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小児で新型コロナが重症化する3つの因子~日本含む観察研究

 日本、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、パキスタンのアジア7ヵ国における小児の新型コロナウイルス感染例の観察研究から、小児における重症化の危険因子として、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が特定された。シンガポール・KK Women's and Children's HospitalのJudith Ju Ming Wong氏らが報告した。The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene誌オンライン版2021年6月15日号に掲載。 7ヵ国の研究者グループは、小児のCOVID-19重症化の危険因子を特定するため、Pediatric Acute and Critical Care COVID-19 Registry of Asia(PACCOVRA)にデータ提供している病院の小児COVID-19の観察研究を実施した。主要アウトカムは、世界保健機関(WHO)の定義によるCOVID-19の重症度(軽症、中等症、重症、重篤)とした。単変量および多変量ロジスティック回帰モデルを使用し、重症/重篤なCOVID-19の危険因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・7ヵ国8病院から、検査で確認された小児の新型コロナウイルス感染例260例が登録された。・よくみられる臨床症状は類似していた(発熱64%、咳39%、鼻炎23%)。・約40%は無症候性だった。・全体の死亡率は2.3%で、すべてインドとパキスタンから報告された。・多変量解析によると、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が、重症/重篤なCOVID-19と関連していた。

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腎細胞がん1次治療のペムブロリズマブ+アキシチニブ、最終報告でも良好な生存改善(KEYNOTE-426)/ASCO2021

 進行再発の淡明細胞型腎細胞がん(RCC)に対する1次治療としてのペムブロリズマブ・アキシチニブ併用療法は、長期フォローアップの結果からもスニチニブより有用であるという発表が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのBrian I. Rini氏より発表された。 本試験KEYNOTE-426は、国際共同非盲検無作為化比較の第III相試験であり、過去のASCO(2019/2020)でもペムブロリズマブ・アキシチニブ併用療法(PemAx)の有意な生存延長が報告されている。今回は観察期間中央値42.8ヵ月時点(データカットオフ2021年1月)での最終結果報告である。・対象:淡明細胞型RCCで、腎摘除術後の再発例、または全身薬物治療の未実施例・試験群:ペムブロリズマブ200mg/日を3週ごと最長35サイクル(2年間)投与+アキシチニブ(5mgx2/日)を投与(PemAx群:432例)・対照群:スニチニブ(50mgX1/日)を4週投与2週休薬(Suni群:429例)・評価項目:[主要評価項目]独立評価委員会によるITT集団の全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]ITT集団の全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・OS中央値は、PemAx群45.7ヵ月、Suni群40.1ヵ月、ハザード比(HR)は0.73(95%信頼区間[CI]:0.60~0.88)、p<0.001であった。すべてのペムブロリズマブの投与が終わった2年以降も、カプランマイヤー曲線は離れたままで、36ヵ月時OS率は63%対54%であった。・PFS中央値は、PemAx群が15.7ヵ月、Suni群11.1ヵ月、HRは0.68(95%CI:0.58~0.80)、p<0.0001であった。36ヵ月時PFS率は29%対15%であった。・ORRはPemAx群60.4%(CR:10%)、Suni群39.6%(CR:3.5%)、p<0.0001であった。DoR中央値は、PemAx群23.6ヵ月、Suni群15.3ヵ月であった。・IMDCリスク分類におけるFavorable Risk群でのOSのHRは1.17(95%CI:0.76~1.80)であり、42ヵ月OS率はPemAx群が72.3%、Suni群が73.0%であった。・Intermediate/Poor Risk群でのOSのHRは0.64(95%CI:0.52~0.80)、42ヵ月OS率はPemAx群が50.6%、Suni群が37.6%であった。・両群ともに安全性プロファイルは既報同様で、安全性に関する新たなシグナルはなかった。 発表者は「今回の最終解析報告もこれまでの報告と同様に、進行性RCCに対する一次治療として、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用療法が標準治療であることを支持している」と述べた。

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治療抵抗性/不耐容の慢性期CML、ポナチニブの最適レジメン(OPTIC)/ASCO2021

 BCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)ポナチニブは、前治療に治療抵抗性または不耐容の慢性期(CP)の慢性骨髄性白血病(CML)に対し、1日45mgから投与を開始し、BCR-ABL1IS≦1%を達成した時点で15mgに減量する投与量調整レジメンが最適であることが、第II相「OPTIC試験」で示され、米国・オーガスタ大学ジョージアがんセンターのJorge Cortes氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表した。 第II相OPTIC試験は、ポナチニブの有効性と安全性の最適化を目的として、3用量(45mg、30mg、15mg)から投与を開始し奏効に基づき投与量を調整するレジメンをプロスペクティブに評価する無作為化非盲検試験である。中間解析で、1日45mgから投与を開始する投与量調整レジメンの有効性と安全性が示され、すでに昨年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で報告されていた。また、中間解析結果に基づき、FDAは治療抵抗性または不耐容のCP-CML患者への本投与量調整レジメンを承認している。今回は、観察期間中央値32ヵ月(最低12.8ヵ月)の主要解析結果が報告された。・対象:2種類以上のTKIによる前治療に抵抗性または不耐容を示す、またはBCR-ABL1 T315I変異陽性のCP-CML成人患者283例・試験群: ポナチニブ 1日45mg→1日15mg投与(45mg→15mg群)94例 ポナチニブ 1日30mg→1日15mg投与(30mg→15mg群)94例 ポナチニブ 1日15mg投与(15mg群)94例BCR-ABL1IS≦1%を達成した時点で15mgに減量・評価項目:[主要評価項目]12ヵ月時点でのBCR-ABL1IS≦1%達成[副次評価項目]12ヵ月および24ヵ月時点での分子遺伝学的大奏効(MMR)、12ヵ月までの細胞遺伝学的大奏効(MCyR)、MMRの期間、安全性 主な結果は以下のとおり。・データカットカットオフ日(2020年5月31日、追跡期間中央値32ヵ月)の時点で、45mg→15mg群は50例(53%)、30mg→15mg群は41例(43%)、15mg群は43例(46%)が治療を継続していた。・12ヵ月時点でのBCR-ABL1IS≦1%達成率は、45mg→15mg群44.1%(41/93例)、30mg→15mg群29.0%(27/93例)、15mg群23.1%(21/91例)で、45mg→15mg群が主要評価項目を達成した(p<0.017)。・24ヵ月時点までではそれぞれ55.9%、37.6%、33.0%であった。・BCR-ABL1IS≦1%達成後に15mgに減量した患者において、45mg→15mg群では73.3%(33/45例)、30mg→15mg群では78.6%(22/28例)の患者が奏効を維持していた。・T315I変異の有無別でみると、45mg→15mg群においてT315I変異陽性例、T315I変異以外の変異陽性例、変異陰性例のいずれにおいても、12ヵ月までにBCR-ABL1IS≦1%を達成した患者の割合が高かった(それぞれ60%、56%、46%。30mg→15mg群ではそれぞれ25%、40%、38%)。・Grade3以上の主な治療下で発現した有害事象(TEAE)は、血小板減少症27%、好中球減少症17%、高血圧8%、貧血7%等であった。・Grade3以上のTEAEの発現率は、45mg→15mg群68.1%、30mg→15mg群61.7%、15mg群63.8%、TEAEにより投与量を減量した患者の割合はそれぞれ45.7%、35.1%、31.9%であった。・動脈閉塞イベント(AOE)の発現率は、45mg→15mg群9.6%、30mg→15mg群5.3%、15mg群3.2%であった。 Cortes氏は、「2種類以上のTKIに抵抗性または不耐容のCP-CML患者に対し、奏効に基づきポナチニブの投与量を調整することでリスクとベネフィットを最適化でき、良好な生存に寄与するだろう」とまとめた。

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フィルゴチニブ、潰瘍性大腸炎の寛解導入・維持に有効/Lancet

