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ドンペリドン、胎児の奇形リスクなし/国内大規模データベース

 制吐薬ドンペリドンは動物実験で催奇形性が示されたことから、従来、妊婦禁忌とされてきた。しかし、つわりと知らずに服用し妊娠が判明した後に気付いて妊娠継続に悩む女性が少なくない。一方で、本剤は米国で発売されていないことから疫学研究も少なく、安全性の根拠に乏しい面もあった。今回、国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」と虎の門病院は、両施設が保有する1万3,599例もの妊娠中の薬剤曝露症例のデータベースを用いて、ドンペリドンの催奇形性を解析。その結果、妊娠初期に本剤を服用した例と、リスクがないことが明らかな薬のみを服用した例では、奇形発生率に有意な差は見られなかった。The Journal of Obstetrics and Gynaecology Research誌オンライン版2021年2月25日号に掲載。ドンペリドン曝露は乳児の主要な奇形のリスク増加と関連なし 本研究は、1988年4月~2017年12月までに、虎の門病院「妊娠と薬相談外来」または国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」に、妊娠中の薬物の安全性について相談した女性が含まれ、妊娠初期(4~13週)にドンペリドンを服用した妊婦519例(ドンペリドン群)と、対照薬を服用した妊婦1,673例(対照群)から生まれた乳児の奇形発生率を比較した。なお、ドンペリドンとメトクロプラミドの両方を使用した妊婦は研究から除外された。 対照薬としては、アセトアミノフェン、催奇形性リスクが増加しない抗ヒスタミン薬、H2ブロッカー、消化酵素製剤、ペニシリンやセファロスポリンなどの抗菌薬、および外用薬(点眼、軟膏・クリームなど)が含まれた。また、妊婦の制吐薬として一般的に使用されるメトクロプラミドを服用した妊婦241例(メトクロプラミド群)を参照群として定義した。 ドンペリドンによる乳児の奇形発生率について検討した主な結果は以下のとおり。・カウンセリング時の年齢中央値はすべての群で30歳であり、年齢分布も同等だった。飲酒または喫煙習慣のいずれにおいても、3群に大きな違いはなかった。・出産の結果はすべての登録者について集計され、生産の割合は、ドンペリドン群で94.0%(488例)、対照群で93.8%(1,570例)、メトクロプラミド群で94.2%(227例)だった。3群間で死産、流産または中絶の発生率に顕著な違いはなかった。・生産の単胎児における奇形発生率は、ドンペリドン群で2.9%(14/485例、95%信頼区間[CI]:1.6~4.8)、対照群で1.7%(27/1,554例、95%CI:1.1~2.5)、メトクロプラミド群では3.6%(8/224例、95%CI:1.6~6.9)で、有意な差は見られなかった。・飲酒量、喫煙、母体年齢、妊娠初期、施設、対照薬以外の併用薬使用を調整した多変量ロジスティック回帰分析の結果、対照群とドンペリドン群の調整後オッズ比(OR)は1.86(95%CI:0.73~4.70、p=0.191)であり、奇形発生率に有意差は見られなかった。また、対照群とメトクロプラミド群の調整後ORは2.20(95%CI:0.69~6.98、p=0.183)と同様の結果だった。 研究者らは、「この観察コホート研究は、妊娠初期のドンペリドン曝露が乳児の主要な奇形のリスク増加と関連していないことを示した。これらの結果は、妊娠中にドンペリドンを服用した妊婦の不安を和らげるのに役立つ可能性がある」と結論している。

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汎HER阻害薬poziotinib、EGFRおよびHER2 exon20変異NSCLCに有望な評価/ESMO-TAT2021

 2021年3月1〜2日に開催されたESMO Targeted Anticancer Therapies(TAT)Virtual Congress 2021の発表によると、EGFR exon20変異を有する転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、汎HER阻害薬poziotinibは臨床的利益と許容できる安全性を示した。さらにこの研究では、EGFRまたはHER2のexon20変異を有する患者において、poziotinibの1日2回の投与が1回投与に比べ安全性プロファイルが改善される可能性があることを示した。このpoziotinibの研究はマルチコホート第II相ZENITH20試験である。・対象:[コホート3]転移のある未治療のEGFR exon20変異NSCLC患者79例[コホート5」EGFRまたはHER2 exoin20変異NSCLC患者40例・介入:[コホート3]poziotinib16 mg/日[コホート5」poziotinib1日1回(10、12、16mg/回)と1日2回(6mg、8mg/回)に無作為に割り付け。・評価項目:客観的奏効率(ORR)奏効期間、無増悪生存期間(PFS)および安全性 主な結果は以下のとおり。[コホート3]・追跡期間中央値9.2ヵ月時点で、79例中12例が治療を継続していた。 ・ORRは27.8%、疾患制御率は86.1%であった。・DoR中央値は6.5ヵ月であった。・ITT解析患者の91%が腫瘍縮小を示した。 ・PFS中央値は7.2ヵ月であった。・有害事象(AE)プロファイルは、第2世代EGFR-TKIと同様であった。Gade3以上のAEは皮疹が33%、下痢が23%で発現した。[コホート5]・AE発現率は16mg1日1回の31%に対し、8mg1日2回では21%、12mg1日1回の27%に対し、6mg1日2回では16%と、1日2回投与群で低かった。 これらのデータは、poziotinibの16mg/日投与が転移のある未治療のEGFR exoin20変異NSCLC患者において臨床的に意味のある活性を有することを示し、さらに、1日2回投与とすることで、忍容性と安全性が改善されたことを示唆したと、著者らは述べている。

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「腫瘍内科専門医」は新専門医制度で何が変わる?/日本臨床腫瘍学会

