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小児期および青年期におけるオミクロン株に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2ワクチン)の予防効果(解説:寺田教彦氏)

 本研究は、小児におけるファイザー製ワクチン(BNT162b2ワクチン)のオミクロン株に対する有効性を評価した論文である。 まず、本邦と海外での現況を確認する。本邦における5~11歳の新型コロナウイルスワクチン接種は、2022年(令和4年)1月21日より薬事承認されている。これは、オミクロン株が流行する前のデルタ株でのデータで、5~11歳でも、16~25歳と同程度に抗体価が上昇し、有効性が評価できたことを根拠としている。ただし、小児におけるオミクロン株の感染状況が確定的ではなかったことと、オミクロン株の小児における発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスも十分ではなかったため、小児については努力義務の規定は適用せず、今後の最新の科学的知見を踏まえて引き続き議論することが適当とされていた。また、本コメント執筆時点での海外情勢としては米国やカナダ、フランスでは小児に対して接種を推奨、英国やドイツは重症化リスクが高い小児や重症化リスクのある者と同居や接触がある場合などで接種を推奨している。 今回の研究結果では、5~11歳に対するワクチン接種で、オミクロン株関連入院のリスクを68%低下させることが証明された。これは、過去に報告されたデルタ株関連の入院リスクを低減させる効果よりは低いが、引き続き重症化リスクのある小児へのワクチン接種を推奨する根拠になると考えられる。 また、新型コロナワクチンは時間経過に伴う予防効果の軽減が懸念されている。本研究では、12~18歳の青年期について、デルタ期とオミクロン期でワクチン接種からの時間経過に伴う有効性の違いも分析されている。12~18歳の青年に対するデルタ株流行期間中のCovid-19関連入院に対するワクチンの効果は、ワクチン2回接種完了後2~22週で93%(95%CI:89~95)、23~44週で92%(95%CI:80~97)だった。オミクロン株流行期間中は、ワクチン2回接種完了後2~22週で43%(95%CI:-1~68)、23~44週で38%(95%CI:-3~62)だった。このデータから、本論文ではオミクロン株流行期におけるワクチン接種による予防効果の低下は、ワクチン接種後の時間経過による効果軽減よりも、流行株の変化に伴うワクチン効果の軽減が大きいと考えられると指摘している。 前述のデータを参考にすると、12~18歳のオミクロン株に対する効果が落ちていることが懸念されたが、それでも重篤なCovid-19関連の入院を防ぐことは本論文からも読み取られた。サブグループ解析で、オミクロン期間中の入院に対する予防効果が、非重篤なCovid-19に対しては20%(95%CI:-25~49)であったが、重篤なCovid-19に対しては79%(95%CI:51~91)であり、オミクロン株流行時期の青年期であっても重篤な入院を予防するためには適切なワクチン接種が望ましいと考えられる。 また、本論文のlimitationsにも記載があるが、5~11歳についてはワクチン接種後の追跡期間が限られており、時間経過による予防効果の変化はデータが収集できていない。本コメント執筆時点では、小児におけるファイザー製ワクチン(BNT162b2ワクチン)の5~11歳に対する接種量は成人よりも少ないため、時間経過に伴う感染予防効果軽減が起こることが懸念されている。小児についてはブースター接種時期のみならず、適切な1回当たりのワクチン接種量を勘案するためにもこれらのデータは今後確認する必要があるだろう。 さて、ワクチン接種の推奨については、ワクチンによる予防効果のみではなく、副反応やCovid-19流行に伴う小児に与える行動制限の影響についても考える必要がある。副反応は、本論文に記載はないが、CDCの報告やNEJM誌に掲載されたデータを参考にすることができ、現時点での厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の資料では許容できないリスクを示唆する情報はないとしている。また、本邦の報告でも、厚生労働省によるワクチン接種後の副反応疑い報告で、3月20日までに推定で21万5,000回余りの接種で16件。症状が重いと判断されたのは心筋炎・心膜炎などが疑われた2例とのことだった。この2例も、その後軽快しており、厚生労働省は副反応の頻度について、「12歳以上と比較して低い傾向にある」としたうえで、「重大な懸念は認められない」としている。 小児のワクチン接種が成人ほど急がれなかった理由の1つに、Covid-19流行当初は小児におけるCovid-19罹患率や、重症化リスクが低いことがあった。しかし、今後の流行株によっては小児の重症化リスク増大や、小児多系統炎症性症候群(MIS-C:multisystem inflammatory syndrome in children)症例の増加、安全な集団生活の確保困難等が起こり、さらにワクチン接種の推奨度が増すことも考えられる。

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事例048 内視鏡前検査と同時に行った心電図検査の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説本事例は「会社の健康診断で胃のポリープ様の影を指摘された」と来院された患者です。食事をされていたため数日後に内視鏡検査下の生検を行うことで承諾を得て、内視鏡前検査として、感染症検査セットと心電図を実施したところ、心電図が不適当としてD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)で査定となりました。診療録には、患者からの軽い不整脈があるとの訴えを受けて、内視鏡下の生検前に心電図をオーダーしたことが記載されていました。会計担当者は、内視鏡前検査には心電図が含まれないことを承知していましたが、この記載をみて、「生検が予定されるから観血的検査前検査に含まれる心電図検査を行った」と判断して入力していました。本来ならば、内視鏡前検査とは別に心電図検査を単独で算定して、病名依頼をすべきところでした。今一度、検査前検査には、血管カテーテル検査などのように皮膚切開が伴う観血的検査前検査のセットと、内視鏡のように皮膚切開を伴わないが体液に触れることによる感染を防ぐための内視鏡前検査のセットがあることを伝え、レセプトチェックシステムには検査内容と検査前検査の関係を登録して査定対策としました。

