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中国本土の研究者が書いた原著論文の8割が重複出版だった(解説:折笠秀樹氏)-1356

 スタチンによる心血管イベント抑制の効果は今では周知ですが、それが診療ガイドラインで推奨されるようになったのは2008年ごろのようです。それは累積メタアナリシスでも確認済みのようです。 原著論文は、過去の研究論文と重複してはいけません。新規の結果を示すのが原則だからです。そうでないと、それは重複出版(redundant publication)といわれます。本研究は、中国本土の研究者が書いた原著論文で、80%が重複出版に相当することを示したのです。2008年以降に上記と同じ効果を示す論文があったら、それは重複出版としたようです。すでにコンセンサスになっている結果を、原著論文として出版するのは研究者倫理に反します。ふつうなら、すでに明らかになっていることを結語した論文を投稿しても、それは既知だとして却下になるはずです。 今回は中国本土の研究者に限っていますが、それにしても重複出版が80%もあったのは大問題です。それらの論文では、96%が財源を明示していませんでした。87%はIRB承認を報告していませんでした。そして、中国語で書かれた論文が99.7%ありました。ほぼすべてです。いい加減な論文がまん延していることがわかります。これをみて、日本人著者は大丈夫かなと心配してしまいました。でも、このような新薬に関する臨床試験を、日本語の論文として出版する研究者はいなくなったのではないでしょうか。ただ、一昔前(2000年以前)までは治験論文を中心に、日本語で書かれた原著論文はたくさんありました。試験の品質は悪かったかもしれませんが、このような重複出版はなかったと信じています。 なんといっても、著者に中国人が入っていたのにはびっくりしました。もちろん、米国に住む中国人です。中国人が著者にいたため、中国語のデータベースを調査できたものと思います。ふつうの人なら、中国語は読めないからです。粛清されないか心配です。帰国しないほうが身のためでしょうね。 先端分野について、英語以外で書かれた論文はほとんど見向きもしなくなりました。今回怪しげな中国の論文が見つかったわけですが、誰も読まなければ害はなさそうに思います。ただ、それが英語論文で引用されると別の問題が生じるかもしれません。

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肺がん2020 Wrap Up【肺がんインタビュー】 第59回

第59回 肺がん2020 Wrap Up出演:兵庫県立がんセンター 副院長(医療連携・医療情報担当) 兼 ゲノム医療・臨床試験センター長 呼吸器内科部長 里内 美弥子氏2020年肺がんの重要トピックを兵庫県立がんセンターの里内 美弥子氏が、一挙に解説。これだけ見ておけば、今年の肺がん研究の要点がわかる。

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三十代で家が建つ【Dr. 中島の 新・徒然草】(362)

三百六十二の段 三十代で家が建つ三寒四温というのか、暖かくなったり寒くなったりの毎日。コロナ第3波もピークを越え、患者数減少を肌で感じます。でも、まだまだ油断禁物。用心するに越したことはありません。さて、皆さんはキーエンスという会社を御存じでしょうか?新大阪駅から南に約600mの場所にあるセンサーメーカーですが、私もよく知りませんでした。何と言ってもキーエンスを有名にしたのが、その給料の高さ。2019年3月の有価証券報告書によると、従業員の平均年齢は35.8歳、平均年間給与は2,110万6,666円。なんとまあ、平均が2,100万円、しかも35歳で!ネットには断片的なキーエンス伝説が溢れています。三十代で家が建ち、四十代で墓が建つむちゃくちゃ給料がいいので三十代で家が建つけど、死ぬほど働くので四十代で寿命を迎える、という意味なんでしょうね。なんでも、午前7時半から午後9時頃まで働くのが普通だそうです。キーエンスのプロボックスは公道最速やたら飛ばしている商用バンを見たら、キーエンスの営業なんだそうです。横に「KEYENCE」と社名があるので一目瞭然ではありますが。ということで数々の神話に包まれた謎の会社キーエンス。なんとYouTubeで元キーエンスNo.1営業マンがAMANO SCOPEというチャンネルで、その秘密を披露していました。他業界のことではありますが、我々にも参考になるので、簡単に紹介いたします。YouTubeで語っているのは天野 眞也氏。新卒でキーエンスに入社し、約20年間在籍して2009年に退社しました。その間、新人の営業No.1を獲得し、2年目以降にはキーエンスの全国営業No.1になったこともあるそうです。キーエンスの強さの秘密を1時間余りにわたって語っておられましたが、特に面白いと思ったところを3点紹介いたします。秘密その1売上目標はない。代わりにあるのは利益目標だ売上から経費を引いたものが利益です。大切なのは利益であり売上ではない、というのは当然のこと。ここで、売上を目標においてしまうと、営業担当者は薄利多売、場合によっては損してでもたくさん売る、みたいな行動をとりがちです。ところが、キーエンスの営業には売上目標はなく、利益目標だけがあるので、どうやったら会社が儲かるのかを営業から開発まで1人1人が考えて行動しています。その結果、先の有価証券報告書によれば、売上高5,870億円に対し、営業利益3,178億円、実に営業利益率54%と大変な成績をあげました。そりゃあ給料も高いはずだ。ちなみに同業他社の場合、この営業利益率は数%とか、よくて10%台だそうです。秘密その2開発や設計担当者が営業を飛ばして直接顧客に話を聞く普通の会社では、設計や開発担当者は営業を通じて顧客のニーズを知るわけです。が、キーエンスには皆がアクセス可能な顧客情報データベースがあり、個々の商談の具体的な進行状況を知ることができるので、商品企画部が直接顧客にアポをとって聞きたいことを聞き、目的に適った商品を造ったり、まだ顕在化していないニーズを掘り起こしたりしているそうです。このことが、次に述べる商品開発の速さにつながってきます。秘密その3スピード最優先先に述べたように、まだ顕在化していないニーズを掘り起こしているので、先手を打った商品開発が可能になり、その結果、新商品のサイクルが競合他社より圧倒的に速くなります。また、営業は営業でスピード最優先。何かの拍子に急に必要になった商品を顧客に頼まれた場合、翌日に納品します。窮地に陥っていた顧客に感謝されることは言うまでもありません。このように全社員がスピード最優先を心掛けていれば、あらゆる場面で強さが発揮できます。考えてみれば、どれもこれも当たり前の事の積み重ね。ブラック企業というよりも、凡事徹底ですな。ところで、このYouTubeを見ながらふと思ったわけですよ。キーエンス本社って、僕の通勤途中にあるじゃん!というわけで、車に乗って帰宅する途中、窓の外に注意を払ってみました。たくさんのビルが見えますが、夜も遅いので窓の明かりが3分の1くらいついていれば多いほうです。そんな中、上から下まですべての窓に明かりの灯っている立派なビルがありました。この異様なオーラを放ったビルがもしかして?そう思った私は少し道を外れて近寄ってみると、果たして地上21階のキーエンス本社でした。ぐわあ、ま、眩しい。平均年収2,100万円の輝きに圧倒されてしまいました。他業界のこととはいえ、我々も参考にする部分は数多くあるものと思います。よかったらYouTubeの当該チャンネルも見てください。最後に1句早春の 夜空に輝く 二千万

