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糖尿病対策で外来指導強化など中間とりまとめ公表/厚労省

 「厚生労働省の腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会」は、2月13日に「糖尿病対策に係る中間とりまとめ」を発表した。 中間とりまとめによると、診療提供について「外来療養指導や外来栄養食事指導の強化」が謳われ、高齢者の糖尿病患者の低血糖予防や在宅看護など地域ケアの取り組みが追記された。また、糖尿病対策に係る指標の見直しでは、「糖尿病の予防」「糖尿病の治療・重症化予防」「糖尿病合併症の発症予防・治療・重症化予防」の3項目を軸とすることが記述された。 主な中間とりまとめの概要は下記の通り。【1 糖尿病対策に係る他計画との連携等を含めた診療提供体制について】1)見直しの方向性(1)健康日本21や医療費適正化計画の見直しにかかる検討状況、重症化予防や治療と仕事の両立支援に係る取組状況などを踏まえる。(2)厚生労働科学研究の内容などを踏まえる。2)具体的な内容(1)引き続いての推進事項として・地域の保健師・管理栄養士などと連携した糖尿病発症予防の取組や、保健師・管理栄養士などと医療機関の連携、健診後の受診勧奨・医療機関受診状況などに係るフォローアップなど予防と医療の連携。・研究班や関係学会で整理された、かかりつけ医から糖尿病専門医への紹介基準、その他関係する専門領域への紹介基準なども踏まえ、合併症の発症予防・重症化予防に係る医療機関間連携や関連機関などとの連携。・糖尿病対策推進会議や糖尿病性腎症重症化予防プログラムなど、保険者と医療機関などの連携。・「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」に基づく治療と仕事の両立支援を含め、産業医などと連携した職域における糖尿病対策。・周術期や感染症入院中の血糖コントロールなど、糖尿病を併存している他疾患を主たる病名として治療中の患者の血糖管理体制。・患者およびその家族などに対する教育や、国民に対する正しい知識の普及啓発。・糖尿病の動向や治療実態を把握するための取組や、取組評価の適切な指標の検討。(2)追記事項として・治療などに係る記載について、更新された糖尿病に係るガイドラインにおける記載内容や調査・研究の結果などを踏まえ、内容を更新する。また、外来療養指導、外来栄養食事指導の強化、運動指導の重要性について。・高齢者糖尿病に関しては、高齢者糖尿病におけるコントロール目標などが設定されたことにも留意し、低血糖予防、フレイル対策、併存症としての心不全に関する実態把握、在宅医療・在宅訪問看護や介護・地域包括ケアとの連携などの要素も含め、糖尿病の治療や合併症の発症予防・重症化予防につながる取組について。【2 新型コロナウイルス感染症拡大時の経験を踏まえた今後の糖尿病医療体制について】1)見直しの方向性(1)今回の新型コロナウイルス感染症拡大時の経験も踏まえ、地域の実情に応じ、多施設・多職種による重症化予防を含む予防的介入、治療中断対策などを含む、より継続的な疾病管理に向けた診療提供体制の整備などを進める観点から必要な見直しを行う。2)具体的な内容(1)感染症流行下などの非常時においても、切れ目なく糖尿病患者が適切な医療を受けられるような体制整備を進める。(2)ICTの活用やPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の利活用、在宅医療との連携を含めた継続的・効果的な疾病管理に係る検討を進めるとともに、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」にそって、オンライン診療による対応が可能な糖尿病患者の病態像についても整理を進める。【3 糖尿病対策に係る指標の見直しについて】1)見直しの方向性(1)第8次医療計画における糖尿病対策に係る指標については見直しを行う。(2)具体的な方向性は、以下の通りとする。・「糖尿病の予防」「糖尿病の治療・重症化予防」「糖尿病合併症の発症予防・治療・重症化予防」の3項目を軸として整理。・「専門家数」または「専門医療機関数」のいずれも用いうる指標については、医療提供体制の整備という観点から「専門医療機関数」を採用。【4 今後検討が必要な事項について】(1)高齢者の糖尿病の実態把握や、ICTなどを活用した糖尿病対策のあり方。(2)糖尿病対策の取組の評価に係る適切な指標。

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生活習慣の改善(6)食事療法3【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q54

生活習慣の改善(6)食事療法3Q54従来、減塩した「日本食パターン」が動脈硬化性疾患予防に推奨されている。動物性食品を控え、魚や野菜、果物、未精製穀物を中心とした食事を指すが、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」2022年版で控えるべき動物性食品に追加された食材は?

