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日本における認知症専門チームに対する金銭的インセンティブの効果

 これまで、急性期治療環境下における認知症治療の質は批判的にみられていた。2016年に日本において、急性期病院の認知症専門家チームによる認知症ケアに対する金銭的インセンティブが導入された。筑波大学の森田 光治良氏らは、この金銭的インセンティブが、短期的な結果(院内死亡率および30日間の再入院)に対して有用であったかを調査した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2021年3月17日号の報告。 日本の全国入院患者データベースを用いて、2014年4月~2018年3月に肺炎、心不全、脳梗塞、尿路感染症、頭蓋内損傷、股関節骨折で入院した中等度~高度の認知症高齢者を特定した。金銭的インセンティブを採用した病院(185件中180件)と採用しなかった病院(744件中180件)の傾向スコアが一致するよう選択した。次に、患者レベルの差分分析を実施した。感度分析では、介入後のグループにおいて、実際に認知症ケアを受けた患者に限定した。 主な結果は以下のとおり。・金銭的インセンティブの採用と院内死亡率(調整オッズ比:0.97、95%CI:0.88~1.06、p=0.48)または30日間の再入院(調整オッズ比:1.04、95%CI:0.95~1.14、p=0.37)との間に関連は認められなかった。・金銭的インセンティブを採用している病院の患者のうち、実際に認知症ケアを受けていた患者は29%のみであった。・感度分析では、認知症ケアを受けることと院内死亡率低下との関連性が示唆された。 著者らは「個々の認知症ケアが院内死亡率の低下と関連していることが確認されたが、日本の認知症専門家チームによる認知症ケアを強化するための金銭的インセンティブは、効果的に機能していない可能性が示唆された」としている。

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中和抗体カクテル療法で症候性COVID-19発症リスクが81%減/ロシュ

 ロシュ社(スイス)は4月12日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染者との家庭内での濃厚接触者を対象に、中和抗体カクテル療法によるCOVID-19発症リスクおよび負担軽減を評価した第III相臨床試験(REGN-COV 2069試験)において、良好な結果を確認したと発表した。casirivimabとimdevimabの皮下投与により、試験開始時に感染していなかった人の症候性感染の発症リスクが81%減少したことが示されたという。 REGN-COV 2069試験は、SARS-CoV-2感染者との家庭内における濃厚接触者への症候性感染予防を目的に、casirivimabおよびimdevimabの有効性と安全性を評価する複数コホートからなる二重盲検ランダム化プラセボ対照試験で、ロシュ社が米国・国立アレルギー・感染症研究所と共同で実施したもの(日本は不参加)。過去4日以内にSARS-CoV-2陽性と判定された人と同居し、ベースラインでSARS-CoV-2に感染しておらず、casirivimab+imdevimab(1,200mg)またはプラセボを単回皮下投与した1,505例が対象。主要評価項目は、29日間の評価期間におけるSARS-CoV-2の症候性感染が生じた人の割合とした。その結果、casirivimab+imdevimab群において症候性感染の発症リスクがプラセボ群に比べ81%減少(p<0.0001)したことが示された。 本試験ではさらに、新規感染の無症候性患者204例について、casirivimab+imdevimab(1,200mgの単回皮下投与)またはプラセボに無作為に割り付け、抗体カクテル療法を評価した。その結果、casirivimabとimdevimabは、症候性COVID-19に進行するリスクを全体で31%減少させた。 また、casirivimabとimdevimabによる治療を受けたものの症候性COVID-19感染を発症した人では、平均1週間以内に症状が消失したのに対し、プラセボ群では症状が消失するまでに3週間を要した。新たな、あるいは重大な安全性シグナルは認められなかった。 casirivimabとimdevimabによる抗体カクテル療法の国内開発は、中外製薬が実施している。

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CLLに次世代BTK阻害薬アカラブルチニブを販売開始/アストラゼネカ

 アストラゼネカは2021年4月21日、「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能又は効果とした、アカラブルチニブ(商品名:カルケンス)の販売を開始した。アカラブルチニブは、経口投与可能な次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬である。・製品名:カルケンスカプセル 100mg・一般名:アカラブルチニブ・効能又は効果:再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)・用法又は用量:通常、成人にはアカラブルチニブとして1回 100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。・製造販売承認日 2021年1月22日・薬価100mg 1カプセル 15,202.20円・薬価基準収載日 2021年4月21日・発売日 2021年4月21日

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アビガン、発症早期COVID-19患者に対する第III相試験開始/富士フイルム富山化学

 富士フイルム富山化学は、アビガン(一般名:ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を対象とした新たな第III相試験を国内で開始したことを、4月21日に発表した。本試験は、重症化リスク因子を有する、発症早期のCOVID-19患者において有効性・安全性を検証する二重盲検プラセボ対照試験。 アビガンについては、非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象とした国内第III相試験において主要評価項目で統計学的有意差を確認したことから、製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。 今回の第III相試験は、昨年実施した臨床試験の中でとくに発症早期の患者で症状改善を早める効果が示唆されたことから、重症化リスク因子を有する、発症早期のCOVID-19患者(発熱などの症状発現から72時間以内かつ基礎疾患や肥満などの重症化リスク因子を有する50歳以上のCOVID-19患者)を対象に、重症化した患者の割合を主要評価項目として有効性を検証していくという。

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中等度~重度うつ病に対するpsilocybin vs.エスシタロプラム/NEJM

