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日本におけるアルツハイマー型認知症に伴う経済損失

 アルツハイマー型認知症は、日本における介護の主要な原因の1つである。国際医療福祉大学の池田 俊也氏らは、65歳以上の日本のアルツハイマー型認知症患者を対象に、2018年度の年間医療費や介護費、さらに家族による個人的な介護ケアの費用や生産性の損失がどの程度かについて調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年3月23日号の報告。アルツハイマー型認知症家族の介護による経済損失は1兆5,470億円 文献レビューによるレポートを用いて、臨床的認知症尺度(CDR)スコアにより疾患重症度で分類したうえで、アルツハイマー型認知症の医療費と介護費を推定した。介護に費やされた時間的コストは、20~69歳のアルツハイマー型認知症家族の介護による生産性の損失とすべての個人的な介護ケアの費用として算出した。 アルツハイマー型認知症に伴う経済損失を推定した主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー型認知症の総医療費は、1兆730億円であった。そのうち86%に当たる9,230億円は、アルツハイマー型認知症の治療薬(1,510億円)以外の医療費であった。・重症度別のアルツハイマー型認知症の治療薬以外の医療費は、CDR-0.5(認知症疑い)、CDR-1(軽度)、CDR-2(中等度)では2,000億円未満であったが、CDR-3(高度)では4,470億円(48%)に増加した。・公的介護費は、4兆7,830億円と推定され、重症度に応じて増加が認められた。・20~69歳のアルツハイマー型認知症家族の介護による生産性の損失は、1兆5,470億円であり、すべての個人的な介護ケアの費用は、6兆7,720億円であった。 著者らは「アルツハイマー病によるコストは、日本における公的医療費、介護システム、その家族に対し、多大な影響を及ぼしている。アルツハイマー病による経済的負担を最小限に抑えるために、健康寿命を延ばすための取り組みが重要となる」としている。

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「高齢者糖尿病の血糖管理目標(HbA1c値)」と死亡リスクの関係

 日本糖尿病学会と日本老年医学会は「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」を公表し、患者を3つのカテゴリーに分類している。しかしその妥当性に関して本邦の縦断研究に基づくエビデンスは不足していた。東京都健康長寿医療センターの荒木 厚氏・大村 卓也氏らはJ-EDIT研究のデータを用い、認知機能、手段的ADL、基本的ADL、併存疾患による種々のカテゴリー分類と死亡リスクとの関連を検討。身体機能と認知機能に基づく分類および併存疾患数に基づく分類が死亡リスクの予測因子となることに加え、8つの簡便な質問項目でカテゴリー分類が可能となることが明らかとなった。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版4月22日号の報告より。 J-EDIT研究で6年間追跡した高齢糖尿病患者843例(平均年齢71.9±4.7歳、男性384例/女性459例)を対象に、カテゴリーと全死亡との関連を評価した。認知機能はベースラインのMMSE(カットオフ値27/26~22/21)、手段的ADLは老研式活動能力指標(カットオフ値12/11)、基本的ADLはBarthel Index(カットオフ値19/18)の各質問票を用いて評価し、カテゴリーI~IIIに分類した(モデル1)。 モデル1の分類に加えて、網膜症、腎症、神経障害、虚血心性疾患、脳血管障害、悪性疾患、肝疾患、うつの8個の併存疾患の中から4個以上を有する場合にはカテゴリーIIIとする分類でも同様に解析を行った(モデル2)。さらに因子分析により老研式活動能力指標とBarthel Indexから抽出した8項目(買い物、食事の支度、預金管理、新聞を読む、友人の訪問、食事、トイレ使用、歩行)からなる「生活機能質問票8」の点数で3つのカテゴリーに分類し、死亡との関連を評価した(モデル3)。 ハザード比と95%信頼区間は、年齢、性別、体格指数、HbA1c、総コレステロール、推定糸球体濾過量、重度低血糖の頻度を共変量として使用し、Cox回帰分析により算出された。 主な結果は以下のとおり。・6年間のフォローアップ中に、64件の全死因死亡が発生した。・カテゴリーIに対するカテゴリーIIの死亡率のハザード比(共変数で調整後)は1.8(95%信頼区間[CI]:1.1~3.1)、カテゴリーIIIは3.1(95%CI:1.1~8.3)であった(モデル1)。・併存疾患数を考慮したモデル2でも、カテゴリーが進むにつれてハザード比が上昇した。・「生活機能質問票8」を用いたモデル3でも同様の結果が得られた。・層別解析では低血糖をきたす可能性のある薬剤(SU薬、インスリン)の使用群でとくに、カテゴリーが進むほど死亡リスクが上昇した。

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AZ製ワクチン、血栓症の絶対リスクは?/BMJ

 Oxford-AstraZeneca製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「ChAdOx1-S」の接種を受けた人では、脳静脈血栓症を含む静脈血栓塞栓症の発生がわずかに増加することが確認された。他の安全性については、血小板減少症/凝固異常と出血イベントの発生がわずかに高かったが、ワクチン接種を受けた人のサーベイランスが強化された影響のためか、大部分は安心してよい結果であったという。デンマーク・南デンマーク大学のAnton Pottegard氏らが、同国とノルウェーで実施したコホート研究の結果を報告した。自発的な有害事象の報告や臨床のケースシリーズにおいて、ChAdOx1-S接種後数日から数週間以内に血小板減少症、出血、動脈/静脈血栓症が発生したことが確認されているが、これらの発生について一般集団での自然発生に基づく予想より過剰かどうかは不明であった。BMJ誌2021年5月5日号掲載の報告。デンマークとノルウェーで初回ワクチン接種者約28万人について、一般集団と比較 研究グループは、2021年2月9日~3月11日にChAdOx1-Sの初回接種を受けた18~65歳の全員(ワクチン接種コホート)と、デンマーク(2016~18年)およびノルウェー(2018~19年)の一般集団を比較コホートとして検討した。 デンマークおよびノルウェーにおける全国患者登録(すべての病院をカバー)からデータを抽出。主要評価項目は、ワクチン接種後28日までに観察された動脈イベント、静脈血栓塞栓症、血小板減少症/凝固異常および出血イベントの発生で、両国の一般集団における年齢別および性別特異的自然発生率に基づく期待数と比較した。 ワクチン接種コホートには、デンマークからの14万8,792例(年齢中央値:45歳、女性80%)と、ノルウェーからの13万2,472例(44歳、78%)の計28万1,264例が含まれた。静脈血栓塞栓症の過剰発生は、ワクチン接種10万人当たり11人 ワクチン接種コホート28万1,264例において、動脈イベントの標準化罹患率比は0.97(95%信頼区間[CI]:0.77~1.20)であった。 静脈血栓塞栓症は、ワクチン接種コホートで59件観察されたのに対し、一般集団の発生率に基づく期待数は30件であり、標準化罹患率比は1.97(95%CI:1.50~2.54)、ワクチン接種10万回当たりの過剰イベント数は11件(95%CI:5.6~17.0)であった。 脳静脈血栓症の発生も期待数より高く、標準化罹患率比は20.25(95%CI:8.14~41.73)で、ワクチン接種10万回当たりの過剰イベント数は2.5件であった。血小板減少症/凝固異常の標準化罹患率比は1.52(0.97~2.25)、出血イベントは1.23(0.97~1.55)であった。死亡は、ワクチン接種コホートで15例確認されたが、予測数は44例であった。 結果を踏まえて著者は、「ChAdOx1-S初回接種後28日間において、静脈血栓塞栓症発生増大のエビデンスは示されたが、絶対リスクは小さかった。示された絶対リスクについては、ワクチンの有効性が実証されていることや、特定の国の一般化には限定的な研究結果であることを考慮して解釈すべきであろう」とまとめている。

