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糖尿病患者への意思決定支援ツールの効果/BMJ

 患者指向の治療意思決定支援(デシジョンエイド)の有用性について、相当量を投じても同ツールの使用で期待される患者のエンパワメント改善には結び付かないことが、オランダ・フローニンゲン大学医療センターのPetra Denig氏らによる、プラグマティック無作為化試験の結果、明らかにされた。原因として、大半の患者が、同ツールを完全には使いこなしていないことが判明したという。デシジョンエイドは、治療管理における患者と医師の意思疎通を助け、患者指向型の治療ゴール設定を促進することが可能とされる。本検討では複数の疾患を抱える糖尿病患者についての有用性を検討した。BMJ誌オンライン版2014年9月25日号掲載の報告より。デシジョンエイドの提供が患者のエンパワメントに与える影響を試験 検討は、オランダ北部の18人の一般医(GP)を介して行われた。2型糖尿病を有し、診断時の年齢は65歳以上で、プライマリケアで治療管理を受けている344例を対象とした。 試験期間は2011年4月~2012年8月で、225例を介入群に、119例を通常ケア群に割り付けた。 介入群には、糖尿病患者のためのデシジョンエイドを提供。デシジョンエイドは、臨床領域間の優先順位決定について患者をエンパワーし、治療意思決定の支援をすることが目的である。介入に用いられたデシジョンエイドは、それぞれ各人用に修正されたリスク情報と複数のリスク因子に対する治療選択肢が盛り込まれた。 同ツールを定期受診前に提供し、また診療中に担当医から提供してもらった。 検討では、4つの異なるフォーマットのデシジョンエイドを含んだ探索的分析も行われた。 主要アウトカムは、治療目標の設定および達成のエンパワメントに与えた影響だった。副次アウトカムは、血糖、血圧、脂質、蛋白尿を調整するための処方薬の変化とした。 データは、構造化質問票からと、介入前後6ヵ月間自動収集した電子ヘルスレコードを通じて収集した。脂質低下治療について変化、ただし有意な変化をもたらしたのは紙媒体 介入群で、介入の基本エレメントを受けていたのは103例(46%)だった。主要アウトカムの解析に十分なベースライン時とフォローアップデータを組み込めたのは、介入群199例、対照群107例だった。 分析の結果、介入群のエンパワメントスコアの増大は、5ポイント制において0.1で、対照群との有意差はみられなかった。ベースライン変数を補正後の平均差は0.039(95%信頼区間[CI]:-0.056~0.134)だった。 コレステロール値が高い被験者における脂質低下薬の投与について、介入群では25%が強化され、対照群では12%であった。しかし、有意差は認められなかった(オッズ比:2.54、95%CI:0.89~7.23)。事前規定の探索的分析により、介入群の処方強化の影響は、プリントされたデシジョンエイドによるものであることが示された(同:3.90、1.29~11.80)。 そのほかの治療について、重要または有意な変化は認められなかった。