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ペグIFN-λ、高リスクCOVID-19の重症化を半減/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種者を含むCOVID-19外来患者において、ペグインターフェロンラムダ(IFN-λ)単回皮下投与は、COVID-19進行による入院または救急外来受診の発生率をプラセボ投与よりも有意に減少させた。ブラジル・ミナスジェライスカトリック大学のGilmar Reis氏らTOGETHER試験グループが報告した。NEJM誌2023年2月9日号掲載の報告。ブラジルとカナダで、入院/救急外来受診の発生を比較 TOGETHER試験は、ブラジルとカナダで実施された第III相無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブプラットフォーム試験である。研究グループは、ブラジルの12施設およびカナダの5施設において、SARS-CoV-2迅速抗原検査が陽性でCOVID-19の症状発現後7日以内の18歳以上の外来患者のうち、50歳以上、糖尿病、降圧療法を要する高血圧、心血管疾患、肺疾患、喫煙、BMI>30などのリスク因子のうち少なくとも1つを有する患者を、ペグIFN-λ(180μg/kgを単回皮下投与)群、プラセボ群(単回皮下投与または経口投与)または他の介入群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、無作為化後28日以内のCOVID-19による入院(または三次病院への転院)または救急外来受診(救急外来での>6時間の経過観察と定義)の複合とした。主要評価のイベント発生率、ペグIFN-λ群2.7% vs.プラセボ群5.6%、有意に半減 2021年6月24日~2022年2月7日の期間に、計2,617例がペグIFN-λ群、プラセボ群および他の介入群に割り付けられ、ペグIFN-λ群のプロトコール逸脱2例を除外したペグIFN-λ群931例およびプラセボ群1,018例が今回のintention-to-treat集団に含まれた。患者の83%はワクチンを接種していた。 主要アウトカムのイベントは、ペグIFN-λ群で931例中25例(2.7%)に、プラセボ群で1,018例中57例(5.6%)に発生した。相対リスクは0.49(95%ベイズ信用区間[CrI]:0.30~0.76、プラセボに対する優越性の事後確率>99.9%)であり、プラセボ群と比較してペグIFN-λ群で、主要アウトカムのイベントが51%減少した。 副次アウトカムの解析結果も概して一貫していた。COVID-19による入院までの期間はプラセボ群と比較しペグIFN-λ群で短く(ハザード比[HR]:0.57、95%ベイズCrI:0.33~0.95)、COVID-19による入院または死亡までの期間もペグIFN-λ群で短い(0.59、0.35~0.97)など、ほとんどの項目でペグIFN-λの有効性が示された。また、主な変異株の間で、およびワクチン接種の有無で有効性に差はなかった。 ベースラインのウイルス量が多かった患者では、ペグIFN-λ群のほうがプラセボ群より、7日目までのウイルス量減少が大きかった。 有害事象の発現率は、全GradeでペグIFN-λ群15.1%、プラセボ群16.9%であり、両群で同程度であった。

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糖尿病網膜症、アフリベルセプトの早期投与で長期の視力改善は?/JAMA

 中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫(CI-DME)を伴わない非増殖糖尿病網膜症(NPDR)患者において、アフリベルセプトを予防投与し視力を脅かす合併症が生じた場合にアフリベルセプトによる治療を開始しても、予防投与なし(シャム投与)で同合併症発生時に治療を開始した場合と比較し、4年後に増殖糖尿病網膜症(PDR)またはCI-DMEの発生率は有意に低下したが視力の改善は認められなかった。米国・インディアナ大学のRaj K. Maturi氏らが、米国およびカナダの64施設で実施した無作為化比較試験「DRCR Retina Network Protocol W試験」の結果を報告した。本試験では、少なくとも2年間は糖尿病による視力を脅かす合併症の発生を抑制できることが示されていたが、早期投与が長期的な視力改善につながるかどうかは不明であった。著者は、「本試験で用いられた予防戦略としてのアフリベルセプトは、CI-DMEを伴わないNPDR患者には通常不要だろう」とまとめている。JAMA誌2023年2月7日号掲載の報告。中等度~重度の増殖糖尿病網膜症399眼、アフリベルセプト予防投与vs.シャム 研究グループは、1型または2型糖尿病を有する成人で、CI-DMEを伴わない中等度~重度のNPDR(糖尿病網膜症重症度尺度[DRSS]レベル43~53)を少なくとも1眼有し、最高矯正視力が79文字以上(スネレン換算20/25以上)の患者を対象に試験を実施した。 患者をアフリベルセプト(2.0mg硝子体内投与)群またはシャム群に1対1の割合に無作為に割り付け、ベースライン、1、2および4ヵ月目、その後2年目までは4ヵ月ごとに投与。3~4年目は、軽度以下のNPDR(DRSSレベル≦35)と判定された場合に4ヵ月ごとの予防投与を延期できることとし、視力低下(1回の診察で10文字以上、または連続した2回の診察で5文字以上)を伴う高リスクPDR(DRSSレベル≧71)またはCI-DMEが生じた場合には、両群ともDRCR Retina Networkのアルゴリズムに従ってアフリベルセプトによる治療を開始することとした(PDRはプロトコルS、CI-DMEはプロトコルT)。 主要アウトカムは、視力低下を伴うPDRまたはCI-DMEの発生、およびベースラインから4年後までの最高矯正視力(ETDRS文字数)の平均変化量とした。 2016年1月~2018年3月に計399眼(328例)が登録され、最終追跡調査日は2022年5月11日であった。患者背景は、平均年齢56歳、女性が42.4%、アジア人5%、黒人15%、ヒスパニック系32%、白人45%であった。PDR/CI-DMEの4年累積発生率は有意に低下も、4年後の視力は両群で差はなし 視力低下を伴うPDRまたはCI-DMEの4年累積発生率(Kaplan-Meier法による推定)は、アフリベルセプト群33.9%、シャム群56.9%であった(補正後ハザード比[HR]:0.40、97.5%信頼区間[CI]:0.28~0.57、p<0.001)。 ベースラインから4年後までの最高矯正視力の平均変化量(±SD)は、アフリベルセプト群-2.7±6.5文字、シャム群-2.4±5.8文字であった(補正後群間平均差:-0.5文字、97.5%CI:-2.3~1.3、p=0.52)。 Antiplatelet Trialists' Collaborationによる心血管/脳血管イベントの発生率は、アフリベルセプト群の両眼被験者で9.9%(71例中7例)、片眼被験者で10.9%(129例中14例)、シャム群の片眼被験者で7.8%(128例中10例)であった。

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リブレの使用パターンと臨床的特徴が明らかに/京都医療センターほか

