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日本初、パーソナルCGM搭載インスリンポンプ発売

 日本メドトロニック株式会社は18日、日本初となる患者がリアルタイムで間質液グルコースを視認できるパーソナルCGM(Continuous Glucose Monitoring;持続グルコース測定)を搭載した「ミニメド620G インスリンポンプ」を発売した。 インスリンポンプにパーソナルCGM機能を搭載したシステムはSAP(Sensor Augmented Pump;パーソナルCGM機能搭載インスリンポンプ)と呼ばれ、血糖変動を患者自らが随時確認できる。SAPは患者自身によるさらなる適切なインスリン量調整の一助となるため、高血糖および低血糖リスクの低減が期待できるという。 ミニメド620G インスリンポンプは、日本語表示とカラー画面を導入し、少ないボタン操作で使用可能なナビゲーションメニューを搭載している。患者各自の症状にあわせて設定するインスリンの基礎レートおよびボーラス最少注入単位が0.025単位からと細かく調節できる。 さらに、CGMトランスミッタ(送信器)と通信することにより、パーソナルCGMとしても使用することができる。毎日のCGMグラフや血糖値の平均値、アラームの発生回数を最大3ヵ月記録することができるほか、5分ごとにグルコース濃度を測定することにより、SMBG(Self-Monitoring Blood Glucose;血糖自己測定)やHbA1cでは把握困難なグルコース濃度の推移(変動)をより的確に把握することが可能となる。測定が困難な早朝や夜間の時間帯における大きな血糖変動や自覚症状のない低血糖状態などを見出すこともできるため、より適切な糖尿病治療の指標となることが期待されている。また、意思表示が難しいため血糖値の状態を把握しにくい小児の患者においても、保護者がより安心して血糖管理を行えるように配慮されている。詳細はプレスリリース(PDF)へ

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降圧強化治療はタイムリーな管理が重要/BMJ

 高血圧治療において、収縮期血圧強化閾値が150mmHg超であること、血圧上昇後の降圧強化治療開始が1.4ヵ月超遅れること、強化治療後の次回受診までの期間が2.7ヵ月超空くことは、急性心血管イベントや死亡の増大と関連することが明らかにされた。米国ベスイスラエル・ディーコネス・メディカルセンターのWenxin Xu氏らが住民ベースの後ろ向きコホート研究の結果、報告した。著者は、「高血圧患者の治療ではタイムリーな管理とフォローアップが重要であることを支持する所見が示された」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年2月5日号掲載の報告より。8万8,756例のプライマリケアデータベースを基に分析 検討は、1986~2010年の英国プライマリケア研究データベースHealth Improvement Networkを基に行われた。同データベースの高血圧患者8万8,756例について、降圧治療戦略別に急性心血管イベント、全死因死亡の発生率を調べた。治療戦略の評価は各患者10年間にわたって行われ、期間中の収縮期血圧強化閾値、強化治療開始までの期間、そしてフォローアップ(強化治療開始後の次回外来受診血圧測定)までの期間を特定して検討した。年齢、性別、喫煙、社会経済的状態、糖尿病歴、心血管疾患または慢性腎臓病歴、チャールソン併存疾患指数、BMI、総投薬量に対する実服薬量の割合(medication possession ratio:MPR)でみた服薬コンプライアンス、ベースライン時の血圧で補正を行った。「150mmHg超」「1.4ヵ月超」「2.7ヵ月超」、転帰リスク増大 対象者はベースライン時、平均年齢58.5歳、男性41.5%、平均BMIは27.6、過去/現在喫煙者56.5%、心血管疾患歴のある人は11.2%などであった。 10年間の治療戦略評価期間後の追跡期間中央値37.4ヵ月の間に、9,985例(11.3%)が急性心血管イベントまたは死亡に至っていた。 転帰リスクの差は、収縮期血圧強化閾値130~150mmHgではみられなかったが、150mmHg超では、リスクは次第に増大する関連が認められた(強化閾値160mmHgのハザード比[HR]:1.21、同170mmHgのHR:1.42、同180mmHg以上のHR:1.69、いずれもp<0.001)。 血圧上昇後の強化治療開始までの期間については五分位範囲で評価した。その結果、転帰リスクは最低位(0~1.4ヵ月に開始)から最高位(15.3ヵ月以上で開始)まで次第に増大する関連が認められた(第2分位[1.4~4.7ヵ月に開始]のHR:1.12、95%信頼区間[CI]:1.05~1.20、p=0.009)。 フォローアップまでの期間についても五分位範囲で評価した結果、最高位(2.7ヵ月超)で、転帰リスク増大との有意な関連が認められた(HR:1.18、95%CI:1.11~1.25、p<0.001)。

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Vol. 3 No. 1 食後高血糖は悪か? 悪者だとすればそれはなぜか?

