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ドイツでの医療活動カード【空手家心臓外科医のドイツ見聞録】第19回

ドイツで医師免許試験に受かった直後のことです。地区の医師会から電話がかかってきて、「大事な用事があるから医師会に直接きてください」と伝えられました。「やっぱりあの試験は無効だから、合格取り消し」と言われるんじゃないかと思い、一応ドイツ語で「弁護士を立てるから、続きは法廷で会おう」といったセリフを丸暗記して臨みました。緊張しながら医師会に到着すると奥の部屋に通され、事務のおばさまに早口でまくしたてられました。ドイツ語についていけない自分に気付いて、何度も繰り返し話をしてくれたのですが、とにかく「倒れている患者がいたら、絶対に無視するな」と言った内容でした。ドイツでは、医師は倒れている人を無視したら法律で罰せられます。たとえば飛行場に向かっている最中でも無視したらダメ。そのときは「飛行機は諦めてね」とのことでした。そして、「その際は、このカードをみせてから医療活動を行いなさい」とカードを渡されました。これがドイツでの「医療活動許可証」です。カードをよくみると、ドイツ語だけでなくEU内の各種言語で説明が書かれていました。カードを手にしたときは、なんかこう…「ああ、俺はEUの医者になったんだな」と感動しました。ドイツで医療活動を行うまでは本当に辛い道のりでした。次回からドイツ医師免許対策について、思い出しながら書いていきたいと思います。

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学会スライド、見やすい文字の大きさって?【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第3回

学会スライド、見やすい文字の大きさって?1)文字の大きさは24ポイント以上が基本2)文字の大きさの自動修正を解除しておく3)ショートカットキーで文字の大きさを変更しようスライドづくりをする際に注意しておきたいのが、文字の大きさです。文字が小さ過ぎると聴衆は読むことができず、読んでもらえなければスライドと発表の意味がありません。とくに学会で口演発表を行うシチュエーションでは、会場内の後方にいる人にとっても見やすい文字の大きさにしておく必要があります。では、具体的に文字の大きさはいくつを目標にしたらよいのでしょうか。16~32ポイントのそれぞれの文字の大きさを〈図1〉に示しています。一般に、24ポイント以上の文字であれば誰にでも読みやすいと言われているため、24ポイントを最低ラインとして意識しておきましょう(ただし、参考文献や補足説明のような例外は除きます)。お勧めは28ポイントです。〈図1〉注意しておきたいのは、スライドのテキストボックス内に文章を入力していくと、枠内に収まるように文字の大きさが自動調整され、スライドごとに文字の大きさがバラバラになってしまうことがあります。これを防ぐために、文字の大きさの自動修正をオフにしておきましょう〈図2〉。このように文字の大きさを設定しても、スライド内に文字が収まらない場合には、1)複数のスライドに分ける2)箇条書きにして文字数を減らす3)内容を削るといった工夫をするとよいでしょう。〈図2〉画像を拡大するまた、「文字の大きさを個別に変更したい」という場合には、ホームタブからフォントサイズを直接入力したり、「フォントサイズの拡大」「フォントサイズの縮小」をクリックしたりすると変更することができますが、ここではショートカットキーを覚えておくと便利です。Windowsでは、文字を選択した状態で Ctrl+[ キーを押すと、フォントサイズが1ポイントずつ小さくなり、 Ctrl+] キーを押すと、1ポイントずつ大きくなります。使いこなせるようになると作業効率アップにつながります。講師紹介

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既感染によるBA.4/5感染予防効果、半年で5割低下/NEJM

 現在、COVID-19感染の主流となっているオミクロン株BA.4およびBA.5について、既感染による再感染予防効果は時間経過と共に急速に減退する可能性がある。カタール・ドーハのWeill Cornell MedicineのHeba N. Altarawneh氏らによる検討がNEJM誌2022年10月27日号のCORRESPONDENCEに掲載された。 研究者らは、SARS-CoV-2の検査結果、臨床経過、ワクチン接種、人口統計学的データ、カタールの医療施設で実施されたPCRおよび迅速抗原検査の全結果のデータを、全国SARS-CoV-2データベースから抽出した。感染リスクの違いをコントロールするため、性別、年齢、国籍、併存疾患数、検査した週、検査方法、検査理由によって、試験群と対照群をマッチングさせた。さらに、過去の感染について、オミクロン株による感染の波の開始(2021年12月19日)より前(前感染)とそれ以後(後感染)に分類した。 2022年5月7日~7月28日のPCR検査におけるS遺伝子標的不全(SGTF)の判定を用いて、BA.4/5への再感染に対する既感染の有効性を推定した。6月8日~7月28日の間に診断されたSARS-CoV-2感染は、この期間に支配的な亜種であったため、すべてBA.4/5感染であると仮定して有効性を推定した。・前感染では、有症状のBA.4/5再感染に対する有効性は35.5%(95%信頼区間[CI]:12.1~52.7)、症状の有無にかかわらない感染に対する有効性は27.7%(95%CI:19.3~35.2)であった。・後感染では、有症状のBA.4/5再感染に対する有効性は76.2%(95%CI:66.4~83.1)、症状の有無にかかわらない感染に対する有効性は78.0%(95%CI:75.0~80.7)であった。 診断された感染症がすべてBA.4/5であると仮定した既感染の有効性に関する解析でも、主解析と同様の結果が得られた。また、既感染からの間隔によって層別化した有効性の解析でも、時間の経過とともに予防効果が低下することが示された。 研究者らは、「BA.4/5再感染に対する既感染の有効性は、前感染ではわずかだったが、BA.1/2含む後感染では高かった。これは、時間の経過とともに免疫防御力が低下し、BA.4/5の免疫回避力が高くなることが原因だ」とした。

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放射線ファーマシスト、健康・食品への不安に寄り添う/日本薬剤師会学術大会

