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オンライン学会のプレゼンビデオ作成【Dr. 中島の 新・徒然草】(342)

三百四十二の段 オンライン学会のプレゼンビデオ作成大阪では秋晴れの爽やかな日々が続いています。こういった過ごしやすい季節も1ヵ月ほどでしょうか?四季とは言うものの、近年は夏と冬がメインになったような気がします。さて、秋の学会シーズン。新型コロナの影響で、オンラインとかハイブリッドが主体になっています。現地で発表する場合でも、あらかじめ発表内容をアップロードしなくてはなりません。つまり、パワーポイントで作ったスライドに音声入力してビデオにするのです。いつもならスライドを作って学会場に持って行くだけです。あとは漫談調でしゃべって終わり。時に脱線し、時には余計なことまで言ってしまうのも一興。しかし、誰でも何度でも視聴できるオンライン学会ではそうはいきません。うっかり口を滑らせて炎上したら大変なことになります。なので原稿を用意して、スライドごとに慎重に音声入力。なんか、下手なアナウンサーみたいなビデオができてしまいました。私の周囲の先生方も色々苦労しており、次第にノウハウができつつあります。たとえば、音声つきスライド作成のソフトです。パワーポイントを使うのは当然で、2016年版より2019年版の方が遥かに楽だとか。動画入りで50分くらいのプレゼン作成の場合、前者では何かと不具合が出たそうです。それに比べて後者はストレスフリー。いや、1つだけストレスがありました。「スライドショーの記録」で音声入力の際に参照するノートの欄が小さすぎます。でも、そのほかはとくに不具合もなく、あっさり済んでしまいました。読み原稿を修正しつつ、何度も音声入力を繰り返してついに完成!これを「mp4 ファイル」に変換していざ学会ホームページにアップロード。と思いきや、COI(利益相反)スライドを入れ忘れたことに気付きます。「まあ、スライド1枚加えてビデオに変換するだけだから」と思っていたら甘かった!テンションの高いしゃべりの中に1枚だけフラットな調子の音声が入ってしまいました。木に竹を接ぐ、とはまさにこのこと。でも、この時点で疲労困憊していたので、そのままアップロードしました。読者の皆様も、プレゼンビデオ作成の際にはぜひお気をつけ下さい。発表ビデオをアップロードした後も、未知のことがいろいろ待ち受けています。オンラインでのディスカッションとか、現地でもう一度しゃべるとか。それぞれの試行錯誤の末に、次第に学会の新たな型ができていくのでしょう。私にとってはいい経験でした。コロナ時代の学会、これからどうなっていくやら。最後に1句スライドは 秋の夜長に 音入れる

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第25回 中川日医にはネック!?新政権のキーマンと3つの方針

菅 義偉内閣がスタートし、さっそく社会保障や新型コロナウイルス対策を見直す動きが出てきた。日本医師会(日医)会長選を巡る遺恨はいまだ根深く残り続けており、2022年度診療報酬改定にまで何らかの影響を及ぼしそうな上、菅氏が打ち上げた3つの方針は中川日医にとってネックになる様相だ。中川 俊男会長の障壁となっているのは、社会保障費を差配する麻生 太郎・副総理兼財務大臣の存在だ。菅首相が新政権において「極めて重要人物」と評した麻生氏は、福岡が同郷の横倉 義武・日医前会長(現・名誉会長)と昵懇で、横倉氏の引退を翻意させたと言われる。そんな背景もあり、日医会長選で横倉氏と競り合った中川氏に対し、麻生氏が良い感情を持っていないだろうことは容易に想像できる。実際に今月、第2次補正予算の予備費から支出が決まった新型コロナウイルス対策で、日医が要望していた新型コロナ患者を診療しない医療機関への支援策が見送られたのは、中川日医への当て付けと見られている。横倉氏が会長在任中、安倍 晋三前首相との長年の付き合いを活かし、診療報酬の本体部分ではプラス改定を認められてきた。一方、政権中枢へのパイプがほとんどない中川氏が日医会長に就いたことを奇貨として、医療費抑制を目指している財務省は、2022年度診療報酬改定で本体部分のマイナス改定を目指しさっそく動き始めている。菅氏が打ち上げた「縦割り打破」「デジタル庁新設」「不妊治療への保険適用」のうち、「縦割り打破」については、「行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打ち破って規制改革を進める」と述べている。つまり、これまで続いた「診療報酬本体部分のプラス改定」こそ、菅氏が考えるところの既得権益、前例主義に当たるのではないか。また、「デジタル庁新設」というキーワードから噂されていた、オンライン診療の恒久的な全面解禁も検討されることになった。新型コロナの感染拡大を受け、オンライン診療は今年4月から受診歴のない初診の患者も含めて時限的に全面解禁されていた。中川氏は今月17日の記者会見で「都道県単位の協議会で実績を評価することになっている。結果をしっかり検証してほしい」と牽制し、「医療のデジタル化には賛成だが、拙速に進めてはいけない」と主張。「不妊治療への保険適用」についても、「一気に保険適用ではなく、専門家による検証と審議会・検討会での十分な議論と合意形成をしながら進めてほしい」と慎重な姿勢を示した。これまでの強面のイメージから一転、守勢に立った印象が拭えなかった。中川派の病院長は「中川氏の年齢なら、日医会長職は3期までいける」と話すが、診療報酬本体がマイナス改定に転じれば、再選も難しいだろう。中川氏は、菅氏の地元・神奈川県の医師で有力な後援者でもある人物を通して、菅氏と会食したことがあるという。しかし、菅氏は社会保障に対しかねてから「無駄が多い」と見ており、会食をしたぐらいの関係性では、日医に融和的な対応をとるようには思えない。菅氏が厚労政策に奮起するほど、中川日医には向かい風となるあたり、残念ながら今回の政権交代はあまり相性が良くなさそうだ。