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その2【「実践的」臨床研究入門】第19回

前回、学術誌の影響力の指標としてインパクトファクター(Impact factor: IF)やCiteScore、JCR Quartileを紹介し、その解釈の注意点についても解説しました。結構、勘違いされている方も多いので、もう一度記しますが、学術誌の影響力 ≠ 個別の論文や論文著者の影響力や評価です。今回は、個別の論文の影響力の指標について解説します。論文の影響力の指標個別の論文自体の影響力の指標は、学術誌のそれと同じく被引用回数で示されます。前回と同様に、われわれのリサーチ・クエスチョン(RQ)の「Key論文」のひとつであるコクラン・フル・レビュー論文1)の最新版をPubMedで検索してみましょう(連載第18回参照)。すると、リンクのように被引用回数はAbstractの下をスクロールすると、“Cited by”という小見出しの横に示されています。連載第19回執筆時点(2022年4月)では、MEDLINE(PubMed)収載学術誌に掲載された38論文で引用されたことがわかります。このコクラン・フル・レビュー論文1)を引用した論文のリストとそのリンクも“Cited by”以下に列記されています。被引用回数はその論文の出版年や研究分野、論文タイプなどによって影響されます。被引用回数は経年的に蓄積されるので、出版年が古いほど増える可能性があります。学術誌や研究者の多いメジャーな研究分野の論文も、より多く引用される傾向があります。論文タイプ別にみると、原著論文よりレビュー(総説論文)のほうが平均引用回数が多いことが、ScopusやWeb of Scienceなどの検索データベース(連載第17回参照)の解析結果から示されています。そこで、Scopusでは被引用回数の絶対値とは別に、個別の論文の影響力の指標として、Field-Weighted Citation Index(FWCI)や被引用ベンチマークが提案されています。FWCIは、当該論文の被引用数と類似の論文の平均被引用数との比で表される指標で、出版年、研究分野、論文タイプを考慮し補正して計算されています。FWCIの値が1以上の論文は、類似論文の平均よりも多く引用されていることを示します。被引用ベンチマークも、やはり出版年、研究分野、論文タイプを加味した類似論文グループにおけるランキングを表しています。実際に上記のコクラン・フル・レビュー論文1)を例にして、この論文のFWCIと被引用ベンチマークをScopusで調べてみましょう。Scopusは有料機関契約で使用できる検索データベースですが、大学病院などの研究教育施設では導入しているところも多いと思います。ScopusでもPubMedと同様に論文タイトルやDOIを用いて個別の論文を検索することができます(連載第18回参照)。すると、当該論文1)のFWCIは3.37と表示され、類似論文と比較して平均より多く引用されていることがわかります。また、この論文の被引用ベンチマークは94パーセンタイルであり、上述した類似論文グループで上位6%に位置するということになります。関連研究レビューの際に、当該論文の(総)被引用数の絶対値だけでなく、今回解説したFWCIや被引用ベンチマークも、その論文の影響力や信頼性、妥当性の評価指標として参考にされると良いかと思います。1)Hahn D et al. Cochrane Database Syst Rev 2020:CD001892.doi: 10.1002/14651858.CD001892.pub4.

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軽い飲酒でもCVDリスク上昇、英国37万人の遺伝疫学研究

 これまで報告された適度な飲酒の有益性は、ほかの健康的なライフスタイル因子による影響かもしれない。米国のMIT・ハーバード大学ブロード研究所のKiran J. Biddinger氏らは、UK Biobankの参加者37万1,463例のデータを用いて、さまざまな量の習慣的アルコール摂取と心血管疾患(CVD)リスクとの遺伝疫学的な関連を調査し、その結果を2022年3月25日、JAMA Network Openで報告した。 今回、遺伝学的データを含む英国の大規模前向きコホート研究UK Biobankで、2006~10年に参加者を集めて2016年まで追跡調査を行い、線形および非線形メンデルランダム化分析を用いて評価した。データ解析は、2019年7月~2022年1月に実施。参加者のアルコール摂取量は、米国のアルコール消費量尺度Standard drink(1drinkは約14gのアルコールを含む)を用いて評価され、1週間のアルコール摂取量によって禁酒者(0 drink)、軽度(0〜8.4 drinks)、中等度(8.4〜15.4 drinks)、重度(15.4〜24.5 drinks)、乱用(24.5 drinks)と定義された。 主な結果は以下のとおり。・本研究には、週に平均(SD)9.2(10.6)drinksを摂取する37万1,463例の参加者が含まれた。平均年齢(SD)は57.0(7.9)歳で、その内46%(17万2,400例)が男性だった。・全体の33%(12万1,708例)が高血圧症、7.5%(2万7,667例)が冠動脈疾患を患っていた。・軽度から中等度のアルコール摂取は、より健康的なライフスタイル因子と関連しており、これらを調整すると、適度なアルコール摂取による心臓保護的な疫学的関連が弱くなることが明らかになった。・線形メンデルランダム化分析では、遺伝的に予測されるアルコール摂取量1SD増加当たりの高血圧リスクは1.3倍(95%CI:1.2-1.4、p<0.001)、冠動脈疾患リスクは1.4倍(95%CI:1.1-1.8、p=0.006)高くなった。・非線形メンデルランダム化分析により、アルコール摂取量と高血圧症および冠動脈疾患との因果関係が示唆された。軽度のアルコール摂取でもCVDリスクはわずかに上昇し、重度のアルコール摂取では症候性および無症候性CVDリスクが指数関数的に上昇した。 研究者らは、「今回の結果によって、これまでの疫学研究で一貫していた軽度~中程度のアルコール摂取による有益性は、適度な飲酒をたしなむ個人に共通するほかの健康的なライフスタイル因子による可能性が高いことが示唆された」とコメントしている。

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健康的な生活習慣で平均余命延長、認知症期間も増えず/BMJ