熊代 尚記 氏東邦大学医療センター大森病院 糖尿病・代謝・内分泌センターはじめに前項にて血糖コントロールが心血管イベント抑制につながる可能性について解説されたが、どのような高血糖が危険なのか、そしてどのように血糖コントロールを行えば心血管イベントを抑制できるのか、未だ多くの謎が残されている。本稿では、食後の高血糖が心血管疾患のリスクファクターである可能性、および食後高血糖の是正が心血管イベントを抑制する可能性について、これまでの報告をもとに解説する。病的な食後高血糖とはそもそも食後血糖値が食前血糖値より高いことは生理学的にごく自然なことである。いったいどの程度の血糖値が食後高血糖として問題になるのであろうか。最新の国際糖尿病連合(International Diabetes Federation : IDF)の食後血糖値の管理に関するガイドライン1)によると、正常耐糖能者の食後の血糖値は、一般的に食後2〜3時間で基礎値に戻るとされ、食後高血糖は摂食1〜2時間後の血糖値が140mg/dLを上回る場合と定義されている。そして、食後血糖値を160mg/dL以下に維持することを管理目標に掲げている。2013年5月に発表された日本糖尿病学会の熊本宣言2013では、糖尿病合併症予防のためのHbA1c目標値は7.0%とされ、対応する血糖値の目安は空腹時血糖値130mg/dL、食後2時間血糖値180mg/dL程度となっている。食前より食後の高血糖が心血管イベントにとって悪である食前と食後の血糖値は連動して上下するはずであるが、これまでの報告をまとめると、興味深いことに、食前の血糖値よりも食後ないし糖負荷後の血糖値のほうがより感度高く心血管イベントの発症を予測することがわかってきた。また、やみくもに血糖値を下げることは食前の低血糖を引き起こす恐れがあり、低血糖が心血管イベントのリスクファクターであることが近年明らかとなってきたことも合わせて2-6)、食後の高血糖をターゲットとした治療ないし血糖変動を抑えるような治療が心血管イベント抑制に大切ではないかと注目されてきている。以下、食後の高血糖が悪であることを支持する報告、食後の高血糖是正が心血管イベント抑制につながる可能性を示唆する報告を具体的に挙げながら解説する。食後高血糖が心血管イベント発症を強く予測する新規発症2型糖尿病患者1,139名を11年間観察したDiabetes Intervention Study(DIS)7)では、空腹時血糖値が110mg/dL以下にコントロールされていても、朝食後1時間値が180mg/dLを超える場合は、140mg/dL以下の者と比べて心筋梗塞の発症率が3倍に増加した。心血管疾患死亡の相対リスクは、最も高い高血圧に次いで食後高血糖が高かったが、空腹時血糖値は死亡の予測因子やリスク因子にはならなかった。イタリアの2型糖尿病患者505名を14年間観察したSan Luigi Gonzaga Diabetes Study8)では、朝食前、朝食2時間後、昼食2時間後、夕食前の各血糖値を評価したところ、心血管イベントと最も関与していたのは昼食後の血糖値であった。ヨーロッパ系住民を対象とした前向きコホート試験20件のメタ解析であるThe Diabetes Epidemiology Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Europe(DECODE)試験は、一般住民29,108名のグルコース負荷試験データをもとに、空腹時血糖値のみによる糖尿病診断では感度が不十分であることを示し9)、負荷後2時間血糖値が心血管イベントや全死亡と強く関連することを示した10)。また、アジア系住民(n=6,817)のデータをもとにメタ解析されたThe Diabetes Epidemiology Collaborative Analysis of Diagnostic Criteria in Asia(DECODA)試験11)でも、負荷後2時間血糖値が空腹時血糖値よりも心血管イベントと強く関連することが示された。山形県舟形町の住民2,651名のブドウ糖負荷試験を含む健診データを解析した前向きコホート試験(Funagata study)では、耐糖能正常者に比べて、境界型、糖尿病型となるほど心血管イベントが発症しやすく、同じ境界型であっても、IFG(空腹時血糖異常)ではなくIGT(負荷後血糖異常)で有意な心血管イベントの増加が見られることが示された12)。食後高血糖が血管内皮機能を悪化させる血管内皮は、血管最内層に位置する一層の細胞層(血管内皮細胞)より成る。血管内皮は血管内腔と血管壁を隔てるバリアーとなるばかりでなく、血管の拡張と収縮の調節、血管平滑筋の増殖調節、凝固調節、炎症の調節、酸化の調節に関与しており、これらは血管内皮機能と総称される。これらの血管内皮機能がバランスよく発揮されることで血管トーヌスが調節され、血管構造が維持される。血管内皮機能が保たれないと血管トーヌスの異常をきたし、血管構造が変化する(血管リモデリング)。この変化に内皮へのマクロファージの接着とアテローム病変の増大が合わさり、血栓・塞栓が誘発されて、心血管イベントが発症すると考えられる。Cerielloらはグルコースクランプを用いて、5mMと15mMの6時間ごとに血糖を変動させると、持続高血糖よりも血中のニトロチロシン(ニトロ化の修飾を受けたチロシン残基)が上昇し、それがflow-mediated dilatation(FMD)で測定される血管拡張能の低下と相関することを報告している13)。また、アセチルコリンに対する前腕血流増加反応で見た血管内皮機能が、2型糖尿病患者では食後に低下しており、αGIやグリニド系薬剤、超速効型インスリンの投与により改善することが報告されている14-16)。われわれは現在、もう1つの食後高血糖治療薬であるDPP-4阻害薬(リナグリプチン)が血管内皮機能を改善するかどうか、FMDを用いて検討中である。マウスの食後高血糖モデルでは、内皮へのマクロファージの接着とアテローム病変の増大が惹起され、この現象がαGIやグリニド系薬剤、インスリンによって予防できることが報告されている17-19)。今後、このような食後高血糖是正による血管内皮の保護が心血管イベントの抑制につながるかどうか、十分な検討が必要である。食後高血糖是正が心血管イベント発症を抑制するかもしれない以上の報告を踏まえて、食後高血糖が心血管イベントのリスクファクターであり、食後高血糖の是正が心血管イベントの発症を抑制するのではないかと期待されるようになった。しかし、結論的には、現状ではその効果は十分に証明されていない。以下、検証している報告について解説する。急性心筋梗塞後21日以内の2型糖尿病患者1,115名を、(1)超速効型インスリンアナログ(インスリンリスプロ)3回を注射して食後2時間血糖値135mg/dL未満を目指す食後介入群と(2)持効型インスリンアナログ(インスリングラルギン)1回またはNPHインスリン2回を注射して空腹時血糖値121mg/dL未満を目指す食前介入群とに無作為に割り付けて比較検討したHyperglycaemia and Its Effect After Acute Myocardial Infarction on Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus(HEART2D)試験では、平均963日の観察後、HbA1cに群間差がなく、食後血糖値はリスプロ群が、食前血糖値はグラルギン群が有意に低かったが、主要血管イベントのリスクは両群で同程度であった(食後介入群31.2%、食前介入群32.4%、ハザード比0.98)20)。心血管ハイリスクのIGT患者9,306名を対象に、ナテグリニドとバルサルタンを用いた2×2 factorialデザインで実施された無作為化比較試験であるThe Nateglinide and Valsartan in Impaired Glucose Tolerance Outcomes Research(NAVIGATOR)試験では、中央値5年間のナテグリニド毎食前60mgの介入は、プラセボと比較して、糖尿病の発症(36% vs. 34%、ハザード比1.07)でも心血管疾患の発症(7.9% vs. 8.3%、ハザード比0.94)でも、予防効果を示すことはできなかった。なお、ナテグリニドは低血糖を増加させていた21)。したがって、前述のとおり低血糖が心血管イベントのリスクファクターであることから、低血糖を起こさずに血糖コントロールを行っていれば、心血管イベントの予防効果を示すことができたかもしれない。この点に関して、Mitaらは、早期2型糖尿病患者を対象にナテグリニドを投与し、低血糖の出現や有意な体重増加を認めなかったうえで、心血管イベントのサロゲートマーカーである頸動脈の内膜中膜複合体厚(intima media thickness : IMT)を抑制することができたことを報告している(本誌p.16図1を参照)22)。