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2018年西日本豪雨がベンゾジアゼピン使用に及ぼした影響

 自然災害は、メンタルヘルスに重大な影響を及ぼす。2018年7月の西日本豪雨は、日本で発生した最大級の洪水災害の1つである。広島大学の岡崎 悠治氏らは、災害前後のベンゾジアゼピン処方の変化について評価を行った。その結果、被災者における災害後のベンゾジアゼピン処方率が上昇し、その影響は1年以上継続していたことを報告した。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2022年4月26日号の報告。 西日本豪雨による洪水被災地における、2017年7月~2019年6月のレセプト情報データベースに基づき、レトロスペクティブコホート研究を実施した。被災地域住民を、地方自治体の認定により被災者と非被災者に分類した。次に、災害前のベンゾジアゼピン使用状況に基づき、非使用者、頓服使用者、継続使用者の3群に分類した。災害前後のベンゾジアゼピン処方状況を比較し、被災地域住民における災害の影響を推定するため、ロジスティック回帰モデルを用いた差分の差分法(DID)分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・被災地域住民500万129人中、3万1,235人が被災者であった。・災害前後のベンゾジアゼピン平均処方率は、被災者で11.3%から11.8%へ上昇し、非被災者では8.3%から7.9%に低下した。・DID分析では、被災者のベンゾジアゼピン処方は、災害直後から有意な上昇が認められ(調整オッズ比:1.07、95%CI:1.05~1.11)、その影響は災害後1年間継続していた(同:1.20、95%CI:1.16~1.24)。

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片頭痛患者の最も厄介な症状

 片頭痛の急性期治療の臨床試験において、最近、最も厄介な症状が主要なエンドポイントとして推奨されるようになっている。ほとんどの臨床試験や観察研究は欧米で実施されているが、最も厄介な症状として挙げられているのは羞明である。台湾・国立成功大学のYi-Hsien Tu氏らは、台湾の片頭痛患者の大規模サンプルにおける最も厄介な症状の分布、臨床的関連、治療反応について調査を行った。その結果、台湾の片頭痛患者における最も厄介な症状は、悪心、音声恐怖、羞明の順であったが、最も厄介な症状と片頭痛の治療反応率は類似しており、片頭痛の急性期治療のアウトカム指標と最も厄介な症状が関連していることが報告された。Headache誌オンライン版2022年4月25日号の報告。 対象は、台北栄民総医院の頭痛専門外来で新規に片頭痛と診断された患者。すべての患者に対し、最も厄介な症状を含む頭痛プロファイルのアンケートを実施した。最も厄介な症状とこれまでの急性期治療に対する反応率との臨床的関連を分析した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は1,188例(女性の割合:79.4%、平均年齢:39.0±12.1歳)。・最も一般的かつ厄介な症状は悪心(729例、61.4%)であり、次いで音声恐怖(280例、23.6%)、羞明(122例、10.3%)であった。・症状の順位は、性別、年齢で違いが認められなかった。・前兆のある片頭痛は、前兆のない片頭痛と比較し、羞明との関連が認められた(調整オッズ比[aOR]:2.97、95%CI:1.76~5.0、p<0.001)。・慢性片頭痛患者では、最も厄介な症状として音声恐怖との関連が認められた(aOR:1.51、95%CI:1.13~2.01、p=0.005)が、悪心は可能性が低かった(aOR:0.68、95%CI:0.53~0.88、p=0.004)。・最も厄介な症状が異なる患者では、これまでの急性期治療と同様の治療反応が認められており、全体的な治療反応率は52.2%であった(1,053例中550例)。

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エスプレッソコーヒー、男性が飲むとコレステロール値が上がる?

 「コーヒーは身体に良い」という論文報告が散見されるも、コーヒー豆に含まれるジテルペン(とくにカフェストール、カーウェオール)が血清コレステロールを上昇させてしまうという報告1)もある。だが、このジテルペンの影響はコーヒーの抽出方法によって異なるようだ。そこで今回、ノルウェー・トロムソ大学のAsne Lirhus Svatun氏らがコーヒーの抽出方法、なかでも研究数の少ないエスプレッソコーヒー(短時間で高圧抽出)と血清総コレステロール(S-TC:serum cholesterol)との関連性を調査した。その結果、エスプレッソコーヒーの消費量は、血清総コレステロールの増加と関連しており、女性と比較して男性のほうが有意に強い関連が示された。また、ボイルド(サイフォン式など)/プランジャーコーヒー(フレンチプレスなど)を摂取したの場合は男女ともに血清総コレステロールが増加し以前の研究で示された結果と同様だったが、フィルターろ過コーヒーに至っては女性で血清総コレステロールがわずかに増加したことが示された。Open Heart誌4月号掲載の報告。エスプレッソコーヒーを毎日カップ3~5杯飲む人は血清総コレステロール増 研究者らは、ノルウェー北部で行われた横断研究であるトロムソ研究第7回調査(n=2万1,083、40歳以上[平均年齢:56.4歳])の人口データを使用。多変量線形回帰モデルを使用して、エスプレッソコーヒーの消費量と血清総コレステロールの関連を調査し、性別とコーヒー消費量の関連などを評価した。質問ではコーヒーの抽出方法を「フィルターコーヒー」「ボイルド/フレンチプランジャーコーヒー(粗挽きコーヒー)」「インスタントコーヒー」「エスプレッソベースのコーヒー(コーヒーマシン、カプセルなど)」の4種類とし、1日の消費量に応じて、対象者をカップ0杯、1〜2杯、3〜5杯、6杯以上にグループ分けした。 エスプレッソコーヒーと血清総コレステロールとの関連性を調査した主な結果は以下のとおり。・エスプレッソコーヒーの摂取量が1日あたりカップ0杯の参加者と比較して、毎日カップ3~5杯飲む人は、血清総コレステロール増加と有意に関連しており、女性で0.09mmol/L(95%信頼区間[CI]:0.01~0.17)、男性で0.16mmol/L(95%CI:0.07~0.24)だった。 ・ボイルド/プランジャーコーヒーについても1日あたりカップ0杯の人と比較して、毎日カップ6杯以上飲んだ場合は、血清総コレステロールが増加し、女性で0.30mmol/L(95%CI:0.13~0.48)、男性で0.23mmol/L(95%CI:0.08~0.38)だった。・フィルターろ過のコーヒーを毎日カップ6杯以上の飲んだ場合の血清総コレステロールは、女性で0.11mmol/L(95%CI:0.03~0.19)高くなるのに対し、男性では関連性がみられなかった。・インスタントコーヒーの消費量に有意な線形傾向があったが、飲んでいない参加者を除外した場合、用量反応関係は示されなかった。・ボイルドまたはプランジャーコーヒーを除くすべてのコーヒー抽出型で性差が有意にみられた。 なお、エスプレッソコーヒーのようにノンフィルターコーヒーではLDLコレステロールを含む成分なども取り除かれていないことから、1日あたりカップ9杯以上を摂取すると心血管疾患(CVD)による死亡リスクが最大25%増加すると、他研究2)より報告されている。

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高リスクIgA腎症への経口ステロイドで転帰改善、用量は?/JAMA

 高リスクIgA腎症患者において、経口メチルプレドニゾロンによる6~9ヵ月の治療は、プラセボと比較して、腎機能低下・腎不全・腎疾患死亡の複合アウトカムのリスクを有意に低下させた。ただし、経口メチルプレドニゾロンの高用量投与では、重篤な有害事象の発現率が増加した。中国・北京大学第一医院のJicheng Lv氏らが、オーストラリア、カナダ、中国、インド、マレーシアの67施設で実施された多施設共同無作為化二重盲検比較試験「Therapeutic Effects of Steroids in IgA Nephropathy Global study:TESTING試験」の結果を報告した。本試験は、重篤な感染症が多発したため中止となったが、その後、プロトコルが修正され再開されていた。JAMA誌2022年5月17日号掲載の報告。メチルプレドニゾロンの用量を0.6~0.8mg/kg/日から0.4mg/kg/日に減量し、試験を再開 研究グループは、2012年5月~2019年11月の期間に、適切な基礎治療を3ヵ月以上行っても蛋白尿1g/日以上、推定糸球体濾過量(eGFR)20~120mL/分/1.73m2のIgA腎症患者503例を、メチルプレドニゾロン群またはプラセボ群に1対1の割合に無作為に割り付けた。 メチルプレドニゾロン群は、当初、0.6~0.8mg/kg/日(最大48mg/日)を2ヵ月間投与、その後4~6ヵ月で減量・離脱(8mg/日/月で減量)するレジメンであったが、メチルプレドニゾロン群に136例、プラセボ群に126例、計262例が無作為化された時点で重篤な感染症の過剰発生が認められたため、2015年11月13日に中止となった。その後、プロトコルを修正し、メチルプレドニゾロン群は、0.4mg/kg/日(最大32mg/日)を2ヵ月間投与、その後4~7ヵ月で減量・離脱(4mg/日/月で減量)するレジメンに変更するとともに、ニューモシスチス肺炎に対する抗菌薬の予防的投与を治療期間の最初の12週間に追加した。 2017年3月21日に修正プロトコルで試験が再開され、2019年11月までに241例(メチルプレドニゾロン群121例、プラセボ群120例)が登録された。 主要評価項目はeGFR40%低下・腎不全(透析、腎移植)・腎疾患死亡の複合で、副次評価項目は腎不全などの11項目とし、2021年6月まで追跡調査した。メチルプレドニゾロン群で複合アウトカムが有意に減少、高用量では有害事象が増加 無作為化された503例(平均年齢:38歳、女性:198例[39%]、平均eGFR:61.5mL/分/1.73m2、平均蛋白尿:2.46g/日)のうち、493例(98%)が試験を完遂した。 平均追跡期間4.2年において、主要評価項目のイベントはメチルプレドニゾロン群で74例(28.8%)、プラセボ群で106例(43.1%)に認められた。ハザード比(HR)は0.53(95%信頼区間[CI]:0.39~0.72、p<0.001)、年間イベント率絶対群間差は-4.8%/年(95%CI:-8.0~-1.6)であった。 メチルプレドニゾロン群の各用量について、それぞれのプラセボ群と比較して主要評価項目に対する有効性が確認された(異質性のp=0.11、HRは高用量群0.58[95%CI:0.41~0.81]、減量群0.27[95%CI:0.11~0.65])。 事前に規定された11項目の副次評価項目のうち、腎不全(メチルプレドニゾロン群50例[19.5%]vs.プラセボ群67例[27.2%]、HR:0.59[95%CI:0.40~0.87]、p=0.008、年間イベント率群間差:-2.9%/年[95%CI:-5.4~-0.3])などを含む9項目で、メチルプレドニゾロン群が有意に好ましい結果であった。 重篤な有害事象の発現は、メチルプレドニゾロン群がプラセボ群より多く(28例[10.9%]vs.7例[2.8%])、とくに高用量群で高頻度であった(22例[16.2%]vs.4例[3.2%])。