 健康的な生活習慣は男女とも平均余命の延長と関連しており、65歳以降の人生でアルツハイマー型認知症のない期間の割合が高いことが、米国・ラッシュ大学医療センターのKlodian Dhana氏らによる住民を対象としたコホート研究の結果、示された。健康的な生活習慣がアルツハイマー型認知症のリスク低下ならびに平均余命の延長に関連していることはこれまでも知られていたが、平均余命が延びればそれだけ高齢者が増加し、加齢とともに認知症のリスクは高まるため、むしろ全体の認知症は増加する可能性がある。そのため、生活習慣の改善による平均余命の延長が、アルツハイマー型認知症を有する期間に与える影響について理解する必要があった。著者は、「今回の解析による平均余命の推定は、医療専門家、政策立案者、その他ステークホルダーが将来の医療サービス等を計画するのに役立つだろう」とまとめている。BMJ誌2022年4月13日号掲載の報告。食事、認知活動、身体活動、禁煙、飲酒について健康度を評価 研究グループは、一般住民を対象としたアルツハイマー型認知症のリスク因子を検討する前向きコホート研究「Chicago Health and Aging Project:CHAP」(1993~2012年)のデータを用いて解析した。CHAP研究では、6期にわたり65歳以上の男女計1万802例が登録され、質問票を用いた生活習慣等に関する調査と神経認知機能検査が実施された。 本解析は、詳細な臨床評価を行うため、1万802例から年齢、性別、人種、認知機能カテゴリーを層別因子として無作為抽出した男女2,449例(ベースラインにおいてアルツハイマー型認知症有病者は339例、非有病者は2,110例)を解析対象とした。 主要評価項目は、女性および男性におけるアルツハイマー型認知症を有する場合と有していない場合の平均余命で、次の5つの生活習慣に基づいた健康因子スコア別に解析した。(1)脳の健康のための食事(Mediterranean-DASH Diet Intervention for Neurodegenerative Delay[MIND]食事スコア)、(2)後期の認知活動(読書、博物館・美術館訪問、カードゲーム、クロスワード、パズルなど)、(3)中~強度の身体活動(150分/週以上)、(4)禁煙、(5)中程度以下の飲酒(女性1~15g/日、男性1~30g/日)。 各因子について、基準を満たした場合は1、満たさない場合は0として合計した(範囲0~5、スコアが高いほど健康的な生活習慣であることを示す)。健康因子スコアが高いほど、平均余命延長、アルツハイマー型認知症リスク低下 65歳女性の平均余命は、健康因子スコアが4~5で24.2年(95%信頼区間[CI]:22.8~25.5)、健康因子スコアが0~1で21.1年(19.5~22.4)であり、前者で3.1年延長した。65歳時での平均余命のうちアルツハイマー型認知症を有する期間の割合は、健康因子4~5の女性で10.8%(2.6年、95%CI:2.0~3.3)、健康因子0~1の女性で19.3%(4.1年、95%CI:3.2~5.1)であった。また、65歳時点でアルツハイマー型認知症を有しておらず、健康因子4~5の女性の平均余命は21.5年(20.0~22.7)、健康因子0~1の女性の平均余命は17.0年(15.5~18.3)であった。 65歳男性の平均余命は、健康因子4~5で23.1年(95%CI:21.4~25.6)、健康因子0~1で17.4年(15.8~20.1)であり、前者で5.7年延長した。65歳時での平均余命のうちアルツハイマー型認知症を有する期間の割合は、健康因子4~5の男性で6.1%(1.4年、95%CI:0.3~2.0)、健康要因0~1の男性で12.0%(2.1年、95%CI:0.2~3.0)であった。65歳時点でアルツハイマー型認知症を有しておらず、健康因子が4~5の男性の平均余命は21.7年(19.7~24.9)、健康因子が0~1の男性の平均余命は15.3年(13.4~19.1)であった。

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60歳以上の4回目ファイザー製ワクチン、感染・発症予防効果は/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の4回目接種は、4ヵ月以上前に受けた3回目接種と比較して、接種後30日までのCOVID-19関連アウトカムの改善に有効であることが示された。イスラエル・Clalit Research InstituteのOri Magen氏らが、同国の半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析して報告した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.1.529(オミクロン株)による感染が拡大するとともに、COVID-19ワクチンのブースター接種(3回目接種)後の免疫減弱が示されており、いくつかの国では高リスク者への4回目接種が開始されている。NEJM誌オンライン版2022年4月13日号掲載の報告。4回目接種者vs.マッチング3回接種者、それぞれ約18万2千人について解析 研究グループは、イスラエル最大の医療保険組織「Clalit Health Services」のデータベースを用い、同国でオミクロン株が優勢であった2022年1月3日~2月18日のデータを解析した。対象は、60歳以上で研究期間中に4回目接種を受ける資格があり(すなわち、少なくとも4ヵ月前に3回目接種済み)、SARS-CoV-2感染歴がない人である。 研究期間の各日に4回目接種を受けた人(4回目接種群)、ならびに4回目接種者と交絡因子(年齢、性別、居住区等)がマッチした同日時点でまだ4回目接種を受けていない人(対照群)について、マッチングした日からSARS-CoV-2感染、死亡、30日間、2022年2月18日、または対照者が4回目接種を受ける日のいずれか早い日まで追跡した。 主要評価項目は、PCR検査で確認されたSARS-CoV-2感染、症候性COVID-19、COVID-19関連入院、重症COVID-19およびCOVID-19関連死である。4回目接種後7~30日目および14~30日目の2期間について、4回目接種の相対的有効性を解析した。解析対象は、適格基準を満たした4回目接種群18万2,122例、対照群18万2,122例であった。4回目接種、入院・重症化・死亡に高い効果、感染・発症予防効果は45~55% 4回目接種後7~30日目の相対的有効率は、PCR検査で確認されたSARS-CoV-2感染に関して45%(95%信頼区間[CI]:44~47)、症候性COVID-19が55%(53~58)、COVID-19関連入院が68%(59~74)、重症COVID-19が62%(50~74)、COVID-19関連死が74%(50~90)であった。 4回目接種後14~30日目における相対的有効率は、SARS-CoV-2感染52%(95%CI:49~54)、症候性COVID-19が61%(58~64)、COVID-19関連入院72%(63~79)、重症COVID-19が64%(48~77)およびCOVID-19関連死76%(48~91)であった。 4回目接種後7~30日目における絶対リスク差(3回接種vs.4回接種)は、COVID-19関連入院が180.1例/10万人(95%CI:142.8~211.9)、重症COVID-19が68.8例/10万人(48.5~91.9)であった。 パラメトリック・ポアソン回帰を用いた感度分析の結果、SARS-CoV-2感染に対する相対的有効率推定値は主要解析と類似していた。

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片頭痛予防に対する抗CGRP抗体中断3ヵ月後の治療再開効果

 抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体(mAb)による片頭痛の予防的治療に成功し治療を中断すると、その後、片頭痛の頻度は増加することが報告されている。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のBianca Raffaelli氏らは、片頭痛治療を再開した場合の症状の経過を評価するため、検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2022年3月30日号の報告。 対象は、3ヵ月の休薬期間後に同じ抗CGRP mAbで治療を再開した片頭痛患者。頭痛に関するデータを、以下の4回の受診時に収集した。(1)最初のmAb治療を開始する前の4週間(ベースライン)、(2)最初のmAb治療を中断する前の4週間、(3)休薬期間の13~16週目、(4)治療再開後の9~12週目。アウトカムは、観察期間全体における1ヵ月当たりの片頭痛日数(MMD)、1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数(AMD)、頭痛による日常生活への支障度尺度(HIT-6)スコア、それぞれの変化とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は39例(エレヌマブ:16例、ガルカネズマブまたはフレマネズマブ:23例)。・MMDは、休薬期間終了時の12.3±6.3から治療再開3ヵ月後の7.8±5.5への減少が認められた(p=0.001)。・この治療再開後の改善は、最初の治療期間での反応と同様であった(ベースライン時のMMD:12.3±6.3、治療中断前のMMD:7.5±5.2)。・MHDとAMDは、治療再開後に有意な改善が認められた。・HIT-6スコアの低下が認められ、頭痛による日常生活への影響の減少が確認された。 著者らは「休薬期間後に抗CGRP mAbによる治療を再開すると、片頭痛の頻度や急性頭痛薬の使用が有意に減少し、QOLが向上することが明らかとなった」としている。

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日本の小児および青少年に対する抗精神病薬の処方傾向

 日本における小児および青少年に対する抗精神病薬の処方パターンについては、とくに外来患者において、ほとんど知られていない。京都大学のSayuri Nakane氏らは、2006~12年に初めて抗精神病薬の処方を受けた17歳以下の外来患者における抗精神病薬の処方パターンおよび傾向を明らかにするため、大規模な調剤データセットを用いて調査を行った。Child Psychiatry and Human Development誌オンライン版2022年2月24日号の報告。 年齢、性別、診療科、処方薬の種類(単剤療法または多剤併用療法)、抗精神病薬の投与量、向精神薬の併用を調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は1万511例(13~17歳の割合:65.1%、男性の割合:52.9%)。・第2世代抗精神病薬の単剤療法の割合は、2006年の53.8%から2012年には78.3%に増加していた。・最も処方の頻度が高かった抗精神病薬はリスペリドンであり、次いでアリピプラゾール、オランザピンであった。・抗精神病薬の初回投与量が推奨用量よりも少なかった患者の割合は、約25.0%であった。 著者らは「現在、初めて抗精神病薬の処方を受けた17歳以下の外来患者では、第2世代抗精神病薬の単剤療法が最も一般的に行われている処方パターンであることが確認された」としている。

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2ヵ月1回の注射が女性をHIV感染から守る(解説:岡慎一氏)

 性交渉によるHIV感染に対するリスクグループは、不特定多数を相手にする男性同性愛者(men who have sex with men:MSM)およびcommercial sex worker(CSW)を中心とした女性である。性交渉によるHIV感染予防には、コンドームの使用などsafer sexの実施が推奨されてきたが、それだけでは不十分であることが、多くの疫学データから示されていた。 一方、MSMにおいては、10年以上前よりHIVウイルスに曝露する前に予防的にTDF-FTC(今回のコントロール薬)を服用する曝露前予防(Pre-Exposure Prophylaxis:PrEP)の有効性が証明されており、すでに90ヵ国以上の国でPrEPが実施されている。WHOも2015年にPrEPを強く推奨するガイドラインを出しているが、残念ながら日本では2022年5月現在まだ承認されていない。 ところが、女性の場合、PrEPの有効性はあまり芳しくなかった。これは、女性がPrEP薬を服用することにより、CSWではないかという差別・偏見を受けたり、コンドームを使用してもらえなくなるなどのマイナス面があり、服薬の遵守(Adherence)が低くなりがちであることが影響していた。 治療においても一番重要な点はAdherenceである。現在、HIV感染症に対する治療法は進歩し、1日1回1錠で治療できるようになっているが、実臨床の場ではそれでも飲み忘れは起こり、治療の失敗が起こる。このAdherenceの問題を解決してくれたのが、半減期延長型の注射剤である。治療においては、今回のcabotegravirとリルピビリンの2剤を4週もしくは8週に1回注射することにより、治療の成功率が飛躍的に改善した。 今回は、その注射剤であるcabotegravirを8週間おきに注射し、PrEPの効果を検討したものである。今まで予防効果が安定していなかった女性においても、現在認可されている経口のTDF-FTCと比較し、注射剤での予防効果が有意に勝っていた。MSMにおいても同様の結果は示されており、薬価の問題が克服されれば、今後のPrEPは、長期作用型の注射剤が主流になってくるであろう。

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銃創から自殺と他殺を鑑別する方法【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第208回

銃創から自殺と他殺を鑑別する方法pixabayより使用「ちがうな、こいつは他殺だ……。」『警部……!』みたいな会話が繰り広げられるシーンは、推理小説や刑事ドラマで幾度となく目にしてきました。フィクションでよくあるのが、拳銃を使って他殺した後、それを自分の手に握らせて自殺に見せかける手法ですが、あれは警察に言わせると、即バレ案件らしいです。Karger B, et al.Autopsy features relevant for discrimination between suicidal and homicidal gunshot injuriesInt J Legal Med . 2002 Oct;116(5):273-8.この研究は、624件の連続銃創剖検データを後ろ向きに調査したものです。自殺284例と殺人293例のデータを用いて、使用した銃器、弾薬、発砲数、部位、射撃距離、弾道など多くの特徴を記録しました。名探偵もびっくりの研究です。殺人被害者の26.3%および自殺者の10.6%が女性で、いずれも短銃身銃器のほうが長銃身銃器より多いという結果でした。自殺者で1発を超える銃創があったのは全体の5.6%で、最大5発でした。おおう、強い意志を感じますね。反面、殺人では1発を超える銃創があったのは53.9%で、最大23発でした。おおう、強い殺意を感じますね。自殺では89%が非常に近距離から発射されていましたが、殺人では遠方からの射撃が多く近距離から発射されたのは7.5%でした。そりゃそうだろ、という結果です。銃創があった部位は、こめかみ36%、口20%、額11%、左胸15%でした。こめかみは、ロシアンルーレットのアレですね。イメージ通りです。この論文では、剖検所見は単独では自殺か殺人かわからないが、複数の所見を複合的に分析することで判断できると書かれています。でも、そこまで深いアハ体験はなくて、鑑別に有用なのは発砲距離や部位で、そりゃそうだろうという結果なんですよね。

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第105回 アビガン承認見送り、医療関係者が今明らかにした催奇形性以外の問題点