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バダデュスタットvs.ダルベポエチン、保存期CKDのMACEへの有効性/NEJM

 保存期慢性腎臓病(NDD-CKD)患者において、バダデュスタットはダルベポエチン アルファと比較し、血液学的有効性に関しては事前に設定した非劣性マージンを満たしたが、主要安全性評価項目である主要有害心血管イベント(MACE)については非劣性マージンを満たさなかった。米国・スタンフォード大学のGlenn M. Chertow氏らが、バダデュスタットの有効性を評価した2件の第III相無作為化非盲検実薬対照非劣性試験の結果を報告した。バダデュスタットは、経口投与の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬で、HIFを安定化してエリスロポエチンおよび赤血球の産生を刺激することから、腎性貧血の治療薬として開発された。NEJM誌2021年4月29日号掲載の報告。バダデュスタットの安全性と有効性をダルベポエチンを対照に比較 研究グループは、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)による治療歴がなくヘモグロビン(Hb)値10g/dL未満のNDD-CKD患者、およびESA治療歴がありHb値8~11g/dL(米国)または9~12g/dL(米国以外)のNDD-CKD患者を、バダデュスタット群またはESAダルベポエチン アルファ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要安全性評価項目は、初発のMACE(全死因死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合)で、2件の試験を統合しtime-to-event解析により評価した。副次安全性評価項目には、拡張MACE(MACE+心不全あるいは血栓塞栓イベントによる入院)などを組み込んだ。 各試験における有効性に関する主要評価項目および主要副次評価項目は、24~36週および40~52週の2つの評価期間におけるHb値のベースラインからの平均変化量とした。バダデュスタットは血液学的有効性では非劣性を達成 2試験において、ESA未治療のNDD-CKD患者1,751例、ESA既治療のNDD-CKD患者1,725例が無作為化された。 統合解析において、バダデュスタット群(1,739例)のダルベポエチン アルファ群(1,732例)に対するMACEのハザード比は1.17(95%信頼区間[CI]:1.01~1.36)で、バダデュスタットに事前に設定された非劣性マージン1.25を満たさなかった。 24~36週のHb値の平均変化量のバダデュスタット群とダルベポエチン アルファ群との群間差は、ESA未治療患者で0.05g/dL(95%CI:-0.04~0.15)、ESA既治療患者で-0.01g/dL(95%CI:-0.09~0.07)であり、バダデュスタットに事前に設定した非劣性マージン(-0.75g/dL)を満たした。

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ファイザー製ワクチン、2回接種で種々の変異株に有効か?/横浜市立大

 横浜市立大学の山中 竹春氏(学術院医学群 臨床統計学)らの研究チームは、ファイザー製新型コロナウイルスワクチンが、従来株のほか流行中のさまざまな変異株に対しても中和抗体の産生を誘導し、液性免疫の観点から効果が期待できることを明らかにした。この研究成果について、同研究者らは5月12日の記者会見で報告した。なお、本研究成果はプレプリント段階であり、今後、学術雑誌に投稿される見込み。 本研究は、日本人のワクチン接種者111例(未感染:105例、既感染6例)を対象に、ファイザー製ワクチンの有効性を中和抗体(液性免疫)の保有率という観点から調査。独自の迅速抗体測定システム『hiVNT 新型コロナ変異株パネル』1)を活用して、従来株(D614G)および変異株7種(英国株:B.1.1.7、南アフリカ株:B.1.351、ブラジル株:P.1、インド株:B.1.617、カルフォルニア株:B.1.429、ニューヨーク株:B.1.526、由来不明株:R.1)の計8株に対する中和抗体を測定した。この株の選定理由はCDC(米国疾病予防管理センター)が注意すべき変異株として公表していることに基づく。 今回利用した『hiVNT』システムは、複数の変異株をとりそろえて(パネル化)、それらに対する中和抗体を一括して評価するもの。元来の方法では中和抗体測定に長時間(通常72時間~1週間)を要するが、このシステムが開発されたことで、3時間で測定可能になった。 主な結果は以下のとおり。・評価対象の未感染105例の平均年齢は42歳だった(範囲:24~67歳)。・未感染者でワクチンを2回接種した人のうち、99%の人が従来株に対して中和抗体を保 有していた。また、流行中のN501Y変異を有する3つのウイルス株(英国、南アフリカ、ブラジルで初めて確認された株)に対しても、90〜94%の人が中和抗体を有していた(従来株[1回目接種後の陽性割合:57%、2回目接種後の陽性割合:99%]、英国株[同:18%、同:94%]、南アフリカ株[同:21%、同:90%]、ブラジル株[同:16%、同:94%]、カルフォルニア株[同:39%、同:97%]、ニューヨーク株[同:55%、同:98%]、由来不明株[同:34%、同:97%])。 ・現在懸念されているインド由来の株に対しても、中和抗体の陽性率が低下するような傾向は見られなかった(同:37%、同:97%)。・未感染者において、計8株すべてが中和抗体陽性であった人は、全体の89%(93/105)だった。・中和抗体の上がり方については個人差が見られた。とくに1回接種のみでは、変異株に 対して中和抗体が産生されない人が一定数存在した。・既感染者は1回目の接種後すぐに十分な量の中和抗体が産生される可能性があるが、追加データによる検証が必要である。 今後も変異株のさらなる出現が予想される。そのため、新たな変異株が登場した際に、それらに対する中和抗体の保有状況を集団レベルですみやかに調べ、既存ワクチンの有効性を評価できる手法が求められる。研究者らは「本研究で使用した中和抗体の迅速測定システム『hiVNT』を社会実装に繋げられるよう、さらなるデータの蓄積を進める予定」とコメントした。