 先進糖尿病デバイスの進歩により、血糖変動を点から線で計測できる時代となった。おかげで糖尿病を持つ人は自分では気付かない低血糖への対応ができるようになった。では、血糖自己測定(SMBG)のアドヒアランスについて何らかの傾向はあるのだろうか。 坂根 直樹氏(京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室長)らのFGM-Japan研究グループ(9施設)は、日本人の1型糖尿病(T1D)を持つ人を対象に、間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)を用いたSMBGのアドヒアランスと、FreeStyleリブレシステム(以下「リブレ」)とSMBGの使用パターンと臨床的特徴がクラスター分析で明らかとなった。Internal Medicine誌オンライン版2023年1月12日号の報告。 わが国でリブレを使用しているT1Dを持つ成人209例を登録。登録基準は、T1D、リブレ使用期間3ヵ月以上、年齢20歳以上、研究協力施設に定期的に通院。3つの変数(1日当たりのSMBG回数、高血糖または低血糖時にリブレデータを参考にする割合)を用いて階層型クラスター分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・医師が推奨するSMBGの良好なアドヒアランス率は85.0%だった。・次の3つのクラスターが確認された。(1)クラスター1(SMBGの頻度は低いがリブレのデータを参照している割合が高い)は17.7%。(2)クラスター2(SMBGの頻度は高いがリブレのデータを参照している割合は低い)は34.0%。(3)クラスター3(SMBGの頻度は高く、かつリブレのデータを参照している割合も高い)は48.3%。・他のクラスターと比較し、クラスター1は若年で、クラスター2はリブレの使用期間が短く、クラスター3は血糖値が70~180mg/dLの治療閾にあるTime in Range(TIR)が少なく、スナック菓子や甘い飲料を飲む者の割合が多く、重度の糖尿病ストレスを感じている者の割合が多かった。・糖尿病合併症の発症率およびリブレ装着率にはクラスター間で顕著な差はなかった。 本研究について、共同研究者の廣田 勇士氏(神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学部門)は、「大半の患者が医師の推奨するSMBGを実践していた。リブレの使用パターンにより臨床的特徴が異なっており、リブレを用いた糖尿病治療支援を行う際に大いに役立つと考えられる」と述べている。

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ペマフィブラートの非アルコール性脂肪性肝疾患への有効性、よく効く患者の特徴

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に対するペマフィブラート※の投与は、BMI に関係なく肝炎症および線維化のマーカーを改善し、なかでもBMI 25未満の患者のほうがBMI 30以上の患者と比較して効果が高いことが、篠崎内科クリニックの篠崎 聡氏らの研究で明らかになった。Clinical and experimental hepatology誌2022年12月8日号の報告。※ペマフィブラート(商品名:パルモディア)の効能・効果は「高脂血症(家族性を含む)」(2023年2月3日現在)。ペマフィブラート投与6ヵ月後の非アルコール性脂肪性肝疾患患者のALT値非アルコール性脂肪性肝疾患は、世界で最も一般的な慢性肝疾患であり、近年発症率が増加している。日本では2018年に登場した選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-αモジュレーター(SPPARMα)であるペマフィブラートは、非アルコール性脂肪性肝疾患の改善が期待されている薬剤の1つである。本研究は、非アルコール性脂肪性肝疾患患者におけるペマフィブラート投与後の炎症および線維化改善の予測因子を特定する目的で行われた。 対象は、ペマフィブラートで6ヵ月以上治療された非糖尿病の非アルコール性脂肪性肝疾患患者71例。肝臓の炎症と線維化に関しては、それぞれアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値とMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)値によって評価を行った。 非アルコール性脂肪性肝疾患患者におけるペマフィブラート投与後の炎症および線維化改善の予測因子を特定する研究の主な結果は以下のとおり。・ペマフィブラート投与6ヵ月後の非アルコール性脂肪性肝疾患患者のALT値およびM2BPGi値は、ベースラインと比較して、BMIに関係なく、有意な改善が認められた。・BMI 25未満であることは、肝炎症患者のALTを50%以上減少させる有意な正の予測因子であることが認められた。・BMI 25未満の群におけるALT値は、BMI 30以上の群と比較して有意な減少が認められた (p=0.034)。・BMI 25未満であること、および50歳以上であることは、肝線維化の減少を示すM2BPGiを20%以上減少させる有意な正の予測因子であることが認められた。・BMI 25未満の群におけるM2BPGi値は、BMI 30以上の群と比較して有意な減少が認められた(p=0.022)。

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GLP-1受容体作動薬・TAZ/PIPC、重大な副作用追加で添文改訂/厚労省

 厚生労働省は2023年2月14日、GLP-1受容体作動薬含有製剤およびGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの添付文書について、改訂を指示した。改訂内容は、『重要な基本的注意』の項への「胆石症、胆嚢炎、胆管炎または胆汁うっ滞性黄疸に関する注意」の追記(チルゼパチドは「急性胆道系疾患に関する注意」からの変更)、『重大な副作用』の項への「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」の追加である。本改訂は、GLP-1受容体作動薬含有製剤投与後に発生した「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」の国内症例の評価、GLP-1受容体作動薬と急性胆道系疾患との関連性を論じた公表文献の評価に基づくもの。なお、チルゼパチドについては関連する症例集積はないものの、GLP-1受容体に対するアゴニスト作用を有しており、GLP-1受容体作動薬と同様の副作用が生じる可能性が否定できないことから、使用上の注意の改訂が適切と判断された。『重要な基本的注意』が新設・変更<新設>リラグルチド(遺伝子組換え)、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド(遺伝子組換え)、セマグルチド(遺伝子組換え)、インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)、インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド<変更>チルゼパチド 改訂後の添付文書において追加された記載、変更後の記載は以下のとおり。8. 重要な基本的注意 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。『重大な副作用』が新設 該当医薬品は、リラグルチド(遺伝子組換え)、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド(遺伝子組換え)、セマグルチド(遺伝子組換え)、インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)、インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド、チルゼパチド。 改訂後の添付文書において追加された記載は以下のとおり。11. 副作用11.1 重大な副作用胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸「急性胆道系疾患関連症例」*の国内症例の集積状況(1)13例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例8例](2)、(5)3例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例1例](3)4例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例1例](4)23例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例6例](6)、(7)1例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例0例](8)0例いずれも死亡例はなかった。(1)リラグルチド(遺伝子組換え)[販売名:ビクトーザ皮下注18mg](2)エキセナチド[販売名:バイエッタ皮下注5/10μgペン300、ビデュリオン皮下注用 2mgペン](3)リキシセナチド[販売名:リキスミア皮下注300μg](4)デュラグルチド(遺伝子組換え)[販売名:トルリシティ皮下注0.75mgアテオス](5)セマグルチド(遺伝子組換え)[販売名:オゼンピック皮下注0.25/0.5/1.0mgSD、同皮下注2mg、リベルサス錠3/7/14mg](6)インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)[販売名:ゾルトファイ配合注フレックスタッチ](7)インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド[販売名:ソリクア配合注ソロスター](8)チルゼパチド[販売名:マンジャロ皮下注2.5/5/7.5/10/12.5/15mgアテオス]*:医薬品医療機器総合機構における副作用等報告データベースに登録された症例タゾバクタム・ピペラシリン水和物にも『重大な副作用』が新設 同日、タゾバクタム・ピペラシリン水和物の添付文書についても改訂が指示され、『重大な副作用』の項へ「血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)」が追加された。改訂後の添付文書に追加された記載は以下のとおり。<旧記載要領>4. 副作用(1)重大な副作用(頻度不明)11)血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)血球貪食性リンパ組織球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、LDH上昇、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。<新記載要領>11. 副作用11.1 重大な副作用11.1.11 血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)(頻度不明)発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、LDH上昇、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

