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境界性パーソナリティ障害に対する心理療法~メタ解析

 境界性パーソナリティ障害(BPD)に対する心理療法の有効性は、最新のコクランレビューにより示唆されている。ドイツ・マインツ大学のJutta M. Stoffers-Winterling氏らは、単独および追加療法による心理療法の有効性をより簡潔に評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2022年1月28日号の報告。 成人サンプルに対する積極的な治療と非特異的な対照条件との比較に焦点を当て、2020年に実施されたコクランレビューと同様の方法で検討を行った。単独またはいくつかの治療コンポーネントの1つとして個別の心理療法を含む単独療法と既存のBPD治療を補完するために行った追加療法について、それぞれ分析した。主要アウトカムは、BPDの重症度、自傷行為、自殺関連アウトカム、心理社会的機能とした。副次的アウトカムは、その他のBPD診断基準、抑うつ症状、消耗(attrition)とした。 主な結果は以下のとおり。・ランダム化比較試験31件より、1,870例が抽出された。・単独療法の中で、統計学的に有意な効果が観察されたのは、以下のとおりであった。 【弁証法的行動療法(DBT)】(確実性:低)  ●自傷行為(標準化平均差[SMD]:-0.54、p=0.006)  ●心理社会的機能(SMD:-0.51、p=0.01) 【メンタライゼーションに基づく治療】(確実性:低)  ●自傷行為(リスク比:0.51、p<0.0007)  ●自殺関連アウトカム(リスク比:0.10、p<0.0001)・併用療法の中で、統計学的に有意な効果が観察されたのは、以下のとおりであった。 【DBTスキルトレーニング】(確実性:中)  ●BPDの重症度(SMD:-0.66、p=0.002)  ●心理社会的機能(SMD:-0.45、p=0.002) 【感情調節グループセラピー】(確実性:低)  ●BPDの重症度(平均差:-8.49、p<0.00001) 【マニュアルアシスト認知療法】(確実性:低)  ●自傷行為(平均差:-3.03、p=0.03)  ●自殺関連アウトカム(SMD:-0.96、p=0.005) 【STEPPS療法】(確実性:低)  ●BPDの重症度(SMD:-0.48、p=0.002)  著者らは「BPD患者に対する心理療法的介入は、有用であると結論付ける合理的なエビデンスが示唆された。調査結果の確実性を高めるためにも、今後の複製研究が求められる」としている。

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女性が輝く社会を目指す、PMSと片頭痛への対処法とは

 3月1日から8日までの「女性の健康」週間に先立ち、2022年2月24日、大塚製薬株式会社は女性の健康分野の疾患・健康啓発を目的としたオンラインメディアセミナーを開催した。セミナーでは西山 和枝氏(大塚製薬 女性の健康推進プロジェクト リーダー)、尾西 芳子氏(産婦人科医)、五十嵐 久佳氏(富士通クリニック 内科 頭痛外来)の3名が登壇し、月経前症候群(以下、PMS)および片頭痛をテーマに講演を行った。女性の健康に対する社会の責務 1人目の登壇者である西山氏は、「働く女性の健康意識調査について」と題した講演を行い、女性が抱える健康に関する悩みについて調査した結果を報告した。西山氏によると、働く女性の約半数はPMS症状および更年期症状を自覚しており、自覚がない人も含めると70~80%の女性に症状が現れているという。また、そうした症状によって昇進を諦めたり退職してしまったりする人も少なくない。一方で、PMS症状や更年期症状を会社内で相談できない場合も多く、PMS症状に対しては約60%、更年期症状に対しては約40%の女性が対策を企業に求めていることが明らかとなった。 こうした結果から西山氏は「企業は働く女性たちが抱える課題を把握して、個人の対処だけに任せず『企業ごと』と捉えて対策を投じることが重要である。」と訴えた。ヘルスリテラシーの向上がもたらすメリット 2人目の登壇者である尾西氏は、「女性のヘルスケアとPMS」と題して、PMSが女性の生活に与える影響とヘルスリテラシーの重要性について解説した。 PMSでは乳房の張りや頭痛といった身体症状や、抑うつやいらだちといった精神症状が現れるが、そうした症状が社会活動や学業、仕事に支障を来すかどうかが診断において重要となる。実際にPMS症状によって、家事や育児、仕事が手に付かなくなることに悩まされる女性も多いという。また、日本医療政策機構による2018年の調査では45%の女性がPMSや月経随伴症状によって元気な状態のときと比べて仕事のパフォーマンスが半分以下になると回答したという報告があるほか、月経随伴症状による社会経済的損失は年間で約6,800億円にも及ぶというデータもあり、PMSや月経随伴症状による労働損失は大きいとされている。そうした中、ヘルスリテラシーが向上することで、PMSや月経随伴症状、更年期症状が現れている際の仕事のパフォーマンスが改善することや、望んだ時期に妊娠ができた割合が高くなることが明らかになったという。ヘルスリテラシーを高めることで、女性自身のQOLの向上や人生計画の実現が可能となり、社会としても大きなメリットが見込まれると考えられる。 PMSへの対処法としては、まずPMSを認識して自身の体調変化に気づき、生活習慣を見直すことが有効である。食事については、カフェインや甘いもの、塩分、アルコールは避け、タンパク質の豊富な食品や低GI食品、カリウムなど利尿作用のある成分が含まれている食品を積極的に摂ることが勧められるという。尾西氏は、「自分の持っている特徴や病気を知ることでライフプランニングが可能になっていく。婦人科は女性の身近なライフプランニングのパートナーと考えてほしい。」と強調した。片頭痛を回避するためのポイントは? 3人目の登壇者である五十嵐氏は、女性と片頭痛の関係について講演を行った。 片頭痛の有病率は男性(3.6%)よりも女性(12.9%)のほうが高く、とくに20~40歳代の働き盛りの女性で高いことが知られる。女性の片頭痛では、月経に関連して痛みが起こることがあるという特徴がある。過去の報告では20~40歳代の女性の27%が月経時に頭痛を感じており、さらに月経に関連して頭痛が起こる場合は、その65%は片頭痛が原因であるという。月経に関連して重度の片頭痛が起こってしまうと、発作頓挫薬を使い過ぎてしまうことによる薬物乱用頭痛を引き起こし、治療抵抗性を示してQOLの低下に陥ってしまう恐れもある。そうした事態を回避するためには、まず頭痛の回数を減らすことを第一に考えることが必要であるという。片頭痛を減らすためには、患者自身が自分の頭痛の種類や片頭痛の誘発因子を理解し、頭痛がいつどのような状況で起こるのかを把握することが重要となる。 片頭痛が疑われる症状としては、片側が時々痛む、動くことで痛みが増して家事や仕事に支障を来す、吐き気がする、光や音を煩わしく感じるといったことがある。こうした片頭痛の特徴的な症状を患者自身が理解することが、その後の適切な治療につながる。また、頭痛に悩む際はすぐに頭痛専門医に相談することも適切な治療を受けるためには重要となる。五十嵐氏は講演の最後に「女性が輝く社会のためには、頭痛の的確な診断と適切な治療が必要である。」として、頭痛治療の重要性を強調した。

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オミクロン株BA.2、コロナ治療薬の有効性は?/NEJM

