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脳血管内治療STANDARD

第1回 病気と治療法について第2回 脳血管内治療のセットアップ第3回 治療に必要な血管解剖第4回 穿刺とガイディングカテーテル第5回 急性期脳梗塞第6回 脳動脈瘤(コイル塞栓術)第7回 脳動脈瘤(フローダイバーター)第8回 頚動脈狭窄症第9回 頭蓋内動脈狭窄症第10回 周術期管理 脳血管内治療は、昨今の需要の高まりで脳神経外科医が身につけるべき必須のスキルになりつつあります。本番組では、この分野の第一人者である吉村紳一先生、兵庫医科大学の講師陣が、器材のセットアップから術式ごとの手技のポイント、周術期管理までをレクチャー。現在の脳血管内治療の標準となる知識と技術を網羅しています。脳血管内治療が適応となる代表的な4つの疾患、脳動脈瘤・頸動脈狭窄症・頭蓋内動脈狭窄症・急性期脳梗塞で、吉村先生が手術室から実際に手術を行いながら解説しているのも特徴です。この番組は、メジカルビュー社から刊行されている『脳血管内治療 スタート&スタンダード』と連動しています。実際の手術映像で同書の内容をよりリアルに学ぶことができます。書籍はこちら ↓【脳血管内治療 スタート&スタンダード】第1回 病気と治療法について第1回は、病気と治療法についてです。脳血管内治療の適応となる代表的な4つの疾患、脳動脈瘤・頸動脈狭窄症・頭蓋内動脈狭窄症・急性期脳梗塞から、それぞれに適応する治療法とその術式について詳しく解説していきます。第2回 脳血管内治療のセットアップ脳血管内治療においては、機器のセットアップが非常に重要です。とくに緊急治療においては必要な物品がすぐに取り出せるよう、セットを作っておくことが大切です。第2回では、脳血管内治療で用いる機器の基本的なセットアップについて紹介します。第3回 治療に必要な血管解剖脳血管内治療を行う上で、血管解剖を理解することは極めて重要です。鼠径部の穿刺から始まり、大動脈、頚部血管、頭蓋内動脈の構造を正確に理解すること、また、そのバリエーションを知っておくことは、治療を成功させるために不可欠です。脳動脈の詳細な解剖について紹介します。第4回 穿刺とガイディングカテーテル脳血管内治療を開始する最初のステップが、動脈の穿刺とシースの留置、そしてガイディングカテーテルの誘導です。治療方法、また治療対象によって穿刺の部位やシースの太さ、ガイディングカテーテルの種類などが異なりますが、この回では代表的な治療における機器と操作法について紹介します。第5回 急性期脳梗塞急性期脳梗塞に対する治療についてクリニカルエビデンスの解説、そして実際の手術の様子まで詳しく紹介します。兵庫医科大学脳神経外科で行われている、患者搬入から穿刺までの様子と、動脈硬化性脳梗塞、末梢血管閉塞の治療について、実際の動画を用いながら解説します。第6回 脳動脈瘤(コイル塞栓術)脳動脈瘤に対するコイル塞栓術は、破裂・未破裂どちらの動脈瘤に対しても行われ、近年ではステントを併用して行う機会も増えています。脳動脈瘤コイル塞栓術のエビデンスの解説と、兵庫医科大学で実際に行われた手術の様子をご覧ください。第7回 脳動脈瘤(フローダイバーター)大型・巨大脳動脈瘤においては、従来の開頭手術やコイル塞栓術では、良好な治療結果が得られにくいことが知られています。近年このような動脈瘤に対し、新たな治療機器であるフローダイバーターを用いた治療が可能となりました。この回では、フローダイバーターの留置法について、実際の手術映像を用いて詳しく解説します。第8回 頚動脈狭窄症頚動脈ステント留置術は、頚動脈の高度狭窄症に対する主流の治療となっています。他部位と異なり、治療中に血栓や血管の成分が脳に流れないよう、脳を保護しながら行う必要があります。この回では、対側内頚動脈閉塞を伴う、比較的リスクの高い症例における、治療の工夫について紹介します。第9回 頭蓋内動脈狭窄症頭蓋内動脈高度狭窄症によって脳虚血発作を来した場合に、ステントを用いた血管拡張術が行われることがありますが、本治療は血圧低下や脂質低下などの積極的内科治療に対する優位性が証明されていません。このため、内科治療抵抗例などの限定的な状況で行われていることに注意してください。この回では、その治療の実際と注意点について解説します。第10回 周術期管理脳血管内治療においては、周術期の抗血栓療法が極めて重要になります。また、腎機能低下例や造影剤アレルギーを有する症例においては、とくに注意が必要です。この回では、脳血管内治療の周術管理について詳しく解説します。

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メタ解析の論文(解説:後藤信哉氏)-1325

 臨床の科学ではPredefinedがキーワードである。Predefined Endpointの発現率を実薬とプラセボにて比較するランダム化比較試験は、EBMの主軸として重要な役割を演じている。ランダム化比較試験のメタ解析のエビデンスレベルは、ランダム化比較試験よりも高いとpredefineされている。Oxford大学が主導しているAntithrombotic Trialists’ Collaboration, Cholesterol Treatment Trialists’ Collaborationなどの主導したアスピリン、スタチンに関する大規模ランダム化比較試験のメタ解析は、アスピリン、スタチンの有効性、安全性の重要なエビデンスを提供した。有効性、安全性の方向が同一となる大規模ランダム化比較試験のメタ解析には大きな価値があると感じる。 メタ解析に科学的価値があるとpredefineされた結果、治療法・薬剤の有効性、安全性が単一のランダム化比較試験にて十分に確立されていない領域にもメタ解析が及んでいる。探索的なメタ解析に抵抗を感じるのは筆者だけであろうか? 大規模な仮説検証ランダム化比較試験の施行には膨大な努力とコストがかかる。Pubmed searchなどシステム的文献解析にも努力が必要かもしれないが、ランダム化比較試験の計画、実行よりも楽に見える。探索的なメタ解析は「楽をしてhigh impact journalに採択される」邪道に思えてしまう。 本研究にて探索された仮説は重要である。後遺症の残る可能性の高い脳梗塞では、発症時刻が明確でなくてもMRIのDWI-FLAIRがあれば、血栓溶解療法を安全に施行できるように筆者も思う。本研究では、単独では有効性を証明できていない4つのランダム化比較試験をメタ解析して、発症時刻が明確でなくてもMRIのDWI-FLAIRがあればt-PA投与による予後を改善できるとしている。頭蓋内出血は増えるがNet Benefitも良好としている。しかも論文はLancet誌に掲載されている。この論文のメタ解析の科学的価値は、Antithrombotic Trialists’ Collaboration, Cholesterol Treatment Trialists’ Collaborationのメタ解析とは質的に異なる。メタ解析のエビデンスレベルは高いとするよりも、「個別のランダム化比較試験にて有効性、安全性が検証された臨床試験」のメタ解析のエビデンスレベルが高いとpredefineしたほうがよいと筆者は考える。

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「医師が稼ぐなら開業」は時代遅れ!専門別の必勝パターンはコレ【医師のためのお金の話】第39回