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRobin Carhart-Harris氏らは、6週間の第II相無作為化二重盲検比較試験の結果、中等度~重度大うつ病性障害に対しpsilocybinは選択的セロトニン再取り込み阻害薬のエスシタロプラムと比較して、6週時のQIDS-SR-16うつ症状スコアの変化に基づく抗うつ作用に有意差はないことを明らかにした。psilocybinおよびその代謝物のシロシンは催幻覚物質で、その作用は主に5-HT2A受容体アゴニスト作用による。これまでに、治療抵抗性うつ病患者を対象とした小規模な非盲検試験ではpsilocybinの抗うつ症状改善効果が報告されていた。しかし、確立された既存のうつ病治療薬とpsilocybinの直接比較は行われていなかった。著者は今回の結果に基づき、「psilocybinと既存の抗うつ薬を比較検証する、より大規模で長期的な試験が必要である」とまとめている。NEJM誌2021年4月15日号掲載の報告。psilocybin 25mgの3週間ごと2回投与の有効性をエスシタロプラムと比較 研究グループは、長期間持続する中等度~重度大うつ病性障害患者を、psilocybin群(psilocybin 25mgを3週間隔で2回投与+プラセボを1日1回6週間投与)、およびエスシタロプラム群(psilocybin 1mgを3週間隔で2回投与+エスシタロプラムを1日1回6週間投与)のいずれかに1対1の割合で割り付けた。なお、全例に心理学的サポートを行った。 主要評価項目は、16項目版自己記入式簡易抑うつ症状尺度(QIDS-SR-16:スコア範囲0~27、スコアが高いほどうつ症状が重症であることを示す)のベースラインから6週時までの変化であった。副次評価項目は、6週時のQIDS-SR-16による奏効率(>50%のスコア減少)、寛解率(スコアが5点以下)などの16項目とした。6週時のQIDS-SR-16の変化量は両群で有意差なし 59例が登録され、psilocybin群30例、エスシタロプラム群29例に割り付けられた。 ベースラインのQIDS-SR-16平均スコアは、psilocybin群14.5点、エスシタロプラム群16.4点であった。6週時におけるベースラインからの変化量(平均±SE)は、psilocybin群が-8.0±1.0点、エスシタロプラム群が-6.0±1.0点であり、群間差は2点であった(95%信頼区間[CI]:-5.0~0.9、p=0.17)。 QIDS-SR-16による奏効率は、psilocybin群70%、エスシタロプラム群48%、群間差22ポイント(95%CI:-3~48)、寛解率はそれぞれ57%、28%で群間差28ポイント(95%CI:2~54)であった。 その他の副次評価項目は、全般的にエスシタロプラムよりもpsilocybin群のほうが良好であったが、多重比較の補正は行われなかった。有害事象の発現率は、両群で類似していた。

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オキシトシンによる分娩誘発、陣痛活動期に継続すべきか中止すべきか?/BMJ

 胎児の状態と子宮収縮のモニタリングが保証される環境において、オキシトシンによる誘発の中止は、帝王切開率のわずかな上昇につながる可能性があるが、子宮過刺激および胎児心拍異常のリスクを有意に低下したことが示された。デンマーク・Randers Regional HospitalのSidsel Boie氏らが、同国の9病院とオランダの1病院で実施した国際共同無作為化二重盲検比較試験「Continued versus discontinued oxytocin stimulation in the active phase of labour:CONDISOX」の結果を報告した。これまで4件のメタ解析では、いったん陣痛活動期に入れば、オキシトシンの投与を中止しても分娩の経過は継続し、帝王切開のリスクが低くなることが示されていた。しかし、2018年のCochrane reviewで過去の研究の質が疑問視され、多くの試験が、バイアスリスクが高いまたは不明と判断されていた。BMJ誌2021年4月14日号掲載の報告。オキシトシンが帝王切開率低下と関連するかを検証 CONDISOX試験の対象は、正期産、頭位、単胎で選択的陣痛誘発または陣痛前破水によりオキシトシンを投与された女性で、陣痛活動期(子宮口開大6cm以上、10分間に3回以上の子宮収縮)に入った時点で、オキシトシン継続群または中止群(プラセボとして生理食塩水を投与)に1対1の割合で無作為に割り付けられた。施設、出産経験の有無およびオキシトシンの適応(選択的陣痛誘発、陣痛前破水)による層別化も行われた。 主要評価項目は、帝王切開による分娩であった。 2016年4月8日~2020年6月30日に、計1,200例が無作為化された(継続群593例、中止群607例)。帝王切開率は中止群と継続群で差はなし 帝王切開率は、中止群16.6%(101例)、継続群14.2%(84例)であった(相対リスク:1.17、95%信頼区間[CI]:0.90~1.53)。また、帝王切開歴のない経産婦94例における帝王切開率は、中止群7.5%(11/147回)、継続群0.6%(1/155回)であった(相対リスク:11.6、95%CI:1.15~88.7)。 オキシトシン中止は、分娩所要時間の延長(無作為化から分娩までの時間の中央値:中止群282分vs.継続群201分)、過剰刺激のリスク低下(3.7%[20/546例]vs.12.9%[70/541例]、p<0.001)、胎児心拍異常のリスク低下(27.9%[153/548例]vs.40.8%[219/537例]、p<0.001)と関連していたが、母体および新生児の他の有害アウトカムについては両群で類似していた。 なお、著者は研究の限界として、割り付けられた介入を受けなかった女性の割合がかなり高かったこと、助産師が分娩誘発を再開する場合にオキシトシンの使用を選択することが多かったことなどを挙げている。

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アナモレリン、がん悪液質に新たな治療選択肢/小野薬品

 小野薬品工業は、2021年4月21日、グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)について、「悪性腫瘍(非小細胞肺、胃、膵、大腸)におけるがん悪液質」の効能又は効果で国内において新発売した。アナモレリンの効果はがん悪液質患者の体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加 がん悪液質は、がんに伴う体重減少(特に筋肉量の減少)や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群であり、がん患者の生活の質(QOL)や予後に顕著な影響を及ぼすことが分かってきているが、これまでに国内でがん悪液質の治療薬として承認された薬剤はなかった。 グレリンは、主に胃から分泌される内在性ペプチドである。グレリンがその受容体に結合すると、体重、筋肉量、食欲および代謝を調節する複数の経路を刺激する。アナモレリンはグレリン様作用で、がん悪液質患者における体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加効果を示している。アナモレリンの製品概要エドルミズ錠50mgの概要・製品名:エドルミズ®錠 50mg・一般名:アナモレリン塩酸塩・効能又は効果:下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質        非小細胞肺、胃、膵、大腸・用法及び用量:通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100 mgを1日1回、空腹時に経口投与する。・製造販売承認日:2021年1月22日・薬価基準収載日:2021年4月21日・薬価:246.40円/錠・製造販売:小野薬品工業株式会社

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腎性貧血に対するHIF-PH阻害薬モリデュスタットを発売/バイエル薬品

