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日本で唯一のマクロライド系抗菌点眼薬「アジマイシン点眼液1%」【下平博士のDIノート】第39回

日本で唯一のマクロライド系抗菌点眼薬「アジマイシン点眼液1%」今回は、わが国で唯一のマクロライド系抗菌点眼薬である「アジスロマイシン水和物点眼液」(商品名:アジマイシン点眼液1%、千寿製薬)を紹介します。本剤は、結膜、角膜、眼瞼への移行性や滞留性が良好なため、少ない点眼回数で眼感染症の治療が可能となります。<効能・効果>本剤は結膜炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎の適応で、2019年6月18日に承認され、2019年9月11日より発売されています。<用法・用量>《結膜炎》通常、成人および7歳以上の小児には、1回1滴、1日2回2日間、その後、1日1回5日間点眼します。《眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎》通常、成人には、1回1滴、1日2回2日間、その後、1日1回12日間点眼します。<副作用>細菌性結膜炎を対象とした国内第III相試験(3-01、3-06)と細菌性の眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎を対象とした国内第III相試験(3-02)の3試験において、アジスロマイシン点眼液が投与された安全性評価対象726例のうち、73例(10.1%)に副作用が認められました。主な副作用は、眼刺激32例(4.4%)、眼そう痒症9例(1.2%)、眼痛7例(1.0%)、点状角膜炎5例(0.7%)でした。なお、重大な副作用として、角膜潰瘍などの角膜障害(頻度不明)、ショック、アナフィラキシー(頻度不明)が報告されています(承認時)。<患者さんへの指導例>1.この薬は、細菌の増殖を抑える作用により、目の感染症を治療します。2.薬を使用中に目の異物感、目の痛みなどの症状が現れた場合は、ただちに投与を中止して受診してください。3.開栓前は冷蔵庫、開栓後は室温で保管し、高温環境下や直射日光が当たる場所での保管は避けてください。4.点眼後、しばらく目がぼやけることがあるので、視界がはっきりするまで安静にしてください。5.ベトベト感が気になる場合は、朝の洗顔や入浴前に点眼して、点眼後5分以上経過したら、目の周りに付いた薬液を洗い流すとよいでしょう。6.決められた日数を点眼した後は薬剤を廃棄し、再使用はしないでください。<Shimo's eyes>本剤は、日本で唯一のマクロライド系抗菌点眼薬として発売されました。既存の抗菌点眼薬は1日3~5回投与なので日中の点眼が難しいこともありましたが、本剤は1日1~2回と少ない点眼回数での治療が可能です。点眼方法は、初日と2日目は1日2回、3日目以降は1日1回を、結膜炎では7日間、眼瞼炎・麦粒腫・涙嚢炎では14日間継続します。処方箋に点眼日数が記載されていない場合は、疑義照会で確認しなければなりません。本剤は、成分の滞留性向上のために、添加剤にポリカルボフィルが配合されたDDS製剤です。粘性が強いので、キャップをしたまま容器を下に向けて数回振り、薬液をキャップ側に移動させてから点眼します。点眼後しばらくは視界がぼやけることがあるため、転倒しないように注意が必要です。目の周りのベトベト感が気になる場合は、点眼後5分ほど経過したら目の周りを洗い流してよいことを伝えましょう。なお、2種類以上の点眼薬を併用する場合には、本剤を最後に点眼することで、他の点眼薬への影響を減らすことができます。近年、薬剤耐性菌およびそれに伴う感染症の増加が国際的に問題となっていることから、厚生労働省より「アジスロマイシン水和物点眼剤の使用に当たっての留意事項について」が発出されています。患者さんには、残存菌による再発や耐性菌獲得リスクの点から、自覚症状がなくなっても決められた点眼日数を必ず守るように指導しましょう。参考1)PMDA アジマイシン点眼液1%2)アジスロマイシン水和物点眼剤の使用に当たっての留意事項について

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デュルバルマブの進展型小細胞肺がん、FDAの優先審査指定に/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2019年11月29日、デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)が治療歴のない進展型小細胞肺がん(SCLC)患者に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から生物製剤承認一部変更申請(sBLA)に対する優先審査指定を受けたことを発表。 このsBLAは、The Lancet誌に掲載された第III相CASPIAN試験の良好な結果に基づいて行われた。CASPIAN試験は、進展型SCLC患者の1次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第III相試験。同試験では、デュルバルマブと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用と化学療法単独、および、デュルバルマブ、トレメリムマブ、化学療法の併用と化学療法単独を比較したもの。全生存期間(OS)を主要評価項目とし、米国、欧州、南米、アジア、中東の 23カ国200以上の施設で実施されている。 同試験において、化学療法単独群のOS中央値は10.3ヵ月であったのに対し、デュルバルマブと化学療法併用群はOS中央値13.0ヵ月を示し、統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSの延長を示した(ハザード比:0.73)。治療開始後18ヵ月時点で生存している患者の割合は、デュルバルマブ・化学療法併用群では33.9%、化学療法単独群では24.7%と推計され、併用療法によるOS延長のベネフィットが示された。 デュルバルマブの小細胞肺がん治療薬としての適応は本邦では未承認である。

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ベンゾジアゼピン治療と自殺リスク

 不安症および睡眠障害のマネジメントのためのガイドラインでは、抗うつ薬治療と心理療法を第1および/または第2選択治療とし、ベンゾジアゼピン(BZD)は、第3選択治療としている。米国・コロラド大学のJennifer M. Boggs氏らは、自殺による死亡とBZDガイドラインコンコーダンスとの関連について評価を行った。General Hospital Psychiatry誌オンライン版2019年11月17日号の報告。 Mental Health Research Networkより、米国8州のヘルスシステムから不安症および/または睡眠障害を有する患者を対象とした、レトロスペクティブ症例対照研究として実施した。自殺による死亡症例は、年およびヘルスシステムにおいて対照とマッチさせた。適切なBZDの使用は、単独療法でない、長期使用でない、65歳未満であると定義した。ガイドラインコンコーダンスと自殺による死亡との関連は、診断および治療の共変量で調整し、評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、不安症患者6,960例(BZDR使用患者:2,363例)、睡眠障害患者6,215例(BZDR使用患者:1,237例)。・BZDガイドラインコンコーダンスは、不安障害患者の自殺率低下と関連が認められた(OR:0.611、95%CI:0.392~0.953、p=0.03)。このことには、BZDの使用を短期間にすること、心理療法または抗うつ薬を併用することも影響していた。・BZDガイドラインコンコーダンスと自殺による死亡との関連において、睡眠障害患者では、有意な関連が認められなかった(OR:0.413、95%CI:0.154~1.11、p=0.08)。 著者らは「BZDを短期間使用し、心理療法または抗うつ薬治療を併用した不安症患者では、自殺率が低いことが明らかとなった」としている。