 現在、オミクロン株亜種BA.2は、デンマーク、インド、フィリピンなどの地域において、オミクロン株BA.1系統から置き換わり、主流になっている。近いうちに日本国内でもBA.1からBA.2に置き換わることが予想されている。国立感染症研究所の高下 恵美氏らの研究グループは、オミクロン株BA.2に対し、7種類の抗体薬と3種類の抗ウイルス薬について、in vitroでの有効性を検証した。本研究の結果は、NEJM誌オンライン版2022年3月9日号のCORRESPONDENCEに掲載。 研究対象となった薬剤は、FDA(米国食品医薬品局)で承認済み、日本で承認済みのものが含まれる。日本で承認済みの抗体薬は、イムデビマブとカシリビマブの併用(商品名:ロナプリーブ)、ソトロビマブ(商品名:ゼビュディ)、抗ウイルス薬は、レムデシビル(商品名:ベクルリー)、モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)、ニルマトレルビル(商品名:パキロビッドパック[リトナビルと併用])となる。 今回の試験では、7種類の抗体薬(etesevimab、bamlanivimab、イムデビマブ、カシリビマブ、tixagevimab、cilgavimab、ソトロビマブ)の単剤および併用について、オミクロン株BA.2の培養細胞における感染を阻害(中和活性)するかどうかを、FRNT50(ライブウイルス焦点減少中和アッセイで50%のウイルスを中和する血清希釈)を用いて評価した。また、3種類の抗ウイルス薬(レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル)について、IC50(50%阻害濃度)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・etesevimab、bamlanivimabの単剤使用では、最も高いFRNT50値(>5万ng/mL)でも、オミクロン株BA.2に対する中和活性は見られなかった。併用では、最も高いFRNT50値(>1万ng/mL)でも、中和活性は見られなかった。この結果は、オミクロン株BA.1とその亜種のBA.1.1に対しても同様だった。・イムデビマブの単剤使用では、BA.1とBA.1.1に対する中和活性は見られなかったが、BA.2に対して中和活性があることが確認された。・カシリビマブの単剤使用では、BA.2に対して中和活性があることが確認された。・イムデビマブとカシリビマブの併用では、BA.1とBA.1.1に対する中和活性は見られなかったが、BA.2に対して中和活性があることが確認された。ただし、初期のSARS-CoV-2や、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株より、FRNT50値が43.0~143.6倍高かった。・tixagevimab、cilgavimabの単剤使用では、BA.2に対して中和活性があることが確認された。・tixagevimabとcilgavimabの併用では、BA.2に対して中和活性があることが確認された。ただし、初期のSARS-CoV-2や、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株より、FRNT50値が1.4~8.1倍高かった。・ソトロビマブの前駆体では、BA.1とBA.1.1に対する中和活性は低く、BA.2に対する中和活性はそれ以下で、FRNT50値が12.2〜49.7倍高かった。・レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビルの各抗ウイルス薬では、BA.2に対し、初期のSARS-CoV-2やこれまでの変異株と同等の効果を示した。 研究チームは、本試験の結果から、抗体薬のうちイムデビマブとカシリビマブの併用、tixagevimabとcilgavimabの併用、ソトロビマブは、中和活性は認められるものの、初期の変異株よりも、オミクロン株BA.2に対する効果が劣っていると述べている。また、本試験で使用した抗ウイルス薬がBA.2に対して実際に有効かどうかは、臨床研究が必要であるとしている。

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高感度トロポニンI、心臓術後1日以内の測定値は閾値の200倍!?/NEJM

 心臓手術を受けた患者において、30日死亡率が高いことと関連する術後の高感度トロポニンIの閾値は、予後に重大な影響を及ぼす周術期の心筋損傷の同定のために推奨されている値(基準値上限[26ng/L]の>10~≧70倍)よりもはるかに高く、単独冠動脈バイパス術(CABG)または単独大動脈弁置換術・形成術(AVR)を受けた患者の術後1日以内の測定値は、この推奨閾値の200倍以上に達することが、カナダ・マクマスター大学のP.J. Devereaux氏らが実施した「VISION Cardiac Surgery試験」で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2022年3月3日号に掲載された。推奨閾値を検証する国際的な前向きコホート研究 本研究は、心臓手術後の30日死亡の予測における高感度トロポニンIの推奨閾値の検証を目的とする国際的な前向きコホート研究であり、2013年5月~2019年4月の期間に12ヵ国24病院で患者の募集が行われた(カナダ保健研究機構[CIHR]などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上の心臓手術(単独心膜開窓術、心膜切除術、ペースメーカー・除細動器の留置術を除く)を受けた患者であった。術前と、術後3~12時間および1、2、3日に、高感度トロポニンIの測定が行われた。患者、医療提供者、データ収集者には、高感度トロポニンI検査の結果は知らされなかった。 主要アウトカムは術後30日以内の死亡とされた。高感度トロポニンIの頂値と、欧州心臓手術リスク評価システムII(EuroSCORE II)のスコアで補正した30日死亡率との関連を評価する回帰スプラインを用いてCox解析が行われた。EuroSCORE IIは、心臓手術後の死亡リスクを年齢や性別などの18の変数に基づいて推定するものである。その他の心臓手術では、術後1日で基準値上限の499倍に 1万3,862例(北米35.9%、アジア28.3%、欧州26.2%、南米6.3%、オーストラリア3.3%)が解析に含まれた。平均年齢は63.3歳、70.9%が男性で、29.3%が心筋梗塞の既往歴を有していた。術前の高感度トロポニンI中央値は9ng/L(IQR:4~20)で、46.9%が単独CABG、12.5%が単独AVR、40.6%はその他の心臓手術(CABGまたはAVRと他の手技との併用など、他のすべての心臓手術)を受けていた。 高感度トロポニンIの推奨閾値(基準値上限[26ng/L]の>10倍[260ng/L]、≧35倍[910ng/L]、≧70倍[1,820ng/L])は、術後1日以内に、それぞれ97.5%、89.4%、74.7%の患者が上回った。術後30日以内に296例(2.1%)が死亡し、399例(2.9%)が主要血管の合併症を発現した。 単独CABGまたは単独AVRを受けた患者では、術後1日以内に測定された30日以内の死亡の補正後ハザード比>1.00に関連する高感度トロポニンIの最も低い閾値は5,670ng/L(95%信頼区間[CI]:1,045~8,260)であり、これは基準値上限の218倍であった。また、術後2日または3日目の同様の高感度トロポニンIの閾値は1,522ng/L(1,325~2,433)であり、これは基準値上限の59倍に相当した。 一方、その他の心臓手術を受けた患者では、術後1日以内に測定された30日以内の死亡の補正ハザード比>1.00に関連する高感度トロポニンIの最も低い閾値は1万2,981ng/L(95%CI:2,673~1万6,591)であり、基準値上限の499倍であった。また、術後2日または3日目の同様の高感度トロポニンIの閾値は2,503ng/L(95%CI:1,228~4,033)であり、基準値上限の96倍だった。 著者は、「今回の閾値の推定値は、95%CIの広さが示すように、かなりの不確実性の影響を受けており、虚血による心筋損傷(急性冠動脈血栓症など)と他の原因による心筋損傷(再灌流障害など)を区別できない。今後、心臓手術を受けた他の患者コホートにおいて、これらの知見の妥当性の検証が望まれる」としている。