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第45回 菅政権で前進?日本の「卵子提供妊娠」の現状

菅政権が看板政策の1つに挙げたことで「不妊治療の保険適応の拡大」が注目される中、愛育病院(東京都港区)の安達 知子院長らの研究グループが、同病院における卵子提供妊娠(ODP)に関しての母体・新生児アウトカムをまとめた調査結果がHypertension in Pregnancy誌2021年2月号に掲載された。国内施設のODPに関する珍しい研究なので、概要を紹介したい。1.調査の背景ODPは、若いドナーの卵子と配偶者の精子を用いて、体外受精をした後に妊娠が成立した状態だ。欧米では体外受精全体の8~10%と高い比率を占める。高齢女性の場合、自己卵子を用いた場合よりもはるかに優れた生児獲得率を示している。一方でODPは、合併症の頻度が高い。妊娠高血圧症候群(HDP)もその1つで、欧米においては、自己卵子を用いた生殖補助医療(ART)による妊娠や自然妊娠(SP)に比べ、約3倍高いと報告されている。さらに、妊娠高血圧腎症(PE)を発症すると、重篤な状態を来したり、臓器障害などが残ったりする可能性も高まる。日本産科婦人科学会や日本生殖医学会は、ODPのニーズを認めつつも、法整備が追いついていない状況で、積極的に推進するまでには至っていないのが実情だ。しかし、35~40代の不妊症女性の増加に伴い、ODPの必要性は高まっている。米国や東南アジアなどの海外でドナー卵子を獲得し、ARTによる妊娠後に日本に帰国する女性がいる。海外で得た卵子から生まれた子どもの数は、日本では年間300~400人と推定され、今後さらなる増加が予想される。しかし、アジア女性におけるODPの転帰については、ほとんど知られていない。HDPに関しては、黒人は白人よりも発症リスクが高いことなど、人種性の違いがあることを考えると、日本人女性におけるODP関連のHDPリスクを調べることは重要だ。2.調査方法愛育病院で2013年1月1日~2017年12月31日までに分娩し、分娩時の年齢が40歳以上の女性を対象に検討した。ただし多胎妊娠は除外し、調査期間中に複数回分娩した場合は、初産のみを対象とした。診療録から後ろ向きに分娩時の年齢、流産などの妊娠歴、その他の合併症など臨床的特徴に関するデータを抽出。また、各患者の妊娠経過中におけるHDPをはじめとする産科合併症、および分娩週数、分娩様式や出血量、出生児の状況なども抽出した。ODPについては、卵子提供を受けた国や地域、卵子提供者の人種や年齢、移植胚の数などのデータを抽出した。3.調査結果対象は1,365例(ODP群:44例[3.2%]、ART群:485例[35.5%]、SP群:836例[61.2%])。ODP群の年齢中央値は47歳で、ART群およびSP群(いずれも41歳)より高かった。HDPを発症した割合は、ODP群で高率であり、ART群、SP群の3群間に統計的な有意差を認めた(20.5% vs.12.8% vs.7.6%、p<0.001)。PEを発症した割合は、ODP群とART群では差がなく、SP群よりも高率であった(4.2% vs.4.2% vs.2.0%、p=0.024)。早産率に関しては、3郡間で有意差を認めなかった。年齢中央値の差や、ほかの交絡因子を是正して再解析を行ったが、結果に大きな変化はなかった。卵子提供者の年齢中央値は26歳、卵子提供者を受けた場所は米国本土31.8%、ハワイ22.7%、タイ15.9%、台湾4.5%で、日本は2.3%だった。卵子提供者の国籍は65.9%が日本人で、卵子提供者の70.5%がアジア人だった。4.まとめ本研究では、ODP群におけるHDPの発生率は、ART群やSP群に比べて高率であり、欧米の過去の報告と同様だった。ODP群におけるPE発症率が比較的低い理由として考えられるのは、同院の患者教育などの管理の徹底だ。HDPのリスクを認識してもらうため、食事指導や生活指導を繰り返し行うと共に、朝夕の家庭での血圧測定を指示し、必要に応じて入院指導・入院安静を励行した。なお、約20~80%の症例において提供者の年齢や人種、ODPの実施場所、移植胚の数などの患者情報が欠落、卵子提供者の特徴などをカルテ調査で正確に把握することが困難だった。今回の検討からは省いているが、ODPによる双胎妊娠ではHDPの発症率は極めて高率であり、今後のODP増加を踏まえると、正確な情報の収集と分析が非常に重要だ。最後に、本研究は1施設の検討であるため、日本全体のODPにおける妊娠合併症の頻度を正確に反映するものではないが、ART群、SP群と比較した妊娠転帰や新生児転帰を検討した研究として有意義である。参考1)Gekka Y,et al.Hypertens Pregnancy.2021 Feb;40(1):36-44.

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日本人統合失調症患者に対するブレクスピプラゾール切り替え療法の安全性

 CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、アリピプラゾールまたは他の抗精神病薬(ドパミンD2受容体アンタゴニスト)からブレクスピプラゾールに切り替えた際の、長期的な安全性の評価を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2021年1月26日号の報告。 日本人統合失調症外来患者を対象とした56週間オープンラベル試験の事後分析を行った。オープンラベル試験では、ブレクスピプラゾール2mg/日へ4週間で切り替えを行った後、52週間フレキシブルドーズ(1~4mg/日)で投与した。主要評価項目は、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖、体重、プロラクチンとした。副次的評価項目は、有効性、治療による有害事象(TEAE)、錐体外路症状、補正値QT間隔との関連とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者186例中84例(45.2%)は、同意の撤回や有害事象のために治療を中断した(アリピプラゾールからの切り替え群[APZ群]:32.9%、他の非定型抗精神病薬からの切り替え群[AP群]:54.8%)。・56週目のベースラインからの平均変化は、両群ともに総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖値ではわずかであり、平均体重(APZ群:1.1±4.4kg、AP群:0.4±4.6kg)のわずかな増加が認められた。・平均プロラクチンレベルは、APZ群でわずかな増加が認められたが、AP群では減少が認められた。・症状の重症度は、両群ともに減少が認められた。・TEAE発生率は、86.6%(161例)であった。各群のTEAE発生率は、APZ群で84.1%、AP群で88.5%であり、重度のTEAE発生率は、APZ群で9.8%、AP群で14.4%であった。・錐体外路症状、QT間隔の変化は、ほとんど認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾールへの切り替えは、代謝異常、体重増加、高プロラクチン血症、錐体外路症状、QT延長、精神症状への長期的な影響が少ない治療方法である」としている。

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「喘息患者の受診控え」に緊急提言、花粉時期はさらなる注意を