ほとんどの医師の皆さんは、勤務医よりも開業医のほうが稼げると考えているのではないでしょうか? 勤務医は勤め人です。労働に対する報酬には限度があるため、経営者である開業医のほうが有利に思えます。収入に限度のある勤務医では開業医にはかなわない…。しかし、医師の資産づくりのためには、本当に開業が必須なのでしょうか? 私の答えは「No」です。今回は資産形成をするに当たって、医師が留意するべき点について考えてみましょう。イチローが最も稼ぐのは「雇われている」時最初に理解しておくべきは、医師の職業としての特殊性です。サラリーマンと違って、医師は科や専門分野によって年収や職場環境の最適解が異なるため、自分の専門によっては雇われている立場がベストの場合もありうるのです。この点は意外と盲点になっています。たとえば、イチローが最も稼ぐことができる職業は、被雇用者としてのプロ野球選手です。イチローが起業してビジネスを始めていたとしても、プロ野球選手ほどには稼げない可能性が高いでしょう。もちろんこれは極端な例ですが、医師の中にも同じような立場の人が存在します。その代表は、外科系、なかでもチーム医療がそこまで重要視されない科の医師です。医師が持つ高度な技術が集患に直結するこうした科目は、民間病院が高い報酬を提示して医師を招聘します。このような医師の年収は高額になり、開業するよりも勤務医でいるほうが稼げます。業界はジリ貧、降り掛かるトラブル…それでも開業しますか?高収入を期待して開業する医師は多いものの、最近では開業に適した場所が少なくなっており、集患に苦労して、勤務医時代よりも手残り収入が悪くなる開業医も散見します。コロナ禍での受診控えによる減収は一過性かもしれませんが、医療財政が厳しくなってきている今、全体・長期的に見て開業医ビジネスはジリ貧です。開業すれば必ず資産形成に成功するわけではないのです。また、開業医は「すべてが自分に降り掛かってくる」という覚悟も必要です。開業すれば頼れる上司も相談する仲間もいません。さまざまな経営上の問題やトラブルをすべて自分で解決する必要があります。開業には向き不向きがあります。自分に合っていないのに、高収入だけを目的に開業してもつらくなるだけです。私たちが求めるべきは、「雇用主から解放された自由」ではなく、「資産形成を含めた人生設計を成功に導くこと」ではないでしょうか? 「稼ぐためには開業」という考えに縛られずに、目標を一番効率よく達成できる手段を検討しましょう。専門・特性別「稼げる必勝パターン」はコレでは「稼げる」ことを目的に、専門・特性別に効率的な働き方をご紹介します。ポイントは、どの方法が自分の性格や専門にマッチしていて、早く簡単に目標を達成できるのかを考えることです。1)手術やカテーテル治療の高度な技術を持っている:報酬交渉が可能な民間病院の勤務医2)内視鏡検査・治療の高度な技術を持っている:専門クリニック開業3)手技上の特技はないがコミュニケーション能力は高い:クリニック開業4)リスクを取るより生活の安定を優先:勤務医のまま副業を模索これらはあくまで一例ですが、医師が稼ぐためのパターンが必ずしも開業だけではないことを理解しましょう。ちなみに、私は上記4)のパターンです。副業として不動産投資や株式投資を駆使し、本業だけでは到達不可能な規模の資産を手に入れました。このパターンを選択した理由は、医師としてずぬけた才能がないうえに、勤務医という安全地帯から出るつもりもない、という消去法です。このように、勤務医vs.開業医の二者択一ではなく、自分の性格や専門を起点に考えて、どうすれば有利に駒を進められるのかを考えることが重要です。思い込みを排除し、自分の特性をベースに考えようひと昔前と比べ、医師のキャリアパスは多様化しています。資本主義の中では、成功できるチャンスがあればどんな選択肢も柔軟に受け入れる姿勢を保つことが重要です。医師が資産形成をするには開業しかない、というのは思い込みにすぎません。勤務医のままでも、本業やそこから派生する副業を組み合わせ、資産形成を有利に進めることはいくらでも可能です。常にアンテナを高く張って、自分の特性に合った方法を見つけましょう。

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「ボノテオ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第29回

第29回 「ボノテオ」の名称の由来は?販売名ボノテオ®錠50mg※ボノテオ錠1mgはインタビューフォームが異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください一般名(和名[命名法])ミノドロン酸水和物 (JAN)効能又は効果骨粗鬆症用法及び用量通常、成人にはミノドロン酸水和物として50mgを4週に1回、起床時に十分量(約180mL)の水(又はぬるま湯)とともに経口投与する。 なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。警告内容とその理由設定されていない禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)1.食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。]2.服用時に上体を30分以上起こしていることのできない患者3.本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者4.低カルシウム血症の患者[血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある。]5.妊婦又は妊娠している可能性のある女性※本内容は2020年12月9日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年10月改訂(第13版)医薬品インタビューフォーム「ボノテオ®錠50mg」2)アステラス製薬:製品情報

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第36回 元准教授逮捕の三重大・臨床麻酔部不正請求事件 法律上の罪より重い麻酔科崩壊の罪