 中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者の治療において、JAK阻害薬フィルゴチニブ(200mg)は、忍容性が良好で、プラセボと比較して寛解導入療法および寛解維持療法における臨床的寛解の達成割合が高いことが、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のBrian G. Feagan氏らが実施した「SELECTION試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年6月3日号で報告された。生物学的製剤治療歴の有無別の寛解導入療法と、維持療法を評価 研究グループは、潰瘍性大腸炎の治療におけるフィルゴチニブの有効性と安全性を評価する目的で、2つの寛解導入療法試験と1つの寛解維持療法試験から成る二重盲検無作為化プラセボ対照第IIb/III相試験を行った(米国・Gilead Sciencesの助成による)。本試験には、日本を含む40ヵ国341施設が参加し、2016年11月~2020年3月の期間に患者登録が行われた。 対象は、年齢18~75歳で、試験登録時に中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎の発症から6ヵ月以上が経過していた患者であった。参加者は、腫瘍壊死因子(TNF)阻害療法およびベドリズマブによる治療歴の有無で、生物学的製剤治療を受けていない患者(導入試験A)と、同治療を受けている患者(同B)に分けられた。 被験者は、各導入試験でそれぞれフィルゴチニブ100mg、同200mgまたはプラセボを、1日1回、11週間経口投与する群に、2対2対1の割合で無作為に割り付けられた。10週時に、いずれかの導入試験で臨床的寛解またはMayo Clinic Score(MCS)で奏効を達成した患者が、11週時に維持試験として導入療法と同じ用量またはプラセボ(各用量で個別にプラセボ群を設定)を58週まで継続投与する群に、2対1の割合で再無作為化された。 主要エンドポイントは、10週および58週の時点での臨床的寛解(Mayo内視鏡所見、直腸出血、排便回数のサブスコアで評価)とされた。導入試験と維持試験を通じてプラセボの投与を受けた患者は、維持試験の最大の解析対象集団(FAS)には含まれなかった。 導入試験Aには659例が登録され、フィルゴチニブ100mg群に277例(平均年齢42歳、女性43.3%)、同200mg群に245例(42歳、49.8%)、プラセボ群に137例(41歳、36.5%)が割り付けられた。また、導入試験Bには689例が登録され、それぞれの群に285例(43歳、34.7%)、262例(43歳、43.5%)および142例(44歳、39.4%)が割り付けられた。100mg群も、58週時には有意に良好 10週以内に、導入試験Aで34例、同Bで54例が試験薬の投与を中止した。10週時の有効性評価後に、664例(導入試験A:391例、同B:273例)が維持試験に登録された。93例が、導入試験でプラセボにより臨床的寛解を達成し、維持試験でもプラセボの投与を継続した。 導入試験の100mg群のうち270例が臨床的寛解またはMCS奏効を達成し、このうち維持試験の100mg群に179例、プラセボ群に91例が無作為化された。また、導入試験の200mg群の臨床的寛解またはMCS奏効達成例301例のうち、維持試験の200mg群に202例、プラセボ群に99例が無作為化された。263例が、維持試験期間中に投与を中止した。 10週時の臨床的寛解の達成率は、導入試験AおよびBのいずれにおいても、200mg群がプラセボ群よりも有意に良好であった(A:26.1% vs.15.3%[群間差:10.8%、95%信頼区間[CI]:2.1~19.5、p=0.0157]、B:11.5% vs.4.2%[7.2%、1.6~12.8、p=0.0103])。 維持試験における58週時の臨床的寛解の達成率は、200mg群が37.2%と、プラセボ群の11.2%に比べ有意に優れた(群間差:26.0%、95%CI:16.0~35.9、p<0.0001)。 一方、100mg群では、10週時の臨床的寛解の達成率にプラセボ群との差はなかった(19.1% vs.15.3%、群間差:3.8%、95%CI:-4.3~12.0、p=0.3379)が、58週時は有意に高率であった(23.8% vs.13.5%、10.4%、0.0~20.7、p=0.0420)。 重篤な有害事象および注目すべき有害事象の発現は、各群で同程度であった。重篤な有害事象は、導入試験では100mg群で5.0%(28/562例)、200mg群で4.3%(22/507例)、プラセボ群で4.7%(13/279例)に認められた。維持試験における重篤な有害事象は、100mg群で4.5%(8/179例)、100mg群に対応するプラセボ群で7.7%(7/91例)、200mg群で4.5%(9/202例)、200mg群対応プラセボ群で0%(0/99例)であった。また、2つの導入試験で死亡例の報告はなかった。維持試験中に2例が死亡したが、いずれも試験薬との関連はなかった。 著者は、「本薬は、生物学的製剤による治療歴の有無を問わず、中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者の新たな治療選択肢となる可能性がある」としている。

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統合失調症患者における重度心血管疾患の有病率

 フランス・ロレーヌ大学のJ-C Marche氏らは、統合失調症患者における入院が必要な重度の心血管疾患の有病率について、調査を行った。L'Encephale誌オンライン版2021年5月20日号の報告。 2015年にフランスの精神科病院5施設に入院した統合失調症または精神疾患患者を対象とし、調査を行った。心血管疾患患者の定義は、精神科入院前の5年または入院後の3年に一般病院での入院対応歴(ICD-10コード)を有する患者とした。心血管疾患には、心筋梗塞、脳卒中、心不全、冠動脈疾患、末梢動脈疾患を含めた。高血圧、肥満、糖尿病などのリスク因子についてのデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、合計4,424例であった。・心血管疾患と診断された患者は、203例(4.6%)であった。内訳は、冠動脈疾患93例(2.1%)、心不全86例(1.9%)、脳卒中49例(1.1%)であった。・リスク因子の有病率は、高血圧11.3%、肥満9.7%、糖尿病7.8%であった。・心筋梗塞患者の年齢中央値は57歳(四分位範囲:49~70歳)、糖尿病患者の年齢中央値は56歳(四分位範囲:48~66歳)であった。 著者らは「統合失調症患者は、早期に入院が必要な重度の心血管疾患を発症するリスクが高い。これには、リスク因子の有病率の高さが関連していると考えられる。心血管疾患およびリスク因子の早期スクリーニングと治療は、統合失調症患者の生命予後やQOLを改善するために重要であろう」としている。

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「薬剤師の資質向上」の先にある薬学部の定員抑制とカリキュラム改革?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第70回