 福島県薬剤師会副会長の松下 敦氏は第55回日本薬剤師会学術大会の分科会「災害時の薬剤師の役割」で、同県薬剤師会が2013年から開始した「放射線ファーマシスト」の活動を紹介。過去6年間の相談実績では、放射線ファーマシストの説明内容への市民の納得度は90%超に上ると報告した。 2011年の東日本大震災では福島県双葉郡双葉町と同郡大熊町にまたがる東京電力・福島第一原子力発電所で電源喪失に伴う過酷事故が発生。同原発から半径20km圏内は災害対策基本法に基づく「警戒区域」に定められたほか、その圏外で放射線量が高い地域を原子力災害対策特別措置法に基づく「計画的避難区域」や「緊急時避難準備区域」とし、これら地域で約14~15万人が避難を強いられた。避難区域はその後再編され、避難指示が解除された地域もあるものの、現時点でも原則住民が帰宅できない「帰還困難区域」は、名古屋市の面積とほぼ同じで同県面積の約2.4%を占めている。なお、福島第一原発に関しては現在も廃炉作業は継続中である。 松下氏によると、薬剤師が無機化学や有機化学、環境衛生学や食品衛生学などの知識を有する学問上の適正と化学物質の測定値と健康影響の把握や非専門家への説明の経験を有する職業上の適正を踏まえ、放射線に対する県民が持つ不安を解消する有効な手段の1つと考え、放射線ファーマシスト養成事業を2013年からスタートさせたという。 同事業に基づく放射線ファーマシストになるためには、県薬剤師会が作成したテキストによる講習受講と認定試験への合格が必要で、認定区分は初級、中級、上級の3段階。各級とも年1回、講習と認定試験が実施されている。2020年4月1日現在の認定状況は、初級が239人、中級が340人、上級が231人の合計810人。上級放射線ファーマシストは3年に1度のフォローアップ研修を受け、資格の更新が必要である。主な活動は▽県民への正しい情報伝達と相談応需▽新たな放射線ファーマシストの養成▽原子力災害時の緊急被ばく医療活動への参加、となっている。 日常の主な活動である薬局での県民からの相談に関しては、2016年4月1日~2022年3月31日までに1,263件、毎年200件前後の相談に対応している。この6年間で最も多い相談内容は「食品への不安」の381件、それ以外は「人体への影響」「放射線への不安」などの順で、同氏は「これらは毎年変わらず多い」と説明した。 相談件数は年々減少傾向にあるものの、2019年度以降は福島第一原発敷地内で発生する多核種除去設備(ALPS)で処理した通称・ALPS処理水(敷地内で発生する放射性物質を含む水からALPSで各種放射性物質を除去したもの)に関する相談が急増しているという。ALPS処理水の最終処分については海洋放出が念頭に置かれており、同氏は「メディアが取り上げることに比例して相談が増えてきている」との見方を示すとともに、「このことは放射線ファーマシストが身近な相談窓口として認知されてきていることでもある」と分析した。 同氏は実際の相談事例も紹介。40代女性からALPS処理水に関連して福島県産の魚介類に関する安全性を尋ねられた際は、対応した放射線ファーマシストが福島県発表の「魚介類の放射線モニタリング検査に関する結果」最新版で、食品衛生法が定める基準1kg当たり100ベクレルを超える魚介類が2015年4月以降報告がないことを確認。そのうえで相談への回答では、▽モニタリング検査法の適切さ、幅広い魚種による解析や基準値の妥当性の説明、ならびに最新情報とその推移を提示▽廃炉作業で発生する汚染水が海中放射性物質全体のごく一部であり、海中で大量希釈されている▽核種による違いはまだ不明な点もあり、放射線量全体としての不安は極めて低いがゼロリスクと言えない、などを説明したという。同氏は「わからないことは、わからないと話すことが重要」とも述べた。 また、県薬剤師会では放射線ファーマシストが一般生活者向けの説明に使えるよう食品問題やALPS処理水など相談件数が多いものに関しては啓発資材も作成し、実際の相談などにも使用している。 これまで相談者に対して行った満足度調査では、「説明に納得」が40%、「説明にほぼ納得」が52%で、合計92%が説明に納得したと回答している。 なお、この活動に関しては、上級放射線ファーマシスト認定者が対応し、県薬剤師会に1年に1件以上の相談事例を提出しているとの条件を満たすことで、東北厚生局福島事務所から調剤報酬の「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」の算定要件である地域活動として認定されている。 このようなことを踏まえ、同氏は「相談者からの満足度も高く、県民の健康と公衆衛生に寄与していると考えられる」との見解を表明した。

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切除不能局所進行NSCLC、CRT後デュルバルマブのリアルワールドデータ(PACIFIC-R)/JTO

 切除不能なStage III 非小細胞肺がん(NSCLC)の化学放射線療法(CRT)後のデュルバルマブ地固め療法は、1,000例を超える症例のリアルワールドデータでも有効性が示された。 同治療は第III相PACIFIC試験で有用性が証明され、標準療法として確立されている。一方、実臨床での有用性についての検討が望まれていた。そのような中、リアルワールドの無増悪生存期間(rwPFS)を評価したPACIFIC-R観察研究の結果がJournal of Thoracic Oncology誌で発表された。 PACIFIC-R研究は、2017年9月〜2018年12月に、デュルバルマブの地固め療法(10mg/kg 2週ごと)を開始した患者を対象とした、進行中の国際後ろ向き研究。主要評価項目は治験責任医師評価のrwPFSと全生存期間(OS)である。 主な結果は以下のとおり。・2020年11月30日の時点で、11ヵ国1,399例が分析対象となった。・追跡期間中央値は23.5ヵ月であった。・デュルバルマブの投与期間11.0ヵ月における、rwPFS中央値は21.7ヵ月であった。・同時CRTと逐次CRT別のrwPFSを見ると、同時CRTでは23.7ヵ月、逐次CRTでは19.3ヵ月、と同時CRT群で長かった。・PD-L1発現別のrwPFSを見ると、1%以上では22.4ヵ月、1%未満では15.6ヵ月、とPD-L1≧1%群で高かった。・治療中止に至る有害事象は16.5%、そのうち肺炎/間質性肺疾患による治療中止は9.5%であった。 切除不能Stage III NSCLCに対するデュルバルマブのCRT後地固め療法は、リアルワールドコホート研究においても有効性を示した。

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認知症患者のインフルエンザワクチン接種の抗体反応に対する光曝露の影響