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有害な妊娠アウトカム、母親の虚血性心疾患リスクが長期的に上昇/BMJ

 5つの有害な妊娠アウトカム(早産、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、妊娠高血圧腎症以外の妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病)のいずれかを経験した女性は、出産後の虚血性心疾患のリスクが高く、このリスク上昇は最長で46年持続していることが、米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のCasey Crump氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年2月1日号で報告された。スウェーデンの全国的なコホート研究 研究グループは、5つの有害な妊娠アウトカムと母親の虚血性心疾患の長期的なリスクとの関連の評価を目的に、スウェーデンにおいて全国的なコホート研究を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成を受けた)。 対象は、1973~2015年にスウェーデンで、単胎分娩による初回の出産をした女性219万5,266人であった。主要アウトカムは、全国の入院・外来診断で確認された出産から2018年までに発生した虚血性心疾患とされた。 Cox回帰を用いて、他の有害な妊娠アウトカムおよび母性因子を調整し、早産、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、他の妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病と関連した虚血性心疾患のハザード比(HR)を算出した。有害な妊娠アウトカムの数が増えるとリスクも上昇 5,360万人年の追跡期間中に、8万3,881人(3.8%)の女性が虚血性心疾患(急性心筋梗塞55.3%、狭心症38.7%)と診断された。初回出産時の年齢中央値は27.3歳、虚血性心疾患診断時の年齢中央値は58.6歳であった。 5つの有害な妊娠アウトカムはいずれも独立に、虚血性心疾患のリスク上昇と関連していた。出産後10年以内に特定の有害な妊娠アウトカムと関連した虚血性心疾患の補正HRは、他の妊娠高血圧症候群が2.09(95%信頼区間[CI]:1.77~2.46)と最も高く、次いで早産1.72(1.55~1.90)、妊娠高血圧腎症1.54(1.37~1.72)、妊娠糖尿病1.30(1.09~1.56)、在胎不当過小1.10(1.00~1.21)であった。 また、出産後30~46年が経過しても、補正後HRは有意に上昇したままであり、他の妊娠高血圧症候群が1.47(95%CI:1.30~1.66)、妊娠糖尿病が1.40(1.29~1.51)、妊娠高血圧腎症1.32(1.28~1.36)、早産1.23(1.19~1.27)、在胎不当過小は1.16(1.13~1.19)だった。 複数の有害な妊娠アウトカムを経験した女性は、さらにリスクが上昇していた。たとえば、出産後10年以内に、有害な妊娠アウトカムを1回経験した女性の虚血性心疾患の補正後HRは1.29(95%CI:1.19~1.39)であったのに対し、2回経験した女性は1.80(1.59~2.03)、3回経験した女性は2.26(1.89~2.70)であった。 著者は、「有害な妊娠アウトカムを経験した女性では、虚血性心疾患の発症を防ぐために、予防に関する早期の評価と、長期的なリスク軽減を考慮する必要がある」としている。

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2月10日 フットケアの日【今日は何の日?】

【2月10日 フットケアの日】〔由来〕糖尿病や末梢動脈疾患による足病変の患者が増加していることから、足病変の予防・早期発見・早期治療の啓発を目的に、「フ(2)ット(10)=足」と読む日付の語呂合わせから日本フットケア学会、日本下肢救済・足病学会、日本メドトロニックが共同で制定した。関連コンテンツフットケアを怠ると? 足裏に潜む魔物【Dr.デルぽんの診察室観察日記】糖尿病の方はフットケアが大切です。しびれがある場合は特に注意!【使える!服薬指導箋】皮膚潰瘍と角質のケアに乾燥対策!【患者指導スライド】末梢動脈疾患(PAD)ガイドライン、7年ぶりの改訂/日本循環器学会末梢動脈疾患の在宅での歩行運動導入、歩行距離を改善/JAMA

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triple agonist LY3437943はdual agonist チルゼパチドを凌駕する薬剤となりうるか?(解説:住谷哲氏)