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アリスミアのツボ 第3回

Q7症状のない上室・心室期外収縮は、どの程度まで経過観察すべきでしょうか。心機能が正常ならば経過観察しない、という考え方ではどうでしょうか。私は基本的に心機能が正常である限り、期外収縮の経過観察をしていません。これには異論や反論があるかもしれません。心房期外収縮の場合「心房期外収縮の頻発は、放置するとやがて無症状の心房細動に発展してしまうのではないか?」という不安。これはそのとおりだと思います。しかし、問題はその発生確率だと思うのです。一見健康者で、心房期外収縮頻発が見られた例での心房細動の発生確率は、年間約1.5%とされています。これをどう見るか……人によって異なるかもしれません。心房期外収縮例をすべて経過観察しようとするのは、間違いではないのですが効率性に劣る気がします。これを行うための外来診療の時間があれば、もっと有意義な(もっと重篤な疾患をもつ患者のケアに)使えばよいのではないでしょうか。もちろん例外があります。心原性脳梗塞のようだけれども心房細動が見つかっていない患者、心房細動がひとたびもし生じてしまえば脳梗塞のリスクがきわめて高いという患者では、心房期外収縮の頻発を経過観察する価値が高まるでしょう。ただし、これらの患者の経過観察としての適切な方法はまだ誰も知りません。心室期外収縮の場合「心室期外収縮の頻発は、やがて心機能低下を引き起こしてしまうのではないか?」という不安。これもその可能性はあると思います。ただし、どのような発生確率が見込めるのかという確かな数字がない以上、そして基本的に予後はよいという情報がある以上、効率性という意味で経過観察の価値が低いと感じてしまうのです。脳梗塞とは異なり、心機能低下はirreversibleではありません。健康診断をきちんと受けることを指導する、というような経過観察でもよいのではないでしょうか。Q8発作性心房細動に対する抗不整脈薬の用い方について教えてください。安全性重視という考え方で、患者の意向次第で減量や中止も随時可能専門家の現場での用い方「抗不整脈薬の使い方がわからない。ガイドラインや教科書と、循環器内科医の実臨床での使い方がかなり違う気がする」というご意見もありました。抗不整脈薬は諸刃の剣と言われることから、どうしても経験則が幅を利かせているのが実情です。ESCの心房細動ガイドラインで書かれていることESCの心房細動ガイドラインにはこの抗不整脈薬の使い方の原則が書かれているので、それを引用しておきましょう。1)抗不整脈薬治療は症状を軽減する目的で行うものである2)抗不整脈薬で洞調律を維持する効果は“modest”である3)抗不整脈薬治療は心房細動の再発をなくすものでなく、減らすことで臨床的には成功と考えるべきだろう4)1つの抗不整脈薬が効果のない場合、他の抗不整脈薬が効果を示すことがあるかもしれない5)抗不整脈薬による新たな不整脈の出現、心外性副作用はしばしば生じる6)抗不整脈薬の選別は効果よりもまず安全性を指針とすべきである私の使い方私の臨床現場での用い方はこれを基本にしています。たとえば、抗不整脈薬をいつ始めて、いつ中止するのかについての一定の見解はないのですが、患者が心房細動の症状で困っている時に開始し(1参照)、その際あらかじめ発作が完全に消失するものではないことを伝え(2、3参照)、症状が軽くなればいつでも薬物の減量をトライし、症状に困らなくなればいつでも中止をトライする(6参照)、ということを基本にしています。もちろん、減量や中止によって患者が困るようになれば、また再開することはたびたびです(むしろ、そのほうが多いかもしれません)。ただ、これを行うことで患者が薬物の効果を実感してくれることもアドヒアランスを高めると思っています。Q9NOACをどのように開始すべきでしょうか?ワルファリン時代とまったく異なる抗凝固療法のやり方を会得する必要がありますワルファリン時代に染みついた慣習心房細動の脳卒中予防には抗凝固療法が必要です。抗凝固療法の仕方…これについては、あまりにもワルファリンを使用してきた歴史が長く、ワルファリン時代のやり方が身に染みついてしまっていることを私自身が痛感しました。そこで、ワルファリン時代とは異なるNOACによる抗凝固療法の私のやり方をまとめておきます。1)心房細動初診患者では(脳卒中の一次予防ならば)その日のうちに抗凝固療法を始めない。ワルファリン時代は初診患者で脳卒中予防の説明をして、ワルファリン1.5~2mg/dayをその日から開始していました。しかし、NOACでは危なっかしくてできないですね。初診日は、脳卒中に関する啓蒙、年齢、体重の把握、血清Cr、Hbの採血をするだけにしています。クリアチニンクリアランスを把握してから抗凝固療法はするものと考え、次の外来から(つまりクレアチニンクリアランスが手に入ってから)NOACを処方します。次回の外来までに脳卒中になってしまうのでは……と不安に思う方がおられるかもしれませんが、所詮ワルファリン時代も初診時に処方する少量のワルファリン量ではそもそも効いていませんでした。NOACを初診日に処方すると禁忌症例に処方してしまう可能性があり、こちらのほうが危険でしょう。また、貧血のある患者にNOACを処方するのも危険です。今まさに、じわじわとどこからか出血しているのかもしれないからです。2)2週間以内の出血に関する問診とHbのチェックを忘れないワルファリン時代はゆっくりと抗凝固がなされ、しかもPT-INRによる処方量決定のためたびたび外来受診が行われるので、出血のケアは自然になされやすい環境にありました。しかし、長期処方が可能なNOACは大出血直前の気付きの機会を減らしています。そこで、私は、NOAC処方時には必ず2週間以内に受診してもらい、皮下出血、タール便の有無を聞き、必ずHbをチェックすることにしています。2週間でHbが明らかに減少していれば、どこからか出血していることになるからです。逆にHb値に変化がなければ安心できます。3)バイオマーカーはどうする?ワルファリン時代のPT-INRというモニタリングはなくなりました。では何もチェックしていないかというと、私は、ダビガトランではaPTT、リバーロキサバンとアピキサバンではPTをチェックしています。固定用量の薬物では必ず効きすぎの患者が、わずかといえども存在しているからです。ただし、これはモニタリングではありません。処方後2週間以内の外来で、Hbと一緒にバイオマーカーを一度採血するのです。バイオマーカーについては「あまり見かけないほど高い値である」ことがなければ、それで良しとしています。その後の採血ですが、クレアチニンクリアランスを高齢者では年に4回程度、若年者では年に1、2回チェックしますが、それと同時にこれらのバイオマーカーもチェックしています。NOACのバイオマーカーはモニタリングではなく、あくまでもチェックにすぎないのです。

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ホモ型家族性高Chol血症、PCSK9阻害薬で改善/Lancet