 日本臨床腫瘍学会の専門医制度は、新専門医制度の中で主に内科を基本領域とする「サブスペシャルティ領域専門医」として日本専門医機構より認定された。名称は「腫瘍内科専門医」とされ、今秋・遅くとも来春からの研修開始を目指して最終調整が進められている。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)ではこの新専門医制度についてシンポジウムが開催された。本稿では、その概要について解説した田村 研治氏(島根大学医学部附属病院先端がん治療センター)の講演内容を紹介する。「腫瘍内科専門医」への名称変更に紆余曲折 2018年、日本専門医機構は「がん薬物療法専門医」を新専門医制度における「サブスペシャリティ領域専門医」として承認した。しかし2019年に厚生労働省・医道審議会医師分科会・医師研修部会が発足し、同新制度の問題点を指摘。サブスペシャリティ領域の承認基準や整備指針に不十分な点があるのではないかということで、見直しが図られた。 その結果、最終的に「がん薬物療法専門医」は「腫瘍内科専門医」に名称が変更され、内科のサブスペシャリティ領域の1つとして承認された。腫瘍内科と呼吸器内科で異なるサブスぺ領域の類型とは? サブスペシャリティ領域は、研修実施の時期や考え方に応じて以下の3類型が設けられている。1)連動研修を行い得る領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修中に、いくつかの症例について連動して研修可能(消化器内科、呼吸器内科、血液内科など)2)連動研修を行わない領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修後に開始(腫瘍内科、アレルギー、感染症など)3)少なくとも1つのサブスペシャリティ領域を修得した後に研修を行う領域:(消化器内科→肝臓内科、消化器内視鏡など) このうち、腫瘍内科は2)連動研修を行わない領域に位置づけられ、3年間の基本領域研修中にがんの症例を経験したとしても、研修経験は共有できない。また、複数のサブスペシャリティ領域の同時登録はできないため、例えば連動研修として呼吸器内科の研修を開始していた場合に、同時期に腫瘍内科での研修を開始することはできない。 しかし、サブスペシャリティ領域どうしの症例のオーバーラップは可能であり、田村氏は「例えば呼吸器内科領域で肺がんの症例を診ていて、2つめのサブスぺ領域として腫瘍内科を選択した場合には、双方の学会の同意のもと、腫瘍内科での症例としても認められることとなっている」と説明した。また、新専門医制度は5年をめどに制度が見直されることとされており、「将来的には、腫瘍内科についても連動研修が可能となるよう目指して体制の整備含め動いていきたい」と展望を示した。腫瘍内科専門医は日本内科学会を基本領域とする 旧専門医制度での「がん薬物療法専門医」取得にあたっては、内科のほか外科、産婦人科、泌尿器科など14学会の専門医資格を基本資格としている。しかし、新専門医制度では、「腫瘍内科専門医」は日本内科学会を基本領域とする。この背景には、新制度では多くのサブスペシャリティ領域専門医の取得が実質的に難しいこと(原則として2領域)、「がん薬物療法専門医」取得者の基本領域は86%を日本内科学会が占めることがある。ただし、日本外科学会を基本領域としている医師も10%ほどおり、田村氏は「とくに乳がん領域で多く、今後日本外科学会については基本領域としての追加を検討していきたい」と話した。 なお、この変更は旧専門医制度「がん薬物療法専門医」取得者の更新には影響せず、例えば皮膚科を基本領域として「がん薬物療法専門医」を取得している医師の資格は失われない。腫瘍内科専門医が2024年度頃に誕生の見通し 新専門医制度における内科専門研修1期生は、2018年から3年間の基本領域プログラムを受けており、本来であれば、2021年4月から腫瘍内科等のサブスペシャリティ領域の研修がスタート予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症等の影響で遅れが出ており、基本領域の試験は2021年7月4日に予定されている。「腫瘍内科専門医のモデルカリキュラムは9月頃にはホームページ上で公開予定となっており、J-OSLERの開始も遅くとも来春までには整えたい」と田村氏は説明した。なお、2021年4月からの症例については、さかのぼって実績に含めることができる。 今後数年は旧制度と新制度が並行する形となるが、2024年度頃におそらく最初の腫瘍内科専門医が誕生し、その後最終的には、旧制度は終了する予定との見通しを同氏は示した。参加者からは、「外科などの内科以外を基本領域とするがん薬物療法専門医は腫瘍内科専門医へ移行可能か?」という質問が寄せられた。同氏は、旧制度のがん薬物療法専門医は順次更新が行われるので、新専門医制度による影響は受けないことを説明。名称については今後更新の際に「がん薬物療法専門医」→「腫瘍内科専門医」と変更される可能性はあるが、資格としては変わらず更新が可能とした。

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飲酒と乳がんリスク~日本人16万人の解析

 欧米の研究から、飲酒が乳がんリスクを上昇させることが報告されている。しかし、日本人女性は欧米人女性より飲酒習慣が少なく、またアセトアルデヒドの代謝酵素の働きが弱い人が多いなど、飲酒関連の背景が欧米とは異なる。これまで日本人を対象とした大規模な研究は実施されていなかったが、今回、愛知県がんセンターや国立がん研究センターなどが共同で日本の8つの大規模コホート研究から約16 万人以上を統合したプール解析を行い、乳がんリスクと飲酒との関連を検討した。その結果、閉経前女性では飲酒により乳がん罹患リスクが上昇したことを愛知県がんセンターの岩瀬 まどか氏らが報告した。International Journal of Cancer誌オンライン版2021年1月26日号に掲載。 本研究には、国内の大規模コホート研究である多目的コホート研究(JPHC-I, JPHC-II)、JACC研究、大崎国保コホート研究、宮城県コホート研究、三府県宮城コホート研究、三府県愛知コホート研究、放影研寿命研究の8コホート研究が参加。それぞれのコホート研究で使用している飲酒習慣のアンケート調査結果から、飲酒習慣を頻度と量に分けて検討し、頻度は「現在非飲酒」「機会飲酒(週1日以下)」「ときどき(週1日以上4日以下)」「ほとんど毎日(週5日以上)」の4つ、量は1日飲酒量で「0g」「0~11.5g」「11.5~23g」「23g以上」の 4つのカテゴリーに分類した。年齢、地域、閉経状況、喫煙、BMI、初経年齢、出産数、女性ホルモン薬の使用、余暇の運動を調整後、非飲酒に対するその他の飲酒カテゴリーの乳がん罹患リスクを算出し、プール解析を行った。また乳がんの罹患は、閉経状態に基づき閉経前乳がんと閉経後乳がんに分け、それぞれに対する飲酒の影響を検討した。  主な結果は以下のとおり。・計15万8,164人の女性を平均14年追跡し、2,208例が新規に乳がんと診断された。・調査時の閉経状態に基づく閉経前乳がんにおいて、飲酒頻度別では非飲酒者に対する最も頻度の高い飲酒者のハザード比(HR)は1.37(1.04~1.81)、飲酒量別では1日0gの群に対する23g以上の群のHRは1.74(1.25~2.43)であった。・診断時の閉経状態に基づく閉経前乳がんにおいて、飲酒量別で1日0gの群に対する23g以上の群のHRは1.89(1.04~3.43)であった。・一方、調査時もしくは診断時での閉経状態に基づく閉経後乳がんでは、飲酒頻度、飲酒量ともに乳がんリスクとの有意な関連は認められなかった。 これらの結果から、日本人においても欧米での報告と同様に、閉経前乳がんでは飲酒が乳がんの罹患リスクを上昇させることが明らかとなった。一方、閉経後乳がんでは日本人では有意な関連が認められず、海外の結果と異なり閉経状態によって乖離がみられた。

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GSK/Vir社の新型コロナ治療薬が入院・死亡リスクを85%低減、変異株にも有効か/第III相試験中間解析

 グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は、3月15日、Vir Biotechnology,Inc.(本社:米国、以下Vir社)と共同開発したCOVID-19治療薬VIR-7831/GSK4182136について、第III相試験COMET-ICE(COVID-19 Monoclonal antibody Efficacy Trial-Intent to Care Early)で、入院・死亡リスクを85%低減させたとする中間解析を発表した。両社は今後、米国における緊急使用許可申請と、他国での承認申請を進める予定だ。本結果により十分な有効性が確認されたとして、3月10日、独立データモニタリング委員会が本試験への追加の被験者組み入れを中止するよう勧告した。 VIR-7831/GSK4182136は、COVID-19成人患者への早期治療薬としてGSKとVir社が共同開発したモノクローナル抗体薬。前臨床試験では、正常細胞へのウイルス侵入を防ぐと共に、感染細胞を除去する能力を高める可能性が示唆されている。 単剤療法としてのVIR-7831/GSK4182136を評価するCOMET-ICE第III相臨床試験では、入院していない患者を対象に、VIR-7831/GSK4182136(500mg)もしくはプラセボを単回静脈内投与した場合の安全性と有効性を評価した。今回の結果は、登録された583例のデータの中間解析に基づくもの。VIR-7831/GSK4182136を投与した患者群(291例)において、主要評価項目である入院もしくは死亡リスクが、プラセボ群(292例)に比べ、85%(p=0.002)低減したことが示された。VIR-7831/GSK4182136の忍容性は良好だった。 さらに新たなin vitro試験において、英国型、南アフリカ型およびブラジル型など現在懸念されている変異株に対し、VIR-7831/GSK4182136が活性を維持することが示されたという。この試験結果は、査読前の研究論文サーバー「bioRxiv」に3月10日付で掲載された。

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非コンセンサスTIAの脳卒中リスクは典型症例と同等/Lancet

 一過性神経症状のうち典型的な症状(運動麻痺、失語症、片側視野欠損、単眼視力低下)を伴う一過性脳虚血発作(TIA)ではなく、単独の複視、構音障害、めまいや運動失調、感覚消失、両眼視力低下といった「非コンセンサス」TIAの発症も、その後の短期・長期の脳卒中リスクが典型的TIAと同等に高いことが明らかにされた。10年主要血管イベントリスクについても同等だった。英国・オックスフォード大学のMaria A. Tuna氏らが、人口9万人超のコミュニティーを対象に前向きコホート試験を行い明らかにした。TIAの診断は困難を伴い、非コンセンサスの症状については、調査や治療に大きなばらつきがあった。結果を踏まえて著者は「非コンセンサスTIAを明確に脳血管イベントとすることで、全体的にTIA診断率はおよそ5割増しになるだろう」と述べている。Lancet誌2021年3月6日号掲載の報告。軽度虚血性脳卒中、典型的TIA、非コンセンサスTIAに分け追跡 研究グループは2002年4月1日~2018年3月31日に、英国オックスフォードシャーの住民(9万2,728人、年齢問わず)で一過性神経症状を呈し、プライマリケア診療所、またはJohn Radcliffe病院で診察を受けた患者を対象に前向きコホート試験を行った。 対象患者は、軽度虚血性脳卒中(NIHSS<5)、典型的TIA、非コンセンサスTIAに分類され、2次予防を目的としたガイドラインに沿った治療を受けた。 脳卒中リスク(7日、90日、10年リスク)と、すべての主要血管イベントリスク(初回イベントからの期間、医師の診察を受けた時からの期間)を対面による追跡で判定し、試験対象集団における年齢・性別の脳卒中罹患率に基づく予測リスクと比較した。90日脳卒中リスク、典型的TIA群11.6%、非コンセンサスTIA群10.6% 対象患者は2,878例で、うち軽度虚血性脳卒中は1,287例、典型的TIAは1,021例、非コンセンサスTIAは570例だった。追跡は、2018年10月1日まで行われた(追跡期間中央値5.2[IQR:2.6~9.2]年)。 1万7,009人年の追跡期間中、初回の脳卒中再発は577件発生した。 非コンセンサスTIA群の90日脳卒中発症リスクは、典型的TIA群と同等だった(10.6%[95%信頼区間[CI]:7.8~12.9]vs.11.6%[9.6~13.6]、ハザード比[HR]:0.87、95%CI:0.64~1.19、p=0.43)。また、非コンセンサスTIA群の90日脳卒中発症率は、一過性黒内障発症後の同発症率(4.3%[95%CI:0.6~8.0])より高率だった(p=0.042)。 一方で、症状発症時点で医療サービスを受けた患者の割合は、典型的TIA群は75%(768/1,021例)だったのに対し、非コンセンサスTIA群は59%(336/570例)と低率だった(オッズ比[OR]:0.47、95%CI:0.38~0.59、p<0.0001)。医療サービスを受ける前に脳卒中再発が起こる割合も、典型的TIA群5%(47/1,021例)に対し非コンセンサスTIA群8%(45/570例)と増大する傾向がみられた(OR:1.77、95%CI:1.16~2.71、p=0.007)。 これらの再発脳卒中を除外後、非コンセンサスTIA群の受診後の7日脳卒中リスク(発症率2.9%、95%CI:1.5~4.3)も、予測リスクと比べてきわめて高かった(相対リスク[RR]:203、95%CI:113~334)。とくに、発症当日に受診した患者で高かった(発症率5.0%[95%CI:2.1~7.9]、RR:300[137~569])。 10年主要血管イベント発生リスクも、非コンセンサスTIA群と典型的TIA群で同等だった(27.1%[95%CI:22.8~31.4]vs.30.9%[27.2~33.7]、p=0.12)。 心房細動、卵円孔開存、および動脈狭窄のベースライン有病率も、非コンセンサスTIA群と典型的TIA群で同等だったが、後方循環狭窄は非コンセンサスTIA群で頻度が高かった(OR:2.21、95%CI:1.59~3.08、p<0.0001)。

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イベルメクチン、軽症COVID-19の改善効果見られず/JAMA

 軽症COVID-19成人患者において、経口駆虫薬イベルメクチンの投与(5日間コース)はプラセボと比較し、症状改善までの期間を有意に改善しないことが示された。コロンビア・Centro de Estudios en Infectologia PediatricaのEduardo Lopez-Medina氏らが、約400例を対象に行った試験で明らかにした。イベルメクチンは、その臨床的有益性が不確実にもかかわらず、COVID-19の潜在的な治療薬として広く処方されている。著者は、「今回の試験では、軽症COVID-19へのイベルメクチンの使用を支持する所見は認められなかった。さらなる大規模な試験を行い、イベルメクチンの他の臨床関連アウトカムの効果を明らかにする必要があるだろう」と述べている。JAMA誌オンライン版2021年3月4日号掲載の報告。軽症で発症後7日以内の成人を対象に試験 イベルメクチンが軽症COVID-19の有効な治療法であるかを確認するため、コロンビア・カリの1医療機関で二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。簡易ランダムサンプリング法を用いて、試験期間中に検査で確認された症候性COVID-19患者を州の保健部門の電子データベースから特定し被験者とした。2020年7月15日~11月30日にかけて、計476例の在宅療養または入院中の軽症かつ発症後7日以内の成人を登録し、2020年12月21日まで追跡した。 被験者は2群に分けられ、一方にはイベルメクチン(300μg/kg/日)が、もう一方にはプラセボが、それぞれ5日間投与された。 主要アウトカムは、21日以内で症状が軽快するまでの期間とした。非自発的な有害事象および重篤有害事象も収集した。症状消失までの期間中央値、イベルメクチン群10日、プラセボ群12日で有意差なし 無作為化を受けて主要解析に包含された被験者は400例だった(年齢中央値37[IQR:29~48]歳、女性58%)。そのうち試験を完了した398例(99.5%)について分析を行った。 症状消失までの日数中央値は、イベルメクチン群10日(IQR:9~13)、プラセボ群12日(9~13)で有意差はなかった(ハザード比:1.07、95%信頼区間[CI]:0.87~1.32、log-rank検定のp=0.53)。21日目までに症状が消失した被験者の割合も、それぞれ82%、79%で同等だった。 最も多くみられた非自発的な有害事象は頭痛で、報告例はイベルメクチン群104例(52%)、プラセボ群111例(56%)だった。重篤有害事象で最も多かったのは多臓器不全で、合計4例(各群それぞれ2例)で発生した。 研究グループは、本試験ではイベルメクチンの効果は支持されなかったものの、より大規模な試験を行うことで、イベルメクチンの他の臨床アウトカムについてその効果が判定できるのではないか、とした。