公電磁的記録不正作出・同供用の疑いで逮捕こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。今週末はさすがに私も外出を自粛して、自宅で過ごしました。福岡国際マラソンをテレビで観戦、青山学院大学OBの吉田 祐也選手の独走優勝に感心したのですが、コロナの影響もあって海外招待選手はおらず、こぢんまりとした印象のレースでした。福岡国際マラソンと言えば、マラソンにおける名門レースです。有名なのは1987年の第41回大会。ソウル五輪の3つの代表のイスをかけた代表選考会でした。「福岡で一発勝負」が事前合意のはずでしたが、当時日本のエースだった瀬古 利彦選手が故障で突如欠場を発表。日本陸連などで瀬古救済案が検討される中、ライバルだった中山 竹通選手が瀬古選手に対し「這ってでも出てこい」という趣旨の発言をし、物議を醸しました。もう33年も前のレースですが、土砂降りの中の中山選手の激走を今でもよく覚えています。さて今回は麻酔科医逮捕のニュースです。三重大学医学部附属病院(三重県津市)で、実際には投与していない薬剤を投与したとする虚偽のデータを作成したとして、12月3日、麻酔科の元准教授の男(48)が公電磁的記録不正作出・同供用の疑いで津地方検察庁に逮捕されました。この事件、9月23日付の本連載、「第25回 三重大病院の不正請求、お騒がせ医局は再び崩壊か?」でも取り上げましたが、事件のあらましをおさらいします。改ざん約2,200症例、不正請求総額2,800万円9月8日、三重大医学部附属病院は同病院の医師が、実際には投与していない一部の薬剤を手術中に投与したかのように電子カルテを改ざんし、診療報酬を不正請求した事案が発覚した、と発表しました。各紙報道によれば、不正の存在を病院が認識したのは今年3月末。手術の際に心拍を安定させる「ランジオロール塩酸塩(商品名:オノアクト)」が電子カルテ上は投与されたことになっていましたが、実際は投与されていませんでした。9月11日に三重大は記者会見を開き、外部委員でつくる第三者委員会による調査結果の一部を明らかにしました。それによると、同病院の医師(臨床麻酔部准教授)が医療に関する記録を複数回にわたり改ざんし、実際には手術で投与されていない薬剤の費用が診療報酬として不正に請求されていた、とのことでした。改ざんされた疑いがある件数は症例数約2,200症例、不正が疑われる当該薬剤の請求総額は2,800万円超でした。現場で不正請求が最初に発覚したのは、2019年12月頃。同病院の医師が、薬剤の使用履歴に虚偽の入力がなされていることがあると疑ったことがきっかけです。この医師は、自身が担当した症例について手術直後の記録をプリントアウトして保管、数日後の記録と比較すると、ランジオロール塩酸塩の使用履歴が追加入力されている症例が複数あることが分かったのです。2020年3月に病院にこの医師はその旨を報告、第三者調査委員会の調査がスタートしました。その結果、当該薬剤を実際には手術中に投与していないにもかかわらず投与したような虚偽記載がなされ、診療報酬の不正請求が疑われる事案が多数あることが判明したのです。不正への関与を否定した元教授はすでに退職この事件、本連載の9月23日付記事でも書いたように、いくつもの謎があります。最大の謎は「動機」でしょう。准教授は第三者委員会に対し「この薬を積極的に使うよう部内に周知していた教授の方針に従うことで、よく思われたかった」と話したとのことです。それに対し、上司で薬剤の使用を勧めたとされる臨床麻酔部教授(54)は「自分の指導で薬剤がたくさん使われているとは分かっていたが、廃棄されていたとは知らなかった」と不正への関与を否定しています。三重大は、10月30日付で准教授を懲戒解雇としました。教授は、すでに退職届を出して受理されており、大学の処分は下されていません。12月4日付けの共同通信は、「上司だった元教授=退職=から任意で事情を聴いていたことが関係者への取材で分かった。元教授は改ざんへの関与を否定した」と報じるとともに、元准教授は第三者委員会に「『(カルテ改ざんが)刑事罰の対象になり得ると分かっていた』と話していた」としています。なお、この事件を巡っては、11月には津地検がオノアクトを製造・販売する小野薬品工業(大阪市)を関係先として家宅捜索しています。「電磁的記録不正作出及び供用罪」とはさて、元准教授が罪に問われることになる電磁的記録不正作出及び供用罪とは、他人の事務処理を誤らせる目的で、それに使う電磁的記録を不正につくったり供したりする罪で、刑法第161条の2に規定されています。診療報酬不正請求(詐欺罪)ではなく、電子カルテの改ざんが罪に問われたわけです。電磁的記録不正作出及び供用罪そのものは5年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、公務所(三重大も該当)又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。罰則自体はそれほど重いものとは言えません。しかし、今回の事件の場合、三重大病院において麻酔科医の大量退職を招き、地域医療や臨床研修を大きな混乱に陥れたという意味で、元准教授だけでなく、元教授の“罪”もとても重いと言えるのではないでしょうか。麻酔科医大量退職、研修プログラムも停止9月23日付の本連載では、この事件によって、三重大病院の麻酔科は、2005年に起こった麻酔医大量退職の時のように再び機能停止に陥る恐れがある、と書きましたが、それは現実のものとなりました。元准教授が逮捕される直前、11月26日付の朝日新聞は「三重大さらに麻酔科医4人が退職 地域医療に影響か」という見出しの記事で、「臨床麻酔部で、新たに医師4人が11月末までに退職することが25日わかった。9月上旬に診療報酬の不正請求が発覚し、懲戒解雇や退職ですでに同部の医師計8人がいなくなっており、地域医療への影響が懸念されている」と深刻な状況を報じています。同記事によれば、「19人いた臨床麻酔部の医師のうち6人が9月末に退職。10月末に教授が退職、准教授が懲戒解雇」ということなのでこれで8人減、その上でさらに4人が退職する、というのです。各紙報道等によれば、三重大病院では、麻酔科の崩壊によって、各種手術に影響が出ているだけでなく、麻酔の専門医を養成する研修プログラムも10月に一時停止に至っています。研修プログラムの責任者だった元教授や指導を担当していた元准教授がいなくなってしまったためです。プログラムに登録していた研修医の多くは、他病院のプログラムに移籍したとのことです。「桜を見る会」事件同様の後味の悪さ三重大病院の麻酔科医が大量退職したことに関し、三重県の医療保健部部長は12月2日の県議会本会議で「県全体の地域医療に関わる重要な課題だと認識し、大変憂慮している」と述べています。准教授の罪は確かに重大ですが、改ざんへの関与を否定し、とっとと退職届けを出して逃散した元教授に責任はないのでしょうか。大学病院の麻酔科崩壊を招くとともに、このコロナ禍の中、地域医療の混乱を増大させたというだけでも大きな問題です。元教授は三重大病院のホームページにかつて「国内トップランクの麻酔科医を輩出することを、本気で目指しています」と書いていました。元教授は三重の地を離れて、全く関係のない土地で、ペインクリニックの開業準備でもしているのかもしれません。上司が何の責任も取らず、自分だけのほほんと生きているとしたら…。この事件、元首相の「桜を見る会」事件と同様の後味の悪さを感じます。

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「眉毛がない」悲しみも、薬剤師の言葉ひとつで変わる? 【堀美智子のハートに効くラヂオ】第2回

動画解説「患者さんと一緒になって落ち込むことが寄り添うことではない」と語る堀先生。抗がん剤の副作用で眉が抜けてしまい、「眉毛が描けない」と嘆く患者さんを見て、先生が考えた“明るく生きるための術”とは?

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「抗がん剤曝露調査サービス」の販売開始

 シオノギファーマは、2020年12月1日、セコム医療システムと協業し、病院で働く医療スタッフの職場での抗がん剤曝露リスクへの対策として、「セコム抗がん剤曝露調査サービス」の販売を12月1日から開始すると発表。  このサービスは、セコム医療システムが販売および受付窓口を担当、曝露対策の提案等を行うもの。シオノギファーマは抗がん剤曝露状況の試験測定を行うことで数値によるリスクの見える化を手伝う。

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不安症を合併した治療抵抗性うつ病に対するミルタザピンの有用性

 うつ病と不安症を合併した患者に推奨される治療法に関するエビデンスは不足している。うつ病と不安症を合併した患者に対するミルタザピンの有用性が、予備的なエビデンスで示唆されている。英国・ブリストル大学のRaphael Rifkin-Zybutz氏らは、このような患者に対するミルタザピンの有用性を明らかにするため、治療抵抗性うつ病に対するミルタザピン補助療法のプラセボ対照試験の2次解析を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2020年11月4日号の報告。 プライマリケアでの治療抵抗性うつ病患者に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)へのミルタザピン補助療法を検討したプラセボ対照試験の2次解析を実施した。ベースライン時の全般不安症スコア(GAD-7)により、対象患者を重度(GAD-7:16以上)、中等度(GAD-7:11~15)、軽度/なし(GAD-7:10以下)の3群に分類した。ミルタザピン補助療法によるベースラインから12週目までの不安症状の変化について、交互作用の尤度比検定を含む線形回帰を用いて評価した。不安症状の評価には、GAD-7およびうつ病自己評価尺度(Beck Depression Inventory II:BDI-II)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・ミルタザピン補助療法によるベースラインから12週目までの不安症状の改善は、GAD-7(p=0.041)およびBDI-II(p=0.088)の両方で認められた。・ミルタザピン補助療法を行った不安症が重度の患者では、12週目のGAD-7スコアが低く(調整後平均差[ADM]:-2.82、95%信頼区間[CI]:-0.69~-4.95)、BDI-IIスコアの著しい改善(ADM:-6.36、95%CI:-1.60~-10.84)が認められた。・不安症が軽度/なしの患者では、プラセボと比較し、ミルタザピン補助療法の抗不安効果(ADM:0.28、95%CI:-1.05~1.60)または抗うつ効果(ADM:-0.17、95%CI:-3.02~2.68)は認められなかった。 著者らは「プライマリケアにおいて治療抵抗性うつ病患者の不安症に対するミルタザピン補助療法の有効性が支持された。本結果は、事後分析ではあるものの、不安症を合併したうつ病患者に対する標準治療薬としてのミルタザピンの可能性が示唆された」としている。

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がんの緩和ケア、「穏やかに看取る」から「健やかに過ごす」へ/日本肺学会

