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統合失調症患者における小児期の心理行動特性~日本のレトロスペクティブ研究

 統合失調症は、初期発達障害のフレームワークに適応することを示唆する科学的エビデンスが、疫学的研究や遺伝学的研究によって報告されているが、将来統合失調症を発症する子供の心理的行動の特徴は、十分に解明されていない。京都女子大学の濱崎 由紀子氏らは保護者による報告を通じて、小児期統合失調症患者に特有の特徴を明らかにするため、検討を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月26日号の報告。 対象は、DSM-IV-TR基準を満たした20代の統合失調症外来患者54例および性別と年齢をマッチさせた健康対照者192例。すべての対象の6~8歳時の特徴を評価するため、対象者の保護者に対する子供の行動チェックリスト(CBCL)のレトロスペクティブ評価質問票を用いた。小児期統合失調症に特有の心理行動の特徴を推定するため、t検定、ロジスティック回帰、ROC曲線解析を用いた。得られたロジスティック回帰モデルを使用して、CBCLスコアに基づいてリスク予測アルゴリズムのプロトタイプを作成した。 主な結果は以下のとおり。・8つのCBCLサブスケールのtスコアのうち、その後の統合失調症診断と有意な関連が認められた項目は、以下のとおりであり、これらの平均スコアは、小児期の臨床範囲に該当しなかった。 ●引きこもり(p=0.002) ●思考の問題(p=0.001) ●攻撃的行動の欠如(p=0.002)・8つのCBCLサブスケールに基づくロジスティック回帰モデルのアルゴリズムは、ROC曲線下の面積が82.8%(95%CI:76~89)であった。このことは、統合失調症の晩年発症に関して、アルゴリズムの予測精度が中程度であることを示唆している。 著者らは「保護者の報告によると、統合失調症の発症を予測する小児期の心理的行動の特性に違いがあることが示唆された。この新たに開発されたアルゴリズムは、その有効性をさらにテストするうえで、将来の研究に使用することが望まれる」としている。

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KRASG12C阻害薬sotorasibの大腸がんに対する成績(CodeBreak100)/日本臨床腫瘍学会

 KRASG12C変異は大腸がんの予後不良と関連しているとされる。AMG510(sotorasib)はKRASG12Cを標的とするファーストインクラスの低分子化合物である。 第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、KRASG12C変異陽性の固形がん患者を対象とした多施設共同非盲検CodeBreak100試験の中から、大腸がん患者に関する結果を、国立がん研究センター東病院の久保木 恭利氏が発表した。・対象:既治療の局所進行または転移を有するKRASG12C変異陽性固形がん患者・試験薬:sotorasib(用量漸増パート[180mg、360mg、720mg、960mg]、用量拡大パート[960mg])3週ごと、進行または忍容できない有害事象が発現するまで投与・評価項目[主要評価項目]安全性[副次評価項目]客観的奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)など 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ時(2020年1月8日)、42例の大腸がん患者が登録され、全例がsotorasibの投与を受けた(年齢中央値57.5歳、女性21例)。・sotorasib治療期間は、3ヵ月以上が22例(52.4%)、6ヵ月以上は8例(19.0%)であった。・治療関連有害事象(TRAE)は20例(47.6%)に認められ(Grade2以下18例、Grade3 2例)、用量制限毒性、治療関連死、投与中止に至ったTRAEは認められなかった。・ORRは7.1%(3/42例)、DCRは76.2%(32/42例)であった。・960mg投与症例でのORRは12.0%(3/25例)、DCRは80.0%(20/25例)、安定(SD)期間の中央値は4.2ヵ月であった。 既治療のKRASG12C変異陽性の大腸がん患者に対し、sotorasibによる単剤療法は良好な忍容性を示し、多くの患者で病勢コントロールが可能であった。

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COVID-19ワクチンの今と筋注手技のコツ/日本プライマリ・ケア連合学会

 今月より医療者を対象に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が開始された。開始されたワクチンは、ファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)であるが、今後別の種類のワクチンの承認追加も予定されている。 実際、これらワクチンの効果や安全性はどの程度わかっているのであろう。また、現状接種は、筋肉注射による接種であるがインフルエンザの予防接種などで広く行われている皮下注射とどう異なり、接種の際に注意すべきポイントはあるのだろうか。 今後、高齢者や基礎疾患を持つ一般人への接種も始まる中で、日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、2月22日に同連合学会のホームページ上で2つのコンテンツを公開した(コンテンツは予防医療健康増進委員会 感染症プロジェクトチームが監修)。 1つは、2月17日にオンライン講演で行われたものを録画した『新型コロナウイルスワクチンについて いまわかっていること、まだわからないこと』であり、COVID-19ワクチンについて次の内容がレクチャーされている。概要1. ウイルスと免疫のしくみ2. 新型コロナワクチンのしくみ3. 新型コロナワクチンの効果4. 新型コロナワクチンの副反応5. 新型コロナワクチンの具体的な接種法6. 新型コロナワクチンについてまだわからないこと7. 新型コロナワクチンについての不安やデマ8. 新型コロナワクチンみんなで気を付けること質疑応答 全体で約2時間にわたる講演であるが、臨床に携わる医療者からの質疑応答には長時間を割き、丁寧かつコンパクトに説明を行っている。 また、もう1つは『新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ』の動画である。動画では、注射針の選定からシリンジの長さ別の注射のポイント、接種部位の指定、接種時の注意点などが約8分の動画でまとめられている。 いずれの動画も視聴のうえ、今後のワクチン接種時の参考にしていただきたい。【追記】 筋肉注射の解説動画については、公開後のさまざまな意見などを踏まえ、3月15日に「2021年3月版」として新たな接種部位の紹介と接種肢位の注意点などの情報を更新し、公開している。

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COVID-19入院患者への早期予防的抗凝固療法、30日死亡率を低下/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者において、早期予防的抗凝固療法は非投与と比較して、重大出血のイベントリスクを増大することなく30日死亡率を有意に低下することが示された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のChristopher T. Rentsch氏らが、4,297例の入院患者を対象に行った観察コホート試験の結果で、BMJ誌2021年2月11日号で発表した。COVID-19患者の死亡原因の一部として、静脈血栓塞栓症および動脈血栓症が報告されている。抗凝固療法は、血栓形成を予防し、抗ウイルス性および潜在的な抗炎症性作用も有し、COVID-19患者に有効であることが期待されている。今回の結果を踏まえて著者は、「今回の所見は、COVID-19入院患者の初期治療として、予防的抗凝固療法の実施を推奨するガイドラインを支持する、強力なリアルワールドのエビデンスを提供するものである」と述べている。抗凝固療法歴のない4,297例を対象に観察コホート試験 研究グループは、米国退役軍人省が運営する全米医療システムに加入し、2020年3月1日~7月31日に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染が確認された入院患者で、抗凝固療法歴のない4,297例について観察コホート試験を行った。早期予防的抗凝固療法の実施と、死亡率との関連を検証した。 主要アウトカムは、30日死亡率だった。副次アウトカムは、入院死亡率、抗凝固療法の実施(血栓塞栓症など臨床的増悪の代用アウトカム)、輸血を要する出血だった。予防的抗凝固療法で輸血を要する出血リスクは増大せず 4,297例のCOVID-19入院患者のうち、入院後24時間以内に予防的抗凝固療法を行ったのは3,627例(84.4%)だった。そのうち99%超の3,600例が、ヘパリンまたはエノキサパリンの皮下投与を受けた。 入院後30日以内の死亡は622例で、うち予防的抗凝固療法群の死亡は513例だった。 inverse probability of treatment weighted解析にて、入院30日時点の累積死亡率は、予防的抗凝固療法群14.3%(95%信頼区間[CI]:13.1~15.5)、非予防的抗凝固療法群18.7%(95%CI:15.1~22.9)で、予防的抗凝固療法群の30日死亡率に関するハザード比(HR)は0.73(95%CI:0.66~0.81)と27%のリスク低下が認められた。同様の関連性が、入院患者の死亡率と予防的抗凝固療法の実施についても認められた。 一方で、予防的抗凝固療法による輸血を要する出血リスク増大は認められなかった(HR:0.87、95%CI:0.71~1.05)。 量的バイアス分析では、同試験結果は計測されない交絡因子に対してロバストであることが示された(30日死亡率に関するe値の95%CI下限値は1.77)。感度解析でも結果は維持された。

