し、検出される糖尿病患者の多くは無症状で発症早期例が占めるようになったという。著者は、「肥満の増加、スクリーニング検査の簡素化、心血管イベントを予防する新世代の血糖降下薬の導入などにより、糖尿病スクリーニングが増加することは間違いないが、今回の結果は、ほとんどの心血管リスク評価式は現代の糖尿病患者集団において検証し更新する必要があることを強く示唆している」と述べている。Lancet誌オンライン版2021年6月2日号掲載の報告。プライマリケア40万人のコホートで新たな心血管リスクの予測式を作成・検証 研究グループは2004年10月27日~2016年12月30日に、プライマリケアにおいて意思決定支援ソフトウエアのPREDICTを用いて、心血管リスクの評価を受けた約40万人の参加者から、2型糖尿病で、心血管疾患、心不全または腎機能障害を有しない30~74歳のニュージーランド人を特定し、PREDICT-1°糖尿病サブコホートとした。 Cox回帰モデルにより、事前に規定した18の予測因子(糖尿病関連および腎機能測定値など)を用い、男女別の心血管疾患5年リスク予測式を開発作成し、その性能を、2000~06年に開発されたNew Zealand Diabetes Cohort Study(NZDCS)の心血管リスク予測式と比較した。糖尿病スクリーニング普及後の糖尿病患者の心血管リスクは低い PREDICT-1°糖尿病サブコホートは4万6,652例で、このうち4,114例で追跡期間中(中央値:5.2年、IQR:3.3~7.4)に初発心血管イベントを認めた。 ベースラインで経口血糖降下薬またはインスリンを使用していなかったのは、1万4,829例(31.8%)であった。新しい推定式による5年心血管リスク中央値は、女性で4.0%(IQR:2.3~6.8)、男性で7.1%(4.5~11.2)であった。一方、従来のNZDCS予測式での心血管リスクは、女性でリスク中央値14.2%(IQR:9.7~20.0)と3倍、男性で同17.1%(4.5~20.0)と2倍、それぞれ過大評価された。 PREDICT-1°糖尿病サブコホート予測式のモデルおよび識別能は、NZDCS式より有意に良好であった。たとえば女性において、R2値は32%(95%信頼区間[CI]:29~34)vs.24%(21~26)、Harrell's C値は0.73(95%CI:0.72~0.74)vs.0.69(0.67~0.70)、Royston's D値は1.410(95%CI:1.330~1.490)vs.1.147(1.107~1.187)であった。 これらの結果を踏まえて著者は、「ますます多様化する患者集団において、糖尿病関連および腎機能予測因子を用いた現代の糖尿病集団から作成した心血管リスクの予測式で、低リスク患者と高リスク患者を区別することが必要であり、適切な非薬物療法を知らしめ、高価な新薬の費用対効果を高めることが求められるだろう」と述べている。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 腎臓