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医療者が共有できていない、重症低血糖とその背景

 2019年10月29日、日本イーライリリー主催のプレスセミナー「糖尿病患者さんと家族の意識調査から見る、重症低血糖の実態」が開催され、山内 敏正氏(東京大学大学院医学研究科糖尿病・代謝内科 教授)が「低血糖・重症低血糖について」、岩倉 敏夫氏(神戸市立医療センター中央市民病院)が「糖尿病患者さんと家族調査結果から見える課題」と題して重症低血糖について解説した。会の後半に行われたトークセッションでは、患者代表の大村 詠一氏(元エアロビック競技日本代表)が、低血糖発現時の状況や医療者とのコミュニケーションに関する本音を語った。重症低血糖はどう重症なのか? 低血糖は食事摂取量の低下や摂取時間の遅れ、エネルギー消費の増大、インスリン感受性の改善、薬剤の影響などが原因で生じる。これに対する生理反応として、血糖値がおおよそ70mg/dL以下になると交感神経や中枢神経症状などが起こりやすい。 一般的に重症低血糖は、非糖尿病者では生理的に来しえない54mg/dL未満の場合と、低血糖の回復に際し“他者による介助が必要な重度認知機能障害に関連する低血糖”に定義される。この状態に陥ると、糖尿病患者の脳や筋骨格系、心血管系に影響し、急性期では認知機能や作業パフォーマンスの低下、慢性期ではQOL低下や運転・雇用の制限などの問題を抱えてしまう。これを踏まえて山内氏は「重症低血糖は短期的かつ長期的に悪影響を与え、生命を脅かす危険性がある。とくに認知機能における記憶や言語処理などに影響を及ぼす」とコメントし、「まずは、低血糖に対する本人の自覚が大切。しかし、運動後6~15時間後の低血糖発生は夜間睡眠時に及ぶ場合もある。このような場合を踏まえ、本人だけではなく周囲の理解も必要」と話した。重症低血糖を発症しやすい患者とは 日本糖尿病学会による糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会報告(1型糖尿病[T1D]:240例、2型糖尿病[T2D]:480例)では発症者の傾向を病型別に分けて調査している。この調査報告によると、T1DとT2Dの平均HbA1c値はそれぞれ、7.5%、6.8%であった。前駆症状(交感神経系刺激症状)の発現率は、T1Dで41%、T2Dで56.9%の患者に見られ、重症低血糖の発症年齢の中央値はT1Dが54歳、T2Dの中央値は77歳、とくにT2D患者は65歳以上が83%を占めていた。過去に重症低血糖を起こし受診歴がある患者はそれぞれ67.8%、33.1%であった。また、重症低血糖に影響した要因について、医師への調査によると、食事の内容・タイミングの不適合が最も多く、全体の40%を占めた。次いで、薬剤の過量もしくは誤投与が27%と続いた。T2Dに限定して症低血糖の原因薬剤を抽出したところ、インスリン群で61%、SU薬群で33%であった。この結果を踏まえ同氏は、「重症低血糖は防げるにもかかわらず、同一患者が複数回起こしているケースがある。本人・家族だけではなく医療者による工夫も必要」と問題提起した。 また、重症低血糖の発症患者として高齢者が問題視されている。とくに75歳以上の2型糖尿病のSU治療群での低血糖割合が多い。熊本宣言2013を受け、75歳以上の高齢者に対するHbA1c値のあり方が厳格化されつつある中で、「75歳以上のSU薬使用においてHbA1cの下限値7.0%を設けたことは世界で初の試みだった。これがさらに浸透すれば今回の調査報告に比べ低血糖症状の患者が半数以下に減らせるのではないか」と、同氏は今後の結果報告に期待した。医療者、6割もの患者の低血糖症状を把握できず 重症低血糖による意識障害に陥った場合、第三者(家族、友人、介護者…)によるフォローが患者の生命予後の鍵となる。重症低血糖対策への意識調査を糖尿病患者とその家族に実施した岩倉氏によると、低血糖の認知度の高さに(糖尿病患者:77%、糖尿病患者の同居家族:76%)比して、「重症低血糖の認知はそれぞれ25%、40%にとどまった」と、現状を懸念した。 重症低血糖を経験した患者では予防策に対する意識が高く、「ブドウ糖を含む飲食物を摂取」「血糖測定の実施」のほか、「食事の量」や「運動」に注意を払っていた。しかし、重症低血糖に関する相談や情報共有を医療者と共有している患者はたったの37%しかいないことが明らかになった。なお、相談される医療者は、医師、薬剤師、看護師の順であったが、岩倉氏は「患者から直接相談されるだけではなく、薬剤師や看護師などから患者情報を得ることもある」とコメントした。年齢を重ねると低血糖症状にも変化 最後に行われたトークセッションでは、患者代表の大村氏が自身の経験や血糖値管理の本音を吐露。幼少期から1型糖尿病を発症した同氏は「外食の場合、写真と実物の量が異なることがあるので、配膳されてから注射するなど、糖質が配膳されるタイミングで投与するなどの工夫をしている」と話した。また、同氏の場合、血糖値が20~30mg/dL程度にならないと重症低血糖の症状が表れず、日頃から60~70mg/dLの値を経験していたという。そのため、「先生に低血糖の有無を聞かれても、自覚症状がないので言わないこともある。さらに、加齢に伴い低血糖症状にも変化が表れているので、患者自身が身体変化について医療者と共有する意識を持つことが大切」と実体験を語った。これに、岩倉氏は「まずは血糖値を知って不安を払拭することが何よりも大切」と、アドバイスした。

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リンパ節転移陽性の早期TN乳がん、術前にペムブロリズマブ追加でpCR改善(KEYNOTE-522)/SABCS2019