 新規開発中のコレステロール低下薬エボロクマブ(AMG 145)について、ホモ接合型家族性高コレステロール血症でスタチン療法などの継続的な脂質低下療法を受けている患者に投与することで、LDLコレステロール(LDL-C)値が約3割低下することが示された。南アフリカ共和国・Witwatersrand大学のFrederick J Raal氏らが第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、報告した。エボロクマブは、LDL-Cの能力を低下する前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を阻害する。Lancet誌オンライン版2014年10月2日号掲載の報告。エボロクマブを4週間ごと12週投与 試験は、北米、欧州、中東、南アフリカの10ヵ国17ヵ所の医療機関を通じて行われ、12歳以上のホモ接合型家族性高コレステロール血症の患者を対象とした。被験者は、スタチン療法(全患者が受けていた)などの脂質低下療法を4週間以上受けており、LDL吸着療法を受けていた患者は登録時に除外された。 被験者を無作為に2対1の割合で2群に分け、エボロクマブ 420mgまたはプラセボを、それぞれ4週間ごと12週にわたり皮下注で投与した。無作為化は、LDL-C値11mmol/L未満または以上で分類して行った。 主要エンドポイントは、12週時点におけるLDL-C値のベースラインからの変化だった。12週時点のLDL-C、エボロクマブ群でプラセボ群より30.9%減少 試験適格患者は50例、そのうち49例が試験を終了した(そのうちエボロクマブ群は33例)。 12週間時点のエボロクマブ群のLDL-C値は、プラセボ群に比べ30.9%減少した(95%信頼区間:-43.9~-18.0%、p<0.0001)。 治療下で発生した有害事象は、プラセボ群10例(63%)、エボロクマブ群12例(36%)だった。また、重大有害事象の発生や抗エボロクマブ抗体の発現は認められなかった。

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)の内科的治療の選択について(解説:小林 英夫 氏)-261

まず、掲載された本論文の概略にお目通しいただきたい。本論文から読み取るべき点は、どのような薬剤が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬として優れているかについてランダム化試験を実施すべきである、という記述に尽きるというのが筆者の印象である。 Gershon氏らが指摘するように、COPDの内科的治療法には複数の選択肢が存在し、いずれも有効性を支持する報告に裏付けられているものの、最適な治療法がどれなのかについては不明なままである。 本報告では長時間作用性β2刺激薬と吸入ステロイド薬(LABA+ICS)併用群とLABA単独群間で、死亡と入院の発生をアウトカムとして検討を行った。約2年半の追跡によりLABA+ICS併用群において軽度良好な結果が示されたが、この記述をそのまま受け入れるには少なからぬ問題点がある。 本論文は約1万2,000例という多数例を基にした解析であり、それなりの意義があることは間違いない。また、本邦で2薬剤の有効性比較試験を多数例で実行することの困難性を想定すれば、本研究から得られる示唆は重要であろう。しかし、本報告を根拠として今後のCOPD治療を変更することは早計に思う。本報告は薬剤効果を比較する試験デザインではないことを意識していただきたい。 以下、本論文の特徴を列記すると、まず、本研究は後ろ向き観察研究であり、2群の優劣を判定するためのランダム化比較試験ではない。次に、症例はadministrative databasesからの抽出であり、COPDの診断の妥当性や精度について検討できていない。その点について、同著者の既報(1 を引用し、診断精度はsensitivity、specificityともに80%以上としている。しかし、1秒量、1秒率、画像所見など検討されていないのである。さらに25%の症例は呼吸機能検査が実施されていない。 同著者は気管支喘息でも同登録データに基づく診断精度を報告し(2、そちらもsensitivity、specificityがそれぞれ約80%としている。この論文でもピークフロー値などの臨床検査は記述されていない。臨床で重要視する項目と疫学的観察における視点には少なからぬ差異が存在するようである。 上記2点に加え、対象COPD群には糖尿病が25%以上、気管支喘息が約30%、高血圧が70%以上に合併していた点は、本邦症例と比すると近似した集団なのであろうか。 4点目として、集計母集団がLABA単独群3,258例、併用群3万4,289例であり、propensity score matchingを導入した後でもLABA+ICS併用群8,712例、LABA単独群3,160例となっており、対等な2群とは評価しがたい大きな開きが存在している。当初から治療選択にバイアスが存在していることが想定される。 5点目として、サブグループとしての気管支喘息+COPD群はLABA+ICS併用により良好なアウトカムが得られたと報告している。そもそも、気管支喘息合併群をLABA単独で治療するという症例が含まれていることが、行政登録データに基づく症例選択の限界であろう。治療法の優劣を判定する目的では、本研究のような後ろ向き解析には限界があることを前提に、本論文を評価していただきたい。 しかし、疾患歴、入院歴、救急受診歴などの医療情報登録システムが構築され、疫学研究に活用できるカナダの体制を知らされると、本邦でも早急にこのような観察研究が可能となる日を願ってやまない。

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未来を担う医療系学生(06)

今 華恵さん東北薬科大学薬学部 薬学科 6年 調剤以上に一芸ある薬剤師になりたいです。コメント宮城県の出身なんですが、東北地方で医歯薬が学べる大学は本当に少ないです。その中で、地元で、理系で、臨床につながる勉強ができるところを探した結果、東北薬科大学だったわけです。薬の勉強は楽しいですね。市販薬でも飲んでいる薬の作用や成分がよくわかるようになりました。今は、糖尿病予防の観点から学ぶ栄養学がとても面白い。将来は海外にも出てみたいと考えていて、この夏はさまざまな情報収集をしました。北欧とか、憧れますね。撮影:江上嘉郁

