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有害事象報告のための可視化への動きが始まった(解説:折笠秀樹氏)

 臨床試験の有害事象はおよそ、群ごとに各事象の頻度と割合を示しているだけです。最後の表で示されていることが多いので、しっかり見ている人は少ないかもしれません。もっと注目してもらおうと、可視化(Visualization)への動きが高まっています。 英国の大学に所属する統計家を主に、コンセンサス会議が行われました。28種類の可視化を検討して、その中で10個を推奨することになったようです。 その多くはよく知られたものでした。棒グラフ、帯グラフ、折れ線グラフ、散布図、ドット・プロット、カプラン・マイヤープロットはよく見掛けます。それ以外にバイオリン・プロットとカーネル密度プロットが推奨されましたが、最近医学雑誌で見掛けたことがあります。統計ソフトのStata、R、SASなどでも描けるようになったみたいです。 カプラン・マイヤープロットというと、100%から下がるタイプしかありませんでした。がん治療の生命予後ならこれでよかったわけですが、循環器の心臓死なら、むしろ0%から上がっていく方式のほうが見やすいわけです。こうした持ち上がり型プロットが登場したのは、20年ほど前ではなかったでしょうか。統計ソフトもこれに対応するようになってきました。 可視化への動きは医学論文だけとは限りません。テレビや新聞などのマスメディアにおいても、視聴者や読者へ訴えかける手段として可視化には力を入れています。どういった解析法がよいかだけを考えるのが統計家の役目のように考えられてきましたが、この可視化についても統計家はもっと関与していくべきかもしれません。可視化に関する著書もたくさん出版されるようになってきました。最後に、可視化のカタログというサイトがあります(https://datavizcatalogue.com)。ぜひ見ておいてください。

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「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回

第40回 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??漫画・イラスト:かたぎりもとこ「知人の医師に売ることにしたので、御社に依頼する必要がなくなりました」私たちが医業承継サービスを提供していると、一定の頻度で、こうした一言を売り手側の先生から言われます。しかし一方で、少し時間が経つと、「知人との話が破談したので、相手探しを再開してほしい」という展開になることも、また多くあります。この連載でも繰り返しお伝えしているように、医業承継は専門性が高く、難易度の高い取り組みです。多くの方は「相手探しだけが難しく、これをクリアすれば後は引き継ぐだけ」と考えていますが、実際には相手探しに加え、「引き継ぐまでに要するタスク」が膨大にあり、豊富な知識を要するため、ここにも多くの壁があるのです。具体的には、下記のようなものが「壁」となります。「譲渡額の根拠」を買い手に説明する「譲渡する資産」について買い手と合意する「引き継ぎ期間」を買い手と合意する「スタッフに譲渡を告知するタイミング」を決める「不動産オーナー」に承継について説明し、合意を得る「最終契約書」を作成し、買い手と合意を得るたとえば、スタッフに告知するタイミングを間違えると、スタッフ側の不安が募り、最終契約書の締結前に多くのスタッフが退職意向を示した結果、スタッフの雇用継続を前提としていた買い手側が辞退する、ということにつながります。医業承継は相手探しだけが難しいわけでなく、引き継ぎ完了までには多くの壁があり、それらを専門家不在で進めることは高いリスクが伴います。

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第50回 クラメール連関係数とは?【統計のそこが知りたい!】

第50回 クラメール連関係数とは?クラメール連関係数(Cramer's coefficient of association)は2つのカテゴリーデータの相関関係を把握する解析手法です。下の表1のクロス集計表は、医師の所属する施設形態とある疾患の治療薬の処方との関係をみたものです。表1 薬剤処方と医師所属機関のクロス集計表回答割合をみると、A薬剤は「一般病院勤務医」、B薬剤は「開業医」、C薬剤は「大学病院勤務医」が他の所属施設形態を上回り、医師の所属施設の経営形態で医師が処方する薬剤が異なることがわかります。これより「医師の所属施設の経営形態と処方薬剤とは関連がある」と言えます。ただし、関連性はわかったものの、クロス集計表からは関連性の強さまではわかりません。このようなとき、クロス集計表の関連性、すなわち「カテゴリーデータである2項目間の関連性の強さを明らかにする解析手法」が「クラメール連関係数」です。クラメール連関係数は0~1の値で、値が大きいほど関連性は強くなる■関連性の強さの度合いクラメール連関係数はいくつ以上あれば関連性があるという統計学的基準はありません。クロス集計表をみる限り関連性があるように思えても、クラメール連関係数の値は大きい値を示さないことを考慮して、一般的に基準は表2のように設定されています。表2 クラメール連関係数の関連性の強さ■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決! 一問一答質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その1)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その2)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その3)

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縫合のgolden time【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q18

縫合のgolden timeQ18症例自宅近くの夜間診療所で当直バイト中のこと。とくに既往、アレルギー歴のない28歳男性、受診3時間前に自宅でリンゴの皮剥きをしていた際に誤って左中指DIP腹側を切ってしまった。深さ3~4mm程度、長さ20mm程度で、明らかな神経障害や動脈性出血、腱損傷はなさそう。バイタルは安定しているが、止血をえられず、縫合処置が必要と判断される。外科医のいる二次救急病院に送るのも気が引ける…。初期研修ぶりだけど、自分で縫ってみるか。19時間以内1)なら大丈夫と習った気がするけど、単純な創閉鎖は受傷何時間以内なら可能だったかな?