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早期乳がん診断から10年以降の再発率とリスク因子

 早期乳がんの診断から10年以降に発生する晩期乳がん再発についてデンマーク・Aarhus UniversityのRikke Norgaard Pedersen氏らが追跡調査した結果、診断から32年後も再発例を認め、診断時にリンパ節転移4個以上、腫瘍径20mm超、エストロゲン受容体陽性の女性で晩期再発率が高いことが示された。Journal of the National Cancer Institute誌2022年3月号に掲載。早期乳がん診断から10年以降の再発率は16.6% 本研究では、Danish Breast Cancer Groupのデータベースにおいて1987~2004年に早期乳がんと診断されたすべての女性のうち、再発・2次がん発生がなく10年生存した女性(10年無病生存例)について、診断から10年以降、晩期再発、死亡、海外移住、2次がん発生まで、もしくは2018年12月31日まで追跡した。早期乳がんと診断された患者特性および腫瘍特性で層別し、晩期再発について1,000人年当たり発生率および累積発生率を算出した。また、Cox回帰を用い、競合リスクを考慮して晩期再発の調整ハザード比を算出した。 早期乳がん診断から10年以降を追跡した主な結果は以下のとおり。・早期乳がんと診断された3万6,924例のうち、10年無病生存例は2万315例だった。・そのうち2,595例は、最初の乳がん診断から10~32年後に再発し、発生率は1,000人年当たり15.53(95%CI:14.94~16.14)、累積発生率は16.6%(95%CI:15.8~17.5%)だった。・早期乳がんと診断された患者のうち、腫瘍径20mm超、リンパ節転移陽性、エストロゲン受容体陽性の女性では、累積発生率および晩期再発のハザードが高かった。

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第93回 新型コロナウイルスワクチン4回目接種も検討開始/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナウイルスワクチン4回目接種も検討開始/厚労省2.新規感染者数と病床使用率、まん防の解除条件見直しへ/内閣府3.手術後の3年生存率、がん拠点病院vs.それ以外の病院/大阪府4.がん拠点病院、敷地内における自由診療の免疫療法に批判5.全世代型社会保障構築会議で少子化対策の検討開始/内閣府1.新型コロナウイルスワクチン4回目接種も検討開始/厚労省後藤 茂之厚生労働相は11日の記者会見において、新型コロナウイルスワクチン接種の4回目の実施を検討していると明らかにした。海外ではすでにイスラエルやチリが4回目接種を開始しており、全国知事会からも、4回目について政府の考え方を早期に示し、ワクチンの確保を求める提言を出している。後藤厚労大臣は、「今の段階ではともかく、3回目のワクチン接種を希望する方が、1日でも早く接種が受けられるように全力で取り組んでいきたい」と強調した。(参考)新規感染者は減少傾向続く 政府は3回目接種を急ぎ、4回目も検討(東京新聞)ワクチン4回目接種 “科学的知見や諸外国の対応を注視”厚労相(NHK)抗体量は半年で減少、秋頃に4回目の接種必要…モデルナ日本法人社長(読売新聞)2.新規感染者数と病床使用率、まん防の解除条件見直しへ/内閣府内閣は11日に新型コロナウイルス感染症対策分科会を開催し、21日が期限の「まん延防止等重点措置」の解除の条件について、新たな行動制限緩和の検討を行った。これまでは、新規の感染者数が前週と比べて減少傾向にあることと、病床使用率が50%を下回ることの2つの基準を重視してきたが、これらを転換し、新規感染者数か病床使用率のいずれかが低下すれば解除可能とする方針を確認した。また、大規模イベントの人数制限についても緩和する方向で、今週正式に決定する見込み。(参考)“まん延防止”解除 条件緩和の新たな考え方を提示 政府分科会(NHK)まん延防止、病床5割超でも解除可=イベント制限緩和へ―政府(時事通信)3.手術後の3年生存率、がん拠点病院vs.それ以外の病院/大阪府大阪国際がんセンターのグループによる分析によって、大阪府や国が指定するがん拠点病院で手術を受けた患者とそれ以外の病院で手術を受けた患者の生存率に差があることが判明した。がん拠点病院とそれ以外の病院での治療成績について、2012年までの3年間に大阪府内でがん患者として手術を受けた15歳以上の患者8万6,000人余りの3年生存率を比較したところ、すべてのがんにおいて、国の拠点病院では86.6%、大阪府の拠点病院では84.2%、拠点病院以外の病院では78.8%と差があった。国は全国の医療圏ごとにがん診療の均てん化を進めてきたが、これらの結果から、従来のやり方での格差解消は難しいと考えられ、アクセスの良い都市部ではさらに拠点化・重点化によって地域格差の解消が求められる。(参考)がん手術後の生存率 大阪府内の拠点病院と拠点以外の病院で差(NHK)がん手術後の生存率で明暗 拠点病院を選ぶならセンターより大学が無難【Dr.中川 がんサバイバーの知恵】(日刊ゲンダイ)4.がん拠点病院、敷地内における自由診療の免疫療法に批判厚労省は3月にがん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会を開催した。拠点病院の指定をめぐって今回、金沢大学附属病院と同一敷地内の「医療法人社団金沢先進医学センター」が免疫療法を行っており、さらには金沢大病院に勤務する医師が兼業しているのが問題視された。保険適応外の免疫療法を提供する場合は、原則として臨床研究、先進医療の枠組みで行うことが求められているが、今回発覚した問題は営利目的で自由診療の免疫療法を実施していたとみられる。過去の事例として、埼玉県の民間病院は、ほかの要件はすべて満たしているにもかかわらず、効果が不確かかつ患者に莫大な負担が生じる「免疫細胞療法」を早期がん患者に提供していた問題があり、拠点病院の指定が見送られていた。(参考)金沢大病院の敷地内施設で行われる免疫療法に強い懸念―がん拠点病院指定検討会(Gem Med)同一医療圏で複数のがん拠点病院を指定する場合、明確な「相乗効果」が必要―がん拠点病院指定検討会(同)5.全世代型社会保障構築会議で少子化対策の検討開始/内閣府9日に第2回全世代型社会保障構築会議が開催され、今後さらに進む高齢化や人口減を踏まえて、医療・介護分野では、人材の確保と育成が課題であり、デジタル技術の活用、高齢人材の活用が話題となった。出席した委員からは、わが国には今後20年間の社会の担い手を確保する「少子化対応戦略」と、20年後以降の少子化に歯止めをかけるための「少子化克服戦略」の同時実施が求められていると指摘があり、地域医療構想の再構築による医療介護提供体制の見直しを進める。具体的には、医療に求められる機能が「治す医療」から「治し支える医療」へと変化していることを踏まえ、在宅医療の機能強化、病院の機能分化を求める意見が出された。(参考)全世代型社会保障構築へ議論開始、人への投資 社会保障制度改革は骨太方針と改革工程表で(CB news)全世代型社会保障、「人への投資」優先 子育て支援拡充など議論(日経新聞)

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医業承継における「お宝物件」の探し方【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第37回