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ADVANCE-ON試験:一定期間の降圧治療の有無でも、長期的な心血管イベント発症に影響(解説:桑島 巌 氏)-260

2型糖尿病合併高血圧患者で、大血管障害を予防するためには、血糖管理に加えて、厳格な血圧管理が非常に重要であることは、UKPDS38という有名な臨床試験で証明されていた。しかし、厳格血圧コントロールといっても平均144/82mmHg、通常血圧管理群154/87mmHgという高いレベルでの比較だった。  2007年に発表されているADVANCE試験は、2型糖尿病合併高リスクの症例で平均145/81mmHg、41%が140/90mmHg未満の正常血圧症例を含む症例でのACE阻害薬+利尿薬の心血管合併症(macro, micro)予防効果をプラセボ治療群と比較した試験である。その平均4.4年間の結果では、厳格なACE阻害薬+利尿薬による血圧管理が、プラセボに比べて大血管および細小血管障害を有意に抑制したことが報告されている1)。また、血糖管理に関しても、HbA1c6.5%未満の厳格管理が、標準管理群よりも心血管イベント抑制に有用であることも示されていた。 今回発表のADVANCE-ON試験は、試験終了後ランダム化を終了したあと、さらに血圧管理試験では平均5.9年間、血糖管理試験では5.4年間延長して観察された結果である。延長期間中にはすでに厳格血圧管理群と通常管理群における血圧値の差は消失しており、血糖値もHbA1c6.5%未満の厳格血糖管理群と通常管理群の間でも差は消失していたという。 このことは糖尿病合併高血圧患者における4.4年間における降圧薬治療の違いが、試験終了後5~6年間までも全死亡や心血管死に強く影響することを示した試験として興味深い。 一方、血糖コントロールに関しての厳格管理群と通常管理群との間には、全死亡、心血管死、大血管イベント発症に差はみられず、長期的なメリットは保証されなかった。すなわち血糖管理の遺産効果(legacy effect)について否定的な結果となった。 これら一連の臨床試験結果は、糖尿病患者においては厳格な血圧管理こそ重要であることをあらためて教えてくれる。

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59)自分の適正なお寿司の皿数、わかりますか?【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師外食では、どんなものを食べられることが多いですか?患者子どもやおばあちゃんもいるので、回転寿司にいくことが多いです。医師回転寿司はいいですね。子どもからお年寄りまで、楽しめますね。患者そうなんです。けど、つい食べ過ぎてしまって・・・医師何皿くらい食べられますか?患者そうですね。7~8皿、多いときは10皿くらい食べるかもしれません。医師なるほど。普段、食べているご飯の量はどのくらいですか?患者ご飯の量ですか。200gくらいです。医師それだと、だいたい5皿分くらいになりますね。患者それなら、私、食べ過ぎですね。これからは気をつけます。●ポイント普段食べているご飯の量と皿数を比較することで、理解が深まります

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喫煙が低EPA/AA比と関連:日本の2型糖尿病患者

 喫煙は、50歳以上の日本人2型糖尿病患者において、EPA/AA比(エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比)に影響を与える可能性があることが、自治医科大学の岡田 健太氏らによる研究で明らかになった。2型糖尿病患者に禁煙を促すことが、心血管疾患発症の抑制につながるかもしれない。Diabetology & metabolic syndrome誌2014年8月13日号の報告。 低EPA/AA比は、心血管疾患のリスク因子であると考えられている。また、喫煙は、高齢者においてもなお心血管疾患のリスク因子となる。そのため、本研究では、高齢の2型糖尿病患者において、EPA/AA比と喫煙状況との関連を調査した。 対象は、EPAやAAを含有する薬物治療を行っていない50歳以上の2型糖尿病188例(男性114例、女性74例/ 平均65.0±7.5歳)。喫煙状況、糖尿病の状態、EPAおよびAAを含む血液データの観点から検討した。 主な結果は以下のとおり。・喫煙者は49例(男性43例、女性6例/ 平均62.4±7.3歳)、非喫煙者は139例(男性71例、女性68例/平均65.9±7.4歳)であった。・喫煙者は、高血圧、神経障害、HbA1c高値、HDLコレステロール低値の割合が、非喫煙者と比較して有意に高かった。・AA値、DHA値、EPA値は、喫煙者と非喫煙者で有意差は認められなかった。・喫煙者は非喫煙者と比較して、EPA/AA比が有意に低かった(平均0.29 vs 0.39、p<0.01)。この関連は多変数(年齢、性別、BMI、高血圧、HbA1c値、インスリン療法、合併症、脂質、スタチン治療)で調整後も有意なままであった。