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コロナ罹患後症状を大規模調査、成人の2割以上が発症/CDC

 米国疾病対策センター(CDC)が実施したコロナ罹患後症状(post-COVID、いわゆる後遺症)についての約200万人の大規模調査によると、急性肺塞栓症や呼吸器症状の発症リスクが2倍となり、18~64歳の5人に1人、65歳以上の4人に1人が、コロナ罹患後症状と考えられる症状を1つ以上発症しているという。研究結果は、CDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2022年5月27日号に掲載されている。 本調査は、米国50州の18歳以上のCerner Real-World Dataに登録された電子健康記録(EHR)データを用いて、2020年3月~2021年11月の期間、過去にCOVID-19の診断を受けた、または検査で陽性となった群(症例群:35万3,164例)におけるコロナ罹患後によく見られる26の対象症状の発生率と、コロナ既往歴がない群(対照群:164万776例)における対象症状の発生率について、後ろ向きコホート研究で比較評価した。解析では、18~64歳(症例群:25万4,345例、対照群:105万1,588例)と65歳以上(症例群:9万8,819例、対照群:58万9,188例)に層別化した。 主な結果は以下のとおり。・全年齢層の症例群38.2%、対照群16.0%が、少なくとも1つの対象症状を経験した(18~64歳:症例群35.4%、対照群14.6%。65歳以上:症例群45.4%、対照群18.5%)。・症例群と対照群のリスク差は、18~64歳では20.8%ポイント、65歳以上では26.9%ポイントであった。・全年齢層で最も多い罹患状況は、呼吸器症状と筋骨格系疼痛だった。リスク比が最も高い対象症状は、急性肺塞栓症(18~64歳:2.1、65歳以上:2.2)、呼吸器症状(両年齢層:2.1)であった。・65歳以上では、26の対象症状すべてにおいて対照群より症例群が、リスク比が高かった。一方、18~64歳では、22の対象症状で対照群より症例群が、リスク比が高かった。・心不整脈のリスク比は、65歳以上(1.5)よりも、18~64歳(1.7)が有意に高かった。・筋骨格系疼痛のリスク比は、65歳以上(1.4)よりも、18~64歳(1.6)が有意に高かった。・65歳以上では、味覚・嗅覚障害などの神経学的症状や、気分障害、不安、物質関連障害などの精神症状のリスク比が、18~64歳と比べて有意に高かった。 本研究により、コロナ既感染者の成人では、18~64歳の5人に1人、65歳以上の4人に1人が、コロナの既往に起因すると考えられる症状を経験していることが示された。若年者に比べ高齢者のほうがリスクが高く、感染から1年後まで持続することが報告されている神経学的症状などは、脳卒中や神経認知障害のリスクがすでに高い高齢者に対して、追加支援などが必要になる可能性があるため、とくに懸念されるとしている。研究グループは、コロナ罹患後症状のリスク上昇に関連する病態生理学的メカニズムを理解するため、今後もさらなる調査が必要だとしている。

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セムブリックスは新規作用機序の慢性骨髄性白血病治療薬/ノバルティス ファーマ

 ノバルティス ファーマは2022年5月25日、前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病に対する治療薬、セムブリックス錠20mg、同40mg(一般名:アシミニブ塩酸塩)を発売したことを発表した。 慢性骨髄性白血病(CML)は、分子標的薬であるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の登場により、通院での治療が可能な慢性疾患になったとも言われている。しかし、TKI治療を受けている患者の約半数が、現在のTKI治療に抵抗性となる、または副作用により使用が継続出来なくなる不耐容などの理由により、治療変更を余儀なくされていた。セムブリックスはSTAMP阻害作用という従来のTKIとは異なる作用機序 今回発売されたセムブリックスは、ABLミリストイルポケットを特異的に標的とするSTAMP阻害作用という、従来のTKIとは異なる作用機序を有している。2剤以上のTKI治療歴のあるCML患者の抵抗性に対処し、白血病細胞の過剰産生とも関連するBCR-ABL1遺伝子の変異を克服できる可能性があるともされている。 ノバルティス ファーマはセムブリックスの発売により、これまでのTKI治療では効果が十分に得られていない、また副作用により日常生活に支障を来すような患者に新しい治療選択肢を提供することが可能になった、としている。セムブリックス錠製品概要・製品名:セムブリックス錠(20mg、同40mg)・一般名:アシミニブ塩酸塩・効能・効果:前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病・用法・用量:通常、成人にはアシミニブとして1回40mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。・承認取得日:2022年3月28日・発売日:2022年5月25日・薬価:セムブリックス錠20mg(20mg 1錠)5,564.50円、セムブリックス錠40mg(40mg 1錠)10,618.30円・製造販売元:ノバルティス ファーマ株式会社