第1回 急性腎障害(AKI)第2回 慢性腎臓病(CKD)第3回 腎代替療法第4回 腎炎・ネフローゼ症候群第5回 遺伝性腎疾患第6回 その他の頻出疾患 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。腎臓については、聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科の櫻田勉先生が全6回のレクチャーをします。近年、有用な診断指標の登場により、各疾患の再定義が盛んに行われている腎臓領域。多彩な腎疾患の診断の要となるのは病理所見、見るべきポイントを確認します。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 急性腎障害(AKI)第1回は急性腎障害(AKI)を取り上げます。従来は、軽微な腎機能障害は「急性腎不全」と呼ばれ、一過性のものと見なされていましたが、2016年のガイドライン以降、概念が刷新され「急性腎障害」へと名称が変更。早期発見、早期治療が提唱されています。とくに心臓手術後など、ICUでの発症頻度が高いAKI。リスクファクターや診断プロセスを整理します。近年注目されている「尿中バイオマーカー」は早期診断に有用です。第2回 慢性腎臓病(CKD)第2回は慢性腎臓病(CKD)を解説。従来は「慢性腎不全」と呼ばれていましたが、心血管疾患の発症率や腎代替療法のリスクが高まることから、より早期に治療することが重視され、「慢性腎臓病」という概念が再定義されました。本邦では約1330万人、成人の8人に1人がCKD患者とされ、不規則な生活習慣によって全体の約60%の患者が透析となります。HIF-PH阻害薬は、腎性貧血の新たな治療薬として注目のトピックです。第3回 腎代替療法第3回は腎代替療法です。透析療法と腎移植に大別される腎代替療法。透析療法には、血液透析と腹膜透析に分けられ、透析患者の97%が血液透析を採用しています。それぞれの透析の原理と、血液透析に伴う不均衡症候群や透析アミロイドーシス、腹膜透析に伴う被嚢性腹膜硬化症といった合併症を確認します。腎移植は、適応基準、移植後の免疫抑制療法、拒絶反応とともに、試験で問われやすい統計データも押さえておきましょう。第4回 腎炎・ネフローゼ症候群第4回は腎炎・ネフローゼ症候群。難治性腎障害指定のIgA腎症、ネフローゼ症候群、急速進行性腎炎症候群を解説します。病理所見が診断の要。IgA腎症は慢性糸球体腎炎の一種で、糸球体のメサンギウム領域にIgAの沈着を認めます。ネフローゼ症候群は、大量の蛋白尿と低蛋白血症、浮腫といった症状が特徴的です。急速進行性腎炎症候群は、血尿、蛋白尿、貧血と急速に進行する腎不全を来します。第5回 遺伝性腎疾患第5回は遺伝性腎疾患について解説します。腎臓専門医以外にとってはなじみの薄い遺伝性腎疾患ですが、中でも多発性嚢胞腎は、試験での出題頻度が高い傾向の疾患です。家族歴とともに、CTやMRIの画像所見で診断します。ファブリー病は、2018年に承認された経口薬によるケミカルシャペロン療法に注目。遺伝性尿細管機能異常症のFanconi症候群、Bartter症候群、Gitelman症候群については、それぞれの発症年齢や鑑別点の違いを確認します。第6回 その他の頻出疾患最終回では、試験に頻出の糖尿病性腎臓病、ループス腎炎、多発性骨髄腫による腎障害、血栓性微小血管症、コレステロール塞栓症、IgG4関連疾患についてまとめて解説します。近年では、ネフローゼ症候群を呈する典型的な「糖尿病性腎症」が減少し、顕性アルブミン尿を伴わず、徐々に腎機能低下を示す「糖尿病性腎臓病」が増加しています。ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスに伴う腎障害。治療の変更点がポイントです。

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肝発がんのリスク評価で共同声明/日本肝臓学会・日本糖尿病学会

 5月20日~22日まで完全WEB開催で開催された「第64回 日本糖尿病学会年次学術集会」(会長:戸邉 一之氏)の中で「第7回 肝臓と糖尿病・代謝研究会」(会長:同)が22日に併催された。その中で、日本肝臓学会(理事長:竹原 徹郎氏)と日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)の共同声明が発表された。 両学会は 2012 年より合同で委員会を設置し、研究会の開催のほか、共同研究として糖尿病外来における肝がんの発生実態の調査、糖尿病外来における肝がん高危険群の同定を目的とし、糖尿病外来における肝細胞がん発生の実態調査を行ってきた。 そこで、今回の研究会で両学会理事長による「肝がんのリスク評価指標に関する共同声明」が発表された。糖尿病患者で注意すべきがんの種類 糖尿病罹患によって全がん罹患のリスクは、1.2倍になるとされ、臓器別では、肝がん1.97倍、膵がん1.85倍、大腸がん1.4倍の順にリスクが高いことが報告され、悪性新生物は、糖尿病外来において注意すべき合併疾患とみなされていること、そして、最近ではウイルス肝炎を合併しない肝細胞がんが急増しており、背景に肥満・糖尿病患者の増加があると考えられている(日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会による調査報告)。今後、糖尿病外来診療において、肥満関連肝障害およびそれを母体とした肝細胞がんの発生は、注意を払うべき合併疾患となりうることが提起されている。「FIB-4インデックス」が肝発がんのリスク評価に有効 糖尿病外来における肝がんの発生実態の調査、糖尿病外来における肝がん高危険群の同定を目的とし、両学会は2012年より合同で委員会を設置し、「糖尿病外来における肝細胞がん発生の実態調査を行ってきた」と報告。これを受けて、下記のように声明を行った。「糖尿病学会・肝臓学会双方の研修指定病院において通院歴のある2型糖尿病患者のうち、通院中に肝がんを発症したものを調査した。その結果、糖尿病患者における肝がんの発生率は、年0.1%程度であることが判明した。肝発がんの危険因子について分析したところ、『FIB-4インデックス』と呼ばれる肝臓の線維化を示す指標がリスク評価に極めて有効である事が判明した。有意な肝線維化を示す2.67以上で年発がん率0.6%、肝硬変を示唆する3.5以上で1.0%の高危険群を囲い込むことができる。FIB-4インデックスは、年齢、AST、ALT、血小板という日常臨床で用いられる項目のみで構成されており、日本肝臓学会のホームページでも計算できる」 糖尿病患者における今後の肝がん、肝炎の合併症の診療に活用いただきたい。