 がん治療の進展に伴い、がん治療における緩和ケアにも変化が起きている。11月に行われた第61回日本肺学会学術集会では、「肺緩和ケアの新時代~長期治療の中での緩和~」と題したシンポジウムが行われ、演者がそれぞれの立場から現状を報告した。 演者の1人、飯塚病院連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行氏は、がん緩和ケアの原則となる「WHO方式がん疼痛治療法」が一部改訂されたことを紹介。前版にあった「鎮痛剤使用の5原則」中の「除痛ラダーに沿って効力の順に」という記載が削除され、症状や個人に応じた個別化が緩和ケアでも進んでいる状況を紹介した。 また、現状の課題として、がん緩和ケアにおいて非薬物療法を提供する重要性にも言及。一例として、肺がんや前立腺がんに多い骨転移では、身体を動かすリハビリ療法が痛みの緩和に有効であり、看護師やPT・OTをはじめとする多職種によるチーム医療が緩和ケアにおいても重要になっている、とした。 柏木氏は「オピオイドによる鎮痛一辺倒だった、かつてのがん緩和療法から状況は大きく変わり、非身体的アプローチや非薬物療法など、症状や患者ごとのニーズが多様化している。医師は自分の主観だけでなく、チーム医療の視点を活かして緩和療法に取り組むべき」と述べた。さらに「がん患者の高齢化が進み、がんだけでなく併存疾患をもつ患者さんが多くを占めるようになっている。一病院の枠を超え、緩和ケアとプライマリ・ケアの統合など、地域の状況に合わせた緩和ケア体制の再編も必要となるだろう」とまとめた。がん患者のメンタルリスクにどう対処するか 続いて、岡山大学病院精神科神経科の井上 真一郎氏が「精神症状の緩和 抑うつを中心に」と題し、精神科医の立場から、がん患者の精神的ケアについて発表を行った。 がん患者はがんの宣告、薬剤による副反応、再発など、各段階においてうつ状態になりやすい状況にある。井上氏は「気分が落ち込むのは当然だが、日常生活に支障が出るくらいの落ち込みが2週間以上に続けば、うつ病を疑うことになる」と述べ、さらにうつ病患者には、精神症状だけでなくさまざまな身体症状が出ることを指摘。こちらも、がんそのものや薬剤の副反応から来る身体症状との見分けが難しいため、「普段の診療時に気持ちのつらさを聞くなど、定期的にうつ病のアセスメントを取り入れることが重要だ」とした。 うつ病のアセスメント方法として、2質問法1)、つらさと支障の寒暖計2)、PHQ-93)という3つのツールを紹介したうえで、「どれも有用なツールだが、がん患者は多くの気がかりを抱え、診断基準に当てはまる方が大勢いる。こうしたとき診断の一助となるのが、『今のしんどさが取れれば、気持ちがラクになりますか?』という問いかけ。がん症状から気持ちがつらい患者は『それはそうだろう』と答えるが、うつ病患者はそうした状況すら想像できない、いわゆる心理的な視野狭窄に陥っているケースが多い」とアドバイスした。 さらに、「うつ病が強く疑われるケースでは、必ず希死念慮の確認をして欲しい」と強調。「死に関する質問はしにくいだろうが、オブラートに包み過ぎず、シンプルに『死にたいと思うことはありますか』と問いかけ、深刻と判断すればすぐ専門医につないで欲しい」とした。 最後に、うつ病とせん妄の誤診リスクも指摘。「せん妄というと、攻撃的になる『過活動型せん妄』が想起されるが、新たなサブタイプとして活動意欲が薄れる『低活動型せん妄』がある。こちらはさらにうつ病との見分けがつきにくく、認知症等に隠れて見逃されるケースも多い。こうした疾病の存在も念頭に置いて対応して欲しい」とした。

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SGLT1/2阻害薬sotagliflozin、心不全悪化の糖尿病患者に有効な可能性/NEJM

 心不全の悪化で入院した糖尿病患者において、退院前または退院直後にナトリウム・グルコース共輸送体1/2(SGLT1/2)阻害薬sotagliflozinによる治療を開始すると、心血管死と心不全による入院・緊急受診の総数が、プラセボに比べ有意に低下することが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らが行った「SOLOIST-WHF試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年11月16日号に掲載された。SGLT2阻害薬は、安定心不全患者において、心不全による入院および心血管死のリスクを低減すると報告されている。一方、非代償性心不全のエピソード後に間もなく開始したSGLT2阻害薬投与の安全性と有効性は知られていないという。32ヵ国306施設が参加したプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、心不全の悪化により入院した糖尿病患者の治療におけるsotagliflozinの安全性と有効性を評価する目的で、二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施した(SanofiとLexicon Pharmaceuticalsの助成による)。32ヵ国306施設が参加し、2018年6月~2020年3月の期間に患者登録が行われた。 対象は、年齢18~85歳、心不全の徴候および症状がみられたため入院し、利尿薬の静脈内投与を受け、初回入院前に2型糖尿病と診断されるか、初回入院中に検査で2型糖尿病の診断を支持する証拠が得られた患者であった。被験者は、退院前または退院後3日以内にsotagliflozinもしくはプラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けられた。sotagliflozinは、副作用を考慮しつつ400mg(1日1回)まで増量してよいとされた。 本試験は、出資者からの資金提供を失ったため早期中止となった。主要エンドポイントは、試験の検出力を高めるために、心血管死、心不全による入院・緊急受診の総数に変更された。退院前・後の投与はいずれも良好、心血管死・全死因死亡には差がない 1,222例が登録され、sotagliflozin群に608例、プラセボ群には614例が割り付けられた。全体の年齢中央値は70歳、女性が33.7%、白人が93.2%であった。79.1%が左室駆出率50%未満で、推定糸球体濾過量中央値は49.7mL/分/1.73m2、糖化ヘモグロビン中央値は7.1%、NT-proBNP中央値は1,799.7pg/mLであった。48.8%が退院前に試験薬の初回投与を受け、51.2%は退院後に受けた(中央値で退院後2日[IQR:1~3])。追跡期間中央値は9.0ヵ月。 主要エンドポイントのイベントは600件(sotagliflozin群245件、プラセボ群355件)発生した。100人年当たりの発生割合は、sotagliflozin群がプラセボ群よりも低かった(51.0件vs.76.3件/100人年、ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.52~0.85、p<0.001)。事前に規定されたすべてのサブグループにおいて、主要エンドポイントはsotagliflozin群で良好な傾向が認められ、退院前(0.71、0.51~0.99)および退院後(0.64、0.45~0.90)の投与開始のいずれにおいても有意に優れた。 主要エンドポイントに、入院の原因となった心不全による緊急受診を重複して含めている懸念があったため、心不全による緊急受診を除外し、心血管死と心不全による入院の総数を検討したところ、主要エンドポイントと一致した結果(HR:0.68、95%CI:0.53~0.88)が得られた。 また、心不全による入院・緊急受診の発生割合(40.4% vs.63.9%、HR:0.64、95%CI:0.49~0.83、p<0.001)もsotagliflozin群で低く、主要エンドポイントの結果と一致していた。心血管死(10.6% vs.12.5%、0.84、0.58~1.22、p=0.36)および全死因死亡(13.5% vs.16.3%、0.82、0.59~1.14)には両群間に差はなかった。 変更前の主要エンドポイント(心血管死または心不全による入院)の結果(HR:0.71、95%CI:0.56~0.89)も、変更後の主要エンドポイントと一致していた。 投与中止の原因となった重篤な有害事象は、sotagliflozin群3.0%、プラセボ群2.8%で発現した。最も頻度の高い有害事象は、低血圧(sotagliflozin群6.0% vs.プラセボ群4.6%)、尿路感染症(4.8% vs.5.1%)、下痢(6.1% vs.3.4%)であった。急性腎障害はsotagliflozin群4.1%、プラセボ群4.4%で認められ、重篤な低血糖はsotagliflozin群で頻度が高かった(1.5% vs.0.3%)。 著者は、「本試験では、駆出率が保持された心不全患者におけるsotagliflozinの有益性の評価を行う予定であったが、試験の早期終了およびこのサブグループの患者数が少なかったことから、この点に関して確固たる結論を導き出すのは困難であった」としている。