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妊娠糖尿病、インスリン使用で周産期合併症が増加/BMJ

 妊娠糖尿病の妊婦は正常血糖値妊婦と比較して、インスリンを使用していない場合は、帝王切開による分娩や早産児・巨大児が多く、インスリンを使用している場合は、母親のアウトカムに差はないものの、新生児の在胎不当過大や黄疸、呼吸窮迫症候群などの周産期合併症の割合が有意に高いことが、中国・中南大学のWenrui Ye氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月25日号で報告された。妊娠糖尿病と妊娠有害アウトカムの関連をメタ解析で評価 研究グループは、妊娠糖尿病と妊娠有害アウトカムとの関連を、最小限の交絡因子を調整したうえで評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。 1990年1月1日~2021年11月1日の期間に、医学データベース(Web of Science、PubMed、Medline、Cochrane Database of Systematic Reviews)に登録された文献が検索された。 対象は、非妊娠糖尿病(対照群)と妊娠糖尿病(曝露群)が厳格に定義され、妊娠糖尿病と妊娠のさまざまな有害アウトカムの明確な診断基準を有するコホート研究および臨床試験の対照群とした。 これらの基準を満たした研究が、インスリンの使用状況に基づき次の3つのサブグループに分けられた。(1)インスリン非使用(疾患の経過中にインスリンを使用したことがない)、(2)インスリン使用(個別の割合で、妊婦がインスリン治療を受けている)、(3)インスリン使用の報告がない。 妊娠糖尿病や妊娠有害アウトカムに影響を及ぼす可能性のある因子(国の発展状況[先進国、開発途上国]、バイアスのリスク[低、中、高]、診断基準[WHO〔1999年版〕、Carpenter-Coustan基準、国際糖尿病・妊娠学会〔IADPSG〕、その他]、スクリーニング法[universal one step、universal glucose challenge test、リスク因子に基づく選択的スクリーニング])について、事前に計画されたサブグループ解析が行われた。 インスリンの投与を受けた患者の割合に基づきメタ回帰モデルが適用された。器械分娩や肩甲難産などには差がない 156件(インスリン非使用35件[22.4%]、インスリン使用63件[40.4%]、報告なし58件[37.2%])の研究に参加した750万6,061例の妊婦が解析に含まれた。133件(85.3%)が母親のアウトカムを、151件(96.8%)は新生児のアウトカムを報告していた。 アジアの研究が39.5%、欧州が25.5%、北米は15.4%で、84件(53.8%)が先進国で行われた研究であった。Newcastle-Ottawa尺度によるバイアスのリスクは、50件(32.1%)が低または中、106件(67.9%)は高だった。 インスリン非使用研究では、交絡因子を調整すると、非妊娠糖尿病妊婦に比べ妊娠糖尿病の妊婦で有意にオッズ比(OR)が高かったのは、次の5つの項目であった。母親のアウトカムでは、帝王切開による分娩(OR:1.16、95%信頼区間[CI]:1.03~1.32)、新生児のアウトカムでは、早産児(在胎期間<37週)(1.51、1.26~1.80)、分娩から1分後のApgarスコア低値(<7点)(1.43、1.01~2.03)、巨大児(出生時体重≧4,000g)(1.70、1.23~2.36)、在胎不当過大児(出生時体重が在胎期間の標準の90パーセンタイル以上)(1.57、1.25~1.97)。 また、インスリン使用研究では、交絡因子を調整すると、妊娠糖尿病の女性で有意にORが高かったのは次の4項目で、いずれも新生児のアウトカムであった。在胎不当過大児(OR:1.61、95%CI:1.09~2.37)、呼吸窮迫症候群(1.57、1.19~2.08)、黄疸(1.28、1.02~1.62)、新生児集中治療室入室(2.29、1.59~3.31)。 一方、器械分娩、肩甲難産、分娩後出血、死産、新生児死亡、分娩から5分後のApgarスコア低値、低出生時体重、在胎不当過小児については、交絡因子を調整しても、妊娠糖尿病の有無で明確な差は認められなかった。 サブグループ解析では、先進国よりも開発途上国において、妊娠糖尿病妊婦で巨大児が多く(インスリン使用研究のp<0.001、インスリン非使用研究のp=0.001)、インスリン使用研究ではBMIで調整すると巨大児(p=0.02)と在胎不当過大児(p<0.001)が有意に多かった。また、インスリン使用の報告がなかった研究では、選択的スクリーニングを受けた妊婦において、妊娠糖尿病妊婦で帝王切開による分娩(p<0.001)と新生児集中治療室入室(p<0.001)が有意に多くみられた。 著者は、「これらの知見は、妊娠糖尿病に関連する妊娠有害アウトカムの、より包括的な理解に寄与すると考えられる。今後の研究では、より完全な予後因子で調整することを常に心がける必要がある」としている。

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RSウイルスによる死亡率、生後6ヵ月未満で高い/Lancet

 2019年に、5歳未満(生後0~60ヵ月)の小児における呼吸器合胞体(RS)ウイルス(RSV)への罹患とこれによる死亡の負担は、とくに生後6ヵ月未満の乳幼児および低~中所得国の小児において世界的に大きく、生後0~60ヵ月の小児では50件の死亡のうち1件が、28日~6ヵ月の乳幼児では28件の死亡のうち1件がRSVに起因しており、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では約3件のRSV関連死が発生していると推定されることが、英国・エディンバラ大学のYou Li氏らが実施したRESCEU研究で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。最新データを加え、系統的な解析で罹患率と死亡率を更新 研究グループは、生後0~60ヵ月の小児におけるRSV関連の急性下気道感染症の罹患率と死亡率を、2019年の時点での世界、地域、国のレベルで更新することを目的に、最新のデータを加えて系統的に解析を行った(欧州連合革新的医薬品イニシアチブの欧州RSウイルスコンソーシアム[RESCEU]による助成を受けた)。 医学データベース(MEDLINE、Embase、Global Health、CINAHL、Web of Science、LILACS、OpenGrey、CNKI、Wanfang、ChongqingVIP)を用いて、2017年1月1日~2020年12月31日に発表された論文をあらためて検索して新たなデータを収集し、これまでの世界的なRSV疾病負担のデータセットを拡張した。また、このデータセットには、Respiratory Virus Global Epidemiology Network(RSV GEN)の共同研究者による未発表データも含まれた。 対象は、次の3つのデータを報告している研究とした。(1)1次感染としてRSVによる市中の急性下気道感染症または入院を要する急性下気道感染症に罹患した生後0~60ヵ月の小児のデータ、(2)院内の症例死亡率(CFR)を除き少なくとも連続12ヵ月間のデータ、またはRSVの季節性が明確に定義されている地域(温暖な地域など)のデータ、(3)急性下気道感染症の発生率、入院率、急性下気道感染症による入院者におけるRSV陽性割合、または院内CFRのデータ。 リスク因子に基づくモデルを用いて、国レベルでのRSV関連の急性下気道感染症の罹患率が推定された。また、RSVによる総死亡数を推定するために、RSVによる市中死亡率の最新データを組み込んだ新たなモデルが開発された。新データ164件を加えた解析、院内死亡の97%以上が低~中所得国 以前のレビューに含まれた317件の研究に、新たに適格基準を満たした113件と未発表51件の研究の164件を加えた合計481件のデータが解析に含まれた。 RSV関連の急性下気道感染症の罹患率が最も高い年齢は、低所得国~低中所得国が生後0~3ヵ月であったのに対し、高中所得国~高所得国は生後3~6ヵ月であった。 2019年の生後0~60ヵ月の小児における世界的な推定値として、RSV関連の急性下気道感染症のエピソードが3,300万件(不確実性範囲[UR]:2,540万~4,460万)、RSV関連の急性下気道感染症による入院が360万件(290万~460万)、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡が2万6,300件(1万5,100~4万9,100)、RSVに起因する全死亡は10万1,400件(8万4,500~12万5,200)との結果が得られた。 生後0~6ヵ月の乳幼児では、RSV関連の急性下気道感染症エピソードが660万件(UR:460万~970万)、RSV関連の急性下気道感染症による入院が140万件(100万~200万)、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡が1万3,300件(6,800~2万8,100)、RSVに起因する全死亡は4万5,700件(3万8,400~5万5,900)と推定された。 生後0~60ヵ月の小児の死亡の2.0%(UR:1.6~2.4)(50件に1件)、生後28日~6ヵ月の乳幼児の死亡の3.6%(3.0~4.4)(28件に1件)が、RSVに起因していた。また、いずれの年齢層の小児における、RSV関連の急性下気道感染症エピソードの95%以上、およびRSVに起因する院内死亡の97%以上が、低~中所得国で発生していた。 著者は、「RSVによる院内死亡と全死亡の推定値に基づくと、生後0~60ヵ月の小児のRSV関連の院内死亡率は26%にすぎず、したがって、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では3件の死亡が発生していると推定される」とし、「多くのRSV予防薬の開発が予定されている現状において、これらの年齢層を絞った推定値は、製品の導入、優先順位の決定、評価に重要な基本的情報をもたらす。生後6ヵ月未満の乳幼児にRSV予防薬を投与すると、RSV負担の頂値が、より高い年齢に移行する可能性があるが、この意味を理解するにはさらなるエビデンスが必要とされる」と指摘している。