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RCTでの有害事象の可視化、どんなグラフが有効か/BMJ

 臨床試験の有害事象の伝達において、グラフ化(可視化)は強力なツールであり従来の頻度表に代わる他の視点を提供し、臨床試験の報告書で有害事象の可視化の使用が増加することよって、明確な情報の提示とより有益な解釈が可能となる。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRachel Phillips氏らが、有害事象を視覚的に提示するための推奨事項を作成するコンセンサス研究の結果を報告した。有害事象のデータは複雑であるが、可視化は安全性プロファイルを明確にし、潜在的な副作用の特定に役立つ可能性がある。著者は、「デシジョンツリーは可視化の選択を補助するが、最終的には統計学者および臨床試験チームがそのデータと目的に最適な可視化を決定しなければならない」と述べている。BMJ誌2022年5月16日号掲載の報告。治験に携わる統計学者、医療経済学者、グラフィックデザイナーらでコンセンサス会議 コンセンサスグループは、UK Clinical Research Collaborationに登録されている15の臨床試験ユニットから統計学者20人と、学術的な公衆衛生部門に所属する医療経済学者1人、業界の統計学者1人、BMJ誌のマルチメディアチームの一員であるデータグラフィックデザイナー1人、医師2人から構成された。 統計手法の方法論的なレビューにより、コンセンサスグループメンバーが推奨する可視化法を特定し、3回にわたる会議で可視化の推奨に関するコンセンサス(有効投票数の60%以上)が得られた。 メンバーは、合意された枠組みに対する候補となる可視化を再検討し、また批評的に評価して、それぞれの可視化を承認するかどうか投票した。スコアが閾値をわずかに下回った場合(50~60%)は、さらなる議論のため再考され、コンセンサスが得られるまで再投票が行われた。推奨されるグラフ化は10種類、アウトカムの種類や状況に応じて選択 28種類の可視化法が検討され、そのうち10種類が、研究者が主要な研究結果を発表する際に検討するよう推奨された。 提示する可視化法の選択は、アウトカムの種類(たとえば、頭痛の発生の有無など追跡期間中に経験したイベントの発生数[2値変数]、治療開始から頭痛発生までの時間[time-to-event]、血球数の個々の結果[連続変数]など)や、状況(有害事象のプロファイル全体を評価するか、特定のイベントまたは関心のあるイベントに関する直接的なメッセージを伝えるか)に依存する。すなわち、有害事象のプロファイルを示す場合は、アウトカムの種類が2値変数ではドットプロット、積み上げ棒グラフ、カウントでは棒グラフ、連続変数では散布図マトリックスが推奨され、time-to-eventでは推奨される方法なし。1つのイベントについて示す場合は、アウトカムの種類がtime-to-eventではKaplan-Meierプロット、生存率(Survival ratio)プロット、平均累積関数プロットが、連続変数では折れ線グラフ、バイオリンプロットおよびカーネル密度プロットが推奨された。 また、どの可視化法を使用するかの決定に役立つデシジョンツリーが提示され、各可視化法については、プロットの説明、解釈、潜在的な限界、標準的な統計ソフトで実施可能なコード等がまとめられている。

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睡眠いろいろ【Dr. 中島の 新・徒然草】(427)

四百二十七の段 睡眠いろいろ先日のこと、外来で患者さんに尋ねられました。患者「先生方は働き過ぎですよ。いつ寝ているんですか?」中島「患者さんの話を聞きながら、コクリコクリとしていますんで」患者「御冗談を」中島「あの先生は話をよく聴いてくれるってね、喜ばれています」実際、昼間でも眠くなることがあります。自分の睡眠を振り返ってみると、良く眠れるときと、そうじゃないときがあります。昼間に1万歩以上歩き、夕食の後に風呂に入り、ちゃんと歯も磨いて床に就く。こういうときにはぐっすり眠れます。爽やかな夢の途中で気持ち良く目が覚め、だいたい6時間半くらいの睡眠になっているかな。一方、良くないときというのは、いくつかパターンがあります。夕食の後にちょっとだけ横になるつもりが、そのまま寝落ちし、夜中に目を覚ますと、部屋の電気がつけっぱなしになっている。寝る前に腹筋をして目が冴えてしまい、いつまで経っても眠れない。夜中に何度もトイレに起きて、睡眠が分断される。こういった悪いパターンのときは、5時間ほどしか眠れておらず、昼も眠くなることがあります。ついうっかり、会議の最中にうつらうつらしてしまうことも……。さすがに、患者さんの話を聴きながら寝てしまったことはほとんどありません。が、たまにはあります。さて、私は毎朝7時半頃に救急外来に行くのですが、夜勤の看護師さんたちの顔ぶれがあまり変わらないことに、最近になって気付きました。中島「あれっ、いつも同じ顔を見ているような気がするけど」夜勤「私、夜勤専従なんです」中島「もっぱら夜に働いているってこと?」夜勤「そうなんですよ」通常の、昼に働き時々夜勤が入る、というパターンとは違うようです。昼はまったく働かず、夜勤だけやっているわけですね。中島「じゃあ、何時から何時まで働いているわけ?」夜勤「日によりますけど、だいたい16時から翌朝8時までとか、そんな感じですね」中島「それ、無茶苦茶しんどそうだけど」夜勤「慣れたらこっちのほうが楽ですよ」完全に昼夜逆転してしまっているのですかね。中島「でも、昼間寝ていたら、インターホンが鳴って起こされたりしないかな。ピンポーンって」夜勤「宅急便なんか滅多に来ないですから」電話と同じように、インターホンも音を切っておくといいかもしれません。ただ、昼に寝ているのであれば、役所や銀行に用事があるときはどうしているのでしょうか。これはこれで、ちょっと興味があります。やはり、ぐっすり眠ってすっきり目覚めるのは、万人の欲するところ。人それぞれに工夫やドラマがあり、睡眠談義は尽きません。読者の皆様の睡眠はいかがでしょうか?最後に1句新緑の 朝に目覚めて 出勤だ

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甲状腺クリーゼ〔Thyrotoxic storm or crisis〕