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米国コロナ治療の今:重症コロナ患者へ実施する緩和医療とは【臨床留学通信 from NY】第18回

第18回:米国コロナ治療の今:重症コロナ患者へ実施する緩和医療とはコロナの最大の関心事は、いまワクチンにあると思います。日本でも医療従事者への接種が始まりましたが、こちらアメリカでは2月25日現時点で6,500万人ほどが1回目の接種をしているようです。しかしながら、米国の総患者数はおよそ人口の10%に相当する2,800万人。そして、ついに50万人の死亡が確認されています。ニューヨーク州は、2,000万人ほどの人口で一時期は1日の新規患者数が2万人にのぼる日もありましたが、現在は1万人以下に減っています。しかし、わたしが所属するMount Sinai Beth Israelでは、残念ながらまだコロナの患者さんの数が減っている気配を感じません。マンハッタン郊外にあたるクイーンズ地区やブルックリン地区にはMount Sinaiの関連病院があり、そこで収容できなかった患者さんがひっきりなしに転院搬送されてきます。日本では、大学病院と大学関連病院といっても経営母体が一緒であることはあまりないと思いますが、Mount Sinai Health SystemにはMount Sinai Hospitalという大学病院を中心に6つほどの病院を有しており、グループ間の転院搬送も専用の救急車でスムーズに行われます。病院としても利益をある程度求めなければならず、グループ間での転院搬送であれば問題はないという考えだと思います。電子カルテも統一されているため、受け入れる側も先方のカルテが閲覧できるため、二重の検査は不要で合理的です。そのようなシステムのため、レジデントがグループ内の病院で、2週間単位で研修を受けるということも可能です。さて、このところコロナ治療の最前線にいることが多かったのですが、緩和医療という日本ではあまり馴染みのない科のローテートをすることになりました。緩和というと、日本では主にがん患者さんに対する医療という意味が強いと思いますが、米国ではそれに限らず、集中治療をいくら施しても回復が難しい場合に、患者さんのcomfortを中心に行うことがあります。実は、そのようなケースが、コロナ患者さんで非常にたくさんおり、患者家族とのやりとりを経て、場合によってはpalliative extubationといって、人工呼吸器がないと生きていけない患者さんの気管内チューブを抜くことがあります。そのような、尊厳死と捉えられてもおかしくないような医療行為には賛否両論があると思いますが、国が違えば考えも違う、法律も違う(米国内でも、州ごとに仕組みが異なります)ということなんだと思います。Column3月21日(日)20時~(日本時間)zoomでウェブセミナーを行います。テーマは「米国循環器グループで行う戦略的メタアナリシス」です。ウェブセミナー「米国循環器グループで行う戦略的メタアナリシス」もしよければ覗いてみてください。

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「アタラックス-P」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第43回

第43回 「アタラックス-P」の名称の由来は?販売名アタラックス®-Pカプセル25mg・50mg・散10%・ドライシロップ2.5%※アタラックス®-Pシロップ、アタラックス®-P注射液はインタビューフォームが異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください。一般名(和名[命名法])ヒドロキシジンパモ酸塩(JAN)効能又は効果蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)神経症における不安・緊張・抑うつ用法及び用量皮膚科領域には、ヒドロキシジンパモ酸塩として、通常成人1日85~128mg(ヒドロキシジン塩酸塩として50~75mg)を2~3回に分割経口投与する。 神経症における不安・緊張・抑うつには、ヒドロキシジンパモ酸塩として、通常成人1日128~255mg(ヒドロキシジン塩酸塩として75~150mg)を3~4回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分、セチリジン、ピペラジン誘導体、アミノフィリン、エチレンジアミンに対し過敏症の既往歴のある患者 2.ポルフィリン症の患者3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人※本内容は2021年3月17日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年3月改訂(第6版)医薬品インタビューフォーム「アタラックス®-Pカプセル25mg・アタラックス®-Pカプセル50mg/アタラックス®-Pドライシロップ2.5% / アタラックス®-P散10%」2)Pfizer PROFESSIONALS:製品情報

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第49回 新型コロナと東日本大震災(後編) あの時の医療支援は、被災地の医療をどう変えたか?