第37回 医業承継における「お宝物件」の探し方漫画・イラスト:かたぎりもとこ「これから開業したい」という医師の多くが、「こんな診療をしたい」という視点から、開業物件や承継案件を探します。弊社にご相談いただく方の中にも、「二診体制を取りたいので、50坪以上で」といった希望を述べられる方が多くいます。そして、広さや立地の次に重視するのは「現在の患者数」と「直近の売り上げ」です。もちろん、現在の患者数が多く、売り上げが高い診療所が優良案件であることは間違いありませんが、そうしたところは当然ながら売値も高くなります。私たち仲介業者は「伸び代が大きい」「リスクを最小化できる」といった観点から「お宝物件」を探し、買い手の方に提案しています。「伸び代が大きい」とは、近隣に「強い競合相手」が存在せず、「人口に対する競合の数自体も少ない」案件です。現在の患者数が少なく売り上げが低いと、その物件自体に興味を失ってしまう方が多いのですが、よく見るとその背景に「院長が高齢で、午前しか診療していない」「予約制を取っており、初診を積極的に受けていない」などの理由がある場合があります。このような案件で「強い競合が不在」「競合の数自体も少ない」といったことがわかれば、次の経営者のやり方次第で大きく売り上げを伸ばせる可能性がある「伸び代が大きい=お宝物件」となるのです。もうひとつの観点である「リスクを最小化できる」には、「テナントが狭い(坪数が少ない)」物件が当てはまることが多いです。狭い物件は、あまり集患数を増やせないので売り上げもそこそこであるケースが多く、買い手はそれをネガティブに捉えがちですが、私たちの見方は異なります。狭い診療所はテナント代が安く、スタッフも少ないため、固定費を抑えられ、結果としてしっかり利益を出せていることが多いのです。医師は診察のプロであっても経営は初めて、という方が多いでしょう。リスクを最小限にしてスタートすれば、うまくいかなかった場合の軌道修正もしやすくなります。

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第47回 単相関係数の算出方法は?【統計のそこが知りたい!】

第47回 単相関係数の算出方法は?第46回で解説した単相関係数(Single correlation coefficient)。データからどの程度の相関があるのかを数値で表す方法を考えてみましょう。具体例として表1に10人の学生の身長と体重のデータを示します。たとえば身長と体重の平均を計算すると、それぞれ150cm、50kgです。相関図を描き、この中に身長の平均を横線で、体重の平均を縦線で描き加えたものが図になります。*点の分布は右肩上がりの直線的な傾向になります。平均線で分けられた4つの領域をそれぞれI~IVとします。変数xとyが無関係であるならば、点は4つの領域I~IVに均等にばらついて存在します。xとyの間に相関があり、xが増すとyも増加する傾向がある場合は、点は領域IとIIIに多く、IIとIVに少なくなります。逆にxが増すとyが減少する傾向がある場合は、IIとIVに多く、IとIIIに少なくなります。このケースでは、領域IとIIIに点が多く、IIとIVにそれぞれ1つずつしか点が存在しないので、身長と体重の間には相関関係が強いと推測することができます。データが平均より上か下か、あるいは右か左かは偏差でわかります。つまり、相関係数は偏差を用いて求めることができるのです。■単相関係数の計算方法では、実際に単相関係数を計算してみましょう。画像を拡大する【計算の手順】1)身長と体重のデータについて偏差(測定値から平均値を引いた値)を求めて、表の(3)、(4)列に記入する2)まず、(3)列に数値を平方し(5)列に記入する3)同様に、(4)列の数値を平方し(6)列に記入する4)(5)列の数値の合計を求める(これを身長yの偏差平方和といい「Syy」で表す)5)同様に、(6)列の数値の合計を求める(これを体重xの偏差平方和といい「Sxx」で表す6)(3)列と(4)列の数値を掛け算し、(7)列に記入する((7)列の数値の合計を積和といい「Sxy」で表す7)下記の式から単相関係数を求める(単相関係数は、「積和」を「xの偏差平方和とyの偏差平方和の積の平方根」で割ることで求めることができる)このようにして、単相関係数は0.916であることがわかります。■単相関係数の留意点図の相関図でIIとIVに位置するのはEとFの2人、IとIIIに位置するのは8人です。表1をみると、EとFの積和はマイナス、他の8人の積和はプラスです。積和の合計は、マイナスとプラスが混在し0に近いほど相関係数は小さくなります。なお、表3の「体重」の数字のようにデータの値がすべて同じ場合、単相関係数は求めることはできません。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決! 一問一答質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その1)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その2)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その3)

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事例045 大腸内視鏡検査でマグコロールの入力ミスで査定【斬らレセプト シーズン2】

解説大腸内視鏡検査前の腸管内容物の排出を目的に投与したクエン酸マグネシウム(商品名:マグコロール)がB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)にて査定となりました。内容をみて、「やってしまった!」という査定でした。この医療機関のマグコロール処方の流れは、院内システムの都合上、医師に院内頓服扱いで大腸内視鏡前処置のコメントを付けて入力していただき、薬剤部から患者に服用方法の説明をしてお渡しするとしています。今回も医師は手順通り1包を処方されていました。そして、会計上では医療費請求に正しく反映させなければならないため、頓服の欄から検査用の薬剤の欄に手動で入力修正を行う運用としていました。このときに担当者は、薬剤の規格欄に「50g1包」とあったため、単位数を「1g」と思い込み、入力欄に「50」を入力してしまったようです。入力修正は医療費請求において必須の手順のため、「1g」あたりの入力なのか「1本」や「1袋」の入力なのか、規格単位数の誤りに細心の注意をはらうように常々伝えています。逆に、点眼薬や注射薬など「mL」や「g」単位で入力しなければならないものを「本、筒」単位で入力すると大きな請求漏れにつながります。入力単位の誤りをシステムで判定させようとすると、膨大な数の登録が必要となります。年に1回もあってはならないことですが、費用対効果を考えた今後の対策として会計入力時の確認と、レセプト点検時の目視点検の強化、ならびに薬剤部における払出数とレセプト請求数の比較検証で乗り切ることとしました。

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高血圧:脳心血管疾患のリスク層別化に用いる予後影響因子【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q6

高血圧:脳心血管疾患のリスク層別化に用いる予後影響因子Q6高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)とJSH2019で、脳心血管疾患のリスク層別化に用いる予後影響因子に変更があった。JSH2019で示された予後影響因子に含まれないのは、下記危険因子のうちどれか。高齢(65歳以上)男性喫煙肥満(BMI≧25kg/m2) とくに内臓脂肪型肥満若年(50歳未満)発症の脳心血管疾患の家族歴脂質異常症糖尿病

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オミクロン株に対するブースター接種、高齢者での効果は?

 高齢はSARS-CoV-2感染において罹患率および死亡率の主要な危険因子である。そのため、高齢者にはCOVID-19ワクチンを優先して接種する戦略をとる国が多い。ワクチンのブースター接種によってオミクロン株の中和活性を引き出すことが示されているが、高齢者においてはどうか。高齢者へのブースター接種の即時および長期の効果を見た試験結果がThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2022年2月28日号のCORRESPONDENCEに掲載された。 ドイツ・ベルリンの開業医で募集された、年齢中央値82(範囲:76~96)歳の37例を対象に、SARS-CoV-2中和活性を縦断的に測定した。2021年1月15日に最初のワクチン接種が行われ、BNT162b2(ファイザー製)の2回目接種から10ヵ月後、ブースター接種から4.5ヵ月後までフォローアップされた。 2回目接種後から1ヵ月後(中央値26日、IQR:25~27)および5ヵ月後(中央値153日、151~154)のフォローアップ時に血清サンプルを採取し、50%阻害希釈(ID50)の幾何平均抗体価を求めた。 2回接種により、ほとんどの個体で検出可能なSARS-CoV-2の元となるWu01株およびデルタ中和活性が誘導された(Wu01株35/37例[95%]、デルタ株31/37例[84%])が、オミクロン株に対する活性は検出されないか、最小限だった。続く4ヵ月間でWu01株の中和抗体価は6分の1、デルタ株は7分の1になった。 全員が7ヵ月後(中央値209日[189~228])、ファイザー製ワクチンのブースター接種を受けた。・ブースター接種1ヵ月後(中央値23[21~29]日)の血清サンプルでは、Wu01株とデルタ株の中和抗体価は50倍以上増加し、オミクロン株も33/37例(89%)が強力な中和抗体を誘発した。・ブースター接種後3.5ヵ月(中央値106[86~125]日)で、中和抗体価はWu01株で2.7分の1、デルタ株で2.3分の1、オミクロン株で3分の1に低下した。一方で、Wu01株(36/37例[97%])、デルタ株(34例[92%])、オミクロン株(30例[81%])と、ほとんどが検出可能な中和抗体を維持していた。・ブースター接種後における中和抗体の推定半減期はWu01株で52日(95%CI:46~59)、デルタ株で64日(52~83)、オミクロン株で41日(34~52)だった。 著者らは「オミクロン株に特異的なワクチンがない場合、ブースター接種はワクチンの効果を回復するために重要であり、ブースター接種は高齢者の大部分において、オミクロン株に対する中和活性を効果的に引き出すことができた。本結果は、高齢者集団における今後のブースター接種の戦略の指針となるだろう」としている。