 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して、術前補助化学療法にペムブロリズマブを追加すると病理学的完全奏効(pCR)率が有意に改善したことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で報告されている(KEYNOTE-522試験)。12月10~14日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)では、本試験のサブグループにおけるpCR率が報告され、リンパ節転移陽性例においてもpCR率が有意に改善したことが示された。英国・Barts Cancer Institute, Queen Mary University LondonのPeter Schmid氏が発表。 本試験は、2017年3月~2018年9月に新規に診断された21カ国の18歳以上の転移のない早期TNBC患者1,174例が対象。術前補助療法として、ペムブロリズマブ+化学療法(ペムブロリズマブ群)またはプラセボ+化学療法(プラセボ群)に2:1に無作為に割り付けた。術前補助療法後、根治的手術を実施、適応があれば放射線療法を実施した。その後、再発または許容できない毒性が発現するまで、ペンブロリズマブまたはプラセボを投与した。主要評価項目は、pCRおよび無イベント生存(EFS)。 ESMO2019では、PD-L1の発現に関係なく、ペムブロリズマブ群(64.8%)はプラセボ群(51.2%)と比べpCR率が有意に高いことが報告された。今回のサブグループ解析ではリンパ節転移陽性例においても、ペムブロリズマブ群(64.8%)がプラセボ群(44.1%)に比べ有意に高いことが示された。

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院内心停止の生存率を左右する予後因子とは/BMJ

 院内心停止患者では、心停止前に悪性腫瘍や慢性腎臓病がみられたり、心停止から自己心拍再開までの蘇生時間が15分以上を要した患者は生存の確率が低いが、目撃者が存在したり、モニタリングを行った患者は生存の確率が高いことが、カナダ・オタワ大学のShannon M. Fernando氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年12月4日号に掲載された。院内心停止は生存率が低く、臨床的知識の多くは院外心停止に関する豊富な文献からの推測だという。院内心停止と関連する心停止前および心停止中の予後因子の理解は、重要な研究分野とされる。心停止前・中の予後因子をメタ解析で評価 研究グループは、院内心停止後の生存に関わる心停止前および心停止中の予後因子を評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 2019年2月4日現在、医学関連データベース(Medline、PubMed、Embase、Scopus、Web of Science、Cochrane Database of Systematic Reviews)に登録された文献を検索した。また、英国のNational Cardiac Arrest Audit(NCAA)データベースの未発表データを調査した。対象は、心停止前および心停止中の予後因子と、心停止後の生存の関連を評価した英語の文献とした。 データの抽出は、PROGRESS(prognosis research strategy group)の推奨と、CHARMS(critical appraisal and data extraction for systematic reviews of prediction modelling studies)のチェックリストに準拠して行った。バイアスのリスクは、QUIPS(quality in prognosis studies)のツールを用いて評価した。 主解析では、関連する交絡因子を補正したうえでデータを統合した。エビデンスの確実性の評価には、GRADE(grading of recommendations assessment, development, and evaluation)approachが用いられた。患者との予後や事前指定の話し合いに利用できるデータ 主解析には23件のコホート研究が含まれた。12件(52.2%)が北米、6件(26.1%)が欧州、4件(17.4%)がアジア、1件(4.3%)がオーストラリアの研究であった。13件(56.5%)が後ろ向き研究で、13件(56.5%)は多施設共同研究だった。 心停止前の因子のうち、院内心停止後の生存オッズを低下させたのは、男性(オッズ比[OR]:0.84、95%信頼区間[CI]:0.73~0.95、エビデンスの確実性:中)、年齢60歳以上(0.50、0.40~0.62、低)、年齢70歳以上(0.42、0.18~0.99、低)、活動性の悪性腫瘍(0.57、0.45~0.71、高)、慢性腎臓病(0.56、0.40~0.78、高)であった。 1件の研究のみのデータではあるが、うっ血性心不全(OR:0.62、95%CI:0.56~0.68、エビデンスの確実性:中)、慢性閉塞性肺疾患(0.65、0.58~0.72、中)、糖尿病(0.53、0.34~0.83、中)も、生存オッズを低下させた。 心停止中の因子では、院内心停止後の生存オッズを上昇させたのは、目撃者のいる心停止(OR:2.71、95%CI:2.17~3.38、エビデンスの確実性:高)、遠隔測定(テレメトリ)によるモニタリングが行われた心停止(2.23、1.41~3.52、高)、日中(病院に十分なスタッフがいる時間と定義、施設によりばらつきあり)の心停止(1.41、1.20~1.66、高)、初回ショック適応のリズムを伴う心停止(5.28、3.78~7.39、高)であった。 一方、挿管を要する心停止(OR:0.54、95%CI:0.42~0.70、エビデンスの確実性:中)および15分以上の蘇生時間(心停止から自己心拍再開までの時間)(0.12、0.07~0.19、高)は、生存オッズを低下させた。 著者は、「院内心停止後のアウトカムと関連する重要な予後因子が同定された。これらのデータは、院内心停止後に予測される予後や、心肺蘇生に関する事前指定について、患者と話し合う際に使用可能と考えられる」としている。

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ついに成立した薬機法改正 国民が期待するのは?【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第16回

先日、国会で審議されていた医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)の改正法案が成立しました。薬剤師や薬局にかかる部分においては、服用期間中のフォロー、遠隔服薬指導、薬局のガバナンス強化など、影響の大きい改正があります。この法改正の概要については、これまでもこのコラムで言及してきましたが、薬剤の提供に際して、従来の情報提供指導などに、薬剤の使用状況を継続的かつ的確に把握したうえでの指導などが加わり、対人業務が強化されていくことは間違いありません。「調剤業務のあり方について」(薬生総発0402第1号 平成31年4月2日 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長)が発出されたことも踏まえ、業界にとって大きな変革になりそうです。さらには、ガバナンスの強化についても、法令順守の要求が大きくなり、今まで以上に、薬局の体制作りや現場で働く薬剤師の意識が重要となるでしょう。国民は「遠隔服薬指導」に期待している?本改正に関する一般向けの報道では、遠隔服薬指導に関する内容の多さが印象的でした。今回の改正では、全面的な解禁ではなく、今後さまざまな条件が省令やガイドラインなどで定められる見込みですが、国民からの期待は大きいようです。もちろん、利便性のみならず、医療安全の観点からも検討を要することは言うまでもなく、簡単な議論ではないと思います。国民の意識も踏まえて、今後の対応を検討していく必要があるでしょう。本改正のうち、服用期間中のフォローなどについては公布から1年以内に施行、薬局のガバナンスは2年以内の施行となっておりますが、まだ具体的な施行日は決まっていません。来年は調剤報酬の改定も控えており、その対応も必要でしょうから、今から法改正の準備をしておいたほうが安心かもしれません。今後、省令案が出され、具体的な内容がさらに示されていくとは思いますが、今から情報を得て、準備を進めておくべきでしょう。附帯決議で問われた医薬分業のあり方改正に当たり、以下の附帯決議が衆参両院でなされています。衆議院厚生労働委員会附帯決議(一部抜粋)7.添付文書の電子化に当たっては、添付文書の情報が改訂された際に、それが直ちに確実に伝達されるための環境整備を図ること。また、災害等により、停電やサーバーに不具合が発生したような場合の添付文書情報へのアクセスを確保するための方策について検討すること。8.これまで進めてきた医薬分業の成果と課題を踏まえ、患者の多くが医薬分業のメリットを実感できるような取組を進めること。9.健康サポート薬局の届出数が少数にとどまっている現状を踏まえ、その要因を分析して検討し、必要な対策を講ずること。14.「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」で提言された法違反時の役員変更命令の法定化について、本法の施行状況を踏まえ検討を行うこと。参議院厚生労働委員会附帯決議(一部抜粋)5.添付文書の電子化に当たっては、添付文書の情報が改訂された際に、それが直ちに確実に伝達されるための環境整備を図ること。また、災害等により、停電やサーバーに不具合が発生したような場合の添付文書情報へのアクセスを確保するための方策について検討すること。6.これまで進めてきた医薬分業の成果と課題を踏まえ、患者の多くが医薬分業のメリットを実感できるような取組を進めること。10.「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」で提言された、責任役員による許可等業者の法冷遵守を担保するため、必要な場合に、当該責任役員の変更を命じることができるものとする措置について、本法の施行状況を踏まえ引き続き検討すること。いずれにおいても、「医薬分業のメリットを実感できるような取り組み」について言及されていることは、薬剤師として重く考えなければならないでしょう。今回は、薬局・薬剤師についてかなりの議論がされた法改正についてでした。薬剤師は、この期待に応えられるよう、心して取り組んでいかなければならないと考えます。参考衆議院 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議参議院 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