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高リスク早期乳がん術後内分泌療法へのアベマシクリブ追加、アジア人での解析(monarchE)/ESMO BREAST 2021

 高リスクのホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)早期乳がんの術後補助療法において、CDK4/6阻害薬アベマシクリブと内分泌療法(ET)併用は、アジア人集団においても無浸潤疾患生存期間(iDFS)と遠隔無転移生存期間(DRFS)を有意に改善することが認められた。monarchE試験におけるアジア人での解析結果を、シンガポール国立がんセンターのYoon-Sim Yap氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer Virtual Congress 2021、2021年5月5~8日)で発表した。 monarchE試験は、再発リスクの高いHR+/HER2-の早期乳がん患者を対象に、術後補助療法としてアベマシクリブ+ET群とET単独群に1:1に無作為に割り付けた第III相試験で、主要評価項目はiDFS、副次評価項目はDRFS、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカム、薬物動態。すでにITT集団で、アベマシクリブ+ET群におけるiDFS(HR:0.713、95%CI:0.583~0.871、p=0.0009)およびDRFS(HR:0.687、95%CI:0.551~0.858、p=0.0009)の有意な改善が報告されている。今回、ITT集団5,637例のうちアジア(中国、香港、日本、韓国、シンガポール、台湾)の患者1,155例(アベマシクリブ+ET群:573例、ET単独群:582例)について有効性と安全性を解析、アジア以外の患者4,482例(アベマシクリブ+ET群:2,235例、ET単独群:2,247例)でのデータと共に発表した。 主な結果は以下のとおり。・iDFSはアベマシクリブ+ET群で有意に改善し(HR:0.777、95%CI:0.493~1.227)、2年iDFS率はアベマシクリブ+ET群93.2%、ET単独群90.1%で、非アジア人と同等だった。・DRFSも有意な改善が認められ(HR:0.758、95%CI:0.455~1.264)、2年DRFS率はアベマシクリブ+ET群94.4%、ET単独群91.7%で、非アジア人と同等だった。・アベマシクリブ+ET群において最も多かった有害事象は下痢(89.5%)で、ほとんどがGrade1(55.8%)もしくはGrade2(28.7%)だった。下痢のために用量調節した患者の割合はアジア人のほうが非アジア人より低かった。・アベマシクリブ+ET群におけるGrade3以上の有害事象および重篤な有害事象の発現率は、53.5%および12.1%だった(ET単独群:10.5%および6.3%)。アジア人は非アジア人と比べて、Geade3以上の好中球減少症(31.5% vs.15.5%)および白血球減少症(21.2% vs.8.3%)の発現率が高く、用量調節した患者の割合が高かった。・アベマシクリブ+ET群における間質性肺疾患の発現率は、全Gradeではアジア人(6.6%)が非アジア人(2.0%)より高かったが、Grade3以上ではアジア人(0.3%)と非アジア人(0.4%)でほぼ同等だった。・アベマシクリブ+ET群の14.5%の患者が、有害事象のためにアベマシクリブまたはすべての治療を中止した。・ITT集団と同様、用量調節したほとんどの患者が治療継続可能だった。 本試験はOSの最終評価まで継続されており、アジア人でのさらなるフォローアップが求められる。

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虚血性下肢症状がPADの歩行運動療法には必要(解説:中澤達氏)-1389

 末梢動脈疾患(PAD)患者への在宅歩行運動療法において、低強度の歩行運動は、高強度の歩行運動に比べ、12ヵ月後の6分間歩行距離の改善について有意に効果が低く、運動をしない場合と比べて有意な差はなかった。 虚血性下肢症状を感じる強度の歩行運動療法でなければ側副血行の発達、または閉塞にもかかわらず還流されている筋肉の代償運動による歩行距離延長は望めないということであろう。 そもそも、監視下歩行運動療法はその強度により効果が証明され保険償還されているので、本研究はそれ以下の強度では効果がないことが追認された。しかしながらこのような研究が複数行われるのは、虚血性下肢症状により施行率、達成率が低く、治療法として確立しているものの汎用性が低いからであろう。これは償還額が低いことと相まって普及を妨げる。 しかしこの研究がネガティブデータと私は考えない。虚血性下肢症状は患者にとって必要最小限の苦痛であると確認されたからである。これによって償還額が上昇することはないにせよ、施行実績が増加することを期待したい。

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大阪コロナ風景【Dr. 中島の 新・徒然草】(374)