約2週間前、ある医療関係者とお会いして「懐かしい」薬の名前を耳にした。それは抗インフルエンザ薬のファビピラビル(商品名:アビガン)のことである。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の特効薬になるかもと一時大騒ぎになったこの薬については、本連載の第7回と第44回で触れている。しかし、複数の治療薬が登場した今となっては非常に影が薄くなっていて、正直、私個人もほぼ忘れかけていた存在だ。簡単にこれまでの経緯をまとめるとRNAポリメラーゼ阻害薬の作用機序をもつ同薬は、新型コロナウイルスが同じRNAウイルスであったため、新型コロナのパンデミック初期にドラッグ・リポジショニングとして注目を浴びた。この時期に藤田医科大学による特定臨床研究(観察研究)もスタートしており、2020年5月4日、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言延長時の記者会見で、安倍 晋三首相(当時)は「すでに3,000例近い投与が行われ、臨床試験が着実に進んでいます。こうしたデータも踏まえながら、有効性が確認されれば、医師の処方の下、使えるよう薬事承認をしていきたい。今月(5月)中の承認を目指したいと考えています」と発言したほどだった。その後、特定臨床研究では有効性が示せず、製造販売元の富士フイルム冨山化学が単盲検試験による企業治験を実施。結果は主要評価項目の「症状(体温、酸素飽和度、胸部画像所見)の軽快かつPCR検査で陰性化するまでの期間」で、アビガン群で11.9日、プラセボ群で14.7日となり、調整後ハザード比(HR)は1.593(95%信頼区間[CI]:1.024~2.479、p=0.0136) 。アビガン群で有意に症状を改善することが示された。ところが厚生労働省の薬事・食品衛生審議会(薬食審)医薬品第二部会は2020年12月21日の審議で「単盲検試験という設定が結果に与えた影響について議論され、現時点で得られたデータから有効性を明確に判断することは困難」と結論付け、承認は見送られた。当時はクウェートとカナダでプラセボ対照の二重盲検試験が進行中だったことから、これらなど追加の結果次第で再度審議が行われることとなった。そして、クウェートで中等症~重症で入院中の新型コロナ患者を対象に症状回復までの期間を主要評価項目にした治験の結果は翌2021年1月に速報で公表され、プラセボ群との間で統計学的有意差が認められず、さらにカナダで軽症~中等症の新型コロナ患者を対象にクウェートの治験同様、症状回復するまで期間を主要評価項目にしていた治験も昨年11月に統計的有意差は認められなかったと発表された。一方、富士フイルム側も承認見送り確定後、新たな試験デザインで日本国内での治験を再度実施していた。この試験では重症化リスク因子がある発症早期の新型コロナ患者を対象に主要評価項目を重症化率に設定して昨年4月にスタート。そして先月11日、試験へのエントリーを3月末で終了することをひっそりと発表していた。その理由をプレスリリースでは以下のように説明している。「今般、従来株と比べて重症化率が低いオミクロン株が流行し、最近本治験に組み入れられた患者のほとんどがオミクロン株感染者であると推定される中、現在の治験プロトコルで試験を継続しても、『アビガン』の重症化抑制効果の検証が困難になることや、プラセボを用いた試験継続は被験者の利益に繋がらないことから、当社は、本試験への新たな被験者の組み入れを終了することを決めました」この文章を素直に読めば、試験の進行が思わしくないだろうことは容易に想像がつく。ちなみに治験が開始された昨年4月以降、何度も感染拡大の波がありながら、いまだに続いていることを不思議に思う向きもあるかもしれない。しかし、この試験の対象はワクチン非接種者。しかも、その後、重症化予防を意図した治療薬も複数承認されていることを考えれば、被験者集めが相当難航した結果だろうと考えられる。さて冒頭の医療関係者は私に「あの時」の内情を話してくれた。それは承認見送りになった時のこと、つまりその理由である。ちなみにこの2週間、私はほかの関係者にもこの件をぶつけてみて、冒頭の関係者のいう話はおおむね正しいのだろうと判断した。この関係者が挙げた承認見送りの理由は大きくわけて2つあった。まず、試験が前述のように単盲検であり、プラセボ群では症状悪化の際の救済措置としてのファビピラビル投与が認められていたため、実薬群と比べてプラセボ群からの脱落があまりにも多かった点が問題となったとのこと。この点に関しては単盲検試験という設定が適切ではなかったとの意見は当時からあったが、第77回でも触れた通り、当時の新型コロナの致死率や対抗手段の乏しさから考えればやむを得なかっただろうと私個人は考えている。そしてこの試験デザインは想像以上に試験結果に影響を与えていたことになる。もう1点の理由は主要評価項目の評価の在り方についてだ。主要評価項目では、「体温の改善(37.4℃以下)」「酸素飽和度の改善(96%以上)」「胸部画像所見が最悪の状態から改善」の3条件が満した症例で、PCR検査を48時間間隔で2回行い、ともに陰性だった患者において投与開始から1回目のPCR検査陰性までの期間を比較していた。しかし、このうちの「胸部画像所見」という、ある種の主治医バイアスが入り込む余地がなくもない項目について、撮影時期の設定がなく、その結果、撮影枚数なども症例や施設によってまちまち過ぎたというのだ。この関係者によると、「撮影枚数が多い症例によっては極端に良いとこ取り、悪いところ取りができてしまうので、撮影枚数が少ない症例と比較して信頼性、妥当性を担保できると判断するのは困難だった」というのだ。これならば単盲検という試験デザインを抜きにしても科学的な評価は難しいだろう。私も「あの時」の承認見送りにかなり納得がいったポイントだ。同時にこのことを知ると部会での審議は科学的には相当厳格に対応していたこともわかるし、その時点で承認をしていなくて良かったと胸を撫でおろしてしまう。ご存じのようにファビピラビルはかなり高い催奇形性を有することが動物実験から分かっている。このために抗インフルエンザ薬の承認の時ですら、当初目指していた季節性インフルエンザの適応症ではなく、「新型または再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、ほかの抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果不十分なものに限る)」とされ、パンデミック発生時に国が出荷の可否を決めるという「あるのにない薬」状態だった。この当時、私は厚労省の関係者に「なにもそこまで厳格にせずに問診の際に医師に妊娠の有無やその可能性を確認したうえで投与する形を徹底すれば良いのではないか?」と尋ねたが、「広範に使われるインフルエンザ治療薬では『蟻の一穴』は十分に起こりえます。そうではないと断言できますか?」とやや色をなして反論された記憶がある。残念ながらこの懸念はこのコロナ禍で現実のものとなっている。千葉県のいすみ医療センターで昨年8~9月の第5波の最中、前述の観察研究で配布されていたファビピラビルを妊孕性がある患者も含めた男女98人の自宅療養者に処方していた件である。この件について、センター側は「緊急避難的でやむを得なかった」と説明しており、あの当時では未曽有の事態だったことを考えれば、私自身も過度に批判するつもりもなく同様にやむを得なかっただろうと思う。とはいえ、催奇形性による被害が起きれば、それは不可逆のものだ。今回冒頭の関係者の話を聞いて、非常時の新薬承認の難しさと恐ろしさを改めて思い知らされた次第だ。