1 疾患概要■ 概念・定義甲状腺クリーゼ(Thyrotoxic storm or crisis)とは、甲状腺中毒症の原因となる未治療ないしコントロール不良の甲状腺基礎疾患が存在し、これに何らかの強いストレスが加わったときに、甲状腺ホルモン作用過剰に対する生体の代償機構の破綻により複数臓器が機能不全に陥った結果、生命の危機に直面した緊急治療を要する病態をいう。■ 疫学甲状腺クリーゼはまれな病態で、入院した甲状腺中毒症の1~2%を超えないと言われている。日本甲状腺学会と日本内分泌学会の共同委員会(赤水班)による2009年の全国調査では、わが国での発生率は入院患者10万人あたり0.2人であり、推計患者数は確実例が約150人/年、疑い例が約40人/年と算出された。致死率は約11%である。■ 病因病因は不明であり、クリーゼの発症は必ずしも甲状腺ホルモンの血中濃度によらない。急激な甲状腺ホルモンの放出や、交感神経系の活性化、重症疾患でみられる甲状腺ホルモンの感受性上昇や蛋白結合能の低下などの関与が考えられている。甲状腺疾患としてバセドウ病が最も頻度が高いが、機能性甲状腺腫瘍、アイソトープ治療、甲状腺手術、破壊性甲状腺疾患などでも報告されている。甲状腺外の誘因としては、感染症、外傷、妊娠・分娩、副腎皮質機能不全、糖尿病ケトアシドーシス、虚血性心疾患、ヨード系造影剤の投与、強いストレスなど多岐にわたる。■ 症状甲状腺クリーゼでは複数臓器の機能不全が起きるが、代表的な症状は以下の通りである。1)甲状腺腫バセドウ病ではびまん性腫大を示すことが多く、結節性の甲状腺機能亢進症では、結節を触知することがある。亜急性甲状腺炎では局所の圧痛を示す。2)中枢神経症状甲状腺クリーゼの中心的な症状であり、意識障害、不穏、譫妄、精神異常、傾眠、痙攣、昏睡がある。3)発熱基礎代謝亢進にともない、発熱(38℃以上)とともに多汗を生じる。4)循環器症状高度の頻脈、心房細動、心不全症状、ショックを起こすことがある。5)消化器症状腸管蠕動運動亢進による下痢、嘔気・嘔吐、肝障害に伴う黄疸を示すことがある。また、肝機能不全による肝障害・黄疸を呈することがある。■ 予後現在においても致死率は高く、10~75%と言われていたが、わが国での全国疫学調査の結果では致死率10%以上であった。死因は、多臓器不全、腎不全、呼吸不全などで、また不可逆的な神経学的障害が残存することもある。予後規定因子として、ショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全があり、入院時に重症度に応じて予後が不良となる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)甲状腺クリーゼの診断には、古くからのBurch-Wartofskyの診断スコアが使用されてきたが、必ずしも科学的エビデンスに裏付けされたものではなかった。より一層科学的根拠に基づく診断基準を求めて、わが国では、赤水らによる甲状腺クリーゼの診断基準が策定された。必須項目は甲状腺中毒症の存在であり、(1)中枢神経症状、(2)発熱、(3)頻脈、(4)心不全症状、(5)消化器症状の5項目が主要な症状・症候として選択された(表1)。表1 甲状腺クリーゼの診断基準画像を拡大する甲状腺中毒症の存在下に、「中枢神経症状+他の症状項目が1つ以上あるもの」か、「中枢神経症状以外の症状項目が3つ以上あるもの」を、甲状腺クリーゼ確実例とする。中枢神経症状以外の症状項目2つ、または夜間・休日など甲状腺中毒症が確認できない状況下で、甲状腺疾患の既往、眼球突出、甲状腺腫の存在があり、確実例の条件を示す者を疑い例とする。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)診断基準の確定の後、甲状腺クリーゼの予後改善を目指して、診療ガイドライン2017年版が作成された。甲状腺クリーゼと診断された場合、二次ABCDE評価(Airway, Breathing, Circulation, Dysfunction of central nervous system, and Exposure & environmental control)を行ない、Acute Physiologic Assessment and Chronic Health Evaluation(APACHE)IIスコアに基づき集中治療の要否を判断する。冷却・解熱剤の投与とともに抗甲状腺薬、無機ヨードならびに副腎皮質ステロイドを開始する(図)。また、APACHEIIスコア9以上では集中治療室(ICU)での管理が勧められる。図 甲状腺クリーゼ治療のアルゴリズム画像を拡大する甲状腺クリーゼに至った誘因の除去を行い、感染症などの合併に関しては個別に治療を行なう。中枢神経症状に対する治療は精神科救急医療ガイドラインなどに準じて行うが、器質的疾患(脳血管障害・髄膜炎・代謝異常・中毒など)がクリーゼの誘因となりうるので鑑別診断を必ず行う。心拍数150/分以上の洞性頻脈や頻拍性心房細動を認める場合、β1選択性短時間作動型β遮断薬やジギタリス製剤で心拍数を管理し、必要に応じて電気的除細動も考慮する(表2)。表2 甲状腺クリーゼの各々の病態に対する治療の概要画像を拡大するその他、うっ血性心不全、急性肝不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)、急性腎不全、横紋筋融解症、成人型呼吸促拍症候群(ARDS)などがみられる場合があり、予後不良となるので、各々の病態に応じた集学的治療が必要とされる。甲状腺クリーゼにおける治療的血漿交換の絶対的適応は、急性肝不全合併例で、相対的適応はクリーゼに対する治療開始24~48時間後においてもコントロール不能の甲状腺中毒症である。APACHEIIスコアならびにSOFA(Sepsis-related Organ Failure Assessment)スコアが予後と関連する。4 今後の展望今回のガイドライン作成にあたり、国内の多くの施設に症例報告収集の支援をいただいたが、ガイドライン発行後、治療の方法ならびに生存率なども変化しているため、現在日本甲状腺学会により前向きの全国調査が行われている。5 主たる診療科内分泌・代謝内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本内分泌学会 甲状腺クリーゼ(一般利用者向けのまとまった情報)難病情報センター 甲状腺中毒クリーゼ(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本甲状腺学会 甲状腺クリーゼの診断基準(第2版)(医療従事者向けのまとまった情報)日本甲状腺学会 甲状腺クリーゼ診療ガイドライン2017年版Digest版(医療従事者向けのまとまった情報)1)Akamizu T, et al. Thyroid. 2012;22:661-679.2)Burch HB, et al. Endocrinol Metab Clin North Am. 1993;22:263-277.3)Isozaki O, et al. Clin Endocrinol(Oxf). 2016;84: 912-918.4)Satoh T, et al. Endocr J. 2016;63:1025-1064.5)日本甲状腺学会・日本内分泌学会. 甲状腺クリーゼガイドライン2017.南江堂,2017.公開履歴初回2022年5月26日

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口腔の傷(歯牙や舌、頬粘膜損傷)に対する縫合処置【漫画でわかる創傷治療のコツ】第10回

第10回 口腔の傷(歯牙や舌、頬粘膜損傷)に対する縫合処置《解説》今回は幸いキズモンスターの発生前に正しい処置をすることができました。詳細は後述しますが、歯牙損傷がある場合は先に歯科受診を勧めることもあります。口腔内の傷について、食物が残留しやすい場所であることを考えると、目安として2cm以上の創は縫合を検討しましょう。2cm以下の場合、止血が得られていれば自然治癒が期待できます。それでは、部位による処置について簡単に解説していきます。(1)舌損傷浅い創でも出血が持続することがあります。粘膜と筋層を大きめに4−0、5−0の吸収糸で緩めに縫合しましょう。縫合糸を締め込むと舌浮腫になり、断裂や壊死の原因となります。(2)頬粘膜損傷必ず耳下腺管、顔面神経損傷の有無と、異物の有無を確認しましょう。耳下腺管の損傷を疑う所見自覚症状に乏しいとしても、創部からの唾液とおぼしき滲出液を持続的に見て、滲出液のアミラーゼ値を調べて高値であるかどうかを確認します。顔面神経の損傷を疑う所見顔面神経頬枝は耳下腺管とほぼ平行に走行しています。口角や上口唇を引き上げる動作を担っており、損傷している場合は口唇が下垂して鼻唇溝が消失したり、口笛を吹くように口をすぼめたときに左右差があったりするので、確認しましょう。上記を疑う場合は可及的速やかに形成外科へ紹介すべきです。粘膜のみの損傷であれば4−0、5−0の撚り糸の吸収糸を大きめにかけて最小限の縫合を行います。貫通創の場合は、筋層を含む皮下組織と表皮を縫合し、口腔内はまばらに縫合しましょう。縫合時に耳下腺の開口部(乳頭部)を損傷しないように注意しましょう(下図参照)。硬口蓋、軟口蓋損傷は上皮化良好な場合が多いです。口蓋刺創の場合、外見上の傷はわずかでも頭蓋内などに達している可能性を常に念頭に置く必要があります。図:耳下腺周囲の解剖図(3)歯牙損傷欠けたり抜けたりした歯がある場合は、捨てずに元の場所に整復した後、隣接歯牙とワイヤーなどで応急的な固定処置を行っておき、歯科処置を依頼しましょう。受診相談時に歯牙損傷を疑う場合は、その時点で歯科のある病院を勧めるのが良いでしょう。永久歯が完全脱臼した場合、予後は歯槽骨外に置かれていた条件と時間に直接相関します。乳歯が脱落した場合、発育中の後継永久歯が損傷される危険性があれば再植はしないのですが、判断は歯科口腔外科でしてもらいましょう。脱落歯は保存溶液に入れて、できるだけ早く歯科口腔外科を受診してもらいましょう!保存溶液は、望ましい順に、1.移植臓器輸送用溶液2.細胞培養用培地3.冷たいミルク(ロングライフミルクや低脂肪乳を除く)4.生理食塩水となっています1)。参考1)日本外傷歯学会. 歯の外傷治療ガイドライン 改訂版. 2012.波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書III 創傷外科. 克誠堂出版;2015.安瀬 正紀監修, 菅又 章編. 外傷形成外科―そのときあなたは対応できるか. 克誠堂出版;2007.Frank H. Netter著, 相磯 貞和訳. ネッター解剖学アトラス 原著第4版. 南江堂;2007.