三百七十四の段 大阪コロナ風景大阪ではコロナの新規感染者数が増えたり減ったり。でも、体感的にはどんどん状況が悪化しています。医療者の悲壮感と外来患者さんの悠長さとのギャップが悲しい!大阪の今の状態をランダムに報告いたします。(いろいろ差し障りのないよう、多少の設定変更あり)その1:老健施設長のA先生A先生「昨日の発熱外来なんか、10人中7人がPCR陽性でした」中島「えっ。先生のところは老健じゃなかったですか?」A先生「併設しているクリニックで発熱外来もやっているんですよ」中島「そりゃ大変ですね」A先生「以前はほとんど陽性が出なかったんでPPEも適当でしたけどね」中島「ウチも以前は滅多に陽性がありませんでした」A先生「今はもう完全武装で診察しています。危ないですから」10人中7人とは、あんまりですね。とはいえ、道を歩いている人の7割が陽性だというわけではなく、発熱や何らかの症状があって受診した人の7割が陽性だったという話です。その2:クリニックのB先生との世間話B先生「ウチの患者さん、もう中等症でも入院待ちの人が多いです」中島「先生は在宅もやっているんですか」B先生「ええ。重症化させないことが大事なんでね」中島「在宅の段階で介入するわけですね」B先生「酸素の手配をしつつ、コルヒチンとステロイド投与をしています」中島「コルヒチンって効くんですか?」B先生「エビデンスが固まるまで待つわけにいかないでしょう」中島「確かにそうですね」B先生「フサンを使っている先生もいるそうですよ」中島「フサン……って、家で点滴を?」B先生「経口の類似薬があるそうなんです」中島「皆さんいろいろ考えるもんですねえ」入院待機の間にもそれぞれに工夫しているのは立派です。その3:道でバッタリ出くわした某病院の看護師さん看護師「あら、中島先生!」中島「ありゃりゃ、何年ぶりかなあ」看護師「私、4月から兵庫県の〇〇病院勤務なんです」中島「コロナ対応はしているわけ?」看護師「中等症対応だったんですけど」中島「皆まで言うな! 重症化しても転送先がないので、なし崩し的に重症コロナ病棟ができてしまったんでしょ」看護師「そうなんですよ」中島「逆のパターンもあるそうよ。重症を治療して中等症に持っていっても転送先がないので、自分ところで中等症病棟を作ったという話」看護師「やっぱり!」中島「コロナ対応のお医者さんも、もう専門は関係なしよね」看護師「でも経営的にはコロナ対応のほうがいいと聞きましたけど」中島「兵庫県も?実は大阪府でもコロナ対応すると一気に黒字化するみたい」看護師「そうだったんですか」中島「あんまり長話するわけにもいかないのでこの辺で。じゃあ気をつけてね」看護師「先生も」地域によるのかもしれませんが、コロナ診療には少なからぬ加算が付きます。その4:同僚のC先生とのヒソヒソ話C先生「〇〇病院でクラスターが出たそうですよ」中島「あそこはコロナ対応していなかったんじゃ?」C先生「最近コロナ病棟を作ったんですけどね、今回の院内クラスターで一気に埋まってしまったようです」中島「あらま」C先生「スタッフにも陽性者が複数出たんですけど、全員ワクチン未接種だったそうです」中島「接種が間に合わなかったのかなあ」C先生「悲しいですね」はからずもワクチンの効果が証明されてしまいました。その5:開業医のD先生との久しぶりの会話D先生「この前、先生に相談させていただいたE先生のことですけど」中島「『僕、死ぬんですかね』って言っておられた先生ですよね。入院先が見つかったってところまでは聞きましたけど」D先生「そのあと重症化して挿管されたんですよ」中島「えええ!ダメじゃん、それ」(泣)D先生「でも、ついに抜管されたそうなんです。昨日メールが来ました」中島「よかったあ。もう他人事とは思えません、僕には!」D先生「明日は我が身です。お互い、気をつけましょう」中島「そうですね」話の流れからバッド・エンドかと心配しましたが、回復できて良かったですね。読者の皆様に私の経験談が少しでもお役に立てば幸いです。それはそうと、前々回に「動物園からヒョウが逃げ出した」というフェイクニュースを流したら人流が減るんじゃないかという提案をしたら、中国では本当に子供のヒョウが3頭、サファリパークから逃げ出したそうです。2頭は捕獲されましたが、1頭がまだ逃げたままなのだとか。パニックが起こることを心配してサファリパークはこのことを公表していませんでした。ひどい話ですね。子供とはいえ映像では結構大きなヒョウでした。一方、日本では横浜市のアパートから全長3.5メートルのアミメニシキヘビが逃走したというニュースが話題になっています。「怖くて外を歩けないじゃないか!」と、飼い主が近所の人に怒られていました。逃げたのは飼育している中で2番目に大きなヘビだそうです。ということは、もっとデカいのが家にいるということですかね。最後に1句ヒョウ逃げて フェイクが ホンマになってもた

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第57回 コロナ患者受け入れ巡り医療機関の怒りは頂点、どこでやり方を間違った?

今年2月の感染症法改正で、厚生労働大臣や知事が医療機関などに求める新型コロナウイルス感染症患者受け入れについて、「要請」から「勧告」に権限が強化された。正当な理由なく勧告に応じなかった場合には、医療機関名などを公表することもできる。感染者の増加で病床が逼迫する大阪府では4月、この改正法に基づき、府下の急性期医療機関に対し受け入れ病床の増床を求める通知を発出した。これを受けて大阪府保険医協会は4月23日、医療現場の実情を踏まえた運用を府に求めるため、府内全病院に対しコロナ病床の実態などを尋ねるアンケートを実施し、97病院から回答を得た(4月30日現在)。このうち42病院が病床確保要請を受けている病院だった。「できない」理由は人員不足と構造上の問題この42病院のうち、府のさらなる受け入れ要請に対し「できる」「一部できる」と回答したのは、24病院(約6割)で、「できない」は16病院(約4割)だった。受け入れ不可の理由としては、「医師・看護師などの人員不足」(16病院)、「個室や動線確保など病棟の構造上の問題」(14病院)が挙げられたほか、受け入れ病床数や通常医療の維持で「限界」との回答もあり、現場の人員不足はきわめて深刻だ。「勧告」「病院名公表」の前に病院の事情を聞くべき大阪府の通知にある「正当な理由」がない場合は「勧告」の対象になるということについての受け止めは、病床確保要請があった42病院のうちおよそ半数の20病院が「事前に病院の事情を聴くべき」と回答。「理由を明確にすべき」「納得いかない」を加えると24病院が府の要請について丁寧な対応を求めており、「“正当な理由”は誰が判断するのか」「病院にばかり負担を強いて現場は不満だらけ」といった意見が寄せられた。「勧告」に応じない場合の「病院名公表」などについては、前述の回答と同様、丁寧な対応を求める回答が半数以上を占めており、「人員の不足、病院の構造上の問題など、協力したいができない理由はさまざまで、それを一緒くたにすべきではない」「コロナ以外で、できるだけ対応するしか、貢献するしかない状況。各病院、それぞれの状況があり、それを否定することは許されない」といった意見が寄せられている。コロナ患者の転院調整が機能していない大阪府の入院調整のために、自院で発生したコロナ患者の受け入れが許可されない病院は8病院あり、条件付きは20病院。「転院調整が機能していない」との回答が多く、受け入れ病床の使用が制限された上に転院調整は受けてもらえないという進退窮まった現状にあることが伺える。また、「不急」の手術などに対して延期要請が出ているが、回答した97病院のうち18病院(うち病床確保要請を受けているのは15病院)は延期実施が「ある」と回答。主な事例としては「整形外科関係が多い」「良性の疾患、がん以外の症例は基本的に延期」「眼科や外科の急を要しない手術」などが挙げられた。コロナ患者の受け入れに加え、医師と看護師はワクチン接種にも対応しなければならず、医療現場の混乱は容易に予測できる。ワクチン接種を巡っては問い合わせが殺到し、すでに日常診療に影響が出ている病院もある。本稿で紹介したのは大阪府の事例だが、当然ながら同じ状況はいまや全国に起きており、喫緊の課題である。各自治体は、医療現場の現状をつぶさに把握した上で、速やかに明確なロードマップを示すことが求められている。これ以上の混乱に対処する時間や余力など、もはや医療者には残っていない。