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、患者の受診控えの傾向が続いている。アストラゼネカは日本呼吸器学会と共同で「『喘息患者の受診控え』に緊急提言 ~コロナ禍が続く中で迎える花粉飛散シーズン、どう喘息悪化を防止するか~」と題したセミナーを開催した。 この中で、 高知大学の横山 彰仁氏(呼吸器・アレルギー内科学 教授)が「喘息における継続治療の重要性~ウイルスや花粉の影響~」と題した講演を行った。この中で横山氏は、・喘息は治療継続が必要な病気。受診控えや治療中断は悪化要因となる・喘息は、ウイルス感染やタバコの煙、花粉といった刺激で症状が悪化する。今年は多くの地域で昨年より花粉飛散量が大幅に増えると予測されており、注意が必要・COVID-19を理由とした受診控えが多いが、これまでの研究では喘息はCOVID-19の罹患因子でも重症化因子でもなく1)、COVID-19悪化入院患者のうち喘息患者の割合はインフルエンザ患者よりも低い2)、とし「喘息のコントロールができていればCOVID-19を過度に恐れる必要はない」と述べた。 さらに、今後予定されるCOVID-19のワクチン接種に関し、基礎疾患を持つ人は優先接種の対象となり、厚生労働省が発表した基礎疾患の基準には「慢性呼吸器疾患」が入っている。ただし、この基準に対する意見を求められた日本アレルギー学会・日本呼吸器学会は、下記の見解を伝えたことを紹介した。・気管支喘息患者は優先接種の対象とする必要はない。ただし、1)経口ステロイド薬使用患者、2)吸入ステロイド薬使用者のうち喘息コントロールが不良である(過去1年以内の入院歴がある)患者、3)過去1年以内に2回以上の予定外外来あるいは救急外来受診歴がある患者、は対象とする。・慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者、喘息患者のうちCOPD併存患者は対象とする。 続いて、慶應義塾大学の福永 興壱氏(呼吸器内科 教授)が「新型コロナウイルス流行下での喘息患者の受診状況と受診控えが喘息患者に及ぼす影響」というテーマで講演を行った。この中で福永氏はCOVID-19流行が拡大した2020年4月から10月にかけて、喘息吸入薬の処方数が激減した3)。一方で、同じ慢性疾患である糖尿病薬剤は処方数が変わっておらず3)、受診控えがさほど起きていない状況を紹介し、「喘息は症状が治まると疾患の自覚が乏しく、受診控えが起きやすいのでは」と分析した。さらに、自院での感染防止対策を紹介したうえで「治療をせずに発作を繰り返すと、リモデリングといって気管が硬化し、喘息が重症化しやすくなる。今の時期は花粉をきっかけとした重症化も多い。電話診療等を行う医療機関も増えているので、適切な受診と治療継続をしてほしい」と呼びかけた。

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頭頸部がん1次治療におけるデュルバルマブ±tremelimumabの結果(KESTREL)/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2021年2月5日、再発または転移のある頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の1次治療を対象とたデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)と標準化学療法EXTREMEレジメン(化学療法とセツキシマブ)の比較第III相KESTREL試験の結果を発表。主要評価項目であるPD-L1高発現患者での全生存期間(OS)の延長を達成しなかった。また、デュルバルマブとtremelimumabの併用療法においても、副次評価項目であるすべての患者を対象としたOSの延長は認められなかった。 デュルバルマブの単剤療法およびデュルバルマブとtremelimumabの併用療法の安全性および忍容性プロファイルはこれまでの試験と一貫していた。試験データは今後公表する予定。

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FDA、再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の新CAR-T療法lisocabtagene maraleucelを承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年2月5日、米国食品医薬品局(FDA)が、原発性中枢神経系リンパ腫を除く、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(インドレントリンパ腫に起因するものを含む)、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、およびグレード3B濾胞性リンパ腫を含む、2種類以上の全身療法による治療歴を有する再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の成人患者の治療薬として、CD19を標的とするCAR-T細胞療法のliso-cel(lisocabtagene maraleucel、海外商品名:Breyanji)を承認したと発表。 liso-celは、あらかじめ定められた成分と4-1BB共刺激ドメインを有するCD19を標的とするCAR T細胞療法。3次治療以降のLBCLリンパ腫を対象とした最大のピボタル試験であるTRANSCEND NHL 001試験において、73%の奏効割合率および54%の完全奏効(CR)割合を示した。

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「新型コロナワクチンについて 第1版」を公開/国立感染研

 国立感染症研究所が、「新型コロナワクチンについて 第1版(2021年2月12日現在)」を公開した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの国内での接種開始にあたり、現在得られている知見を概要としてまとめたもの。これまで見つかっている3種類の変異株への効果についても考察されている。 本ページには、以下の内容が引用文献とともに掲載されている。・新型コロナウイルスの感染成立のメカニズムについて・日本で使用が検討されている3つの新型コロナワクチンの種類、組成、ベクターについて・海外での臨床試験における評価項目、臨床試験成績について・有効性の持続期間と今後の接種スケジュールの展望について・新規変異株に対するワクチン有効性について

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肥満症へのセマグルチド皮下注、平均体重変化率14.9%減/NEJM

 過体重または肥満の成人に対し、GLP-1受容体作動薬セマグルチド2.4mgの週1回皮下投与とライフスタイルへの介入は、持続的で臨床的意義のある体重の減少と関連することが示された。英国・リバプール大学のJohn P. H. Wilding氏らが、アジアや欧州、北米、南米の16ヵ国129ヵ所の医療機関を通じて、1,961例を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。肥満は世界的な健康課題で薬物治療のオプションは少ないが、今回の試験では、68週後の体重は平均約14.9%減少し、86%の被験者で体重が5%以上減少したことが報告された。NEJM誌オンライン版2021年2月10日号掲載の報告。BMI 30以上またはBMI 27以上+併存疾患の成人を対象に試験 研究グループは2018年6月~11月に、BMI 30以上(またはBMI 27以上で体重関連の併存疾患が1つ以上あり)で、非糖尿病の成人1,961例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2対1の割合で2群に分け、セマグルチド(2.4mg)またはプラセボの週1回皮下投与とライフスタイルへの介入を68週間行った。 主要エンドポイントは2つで、体重の変化と体重5%以上減少の達成率だった。主要推定値(同臨床試験の目的を反映する正確な説明)として、治療中断や救急介入実施の有無を問わない治療効果を評価した。セマグルチド群の過半数が体重15%以上減少 被験者の94.3%が試験を完了、91.2%が68週時点で体重の評価を受けた。救急介入はセマグルチド群で7例(肥満手術2例、その他の肥満薬物治療5例)、プラセボ群で13例(同3例、10例)が受けた。ベースラインの人口統計学特性は両群で類似しており、被験者の大半は女性(74.1%)で、平均年齢は46歳、平均体重は105.3kg、平均BMIは37.9、平均腹囲は114.7cmで43.7%が前糖尿病だった。 ベースラインから68週までの平均体重変化率の推定値は、プラセボ群-2.4%に対しセマグルチド群-14.9%で、推定治療群間差は-12.4ポイント(95%信頼区間[CI]:-13.4〜-11.5、p<0.001)だった。 68週時に体重5%以上の減少を達成したのは、セマグルチド群1,047例(86.4%)vs.プラセボ群182例(31.5%)で、10%以上の達成はそれぞれ838例(69.1%)vs.69例(12.0%)、15%以上の達成は612例(50.5%)vs.28例(4.9%)と、いずれもセマグルチド群で有意に高率だった(すべてのp<0.001)。 ベースラインから68週までの体重変化は、プラセボ群が-2.6kgに対しセマグルチド群は-15.3kgだった(推定治療群間差:-12.7kg、95%CI:-13.7~-11.7)。 セマグルチド群の被験者はプラセボ群の被験者と比べて、ベースラインからの、心血管の代謝に関する改善が大きく、また被験者自己申告の身体機能の増大も大きかった。 有害事象で最も多くみられたのは、悪心、下痢だったが、いずれも一時的で軽度〜中等度であり、時間の経過とともに沈静化した。なお治療中断率は、プラセボ群0.8%(5例)に対し、セマグルチド群が4.5%(59例)と高率だった。