薬剤師に求められる役割や需要・供給が議論されているのをご存じでしょうか。厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」という会合で、2020年7月に第1回が開催され、2021年6月に早くも第9回と第10回が開催されました。ストレートな名前のとおり、この検討会は、かかりつけ薬剤師・薬局や改正薬機法によって薬剤師に求められる役割が変化している中で、今後の薬剤師の養成や資質向上などの課題を議論することを目的としています。第9回の検討会では、薬局および医療機関で働く薬剤師を対象として、薬剤師業務の実態や働き方、先進的な取り組みについて調査した「薬剤師の需給動向把握事業における調査結果」に基づいて、取りまとめの論点整理が行われました。この調査結果で気になったものを一部抜粋して以下に示します。【調査結果(抜粋、一部改変)】薬局の常勤職員の人数は2人以下が62.4%であった。勤務形態が常勤である薬局薬剤師は73.1%、病院薬剤師は92.7%であった。薬局の処方箋1枚の受付から薬剤交付・記録までの処理時間は12分41秒であった(計数調剤で測定)。薬局における一般用医薬品の取り扱いは、50品目未満の薬局が50.6%であり、一般用医薬品を取り扱っていない薬局が10.9%であった。薬局において、2020年9月の退院時カンファレンス、地域ケア会議、サービス担当者会議への参加実績はすべて10%以下であった。薬局で電子薬歴システムを導入している割合は75.7%、電子版お薬手帳を導入している割合は57.5%であった。病院で電子カルテを導入している割合は55.9%、電子版お薬手帳を導入している割合は2.9%であった。意外と高い!低い!など、さまざまな感想を抱かれるかと思いますが、皆さんの薬局の実態と比較していかがでしょうか。私個人としては、病院の常勤率の高さと電子カルテ・電子版お薬手帳の導入率の低さが意外だなと思いました。電子処方箋に対応したお薬手帳の利用方法変更にも言及本調査の結果やこれまでの議論の論点を整理した「議論のまとめ(案)」というものが作成され、厚生労働省や文部科学省での対応・検討が必要なもの、本検討会で引き続き議論が必要なものが示されました。【薬局、病院(抜粋、一部改変】対人業務の充実と対物業務の効率化のためには、薬剤師しかできない業務に取り組むべきであり、薬剤師でもできる業務は機械の導入や薬剤師以外の者による対応にタスクシフトを行うべき。要指導医薬品や一般用医薬品の提供も前提に、処方箋に依存しない業務に取り組むべき。電子処方箋により処方薬の情報がリアルタイムで把握可能になると、服用薬を一元的・継続的に把握するため、お薬手帳の利用方法を変えていく必要がある。薬剤師の従事先には地域偏在があり、偏在を解消するための薬剤師確保の取り組みが必要である。とくに病院薬剤師の確保は課題。【薬学教育、国家試験(抜粋、一部改変)】今後の人口減少による影響や今回の需要推計を踏まえると、将来的に薬剤師が過剰になると予想される状況下では、入学定員数の抑制が必要か否かも含めて検討すべき。今後、薬学教育モデル・コアカリキュラムの見直しを文科省で検討する際には、「今後の薬剤師が目指す姿」を踏まえたカリキュラムとすべき。実務実習以外でも、多職種の学部との連携を含め、臨床現場の実態が学習できるようなカリキュラムとすべき。国家試験は、学術の進歩や医療の変化、薬剤師業務の変化に対応した出題とすべきであり、定期的に合格基準・出題基準の見直し要否の検討を医道審議会で行うべき。この検討会は「薬剤師の養成および資質向上」という耳当たりの良い言葉ですが、薬剤師にとっては厳しい変化の足音にも聞こえます。まとめ案に何度も出てくる「ICTの活用」「対物業務の効率化」「タスクシフト」「地域偏在」「医療現場と連携した薬学教育」などがキーワードになり、今後の方向性の取りまとめが行われるのではないかと想像します。今年度中に薬剤師の在り方のまとめを作成する予定とのことですので、今後もチェックしていきたいと思います。

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HER2阻害薬の心毒性、そのリスク因子や管理は? 【見落とさない!がんの心毒性】第3回

今回のおはなし連載の第2回は、大倉先生によるアントラサイクリン心筋症についての解説でした。今回のテーマはHER2阻害薬の心毒性です。なかでもトラスツズマブが有名ですが、それ以外にもHER2阻害薬はあるんですよ。今回はその心毒性が起こる機序や病態の特徴について、概要を説明します。HER2阻害薬では、日頃からの心血管リスク因子の適切な管理がとても大事になります。HER2ってそもそも何?HER2はヒト上皮成長因子受容体(EGFR:human epidermal growth factor receptor)に似た受容体型チロシンキナーゼで、ヒトEGFR関連物質2 (human EGFR-related protein 2)を略してHER2と命名されました。別名でErbB2とも表現され、こちらはヒト以外に齧歯類なども含めた対象となります。正常細胞においてHER2は細胞増殖や分化の調節に関わる重要なシグナル伝達分子として働いており、そのHER2遺伝子発現の増幅、遺伝子変異ががん化に関わります。HER2遺伝子は唾液腺がん、胃がん、乳がん、卵巣がんで発現が見られ、現在ではHER2陽性タイプの乳がん、胃がんに対してHER2阻害薬が臨床で使われています。一方、HER2は心臓や神経にも存在します。これらの臓器でもHER2は細胞分化や増殖に関わり、HER2阻害薬により心臓では心筋細胞障害が生じ心毒性を発症する事になります。心筋特異的にErbB2を欠損させたコンディショナルノックアウトマウスでは、出生するものの拡張型心筋症様の病態を呈し、心筋細胞のアポトーシスが観察され、大動脈縮窄術による後負荷増大で容易に心不全に陥り、高率に死亡する事が報告されています。そして、このコンディショナルノックアウトマウス由来の心筋細胞はアントラサイクリンへの感受性が亢進していたことから、ErbB2が生体において病的ストレスからの心保護に必須な分子と考えられています1)。つまり、乳がん治療でのアントラサイクリンとトラスツズマブとの逐次治療において、アントラサイクリンによりダメージを受けた心筋細胞がトラスツズマブによりその修復が阻害されると言う仕組みが考えられています(図1)2)。(図1)アントラサイクリンおよびトラスツズマブの逐次療法における心筋障害のイメージ画像を拡大するHER2阻害薬の種類分子標的薬に属するHER2阻害薬は、HER2タンパクを持つがんに対して投与され、とくに乳がん治療でよく用いられていますが、胃がんなどでも使われています。中でも抗体薬のトラスツマブが有名ですが、それ以外にも抗体薬のペルツズマブ、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)かつ二標的キナーゼ阻害薬(EGFRおよびHER2)のラパチニブ、そしてトラスツズマブと殺細胞性抗がん剤との抗体薬物複合体(ADC)のトラスツズマブ-エムタンシン(T-DM1)やトラスツズマブ-デルクステカンも最近登場しています。T-DM1はトラスツズマブによるHER2シグナル伝達阻害作用だけでなく、化学療法薬であるエムタンシン(DM1)をがん細胞内部に直接送達させ、がん細胞を破壊する作用も併せ持ちます。これらADCである新規のHER2阻害薬は従来のものと比較して、心毒性の発生頻度が少ない事が報告されています3)。(表1)HER2陽性乳がんで使用できる分子標的薬画像を拡大するHER2阻害薬による心毒性の機序HER2阻害薬が心筋細胞上のHER2(ErbB2)受容体を選択的にブロックする事で、いわゆる“心筋細胞の栄養”とも言えるneureglin(NRG)のErbB4-ErbB2二量体を介した心筋細胞への結合を阻害します。その結果、心筋細胞の生存や保護に関わるシグナル伝達を阻害し細胞ダメージを来すと言われています。とくに、HER2受容体はアントラサイクリン投与後の心筋細胞に代償的にアップレギュレートして発現する事が報告されており、その発現はアントラサイクリン投与後の心筋細胞のダメージへの保護、生存に寄与すると言われています。それゆえ、とくにアントラサイクリン投与後の心筋細胞修復機構の障害が生じ、心筋傷害が助長されると言われています(図1、図2)4)。(図2)HER2阻害薬による心毒性の機序画像を拡大するHER2阻害薬関連心毒性のリスク因子は?HER2阻害薬関連心毒性のリスク因子を下の表に示しています(表2)5)。アントラサイクリンの併用または治療歴、心不全の既往、高血圧や虚血性心疾患の合併、胸部放射線治療の併用により心毒性発現のリスクが高まります。この表から、通常の心血管リスク因子がHER2阻害薬関連心毒性にも重大なリスク因子となる事が分かります。そのため、通常の心血管リスク管理が薬剤性心毒性管理においてものすごく重要です。(表2)HER2阻害薬のリスク因子HER2阻害薬による心毒性の特徴と病態管理HER2阻害薬による心不全の発生頻度について、初期の解析によるとアントラサイクリンやシクロホスファミドとトラスツズマブを同時投与すると27%と高率であると報告されました6)。そして、逐次療法では1~4.1%で心不全症状、4.4~18.6%で左室駆出率(LVEF)の低下を来すと言われています。報告によれば逐次療法でも8.7%でNYHAIII度からIV度の心不全が発症しており、およそ3ヵ月毎の定期的な心機能評価が推奨されます7)。HER2阻害薬による心毒性の特徴は、左室機能低下後のHER2阻害薬の休薬により約2~4ヵ月程度で左室機能の改善がみられる事が多く、LVEF回復後にはHER2阻害薬の再投与検討も可能と考えられています。ただし、ここで注意が必要です。トラスツズマブ投与後に心不全症状を認めた患者の71%で半年後も左室機能の回復が得られなかったと言う報告もあります8)。われわれ臨床家の間では、約20~30%の症例で心機能低下が遷延すると考えられています。HER2阻害薬の休薬で左室機能の回復が得られる可能性はあるものの、心毒性がみられた際にはACE阻害薬(エナラプリル)やβ遮断薬(アーチストなど)による心保護薬の投与を行うことが望ましいと考えます。しかし、心保護薬の長期的継続について、とくに心機能が回復した症例に対する長期的心保護治療継続の妥当性については明らかにはされていません。筆者の個人的な対策ではありますが、左室機能低下を来していた時のトロポニン上昇度や心エコーにおける低心機能の程度などの患者病態、そして心血管リスク因子の保有状況などを考慮し、患者に応じて長期的な心保護管理の継続を行っています。スクリーニングのタイミング最後に、ヨーロッパ臨床腫瘍学会(ESMO)から2020年に発表されたESMO consensus recommendationsを紹介します(図3)9)。がん治療前から心機能を確認し、高リスクであれば循環器医へ相談、がん治療開始後も3ヵ月毎に心機能をフォローし心配な所見があれば適宜循環器医に相談をすると良いと思います。がん治療中の心血管毒性の管理において、がん治療医と循環器医との良好な連携は欠かせません。(図3)CTRCD[がん治療関連心機能障害]の管理アルゴリズム―ESMO consensus recommendations 2020―画像を拡大する1)Crone SA, et al. Nat Med. 2002;8:459-465.2)Ewer MS, et al. Nat Rev Cardiol. 2015;12:547-558.3)Verma S, et al. New Engl J Med. 2012;367:1783-1791.4)Lenneman CG, et al. Circ Res. 2016;118:1008-1020.5)Lyon AR, et al. Eur J Heart fail. 2020;22:1945-1960.6)Nemeth BT, et al. Br J Pharmacol. 2017;174:3727-3748.7)日本腫瘍循環器学会編集委員会編. 腫瘍循環器診療ハンドブック. メジカルビュー社;2020.8)Tan-Chiu E, et al. J Clin Oncol. 2005;23:7811-7819.9)Curigliano G, et al. Ann Oncol. 2020;31:171-190.講師紹介