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進行腎がん1次治療、レンバチニブ+ペムブロリズマブが有益(CLEAR)/NEJM

 進行腎細胞がんで全身性治療歴のない患者に対し、レンバチニブ+ペムブロリズマブの併用投与は、スニチニブ投与に比べ、無増悪生存(PFS)期間および全生存(OS)期間を有意に延長したことが示された。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのRobert Motzer氏らが、1,069例を対象に行った第III相無作為化試験「CLEAR試験」の結果を報告した。レンバチニブ+ペムブロリズマブまたはエベロリムスについては、進行腎細胞がんに対する活性が認められているが、これらのレジメンのスニチニブとの比較による有効性については明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2021年2月13日号掲載の報告。レンバチニブ+ペムブロリズマブ、レンバチニブ+エベロリムス、スニチニブを比較 試験は、進行腎細胞がんで全身性治療歴のない患者1,069例を対象とした。 被験者を無作為に、(1)レンバチニブ(20mg、1日1回経口投与)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと、静脈投与)、(2)レンバチニブ(18mg、1日1回経口投与)+エベロリムス(5mg、1日1回経口投与)、(3)スニチニブ(50mg、1日1回経口投与、4週間投与+2週間非投与)の3群に1対1対1の割合で割り付けた。 主要評価項目はPFSで、固形がんの治療効果判定基準「RECIST」バーション1.1に基づき、独立した審査委員会が評価した。OSと安全性についても、評価を行った。対スニチニブで、レンバチニブ+ペムブロリズマブはPFSが有意に延長、OSも 1,069例は、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群に355例(年齢中央値64歳、男性71.8%)、レンバチニブ+エベロリムス群に357例(62歳、74.5%)、スニチニブ群に357例(61歳、77.0%)、それぞれ無作為に割り付けられた。 PFS中央値は、スニチニブ群9.2ヵ月に対し、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群は23.9ヵ月と、有意に延長した(増悪または死亡に関するハザード比[HR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.32~0.49、p<0.001)。レンバチニブ+エベロリムス群も14.7ヵ月と、スニチニブ群に比べ有意に延長した(0.65、0.53~0.80、p<0.001)。 またOS期間も、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群がスニチニブ群より有意に延長した(死亡に関するHR:0.66、95%CI:0.49~0.88、p=0.005)。一方でレンバチニブ+エベロリムス群のOS期間は、スニチニブ群と比べて延長が認められなかった(1.15、0.88~1.50、p=0.30)。 治療中に発生または増悪したGrade3以上の有害事象の発生率は、レンバチニブ+ペムブロリズマブ群が82.4%、レンバチニブ+エベロリムス群が83.1%、スニチニブ群が71.8%だった。いずれの群の10%以上の患者で発生したGrade3以上の有害事象は、高血圧症、下痢、リパーゼ値の上昇などだった。

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家庭におけるオンラインでの血圧管理は血圧コントロール率を改善する(解説:石川讓治氏)-1358

 家庭血圧は診察室血圧よりも優れた心血管イベント発症の予測因子であることが報告されており、わが国においては、高血圧患者の血圧評価において家庭血圧測定が広く行われている。家庭の安定した環境で毎日繰り返し測定された血圧値は、診察時の不安定な血圧値よりも正確な血圧であることがその理由の1つであると考えられている。 その一方で、家庭血圧を指標とした血圧管理が、診察室血圧を指標とした血圧管理よりも心血管イベントや高血圧性臓器障害の抑制効果が優れていたことを示した研究は今のところない。家庭血圧と診察室血圧を指標とした血圧管理を比較し、24時間自由行動下血圧モニタリングにおける到達血圧レベルを評価した研究においては、その差はそれぞれの目標血圧レベルの差(家庭収縮期血圧135mmHg vs.診察室収縮期血圧140mmHg:その差5mmHg)に依存していた1)。 家庭血圧測定を行いながら降圧治療する利点は、従来の診察機会ごとの血圧管理よりも、患者の服薬アドヒアランスの改善、食事やライフスタイルに関する行動変容、血圧上昇時の受診の動機付け、薬剤師や患者自身による降圧薬投与量の調節(欧米において)などを行うことで、血圧コントロール率を改善することであると思われる。これらの効果が加わった場合に、家庭血圧測定を行った降圧治療が、従来の診察室血圧による血圧管理より優れているといえると思われる2)。 MacManus RJら(BMJ. 2021;372:m4858.)3)は、家庭血圧をオンラインで管理を行った群と、通常の診察室血圧で管理した群を比較し、家庭血圧をオンラインで管理した群で収縮期血圧が3.4mmHg低く、費用対効果も優れていたことを報告した。家庭血圧のオンライン管理群では、患者が入力した家庭血圧値を評価しながら、降圧薬の投与量の自己調節の指導や、ライフスタイルの改善の指導(食事、身体活動、減量、塩分摂取、アルコール摂取)を行っており、これらの介入は血圧コントロール率を改善するのに有用な方法であったと思われる。本研究における介入方法は、医師が家庭血圧をチェックしフィードバックし続ける手間と労力が大変であったことが容易に想像できる。12か月間の追跡期間で評価されているが、日常臨床ではこの血圧管理を生涯続けなければならない。オンラインでの家庭血圧管理の有用性はとくに67歳未満の非高齢者、併存疾患のない患者に認められていた。インターネットに不慣れであることが予想される67歳以上の高齢者においては、収縮期血圧の到達度は両群に差が認められなかった。 多忙な日常診療における医師の負担の増大と、心血管リスクの高い高齢者において有効性が低い(継続率も低い)ことが、家庭血圧のオンライン管理の現在の課題であると思われる。将来的にウエアラブル血圧計を用いて、AIなどで自動的に患者指導し、在宅で薬剤師や看護師が降圧薬の投与量を調節したりできる日が来れば、日本でも広く普及するのかもしれない。また、現代のスマートホンやインターネットを使いこなしている非高齢者の世代が高齢者になる時代には、超高齢者でも難なく家庭血圧のオンライン管理ができる日が来るのであろうか?血圧管理方法も時代とともに変遷していくようである。

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流し雛から万葉の心を偲ぶ、生きるとは何か?【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第33回