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統合失調症に対する抗精神病薬の維持療法

 統合失調症の症状や徴候は、脳の辺縁系に代表される特定の領域における高レベルのドパミンと関連している。抗精神病薬は、脳内のドパミン伝達をブロックし、統合失調症の急性症状を軽減させる。本レビューの元となる2012年発表のレビューでは、抗精神病薬が再発防止にも有効であるか調査された。今回、イタリア・ブレシア大学のAnna Ceraso氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬の維持療法の効果について、薬剤を中止した場合と比較し、検討を行った。The Cochrane Database of Systematic Reviews誌2020年8月11日号の報告。 臨床試験を含むコクラン統合失調症グループのレジストリより検索した(2008年11月12日、2017年10月10日、2019年9月11日)。統合失調症または統合失調症様精神疾患の患者を対象とし、抗精神病薬とプラセボによる維持療法の比較を行ったすべてのランダム化比較試験(RCT)を選択した。独立してデータを抽出した。2値データの場合、ランダム効果モデルに基づくITT分析により、リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。連続データの場合、ランダム効果モデルに基づき、平均差(MD)または標準化平均差(SMD)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・レビューには、抗精神病薬とプラセボを比較したRCT 75件(9,145例)を含めた。・1959~2017年に公開された研究で、対象者の規模は14~420例の範囲であった。・多くの研究において、ランダム化、割り付け、盲検化の手法は、あまり報告されていなかった。また、分析をバイアスリスクが低い研究に限定した場合でも、同様の結果であった。・これらの潜在的なバイアスにより全体的な研究の質は限定されたが、統合失調症の維持療法に対する抗精神病薬の有効性は明らかであった。・抗精神病薬の維持療法は、プラセボと比較し、7~12ヵ月の再発予防に効果的であった(再発率:24% vs.61%、30 RCT、4,249例、RR:0.38[95%CI:0.32~0.45]、NNTB[number needed to treat for an additional beneficial outcome]:3[95%CI:2~3]、エビデンスの確実性:高い)。・入院リスクは、ベースライン時が低リスクであったものの、プラセボと比較し減少が認められた(入院率:7% vs.18%、21 RCT、3,558例、RR:0.43[95%CI:0.32~0.57]、NNTB:8[95%CI:6~14]、エビデンスの確実性:高い)。・抗精神病薬の維持療法よりもプラセボのほうが、すべての原因による治療中止(7~12ヵ月時点の中止率:36% vs.62%、24 RCT、3,951例、RR:0.56[95%CI:0.48~0.65]、NNTB:4[95%CI:3~5]、エビデンスの確実性:高い)および効果不十分による治療中止(7~12ヵ月時点の中止率:18% vs.46%、24 RCT、3,951例、RR:0.37[95%CI:0.31~0.44]、NNTB:3[95%CI:3~4])が多かった。・抗精神病薬の維持療法は、QOL(7 RCT、1,573例、SMD:-0.32[95%CI:-0.57~-0.07]、エビデンスの確実性:低い)および社会的機能(15 RCT、3,588例、SMD:-0.43[95%CI:-0.53~-0.34]、エビデンスの確実性:中程度)に対しても良好な影響を及ぼす可能性がある。・不十分なデータではあるものの、プラセボと比較し、自殺による死亡(0.04% vs.0.1%、19 RCT、4,634例、RR:0.60[95%CI:0.12~2.97]、エビデンスの確実性:低い)および就労の割合(9~15ヵ月の就労率:39% vs.34%、3 RCT、593例、RR:1.08[95%CI:0.82~1.41]、エビデンスの確実性:低い)についての差は認められなかった。・抗精神病薬の維持療法は、薬剤や期間に関係なく、運動障害(1つ以上の運動障害:14% vs.8%、29 RCT、5,276例、RR:1.52[95%CI:1.25~1.85]、NNTH[number needed to treat for an additional harmful outcome]:20[95%CI:14~50])、鎮静(8% vs.5%、18 RCT、4,078例、RR:1.52[95%CI:1.24~1.86]、NNTH:50[95%CI:有意差なし])、体重増加(9% vs.6%、19 RCT、4,767例、RR:1.69[95%CI:1.21~2.35]、NNTH:25[95%CI:20~50])の発生率がプラセボよりも高かった。 著者らは「統合失調症患者に対する抗精神病薬の維持療法は、約2年間のフォローアップ調査において、プラセボよりもはるかに高い再発予防効果が示唆された。ただし、この効果と副作用のバランスを検討する必要がある。今後の研究によって、薬剤に関連する長期的な副作用発現率や死亡率をより明らかにする必要がある」としている。

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alpelisib+フルベストラント、PIK3CA陽性進行乳がんに対するOS最終結果(SOLAR-1)/ESMO2020

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)、PIK3CA変異陽性の進行乳がんに対する、α特異的PI3K阻害薬alpelisibとフルベストラントの併用療法は、統計学的有意差には達しなかったものの、フルベストラント単剤療法と比較し全生存期間(OS)を7.9ヵ月延長した。フランス・Institut Gustave RoussyのFabrice Andre氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で第III相SOLAR-1試験のOS最終結果を発表した。 HR+/HER2-乳がん患者の約40%がPIK3CA変異を有し、予後不良と関連する。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、プラセボ群5.7ヵ月に対しalpelisib+フルベストラント併用群11.0ヵ月と有意な改善を示し(ハザード比[HR]:0.65、 95%信頼区間[CI]:0.50~0.85、片側検定p=0.00065)、米国FDA は2019年5月、欧州委員会は2020年7月に同併用療法を承認している。・対象:ホルモン療法中/後に再発/進行した、HR+/HER2-乳がん患者(閉経後女性および男性、再発後の化学療法歴なし、ECOG PS≦1)をPIK3CA変異陽性および陰性コホートに分類・試験群:PIK3CA変異陽性患者を以下の2群に1対1の割合で無作為に割り付けalpelisib併用群:28日を1サイクルとし、alpelisib(300mg/日)、フルベストラント(1サイクル目のみ500mgを1日目と15日目、以降1日目)投与 169例プラセボ群:28日を1サイクルとし、プラセボ+フルベストラント(1サイクル目のみ500mgを1日目と15日目、以降1日目)投与 172例・評価項目:[主要評価項目]PIK3CA陽性コホートにおけるPFS[主要副次評価項目]PIK3CA陽性コホートにおけるOS[副次評価項目]客観的奏効率(ORR)、クリニカルベネフィット率(CBR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・本OS解析のデータカットオフ日(2020年4月23日)時点で、死亡は181例、治療継続中の症例は併用群21例(12.4%)、プラセボ群7例(4.1%)であった。・追跡期間中央値30.8ヵ月におけるOS中央値は併用群39.3ヵ月 vs. プラセボ群31.4ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.64~1.15、片側検定p=0.15)で、事前に設定された境界値(片側検定p≦0.0161)を満たさなかった。・OSのサブグループ解析の結果、肺および/または肝転移を有する患者(84例vs.86例)におけるOS中央値は併用群37.2ヵ月 vs. プラセボ群22.8ヵ月(HR:0.68、95%CI:0.46~1.00)。血漿ctDNAによるPIK3CA陽性患者(92例vs.94例)におけるOS中央値は併用群34.4ヵ月 vs. プラセボ群25.2ヵ月(HR:0.74、95%CI:0.51~1.08)であった。・化学療法開始までの期間の中央値は、併用群23.3ヵ月 vs.プラセボ群14.8ヵ月で(HR:0.72、 95%CI:0.54~0.95)、併用群で8.5ヵ月長かった。・PFS2(無作為化から、全死因死亡あるいは試験治療中止後の最初の抗腫瘍療法における疾患進行までの期間)は、併用群22.8ヵ月 vs.プラセボ群18.2ヵ月(HR:0.80、 95%CI:0.62~1.03)であった。・安全性についての長期追跡結果(追跡期間中央値42.4ヵ月)は、以前の報告と一致していた。頻度の高いGrade3/4の有害事象(AE)は、高血糖(併用群37.0% vs.プラセボ群<1%)、皮疹(9.9% vs.<1%)、下痢(7.0% vs.<1%)であった。