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臨床疑問「アジュバントを行うべきStage I 非小細胞肺がん」を考える【肺がんインタビュー】 第78回

第78回 臨床疑問「アジュバントを行うべきStage I 非小細胞肺がん」を考える出演:近畿大学医学部 外科学教室 呼吸器外科部門 主任教授 津谷 康大氏病理学的病期分類が第8版に更新され、StageI非小細胞肺がんの概念が一部変わった。新基準のStage Iの中でアジュバントに適した症例はどのようなものか。新たな臨床疑問に応える2つの臨床研究が発表された。両研究の筆頭著者である近畿大学の津谷康大氏に研究の主要結果について聞いた。参考Tsutani Y,et al. Ann Thorac Surg.2021 Jun 26.Tsutani Y,et al. J Thorac Cardiovasc Surg.2022 Jan 26.

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ストレートネック発生の原因は日常の姿勢から/アイスタット

 スマートフォンの普及は、私たちの生活に利便性をもたらした一方で、若年からの老眼やドライアイなど眼への悪影響、ストレートネック(スマホ首)の発生などを起こしている。一般的にこれらの影響、とくにストレートネックなどの発生割合はどの程度だろうか。ストレートネックを知らない人は約7割 株式会社アイスタットは、4月6日にアンケートを実施した。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~59歳の300人が対象。■調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2022年4月6日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~59歳/全国の有職者)を対象■アンケートの概要・ストレートネックを知らない人の割合は約7割近く。意外に浸透はしていない。・ストレートネックと思う人の割合は約4割、「20・30代」で多い。・ストレートネックで「ある人」と「そうでない人」の生活習慣の違い第1位は「猫背になりながらのデスクワーク」・猫背や反り腰の人ほど、ストレートネックになりやすい。・「身体が硬い」と「ストレートネック」の関連性はあるといえない。・「視力が落ちた、見えづらい」と「ストレートネック」の関連性はあるといえる。・日頃、悩んでいる症状で肩こり、首こりがある人ほど、ストレートネックである。ストレートネックの原因は日頃の生活習慣 質問1で「ストレートネックを知っているか」(単一回答)を聞いたところ、「初めて聞いた、知らない」が37.3%、「知っている」が33.0%、「聞いたことがあるが、内容まで知らない」が29.7%で多かった。大きくストレートネックの認知の有無別に分類すると「知っている」が33%、「知らない」が67%で、約7割近くの人が認知していなかった。性差では、「知っている」の回答について、女性(43.0%)の方が男性(28.0%)に比べてストレートネックの認知度が高く、女性の方が健康に強い関心をもつ傾向が表れた。 質問2で「ストレートネックの症状があると思うか」(単一回答)を聞いたところ、「あまりそう思わない」が34.3%、「全くそう思わない」が30.3%、「ややそう思う」が21.7%と多かった。年代別では、ストレートネックと思う人は「20・30代」に最も多く、すでに医療機関で「スマホ首」と診断された人も4.7%いた。 質問3で「日頃の生活習慣で、あてはまるものについて」(複数回答)を聞いたところ、「長時間のスマホやパソコン操作」が58.3%、「猫背になりながらのデスクワーク」が37.3%、「うつむいた姿勢での読書」が14.3%と多かった。一方で、「どれにもあてはまらない」が22.0%と回答数も多く、日常生活で必ずしも前傾姿勢をしている人が多いわけでもないことがわかった。また、ストレートネックの有無別では、アンケートで聞いたすべての生活習慣であてはまると回答した人は「ストレートネックである」の人ほど多かったことから、生活習慣がストレートネックの原因の一つとなっていることがうかがえた。 質問4で「自分は猫背あるいは反り腰だと思うか」(単一回答)を聞いたところ、「どちらかといえばそう思う」が34.7%、「どちらかといえばそう思わない」が24.0%、「非常にそう思う」が22.3%と多かった。大きくわけると「そう思う」が57%、「そう思わない」が43%と、前傾姿勢を意識していた回答者が多かった。また、ストレートネック有無別にみると「猫背あるいは反り腰」を回答した人は「ストレートネックである」が78.3%、「そうでない」が45.4%で、「ストレートネックである」と回答した人の方が多かった。ストレートネックの原因、運動の有無と日常生活での姿勢が関係 質問5で「身体が硬い方(柔軟性がない方)だと思うか」(単一回答)を聞いたところ「非常にそう思う」と「どちらかといえばそう思う」が同数で34.7%、「どちらかといえばそう思わない」が17.7%と多かった。また、ストレートネック有無別にみると「身体が硬い」を回答した人は「ストレートネックである」が74.5%、「そうでない」が66.5%で、「ストレートネックである」と回答した人の方が多かった。  質問6で「最近、視力が落ちた、もしくは見えづらいと思うか」(単一回答)を聞いたところ「どちらかといえばそう思う」が38.3%、「非常にそう思う」が31.7%、「どちらかといえばそう思わない」が17.7%と多かった。また、ストレートネックの有無別にみると「見えづらい」と回答した人は「ストレートネックである」が79.2%、「そうでない」が64.9%で、「ストレートネックである」と回答した人の方が多かった。 質問7で「最近、選択肢の症状で悩んでいることはあるか」(複数回答)を聞いたところ、「肩こり」が42.7%、「首こり」が33.3%、「視力低下・疲れ目・ドライアイ」が29.7%の順で多かった。また、ストレートネックの有無別では、アンケートで聞いたすべての症状で、あてはまると回答した人は「ストレートネックである」の人ほど多かった。とくに、ストレートネックで「ある人」と「そうでない人」の主な違いは何かを調べたところ、両方の差分より、第1位は「肩こり」が33.2ポイント、第2位は「首こり」が28.7ポイント、第3位は「めまい・ふらつき・吐き気」が18.9ポイントで、肩こり、首こりの症状があると回答している人ほど、ストレートネックである傾向がみられた。 質問8で「日頃、行っていることはあるか」(複数回答)を聞いたところ、「ストレッチをする」が38.7%、「姿勢を正しくする」が22.7%、「あお向けで寝る」が14.7%の順で多かった一方で、「(選択肢の)どれにもあてはまらない」と回答した人も39.0%いた。また、ストレートネックで「ある人」と「そうでない人」の主な違いは何かを調べたところ、両者の差分より、第1位は「ストレッチをする」が17.5ポイント、第2位が「スマホの使用時に姿勢を注意する」の14.6ポイント、第3位が「姿勢を正しくする」の11.6ポイントだった。運動の有無、日常生活での姿勢がストレートネックの原因に大きく関係している可能性がうかがえた。