 バイエル薬品は、HIF-PH(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素)阻害薬モリデュスタットナトリウム(商品名:マスーレッド)を腎性貧血治療薬として2021年4月22日に発売したと発表した。本剤は、保存期および透析期慢性腎臓病(CKD)の主要な合併症の1つである腎性貧血に対して、1日1回の経口投与によりヘモグロビン値を管理できる腎性貧血治療薬。 本剤は、高地などで低酸素状態に適応する際の身体の生理的な反応を穏やかに活性化し、エリスロポエチンの産生を誘導して赤血球の産生を促進することにより、腎性貧血を改善する。錠剤の識別性の向上のため、両面に製品名や用量を印字している。 本剤の承認は、透析実施前(保存期CKD)および透析(血液透析および腹膜透析)実施中の患者を対象とした国内第III相臨床試験プログラム「MIYABI」(5試験)などの試験成績に基づいている。MIYABIのうち実薬対照試験では、主要評価項目である評価期間中の平均ヘモグロビン値のベースラインからの変化量に関して、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)に対する本剤の非劣性が検証された。なお、有害事象の発現頻度はESAと同程度だった。 HIF-PH阻害薬としては、ロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ、アステラス製薬)、ダプロデュスタット(同:ダーブロック、グラクソ・スミスクライン)、バダデュスタット(同:バフセオ、田辺三菱製薬)、エナロデュスタット(同:エナロイ、日本たばこ産業/鳥居薬品)の4剤が発売されており、モリデュスタットは5剤目となる。マスーレッドの概要販売名:マスーレッド錠5mg/12.5mg/25mg/75mg一般名:モリデュスタットナトリウム効能・効果:腎性貧血用法・用量:<保存期慢性腎臓病患者>・赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合通常、成人にはモリデュスタットとして1回25mgを開始用量とし、1日1回食後に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回200mgとする。・赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合通常、成人にはモリデュスタットとして1回25mg又は50mgを開始用量とし、1日1回食後に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回 200mgとする。<透析患者>通常、成人にはモリデュスタットとして1回75mgを開始用量とし、1日1回食後に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回200mgとする。製造販売承認取得日:2021年1月22日発売日:2021年4月22日薬価:マスーレッド錠5mg 44.30円/12.5mg 93.70円/25mg 165.10円/75mg 405.30円製造販売元:バイエル薬品株式会社

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高用量セマグルチドが肥満糖尿病患者の体重減量やQOLに有効である(解説:安孫子亜津子氏)-1378

 わが国では2010年からGLP-1受容体作動薬を糖尿病治療薬として使用しており、血糖降下作用以外の、食欲抑制効果、胃内容物排出遅延効果により、体重の減少効果も期待できる薬剤である。2020年からわが国でも使用できるようになった週1回注射製剤のセマグルチド(Sema)(商品名:オゼンピック)は、26位アミノ酸のリジンに脂肪酸を結合させることでアルブミンへの結合が増強されて分解が遅延するため、血中半減期が約1週間のGLP-1アナログである。 これまでにSemaの2型糖尿病患者への臨床試験は「SUSTAINプログラム」として、多くの試験が実施され、Sema 0.5mgおよび1.0mgの血糖降下作用、および体重減少作用が報告されてきた。わが国でのSema 1.0mg単独療法での30週における体重減少効果は-3.87kgであった1)。さらにSUSTAIN-6では心血管イベントの有意な抑制効果が認められている2)。 今回Lancet誌で紹介された「STEP 2試験」は、BMI 27kg/m2以上の肥満または過体重である2型糖尿病患者に対して、高用量2.4mgのSemaの効果を、糖尿病治療薬として使用されている1.0mg Semaおよびプラセボと比較した第III相臨床試験である。12ヵ国、149施設の患者、計1,210名が参加しており、アジア人種も26.2%含まれている。参加者の治療介入前平均体重は99.8kg、平均BMIは35.7kg/m2であり、わが国の2型糖尿病患者の平均BMIに比較するとかなり高値である。 68週の治療で、本試験の主要評価項目である体重の減少率は、Sema 2.4mgでは-9.6%であり、プラセボの-3.4%に比較して6.2%減少に差が認められた。Sema 1.0mgでは-7.0%であり、Semaの投与用量を多くすることでさらなる体重減少効果が認められたこととなる。実際の体重減少で見るとSema 2.4mgでは-9.7kg、Sema 1.0mg で-6.9kg、プラセボ-3.5kgであり、これまでのSema治療用量に比較してその体重減少効果が大きいことが示されている。 そのほか、HbA1c、収縮期血圧、脂質パラメーターなど、すべてプラセボに比較して改善効果が認められているが、とくに興味深かった結果は、HbA1cはSema 2.4mgと1.0mgでともに-1.6%、-1.5%と同等の低下作用であり、糖尿病薬としてのGLP-1の効果は1.0mgでほぼ十分であることがわかる。ちなみに低血糖の発現はSema 2.4mgで5.7%、Sema 1.0mgで5.5%と同等であり、高用量のSemaで低血糖が誘発されるわけではないことも理解できる。 副作用に関しては、既存のGLP-1受容体作動薬同様に吐き気や嘔吐、下痢、便秘といった消化器症状が最も多く、Sema 2.4mgとSema 1.0mgでほぼ同程度であった。そのほか、高用量Semaによる特異的な副作用は認められていない。 肥満によって患者のQOLが低下することが多いが、本試験ではSF-36v2とIWQOL-Lite-CTといった2つの方法で治療によるQOL変化の評価を行っている。その結果、Sema 2.4mgではプラセボに比較して身体的活動が改善していることが示されている。週に1回の注射で、これだけの体重減少効果と各種代謝パラメーターの改善が認められることは、これまでの抗肥満薬や肥満手術に比較してもQOLを向上させる効果が期待できると考えられる。 今回のSTEP 2試験の結果から、高用量のSemaにより、長期的にどれくらいの心血管イベント抑制効果が認められるかどうかに今後注目したい。今後、肥満糖尿病患者の治療の主軸としてGLP-1受容体作動薬が位置付けられことが予想される。現在、数々のSTEP試験によって糖尿病のない肥満者においてもその有効性が示されており、さらに幅広い患者での使用機会が期待される。

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梅に鶯、松に鶴【Dr. 中島の 新・徒然草】(371)