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患者さんの誤解を解く説明法

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 先生、ブルーベリーは目にいいんですか?医師 ブルーベリーね。(興味を示す)患者 そうなんです。血糖値が高いと眼が悪くなると聞いて、何かないかと思っています。医師 じつは、もう飲み始めているとか?患者 そうなんです。試供品を買って飲んでみたんですけど・・・医師 そうだったんですか。ブルーベリーは、アントシアニンをたくさん含んでいるので、抗酸化作用が期待されているのですが・・・。画 いわみせいじ患者 どうなんですか?医師 残念ながら、疲れ目程度はとれるかもしれませんが、糖尿病からくる眼の合併症を防ぐまでの効果はないそうです。患者 なんだ。そうなんですか。医師 これからは試してみる前に相談してみてくださいね。患者 はい。わかりました。ポイント患者さんの話に興味を示し、エビデンスをわかりやすく説明することで患者さんの満足度が高まりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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できることから運動を指導

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師 普段、どんな運動をされていますか?患者 最近、時間がなくて、運動できていないんです。通勤で歩くくらいです。医師 そうですか。お忙しそうですね。通勤では片道、どのくらい歩いておられますか?患者 10分くらいです。画 いわみせいじ医師 なるほど。1駅前で降りると、どのくらいになりますか?患者 20分ちょっとですかね。医師 なるほど。片道が10分以下の人に比べると、20分を超える人は糖尿病に27%なりにくいそうですよ。患者 そんなに違うんですね。それなら、1駅まで降りて歩いてみようかな。医師 それはいいですね。(歩行時間と糖尿病発症の関連: 0~10分=1.00、11~20分=0.86、21分以上=0.73)ポイント大きな目標ではなく小さな目標を一緒に考えると自己効力感が高まりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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夏場に陥る体重増加の罠

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師 毎日、暑いですね。体重の方はいかがですか?患者 少し増えています。医師 そうですか。昔は冬場に体重が増える人が多かったんですが、最近は夏場に太る人もいますね。患者 そうなんです。私も夏場に体重が増えるんです。医師 夏場に体重が増える人には特徴が3つほどありますよ。患者 どんなことですか?医師 まずは暑くなるので、ビールを飲む回数が増えたり量が増えたりします。患者 それ私ですね。画 いわみせいじ医師 次に、風呂あがりや寝る前などにアイスを食べるようになります。その結果、悪玉コレステロールが増えたりします。患者 それもやっています。医師 3つ目は、あっさりしているがカロリーの比較的高いものをよく食べるようになります。患者 それは何ですか?医師 ソーメンなどの麺類です。つい食べすぎちゃいますね。患者 夏場に何で太るのかと思っていましたが、原因がよくわかりました。気をつけます。ポイント患者がよくやる行動を順に追って説明することで、理解が深まりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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運動習慣を取り戻す指導法

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師 普段、どんな運動をされていますか?患者 今は何も運動していません。医師 そうですか。昔はどんな運動をされていたんですか?患者 学生時代は、ラグビーをしていました。医師 やはり、いい身体をしていると思っていました。患者 へへへ。(苦笑い)医師 それでは、身体の鍛え方や筋トレの仕方などはよくご存じですね。患者 学生時代は毎日のようにやったんですが・・・画 いわみせいじ医師 いい筋肉を持っておられると思いますので、歩くことなど有酸素運動系でもいいですし、腕立て伏せ、腹筋、スクワットなど筋トレなどでも血糖コントロールは驚くほど改善すると思いますよ。患者 そうなんですか!医師 有酸素運動か、筋トレ、どちらがやりやすいですか?(選択肢を示す)患者 歩くことから始めてみます。医師 それはよかったです。頑張ってやってみてください。ポイント過去の運動歴を尋ね、選択肢を示すことで、患者さんのやる気が高まりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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美味しく、痩せるよい方法

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師 パンには何をつけておられますか?患者 ジャムやバターをつけています。医師 なるほど。太りやすい人はジャムをまず縦に、その後ジャムを横に塗っておられます。患者 それ私です。その食べ方が大好きなんです。医師 そうなんですか。実はおいしく、やせる塗り方があるんですよ。患者 それはどんな方法なんですか?画 いわみせいじ医師 味は舌で感じますので、パクッとくわえた所でおいしさを感じます。患者 確かに。医師 ですから、四隅のパクッとくわえる所に塗ればいいんですよ。そうすれば、カロリーは4分の1以下になります。塵も積もれば山となるじゃないですが、小さな積み重ねが大切です。患者 面白いですね。一度、やってみます。ポイント小さな習慣が成功に結びつくことを、ユーモアを交えて説明しますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet