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第110回 日医会長選で中川氏続投断念、松本常任理事が次期会長就任か

日本医師会(日医)の会長選を巡り、大きな動きが出てきた。再選を目指していた現職の中川 俊男氏が一転、出馬を断念。一方、5月24日に正式に出馬表明した常任理事の松本 吉郎氏には、前回会長選で中川氏を応援した大票田でもある都道府県医師会が支持しているため、次期会長就任は確実な見通しだ。このような事態は、会内における中川氏への不満や不信が、事実上のクーデターを招いたものと見られる。松本陣営副会長候補は有力団体出身者松本氏の出馬会見には、副会長候補の茂松 茂人氏(大阪府医師会会長)、角田 徹氏(東京都医師会副会長)、猪口 雄二氏(日医副会長、全日本病院協会〈全日病〉会長)らが出席した。茂松氏は前回会長選で横倉 義武・前会長が副会長候補にした人物。角田氏が所属する東京都医師会の尾崎 治夫会長は前回会長選で中川氏を支持した。猪口氏は、中川氏が前回会長選で日医会員でもある全日病会員の票を当てに、副会長候補にしたという人物。副会長候補3人の出身母体は大票田であるばかりか、横倉派が1人に対して中川派が2人もおり、中川氏への不信・不満の大きさが目に見える形で明らかになった。松本陣営の選挙対策本部の本部長は、松本氏の出身母体である埼玉県医師会の金井 忠男会長が務める。埼玉県医師会も前回会長選では中川氏を支持していた。前会長の横倉氏の出身母体である福岡県医師会が所属する九州医師会連合会は5月20日、松本氏を推薦することを早々に全会一致で決めている。関東甲信越医師会連合も21日に松本氏の推薦を決めたほか、近畿医師会連合や中部医師会連合、東北医師会連合も推薦。事実上の松本氏一本化の動きと言える。松原 謙二副会長も医療業界紙の取材に対し、会長選への出馬を表明しているが、出身母体である大阪府医師会の茂松会長が松本陣営の副会長候補になっているため、足元固めも難しい状況だ。松本氏は日医の信頼感回復を目指す松本氏は5月24日に記者会見し、正式に立候補を表明した。松本氏は「医師会の会員だけではなく、国民、政界や財界など、社会的にも信頼がなくなってきているのではないかという声がある中で、信頼を取り戻さなければいけない時期に来ている」と述べた。医師会の運営に関しては、次の4つを柱にすることを明らかにした。(1)地域から中央へ(2)国民の信頼を得られる医師会に(3)医師の期待に応えられる医師会に(4)一致団結する強い医師会にまた、若手医師の医師会加入が課題と指摘。新興感染症に対しては初期対応体制の整備、入院体制の強化や病床確保などについて議論して備える方針を示した。中川氏はリフィル処方箋導入などで手腕を疑問視される一方、中川氏は2022年度診療報酬改定で十分な実績を残せなかったことや、リフィル処方箋が導入されたこと、独善的な会の運営、相次ぐネガティブ報道などに対し、日医会内で手腕を疑問視する声が高まっていた。中川氏は5月23日に記者会見を開き、会長選への不出馬を正式に表明した。中川氏は「私が出馬しないことで日医全体の分断を回避し、組織として一致団結して夏の参議院選に向かうことができるのであれば本望であるとの結論に至った」と説明。松本氏の出馬で自身の形勢が不利になったことが不出馬の理由かとの記者の質問に対しては、「現職の強みを発揮して選挙戦に臨めば接戦になり、激戦になると思う。組織内が混乱することを恐れた」と述べた。わずか1期(2年)での退任もさることながら、5月9日の正式出馬表明から2週間後の不出馬表明は異例の事態。事実上のクーデターに突き進んだ日医会内の危機意識の強さが明らかになった。

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アルツハイマー病に対する抗認知症薬の安全性・有効性の比較~ネットワークメタ解析

 カナダ・トロント大学のAreti Angeliki Veroniki氏らは、アルツハイマー病(AD)のマネジメントにおいて、患者の特徴による抗認知症薬の有効性および安全性について、比較検討を行った。その結果、抗認知症薬の治療選択において、患者の特徴を十分に考慮する必要があることを報告した。BMJ Open誌2022年4月26日号の報告。 システマティックレビューおよび患者個々のデータ(IPD)を集めたネットワークメタ解析(NMA)を実施した。MEDLINE、Embase、Cochrane Methodology Register、CINAHL、AgeLine、Cochrane Central Register of Controlled Trialsより検索した(~2016年3月)。成人AD患者2万1,138例を含む80件のRCTおよび6,906例のIPDを含む12件のRCTが抽出された。治療内容は、抗認知症薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン)の単独または他の抗認知症薬やプラセボとの併用であった。著者、スポンサー、データ提供プラットフォームにIPDの提供を依頼した。IPDが利用できない場合には、集計データを用いた。研究の質の評価には、Cochraneのバイアスリスクツールを用いた。2段階ランダム効果IPD-NMAを実施し、結果の評価にはCINeMA(Confidence in Network Meta-Analysis)を用いた。主要アウトカムおよび副次アウトカムは、ミニメンタルステート検査(MMSE)による認知機能の評価および有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。・本IPD-NMAでは、プラセボを含む9種類の治療法について比較を行った。・ドネペジル(平均差[MD]:1.41、95%CI:0.51~2.32)およびドネペジル+メマンチン(MD:2.57、95%CI:0.07~5.07)による治療は、プラセボ群と比較し、MMSEスコアの改善が認められた(56 RCT、1万1,619例、CINeMAスコア:中)。・Pスコアによると、経口リバスチグミン(OR:1.26、95%CI:0.82~1.94、Pスコア:16%)およびドネペジル(OR:1.08、95%CI:0.87~1.35、Pスコア:30%)の安全性プロファイルは最も不良であったが、プラセボと比較した場合、推定治療効果はいずれも十分に正確ではなかった(45 RCT、1万5,649例、CINeMAスコア:中~高)。・中等度~重度のADでは、ドネペジル、メマンチン、ドネペジル+メマンチンによる治療が最も有効であった。・軽度~中等度のADでは、ドネペジルと経皮吸収型リバスチグミンによる治療が最も有効であった。・ベースライン時のMMSEの差を調整すると、経口リバスチグミンとガランタミンによる治療でMMSEスコアの改善が認められたが、併存疾患を調整した場合は、経口リバスチグミンのみが有効であった。・認知機能にとって臨床的に重要な指標である1.40 MMSEポイントを超えるMDは、経口リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンの単独療法を除くすべての治療レジメンにおいて認められたが、その不確実性は高かった。・本研究の限界として、公開されたRCTの3分の2が不完全なアウトカムデータに対するバイアスリスクの高さと関連していた点、IPDが利用できたのは包含されたRCTの15%のみであった点が挙げられる。

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抗原検査、感度のピークはいつ?再検査のタイミングは?

 抗原検査の感度は発症4日後にピークを迎え、陰性の場合は1~2日後の再検査で感度が向上することが、米国疾病予防管理センター(CDC)のVictoria T. Chu氏らによる前向きコホート研究で示唆された。新型コロナウイルス感染症の感染経過における家庭での抗原検査とRT-PCRおよびウイルス培養の比較検討結果が、JAMA Internal Medicine誌オンライン版2022年4月29日号に報告された。抗原検査の頻度とタイミング、発症後3日間は2日間隔で2回が感度に影響 本研究は、2021年1~5月にカリフォルニア州とコロラド州で実施された。RT-PCRで感染が確認された成人と小児のうち、自己採取の家庭用抗原検査および、RT-PCR、ウイルス培養検査のための鼻咽頭スワブを少なくとも1回提供した人が対象。家庭用抗原検査は2021年3月31日に米国食品医薬品局から緊急使用許可を取得したラテラルフロー検査キット(QuickVue At-Home OTC COVID-19 Test)を使用した。 主要アウトカムは、RT-PCR により確定診断された症例を検出するための抗原検査の1日当たりの感度。副次アウトカムは、抗原検査、RT-PCR、およびウイルス培養の日ごとの陽性率、RT-PCR およびウイルス培養に対する抗原検査の感度とされた。その他、連続抗原検査が感度向上につながるかどうかを判断するため、3つの抗原検査プロトコルの感度を比較した:1回の検査(プロトコル1)、連続した日に2回の検査(プロトコル2)、2日間隔で2回の検査(プロトコル3)。 抗原検査とRT-PCRおよびウイルス培養を比較検討した主な結果は以下の通り。・RT-PCRにより感染が確認された225人(年齢中央値[範囲]:29[1~83]歳、女性:52%、有症状:91%)を登録し、3,044件の抗原検査テストが実施され、642件の鼻咽頭スワブが採取された。対象者は中央値で15回(四分位範囲:14~15回、範囲:1~17回)の家庭用抗原検査を実施した。・主要アウトカムであるRT-PCR陽性例に対する抗原検査の全体的な感度は50%(95%信頼区間[CI]:45~55%)であり、特異度は97%(95%CI:95~98%)だった。・同日採取検体のRT-PCRに対する抗原検査の感度は64%(95%CI:56~70%)、ウイルス培養に対しては84%(95%CI:75~90%)だった。・各検査の感度のピークは、RT-PCRで95%(発症3日後)、抗原検査で77%(発症4日後)、ウイルス培養で64%(発症2日後)だった。・発症から6日後の抗原検査の感度は61%だった。・自宅での抗原検査の頻度とタイミングは、症例検出の感度に影響を与えた。発症後3日間は、2日間隔で2回の抗原検査を実施する(プロトコル3)ほうが、連日2回の検査(プロトコル2)や1回の検査(プロトコル1)よりも感度が高かった。連続検査プロトコル(プロトコル2および3)は、発症後14日間を通して1回の検査(プロトコル1)よりも感度が高く、発症後3日間でその差が最も大きくなった。ピーク時の感度は、プロトコル2(81%)、プロトコル1(77%)と比較して、プロトコル3が最も高かった(85%)。 著者らは、家庭用抗原検査の感度はRT-PCRと比較して中程度、ウイルス培養と比較して高いことが示唆されたとし、結果が初回陰性の有症者は、感度が発症数日後にピークに達し、検査の繰り返しにより改善することから、1~2日後に再度検査することが望ましいとしている。