第33回 流し雛から万葉の心を偲ぶ、生きるとは何か?皆さんは、子供の頃を思い出すことはありませんか?自分は、最近その現象が増えてきています。ふとした拍子に幼少期の出来事が、今ここで体験したようにフラッシュバックするのです。人は、疲れたり辛いできごとが重なったりした時に昔を思い出すと言います。コロナ禍の影響かもしれません。それとも単なる老化が顕在化しているだけかもしれません。「オーイ、流すぞ!」眼に浮かんだのは、自分と姉そして父親とで、小さな竹船に載せられた素焼きの陶器で作られた雛人形を川に流し放つ瞬間です。何十年間も忘れていた風景ですが、突然鮮明に蘇ってきました。自分は石川県金沢市の生まれで、実家の近くを犀川が走っています。「ふるさとは遠きにありて思ふもの・・」という一節で有名な、金沢ゆかりの詩人である室生犀星のペンネームにも冠する清流です。場面は、その犀川の河原の水辺です。流し雛(ながしびな)は、祓い人形と同様に身の穢れを水に流して清める意味の民俗行事で、雛祭りの原型とのことです。自分の頭の中の情景は事実ではなく、童話や小説の一節を原体験のように思い起こしただけかもしれません。3歳年長の姉に確認すると、明確に記憶しておりました。夢ではなく、実体験が脳裏に焼き付いていたのです。おそらくは1964年の東京オリンピック前後のことです。姉が6歳、自分が3歳前後に姉弟同時に「麻疹(はしか)」に感染し、無事に治癒した際に雛を流したのです。天然痘(もがさ)は、高い死亡率に加え、治癒しても瘢痕を残すことから、世界中で悪魔の病気と恐れられてきた有史以来の感染症です。麻疹も古来より生命に関わる大病とされており、たびたび大流行を繰り返し、天然痘より死亡率が高く「天然痘は器量定め、麻疹は命定め」とも云われ恐れられていたそうです。古都といわれる金沢でも現在は、流し雛を行っている家庭はないでしょう。しかし、当時の我が家では、実行していたのです。流すための人形を、父に連れられて瀬戸物屋に買いにいった場面も姉は記憶していました。近所の商店で流し雛を販売しているほどに、普及した行事であったのです。銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも万葉集に収められている、山上憶良の歌です。701年に遣唐使として入唐、帰国し当時有数の学識者であった憶良は、庶民の生活に密着した歌で万葉集中に独自の境地を開いています。この歌は、子を思う親の気持ちは昔も今も変わらないことを示すものとして有名です。8世紀の初め、約1300年以前に詠われたものですが、当時の乳児死亡率は高く、多くの親は自らの赤子の死を経験していたはずです。当時は疫病が主たる死因でした。天然痘や麻疹などの流行の記録があり、出生時平均余命は20歳より短いものであったようです。死が身近であるだけに生を繋ぎ成長する子供には限りない愛情をもって育て慈しんでいたことでしょう。いにしえの人々は常に死の危険にさらされていました。生きていることの危うさを感じつつ、今日を生き抜いたことに感謝して暮らしていたに違いありません。日々、口にする食事もありがたかったでしょう。恵みをもたらし、時には荒れ狂い命を脅かす大自然にも畏怖の念をもって接していたでしょう。自然にあふれた環境で生の喜びに満ちた時をすごす、なんと人間らしい幸せな人生でしょうか。万葉の時代に遡るまでもなく、自分自身の幼少期には、麻疹からの生還を家族を挙げて祝っていたのです。当時は、麻疹で命を失う子供もまだまだいたということでしょう。一方、現代はどうでしょうか。医療は進歩し平均寿命は飛躍的に延びました。死の危険を実感することはなく、生きていることがあたり前になりました。その中で、人間は「生きる」ことへの感謝を忘れてしまったのではないでしょか。進歩したのは医学・医療だけではありません。コンピュータやインターネットが普及し便利になりました。しかし便利になることと幸せになることは別かもしれません。便利さと引き換えに多くの大切なものを失う可能性もあります。移植医療や再生医療、そして人工知能も大切で今後も発展していくでしょう。その発展を推進する力として私も参画したいという思いはあります。しかし、それらの最新医療が日常の現実となった時に、人間はその利益と引き換えに何を失うのでしょうか。もしかすると、人間としての本質を失ってしまう可能性もあるのです。今後の医学の進歩を社会に真に還元するためには、人間の真の幸せとは何かという考察に基づいた精神的な裏づけが必要でしょう。また、次の世代を担う若い医師たちにも「真の幸せ」とは何かを考えつつ仕事をしていただきたいと願います。なぜなら医学がいかに発達しようとも、私たちの心は万葉の時代と変わっていない何かが必ず残っているはずですから。

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「スピリーバ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第40回

第40回 「スピリーバ」の名称の由来は?販売名スピリーバ®1.25μg レスピマット®60 吸入スピリーバ®2.5μg レスピマット®60 吸入※吸入用カプセル18μgはレスピマットのインタビューフォームと異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください。一般名(和名[命名法])チオトロピウム臭化物水和物(JAN)効能又は効果スピリーバ 1.25μg レスピマット 60 吸入下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解 気管支喘息スピリーバ 2.5μg レスピマット 60 吸入下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、気管支喘息用法及び用量慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解:通常、成人にはスピリーバ2.5μgレスピマット 1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。気管支喘息の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解:通常、成人にはスピリーバ1.25μgレスピマット 1回2吸入(チオトロピウムとして2.5μg)を1日1回吸入投与する。なお、症状・重症度に応じて、スピリーバ2.5μgレスピマット 1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】(1)閉塞隅角緑内障の患者[眼内圧を高め、症状を悪化させるおそれがある。](2)前立腺肥大等による排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある。](3)アトロピン及びその類縁物質あるいは本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年2月24日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2017年1月改訂(第11版)医薬品インタビューフォーム「スピリーバ®1.25μg レスピマット®60 吸入/スピリーバ®2.5μg レスピマット®60 吸入」2)ベーリンンガーインゲルハイム:医療用医薬品基本情報

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第46回 第4波を見据えてか!? 厚労省が「大学病院に重症患者を受け入れさせよ」と都道府県に事務連絡