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日本人女性における生殖細胞系列バリアントと乳がんリスク(HERPACC研究)

 乳がんの約5~10%は遺伝性で、乳がんの易罹患性に関わる遺伝子における生殖細胞系列の病的バリアント(GPV)に起因する。関連研究の多くは欧米で行われており、日本人集団についての情報は少ない。またGPV評価において、環境因子とゲノムワイド関連研究(GWAS)で同定された一塩基多型(SNPs)による交絡を考慮した研究はない。愛知県がんセンターの春日井 由美子氏らは、9つの遺伝子におけるGPVと乳がんリスクとの関連を包括的に評価するためにケースコントロール研究を実施。Cancer Science誌オンライン版2月25日号に報告された。 本研究は2001年1月~2005年12月に愛知県がんセンターにおける病院疫学研究プログラム(HERPACC)の参加者(日本人女性)が対象。乳がん症例とその対照者(がんの既往なし)は、年齢(±5歳)と閉経状態で1:2の割合でマッチングされた。9つの遺伝子(ATM、BRCA1、BRCA2、CDH1、CHEK2、PALB2、PTEN、STK11、およびTP53)におけるGPVと乳がんリスクとの関連は、潜在的な交絡因子で調整したロジスティック回帰モデルを用いて、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)で評価された。 主な結果は以下のとおり。・乳がん症例629例、対照1,153例が評価対象とされた。・乳がん症例では計25例でGPVを保有していた(4.0%、95%CI:2.6~5.9)のに対し、対照では計4例がGPVを保有していた(0.4%、95%CI:0.1~0.9)。・乳がんに対するオッズ比は全GPVで12.2 (4.4~34.0、p=1.74E-06)、BRCA1/2では16.0 (4.2~60.9、p=5.03E-0.5)だった。・GPVを有する乳がん症例の割合は、40歳未満で6.7%と最も多く、9遺伝子にGPVがある症例は、GPVがない症例(中央値52歳)よりも若年(中央値48歳、p=3.60E-02)で診断されていた。・60歳未満の年齢層では、全GPVおよびBRCA1/2で乳がんリスクとの間に有意な関連が認められた。 研究者らは、環境因子やGWASで同定されたSNPsに関係なく、GPVと日本人女性の乳がんリスクとの関連が認められたとまとめている。

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治療抵抗性統合失調症の酸化ストレスバイオマーカー

 統合失調症は、世界で約2,000万人が罹患している精神疾患である。統合失調症の病態生理には、酸化ストレス(酸化促進作用と抗酸化作用の不均衡)などさまざまな因子が関与している。ブラジル・Faculdade de Medicina de Sao Jose do Rio PretoのPatrick Buosi氏らは、統合失調症患者の臨床情報、人口統計学的データ、ライフスタイルを用いて、酸化ストレスのバイオマーカーと薬物治療反応との関連を評価した。Trends in Psychiatry and Psychotherapy誌2021年10~12月号の報告。 治療反応性統合失調症患者26例、治療抵抗性統合失調症患者27例、健康対照者36例を対象に、末梢血サンプル、質問票を用いて臨床および人口統計学的データを収集した。分光光度法を用いて分析した酸化ストレスマーカーは、カタラーゼ(CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、総グルタチオン(GSH-t)、マロンジアルデヒド(MDA)、トロロックス等価抗酸化能(TEAC、p<0.05)であった。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、対照者と比較し、SOD(p<0.0001)レベルが低く、MDA(p<0.0001)、CAT(p=0.0191)レベルが高かった。・その他のマーカーについては、3群間で差は認められなかった(p>0.05)。 著者らは「統合失調症患者では、薬理学的治療反応とは無関係に、低SOD、高MDA、高CATレベルが認められた。喫煙は酸化ストレスと関連していることに加え、統合失調症では家族歴と関連していることが示唆された。このことは、統合失調症の遺伝的関連性を反映している可能性がある」としている。

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統合失調症の再発予防、薬剤30種に有効性の差はない!? /Lancet

 統合失調症の成人患者における抗精神病薬による維持療法では、再発予防に関して30種の薬剤の有効性に明確な差はなく、治療薬の選択は主に忍容性を考慮して行うべきであることが、ドイツ・ミュンヘン工科大学のJohannes Schneider-Thoma氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年2月26日号に掲載された。無作為化プラセボ対照比較試験のベイジアンネットワークメタ解析 研究グループは、統合失調症成人患者における抗精神病薬による維持療法の有効性と忍容性を評価する目的で、文献を系統的にレビューし、ネットワークメタ解析を行った(ドイツ教育科学研究技術省などの助成を受けた)。 Cochrane Schizophrenia Groupの専門登録(開設時~2020年4月27日)、PubMed(2020年4月1日~2021年1月15日)、関連のある系統的レビューで対象とされた試験リストの検索が、記述言語に制限を設けずに行われた。 対象は、抗精神病薬(単剤療法、経口薬または長時間作用型注射薬)またはプラセボの投与を受け、症状が安定した統合失調症または統合失調感情障害の成人患者を募集した無作為化対照比較試験(追跡期間12週以上)とされた。特定の併存疾患や治療抵抗性を有する参加者の試験は除外された。 主要アウトカムは再発した参加者数とされ、変量効果を用いてベイジアンネットワークメタ解析が行われた。忍容性アウトカムは薬剤によって明らかな差 系統的レビューには32種の抗精神病薬の127試験(1万8,152例)に関する501編の文献が、メタ解析には31種の抗精神病薬の115試験(1万7,594例)が含まれた。115試験の年齢中央値は40歳(IQR:38~43)、女性の割合の中央値は40%(IQR:30~50)、試験期間中央値は34週(IQR:24~52)で、99試験(86%)が二重盲検試験だった。主要アウトカムのネットワークメタ解析は、30種の抗精神病薬の100試験(1万6,812例)に関して実施された。 プラセボとの比較における抗精神病薬の再発のリスク比(RR)は、すべての薬剤で1.00未満であった。95%信用区間(CrI)は、cariprazine経口薬(RR:0.65、95%CrI:0.16~1.14)、ルラシドン経口薬(RR:0.63、95%CrI:0.25~1.02)、clopenthixol長時間作用型注射薬(RR:0.51、95%CrI:0.02~1.18)は「無効」の範囲内であったが、これら以外の薬剤の95%CrIは「無効」の範囲内ではなかった。 プラセボとの比較で再発のRRが最も小さいのは、zuclopenthixol長時間作用型注射薬(RR:0.07、95%CrI:0.00~0.34)であったが、これは2つの小規模試験(合計56例、イベント1件)に基づくもので不確実性が高かった。これを除くRRの範囲は、パリペリドン経口薬の0.20(95%CrI:0.05~0.41)からcariprazine経口薬の0.65(95%CrI:0.16~1.14)までであった。 全般に、抗精神病薬間の比較のほとんどでは差がない可能性があることから、再発予防に関して、特定の抗精神病薬の優越性の明確なエビデンスはないと考えられた。 症状全般、再入院、寛解、回復、生活の質、全体的な機能の結果は、主要アウトカムとほぼ同様であった。すなわち、ほとんどの抗精神病薬はプラセボに対し優越性を有し、薬剤間の差には明確なエビデンスはなかった。 忍容性のアウトカム(抗パーキンソン病薬の使用、遅発性ジスキネジア、QTc間隔延長、体重増加、血漿プロラクチン濃度上昇、鎮静)については、抗精神病薬間で明らかな差が認められた。 著者は、「治療薬の選択では、糖尿病患者では体重増加をもたらす抗精神病薬は避けるなど、個々の患者の必要や嗜好を考慮すべきである。また、急性期治療で重要な副作用が発現しなかった患者では、同じ薬剤の使用を続けるのが賢明かもしれない。この点は、維持療法は何年も継続しなければならない場合が多く、副作用が蓄積する可能性があるため、とくに重要である」としている。