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新型コロナ感染者、糖尿病リスクが高まる

 COVID-19罹患後にさまざまな疾患にかかりやすくなる可能性が示唆されているが、それに糖尿病が加わる可能性がある。米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによるコホート研究の結果が、The Lancet Diabetes & Endocrinology誌2022年5月号に掲載された。 本研究では、米国退役軍人省の全国データベースを用いて、2020年3月1日~2021年9月30日にCOVID-19検査で陽性となり、その後30日間生存した群(COVID-19群)18万1,280例、同じ期間に登録した対照群(411万8,441例)、2018年3月1日~2019年9月30日に登録した過去対照群(428万6,911例)からコホートを構成した。どちらの対照群も、SARS-CoV-2感染は認められなかった。 全登録例は、試験参加前に糖尿病を発症しておらず、中央値352日(IQR:245~406)のフォローアップが行われた。事前に定義された逆確率重み付けを用いて、糖尿病の発症、血糖降下薬の使用、およびこの2つの転帰の複合を用いてリスクを推定した。リスクの指標として、12ヵ月後のハザード比(HR)と1,000人あたりの疾病負荷の2つを報告した。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19群は対照群と比較して、糖尿病発症リスク(HR 1.40、 95% CI :1.36~1.44)および疾病負荷(13.46、 95% CI:12.11~14.84、12ヵ月の1,000人あたり)、および血糖降下薬使用のリスク(1.85、1.78~1.92 )および疾病負荷(12.35、11.36~13.38 )が増加した。・糖尿病発症または血糖降下薬使用の複合エンドポイントのリスクを推定する解析では、12ヵ月時点で1,000人あたり1.46(95%CI:1.43~1.50)のHRと18.03(95%CI:16.59~19.51)の疾病負荷だった。・急性期以降の転帰のリスクと負担は、COVID-19の急性期の重症度(患者が非入院か、入院か、集中治療室に入院したか)に応じて、段階的に増加した。・すべての結果は、過去対照群との比較においても一貫していた。 著者らは「COVID-19と糖尿病リスクとの関連を支えるメカニズムは完全には明らかにされていないが、SARS-CoV-2が膵臓でインスリンを産生する細胞に感染し複製することで、インスリンの産生および分泌が損なわれることが示唆されている。糖尿病は多面的なlong COVIDの構成要素として考慮されるべきで、COVID-19患者の急性期後のケア戦略と糖尿病のスクリーニングと管理を統合する必要がある」としている。

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五月病の原因は人間関係がトップ/アイスタット

 学校や会社が始まり、緊張した4月が過ぎ、大型連休が終わったころに出現するのがいわゆる「五月病」*である。*五月病:医学的な病名ではなく、「5月の連休後に憂鬱になる」「なんとなく体調が悪い」「会社に行きたくない」などの軽いうつ的な気分に見舞われる症状のこと 新入生や新社会人に多いとされるこの五月病について、どの程度経験があり、原因は何か、メンタルとの関係はあるのかなどについて、株式会社アイスタットは、5月11日にアンケートを実施した。 アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~59歳の有職者300人が対象。■調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2022年5月11日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~59歳/全国の有職者)■アンケートの概要・五月病の「経験あり」は53%、「経験なし」は47%。毎年、感じている人は10.7%と約1割だった・五月病の原因は、第1位「人間関係」が37.1%、第2位「GW」が28.9%・五月病の症状は、第1位「気分が落ち込む、元気がなくなる」が53.5%・メンタルが「強い」「普通」と回答した人は、「五月病の経験なし」の割合が多かった・五月病の経験が「ある人」と「ない人」の性格の主な違いは、「一人で抱え込む」・仕事の取り組み方が「意欲的である」と回答した人は、「五月病の経験あり」が多かった・5月以外の月でも五月病のような症状が起きている人は、「五月病の経験あり」も多かった・血液型「A型」「B型」は「五月病の経験なし」が、「O型」「AB型」は「五月病の経験あり」が多かった「一人で抱え込む」と五月病になる恐れ 質問1で「今までに『五月病かも』と感じたことはあるか」(単一回答)を聞いたところ、「今までに感じたことは一度もない」が47.0%で1番多く、「今までに感じたことは数回」が22.7%、「毎年ではないが、感じることは多い」が19.7%と続いた。また、「毎年、感じている」との回答も10.7%あり、全体で「経験あり」が53%、「経験なし」が47%とわずかに「経験あり」が上回った。なお、「経験あり」を回答した人の属性では、「20・30代」「男性」「未婚」で多かった。 質問2では、質問1で「経験あり」と回答した159人に「原因に心あたりがあるか」(複数回答)を聞いたところ、「人間関係」が37.1%で1番多く、「GW(長期休暇)」が28.9%、「気候・気温・湿度」が27.7%の順で多かった。多くは自分の周りの環境変化に関係する内容だったが、「コロナ禍」という回答も9.4%あった。 質問3では、同様に質問1で「経験あり」と回答した159人に「どのような症状があったか」(複数回答)を聞いたところ、「気分が落ち込む、元気がなくなる」が53.5%で1番多く、「無力感、倦怠感、気だるさ、やる気が出ない」が49.7%、「疲れやすい」が35.2%の順で多かった。また、「頭痛、腰痛、首痛、肩こり」が21.4%、「動悸、めまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震え」が12.6%、「胃痛・腹痛」が10.1%と器質的な症状を呈する回答者も見受けられた。 質問4で「メンタル(ハート)レベルについて、あてはまるもの」(単一回答)を聞いたところ、「普通」が39.3%で1番多く、「やや弱い」が23.0%、「非常に弱い」が18.0%、「やや強い」が16.0%、「非常に強い」が3.7%という順だった。「五月病」の経験の有無別にみると、メンタルが「強い」「普通」と回答した人は「五月病の経験なし」の割合が多く、「弱い」と回答した人は「五月病の経験あり」の割合が多く、一般的な予想の範囲だった。 質問5で「あなたの性格について」(複数回答)を聞いたところ、「まじめ」が38.0%、「一人で抱え込む」が30.7%、「几帳面」が30.3%の順で多かった。また、五月病の経験が「ある人」と「ない人」の性格の違いは何かを調べたところ、両方の差分より、第1位は「一人で抱え込む」の19.1ポイント、第2位は「ストレス発散が上手でない」の16.1ポイント、第3位は「几帳面」の11.7ポイントの順番だった。 質問6で「日頃の仕事への取り組み方」(単一回答)を聞いたところ、「まあまあ意欲をもって取り組もうとしている」が46.0%で1番多く、「あまり意欲をもって取り組もうとはしていない」が28.3%、「まったく意欲をもって取り組もうとはしていない」が15.0%、「とても意欲をもって取り組もうとしている」が10.7%だった。全体でみると「意欲的である」は56.7%、「意欲的でない」は43.3%で、「意欲的である」の回答がやや上回った。このうち「五月病」の経験の有無別にみると、仕事の取り組み方が「意欲的である」と回答した人は「五月病の経験あり」の割合が多く、「意欲的でない」と回答した人は「五月病の経験なし」の割合が多い結果だった。 質問7で「5月以外の月に五月病のような症状が起きるか」(単一回答)を聞いたところ、「どちらかといえばある」が33.0%で1番多く、「どちらかといえばない」が30.7%、「まったくない」が26.7%、「常にある」が9.7%だった。全体でみると、「ない」が57.3%、「ある」が42.7%で、「ない」との回答が約6割だった。また、「五月病」の経験有の31.4%が5月のみの心身の不調を回答していたことから、いわゆる「五月病」の人は全体の約3割程度と予想された。 質問8で「五月病」との関連を探るために「血液型」(単一回答)を聞いたところ、「A型」(34.3%)、「O型」(26.7%)、「B型」(22.3%)、「AB型」(11.7%)、「わからない」(5.0%)の分布であり、五月病の経験の有無別に解析した。その結果、血液型が「A型」「B型」と回答した人ほど「五月病の経験なし」の割合が多く、「O型」「AB型」と回答した人ほど「五月病の経験あり」の割合が多い結果だった。 なお、これらのアンケートの解析では、統計のさまざまな手法が使用され、そのノウハウも本事例を使い調査票に記載されている。今月のレベルアップとして「目的変数に対する影響度を調べる」と題し、「クラメール連関係数」について解説しているので、ご一読いただきたい。

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70歳以上の重症大動脈弁狭窄症、TAVI vs.大動脈弁置換術/JAMA