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HCVワクチン第I/II相試験、慢性感染への予防効果認めず/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)に対する2種の遺伝子組み換えワクチンを接種するワクチンレジメン戦略について、重篤な有害事象は起きずレジメンの安全性は確認され、HCV特異的T細胞反応とHCV RNAピーク値の低下は認められたことが示された。一方で、HCVの慢性感染に対する予防効果は認められなかった。米国・ニューメキシコ大学のKimberly Page氏らが、第I/II相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。HCV感染症に対しては、現在、安全で有効な治療法があるが、注射器で薬物を使用するHCV感染者がHCVの治療を求めることはまれであるという研究が示されており、HCV感染症を撲滅する取り組みにおいては、HCVの慢性感染を予防する安全で有効なワクチンが重要な要素になる。試験の結果を踏まえて著者は、「世界的な制御を成功させるには、HCV感染症予防のための他の戦略、スクリーニングおよび治療に加えて、予防的なワクチンが必要になるだろう」と述べている。NEJM誌2021年2月11日号掲載の報告。0日目、56日目に接種するワクチンレジメン 今回の検討では、HCVの感染リスクが高いが感染不明者へのワクチン接種の安全性を評価すること、およびワクチンレジメンがプラセボよりもHCV慢性感染に有効かどうかを確認することを主な目的とした。副次目的として、ワクチンの免疫原性を評価した。 研究グループは、2012~18年にジョンズ・ホプキンズ大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、ニューメキシコ大学で、無作為化前90日以内に薬物注射歴があるHCV感染不明の健康成人(18~45歳)548例を対象に試験を実施。遺伝子組み換えチンパンジーアデノウイルス3型ベクター(ChAd3)のプライミングワクチン接種と、遺伝子組み換え改変ワクシニアアンカラ(MVA)のブースター接種のワクチンレジメンについて検討した。両ワクチンは、HCV非構造蛋白をコード化したものだった。 被験者を無作為に2群に分け、0日目と56日目に一方には前述のワクチンを、もう一方にはプラセボを接種した。 安全性の主要エンドポイントは、ワクチン関連の重篤な有害事象、重度の局所または全身性の有害事象、臨床検査値で認められる有害事象だった。有効性の主要エンドポイントは、HCV慢性感染で、6ヵ月持続するウイルス血症と定義した。per-protocol集団で両群のHCV慢性感染はいずれも14例 548例(78%が男性、61%が白人)は、ワクチン接種群、対照群それぞれ274例に無作為に割り付けられた。 HCV慢性感染の発生率について、両群に有意差は認められなかった。per-protocol集団(ワクチン群261例、プラセボ群259例)でHCV慢性感染が認められたのは、両群とも14例だった(ワクチン群vs.プラセボ群のハザード比[HR]:1.53[95%信頼区間[CI]:0.66~3.55]、ワクチン有効性:-53%[95%CI:-255~34])。 修正intention-to-treat集団(ワクチン群256例、プラセボ群257例)では、HCV慢性感染が認められたのは、ワクチン群19例、プラセボ群17例だった(HR:1.66[95%CI:0.79~3.50]、ワクチン有効性:-66%[95%CI:-250~21])。 一方、感染後HCV RNAのピーク値幾何平均には、ワクチン群とプラセボ群で差が認められた(それぞれ、152.51×103 IU/mL、1,804.93×103 IU/mL)。また、HCVに対するT細胞反応は、ワクチン群では78%で検出された。 重篤な有害事象の発現頻度は、両群で同程度だった。

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肺血栓塞栓症はCOPD増悪の原因と考えてよいか?(解説:山口佳寿博氏)-1355

 まず言葉の定義から考えていく。COPDの分野にあって、“急性増悪”という言葉が使用されなくなって久しい。現在では、単に“増悪(Exacerbation)”という言葉を使用する。さらに、増悪は“気道病変(炎症)の悪化を原因とする呼吸器症状の急性変化”と定義される(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2006以降)。GOLD 2003では、増悪は狭義のもの(一次性原因)と広義のもの(二次性原因)の2種類に分類されたが、GOLD 2006以降では、気道病変(炎症)の悪化を原因とする“狭義の増悪”を“増悪”と定義し、それ以外の原因に起因する“広義の増悪”は増悪ではなく“増悪の鑑別診断/修飾因子”として考慮することになった(肺炎、肺血栓塞栓症、気胸、胸部外傷、胸水、心不全/不整脈、麻薬/鎮静剤、β blocker。GOLD 2011以降では、麻薬/鎮静剤、β blockerが鑑別から除外)。増悪の定義が厳密化されたのは、増悪様症状を示した症例のうち80%以上が感染性(気道感染)、非感染性(環境汚染など)による気道炎症の悪化に起因し、それに対してSteroid、抗菌薬を中心とした基本的治療法が確立されたためである。その意味で、肺血栓塞栓症(PTE:Pulmonary thromboembolism)は増悪を惹起する原因ではなく、増悪の鑑別診断となる病態であることをまず理解していただきたい。 COPDとPTEの合併に関しては古くから多くの検討がなされ、COPD患者におけるPTEの合併率は、19%(Lesser BA, et al. Chest. 1992;102:17-22.)から23%(Shetty R, et al. J Thromb Thrombolysis. 2008;26:35-40.)と報告されている。これらのPTE合併頻度は本邦の一般人口におけるPTEの発症頻度(剖検例での検討:無症候性の軽症を含め18~24%)とほぼ同等であり、COPD自体がPTE発症を助長しているわけではない。しかしながら、原因不明のCOPD増悪(一次性原因と二次性原因を含む)症例を解析した論文では、その3.3%(Rutschmann OT, et al. Thorax. 2007;62:121-125.)から25%(Tillie-Leblond I, et al. Ann Intern Med. 2006;144:390-396.)にPTEの合併を認めたと報告された。本論評で取り上げたCouturaudらの論文では、COPD増悪様症状を呈した症例の5.9%にPTEの合併を認めたと報告されている(Couturaud, et al. JAMA. 2021;325:59-68.)。これら3論文を合わせて考えると、増悪様症状を呈したCOPD患者のうち少なくとも10%前後に、二次性原因としてのPTEが合併しているものと考えなければならない。以上の解析結果は、安定期COPDはPTEの発生要因にはならないが、COPDの増悪様症状を呈した患者にあってはPTEに起因するものが少なからず含まれ、COPDの真の増悪(一次性増悪)の鑑別診断としてPTEは重要であることを示唆する。PTEの合併はCOPD患者のその後の生命予後を悪化させ、1年後の死亡率はPTE合併がなかったCOPD患者の1.94倍に達する(Carson JL, et al. Chest. 1996;110:1212-1219.)。 Couturaudらのものを含め現在までに報告された論文からは、COPDの真の増悪とPTEとの関連を明確には把握できない。COPDの増悪がPTEの危険因子となる、あるいは、逆にPTEの合併がCOPDの真の増悪をさらに悪化させるかどうかを判定するためには、増悪様症状を呈したCOPD患者を真の増悪(一次性原因)とそうでないもの(二次性原因)に分類し、各群でPTEの発症頻度を評価する必要がある。COPDの真の増悪は、一秒量(FEV1)関連の閉塞性換気指標の悪化、喀痰での好中球、好酸球の増加、喀痰中の微生物の変化などから簡単に判定できる。これらの変化は、PTEなどの二次性原因では認められないはずである。以上のような解析がなされれば、COPDの真の増悪とPTE発症の関係が正確に把握でき、COPDの真の増悪がPTE発症の危険因子として作用するか否かの問題に決着をつけることができる。今後、このような解析が世界的になされることを念願するものである。本邦のPTEガイドライン(cf. 10学会合同の『肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症[静脈血栓塞栓症]予防ガイドライン』[2004])では、COPDの増悪がPTEの危険因子の1つとして記載されているが、この場合の増悪がいかなる意味で使用されているのか、再度議論される必要がある。