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母親の育児ストレスと子供のADHDとの関連~日本の出生コホート研究

 注意欠如多動症(ADHD)は幼児期に発症し、その後、生涯にわたり影響を及ぼす疾患であるが、早期診断や介入により、臨床アウトカムの最適化を図ることができる。長期的または過度な育児ストレスは、ADHDなどの発達障害に先行してみられる乳児の行動の差異に影響している可能性があることから、幼少期の定期的評価には潜在的な価値があると考えられる。東京都医学総合研究所の遠藤 香織氏らは、母親の育児ストレスが子供のADHDリスクのマーカーとして利用可能かを明らかにするため、出産後1~36ヵ月間の母親の育児ストレスとその子供の青年期初期におけるADHDとの関連について、定期的に収集した自己報告を用いて調査を行った。その結果、出産後9~10ヵ月、18ヵ月、36ヵ月での育児ストレスと12歳時点での子供のADHD症状との関連が認められ、自己報告による育児ストレスのデータはADHDリスクの初期指標として有用である可能性が示唆された。このことから著者らは、ADHDの早期発見と介入を促進するためにも、幼少期の健康診断、育児ストレスの評価、家族のニーズに合わせた支援を行う必要があることを報告している。Frontiers in Psychiatry誌2022年4月28日号の報告。 子供の成長プロセスに関する調査「東京ティーンコホート」の人口ベース出生コホート研究から子供2,638人(女児:1,253人)のサンプルを抽出し、その母親には、母子健康手帳を用いた出産後1~36ヵ月間における育児ストレス5回の記録を求めた。9年後、「子供の強さと困難さアンケート(SDQ)」の多動性/不注意のサブスケールを用いて、12歳時点でのADHD症状を評価した。 主な結果は以下のとおり。・出産後36ヵ月間で、育児ストレスを報告していた母親は、約7.5%であった。・12歳時点でADHD症状のカットオフ値を超えていた子供は、6.2%であった。・1ヵ月および3~4ヵ月での育児ストレスと12歳時点での子供のADHD症状との関連は認められなかった。・12歳時点での子供のADHD症状と有意な関連が認められた育児ストレスの時期は、9~10ヵ月(未調整OR:1.42、p=0.047、95%CI:1.00~2.00)、18ヵ月(同:1.57、p=0.007、95%CI:1.13~2.19)、36ヵ月(同:1.67、p=0.002、95%CI:1.20~2.31)であった。・これらの関連には、子供の性別、月齢、世帯収入で調整した後でも、変化は認められなかった。

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高リスクIgA腎症に対する経口ステロイドの効果と有害事象を勘案した治療法(解説:浦信行氏)

 IgA腎症の治療法として、ステロイド剤はRA系阻害薬と並んで基本的治療法の一つである。一部の例外的報告を除いて腎障害進行抑制効果や尿蛋白低減効果は有意であるが、その治療法にはかなりのバリエーションがあり、0.8~1.0 mg/kg/日程度の高用量、その半量程度の低用量、さらにステロイドパルス療法や隔日投与法などがあるが、高用量以外はいずれも有害事象の発症抑制を意図したものである。 本研究は多施設二重盲検RCTであり、当初高用量群とプラセボ群との比較であったが、実薬群で有害事象が多かったため観察期間の中央値が2.1年で中止となった。この時点で二重盲検が外れたことでデータの解析に多少のバイアスが掛かる結果となった。ただし、低用量による試験再開の結果でも、同様の臨床効果が得られたことから、その臨床的意義は低くはない。加えて有害事象は実薬群でプラセボ群より多かったとはいえ、高用量群の3分の1以下に留まっていることを考慮すれば、結果的に低用量群の優位性も示した結果となった。この結果は今後のステロイドによる治療に大きな示唆を与えるもので、低用量、隔日投与、パルス療法の意義も同方向にある。 この試験には中国人の参加が多いが、サブ解析では治療効果は中国人に比べ、非中国人のほうの効果が有意に大であった。過去にもカナダ在住のアジア人とそれ以外の人種の比較が報告されているが、その効果もアジア人で有意に低値であった(Barbour J, et al. Kidney Int. 2013;84:1017-1024.)とのことで軌を一にする成績であり、その遺伝子レベルでの解析など原因の解明が必要である。 ところで、本研究ではステロイドの効果は治療終了後の追跡期間で減弱していくことも指摘され、病因・病態に直結した免疫抑制療法など、より一層病態に根差した治療法の開発が必要である。