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海洋由来オメガ3脂肪酸と大腸がん予防効果/JAMA Oncol

 オメガ3脂肪酸には植物由来と海洋由来があるが、本稿は海洋由来オメガ3脂肪酸の話題。米国・ハーバード公衆衛生大学院のMingyang Song氏らは、「Vitamin D and Omega-3 Trial:VITAL試験」で事前に設定された補助的研究において、海洋由来オメガ3脂肪酸(1日1g)の摂取は大腸がん前がん病変リスクの減少と関連しないことを明らかにした。ただし副次解析で、ベースラインのオメガ3濃度が低い参加者やアフリカ系米国人に関しては有益性を示す結果がみられ、筆者は、これらの対象についてはサプリメントの有益性についてさらなる調査が必要であると述べている。JAMA Oncology誌オンライン版2019年11月21日号掲載の報告。 研究グループは2011年11月~2014年3月に、がんおよび心血管疾患の既往がない米国の一般集団2万5,871例(うちアフリカ系米国人5,106例)を登録し、海洋由来オメガ3脂肪酸1g/日(エイコサペンタエン酸[EPA]460mgとドコサヘキサエン酸[DHA]380mgを含む)およびビタミンD3(2,000 IU/日)を投与する群と、プラセボ群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、大腸の通常型腺腫(管状腺腫、管状絨毛腺腫、絨毛性腺腫および高度異形成腺腫など)または鋸歯状病変(serrated polyp:SP)(過形成性ポリープ、鋸歯状腺腫およびsessile serrated polypなど)のリスクとした。追跡調査のアンケートでポリープの診断を受けたと報告した参加者(ポリープサブグループ)については、内視鏡および病理学的記録にて診断を確認。ロジスティック回帰分析を用い、年齢、性別、ビタミンD3治療群および内視鏡検査の使用について補正後、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出して評価した。 主な結果は以下のとおり。・投与群とプラセボ群で患者背景は類似していた。女性50.6%、50.5%、黒人19.7%、19.8%、平均年齢は67.2歳、67.1歳。・介入は予定どおり2017年12月31日に終了。追跡期間中央値5.3年において、通常型腺腫が投与群294例、対照群301例(多変量OR:0.98、95%CI:0.83~1.15)、鋸歯状病変がそれぞれ174例、167例(OR:1.05、95%CI:0.84~1.29)が記録された。・ポリープサブグループにおいて、大きさ、位置、多発性または組織型で関連はなかった。・副次解析において、ベースラインの血漿中オメガ3指数が低い参加者で、海洋由来オメガ3脂肪酸の投与が通常型腺腫のリスク低下と関連していた(OR:0.76、95%CI:0.57~1.02、オメガ3指数による相互作用のp=0.03)。・サプリメントによる有益性は、アフリカ系米国人集団で示されたが(OR:0.59、95%CI:0.35~1.00)、他の人種/民族集団ではみられなかった(相互作用のp=0.11)。

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肺がん治療を変えたものは?医師が選ぶベスト10を発表

 2019年12月6日~8日まで日本肺学会学術集会が行われた。60回目という節目を迎えた今回は、特別企画として「肺がん医療のこれまでの60年を振り返り、これからの60年を考える」と題したシンポジウムが行われた。ここでの目玉は、学会員にアンケート形式で聞いた「肺がん治療史ベスト10」。肺がん治療において画期的だったと思われる出来事をランキング形式で挙げるというこの企画、当日発表されたベスト10は以下の通りだった。 1位 遺伝子変異の発見・分子標的薬の登場 2位 免疫療法の発見・承認 3位 低侵襲性手術の導入 4位 CTの開発・導入 5位 ゲノム医療・NGS/プレシジョンメディシン 6位 放射線治療の進歩 7位 気管支鏡検査 8位 シスプラチン(プラチナ製剤)の登場 9位 支持療法の進歩 10位 肺縮小手術の確立 1位の「分子標的薬の登場」は90年代後半、2位の「免疫療法の発見・承認」にいたっては2010年代に入ってからのトピックスであり、肺がん治療のここ数十年での急激な進展を学会員も実感していることが浮き彫りとなった。会場では、会長の光冨 徹哉氏(近畿大学)をはじめ、年代の異なる医師3人と患者連絡会の代表が、それぞれの立場からランキング結果への感想や治療法への思いを述べた。 「肺学会に望むこと」を聞いたアンケート結果も発表され、「認定医や専門医制度の発足」「より一層の国際化」「学会に行かなくても教育的講演を聞けるようにしてほしい」などの声が寄せられていた。

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知っておくべきガイドラインの読み方/日本医療機能評価機構