東北沿岸部の医療を進化させた在宅医療の支援こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。3月11日を境に、東日本大震災の関連報道も一気に下火となりました。NHKは、先々週はドラマが主軸でしたが、11日を迎えた先週はドキュメンタリー中心で、考えさせられる番組も多かった印象です。中でも、3月11日の夜に放送された「定点映像 10年の記録〜100か所のカメラが映した“復興”〜」は、被災3県100カ所で定期的に撮影してきた映像を基につくられたドキュメンタリーで、被災地によって復興の歩みに大きな違いがあり、そこに住む人々の思いや生活も多様であることを、改めて我々に気づかせてくれる内容でした。番組の最後で被災地を取材してきたNHKの記者が、「被災地では一般の方々は復興という言葉をほぼ使わない。使っているのは行政であり、政治家であり、われわれマスコミ」と語り、「行政の復興は、基本は住まい。被災された方は住まいも大事だが、そこがゴールとは思っていない。復興という言葉をめぐる行政と一般の方々のズレが広がっている」と指摘していたのが印象的でした。さて、今回も引き続き、東日本大震災が医療に及ぼした影響について考えてみたいと思います。東日本大震災では、前回(第48回 新型コロナと東日本大震災(前編) あの時の経験は今、医療現場でどう役に立っているか?)書いたDMAT以外にも、さまざまな医療支援チームが被災地に入りました。日本医師会のJMAT、日本プライマリ・ケア連合学会のPCATなどは、急性期医療だけではなく、亜急性期や慢性期の患者にも臨機応変に対応しました。そんな中、被災地のそれまでの医療提供体制を一気に進化させた支援もありました。それは、東北沿岸部のいくつかの町で展開された「在宅医療」です。日本の10年後だった東北沿岸部東日本大震災は、高齢化が進んだ東北沿岸部を襲ったことにより、病院や介護施設など入院・入所“施設”主体であった日本の医療提供体制の問題点を浮き彫りにしました。今から10年前の2011年、日本人口はちょうど減少傾向に入ったばかりでした(日本の人口のピークは2008年の1億2,800万人)。当時、日本全体の高齢化率は23%(現在は約29%)。それに対し、東北沿岸部の市町村の多くは30%前後に達していました。つまり、震災当時の東北沿岸部は日本の10年後の姿だった、とも言えるわけです。震災直後は津波で道路が寸断され、自動車も流されて、病院に通えない患者が続出しました。また、停電が続いたことで電動ベッドが動かず、自宅や施設で褥瘡が悪化する患者が続出しました。その時、自宅や施設において渇望されたのは、病院での医療でなく、在宅医療でした。しかし、当時、東北沿岸部の多くの市町村において、在宅医療はまだ十分に普及・定着していませんでした。医療支援チームと一体になって在宅専門部隊を組織一例として、宮城県の沿岸部最北に位置する気仙沼市では、震災前までは基幹病院である気仙沼市立病院が市民の医療の最後の砦として、急性期から慢性期まで対応しており、同病院で死を迎える人も多かったと言われています。震災前から同病院でも急性期医療への特化が模索されてはいましたが、地域で在宅医療が定着しておらず、回復期の機能を持った病床も未整備で、急性期後の患者の退院先探しには難渋していました。そんな状況の中、東日本大震災が起こり、在宅医療のニーズが急速に高まったわけです。その危機をどう乗り越えたのか……。気仙沼では全国から集った医療支援チームと地元の開業医、市立病院の医師らが一体となって、急遽、「気仙沼巡回療養支援隊」が組織され、突発的な在宅医療のニーズに対応したのです。同支援隊の活動は約6ヵ月続き、地元の開業医に在宅患者を引き継ぐ形で終了しましたが、在宅医療や口腔ケア・摂食嚥下のサポートは着実に普及・定着していきました。10年経った今、気仙沼周辺は、在宅医療だけではなく、多職種連携でも先進地域となっています。それは、大震災で気仙沼巡回療養支援隊の活動をベースに、地元の医療機関や介護事業所のスタッフたちが、研修や交流などを継続し、連携を深めてきた結果だと言えます。2017年に新築移転した気仙沼市立病院も、病床を震災時の451床から340床(一般336床〈うち回復期リハビリ病床48床〉、感染症4床)まで一気にスリム化し、地域の医療機関との連携にも力を入れはじめている、とのことです。なお、気仙沼のように、地元のリソースで在宅医療を定着させた地域がある一方で、宮城県の石巻市や登米市などでは関東を本拠とする医療法人が在宅専門診療所を開設し、やはり在宅医療や医療連携の定着・普及に寄与しています。在宅医療のニーズ拡大はコロナ禍と似ている震災によって“弱者”である高齢者が自宅に留まらざるを得なくなって、在宅医療・介護のニーズが拡大した状況は、現在のコロナ禍と似ています。今、感染防止の観点から医療機関の受診を控える高齢者が増えています。また、がん手術後の患者や末期患者なども、病院ではなく自宅療養を選択する人が増加しています。コロナ患者についても、重症病床から回復期病床、在宅への流れがきちんと定まっていなかったことが、病床逼迫の一因であったことは確かです。今後の第4波の襲来に備え、通常診療の在宅医療での対応拡大や、コロナ回復患者の在宅医療での対応なども考えておく必要があるでしょう。そうした仕組みづくりには、ひょっとすると、気仙沼巡回療養支援隊をはじめとした被災地での在宅医療の展開事例が参考になるかもしれません。

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膵がん末期患者の下痢をコデインリン酸塩でコントロール【うまくいく!処方提案プラクティス】第34回

 今回は、末期がんの患者さんの下痢に対して、コデインリン酸塩錠で対処した症例を紹介します。代表的な副作用である便秘を活用することで、最終的には疼痛・排便の両方がコントロールできましたが、もっと早くから介入できていたら…という後悔が残った事例です。患者情報87歳、女性基礎疾患膵体部がん(c Stage4b、本人へは未告知)、左加齢性黄斑変性症既往歴子宮筋腫手術、腰椎圧迫骨折、左大腿部頸部骨折診察間隔毎週訪問処方内容1.トラセミド錠4mg 1錠 分1 朝食後2.スピロノラクトン錠25mg 1錠 分1 朝食後3.ナイキサン錠100mg 2錠 分2 朝食後・就寝前4.酪酸菌配合錠 4錠 分2 朝食後・就寝前5.パンクレリパーゼカプセル150mg 2カプセル 分2 朝食後・就寝前6.乾燥硫酸鉄徐放錠 2錠 分2 朝食後・就寝前7.ポラプレジンク錠75mg 2錠 分2 朝食後・就寝前8.ロペラミドカプセル1mg 2カプセル 分2 朝食後・就寝前9.スボレキサント錠15mg 1錠 分1 就寝前10.ロフラゼプ酸エチル錠1mg 1錠 分1 就寝前本症例のポイントこの患者さんは、膵体部がんの進行による疼痛と頻回の下痢で体力消耗が激しく、その便処理のために同居する長女の介護負担が非常に大きい状態でした。内服薬の管理も本人では難しく、出勤前と帰宅後に内服支援をする長女のために朝食後と就寝前で統一していました。下痢に関しては以前から悩みの種で、過去の治療において半夏瀉心湯やタンニン酸アルブミンで治療をするも抑えることはできず、現在の治療でも整腸薬のみではまったく効果はありませんでした。ロペラミドも追加しましたがコントロールには至らず、本人と長女の精神的・身体的な疲弊が限界に達していました。そのような中、医師より、どうにか今の服薬管理環境で下痢をコントロールできる内服薬はないかという電話相談がありました。この患者さんは、過去に子宮筋腫の手術歴があり、イレウスのリスクもあることから止瀉作用の過剰発現には注意を払う必要があります。しかし、今も疼痛があり、今後も病勢が進行する可能性から、オピオイド導入のタイミングと考えて、腸管内のオピオイド受容体を刺激して腸管蠕動を抑制するコデインリン酸塩錠の投与について検討しました。処方提案と経過医師に、疼痛と排便コントロールの両方を兼ねて、現行のロペラミドに加えて、弱オピオイドのコデインリン酸塩錠の追加を提案しました。用法については、長女より夜間から明け方の便失禁で困っているという話があったため、20mg錠を朝・夕食後(長女帰宅時に服用)・就寝前の分3で服用する方法を伝えました。医師からは、強オピオイドの導入も考えていたが段階を踏んで治療をしよう、と承認を得ることができ、早速当日の夜より服用開始となりました。投与開始3日目にフォローアップのため訪問したところ、夜間の便失禁が減り、本人と長女の心身の負担が軽減できていました。しかしその後、これまでの度重なる便失禁や病状悪化が影響してか、食事がほとんど摂れずに水分摂取がやっとの状態になっていきました。そして、病状悪化から内服も困難な状態となり、フェンタニルクエン酸塩貼付薬とモルヒネ塩酸塩水和物液での緩和医療へ切り替えることになりました。複数の止瀉薬を検討していた段階で提案することができず、医師から相談を受けるまでなかなか知恵を絞りきれなかったことを反省する事例となりました。