 スタチンによる2型糖尿病リスクの増大について、同薬による3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA還元酵素(HMGCR)阻害の関与が明らかにされた。英国・ロンドン大学のDaniel I Swerdlow氏らが、遺伝子解析と無作為化試験のデータを分析した結果、無作為化試験のスタチン治療とHMGCR遺伝子におけるSNPについていずれも、体重増加および2型糖尿病の高リスクとの関連が確認された。著者は、「体重増加は、2型糖尿病の最も強いリスク因子であるインスリン抵抗性と関連する。そのことがスタチン治療患者における2型糖尿病の高リスクを、部分的であるが説明するものとなるかもしれない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月24日号掲載の報告より。遺伝子解析試験と無作為化試験のデータを分析 検討は、スタチンによるHMGCR阻害の指標として、HMGCR遺伝子のSNPである、rs17238484(主要解析の対象)とrs12916(サブ解析対象)を調べて行われた。これらの変異型と脂質値、血糖値、インスリン濃度との関連、また体重、腹囲、さらに2型糖尿病の有病率と発生率を調べた。 試験特異的な影響については、それぞれのLDL低下アレルのコピー値を算出し、メタ解析によってプールして検討した。同所見について、2型糖尿病新規発症のメタ解析結果と、スタチン薬の無作為化試験からの体重変化データの結果とを比較した。各無作為化試験のスタチンの影響は、メタ解析で評価した。スタチンの作用と、体重増、2型糖尿病リスク増を示す関連が明らかに 遺伝子解析試験からは、43試験22万3,464例分のデータを入手した。 rs17238484-Gアレルの存在は、LDLコレステロール値の低下(平均0.06mmol/L)、より高値の体重(同:0.30kg)、腹囲(同:0.32cm)、インスリン濃度(1.62%)、血糖値(0.23%)と関連していた。 同様に、rs12916 SNPも、LDLコレステロール値、体重、腹囲への影響が認められた。 また、rs17238484-Gアレルは、2型糖尿病の高リスクとの関連も認められた(オッズ比[OR]/アレル:1.02、95%信頼区間[CI]:1.00~1.05)。rs12916-Tアレルでも同関連が認められた(同:1.06、1.03~1.09)。 無作為化試験試験からは12万9,170例分のデータを入手した。 結果、スタチン治療と、追跡期間1年時点でのLDLコレステロール値0.92mmol/Lの低下、および追跡期間平均4.2年時点で体重0.24kgの増加との関連(全試験対象の分析において)が認められた(体重増は、プラセボvs. 標準ケア対照試験では0.33kg、強化療法vs. 通常用量試験では-0.15kg)。また、2型糖尿病新規発症のオッズ比増大も認められた(全試験OR:1.12、プラセボvs. 標準ケア対照試験では同:1.11、強化療法vs. 通常用量試験では同:1.12)。

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糖尿病患者への降圧治療、長期死亡リスク減/NEJM

 オーストラリア・ジョージ国際保健研究所のSophia Zoungas氏らは、ADVANCE試験被験者について試験後フォローアップしたADVANCE-ON試験6年時点の結果を発表した。2型糖尿病患者への降圧治療および強化血糖コントロール介入の、長期的なベネフィットについて評価した本検討において、降圧治療の死亡に対する有益性は介入終了後も減弱はするものの明白に認められた。その一方で、強化血糖コントロールの影響については、長期的な死亡および大血管イベントに対する有益性のエビデンスが認められなかったという。NEJM誌オンライン版2014年9月19日号掲載の報告より。ADVANCE被験者を試験後フォローアップ ADVANCE試験は、心血管疾患リスク因子を有する55歳以上の2型糖尿病患者1万1,140例を対象に行われた試験。ACE阻害薬ペリンドプリル(商品名:コバシルほか)+利尿薬インダパミド(同:テナキシル、ナトリックス)の併用療法による降圧治療による死亡の抑制効果が認められた一方、目標HbA1c値6.5%以下とした強化血糖コントロールの死亡に対する抑制効果は示されなかった。 研究グループは、同試験参加者を試験終了後にフォローアップ(ADVANCE-ON試験)。主要エンドポイントは、全死因死亡、主要大血管イベントであった。 ADVANCE試験において被験者は、ペリンドプリル+インダパミド併用またはプラセボ、厳格または標準血糖コントロールを受ける群に無作為に割り付けられていた。降圧群のリスク低下は維持、強化血糖コントロール群はやはりリスク低下みられず ADVANCE試験の被験者1万1,140例のベースライン時特性は同等であった。ADVANCE-ON試験には、そのうち8,494例が参加。追跡期間中央値は、降圧群5.9年、強化血糖コントロール群5.4年であった。試験後初回受診時までに、ADVANCE試験中にみられた両群間の血圧値および血糖値の差は認められなくなっていた。 結果、試験中に降圧群で認められた全死因死亡および心血管死リスクの有意な低下は、試験終了後も減弱はしていたものの維持されたことが認められた。リスク低下のハザード比は、全死因死亡は0.91(95%信頼区間[CI]:0.84~0.99、p=0.03)、主要大血管イベントは0.88(同:0.77~0.99、p=0.04)であった。 一方、強化血糖コントロール群と標準血糖コントロール群間の全死因死亡または主要大血管イベントリスクの差は、フォローアップ期間中において観察されなかった。ハザード比は、全死因死亡1.00(95%CI:0.92~1.08)、主要大血管イベント1.00(同:0.92~1.08)であった。