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062)脱マスクから思い起こされたデジャブ【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第62回 脱マスクから思い起こされたデジャブゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆マスク着用基準の緩和が話題となっている今日この頃、テレビの報道番組などでもマスクに関する巷のさまざまな意見を耳にするようになりました。私個人としては、コロナ以外も含めた感染症対策という観点から、院内では今後もマスク着用で過ごすつもりです。私生活はというと、外出の際もなるべく着けるようにしていますが、ランニングなどは外して行うようになりました。蒸れによる息苦しさ、接触部位の痒みから解放され、快適なランニング生活を送っています。それはさておき、脱マスクの話題に戻ります!先日、お昼のワイドショーで、「脱マスクに賛成か反対か」という特集が放送されていました。反対派の意見として、「マスクをしているとかわいく見える(から外したくない)」「マスクを外して出会うと(素顔を覚えられておらず)誰かわからない」などがありました。専門家の見解によれば、『マスクをしていると、隠された部分を脳が補うことで、素顔よりも美しく見える効果が生まれる』のだとか。それを聞いて思い出したのが病院にありがちな、とある現象。――オペ室スタッフは美男美女が多い!?「オペ室のナースはかわいい子が多い!」というのが私の時代の研修医共通の認識でしたが、これもまさかマスク効果が一役買っていた可能性…??実際、女子力が高くて可愛い女子が多かったというのが当時の記憶ですが、「マスクを外したことで、『誰だっけ??』となる」という街の意見には、激しく同意しました! オペ室忘年会で起こりがちなやつ…!(ほとんど行ったことないけど…! 笑)脱マスクの話題で思いがけず、オペ室に出入りしていた頃の記憶がよみがえったのでした。マスクとのお付き合い、世間的には今後どうなっていくのでしょうね。肌トラブルによる皮膚科の受診も増えたので、少しでもマスクでお悩みの方々の肌コンディションが整うとよいな~と願っています。それでは、また~!

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チェーンソーと首吊りによる複合自殺の一例【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第211回

チェーンソーと首吊りによる複合自殺の一例pixabayより使用法医学の世界では、自殺や他殺の症例報告がたくさんあります。死因を特定する重要性を啓蒙するためですが、世の中には、自殺に見せかけた他殺であったり、その逆であったりすることがあるため、事実の究明に役立つという側面もあります。さて今日は痛そうなタイトルです…。チェーンソーと首吊りの複合自殺の一例です。え、どういうことでしょうか?Gualco B, et al.An unusual complex suicide involving a chainsaw and a hanging: a case report.J Med Case Rep . 2022 Mar 28;16(1):122.58歳の白人男性が、地下室の天井で首を吊って死んでいるのを妻に発見されました。すでに死後3時間ほどが経過していました。彼は重度のうつ病を罹患し、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を定期内服していました。数年前から引きこもりがちになり、いつしか地下室に住むようになったそうです。当初の現場検証では自殺と思われましたが、なぜか首吊り死体の下に多量の血だまりがあったのです。調べてみると、セーターに多量の血液が付着して、腹部に多数の切創があることがわかりました。臍周辺に不規則な広い切開創が広がっており、筋肉・脂肪組織が見えていました。「自殺ではないのかもしれない―――」現場では、そんな思いがよぎったに違いありません。地下室の周辺を調べると、中庭で血痕が付いたチェーンソーが発見されました。チェーンソーの近くには、セーターの切れ端が見つかりました。チェーンソーからは、被害者の指紋のみが検出されました。また、腹部に切り込まれたチェーンソーの角度が不自然であり、自分で傷を付けたとしか考えられないことが判明しました。つまり、チェーンソーで腹部を切ろうとして死にきれず、最終的に首吊り自殺で死を遂げたというのが真実のようです。謎はすべて解けた。さて、チェーンソー自殺については、この連載の第194回で斬首した症例を紹介しました。「キックバック」がとても危ないという話でしたよね。

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第111回 患者に聞かれたら、何をもって新型コロナ収束と答える?