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フィナステリドの副作用、45歳以下では自殺傾向・うつとの関連が顕著

 インターネットやテレビで男性型脱毛症(AGA)治療の広告を目にしない日はないだろう。脱毛症の治療は身近なものになってきているが、脱毛症および良性前立腺肥大症(BPH)治療に使用されるフィナステリドについて、自殺傾向やうつ増大との関連が認められることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDavid-Dan Nguyen氏らにより報告された。同治療におけるフィナステリドの有害事象は議論の的となっており、使用男性の自殺企図または自殺例が報告されるようになったのは2012年ごろであったが、今回の検討では、45歳以下の脱毛症患者において、自殺傾向や心理的有害事象との顕著な関連性が認められたという。著者は、「今回の研究結果は、若年の患者にフィナステリドを処方する際は、自殺傾向、うつ、不安症のリスクを考慮する必要があることを示唆するものであった」と述べる一方で、「本研究によってバイアスがかかる可能性があり、さらなる調査が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年11月11日号掲載の報告。フィナステリドの副作用に対して若年患者のほうが脆弱であることを示唆 研究グループは、自殺傾向(念慮、企図、既遂)および心理的有害事象(うつ、不安症)とフィナステリド使用との関連を調べる薬物誘発ケース・非ケース研究を実施した。不均衡分析(ケース・非ケースデザイン法)にて、世界保健機関(WHO)のVigiBase(個別ケースの安全性レポートの世界的なデータベース)で、フィナステリドについて報告された注目される副作用の警告を検出し、検討した。 関連性の強度は報告オッズ比(ROR)を用いて調べ、拡大感度分析では、適応症(BPHおよび脱毛症)、年齢(45歳以下および45歳超)で層別化したうえで、フィナステリドと同様の適応症に使用される、機序が異なる薬剤(脱毛症:ミノキシジル、BPH:タムスロシン塩酸塩)の比較、フィナステリドと同一作用機序および有害事象プロファイルを有する薬剤(デュタステリド)の比較、および2012年前後の自殺傾向の報告を比較した。 フィナステリドについて報告された注目される副作用の警告を検出・検討した主な結果は以下のとおり。・データは2019年6月に入手し、2020年1月25日~2月28日に解析を行った。・VigiBaseにおいて、フィナステリド使用者の自殺傾向の報告356件、心理的有害事象報告2,926件、計3,282件の注目される有害事象の報告を入手した(男性3,206例[98.9%]、18~44歳のデータ入手可能例615/868例[70.9%])。・フィナステリド使用者における自殺傾向(ROR:1.63、95%信頼区間[CI]:1.47~1.81)および心理的有害事象(ROR:4.33、95%CI:4.17~4.49)の有意な不均衡シグナルが特定された。・感度解析で、若年患者(ROR:3.47、95%CI:2.90~4.15)および脱毛症患者(ROR:2.06、95%CI:1.81~2.34)は、自殺傾向の増加に対して有意な不均衡シグナルを示した。こうしたシグナルは、BPHの高齢患者では検出されなかった。・感度解析で、これらの有害事象の報告が2012年以降に大幅に増加したことも示された(ROR:2.13、95%CI:1.91~2.39)。・感度解析の結果は、示された有意な不均衡シグナルは、喚起された報告によるものおよび/またはフィナステリドの副作用に対して若年患者のほうが脆弱であることを示唆するものであった。

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インフルとの鑑別を追記、COVID-19診療の手引き第4版/厚生労働省

 12月4日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」を公開した。 同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に公表され、随時最新の内容に更新している。 今回の改訂では、日本産科婦人科学会の協力を得て、臨床像や院内感染対策の更新を図ったほか、検査法、薬物療法などに関する新しい知見や行政対応に関する情報を反映させている。 同委員会では「これまでと同様に医療現場で参考にされ、患者の診療ケアの一助となることを期待する」と述べている。主な改訂点【臨床像】・「臨床像」の画像所見の紹介点数が重症度別に追加された・「重症化のリスク因子」で妊婦が削除された・「合併症」で「二次性細菌・真菌感染症」が追記された・「症状の遷延(いわゆる後遺症)」で日本の知見が追記された・「妊婦例の特徴」が1項目追記された【症例定義・診断・届出】・「抗原検査」の「各種検査の特徴」など図表が刷新された・「インフルエンザとの鑑別」が1項目追記された【薬物療法】・「薬物療法」中の「その他の薬剤例」でアドレノメデュリン、イベルメクチン、バリシチニブが追記された・同じく「薬物療法」中で「回復者血漿など」が1項目追記された【院内感染対策】・「死後のケア」中で「個別の場面における主な関係者」の表が追記された

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新たな後発品促進策はバイオシミラーに焦点 個別薬剤の指標も示唆【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第58回

薬局において、後発医薬品の情報収集や採用業務はもはやルーチンワークになったのではないでしょうか。私が薬剤師になった2000年代前半の後発医薬品は、メーカーからの情報提供は不十分で、包装などもイマイチでしたし、患者さんの認知度も低くて拒否されることも多くありました。現在では調剤する薬剤の半分以上が後発医薬品になり、患者さんも抵抗はないように思います。それは、国の後押しと現場の薬剤師の地道な努力の成果だと私は思っています。この国の後押しに関しては、2017年に閣議決定されたいわゆる「骨太の方針2017」で、2017年当時は60%台だった後発医薬品の使用割合を2020年9月までに80%とするという目標を定めて使用を促進しました。また、最終期限である2020年9月に向けた最後のテコ入れとして、同年4月の調剤報酬改定では、後発医薬品の使用割合が低い場合の後発医薬品調剤体制加算は引き下げられ、高い場合は引き上げられました。「できる薬局」にアメを集中的に与えることで、後発医薬品の使用をさらに促すという意図が読み取れました。最新の2020年9月時点での使用割合が公表されるのはもう少し先になりそうですが、4月あたりで70%台後半に達していると聞きます。コロナ禍のイレギュラーな医療現場の状況では、もし目標未達であったとしても細かく追及されることはないように思いますが、今後もさらに後発医薬品の使用を促進するための動きが出てきました。田村憲久厚生労働相は11月27日の経済財政諮問会議で、バイオシミラー(BS)の使用促進策を含めた後発品の「新目標」を今年度中に設定することを表明した。医療現場や患者が抱く有効性・安全性に対する不安や、経済的なインセンティブが働かない高額療養費制度などが普及のハードルとなっているBSに関しては、諮問会議の民間議員も重点課題として位置付け目標設定するよう提言。大型バイオ医薬品の特許切れによってBS成分数は現時点では計14成分に増加しており、厚生労働省は「個別薬剤」まで踏み込んだ対策や数量以外の指標追加も検討する構えだ。(2020年11月30日付 RISFAX)「え! また新たな目標が設定されるの!?」と思ったのは私だけではないはずです。この記事によると、2019年9月の薬価調査に基づき推計した後発医薬品への切り替えによる医療費適正効果額は1兆6,166億円となっていますが、バイオシミラーの金額割合は約20%にとどまっています。先発バイオ医薬品は非常に高価な薬剤が多いですが、バイオシミラーだと薬価が約70%になりますので、切り替えのインパクトは大きいと着目したのでしょう。バイオシミラーは先発バイオ医薬品と適応に違いがあるなど、実際に切り替える際には課題も少なくありませんが、まだ品目が少ない現状だからこそ個別薬剤を狙い撃ちにした対策や指標の検討をにおわせています。バイオシミラーと後発医薬品の違いがわからなかったり、有用性に懸念があったりする患者さんは多いため、地道に後発医薬品を紹介してきたときのような努力がまた必要となるかもしれません。早くも年内に目標が設定されそうですので、今後の動向を見守りたいと思います。