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58)ストップ!泳いでいるのに体重増加【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者膝が悪くて、運動したいと思っているんですが、プールで運動すると、余計にお腹が空いて、食べ過ぎて・・・ 医師どんなパターンか、教えて頂けますか? 患者朝食を食べて、午前中にプールにいきます。お昼を少し回って、お腹ペコペコで家に帰るので、どうしても食べ過ぎてしまって・・・ 医師なるほど。 患者そして、今日は運動したからっておやつも食べて・・・ 医師確かに、運動するとお腹が空きますからね。それなら良い方法がありますよ。 患者それは何ですか?(興味津々) 医師食べるタイミングです。運動した直後は、それほどお腹が空いていませんから、そこで軽く食べるんです。そうすると、その後の食べ過ぎにつながりません。 患者なるほど! タイミングですね。一度、試してみます。●ポイント運動後に食べ過ぎるパターンを聴取し、食事を摂るタイミングについてアドバイスをします 1) King JA, et al. J Obes. 2011;2011.

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米国糖尿病、直近5年は横ばい/JAMA

 米国1980~2012年の糖尿病の有病率(糖尿病と診断された人の割合)と発生率(年間新規診断者の割合)を調べた結果、1990~2008年では倍増していたが、直近の2008~2012年は横ばいに推移していることが判明した。米国疾病予防管理センター(CDC)のLinda S. Geiss氏らが報告した。糖尿病の有病率と発生率については、直近10年の動向については調査が行われ、増大傾向であることが報告されていた。しかし、長期にわたる全米レベルでの統計的な調査は行われていなかった。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告より。1980~2012年の全米健康調査のデータを分析 調査は、1980~2012年の米国民健康聞き取り調査(NHIS)から、20~79歳66万4,969例分のデータを分析して行われた。全米国民レベルと、人口動態的なサブグループ(年齢、性別、人種/民族、教育レベル)の有病率と発生率を算出し評価した。 主要評価項目は、糖尿病(1型および2型)の有病率と発生率の、年間発生率の変化(APC)であった。80年代は有意な変化みられず、90年代以降に倍増、しかし2008年以降は横ばい 補正後の有病率と発生率のAPCは、1980年代は有意な変化がみられなかった(有病率:0.2%[p=0.69]、発生率:-0.1%[p=0.93])。しかし、1990~2008年の間はいずれも有意な急増が認められた(有病率:4.5%[p<0.001]、発生率:4.7%[p<0.001])。その後、2008~2012年は有意な変化はみられなくなり横ばいに推移していた(有病率:0.6%[p=0.64]、発生率:-5.4%[p=0.09])。 有病率は100人当たり、1990年は3.5(95%信頼区間[CI]:3.2~3.9)、2008年は7.9(同:7.4~8.3)、2012年は8.3(同:7.9~8.7)であった。 発生率は1,000人当たり、1990年は3.2(同:2.2~4.1)、2008年は8.8(同:7.4~10.3)、2012年は7.1(同:6.1~8.2)であった。 サブグループの動向も大半は同様のものであったが、非ヒスパニック系白人との比較で、非ヒスパニック系黒人(p=0.03)、ヒスパニック系(p=0.01)では増大が続いていることが示された。また、有病率の増大が、高卒超の教育レベルの人と比べて高卒以下の人で有意に高かった(中卒までp=0.006、高卒p<0.001)。

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57)インスリン分泌の今を教える方法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、インスリン注射になるのが心配で・・・私の身体の中には、どのくらいインスリンが残っていますか? 医師この間の検査結果から、計算してみましょう。 患者よろしくお願いします。 医師インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の機能を100%とすると、50%前後で糖尿病と診断されます。 患者半分くらいになると、糖尿病になるということですね。 医師そうですね。そして、だんだんβ細胞機能が低下してきて・・・ 患者低下してきて・・・ 医師15%くらいになると、飲み薬の効きが悪くなり、インスリンの治療が必要になるとのデータがあります。 患者私はどのくらいですか? 医師この間の検査結果から計算すると、だいたい30%くらいですね。 患者そうですか。膵臓に負担をかけないようにしないといけませんね。●ポイントインスリン分泌能とインスリン注射の必要性について、分かり易く説明します●資料HOMA-β=360×空腹時インスリン値 [μU/mL] ÷ (空腹時血糖値 - 63)。空腹時血糖値130mg/dLで信頼性が高いとされる。英国のUKPDSから、50%前後で2型糖尿病と診断され、15%前後で経口薬の効果が薄れ、インスリン治療に変更された。 1) Kendall DM, et al. Am J Med. 2009; 122: s37-50. 2) Reaven GM. Diab Vasc Dis Res. 2009; 6:133-138.