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第25回 その吐血、緊急内視鏡は必要ですか?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)上部消化管出血を疑うサインを知ろう!2)緊急内視鏡の判断を適切に行えるようになろう!【症例】45歳男性。自宅で洗面器1杯分の吐血を認めたため、両親の運転する車で救急外来を受診した。独歩可能な状態で、その後吐血は認めていない。どのようなマネジメントが適切だろうか?●受診時のバイタルサイン意識清明/JCS血圧128/51mmHg脈拍95回/分(整)呼吸20回/分SpO297%(RA)体温36.0℃瞳孔3/3 +/+既往歴高血圧内服薬定期内服薬なしはじめに吐血を主訴に救急外来を受診する患者さんは多く、救急外来が血の海になることも珍しくありません。バイタルサインの管理、内視鏡のタイミング、輸血のタイミングなど悩んだ経験があるのではないでしょうか?今回はまず押さえておくべき上部消化管出血の管理についてまとめておきます。上部消化管出血を疑うサインとは新鮮血の吐血やコーヒー残渣様の嘔吐を認める場合には、誰もが上部消化管出血を疑うと思いますが、それ以外にはどのような場合に疑うべきでしょうか。黒色便、鉄欠乏性貧血などは有名ですね。救急外来などの外来で見逃しがちなのが、訴えがはっきりしない場合です。脱力など自宅で動けない、元気がない、倦怠感などの主訴で来院した場合には、消化管出血に代表される出血性病変を考えるようにしましょう。その他、急性冠症候群、カリウムやカルシウムなどの電解質異常、そして敗血症や菌血症を考えるとよいでしょう。[失神・前失神を見逃すな]失神は以前に「第13回 頭部外傷その原因は?」でも取り上げましたが、診察時には状態は安定しており重症度を見誤りがちです。しかし、心血管性失神を見逃してしまうと致死的となり得ます。また、出血に伴う起立性低血圧も対応が遅れれば、予後はぐっと悪くなってしまうため必ず出血源を意識した対応が必要になります。ちなみに、前失神は失神と同様に危険なサインであり、完全に意識を失っていなくても体内で起こっていることは同様であり軽視してはいけません。意識を失ったか、失いそうになったかは必ず確認しましょう。緊急内視鏡の適応は?目の前の上部消化管出血疑い患者さんの内視鏡はいつ行うべきでしょうか?ショックバイタルでマズい場合には誰もが緊急内視鏡が必要と判断できると思いますが、本症例のように、一見するとバイタルサインが安定している場合には意外と判断は難しいものです。いくつかの指標が存在しますが、今回は“Glasgow Blatchford score(GBS)”(表1)を覚えておきましょう。GBS≦1の場合には入院の必要性はなく、緊急での対応は一般的には不要です1,2)。前述した通り、失神は重要なサインであり、点数も2点と黒色便よりも高く設定されています。失神を認める上部消化管出血は早期の内視鏡治療が必要と覚えておきましょう。1分1秒を争うわけではありませんが、血圧が普段よりも低めであるが故に止まっているだけですので、処置を行うことなく帰宅の判断はお勧めできません。表1  Glasgow Blatchford score(GBS)画像を拡大するちなみに、Hb値は濃度であり、また早期に変化は認められないため、Hb値が問題ないからと出血はたいしたことないと判断してはいけません。黒色便を認める場合には、数日の経過が経っていることが多く、Hb値も普段よりも低下しています。GBSも2点以上となりますが、即刻内視鏡なのか、24時間以内に内視鏡なのか、より具体的な緊急度は、その他バイタルサインやNSAIDs、抗血栓薬などのリスク因子も考慮し判断します。[抗血栓薬内服中の患者ではどうする?]絶対的な指標はありませんが、頭部外傷患者の対応と同様に、内服しているから緊急かというとそうではありません。しかし、リスクの1つではあるため、具体的な処方薬と用量、内服している理由、効果の評価(PT-INRなど)などと共に慎重な経過観察が必要となります。抗血栓薬を止めるのは簡単ですが、そのおかげで脳梗塞などを引き起こしてしまっては困りますよね。明らかな出血を認めている場合に内服を中止することはもちろんですが、その後の具体的な対応をきちんと決めておく必要があります。GBS以外の有名なリスクスコアに“AIMS65”(表2)がありますが、それにはPT-INRの項目が含まれており、緊急度に関わるとされます3)。また、PT-INRが1.5未満であってもDOAC(Direct oral anticoagulants)内服中の患者では、早期の内視鏡が推奨されています。そのような理由から、抗血栓薬を内服している患者さんでは、早期の内視鏡(24時間以内)を行うのが理想的でしょう。※GBSもAIMS65も覚えるのは大変ですよね。私は“MDCalc”というアプリをスマホに入れて計算しています。表2 AIMS65画像を拡大する現実問題として、夜間や時間外などに来院した患者の内視鏡をすぐに行うのか、一晩様子をみてOKなのかどうかを判断する必要があります。上記の内容を頭に入れつつ、施設毎の対応を構築しておきましょう。消化器内科医師などがいつでもすぐに対応可能な施設であれば、GBS≧2でも輸液や輸血でバイタルサインが安定している場合には一晩待てるかもしれませんが、そうではない場合には、「GBSで◯点以上の場合」、「肝硬変患者の吐血の場合」、「抗血栓薬を内服している場合」には緊急で行うなど、具体的なプランを立てておくとよいでしょう。スコアは絶対的なものではありませんが、GBSやAIMS65などを意識しておくと、確認すべき項目を見落とさなくなるでしょう。失神の有無は前述の通り重要ですし、抗血栓薬などの影響から凝固線溶機能に異常を来している場合には拮抗薬など追加の対応が必要なこともありますからね。最後に、上部消化管出血に伴い緊急内視鏡の判断をした場合には、気管挿管など気道の管理が必要ないかは必ず意識してください。ショックや重度の意識障害は気管挿管の適応であり、バイタルサインが不安定な場合には確実な気道確保目的の気管挿管が必須となります。慌てて内視鏡室へ移動し、不穏になり急変、誤嚥して酸素化低下などは避けなければなりません。救急外来で人数をかけ対応することができればベストですが、どうしても少ない人数で対応しなければならない場合には、確実な気道確保を行い万全の状態で内視鏡を行うようにしましょう。まとめ失神・前失神を伴う上部消化管出血は緊急性が高い!GBSやAIMS65を参考に、患者背景・薬の内服理由も考慮し対応を!緊急内視鏡を行う場合には、気管挿管など気道管理の徹底を!1)Blatchford O, et al. Lancet. 2000;356:1318-1321.2)Stanley AJ, et al. BMJ. 2017;356:i6432.3)Saltzman JR, et al. Gastrointest Endosc. 2011;74:1215-1224.