IGT患者1,429名を対象にアカルボースを用いて糖尿病発症予防を試みたStudy to Prevent Non-Insulin-Dependent Diabetes Mellitus(STOP-NIDDM)試験では、アカルボース毎食前100mgによる介入が糖尿病の発症を予防した(32% vs. 42%、ハザード比0.75、p=0.0015)23)。さらに、post-hoc解析によって高血圧(ハザード比0.66、p=0.006)や心血管イベントの発症(ハザード比0.51、p=0.03)も予防できたことが報告されている24)。このことは、1年以上継続したアカルボースの介入試験7件のメタ解析(Meta-analysis of Risk Improvement with Acarbose 7: MeRIA7、n=2,180)において、心筋梗塞(ハザード比0.36、p=0.0120)や全心血管イベント(ハザード比0.65、p=0.0061)が抑制されたこととも一致している25)。しかしながら、これらの報告には解釈において注意すべき点がいくつか存在する。まずSTOP-NIDDMにおいては、大血管障害の評価が2次エンドポイントであった。統計解析において、2次エンドポイントや後付解析は仮説を実証するものではなく、示唆するデータに過ぎないことを理解しておかなければならない26, 27)。さらに、心血管イベントの抑制効果(絶対的なリスクの低下)は数%程度であり、ごくわずかであった。服薬中断率も24%であり、これらを大きく差し引いて解釈する必要がある。MeRIA7については、対象となった7件の無作為化比較試験のうち、3件は未発表(2件は製薬企業がデータを提供)であることから、その妥当性は低い28, 29)。実際、日本糖尿病学会の『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013』では、エビデンスレベル「なし」と位置づけられており、玉石混交のメタ解析の評価には注意が必要である。以上から、αGIを用いた食後高血糖治療が心血管イベントを抑制するかどうかの判断には、更なる検討が必要である。最後に、食後高血糖改善効果があり、体重増加と低血糖をきたしにくいDPP-4阻害薬の大血管障害予防効果に関して、最近2件のエビデンスが発表された。Saxagliptin Assessment of Vascular Outcomes Recorded in Patients with Diabetes Mellitus(SAVOR-TIMI)53研究30)では、約16,000人の大血管障害の既往または高リスクの2型糖尿病患者(アジア人を含む)が無作為にサキサグリプチン投与群とプラセボ投与群に割り付けられたが、心血管死・心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクに有意差を認めなかった(本誌p.17図2、表を参照)。同時に発表されたExamination of Cardiovascular Outcomes with Alogliptin(EXAMINE)研究31)では、急性冠動脈症候群を発症した2型糖尿病患者(日本人を含む)約5,000人が無作為にアログリプチン投与群とプラセボ投与群に割り付けられ、アログリプチンのプラセボに対する非劣性を証明することを1次エンドポイントとして実施されたが、この研究でも心血管死・心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクに有意差を認めなかった。両者ともRCTではあるが、服薬中断率が高いこと、追跡期間が2~3年と比較的短いこと、筆者・解析者に試験薬の製薬会社員が含まれていることなどの限界・バイアスがあるため、これらを差し引いて解釈する必要がある。現時点ではDPP-4阻害薬の大血管障害予防効果については明確な答えを出せず、進行中の残りのDPP-4阻害薬の試験結果を待っている状態である。以上、食後高血糖是正が心血管イベントを抑制する期待は高いのであるが、実際のところは十分に証明されておらず、低血糖を回避した血糖コントロールなど、工夫をしながらデータを蓄積して検討を続けることが必要である。私見としては、UKPDS80やEDIC studyで早期からの血糖コントロールが心血管イベントの抑制につながると報告されているにもかかわらず、食後高血糖をターゲットにした上述の試験では心血管イベントを抑制できなかった理由として、食後のみの高血糖のような軽症の状態での血糖値が心血管イベントに与える悪影響が、脂質や血圧などの他のリスクファクターに比べて影響が小さく、食後血糖値のみを穏やかに数年間改善させても十分な心血管イベントの抑制ができなかっただけなのではないかと推測している。そういった点では、早期から低血糖を予防しながら食後血糖値を抑制しつつ、全体的に血糖値がよくなるように厳格な血糖コントロールを行うことが大切なのではないかと考える。おわりに以上、本稿では食後高血糖が心血管イベント発症のリスクファクターであること、食後高血糖をターゲットとした血糖コントロールが心血管イベントの発症抑制につながるかもしれないことについて解説した。本稿が、本誌の主な読者である循環器専門医、脳血管、末梢血管疾患を担当される専門医の方々の糖尿病診療に役立ち、メタボリックシンドロームや糖尿病患者の心血管イベントの抑制に少しでも貢献すれば幸甚である。文献1)International Diabetes Federation Guideline Development G: Guideline for management of postmeal glucose in diabetes. Diabetes Res Clin Pract 2013. pii: S0168-8227(12)00282-3.2)Bonds DE et al. The association between symptomatic, severe hypoglycaemia and mortality in type 2 diabetes: retrospective epidemiological analysis of the ACCORD study. BMJ 2010; 340: b4909.3)Hemmingsen B et al. Intensive glycaemic control for patients with type 2 diabetes: systematic review with meta-analysis and trial sequential analysis of randomised clinical trials. BMJ 2011; 343: d6898.4)Boussageon R et al. Effect of intensive glucose lowering treatment on all cause mortality, cardiovascular death, and microvascular events in type 2 diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ 2011; 343: d4169.5)Zoungas S et al. Severe hypoglycemia and risks of vascular events and death. N Engl J Med 2010; 363: 1410-1418.6)Johnston SS et al. Evidence linking hypoglycemic events to an increased risk of acute cardiovascular events in patients with type 2 diabetes. Diabetes Care 2011; 34: 1164-1170.7)Hanefeld M et al. Risk factors for myocardial infarction and death in newly detected NIDDM: the Diabetes Intervention Study, 11-year followup. Diabetologia 1996; 39: 1577-1583.8)Cavalot F et al. Postprandial blood glucose is a stronger predictor of cardiovascular events than fasting blood glucose in type 2 diabetes mellitus, particularly in women: lessons from the San Luigi Gonzaga