 GLP-1受容体およびGIP受容体のdual agonistであるチルゼパチドは昨年製造承認されたばかりであるが、すでにその次の薬剤としてのGLP-1受容体、GIP受容体およびグルカゴン受容体に対するtriple agonistであるLY3437943(triple Gと呼ばれている)の第Ib相試験の結果が報告された。その結果は、血糖降下作用および体重減少作用の点でGLP-1受容体作動薬デュラグルチドより優れており、有害事象の点でも問題はなく、第II相試験への移行を支持する結果であった。 DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬などのインクレチン関連薬の血糖降下作用を説明する際には、これまでインスリン分泌促進作用だけではなくグルカゴン作用の抑制も強調されてきた。グルカゴンはその名称が示すように肝臓での糖新生を促進するホルモンである。2型糖尿病患者の高血糖にはグルカゴン作用が影響しており、グルカゴン作用を抑制することが血糖降下につながると説明されてきた。つまり単純に考えるとグルカゴン作用を増強すれば血糖は上昇すると考えるのが普通だろう。そこが生命の神秘というか、グルカゴン作用を増強するtriple agonist LY3437943はGLP-1受容体作動薬単剤よりも血糖および体重をより低下させることが示された。グルカゴン作用を増強することで血糖および体重が低下したメカニズムは本試験の結果からは明らかではないが、グルカゴンの持つエネルギー消費量energy expenditureの増大、肝細胞での脂肪酸β酸化の増大などが関与しているのかもしれない。 タイトルにあるチルゼパチドとの直接比較ではないので現時点ではどちらの血糖降下作用、体重減少作用が勝っているかは明らかではない。しかしtriple Gがすべての点でチルゼパチドを凌駕していればチルゼパチドを処方する必要はなくなるので、Lillyとしては難しい経営判断が必要になりそうである。

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CKDを抑制、植物油よりも魚油/BMJ

 魚介由来の3種のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の総量の値が高いほど、慢性腎臓病(CKD)発症のリスクが低いのに対し、植物由来のn-3 PUFAにはこのような作用はなく、魚介由来n-3 PUFA値が最も高い集団は最も低い集団に比べ、推算糸球体濾過量(eGFR)の≧40%の低下のリスクが低いことが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のKwok Leung Ong氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年1月18日号に掲載された。ALA、EPA、DPA、DHAとCKDの関連を評価 研究グループは、循環血中のn-3 PUFA値とCKD発症との関連を評価する目的で、2020年5月までに特定された12ヵ国の19のコホート研究(日本の久山町研究[2,713例、2002~03年]を含む)の統合解析を行った。 解析には、n-3 PUFA(植物由来のαリノレン酸[ALA]、魚介由来のエイコサペンタエン酸[EPA]・ドコサペンタエン酸[DPA]・ドコサヘキサエン酸[DHA])と、eGFRに基づくCKDの発症との関連を前向きに評価した研究が含まれた。 主要アウトカムは初発CKDであり、eGFR<60mL/分/1.73m2の新規発症と定義された。逆分散加重メタ解析で19研究の結果が統合された。 2万5,570例が主解析に含まれた。19のコホートの平均年齢は49~77歳、平均BMIは23.2~28.3、ベースラインの平均eGFRは76.1~99.8mL/分/1.73m2の範囲であった。追跡期間の加重中央値は11.3年で、この間に4,944例(19.3%)がCKDを発症した。ガイドラインの推奨と一致する知見 多変量モデルを用いた解析では、魚介由来の総n-3 PUFA値(EPA+DPA+DHA)が高いほど、CKDのリスクが低かった(四分位範囲ごとの相対リスク[RR]:0.92、95%信頼区間[CI]:0.86~0.98、p=0.009、I2=9.9%)。 カテゴリー解析では、魚介由来の総n-3 PUFA値が最も高い五分位集団は、最も低い五分位集団と比較して、初発CKDのリスクが13%低かった(RR:0.87、95%CI:0.80~0.96、p=0.005、I2=0.0%)。 植物由来のALA値は、CKDの発症と関連しなかった(RR:1.00、95%CI:0.94~1.06、p=0.94、I2=5.8%)。これらの結果は、感度分析でも同様であった。 また、これらの関連は、すべてのサブグループ(ベースラインの年齢[≧60 vs.<60歳]、eGFR[60~89 vs.≧90mL/分/1.73m2]、高血圧・糖尿病・冠動脈疾患の有無)で一致して認められた。 一方、魚介由来の総n-3 PUFA値は、eGFRの≧40%の低下との関連はなかったが、最上位の五分位集団は最下位の五分位集団に比べ、このリスクが低かった(RR:0.85、95%CI:0.74~0.98、p=0.03、I2=44.1%)。 著者は、「これらの知見は、健康的な食事パターンの一環として魚介類や脂肪の多い魚の摂取を推奨するガイドラインと一致しており、CKD予防における魚介由来のn-3 PUFAについて検討する研究を新たに行う際に、その強力な根拠となる」としている。