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コレステロール摂取は糖尿病発症と関連するか

 コレステロールや卵の摂取量と2型糖尿病リスクとの関連について、欧米諸国での報告は限定的で一貫性がない。国立国際医療研究センターの黒谷 佳代氏らは、日本人の多目的コホート研究(JPHC study)において、食事性コレステロールと卵摂取と2型糖尿病のリスクの関連をプロスペクティブに検討した。その結果、コレステロールや卵の摂取量と2型糖尿病のリスク増加との関連はみられなかった。ただし閉経後の女性では、コレステロールの摂取量が多いと2型糖尿病のリスクが低かった。The British journal of nutrition誌オンライン版2014年9月18日号に掲載。 対象は、JPHC studyの2回目の調査に参加し、2型糖尿病やその他重篤な疾患の履歴がなかった45~75歳の男性2万7,248人と女性3万6,218人。食事性コレステロールと卵の摂取量は147項目の食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて推定した。5年間に診断されたことを自主報告した2型糖尿病のオッズ比を多重ロジスティック回帰で推定した。 主な結果は以下のとおり。・全部で1,165例が新たに2型糖尿病と診断されたことを報告した。・男性では食事性コレステロールの摂取量は2型糖尿病リスクと関連していなかったが、女性では、統計的に有意ではないが、摂取量の最低四分位に比べて最高四分位で2型糖尿病リスクのオッズが23%低かった(傾向のp=0.08)。・このリスク減少は閉経後の女性でやや多く、コレステロール摂取量の最低四分位と比べた最高四分位の多変量補正後のオッズ比は0.68(95%CI:0.49~0.94、傾向のp=0.04)であった。・卵の摂取量と2型糖尿病リスクとの関連は、男女とも認められなかった。

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新たな生体吸収性ステントは金属ステントと同等/Lancet

 エベロリムス溶出ステントの新たなデバイスである生体吸収性スキャフォールドステントについて、エベロリムス溶出金属製ステントと比較検討した試験ABSORB IIの結果が報告された。英国・インペリアルカレッジのPatrick W Serruys氏らが虚血性心疾患患者501例を対象に行った単盲検多施設無作為化試験の1年時点の評価において、安全性、有効性は同等であった。また事後解析の有害事象報告において狭心症発生の低下が報告され、著者は、さらなる臨床的・生理学的調査の根拠を示す所見が得られたと述べている。エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドステントは、冠動脈疾患治療において急速に使用が広がっているが、従来の金属製ステントと比較検討したデータはこれまで報告されていなかった。Lancet誌オンライン版2014年9月14日号掲載の報告。スキャフォールドステントvs. 金属製ステントを検討 試験は、ヨーロッパとニュージーランドの46施設で、異なる心外膜に心筋虚血と1または2個の新規病変が確認された18~85歳の患者を登録し、エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドステント(Absorb)またはエベロリムス溶出金属製ステント(Xience)で治療を受ける群に2対1の割合で無作為に割り付けて行われた。無作為化では、糖尿病の病状、事前に計画した標的病変数による層別化も行われた。 主要エンドポイントは2つで、血管運動(3年時の狭心症薬投与前後の平均内腔径の変化で評価)と、最小内腔径(狭心症薬投与後)の術後と3年時の差であった。副次エンドポイントは、定量的血管造影と血管エコーで評価した手術成績、複合臨床エンドポイント(死亡・心筋梗塞・冠血行再建術)、デバイスおよび手術の成功、6ヵ月、12ヵ月時点で評価したシアトル狭心症質問票(SAQ)による狭心症評価および運動負荷試験の結果などであった。また事後解析で、有害事象報告に基づく狭心症の累積発生率を評価した。1年時点の累積狭心症発生率、スキャフォールドステント群が有意に低率 2011年11月28日~2013年6月4日に501例が登録・無作為化を受けた(スキャフォールドステント群335例・364病変、金属製ステント群166例・182病変)。手術に関して、デバイス留置後のバルーン拡張の実施は両群で同程度に行われたが、拡張圧、最高圧時のバルーン径は、金属製ステントのほうが有意に大きかった。一方で、留置直後のリコイルは同等であった(両群とも0.19mm、p=0.85)。定量的冠動脈造影で評価した内腔径の増大(1.15mm vs. 1.46mm、p<0.0001)、血管エコーの評価(2.85 mm2vs 3.60mm2、p<0.0001)は、スキャフォールドステント群のほうが有意に低く、結果として内腔径または術後領域が同程度となった。 しかしながら、1年時点の累積狭心症発生率(有害事象報告からの新規または再発例)は、スキャフォールドステント群が有意に低率だった(72例[22%]vs. 50例[30%]、p=0.04)。しかし、最大運動負荷時および狭心症SAQ評価の結果は同等だった。 1年時の複合デバイス関連エンドポイント(心臓死、標的血管の心筋梗塞、臨床的に認められた標的病変の血行再建術)でみた標的病変の治療失敗は、同等だった(16例[5%]vs.5例[3%]、p=0.35)。 発生が確認または疑われたステント血栓症は、スキャフォールドステント群3例(急性1例、亜急性1例、遅発1例)、金属製ステント群では認められなかった。 主要心臓有害事象の発生は、スキャフォールドステント群17例(5%)、金属製ステント群5例(3%)で認められ、心筋梗塞(15例[4%]vs. 2例[1%])が最も多かった。標的病変の血行再建術は4例(1%)vs. 3例(2%)であった。

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