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第65回 モーツァルトの音楽でてんかん治療

18世紀の天才作曲家モーツァルトの音楽はてんかん患者の発作と関連する脳波特徴・てんかん型放電を彼が尊敬した同時代の作曲家ハイドンの音楽とは違って男女問わず抑制しました1)。モーツァルトの音楽はてんかん発作を防ぐのに役立つかもしれません2)。その試験でのてんかん型放電の変化は手術に先立って脳に電極が設置された患者の脳活動を頼りに測定されました。その結果、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタK448(K448)」を聴いた患者のてんかん型放電は32%低下しました。一方、ハイドンの「交響曲第94番」では逆にてんかん型放電は45%上昇しました。ただし、ハイドンの「交響曲第94番」への反応は男女差があり、女性患者のてんかん型放電はモーツァルトの音楽を聴いたときと同様に減少し、男性では上昇しました。音楽を聴くとドパミンが放出されることから、モーツァルトのてんかんへの効果は音楽の情緒作用と関連すると考えられてきました。しかし心地よさを求める脳の報酬系からのドパミン放出で音楽のてんかんへの効果は説明できないようです。というのも今回の試験に参加した患者は取り立てて音楽通というわけではなく、聴いた2つの音楽への感じ方に違いはなく、ハイドンに比べてモーツァルトの音楽でより心地よくなったとは考えられないからです2)。音楽の脳への効果はまだまだ研究が必要ですが、その仕組みはどうあれモーツァルトの音楽を聴くことがてんかん患者の発作を減らすのに有望そうなことは20年も前から知られています。ちょうど1年ほど前に報告された少人数ながら待望の無作為化試験ではてんかん患者の発作がモーツァルトのまさにK448を聴くことで減りました3)。被験者の1人にはとくに効果的だったらしく、K448を毎日聴いた3ヵ月間発作を経験せずに済みました。K448を聴くことの効果はマウス実験でも示されています。その実験は側頭葉てんかん発作への抗てんかん薬とK448の組み合わせの効果を予測することを目当てに実施され、マウスにK448を聴かせるとより少ない用量の抗てんかん薬で発作の重症度が緩和することが示されました4)。てんかんは深刻な神経疾患であり、世界でおよそ5,000万人が患います5)。その多くが辛い発作を経験し、しばしば抗てんかん薬を必要とします。しかしおよそ3人に1人(30%)は服薬しても発作をうまく抑えることができず、てんかん患者が症状とうまく折り合いをつけてより調子よく暮らせる手段を絶えず探し続けねばなりません。モーツァルトを毎日聴くことはその手段の一つとなりうると上述の無作為化試験を率いたカナダの医師Marjan Rafiee氏は示唆しています5)。Rafiee氏等による無作為化試験の結果は有望ですが被験者数は13人と小規模であり、今後の課題としてより多くの患者を長期間追跡する大規模試験を実施する必要があります。参考1)Stillova K,et al.Eur J Neurol. 2021 May;28:1463-1469.2)The 'Mozart effect' shown to reduce epileptic brain activity, new research reveals / Eurekaler3)Rafiee M,et al.Epilepsia Open.2020 May 27;5:285-294.4)Xu CL,et al.CNS Neurosci Ther.2021 Feb 28. [Epub ahead of print]5)Mozart may reduce seizure frequency in people with epilepsy / Eurekalert

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新規CDK4/6阻害薬dalpiciclib+フルベストラント、進行乳がんのPFS改善(DAWNA-1)/ASCO2021