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「ポタコールR」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第39回

第39回 「ポタコールR」の名称の由来は?販売名ポタコールR輸液一般名(和名[命名法])該当しない効能又は効果○大量出血や異常出血を伴わない循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正○代謝性アシドーシスの補正○熱源の補給用法及び用量通常成人は1回500~1000mLを徐々に静脈内に点滴注入する。投与速度は通常成人マルトース水和物として1時間あたり0.3g/kg体重以下(体重50kgとして本剤500mLを2時間以上)とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】高乳酸血症の患者[症状が悪化するおそれがある。]※本内容は2021年2月17日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2012年1月(改訂第7版)医薬品インタビューフォーム「ポタコール®R輸液」2)大塚製薬工場:医療用医薬品情報

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第45回 製薬企業からの奨学寄付金が賄賂に、三重大元教授再逮捕の衝撃

三重大事件、多くの医師が改めて肝を冷やすような展開にこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。2月13日夜の地震には驚きました。東日本大震災から10年経ってこれほど大きな余震が来るとは…。私自身、大きな地震には数回遭遇しています。1978年の宮城県沖地震の発生時には仙台にいました。東日本大震災の翌月、2011年4月に起きた大きな余震の時は気仙沼での取材に向かう途中でした。大きな揺れにはそれなりに慣れているつもりですが、13日のようなあのジワーッと長く続く揺れは、いつ経験してもとても嫌なものです。どこかで大きな災害が起きているのでは、と心配になるからです。近々、大震災10年の取材で再び東北を訪れる予定ですが、東北新幹線の復旧に時間がかかりそうで、どうなることか。今回の余震の被害も拡大しないことを願うばかりです。さて、今回はまた三重大学病院臨床部の事件を取り上げます。「もう三重大事件は飽きたよ」と言われそうですが、製薬企業から奨学寄附金をもらっている多くの医師たちが改めて肝を冷やすような展開になってきたので、情報提供の意味合いも含め、書いておきたいと思います。三重大病院臨床麻酔部元教授、第三者供賄の疑いで再逮捕津地方検察庁は1月27日、小野薬品工業(大阪)が製造・販売する薬剤「オノアクト(ランジオロール塩酸塩)」を多数発注する見返りに、大学の口座に現金200万円を振り込ませたとして、54歳の三重大病院臨床麻酔部元教授を第三者供賄の疑いで再逮捕しました。贈賄の疑いで小野薬品工業の社員2人も逮捕しました。元教授は1月6日、愛知、三重の両県警に第三者供賄の疑いで既に逮捕され、1月27日に津地検に起訴されています。こちらの容疑は2019年8月、病院で用いる生体情報モニターを日本光電製に順次入れ替えるよう取り計らう見返りに、自身が代表理事を務める一般社団法人の口座に200万円を振り込ませた疑いです。三重大病院臨床麻酔部についてはこの連載でも、「第25回 三重大病院の不正請求、お騒がせ医局は再び崩壊か?」でランジオロール塩酸塩の不正請求が発覚し、医局崩壊が再び始まるであろうことについて、「第36回 元准教授逮捕の三重大・臨床麻酔部不正請求事件 法律上の罪より重い麻酔科崩壊の罪」では、48歳の元准教授の男が公電磁的記録不正作出・同供用の疑いで津地方検察庁に逮捕されたことについて、「第40回 三重大元教授逮捕で感じた医師の『プロフェッショナル・オートノミー』の脆弱さ」で、本丸の元教授が医療機器の納入絡みで逮捕されたことについて書きました(再逮捕の容疑、「第三者供賄」については第40回を参照ください)。今回の再逮捕によって、一連の事件の発端となった昨年9月のオノアクトのカルテ改ざん・不正請求の事案についても、第三者供賄の可能性があるとされたわけです。元教授の製薬企業や医療機器会社への資金援助要求の強引さが改めて浮き彫りになるとともに、製薬企業の奨学寄附金のあり方にも一石投じる結果となりました。オノアクトの積極使用を部下に指示報道等によると、容疑者の元教授の再逮捕容疑は、2018年3月、オノアクトを多数発注する見返りに三重大の口座に200万円を振り込ませた疑いです。うち約160万円は研究活動の一環として民間企業への業務委託費として支出されていたとのことです。元教授は小野薬品から200万円を得られるとの見通しを示した上で、オノアクトの積極使用を部下に指示。小野薬品は200万円を送金し、直後からオノアクトの使用実績は急増したとのことです。再逮捕後の続報では、「オノアクトの使用量全国トップを目指したい」「(薬剤の使用を)目立たないように増やしていきたい」といった積極使用を勧めるメールを臨床麻酔部の部下らに送っていたことや、小野薬品の担当者が元教授に対し、薬剤の目標使用量を示していた疑いがあること、同社が推奨していない「予防投与」の実施を求めていたとみられることも報じられています。ところで、オノアクトの不正請求事件では、48歳の臨床麻酔部准教授(当時)が既に公電磁的記録不正作出・同供用罪で起訴され、1月27日に詐欺罪で追起訴されています。当初、元教授は、部下の元准教授が起こしたとされるカルテ改ざんについて、大学の調査に対し「(不正を)知っていれば改善させていた」と改ざんへの関与を否定していました。また、「オノアクト」を積極的に使うよう指示したことは認めたものの、「使われていない薬剤が大量にあるとは思っていなかった」とも主張していました。ところが、捜査が進むにつれ、元准教らの証言などで、オノアクトの廃棄を元教授に報告していたことや、病院内のミーティングで大量廃棄が問題となったことを元教授が把握していたことが明らかとなりました。津地検はこうした証言や積極使用の指示の証拠などから、オノアクトに関しても第三者供賄が成立すると考えたと見られます。研究医療機関の寄付集めや製薬企業の営業にも影響か今回の再逮捕で注目されるのは、小野薬品が振り込んだのは、同社の正規の手続きを経た「奨学寄付金」だった、という点です。報道等では、小野薬品は奨学寄附金として2018年3月に200万円、19年11月に150万円を拠出しているとのことです。奨学寄付金は本来、学術研究の振興や研究助成を目的としており、贈収賄には該当しないとされてきました。その決定は、製薬企業においては営業本部から切り離された部門が、薬剤の使用量、購入量とは関係なく行っているからです。また、奨学寄付金は大学の口座に入金されるため、本来であれば教授も自由に使うことはできないはずです。元教授は自ら設立した一般社団法人にうまく還流させていたのかもしれません。小野薬品についても、奨学寄付金の決定部門と現場の営業の間に何らかの情報のやり取りがあった可能性も考えられます。その辺りの詳細な経緯は、これから徐々に明らかになっていくと思いますが、いずれにせよ、奨学寄付金が第三者供賄という形で賄賂と判断されたことは、今後、大学病院をはじめとした研究医療機関の寄付金集めや、製薬会社の営業活動に大きな影響を及ぼすでしょう。またまたパワハラ事件勃発今回の話はここで終わってもいいのですが、三重大については別件の続報が入りましたので、それについても触れておきます。2月1日のCBCテレビは、「三重大病院…不祥事で麻酔科医一斉退職 背景にパワハラ『今辞めたら共犯者』」というタイトルで、昨年以降、不祥事が続いた三重大病院臨床麻酔部で一斉退職が起こった背景に、パワーハラスメントがあったことを報じました。それによれば、三重大臨床麻酔部は、去年9月のカルテ改ざん事件を受けて、臨床麻酔部を新たに率いる立場になった60代の男性医師が、部下の麻酔科医たちに対して次のような発言をした、とのことです。「皆さんの親・兄弟・配偶者、すべての人に伝わるよう叫び続けます。日本中に言います。三重大学を倒そうとしている人たちは、この人たちだと」。「この人たち」とは自分たちのことだと、複数の部下は受け取ったとのことです。男性医師は去年9月、カルテ改ざん事件に触れた上で、部下の医師らに、「いま病院を辞めたら、共犯者とみられてもしょうがない」などと辞職を阻止するような発言もしたとのことです。こういった言動について複数の医師が大学側にパワハラだと訴えました。三重大は、男性医師の発言はパワハラだと認め、この男性医師に厳重注意をしたということです。現在、臨床麻酔部は医師3人が逮捕された不祥事を受けて退職者が急増し、現在は18人から4人まで減ったとのことです。この男性医師が原因で辞めた医師もいるようです。私はこのニュースを読んで、「おいおいまたパワハラかよ」と思ったのですが、調べてみると、病院長から任され臨床麻酔部を新たに率いることになったこの男性医師というのは、「第25回 三重大病院の不正請求、お騒がせ医局は再び崩壊か?」でも書いた、2018年に助教からパワハラで訴えられた元教授(今回再逮捕された元教授の前任。2018年パワハラの民事訴訟で大学に賠償命令。その後定年退官)だったのです。いったい三重大病院と臨床麻酔部は何をやっているのでしょう。パワハラで問題となった医師を呼び戻さなければならないほど、麻酔科の指導者は払底しているのでしょうか。それとも、医師にとっての三重大病院の環境がいろいろな意味で悪過ぎるのでしょうか。旭川医大、三重大と国立大学病院の不祥事、ドタバタが続きます。このコロナ禍の中、地域医療を無視したガバナンスの緩み具合は、本当にやれやれとしか言いようがないです。