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末梢動脈疾患の在宅での歩行運動導入、歩行距離を改善/JAMA

 間欠性跛行を呈する末梢動脈疾患(PAD)成人患者において、在宅での歩行運動行動変容介入は通常ケアと比較し、3ヵ月時点での歩行距離を改善することが示された。英国・ロンドン大学のLindsay M. Bearne氏らが、多施設共同無作為化評価者盲検比較試験「Motivating Structured Walking Activity in People With Intermittent Claudication trial:MOSAIC試験」の結果を報告した。PAD患者に対し在宅での歩行運動介入が推奨されているが、その有効性に関するエビデンスはさまざまであった。JAMA誌2022年4月12日号掲載の報告。PAD患者190例、理学療法士による歩行運動行動変容介入の有効性を通常ケアと比較 研究グループは、2018年1月~2020年3月の期間に英国の病院6施設において、50歳以上の間欠性跛行を呈するPAD患者190例を、動機付けアプローチを用いるよう訓練を受けた理学療法士による歩行運動行動変容介入を受ける群(介入群)または通常ケア群に、1対1の割合で無作為に割り付け、6ヵ月間追跡した(最終追跡調査日は2020年9月8日)。評価者および統計解析者は、解析完了まで盲検化した。 主要評価項目は、3ヵ月後の6分間歩行距離(6MWT)(臨床的に意義のある最小変化量:8~20m)、副次評価項目は8項目で、そのうち3項目はWalking Estimated Limitation Calculated by History(WELCH)質問票(範囲:0[最も良好]~100)、簡易版疾患認識尺度(Brief Illness Perceptions Questionnaire:BIPQ)(範囲:0~80[80は疾患に対して否定的認識])、計画的行動理論(Theory of Planned Behavior)質問票(範囲:3~21[21が最高の態度、主観的規範、行動統制感、意図])であり、これらの尺度については臨床的に意義のある最小変化量は定義されなかった。3ヵ月後の6分間歩行距離、介入群で有意に改善 無作為化された190例(平均年齢 68歳、女性30%、白人79%、ベースラインの平均6MWT 361.0m)のうち、148例(78%)が3ヵ月間の追跡調査を完遂し、6MWTは介入群ではベースライン352.9mから3ヵ月後380.6mに増加したが、通常ケア群では369.8mから372.1 mへの変化にとどまった(変化量の補正後平均群間差:16.7m、95%信頼区間[CI]:4.2~29.2、p=0.009)。 副次評価項目8項目中、5項目は統計学的有意差が認められなかった。WELCHスコアの変化はベースライン→6ヵ月後で、介入群18.0→27.8、通常ケア群20.7→20.7(変化量の補正後平均群間差:7.4、95%CI:2.5~12.3、p=0.003)、BIPQスコアの変化は同様に介入群45.7→38.9、通常ケア群44.0→45.8(-6.6、-9.9~-3.4、p<0.001)、TPB質問票の構成項目である「態度」のスコアの変化は介入群14.7→15.4、通常ケア群14.6→13.9(1.4、0.3~2.5、p=0.02)であった。 重篤な有害事象は、介入群で13例、通常ケア群で3例報告されたが、すべて試験との関連性はない、または可能性は低いと判断された。

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新型コロナによる血栓・出血リスク、いつまで高い?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は深部静脈血栓症、肺塞栓症および出血のリスク因子であることが、スウェーデンにおけるCOVID-19の全症例を分析した自己対照ケースシリーズ(SCCS)研究およびマッチドコホート研究で示された。スウェーデン・ウメオ大学のIoannis Katsoularis氏らが報告した。COVID-19により静脈血栓塞栓症のリスクが高まることは知られているが、リスクが高い期間やパンデミック中にリスクが変化するか、また、COVID-19は出血リスクも高めるかどうかについては、ほとんどわかっていなかった。著者は、「今回の結果は、COVID-19後の静脈血栓塞栓症の診断と予防戦略に関する推奨に影響を与えるだろう」とまとめている。BMJ誌2022年4月6日号掲載の報告。スウェーデンのCOVID-19全患者約105万7千例を解析 研究グループは、スウェーデン公衆衛生庁の感染症サーベイランスシステム「SmiNet」を用い、2020年2月1日~2021年5月25日の期間における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査陽性例(初感染者のみ)の個人識別番号を特定するとともに、陽性者1例につき年齢、性別、居住地域をマッチさせた陰性者4例を特定し、入院、外来、死因、集中治療、処方薬等に関する各登録とクロスリンクした。 SCCS研究では、リスク期間(COVID-19発症後1~7日目、8~14日目、15~30日目、31~60日目、61~90日目、91~180日目)における初回深部静脈血栓症、肺塞栓症または出血イベントの発生率比(IRR)を算出し、対照期間(2020年2月1日~2021年5月25日の期間のうち、COVID-19発症の-30~0日とリスク期間を除いた期間)と比較。マッチドコホート研究では、COVID-19発症後30日以内における初回および全イベントのリスク(交絡因子[併存疾患、がん、手術、長期抗凝固療法、静脈血栓塞栓症の既往、出血イベント歴]で補正)を対照群と比較した。 解析対象は、SCCS研究ではCOVID-19患者105万7,174例、マッチドコホート研究では対照407万6,342例であった。COVID-19発症後数ヵ月間は有意に高い 対照期間と比較し、深部静脈血栓症はCOVID-19発症後70日目まで、肺塞栓症は110日目まで、出血は60日日目までIRRが有意に増加した。とくに、初回肺塞栓症のIRRは、COVID-19発症後1週間以内(1~7日)で36.17(95%信頼区間[CI]:31.55~41.47)、2週目(8~14日)で46.40(40.61~53.02)であった。また、COVID-19発症後1~30日目のIRRは、深部静脈血栓症5.90(5.12~6.80)、肺塞栓症31.59(27.99~35.63)、出血2.48(2.30~2.68)であった。 交絡因子補正後のCOVID-19発症後1~30日目のリスク比は、深部静脈血栓症4.98(95%CI:4.96~5.01)、肺塞栓症33.05(32.8~33.3)、出血1.88(1.71~2.07)であった。率比は、重症COVID-19患者で最も高く、スウェーデンでの流行の第2波および第3波と比較し第1波で高かった。同期間におけるCOVID-19患者の絶対リスクは、深部静脈血栓症0.039%(401例)、肺塞栓症0.17%(1,761例)、出血0.101%(1,002例)であった。