大学病院や基幹病院は、重症患者受け入れをこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。まだ2月ですが、すっかり春めいてきました。この土日は暖かさに誘われ、街にも結構な人が出ていたようです。私自身は先週、所用があって宮城と岩手に出かけました。2月13日の地震で東北新幹線が止まっており、どうしたものかと困っていたのですが、知人から「常磐線は去年から通っているよ」と言われ、高速バスは止めて「特急ひたち」で4時間40分かけて仙台入りしました。JR常磐線は東日本大震災と東京電力の福島第一原発事故の影響を受け、昨年まで福島県の富岡駅~浪江駅間で不通になっていました。かつての不通区間を車窓から眺めたのですが、とくに双葉~浪江間は人の気配がほとんどなく、震災で崩壊したと思われる家屋がまだ数多く残っていました。10年経ったとは思えない風景が続き、言葉を失くしました。さて、今回は改めて新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ体制について考えてみたいと思います。厚生労働省は2月16日、「新型コロナウイルス感染症の医療提供体制の整備に向けた一層の取組の推進について」と題する事務連絡を各都道府県等に発出しました。コロナ患者の受け入れについて、高度な医療を提供できる大学病院や地域の基幹病院が重症患者を、都道府県から指定を受けた「重点医療機関」は中等症患者を受け入れるなど、病院の役割分担を進めるよう、都道府県等に要請しました。とくに医療の需給が多い大都市圏を抱える都道府県では、公立・公的といった地域の中核病院の役割が重要で、こうした病院には必須の医療機能以外を他院と分担した上で新型コロナ対応を強化する、などの検討を求めました。一方、新型コロナの患者に応じていなかった回復期や療養型の病院も、中等症患者への対応を検討するよう要請しました。「大学病院を名指し」の背景第3波が落ちつき、病床に比較的余裕が出てきた今になっての事務連絡は遅過ぎる気もしますが、おそらく来るであろう「第4波」を想定してのことと考えれば納得できます。今回の事務連絡で注目されるのは、大学病院が重症患者を受け入れるよう都道府県等に要請している点です。その背景には、大学病院によって重症者の受け入れ患者数に大きな差があることなどが、マスコミや政治家などからの指摘があるようです。少し古くなりますが、2月9日の日本経済新聞朝刊は、「国立大の重症病床、コロナ活用半ば」という見出しで、国立大学病院が高度な技術を持つにもかかわらずコロナ重症患者の受け入れに活用されていない、という実態を報じています。同記事によれば、全国の重症者病床(ICU・ER・HCUの合計)は1万7,000床で、うち21%にあたる3,620床がコロナ患者用に確保されていたとのことです。これに対し、同紙の調査に回答した20の国立大学病院の重症者病床は計763床、コロナ患者用は131床と17%に留まっていました。同紙は回答のあった20病院のコロナ重症患者向け病床数も報じていますが、いろいろと話題となった旭川医大はわずか2床。緊急事態宣言下の府県の国立大としては京大が3床、患者数が最多の東京では東大が8床でした(東京医科歯科大は16床)。機敏に動く国立大病院もコロナ以外の高度医療への対応の必要性から、コロナ重症患者向け病床を抑える、という理屈はわかりますが、病床数が数床というのは気になります。国立大学病院は文部科学省管轄です。ただ、文科省から「病床を確保せよ」という命令が下されることはなく、基本的に都道府県の調整本部から依頼・要請があって対応することになります。数床しか確保していない大学病院は、何らかの理由をつけて、重症病床の確保を避けてきたとも考えられます。今回の事務連絡を機に、病床確保がスムーズに進むようになることを期待します。ちなみに、仙台にいる友人から聞いた話では、東北大学病院の場合、コロナ重症病床は5床ですが、東北大学診療所を院外に新設してドライブスルー方式のPCR検査外来に取り組んだり、軽症者等宿泊療養施設となったホテルへの医療支援(24時間オンコール対応)にも取り組んだりしているそうです。さらに東北大の医師が県の調整本部に入り、病床確保や入院調整なども担当しているとのこと。地方の国立大学病院は、各県にとっては最大規模かつ最高レベルの医療インフラと言えます。このコロナ禍の中、「うちは高度医療だから」とお高くとまらず、真に地域に役に立つ医療サービスの提供を行ってもらいたいものです。中身なし、医療関係団体の具体的方策ところで、1月に「第41回 コロナ対応病床増、感染症法改正か医療法改正か…。そこ結構大事では?」で書いた、医療関係団体の対策会議はどうなったのでしょう。日本医師会が中心となり、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)と全国自治体病院協議会と共に立ち上げた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」は2月3日、「新型コロナウイルス感染症患者の病床確保等に向けた具体的方策」を取りまとめています。それによれば、「都道府県医師会、都道府県病院団体及び支部が連携して協議会を立ち上げ、都道府県行政との間で緊密な連携を取り」、受け入れ病床の確保策として、「協議会もしくは地域医療構想調整会議等にて都道府県調整本部等と連携し、受入病床の確保を行う」とのことです。大々的に対策会議を開いたにも関わらず、具体的方策の中身はあるようでない、というのが私の感想です。地域レベルでは病床確保がどうにもならなかったので中央の皆で検討したはずなのに、結局また各地域に丸投げする格好だからです。都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会において、猪口 雄二副会長はこの具体的方策について「日本医師会としても支援していくので、地域の事情に応じた対応をお願いしたい」と述べたとのことです。この「具体的方策」で果たして地域の医療機関が「よし、当院も」と動くでしょうか。西日本のある県では100近い民間病院がある中、コロナの軽中等症者を受け入れているのはわずか数院、という話もあります。感染者数が減少に転じ、民間病院へのバッシングも収まったことで、コロナ病床確保のための議論も中途半端ながらとりあえず終了と考えたのだとしたら、とても残念です。今の状況のまま、もし第4波が到来したら、次のバッシングはさらに厳しいものになるでしょう。

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うつ病患者の睡眠薬処方パターンと再発への影響~日本のレトロスペクティブ研究

 日本においてうつ病患者数は増加している。うつ病は寛解期であっても、不眠症状が持続することが少なくない。不眠症の薬理学的治療では睡眠薬が使用されるが、うつ病の再発や寛解後に残存する不眠症状に対する影響はよくわかっていない。武田薬品工業株式会社ジャパンメディカルオフィスの山戸 健太郎氏らは、日本の大規模な健康保険レセプトデータベースを用いて、うつ病患者に対する睡眠薬処方パターンおよびうつ病の再発に対する睡眠薬処方パターンの影響を調査した。BMC Psychiatry誌2021年1月13日号の報告。 対象は、うつ病診断後、抗うつ薬と睡眠薬を処方された20~56歳のうつ病患者をJMDCデータベース(2005~18年)より抽出した。抗うつ薬治療を180日超経過した後に中止した患者を1年間フォローアップし、うつ病の再発を評価するため、カプランマイヤー法を用いた。うつ病の再発に対する睡眠薬処方パターンの影響を分析するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・2006年1月~2017年6月に抗うつ薬治療を開始したうつ病患者17万9,174例中、睡眠薬を処方された2,946例を分析対象とした。・睡眠薬の併用療法は29.2%であり、多くの患者において睡眠薬は単剤療法(70.8%)で用いられていた。・主な睡眠薬処方パターンは、以下のとおりであった。 ●ベンゾジアゼピン系睡眠薬単剤療法:26.2% ●非ベンゾジアゼピン系睡眠薬単剤療法:28.9% ●睡眠薬の2剤併用療法:21.1%・複数の睡眠薬が処方された患者では、抗不安薬、抗精神病薬、気分安定薬、鎮静系抗うつ薬の併用が多かった。・うつ病の1年再発率は、睡眠薬の単剤、併用療法または睡眠薬の種類にかかわらず同程度であり、約20%であった。・抗うつ薬治療中止後1年以内でのうつ病の再発オッズ比(OR)と関連する因子は以下のとおりであった。 ●被保険者の配偶者(OR:1.44、95%信頼区間[CI]:1.03~2.02) ●被保険者の配偶者以外の家族(OR:1.46、95%CI:0.99~2.16) ●鎮静系抗うつ薬の処方(OR:1.50、95%CI:1.24~1.82) 著者らは「日本人うつ病患者に対する睡眠薬の使用は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬が最も多く、併用療法が行われることも少なくない。うつ病の再発に対する睡眠薬処方パターンの影響は認められなかったが、睡眠薬を選択する際には、薬剤間の有効性や安全性の違いを考慮する必要がある」としている。

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降圧薬の有害事象メタ解析、急性腎障害や失神が関連か/BMJ