Diabetes Study. J Clin Endocrinol Metab 2006; 91: 813-819.9)Is fasting glucose sufficient to define diabetes? Epidemiological data from 20 European studies. The DECODE-study group. European Diabetes Epidemiology Group. Diabetes Epidemiology: Collaborative analysis of Diagnostic Criteria in Europe. Diabetologia 1999; 42: 647-654.10)Qiao Q et al. Post-challenge hyperglycaemia is associated with premature death and macrovascular complications. Diabetologia 2003; 46: M17-21.11)Nakagami T, Group DS. Hyperglycaemia and mortality from all causes and from cardiovascular disease in five populations of Asian origin. Diabetologia 2004; 47: 385-394.12)Tominaga M et al. Impaired glucose tolerance is a risk factor for cardiovascular disease, but not impaired fasting glucose. The Funagata Diabetes Study. Diabetes Care 1999; 22: 920-924.13)Ceriello A et al. Oscillating glucose is more deleterious to endothelial function and oxidative stress than mean glucose in normal and type 2 diabetic patients. Diabetes 2008; 57: 1349-1354.14)Evans M et al. Effects of insulin lispro and chronic vitamin C therapy on postprandial lipaemia, oxidative stress and endothelial function in patients with type 2 diabetes mellitus. Eur J Clin Invest 2003; 33: 231-238.15)Shimabukuro M et al. A single dose of nateglinide improves post-challenge glucose metabolism and endothelial dysfunction in Type 2 diabetic patients. Diabet Med 2004; 21: 983-986.16)Shimabukuro M et al. Effects of a single administration of acarbose on postprandial glucose excursion and endothelial dysfunction in type 2 diabetic patients: a randomized crossover study. J Clin Endocrinol Metab 2006; 91: 837-842.17)Van Bruaene N et al. Inflammation and remodelling patterns in early stage chronic rhinosinusitis. Clin Exp Allergy 2012; 42: 883-890.18)Azuma K et al. Acarbose, an alpha-glucosidase inhibitor, improves endothelial dysfunction in Goto-Kakizaki rats exhibiting repetitive blood glucose fluctuation. Biochem Biophys Res Commun 2006; 345: 688-693.19)Mita T et al. Swings in blood glucose levels accelerate atherogenesis in apolipoprotein E-deficient mice. Biochem Biophys Res Commun 2007; 358: 679-685.20)Raz I et al. Effects of prandial versus fasting glycemia on cardiovascular outcomes in type 2 diabetes: the HEART2D trial. Diabetes Care 2009; 32: 381-386.21)Group NS et al. Effect of nateglinide on the incidence of diabetes and cardiovascular events. N Engl J Med 2010; 362: 1463-1476.22)Mita T et al. Nateglinide reduces carotid intimamedia thickening in type 2 diabetic patients under good glycemic control. Arterioscler Thromb Vasc Biol 2007; 27: 2456-2462.23)Chiasson JL et al. Acarbose for prevention of type 2 diabetes mellitus: the STOP-NIDDM randomised trial. Lancet 2002; 359: 2072-2077.24)Chiasson JL et al. Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.25)Hanefeld M et al. Acarbose reduces the risk for myocardial infarction in type 2 diabetic patients: meta-analysis of seven long-term studies. Eur Heart J 2004; 25: 10-16.26)Freemantle N. Interpreting the results of secondary end points and subgroup analyses in clinical trials: should we lock the crazy aunt in the attic? BMJ 2001; 322: 989-991.27)Freemantle N. How well does the evidence on pioglitazone back up researchers' claims for a reduction in macrovascular events? BMJ 2005; 331: 836-838.28)Lexchin J et al. Pharmaceutical industry sponsorship and research outcome and quality: systematic review. BMJ 2003; 326: 1167-1170.29)Pocock SJ, Ware JH. Translating statistical findings into plain English. Lancet 2009; 373: 1926-1928.30)Scirica BM et al. Saxagliptin and cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus. N Engl J Med 2013; 369: 1317-1326.31)White WB et al. Alogliptin after acute coronary syndrome in patients with type 2 diabetes. N Engl J Med 2013; 369: 1327-1335.