三百七十一の段 梅に鶯、松に鶴大阪ではコロナ第4波!ウチの病院もコロナ対応にマンパワーを割かれて大変です。他部門は、これまで3人でやっていた仕事を2人でやらなくてはなりません。余裕がなくなる分、自分でもイライラしてくるのを感じます。こんな時こそ、毒にも薬にもならないコネタで乗り切りましょう。まずは、実習に来ていた医学生の話から。中島「自分、出身はどこなん?」学生「大阪の八尾市です」中島「おお、八尾か」学生「中島先生は八尾って知ってますか?」中島「知ってるも何も。八尾いうたら朝吉やないか」学生「は?」中島「あの勝 新太郎が映画『悪名』で演じた八尾の朝吉なんやけど」学生「カツ……シンタロー?」中島「まさか勝 新太郎を知らんのか。『首相の代わりはおっても勝新の代わりはおらん!』と言ったあのカツシンやがな」学生「カツシン……ですか」中島「もうエエから、家でお父ちゃんに聞いとけ!」学生「わかりました」映画「悪名」とか、俳優の勝 新太郎とか、今の若者には全く通じません。中島「ところで清次役の田宮 二郎のほうは知ってるよな」学生「ええっと」中島「ワシらにとって特別な存在やんか」学生「特別?」中島「財前 五郎を演じとったやろ、『白い巨塔』の!」学生「そうだったんですか」中島「情けない」(泣)阪大医学部の生んだ偉人中の偉人、財前 五郎!色んな俳優が演じましたが、私は田宮 二郎版が好きです。もう財前 五郎がのりうつったとしか言いようのない鬼神の演技。財前は胃がんで死ぬのですが、田宮も最終回放映を待たずして亡くなりました。役にとりつかれてしまったのでしょうか。その田宮 二郎が映画「悪名」シリーズで演じたのが朝吉の弟分、清次。財前 五郎とは全く違うキャラ、お調子者のチンピラを演じています。「梅に鶯、松に鶴。朝吉に清次の清次とはワイのことや!」たしかそんなセリフだったと思います、清次の啖呵は。清次役も田宮 二郎らしさ全開で笑えます。さて、先日の脳外科外来でのこと。御夫婦で来院された患者さんがたまたま八尾の会社の社長さん。80代にして現役。処置をしながらの世間話です。中島「研修医には爽やか対応を口やかましく言っとるんですわ」社長「ウチの従業員なんか皆、八尾弁やからな。全然爽やかなことあらへん」中島「やっぱり八尾といえば八尾の朝吉ですね」奥さん「朝吉さんはこの人のお兄さんが親しかったんですよ」中島「ええっ! 朝吉って人がホンマにおったんですか」奥さん「そうですよ、消防団やってました」中島「映画では朝吉親分と呼ばれてましたけど」社長「極道やあらへん。親はブラシ屋や」奥さん「八尾は歯ブラシ屋が多いんです」中島「そうなんですか!」奥さん「朝吉さんはお酒が好きやってねえ」それにしても驚きました、八尾の朝吉が実在していたとは。外来をしていると、いろいろと見聞を広めることができます。束の間の昭和に浸ったところで最後に1句病院は なにわの町の 縮図かな

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必ずアクセプトされる医学英語論文 改訂版

いかなる発見も、論文に書かれなければ何も残らないそして自分の研究成果を世界中の1人でも多くの人に知らしめたければ論文は英語で書くに限る。エレガントな表現など必要ない。冗長・曖昧さを排した簡潔で的確な英語表現技術、論文各パーツにおける論理性・一貫性を重視した論述・構成のノウハウ等々、初版を大幅に改訂し、それらの具体的な手法をさらに厚く説明した。本書が掲げる50の鉄則がアクセプトへの最短の道を照らす。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    必ずアクセプトされる医学英語論文 改訂版定価3,520円(税込)判型A5判頁数200頁 発行2021年3月著者康永 秀生電子版でご購入の場合はこちら

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第54回 最悪のタイミングで導入された「レセプト記載要領コード化」、どこが問題?

2020年度の診療報酬改定により、電子レセプト請求に「レセプト記載要領の電算コード」が1,700項目追加された。同年10月診療分から本格適用されたが、コロナ禍で医療人材が不足し、業務の効率化が求められる中、医療機関からはかえって事務作業量が増え、現場が混乱しているという声が上がっている。9割以上の医療機関で業務量が「増えた」大阪府では新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を記録する中、大阪府保険医協会はこのほど、「電子レセ請求におけるレセ記載要領コード化」に関するアンケートを、府内約500病院を対象に実施し、100病院から回答を得た(3月15日現在)。それによると、9割以上の病院で業務量が「増えた」ことが明らかになった。アンケートでは、レセプト記載コード化の実施による請求事務部門の業務時間の増減について尋ねたところ、100病院中54病院が「増えた」、37病院が「多少増えた」と回答。「減った」と回答した病院は0件だった。とくに在宅医療では「重複した年月日を別コードで何度も入力しなければならない」「月の請求書であるレセプトになぜ元号から入力しないといけないのか」、検査でも「病名で部位がわかるのに、なぜ超音波の部位をコード入力するのか」など批判の声が上がっているという。また、診療報酬請求だけではなく、電子カルテと連携している場合にはカルテ記載の際にもコード入力を求められ、「診療が止まってしまう」との意見も寄せられている。合理化・簡素化を目的として実施されたレセプト記載コード化が、医療機関の負担軽減とは真逆の内容であることが浮き彫りになった。新たに入力しなければならない項目などが増加電子カルテの導入状況などについて尋ねた項目の回答を見ると、導入状況は半数程度であり、病院ということで一括りにはできず、請求事務と医療現場を繋ぐシステムの状況は病院ごとにかなり異なることが伺えた。とくに苦労している点などについて記述してもらったところ、回答した病院の8割以上(81件)から具体例が挙げられた。主に問題点は以下の3点だった。(1)救急医療管理加算における記載事項、リハビリテーションにおける起算日の内訳の入力に代表されるように、請求事務部門で完結できない確認作業が伴うため、時間がかかった。また、恒常的に対応するため、現場のメディカルスタッフに当該数値や情報の入力・報告を求めるなど、医療現場との業務調整まで行う必要があったことなどが指摘されている。(2)レセプト記載コード化だけでなく、新たに入力しなければならない事項が増えているのも問題であるとする指摘も多数見られた。(3)レセプトコンピュータや電子カルテの対応状況やメディカルスタッフの保険請求への理解など病院の実情により、負担感の違いが伺えるが、院内の体制が手薄な中小規模の病院ほど、レセプトをまとめる医事課などの請求事務部門の負担が大きいと推察される。実態は医療側ではなく「審査側の効率化」このように、医療情報のデータ化に伴う作業は多大な負担を伴っている。この負担の大きさに見合う意義があるのか、その成果が医療機関側にどのようにもたらせられるか、大阪府保険医協会は疑問を呈している。その成果が「審査側の効率化」というのでは、コロナ禍の中でこの作業に従事している医事課職員をはじめ医療機関職員が報われない。言うまでもなく、請求事務の目的は、医療機関で行われた医療行為(療養の給付)を診療報酬点数表に則って保険請求を行い、対価を得ること。その対価が医療従事者の給与や医療機器の整備等に充てられ、国民医療の継続的な提供や医療の質を担保している。審査側にとっての「効率化」を行うのであれば、厚労省や審査・支払機関、保険者が汗をかいて行うべきでは、との意見も寄せられている。大阪府保険医協会には診療所からも意見が寄せられ、3月下旬現在、レセプト記載コード化の凍結を求める院長署名が約1,700件集まっているという。同協会は3月25日、中央社会保険医療協議会(中医協)委員に要望書を送付した。厚労省の説明は現場の実態と乖離レセプト記載コード化について、厚労省は「事務作業量の軽減に資する」と説明しているが、現場の実態とはあまりに乖離している。また、混乱の要因を「新型コロナ感染拡大による周知不足」とも説明しているが、その内容自体に大きな問題があり、周知徹底を行ったところで医療機関の納得を得られるものではないと思われる。医療機関は、新型コロナ感染対策により大きな緊張を強いられた状況で診療を行っている。レセプト記載コード化は、導入のタイミングの悪さも一因ではあるが、医療機関にとっては余計な負担増にほかならない。医療のIT化は大きな流れとはいえ、2022年度の診療報酬改定を議論する中医協には、医療現場にこれ以上の負担をかけない議論が望まれる。