 認知症受け入れ施設の照明条件を改善すると、患者の睡眠、概日リズム、健康状態の改善がみられる。スイス・Ecole Polytechnique Federale de LausanneのMirjam Munch氏らは、日中に明るい光を浴びると、認知症患者のインフルエンザワクチン接種に対する免疫応答がサポートされる可能性について報告を行った。この結果は、毎日より多くの光を浴びることで、認知症患者の免疫応答が上昇することを示唆しており、今後の研究において、定期的な光曝露がヒトの免疫系に対し直接的または安定した概日睡眠覚醒リズムを介して良い影響を及ぼすかが明らかになることが期待される。Brain, Behavior, & Immunity - Health誌2022年9月20日号の報告。 施設に入所している認知症患者80例を対象に、光曝露と休息および活動サイクルとの関係を評価するためアクティビティトラッカー活動量計を8週間使用した。毎年のインフルエンザワクチン接種前と接種4週間後に採血した血液サンプルを用いて、患者の免疫反応を分析した。3つのインフルエンザウイルス株(H3N2、H1N1、IB)に対する抗体濃度は、赤血球凝集抑制(hemagglutination inhibition)アッセイで定量化した。 主な結果は以下のとおり。・個々の光曝露プロファイル(日光を浴びるを含む)を定量化し、照度392.6ルクスを中央値として低光曝露群と高光曝露群に分類した。・両群間で、認知機能障害の重症度、年齢、性別に違いは認められなかった。・高光曝露群は、低光曝露群と比較し、ワクチン接種前の濃度が同等であったにもかかわらず、H3N2ワクチンに対する抗体価が有意に増加し、概日活動の振幅が有意に大きかった(日中の活動量が多く、夜間の活動量が少ない)。・全対象者の75%以上で、3つのインフルエンザウイルス株に対する十分な血清保護応答が確認された。

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世帯所得が低い2型DMの男性は食物繊維が不足気味?

 世帯所得は日本人2型糖尿病(T2DM)患者の男性において、食物繊維摂取量および食事性酸負荷と関連することが報告された。Nutrients誌2022年8月7日号掲載の報告。 世界中で、T2DM患者の人口は増え続けている。教育レベル、職業、生活状況、世帯所得からなる社会経済的地位は、T2DMの有病率に影響を及ぼすことが知られている。京都府立医科大学の高橋 芙由子氏らはT2DM患者における世帯所得と習慣的な食事摂取、とくに食物繊維の摂取と食事性酸負荷との関連について調査した。 2016年1月~2021年2月にかけて338例が本研究に参加し、世帯所得が不明などの理由で137例が除外され、最終的な調査対象者はT2DM患者201例(男性128例、女性73例)であった。世帯所得は自己申告式の質問票により評価し、高所得世帯と低所得世帯に分類された(本研究では500~800万円または800万円以上を高所得世帯、300~500万円または300万円未満を低所得世帯と定義した)。栄養状態は、簡易型自記式食事歴法質問票を用いて評価された。 主な結果は以下のとおり。・低所得世帯の割合は、男性67.2%(86/128例)、女性83.6%(61/73例)であった。・世帯所得が低い男性は世帯所得が高い男性よりも、食物繊維の摂取量は低く(11.3±4.2 vs.13.8±6.0g/日、p=0.006)、食事性酸負荷、推定内因性酸産生量(NEAP)(51.7±10.5 vs.46.8±10.4mEq/日、p=0.014)および潜在的腎臓酸負荷(PRAL)は高かった(9.5±10.7 vs.3.7±14.1mEq/日、p=0.011)。・多変量線形回帰分析の結果、共変量で調整した後、世帯所得が低い男性の対数(食物繊維摂取量)は世帯所得が高い男性よりも低かった(2.35[2.26~2.44]vs.2.52[2.41~2.62]、p=0.010)。さらに、世帯所得が低い男性のNEAPは、共変量で調整すると世帯所得が高い男性より高かった(54.6[51.7~57.4]vs.45.8[42.5~49.2]、p<0.001)。一方、女性では世帯所得と食事の質との間には関連が認められなかった。 著者らは「本研究で、男性では世帯所得が食物繊維摂取量および食事性酸負荷と関連することが示されたが、女性では関連しないことが示された。T2DM患者にとって食事の質の向上は重要である。したがって、臨床医および栄養士は、世帯所得が低い男性の食事の質の低さに注意を払う必要がある」と述べている。

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バイスタンダー心肺蘇生実施率に人種/民族差/NEJM

 米国において、バイスタンダー(現場に居合わせた人)によって自宅や公共の場で心肺蘇生(CPR)を受けた院外心停止者は、心停止が起きた地域の人種/民族構成や所得レベルに関係なく、黒人・ヒスパニック系が白人と比べて少なかった。米国・ミズーリ大学カンザスシティ校のR. Angel Garcia氏らが、院外心停止者の前向き多施設登録「Cardiac Arrest Registry to Enhance Survival:CARES」のデータを用いた解析の結果を報告した。院外心停止では、バイスタンダーCPRの実施率の差が、生存率の差に寄与することが知られており、その実施率が院外心停止者の人種/民族間で差があるかを理解することは、対策を検討するうえで非常に重要とされていた。NEJM誌2022年10月27日号掲載の報告。院外心停止者の前向き多施設登録を用い、バイスタンダーCPRの実施率を解析 CARESは、米国疾病予防管理センター(CDC)とエモリー大学によって設立された、院外心停止者の前向き多施設登録で、現在、約1億6,700万人(米国人口の51%に相当)の住民が含まれている。 研究グループは、CARESにおいて2013年1月1日~2019年12月31日に市中で目撃された成人の非外傷性院外心停止11万54件を特定し、階層的ロジスティック回帰モデルを用いて、自宅や公共の場におけるバイスタンダーCPRの実施率を黒人・ヒスパニック系と白人で比較分析した。全体での実施率と、居住地域の人種/民族構成および所得別の実施率も解析した。 居住地域は、白人が多い地域(住民の80%超)、黒人・ヒスパニック系が多い地域(住民の50%超)または混合地域、ならびに高所得(年間世帯所得中央値が8万ドル超)、中所得(4万~8万ドル)、低所得(4万ドル未満)に分類した。黒人・ヒスパニック系は白人より自宅で26%、公共の場で37%低い 11万54件中3万5,469件(32.2%)が黒人・ヒスパニック系であった。 自宅でのバイスタンダーCPR実施率は、黒人・ヒスパニック系(38.5%、1万627/2万7,573件)が白人(47.4%、2万6,899/5万6,723件)よりも低く(補正後オッズ比[OR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.72~0.76)、公共の場でも同様であった(45.6% vs.60.0%、補正後OR:0.63、95%CI:0.60~0.66)。 黒人・ヒスパニック系へのバイスタンダーCPR実施率は、白人が多い地域の自宅(補正後OR:0.82、95%CI:0.74~0.90)および公共の場(0.68、0.60~0.75)のいずれにおいても白人と比較して低値であるのみならず、黒人・ヒスパニック系が多い地域(自宅の補正後OR:0.79[95%CI:0.75~0.83]、公共の場の補正後OR:0.63[95%CI:0.59~0.68])や、混合地域(0.78[0.74~0.81]、0.73[0.68~0.77])でも同様であった。 また、所得レベル別でもすべてのレベル層で、自宅ならびに公共の場における黒人・ヒスパニック系へのバイスタンダーCPR実施率が白人より低かった。 なお、著者は研究の限界として、バイスタンダーの人種についての情報がなかったこと、バイスタンダーがCPRを実施しなかった理由についての情報が利用できなかったことなどを挙げている。