 降圧薬による高血圧治療は、転倒との関連はないものの、軽度の有害事象として高カリウム血症および低血圧と関連し、重度の有害事象として急性腎障害および失神との関連が認められることが、英国・オックスフォード大学のAli Albasri氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年2月10日号に掲載された。降圧治療の有効性を評価した無作為化対照比較試験のメタ解析は多いが、潜在的な有害性を検討したメタ解析はほとんどない。また、既存のメタ解析は、降圧治療とすべての有害事象の関連に重点を置き、特定の有害事象との関連は明らかにされていないという。降圧治療と特定の有害事象の関連をメタ解析で評価 研究グループは、降圧治療と特定の有害事象との関連を評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を実施した(英国Wellcome Trustなどの助成による)。 成人(年齢18歳以上)で、降圧薬とプラセボまたは無投与、降圧薬数が多い群と少ない群、降圧目標値の高値と低値を比較した無作為化対照比較試験を対象とした。小規模な初期段階の試験を回避するために、試験はフォローアップ期間が650人年以上であることが求められた。 2020年4月14日の時点で、4つの学術データベース(Embase、Medline、CENTRAL、Science Citation Index)に登録された文献を検索した。 主要アウトカムは、試験のフォローアップ期間中の転倒とした。副次アウトカムは、急性腎障害、骨折、痛風、高カリウム血症、低カリウム血症、低血圧、失神であった。また、死亡や主要心血管イベントと関連する追加アウトカムのデータを抽出した。 バイアスのリスクはCochrane risk of bias toolで評価した。変量効果メタ解析で、試験の異質性(τ2)を考慮してすべての試験の率比(RR)、オッズ比(OR)、ハザード比(HR)を統合した。死亡、心血管死、脳卒中を抑制、心筋梗塞との関連は不明確 58件の無作為化対照比較試験(28万638例、フォローアップ期間中央値:3年[IQR:2~4])に関する63本の論文が解析に含まれた。多くの試験(40件[69%])はバイアスのリスクが低かった。 転倒のデータを報告したのは7件の試験(2万9,481例、1,790イベント)で、降圧治療との関連を示すエビデンスは認められず(要約RR:1.05、95%信頼区間[CI]:0.89~1.24)、この関連に関する試験間の異質性はほとんどなかった(τ2=0.009、I2=31.5%、p=0.372)。 一方、降圧薬は、急性腎障害(要約RR:1.18、95%CI:1.01~1.39、τ2=0.037、15試験)、高カリウム血症(1.89、1.56~2.30、τ2=0.122、26試験)、低血圧(1.97、1.67~2.32、τ2=0.132、35試験)、失神(1.28、1.03~1.59、τ2=0.050、16試験)との関連が認められた。 降圧治療と骨折(要約RR:0.93、95%CI:0.58~1.48、τ2=0.062、I2=53.8%、5試験)、および痛風(1.54、0.63~3.75、τ2=1.612、I2=94.3%、12試験)との関連のエビデンスは明確ではなく、CIの幅の広さは試験の異質性が大きいことをある程度反映すると考えられた。 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系拮抗薬に限定すると、急性腎障害と高カリウム血症のイベントを評価した試験間の異質性は低くなった。また、個々の試験で投与中止の原因となった有害事象に焦点を当てた感度分析では、結果の頑健性が示された。 さらに、降圧治療は、全死因死亡(HR:0.93、95%CI:0.88~0.98、τ2=0.008、I2=50.4%、32試験)、心血管死(0.92、0.86~0.99、τ2=0.011、I2=54.6%、21試験)、脳卒中(0.84、0.76~0.93、τ2=0.013、I2=44.8%、17試験)のリスク低減と関連したが、心筋梗塞(0.94、0.85~1.03、τ2=0.013、I2=40.7%、19試験)との関連は明確ではなかった。 著者は、「これらのデータは、降圧治療の開始や継続について医師と患者が協働意思決定を行う際に、とくに有害事象の既往歴や腎機能低下により有害性のリスクが高い患者にとって、有益な情報となるだろう」としている。

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PSMA標的治療のルテチウム-177、転移のある去勢抵抗性前立腺がんに有効/Lancet

 ドセタキセル治療が無効となった転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)男性の治療において、ルテチウム-177[177Lu]Lu-PSMA-617はカバジタキセルと比較して、前立腺特異抗原(PSA)反応(PSA値のベースラインから50%以上の低下)の達成率が高く、Grade3/4の有害事象の頻度は低いことが、オーストラリア・Peter MacCallumがんセンターのMichael S. Hofman氏らが行った「TheraP(ANZUP 1603)試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年2月11日号で報告された。[177Lu]Lu-PSMA-617は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞にβ線を照射する放射線標識低分子化合物であり、mCRPC患者において抗腫瘍活性と安全性が確認されている。オーストラリアの無作為化第II相試験 本研究は、mCRPCの治療における[177Lu]Lu-PSMA-617の有用性をカバジタキセルと比較する非盲検無作為化第II相試験であり、オーストラリアの11施設が参加し、2018年2月~2019年9月の期間に患者登録が実施された(オーストラリア前立腺がん財団、米国Endocyteなどの助成による)。 対象は、ドセタキセル治療で病勢が進行し、カバジタキセルが次の適切な治療と考えられるmCRPCの男性で、全身状態(ECOG PS)が0~2の患者であった。アンドロゲン受容体標的療法(androgen receptor-directed therapy)による前治療は許容された。 被験者は、ガリウム-68[68Ga]Ga-PSMA-11 PET-CTと、2-フッ素-18[18F] fluoro-2-deoxy-D-glucose (FDG) PET-CTによる検査を受けた。本試験のPET適格基準は、PSMA陽性病変を有し、FDG陽性/PSMA陰性の所見が一致しない転移部位がないことであった。適格例は、[177Lu]Lu-PSMA-617(6.0~8.5 GBq、6週ごとに静脈内投与、最大6サイクル)またはカバジタキセル(20mg/m2、3週ごとに静脈内投与、最大10サイクル)の投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントはPSA反応とし、PSA値のベースラインから50%以上の低下と定義された。ITT集団のPSA反応率:66% vs.37% PET適格基準を満たした200例のうち、99例(年齢中央値72.1歳、PSA中央値93.5ng/mL)が[177Lu]Lu-PSMA-617群に、101例(71.8歳、110ng/mL)はカバジタキセル群に割り付けられた。両群とも91例(91%)が、エンザルタミドまたはアビラテロンによる前治療を受けていた。実際に試験薬の投与を受けたのは、[177Lu]Lu-PSMA-617群が98例(99%)、カバジタキセル群は85例(84%)だった。 intention to treat集団では、PSA反応は[177Lu]Lu-PSMA-617群が66%(65例)で得られ、カバジタキセル群の37%(37例)に比べ有意に良好であった(群間差:29%、95%信頼区間[CI]:16~42、p<0.0001)。また、実際に投与を受けた集団でも、PSA反応率は[177Lu]Lu-PSMA-617群で有意に優れた(66% vs.44%、群間差:23%、9~37、p=0.0016)。 病変の増悪(画像所見またはPSA値で評価)は173例([177Lu]Lu-PSMA-617群90例、カバジタキセル群83例)で認められ、増悪までの期間は[177Lu]Lu-PSMA-617群がカバジタキセル群に比べ遅延していた(ハザード比[HR]:0.63、95%CI:0.46~0.86、p=0.0028)。また、12ヵ月の時点での無増悪生存(PFS)率は、[177Lu]Lu-PSMA-617群が19%、カバジタキセル群は3%であり、PFS期間中央値は両群とも5.1ヵ月だった。 Grade3/4の有害事象は、[177Lu]Lu-PSMA-617群が33%(32/98例)で発現したのに対し、カバジタキセル群の発現率は53%(45/85例)であった。[177Lu]Lu-PSMA-617群では、Grade3/4の血小板減少(11% vs.0%)が多く、Grade3/4の好中球減少(4% vs.13%)は少なく、発熱性好中球減少のエピソード(0% vs.8%)はみられなかった。また、[177Lu]Lu-PSMA-617関連の死亡例はなかった。 著者は、「[177Lu]Lu-PSMA-617は、新たなクラスの有効な治療法であり、カバジタキセルの代替治療となる可能性がある」としている。

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低すぎて泣けてくる健康サポート薬局の認知度 内閣府調査【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第63回