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経口脱毛治療薬は安全か

 脱毛治療に用いる低用量経口ミノキシジル(LDOM)の安全性について、多施設共同大規模コホートにおける研究結果が報告された。スペイン・Ramon y Cajal University HospitalのS. Vano-Galvan氏らが1,404例を対象とした検討の結果、全身性の有害事象はまれであり、有害事象のため治療を中止した患者は1.7%だった。結果を踏まえて著者は、「LDOMの安全性プロファイルは良好である」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。 研究グループは、LDOMに関する主要な懸念は全身性の副作用であったことから、大規模患者コホートにおける安全性について検討した。脱毛症のタイプを問わず、治療としてLDOMを3ヵ月以上受けていた患者を対象に、レトロスペクティブな多施設共同研究を行った。 主な結果は以下のとおり。・検討には、平均年齢43(範囲:8~86)歳の計1,404例の患者(女性943例・67.2%、男性461例・32.8%)が含まれた。・LDOMは1,065例の患者に滴定投与され、分析可能なさまざまな症例2,469件が得られた。・最も頻度の高い有害事象は多毛症(15.1%)であった。そのうち治療中止に至った患者は14例(0.5%)であった。・全身性の有害事象は、立ちくらみ(1.7%)、体液貯留(1.3%)、頻脈(0.9%)、頭痛(0.4%)、眼窩周囲浮腫(0.3%)、不眠症(0.2%)などであった。これらのうち投薬の中止に至った患者は29例(1.2%)であった。・生命に関わる悪影響は観察されなかった。

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非情動性精神疾患に対する持続性注射剤抗精神病薬~ネットワークメタ解析

 非情動性精神疾患の成人患者に対する長時間持続性注射剤(LAI)抗精神病薬による維持療法の再発予防および受容性について、イタリア・ベローナ大学のGiovanni Ostuzzi氏らは、検討を行った。The American Journal of Psychiatry誌オンライン版2021年2月18日号の報告。 MEDLINE、Embase、PsycINFO、CINAHL、CENTRALなどより、2020年6月までに公表されたランダム化比較試験を検索した。相対リスクと標準化平均差は、ランダム効果ペアワイズおよびネットワークメタ解析を用いてプールした。主要アウトカムは、再発率およびすべての原因による中止(受容性)とした。研究の質はCochrane Risk of Bias toolを、プールされた推定値の確実性はGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たした研究86件のうち、78件(1万1,505例)をメタ解析に含めた。・再発予防に関しては、12種類のLAIのほとんどにおいて、プラセボを上回っていた。・プラセボと比較したLAIの最大推定値および最高ランキングであった薬剤は、パリペリドン(3ヵ月製剤)とアリピプラゾールであった。・リスペリドン、pipothiazine、オランザピン、パリペリドン(1ヵ月製剤)についても、プラセボと比較し、順に優れた再発予防を有していた(GRADEの確実性:中~高程度)。・LAI同士の直接比較では、ハロペリドールのみが、アリピプラゾール、フルフェナジン、パリペリドンよりも劣っていた。・受容性に関しては、ほとんどのLAIがプラセボを上回っており、zuclopenthixol、アリピプラゾール、パリペリドン(3ヵ月製剤)、オランザピン、flupenthixol、フルフェナジン、パリペリドン(1ヵ月製剤)は、順に優れた受容性を有していた(GRADEの確実性:中~高程度)。・LAI同士の直接比較では、アリピプラゾールのみが、他のLAI(ブロムペリドール、フルフェナジン、パリペリドン[1ヵ月製剤]、pipothiazine、リスペリドン)よりも優れた受容性を示した。 著者らは「パリペリドン(3ヵ月製剤)、アリピプラゾール、オランザピン、パリペリドン(1ヵ月製剤)のLAI抗精神病薬は、再発予防と受容性において、最高のエフェクトサイズとエビデンスの確実性を有していた。このネットワークメタ解析の結果は、最前線で治療にあたっている臨床医やガイドラインの作成に役立つであろう」としている。

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研修医の勤務時間と自習時間に関連は?

 4月から医師の初期・後期臨床研修をひかえ、研修医の成長に必要なことは何であろう。研修医にとって十分な自習時間は、専門能力開発にとって重要であり、臨床知識の習得と自習時間は正の関係にあるとされている。2024年以降、わが国で研修医の義務勤務時間が制限されることもあり、水戸協同病院総合診療科の長崎 一哉氏らのグループは、研修医の勤務時間と学習習慣との関連を初期臨床研修医の基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)を基に評価を行った。調査方法 2020年1月20日~26日までGM-ITEを受講した全国5,590人の研修医を対象に横断研究にて実施。参加者へは、平均勤務時間と自習時間、および性別、卒後学年、当直回数、平均担当入院患者数を含む共変量についてアンケートで質問した。従属変数は1日あたりの自習時間であり、独立変数は1週間あたりの勤務時間とした。比例オッズ回帰分析を用いて、自習時間と勤務時間の間の関連を調べた。約8割の研修医の自習時間は60分未満 6,164人の研修医のうち5,590人(528病院)を分析した。これら研修医のうち2,837人(50.8%)は初期研修医で、1,769人(31.6%)は女性医師だった。 自習時間は、1~30分が2,067人(37.0%)、31~60分が2,330人(41.7%)、61~90分が788人(14.1%)、91分以上が166人(3.0%)、なしが239人(4.3%)だった。 勤務時間については、カテゴリー1(45時間未満)が133人(2.4%)、カテゴリー2(45〜50時間未満)が514人(9.2%)、カテゴリー3(50〜55時間未満)が827人(14.8%)、カテゴリー4(55〜60時間未満)が832人(14.9%)、カテゴリー5(60〜65時間未満)が1,047人(18.7%)、カテゴリー6(65〜70時間未満)が754人(13.5%)、カテゴリー7(70〜80時間未満)が676人(12.1%)、カテゴリー8(80時間以上)が807人(14.4%)だった。 性別、卒後学年、当直回数、および平均担当入院患者数を調整した後、研修医の自習時間はカテゴリー5よりもカテゴリー1~4の方が短かった。対照的にカテゴリー6~8とカテゴリー5の間で自習時間にほとんど、またはまったく違いはみられなかった。質を維持するための今後の課題 この研究では、勤務時間が週60時間未満の研修医は、週60~65時間の研修医よりも自習時間が短かった。この結果は、研修期間中の自由時間が必ずしも、より多くの自習時間に関連しているとは限らないことを示唆している。また、モチベーションの低い研修医が勤務時間の短い病院を選んでいるかもしれない。これらの結果は、本邦における勤務時間制限は、研修医の自習時間を短縮する可能性を示している。よって、研修病院は、オンライン教育と有益な学習環境などを提供することで、研修医の学習習慣を改善させる方策を取る必要がある。2024年以降勤務時間制限がされる中で研修医の質を維持するために、研修プログラムは研修医の自習時間を低下させないような方策(オンライン教育と院内学習環境の構築など)をとる必要がある。

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ペムブロリズマブ、TMB-High固形がんに国内承認申請/MSD