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うつ病に対するインターネットベースの認知行動療法~メタ解析

 患者自身に適した個別化された治療法を選択することで、うつ病に対するインターネットベースの認知行動療法(iCBT)の有効性を高めることができるかもしれない。スイス・ベルン大学のEirini Karyotaki氏らは、患者レベルのデータを使用して、うつ病に対するガイド付きまたはガイドなしのiCBTの短期および長期有効性を評価した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2021年1月20日号の報告。 PubMed、Embase、PsycInfo、Cochrane Libraryより、2019年1月1日までに公表されたランダム化比較試験(RCT)を抽出した。ガイド付きまたはガイドなしのiCBTを相互またはうつ病患者と対照群との比較を行ったRCTを選択した。選択基準を満たしたすべての研究より、利用可能な患者レベルのデータを収集した。うつ症状の重症度評価は、介入後、ランダム化6および12ヵ月後に評価した。さまざまな患者特性と相対的な治療効果との関連を評価するため、システマティックレビューおよび患者レベルのデータを用いたネットワークメタ解析を実施した。主要アウトカムは、こころとからだの質問票(PHQ-9)スコアとした。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たした研究42件のうち、39件(うつ病患者:9,751例)をネットワークメタ解析に含めた。そのうち、8,107例分の患者データを統合した。・ガイド付き、ガイドなしのiCBTは、対照群と比較し、短期および長期有効性が高かった。・ガイド付きiCBTは、ガイドなしiCBTと比較し、介入後の有効性は有意に高かったが(PHQ-9スコア平均差[MD]:-0.8、95%信頼区間[CI]:-1.4~-0.2)、ランダム化6および12ヵ月後の差を示すエビデンスは見つからなかった。・ガイド付きiCBTとガイドなしiCBTの有効性の相対的な関連性に最も影響を及ぼす因子は、ベースライン時のうつ症状であった。・ベースライン時のPHQ-9スコアが5~9の閾値下うつ病患者では、ガイド付きiCBTとガイドなしiCBTの有効性の差は小さかった。一方、PHQ-9スコアが9超の患者では、ガイド付きiCBTは、良好なアウトカムとの関連が認められた。 著者らは「うつ病患者に対するガイド付きiCBTは、ガイドなしiCBTと比較し、有効性が高く、中等度~重度のうつ病患者では、その差はより顕著であった。軽度または閾値下うつ病患者では、ガイドなしiCBTでも同様の効果が期待できるようである。うつ病に対する治療リソースを最適化するために、個別化された治療方法を選択する必要がある」としている。

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前立腺がん・膵がんでオラパリブをどう使うか、遺伝子検査の位置付けは?