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SGLT2阻害薬のさらなる安全使用に必要なこと

 2月9日、「糖尿病薬物治療の現状と課題」と題し、生命科学フォーラム主催のセミナーが加来 浩平氏(川崎医科大学 内科学 特任教授)を講師に迎え、東京都内で開催された。患者は増加しているものの予備軍は減少 はじめにわが国の糖尿病における患者数の推移や発症機序の説明が行われた。 最近の調査では、メタボ健診などによる予防策が功を奏し、糖尿病予備軍は減少した。しかし、患者数は増加し、若年化、肥満化傾向を示し、それは運動不足や日常生活での活動量不足が原因と考えられる。また、30~40代の働き盛りの患者の増加と受診回避が問題となっており、早期の治療介入をいかに行うべきかが今後の課題であると述べた。 早期治療介入に関連し、最近の研究では、糖尿病の合併症として「認知症」と「がん」がクローズアップされており、これら合併症阻止に向け、早急なエビデンスの構築が必要であると強調するとともに、DCCT/EDICスタディ、UKPDSなどのエビデンスを示し、大血管障害予防のためにも早期介入が求められ、とくに治療の最初の10年をいかに過ごすかが重要だと解説を行った。SGLT2阻害薬のベネフィットを考える 糖尿病の治療薬は、1950年代のSU薬から2014年のSGLT2阻害薬まで非常に多くの薬剤が開発され、使用されている。今回は1番新しい治療薬であるSGLT2阻害薬にとくに焦点をあて解説を行った。 SGLT2阻害薬は、余分な糖を尿により体外に排出させ、血糖値を下げる糖尿病治療薬であり、現在わが国では6成分7製剤(うち4製剤は日本製)と幅広く使用できる。その作用機序は従来の糖尿病治療薬と異なるため、糖尿病のどの段階でも使用でき、他剤と併用ができるのも大きな特徴である。 そして、SGLT2阻害薬の効果としては、急激な血糖降下を抑えるために低血糖が起きにくく、安全に使用できること、糖が体外へ排出されるので体重減少を来すこと、HbA1cの改善は先行のDPP-4阻害薬ほど効果は高くないが、全体的に0.7%程度下げること、また、心血管イベントの発生を予防する可能性につき、現在研究が進められていることなどが報告された。SGLT2阻害薬の処方率は10%に届かず SGLT2阻害薬のリスクとしては、尿量の増加とそれに伴う頻尿、脱水のほか、糖排出による尿路感染症が報告されている。また、他剤併用(たとえばSU薬など)による低血糖の発生、皮膚障害などもある。ただ、いずれも臨床試験で予想された範囲内の副作用、有害事象であり、特段大きなリスクを伴う治療薬ではないことを強調した。 しかしながら、昨年の発売以降SGLT2阻害薬の処方シェア率は10%に届くことがなく(参考までにDPP-4阻害薬は60%強)、臨床現場でかなり慎重に処方されていると報告した。 その原因として、わが国ではSGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会より『SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation』が発出されたことや、65歳以上の患者処方の際の全例調査実施などが影響していると指摘した。 その一方で海外の動きをみてみると、わが国で報告されているリスクは大きな問題となっておらず、広く処方されており、着々とエビデンスの蓄積、研究が行われている。現在の状態が続けば、さらに安全に処方するためのエビデンスなどの蓄積(たとえば、長期有効性・安全性、休薬後のリバウンドリスク、多面的作用など)ができなくなると懸念を示した。 最後に、これからの糖尿病治療と研究の方向性について、「肥満」と「加齢」がキーワードになると示唆。具体的なターゲットとして血管病防止、認知症防止、がん防止、骨関節疾患防止のため、壮年・中年からの早期治療介入、ベネフィットとリスクを考えた治療薬剤の選択が重要となり、治療薬ではDPP-4阻害薬が今後も大きな役割を担うことになる。同時に、SGLT2阻害薬も正しい患者像を見据え、適正使用の推進による安全確保の確立のためにも、患者のベネフィットを考えた処方が望まれるとレクチャーを終了した。■関連記事ケアネット特集 糖尿病 SGLT2阻害薬SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

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甲状腺がん治療薬レンバチニブをFDAが承認

 エーザイ株式会社は16日、米国子会社であるエーザイ・インクが、自社創製の新規抗がん剤「Lenvima」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんに係る適応で、米国食品医薬品局( FDA)より承認を取得したことをお知らせします。同剤は優先審査品目に指定されていたが、優先審査終了目標日より約 2ヵ月早い迅速な承認となったという。なお、今回の米国での承認が同剤に関する世界で初めての承認となる。 「Lenvima」は、血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬であり、とくに甲状腺がんの増殖、腫瘍血管新生に関与するVEGFR、FGFR およびRETを同時に阻害する。また、本剤は、VEGFR2 とのX線結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された最初の薬剤であり、速度論的解析からは、素早く強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されている。 今回の承認は、392人の進行性放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの患者を対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床第III相試験(SELECT試験)の結果に基づいているという。同試験において、「Lenvima」投与群はプラセボ投与群に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間 (progression free survival: PFS)を統計学的に有意に延長した[p<0.001、Lenvima18.3ヵ月 vs プラセボ 3.6ヵ月(中央値)、ハザード比 0.21(99%信頼区間=0.14-0.31)]。また、Lenvimaは、プラセボに対して統計学的に有意に高い奏効率(完全奏効および部分奏効の割合)を示した(p<0.001、Lenvima 64.8% vs プラセボ 1.5%)。とくに、Lenvima投与群では、完全奏効が 1.5%(4例)確認されました(プラセボ投与群では0例)。Lenvima投与群において高頻度(頻度40%以上)に認められた副作用は、高血圧(67.8%)、下痢(59.4%)、疲労・無力症(59.0%)、食欲減退(50.2%)、体重減少(46.4%)、悪心(41.0%)でした。 同剤は、現在、日本、欧州のほか、スイス、韓国、カナダ、シンガポール、ロシア、オーストラリア、ブラジルで承認申請中であり、欧州では迅速審査品目に指定されている。引き続き、世界各国で承認申請を進め、承認取得後には同社が各国での販売を行なう予定。また、同剤に関しては、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第III相試験や腎細胞がん、非小細胞肺がんなど複数のがん腫を対象にした臨床第II相試験が進行中とのこと。詳細はプレスリリース(PDF)へ

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77)ちょっと一口と甘い考えの患者への指導法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者頭ではわかっているんですが、つい甘いものが欲しくなって・・・。医師甘いものというと、饅頭などの和菓子ですか、それともケーキ?患者和菓子です。本当にあずきが大好きで・・・。医師なるほど。このくらいのお饅頭なら食べるのに、どのくらい時間がかかりますか?(小さな饅頭の大きさをOKサインで示して)患者ペロリと2口ですね。医師ハハハ・・・。ゆっくりと食べても、60秒くらいでしょうか。そうすると、1時間くらい散歩してもらわないと、食べたカロリーは消費できないかもしれませんね。患者なるほど。そりゃ、血糖値が上がるわけですね(気づきの言葉)。●ポイント食べたカロリーに相当する運動量を示すことで、間食の食べ過ぎに気づきが生まれます●解説消費カロリー(kcal)=1.05 × メッツ × 時間 × 体重(kg)例)散歩は2.5メッツなので、座っている(1メッツ)に比べ、1.05 × (2.5 - 1.0) メッツ × 1時間 × 55㎏ ≒ 80kcal(小さな饅頭1個分)