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日本における双極性障害の治療パターンと服薬アドヒアランス

 東京医科大学の井上 猛氏らは、日本における双極性障害患者に対する治療パターンと服薬アドヒアランスについて調査を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2021年3月18日号の報告。 株式会社JMDCの雇用関連レセプトデータベースを用いて、2013年7月~2018年2月に双極性障害と診断された成人患者を特定した。気分安定薬または抗精神病薬の治療パターンとアドヒアランス(proportion of days covered:PDC[処方日数を調査対象期間の日数で除した割合]で測定)について、フォローアップ期間中の1~3年目に評価した。患者サブグループのアドヒアランスについても評価した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象の双極性障害患者数は、1万3,788例であった。・3年間のフォローアップ期間中に使用された主な治療薬は、バルプロ酸、リチウム、アリピプラゾール(各々、21.1~27.4%の範囲)、ラモトリギン(11.2~12.8%の範囲)であった。・ベンゾジアゼピン(70~87%の範囲)および抗うつ薬(52~71%の範囲)は、フォローアップ期間中に一般的に使用されていた。・すべての双極性障害患者における平均PDCは、1年目の0.51から3年目の0.61へと上昇していた。・1年目の平均PDCは、30歳未満の患者で0.42、30~40歳で0.49であった。・PDCは、薬剤によって異なるものの、単剤療法の患者で0.44~0.61、2剤併用の患者で0.68~0.83であった。 著者らは「双極性障害患者(とくに若い患者)では、服薬アドヒアランスが低いことが示唆されており、より注意深く観察する必要がある」としている。

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片頭痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体の有効性と安全性~メタ解析

 片頭痛に対して、いくつかの抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)モノクローナル抗体が承認されているが、どの抗CGRPモノクローナル抗体が最適なのかについては、よくわかっていない。中国・四川大学のXing Wang氏らは、片頭痛成人患者に対するCGRPまたはCGRP受容体に作用する各モノクローナル抗体の有効性および安全性を比較するため、ランダム化比較試験のネットワークメタ解析を実施した。Frontiers in Pharmacology誌2021年3月25日号の報告。 MEDILNE、Embase、ClinicalTrials.gov、Cochrane Libraryより、2020年10月30日までに公表された文献をシステマティックに検索した。片頭痛成人患者に対する抗CGRPモノクローナル抗体を評価するため臨床的アウトカムを報告したランダム化比較試験をメタ解析に含めた。主要アウトカムは、毎月の片頭痛日数(MMD)の変化および治療に起因する有害事象(TEAE)の発生とした。 主な結果は以下のとおり。・2,070件の文献より、最終的に18件(8,926例)のランダム化比較試験を抽出した。・有効性に関しては、以下のとおりであり、プラセボと比較しMMDの有意な減少が認められた。●fremanezumab(MD:-2.19、95%CrI:-3.15~-1.25)●ガルカネズマブ(MD:-2.10、95%CrI:-2.76~-1.45)●erenumab(MD:-1.61、95%CrI:-2.40~-0.84)●eptinezumab(MD:-1.43、95%CrI:-2.59~-0.36)・安全性に関しては、ガルカネズマブのみが、プラセボと比較し、TEAE(RR:1.11、95%CrI:1.01~1.22)および重篤な有害事象(RR:2.95、95%CrI:1.41~6.87)の発生率が高かった。 著者らは「片頭痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体は、プラセボと比較し、優れていることが示唆された。今後、さまざまなタイプのCGRPモノクローナル抗体の直接的な研究を通じて、検証されることが望まれる」としている。

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トシリズマブ、重症COVID-19肺炎患者の生存率改善/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重症肺炎で入院した患者の治療において、IL-6受容体モノクローナル抗体のトシリズマブ(商品名:アテムクラ)を投与することで臨床状態が改善し、28日以内の退院率が向上する、という結果が報告された。無作為化非盲検対照プラットフォーム試験「RECOVERY」によるもので、Lancet誌2021年5月1日号に掲載された。ただし、別の研究においては、トシリズマブは臨床状態改善や死亡率低下に寄与しないとの結果も報告されており、今後の詳細な分析とさらなる試験結果が待たれる。 2020年4月23日~2021年1月24日の間に、RECOVERY試験に登録された2万1,550例のCOVID-19患者のうち、低酸素状態(空気中の酸素飽和度が92%未満、または要酸素療法)かつ全身性炎症(C反応性タンパク質[CRP]が75mg/L以上)が認められた成人患者4,116例を対象とし、トシリズマブ群と標準治療群に1対1で無作為に割り付けた。 ベースライン時点で、4,116例中562例(14%)が侵襲的人工呼吸器を装着し、1,686例(41%)が非侵襲的呼吸サポート(高流量経鼻酸素、CPAP、非侵襲的換気を含む)を受けており、1,868例(45%)が単純酸素吸入だけを受けていた。 CRPの中央値は143(IQR:107~204)mg/Lで、3,385例(82%)の患者が全身性コルチコステロイドを投与されていた。主要評価項目は28日後の全死亡率、 副次評価項目は退院日数、およびベースライン時点で侵襲的人工呼吸器未装着だった患者の人工呼吸器装着または死亡だった。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は63.6(SD:13.6)歳であった。・無作為化後28日以内に死亡したのはトシリズマブ群2,022例中621例(31%)、標準治療群2,094例中729例(35%)だった。(発生率比:0.85、95%CI:0.76~0.94、p=0.0028)。・トシリズマブ群は、標準治療群に比べて28日以内の退院率が高かった(57%対50%、発生率比:1.22、95%CI:1.12~1.33、p<0.0001)。・ベースライン時点で侵襲的人工呼吸器未装着の患者において、トシリズマブ群では人工呼吸器装着または死亡という複合エンドポイントに到達する可能性が低かった(35%対42%、リスク比:0.84、95%CI:0.77~0.92、p<0.0001)。・全身性コルチコステロイド投与患者を含む、事前に規定されたすべてのサブグループで一貫した結果が得られた。