 内分泌療法で再発/進行したHR+/HER2-進行乳がんに、新規CDK4/6阻害薬dalpiciclibとフルベストラントの併用が、フルベストラント単独に比べ無増悪生存期間を大幅に改善し、安全性プロファイルも管理可能であったことが、第III相DAWNA-1試験の中間解析で示された。中国・National Cancer Center/Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのBinghe Xu氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表した。dalpiciclib+フルベストラントはHR+/HER2-進行乳がん患者の新たな治療選択肢 dalpiciclibは新たなCDK4/6阻害薬で、単剤で、複数の治療歴のあるHR+/HER2-進行乳がんに対し単剤で忍容性および予備的な抗腫瘍活性を示すことが報告されている。DAWNA-1試験は、内分泌療法で再発/進行したHR+/HER2-進行乳がんを対象に、dalpiciclibとフルベストラントとの併用についてフルベストラント単独と比較した無作為化二重盲検第III相試験である。今回は、PFSイベント(病勢進行/死亡)が162件(予測の71.4%)発生した時点(2020年11月15日)で、事前に計画されていた中間解析の結果を報告した(追跡期間中央値10.5ヵ月)。・対象:内分泌療法で再発/進行した、局所進行もしくは転移を有するHR+/HER2-乳がん患者(進行がんに対する1ラインの化学療法は許容) 361例、試験群と対照群に2:1の割合で無作為に割り付け・試験群:dalpiciclib(150mg1日1回、1~21日目に経口投与、4週間ごと)+フルベストラント(500mg、1サイクル目は1、15日目、その後は1日目に筋注、4週間ごと)241例・対照群:プラセボ+フルベストラント 120例・評価項目:[主要評価項目]治験責任医師の評価によるPFS(有意性の閾値は片側p=0.0080とした)[副次評価項目]独立評価委員会(IRC)評価によるPFS、全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、クリニカルベネフィット率、奏効期間、次の化学療法までの期間、安全性 内分泌療法で再発/進行したHR+/HER2-進行乳がんを対象にdalpiciclibとフルベストラントとの併用についてフルベストラント単独と比較した主な結果は以下のとおり。・治験責任医師の評価によるPFSは、dalpiciclib+フルベストラント群の中央値15.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.1~NR)で、プラセボ+フルベストラント群の7.2ヵ月(95%CI:5.6~9.2)より有意に延長した(ハザード比[HR]:0.42、95%CI:0.31~0.58、p<0.0001)。・IRCの評価によるPFSも、dalpiciclib+フルベストラント群の中央値13.6ヵ月(95%CI:11.3~NR)で、プラセボ+フルベストラント群の7.7ヵ月(95%CI:5.6~10.9)より有意に延長した(HR:0.45、95%CI:0.32~0.64、p<0.0001)。・ORRは、dalpiciclib+フルベストラント群が27.0%(95%CI:21.5~33.0)、プラセボ+フルベストラント群で20.0%(95%CI:13.3~28.3)であった(p=0.0727)。・次の化学療法までの期間のHRは0.47(95%CI:0.32~0.69、p<0.0001)で、dalpiciclibによるベネフィットはdalpiciclibによる治療の終了後もみられた。・曝露期間中央値は、dalpiciclib+フルベストラン群ではdalpiciclib 9.4ヵ月(四分位範囲:4.3~11.4)、フルベストラント9.9ヵ月(同:4.7~11.9)、プラセボ+フルベストラント群ではフルベストラント6.1ヵ月(同:3.7~11.0)だった。・重篤な有害事象の発現率は、dalpiciclib+フルベストラント群、プラセボ+フルベストラント群の順に5.8%、6.7%、有害事象による治療中止率は2.5%、3.3%だった。発現率3%以上のGrade3/4の有害事象は、好中球減少症(84.2%、0%)と白血球減少症(62.1%、0%)だった。 Xu氏は、「本試験の結果は、内分泌療法で再発または進行したHR+/HER2-進行乳がん患者の新たな治療選択肢として、dalpiciclib+フルベストラントを支持している」と結論した。

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運動するなら、朝と夕方どちらが効果的?

 太り過ぎの男性が運動療法を行う場合、朝よりも夕方に行ったほうが代謝機能の回復効果が高いことが、ノルウェー科学技術大学のTrine Moholdt氏らによる研究の結果、わかった。Diabetologia誌オンライン版2021年5月19日号に掲載された。 研究者らは、高脂肪食の摂取が血糖コントロール、全身の健康マーカー、血清メタボロミスクに及ぼす影響が、運動トレーニングを行う時間帯(朝と夜)によって変化するかどうかを検討した。 オーストラリア・メルボルンの大学で実施されたこの3群並行群間無作為化試験では、過体重・肥満の男性が11日間連続で高脂肪食(エネルギーの65%を脂肪から摂取)を摂取した。参加者は、ソーシャルメディアやコミュニティ広告を通じて募集した。参加資格は、男性、30~45歳、BMI27.0~35.0kg/m2、座りがちな生活とされた。心血管疾患(CVD)または2型糖尿病患者、処方薬服用者、シフト型勤務者は除外された。 参加者は高脂肪食を5日摂取した後、朝(6:30)運動する群、夕方(18:30)運動する群、運動なし群のいずれかに割り当てられ、その後5日間活動した。血清代謝物、循環脂質、心肺機能、血圧、および血糖値の変化をグループ間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・25例(朝群:9、夕方群:8、運動なし群:8)が割り付けられ、24例が解析対象となった(各群8例ずつ)。・24時間後のグルコース値はいずれの群でも有意な変化は見られなかったが、夕方群は運動なし群と比較して夜間の血糖値が低かった(4.9±0.4 vs 5.3±0.3mmol/l、p=0.04)。・最大酸素摂取量は、運動なし群と比較して、朝群(推定効果1.3ml/kg/分、95%CI:0.5~2.0、p=0.003)と夕方群(推定効果1.4ml/kg/分、95%CI:0.6~2.2、p=0.001)の両方で改善した。・空腹時血糖値、インスリン、コレステロール、トリアシルグリセロール、LDL-コレステロール値は夕方群のみで低下した。意図しない効果や副作用はなかった。 著者らは、5日間の高脂肪食摂取により、脂質とアミノ酸の代謝に関連する血清代謝物に大きな変化が生じた。運動トレーニングが代謝物に与える変化は高脂肪食の影響よりも小さく、夕方に行った場合のみ高脂肪食による代謝物の変化の一部を回復させた、とまとめている。

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うつ病エピソードや抗うつ薬使用が小児双極性障害に及ぼす影響

 小児双極性障害は、重度の機能障害につながる重篤な再発性疾患である。そして、最初に発現する気分エピソードが、疾患の長期的な経過に影響を及ぼす可能性がある。トルコ・Dokuz EylulUniversityのNeslihan Inal氏らは、全国多施設自然主義的フォローアップ調査のサンプルより小児双極性障害の臨床的特徴を評価し、躁症状発症年齢に対する最初の気分エピソードおよび以前の抗うつ薬治療効果の影響について検討を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2021年6月2日号の報告。 双極I型障害の若年患者271例を対象に、トルコの代表的な6つの地域にある大学病院7施設と州立研究病院3施設の児童思春期精神科クリニックでフォローアップを行った。すべての診断は、構造化面接に従って実施した。すべてのデータは、臨床医が記録した診療データよりレトロスペクティブに収集した。 主な結果は以下のとおり。・最初に発現した気分エピソードがうつ病/混合エピソードの患者(IDE群)は129例、躁病エピソードの患者(IME群)は142例であった。・気分エピソードおよびラピッドサイクリングの総数は、IME群よりもIDE群で有意に多かった。・社会人口統計および疾患の特徴で調整したCox回帰分析では、抗うつ薬治療を受けたIDE群の思春期女性において、より早期に躁病を発症する可能性が高いことが示唆された(ハザード比:2.03、95%信頼区間:1.31~3.12、p=0.001)。 著者らは「本研究は、トルコで初めて実施された大規模フォローアップ調査であり、抗うつ薬治療経験のある若年者、とくに思春期の女性において、躁病の早期発症との関連が認められた。小児双極性障害の根底にある神経発達のプロセスを特定し、予防に対するアプローチを行うためには、より大規模なプロスペクティブ研究が必要である」としている。

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抗CGRP抗体治療中止後の片頭痛日数の変化

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体は、片頭痛予防におけるゲームチェンジャーとして期待される。しかし、治療費が高額となるため、治療期間を必要最低限に抑えることが求められる。スイス・チューリヒ大学病院のAndreas R. Gantenbein氏らは、12ヵ月間の抗CGRP抗体治療を中止した後、月間片頭痛日数がどの程度変化するかを検討した。Cephalalgia誌オンライン版2021年5月17日号の報告。 抗CGRP抗体で12ヵ月間治療を行った片頭痛患者のデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は、52例であった。・月間片頭痛日数の平均値は、ベースライン時で16±7日、3ヵ月目で6±6日、12ヵ月目で5±4日であった。・治療中断後の月間片頭痛日数の平均値は、1ヵ月後で6±4日、2ヵ月後で9±4日、3ヵ月後で11±5日であった。・ほとんどの患者(88.9%)が治療を再開した。 著者らは「抗CGRP抗体の治療効果は、薬理学的作用よりも長期間持続することはほとんどない。治療中断後、ほとんどの患者で片頭痛頻度が上昇し、再度予防が必要となった。患者にとってベネフィットが得られる治療に限定し、定期的に予防の必要性を確認する必要があるものの、予定されていた12ヵ月後の治療中止や3ヵ月間の治療中断期間を設ける必要性を裏付けるものではない」としている。