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健康的な食事はCOPDリスクも減らす/BMJ

 先行研究で、食事の質を測る新たな代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index 2010:AHEI-2010)が、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患やがんのリスクに関連していることが報告されている。フランス・国立保健医学研究所(Inserm)のRaphaelle Varraso氏らは、米国人男女対象の前向きコホート研究を行い、同指数高値と慢性閉塞性肺疾患(COPD)リスク低下が関連することを明らかにした。AHEI-2010とは、全粒穀物、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、ナッツ、長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量が高く、赤身/加工肉、精製粉、甘味料入飲料の摂取量が低い食事を反映した健康食指数である。これまでCOPDリスクへの食事スコアの寄与については不明であったが、今回の結果を踏まえて著者は、「COPD予防には、多面的な介入プログラムが重要であることが支持された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年2月3日号掲載の報告。女性7万3,228例、男性4万7,026例を対象に検討 先行研究では、COPDリスク低下と抗酸化物質摂取の増大、およびCOPDリスク上昇と加工肉摂取増大との関連が明らかになっている。 研究グループは、米国で行われた健康調査「Nurses' Health Study」と「Health Professionals Follow-up Study」の参加者について前向きコホート研究を行った。 被験者は、隔年実施の調査を完了していた、前者参加女性7万3,228例(1984~2000年)、後者参加男性4万7,026例(1986~1998年)で、主要アウトカムは、自己申告によるCOPD発症の新規診断とした。 評価は多変量Cox比例ハザードモデルを用いて行った。モデルは、年齢、身体活動度、BMI、総エネルギー摂取量、喫煙、人種/民族、受診歴、米国内居住地と、女性被験者についてのみ受動喫煙、配偶者の最終学歴、閉経有無について補正を行った。スコアが高い食事ほどCOPD新規診断リスク低下 対象期間中に女性723例、男性167例が、COPDの新規診断を受けたことを報告した。 男女合わせたプール解析の結果、COPD新規診断リスクとAHEI-2010スコア5分位範囲群との、有意な負の相関が明らかになった。5分位の最低位群を参照値とした場合のハザード比(HR)は、第2分位群が0.81、第3分位群が0.98、第4分位群が0.74、そしてスコア最高位の第5分位群は0.67であった(傾向のp<0.001)。 なお男女別にみた場合、逆相関の関連は女性では有意であり(傾向のp<0.001)、男性では有意ではなかったが(傾向のp=0.27)、最も健康的な第5分位の食事は最低位の食事と比べて、男女ともCOPD新規診断リスクを低下することが示されている(同群のHRは女性0.69、男性0.60)。 同様の傾向は、元喫煙者(男女合わせたプール解析の傾向のp<0.002)、現在喫煙者(同p<0.03)の別に分析した結果においても観察された。男女別にみた場合も、同様であった。なお、非喫煙者については、COPD新規診断例が少数であったため分析は行われていない。

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ESORT研究:疾病負担度に応じた研究投資が必要な時代(解説:折笠 秀樹 氏)-310

 本研究では疾病負担度(Disease burden)と研究投資の関係について、疾病別および国別に調査しています。疾病負担度という聞き慣れない概念が出てきますが、ある疾病で負担になっている程度を示します。それを障害調整生存年数(DALY)で測定しています。 それは生存年数、つまり寿命のことなのですが、障害を持って生存していることを考慮している指標です。たとえば、寿命は80年でも、最後の10年間は障害があったとします。仮に障害を半分で調整すれば5年となり、障害調整生存年数は75年になります。 研究投資については、ランダム化比較試験の件数で測定しています。世界各国で問題になっている疾病の負担度に応じて、それ相応の研究費が投じられているかを調査したものです。結論としては、先進国では疾病負担度に応じて適切な研究費が投じられていることがわかったものの、発展途上国ではそうではなかったのです。 糖尿病の疾病負担度は46.9 [×106 DALY]と高く、研究投資も61試験と高い結果でした。研究投資は妥当だと判断されます。骨粗鬆症、脳卒中なども両指標は強く相関しており、研究投資は適切になされていると思われます。一方、COPDの疾病負担度は76.7(単位省略)と糖尿病より高いものの、研究投資は12試験と低い結果でした。COPDは大変重要な疾病なのに、そのための臨床試験はあまり行われていなかったのです。逆に、女性不妊症の疾病負担度(約0.15)は当然低いわけですが、研究投資として18件もの臨床試験が実施されていました。一方、発展途上国で問題となる乳幼児敗血症という疾病については、疾病負担度は44.2と高いものの、研究投資としての臨床試験はたった1件のみでした。 このように、先進国では疾病負担度に応じた研究投資がなされていましたが、発展途上国では疾病負担度と研究投資にはほとんど関連が見られませんでした。発展途上国で臨床試験を実施することなど無理なわけですから、先進国が発展途上国で問題となっている疾病に対する臨床試験をもっと手がけるべきでしょう。これは、いわゆる医療の格差問題でもあります。先進国は発展途上国に対して技術・財政支援を行っていることは周知のとおりですが、発展途上国の疾病対策となる臨床試験を実施するという支援は少な過ぎます。もっと臨床試験を通しての支援が期待されるところでしょう。 研究資金の配分を考える際に、わが国では死亡率や罹患数をベースにしていたと思います。そうではなく、これからは疾病負担度という指標で見直すことが必要なのではないでしょうか。とりわけ介護が重視される中、障害調整生存年数はその意義を増すことでしょう。

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Twitterの言葉で心疾患死亡リスクを予測

 敵意や慢性ストレスは心疾患の危険因子として知られているが、大規模な研究はコストがかかる。米国・ペンシルベニア大学のJohannes C Eichstaedt氏らは、アテローム硬化性心疾患による年齢調整死亡率についてコミュニティレベルにおける心理的な相関をみるため、Twitter上の言葉を評価した。その結果から、著者らは「ソーシャルメディアを通じてコミュニティの心理的特性を把握することは可能であり、これらの特性はコミュニティレベルでの心血管疾患死亡率の強いマーカーとなる」と結論している。Psychological science誌オンライン版2015年1月20日号に掲載。 主な結果は以下のとおり。・ネガティブな社会関係や離脱(disengagement)、感情(とくに怒り)を反映した言葉は、心疾患死亡率の高さと関連した。一方、ポジティブな感情や心理的なつながりを反映した言葉は、心疾患死亡率の低さと関連した。この関連のほとんどが、収入や教育について調整した後も有意なままであった。・Twitter上の言葉のみによる断面回帰モデルは、一般的な人口統計学的因子、社会経済的因子、健康リスク因子(喫煙・糖尿病・高血圧症・肥満など)を組み合わせたモデルよりも、アテローム硬化性心疾患の死亡率予測の精度が優れていた。