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イベルメクチン、軽~中等症コロナ患者の回復に寄与せず/JAMA

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、イベルメクチン400μg/kgの1日1回3日間投与はプラセボと比較し回復までの期間を改善しないことが、米国・デューク大学のSusanna Naggie氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果、示された。著者は、「軽症~中等症のCOVID-19患者に対して、イベルメクチンの使用は支持されない」とまとめている。JAMA誌2022年10月25日号掲載の報告。外来患者で、持続的回復までの期間をイベルメクチンvs.プラセボで評価 ACTIV-6試験は、軽症~中等症のCOVID-19外来患者における既存治療転用を評価するようデザインされた、進行中の完全遠隔法による分散型臨床試験である。 研究グループは、米国の93施設において、SARS-CoV-2感染が確認されCOVID-19の症状発現後7日以内の30歳以上の外来患者のうち、2つ以上の症状(疲労、呼吸困難、発熱、咳、吐き気、嘔吐、下痢、体の痛み、悪寒、頭痛、喉の痛み、鼻の症状、味覚・嗅覚の異常のいずれか)を有する患者を、イベルメクチン(400μg/kgを1日1回3日間投与)群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、持続的回復までの期間(少なくとも3日間連続して症状がないことと定義)、副次評価項目は28日目までの入院または死亡の複合を含む7項目とした。持続的回復までの期間は12日vs.13日、有意差なし 2021年6月23日~2022年2月4日の期間に、計1,800例が無作為化された(平均[±SD]年齢48±12歳、女性932例[58.6%]、SARS-CoV-2ワクチンを2回以上接種753例[47.3%])。このうち、1,591例(イベルメクチン群817例、プラセボ群774例)が試験を完遂し、解析に含まれた。 持続的回復までの期間の中央値は、イベルメクチン群12日(四分位範囲[IQR]:11~13)、プラセボ群13日(IQR:12~14)であり、持続的回復までの期間の改善に関するハザード比(HR、HR>1が有益であることを示す)は1.07(95%信用区間[CrI]:0.96~1.17、事後解析のp=0.91)であった。 28日目までの入院または死亡は、イベルメクチン群で10例、プラセボ群で9例確認された(1.2% vs.1.2%、HR:1.1、95%CrI:0.4~2.6)。 最も多く報告された重篤な有害事象は、COVID-19肺炎(イベルメクチン群5例、プラセボ群7例)と静脈血栓塞栓症(1例、5例)であった。

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モデルナのBA.4/5対応2価ワクチンを特例承認/厚労省

 厚生労働省は11月1日、モデルナのオミクロン株BA.4/5に対応した新型コロナウイルス2価ワクチン「スパイクバックス筋注」(2価:起源株/オミクロン株BA.4/5)について、承認事項の一部変更の特例承認をしたことを発表した。 一部変更申請の概要として、起源株およびオミクロン株BA.4/5のスパイクタンパク質をコードする mRNAを含む2価ワクチンが追加された。有効成分のエラソメランはSARS-CoV-2の起源株を、イムエラソメランはオミクロン株BA.1を、ダベソメランはオミクロン株BA.4/5のスパイクタンパク質をコードするmRNAだとしている。 本剤の接種対象者は、過去に初回免疫または追加免疫としてSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のある18歳以上であり、追加免疫として、1回0.5mLを筋肉内に接種する。接種間隔は通常、前回のワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種を行うことができる。

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再発リスクの高い腎細胞がん術後患者においてアテゾリズマブ補助療法は有効性を見出せず(解説:宮嶋哲氏)

 転移性腎細胞がんに対する標準治療は、免疫チェックポイント阻害薬やチロシンキナーゼ阻害薬の併用療法である。抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブもまた、その有効性が期待される薬剤であるが、本研究は28ヵ国215施設において、外科的切除後に再発リスクの高い腎細胞がん患者を対象に、アテゾリズマブ補助療法の有効性を検討した第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験である(IMmotion010試験)。主要評価項目はDFS。 2017年から約2年に778症例が登録され、観察期間中央値はアテゾリズマブ群57.2ヵ月、プラセボ群49.5ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.75~1.15、p=0.50)。Grade3~4の有害事象のほとんどは高血圧、高血糖および下痢であった。アテゾリズマブ群の18%とプラセボ群の12%に重篤な有害事象が発生したが、治療に伴う死亡例は認めなかった。3年DFSでは、アテゾリズマブ群65.0%でプラセボ群62.7%と有意差を認めなかった。OSについても時期尚早とはいえ、アテゾリズマブによる死亡リスク低減を観察するに至らなかった。 KEYNOTE-564試験では抗PD-1抗体であるペムブロリズマブが腎細胞がん術後患者のDFSにおいて有効性を示しているので、本試験では明らかに異なる結果が導かれたことになる。その要因として、母集団の特徴が異なる点(転移の時期、Fuhrman gradeの程度、リンパ節転移症例の多さなど)を筆者らは考察している。昨今普及するようになった遺伝子パネル検査を含め、筆者らも指摘しているように免疫チェックポイント阻害薬の有効性を予測しうるバイオマーカーの探索も重要と考える。

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【第221回 】液体窒素を飲むとどうなるか?