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ヘルスケアベンチャー大賞への参加者募集【ご案内】

 日本抗加齢協会と日本抗加齢医学会は、今秋もヘルスケアベンチャー大賞を開催する。今年で3回目を迎える同大賞は『アンチエイジングからイノベーションを!』をテーマに掲げ、アンチエイジングに資するヘルスケア分野のビジネスプランやアイデアを募集している。 ベンチャー企業はもちろんのこと、起業準備中の個人や企業との連携を求める個人なども応募が可能。1次審査にてファイナリスト8名(社)を選出し、10月の最終審査で受賞者が決定する。大賞・学会賞受賞者は賞金授与だけではなく、来年6月に開催予定の第22回日本抗加齢医学会総会での発表機会も与えられる。開催概要は以下のとおり。[募集テーマ]アンチエイジングからイノベーションを!*アンチエイジングに資するヘルケア分野のビジネスプラン/アイデアを広く募集 生活習慣病の予防、老化による疾病予防、高齢者の自立、医療、介護、技術、 創薬、遺伝子治療、再生医療製品、食品、化粧品、AI、ヘルスケアIT、 ビッグデータ解析、ディープラーニング、ウェラブルデバイス、環境 など[募集期間] 2021年5月10日(月)~7月26日(月)[審査期間] 8月6日(金)~20日(金)[1次審査(ファイナリスト決定)] 8月30日(月)~9月3日(金)[ファイナリスト発表] 9月6日(月)[最終審査会] 10月29日(金)15:00〜17:00 開催形式:会場開催とWEBのハイブリッド、場合によってはWEBのみの開催予定 会場候補:日本橋ホール (東京都中央区日本橋二丁目5番1号)*開催方式は8月に最終決定[賞金]大賞:100 万円 学会賞:30 万円  ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞:20 万円 最優秀アイデア賞:15 万円 アイデア賞:10 万円[副賞]ファイナリスト企業を「日本抗加齢協会認定スタートアップカンパニー」に認定*起業支援サービス/大学発新産業創出プログラム(START)への推薦 など実行委員会:日本抗加齢医学会イノベーション委員会