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難治性乳がん・膵がんに有効なsiRNAの開発に成功/東大医科研

 東京大学医科学研究所は、2021年4月20日、記者会見にて同研究グループが、乳がん、膵がんで発現が亢進している転写因子PRDM14遺伝子を標的とするsiRNA核酸抗がん医薬を開発したと発表。 この核酸医薬候補は新規の薬効成分であるPRDM14遺伝子配列に特異性の高いキメラ型 siRNA(一部をDNAに置換)と核酸の病変部位への送達を可能にしたYshaped block co-polymer(YBC)から構成され、非臨床試験において腫瘍径の増大の抑制を認め、遠隔転移 モデルにおいて、転移巣の減少、生存期間の延長が認められた。 PRDM14分子はがん組織にのみ発現し、乳がんの6割、膵がんでは4割に発現し、がん幹細胞性形質(抗がん剤耐性、転移・浸潤、血管新生等)を腫瘍細胞に付与することが見出されていた。 一方、PRDM14 siRNAは、安全性・血中安定性が高く十分なRNA干渉効果が得られる「キメラ型siRNA」とし、off target効果を排除した治療用配列を選定した。さらに、新たに開発された核酸ナノキャリアであるYBCを用いることで、がん組織への高い集積性を示すことに成功した。 難治性トリプルネガティブ乳がん、膵がんのPRDM14陽性動物モデルで、同siRNA核酸医薬候補の治療効果を評価した結果、腫瘍径の増大を抑制。その効果は抗がん剤との併用(乳がんはドセタキセル、膵がんはゲムシタビン)で相乗的な治療効果を呈した 。さらに、遠隔転移モデルでは、転移巣の減少、生存期間の延長が認められた。また、安全性試験 (非臨床試験)において、重篤な有害事象は認められなかった。 この成果を受け、がん研究会有明病院において、治癒的切除不能または遠隔転移を有する再発乳がんに対して、第I相の医師主導治験が現在進行中である。 試験の内容はInternational Journal of Cancer誌2021年4月13日オンライン版に発表された。

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緊急気管挿管後の有害イベント、45.2%で発生/JAMA

 重症患者への気管挿管後の主要有害イベント発生率は、45.2%と頻繁にみられることが、29ヵ国、197ヵ所の医療機関、約3,000例を対象に行った観察試験で示された。とくに多くみられたのは心血管系の不安定化で、緊急挿管を受けた患者の42.6%で発生がみられたという。イタリア・ミラノ・ビコッカ大学のVincenzo Russotto氏らによる、International Observational Study to Understand the Impact and Best Practices of Airway Management in Critically Ill Patients(INTUBE)試験の結果で、JAMA誌2021年3月23日号で発表された。重症患者への気管挿管は最も頻繁に行われる行為であると同時にリスクの高い手技でもあるが、これまで挿管時の有害イベントに関する情報は限定的であった。挿管開始30分以内の有害イベントを評価 研究グループは、2018年10月1日~2019年7月31日に、5大陸にわたる世界29ヵ国、197ヵ所の集中治療室(ICU)や救急外来および病棟で、気管挿管を行う重症患者を連続的に被験者として前向きコホート試験を行い、2019年8月28日まで追跡した。 主要アウトカムは、挿管に伴う主要有害イベントで、挿管開始30分以内に発生した心血管不安定化(収縮期血圧65mmHg未満が1回以上、同90mmHg未満が30分超、昇圧薬の投与または増量、または15mL/kg超の輸液ボーラス投与)、重度低酸素血症(末梢酸素飽和度80%未満)、心停止のいずれか1つ以上の発生と定義した。 副次的アウトカムは、ICU死亡率などだった。心血管系の不安定化が約43%、重度低酸素血症は約9%、心停止約3% 3,659例をスクリーニングし、うち2,964例について試験を行った。被験者の年齢中央値は63歳(IQR:49~74)で、男性は62.6%だった。気管挿管実施の主な理由は、呼吸不全(52.3%)、神経障害(30.5%)、心血管系の不安定化(9.4%)だった。 全患者について、主要アウトカムのデータを入手できた。被験者のうち、45.2%で1つ以上の主要有害イベントが発生した。そのうち高頻度で発生したのは、心血管系の不安定化で、緊急挿管を受けた患者の42.6%で観察された。次いで、重度低酸素血症(9.3%)、心停止(3.1%)が観察された。 ICU全死亡率は32.8%だった。