内閣府によって、薬局利用に関する世論調査が行われ、その結果が公表されました。この調査は、2020年10月~11月に18歳以上の3,000人を無作為に抽出し、帳票を郵送して行われました。有効回答は1,944人(64.8%)でした。調査項目は、(1)自分の健康について、(2)お薬手帳について、(3)薬局・薬剤師について、(4)かかりつけ薬剤師・薬局に求める役割について、(5)健康サポート薬局に求める役割について、(6)薬局の利用の仕方に関する広報啓発について、という薬局利用の基本的な6項目です。今後の施策の参考とされる世論調査ですので、現時点の患者さんの薬局利用に関する意識を追っていきたいと思います。(1)自分の健康について「あなたは自分の健康をどれくらい意識していますか」という問いに対して、「意識している」と回答した割合は90.0%でした。「意識している」の割合は年齢が上がるにつれ高くなり、男女別ではやや女性のほうが高くなっています。健康意識が低いことが多い29歳以下の層でも75%超が意識していると回答しています。コロナ禍ということも関係しているのかもしれませんが、健康への意識は皆さん高いですね。(2)お薬手帳について「お薬手帳」を利用しているか聞いたところ、「利用している」が71.1%、「利用していない」が28.6%でした。お薬手帳を「利用していない」と答えた人(556人)に、お薬手帳を利用していない理由を尋ねたところ、「病院や診療所、薬局を利用する機会が少ないため」が52.2%で最も多く、「お薬手帳がなくても服用している薬を自分で管理できるため」(25.9%)、「利用するのが面倒なため」(23.0%)と続きました。通院していない人や服用薬がない人は仕方ないかもしれませんが、薬を自分で管理できる、利用するのが面倒と回答した方は、お薬手帳を持っていただく何らかの動機付けが必要かなと思います。お薬を自身で管理できるのは頼もしいことですが、お薬手帳を医療者に見せることで相互作用や副作用の確認が受けられるなど、メリットが最大化できるということを知ってほしいですね。(3)薬局・薬剤師について「薬局を利用した際に薬剤師にどのような相談をしようと思いますか」という項目では、「病院や診療所で処方された薬について」が49.1%、「薬の飲み合わせについて」が45.2%で僅差となりました。「とくにない」という寂しい回答は22.1%でした。なお、別の質問で、利用している薬局の薬剤師による薬の説明や相談への対応に満足しているか尋ねたところ、「満足している」が85.3%、「満足していない」が8.5%でした。ちょっとホッとしましたね。目の前の患者さんの相談に真摯に対応する薬剤師の皆さんが積み上げた満足度だと思います。(4)かかりつけ薬剤師・薬局に求める役割についてかかりつけ薬剤師・薬局を決めているかという質問では、「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」が7.6%でした。決めていると回答した人の理由は、「信頼できる薬剤師であるため」が49.7%、「服用しているすべての薬の飲み合わせについて確認してくれるため」が44.9%でした。また、かかりつけ薬剤師・薬局を決めていない人に、かかりつけ薬剤師・薬局を決める利点で関心のあるものを聞いたところ、「服用しているすべての薬をまとめて管理し、薬の重複や副作用を確認」と回答した割合が58.9%と最も高く、次いで「緊急時の開店時間外の調剤」(24.0%)、「薬についての開店時間外の電話などによる相談への対応」(18.7%)となりました。おそらく、何かとくに変わった対応が求められているわけではなく、基本的な薬局機能と地道な患者さんへの対応が求められているのだと感じます。(5)健康サポート薬局に求める役割について健康サポート薬局の認知度は、「よく知っていた」が1.5%、「言葉だけは知っていた」が6.5%、「知らなかった」が91.4%となりました。「よく知っていた」と回答した人は薬局関係者なんじゃ…とすら思える割合です(笑)。また、健康サポート薬局で自分の健康に関して相談しようと思うか尋ねたところ、「思う」が31.3%、「思わない」が61.4%でした。この結果より、健康サポート薬局の認知度はないに等しく、利用意向も低いと解釈できます。悲しいとしか言いようがありません。(6)薬局の利用の仕方に関する広報啓発についてかかりつけ薬剤師や健康サポート薬局に相談してもらうために、どのような広報啓発が効果的かという質問では、「医師や看護師など、病院や診療所の職員からの情報提供」が54.8%と最も高く、「薬剤師など、薬局の職員からの情報提供」(42.1%)、「テレビ・ラジオによる広報」(42.0%)と続きました。これに関しては参考程度に考えればいいのではないかと思いますが、医師や看護師などからの口コミの効果は大きいと考察できます。さて、上記の結果は皆さんの実感や想像と比較していかがでしたでしょうか。私としては、健康サポート薬局の認知度の低さがひどいなと思わざるを得ません。あまり知られてないだろうとは思っていましたが、ここまで低いとは!と正直驚きました。8月には「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」という認定制度の新設が予定されていますが、患者さんの薬局選びに本当に必要な制度なのだろうか…と思ってしまいます。一方で、薬剤師の皆さんの地道な患者さんへの対応が信頼や満足度向上につながっていることが数字で実感できてうれしく思います。患者さんを置き去りにしない対応や制度が求められているのだと、初心に帰ることができたアンケート結果でした。参考1)「薬局の利用に関する世論調査」(内閣府)2021年(令和3年)2月

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第48回 コーヒーは血中脂質を増やす/イスラエル医療従事者のCOVID-19発症がワクチンで85%減少

コーヒーは血中脂質を増やす~飲むならカフェストールが抜ける濾過コーヒーが賢明重要な慢性疾患や怪我の要因を見つけることを主な目的1)とする観察試験UK Biobankの被験者36万2,571人の解析でコーヒーと血中コレステロール濃度上昇の関連が改めて示されました2,3)。コーヒーをより飲んでいる人ほど総コレステロール、それに悪名高いLDLコレステロール(LDL-C)やアポリポタンパク質B(apoB)の血中濃度がより高いという結果が得られており、コーヒーの飲みすぎを長く続けると脂質に障ってやがては心血管疾患を生じやすくする恐れがあると示唆されました。コーヒーを飲むこととコレステロール上昇の関連はノルウェーの街トロムソの住人を調べたおよそ40年前の試験(Tromso Heart Study)ですでに示されています。被験者はコーヒーといえば挽いたコーヒー豆を水で煮てその上澄みを濾過せずに飲むのを主とし、UK Biobankの試験と同様にコーヒーをより多く飲んでいる人ほど血清の総コレステロールやトリグリセリド値がより高めでした4)。それから7年後の1990年には冒頭のUK Biobank試験の著者の懸念を裏付ける中年男女およそ4万人の追跡調査結果がBMJ誌に掲載されています。Tromso Heart Studyと同様にノルウェーでの試験であり、非濾過コーヒーがしばしば飲まれていた同国でのコーヒー摂取と冠動脈心疾患による死亡の関連が示されました5)。非濾過コーヒーにはコレステロールを上げるコーヒー豆成分カフェストール(cafestol)が多く含まれます。たとえば豆の粗挽きを10分以上煮出すか熱湯で煎じた上澄みの非濾過コーヒーには紙フィルター濾過コーヒーに比べて30倍多く含まれます6)。コーヒー豆のカフェストールが血清コレステロールを上げることを発見した1994年の研究報告の引用文献によると、ノルウェーの隣国フィンランドでは非濾過から濾過コーヒーへの嗜好の変化が血清コレステロール低下に一役買い、7%の心血管疾患減少をもたらしました7,8)。上述のNEJM報告の筆頭著者Dag Thelle氏が率いたごく最近の試験9)でもどうやら非濾過コーヒーの飲み過ぎは心臓に悪そうなことが示唆されています。Thelle氏等のその新たな試験ではノルウェーの20~79歳の約51万人のデータを使ってコーヒーと心血管疾患や死亡率等との関連への抽出方法の影響が調べられました。その結果、コーヒー全般と死亡や心血管疾患を生じやすくなることの関連は認められませんでしたが、コーヒーを飲む人のうち1日に濾過コーヒーを1~4杯飲む人は死亡率が最も低く、非濾過コーヒーを1日に9杯以上飲む人は逆に死亡率が最も高くなっていました。ペーパーフィルター濾過コーヒーでもコレステロールが上昇しうることが示されている10)ので過信は禁物ですが、血中脂質にできるだけ障らないようにするにはコレステロール上昇成分カフェストールが抜ける濾過コーヒーを適度に飲むのが賢明なようです2)。イスラエルでPfizerワクチン1回目接種後15~28日間のCOVID-19発症が85%減ったPfizer(ファイザー)/BioNTech(ビオンテック)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンBNT162b2の接種が進むイスラエルの医療従事者およそ9,000人(9,109人)を調べたところ、その1回目接種後15~28日のCOVID-19発症は非接種に比べて85%少なくて済みました11,12)。接種から1~14日のCOVID-19発症も47%少なく、非接種のおよそ半分で済みました。PCR検査でのSARS-CoV-2検出率も非接種群に比べて低下しました。1回目接種から1~14日には30%、15~28日には75%低下しています。1回目接種からすぐにCOVID-19が減った今回の結果を受けて著者はワクチンや人手不足の国では2回目接種を遅らせてもよさそうだと示唆しています11)。参考1)Batty GD,et al. BMJ. 2020 Feb 12;368:m131. 2)Deja brew? Another shot for lovers of coffee / EurekAlert3)Zhou A, et al. Clin Nutr. 2021 Jan 11:S0261-5614,00014-5. [Epub ahead of print]4)Thelle DS, et al. N Engl J Med. 1983 Jun 16;308(24):1454-7.5)Tverdal A, et al. BMJ. 1990 Mar 3;300:566-9.6)Urgert R, et al. J R Soc Med. 1996 Nov;89:618-23.7)Weusten-Van der Wouw MP, et al.J. Lipid Res. 1994. 35: 721-733.8)Salonen JT, et al.Prev Med. 1987 Sep;16:647-58.9)Tverdal A, et al. Eur J Prev Cardiol. 2020 Dec;27:1986-1993. 10)Correa TA, et al. Nutrition. 2013 Jul-Aug;29:977-81.11)Amit S,Lancet. February 18, 2021. [Epub ahead of print]12)Study finds first COVID vaccine dose lowers disease risk 30% to 85% / University of Minnesota