 前立腺がん、膵がん、卵巣がんに対し、PARP阻害薬オラパリブ(商品名:リムパーザ)が2020年12月25日に追加承認を取得した。同薬が初めて承認された前立腺がん、膵がんにおける治療の実際について、1月20日オンラインメディアセミナー(共催:アストラゼネカ、MSD)が開催され、大家 基嗣氏(慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室)、池田 公史氏(国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科)が登壇。各領域におけるオラパリブの使い方、遺伝子検査の位置付けについて講演した。オラパリブの適応取得の根拠となった第III相試験の結果 去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は、診断後の生存期間は約3年程度とされ、予後不良な病態である。さらに、CRPCになると治療への抵抗性に関係してさまざまな遺伝子変異が発生することが知られ、なかでもDNAの修復に関わるBRCA遺伝子に変異があると、さらに予後が不良となる。進行前立腺がんでは、5~6人に1人程度の割合(18%)で、BRCA1/2遺伝子に変異が生じているとされ、遺伝によるもの(生殖細胞系列変異)と後天的に生じたもの(体細胞変異)がそれぞれ約半数ずつ含まれると報告されている1)。 今回オラパリブが適応となったのは、「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」。オラパリブの適応取得の根拠となった第III相PROfound試験では、アンドロゲン受容体標的薬(ARAT)が無効となったBRCA遺伝子変異陽性の転移を有する去勢抵抗性前立腺がん患者(160例)において、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)中央値を、エンザルタミドまたはアビラテロン(ARAT)投与群3.0ヵ月に対しオラパリブ投与群では9.8ヵ月と延長した(ハザード比[HR]:0.22、95%信頼区間[CI]:0.15~0.32)。全生存期間(OS)中央値についても、ARAT投与群14.4ヵ月に対しオラパリブ投与群20.1ヵ月と延長している(HR:0.63、95%CI:0.42~0.95)。 同試験でのオラパリブ投与群の主な有害事象は、貧血、悪心、食欲減退、疲労、下痢など。大家氏は「副作用は非常に穏やかな印象」とし、経口薬でもあり、適応の患者さんには確実に届けていきたいと話した。ただし、適切な対処と定期的なモニタリングが必要な副作用として、貧血、血小板減少、リンパ球減少、白血球減少、間質性肺疾患を挙げた。オラパリブの適応を判断する2つの検査法 オラパリブの適応を判断するコンパニオン診断としては、体細胞変異と生殖細胞系列変異を検出するFoundationOne CDx、生殖細胞系列変異を検出するBRACAnalysisの2つの検査法が承認されている。体細胞変異と生殖細胞系列変異が約半数ずつとされる前立腺がんでは両方を検査したいところだが、FoundationOne CDxを使った場合、コンパニオン診断として使用しただけでは、医療機関の持ち出し分が発生してしまう。オラパリブを含めた標準治療終了(見込み)後にエキスパートパネルを開催し、患者への結果説明まで行うと持ち出し分は発生しない。このため大家氏は、「事務系含め病院内でのコンセンサスを得たうえで、患者さんを長くフォローできるようシステムを構築しておく必要がある」と述べた。 また遺伝子検査を行うタイミングについて、日本泌尿器科学会では見解書2)をホームページに掲出している。「ARAT1剤が抵抗性になった時点で行うというのが学会としての見解」と同氏。学会からは厚生労働省へ要望書も提出しているという。「医療機関側の持ち出しが発生するような形ではなくFoundationOne CDxが活用可能となるよう、注力していきたい」と話した。膵がんに対するオラパリブの適応取得の根拠 膵がん患者の5年生存割合は10%未満と報告されており3)、がんの中で最も予後が悪い。今回承認された、膵がんに対するオラパリブの適応は、「BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵がんにおける白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」。プラチナ製剤を含む化学療法(16週以上)後に病勢進行が認められていない (CR、PR、SD)患者に対する維持療法として使用できる。なお、固形がんにおけるBRCA遺伝子変異陽性割合をがん種ごとに調べた研究では、膵がん患者の5.2%が陽性であったと報告されている4)。膵がんでは、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(gBRCA)のみを対象として承認されている。 オラパリブの適応取得の根拠となった第III相POLO試験は、gBRCA遺伝子変異陽性で、プラチナ製剤を含む一次化学療法後に疾患進行が認められていない、遠隔転移を有する膵腺がん患者(154例)が対象。主要評価項目であるPFS中央値を、プラセボ群3.8ヵ月に対しオラパリブ投与群では7.4ヵ月と有意に延長した(HR:0.531、95%CI:0.346~0.815)。OS中央値については、中間解析時点では、プラセボ群18.1ヵ月に対しオラパリブ投与群18.9ヵ月と両群間で有意な差は得られていない(HR:0.906、95%CI:0.563~1.457)。ただし、オラパリブ群で生存曲線が後半になるにつれ若干伸びてきている傾向がみられ、1月開催のASCO GIで発表されたアップデートデータでは、よりオラパリブ群で良好な傾向が報告されている。 同試験でのオラパリブ投与群でみられた主な有害事象は、疲労、悪心、腹痛、下痢、貧血、食欲減退、便秘。しかしGrade3以上の有害事象は少なく、「忍容性は高いと考えられる」と池田氏はコメントした。膵がん患者でのオラパリブの適応を判断する検査結果がでるまでの治療は? 膵がん患者におけるオラパリブの適応を判断するコンパニオン診断には、生殖細胞系列変異を検出するBRACAnalysisを用いる。ここで課題となるのが、検査結果が出るまでにかかる約3週間という期間だ。「膵がんの患者さんにとって、3週間は貴重な時間」と同氏。ゲムシタビン(Gem)+ナブパクリタキセル(nab-PTX)による治療を開始しておいて、もし検査結果が陽性であればプラチナ製剤に切り替えるというのが1つの考え方とした。「Gem+ nab-PTXが効いていれば継続するという考え方もあるが、個人的には、積極的にプラチナ製剤に切り替えていっていいのではないかと考えている」と話し、その理由として、BRCA遺伝子変異陽性患者におけるプラチナ製剤の有効性が示されていること、進行してプラチナ製剤が使えなくなると治療法が限られてしまうことを挙げた。

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光免疫療法 抗体薬物複合体アキャルックス、約20施設から順次拡大/楽天メディカルジャパン

 楽天メディカルジャパンは、2021年2月8日、光免疫療法の抗体薬物複合体であるセツキシマブ サロタロカンナトリウム(商品名:アキャルックス)、および同医薬品と組み合わせて用いる医療機器レーザ装置「BioBladeレーザシステム」を日本において2021年1月1日(レーザ機器本体は2020年12月14日)に販売を開始したと発表。また、同医薬品および医療機器による治療を開始または予定している医療機関についても、あわせて明らかにした。治療開始施設・愛知県がんセンター病院・国立がん研究センター東病院・東京医科大学病院治療開始予定施設・大阪国際がんセンター・大阪大学医学部附属病院・岡山大学病院・関西医科大学附属病院・九州大学病院・京都大学医学部附属病院・久留米大学病院・神戸大学医学部附属病院・埼玉医科大学国際医療センター・東京医科歯科大学医学部附属病院・鳥取大学医学部附属病院・広島大学病院・北海道大学病院・宮城県立がんセンター・横浜市立大学附属病院

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強力ステロイドの外用の継続使用、骨粗鬆症と関連

 作用が強力なステロイド外用薬の継続的使用は、用量依存的に骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折のリスクを増大するとの研究結果が示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らが、2003~17年に強力もしくは非常に強力なステロイド外用薬治療を受けたデンマーク成人患者72万3,251例について後ろ向きに解析し、明らかにした。これまで内服もしくは吸入コルチコステロイドについては、継続的使用や大量使用において骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折リスクとの関連性があることが示唆されていたが、外用薬については大規模な検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。 研究グループは、強力な、もしくは非常に強力な局所コルチコステロイド(TCS)の累積曝露と主要な骨粗鬆症性骨折(MOF)リスクとの関連を調べるため、全国的な後ろ向きコホート研究を実施した。対象は、2003年1月1日~2017年12月31日に強力もしくは非常に強力なTCS治療を受けたデンマーク成人とした。 データはデンマーク全国レジストリから入手し、記入済みの処方データをモメタゾンフランカルボン酸エステル(1mg/g)に等価用量変換して評価した。患者は、モメタゾンを等価用量で累積500g以上処方されていた場合に曝露群とし、200~499gの患者を参照群とした。 主要アウトカムは、骨粗鬆症またはMOFの診断とした。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、年齢・性別・社会経済的状態・使用薬・併存疾患で補正後にハザード比(HR)を95%信頼区間(CI)値とともに算出して評価した。データ解析は2019年6月1日~8月31日に行われた。 主な結果は以下のとおり。・解析には、等価用量200g以上のモメタゾン治療を受けていた、計72万3,251例の成人患者が含まれた(女性52.8%、平均年齢52.8[SD 19.2]歳)。・強力もしくは非常に強力なTCSの使用増大と、骨粗鬆症およびMOFリスクとの間に用量依存の関連が認められた。・たとえば、MOFのHRは、500~999g曝露群では1.01(95%CI:0.99~1.03)、1,000~1,999g曝露群は1.05(1.02~1.08)、2,000~9,999g曝露群は1.10(1.07~1.13)、1万g以上曝露群は1.27(1.19~1.35)であった。・骨粗鬆症およびMOFの相対リスクは、いずれもTCSの累積用量が倍増するごとに3%増大した(いずれもHR:1.03[95%CI:1.02~1.04])。・全体的な集団寄与リスクは、骨粗鬆症が4.3%(95%CI:2.7~5.8)、MOFが2.7%(1.7~3.8)であった。・危害を受ける患者が1人増えるのに要した最低曝露(454人年)は、MOFを呈した1万g以上曝露群で観察された。

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