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EGFR変異肺がんへのオシメルチニブのアジュバント、CNS含む再発を有意に減少(ADAURA)/ESMO2020

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)へのオシメルチニブの術後療法については、第III相ADAURA試験の結果が本年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2020 Virtual Scientific Program)で発表され、主要評価項目である無病生存期間(DFS)についてはオシメルチニブ群の有意な改善が報告されていた(HR:0.17、95%CI:0.12~0.23、p<0.0001)。今回の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、国立がん研究センター東病院の坪井 正博氏が同試験の再発に関するデータを発表した。・対象:EGFR変異陽性(Ex19del/L858R)のStage IB/II/IIIA非扁平上皮NSCLC完全切除患者682例(術後化学療法は許容)、PS 0〜1・試験群:オシメルチニブ80mg/日 最大3年間投与・対照群:プラセボ・評価項目:[主要評価項目]主治医判定によるStage II/IIIA患者のDFS(想定HR=0.70)[副次評価項目]全集団のDFS、2/3/4/5年時のDFS率、全生存期間(OS)、安全性、健康関連QOL今回の発表は、CNS転移を含む再発のパターンに関する探索的検討のデータである。 主な結果は以下のとおり。・DFSイベントの発生率はオシメルチニブ群で11%、プラセボ群で46%あった。・再発の内訳は、オシメルチニブ群では遠隔転移38%、局所再発62%、プラセボ群では遠隔転移61%、局所再発39%であった。・CNS転移の発生率は、オシメルチニブ群で1%(4例)、プラセボ群で10%(33例)であった。・CNS転移発生をイベントとしたCNS-DFSでは、HR:0.18、95%CI:0.10~0.33、p<0.0001で、2年DFS率は、オシメルチニブ群で98%、プラセボ群で85%であった。坪井氏は「アジュバント・オシメルチニブは、Stage IB/II/IIIAのEGFR変異陽性NSCLC患者の臨床治療を変更し得るような有効な治療法である」と結論付けている。 試験結果は、ESMO発表の同日(2020年9月19日)、NEJMにも公開された。

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COVID-19関連肺炎へのアクテムラ、第III相試験で主要評価項目達成/ロシュ

 ロシュ社(スイス)は9月18日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体アクテムラ(一般名:トシリズマブ)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連肺炎における有効性を評価する第III相EMPACTA試験で主要評価項目を達成したことを発表した。 EMPACTA試験は、新型コロナウイス(SARS-CoV-2)感染が確認され、SpO2<94%で、非侵襲的または侵襲的な機械的換気を必要としない、18歳以上の入院患者が対象。米国、南アフリカ、ケニア、ブラジル、メキシコ、ペルーから389例が登録された。 主要評価項目は、28日目までに死亡または機械的換気が必要となった患者の累積比率。副次評価項目は、28日目までの死亡率、退院または退院準備までの期間、臨床的成功期間(死亡、機械的換気、ICU入室、脱落のいずれか早く起こった事象までの期間)とされた。 今回発表された結果は以下の通り。・アクテムラと標準治療を受けた患者は、プラセボと標準治療を受けた患者と比較して、機械的換気または死亡に至るリスクが44%低下した(ハザード比[HR]:0.56、95%信頼区間[CI]:0.32~0.97、ログランク検定p=0.0348)。・28日目までに人工呼吸または死亡に至った患者の累積比率は、アクテムラ群で12.2%、プラセボ群で19.3%であった。・28日目までの退院または退院準備までの期間に有意差はなかった(中央値:アクテムラ6日 vs.プラセボ7.5日、HR:1.16、95%CI:0.90~1.48、ログランク検定p=0.2456)。・28日目までの臨床状態の改善までの期間に有意差はなかった(中央値:6日vs.7日、HR:1.15、95%CI:0.90~1.47、ログランク検定p=0.2597)。・28日目までの臨床的成功期間は、プラセボ群と比較してアクテムラ群で長かった(中央値:推定不可(NE)vs. NE、HR:0.55、95%CI:0.33~0.92、ログランク検定p=0.0217)。 ただし、他の主要な副次的評価項目が満たされていないため、この差は統計的に有意であるとはみなされない。・28日目までの死亡率に統計的有意差はみられなかった(10.4% vs. 8.6%、差:2.0%[95%CI:-5.2%~7.8%]、p=0.5146)。・28日目までの感染症発生率は10% vs. 11%、深刻な感染症発生率は5.0% vs. 6.3%であった。 アクテムラ群で多くみられた有害事象は、便秘(5.6%)、不安(5.2%)、頭痛(3.2%)であった。EMPACTA試験では、アクテムラの新しい安全性信号は確認されていない。 EMPACTA試験の結果は、今後査読付きジャーナルに掲載される予定。

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ダロルタミド、転移のない去勢抵抗性前立腺がんの生存率改善/NEJM