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認知症介護者の人道的負担~日本の大規模横断研究

 急速な高齢化社会へ進む日本では、認知症やアルツハイマー病の有病率の増加に伴い、介護者の必要性が高まっている。岐阜薬科大学の大野 慎也氏らは、日本での認知症やアルツハイマー病の介護者における人道的負担について、それ以外の介護者との比較を行った。Journal of Medical Economics誌2021年号の報告。 日本の健康調査National Health and Wellness Survey(NHWS)の2018年のデータを用いて、横断的研究を行った。対象は、認知症やアルツハイマー病の介護者805人、それ以外の介護者1,099人、非介護者2万7,137人。アウトカムの指標は、健康関連QOL尺度(HRQoL)であるSF-12、健康状態を評価するEQ-5D、健康が生産性や活動に及ぼす影響、うつ病と不安症の評価とした。群間比較を行うため、潜在的な交絡因子で調整した後、多変量解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・認知症かそれ以外かにかかわらず介護者は、非介護者よりも、HRQoL、EQ-5Dスコアが低く、全活動障害が多く、不安を経験する傾向が認められた。・日常生活動作(ADL)については、基本的ADLおよび手段的ADLへの影響は、認知症介護者とそれ以外の介護者との間で有意な差は認められなかった。・認知症介護者は、それ以外の介護者よりも、治療の決定や財政的マネジメントと深い関わりが認められた。・患者の居住環境をみると、1人の患者をケアしている認知症介護者において、施設入所は282人、地域社会居住は395人であった。・地域社会居住患者の認知症介護者では、基本的ADLおよび手段的ADLへの影響が大きかった。・認知症とがんの両方を有する患者の介護者は、どちらか一方を有する患者の介護者よりも、介護負担がより大きかった。 著者らは「日本において認知症やアルツハイマー病介護者の人道的負担は、患者の生活環境や合併症に影響されることが示唆された。介護者の負担を軽減するためにも、効果的なケアサポートの提供は不可欠である」としている。

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治療後SBPが130mmHg未満の場合、最適なDBPは?

 拡張期血圧(DBP)が低過ぎると心血管イベントが高まる事象(拡張期血圧のJ型現象)が報告されているが、現在の米国のガイドラインでは、DBPの下限については言及していない。今回、中国・Beijing University of Chinese MedicineのJingen Li氏らが、SPRINT試験およびACCORD-BP試験の7,515例を対象にコホート研究を実施した結果、治療後の収縮期血圧(SBP)が130mmHg未満の患者においてDBPのJ型現象が認められ、心血管イベントリスクはDBPが60mmHg未満で高く、70〜80mmHgで最も低いことが示された。JAMA Network Open誌2021年2月17日号に掲載。 本研究は、SPRINTおよびACCORD-BP試験において、厳格もしくは標準的な血圧管理に無作為化されSBP 130mmHg未満を達成した患者で、心血管リスクが高い患者のデータを分析した。データは2010年10月~2015年8月(SPRINT)および1999年9月~2009年6月(ACCORD-BP)に収集し、2020年1月~5月に解析した。治療後のDBTについて、60mmHg未満、60mmHg以上70mmHg未満、70mmHg以上80mmHg未満、80mmHg以上で分けた。1次アウトカムは全死因死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中の複合、2次アウトカムは、心血管死・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中を含む複合心血管アウトカムなどであった。 主な結果は以下のとおり。・計7,515例(平均年齢[SD]:65.6歳[8.7]、男性:4,553例[60.6%])を分析した。・1次アウトカム、複合心血管アウトカム、非致死的心筋梗塞、心血管死について、DBP 70〜80mmHgが最もリスクが低かった。・平均DBT 60mmHg未満は、1次アウトカム(ハザード比[HR]:1.46、95%信頼区間[CI]:1.13~1.90、p=0.004)、複合心血管アウトカム(HR:1.74、95%CI:1.26~2.41、p=0.001)、非致死的心筋梗塞(HR:1.73、95%CI:1.15~2.59、p=0.008)、非致死的脳卒中(HR:2.67、95%CI:1.26~5.63、p=0.01)と関連していた。

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扁平上皮頭頸部がんアジュバント、毎週CDDP+RTに軍配/日本臨床腫瘍学会

 術後再発高リスク因子(切除断端陽性、リンパ節外浸潤)を有する進行頭頸部扁平上皮がんに対する術後補助療法の標準治療は、CDDPを3週ごとに同時併用する化学放射線療法(3wCDDP+RT)である。しかし、毒性の強さ、治療のコンプライアンス、長期入院の必要性、術後の手術部位感染の懸念などから普及せず、毒性の軽い CDDPを毎週投与する化学放射線療法(wCDDP+RT)が頻用されている。ただし、wCDDP+RTのエビデンスは不足しており、標準治療である3wCDDP+RTとの無作為化比較試験も行われていない。国立がん研究センター東病院の田原 信氏らは術後再発高リスク因子を有する頭頸部扁平上皮がんを対象とした世界初となる3wCDDP+RTとwCDDP+RTとの無作為化比較試験を実施し、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)で発表した。・対象:術後再発高リスク因子(切除断端陽性、リンパ節外浸潤)の扁平上皮頭頸部がん患者(ECOG PS 0〜1、年齢20〜75歳)・試験群:CDDP(40mg/m2)+放射線(66Gy/33Fr)(wCDDP+RT群)・対象群:CDDP(100mg/m2)3週ごと+放射線(66Gy/33Fr)(3wCDDP+RT群)・評価項目:第II相部分は治療完遂割合、第III相部分は全生存期間(OS) 試験治療群の標準治療群に対する非劣性ハザード比(HR)の閾値は1.32と設定された。 主な結果は以下のとおり。・2012年10月〜2018年12月に261 例が登録され、3wCDDP+RT群 132 例、wCDDP+RT群 129 例に割り付けられた。・観察期間中央値2.2年での3年OS率は、3wCDDP+RT群59.1%、wCDDP+RT群71.6%であった(HR:0.69、99.1%CI:0.37〜1.27、片側非劣性p=0.00272)。非劣性HRの閾値1.32に対して層別Cox 回帰モデルから得られた片側p値は、多重性を考慮したα=0.00433を下回ることから非劣性が証明された。・3年無再発生存期間は3wCDDP+RT群53.0%、wCDDP+RT群64.5%であった(HR:0.71、95%CI:0.48〜1.06)。・急性毒性としては、Grade3以上の好中球減少(3wCDDP+RT群48.8%対wCDDP+RT35.3%)、Grade2以上のクレアチニン上昇(8.5%対5.7%)、Grade2以上の難聴(7.8対2.5%)、Grade2以上の粘膜炎(55.0%対50.0%)が認められ、その毒性頻度はwCDDP+RT群において低かった。 第III相部分における2回目の中間解析において、OSにおけるwCDDP+RT群の非劣性が証明されたことから、効果・安全性評価委員会から試験中止、結果の公表が勧告された。wCDDP+RTは、3wCDDP+RTに対し非劣性であることが示され、毒性プロファイルも良好であったことから、Weekly CDDP+RT療法が新たな標準治療と認識される、との見解を示している。