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免疫不全者へのコロナワクチン、3回で抗体陽転率上昇か~メタ解析/BMJ

 免疫不全患者(血液がん、固形がん、免疫性炎症性疾患、臓器移植、HIV)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種による抗体陽転率が免疫正常者と比較して低いが、1回目に比べると2回目接種後に改善され、3回目の接種は有効である可能性があることが、シンガポール国立大学のAinsley Ryan Yan Bin Lee氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年3月2日号で報告された。82件の前向き観察研究のメタ解析 研究グループは、免疫不全患者と免疫正常者においてCOVID-19ワクチンの有効性を比較する目的で、文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 医学データベース(PubMed、Embase、Central Register of Controlled Trials、COVID-19 Open Research Dataset Challenge[CORD-19]、WHO COVID-19 databases)を用いて、2020年12月1日~2021年11月5日の期間に発表された試験が検索された。また、ClinicalTrials.govとWHO International Clinical Trials Registry Platformを検索して、2021年11月の時点で、これらのサイトに登録されているが未発表または進行中の試験が特定された。 対象は、免疫不全患者と免疫正常者でCOVID-19ワクチンの有効性を比較した前向き観察研究であった。 82件の研究がメタ解析に含まれた。このうち77件(94%)はmRNAワクチン(BNT162b2[Pfizer-BioNTech製]、mRNA-1273[Moderna製])、16件(20%)はウイルスベクターワクチン(AZD1222[Oxford-AstraZeneca製])、4件(5%)は不活化全粒子ワクチン(CoronaVac[Sinovac Biotech製])を使用していた。バイアスのリスクは、63件の研究が「低」、19件の研究は「中」であった。臓器移植患者は2回目接種後も陽転率が著しく低い ワクチン1回目接種後の抗体陽転のリスク比が最も低かったのは臓器移植患者(リスク比[RR]:0.06[95%信頼区間[CI]:0.04~0.09]、I2=0%、絶対リスク:0.06[95%CI:0.04~0.08]、I2=0%、エビデンスの確実性:中)であり、これは免疫正常者(対照)と比較して抗体陽転率が約16分の1であることを意味する。 次にリスク比が低かったのは血液がん患者(RR:0.40[95%CI:0.32~0.50]I2=80%、絶対リスク:0.29[95%CI:0.20~0.40]、I2=89%、エビデンスの確実性:中)であり、次いで免疫性炎症性疾患患者(0.53[0.39~0.71]、I2=89%、0.29[0.11~0.58]、I2=97%、中)、固形がん患者(0.55[0.46~0.65]、I2=78%、0.44[0.36~0.53]、I2=84%、中)の順であった。また、HIV患者の抗体陽転率を報告した研究が1件あり、免疫正常者と比較して差は認められなかった(1.06[0.74~1.54]、低)。 一方、2回目接種後の抗体陽転率は、依然として臓器移植患者(リスク比:0.39[95%CI:0.32~0.46]、I2=92%、絶対リスク:0.35[95%CI:0.26~0.46]、I2=92%、エビデンスの確実性:中)で最も低く、免疫正常者の約3分の1にすぎなかったが、1回目接種後に比べると高かった。 次いで、1回目接種後と同様に、抗体陽転率は血液がん患者(リスク比:0.63[95%CI:0.57~0.69]、I2=88%、絶対リスク:0.62[95%CI:0.54~0.70]、I2=90%、エビデンスの確実性:低)、免疫性炎症性疾患患者(0.75[0.69~0.82]、I2=92%、0.77[0.66~0.85]、I2=93%、低)、固形がん患者(0.90[0.88~0.93]、I2=51%、0.89[0.86~0.91]、I2=49%、低)の順に高くなり、いずれも1回目接種後よりも改善されていた。HIV患者の抗体陽転率は免疫正常者と同程度だった(1.00[0.98~1.01]、I2=0%、0.97[0.83~1.00]、I2=89%、低)。 11件の研究の系統的レビューでは、mRNAワクチンの3回目の接種によって、固形がん、血液がん、免疫性炎症性疾患の患者のうち2回のワクチン接種に応答しなかった患者において抗体陽転率が改善されたが、臓器移植患者では大きなばらつきがみられ、HIV患者やmRNAワクチン以外のワクチンを接種した患者の研究は十分ではなかった。また、免疫不全患者は免疫正常者に比べ抗体価が低かった。 著者は、「免疫不全患者は免疫正常者に比べ、全般に低い抗体価で抗体陽転が起きており、抗体保有の適切性に関して懸念が高まる。このような患者の抗体保有を向上させるには、従来のmRNAワクチン2回接種レジメンに、3回目の接種を加えるなど、新たな方策が必要となるだろう」としている。

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学問的に新しい知見はあるのか?(解説:野間重孝氏)