 転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者の治療において、ダロルタミドはプラセボに比べ、3年生存率が有意に高く、有害事象の発現はほぼ同程度であることが、フランス・Institut Gustave RoussyのKarim Fizazi氏らが行った「ARAMIS試験」の最終解析で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年9月10日号に掲載された。ダロルタミドは、独自の化学構造を持つアンドロゲン受容体阻害薬で、本試験の主解析の結果(無転移生存期間中央値:ダロルタミド群40.4ヵ月、プラセボ群18.4ヵ月、ハザード比[HR]:0.41、95%信頼区間[CI]:0.34~0.50、p<0.0001)に基づき、転移のない去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として、すでに米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ている。主解析の時点では、全生存(OS)を解析するためのデータは不十分であり、試験期間を延長してフォローアップが継続されていた。OSを含む副次エンドポイントを評価 本研究は、転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者の治療におけるダロルタミドの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2014年9月~2018年3月の期間に患者登録が行われた(Bayer HealthCareとOrion Pharmaの助成による)。 対象は、前立腺特異抗原(PSA)≧2ng/mL、PSA倍加時間≦10ヵ月、全身状態(ECOG PS)0または1の転移のない去勢抵抗性前立腺がんの患者であった。 被験者は、ダロルタミド(600mg)を1日2回、食事とともに経口投与する群、またはプラセボを投与する群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。この間、アンドロゲン除去療法は継続された。 主要エンドポイント(無転移生存期間)の解析結果が肯定的であることが明らかとなった時点で、治療割り付けの盲検を中止し、プラセボ群の患者は非盲検下ダロルタミド投与へのクロスオーバーが許可された。 今回の事前に規定された最終解析では、OSを含む副次エンドポイントの評価が行われた。死亡リスク31%低下、他の副次エンドポイントにも有意差 1,509例が登録され、ダロルタミド群に955例、プラセボ群には554例が割り付けられた。フォローアップ期間中央値は29.0ヵ月だった。 データを非盲検とした時点でプラセボの投与を受けていた170例は、全例がダロルタミドにクロスオーバーされた。非盲検となる前にプラセボを中止していた137例は、ダロルタミド以外の1種類以上の延命治療を受けていた。 3年OS率はダロルタミド群が83%(95%CI:80~86)、プラセボ群は77%(72~81)であった。死亡リスクは、ダロルタミド群がプラセボ群に比べて31%低く、有意差が認められた(死亡のHR:0.69、95%CI:0.53~0.88、p=0.003)。 ダロルタミド群では、他の副次エンドポイントである症候性骨関連事象発現までの期間(HR:0.48、95%CI:0.29~0.82、p=0.005)、細胞傷害性化学療法開始までの期間(0.58、0.44~0.76、p<0.001)、疼痛進行までの期間(0.65、0.53~0.79、p<0.001)についても、有意な改善効果がみられた。 有害事象は、二重盲検期にはダロルタミド群85.7%、プラセボ群79.2%で発現した。有害事象による治療中止の割合は、主解析(ダロルタミド群8.9%、プラセボ群8.7%)と変わらず、二重盲検期の重篤な有害事象やGrade5の有害事象の割合も主解析と一致していた。ダロルタミド群では、疲労感が13.2%で報告され、二重盲検期に10%を超えた唯一の有害事象であった。発現率が5%を超えたその他の有害事象は、いずれも両群でほぼ同等の頻度であった。 治療曝露量で補正したとくに注意すべき有害事象(転倒、痙攣発作、高血圧、抑うつ/気分障害など)のほとんどは、両群間に頻度の差がないか、あってもわずかであった。 著者は、「この試験は規模が大きく、とくにフォローアップ期間を延長して報告したOSの解析において、頑健な統計解析が可能となった」としている。

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重症血友病A、BIVV001融合蛋白による第VIII因子補充療法が有効/NEJM

 重症血友病Aの男性患者の治療において、新規融合タンパク質BIVV001(rFVIIIFc-VWF-XTEN)の単回静脈内注射により、第VIII因子活性が高値で維持され、半減期は遺伝子組み換え第VIII因子の最大4倍に達し、本薬は投与間隔1週間の新規クラスの第VIII因子機能代替製剤となる可能性があることが、米国・Bloodworks NorthwestのBarbara A. Konkle氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年9月10日号に掲載された。第VIII因子機能代替製剤は血友病A患者の治療を改善したが、これらの製剤は半減期が短く、患者QOLの改善は十分ではないという。また、遺伝子組み換え第VIII因子の半減期は、von Willebrand因子(VWF)のシャペロン作用のため15~19時間とされる。BIVV001は、この半減期の上限を克服し、第VIII因子活性を高値で維持するようデザインされた新規融合蛋白である。日米の施設が参加した第I/IIa相試験 本研究は、重症血友病A患者におけるBIVV001の安全性と薬物動態の評価を目的とする第I/IIa相試験であり、米国の6施設と日本の1施設が参加した(SanofiとSobiの助成による)。 対象は、治療歴のある重症血友病A(内因性第VIII因子活性<1%)の男性患者16例(18~65歳)であった。これらの患者は、遺伝子組み換え第VIII因子の単回静脈内注射を、25 IU/kg体重で受ける群(低用量群)、または65 IU/kgで受ける群(高用量群)に連続的に割り付けられた。3日以上の休薬期間の後、患者はBIVV001の単回静脈内注射を、それぞれ遺伝子組み換え第VIII因子と同じ用量の25 IU/kgまたは65 IU/kgで受けた。 主要エンドポイントは、有害事象および臨床的に重要な検査値異常とし、インヒビターの発現、VWF活性(リストセチンコファクター活性で評価)、VWF抗原量が含まれた。副次エンドポイントは薬物動態であった。高用量群の接種後第VIII因子平均値、4日間は≧51%、7日目は17% 低用量群の7例(平均年齢33歳[範囲:19~60]、日本人1例、診断後の平均期間:29.9±8.1年)では、全例が遺伝子組み換え第VIII因子の投与を受けたが、BIVV001の投与を受けたのは6例で、1例はBIVV001の投与前に脱落したが、第VIII因子の薬物動態の評価には含まれた。高用量群の9例(44歳[32~63]、日本人1例、40.6±10.0年)は、全例が両薬剤の投与を受けた。 BIVV001注射から28日間までに、第VIII因子インヒビターは検出されず、過敏症やアナフィラキシーは報告されなかった。また、BIVV001注射以降にVWF活性やVWF抗原の臨床的に重要な変化は検出されなかった。 遺伝子組み換え第VIII因子治療期に、3例で8件の有害事象が報告された。8件中4件は低用量群の1例で発現した重篤な有害事象で、このうちの1件(自動車事故)は合併症のため、この患者はBIVV001投与前に試験から脱落した。最も頻度の高い有害事象はトロンビン・アンチトロンビンIII複合体の無症状での上昇(2例、各群1例ずつ)で、いずれも担当医により治療関連と判定された。 BIVV001治療期には、9例で18件の有害事象が報告された。重篤な有害事象として、以前の虫垂切除術の合併症に起因する小腸閉塞が1例にみられた。最も頻度の高い有害事象はトロンビン・アンチトロンビンIII複合体の無症状での上昇(2例、各群1例ずつ、いずれも遺伝子組み換え第VIII因子治療期の2例と同じ患者)と頭痛(2例、各群1例ずつ)で、前者は担当医により治療関連と判定された。 BIVV001の半減期の幾何平均値は、遺伝子組み換え第VIII因子の3~4倍であった(低用量群:37.6時間vs.9.1時間、高用量群:42.5時間vs.13.2時間)。また、製剤への曝露の曲線下面積(AUC)は、BIVV001が遺伝子組み換え第VIII因子の6~7倍だった(低用量群:4,470時間×IU/dL vs.638時間×IU/dL、高用量群:1万2,800時間×IU/dL vs 1,960時間×IU/dL)。 高用量群におけるBIVV001注射後の第VIII因子の平均値は、4日間は正常範囲内(≧51%、範囲:35~72%)で、7日目は17%(範囲:13~23%)であった。これは、1週間空けた投与の可能性を示唆する。 著者は、「BIVV001注射により、第VIII因子活性は、正常化期間を経た後高値で持続したことから、本薬は重症血友病A患者において、あらゆる種類の出血に対するより良好な防御とともに、製剤の投与間隔の延長をもたらす可能性がある」としている。