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第37回 どこにでもある薬のCOVID-19重症化予防効果を調べる試験がアフリカで始まった

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に効く薬を見つけるための数多の試験が世界のあちこちで実施されていますが、アフリカではこれまでほぼ皆無でした。しかしこの9月から、とても価値があるのにほとんど手つかずな使命を帯びた大規模試験がアフリカで始まっています1)。その使命とは、COVID-19患者が重症化して入院せずに済むようにする安くてどこでも手に入る薬を見つけ出すことです。ANTICOVという名称のその試験2,3)では、今さらという感がありますが、世界保健機関(WHO)のSolidarity試験や英国でのさらに大規模なRecovery試験でCOVID-19入院患者にはっきりと無効だったマラリア薬・ヒドロキシクロロキンが最初に検討される試験薬の一つとなっています4)。ANTICOVはいまのところコンゴ共和国でのみ進行中ですが、やがては13ヵ国で軽度~中等度のCOVID-19患者2,000~3,000人が参加する予定です。C型肝炎薬ソホスブビル、駆虫薬nitazoxanideやイベルメクチン、痛風薬コルヒチンなどの多数の薬の検討が予定されていますが、まず試されるのは上述のヒドロキシクロロキンとHIV薬・カレトラ(ロピナビル/リトナビル)です4)。理由はどうあれ病院に来た患者にCOVID-19検査を受けてもらい、感染が確認されて酸素飽和度(SpO2)94%以上などの選択基準を満たした患者を試験に招待します。試験参加を了承した患者は対照薬・アセトアミノフェン(パラセタモール)か試験薬のいずれかを決められた期間服用し、アプリへの入力や電話への回答で症状が毎日記録されます。主要転帰はこの上なく明確で、薬の割り当てから3週間(21日間)以内に酸素飽和度が93%以下に陥ることです。そうなったら服用薬が効かなかったと判断され、国によってはWHO主催の入院患者対象Solidarity試験などに参加することができます。先週のScienceのニュース1)によると、コンゴ共和国に続いて今週にはケニアで患者募集が始まります。300人のデータが揃った時点で最初の中間解析が実施され、その後は新たに加わった300人のデータが揃うたびに途中解析が順次実施されます4)。試験で検討される薬は今後追加され、中間解析で有効か無効の判定基準を満たした薬は試験を卒業していきます。ANTICOV試験でまず検討されるヒドロキシクロロキンは入院患者に明らかに無効だったことに加えて予防効果や軽症への効果もなかったとする報告もあり、ヒドロキシクロロキンから始めるなんてことは自分ならしないと英国のSolidarity試験を率いた医師の一人Martin Landray氏は言っています1)。しかしANTICOV試験のガーナ担当を率いるJohn Amuasi氏は試す価値があると考えています。同剤を標準薬とするアフリカの国は依然として多く3)、ANTICOV試験で無効と判明すればその効果への期待を断つことができるのです。それに、利益相反を考慮の上でこれまでの試験一揃いを解析した最近の報告では早めのヒドロキシクロロキン投与に軍配が上がっており5)、効果の望みは全くないというわけではなさそうです。ヒドロキシクロロキンは先鋒にふさわしくなさそうとはいえ、Landray氏はANTICOVのような試験の価値を認めています。誰もがいかなるときにも使えていざという時に大量に供給可能な治療薬は見つけておく必要があるからです。参考1)First-of-its-kind African trial tests common drugs to prevent severe COVID-19/Science2)ANTICOV/DNDi3)Largest clinical trial in Africa to treat COVID-19 cases before they become severe is launched in 13 countries/DNDi4)ANTICOV試験プロトコール5)Mechanism of action of chloroquine/hydroxychloroquine for COVID-19 infection /EurekAlert

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エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブ、BRAF変異大腸がんに国内承認/小野

 小野薬品工業、2020年11月27日、BRAF阻害薬エンコラフェニブ(商品名:ビラフトビ)およびMEK阻害薬ビニメチニブ(商品名:メクトビ)とEGFR抗体セツキシマブとの3剤併用療法、およびエンコラフェニブとセツキシマブの2剤併用療法における「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸」に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。エンコラフェニブおよびビニメチニブとセツキシマブとの3剤群のOSが有意な延長 今回の承認は、1次または2 次治療後に進行したBRAF V600E変異を有する治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸がんを対象に実施された国際共同無作為化非盲検第III相試験(BEACON CRC試験)の結果に基づいている。 同試験の結果、エンコラフェニブおよびビニメチニブとセツキシマブとの3剤群は対照群と比較して、主要評価項目の1 つである全生存期間(OS)で統計学的に有意な延長を示した(HR:0.52;95%VI:0.39~0.70、p<0.0001)。もう 1 つの主要評価項目である盲検下独立中央判定の奏効率についても、3剤群が対照群と比較して、統計学的に有意な改善を示した(p<0.0001)。また、副次評価項目であるエンコラフェニブとセツキシマブの2剤併用療法(2剤群)におけるOSも、2剤群で統計学的に有意なOSの延長を示した(HR:0.60、95%CI:0.45~0.79、p=0.0002)。本試験におけるエンコラフェニブとビニメチニブの安全性プロファイルに関しては、3剤群および2剤群の両群において予期せぬ毒性は認められなかった。

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COVID-19パンデミック時の休校、子供の寿命に影響か

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時、学校が休校となった国が多いが、子供たちの健康への影響はないのだろうか。米国・ワシントン大学のDimitri A. Christakis氏らが、COVID-19パンデミックに関連して生じうる損失生存年数(years of life lost:YLL)を米国の小学校の休校もしくは開校継続の条件で推定したところ、開校継続が支持される結果となった。JAMA Network Open誌2020年11月12日号に掲載。 この決定分析モデルでは、米国の疾病予防管理センター(CDC)、社会保障局、国勢調査局の2020年のデータを含む公的に利用可能なデータを使用し、休校と学歴低下との関連、学歴低下と平均余命との関連を推定した。また、COVID-19による死亡率、開校を継続してCOVID-19が増加した場合に生じうる死亡率の増加も推定した。主要アウトカムはYLL。 主な結果は以下のとおり。・2020年のパンデミックで、計2,420万人の5〜11歳の子供が通っていた公立学校が休校となり、中央値で54日間(四分位範囲:48〜62.5)の授業が失われた。・休校による平均YLLは、男子で0.31年(95%信頼区間[CI]:0.10~0.65)、女子で0.21年(同:0.06~0.46)であった。人口全体における休校に関連したYLLは、553万年(同:188~1080万年)と推定された。・CDCの報告では、米国では2020年5月末までにCOVID-19で8万8,241人が死亡していることから、YLLは150万年(95%CI:123〜185万年)と推定された。もし開校を継続した場合のYLLの上乗せは、休校とパンデミック蔓延の減少の関連を検討した研究結果に基づくと147万年(同:45~259万年)と予測され、計297万年(同:188〜430万年)となる可能性が示された。・「開校」と「休校」の両条件において推定されたYLLの分布を比較・分析すると、開校継続では休校時よりも合計YLLが低いことが98.1%の確率で観察された。 著者らは、「この決定分析モデルでは開校継続が支持された。今後、パンデミック中の休校の決定は、教育の混乱と予想される寿命短縮との関連を考慮し、休校によって子供の健康に生じうるアウトカムを重視する必要がある」と結論している。