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肥満だと新型コロナ重症化しやすいと知らない人が4割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言下、多くの事務職はテレワークに代替され、不要不急の外出も制限されている。家にこもる日々が1年以上に渡るが、身体にどのような変化があったのであろうか。 「コロナ太りの実態の把握」をテーマに、株式会社アイスタットは5月18日にアンケートを行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~59歳の有職者、東京・大阪在住の300人が対象。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2021年5月18日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(30~59歳/有職者/東京・大阪)を対象アンケート結果の概要・コロナ太りは全体の35.3%! 体重の増加量が大きい人ほど、コロナ禍が影響している傾向あり!・「週1~2日」「気がむいたとき」に運動をしている人は、コロナ太りした人の割合の方が多かった! ダイエットを気にしているのか、運動をし始めた様子がうかがえた!・コロナ太りした人はそうでない人と比べ食生活の変化では、「食品摂取の偏り、バランスが悪くなった」の割合が最も多かった!・テレワークを実施している人ほど、「コロナ太り」が多い傾向!・約4割の人が「肥満がある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい」を知らなかった!コロナ禍以前から健康維持していた人は太らない 最初に「コロナ禍以前と比較して(最近1年間)の体重増減」を聞いたところ、「ほとんど変わらない」が48.7%で最も多く、次に「約1~2kg増えた」が13.3%、「約2~3kg増えた」が13.0%と続いた。また、「体重増加の有無」の割合をみると「あり」は41.3%、「なし」は58.7%で、約4割の回答者が最近1年間で太ってしまったとの回答結果だった。外出控えによる運動不足などによる結果がうかがえた。 「体重増減は、コロナ禍での外出自粛が影響している」か聞いたところ、「影響している」が46.7%、「影響していない」は53.3%だった。そして、「影響している」と回答した中で「コロナ禍が影響して体重が増えた」と答えた割合は、全体の35.3%だった。また、「影響していない」と回答した中で「体重増加なし」は47.3%で、コロナ禍が体重増加の要因となったことがうかがえた。 「何らかの運動を定期的に行っているか」を聞いたところ、「ほとんど行っていない」が46.3%、「週に1日未満(気がむいたとき)」が10.7%、「週に2日は行っている」が8.3%の順で多かった。コロナ太りの有無との関連をみると、定期的な運動を「週3日以上から毎日」行っていると回答した人は「コロナ太りでない」の回答者の割合が多かったことから、運動習慣ある人の体重はコロナ禍でも維持されていることがわかった。 「食生活に変化があったか」を聞き、コロナ太りの有無との関連をみた。食生活に変化があった内容を回答した人は「コロナ太り」の割合が多く、「特に変わらない」と回答した人は「コロナ太りではない」の割合が多かった。「コロナ太りした」と答えた35.8%の回答者が、「食品摂取の偏り、バランスが悪くなった」と回答し、「間食をとる機会が増えた」も28.3%と回答数が多かった。一方で「コロナ太りしていない」と回答した人の53.6%が「(食生活は)特に変わらない」と回答しており、日ごろの食生活の維持の重要性をうかがわせた。 「コロナ禍で気を付けていること」を聞き、コロナ太りの有無との関連をみた。「コロナ太りした」人の回答では、「特に何もしていない」(28.3%)、「ウォーキング・ジョギングをする」(24.5%)、「定期的に体重を測定し記録する」(22.6%)の順で多かった。一方、「コロナ太りしていない」人の回答では、「特になにもしていない」(42.8%)、「規則正しい生活を心がけている」(21.6%)、「ウォーキング・ジョギングをする」(19.1%)の順で多かった。コロナ太りしない人ほど、コロナ禍前と変わらない生活を過ごしていると推定され、日ごろの健康管理の大切さがうかがわれた。 「最近1ヵ月間のテレワーク実施状況を聞き、実施有無別に分類した。「実施している」が39.3%で、「実施していない」の60.7%を下回った。「ほぼ毎日テレワーク」は16.0%で、定着率の低さが判明した。コロナ太りの有無別にみると、テレワークを実施していると回答した人は「コロナ太り」の割合が多く、実施していないと回答した人は「コロナ太りではない」の割合が多かった。テレワーク実施者は、通勤回避、在宅の増加により、あきらかに運動不足が影響を及ぼしていると推定される結果となった。 最後に「肥満がある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいことを知っていたか」を聞いたところ、「知らなかった」が39.7%、「なんとなく知っていた」が32.3%、「知っていた」の28.0%の順だった。まだまだ重症化リスクの要因が浸透しておらず、今後の啓発活動が重要であることが示された。

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