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初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果

 初発統合失調症患者の再発予防に対する抗精神病薬の投与量として、成功の可能性が最も高い用量は、明らかになっていない。東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、抗精神病薬の使用および特定用量と精神科再入院リスクについての調査を行い、抗精神病薬の投与量の変化と重度の再発リスクとの関連について、検討を行った。The Lancet. Psychiatry誌2022年4月号の報告。初発統合失調症を5年間/5回の再発エピソードまでをフォローアップ フィンランドにおいて全国レジストリベースコホート研究を実施した。すべての入院患者の情報が記録されているnationwide Hospital Discharge registerより、対象患者を特定した。初発統合失調症と診断された45歳以下の入院患者を、5年間または5回の再発エピソードまでフォローアップした。主に精神科再入院を再発のマーカーとして評価し、退院時診断として記録されたICD-10コード(F20-29)を用いて入院治療を定義した。次の再発と見なす期間の定義は30日以上とした。抗精神病薬の使用に関するデータは、処方レジストリより抽出した。用量は、使用したすべての抗精神病薬の合計とした。再入院予防に対する抗精神病薬の有効性は、個別分析を用いて検討し、選択バイアスを除外し、2回目の再発前と再発後の時間で層別化した。初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の有効性は2回目再発後に大幅減 初発統合失調症の再発に対する抗精神病薬の有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・対象患者は5,367例(男性:3,444例[64.2%]、女性:1,923例[35.8%])、フォローアップ開始時の平均年齢は29.5±7.8歳であった。・民族性に関するデータは、収集できなかった。・5,367例中3,058例(57.0%)が入院治療を必要とした。・抗精神病薬の平均用量は、最初の再発前で1.22 DDD(defined daily doses)/日(95%CI:1.18~1.26)であり、再発ごとに増加が認められ、5回目の再発前では1.56 DDD/日(95%CI:1.48~1.64)であった。・抗精神病薬の使用を未使用と比較した再入院の調整済みハザード比(aHR)は、2回目の再発前の0.42(95%CI:0.35~0.51)から2回目の再発後には0.78(95%CI:0.62~0.99)に増加しており(p<0.0001)、再発予防効果の著しい低下が認められた。・特定用量のカテゴリ分析では、U字型曲線関係が認められ、標準用量の使用中において入院リスクが最低を示した(0.9~1.1 DDD/日)。これは、2回目の再発前で認められたが、2回目の再発後では認められなかった。・低用量(0.6 DDD未満/日)は、2回目の再発前の標準用量と比較し、実質的に高い再入院リスクと関連が認められたが(aHR:1.54、95%CI:1.06~2.24)、2回目の再発後ではこの関連は認められなかった(aHR:1.11、95%CI:0.76~1.62)。これは、2回目の再発後には、すべての用量において有効性が低下するためであると考えられる。 著者らは「再発予防に対する抗精神病薬の有効性は、2回目の再発後、大幅に減少した。そのため、2回目の再発予防は不可欠であり、最初の再発後には十分な投与量の抗精神病薬の使用と再発予防強化策を治療に組み込む必要がある」としている。

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COVID-19に対する中和抗体薬「ソトロビマブ」の有効性(解説:小金丸博氏)

 ソトロビマブ(商品名:ゼビュディ点滴静注液)はSARS-CoV-2に対して抗ウイルス作用を発揮することが期待されている中和抗体薬である。Fc領域にLS改変と呼ばれる修飾が入ることで長い半減期を達成する。今回、重症化リスク因子を1つ以上有する軽症~中等症のCOVID-19患者に対するソトロビマブの有効性と安全性を検討した第III相多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験の最終結果がJAMA誌オンライン版に報告された。被験者1,057例を対象とした解析では、無作為化後29日目までに入院または死亡した患者の割合は、プラセボ投与群(529例)が6%(30例)だったのに対し、ソトロビマブ投与群(528例)では1%(6例)であった(相対リスク減少率:79%)。副次評価項目である救急外来受診の割合や致死的な呼吸状態悪化の割合などでもソトロビマブ投与群で有意に減少しており、軽症~中等症のCOVID-19に対して重症化予防効果を示した。 本試験の重要なLimitationとして、変異株に対する有効性が検討されていないことが挙げられる。2020年8月~2021年3月に割り付けが行われた試験であり、その後世界的に流行したオミクロン変異株は含まれていない可能性が高い。オミクロン変異株に対するソトロビマブの中和活性は若干の減弱にとどまり、有効性が期待できると考えられているが、BA.2系統に対してはBA.1系統に対してよりも中和活性が低下する可能性が指摘されている。今後、ソトロビマブの中和活性が低い変異株が出現する可能性は考えられるため、SARS-CoV-2の最新の流行株の情報に注視し、適応を検討する必要がある。 主な有害事象としてソトロビマブ投与群では下痢を2%に認めたものの、ソトロビマブに関連した重篤な有害事象は認めなかった。ただし、まれな有害事象を検出するには症例数が不十分であり、さらなる知見の集積が必要である。 本試験の中間解析の結果を参考に、本邦においても2021年9月27日に特例承認された。COVID-19の重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者を対象に投与を行う。本臨床試験の組み入れ基準等を参考に、重症化リスク因子としては、薬物治療を要する糖尿病、肥満(BMI 30kg/m2以上)、慢性腎障害(eGFR 60mL/分/1.73m2未満)、うっ血性心不全(NYHA心機能分類クラスII以上)、慢性閉塞性肺疾患などが想定される。発症早期に投与することが望ましく、症状出現から7日以内が投与の目安となる。

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