 MSDは、2021年3月11日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ (商品名:キイトルーダ)について、がん化学療法後に増悪した進行・再発の腫瘍遺伝子変異量高スコア(TMB-High)を有する固形がんに対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。がん種横断的に共通するバイオマーカーに基づいた承認申請としては、2018年に承認を取得した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がんに次いで、2件目の申請となる。 腫瘍遺伝子変異量(TMB)とは、腫瘍細胞に生じた遺伝子変異量で、ゲノムコーディング領域1メガ塩基 (megabase) 当たりの非同義体細胞遺伝子変異数として示され、10変異/megabase以上である状態をTMB-Highと定義している。TMB-Highの腫瘍では、ネオアンチゲンがより多く誘導され、免疫チェックポイント阻害薬に対して良好に反応する可能性があるとされ、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、大腸がん、子宮内膜がんなどで比較的多く見られると報告されている。 今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、固形がんに対するペムブロリズマブの有効性を評価する多施設共同非ランダム化非盲検試験であるKEYNOTE-158試験のデータに基づいたもの。

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高リスク初回再発B-ALL小児の地固め療法、ブリナツモマブが有望/JAMA

 高リスクの初回再発B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児の治療において、同種造血幹細胞移植前のブリナツモマブの1サイクル投与は、標準的な多剤併用強化化学療法による地固め療法と比較して、無イベント生存割合が有意に優れ、安全性も良好であることが、イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のFranco Locatelli氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年3月2日号に掲載された。ブリナツモマブは、CD3/CD19を標的とする二重特異性T細胞誘導(BiTE)分子であり、T細胞を動員してCD19発現B細胞を溶解する。再発・難治性B-ALLの小児を対象とする第I/II相試験で、ブリナツモマブは抗白血病活性が示され、分子レベルでの抵抗性を有するB-ALLの成人および小児において、微小残存病変の高い完全寛解率を誘導したと報告されている。13ヵ国47施設の非盲検無作為化第III相試験 本研究は、高リスクの初回再発B-ALL小児の治療において、同種造血幹細胞移植前に残存白血病負担を軽減することで、移植後の転帰の改善を目指すアプローチにおけるブリナツモマブの有効性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、13ヵ国47施設が参加し、2015年11月~2019年7月の期間に患者登録が行われた(Amgenの助成による)。 対象は、生後28日~18歳未満の小児で、フィラデルフィア染色体陰性の高リスク初回再発B-ALLであり、M1 marrow(骨髄の芽球が<5%)またはM2 marrow(骨髄の芽球が≧5~<25%)の患者であった。 被験者は、3回目の地固め療法として、ブリナツモマブ(15μg/m2/日、4週間、持続静注)を1サイクル投与する群または化学療法を施行する群に無作為に割り付けられた。ブリナツモマブ群では、第1日のブリナツモマブ投与前にデキサメタゾン(5mg/m2)が投与された。 主要エンドポイントは無イベント生存割合とした。イベントは、再発、死亡、2次性悪性腫瘍、完全寛解導入の失敗と定義された。重要な副次エンドポイントは全生存(OS)割合であり、他の副次エンドポイントには微小残存病変の寛解(芽球<10-4)や有害事象が含まれた。死亡・再発のリスクが低く、微小残存病変の寛解割合が高い 108例(年齢中央値5.0歳[IQR:4.0~10.5]、女子51.9%、M1 marrow 97.2%)が無作為化の対象となり、ブリナツモマブ群に54例、化学療法群に54例が割り付けられた。事前に規定された中止規則に従い、ブリナツモマブの有益性により患者登録は早期中止となった。 フォローアップ期間中央値22.4ヵ月(IQR:8.1~34.2)の時点で、主要エンドポイントのイベントはブリナツモマブ群が31%(17/54例)、化学療法群は57%(31/54例)で発生し、無イベント生存割合はそれぞれ69%(37/54例)および43%(23/54例)であり、有意な差が認められた(ハザード比[HR]:0.33、95%信頼区間[CI]:0.18~0.61、log-rank検定のp<0.001)。すべてのサブグループで、HRはブリナツモマブ群が良好であった。 死亡は、ブリナツモマブ群で8例(14.8%)、化学療法群で16例(29.6%)発生した。OS割合のHRは0.43(95%CI:0.18~1.01)であった。また、再発は、ブリナツモマブ群が24.1%(13/54例)、化学療法群は53.7%(29/54例)で認められた。再発の累積発生の層別HRは0.24(0.13~0.46)だった。 第2完全寛解期の同種造血幹細胞移植は、ブリナツモマブ群で48例(88.9%)、化学療法群で38例(70.4%)に施行された。移植関連死は、それぞれ4例(8%)および4例(11%)で発生し、再発/病勢進行による死亡は3例(6%)および8例(21%)でみられた。 微小残存病変の寛解割合は、ブリナツモマブ群が90%(44/49例)と、化学療法群の54%(26/48例)に比べて高かった(群間差:35.6%、95%CI:15.6~52.5)。 致死的有害事象の報告はなかった。重篤な有害事象の発生は、ブリナツモマブ群が24.1%、化学療法群は43.1%、Grade3以上の有害事象の発生は、それぞれ57.4%および82.4%で認められた。ブリナツモマブ群で頻度の高いGrade3以上の有害事象は、血小板減少(18.5%)、口内炎(18.5%)、好中球減少(16.7%)、貧血(14.8%)であった。投与中止の原因となった有害事象は、ブリナツモマブ群で2例報告された。 著者は、「この患者集団において、移植前のブリナツモマブ投与は従来の化学療法よりも有効性が高く、有益な地固め療法となる可能性がある」としている。

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新型コロナワクチン、無症候性感染者を94%予防か/ファイザー

 米国・Pfizer社、ドイツ・BioNTech社、イスラエル保健省(MoH:Ministry of Health)は、イスラエルでの集積データから同社が製造する新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチン(BNT162b2)の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の発症や入院、死亡を予防する効果は、症候性の場合で少なくとも97%、無症候性の場合で94%だったことを3月11日付けのプレスリリースで発表した。また、今回のデータ解析からワクチン接種を受けていない人は症候性の新型コロナを発症する可能性は44倍高く、新型コロナが原因で死亡する可能性は29倍高いことも示唆されたという。 今回のリリースによると、イスラエルMoHが2021年1月17日~3月6日の匿名化されたデータを使用し、Pfizer社/BioNTech社が製造したワクチンの2回目の接種から2週間後の時点での健康状態を非接種者と比較したという。この当時、イスラエルではB.1.1.7株が流行していた。 ワクチンの有効性は年齢、性別、および検体が収集された週の変動などで調整し、6項目―新型コロナウイルス感染(症状のあり/なし いずれも含む)、無症候性のみ、 症候性のみ、新型コロナによる入院(重度:呼吸困難、毎分30回以上の呼吸、室内空気の酸素飽和度<94%、および/またはP/F比(PaO2/FiO2比)<300mmHg、入院期間の評価(機械的換気、ショック、および/または心臓、肝臓、腎臓機能の障害)、新型コロナによる死亡―から接種者と非接種者に対する予防効果を決定したという。 なお、この内容は現在プレプリント段階であり、近々、査読付き論文として公表予定とのこと。

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DPP-4阻害薬は新たな免疫抑制薬となり得るか?(解説:住谷哲氏)-1362