液体窒素を飲むとどうなるか?いらすとやより使用私の子供がとあるYouTubeチャンネルの動画を見ていたとき「液体窒素を口に含んでも大丈夫」と言っていました。確かにそうかもしれない、と私も思いました。熱したフライパンに水を垂らしたとき、水滴は玉になったままフライパンの上を転がるのと同じ原理ということです。しかし、間違って飲んでしまったらどうなるんだろう…。ちょっと気になったので調べてみました。まとまった報告はなく、症例報告をいくつか紹介してみます。Kim DW.Stomach Perforation Caused by Ingesting Liquid Nitrogen: A Case Report on the Effect of a Dangerous Snack.Clin Endosc. 2018 Jul;51(4):381-383.これは13歳の男児が遊園地でお菓子を食べたところ、突然腹痛を訴えて来院した症例報告です。このお菓子は、液体窒素でキンキンに冷えていたことがわかりました。腹部CT検査で、消化管穿孔を起こしていることがわかり、緊急手術で胃穿孔が判明しました。液体窒素そのものか、ただ冷えていたことが原因なのかどうか、何とも言えない症例ではありますね。Zheng Y, et al. Barotrauma after liquid nitrogen ingestion: a case report and literature review.Postgrad Med. 2018 Aug;130(6):511-514.これは、25歳男性が液体窒素を含んだ自家製飲料を摂取した後に、急性腹症を起こした症例です。精査の結果、胃穿孔を起こしていることがわかり、緊急手術となりました。Pollard JS, et al.A lethal cocktail: gastric perforation following liquid nitrogen ingestion.BMJ Case Rep. 2013 Jan 7;2013:bcr2012007769.液体窒素を含むアルコール飲料を摂取した後に、胃穿孔を起こした18歳女性の症例報告です。胃の損傷の程度が大きかったため、Roux-en-Y再建による胃全摘術が必要でした。胃穿孔ばかり続きます。痛そうです。胃全摘はかなりシビアですね。Knudsen AR, et al.Gastric rupture after ingestion of liquid nitrogen.Ugeskr Laeger. 2009 Feb 9;171(7):534.28歳男性が、煙を吐き出して周囲を驚かせるために液体窒素15mLを飲み、その後重度の腹部膨満と縦隔気腫があったという症例報告です。小弯部を中心に胃が破裂していたため、開腹手術で縫合されました。上部消化管内視鏡検査では、冷却による潰瘍性病変などはありませんでした。おや?4つ目の報告は、ちょっと胃潰瘍とは異なる機序のようですね。実は、液体窒素による胃の傷害は、冷却による粘膜障害ではないとされています。ドライアイスなどを飲み込むと、長時間冷温に曝露されるので胃潰瘍のリスクがあるのですが、液体窒素はおそらくそれよりも早く気化します。液体窒素は、加熱されると数百倍に膨張することが問題になります。これによって、胃が極度に膨張して傷害を受けるのではないか、ということです。まぁ…どちらの機序が優勢にしても、こんなもんを飲み込むなんて狂気の沙汰ですから、決してマネしないように。ちなみにドライアイスを飲んだらどうなるかというと…実はこの連載の3回目で紹介しています。

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第133回 『かかりつけ医』制度化は骨太ならぬ“骨抜き”方針か!?