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小児がん患者の悪心嘔吐予防に対するパロノセトロンの有効性/日本臨床腫瘍学会

 小児がん患者での化学療法に伴う悪心嘔吐(CINV)は、催吐性の抗がん剤治療を受けた約70%発現することが報告されているが、研究結果は少ない。第2世代5-HT3受容体拮抗薬パロノセトロンは、とくに遅発期(抗がん剤投与後 24〜120時間)におけるCINV抑制効果が確認されており、本邦では成人での使用にて承認されているが、小児のCINV予防の制吐薬としては承認されていない。そこで、わが国の小児がん患者を対象にパロノセトロンの有効性と安全性を検討する第III相試験が実施され、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)において、九州大学病院の古賀 友紀氏がその結果を発表した。・対象:生後28日~18歳の高度または中等度催吐性抗がん剤を含む初回化学療法が計画または実施されている小児がん患者・介入:抗がん剤投与開始30分~直前にパロノセトロン(PALO)20μg/kg(最大1.5mg)とデキサメタゾン(DEX)を投与。DEXは2および3日目も投与・評価項目:化学療法1サイクル目における全期間(抗がん剤投与後0~120時間)の嘔吐完全抑制率(嘔吐・空嘔吐の発現がなく、制吐処置を実施していない状態、以下CR)率。CR率の閾値は事前に30%に設定 主な結果は以下のとおり。・2016年12月~2019年6月に60例が登録され、PALOが投与された58例にて有効性、安全性が評価された。・全期間CR率は58.6%(95%CI:44.9~71.4、p

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第43回 麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?

<先週の動き>1.麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?2.発症から15日など、新型コロナ重症者の退院基準を新設/厚労省3.4月から非医療機関を対象に看護師の日雇い派遣が可能に4.高齢者へのワクチン接種開始、予定よりやや遅れる見込み5.コロナ禍での医師の働き方改革の進捗を報告/日医1.麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?三重大学医学部付属病院において、2017年に麻酔科医が4件の手術をかけ持ちする「並列麻酔」を行い、手術中に患者1人が死亡する医療事故が発生していたことが発覚した。並列麻酔は、医療事故のリスクが高まることなどを理由に、日本麻酔科学会が原則的に禁止している。同院の医療事故調査委員会は、並列麻酔が患者の死亡につながった遠因である可能性を言及し、今年に入ってから並列麻酔は一切行っていないとしているが、2020年までは20%前後の手術で並列麻酔が行われていたことを明らかにしている。三重大学では、臨床麻酔部の元教授らが、不正な診療報酬請求による詐欺の疑いで逮捕され、昨年から麻酔科医の退職が相次いでおり、人手の足りない手術を他病院で実施するなどで対応している。今後、再発防止策を立案するとともに、信用回復と人員確保が最優先となるだろう。(参考)【三重】三重大「並列麻酔」約1〜2割で(NHK)資格医学部附属病院における不正事案について(三重大学)2.発症から15日など、新型コロナ重症者の退院基準を新設/厚労省厚生労働省は、18日に開催された専門家会議で、新型コロナウイルスの重症者について、軽症者らとは別の退院基準を設けることを決定した。これは、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)が必要な重症者は、他人に感染させる期間が長いと考えられるため。これまでの退院基準は、重症度にかかわらず、発症後10日間が経過し、かつ症状が軽快しており、72時間以上経過した者についてはPCR検査を実施せずに退院が可能であったが、今後は重症者に限って、発症から15日が必要だとした。近く、都道府県に通知する見込み。政府は、退院基準を満たした高齢の入院患者を介護施設が受け入れた場合、1日当たり5,000円相当の介護報酬を最大30日間加算することを決めている。全国老人保健施設協会によると、都内では36施設が、新型コロナ退院患者の受け入れ態勢をすでに整えているという。(参考)コロナ重症者の退院基準 発症から15日に 厚労省(朝日新聞)コロナ 退院基準満たした高齢患者 受け入れ施設に介護報酬加算(NHK)3.4月から非医療機関を対象に看護師の日雇い派遣が可能に厚労省は、非医療機関(老人ホームや介護施設、保育所など社会福祉施設)において、看護師らが日雇いで働けるように政令改正を決めた。これは新型コロナ流行に伴い、介護施設や障害者施設での看護師ニーズが高まる中、現状では原則禁止されている看護師らの日雇い派遣についての規制を緩和し、今年の4月以降認める方向で検討している。介護施設では、看護師の人員確保などの課題に直面しており、規制緩和によって、子育てや介護のため常勤していない「潜在看護師」の短時間労働が可能となる。なお、新型コロナウイルスワクチン接種などについては、医療行為であり、医療機関への派遣についても今回の改正対象とはならない。表:保健師・助産師・看護師・准看護師と労働者派遣の法規制(2021年2月21日時点の改正見込み)画像を拡大する(参考)看護師の日雇い派遣4月以降容認へ 厚生労働省(NHK)看護師、介護施設に日雇い派遣可能に 4月から(日本経済新聞)4.高齢者へのワクチン接種開始、予定よりやや遅れる見込み21日にNHK報道番組に出演した河野 太郎規制改革担当相は、高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種開始について、4月はワクチンの輸入量が比較的限られるため、接種への実施が一部後ろ倒しになることを明らかにし、今週中には新たな接種計画をまとめると発表した。また同氏は、新型コロナウイルスワクチン接種について、当初は370万人程度と推計していた医療従事者が、100万人程度増えるとの見通しを明らかにしており、3月から開始される医療従事者の2回目の接種と並行して高齢者向けの接種が開始する見込みであることも併せて言及している。(参考)高齢者ら接種「週内に大枠」 企業にワクチン休暇要請も 河野氏(時事通信)ワクチン接種、遅れる可能性 河野氏言及、供給が限定的(朝日新聞)ワクチン医療従事者接種「100万人くらい増加」 河野氏 高齢者、4月開始は変更なし(日経新聞)5.コロナ禍での医師の働き方改革の進捗を報告/日医日本医師会は、17日に開催された定例記者会見で、医師の働き方改革の進捗について、松本 吉郎常任理事が報告した。医師の働き方改革については、昨年12月に厚労省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」が中間取りまとめを行い、今年2月に医療法等の改正法案が閣議決定され、2024年度からの医師の働き方の新制度施行からの制度の開始に向けた準備が進んでいる。今回、現場からの質問や意見の多い、(1)医療機関がおこなうべきこと、(2)2024年度からの医師の働き方の新制度施行、(3)2024年度の新制度施行に向けて取り組むこと、(4)コロナ禍と医師の働き方、(5)宿日直の許可、(6)医師の副業・兼業の取り扱い、(7)大学病院における働き方、(8)医師の働き方制度理解といった8項目についてそれぞれ説明を行った。今後、さらに医師の働き方改革を進める上でのポイントが記されており、2024年度を前に大学病院をはじめ医療機関が取り組む課題は大きいと考えられる。(参考)医師の働き方改革の進捗状況について(日医)資料 医師の働き方改革の推進に関する検討会 中間とりまとめ(厚労省)

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