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新型コロナ既往者の再感染リスクは84%減少/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染既往者は、非既往者に比べ感染リスクは約84%減少し、その効果持続期間の中央値は7ヵ月であることが、英国・Public Health England ColindaleのVictoria Jane Hall氏らによる、英国内の病院に勤務する医療従事者やスタッフなど約2万6,000例を対象とした大規模前向きコホート試験の結果で示された。なお期間については、セロコンバージョンを含んでおらず最短である可能性があるという。COVID-19からの回復者に再感染の保護効果があるのかについて理解を深めることは喫緊の課題とされている。著者らは、SARS-CoV-2への獲得抗体が症候性および無症候性の再感染リスク減少と関連するのかどうかを検討した。結果を踏まえて著者は、「SARS-CoV-2への感染既往は、大半の人にとって将来的な感染に有益な免疫をもたらすことを示すものであった」と述べている。Lancet誌2021年4月17日号掲載の報告。PCR検査陽性群の再感染と、陰性群の初回感染の発生率を比較 研究グループは2020年6月18日~12月31日にかけて、英国内すべての公的病院を通じて、医療従事者、支援スタッフ、事務職員を対象にコホート試験を開始した。被験者は、SARS-CoV-2のPCR検査と抗体検査を2~4週ごとに、症状や感染曝露に関する質問票への回答を2週間ごとに行った。試験参加時点で、被験者を抗体陽性群(抗体陽性またはPCR/抗体検査の陽性歴あり)と抗体陰性群(抗体陰性またはPCR/抗体検査の陽性歴なし)に分類した。なお、登録後のPCR検査を受けなかった場合や、2020年12月31日以降の登録、PCRおよび抗体データが不十分の場合は除外した。 主要アウトカムは、陽性群の再感染、または陰性群の初回感染で、PCR検査で確認した。再感染については臨床的レビューも行い、ケースの定義(確定、ほぼ確定、可能性)およびエビデンスの階層に準じて症状で分類した。陰性群の初回感染については、初回PCR検査陽性と定義し、セロコンバージョンは、PCR検査陽性に関連しない場合は除外した。 ポアソン分布を用いた比例ハザード異質性モデルにより、罹患率比(IRR)を求め、2群で比較した。10万人日当たり罹患密度、陽性群7.6、陰性群57.3 登録された被験者数は3万625例で、そのうち51例が試験を中断、4,913例が除外され、抗体検査およびPCR検査データの突き合わせができた2万5,661例を対象に解析が行われた。全ソースからのデータ抽出は2021年2月5日に行われ、同年1月11日時点のデータが解析に含まれた。 陽性群は8,278例で、延べ204万7,113人日の追跡期間中、再感染は155件検出された。陰性群は1万7,383例で、延べ297万1,436人日の追跡期間中、初回感染は1,704件検出された。 2020年6月~2021年1月の罹患密度(incidence density)は、陽性群の再感染が7.6/10万人日に対し、陰性群の初回感染は57.3/10万人日だった。初回感染と比較した全再感染の補正後IRRは、0.159(95%信頼区間:0.13~0.19)だった。また、陽性群の初回感染から再感染までの期間中央値は、200日超だった。

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統合失調症患者におけるアセナピンとブレクスピプラゾールの治療継続率

 東京・車庫前こころのクリニックの井上 雄一氏らは、アセナピンとブレクスピプラゾールの治療継続率の比較およびブレクスピプラゾールの臨床効果に影響を及ぼす因子を特定するため、検討を行った。Brain and Behavior誌オンライン版2021年3月13日号の報告。 実臨床下で、アセナピン(73例)またはブレクスピプラゾール(136例)を処方した統合失調症患者を対象に、レトロスペクティブ研究を行った。 主な結果は以下のとおり。・52週における治療継続率は、アセナピン19.0%、ブレクスピプラゾール38.6%であり、ブレクスピプラゾールの治療継続率は、アセナピンよりも有意に高かった(p=0.002)。・年齢は、ブレクスピプラゾールの治療継続率に影響を及ぼす重要な因子であることが示唆された(p=0.03)。・治療継続期間が長い患者は、短い患者と比較し、臨床全般印象度の重症度(CGI-S)スコアが有意に低かった(p=0.04)。・初めに外来で薬物治療を開始した患者は、入院で薬物治療を開始した患者と比較し、治療継続率が有意に高かった(p=0.04)。・ブレクスピプラゾールの臨床効果に有意な影響を及ぼした因子は、罹病期間、CGI-Sスコア、治療継続期間であった(各々、p<0.05)。 著者らは「ブレクスピプラゾールの治療継続率は、患者がより高齢、疾患重症度が低い、外来での治療開始の場合に、高まることが示唆された。また、罹病期間の短さや治療継続期間の長さは、臨床効果に影響を及ぼす可能性がある。これらの結果は、統合失調症の維持療法に、ブレクスピプラゾールが効果的な治療選択肢であることを示唆している」としている。

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臨床研究成功の第一歩はウルトラマン発見から【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第35回