 WellsスコアはWells PSにより2007年にまとめられた深部静脈血栓症のスクリーニングスコアで(Wells PS, et al. JAMA. 2006;295:199-207.)、これと血中D-ダイマー値を組み合わせることにより相当程度確実に深部静脈血栓症のスクリーニングを行うことができる。この有用性は2014年にオランダのGreersing GJらのメタ解析により確かめられた。これは以前ジャーナル四天王でも取り上げられたので、ご覧になった方も多いのではないかと思う(「深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ」)。少し注意を要するとするのは、Wellsスコアの項目については施設により一部改変されている場合があること、判定法には2段階法と3段階法があることであるが、本論文ではWellsスコア原法の3段階解釈+D-ダイマー値という最もオーソドックスな方法を採用している。今回の研究は、その方法により安全に深部静脈血栓症のスクリーニングが可能であること、かつそれにより下肢静脈エコー検査の施行率を47%減らすことができることを前向き試験で示したものである。 下肢静脈血栓症の頻度はアジアでは、台湾で行われた調査で人口10万人当たり16.5人であったのに対し、欧米では多くの地域で100人を超え、200人に迫る地域も珍しくない。わが国の発生頻度については正確な数字が提出されていないが、担がん患者や寝たきり老人、長期臥床者、ある種の術後患者などを除く、危険因子を持たない者での発生ということになると、いわゆるエコノミー症候群が問題にされる程度でしかない。わが国ではWellsスコアといってもあまり利用したことがない医師が多いのではないかと思われるが、これだけ発生頻度が異なれば、それは当たり前といえるかもしれない。本論文では入院患者、抗凝固療法中の患者、妊婦、肺塞栓症疑いの患者が除外されていることを限界としているが、深部静脈血栓症のスクリーニング法研究でこうした危険因子・修飾因子を持った患者を除外するのは当然だと考えられる。ここで妊婦が問題にされていることを意外に思われた方もいらっしゃると思うが、欧米では妊婦の死因の第1位が肺塞栓症なのである。これに対して、わが国では命に関わらない程度のものまで含めても、塞栓症は1,000例に1例程度の頻度にとどまっている。 同時に、わが国と欧米における臨床検査に対する考え方の違いやその理由も考えられなければならないだろう。わが国ではスクリーニングの段階でスコアリングを用いている医師そのものが少ないのではないかと思うが、それとは別に、多くの現場医師たちは下肢静脈エコーの簡易チェックや、場合によって(造影まで含めて)CT検査などを行うことをためらわないのではないかと思う。これは医療に対する考え方、疾病の頻度によるものだろうが、医師が自分の身を守るという側面もあることは忘れられてはならない。そう考えれば発生頻度の高い欧米において、有名誌にこうした論文が掲載されることは、現場の医師たちを守る意味も持っているとも考えられよう。ただし、こうした際に必ず付け加えているのだが、現場の医師たちの行動パターンの決定因子として医療保険制度の問題を無視することができない。わが国のように医療保険制度の充実した国においてはある程度over-examinationになったとしても、経済的に許容されるのに対し、そうでない国では時として社会的指弾の対象になりかねないからである。 この研究はあらためてWellsスコア+血中D-ダイマー値の組み合わせによるスクリーニングの確実性・安全性を示したものではあるが、上述したGreersing GJらのメタ解に、とくに新しい知見を加えたものとは思われない。確かに大規模な前向き研究をすることには常に一定の意義があるが、すでにある程度の確度をもって結論の出ている問題について実施することの意義はどれだけあるのだろうか。この研究が積極的に付け加えた知見は、47%の下肢静脈エコー検査を安全に省略できるという一点だったといえる。多忙をきわめる医療現場において診察効率、経済効率が上がることは重要なことではあるが、(上述した議論とはやや矛盾するが)こうした有名誌に掲載されるだけの価値のある研究であるかには疑問がある。 このところの傾向として、純粋学問的に新しい知見を付け加えるというよりも、診断効率や経済効率を主題にした論文が有名誌に採用されるケースが目立つ。評者などはこうした傾向に首をかしげるものなのであるが、これは決して以前基礎研究者であった者の偏見というわけではないと思うのだが、いかがだろうか。

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Letterを書いて医学論文トレーニング【Dr.倉原の“俺の本棚”】第52回

【第52回】Letterを書いて医学論文トレーニング読者の皆さんはご存じと思いますが、「Letter」って手紙じゃないです。医学雑誌によってはLetter to the editorやCorrespondenceなどというコーナーになっている、あのLetterです。『医学論文の読み方2.0 論文を批判的に吟味し臨床適用するためのLetterの書き方』片岡 裕貴, 稲垣 雄士, 辻本 康/編著. 中外医学社. 2022年1月発売Letterは、掲載された論文に対するコメントや意見、また原著論文にするほどではないが小規模な研究記述を行う場合に投稿されます。私は平均して年1つくらいしか論文を書いていないのですが、Letterを実は一度も投稿したことがありません。医学論文書きまくっている医師でも、結構そういう人って多いんじゃないでしょうか?私が医学論文を読むとき、ダーっと読んで感想を書いて、それを自分用メモとして保存して、後からこういう研究があったなーという引き出しにしているくらいです。この本の恐ろしいところは、その過程をLetterという形(業績)にしてしまうというトレーニング法を勧めている点です。批判的に吟味して感想を持ったなら、Letterにすればよくね? ということです。すべてがLetterに特化した本ではなく、医学論文を読むスタンスを身に付ける上で重要なことはほとんど網羅されています。「医学論文の読み方」をただ学ぶのではなく「Letterを書きながら医学論文の読み方を勉強しましょう」という付録付き医学書と思ってもらえるとよいでしょう。注意点としては、決して初学者向けではないところです。「医学論文は全然読めないッス」という研修医にはハードルが高い本かもしれません。しかし、Case Reportを2~3本書いたあたりの若手医師には、ハートに突き刺さる本になるはずです。私たち医師は、どこかで科学という世界にザブンと飛び込まないといけません。飛び込み方は、ただROM(read-only member)って足湯するだけでも構わないのですが、せっかくなら遠泳合宿できるくらい参加型でいきましょうというのがこの本の趣旨です。何より、Letterの書き方って今まで参考書がなかったですから、そういう意味でも類を見ない本となっています。『医学論文の読み方2.0 論文を批判的に吟味し臨床適用するためのLetterの書き方』編著者片岡 裕貴, 稲垣 雄士, 辻本 康出版社名中外医学社定価4,840円(税込)サイズA5判刊行年2022年

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第99回 厚労省のワクチン情報と併せて読みたい、お奨め情報源は?