 重症症候性大動脈弁狭窄症で手術リスクが中程度の70歳以上の患者において、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は、大動脈弁置換術に対し1年全死因死亡率について非劣性であることが示された。英国・レスター大学のWilliam D. Toff氏らUK TAVI試験研究グループが、913例を対象に行った無作為化試験の結果を報告した。TAVIは、大動脈弁置換術に代わる低侵襲の治療法であり、手術リスクが高い患者にとって最適な治療法とされる。一方で、低リスクの患者へのTAVIの効果等については明らかになっていなかった。JAMA誌2022年5月17日号掲載の報告。英国内34ヵ所の医療機関で無作為化試験 研究グループは、手術リスクが中程度の患者においてTAVIが大動弁置換術に対して非劣性であるかを調べる無作為化試験を行った。2014年4月~2018年4月にかけて、英国34ヵ所の医療機関を通じて、重症症候性大動脈弁狭窄症で、年齢または併存疾患により手術リスクが中程度の70歳以上913例が登録された。最終フォローアップは2019年4月。 被験者を無作為に2群に割り付け、一方にはCEマーク(欧州経済領域で法的安全性基準を満たした弁の指標)付きのあらゆる弁を使用したTAVI(アクセスルートは問わない)を、もう一方には大動脈弁置換術を行った。 主要アウトカムは1年時点の全死因死亡で、主な仮説は、TAVIの大動脈弁置換術に対する非劣性であり、非劣性マージンは死亡率の絶対群間差について片側97.5%信頼区間(CI)上限値を5%とした。 副次アウトカムは、入院日数、大出血イベント、血管合併症、ペースメーカー植え込み術を要した伝導障害、大動脈弁逆流症など36項目(本稿では30項目を報告)であった。1年全死因死亡率、TAVI群4.6% vs.大動脈弁置換術群6.6% 無作為化された被験者913例(TAVI群458例、大動脈弁置換術群455例)は、年齢中央値81歳(IQR:78~84)、女性424例(46%)、米国胸部外科学会(Society of Thoracic Surgeons)死亡リスクスコア中央値2.6%(IQR:2.0~3.4)のうち、フォローアップを完了した912例(99.9%)が非劣性解析に包含された。 1年時点の死亡例は、TAVI群21例(4.6%)、大動脈弁置換術群30例(6.6%)で、補正後絶対リスク群間差は-2.0%(片側97.5%CI:-∞~1.2%、非劣性のp<0.001)だった。 報告された30の事前規定の副次アウトカムのうち、24項目について1年時点で有意差が示されなかった。 1年時点の大出血イベントの発生は、TAVI群が大動脈弁置換術群よりも有意に少なかった(7.2% vs.20.2%、補正後ハザード比[HR]:0.33[95%CI:0.24~0.45])。 一方で、血管合併症(10.3% vs.2.4%、補正後HR:4.42[95%CI:2.54~7.71])、ペースメーカー植え込みを要する伝導障害(14.2% vs.7.3%、2.05[1.43~2.94])、および軽度(38.3% vs.11.7%)・中等度(2.3% vs.0.6%)大動脈弁逆流症(軽度~高度[高度の報告例なし]大動脈弁逆流症の統合vs.非発症の補正後HR:4.89[95%CI:3.08~7.75])の発生は、TAVI群が大動脈弁置換術群に比べ有意に多かった。

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虚弱高齢者への運動+栄養介入、運動障害の発生を約2割減/BMJ

 身体的フレイルおよびサルコペニアが認められるShort Physical Performance Battery(SPPB)スコアが3~9の70歳以上に対し、中等度身体的アクティビティ指導(対面週2回、家庭で週4回以下)と個別栄養カウンセリングを実施することで、運動障害の発生が減少したことが示された。イタリア・Fondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSのRoberto Bernabei氏らが、技術的サポートと栄養カウンセリングによる身体活動ベースの多面的介入が、身体的フレイルとサルコペニアが認められる高齢者の運動障害を予防するかを確認するため検討した無作為化試験「SPRINTT project」の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「身体的フレイルとサルコペニアは、虚弱高齢者の可動性を維持するターゲットになりうることが示された」とまとめている。BMJ誌2022年5月11日号掲載の報告。SPPBスコア3~9、400m自力歩行可能な70歳以上を対象に試験 研究グループは2016年1月~2019年10月31日に、欧州11ヵ国、16ヵ所の医療機関を通じて、身体的フレイルとサルコペニアを有し、SPPBスコアが3~9、除脂肪体重が低く、400mの自力歩行が可能で、地域に居住する70歳以上の男女1,519例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方(介入群)には中等度身体アクティビティを試験センターで週2回、家庭で週4回まで実施。身体アクティビティは、アクチメトリ(活動量)データを用いて個別に調節した。また、個別に栄養カウンセリングも行った。もう一方(対照群)には、月1回、健康的なエイジングに関する教育を行った。介入と追跡は最長36ヵ月にわたった。 主要アウトカムは運動障害で、15分未満での400m自力歩行不可で定義された。事前に規定した副次アウトカムは、運動障害の持続(400m自力歩行が2回連続で不可)、ベースラインから24ヵ月および36ヵ月時点の身体機能・筋力・除脂肪体重の変化などだった。 主要比較は、ベースラインSPPBスコアが3~7の1,205例を対象に行い、SPPBスコアが8/9の被験者314例については探索的目的で別に解析を行った。運動障害発生率は介入群46.8%、対照群52.7%でハザード比0.78 被験者1,519例(うち女性1,088例)の平均年齢は78.9歳(SD 5.8)、平均追跡期間は26.4ヵ月(9.5)だった。 SPPBスコア3~7の被験者における運動障害の発生は、介入群283/605例(46.8%)、対照群316/600例(52.7%)だった(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.67~0.92、p=0.005)。運動障害の持続が認められたのは、介入群127/605例(21.0%)、対照群150/600例(25.0%)だった(HR:0.79、95%CI:0.62~1.01、p=0.06)。 24ヵ月時点および36ヵ月時点でのSPPBスコアの群間差も、それぞれ0.8ポイント(95%CI:0.5~1.1、p<0.001)、1.0ポイント(0.5~1.6、p<0.001)といずれも介入群を支持する結果が示された。 24ヵ月時点の握力低下は、介入群の女性で対照群よりも有意に小さいことが示された(0.9kg、95%CI:0.1~1.6、p=0.028)。 除脂肪体重の減少は、24ヵ月時点で介入群が対照群よりも0.24kg少なく(95%CI:0.10~0.39、p<0.001)、36ヵ月時点では0.49kg少なかった(0.26~0.73、p<0.001)。 重篤な有害事象は、介入群237/605例(39.2%)、対照群216/600例(36.0%)報告された(リスク比:1.09、95%CI:0.94~1.26)。 なお、SPPBスコア8/9の被験者では、運動障害の発生は介入群46/155例(29.7%)、対照群38/159例(23.9%)だった(HR:1.25、95%CI:0.79~1.95、p=0.34)。

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サル痘とは?

サル痘とは?患者さんからの質問に答える出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.サル痘とは? サル痘は、サル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患である。 感染症法では4類感染症に位置付けられている。 主にアフリカ中央部から西部にかけて発生しており、自然宿主はアフリカに生息するげっ歯類が疑われているが、現時点では不明である。稀に流行地外でも、流行地からの渡航者等に発生した事例がある。 症状は発熱と発疹を主体とし、多くは2~4週間で自然に回復するが、小児等で重症化、死亡した症例の報告もある。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.サル痘ウイルスの感染経路は? 動物からヒトへの感染経路は、感染動物に咬まれること、あるいは感染動物の血液・体液・皮膚病変(発疹部位)との接触による感染が確認されている。 ヒトからヒトへの感染は稀であるが、濃厚接触者の感染や、リネン類を介した医療従事者の感染の報告があり、患者の飛沫・体液・皮膚病変(発疹部位)を介した飛沫感染や接触感染があると考えられている。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.サル痘の流行地は? サル痘は1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)で初めて報告されて以降、アフリカ中央部から西部にかけて主に発生してきた。 日本国内では感染症発生動向調査において、集計の開始された2003年以降、輸入例を含めサル痘患者の報告はない。 2022年5月、海外渡航歴のないサル痘患者が英国より報告されまた、欧州、米国でも患者の報告が相次いでおり、調査が進められている。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.サル痘の症状・致命率は? サル痘の潜伏期間は5~21日(通常7~14日)とされる。 潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などが1~5日続き、その後発疹が出現する。 発疹は、典型的には顔面から始まり、体幹部へと広がる。 発症から2~4週間で治癒する。 致命率は0~11%と報告され、とくに小児において高い傾向にある。ただし、先進国では死亡例は報告されていない。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.サル痘の治療方法は? 対症療法が行われる。 一部の抗ウイルス薬について、in vitroおよび動物実験での活性が証明されており、サル痘の治療に利用できる可能性がある。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.家庭・市中での感染対策は? 発熱、皮疹がありサル痘が疑われる場合、マスク着用を行い、咳エチケットを守り、手指衛生を行う。 患者が使用したリネン類や衣類は、手袋などを着用して直接的な接触を避け、密閉できる袋に入れて洗濯などを行い、その後手洗いを行う。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.病院での感染対策は? 確定患者および疑い患者に対しては飛沫予防策、接触予防策を取る必要がある。 サル痘の主な感染経路は接触感染や飛沫感染であるが、水痘、麻疹等の空気感染を起こす感染症が鑑別診断に入ること、サル痘に関する知見は限定的であること、他の入院中の免疫不全者における重症化リスク等を考慮し、現時点では、医療機関内では空気予防策を実施することが推奨される。 診療行為に伴うエアロゾル感染の可能性が否定できないため、N95マスクなど空気予防策を取る事を検討する。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.Q.サル痘のワクチンは? 天然痘のワクチンである痘そうワクチンがサル痘予防にも有効であるが、日本では1976年以降、痘そうワクチンの接種は行われていない。 サル痘ウイルス曝露後4日以内に痘そうワクチンを接種すると感染予防効果があり、曝露後4~14日で接種した場合は重症化予防効果があるとされている。出典:国立感染症研究所ホームページ(2022年5月20日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.htmlCopyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