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筋層浸潤性膀胱がんに対するGC+ニボルマブの有用性評価/ASCO2021

 筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)を対象に、シスプラチン+ゲムシタビン+ニボルマブ併用投与の有用性評価と、膀胱温存が可能な症例の予測に関する報告が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Icahn School of Medicine at Mount SainaiのMatthew D. Galsky氏よりなされた。 本試験(HCRN GU16-257)は米国で行われた多施設共同第II相試験である。MIBCでは、プラチナベースの術前化学療法により30~40%の症例が病理学的完全奏効(pCR)を得られることと、そのpCR症例は予後良好であることが知られているが、そのpCRが明らかになるのは膀胱摘除後である。また過去のレトロスペクティブ研究によると、その10年生存率は膀胱全摘65%、部分切除73%、切除なし75%と大きな差はなく、部分切除例では53%、切除なし例では61%が、膀胱温存したままで10年生存を得ていたという報告がある。・対象:シスプラチン(CDDP)の投与適格のcT2-4a/N0/M0のMIBC・介入:CDDP+ゲムシタビン+ニボルマブ 4サイクル(GC+Nivo)臨床的完全奏効(cCR)症例はニボルマブの追加投与(4ヵ月)、その後局所再発をきたした時点で膀胱摘除術実施。Non-cCR症例は膀胱摘除術を実施・評価項目[主要評価項目]cCRの割合、治療ベネフィット予測因子としてのcCRの可能性評価(2年間の無転移生存、または膀胱摘除時にpCRが確認された場合を治療ベネフィットとした)[その他評価項目]初診時のTURBT検体におけるDNA損傷修復関連遺伝子(ERCC2、FANCC、ATM、RB1)変異およびTMBとcCRの相関性 主な結果は以下のとおり。・2018年8月~2020年11月に76例が登録された。年齢中央値69歳、男性79%、臨床病期はcT2が57%、cT3が32%、cT4が12%であった。・4サイクルの薬物治療を完遂できたのは64例で、48%(31例)がcCRを達成した。・cCR達成31例中30例が膀胱温存。残りの1例とNon-cCR症例(33例)が膀胱摘除術を受けた。・cCR獲得後の膀胱温存症例では8例に局所再発が認められ、6例に膀胱摘除術が施行された。その際、50%は病理学的ステージがpT1N0以下であった。・Non-cCR症例で膀胱摘除術を受けた症例の36%がpT1N0以下で、32%がpN+であった。・有害事象プロファイルは、他のGC+Nivo試験での報告と同様であった。・TMB高値(≧10mut/Mb)と、ERCC2変異でcCRまたはpCRとの相関が認められた(いずれもp=0.02)。  最後に発表者は、MIBCに対するGC+Nivo療法は、cCRを達成できるレジメンであり、このcCRが膀胱を温存したままでの長期の無再発生存につながる可能性がある、と述べた。

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再発多発性骨髄腫、イサツキシマブ追加でPFS延長/Lancet

 既治療の再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療において、抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブをカルフィルゾミブ+デキサメタゾンと併用すると、カルフィルゾミブ+デキサメタゾンと比較して、無増悪生存(PFS)期間が延長するとともに深い奏効の割合が改善し、新たな標準治療となる可能性があることが、フランス・University Hospital Hotel-DieuのPhilippe Moreau氏らが実施した「IKEMA試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年6月4日号で報告された。上乗せ効果を評価する非盲検無作為化第III相試験 本研究は、日本を含む16ヵ国69施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2017年11月~2019年3月の期間に患者登録が行われた(フランスSanofiの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、前治療ライン数が1~3の再発・難治性多発性骨髄腫で、血清または尿中のM蛋白(血清M蛋白≧0.5g/dL、尿中M蛋白≧200mg/24時間)の測定が可能な患者であった。 被験者は、イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾンの投与を受ける群(イサツキシマブ群)またはカルフィルゾミブ+デキサメタゾンの投与を受ける群(対照群)に、3対2の割合で無作為に割り付けられた。イサツキシマブは、10mg/kg/週を4週間静脈内投与し、その後は同用量が2週ごとに投与された。投与は、病勢進行または許容されない毒性が発現するまで継続された。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における無増悪生存期間であった。VGPR以上、MRD陰性、奏効期間も良好 302例(年齢中央値64歳、女性44%、前治療レジメン数中央値2)が登録され、イサツキシマブ群に179例、対照群に123例が割り付けられた。 追跡期間中央値20.7ヵ月の時点で、独立審査委員会の判定による無増悪生存期間中央値は、イサツキシマブ群が未到達、対照群は19.15ヵ月であり、有意な差が認められた(ハザード比[HR]:0.53、99%信頼区間[CI]:0.32~0.89、片側検定のp=0.0007)。また、2年時の推定無増悪生存率は、イサツキシマブ群が68.9%、対照群は45.7%であった。 全奏効割合(国際骨髄腫作業部会[IMWG]の基準で、厳格な完全奏効[sCR]、完全奏効[CR]、最良部分奏効[VGPR]、部分奏効[PR]を達成した患者の合計)は、イサツキシマブ群が87%(155/179例)、対照群は83%(102/123例)と、両群間に有意な差はみられなかった(片側検定のp=0.19)ものの、VGPR以上の達成割合(73% vs.56%、p=0.0011)はイサツキシマブ群で良好であった。また、CR達成割合(sCR+CR)は、それぞれ40%および28%であった。微小残存病変(MRD)陰性の達成割合は、イサツキシマブ群が対照群の2倍以上だった(30% vs.13%、p=0.0004)。 奏効期間(HR:0.43、95%CI:0.27~0.67)および次の治療法への移行までの期間(HR:0.57、95%CI:0.38~0.84)はイサツキシマブ群で長かった。 Grade3以上の試験薬投与後に発現した有害事象(TEAE)は、イサツキシマブ群が77%(136/177例)、対照群は67%(82/122例)で認められ、重篤なTEAEはそれぞれ59%(105例)および57%(70例)、投与中止の原因となったTEAEは8%(15例)、14%(17例)にみられた。試験期間中に、致死的なTEAEはイサツキシマブ群3%(6例)、対照群3%(4例)で発生した。 著者は、「カルフィルゾミブ+デキサメタゾンへのイサツキシマブの追加は、免疫調節薬を含む1次治療施行後に増悪した患者や、免疫調節薬に抵抗性の患者の新たな治療選択肢となるだろう」としている。

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尋常性乾癬治療剤ドボベットのフォームタイプ新発売/レオファーマ・協和キリン

 レオファーマと協和キリンは、2021年6月18日、尋常性乾癬治療剤ドボベットの新剤形「ドボベットフォーム」を新発売した。 本剤は、既存の軟膏の有効性を担保したうえで、簡易性と利便性の観点から治療の新たな選択肢を提供することを目的に開発が進められ、2015年に米国で初めて承認された。以来、すでに欧州諸国など世界40ヵ国以上で承認されている。 ドボベットは、尋常性乾癬の外用剤としてレオファーマの親会社LEO Pharma A/Sが開発し、本邦では2014年9月にドボベット軟膏が、2018年6月にドボベットゲルが発売されている。今回、軟膏及びゲルに加え、本剤をラインナップに追加することで、両社はより多くの患者QOL向上への貢献を目指す。製品名:ドボベットフォーム 一般名:カルシポトリオール水和物 / ベタメタゾンジプロピオン酸エステル 効能又は効果:尋常性乾癬 用法及び用量:通常1日1回、患部に適量塗布する。 包装:60g (1本) 承認取得日:2021年1月6日 薬価収載日:2021年6月18日 薬価:221.30円/g 販売:協和キリン株式会社 製造販売:レオ ファーマ株式会社