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の5~11歳の小児に対するワクチン接種が各地でスタートした。ご存じのようにこの年代の小児を対象とした新型コロナワクチン接種に関しては、現時点ではオミクロン株への効果に関するデータが不十分なことなどを理由に、予防接種法に基づく接種の「努力義務」は課せられていない。一方、今回の5~11歳の小児に対する接種開始とともに、SNS上ではワクチンに否定的な人たちの活動が活発化している。そんな最中、Twitterではある動画が話題になっている。一見すると店員と見間違うような服装をした女性が、とあるフードコートで新型コロナワクチンの危険性を訴えるビラを配布していた様子を撮影した動画だ。この件はすでに一部インターネットメディアでも報じられている。街角でビラを配られるのとは違い、店員を装えば店にいるお客さんも警戒心が薄れ、何の気なしに受け取るだろう。当事者たちが否定したとしても「錯覚商法」のような悪質さが漂う。また、一部の医療機関には、やはり小児への接種を行わないよう求めるビラが郵送されているとも聞く。かく言う私は小児接種に関してある週刊誌のコメント取材を受け、小児でも接種を推奨する向きのコメントをしたが、その記事がネット上で公開されると、Twitter上でわざわざ記事を引用しながら、こちらのアカウントに嫌味を飛ばしてくるツイートを数件ほど経験している。ちなみに私のコメントの趣旨は、(1)基礎疾患を有する/同居家族に基礎疾患を有する人がいる小児の接種は待ったなし、(2)この年代は他人との触れ合いが教育の大きな目的の一つであり、この点はリモートでは代用不可能、(3)幼稚園・保育園、小学校でクラスターによる休園・休校が相次いでいるが、成人でオミクロン株の感染・発症予防効果も一定程度認められているワクチンの接種は休園・休校のリスク低減のためには無駄ではない、などである。冒頭に紹介したように一部の行き過ぎた抗議活動がある現状とTwitter上で私をわざわざ探し出してメンションを飛ばしてくるような人の存在を考えれば、編集部のほうに直接抗議があってもおかしくはないだろう(こういう場合、編集者はこちらを気遣って実際に抗議があっても一切知らせないことが多い)。一方で対象の子供を持つ知人たちからは接種を考えるうえで私のコメントが参考になったという声をもらった。その中には子供に接種させるという人もいれば、それでもまだ見合わせたいという人もいる。大人で接種直後の発熱経験者が多く、それこそ副反応報告大会よろしく自身の体温計画像を付けた投稿がSNS上に散見されるような状況に加え、未成年では感染時も無症状・軽症で治癒する確率が成人と比べて高いことなど、子供への接種についてはいろいろ考えるところもあるだろう。そんな中に「厚生労働省のホームページの記述が分かりにくくて」という意見を耳にした。たまたま小児向けに厚生労働省がどのような情報を発信しているかは未確認だったため、覗いてみたが…一瞬にして「これはダメだ」と思ってしまった。まず、厚生労働省の新型コロナワクチンのページに行くと、3回目の追加接種、一般的な有効性・安全性、小児接種の項目に飛ぶ部分がほぼ似たようなデザインで並列となっている。民間ならばこうした時に、それぞれのシーンをイメージさせるような柔らかいイラストのアイコンなどを設置するだろう。この点の違いだけで先のページに進む人の数が変わってくることもしばしばだ。そしてこの厚労省設置の小児接種のタブをクリックして先に進むと、冒頭ページは接種の基本情報や手順を解説している。この点は中央官庁としては当然のことだろう。しかし、問題はここからだ。子供の接種に迷う親が一番気にするのは当然ながらワクチンの有効性と安全性、とりわけ後者である。ところがこれらの情報に飛ぶ部分が無機質に並べられているだけで、分かりにくく、さらに飛んだ先でも情報を無機質に羅列している。たとえば、副反応については発生頻度ごとに表にまとめている。これはこれで良いのだが、ある程度噛み砕いた解釈を文字で付記する必要がある。これまで大人の接種で多くの人が苦しんだ副反応は発熱である。この点で言うと小児の臨床試験で確認された発熱頻度は10%未満で大人と比べればかなり少ない。これは成人向けと比べて接種量が3分に1になっていることが影響していると思われる。にもかかわらず、そうした解説がまるでない。行政的には中立的に表記をしなければならないのかもしれないが、発熱頻度が成人と比べてかなり低いのは事実であり、その点は付記しても問題はないはずだ。そしてこの事実を知るだけでも安心する親は少なくないだろう。また、そもそも使用している用語が硬すぎる。たとえばQ&Aの「小児(5~11歳)の接種では、どのような効果がありますか。」では、「中和抗体価」「抗体応答率」「非劣性」など一般人には馴染みのない用語がポンポン飛び出す。後二者については直後のカッコ内で補足しているが、むしろ一般向けではこのカッコ内の解説文章を主文にし、中和抗体価などのなじみのない用語をカッコの中に入れるか、あるいは使わないという選択肢のほうが無難だ。官僚や医療従事者が思っている以上に一般人は見慣れない文字の並びには拒否反応を示すからだ。こうしたすべての点で優れているのが、最近有名になっている若手医師有志が作成した新型コロナワクチン情報サイト「こびナビ」である。今このサイトに飛べば分かるが、すでに冒頭から小児接種の解説ページに飛べるようにアイコンが設置されている。その中では前述の発熱の副反応頻度についても、わざわざ「大人の半分以下」と解釈がつけられている。実際、このサイトの取り組みは、厚生労働省が医療機関へのかかり方の改善につながる優れた取り組みを奨励し広く普及することを目的に開催している第3回「上手な医療のかかり方アワード」の最優秀賞をこの度受賞している。私自身このサイトは当初から非常に興味深く閲覧してきたし、「こびナビ」のメンバーとなっている医師たちがSNS上で行っている積極的な情報発信にも注目してきた。ただ、その反面こびナビに参加している医師たちは、今回の新型コロナワクチンを快く思わない多数の個人からの支離滅裂な言説やいわれのない誹謗中傷を投げつけられ、それに個人レベルで必死に対応している様子も私は目にしている。だからこそ厚生労働省が彼らのこうした取り組みを表彰したことは非常に望ましいことだと思う。一方で彼らこびナビの医師たちは、誤解に基づくとはいえ本来厚労省に投げつけられるはずの石を代わりに投げつけられ苦闘している。懸賞も結構だが、こびナビのような発信手法をもう少し自身の情報発信にも生かしてはどうだろうかと思わずにいられない。

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EGFR変異肺がん外科切除例の予後と特徴【肺がんインタビュー】 第76回

第76回 EGFR変異肺がん外科切除例の予後と特徴出演:近畿大学医学部 外科学 呼吸器外科部門 須田 健一氏非小細胞肺がん(NSCLC)周術期の分子標的療法についての議論が進んでいる。そのような中、5,000例を超えるわが国の肺がん切除例について、EGFR変異の意義を検討したデータがThe Annals of Thoracic Surgery誌で発表された。EGFR変異や変異サブタイプの予後因子としての意義、再発パターンや今後の展望について、筆頭著者の近畿大学医学部の須田健一氏に解説いただいた。参考Suda K,et al. Clinical Impacts of EGFR Mutation Status: Analysis of 5780 Surgically Resected Lung Cancer Cases. Ann Thorac Surg.2021;111:269-276.EGFR変異肺がん外科切除例の特徴と予後~肺登録合同委員会からの考察/日本肺学会2021

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長時間作用型抗精神病薬の使用に対する障壁

 統合失調症は、日常機能やQOLを低下させる思考、知覚、行動の障害を伴う慢性的で重篤な精神疾患である。抗精神病薬の長時間作用型注射剤(LAI)は、経口剤よりも長期的アウトカムを改善する可能性があるが、多くの場合、LAI抗精神病薬は疾患経過の後半で最後の治療選択として用いられている。米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、統合失調症の現在の治療パターン、臨床医の考え、LAI抗精神病薬使用に対する障壁を評価し、精神科医の統合失調症のマネジメントにおける満たされていない教育ニーズを特定しようと試みた。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2022年1月26日号の報告。 米国の統合失調症患者のマネジメントを行っている臨床医2,330人を対象に電子メール調査を実施し、調査を完了した379人のデータを分析した。調査には、7つの決断ポイントを有する症例ベースの報告5症例が含まれた。データの分析には、定性および定量的な方法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・臨床医は、どのタイミングで治療を開始するかを決定することに対し最も自信があり、LAI抗精神病薬への移行や実施に対し最も自信がなかった。・臨床医は、LAI抗精神病薬に適している患者像として、アドヒアランス不良例、毎日の服薬や頻繁な治療に煩わしさを感じている患者を挙げていた。・統合失調症患者の最適なマネジメントにおいて、最も重要なポイントは、患者のアドヒアランスと考えていた。・臨床医の再発に対する認識は、LAI抗精神病薬の使用について患者と話し合う、推奨することを検討する強力な因子であった。 著者らは「現在の治療が良好な場合、臨床医は患者にLAI抗精神病薬への切り替えを推奨することを躊躇する可能性が示唆された。LAI抗精神病薬による治療でベネフィットがもたらされる可能性のある統合失調症患者のケアを行っている臨床医の自信、知識、能力を向上させることを目的とした今後の研究や継続的な教育に、これらの結果は役立つであろう」としている。

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