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論文執筆した若手医師には超特急対応で応援だ!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第28回

第28回 論文執筆した若手医師には超特急対応で応援だ!初めて何とか英語で書いた論文原稿を、指導してくださる先輩医師に手渡した時の緊張感は今も忘れられません。論文といっても症例報告です。興味深い経過をとった担当例があり、生意気にも症例報告したいと志願したのです。先輩医師もサポートを快諾してくれました。1日に1行書くことを自らへの課題として執筆しました。英語を書くのは大変な苦労を伴います。「なるべく早く目を通しておくから」そう言って受け取ってくれました。その10分後に廊下で出会ったときには、もう修正を完了した原稿が返ってくるのではないかとドキドキしている自分がいました。その翌日の朝です。「少し手直ししておいたからね」「ありがとうございます」見事に赤ペンが入り、ことごとく修正されています。自分の書いた英語らしきものは、英語に変身していました。論旨も明確になり、何より半分近くに短くなっています。疑問点やコメントも記されています。何と、24時間もかからずに返ってきたのです。そんな短時間で完了する修正作業でないことは明白です。昨夜は遅くまで、もしかすると徹夜で読みこんで修正してくださったのかもしれません。ありがたいことです。自分もこのスピード感に応える以外にありません。翌朝には、再修正版の原稿を手渡しました。何度かのやりとりの後に、完成版ができあがり投稿です。メールが普及する前の時代ですから、国際郵便での「submission:投稿」です。ちゃんと届くいてれよ! 待つこと1ヵ月半、「revise:修正」の返事でした。この返事が届くまでの時間は、無限にも感じられました。「reject:却下」でないだけでも感謝すべき祝報なのですが、当時の自分は生意気にも、修正すべきという編集部からの返答に憤っていました。若さゆえと恥ずかしく思い起こされます。ここからの修正作業にも先輩の力添えをいただき、見事に「accept:採択」され、「publication:出版」されました。紙媒体として届いた英文の別刷を見た時の感激は言いようのないものでした。「Author:著者」としてローマ字で書かれた自分の名前が輝いているようでした。人生の紆余曲折を経て、不思議なことに若手医師から論文原稿を手渡される立場になりました。手渡しではなくメールですが、その若手の心情は痛いほど伝わってきます。自分が受けた先輩からの御恩を、次世代の医師に返さなければなりません。最優先事項として手直し作業に着手します。24時間以内は無理でも、数日内には修正したものを返却したいところです。とくに初めての英語論文の執筆者には、超特急のレスポンスが肝要です。ここで待たせるようでは、育つべき人材も芽が出ません。待たせていけません。人間は期待して待つときには時間を長く感じます。英文の医学雑誌に投稿しようとすると、要項には「impact factor」だけでなく、必ず「submission to first decision」つまり、投稿から最初の掲載可否の判断までの平均の日数が記載されています。投稿してから返事が来るまでの時間は長く感じるのです。待つことが苦手なのは洋の東西を問わないようです。世界中の医学雑誌の中でも頂点に位置するNEJM誌は、「reject:却下」の場合には1週間以内で返答があります。たとえダメでも短時間で決着するのならば挑戦してみようと、良い投稿が集中する仕組みです。膨大な投稿量の論文を読みこむ編集部の医学的な判断力は賞賛に値します。誰でも待たされることにはイライラします。病院を受診する際にイライラしながら待っている人は大勢います。部下からの報告を待ってイライラしている人もいます。論文、それも英語論文を執筆しようという者には、イライラ感を持つことが無いように応援してあげたいものです。イライラせずに待つことができる素晴らしい生き物が猫様です。いつも慌てず泰然自若としています。野生時代の猫は獲物を確実に捕まえられるように、機会をうかがってじっと待っていたそうです。飼い猫は、飼い主を待っていれば期待に応えてくれることを知っています。遊んでほしい、甘えたい、キャットフードが欲しい、いろいろの期待で一杯です。上目遣いにいじらしい姿で待つ猫には、つい優しくしてしまいます。では、猫に邪魔される前に、若手の英語論文の修正作業に取り掛かることにします。

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「ゾメタ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第18回

第18回 「ゾメタ」の名称の由来は?販売名ゾメタ点滴静注 4mg/100mLゾメタ点滴静注 4mg/5mL一般名(和名[命名法])ゾレドロン酸水和物(JAN)効能又は効果○悪性腫瘍による高カルシウム血症○多発性骨髄腫による骨病変及び固形骨転移による骨病変用法及び用量ゾメタ点滴静注 4mg/100mL<悪性腫瘍による高カルシウム血症> 通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。<多発性骨髄腫による骨病変及び固形骨転移による骨病変> 通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。ゾメタ点滴静注 4mg/5mL<悪性腫瘍による高カルシウム血症> 通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。<多発性骨髄腫による骨病変及び固形骨転移による骨病変> 通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。警告内容とその理由警告<効能共通>1.本剤は点滴静脈内注射のみに用いること。また、投与は必ず15分間以上かけて行うこと。5分間で点滴静脈内注射した外国の臨床試験で、急性腎障害が発現した例が報告されている。<悪性腫瘍による高カルシウム血症>2.高カルシウム血症による脱水症状を是正するため、輸液過量負荷による心機能への影響を留意しつつ十分な補液治療を行った上で投与すること。禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し、過敏症の既往歴のある患者2.妊婦又は妊娠している可能性のある女性※本内容は2020年9月23日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年9月改訂(第14版)医薬品インタビューフォーム「ゾメタ®点滴静注4mg/100mL・ゾメタ®点滴静注4mg/5mL」2)ノバルティス ファーマ:DR's Net

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第25回 三重大病院の不正請求、お騒がせ医局は再び崩壊か?