『かかりつけ医』は、たぶん一般にはある程度聞き慣れた言葉になっているだろうが、その定義はかなり曖昧と言って良いかもしれない。慢性疾患を有する患者の場合は、その主治医がいわゆる『かかりつけ医』だと思っているはずだ。しかし、ここでは釈迦に説法だが、厚生労働省や日本医師会が考える「かかりつけ医」の定義は異なる。厚生労働省(以下、厚労省)では「健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」となる。ちなみに日本医師会の考える『かかりつけ医』は、同会ホームページで、この厚労省の定義をさらに詳しく説明したような内容になっている。というか、そもそも厚労省のホームページの説明の下にわざわざ「参考」として日医へのリンクが張られているのは、今風に言うと、なんとも「もにょって」しまう。さて、この定義に厳密に沿えば、前述の慢性疾患の主治医は実は多くの場合、かかりつけ医とは言えない。ちなみに日本医師会総合政策研究機構の「日本の医療に関する意識調査 2022 年臨時中間調査」によると、一般生活者1,152人に聴取した結果では「かかりつけ医がいる」との回答は55.7%で50代以降になると50%を超えるものの、20代では30%弱だ。前述の厚労省、日医の『かかりつけ医』の定義を見て「もにょる」を通り越して、やや言葉は悪いが「ウソつけ」と言いたくなる部分がある。それは厚労省のホームページの「『かかりつけ医』はご自身で選択できます」と日医の「『かかりつけ医』とは、患者さんが医師を表現する言葉です」である。文字上で言えばそうだろう。だが、現実にはそうなっていない。この問題を顕在化させたのは、今般の新型コロナウイルス感染症のワクチン接種開始時である。同ワクチンは超低温冷凍による保管が必要だったことから、当初は自治体主導の大規模接種会場での接種がモデルとして考えられたが、それが突如として多くの自治体で地域医師会の協力を得て個別医療機関での接種が中心となった。その先鞭が東京都練馬区の作成した「練馬区モデル」である。先日、ある自治体のワクチン接種担当の職員が、「練馬区モデルが出る前の自治体向けマニュアルを見ると、どう考えても大規模接種を前提としているようにしか読めないので、その路線での接種計画を組んでいたが、突如練馬区モデルの話が厚労省から出てきて驚いた」と聞かされた。これが全国での接種計画を一変させたのは間違いないようだ。かく言う私は練馬区民。この話を聞いた時は、「いやいや練馬区住民でよかった」と思っていたのだが、以前の本連載でも書いたように、いざ接種開始となって送付されてきた案内を見てややのけぞった。接種医療機関リストは白とオレンジの2色刷りで、色付きの医療機関は「かかりつけの患者のみ」という区分だったのである。しかも、誰でもが接種できる白色の医療機関は全体の3分の1程度。あの当時は「これは絵に描いた餅?」と思いもしたが、mRNAワクチンの接種自体が初の試みだったので、まあやむを得ないのだろうとくらいに捉えていた。後に区内在住の知人から「過去に急に体調が悪くなった時に2、3回受診した医療機関にワクチン接種の申し込み連絡をしたら、“申し訳ないですが、かかりつけは一定頻度で定期的に受診している方を指しています”と断られた」と聞かされた。ワクチンマニアを自認する私にも、先日ようやくオミクロン株対応ワクチンの4回目接種の接種券が届いた。だが、まだ接種はしていない。というのも「マニア心」で、より抗体価が上がりやすいモデルナの2価ワクチンの承認を待っていたからである。今月半ば過ぎには、たぶん安定的な供給も開始されるだろう。そして再び個別接種医療機関リストを見て、ため息が出てしまった。相変わらずオレンジ色の「かかりつけの患者のみ」が多いばかりではなく、逆にかつては誰でも受けられるはずだった白色のリスト分類だった医療機関の一部がオレンジ色に変更されていたからである。アナフィラキシーに対する懸念が今よりも強かった初期ならまだしも、もう最多では5回接種者がいる状態である。にもかかわらず、逆にかかりつけ患者のみに新たに限定してしまう理由とは何だろう? まったく意味不明である。前述の知人の体験である「医師から選ばれたかかりつけ患者」という現状も併せると、まったく納得できない。さてそんな昨今、話題になっているのは「『かかりつけ医』を制度上、どのように位置付けるか?」である。これは政府が6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022 について(骨太方針2022)」で、「かかりつけ医機能の制度整備」が謳われたからである。該当部分を抜粋する。また、医療・介護提供体制などの社会保障制度基盤の強化については、今後の医療ニーズや人口動態の変化、コロナ禍で顕在化した課題を踏まえ、質の高い医療を効率的に提供できる体制を構築するため、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制等の国民目線での改革を進めることとし、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行うとともに、地域医療連携推進法人の有効活用や都道府県の責務の明確化等に関し必要な法制上の措置を含め地域医療構想を推進する。敢えて太字にしたが、かかりつけ医機能にかかっているのが上の太字部分である。もっと言えば、「コロナ禍で顕在化した課題を踏まえ」の意味するところが大である。端的に言ってしまえば、前述のワクチン接種問題や、政府の呼びかけにもかかわらず発熱外来が思ったように増えなかった経験を踏まえ、「もう制度的に縛っちゃいますよ」と言っているのだ。そもそも岸田 文雄首相は就任当初からコロナ対策として、非常時の診療体制整備に国が関与を明言していたので、特段驚きはない。国が考える「かかりつけ医機能の制度整備」には、ヨーロッパやオーストラリアやカナダの家庭医登録制度に近いものが念頭にあると思われる。これまでフリーアクセスを維持しつつ、患者の受診行動を変えるために選定療養費制度などの政策誘導を行ったものの、ほぼ目的を達成できていない現実を考えればさもありなんだろう。そしてこうした家庭医制度を念頭に置くなら、当然ながら最終的な診療報酬は人頭払いと疾患別包括払いが視野に入る。もちろん開業医中心の日医は経営環境が激変するため、議論の入口から反対姿勢を示している。もっともヨーロッパの家庭医制度をモデルとした場合、日本への制度導入には大きなハードルが2つある。1つは今さっき触れた診療報酬の抜本的な改定である。これはかなり難儀な話であるのだが、DPC制度の前例を踏まえれば完全に不可能なことではない。現にこれを匂わす診療所向けの診療報酬点数は現時点でも存在する。その意味では家庭医への登録に基づく人頭払いをどのように導入していくかだが、そこは行政お得意の最初は日医などが受け入れしやすい軽い縛りを設け、徐々に真綿で首を締めるが如く浸透させていくのではないだろうか?むしろ最大の問題は家庭医の質の担保だろう。日医には会員の『かかりつけ医』機能の強化に向けて生涯教育制度はあるが、これは連続した3年間の単位数とカリキュラムコード数(同一コードは加算不可)の合計数が60以上の者に「日医生涯教育認定証」を発行するというもので、一部の人にはお叱りを受けるかもしれないが、はっきり言えば形式だけ整えたようなものだ。これに対してヨーロッパの家庭医制度は、世界家庭医機構(WONCA)が認証した研修プログラムがあり、日医の生涯教育制度よりもはるかに上位レベルの研修内容である。とくにWONCAの家庭医プログラムは医師と患者・家族、地域との関係性についてはかなり重点的なプログラムがあり、この点は日医の生涯教育制度はかなり薄め。かつ、そもそも海外の家庭医とは、日本でかかりつけ医と見なされる診療所の多くを占める一般内科とは異なり、軽度の外科や産科、手術以外の耳鼻咽喉科、眼科領域までも網羅的に最新のエビデンスに基づく診療に対応できることが原則である。このWONCAの国際認証を受けた日本プライマリ・ケア連合学会の研修プログラムを終了し、家庭医療専門医として認定された医師は現時点で1,000人を超えたぐらいである。日医が生涯教育制度に変えて、こうした制度を利用してかかりつけ医機能を強化するが、その代わりに国による“過度な”介入はご免こうむりたいと言うならばまだしも、そうした妥協はこれまでの日医の姿勢からは期待できないだろう。もちろん一部の日医会員の中には日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医研修を受けたいという人もいるだろうが、すでにかかりつけ医を自認している市中の開業医の多くはむしろ敬遠するだろう。国、日医、日本プライマリ・ケア連合学会という3者を当事者として、落しどころを探ろうにしても、たぶんWONCAの国際認証を受けている日本プライマリ・ケア連合学会は過度な妥協はしないだろうし、それは国民のためにしてはならない。もし国がかかりつけ医を海外の家庭医制度に寄せていくなら、それこそ大きな政治的な決断が必要になる。しかし、日医による後ろ盾が選挙を勝ち抜く大きな武器になっている与党・自民党にとってそれは無理だろうし、それ以前にかかりつけ医の定義ですら日医への忖度丸出しの厚労省が政治へのけん制に入ってしまうのは目に見えている。とくに今、支持率低迷にあえぐ岸田首相にとってはそんな危険な決断は無理と断言しても良い。その意味では一瞬威勢が良いように読める「骨太方針2022」も間もなく「骨抜き方針2022」になるという構図が見えてくる。私たちは不幸な歴史の証人になるだけなのだろうかと暗澹たる気持ちになってしまう。

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慢性期統合失調症における抗精神病薬の減量・中止後の再発リスク因子~メタ解析

 精神疾患の再発予防に抗精神病薬による維持療法は有効だが、高用量での使用はリカバリーを妨げる可能性がある。そのため、慢性期統合失調症患者では、抗精神病薬の減量または中止が検討される。オランダ・Mental Health Services RivierduinenのJan P. A. M. Bogers氏らは、抗精神病薬の減量に伴う精神疾患再発のリスク因子を特定しようと試みた。その結果、慢性期統合失調症患者における抗精神病薬の減量では、精神疾患再発のリスク因子を考慮する必要があること、抗精神病薬の比較的急激な減量を行う場合でもハロペリドール換算3~5mgを最低用量とすることなどが報告された。また、著者らは、抗精神病薬の漸減は投与中止に伴う再発を回避し、必要最低用量を達成できる可能性があるとしている。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2022年10月6日号の報告。 1950年1月~2021年1月に公表された研究をMEDLINE、EMBASE、PsycINFOよりシステマティックに検索し、慢性期統合失調症患者における抗精神病薬の減量または中止後の再発率を検討したランダム化比較試験(RCT)のレビューを行った。再発の潜在的なリスク因子を特定するため、人年当たりの相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・レビューには、47件のRCT(患者コホート54件、1,746人年)を含めた。・維持療法と比較した場合、抗精神病薬の減量・中止の精神疾患再発RRは2.3人年(95%CI:1.9~2.8)であった。・RRを上昇させる因子は以下のとおりであった。 ●抗精神病薬の中止 ●ハロペリドール換算量3~5mg未満への減量 ●比較的急激な減量(10週未満)・RRは、抗精神病薬の経口剤を減量した場合よりも長時間作用型注射剤のほうが低かった。・精神疾患再発リスクの上昇に関連するその他の因子は、若年、フォローアップ期間の短さであった。