 日本で初となるGRADE Centerが設立された。これにより、世界とガイドライン(GL)のレベル統一が図れるほか、日本のGLを世界に発信することも可能となる。この設立を記念して、2019年11月29日、公益財団法人日本医療機能評価機構がMinds Tokyo GRADE Center設立記念講演会を実施。福岡 敏雄氏(日本医療機能評価機構 執行理事/倉敷中央病院救命センター センター長)が「Minds Tokyo GRADE Center設立趣旨とMindsの活動」を、森實 敏夫氏(日本医療機能評価機構 客員研究主幹)が「Mindsの診療ガイドライン作成支援」について講演し、GL活用における今後の行方について語った。そもそもGRADEとは何か 近年のGLでよく見かけるGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)アプローチとは、エビデンスの質と益と害のバランスなどを系統的に評価する方法で、診療ガイドライン(CPG)作成において世界的に広く受け入れられているものである。また、GRADE CenterはGRADEアプローチを普及させる国際的な活動組織であり、2019年現在、米国、カナダ、ドイツなどで設立されている。患者・市民を巻き込むガイドラインが主流に 今回の主催者であるEBM普及推進事業Minds(Medical Information Network Distribution Service)は、厚生労働省の委託を受け、公益財団法人日本医療機能評価機構が運営する事業である。単なる情報提供にとどまらず、CPGの普及などにも広く貢献するほか、4つの取り組み(1.CPG作成支援、2.CPG評価選定・公開、3.CPG活用促進、4.患者・市民支援[CPG作成・活用に関わる])を行っている。 1では、CPG作成のためのマニュアル作成(Minds診療ガイドライン作成マニュアルは2020年改訂版の発刊を予定)に力を入れている。2では、AGREE IIを利用した評価を複数人で実施、公開に際しては各ガイドラインの出版社などにも許可を得ている。3、4は現在の課題であり、福岡氏は「医師・医療者と患者・家族とのインフォームドコンセントをより効率的で安全に行えるように支援し、患者の願い、家族の思いやそれぞれの負担など患者視点を導入しなければガイドラインのレベルが向上しないと言われている」と現行GLの問題点について指摘。さらに「どうやってガイドラインに患者を取り入れていくか、現場で使用するなかで患者と協調していくのかが、国際会議でも重要なトピックとして語られている」と述べた。日本がGRADEで認められた意味とメリット 今回、世界13番目のGRADEセンターに認定された経緯について、同氏はCPG作成支援が評価された点を挙げ、「われわれはセミナー・ワークショップや意見交換会、そして、オンデマンド相談会などを行っている。この活動によって、GLの作成段階で患者視点を取り入れる例が増加している。これによりGLが現場で活用しやすく、患者・家族に受け入れてもらいやすくなる」と、説明した。 さらに、GRADE認定されたメリットについて、「GRADEで認められると海外GL作成チームとディスカッションが可能になるばかりか、日本のGL作成ノウハウを海外に輸出することもできる」と、日本がGRADEから情報を受けるだけではなく、日本人の努力が世界に発信できる状況になったことを喜び、「GRADE内では、未来のGL作成者のための世界共通プラットフォームやトレーニングコース開設の動きもある」とも付け加えた。 GRADEアプローチでは、推奨を“向き”(実施することを or 実施しないことを)と“強さ”(強く推奨する or 弱く[条件付きで]推奨する)で表す。これについて、CPG作成支援活動を行う森實氏は、「弱い推奨の場合、条件付きという語を“裁量的”や“限定的”と表現することも可能である。それゆえ“個別の患者さんに合わせた決断が必要”で、患者さんの価値観・好みに合わせた結論に到達することを手助けする必要がある。そのためには何らかの決断支援ツールが有用」と述べ、「その方法として、患者にシステマティックレビューの結果をわかりやすく提示することも重要」とコメントした。 最後に、福岡氏は「ガイドライン作成の目的は、より良い社会作りと市民の幸せを前提とするべきである。専門家のためのみの作成ではない」と強調しつつ、「GRADEの進化はすさまじく、少しでも見失うと議論はあっという間に進んでいる。世界のGRADEミーティングに参加することで最新情報をキャッチアップしたい」と、締めくくった。

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うつ病や統合失調症リスクに対する喫煙の影響

 統合失調症やうつ病の患者では、一般集団と比較し喫煙率が高い。英国・ブリストル大学のRobyn E. Wootton氏らは、ゲノムワイド関連研究(GWAS)で特定された遺伝子変異を使用して、この因果関係を調べることのできるメンデルランダム化(MR)法を用いて検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2019年11月6日号の報告。 統合失調症およびうつ病に対する喫煙の双方向の影響を調査するため、2つのサンプルにおけるMRを実施した。喫煙行動についてはGSCAN(GWAS and Sequencing Consortium of Alcohol and Nicotine use)コンソーシアムから喫煙開始のGWASを使用し、UK Biobankの46万2,690サンプルより生涯の喫煙行動に関する独自のGWASを実施した。肺がんなどのポジティブコントロールアウトカムを用いて検証した。統合失調症とうつ病には、PGC(Psychiatric Genomics Consortium)のGWASを使用した。 主な結果は以下のとおり。・喫煙は、統合失調症(オッズ比[OR]:2.27、95%信頼区間[CI]:1.67~3.08、p<0.001)とうつ病(OR:1.99、95%CI:1.71~2.32、p<0.001)の両方のリスク因子であることが示唆された。・この結果は、生涯の喫煙と喫煙開始の両方で、一貫して認められた。・うつ病に対する遺伝傾向が喫煙を増加させる可能性が示唆されたが(β=0.091、95%CI:0.027~0.155、p=0.005)、統合失調症では明らかではなく(β=0.022、95%CI:0.005~0.038、p=0.009)、喫煙開始に対する影響は非常に弱かった。 著者らは「喫煙と統合失調症やうつ病の関連性は、少なくとも部分的に、喫煙の因果効果であることが示唆された。このことは、メンタルヘルスに対する喫煙の有害な結果をさらに示すものである」としている。

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ddTC療法、上皮性卵巣がんの1次治療でPFS改善せず/Lancet