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第149回 コロナ感染に特有の罹患後症状は7つのみ

2020年に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)の世界的流行が始まって以降、その通常の感染期間後にもかかわらず長く続く症状を訴える患者が増えています。それらCOVID-19罹患後症状(コロナ罹患後症状)のうち疲労、脳のもやもや(brain fog)、息切れは広く検討されていますが、他は調べが足りません。感染症発症後の長患いはCOVID-19に限るものではありません。インフルエンザなどの他の呼吸器ウイルスも長期の影響を及ぼしうることが示されています。COVID-19ではあって他の一般的な呼吸器ウイルス感染では認められないCOVID-19に特有の罹患後症状を同定することはCOVID-19の健康への長期影響の理解に不可欠です。そこで米国・ミズーリ大学の研究チームはソフトウェア会社Oracleが提供するCerner Real-World Dataを使ってCOVID-19に特有の罹患後症状の同定を試みました。米国の122の医療団体の薬局、診療、臨床検査値、入院、請求情報から集めた5万例超(5万2,461例)のCerner Real-World Data収載情報が検討され、47の症状が以下の3群に分けて比較されました。COVID-19と診断され、他の一般的な呼吸器ウイルスには感染していない患者(COVID-19患者)COVID-19以外の一般的な呼吸器ウイルス(風邪、インフルエンザ、ウイルス性肺炎)に感染した患者(呼吸器ウイルス感染者)COVID-19にも一般的な呼吸器ウイルスにも感染していない患者(非感染者)SARS-CoV-2感染から30日以降1年後までの47の症状の生じやすさを比較したところ、呼吸器ウイルス感染者と非感染者に比べてCOVID-19患者により生じやすい罹患後症状は思いの外少なく、動悸・脱毛・疲労・胸痛・息切れ・関節痛・肥満の7つのみでした1,2)。無嗅覚(嗅覚障害)などの神経病態がSARS-CoV-2感染から回復した後も長く続きうると先立つ研究で示唆されていますが、今回の研究では一般的な呼吸器ウイルス感染に比べて有意に多くはありませんでした。無嗅覚は非感染者と比べるとCOVID-19患者に確かにより多く生じていましたが、COVID-19以外の呼吸器ウイルス感染者にもまた非感染者に比べて有意に多く発生していました。つまり無嗅覚はCOVID-19を含む呼吸器ウイルス感染症全般で生じやすくなるのかもしれません。一方、先立つ研究でCOVID-19罹患後症状として示唆されている末梢神経障害や耳鳴りは呼吸器ウイルス感染者と非感染者のどちらとの比較でも多くはありませんでした。全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、1型糖尿病(T1D)などの免疫病態もSARS-CoV-2感染で生じやすくなると先立つ研究で示唆されていますが、今回の研究では神経症状と同様にCOVID-19に限って有意に多い症状はありませんでした。ただし、1型糖尿病との関連は注意が必要です。COVID-19患者の1型糖尿病は呼吸器ウイルス感染者と比べると有意に多く発生していたものの、非感染者との比較では有意差がありませんでした。呼吸器ウイルス感染者の1型糖尿病はCOVID-19患者とは逆に非感染者に比べて有意に少なく済んでいました。心血管や骨格筋の病態でも1型糖尿病のような関連がいくつか認められており、COVID-19患者の頻拍・貧血・心不全・高血圧症・高脂血症・筋力低下は呼吸器ウイルス感染者と比べるとより有意に多く、非感染者との比較ではそうではありませんでした。今回の研究でCOVID-19に特有の罹患後症状とされた脱毛はSARS-CoV-2感染から100日後くらいに最も生じやすく、250日を過ぎて元の状態に回復するようです。疲労や関節痛は今回の試験期間である感染後1年以内には元の状態に落ち着くようです。COVID-19患者により多く認められた肥満はダラダラ続くCOVID-19流行が原因の運動不足に端を発するのかもしれません。ただし今回の研究ではそうだとは断言できず、さらなる研究が必要です。参考1)Baskett WI, et al. Open Forum Infect Dis. 1011;10: ofac683.2)Study unexpectedly finds only 7 health symptoms directly related to ‘long COVID’ / Eurekalert

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「ChatGPT」は論文著者になれない、医学誌編集者団体が声明

 2022年11月にリリースされた米国OpenAIが開発した「ChatGPT」が話題を集めている。質問文を入力するとAIが次々に回答を提示してくれるこの種のサービスは、リアルの人間と会話しているような使用感のため「チャットボット」とも総称される。ChatGPTはWebから広範なデータを収集し、強化学習させた回答が提示される。執筆やリサーチにどのくらい使えるのか、多くの利用法が世界中のユーザーによって試行され、リリースから2ヵ月で月間アクティブユーザー数は1億人に達したと推計されている。 医学分野においても、論文執筆などにどのくらい有用なのかという議論が巻き起こっている。こうした中、査読付き医学誌の編集者で構成される国際団体「WAME:World Association of Medical Editors」は、論文執筆におけるChatGPTの利用に関する推奨事項を発表した。WAMEは92ヵ国・1,000以上のジャーナルを代表する2,000人近い医学誌編集者が所属しており、2023年1月21日付のこの声明は、9人の著者(全員が役員または理事)による、理事会の立場を正式に表明したものだ。 本声明ではチャットボットについて、「『人工知能、自動化されたルール、自然言語処理(NLP)、機械学習(ML)などによってデータを処理し、あらゆる種類のリクエストに対応する』ツールである」と定義。ChatGPTについては「最近リリースされたチャットボットで、『既存の情報を新しい方法で整理して使えるという意味で、これまでにないまったく新しいものを作り出すことができる、生成型AIの一例』である」としている。 そのうえで、現時点で考えられるChatGPTの問題点について、以下のようにまとめている(一部を抜粋)。・ChatGPTはGoogleと異なり、時事的な情報を求めてウェブをクロールしておらず、その知識は2021年以前に学習したものに限定される。・チャットボットには意識がないため、既存の素材を繰り返したり、並べ替えたりすることしかできない。チャットボットの発言に新たな思考はなく、偶然にオリジナルになるしかない。・チャットボットは学習させた既存の文章をライブラリとして利用するため、状況によっては出典を明らかにせずにそのまま繰り返す危険性がある。・プログラミングによっては、意図的に嘘をつくことができる可能性がある。・チャットボットは法人ではなく、法的人格を持たないので、チャットボットを訴えたり、裁判所に喚問したり、何らかの形で罰することはできない。 そして、「ChatGPTは、研究者にとっては便利なツールだが、学術雑誌にとっては脅威である。なぜなら、ChatGPTが生成した記事は、出版される文献に誤った内容や盗用された内容を持ち込む可能性があるためだ。ピアレビューでは、ChatGPTで生成されたコンテンツを検出できない可能性がある」と危機感を表明したうえで、ChatGPTをはじめとしたチャットボットと医学論文作成に関する下記の推奨事項を挙げている。■WAMEの推奨事項(一部を抜粋)1. チャットボットは論文著者になれない。チャットボットは、著者の役割を理解したり、論文に責任を持ったりすることができないため、著者資格の要件を満たすことはできない。2. 著者は、チャットボットを使用する場合、透明性を確保し、どのように使用したかの情報を提供する必要がある。3. 著者は、論文の中でチャットボットが行った作業(発表内容の正確さ、盗用がないことを含む)、およびすべての出典(チャットボットが作成した資料を含む)の適切な帰属に責任を持つ。4. 編集者は、AIによって生成または改変されたコンテンツを検出するのに役立つ適切なツールを必要とし、これらのツールは支払い能力に関係なく利用できなければならない。