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HER2+進行乳がんへのT-DXdによるILDの特徴/ESMO BREAST 2021

 既治療のHER2陽性進行乳がんに高い有効性を示すトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)のリスクとして間質性肺疾患(ILD)がある。本剤の第I/II相試験で発現したILDの特徴を解析したところ、承認用量ではほとんどの場合、低Gradeで、治療開始から12ヵ月以内に発現し、12ヵ月を超えるとリスクが低下することがわかった。米国・マウントサイナイ医科大学のCharles A. Powell氏が、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer Virtual Congress 2021、2021年5月5~8日)で報告した。 本研究では、2015~18年に登録された2つの第I相試験(DS8201-A-J101、DS8201-A-A104)および第II相DESTINY-Breast01試験において、承認用法・用量でのT-DXd単剤療法(5.4mg/kg、3週間ごと)を受けたHER2陽性進行乳がん患者の胸部画像と臨床データを独立判定委員会が後ろ向きにレビューし、薬物関連と判定したILDを報告した(データカットオフ:2020年6月8日)。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は245例(第I相:61例、第II相:184例)、T-DXd治療期間中央値は9.7ヵ月(範囲:0.7〜40.3)だった。・38例(15.5%)に薬物関連ILDが発現し、ほとんどがGrade1または2(30例、12.2%)だった。Grade3および4が1例(0.4%)ずつ、Grade5が6例(2.4%)だった。・最初にILDが発現するまでの期間の中央値は5.6ヵ月(範囲:1.1〜20.8)で、38例中37例(97%)が12ヵ月以内に発現した。・患者の42%が12ヵ月以上治療されたが、12ヵ月以降にILDを新規に発現するリスクは低かった。・独立判定委員会の評価では、44件中27件(61%)のILDの発現時期は、治験医師による報告よりも早かった(中央値の差:52日、範囲:1〜288)。・Grade2~4の24件中14件(58.3%)、Grade5の6件中3件(50%)で全身性ステロイドを投与された。ILD発現から全身性ステロイドの投与開始までの期間の中央値は25.0日(範囲:1~87)だった。・44件中43件は、改訂された毒性管理ガイドラインを臨床試験で使用した2019年12月15日より前に発現していた。 これらの結果から、高GradeのILDを防ぐには、早期発見および最新のガイドラインによる適切な管理が重要であると結論した。

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肺がん根治手術患者の心理と術後補助化学療法実施に関する因子/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、過去10年以内に肺がんの根治手術を受けたStage II~IIIの肺がん患者(以下、患者)131名を対象に、手術前後に抱く不安や心情を理解するとともに、患者が術後補助化学療法の実施を検討する際に何を重視し、影響を受けるかを把握することを目的に、WEBアンケート調査を実施した。 調査結果から、患者の治療選択における情報入手先として医師が80%を占めており、術後補助化学療法実施の意思決定は、患者が医師からの説明をどのように受け止めたかに大きく左右されることが明らかとなった。また、患者は根治手術を受けたとしても再発の可能性があることを理解しており、手術前後から術後補助化学療法実施時にいたるいずれの過程においても、再発の可能性に不安を感じていた。患者の70%が術後補助化学療法に対して、たとえ再発時期を遅らせるだけになったとしても、「再発を避けるためにやれることはやっておきたい」という考えを持っていることも明らかとなり、再発までの期間の延長が、治癒への期待や個人的な人生のイベント達成、再発後の新たな治療法への期待などにつながっていることが考えられた。同調査を監修した広島大学 腫瘍外科の岡田守人氏は、患者の多くは、生存を長くすることに加えて、無再発期間を重要視していることがわかった。患者の希望を理解したうえで、医師を中心とした多職種連携チームで患者さんをサポートすることがとても重要であると述べている。調査概要・調査期間:2020年10月9日~11月19日・調査対象:肺がんの根治手術を10年以内に受けたStage II~IIIの患者:合計131例・調査方法:Webアンケート調査主な調査結果<医師とのコミュニケーションと患者の意思決定>・根治手術を受けた肺がん患者が、がんと診断された後に治療選択を判断する際の情報入手先は、医師からの説明が80%であった。・医師からの説明は、手術前後、術後補助療法実施時のいずれにおいても、その時点での病状や治療などの短期的な項目に関する割合が70%以上と高く、生活への影響、再発の可能性といったやや長期的な項目の割合は前述の項目と比べると少し低かった。一方、患者は短期的とやや長期的のいずれの項目も詳しく説明を聞きたいと考えていた。<患者の手術前後の心理>・患者は、手術前後、術後補助化学療法実施中いずれも、再発の可能性(83.1%、77.2%、71.9%)と今後の生活(63.4%、60.4%、60%)に不安を感じていた。術後補助化学療法実施時においては、77.3%が副作用に対する不安を感じていた。<術後補助化学療法に対する患者の考え>・「術後補助化学療法によって、再発の割合を下げることができなくても再発の時期を年単位で遅らせる可能性がある」とした場合、「術後補助化学療法を受ける」に共感した患者は70%、「術後補助化学療法を受けない」に共感した患者は30%であった。・「術後補助化学療法を受ける」に対する共感部分は、“やれることはやっておきたい”が100%、“再発による生活・気持ちへの影響”が94%であった。また、“抗がん剤の副作用”は93%が許容していた。・「術後補助化学療法を受けない」に対する共感部分は、“抗がん剤の副作用による生活・気持ちへの影響”が83%、“手術だけで治る可能性/術後補助化学療法によらず再発する可能性”が90%、“抗がん剤は再発してからでよい”が80%であった。