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認知症診断後1年以内の自殺リスク

 重度の認知症であれば、自殺を実行するための機能が損なわれることで自殺を防ぐことができるが、初期および軽度の認知症の場合、認知機能が比較的保たれているため、疾患の進行による将来への不安を醸成し、自殺の実行を助長する可能性がある。韓国・延世大学校のJae Woo Choi氏らは、認知症診断を受けてから1年以内の高齢者の自殺リスクについて調査を行った。Journal of Psychiatry & Neuroscience誌オンライン版2020年10月29日号の報告。アルツハイマー型認知症は自殺リスクが高かった 国民健康保険サービスのシニアコホートデータを用いて、2004~12年に認知症と診断された高齢者3万6,541例を抽出した。認知症の定義は、ミニメンタルステート検査(MMSE)スコア26以下および臨床的認知症評価尺度(CDR)スコア1以上またはGlobal Deterioration Scale(GDS)スコア3以上とし、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、その他/特定不能の認知症を含めた。性別、年齢、併存疾患、インデックス年で1:1の傾向マッチングを行い認知症でない高齢者を対照群として抽出し、2013年までフォローアップを行った。認知症診断後1年以内の自殺による死亡の調整済みハザード比(aHR)を推定するため、時間依存的Cox比例ハザードモデルを用いた。 認知症診断を受けてから1年以内の高齢者の自殺リスクの調査の主な結果は以下のとおり。・認知症診断後、最初の1年間で46例の自殺が確認された。・認知症高齢者は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった(aHR:2.57、95%信頼区間[CI]:1.49~4.44)。・アルツハイマー型認知症(aHR:2.50、95%CI:1.41~4.44)またはその他/特定不能の認知症(aHR:4.32、95%CI:2.04~9.15)の高齢者は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった。・他の精神疾患を合併していない認知症患者(aHR:1.96、95%CI:1.02~3.77)および合併している認知症患者(aHR:3.22、95%CI:1.78~5.83)は、対照群と比較し、自殺リスクが高かった。・統合失調症(aHR:8.73、95%CI:2.57~29.71)、気分障害(aHR:2.84、95%CI:1.23~6.53)、不安症または身体表現性障害(aHR:3.53、95%CI:1.73~7.21)と認知症を合併している患者は、認知症を合併していない各疾患の患者と比較し、自殺リスクが高かった。 著者らは「本研究は、自殺率の高い韓国の高齢者を対象とした試験であり、異なる背景を有する集団に本結果をそのまま当てはめるには、注意が必要である」としながらも「認知症診断後1年以内での自殺リスクの上昇が認められた」としている。

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高用量オメガ3脂肪酸、高リスク患者のMACE発生を抑制せず/JAMA

 スタチン治療中の心血管高リスクの患者において、通常治療に加えてのEPAとDHAのカルボン酸製剤(オメガ-3CA)の摂取はコーン油摂取と比較して、主要有害心血管イベント(MACE)の複合アウトカムの発生に有意差はなかったことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のStephen J. Nicholls氏らが多施設共同二重盲検無作為化試験「STRENGTH試験」の結果を報告した。EPAとDHAのオメガ-3脂肪酸が心血管リスクを抑制するかは明らかになっていない。一方で、オメガ-3CAはアテローム性脂質異常症や心血管高リスクの患者の脂質および炎症マーカーに対して好ましい効果があることが文書化されていた。著者は、「今回の結果は、MACE抑制を目的とした高リスク患者でのオメガ-3CAの使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2020年11月15日号掲載の報告。22ヵ国のスタチン治療中患者を対象に、コーン油と比較 オメガ-3CAまたはコーン油摂取について比較した試験は、北米、欧州、南米、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの22ヵ国・675の大学または地域病院で、スタチン治療中で心血管リスクが高く、高トリグリセライド血症およびHDLコレステロール(HDL-C)が低値の患者を対象に行われた。2014年10月30日~2017年6月14日に登録が行われ、試験は2020年1月8日に終了、最終患者の受診は2020年5月14日であった。 被験者は、スタチン等の通常の治療に加えて、4g/日のオメガ-3CAを摂取する群(6,539例)または不活性比較群として機能することを目的としたコーン油を摂取する群(6,539例)に、無作為に割り付けられた。 有効性の主要評価項目は、心血管死・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・冠動脈血行再建術・入院を要した不安定狭心症の複合(MACE)であった。有益性の可能性が見込めず試験は早期に中止 1,384例の患者に主要エンドポイントのイベントが発生した時点(計画では1,600件)で行われた中間解析の結果、オメガ-3CAがコーン油よりも臨床的有益性を認める可能性は低いことが示され、試験は早期に中止となった。 治療中であった1万3,078例の患者(平均年齢62.5[SD 9.0]歳、女性35%、糖尿病70%、LDL-C中央値75.0mg/dL、トリグリセライド中央値240mg/dL、HDL-C中央値36mg/dL、高感度CRP中央値2.1mg/dL)において、1万2,633例(96.6%)が主要エンドポイント発生に関する試験を完了した。 主要エンドポイントの発生は、オメガ-3CA群785例(12.0%)、コーン油群795例(12.2%)であった(ハザード比[HR]:0.99[95%信頼区間[CI]:0.90~1.09]、p=0.84)。 消化器系の有害事象の発現が、オメガ-3CA群(24.7%)でコーン油群(14.7%)よりも高頻度に観察された。