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病院‐地域連携のコツ 糖尿病腎症の透析予防

 2015年2月5日、都内にて「糖尿病腎症の透析予防」をテーマにプレスセミナー(主催:ノボ ノルディスクファーマ株式会社)が開催された。本セミナーでは、糖尿病患者の腎障害が重症化して透析導入となることを防ぐため、病院と地元行政が連携して行っている新たな取り組みが発表された。■1人当たり年間500万円! 経済を圧迫する透析患者の医療費 高齢化が進展する日本において、透析による医療費増が財政圧迫の原因として課題となっている。透析患者の医療費は1人当たり年間500万超、総額約1.4兆円にも上り、とくに高齢化の進む地方自治体では深刻な問題となってきている。 糖尿病腎症は、15年以上にわたって新規透析導入の原因疾患の第1位となっており、現在その約44%を占めている。透析につながる糖尿病腎症の悪化は、患者のQOLの低下だけではなく医療経済への影響が大きいため、厚生労働省による「健康日本21(第2次)」では、「糖尿病腎症による年間新規透析導入患者数の減少」が目標の1つとなっている。■行政と医療機関が連携するための3つのツールとは 上記のような国の政策を受けて、平井 愛山氏(千葉県循環器病センター 理事)は、糖尿病腎症の悪化による透析予防に対して、具体的な3つの対応策を紹介した。(1)「疫病管理MAP」を用いて、透析導入の可能性が高い患者を抽出し、優先的に介入する。(2)「透析予防指導ツール」を用いて、多職種が効率的に患者指導を行う。(3)「透析予防指導ワークフロー」を導入し、地域ぐるみの患者支援を実現する。 平井氏は、「今回の取り組みで、よりハイリスクな患者を優先して治療対象とし、多職種と連携して地域に根付いた質の高い患者指導を実践していくことが可能となった」と述べた。■優先的に治療患者を選定するには 平井氏が発案した「疾病管理MAP(以下、MAP)」は、尿検査(U-Alb、U-pro)と採血(eGFR、HbA1c)という簡便な検査結果を表計算ソフトにまとめることで、糖尿病患者の集団を危険度別に分類できる。この結果、効率的に治療患者を選定することができるという。MAPを用いることで、漏れのない腎症の評価と対象患者への積極的な指導介入が期待され、現在全国19の医療機関が導入している。■看護師・栄養士が連携して行う糖尿病透析予防指導とは 平井氏は、「糖尿病透析予防指導を実践するためには、『絵を用いた視覚的な指導』を『テーマを絞って』『短時間・頻回に』行うことが重要である」と強調した。そのうえで、多職種による協議を重ねて作成した「透析予防指導ツール(以下、指導ツール)」を基に、看護師による血圧・病態などの患者教育や栄養士による食事レシピ指導を紹介した。指導ツールをあらかじめ作成しておくことで、患者の診察の待ち時間などを利用した、短時間で効率的な指導を実践することが可能になるという。■地域連携における地元保健師が果たす役割とは 梅津 順子氏(埼玉県皆野町役場 健康福祉課)は、「透析予防指導ワークフロー(以下、指導ワークフロー)」を用いた医療機関と行政保健師の連携について紹介した。指導ワークフローを用いることで、病院から地域への情報提供をスムーズに行うことができる。地元保健師は指導ワークフローを基に患者宅を訪問し、指導内容の理解状況の確認・再指導やメンタルサポート、病院へのフィードバックをすることもできる。 梅津氏は、「指導ワークフローを基に地元保健師が患者の生活の場に赴くことで、患者の治療を困難とする原因を把握し、医療機関と共有することができた」と述べた。■今後の展望 継続した医療連携を行っていくためには、職域を越え、同じミッションを共有することで地域が一丸となって取り組む必要がある。平井氏は、「日本慢性疾患重症化予防学会」を立ち上げ、この取り組みを広げようとしている。同学会では、一人多病な高齢者の透析導入ハイリスク患者の抽出方法を確立し、透析予防に向け職種を越えた医療と行政の連携・協働を支援していく。 平井氏は、「本学会の取り組みは、特別な道具や薬を使用することなく、専門医がいない医療過疎地域でも糖尿病腎症の透析への悪化予防を期待できるものである」と強調した。

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アリスミアのツボ Q21

Q21アブレーションか、はたまた抗不整脈薬か?患者に任せましょう。ただし、ときどきは背中を押してあげることも……。病院内での経験が言葉を強くする……心房細動に対する抗不整脈薬の限界を知り、それよりずっとカテーテルアブレーションが有効であることを、病院内で毎日経験していると、心房細動をみたら「カテーテルアブレーションを行えば治りますよ。どうですか?」と患者にいいたくなります。これはこれで、私も一医師としてよく納得できます。患者の立場に立てば……しかし、私の外来には、そのようなつもりで話した医師の意図とはうらはらに、「どうしてもカテーテルアブレーションを行わなければならないのでしょうか?」といって納得できない患者がたびたび訪れてきます。話をよく聞いてみると、医師はそれほど強くカテーテルアブレーションを勧めていないのですが、患者にはそう伝わってしまったようです。医師として話す立場と、患者として聞く立場では、同じ言葉であっても異なるように聞こえてしまうようです。患者に任せる……「いつでもその気になったらしてあげますよ」私自身は、こんなとき「ゆっくり考えましょう。いつでもその気になったらできるのですから。これはがんの根治手術などとは違うので焦って決める必要はありません」ということをまず理解してもらうようにしています。そして、抗不整脈薬ではいずれ効果がなくなること、カテーテルアブレーションは現時点ではQOLを向上させる治療であること(生命予後向上効果は十分に示されていないこと)、慢性化して1 年以内であれば発作性心房細動と同等の治療効果が望めること……そんなことを伝えます。そして、2、3回の外来で時間をおいても、ずっと逡巡しているようならそっと背中を押してあげることもあります。