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NCCPの原因はしっかり鑑別したい【知って得する!?医療略語】第12回

第12回 NCCPの原因はしっかり鑑別したいNCCPという胸痛があるのですか?そうなのです。循環器疾患が否定的な胸痛を非心臓性胸痛と言い、NCCP(non-cardiac chest pain)と表現します。≪医療略語アプリ「ポケットブレイン」より≫【略語】NCCP【日本語】非心臓性胸痛【英字】non-cardiac chest pain【分野】救急【診療科】消化器科・総合診療科【関連】心臓性胸痛(CCP:cardiac chest pain)実際のアプリの検索画面はこちら※「ポケットブレイン」は医療略語を読み解くためのもので、略語の使用を促すものではありません。筆者が研修医の頃、「非特異的胸痛」という言葉をよく耳にしました。当時、「非特異的胸痛」は 心臓由来の痛みではない胸痛の患者さんに多く使用されていた印象でした。この「非特異的胸痛」という言葉に、心臓由来の胸痛の可能性が残っているのか否か、その定義に曖昧さがあり、個人的にはあまりしっくりきませんでした。しかし、近年は大動脈疾患を含む心臓性胸痛(CCP:Cardiac chest pain)が否定的な胸痛を「非心臓性胸痛(NCCP:non-cardiac chest pain)」と表現するようになっています。2019年に発表された三輪氏のNCCPに関する実態調査報告1)によれば、「胸痛症状で医療機関の受診者のうち、NCCPが7割に及んだ」と報告されています。臨床現場で悩ましいのは、いざ心臓性胸痛が否定的なときのNCCPの原因です。NCCPの原因について論文を検索すると、消化器疾患の論文が多く、筆者自身も消化器疾患、とくに胃食道逆流症(GERD)や食道痙攣の消化器疾患を想起しがちでした。しかし、2008年の谷村氏らの報告2)によれば、非心臓性胸痛における逆流性食道炎の頻度は2.5%と決して多くはなかったことが示唆されています。また、同論文ではNCCP40名の胸痛の原因を以下のように報告しています。【非心臓性胸痛の鑑別内訳】論文2より引用改変◆消化器疾患2例(GERD・食道がん)◆呼吸器疾患18例(肺炎・胸膜炎・肺がん・がん性胸膜炎・自然気胸・肺動脈血栓症)◆筋骨格  5例(肋間神経痛・筋肉痛)◆精神疾患 8例◆原因不明 7例近年は、非びらん性胃食道逆流症(NERD:non-erosive reflux disease)の疾患概念もありますので、NCCPに占める胃食道逆流症の割合は2.5%より多いかもしれません。しかし、いずれにしても心臓性胸痛が否定されNCCPと考えられる胸痛でも、ただちに消化器疾患だと鑑別を狭めず、肺動脈塞栓症や胸部悪性疾患のような重要疾患も想起し、鑑別していく必要があると考えます。1)科学研究費助成事業 研究成果報告書「わが国における非心臓性胸痛(NCCP)の実態調査とその病態の解明」2)谷村隆志ほか. 日消誌. 2008;105:54-59.保坂浩子ほか. medicina. 2017;54:852-855.藤野 雅史ほか. medicina. 2013;50:840-843.判田正典. 心身医学. 2010;50:923-930.

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第110回 高血圧治療用アプリの薬事承認取得で考えた、「デジタル薬」が効く人効かない人の微妙な線引き(後編)

日医・中川会長不出馬、政権と日医との対立構造も変化かこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。先週末、大きなニュースが飛び込んで来ました。日本医師会の中川 俊男会長が6月に予定される会長選に立候補しない意向を周囲に伝えたことがわかったのです。中川会長と日医については、本連載で幾度も取り上げて来ました。今年に入ってからも、「第107回 会長選前に日医で内紛勃発、リフィル処方箋導入で松原副会長が中川会長を批判」「第108回 『かかりつけ医』の制度化めぐり、日本医師会と財務省の攻防本格化」などで、2022年診療報酬改定を機に勃発した日医執行部内部での内紛や、財務省の力が増す中での日医の立ち位置の難しさなどについて書きました。中川会長は、中央社会保険医療協議会委員の頃から強面で、政策通を自認していました。もっとも医師の利益だけを重視する発言は昔から有名で、そのスタンスはコロナ禍となっても変わりませんでした。しかし、「第92回 改定率で面目保つも『リフィル処方』導入で財務省に“負け”た日医・中川会長」でも書いたように、リフィル処方を執行部の了解も得ずに飲んでしまったことが致命傷となりました。医師の利益よりも、権力にしがみつきたいという私欲が、日医執行部の面々をも呆れさせたのかもしれません。いったん飲んでしまってから、リフィル処方に反対する姿勢を見せてはいましたが、悪あがきのようにも映りました。結局、国民と政権からそっぽを向かれ、日医内部からもそっぽを向かれた格好です。“お山の大将”のまま日医会長になったものの、その“大将”ぶりを変えずリーダーシップを取り続けた結果、失脚してしまったというわけです。5月23日に開いた記者会見で不出馬を正式表明した中川会長は、「出馬しないことで日本医師会の分断を回避し、一致団結して夏の参院選に向かうことができるのであれば本望」と語ったとのことです。また、「強権的だったとの一部批判があった。反省している」とも述べたそうです。5月25日時点で会長選に出馬を表明しているのは日本医師会副会長の松原 謙二氏と日本医師会常任理事の松本 吉郎氏です。このうち優勢と言われる松本氏は前回会長選で敗れた横倉 義武氏(前日本医師会会長)の陣営の一員でした。仮に松本氏が新会長となり、政界ともパイプが太かった横倉氏の“路線”、“政策”を引き継ぐとしたら、政権と日医との対立構造にも少しは変化が出てくるかもしれません。DTxに対する素朴な疑問をさらに深掘りさて、先週の続きです。前回は、高血圧治療用の「CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ」の製造販売承認(薬事承認)取得を機に盛り上がりを見せる「デジタル薬=DTx(Digital Therapeutics)」に対する素朴な疑問について書きました。今週はその疑問をもう少し深掘りしてみます。前回詳しく書いたように、「CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ」の臨床試験では、主要評価項目であるABPM (24時間自由行動下血圧測定)による24時間のSBP(収縮期血圧)が、高血圧治療ガイドラインに準拠した生活習慣の修正に同アプリを併用した「介入群」と、同ガイドラインに準拠した生活習慣の修正を指導するのみの「対照群」を比較評価した結果、「介入群」の方が有意な改善を示した、とのことでした。もっとも、「有意な改善」とは言うものの、血圧の変化量の群間差は-2.4[-4.5〜-0.3]で、素人目には劇的というほどではありませんでした。「スマホアプリにうまく順応して素直に行動を変えられる人ならいいが、頑固でアプリのアドバイスにもなかなか従わない人に果たして効果があるのだろうか」という私の素朴な疑問に対し、DTxの開発に詳しい知人の記者は「行動変容を促すDTxは、アプリを使用するだけでなく、アプリの提案を基に患者自身が行動を起こす必要がある。通常の薬剤の“服用”よりもアドヒアランスのハードルがとても高く、臨床試験で目に見える効果を出すのが難しいと言われている」と教えてくれました。「なるほど」と思い、少し調べてみたのですが、DTxの臨床試験は、国内外でなかなか難しい状況にあることがわかってきました。大日本住友製薬は2型糖尿病管理指導用のアプリの開発を中止DTxの開発は国内外で活発化しています。対象となっている疾患領域も糖尿病、うつ病、不眠症、アルコール依存症とさまざまです。そんな中、開発に頓挫したケースもみられます。たとえば、大日本住友製薬は、日本で2型糖尿病患者を対象に第III相臨床試験を実施していたDTxの開発を2022年1月に中止しています。同DTxは、スタートアップのSave Medicalと共同開発していた2型糖尿病管理指導用のアプリです。食事や運動、体重といった生活習慣や服薬や血圧、血糖値の指標などをアプリで管理することで、患者の行動変容を促し、2型糖尿病患者の臨床的指標を改善することを目指していました。しかし、第III相臨床試験の結果、主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの変化量が未達となり、開発は中止されました。デジタル流行りの昨今、デジタル治療の現状については、一般メディアも専門メディアも甘口の記事が多いですが、日経バイオテクは今年3月22日付の「あの『BlueStar』に学ぶ、デジタル治療の臨床開発の難しさ」というタイトルで、辛口の分析記事を掲載しています。その記事は大日本住友製薬のDTx開発断念について、「第3相のデータの詳細は明らかではないが、大日本住友製薬の幹部は、『被験者の組み入れ基準などが厳密にコントロールされていなかったことなどが課題かもしれない』と明かしており、被験者によって効果が認められた患者とそうでない患者がいた可能性がありそうだ」と書いています。臨床試験とは、良いデータを出すことが目的ではなく、その“薬”が効くかどうかを証明することが目的のはずです。しかし、ともすれば開発者は、良いデータを出すために恣意的に臨床試験をデザインすることがあります。DTxの場合であれば、対照群も含めて「アプリ治療に反応しやすい人」だけを選んでおけば、良好な結果を出しやすくなるはずです。ただ、そうした臨床試験の結果をもって「効く」と言ってしまっていいのか、難しい問題です。治験の被検者を厳格に選んでいたBlueStar先程の日経バイオテクの記事は、DTxの成功例として知られる米Welldoc社の糖尿病治療用アプリ「BlueStar」にも切り込んでいます。BlueStarとは、DTxの成功例として知られるWelldoc社の糖尿病治療用アプリのことです。米食品医薬品局(FDA)の認可を2010年8月に受けており、同社と提携したアステラス製薬が日本と一部アジア地域での共同開発と製品化を進めています。同記事によれば、2008年から行われたBlueStarの2型糖尿病患者に対する臨床試験では、標準治療群と、標準治療にアプリを上乗せした群で有意差が出た(HbA1c値は対照群では0.7%の低下に留まったが、標準治療にアプリと医師による意思決定支援を上乗せした群では1.9%低下)ものの、被検者登録の段階で2度にわたって患者の同意を取るよう医師に求めるという、極めて厳格なセレクションが行われていたとのことです。最初2,602例をスクリーニングの対象としたものの、最終的に2度の同意手続きに反応のあった163例が被験者として登録されたとのことです。同記事は「被験者登録の過程で、結果的にアプリの効果が得られやすい患者が登録されていた、という可能性も否定できない」と書いています。また、同記事は、カナダにおける多施設でのランダム化対照試験では有意差が示されなかった、とも書いています。なお、アステラス製薬はBlueStarの臨床試験を日本でまだ開始していません。CureAppは「降圧効果を十分に期待できると判断された患者を対象」にDTxのパイオニアであるBlueStarですら、相当厳格な対象患者絞り込みによって、有意差のある結果を出していたらしいという事実は、万人に効くようなDTxの開発は相当困難であることを示唆しています。逆に言えば、「こういう性格や行動パターンの人には効く」という明確な線引きが行われて、臨床試験にもそれが反映されていれば、「効能又は効果」にその旨が記載されることで、本当に効く人だけに処方されることになります。私の素朴な疑問もこれで解消です。ただ、現状、DTxの臨床試験の対象患者選びはある意味、ブラックボックス化しているようです。たとえば、PMDAが先日公開した「CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ」の審議結果報告書1)によれば、このアプリの臨床試験の対象患者は「20歳以上65歳未満の降圧薬による内服治療を受けていないI度又はII度の本態性高血圧患者のうち、 食事・運動療法等の生活習慣の修正を行うことで降圧効果を十分に期待できると判断された患者を対象」と書かれていますが、「降圧効果を十分に期待できる」をどう判断したかについては書かれていません。なお、臨床試験の同意取得症例は946例で、うち登録例399例(治験治療実施例390例)、未登録例547例となっています。市場に出る前に効く人と効かない人の線引きを国はDTxをはじめとするプログラム医療機器(SaMD)の普及・定着に相当前のめりになっている印象です。2022年度診療報酬改定では、プログラム医療機器を使用した医学管理を行った場合に算定する「プログラム医療機器等医学管理加算」の項目が新設されました。また、3月30日のデジタル臨時行政調査会で、岸田 文雄総理大臣は医療や介護のデジタル化の推進策を取りまとめるよう規制改革推進会議に指示、同会議ではプログラム医療機器の承認審査の在り方も検討される予定です。先週、5月18日には、自民党の「医療・ヘルスケア産業の新時代を創る議員の会」(ヘルステック推進議員連盟、 田村憲久会長)がデジタルヘルス推進に向けた提言を取りまとめており、この中でもプログラム医療機器の重要性が強調され、 利活用に向けた環境整備を求めています。しかし、デジタルは万能ではありません。効果が微妙なDTxがどんどん市場に出ていっても、迷惑を被るのは患者です。「市販後調査できちんと評価」という声もあるようですが、むしろ市場に出る前に効く人と効かない人の線引きをきちんとすることの方が重要ではないでしょうか。鳴り物入りのDTxですが、医療費の無駄遣いにならないことを願うばかりです。参考1)CureApp HT 高血圧治療補助アプリ 審議結果報告書/PMDA