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直近1年のオンライン診療利用患者は2%未満、利用意向も低い

 9,000人超を対象としたアンケート調査で、直近1年のオンライン診療利用者は2%未満であり、利用経験者における今後の利用意向は高いものの、全体の利用意向は非利用意向よりも低いことが明らかになった。マイボイスコム株式会社は、「オンラインでの医療相談・診察」に関するインターネット調査を行い、その結果を2022年10月28日に公表した。結果概要・直近1年間のオンライン診療利用経験は1.8%であった。10代・20代では約6%、30代では約3%であった。・オンライン診療を知っているが利用したことはない人は75.3%で、オンライン診療を知らない人は20.7%であった。・オンライン診療を受けたきっかけや理由は、「かかりつけ医がオンラインでの診療や相談を実施していた」が41.0%で最も多く、「発熱・咳など新型コロナ感染の疑いがあった」21.3%、「待ち時間・通院時間をかけたくない」20.2%、「遠方の医師の診察を受けるため」18.0%、「新型コロナ予防のため医療機関へ行くのを控えたい」16.3%と続いた。・オンライン診療を受けた医療機関の探し方は、「かかりつけの医療機関がオンライン診療をしていた」が57.3%で最も多く、「インターネットでの検索」22.%、「保健所や自治体などの紹介」10.7%、「インターネット広告」8.4%、「自治体のHP、広報誌など」6.7%と続いた。・オンライン診療の利用意向は31.0%(利用したいと思う:9.0%、まあ利用したいと思う:22.0%)であった。男性の10~20代、女性の10~30代の利用意向それぞれ40%台であった。直近1年間のオンライン診療利用者の利用意向は80%弱であった。・一方、非利用意向は33.5%(あまり利用したいと思わない:17.6%、利用したいと思わない:15.9%)であった。男性の30~70代、女性の60~70代では、利用したくない人が、利用したい人より多かった。利用したいと思う理由(抜粋、一部改変)・待合室は人数制限で5人程度しか入れず、窓全開の外廊下で待たされる時間が長くなった。どの年代であっても、違う意味で受診がリスクとなっている。・軽症で病院に行くことによって他の病気をうつされる心配の方が大きい場合はオンラインで診察してもらった方が安全だから。・診察の往復にかかる時間、交通費を考えると、オンラインは効率的な方法であると思う。利用したいと思わない理由(抜粋、一部改変)・オンラインでは細かく患者の状態を確認できないのでは。見逃すことが多くありそう。・実際に診て確認してもらいたい。緊急性があるかもしれないから。・オンライン診療は好まない。診療は対面でこそ医師を信頼できる。・すべてがオンライン診察でできるわけではない。病院に行くことになるから、手間は一度で済ませたい。―――――――――――――――――――調査概要調査方法:インターネット調査調査時期:2022年10月1~5日回答者数:9,822人(男性5,602人[57%]、女性4,220人[43%])回答者年代:10代12人(0%)、20代192人(2%)、30代774人(8%)、40代1,874人(19%)、50代2,909人(30%)、60代2,542人(26%)、70代1,519人(15%)調査機関:マイボイスコム株式会社(東京都千代田区、 代表取締役社長:高井和久)―――――――――――――――――――

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家族性大腸腺腫症への新たな治療戦略を日本で開発(J-FAPP Study III)

 京都府立医科大学の石川 秀樹氏らが大腸がんの超高危険群である家族性大腸腺腫症(FAP)患者に対し、予防のための内視鏡的積極的摘除術を世界で初めて開発したことがEndoscopy誌2022年10月10日号オンライン版に掲載された。家族性大腸腺腫症におけるIDPは結腸直腸がんを予防する有用な手段 結腸全摘は、家族性大腸腺腫症の標準治療であるにもかかわらず、若年層の家族性大腸腺腫症患者が手術を延期したり、手術を拒否したりするケースもあるという。そこで、同氏らは家族性大腸腺腫症 にきわめて多発する大腸ポリープのダウンステージングを目的とする積極的な内視鏡的摘除(IDP)の有効性を評価することを目的に内視鏡的積極的摘除術の多施設共同介入試験(J-FAPP Study III)を実施した。本試験は22施設で実施した単群介入研究で、参加者は2012年11月24日~2014年9月25日の間に登録。結腸切除術を受けていない、または結腸切除術を受けたが大腸が10cm以上残っている16歳以上で、100個のポリープがあった家族性大腸腺腫症患者を対象とした。IDPでは、10mm以上の大腸ポリープが摘除され、続いて5mm以上のポリープが摘除された。主要評価項目は5年間の介入期間中の結腸切除術の有無、副次評価項目は内視鏡による穿孔/出血、結腸直腸がんの発生、内視鏡治療に適さない腫瘍の発生、結腸直腸がんおよびその他の原因による死亡だった。 家族性大腸腺腫症に対しての積極的な内視鏡的摘除の有効性を評価した主な結果は以下のとおり。・ 222例が本試験に適格だった。そのうち結腸切除を受けていない(非結腸切除群)のは166例、回腸直腸吻合を伴う結腸亜全摘術(IRA)を受けたのは46例、部分的な結腸切除術を受けていたのは10例だった。・介入期間中、5例(2.3%、95%信頼区間[CI]:0.74~5.18)が結腸切除術を受け、そのうち4例は非結腸切除群から、1例は結腸切除後群だった。・介入期間中、3例(1.4%)が死亡したが、死因から家族性大腸腺腫症との因果関係はないと推測された。・結腸切除なしの5年間の介入期間の完了は、結腸切除を受けていない者では150/166例(90.4%、95%CI:84.8~94.4)、以前に結腸切除を受けた者では47/56例(83.9%、95 %CI:71.7~92.4)だった。 本研究を踏まえ研究者らは、軽~中等度の家族性大腸腺腫症患者におけるIDPは、結腸切除術を実施せずに結腸直腸がんを予防する有用な手段となる可能性があることを示した。ただし、IDPの長期間の有効性はまだ不明であり多くの患者が結腸切除術を実施する必要がある可能性は残されたままである。