国立大学病院で不正請求が発覚こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。東京は先週末あたりから一気に涼しくなってきました。この連休、奥多摩の雲取山から、奥秩父の雁坂峠までテント山行で挑戦してみました。雲取山は10回以上登っていますが、その先、奥秩父までは未知のルートでした。山深く人が少ないのはよかったのですが、小雨の中の1日10時間を超える行軍には難儀しました。やはり登山は晴れの日に限りますね。さて、三重大医学部附属病院(三重県津市)は9月8日、同病院の医師が、実際には投与していない一部の薬剤を手術中に投与したかのように電子カルテを改ざんし、診療報酬を不正請求した事案が発覚した、と発表しました。改ざんが疑われるのは約2,200件で、不正請求額は2,800万円を超える見込みとのことです。この時の各紙報道によれば、不正は3月末に発覚。手術の際に心拍を安定させる「ランジオロール塩酸塩」が電子カルテ上は投与されたことになっていましたが、実際は投与されていなかったとのこと。三重大は外部委員でつくる第三者委員会を設置して調査を進めており、結果は近く公表すると報道各社に伝えました。度々世間を騒がせてきた“有名”医局9月8日のこの第1報を聞いて、医療関係者の多くは「???」と思ったのではないでしょうか。この時点の報道では、改ざんの「動機」がまったく見えてこなかったからです。民間の病院や診療所の経営者が診療報酬の不正請求をする動機は、単純に「お金」です。しかし、国立大学法人が経営する病院で不正請求をする意味がわかりません。報酬は医師の手元に直接入ってこないからです。いったいなんのための不正請求なのか。動機がまず最大のナゾでした。もう一つの「?」は「また三重大の麻酔科?」の「?」です。当初の各紙報道では、不正を起こしたのが臨床麻酔部の医師とは書かれていませんでした。ただ、手術の際に「ランジオロール塩酸塩(商品名:オノアクト)」を使用するのは一般的に麻酔科なので、医療関係者は麻酔科の事件と予想はできたようです。最終的に、三重大病院の麻酔科(正式名称は臨床麻酔部)で起こった事件と明らかになったのは、11日に開かれた三重大病院の記者会見後の新聞報道によってでした。実は、三重大病院臨床麻酔部は、これまでも度々世間を騒がせてきた“有名”医局です。三重大病院では、2000年代初めに麻酔科医の大量退職(教授以外)が問題となりました。その影響で、2004年に麻酔管理と臨床実習に業務を特化した臨床麻酔部がつくられました。2009年には大学医学部の講座(臨床麻酔学講座)も設けられましたが、2018年には同講座の助教が教授をパワハラで訴えた民事訴訟があり、大学に賠償命令が下されています。今回の事件で不正請求に関係した、とされる麻酔科医の1人は、パワハラ事件のときに准教授だった人物で、前教授が事件を機に退官した後に教授に選出されています。つまり、三重大病院臨床麻酔部(臨床麻酔学講座)は、2代続けて教授が事件を起こした医局、ということになるのです。調査結果の概要を公表三重大病院は11日記者会見を開き、第三者調査委員会による調査結果の一部を明らかしました。報道陣に配布された資料から、主要部分を抜き出してみます。1.本件の概要当院の医師が医療に関する記録を複数回にわたり改ざんし、実際には手術で投与されていない薬剤の費用が診療報酬として不正に請求されていました。改ざんされた疑いがある件数は症例数約2,200症例、これに対する不正が疑われる当該薬剤の請求総額は2,800万円超となっています。2.本件の経緯令和元年12月頃、当院の医師が、薬剤の使用履歴に虚偽の入力がなされていることがあると疑い、自身が担当した症例について手術直後の記録をプリントアウトして保管し、同症例の数日後の記録と比較すると、ランジオロール塩酸塩(以下、「当該薬剤」)の使用履歴が追加入力されている症例が複数あることが分かり、本年3月末に当院にその旨が報告されました。第三者調査委員会の調査の結果、当該薬剤を実際には手術中に投与していないにもかかわらず投与したような虚偽記載がなされ、診療報酬の不正請求が疑われる事案があることが判明しました。また、虚偽記載を行っていたのは当院のA医師であることが分かっています。3.本件の動機A医師の上司であるB医師は、当該薬剤の積極使用を勧めています。A医師としてはB医師の方針に基づいて当該薬剤の使用量を増加させたいものの、臨床の現場では思うように使用実績が上がらないという状況であったことがわかっており、このことがA医師の行為の背景にあると考えられます。また、B医師のA医師に対する当該方針の伝達や担当医らに対する指導方法にも不適切又は不十分な点があったものと考えられます。なお、A医師又はB医師と当該薬剤の製造会社との間の関係については、第三者調査委員会の報告においても不適切な関係があったとの認定はされておりません。4.ガバナンス等の問題点1)部内で不正が行われていることについては、当該部の管理者によって発見は可能な状況であったが、それを発見できておらず、部内のコミュニケーションや管理体制に問題がありました。2)手術に関係する複数の職種で定期的に行われているミーティングで不自然な点があることが指摘されているにもかかわらず、適切な周知や報告が行われていませんでした。3)院内にはより早期に不正に気付いた者もおりましたが、本学に設置されている内部通報窓口等を用いて大学に不正の報告がなされることがありませんでした。これらのことからして、部内のガバナンス及びコミュニケーションが不十分であり、また、当院におけるコンプライアンス教育や情報セキュリティに関する内部不正対策も不十分であったと考えられます。麻酔の担当医に「必要なら使うよう」依頼以上が報道陣に配布された資料の主要部分です。全体的に第三者委員会の調査の甘さが気になります。そして、これを読んでもまだいくつかの「?」が残ります。ちなみにA医師とは40代の准教授、B医師は先にも紹介した50代の臨床麻酔部の教授を指しています。各紙の報道等によると、准教授が実際に関わった手術は少なく、手術の前日に患者の術式をみて事前に薬剤を用意、当日の朝、麻酔の担当医に「必要なら使うよう」依頼していたとのことです。手術時に必要がなければ使わないので、その場合廃棄として登録されるべきところ、後日准教授が電子カルテを改ざん、使用履歴を追加入力していたわけです。使わなかった分は薬剤部には戻されず、何らかの方法で捨てられていたようです。ランジオロール塩酸塩は、麻酔中や手術中になんらかの原因で頻脈になったときに使われるβ1選択性の高いβブロッカーです。そのため、いつも使えるように準備しておくという考え方もできますし、極端な話、手術中の心血管イベント減少のために頻脈がなくても手術中にずっと点滴しておく、という考え方もできます(厳密にはこれも不正請求になりますが…)。ただ、薬価がとても高い(オノアクト点滴静注用50mgが 4,730円)ため、「易易とは使えない」という声も聞きます。准教授は、とにかくランジオロール塩酸塩が使われそうな手術には同薬を準備、運を天(他の麻酔科医の判断)に任せて、使用されなかった場合は使用したようにカルテ上見せかけていたわけです。「関わった手術は少なく」とされていますが、逆に関わった手術では要不要関係なく同薬剤を使っていたのではないでしょうか。それも大きな問題ですが、この点については11日の記者会見では言及されていません。なお、「ガバナンス等の問題点」でも指摘されているように、「手術に関係する複数の職種」、たとえば薬剤部では実際の薬剤の在庫とカルテの使用記録が一致しないことが早い段階からわかっていたようです(不一致をなくすために術後のカルテ改ざんを始めたと准教授は話しているとのことです)。しかし、医局員の内部通報があるまで、病院が調査に動くことはありませんでした。「教授の意向を汲んで」が本当に動機なのか?「教授の意向を汲んで、ランジオロール塩酸塩の使用量を増やしたかった」という動機についても疑問符が付きます。新聞報道等によれば、臨床麻酔部の教授が同病院に赴任してきた2016年ころから、学術研究を助成する「奨学給付金」が「オノアクト」の製造販売元、小野薬品から同病院に支払われるようになったとのことです。 仮に奨学給付金が薬剤売上と関連するものとするなら、薬価の高い「オノアクト」は売上を上げるために“使いやすい”薬だったとは言えるでしょう。 准教授は第三者委員会に対し「この薬を積極的に使うよう部内に周知していた教授の方針に従うことで、よく思われたかった」と話したとのことですが、一方の教授は「自分の指導で薬剤がたくさん使われているとは分かっていたが、廃棄されていたとは知らなかった」と不正への関与を否定しているとのことです。不正の背景に製薬会社の関与があったかどうかについては、大学病院は「不正な金銭の授受があったという事実は把握していない」としています。それにしても、医局(教授)の奨学給付金のために、すぐにバレそうな電子カルテの改ざんまで行うものでしょうか。それも、教授から「よくやった」と褒められるだけのために…。「次は君が教授だ」といったニンジンでもぶら下げられていたのかもしれません。いずれにせよ、三重大の第三者委員会が明らかにしていない、もっと別の裏事情がありそうな気もします。三重大臨床麻酔部、再び崩壊か?3月末に不正が発覚した後、教授と准教授の2人は4月7日から自宅待機となっているそうです。今回の調査結果を受け、2人の処分について大学の審査委員会で検討するとしています。カルテの改ざんは公電磁的記録不正作出などの疑いがあるため、准教授の刑事告訴も検討する、とのことです。今回の事件発覚は、同じ臨床麻酔部の医局員の告発によるものですが、医局内の派閥争いなども関係している、との噂も一部には流れているようです。この事件によって、三重大病院の臨床麻酔部は、再び機能停止に陥る恐れがあります。そういえば、このコラムの第2回(「全国の麻酔科教室が肝を冷やしただろう事件」)で旭川医大病院の元麻酔科教授の麻酔科医派遣に関するセコい不正事件について書きました。ひょっとしたら、手術を受ける患者や、地域医療のことをまったく考えない麻酔科医が各地で増えているのかもしれません。ある意味、それが一番のナゾと言えます。