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乾癬治療、中止後再発までの期間はIL-23阻害薬が最も長い

 乾癬における全身性治療薬の、投与中止後の再発までの期間について、フランス・CHU PoitiersのMarie Masson Regnault氏らがシステマティックレビューの結果、生物学製剤は経口全身性薬剤よりも、中止後の再発までの期間が長いこと、生物学的製剤の中ではIL-23阻害薬が再発までの期間が最も長かったことを明らかにした。乾癬では寛解達成後、どのタイミングで全身性治療を中止するかの決定が重要な問題となっている。著者は、「今回の所見は、間欠的な治療が必要な場合の全身性治療薬の選択について、臨床的な影響を与えることになるだろう」とまとめている。American Journal of Clinical Dermatology誌オンライン版2022年4月30日号掲載の報告。IL-23阻害薬vs.IL-17阻害薬で治療中止後の再発までの期間延長を観察 研究グループはシステマティックレビューにて、乾癬患者の全身性治療中止後の再発までの期間を評価した。PubMed、Cochrane Library、Embaseのデータベースを系統的に検索し、乾癬患者への全身性治療中止後の再発までの期間を報告している無作為化試験を特定し、さらに著者は製薬会社に問い合わせ、特定公表論文の欠落データについて提供を受けた。各公表論文では、乾癬再発までの期間と投与中止のタイミングが慎重に評価されていた。検討では、投与中止時の乾癬コントロールのレベルと乾癬再発の定義が考慮された。 乾癬患者の全身性治療中止後の再発までの期間を評価した主な結果は以下の通り。・システマティックレビューには、2021年4月以前に公表された30本の論文が含まれた。・メトトレキサートおよび/またはシクロスポリンの従来薬による全身性治療に焦点を当てた論文が4本、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬に焦点を当てた論文が9本、IL-17阻害薬に焦点を当てた論文が8本、IL-12/23またはIL-23阻害薬に焦点を当てた論文が8本、トファシチニブとアプレミラストに焦点を当てたものが1本であった。・投与中止時の乾癬治療成功の評価については、さまざまな定義が使用されていた。同様に、乾癬再発の定義に使用された基準もばらつきが認められた。薬物間の比較は、ほとんどの薬物が間接的な評価(すなわち試験全体での評価)であった。・最大PASI改善の50%が失われる期間を考慮すると、乾癬再発までの期間中央値は、生物学的製剤(12~34週間)よりも従来の全身性治療薬(~4週間)が短かった。・PASI 90の消失など厳格な再発基準を使用した場合、IL-23阻害薬(21~42週間)vs.IL-17阻害薬(7~24週間)で、治療中止後の再発までの期間延長が観察された。

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自閉スペクトラム症の感情調整や過敏性に対する薬理学的介入の有効性~メタ解析

 感情調節不全や過敏性は、自閉スペクトラム症(ASD)でよくみられる症状である。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのGonzalo Salazar de Pablo氏らは、ASDの感情調節不全や過敏性に対する薬理学的介入の有効性および治療反応の予測因子を評価する、初めてのメタ解析を実施した。その結果、いくつかの薬理学的介入(とくにアリピプラゾールとリスペリドン)は、ASD患者の感情調節不全や過敏性の短期的治療に有効であることが証明されており、忍容性プロファイルと家族の考えなども考慮し、複数の形式による治療を計画するうえで検討すべきであると報告した。Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry誌オンライン版2022年4月22日号の報告。 プロトコルに従い、複数のデータベースより2021年1月1日までの研究をシステマティックに検索した。プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を抽出し、感情調節不全や過敏性に対する薬理学的介入の有効性および治療反応の予測因子を評価した。Q検定を用いた不均一性および出版バイアスを評価した。主要エフェクトサイズは、標準化平均差(SMD)とした。研究の質の評価には、コクランのバイアスリスクツール(RoB2)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・ASD患者2,856例を含む45件の研究が分析に含まれた。26.7%のRCTは、バイアスリスクが高かった。・抗精神病薬(SMD:1.028、95%CI:0.824~1.232)およびADHDに適応を有する薬物療法(SMD:0.471、95%CI:0.061~0.881)は、プラセボと比較し、感情調節不全や過敏性に対し有意な改善が認められたが、他の薬剤クラスでは認められなかった(p>0.05)。・各薬剤についての評価では、アリピプラゾール(SMD:1.179、95%CI:0.838~1.520)とリスペリドン(SMD:1.074、95%CI:0.818~1.331)の有効性が示唆された。・てんかん発症率の増加(β=-0.049、p=0.026)は、有効性の低下と関連していた。

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