第35回 臨床研究成功の第一歩はウルトラマン発見から日々の診療活動の中で多くの患者さんに出会います。患者さんだけでなく、人はそれぞれ少しずつ異なります。身長や体重にも違いはあり、性別や国籍も異なります。しかし、どの医師も、身長40メートルで体重3万5千トンの患者を担当したことはないでしょう。この身長と体重のデータから、これが初代ウルトラマンのスペックであることを見抜いた方は相当のマニアです。さらに続ければ、年齢は2万歳、出身はM78星雲・光の国、必殺技はスペシウム光線です。地球での姿はハヤタシン(早田進)。ウルトラマンは小生にとって永遠のヒーローです。このサイズの患者さんが急性心筋梗塞になったとしたら、心臓カテーテル検査をするにも心カテの検査台も壊れます。何よりも病院に到着することも、ままならないことでしょう。本当にこのサイズの患者はいないでしょうが、研究データの中では実在することがあります。虚血性心疾患の診療実態を調査するための、レジストリ研究の初期データを眺めていた時に、ウルトラマンを凌ぐ強者を発見したことがあります。身長1,628メートルの患者が存在したのです。身長が富士山の半分近くあります。本当の身長は162センチ8ミリなのですが、そのデータ入力の単位がメートルである枠にミリメートルのデータを入力してしまっているのです。この身長の値のままで、コンピュータまかせに多変量解析など行うとトンチンカンな結果が導かれます。臨床研究では、エクセルなどの表計算ソフトの表にデータを入力しデータセットを作成するのが常です。その中に変なデータが含まれてないか十分にチェックする必要があります。データの傾向をグラフ化などで視覚的にとらえ、平均値や最小値・最大値、標準偏差などの数値を大局的に把握することが大切です。その時点で違和感のあるデータにはさまざまなものが考えられます。その代表的なものが「外れ値」です。これは、他のデータに対して著しく大きい(または小さい)データのことです。入力ミスに由来することが多く、解析から除外すべきデータは排除しなければいけません。この作業を、データスクリーニングといいます。具体的な解析にかける前に、この地味で基本的な作業をしっかりすることが重要です。臨床研究で最終結果を報告するためには、その前提としてさまざまな臨床データを取り集める必要があります。研究計画書に定められたデータを記載する用紙を症例報告書(CRF)と呼びます。昔は多くの研究で、紙の調査票の CRFでデータを収集し、それをエクセル等の表計算ソフトに入力してデータベースが作成されてきました。しかし、近年では、Webベースで電子的に収集するEDC(Electronic Data Capture)システムの普及が進んでいます。その場合は、入力可能な範囲(レンジ)として上限値や下限値などを設定しておけば、千メートルを超える身長などのナンセンスな外れ値は事前に排除することが可能となります。この作業をレンジチェックと言いますが、意味のある外れ値を除外しないようにすることも大切です。外れ値が、臨床的に意味のある貴重なデータである場合があるからです。自分の過去の経験で、HDLコレステロール値が0 mg/dLであった例があります。タンジール病でした。コレステロール排出のトランスポーターであるABCA1が遺伝的に欠損した疾患で、HDLが産生できず動脈硬化性疾患が起こる疾患です。HDLコレステロール値がゼロというのは入力ミスではなく、稀な疾患を同定する入り口であったのです。このように臨床研究などで扱うデータには、期待される一定の範囲が存在します。それから大きく外れる値は、入力ミスなどの排除すべきデータである場合も多いのですが、時には貴重な珠玉のデータである場合もあるのです。データスクリーニングは、外れ値を排除するばかりではダメで、その匙加減に臨床研究の妙味があります。そうです。期待に応えるデータも大切ですが、期待通りではないデータにも価値があるのです。これは猫を飼う場合の極意に通じます。猫好きには絶対にわかります。猫は常に期待を裏切り、人間の期待に応えることはありません。しかし、期待に応えないからこそ、愛おしい生き物なのです。どんなに喜んでくれるかと期待して通販で購入した高価なキャットタワーよりも、ボロボロの段ボール箱を隠れ家として愛する猫、すばらしいです。期待を裏切る行動が珠玉の結果に繋がるのです。データスクリーニングの極意を伝授してくれる猫様に、あらためて宣言します。弟子にしてください!

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「リキスミア」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第48回

第48回 「リキスミア」の名称の由来は?販売名リキスミア®皮下注300μg一般名(和名[命名法])リキシセナチド(JAN)効能又は効果2型糖尿病用法及び用量通常、成人には、リキシセナチドとして、20μgを1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回10μgから開始し、1週間以上投与した後1日1回15μgに増量し、1週間以上投与した後1日1回20μgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日20μgを超えないこと。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。] 3.重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]※本内容は2021年4月21日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2016年12月改訂(第7版)医薬品インタビューフォーム「リキスミア®皮下注300μg」2)サノフィe-MR:製品情報

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第54回 なぜ奈良県で?「県内全75病院に病床確保要請」をうがった見方をしてみれば…

感染症法に基づき病床確保や患者の受け入れを要請こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。先週末、以前から決まっていた仕事があり、久しぶりに大阪に日帰りで行ってきました。「まん延防止等重点措置」が適用されたにもかかわらず、新型コロナの患者数増加に歯止めがかからず緊急事態宣言が発令される予定の大阪ですが、梅田や難波などの繁華街はさすがに人出が激減していました。個人的には東京の繁華街よりも”自粛”の度合いが強い印象でした。緊急事態宣言で感染者数が収まっていけばよいのですが……。さて、4月20日から埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と愛知県の4県に「まん延防止等重点措置」が新たに適用されました。全国で新型コロナウイルスの感染が再び急拡大する中、4月15日に奈良県は、2月に改正された感染症法(第16条の2)に基づき、民間病院を含む県内全ての75病院に病床確保や患者の受け入れを要請しました。改正感染症法に基づく要請は全国初です。これにより、正当な理由なく応じない病院には勧告が行われ、病院名を公表できることになります。このようなコロナ未対応病院への“圧力”ともとれる要請に、奈良県はなぜ先陣を切って踏み切ったのでしょうか。病床確保の目標数や時期など明確な数字は示さず日本経済新聞などの報道によれば、奈良県は感染者を原則、病院か宿泊療養施設で受け入れることとしており、自宅療養を認めていません。専用病床の使用率は15日時点で72%に達している、とのことです。すでに患者を受け入れている16の医療機関(計376床)は大半が公立・公的病院で、民間病院はわずか2病院(計10床)とのことです。県はこれまでも民間病院にコロナ病床の確保を求めてきたものの、新型コロナ以外の患者の受診抑制などを危惧し、対応は進んでいませんでした。今回の病床確保や患者の受け入れ要請はそうした経緯から行われました。要請対象は病院(病床20床以上)で、15日午前、県内全75病院に対し、新型コロナ感染者用の病床確保などについて改正感染症法に基づく協力要請の内容を伝えた、とのことです。病床確保の目標数や時期などについては明確な数字は示さず、病院の回答までに1週間の時間を置くなど、ややマイルドな要請となっています。県医療政策局の鶴田 真也局長は記者会見で「マンパワーや設備の不足で受け入れが難しいという理由があることもわかっている。病院と丁寧な協議を行いながら進めていきたい」と語ったとのことです。奈良県は医療政策では厚労省の“出先”コロナ未対応の病院、特に中小民間病院に、感染症法を持ち出して県が病床確保や患者の受け入れを要請するという今回の対応、うがった見方をすれば、厚生労働省が裏で手を引いて打ち上げた“アドバルーン”の可能性がある、と私は考えます。今年2月に改正された感染症法では、わざわざ国や地方自治体の権限を強化しました。同法第16条の2は「厚生労働大臣又は都道府県知事等は、緊急の必要があると認めるときは、医療関係者・民間等の検査機関等に必要な協力を求め、その上で、当該協力の求めに正当な理由がなく応じなかったときは勧告することができる(正当な理由がなく勧告に従わない場合は公表することができる)こととすること」となっています。しかし、コロナ病床の不足が続いても、どこの都道府県もこの改正感染症法を活用しようとはしません。そこで、この法律の効果や医療機関や医療団体の反応を見るために、医療政策では厚労省の“出先”とも言える奈良県で試してみることにした、というわけです。奈良県の医療政策を取り仕切る医療政策局の局長は、代々厚労省からの出向者(医系技官)が務めています。現在の鶴田局長は、2019年7月に厚労省医政局総務課保健医療技術調整官から現職に就いています。また、前任の林 修一郎氏(現、厚労省健康局予防接種室長)も厚生労働省保険局医療課課長補佐から同職に就いていました。実際のところ、奈良県はこれまでも度々、医療政策において先進的な案を世の中に提示してきました。地域医療構想実現に向けた取り組みの中では、「断らない」重症急性期と「面倒見のよい」軽症急性期といった2つのわかりやすいコンセプトを提示、「奈良方式」として注目を集めました。また昨年8月には、新型コロナウイルス感染拡大による受診抑制で経営が悪化した医療機関を支援するという名目で、医療機関に支払われる診療報酬を都道府県別に引き上げる「地域別報酬」についての意見書案を発表、奈良県知事名で厚生労働大臣に提出しています。診療報酬は全国一律で「1点10円」ですが、2008年に都道府県が違う点数を設定できる特例が設けられています。その特例が適用されたことはないのですが、コロナによる経営悪化を理由に、奈良県が時限的に「1点11点」を求めたわけです。11点は実現しませんでした。なお、このとき全国一律を堅持したい日本医師会は反対を表明しています。他の都道府県にも波及していくかこうした先鋭的な施策案は、中央で大々的にアピールすると各方面とさまざまな軋轢が起きてしまいます。しかし、中央官庁から出向している若手官僚が奈良県などの地方で実験的に打ち出せば、それは世間や医療界の反応を見るアドバルーンとして機能します。今回の県内全ての病院に病床確保や患者の受け入れを要請するという奈良県のアクションも、全国の知事たちに感染症法を活用してもらうための判断材料を提供するべく仕組まれた、と考えれば何となく腑に落ちます。ただ、現実問題として、奈良県でこれまでコロナに対応してこなかった病院がどこまで要請に応えられるかは未知数です。人員や建物の構造、感染症に対するスタッフのスキルなど、一朝一夕にはいかない事情もあるからです。4月16日付の朝日新聞は「県の協力要請は理解できる。県民のために協力したいと当然考えている。だが、民間病院が実際に受け入れられるかは別問題だ」という奈良県の病院協会会長の声を報じています。果たして、感染症法を持ち出すことでコロナ病床はどれくらい増えるのでしょうか。奈良県の“成果”次第では、他の都道府県が追従する可能性もあります。今後の動きが気になるところです。