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の全国での新規陽性者報告は、ゴールデン・ウイーク直後にごく一時的に増加局面に入ったものの、今週前半には2万人台前半まで減少してきた。この数字は今年1月7日に新型インフルエンザ等特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置(まん防)」が導入された直後の水準である。背景には2月中旬~3月中旬にかけて新型コロナワクチンの3回目接種が加速し、現在では全人口の約6割が3回接種を完了済みであること、まん防の発出から5月末までに延べ約677万人が感染したという幸と不幸の両面から「集団免疫」を確立した結果と見るのが妥当だろう。そして、最近では日本政府による外国人の入国制限緩和措置や諸外国での同様の措置により、国内外をまたぐ人流も増加しつつある。6月から観光ビザ発給を再開した東京都港区の韓国大使館領事部前には初日の開館前に1,000人を超える申請者が行列を作ったという。そんな最中、周囲からは「これで新型コロナのパンデミックは収束するのか?」とよく聞かれるようになった。正直、これは非常に答えにくい。医療従事者の皆さんは同じ質問にどう答えるのだろうか? 私自身は「今年いっぱいはまだ警戒する必要があるのではないか」と答えるようにしている。理由は極めて単純である。まず、現在の感染状況の鎮静化に一定の効果があっただろうとされるのが新型コロナワクチンの3回目接種である。すでに各種研究で報告されているように、オミクロン株に対するワクチン3回接種直後の発症予防の有効率は60~70%台。そしてこの効果は一部研究では約5ヵ月でほとんどなくなると言われている。さらに高齢者や基礎疾患保有者を対象に始まった4回目の追加接種の有効率は、発症予防で55%、重症化予防で62%との報告があり、当然ながらこの有効率も経時的に減衰していく。これらの報告から推察するに、3回目接種の実施件数のピークが今年3月であったから、その効果がほぼなくなるのは8月くらいだろう。また、4回目接種については、高齢者などの3回目接種のピークが2~3月、4回目接種の適応がそこから5ヵ月以上となるため、4回目接種件数のピークは7~8月ぐらいになるだろう。4回目接種後の抗体価の変化が、2回目や3回目と同様に半年程度で低下すると仮定した場合、そのタイミングは年末年始あたりとなる。このように考えると、今後の判断の山は今秋から年末にかけてだろう。この時点で医療ひっ迫や社会経済状況に大きな影響を与える感染動向にならなければひとまずは収束へ向けた大きな壁を一つ越えたと言える。もっとも最終的な感染の収束、すなわち社会に過度な負荷がなく新型コロナウイルスと共存できる状況と考えると、もう少し先になるだろう。それを決定付けるのは重症化リスクの有無にかかわらず使える汎用治療薬とより効果持続期間の長いワクチンの登場である。あとはこの間に厄介な新規変異株が登場しないことを願うのみである。

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ADHD児の不注意重症度と野菜や果物など食事の質との関係

 注意欠如多動症(ADHD)は、米国の小児においては有病率が8~10%といわれる神経発達障害である。ADHDの症状には不注意や多動性/衝動性が認められるが、反抗挑戦性障害および重篤気分調節症などの情動調節不全(ED)症状も頻発する。ADHDの病因は多因子的と考えられ、その症状の重症度は食事療法と関連しているといわれている。米国・オハイオ州立大学のLisa M. Robinette氏らは、小児コホート研究において、食事の質とADHDおよびED症状との関連を調査した。その結果、ADHDやEDを有する子供では、果物や野菜の摂取が少ないと、より深刻な不注意症状が出現する可能性が示唆された。Nutritional Neuroscience誌オンライン版2022年5月10日号の報告。ADHDと食事の質との有意な関連は認められなかった 多栄養素の補充に関するRCTに登録された、ADHDおよびED症状を有する6~12歳の子供134例を対象に分析を行った。食事の質は、Healthy Eating Index-2015(HEI-2015)を用いて評価した。ADHDおよびEDの症状は、Child and Adolescent Symptom Inventory-5およびStrengths and Difficulties Questionnaireを用いて評価した。必要に応じ共変量で調整した後、関連性を検討するため、線形回帰モデルを用いた。 食事の質とADHDおよびED症状との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・平均HEI総スコアは63.4±8.8であり、ADHDおよびED症状との有意な関連は認められなかった。全体的な食事の質との関連性が認められなかった要因として、ベースライン時の食事の質が比較的良好、ADHDおよびED症状の重症度が軽度、食事摂取量の推定値からの測定誤差、サンプルサイズの小ささが考えられる。・共変量で調整した後、果物の総摂取量(β=-0.158、p=0.037)および野菜の総摂取量(β=-0.118、p=0.004)のHEIコンポーネントスコアに、不注意症状との負の相関が認められた。

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「がんゲノム医療の現状と未来」国際WEBカンファレンス開催/日本乳がん情報ネットワーク

 日本乳がん情報ネットワーク(JCCNB)では2022年6月25日、「Cancer genome medicineの現状と将来展望」と題した国際WEBカンファレンスを開催する。米国臨床腫瘍学会(ASCO)CEOのClifford A. Hudis氏による基調講演のほか、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)のWilliam Gradisher氏による「NCCN ガイドラインの最新情報」などのミニレクチャー、米国・欧州・アジア・オセアニアを繋いだライブでのパネルディスカッションが予定されている。<JCCNB Conference 2022 開催概要>主催:日本乳がん情報ネットワーク(JCCNB)テーマ:Cancer genome medicineの現状と将来展望開催日:2022年6月25日(土)17:00~21:30会議形式:WEB配信(録画・ライブ)参加費:10,000円プログラム:17:00~17:05 「開会」 Dr.中村 清吾(昭和大学臨床ゲノム研究所)17:05~18:00 「基調講演」 Dr. Clifford Hudis(ASCO)18:00~18:05 「Introduction」Dr. Robert Carlson(NCCN)18:05~18:20 「NCCN ガイドラインの最新情報」Dr. William Gradisher(Northwestern University)18:20~18:35 「トリプルネガティブ乳がんにおける最近の話題」Dr. Mellinda Telli(Stanford University School of Medicine)18:35~18:50 「外科医の視点」Dr. Emiel Rutgers(EBC council)18:50~19:05 「腫瘍内科医の視点」Dr. Barbara Pistilli(Gustave Roussy Cancer Center)19:05~19:20 「がん治療における免疫療法の新パラダイム」Dr. Gianpaolo Biancini(Ospedale San Raffaele)19:20~20:00 休憩20:00~21:30 パネルディスカッション(座長:Dr. Clifford Hudis・Dr. 中村清吾)パネルディスカッション参加予定者:Dr. Robert Carlson、Dr. William Gradisher、Dr. Mellinda Telli、Dr. Emiel Rutgers、Dr. Barbara Pistilli、Dr. Gianpaolo Biancini、Dr. Wonshik Han(Seoul National University Hospital)、Dr. Tan Puay Hoon(Singapore General Hospital)、Dr. Bruce Mann(Victorian Comprehensive Cancer Centre) 詳細、ならびに事前参加登録はこちら。