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最終回 薬剤師ってオワコン?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説最後に狭間先生がチョイスしたのは「薬剤師ってなくなっちゃうの?」という噂です。IoT化が進んで薬の配送も説明もロボットが行う未来がやってくるかもしれません。一方でそれは薬剤師が今よりもっと医療に近づけるチャンスでもあります。共に6年制大学で人助けを目指した医師と薬剤師、がっしりとタッグを組んで新しい医療を作っていきたい!狭間先生から最後のエールです!

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早期乳がん/DCISへの寡分割照射による乳房硬結リスク(DBCG HYPO試験)/JCO

 Danish Breast Cancer Group(DBCG)では、1982年以来、早期乳がんに対する放射線療法の標準レジメンは50Gy/25回である。今回、デンマーク・Aarhus University HospitalのBirgitte V. Offersen氏らは、リンパ節転移陰性乳がんまたは非浸潤性乳管がん(DCIS)に対する放射線療法において、40Gy/15回の寡分割照射が標準の50Gy/25回に比べて3年の乳房硬結が増加しないかどうかを検討するDBCG HYPO試験(無作為化第III相試験)を実施した。その結果、乳房硬結は増加せず、9年局所領域再発リスクは低いことが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年9月10日号に掲載。 本試験の対象は、リンパ節転移陰性乳がんまたはDCISで乳房温存手術を受けた40歳超の1,882例で、50Gy/25回または40Gy/15回の放射線療法に無作為に割り付けた。主要評価項目は、局所領域再発に関して非劣性と仮定して、3年のGrade2〜3の乳房硬結とした。 主な結果は以下のとおり。・2009〜14年に、8施設から1,854例(50 Gy群:937例、40 Gy群:917例)が登録された(リンパ節転移陰性乳がん:1,608例、DCIS:246例)。・3年乳房硬結率は、50Gy群で11.8%(95%CI:9.7〜14.1%)、40Gy群で9.0%(95%CI:7.2〜11.1%)で、硬結リスクは増加しなかった(リスク差:-2.7%、95%CI:-5.6〜0.2%、p=0.07)。・毛細血管拡張、色素脱失、瘢痕、乳房浮腫、痛みの発現率は低く、美容上のアウトカムと乳房外観における患者満足度はどちらの群も同様に高いか、40Gy群で50Gy群より良かった。・9年局所領域再発リスクは、50Gy群で3.3%(95%CI:2.0〜5.0%)、40Gy群で3.0%(95%CI:1.9〜4.5%)であった(リスク差:-0.3%、95%CI:-2.3〜1.7%)。・9年全生存率は、50Gy群で93.4%(95%CI:91.1〜95.1%)、40Gy群で93.4%(95%CI:91.0〜95.2%)と同等であった。・放射線治療による心臓および肺疾患はまれであり、分割療法による影響はなかった。