 上皮性卵巣がん患者の1次治療において、毎週(weekly)投与を行うdose-dense化学療法は施行可能であるが、標準的な3週ごと(3-weekly)の化学療法に比べ無増悪生存(PFS)期間を改善しないことが、英国・マンチェスター大学のAndrew R. Clamp氏らが行った「ICON8試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2019年12月7日号に掲載された。上皮性卵巣がんの標準的1次治療は、従来、カルボプラチン(CBDCA)+パクリタキセル(PTX)の3週ごとの投与とされる。一方、日本のJGOG3016試験(Katsumata N, et al. Lancet 2009;374:1331-1338.、Katsumata N, et al. Lancet Oncol. 2013;14:1020-1026.)では、dose-dense weekly PTX+3-weekly CBDCAにより、PFSと全生存(OS)がいずれも有意に改善したと報告されている。2つのweeklyレジメンと標準治療を比較する無作為化試験 本研究は、6ヵ国(英国、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、韓国、アイルランド)の117施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2011年6月6日~2014年11月28日の期間に患者登録が行われた(Cancer Research UKなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、組織学的に上皮性卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がんが確認され、国際産婦人科連合(FIGO)の1988年分類でStageIC~IV、全身状態(PS)が米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)基準の0~2の新規診断患者であった。 被験者は、1群(CBDCA[AUC5または6]+PTX[175mg/m2]を3週ごとに投与する群[3-weeklyレジメン]、対照群)、2群(CBDCA[AUC5または6]を3週ごと+PTX[80mg/m2]を毎週投与する群[weekly PTXレジメン])、3群(CBDCA[AUC2]+PTX[80mg/m2]を毎週投与する群[weekly CBDCA+PTXレジメン])のいずれかに、無作為に割り付けられた。これら3週を1サイクルとする治療が、6サイクル行われた。 手術は次の2つの方法で行われた。(1)割り付け前に即時的な初回腫瘍減量手術(IPS)として施行し、術後に6サイクルの化学療法を行う方法、(2)術前化学療法を3サイクル行った後、計画された遅延的な初回腫瘍減量術(DPS)として施行し、術後にさらに3サイクルの化学療法を行う方法。 主要アウトカムは、PFSとOSの2つとし、intention-to-treat解析が行われた。ddTC療法は3-weeklyレジメンに比べPFS期間中央値を改善しなかった 1,566例が登録され、1(対照)群に522例、2群に523例、3群には521例が割り付けられ、それぞれ72%(365例)、60%(305例)、63%(322例)がプロトコールで定められた6サイクルの治療を完遂した。PTXの用量強度は、weeklyレジメンで高かった(総投与量中央値:1群1,010mg/m2、2群1,233mg/m2、3群1,274mg/m2)。 全体の年齢中央値は62歳(IQR:54~68)で、1,444例(93%)がECOG PS 0~1、1,073例(69%)が高Grade漿液性腺がん、1,119例(72%)がStageIIIC以上であった。また、746例(48%)がIPS、779例(50%)がDPSを受けた。 2017年2月20日の時点(追跡期間中央値36.8ヵ月)で、1,018例が病勢進行または死亡した(1群337例、2群338例、3群343例)。2つのweeklyレジメンは標準的な3-weeklyレジメンに比べ、いずれもPFS期間中央値を改善しなかった。境界内平均生存時間(restricted mean survival time:RMST)は、1群24.4ヵ月(97.5%信頼区間[CI]:23.0~26.0)、2群24.9ヵ月(24.0~25.9)、3群25.3ヵ月(23.9~26.9)であり、PFS期間中央値は同17.7ヵ月(IQR:10.6~未到達)、20.8ヵ月(11.9~59.0)、21.0ヵ月(12.0~54.0)であった(log-rank検定:2群vs.1群のp=0.35、3群vs.1群のp=0.51)。2年OS率は、1群が80%、2群が82%、3群は78%だった。 事前に計画されたサブグループ解析では、IPSコホートのRMSTは1群が32.6ヵ月、2群が33.0ヵ月、3群は33.3ヵ月、DPSコホートではそれぞれ18.6ヵ月、19.1ヵ月、19.6ヵ月であり、手術アプローチとweekly dose-dense治療に交互作用は認められなかった。 Grade3/4の毒性作用は、weeklyレジメンで頻度が高い傾向がみられた(1群42%、2群62%、3群53%)。発熱性好中球減少(4%、6%、3%)およびGrade2以上の感覚性ニューロパチー(27%、24%、22%)の頻度は3群でほぼ同等であった。Grade3以上の貧血は、2群(13%)が1群(5%)に比べ高頻度であった(p<0.0001)。 著者は、「本研究は日本のJGOG3016試験から着想を得たが、欧州人を中心とする集団ではweekly dose-dense PTXの生存利益は再現されなかった」としている。

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米国中高生にフレーバー電子タバコが蔓延/JAMA

 2019年の米国の高等学校(high school)および中学校(middle school)の生徒における電子タバコ使用者の割合は高く(それぞれ27.5%、10.5%)、特定の銘柄の電子タバコ使用者の多くがフレーバー電子タバコを使用(72.2%、59.2%)している実態が、米国食品医薬品局(FDA)タバコ製品センターのKaren A. Cullen氏らの調査で明らかとなった。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2019年11月5日号に掲載された。米国の青少年における電子タバコの使用率は、2011年から2018年に、実質的に増加しているという。青少年の電子タバコや他のタバコ製品の使用率の継続的な監視は、公衆衛生学上の施策や計画立案、規制の取り組みへの情報提供として重要とされる。第6~12学年1万9,018人の横断研究 研究グループは、2019年の米国の高等学校および中学校の生徒における電子タバコの使用状況(使用頻度、銘柄、フレーバー製品の使用など)を調査する目的で、横断研究を行った(FDAと米国疾病予防管理センター[CDC]の助成による)。 2019年度の全国青少年タバコ調査(National Youth Tobacco Survey)に参加した第6~12学年(高等学校:第9~12学年、中学校:第6~8学年)の米国人生徒1万9,018人を対象とした。調査期間は、2019年2月15日~5月24日。 参加者の自己申告に基づき、現在電子タバコを使用中(過去30日以内に1回以上使用)、頻回使用(過去30日間に20日以上)、現使用者が習慣的に使用している銘柄(JUUL、blu、Logic、MarkTen、NJOY、Vuse、その他、なし)、特定銘柄の使用者(他のタバコ製品は使用しない)におけるフレーバー電子タバコの使用の有無と、使用しているフレーバーの種類を調査した。使用率の推定値は複雑抽出デザイン(complex sampling design)で重み付けした。頻回(月に20日以上)使用者は160万人、毎日使用者は97万人 調査には、高等学校の生徒1万97人(平均年齢16.1[SD 3.0]歳、女性47.5%)と、中学校の生徒8,837人(12.7[2.8]歳、48.7%)が含まれた。学年別の参加者割合は全体として類似していた(範囲:第12学年12.9%~第7学年14.6%)。全体の回答率は66.3%だった。 2019年の電子タバコの現使用率の推定値は、高等学校生が27.5%(95%信頼区間[CI]:25.3~29.7)、中学校生は10.5%(9.4~11.8)であった。また、現使用者のうち、高等学校生の34.2%(31.2~37.3)、中学校生の18.0%(15.2~21.2)が頻回使用者であり、それぞれ63.6%(59.3~67.8)および65.4%(60.6~69.9)が特定の銘柄の電子タバコを使用していた。 現使用者のうち、高等学校生の59.1%(95%CI:54.8~63.2)、中学校生の54.1%(49.1~59.0)が、過去30日間にJUUL(ニコチン塩ベースの電子タバコ製品)を習慣的に使用しており、それぞれ13.8%(12.0~15.9)および16.8%(13.6~20.7)は、習慣的に使用している電子タバコの銘柄はないと回答した。 特定の銘柄の電子タバコの使用者のうち、高等学校生の72.2%(95%CI:69.1~75.1)、中学校生の59.2%(54.8~63.4)が、フレーバー電子タバコを使用しており、使用頻度の高いフレーバーは、果物(高等学校生66.1%[62.4~69.5]、中学校生67.7%[62.6~72.5])、メンソール/ミント(57.3%[53.3~61.3]、31.1%[25.6~37.2])、キャンディー/デザートなどの甘い物(34.9%[31.3~38.7]、38.3%[32.6~44.2])であった。 なお、過去30日間に、電子タバコ以外のタバコ製品を使用したと答えた生徒の割合は、高等学校生が5.8%(95%CI:4.6~7.3)、中学生は2.3%(1.8~2.9)であり、電子タバコと合わせると、それぞれ31.2%(29.1~33.5)および12.5%(11.2~13.9)が、何らかのタバコ製品を使用していた。 著者は、「これらのデータにより、2019年に米国の高等学校生410万人と中学校生120万人が電子タバコを使用したと推定される。このうち160万人が頻回使用者で、97万人は毎日使用しており、特定銘柄のフレーバー電子タバコの使用者は240万人と考えられる」としている。