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F1 CDx、MSI-Hightがんのコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2021年06月22日、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」について、ニボルマブおよび、:ペムブロリズマブの高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有するがんに対するコンパニオン診断として厚生労厚生労働省より承認を取得したと発表。 今回の承認により、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルにて、ニボルマブの「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸」、およびペムブロリズマブの「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対し各々の薬剤の適応判定補助として利用が可能となる。

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限界はあるが必要だった研究(解説:野間重孝氏)-1403

 アスピリンは世界で初めて人工合成された医薬品で、ドイツ・バイエル社がこの開発に成功したのは1897年にさかのぼる。ところが、低用量アスピリンに血小板凝集抑制作用があることが発見されたのは1967年のことだった。Gruentzigが経皮的冠動脈形成術(PTCA)を初めて行ったのが1977年であることを考えると、不思議な暗合を感じてしまうのは評者だけではないと思う。 PTCAは確かに画期的な技術ではあったが、バルーンによる拡張のみでは血管壁の解離、リコイルを防ぐことができず、高頻度に発生する急性冠動脈閉塞や慢性期再狭窄率の高さが問題となっていた。これに解決策を与えるべく開発されたのが冠動脈ステントだった。慢性期に対する効果はSTRESS、BENESTENT両試験により証明されたが、亜急性期ステント血栓症(SAT)にはなかなか解決策が見いだされなかった。当初アスピリンとワルファリンの併用による効果が期待されたが、十分な効果は得られなかった。90年代初めに開発されたチエノピリジン系薬剤であるチクロピジンとアスピリンの併用、つまり抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)が初めてこの問題に解決策を与えたのである。 ステント開発によって術成績は飛躍的に向上し、とくに急性期合併症は激減したのだが、慢性期再狭窄による再血行再建術が必要になる率はそれでも15~30%に上るとされた。これに対して開発されたのが薬物溶出ステント(DES)であった。しかしDESの登場は新たな問題を引き起こした。金属のみによるステントでは比較的早くストラットが内膜により覆われるのに対し、DESでは内膜による皮膜形成に時間がかかり、ストラットがむき出しになっている期間が長いため、別のメカニズムからSATが問題となってきたのである。この頃にはチエノピリジン系薬剤も第2世代となり、クロピドグレルが主役となっていた。現在チエノピリジン系薬剤は第3世代の開発も進み、また違った機序の新規血小板機能抑制剤も開発されているが、それでもクロピドグレルの市場占有率は高いまま推移しているのは本論文にあるとおりである。アスピリン、クロピドグレル併用によるDAPTは確かにSATの発生を抑えたが、今度はDAPTをいつやめればいいのか、またやめた後にどちらの薬剤を残すのかが新たな問題として浮上した。 一方、ステント開発メーカーも手をこまねいていたわけではない。ストラットの菲薄化、形状の工夫、ポリマーの生体適合性の改善などを通して機材面からSAT発生率の低下が図られた。この結果、現在米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)、欧州心臓病学会(ESC)のガイドラインで、出血リスクの低い患者では6ヵ月以上のDAPTを推奨するものの、出血リスクのある患者では1~3ヵ月のクロピドグレルの併用を推奨するというところにまでなったのである。SATの予防と出血リスクは、いわばトレードオフの関係にあるのである。 本論文は残ったもうひとつの問題、つまりDAPTをやめた後にどちらの薬剤を残すのかという問題を中心に据えた初めての大規模臨床研究である。ただし、これには少しただし書きが必要である。というのは、DAPTの期間を検討する一連の研究の中で、この問題は併せて扱われてきたからである。とくに最近のGLOBAL LEADERS試験、SMART-CHOICE試験、STOPDAPT-2試験などで短期間のDAPTとチエノピリジン系薬剤による耐容性はすでに十分議論されており、理由はさまざまであるにせよ、持続する薬剤としてはチエノピリジン系薬剤が選択されているのである。そもそも出血傾向はアスピリンで強く、またアスピリンでは胃腸障害などの副作用も問題になるからである。しかし著者らの言うとおり、この問題のみを正面から扱い、さまざまなレベルの冠動脈疾患を対象とした大規模臨床研究は、確かにこの研究が最初といえるのである。そしてこの問題について明快な解答を与えたことは評価されなければならないだろう。 しかし指摘されなければならないのは、これはあくまでクロピドグレルの成績だ、ということである。つまり、本研究からはDAPTの相手がプラスグレルであったり、チカグレロルであったらどうなのか、という点には言及できないということである。とくに第3世代チエノピリジン系薬剤であるプラスグレルは、代謝による効果のバラツキがほとんどないこと、さらに効果発現が速やかであることから、急性期の処置が必要な症例ではこちらのほうが選択されるケースが多いのではないだろうか。評者の周囲では、プラスグレルの場合もそちらを残すことを選択する臨床医が増えている印象がある。なお本稿は論文評であって総説ではないため解説できないが、なぜプラスグレルやチカグレロルがクロピドグレルに替わって標準治療薬とならなかったのかについての歴史的経緯は、若い方々には調べてみると参考になる点が多いと思うのでお勧めする。 気になった点をもうひとつ挙げると、著者ら自身がdiscussionの中で第3番目のlimitationとして認めているように、プロドラッグであるクロピドグレルでは肝臓における代謝は個人差が大きく、とくに東洋人でこの代謝酵素であるCYP2C19の欠損が報告されるケースが目立つことに関する議論である。この論文が韓国から発表されていることを考えると、著者らがこうした代謝の個人差の検討が行われていないことに対して、少し強いコメントをせざるを得ないことは理解できる。しかし、著者らが“The clinical significance of clopidogrel resistance is still under debate”と書き、さらにaspirin resistanceの問題を持ち出すなどの論述姿勢は適当だったのだろうか。また同国からクロピドグレルの効果についてAsian paradoxなる報告があるというが、これは定説といえるのだろうか。臨床研究において明らかになった事実を、自分たちはただ淡々と発表したのだと言えばよかったのではないだろうか。 評者はこの論文評欄において、一見当たり前であるように思われていることや類推が可能である事柄であっても、しっかり証明することの重要性を強調してきた。そういう意味でこの論文は評価されなければならないのは当然であるが、上記のように結果解釈の応用に限界がある点は指摘されなければならない。

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第59回 コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省