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高齢入院患者のせん妄予防に対する薬理学的介入~メタ解析

 入院中の高齢患者に対するせん妄予防への薬理学的介入の効果について、スペイン・Canarian Foundation Institute of Health Research of Canary IslandsのBeatriz Leon-Salas氏らがメタ解析を実施し、包括的な評価を行った。Archives of Gerontology and Geriatrics誌2020年9~10月号の報告。 2019年3月までに公表された、65歳以上の入院患者を対象としたランダム化比較試験を、MEDLINE、EMBASE、WOS、Cochrane Central Register of Controlled Trialsの電子データベースよりシステマティックに検索した。事前に定義した基準を用いて研究を抽出し、それらの方法論的な質を評価した。 主な結果は以下のとおり。・各データベースより抽出された1,855件から重複を削除し、1,250件の評価を行った。・メタ解析には、以下の25件のランダム化比較研究が含まれた。 ●抗てんかん薬(1件、697例) ●抗炎症薬(2件、615例) ●抗精神病薬(4件、1,193例) ●コリンエステラーゼ阻害薬(2件、87例) ●催眠鎮静薬(13件、2,909例) ●オピオイド(1件、52例) ●向精神薬・認知機能改善薬(1件、81例) ●抑肝散(1件、186例)・プラセボや通常ケアと比較し、せん妄の発生率を減少させた薬剤は、以下のとおりであった。 ●オランザピン(RR:0.36、95%CI:0.24~0.52、k=1、400例) ●リバスチグミン(RR:0.36、95%CI:0.15~0.87、k=1、62例) ●デクスメデトミジン(RR:0.52、95%CI:0.38~0.71、I2=55%、k=6、2,084例) ●ラメルテオン(RR:0.09、95%CI:0.01~0.64、k=1、65例)・デクスメデトミジンのみが、せん妄期間の短縮(0.70日短縮)、抗精神病薬の使用量低下(48%)と関連が認められた。・死亡率、有害事象、尿路感染症、術後合併症への影響は認められなかった。 著者らは「本メタ解析では、デクスメデトミジンが入院中の高齢患者におけるせん妄の発生率減少と期間短縮に有用であることが示唆された。各研究において、ラメルテオン、オランザピン、リバスチグミンの効果が報告されているが、確固たる結論を導き出すにはエビデンスが不十分である」としている。

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日本人超高齢の心房細動、エドキサバン15mgは有益/NEJM

 標準用量の経口抗凝固薬投与が適切ではない、非弁膜症性心房細動(AF)の日本人超高齢患者において、1日1回15mg量のエドキサバンは、脳卒中または全身性塞栓症の予防効果がプラセボより優れており、大出血の発生頻度はプラセボよりも高率ではあるが有意差はなかったことが示された。済生会熊本病院循環器内科最高技術顧問の奥村 謙氏らが、超高齢AF患者に対する低用量エドキサバンの投与について検討した第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照イベントドリブン試験の結果で、NEJM誌オンライン版2020年8月30日号で発表された。超高齢AF患者の脳卒中予防のための経口抗凝固薬投与は、出血への懸念から困難と判断されることが少なくない。エドキサバン15mgを標準用量が懸念される超高齢AF患者で試験 試験は、非弁膜症性AFを有する日本人超高齢患者(80歳以上)で、いずれも脳卒中予防のために承認用量での経口抗凝固療法について適切ではないと見なされる患者であった。 被験者を1対1の割合で無作為に割り付け、エドキサバン15mgを1日1回またはプラセボを投与し追跡した。 主要有効性エンドポイントは、脳卒中・全身性塞栓症の複合とし、主要安全性エンドポイントは、国際血栓止血学会の定義に基づく大出血とした。エドキサバン15mgが脳卒中・全身性塞栓症を有意に抑制 2016年8月5日~2019年11月5日に984例の患者が無作為化を受け、エドキサバン1日1回15mg(492例)、またはプラセボ(492例)を投与された。被験者の平均年齢は86.6±4.2歳、低体重(平均50.6±11.0kg)、腎機能は低下(平均クレアチニンクリアランス36.3±14.4mL/分)、40.9%の被験者がフレイルに分類された。最終フォローアップは2019年12月27日。試験期間中央値は466.0日(IQR:293.5~708.0)であった。 681例が試験を完了し、303例は試験を中止した(158例が中止、135例が死亡、10例がその他の理由による)。試験を中止した患者数は2群で同等であった。 脳卒中または全身性塞栓症の年間発現頻度は、エドキサバン15mg群2.3%/年、プラセボ群6.7%/年(ハザード比[HR]:0.34、95%信頼区間[CI]:0.19~0.61、p<0.001)であった。また、大出血の年間発現頻度は、エドキサバン15mg群3.3%/年、プラセボ群1.8%/年(1.87、0.90~3.89、p=0.09)であった。 エドキサバン15mg群はプラセボ群に比べて、消化管出血イベントが有意に多かった。あらゆる原因による死亡については、両群間で実質的な違いはみられなかった(エドキサバン15mg群9.9%、プラセボ群10.2%、HR:0.97、95%CI:0.69~1.36)。

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経口可逆的DPP-1阻害薬brensocatibが気管支拡張症の増悪を抑制/NEJM

 気管支拡張症患者において、brensocatib投与による好中球セリンプロテアーゼ活性の低下は気管支拡張症の臨床アウトカムを改善することが、英国・Ninewells Hospital and Medical SchoolのJames D. Chalmers氏らが行った、投与期間24週の第II相無作為化プラセボ対照用量範囲試験で示された。気管支拡張症患者は、好中球性炎症に関連すると考えられる増悪を頻繁に起こす。好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼの活性と数量は、ベースラインで気管支拡張症患者の喀痰中で増加し、さらに増悪によって増大することが知られる。brensocatib(INS1007)は、開発中の経口可逆的ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP-1)阻害薬で、DPP-1は好中球セリンプロテアーゼの活性に関与する酵素である。NEJM誌オンライン版2020年9月7日号掲載の報告。brensocatib治療群とプラセボ投与群で初回増悪までの期間を評価 試験は14ヵ国116施設で行われ、被験者は、前年に少なくとも2回の増悪を呈した18~85歳の気管支拡張症患者であった。 研究グループは被験者を、プラセボ投与群、brensocatib 10mg群、brensocatib 25mg群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、1日1回、24週間投与した。 初回増悪までの期間(主要エンドポイント)、増悪頻度(副次エンドポイント)、喀痰中の好中球エラスターゼ活性、および安全性を評価した。brensocatib治療群は初回増悪までの期間を有意に延長した 256例が無作為化を受け、87例がプラセボを、82例がbrensocatib 10mgを、87例が同25 mgをそれぞれ投与された。 初回増悪までの期間の25パーセンタイル値は、プラセボ群67日、brensocatib 10mg群134日、同25mg群96日であった。brensocatib治療群は、プラセボ群と比較して初回増悪までの期間が有意に延長した(10mg群対プラセボのp=0.03、25mg群対プラセボのp=0.04)。 brensocatib群とプラセボ群を比較した増悪に関する補正後ハザード比は、10mg群で0.58(95%信頼区間[CI]:0.35~0.95、p=0.03)、25mg群で0.62(95%CI:0.38~0.99、p=0.046)であった。プラセボ群と比較した発生率比は、10mg群0.64(95%CI:0.42~0.98、p=0.04)、25mg群0.75(95%CI:0.50~1.13、p=0.17)であった。 24週の治療期間中、brensocatib群はいずれの用量群とも喀痰中の好中球エラスターゼ活性のベースラインからの低下が認められた。なお、とくに注目される歯および皮膚の有害事象の発生は、プラセボと比べてbrensocatibの両用量群で高かった。

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