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第24回 風邪薬1箱飲んだら、さぁ大変!【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)若年者の嘔気・嘔吐では必ず鑑別に!2)拮抗薬はきちんと頭に入れておこう!【症例】26歳女性。ご主人が帰宅すると、自宅で繰り返し嘔吐している患者さんを発見し、辛そうにしているため救急要請。救急隊からの情報では、リビングの机の上には市販薬の空箱が数箱あり、嘔吐物には薬塊も含まれていた様子。●受診時のバイタルサイン意識10/JCS血圧119/71mmHg脈拍98回/分(整)呼吸25回/分SpO299%(RA)体温36.2℃瞳孔3/3 +/+既往歴特記既往なし内服薬定期内服薬なし最終月経2週間前風邪薬の成分とはみなさん風邪薬を服用したことがあるでしょうか? 医療者はあまり使用することはないかもしれませんが、一般の方は風邪らしいなと思ったら薬局などで購入し、内服することは多いでしょう。救急外来や診療所に発熱や咳嗽を主訴に来院する患者さんの中には、市販薬が効かないから来院したという方が一定数いるものです。市販薬を指定されている量を内服している場合には、それが理由でとんでもない副作用がでることはまれですが、当然服用量が過剰になればいろいろと問題が生じます。風邪薬の成分は、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬、クロルフェ二ラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン薬、ジヒドロコデインリン酸塩などの鎮咳薬、そして無水カフェインが含まれている商品が多いです。今回は救急外来で遭遇する頻度が比較的高い「アセトアミノフェン中毒」について重要な点をまとめておきます。その他、カフェイン、ブロン、ブロムなども市販薬の内服で起こり得る中毒のため、是非一度勉強しておくことをお勧めします。アセトアミノフェンの投与量以前、アセトアミノフェンは1日最大量1,500mg(1回最大量500mg)と少量の使用しか認められていませんでしたが、2011年1月から1日最大量4,000mg(1回最大量1,000mg)と使用可能な量が増えました。また、静注薬も発売され、みなさんも外来で痛みを訴える患者さんに対して使用していることと思います。高齢者に対しても、肝機能障害やアルコール中毒患者では2,000〜3,000mg/日を超えないことが推奨されていますが、そうでなければ1回の投与量は10〜15mg/kg程度(1,000mgを超えない)が妥当と考えられています。アセトアミノフェン中毒とはアセトアミノフェンは、急性薬物中毒の原因物質として頻度が高く、救急外来でもしばしば遭遇します。最も注意すべきは肝障害であり、アセトアミノフェン中毒で急性肝不全を呈した患者の3週間死亡率は27%と非常に高率です1)。そのため、十分量使用しながらも中毒にならないように管理する必要があります。アセトアミノフェンの大部分は肝臓で抱合され尿中に排泄されますが、一部は肝臓で分解され、N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)を生成し、これをグルタチオンが抱合することで尿中に排泄されます。NAPQIは毒性が高いのですが、アセトアミノフェンが適正の量であれば、グルタチオンによって解毒されます。しかし、過剰量の場合には、グルタチオンが枯渇し、正常の30%程度まで減少するとNAPQIが蓄積、肝細胞壊死へと進行してしまいます2)。そのため、アセトアミノフェンを過剰に摂取した場合には、グルタチオンを増やすことが必要になるわけです。NACとは中毒診療において重要なこととして、拮抗薬の存在が挙げられます。拮抗薬が存在する薬剤は限られるため頭に入れておきましょう(参考:第7回 意識障害その6 薬物中毒の具体的な対応は?)。アセトアミノフェンに対する拮抗薬はN-アセチルシステイン(NAC)です。NACは、グルタチオンの前駆体であり、中毒症例、特に肝細胞壊死へと至ってしまうような症例では必須となります。タイミングを逃さず、NACの投与が開始できれば肝不全は回避できます。ちなみにこのNAC、投与経路は経口です。静注ではありません。臭いをかいだことがある人は忘れない臭いですよね。腐った卵のあの臭い…。NACはいつ投与するかそれではいつNACを投与するべきでしょうか。アセトアミノフェンの血中濃度が迅速に判明する場合には、その数値を持って治療の介入の有無を判断することがある程度することが可能です。ちなみに、アセトアミノフェン摂取後の経過時間を考慮した血中濃度で判断する必要があり、内服直後の数値のみをもって判断してはいけません。一般的には4時間値が100μg/mLを超えているようであればNAC開始が望ましいとされます(以前は150μg/mLでしたが、肝障害発症の予防を強固に、そして医療費の削減のため基準値が下げられました)。“Rumack-Matthewのノモグラム”は有名ですね2)。そのため、摂取時間を意識した測定、経過観察が大切です。測定が困難な場合には、内服した量から推定するしかありません。アセトアミノフェンを150mg/kg以上(50kgであれば7,500mg)服薬していた場合にはNAC療法が推奨されます。この7,500mgという量をみてどのように思いますか? 前述した通り、アセトアミノフェンの1日の最大投与量として許容されている量は4,000mgです。中毒量が目の前に存在することがよくわかると思います。痛みに悩む患者さんは多く、処方されている薬を飲み過ぎてしまうと、簡単に中毒量に達してしまう可能性があるため注意が必要なのです。1箱飲んだら危険製品にもよりますが、アセトアミノフェンが含有される風邪薬や頭痛薬など鎮痛薬と称される市販薬は、1錠に含まれるアセトアミノフェンは80~200mg程度と少量の物が多いのですが、1箱80錠のものも存在します。また、インターネット上で購入しようと思えば500mg錠100錠など、中毒量を購入することは簡単にできてしまうのが現状です。初療時のポイントは、本症例のように嘔気・嘔吐を認める患者など過量内服患者を拾い上げること、そしてNACの適応となり得る量を内服していないかを血中濃度や推定内服量から見積もり判断することです。さいごにアセトアミノフェンは使用し易く、処方する機会は多いと思います。しかし、使用方法を間違ってしまうと肝不全へ陥ってしまう可能性のある恐い薬でもあります。安全な薬というイメージが強いかもしれませんが、いかなる薬もリスクであるため、処方する際には正しい内服方法を丁寧に患者さんに説明しましょう。また、過量内服患者ではNACの適応を理解し、肝障害を防ぎましょう。1)Ostapowicz G,et al. Ann Intern Med. 2002;137:947-954.2)Heard KJ. N Engl J Med. 2008;359:285-292.

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「誰に相談すべきなの?」――開業前のお悩みを整理【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第6回

第6回 「誰に相談すべきなの?」――開業前のお悩みを整理漫画・イラスト:かたぎりもとこ開業を考えはじめた時には「何から手を付ければいいのか」「誰に相談すればいいのか」と悩まれる方が多いでしょう。適切な時期に適切な相手に相談することで、効率的に必要な知識を得ることができます。まず、現在の自分は、下記のどちらに当たるのかを確認してください。(1)開業を検討しはじめたばかり(2)開業に向けた基本的な知識があり、物件探しを開始した(1)開業を検討しはじめたばかりこの場合は、まずは開業セミナーへの参加や開業系の本を読むこと、また開業した先輩へ相談されることをお勧めします。広く薄く情報をインプットすることで、開業するうえでどんなことが障害になりそうか、何を大切にしたいかなど、考えが徐々に明確になってきます。また、自分の知識が足りない分野を確認することもできるでしょう。ここで注意したいのが、(1)の段階の方が「まずは物件探しだ!」と、いきなり不動産仲介会社や医業承継コンサルタントに相談に行くケースがよくあることです。自分の開業のイメージが固まらない段階でこうしたプロに依頼しても、コミュニケーションコスト(相手に伝えたいことを理解させる時間)が膨大にかかり、お互いに無駄が多くなります。<開業セミナー参加時の注意点>開業セミナーに参加する場合は、各業者のキャッシュポイント(どこで売上を立てているか)に着目しておくことも重要です。事業者の中には開業支援を無料で行い、その後、異なる段階(キャッシュポイント)で費用を回収するケースも少なくありません。そのような前提を理解したうえで、開業支援を依頼するか判断しましょう。開業支援事業者のキャッシュポイントには下記のようなものがあります。相談時に費用が発生する…新規開業コンサルタント等成功時(開業時)に費用が発生する…承継開業コンサルタント、不動産仲介事業者、医療機器業者、内装・建築業者開業後に費用が発生する…リース業者、税理士、医薬品卸業者、調剤薬局(費用ではないが医院の存在が薬局運営の集客源となる)(2)開業に向けた基本的な知識があり、物件探しを開始した(2)の方の場合、自身が新規または医業承継のどちらの開業形態に向いているかを検討し、そちらの専門性の高い事業者へ物件探しを依頼しましょう。新規開業と医業承継支援は似ているようで、求められる専門性や知識は大きく異なります。新規開業を支援しても、承継開業に必要となる税務面や法務的な知識を苦手とする事業者も多いのです。自分の希望する条件や診療所のイメージを伝え、事業者とコネクションをつくっておくことで魅力的な物件が出た際にいち早く声を掛けてもらえ、スムーズな開業につながります。

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