<先週の動き>1.コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省2.ワクチン予診で、初・再診療、外来診療料の算定不可/厚労省3.職域接種診療所、管理者は常勤医でなくとも開設可/厚労省4.次の感染拡大に向け、都道府県の新たな病床確保計画を公表/厚労省5.9月からレセプト審査でAI稼働、ローカルルール廃止へ/支払基金6.こども庁創設、オンライン診療の恒久化を明記/骨太の方針1.コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省厚生労働省は、特設サイト「新型コロナワクチンQ&A」で、新たな質問「Q.ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか」を更新した。回答の下に「市販されている解熱鎮痛薬の種類には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)などがあり、ワクチン接種後の発熱や痛みなどにご使用いただけます」と記載され、参考資料としてCDCのページが示されている。巷では、「ワクチン後の解熱鎮痛にNSAIDsは使えない」などと誤った認識が広まっている可能性があり、アセトアミノフェン単剤の市販薬が売り切れるなどの影響が出ているため、これを機に正確な情報発信に努めたい。(参考)ワクチン接種後に発熱や頭痛が…市販薬は飲んでいいの?<新型コロナ>(東京新聞)【新型コロナウイルス感染症】気になるワクチン接種後の発熱 解熱鎮痛剤の使用について(感染症・予防接種ナビ)ワクチン接種後に発熱…どうする? アセトアミノフェンが人気 市販薬“正しい使い方”〈宮城〉(仙台放送)2.ワクチン予診で、初・再診療、外来診療料の算定不可/厚労省新型コロナワクチン接種の予約に当たり、予診を事前に行ったとして診療報酬を請求する事例があったため、厚労省は17日に、「注射をする前の予診実施に対して初診料、再診料、外来診療料などの診療報酬を算定することは不可」とする通知を発出した。なお、接種後の救急対応を行ったなど、処置や検査、投薬などに対応する項目について、それぞれ算定要件を満たした場合には、その分の診療報酬を算定できる。(参考)ワクチン接種、病院で代金請求に疑問の声「無料のはず」でも再診料請求のなぜ?(京都新聞)コロナワクチン接種のための「予診」、初診料や再診料・外来診療料の算定は「不可」―厚労省(GemMed)3.職域接種診療所、管理者は常勤医でなくとも開設可/厚労省厚労省は、職場でのワクチン接種を推進するため、医療法上の臨時的な取り扱いをまとめ、14日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの迅速な接種のための体制確保に係る医療法上の臨時的な取扱いについて(その4)」を発出した。職域単位でのワクチン実施に当たっては、都道府県知事が、適正かつ安全なワクチン接種に係る医療を提供するための医療法に規定される義務を果たすことが可能か確認した上で、「職域接種診療所」の開設を許可する。また、管理者は必ずしも常勤医でなくても可能となっている。さらに厚労省は、来年2月までの特例措置として、接種会場での看護師不足に対して、看護師の人材派遣を解禁している。5月14日時点で、全国の自治体から5,095人の看護師を確保しており、ワクチン接種加速のためにさまざまな規制緩和がなされる。(参考)「職域でのコロナワクチン接種」促進に向け、診療所開設・変更など届け出を臨時特例的に柔軟化―厚労省(GemMed)特例解禁の看護師派遣、151自治体で計5095人確保(読売新聞)4.次の感染拡大に向け、都道府県の新たな病床確保計画を公表/厚労省17日、厚労省は、各都道府県が次の新型コロナウイルス感染拡大に備えて作成した「病床・宿泊療養施設確保計画」を発表した。今年1月第3波の患者数の2倍を上回る想定で、これまでより約4,800床多い3万5,000床を確保。また、看護師不足にも対応するために、広域派遣が可能な看護師73人を確保した。(参考)13.6万人の療養者想定 全国の病床確保計画―厚労省集計(時事ドットコム)コロナ病床、全国で4800積み上げ3万5千床を確保(朝日新聞)「第3波の2倍」想定 都道府県の新たな病床確保計画公表 厚労省(NHK)5.9月からレセプト審査でAI稼働、ローカルルール廃止へ/支払基金社会保険診療報酬支払基金による改革の一環で、今年9月審査分より、AI(人工知能)を用いた新しい審査システムが導入される。これにより、8割程度をAI、2割程度を人による審査に振り分け、2年以内にレセプト全体の9割程度をコンピューターチェックで完結することを目指す。また、9月の新システム稼働までに、支払基金の各支部にある独自のチェックルール(ローカルルール)が、原則すべて集約または廃止される。都道府県間における審査結果の不合理な差異の解消や、審査業務の効率化・高度化の推進を進める。(参考)支払基金、人による審査8割減目指し今年9月審査分からレセプト審査にAI導入(ワタキューメディカルニュース)資料 社会保険診療報酬支払基金の審査事務 集約化に向けた取組と今後の課題6.こども庁創設、オンライン診療の恒久化を明記/骨太の方針菅内閣は、18日に開催された臨時閣議において、「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)」を閣議決定した。感染症の克服と経済の好循環を目指し、希望する高齢者へのワクチン接種を今年7月末に完了し、希望する全対象者への接種を本年10~11月にかけて終えることを目指す。効果的な治療法、国産治療薬の研究開発・実用化の支援および国産ワクチンの研究開発体制・生産体制の強化を行い、感染症有事に備える取り組みとして、より実効性のある対策を講じることができるよう、法的な整備を行う。また、少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現のためにこども庁の創設や、行政手続のオンライン化によりデジタルガバメントの推進を図ること、さらにオンライン診療を幅広く活用するため、初診からの実施は原則かかりつけ医によるものと限定しつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で、具体案を検討することが打ち出されている。(参考)骨太方針、成長戦略、規制改革実施計画を閣議決定 ワクチン接種「10~11月完了」(NHK)「経済財政運営と改革の基本方針2021」(内閣府)

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事例028 介護職員等喀痰吸引等指示料の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説1日複数回の喀痰吸引を必要とする在宅患者に介護施設の職員が対応するため、定期的に「介護職員等喀痰吸引等指示書」(以下「指示書」)を発行していました。3月に介護施設の職員からの状況報告を受けて、前回発行の指示書の内容変更を必要としたため、患者家族の了解を得て指示書を交付し、「C007-2 介護職員等喀痰吸引等指示料」(以下「指示料」)を算定したところ、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)にて査定となりました。査定原因を調べるために点数表を確認すると、指示料の告示部分に「有効期間が6ヵ月以内の指示書を交付した場合に3月に1回算定する」とあります。算定担当者に話を聞くと、この告示をみて、前回算定月から翌々月であっても6月間に2回の算定が可能であると勘違いしており、次回は7月に指示料算定可能とメモを残して算定していました。ところが、診療録も見直したところ、前々回の指示料の算定月は昨年10月でした。算定月を含み3ヵ月経過後の今年1月に算定があるので、算定月を含み3ヵ月を経過した4月でないと算定ができないことがわかります。したがって、前段の勘違いもさることながら、3月の指示料の算定は告示の要件を満たさないとしてD事由が適用されたものと推定されます。定期的に指示書を交付している在宅患者を複数抱えているために、レセプト作成システム内における指示料の履歴管理を前々回まで参照して算定することを徹底し、レセプトチェックシステムで前回算定日から2ヵ月空いていないと警告が表示されるように登録し、今後の査定対策としました。

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COVID-19診断後、3割が半年以内に精神・神経症状発症

 COVID-19の神経学・精神医学的後遺症が報告されているが、英国・オックスフォード大学のMaxime Taquet氏ら研究グループが23万例超のCOVID-19患者のデータを分析したところ、診断後6ヵ月以内に約34%が虚血性脳卒中や不安障害、気分障害などを発症していたことがわかった。集中治療を要する重症例では、推定発生率は約47%にまで上昇していた。Lancet Psychiatry誌2021年5月号掲載の報告。 本研究は、米国の62医療機関の患者8,100万人の電子カルテから匿名データを収集するTriNetX電子健康記録ネットワークを使用し、2020年1月20日~12月13日の期間、COVID-19診断後6ヵ月間における14種の神経学・精神医学的症状の発生率を推定した(頭蓋内出血、虚血性脳卒中、パーキンソン病、ギランバレー症候群、神経・神経根・神経叢障害、神経筋接合部・筋疾患、脳炎、認知症、気分・不安・精神病性障害、精神病性障害、気分障害、不安障害、物質使用障害、不眠症)。対照群として、インフルエンザや呼吸器感染症の患者コホートを設定し、傾向スコアマッチングを用いて発症率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19と診断された23万6,379例のうち、6ヵ月間以内に神経学・精神医学的診断の推定発生率は33.62%(95%信頼区間[CI]:33.17~34.07)であり、12.84%(12.36~13.33)が初めての診断だった。・集中治療室に入院した患者の場合、診断の推定発生率は46.42%(95%CI:44.78~48.09)となり、初めての診断は25.7%(23.50~28.25)にのぼった。・診断カテゴリーのうち、推定発症率が高かったのは不安障害(17・39%、95%CI:17.04~17.74)、気分障害(13.66%、95%:13.35~13.99)、不眠症(5.42%、95%CI:5.20~5.64)など。・多くの診断カテゴリーにおいて、インフルエンザ患者よりもCOVID-19患者の発症率が高かった(HR:1.44、95%CI:1.40~1.47)。 著者らは、「神経・精神症状の後遺症リスクは、重症COVID-19患者で最も大きかったが、これらに限定されない。これらの知見を裏付け、説明するには、さらなる研究と発症メカニズムの特定が必要だ」と述べている。

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