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心血管疾患リスク予測式は、がん生存者に有用か/Lancet

 がん患者は心血管疾患のリスクが高いという。ニュージーランド・オークランド大学のEssa Tawfiq氏らは、がん生存者を対象に、同国で開発された心血管疾患リスク予測式の性能の評価を行った。その結果、この予測式は、リスクの予測が臨床的に適切と考えられるがん生存者において、5年心血管疾患リスクを高い精度で予測した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年1月23日号で報告された。ニュージーランドの妥当性検証研究 研究グループは、がん生存者における心血管疾患リスクの予測式の性能を、プライマリケアで評価する目的で、妥当性の検証研究を行った(オークランド医学研究財団などの助成を受けた)。 「ニュージーランド心血管疾患リスク予測式」の開発に使用されたPREDICTコホート研究の参加者のうち、年齢が30~74歳で、心血管疾患リスクの初回評価日の2年以上前に浸潤がんの初回診断を受けた患者が解析に含まれた。 リスク予測式は、性別で分けられ、予測因子として年齢、民族、社会経済的剥奪指標、心血管疾患の家族歴、喫煙状況、心房細動と糖尿病の既往、収縮期血圧、総コレステロール/HDLコレステロール比、予防的薬物療法(降圧薬、脂質低下薬、抗血栓薬)が含まれた。 較正(calibration)では、男女別に、リスク予測式で推定された5年心血管疾患リスクの平均予測値と実測値とを十分位群別に比較し、さらにニュージーランドのガイドラインの3つの臨床的5年心血管疾患リスクグループ(<5%、5~15%未満、≧15%)に分けて比較することで評価した。判別(discrimination)は、HarrellのC統計量で評価した。がん生存者で妥当な臨床的手段 1万4,263例(男性6,133例[43.0%]、女性8,130例[57.0%])が解析に含まれた。リスク評価時の平均年齢は男性が61(SD 9)歳、女性は60(SD 8)歳で、追跡期間中央値はそれぞれ5.8年、5.7年だった。 追跡期間中に、男性は658例(10.7%)、女性は480例(5.9%)で心血管疾患イベントが発生し、それぞれ110例(1.8%)、90例(1.1%)が致死的な心血管疾患イベントであった。また、心血管疾患の粗発生率は、年間1,000人当たり男性が18.1例、女性は10.2例だった。 リスク予測値の十分位群(高いほど高リスク)における実測値との差は、男性ではほとんどが2%以内であったが、2つの群(第4十分位群:-2.49%、第9十分位群:-2.41%)では約2.5%の過小評価が認められた。同様に、女性では、リスクの予測値と実測値の差は多くが1%以内であったが、1つの群(第10十分位群:-3.19%)では約3.2%過小評価されていた。 臨床的なリスクグループで分類した解析では、心血管疾患リスクの実測値と比較して予測値は、低リスク群では男女とも2%以内で過小に予測していた(<5%群[男性:-1.11%、女性:-0.17%]、5~15%未満群[-1.15%、-1.62%])。これに対し、高リスク群(≧15%)の男性では2.2%(実測値17.22%、予測値19.42%)、女性では約3.3%(16.28%、19.60%)過大に予測していた。HarrellのC統計量は、男性が0.67(SE 0.01)、女性は0.73(0.01)だった。 著者は、「予測式にがん特異的な変量を追加したり、競合リスクを考慮したりすることで、予測値は改善する可能性がある。今回の結果は、この予測式がニュージーランドのがん生存者において妥当な臨床的手段であることを示唆する」としている。

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スタチン・アスピリン・メトホルミンと肝がんリスクとの関連~メタ解析

 スタチン、アスピリン、メトホルミンが肝細胞がんを予防する可能性があることを示唆する報告があるが、これまでのメタ解析は異質性やベースラインリスクを適切に調整されていない試験が含まれていたため、シンガポール・National University of SingaporeのRebecca W. Zeng氏らは新たにメタ解析を実施した。その結果、スタチンおよびアスピリンは肝細胞がんリスク低下と関連していたが、併用薬剤を考慮したサブグループ解析ではスタチンのみが有意であった。メトホルミンは関連が認められなかった。Alimentary Pharmacology and Therapeutics誌オンライン版2023年1月10日号に掲載。 このメタ解析では、スタチン、アスピリン、メトホルミンの肝細胞がんリスクへの影響について、傾向スコアマッチングもしくは逆確率治療重み付けを用いてベースラインリスクのバランスをとって検討した試験を、2022年3月までMedlineおよびEmbaseデータベースを用いて検索した。肝細胞がんの多変量調整ハザード比(HR)は、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・スタチンは、全体として肝細胞がんリスクの低下と関連していた(HR:0.52、95%信頼区間[CI]:0.37~0.72、10試験、177万4,476例)。さらに、肝硬変、B型/C型肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、アスピリンとメトホルミンの併用および脂溶性スタチンを考慮した試験のサブグループ解析において肝細胞がんリスクの低下と関連していた。・アスピリンは、全体として肝細胞がんリスクの低下と関連していた(HR:0.48、95%CI:0.27~0.87、11試験、219万285例)が、スタチンやメトホルミンとの併用で検討した試験では関連が認められなかった。・メトホルミンは、全体として肝細胞がんリスクの低下と関連していなかった(HR:0.57、95%CI:0.31~1.06、3試験、12万5,458例)。

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一般集団よりも2型DM患者でとくに死亡率が高いがん種は?