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76)気をつけたいSGLT2阻害薬の有害事象を説明する【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師この新しい薬(SGLT2阻害薬)の副作用として、尿路感染症になるリスクが高まることが、報告されています。患者それは心配です。どうしたらいいですか?医師いくつかのポイントがあります。まずは、身体を清潔にしてください。ほとんどの尿路感染は、腸内細菌が尿道の先から入っていきますので・・・。患者なるほど。医師夜中にトイレにいく回数が多くなるのが心配で、水分をあまりとらない人がいます。患者それ、私です。医師尿がたくさんでると、細菌を洗い流します。水分は日中は大目に、夕方から控えられるといいですね。患者なるほど、わかりました。●ポイント尿路感染症を予防する項目を、わかりやすく説明できるといいですね●資料尿路感染症にかからないための10ヵ条1.下着を毎日、取り換える2.トイレを我慢しない3.水分は日中は多めに、夕方から控える4.適度な運動をする5.アルコールは控えめに6.陰部を清潔に保つ(排便時は前から後ろにふく)7.下半身を冷やさない8.疲れを残さない9.身体の抵抗力をつける10.うがい・手洗いをする

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抗精神病薬の有害事象との関連因子は

 抗精神病薬は統合失調症およびその他の精神障害に広く処方されているが、一方で有害事象およびアドヒアランスへのネガティブな影響が共通して認められる。しかしこれまで、有害事象の発現率やマネジメントに注目した検討はほとんど行われていなかった。英国・エディンバラ大学のSu Ling Young氏らは、抗精神病薬の有害事象の発現率およびマネジメントについて系統的レビューを行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2014年12月16日号の掲載報告。 研究グループは本検討で、抗精神病薬の9種の臨床的に重要な有害事象の発現率とマネジメントについてレビューした。9種は、錐体外路症状、鎮静作用、体重増加、2型糖尿病、高プロラクチン血症、メタボリックシンドローム、脂質異常症、性機能障害、心血管への影響であった。事前に検索基準を特定し、3つのデータベースの検索と引用・参考文献の手動検索でシステマティックレビューを行った。2人の研究者が要約または全文をレビュー後、包含基準について合意を得た。包含した論文の質的評価は、事前に同意確認した基準を用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・合計53試験が、包含基準を満たした。・有害事象の発現頻度の増大は、抗精神病薬の多剤投与と関連していた。・投与期間の長さは、有害事象の重症化(例:BMI値が高値)と関連していた。・クロザピンは、3試験におけるその他抗精神病薬との比較において、代謝障害との関連がより強かった。・オランザピンは、3試験で体重増加と最も関連していた。・高プロラクチン血症は、男性よりも女性で一般的であった。・性機能障害は男性が50%に対し女性は25~50%であった。・臨床ガイドラインの推奨にもかかわらず、脂質および血糖値のベースラインでの検査率は低率であった。・7試験で有害事象のマネジメント戦略が述べられていたが、その有効性について調べていたのは2試験のみであった。そのうち1試験は、非投薬の集団療法により体重の有意な減少を、もう1試験はスタチン療法により脂質異常の有意な減少を認めた。・総括すると、抗精神病薬の有害事象は多様でしばしばみられる。しかし、系統的評価は多くない。・有害事象マネジメントに関する科学的研究を、さらに行う必要性がある。関連医療ニュース 最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか  担当者へのご意見箱はこちら

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グリベンクラミド、妊娠糖尿病には注意/BMJ

 妊娠糖尿病の短期的治療について、グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニールほか)はインスリンおよびメトホルミン両剤よりも明らかに劣性であり、一方、メトホルミン(+必要に応じてインスリン)がインスリンよりもわずかだが良好であることが示された。スペイン・Mutua de Terrassa大学病院のMontserrat Balsells氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「グリベンクラミドは、メトホルミンやインスリンが使用できるのなら妊娠糖尿病治療には用いるべきでない」と提言している。BMJ誌オンライン版2015年1月21日号掲載の報告より。メタ解析でグリベンクラミドとインスリン、メトホルミンを比較 妊娠糖尿病治療で使用される経口薬が増えており、ガイドラインでも使用を認めているが、安全性に関する情報は限定的である。先行研究では、経口薬に焦点を当てた無作為化試験のメタ解析が複数発表されているが、グリベンクラミドvs. インスリン、メトホルミンvs. インスリン、メトホルミンvs. グリベンクラミドなど総合的な検討は行われていなかった。 研究グループは、それらの比較が行われていた無作為化試験での短期的アウトカムを要約することを目的に、システマティックレビューとメタ解析を行った。 試験適格としたのは、全文を公表しており、薬物療法を必要とした妊娠糖尿病の女性を対象としている、グリベンクラミドvs. インスリン、メトホルミンvs. インスリン、メトホルミンvs. グリベンクラミドを比較検討しているすべての無作為化試験とした。 検索は、2014年5月20日時点でMEDLINE、CENTRAL、Embaseを介して行った。 主要評価項目は、主要アウトカム14(母体6[妊娠末期のHbA1c値、重症低血糖、子癇前症、体重増加など]、胎児8[出産児の在胎月齢、未熟児出産、出生時体重など])、副次アウトカム16(母体5、胎児11)とした。グリベンクラミドはインスリン、メトホルミンより劣性 検索により、15論文、被験者2,509例を解析に組み込んだ。 グリベンクラミドvs. インスリンの主要アウトカムについて、出生時体重(平均差109g、95%信頼区間[CI]:35.9~181g、p=0.003)、巨大児(リスク比:2.62、95%CI:1.35~5.08、p=0.004)、新生児低血糖(同:2.04、1.30~3.20、p=0.002)について有意な差がみられた。 メトホルミンvs. インスリンでは、母体の体重増加(平均差:-1.14kg、95%CI:-2.22~-0.06、p=0.04)、出産児の在胎月齢(同:-0.16週、-0.30~-0.02、p=0.03)、未熟児出産(リスク比:1.50、95%CI:1.04~2.16、p=0.03)で有意差が認められ、新生児低血糖についても差がある傾向が認められた(同:0.78、0.60~1.01、p=0.06)。 メトホルミンvs. グリベンクラミドでは、母体の体重増加(平均差:-2.06kg、95%CI:-3.98~-0.14、p=0.04)、出生時体重(同:-209g、-314~-104、p<0.001)、巨大児(リスク比:0.33、95%CI:0.13~0.81、p=0.02)、在胎不当過大児(同:0.44、0.21~0.92、p=0.03)で有意差が認められた。 副次アウトカムについては、メトホルミンvs. インスリンでは4つがメトホルミンで良好であり、メトホルミンvs. グリベンクラミドではメトホルミンで不良であったのは1つであった。治療不成功は、グリベンクラミドと比べてメトホルミンで高率だった。

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