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ガーダントヘルスジャパン、Guardant360 CDxでエスアールエルと業務提携

 ガーダントヘルスジャパンとエスアールエルは、固形がん患者を対象とした包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360CDx)のサービス提供のために業務提携契約を締結した。 ガーダントヘルスジャパンは、今回の業務提携によりSRLの遺伝子検査領域におけるロジスティックスならびにネットワーク、サービスを活用することが可能となる。SRLが医療機関から検体を受理してから14日を目途に、国立がん研究センター、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)およびGuardant360 CDxがん遺伝子パネル検査ポータルに解析結果を提供する。 Guardant360 CDxは、米国食品医薬品局(FDA)から2020年8月、日本では2022年3月10日に、すべての固形がんに対する包括的リキッドバイオプシーとして承認を取得している。また、わが国のコンパニオン診断としては、2021年12月にKRAS G12C阻害薬ソトラシブの切除不能非小細胞肺がん、2022年3月にペムブロリズマブのMSI-High固形がんおよびニボルマブのMSI-High結腸・直腸がんに承認されている。

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ワクチン回数と感染歴、オミクロン感染予防効果の高い組み合わせは?/NEJM

 米国・スタンフォード大学のElizabeth T. Chin氏らは、感染ハイリスク集団である刑務所の収容者とスタッフ合計約7万6,000例を対象に行った後ろ向きコホート試験で、COVID-19のmRNAワクチン接種および既感染は、SARS-CoV-2のB.1.617.2(デルタ)変異株優勢前の感染予防効果は低かったが、B.1.1.529(オミクロン)変異株に対しては感染予防効果を有していたことを明らかにした。また、既感染者も含め、ワクチン3回接種が2回接種よりも感染保護効果が顕著に大きかったことも示されたという。NEJM誌オンライン版2022年10月26日号掲載の報告。米国カリフォルニア州刑務所の収容者・スタッフ対象に試験 研究グループは、米国カリフォルニア州立刑務所35ヵ所の収容者5万9,794例とスタッフ1万6,572例を対象に、mRNAワクチン接種と既感染のSARS-CoV-2オミクロン変異株感染への保護効果を評価した。 オミクロン変異株優勢時の2021年12月24日~2022年4月14日に集めたデータを用いて後ろ向きコホートデザインにより解析。加重Coxモデルを用いて、ワクチン接種歴(mRNAワクチンの接種回数により層別化)と感染歴(なし、またはデルタ変異株優勢前または優勢中に感染あり)の組み合わせ別にみた、ワクチン接種と既感染の有効性(1-ハザード比[HR]で算出)を比較した。 副次解析では、ローリング適合コホートデザインを用いて、ワクチン2回接種と比較した3回接種の有効性を評価した。ワクチン3回接種、2回接種に比べ有効性は25%以上増大 オミクロン変異株感染予防に関する推定有効率は、ワクチン未接種でデルタ変異株優勢前感染者では16.3%(95%信頼区間[CI]:8.1~23.7)だったが、ワクチン未接種でデルタ変異株優勢中感染者では48.9%(41.6~55.3)だった。 オミクロン変異株感染予防に関するワクチン接種の推定有効率は、感染歴で大きく違いがあり、2回接種では未感染18.6%(95%CI:7.7~28.1)~デルタ変異株優勢中感染83.2%(77.7~87.4)、3回接種では未感染40.9%(31.9~48.7)~デルタ変異株優勢中感染87.9%(76.0~93.9)にわたっていた。 ワクチン3回接種(ブースター)による有効性の推定増加幅は、未感染者の25.0%(95%CI:16.6~32.5)~デルタ変異株優勢前感染者57.9%(48.4~65.7)にわたっていた。

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院外心停止後、目標SpO2として90~94%は有効か/JAMA

 院外心停止後、自発循環を回復した意識不明の成人に対する、集中治療室(ICU)入室までの酸素飽和度90~94%をターゲットとした酸素療法は、98~100%をターゲットにした場合と比べ、生存退院率を有意に改善しなかった。ICU入室までの低酸素イベント発生率も、90~94%ターゲット群で有意に高率だった。オーストラリア・Ambulance VictoriaのStephen A. Bernard氏らが、425例を対象に行った無作為化比較試験「EXACT試験」の結果で、「試験はCOVID-19パンデミックにより早期中断となったが、試験結果は、心停止後の循環回復後における院外での酸素飽和度90~94%をターゲットした酸素療法を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2022年10月26日号掲載の報告。オーストラリア、15の病院と2つの救急医療サービスで無作為化試験 研究グループは、オーストラリアのビクトリア州と南オーストラリア州の2つの救急医療サービス(EMS)と15の病院を通じ、院外心停止後に自発循環を回復し、100%酸素吸入時に末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)が95%以上の意識不明の成人を対象に、多施設共同並行群間無作為化比較試験を実施した。EMSと病院から2017年12月11日~2020年8月11日に医療記録データを収集した(最終フォローアップは2021年8月25日)。 被験者をパラメディックにより無作為に2群に分け、ICU入室までの間、一方には酸素飽和度90~94%をターゲットに(介入群)、もう一方には酸素飽和度98~100%をターゲットに(標準ケア群)、それぞれ酸素療法を行った。 主要アウトカムは、生存退院率だった。副次アウトカムは9項目で、低酸素(SpO2<90%)や再心停止を伴う低酸素症など、事前に規定した重度有害イベントなどだった。生存退院率、介入群38.3%、標準治療群47.9% 本試験は当初、被験者数1,416例を予定していたが、428例(介入群216例、標準ケア群212例)が無作為化を受けた時点でCOVID-19パンデミックにより中断となった。主要解析には425例(介入群214例、標準ケア群211例)が包含され(年齢中央値65.5歳、女性100例[23.5%])、全例が試験を完了した。 生存退院率は、介入群38.3%(214例中82例)に対し、標準ケア群が47.9%(211例中101例)と有意に高率だった(群間差:-9.6%[95%信頼区間[CI]:-18.9~-0.2]、補正前オッズ比[OR]:0.68[95%CI:0.46~1.00]、p=0.05)。 入院中に集められた事前規定の9項目の副次アウトカムのうち、8項目は有意差がなかった。 ICU入室までの低酸素エピソードは、介入群31.3%(67例)、標準治療群16.1%(34例)報告され、有意差が認められた(群間差:15.2%[95%CI:7.2~23.1]、OR:2.37[95%CI:1.49~3.79]、p<0.001)。

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