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J&J新型コロナワクチンによる脳静脈洞血栓症例、初期症状に頭痛/JAMA

 米国で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「Ad26.COV2.S COVID-19」(Janssen/Johnson & Johnson製)を接種後、血小板減少症を伴う脳静脈洞血栓症(CVST)という深刻なイベントを呈した当初の12例について、その臨床経過や検査結果、臨床アウトカムが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のIsaac See氏らが、ワクチン有害事象報告制度(Vaccine Adverse Event Reporting System:VAERS)の報告書などを基にケースシリーズを行い明らかにしたもので、12例は年齢18~60歳未満で、全員が白人女性、接種から発症までの期間は6~15日で、11例の初期症状が頭痛だった。調査時点で、3例が死亡している。Ad26.COV2.Sワクチンは、2021年2月、米国食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可を得て、4月12日までに約700万回が接種された。そのうち6例で、血小板減少症を伴うCVSTが確認されたことを受け、4月13日に接種が一時的に中止されている。JAMA誌オンライン版2021年4月30日号掲載の報告。VAERS報告書や診療録、医師への聞き取りを基に調査 血小板減少症を伴うCVSTの発生は、欧州において、チンパンジーのアデノウイルスベクターを用いたChAdOx1 nCoV-19ワクチン(Oxford/AstraZeneca製)接種後の、まれで重篤な症状として報告されており、そのメカニズムは自己免疫性ヘパリン起因性血小板減少症と類するものが提唱されている。 研究グループは、Ad26.COV2.Sワクチンを接種後、血小板減少症を伴うCVSTを呈し、2021年3月2日~4月21日にVAERSに報告のあった12例について、その臨床経過や画像・臨床検査結果、アウトカムについて、VAERS報告書や診療録を入手し、また医師への聞き取りを行い調査した。12例中7例に1つ以上のCVSTリスク因子あり 12例は米国内11州から報告され、年齢は18~60歳未満で、全員が白人女性だった。うち7例に、肥満(6例)、甲状腺機能低下症(1例)、経口避妊薬服用(1例)といった1つ以上のCVSTリスク因子があった。全例で、ヘパリン投与歴はなかった。 Ad26.COV2.Sワクチン接種から症状が現れるまでの期間は6~15日で、11例の初発症状が頭痛であった。残る1例は当初は腰痛を、その後に頭痛症状を認めた。 12例中7例に脳内出血が、また8例に非CVST血栓症が認められた。 CVSTの診断後、6例が初回ヘパリン治療を受けた。血小板最小値は9×103/μL~127×1033/μLだった。また、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)スクリーニングを受けた11例全例で、ヘパリン血小板第4因子HIT抗体が陽性だった。 12例全例が入院し、うち10例は集中治療室(ICU)で治療を受け、4月21日時点で3例が死亡、3例がICUで治療継続中、2例が非ICUで入院治療を継続、4例が退院した。 研究グループは、「このケースシリーズは、米国におけるAd26.COV2.Sワクチンの接種再開時の臨床ガイダンスに役立つと同時に、Ad26.COV2.Sワクチンと血小板減少症を伴うCVSTとの潜在的な関連性の調査に役立つだろう」と述べている。

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リラグルチド+運動、減量維持効果は最良か?/NEJM

 肥満治療において減量後の体重のリバウンドは重大な問題だが、肥満成人の減量後に運動プログラムとリラグルチドを併用することで、運動プログラムのみに比べ、1年後の体重減の差は5.4kgと、体重減維持に効果があることが示された。体脂肪率の減少幅も、運動プログラムとリラグルチドの併用群では、どちらか一方の介入群に比べて約2倍に上った。デンマーク・コペンハーゲン大学のJulie R. Lundgren氏らが、195例を対象に行った無作為化直接比較プラセボ対照試験で明らかにし、NEJM誌2021年5月6日号で発表した。低カロリー食8週間摂取後、4群に分け体重変化を比較 試験は、2016年8月~2019年11月にかけて、非糖尿病の肥満成人(BMI:32~43)を対象に行われた。低カロリー食を8週間摂取後、被験者を無作為に4つの治療戦略群に割り付け、(1)中~高強度の運動プログラム+プラセボ(運動群)、(2)リラグルチド(3.0mg/日)+通常の活動(リラグルチド群)、(3)運動プログラム+リラグルチド(3.0mg/日)(併用群)、(4)プラセボ+通常の活動(プラセボ群)をそれぞれ1年間行った。 事前に規定した仮説に基づくエンドポイントは、ITT集団における無作為化の時点から治療終了までの体重変化(主要エンドポイント)、体脂肪率の変化(副次エンドポイント)だった。事前に規定した代謝健康関連エンドポイントと、安全性についても評価を行った。併用群のみで糖化ヘモグロビン値、インスリン感受性、心肺持久力が改善 低カロリー食を摂取した215例のうち、8週間後に体重がベースラインから5%以上減少したのは195例だった(平均減少幅13.1kg)。 1年後に、実治療戦略を行った全群で、体重減少量がプラセボ群を上回った。プラセボ群との差は、運動群-4.1kg(95%信頼区間[CI]:-7.8~-0.4、p=0.03)、リラグルチド群-6.8kg(-10.4~-3.1、p<0.001)、併用群-9.5kg(-13.1~-5.9、p<0.001)だった。 併用群は運動群と比較して、大幅に体重減少が認められた(群間差:-5.4kg、95%CI:-9.0~-1.7、p=0.004)。一方で、リラグルチド群との比較では有意な差はみられなかった(-2.7kg、-6.3~0.8、p=0.13)。 併用群では、体脂肪率が3.9ポイント低下した。この低下幅は運動群(-1.7ポイント、95%CI:-3.2~-0.2、p=0.02)やリラグルチド群(-1.9ポイント、-3.3~-0.5、p=0.009)の約2倍だった。 糖化ヘモグロビン値やインスリン感受性、心肺持久力の改善が認められたのは、併用群のみだった。リラグルチド群では、心拍数上昇と胆石症が併用群より多く認められた。