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HR+乳がんへの術後化療、ゲノム解析結果に年齢も加味すべきか(MINDACT)/SABCS2019

 ホルモン受容体(HR)陽性乳がんにおいて、多重遺伝子解析を用いた術後化学療法の適応有無の判断に、年齢も考慮に入れる必要がある可能性が示唆された。サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、ベルギー・ブリュッセル自由大学のMartine J. Piccart氏らによるMINDACT試験の計画外サブグループ解析の結果が発表された。 多重遺伝子解析結果と年齢、化学療法の適応の関係については、TAILORx試験の2次分析からの報告がある1)。MINDACT試験で定義された臨床リスクとの統合に基づく解析が行われ、21遺伝子アッセイ(Oncotype DX)による高再発スコア(高RS;26〜100点)は、40〜50歳の女性における高臨床リスクおよびRS16~20、または臨床リスクとは独立してRS21~25に相当する可能性が示唆され、9年時の遠隔再発リスクにおける化学療法追加の無視できないベネフィットが示された。 今回の報告は、上記の結果を受けて計画外に実施されたMINDACT試験のサブグループ解析による。MINDACT試験は、HR陽性HER2陰性乳がん患者を対象に、術後補助化学療法の対象の選択において、Adjuvant! Onlineに基づく臨床リスク(c)と70遺伝子アッセイ(Mammaprint)に基づくゲノムリスク(g)の臨床的有用性を前向きに評価する無作為化第III相試験。本解析は無作為化によって割り当てられた治療群(化学療法ありまたは化学療法なし)ごとに行われ、MINDACT試験の主要評価項目が使用された(5年時の無遠隔転移生存率[DMFS])。 主な結果は以下のとおり。・登録された乳がん患者6,693例のうち、HR陽性は5,402例(81.7%)。・そのうち、臨床リスクが高く(cH)/ゲノムリスクが低い(gL)のは1,358例で、年齢別の内訳は40歳未満が53例、40~50歳が411例、50歳超が894例であった。・40歳未満のグループはイベント発生が少なく(2例)、結果は示されなかった。・40~50歳の399例、50歳超の865例が化学療法ありまたは化学療法なしの両群に無作為に割り付けられた。・腫瘍サイズの中央値は、両年齢層で2.2cmであった(T1/T2は40~50歳:35.9%/58.4%、50歳超:41.2%/55.5%)。リンパ節転移の有無は、両年齢層の約半数で陰性であった(40~50歳:50.9%、50歳超:51.8%)。大多数の患者がグレード2またはグレード3の腫瘍を有していた(40〜50歳:グレード2が63.9%/グレード3が26.6%、50歳超:66.6%/26.9%)。・40~50歳では、化学療法ありの203例中8例でイベントが発生し、Kaplan-Meier法による5年DMFSは96.2%(95%信頼区間[CI]:91.5~98.3)。化学療法なしの196例中16例でイベントが発生し、5年DMFSは92.6%(95%CI:87.7~95.7)であった。・50歳超では、化学療法ありの425例中23例でイベントが発生し、5年DMFSは95.2%(95%CI:92.4~97.0)。化学療法なしの440例中23例でイベントが発生し、5年DMFSは95.4%(95%CI:92.8~97.1)であった。 研究者らは、閉経後の患者は主にアロマターゼ阻害薬が投与されており、若い女性では補助内分泌療法として主にタモキシフェンが投与され、LHRHアナログが投与されていたのは7.0%のみであったことを明らかにした。本解析のイベント数の少なさと信頼区間の幅の広さ、計画外のサブグループ解析であることの限界に触れたうえで、それにもかかわらずTAILORx試験と同様の傾向が示され、(おそらく閉経前に分類される)40〜50歳およびcH/gLリスクの患者において、タモキシフェン単独では過小治療となる可能性が示唆されたと結論づけている。 また、化学療法を追加することによるベネフィットが年齢依存性となる理由として、卵巣機能抑制(OFS)によるものである可能性を指摘。ただし、最適な内分泌療法(すなわち、OFS+タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬など)の場合の化学療法の付加価値は、MINDACTまたはTAILORx試験の結果で評価することはできず、さらなる研究が必要としている。

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術後管理は手術を救えるか?―CABG編(解説:今中和人氏)-1156