 2型糖尿病の高齢患者のがん死亡率を長期的に調査したところ、全死因死亡率の低下とは対照的にがん死亡率は上昇し、とくに大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、子宮内膜がんのリスクが増加していたことを、英国・レスター大学のSuping Ling氏らが明らかにした。Diabetologia誌オンライン版2023年1月24日掲載の報告。 これまで、年齢や性別などの人口統計学的要因が2型糖尿病患者の心血管アウトカムに与える影響は広く研究されているが、がん死亡率への影響については不十分であった。そこで研究グループは、人口統計学的要因や肥満や喫煙などのリスク因子が2型糖尿病患者のがん死亡率に与える長期的な傾向を明らかにするため、約20年間のデータを用いて調査を行った。 対象は、1998年1月1日~2018年11月30日に2型糖尿病と新規で診断され、英国の診療データベース「Clinical Practice Research Datalink」に登録された35歳以上の13万7,804例であった(年齢中央値63.8歳、女性44.6%、白人83.0%、非喫煙者46.9%、正常体重者11.7%、BMI中央値30.6kg/m2)。年齢、性別、人種、貧困状態(複数の剥奪指標ランク)、BMI、喫煙の有無で調整し、全死因、全がん、がん部位別の死亡率を一般集団と比較した。 主な結果は以下のとおり。・2型糖尿病患者119万4,444人年(中央値8.4年[四分位範囲:5.0~12.2年])の追跡で、3万9,212例(28.5%)が死亡した。・全死因死亡率は、1998年~2018年にすべての年齢(55歳、65歳、75歳、85歳)で減少した。・全がん死亡率は55歳と65歳で減少したが、75歳と85歳で増加した。また、白人、現在/過去の喫煙者で増加したが、他の人種や非喫煙者では減少傾向にあった。・全がん死亡率の平均年間変化率(AAPC)は、55歳で-1.4%(95%信頼区間[CI]:-1.5%~-1.3%)、65歳で-0.2%(-0.3%~-0.1%)、75歳で+1.2%(+0.8%~+1.6%)、85歳で+1.6%(+1.5%~+1.7%)であった。また、AAPCが高かったのは、女性+1.5%(男性+0.5%)、最貧困層+1.5%(最富裕層+1.0%)、重度肥満者+5.8%(普通体重者+0.7%)であった。・一般集団と比較した2型糖尿病患者の標準化死亡比(SMR)は、全死因1.08(95%CI:1.07~1.09)、全がん1.18(1.16~1.20)、大腸がん2.40(2.26~2.54)、肝臓がん2.13(1.94~2.33)、膵臓がん2.12(1.99~2.25)、子宮内膜がん(女性のみ)2.08(1.76~2.44)、胆嚢がん1.36(0.99~1.83)、乳がん(女性のみ)1.09(1.01~1.18)、肺がん1.04(1.00~1.08)であった。 研究グループは、上記の結果から「2型糖尿病の高齢患者では、全死因死亡率の低下とは対照的にがん死亡率は上昇し、とくに大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、子宮内膜がんが増加していた。高齢者、貧困層、喫煙者における個別のがん予防と早期発見のための戦略が必要である」とまとめた。

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2月1日 フレイルの日【今日は何の日?】

【2月1日 フレイルの日】〔由来〕フレイルの概念、予防の重要性を多くの人に認識してもらい、健康長寿社会の実現を図ることを目的に、2月1日を「フ(2)レ(0)イ(1)ル」と読む語呂合わせから、スマートウエルネスコミュニティ協議会、日本老年学会、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の4団体が共同で制定した。関連コンテンツフレイル予防のための食事スライド毎日の2つの運動でロコモを防ぐ【患者説明スライド】フレイル【診療よろず相談TV】糖尿病診療における高齢者総合機能評価の活用法【高齢者糖尿病診療のコツ】肺炎およびフレイルと認知症リスク~日本老年学的評価研究

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尿酸の上昇は心房細動発症と関連

 さまざまな疫学調査より高い尿酸値は心房細動(AF)の独立したリスクとされている。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のMozhu Ding氏らがスウェーデンのAMORISコホート研究から尿酸の上昇がAFの新規発症と関連することを報告した。Journal of the American Heart Association誌1月12日号からの報告。33万9,604例を対象に追跡調査 心血管系疾患の評価において尿酸値の役割はますます重要となっているが、AFとの関係は明確でない。本研究では、尿酸値とAFの新規発症リスクとの関連について検討した。 スウェーデンのAMORIS(Apolipoprotein-Mortality Risk)コホートにおいて、ベースライン時(1985~96年)に30~60歳で心血管疾患のない33万9,604例を対象に、2019年12月31日までAF発症した登録者を追跡調査。Cox回帰モデルを用い、潜在的な交絡因子で調整し、心血管疾患の発症で層別し、尿酸とAFの関連を検討した。 平均25.9年の追跡期間中に、4万6,516例のAF発症があった。尿酸の四分位が最も低い場合と比較して、上位3つの四分位はそれぞれAFのリスク上昇と用量反応的に関連していた。 調整後のハザード比は、第2四分位が1.09(95%信頼区間[CI]:1.06~1.12)、第3四分位が1.19(95%CI:1.16~1.23)、第4四分位が1.45(95%CI:1.41~1.49)だった。 これらの関連は、高血圧、糖尿病、心不全、冠動脈疾患の発症の有無にかかわらず同様だった。尿酸を繰り返し測定している人のサブサンプルでは、用量反応パターンがさらに裏付けられた。 以上から尿酸の上昇は、心血管疾患および心血管危険因子を持つ人だけでなく、持たない人においても、心房細動のリスク上昇と関連していた。尿酸を下げることがAFの予防につながるかどうかは、今後も研究が必要となる。

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