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活性型ビタミンD3、2型DMの発症予防に無効か/BMJ

 活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールは、前糖尿病から2型糖尿病への発症予防効果は認められなかったものの、インスリン分泌が不十分な人に対する有益性を示唆する結果が得られた。産業医科大学病院の河原哲也氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Diabetes Prevention with active Vitamin D study:DPVD試験」の結果を報告した。観察研究では、ビタミンD欠乏がインスリン抵抗性および将来的な糖尿病のリスク増加と関連することが示されている。一方、ビタミンD補充については、2型糖尿病予防を目的とした無作為化比較試験では一貫した結果は認められていないが、先行研究でビタミンD欠乏症を伴う前糖尿病者に対して有益であることが示唆されていた。BMJ誌2022年5月25日号掲載の報告。耐糖能異常からの2型糖尿病発症をエルデカルシトール群vs.プラセボ群で検討 研究グループは、2013年6月1日~2015年8月31日の期間に、国内32施設において30歳以上の耐糖能異常(75g経口ブドウ糖負荷試験で空腹時血糖値<126mg/dLおよび負荷後2時間値が140~199mg/dL、かつ糖化ヘモグロビン[HbA1c]<6.5%)患者1,256例を登録し、エルデカルシトール(0.75μgを1日1回経口投与)群またはプラセボ群に1対1の割合に無作為に割り付け、3年以上投与した。 主要評価項目は、2型糖尿病の発症で、事前に定めた基準(HbA1c≧6.5%、空腹時血糖値≧126mg/dL、負荷2時間後血糖値≧200mg/dL(11.1mmol/L)または随時血糖値≧200mg/dL)のうち少なくとも2つを満たす場合と定義した。 副次評価項目は、耐糖能異常から正常型への移行、およびベースラインの交絡因子(年齢、性別、高血圧の有無、BMI、糖尿病家族歴、HbA1c、空腹時血糖値、2時間血糖値、25(OH)D、HOMA-IR、およびインスリン分泌指数)で補正後の2型糖尿病発症に関するエルデカルシトール群のプラセボ群に対するハザード比(HR)であった。さらに骨密度、骨代謝/糖代謝マーカーについても評価した。2型糖尿病発症率、エルデカルシトール群12.5%、プラセボ群14.2%で有意差なし 1,256例の患者背景は、571例(45.5%)が女性、2型糖尿病家族歴ありが742例(59.1%)、平均年齢61.3歳、ベースラインの血清25(OH)D濃度は平均20.9ng/mL(52.2nmol/L)で、548例(43.6%)は20ng/mL(50nmol/L)未満であった。 追跡期間中央値2.9年において、2型糖尿病発症率はエルデカルシトール群で12.5%(79/630例)、プラセボ群で14.2%(89/626例)であった(HR:0.87、95%信頼区間[CI]:0.67~1.17、p=0.39)。 耐糖能異常から正常型への移行は、エルデカルシトール群で23.0%(145/630例)、プラセボ群で20.1%(126/626例)に認められた(HR:1.15、95%CI:0.93~1.41、p=0.21)。多変量分数多項式Cox回帰分析による交絡因子補正後の2型糖尿病発症に関するHRは0.69(95%CI:0.51~0.95、p=0.020)で、エルデカルシトールは2型糖尿病発症を抑制し、とくに基礎インスリン分泌量が少ない患者において有益であることが示唆された(HR:0.41、95%CI:0.23~0.71、p=0.001)。 また、追跡期間中、エルデカルシトール群ではプラセボ群と比較して、腰椎と大腿骨頸部の骨密度および血清オステオカルシン濃度が有意に上昇した(すべてのp<0.001)。 重篤な有害事象は、両群で有意差は認められなかった。

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コロナ感染率、ワクチン2回接種vs.感染後1回接種/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染歴がある人では、ワクチン接種の有無や感染前後での接種にかかわらず、再感染予防効果は最後の免疫獲得イベントからの経過時間が長くなるほど低下したが、この予防効果は、未感染でワクチンを2回接種し同じ時間が経過した場合での予防効果より高く、感染後のワクチン1回接種は再感染予防効果を増強することが、イスラエル・テクニオン-イスラエル工科大学のYair Goldberg氏らの研究で示された。SARS-CoV-2感染は、再感染に対する自然免疫を獲得することが知られる。最近の研究では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)による免疫効果の減衰が示されたが、自然免疫ならびに感染後のワクチン接種で得られるハイブリッド免疫の減衰に関しては不明であった。NEJM誌オンライン版2022年5月25日号掲載の報告。570万人以上を対象に、最後の免疫獲得イベントからの経過時間に分けて感染率を比較 研究グループは、イスラエル保健省の全国データベースを用い、B.1.617.2(デルタ)変異株が優勢であった2021年8月1日~9月30日のデータを抽出し、2021年7月1日以前にSARS-CoV-2感染陽性となった16歳以上の人、または研究期間終了の7日前までにBNT162b2ワクチンを2回以上接種した人を対象として、研究期間中の感染について調査した。SARS-CoV-2感染から回復後にBNT162b2ワクチンを2回以上接種した人や、BNT162b2ワクチンを2回以上接種した後にSARS-CoV-2感染から回復した人は解析から除外した。 解析対象を免疫獲得イベント(感染またはワクチン接種)歴によって、(1)ワクチン未接種回復群、(2)2回接種群(未感染で、研究期間終了7日前までに2回目接種を完了)、(3)3回接種群(未感染で、研究期間終了12日前までに3回目接種を完了)、(4)回復後1回接種群(COVID-19から回復後、研究期間終了7日前までに1回目接種)、(5)1回接種後回復群(1回目接種後、研究期間の90日以上前に感染が確認された人)の5つのコホートに分け、さらに各コホートを最後の免疫獲得イベントからの経過時間によってサブコホートに分け、交絡因子を調整したポアソン回帰を用い最後の免疫獲得イベントからの時間の関数として感染率を比較した。 解析対象は、5つのコホート全体で572万4,810人であった。免疫獲得イベントから6~8ヵ月未満での感染率は、回復後1回接種群が最も低い SARS-CoV-2感染者数/10万人日(補正後率)は、3回接種群を除くすべてのコホートで経時的に増加した(3回接種群はサブコホートが1群のみ)。 すなわち、(1)ワクチン未接種回復群では、感染からの期間4~6ヵ月未満の10.5から、1年以上では30.2に増加し、(4)回復後1回接種群では、接種後0~2ヵ月未満の3.7(すべてのサブコホートで最も低値)から、接種後6~8ヵ月未満では11.6に増加した。 一方、(2)2回接種群では、この補正後率は接種後0~2ヵ月未満の21.1から、接種後6~8ヵ月未満では88.9まで増加した。