 「人間、左前下行枝さえ保たれていれば何とかなる」とはいうものの、冠動脈バイパス手術の中・長期的便益は、ひとえに開存グラフトによってもたらされるのであり、グラフトの開存維持はまさに死活問題。その重要因子の1つは内服薬で、何をどのくらい処方すべきか、いろいろと考案されてきた。古くはアスピリン、ビタミンK拮抗薬と、それらの併用に始まり、近年ではチエノピリジン系(クロピドグレル、チカグレロル)やOACの中でもリバーロキサバンの、単剤ないし併用といったところである。 大伏在静脈グラフト(SVG)の開存性と内服薬に関するメタ解析である本論文は、3,266の候補論文を1979年から2018年の間に発表されたランダム化試験21本に絞り込み、1次アウトカムをSVG閉塞と出血イベント、2次アウトカムを全死因死亡と遠隔期心筋梗塞と定義して解析している。対象患者数は4,803例で、年齢は44~83歳、男性が83%、待期手術が83%、SVG本数は1患者当たり1.14~3.60本であった。 40年もの期間から容易に想像できるように、プロトコル、つまり処方薬剤・投与量・コンビネーション・投与期間はまったくバラバラだし、placebo対照の研究もあれば投与薬剤間の比較研究もある。この恐ろしく不統一なプロトコルを、薬剤とそのコンビネーションのみに基づいて群分けし、群間比較をしているのだが、絞りに絞った21論文とはいいながら、とくに2次アウトカムは書かれていない論文も多く、さらにたとえば流量が乏しかったのでDAPTに変更したが、群分けは当初のplacebo群のまま、といったintention to treat法に伴うbiasなどが目立ち、科学的公正性が高いのはわずか5論文とのことである。そのため、結果の信頼性はmoderate・low・very lowに3区分(highがない!)され、図表を見ると緑・黄色・赤に塗り分けられてキレイといえばキレイだが、めまいがするほど複雑である。読む側でさえそう感じるのだから、書いた側の苦労がしのばれる。 結論は、SVG閉塞に関しては、対placeboで、クロピドグレル単剤を除くすべての薬剤(単剤・併用)で有意に良好、アスピリン単剤に比し、アスピリン+クロピドグレル、アスピリン+チカグレロルの併用が有意に良好で、その他の出血イベント、全死亡、遠隔期心筋梗塞は有意差がなかった。著者らはこの知見を本メタ解析の収穫として強調している。その他、SVG閉塞に関して、アスピリンへのリバーロキサバンの併用は、クロピドグレル、チカグレロルを併用した症例に有意に劣るという結果が出ているが、あまり詳述されていない。この薬剤については他の疾患や治療でも多様な結果が出ているようで、なかなか難しい。なお、古い論文も多く、スタチンをはじめ血液凝固関係以外の薬剤は検討対象外となっている。 読者として注意を要すると思われるのは、SVG閉塞の評価時期がとても早く、全4,800例のうち、3ヵ月以内の評価が600例もおり、平均観察期間が1年を超えているのは1論文216例のみであること、薬剤投与期間が観察期間未満で、やはりとても短いことである。とくに1ヵ月や50日後のSVG評価が250例もいて、これでは薬剤の効果をみているのか、吻合の質をみているのか、はたまた「術後管理は手術を救えるのか」をみているのか、かなり疑問である。ところが、これら観察期間の短い論文の多くが、著者らが収穫と強調するチエノピリジン併用に関する論文なので、どうも釈然としない。いずれにせよ、もっと長期の観察でないと、薬剤の効果をみたことになりにくいと考える。 もう1つは単剤でも併用でも、どの薬剤も対placeboで出血を有意に増やさない、という結論である。実はオッズ比2.53~5.74ながら95%信頼区間が恐ろしく広く、有意差なしということだが、理論的に大いに疑問である。ちなみにこれらのデータの信頼度はvery lowだそうで、図表は真っ赤っ赤。対placeboの疑義はともかく、アスピリンに上述の諸薬剤を併用しても、アスピリン単剤に比して出血イベントはさして増えていないようだが、何せ観察期間が短い論文ばかり。安全と鵜呑みにするのは危険である。 引き続き、あまり術後管理頼みにならない手術を心掛けて参りましょう。

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患者発案の医師主導治験がスタート【肺がんインタビュー】 第32回

第32回 患者発案の医師主導治験がスタート出演:NPO法人 肺がん患者の会ワンステップ 代表 長谷川 一男氏患者の会が発案し、臨床試験グループに提案した医師主導治験。その実現を目指すNPO法人 『肺がん患者の会ワンステップ』代表 長谷川 一男氏に聞いた。肺がん患者の会ワンステップ ホームページ

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子育て医師必携の「家庭の医学」【Dr.倉原の“俺の本棚”】第25回

【第25回】子育て医師必携の「家庭の医学」いま、増刷を重ねている、Twitterで話題の本です。子供が38度の熱を出したら、近所の小児科へ連れていく医師。医学を学んでも、自分の子供のこととなると頭が真っ白になる人が多いそうで。私も、絶対に手足口病と思われるわが子の症状をみても、「やはり専門家に…」ということで小児科に連れて行ったことがあります。恥ずかしい。私でさえこんなんですから、一般の親にとっては、わが子の病気なんて恐怖以外の何ものでもないのです。「家庭の医学」本はいくつかありますが、一般人にとってわかりにくい作りになっており、医療従事者にとっては物足りない内容のことが多い。そもそも、本の設計がダメなのです。『マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK 』佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/著.KADOKAWA.2019この本は、長野県佐久医師会の「教えて!ドクター」プロジェクトが発行している冊子を書籍としてまとめたものです。特長は、小児救急のプロ集団が書いたであろう、おそるべきクオリティの高さにあります。熱や腹痛があったとき、どのタイミングで受診すればよいか、どのようにして救急車を呼べばよいのか、そういう具体的な部分に手が届く内容になっています。非の打ち所がない構成の「家庭の医学」本なのです。ママのメンタルについて言及している点が素晴らしい。ウチもそうでしたが、育児が大変すぎて、赤ちゃんから少し離れたいときってありますよね。「ベビーフリータイム」なんて言葉もあるそうで。そこまでわかっている人たちが書いた「家庭の医学」本って、これまでなかったと思います。子供が生まれる予定の医師から、3~4歳の子育て医師までがよい対象になると思います。出産祝いに最適のギフトでしょう。ああ、あと出版が数年早ければわが子にも使えたのに! この本、小児科に数冊くらい常備しておいてもいいんじゃないですかね。この本のクオリティと厚さで1,300円というのは、破格としか言いようがありません。「マンガでわかる!」という部分で、ちょっと購入を踏みとどまってしまう人がいるかもしれませんが、マンガに関しては思ったより少なかったです。『マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK 』佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/著出版社名KADOKAWA定価本体1,300円+税サイズA5判刊行年2019年

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