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喘息吸入薬が効かない原因を突き止めデバイスを変更【うまくいく!処方提案プラクティス】第35回

 今回は、喘息患者さんの吸入デバイスの変更についてです。吸入指導では吸入デバイスの使い方に注力しがちですが、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)とドライパウダー吸入器(DPI)の特徴をしっかりと把握し、患者さんの状態変化に応じてデバイス自体を見直すことも重要です。患者情報90歳、女性(施設入居)基礎疾患気管支喘息、うつ病、高血圧症、逆流性食道炎、過活動膀胱介護度要介護2服薬管理施設スタッフが管理処方内容1.アミトリプチリン塩酸塩錠10mg 1錠 分1 就寝前2.モンテルカスト錠10mg 1錠 分1 就寝前3.ビラスチン錠20mg 1錠 分1 就寝前4.ボノプラザン錠10mg 1錠 分1 就寝前5.ミラベグロン錠50mg 1錠 分1 就寝前6.ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入薬 1回1吸入 1日2回 朝夕本症例のポイントある日、介護施設職員から、患者さんが吸入薬を頻回に使用しているが一向に症状が良くならないと相談がありました。状況を確認したところ、ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入薬(タービュヘイラー)を定期的に朝夕吸入しても、しばらくすると喘息発作が出現し、頓用吸入してもあまり効果がないことから、最高量の1日8吸入を吸入する日が続いていました。そこで、施設を訪問して吸入の様子を確認してみましたが、吸入手技や操作自体に大きな問題はありませんでした。しかし、吸入時の吸気をデモ機で確認したところ、強く深く吸入するところで苦しそうにしていて、吸気速度が十分ではありませんでした。これでは追加吸入しても十分な治療効果は得られず、いたずらに吸入回数が消費されてしまうだけです。そこで、患者さんの問題点と対応策について下記のようにまとめました。【問題点】この数日、ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入薬を追加吸入しているが喘息発作は改善しない。吸入前の薬剤残量カウンターの確認や回転グリップを半時計回りで止まるまで回すなどの基本操作は問題なし。吸入時に口角の隙間はなく、上部・下部の吸気口を手や口でふさいでしまうこともない。吸入前の深呼吸が浅く、吸気速度が十分ではない。吸入後の息止めのタイミングが難しい。【対応策】吸気速度が十分でないことから、気流制限に対応したpMDI製剤への変更を検討。薬剤ボンベのアルミ缶底部を強く押すことができない可能性があるため、スペーサーを装着する。デバイス切り替え後はゆっくり深い吸入を意識するように服薬指導する必要がある。処方提案と経過上記のことから、pMDI製剤であるフルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入薬(エアゾール)への変更を提案することにしましたが、情報量も多く、文書での提案が困難であると判断し、医師の訪問診療に同行して直接相談することにしました。同行時に、現状のDPI製剤と変更提案するpMDI製剤の吸入練習器を持参して、患者さんにそれぞれを操作・吸入してもらいました。実際にDPI製剤では吸気速度が十分に保たれておらず、pMDI製剤であれば問題ないことが確認でき、患者さんからもpMDI製剤であれば吸入時に力まなくて済むのが良いと好評でした。そこで、効率的な吸入を行うためにスペーサーを装着して、フルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入薬へ変更することを提案し、承認をいただきました。pMDI製剤導入当日に介護職員にも立ち会っていただき、練習器を用いながら吸入基本操作や吸入時の注意点のデモを行い、理解を深めました。スペーサーを装着したことで吸気同調の課題も解決し、変更の翌日から夜間の発作も改善しました。現在は、スペーサーがなくても吸気同調が可能となり、過剰使用や突発発作もなく経過しています。大林浩幸. メカニズムから見る 吸入デバイスのピットホール. 日経BP;2016.

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