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給料が上がらない時代、医師のための「超攻撃的な節約術」はコレ!【医師のためのお金の話】第44回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。資産形成を効率的に行うには、「攻め」だけではなく「守り」も固めなければいけません。守りとは、ずばり節約です。主婦・主夫にとって、節約は鉄板ネタです。皆さんあの手この手を使って節約しているので、そのあたりの工夫はネット上にあふれています。しかし、日々の生活ではなく資産形成という大きな目標を達成するには、日々のチマチマした節約では到底追いつきません。また、医師特有の事情によって、世間で一般的に行われている節約術が実践できないケースもあるでしょう。ここでは資産形成するに当たって私が実践してきた節約の工夫をご紹介しましょう!節約術の王道=固定費削減節約には基本的な考え方があり、日々の支出を固定費と変動費に分けることから始まります。固定費とは、住居費、生命保険、通信費のように、毎月必ず発生する支出です。一方、変動費は食費や被服費など、その時々で変動する支出です。ストレスなく大きな金額を節約するためには、固定費を削減することが王道です。確かに、変動費のほうを削減するため、外食の頻度を減らすなどもそれなりの効果は見込めます。しかし、継続的に変動費を抑制していると、ストレスがたまってしまいます。これに対し、住宅ローンや生命保険を見直すと、ストレスをためずに毎月節約できるため非常に効率的です。語り尽くされた感がありますが、やはり節約の王道は固定費削減である、と認識しましょう。住居費をタダにする方法それではどうやって固定費を削減するのかを具体的に考えていきましょう。節約というからには、「支出を削減する」ことをイメージする方が多いと思います。具体的には、住宅ローンであれば金利を交渉して減らす、賃貸であれば、賃料減額交渉が有効です。それなりの額の家賃であれば借り手が限られるため、貸し手も交渉に応じる可能性が高くなります。例えば20万円の賃料であれば、2万円ぐらい下げてくれる可能性があるでしょう。賃料減額のために引っ越しを検討するならば、まずは減額交渉がお勧めです。そして、これらも効果は高いですが、もっと劇的に支出を削減することが可能です。それは無料(タダ)で住んでしまう!という選択肢です。私の具体例を示しましょう。2004年 5,000万円で自宅を購入。銀行から35年返済で5,000万円の融資を受ける。2021年 自宅の時価評価額が1億5,000万円に上昇。現時点での残債は3,100万円。今自宅を売却すれば、税引後でも約1億円のキャッシュが手元に残ります。しかも、自宅前を月極駐車場として賃借しているため、17年間で約1,700万円の賃料収入がありました。このパターンであれば、ほぼタダで住んだうえに1億円ゲットするという、ぬれ手で粟の状況が実現します。「単にオマエがうまくやっただけだろう」と言われそうですが、2000~06年や2009~12年に都市部で自宅を購入した人は同じような状況です。単なる金利交渉や賃料減額交渉と比較しても、適切な時期に物件価格が上昇する見込みのあるエリアに自宅を購入するメリットがよくわかると思います。自動車費用削減の2つのポイント自動車関連費用はどうでしょうか。最近は自動車を持たないライフスタイルもメジャーになってきました。しかし、医師はアルバイト先も多く、クルマなしの生活は難しい人も多いでしょう。自動車の節約は下記2点に絞られます。1)長く乗り続ける2)中古車を購入する私は1997年にテラノレグラスを330万円で新車購入し、2014年にメルセデスEクラスを90万円で譲ってもらうまで17年間乗っていました。2018年にはランドクルーザーを140万円で譲ってもらったのですが、24年間で自動車本体には560万円しかかけていません。年換算でたったの23万円です。いずれのクルマも頑丈なので、修理費はさほどかかりませんでした。このような手法であれば、自動車関連費用を最小限に抑えられると思います。ちなみに私は事故したときのことを考えて、大きなクルマにしか乗るつもりはありません。生命保険はどうなのか最後は生命保険です。生命保険をかける目的は、残された家族の生活費です。このため生命保険が最も必要なのは第一子が生まれた瞬間です。独身者や子供のいない夫婦、そして十分な資産がある人は、極論すると生命保険は不要です。つまり、生命保険費を削減するには資産形成に励めということになります。ちなみに私は月額2,500円の共済保険のみです。さらに日本の医療制度を考えると、高額療養費制度があるため医療保険も不要かもしれません。私は、免疫チェックポイント阻害薬などの超高額医療を自費で受けるために、月額2,300円の自由診療保険に加入しています。しかし、薬価が急激に切り下がってきているので、保険の必要性は低下してきました。このため、保険に加入し続けるか否かを検討中です。キーワードは「自由な発想」これまで見てきたように、ちまたで喧伝されている節約術を踏襲するだけではなく、発想そのものを見直すことで、劇的な支出削減効果が得られるかもしれません。ここで述べた手法はあくまで一例です。皆さんの環境でできることを考えてみることをお勧めします。その際のキーワードは「自由な発想」です。既存の手法から一歩抜け出して、自分なりの節約を実践してみましょう。

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「塩酸バンコマイシン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第51回

第51回 「塩酸バンコマイシン」の名称の由来は?販売名塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g※塩酸バンコマイシン散はインタビューフォームが異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください。一般名(和名[命名法])バンコマイシン塩酸塩(JAN)[日局]効能又は効果1.<適応菌種>バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)<適応症>敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腹膜炎、化膿性髄膜炎2.<適応菌種>バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)<適応症>敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、腹膜炎、化膿性髄膜炎3.<適応菌種>バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)<適応症>敗血症、肺炎、化膿性髄膜炎4.MRSA 又は MRCNS 感染が疑われる発熱性好中球減少症用法及び用量通常、成人にはバンコマイシン塩酸塩として1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごと又は1回1g(力価)12時間ごとに分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。高齢者には、1回0.5g(力価)12時間ごと又は1回1g(力価)24時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。小児、乳児には、1日40mg(力価)/kgを2~4回に分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。新生児には、1回投与量を10~15mg(力価)/kgとし、生後1週までの新生児に対しては12時間ごと、生後1ヵ月までの新生児に対しては8時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。警告内容とその理由本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に 関連する使用上の注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)】1.テイコプラニン、ペプチド系抗生物質又はアミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者2.ペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、テイコプラニンによる難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]※本内容は2021年5月12日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年10月改訂(改訂第16版)医薬品インタビューフォーム「塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g」2)シオノギ製薬:製品情報一覧

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