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慢性腎臓病の啓発活動を共同展開/日本腎臓病協会・バイエル薬品

 2022年6月1日、日本腎臓病協会とバイエル薬品が、慢性腎臓病(CKD)の早期診断および治療介入の啓発活動を通じて、国民の健康寿命延伸に寄与することを目的に、腎臓病対策の普及啓発に関する包括連携協定を締結したことを公表した。 CKDは全世界的に増え続けており、現在、日本には成人の約8人に1人にあたる、約1,330万人のCKD患者がいるといわれている1)。さらに、CKDでは心臓病や脳卒中などの心血管疾患になりやすいことが明らかになっており、CKD治療による心血管疾患予防が大きな課題となっている。 本協定により、医療従事者を対象に、腎臓病および腎臓病対策の重要性の認識を高め、診断・治療の標準的考え方を普及する活動を行うと同時に、医療機関、健診機関、行政や報道機関などに対しても腎臓病および腎臓病対策の重要性に関する啓発活動を行うなど、両機関が連携して腎臓病の克服を目指す。

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謎の病気【Dr. 中島の 新・徒然草】(428)

四百二十八の段 謎の病気雨が続いています。いつの間にか梅雨になったのかもしれません。でも、雨の合間は爽やかな気候なので、6月も悪くないなと思います。さて、今回は診断にてこずった症例を紹介します。その女性は80歳前後。局所というか、陰部に違和感があるということで、総合診療科外来を受診されました。すでに泌尿器科と婦人科をそれぞれ2病院くらいずつ受診し、どちらでも問題はないということでした。もちろん私は局所の専門家ではありません。謎の訴えをされても困る、というのが本音です。でも、とにかくお話を伺うことにしました。朝は調子良いが、夜になると違和感が強くなる。立ったり歩いたりしていると機嫌良くしていられるが、座ったら不快になる。何というか、陰部がむずむずしてくる。頭がおかしくなりそう。そういった深刻な訴えでした。もう皆目見当がつきません。気が付けば初診から半年。低髄液圧症候群だろうか、内服薬の副作用だろうか、うつ病だろうか。あれこれ試行錯誤をしたのですが、効果はほとんどありません。一時的に良くなったと思っても、すぐに元に戻ります。患者さんの眉間の皺は深くなる一方。「助けてください」「何とかならないでしょうか」「もう頭がおかしくなってしまいます」色々言われるのですが、いわゆる不定愁訴でもなさそう。というのも、この患者さん、調子が良いときは年齢以上にしっかりしているからです。そんなある日のこと。女房「陰部むずむず感で発症したパーキンソン病の1例」たまたまiPadを見ていた女房にそう言われたのです。中島「なんじゃそれ。まさしくそのものやんか!」私は驚きました。女房「住友病院から出ているわよ」中島「どうやったらそんな論文が見つかるわけ?」女房「Googleに『陰部』『むずむず』って入力したら4番目くらいに出てくるから」なんとまあ、そんな簡単なことでしたか。その論文によれば「陰部むずむず感」というのは、いわゆる「むずむず脚症候群」の類縁疾患で、治療も同じようにするのだそうです。むずむず脚症候群なら、これまでの人生で何度も治療しました。たいていはプラミペキソール(商品名:ビ・シフロール)であっさり改善します。念のため、大阪医療センターの総診のカンファレンスの参加者たちに尋ねてみました。研修医向けのカンファレンスですが、クリニックとか老健とかフリーランスの医師も出席しています。この先生方には、マンパワー不足の総診外来を非常勤で手伝ってもらっているわけです。すると、出席者から驚くべき答えが次々に……。「むずむず脚症候群というのは手にも起こるんですよ」「腹部でも起こったのを経験したことがあります」「鉄欠乏とかコーヒーの飲みすぎも原因になりますね」皆さん、よくご存じで。というわけで、件の患者さんにプラミペキソールを処方してみました。すっきりと良くならないまでも、今までとは明らかに手応えが違います。とはいえ、患者さん自身は納得がいかないのか、薬を飲んだり飲まなかったり。で、つい先日のこと。久しぶりに顔を見たら、患者さんの眉間の皺がなくなっていました。ずいぶんスッキリした表情になっています。患者「先生、おかげさまで治りました!」中島「それは良かった。でも、何でまた急に治ったりしたのでしょうか?」患者「この前、買い物で梅田を歩き回ってですね、それから調子が良くなったんです」なるほど。病院や施設では、歩くといっても距離は知れています。でも、女性の買い物というのは、途方もない時間をかけて歩き回るわけです。一時的にせよ、むずむず感が引っ込んでも不思議ではありません。中島「また症状が出てきても、外を歩き回ったら治るってことですよね」患者「買い物に行ったらいいのでしょうか、先生」中島「そう。自分が病気をコントロールできれば、ずいぶん気持ちも楽になると思いますよ」患者さん自身のコントロール感というのが大切だと、私は思います。ともあれ、しばらく見守ることとします。調べてみると、プラミペキソールのほかにも効果のある薬が色々あるみたいだし。めでたく決着がついたところで1句むずむずは 歩いて治せ 梅雨なれど

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