 筆者は内分泌代謝疾患を専門としているので、骨髄破壊的同種骨髄幹細胞移植(allo-HSCT)に伴う急性移植片体宿主病(GVHD)に関する知識は少ない。したがって本論文の結果の重要性を評価するのは適任ではないが、36例を対象とした第II相非ランダム化試験でNEJMに掲載されたことから、その結果が臨床的に大きなインパクトを有することは理解できる。 シタグリプチンをはじめとしたDPP-4阻害薬の適応は全世界的に2型糖尿病のみである。したがって本試験はdrug repositioning(drug repurposingとも呼ばれる)の1つと考えられる。ペプチド分解酵素であるDPP-4はT細胞表面に発現するCD26と同一分子であり、インクレチンであるGLP-1は生体内に多数存在するDPP-4の基質の1つに過ぎない。CD26はT細胞活性化における共刺激分子costimulatory moleculeである。動物実験でCD26の発現低下によりGVHDの抑制が可能であることが知られており、それに基づいて著者らは今回の試験を計画した。免疫抑制薬であるタクロリムスとシロリムスの併用に加えて、移植前日から移植後14日にわたってシタグリプチン1,200mg/日を投与した。その結果は、主要評価項目である移植後100日までのGrade II~IVのGVHDの発生率は5%であり、これまで報告されている発生率26~47%と比較して大きく低下していた。しかし本試験はいわばproof of conceptの段階であり、その有効性は今後実施される第III相ランダム化比較試験の結果を待つ必要がある。 血糖降下薬の観点から、本試験の結果をどう考えればよいだろうか? 1つは1,200mg(血糖降下薬としての最大投与量の12倍)2週間投与しても低血糖の発症はなかったと記載があることから、シタグリプチン(おそらく他のDPP-4阻害薬も)が単剤で低血糖を発症するリスクはほとんどないこと再確認されたことだろう。しかし筆者が重要と考えるのは、投与量の問題もあるが、DPP-4阻害薬に免疫抑制作用のあることが示された点である。DPP-4阻害薬の投与が水疱性類天疱瘡の発症と関連することが報告されているが、RS3PE、関節リウマチ、SLEなどの自己免疫疾患が増加するかについては種々の報告があり一定しない。一方で、台湾のナショナルデータベースを用いた研究ではDPP-4阻害薬の投与により自己免疫疾患の発症頻度がむしろ低下することが報告されている1)。2型糖尿病の病態、さらに合併症とされる動脈硬化性心血管病、がん、認知症、心不全の発症にも慢性炎症が関与していることが次第に明らかになりつつある。遠くない将来に、糖尿病治療における免疫抑制薬としてDPP-4阻害薬が注目される日が来るかもしれない。

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1日1回服用の卵巣がんPARP阻害薬「ゼジューラカプセル100mg」【下平博士のDIノート】第70回

1日1回服用の卵巣がんPARP阻害薬「ゼジューラカプセル100mg」今回は、ポリアデノシン5'二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬「ニラパリブトシル酸塩水和物(商品名:ゼジューラカプセル100mg、製造販売元:武田薬品工業)」を紹介します。本剤は、BRCA遺伝子変異の有無にかかわらず、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法後もしくは再発時の化学療法後維持療法として、1日1回の服用で腫瘍細胞の増殖を抑制することが期待されています。<効能・効果>本剤は、「卵巣における初回化学療法後の維持療法」「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣における維持療法」「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣」の適応で、2020年9月25日に承認され、同年11月20日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを経口投与します。ただし、本剤初回投与前の体重が77kg以上かつ血小板数が15万/μL以上の成人には、1日1回300mgを経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量し、本剤投与により副作用が発現した場合は、添付文書の基準を参考にして休薬、減量、中止します。<安全性>国内第II相試験(Niraparib-2001試験、Niraparib-2002試験)において、副作用は39例中39例(100%)で報告されました。主なものは、悪心25例(64.1%)、血小板数減少23例(59.0%)、貧血17例(43.6%)、好中球数減少14例(35.9%)、嘔吐13例(33.3%)、食欲減退11例(28.2%)、白血球数減少10例(25.6%)でした。なお、国内外の臨床試験(上記とNOVA試験、QUADRA試験、PRIMA試験)において、本剤が投与された937例で発現した重大な副作用として、骨髄抑制(78.8%)、高血圧(9.8%)、間質性肺疾患(0.6%)、可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.卵巣がんの初回化学療法後や再発時の維持療法に使われる薬です。1日1回、連日服用します。2.薬によって血液を作る機能が低下するため、あざができやすくなる、鼻をかんだときに血が出る、顔色が悪くなる、心拍数が増える、立ちくらみや息切れ、めまいが起こることがあります。定期的に血液検査が行われますが、気になる症状があったらすぐにご連絡ください。3.血圧が高くなることがあります。自覚症状はほとんどないため、定期的に血圧や心拍数を測定しましょう。4.吐き気や嘔吐、便秘、疲労感などが現れることがあります。小まめに水分を摂り、消化の良い食事を心掛け、疲れを溜めないようにするなど、生活に工夫を取り入れることで対処できる場合もあります。強い症状が続く場合はご相談ください。5.妊娠中の方や妊娠している可能性がある方は服用できません。また、本剤服用中や服用を中止してから一定の期間は適切な方法で避妊を行い、授乳中の方は授乳を中止する必要があります。<Shimo's eyes>卵巣がんは主に閉経後の女性に多く発症するがんですが、初期段階では症状に乏しく、早期の検出が困難であるため、女性生殖器の悪性腫瘍の中では最も死亡者数の多い疾患です。一般的な卵巣がんの治療では、まず手術で可能な限りがんを取り除いてから抗がん剤による化学療法を行い、その後、再発リスクを下げるための維持療法を実施することが多いです。PARP阻害薬は、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法後もしくは再発時の化学療法後の維持療法として用いられます。本剤は、卵巣がんに適応のあるPARP阻害薬として、国内ではオラパリブ(商品名:リムパーザ)に次ぐ2剤目であり、BRCA遺伝子変異の有無によらず使用できます。1日1回の経口投与で食事の影響を受けにくいため、生活リズムに合わせて服用タイミングを選択できるなどのメリットもあります。副作用としては、一般的な抗がん剤と同様に、骨髄抑制、血小板減少、好中球減少などが発現することが多いため、血液検査などによるモニタリングが求められます。また、『NCCN制吐ガイドライン2020年版』において、中等度~高度の嘔吐リスク(頻度30%以上)に分類されており、嘔吐を予防するため、服用前に5-HT3受容体拮抗薬の連日経口投与が推奨されています。重大な副作用として、高血圧クリーゼを含む高血圧などが報告されており、とくに降圧薬を服用中の患者さんは投与前に血圧が適切に管理されていることを確認する必要があります。本剤の貯法は、2~8℃で遮光保存です。患者さんにはPTPシートを冷蔵庫で保管するように指導しますが、持ち運ぶ必要がある場合は専用の保冷遮光ポーチがあるので、MRに相談しましょう。参考1)PMDA 添付文書 ゼジューラカプセル100mg

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