サイト内検索|page:469

検索結果 合計:35160件 表示位置:9361 - 9380

9361.

STEMIのPCI時の抗凝固療法、bivalirudin vs.ヘパリン/Lancet

 主に経橈骨動脈アプローチによる初回経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、bivalirudinのボーラス投与+PCI後2~4時間の高用量点滴静注は、ヘパリンのボーラス投与と比較し、30日全死亡/大出血の発生が有意に低下した。中国・General Hospital of Northern Theater CommandのYi Li氏らが、中国63都市の87施設で実施した医師主導の無作為化非盲検比較試験「Bivalirudin With Prolonged Full-Dose Infusion During Primary PCI Versus Heparin Trial-4 trial:BRIGHT-4試験」の結果を報告した。初回PCIを受けるSTEMI患者を対象にbivalirudinとヘパリンを比較したこれまでの無作為化試験では、bivalirudinの用法・用量あるいは糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の併用の有無など試験方法が異なるため、矛盾する結果が報告されていた。Lancet誌2022年11月26日号掲載の報告。bivalirudinのボーラス投与+高用量静注投与vs.未分画ヘパリン単独投与 研究グループは、線溶療法、抗凝固薬、糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の投与歴がなく、発症後48時間以内に初回PCI(橈骨動脈アクセスを優先)を受けるSTEMI患者を、bivalirudin群または未分画ヘパリン単独群に1対1の割合で無作為に割り付けた。盲検化は実施しなかった。 bivalirudin群では、冠動脈造影前に0.75mg/kgを急速静注し、続いてPCI施行中および施行後2~4時間に1時間当たり1.75mg/kgを点滴静注した。未分画ヘパリン単独群では、冠動脈造影前に70U/kgを急速静注した。両群とも、糖蛋白IIb/IIIa阻害薬(tirofiban)はPCI施行中の血栓合併症に対してのみ投与可とし、全例に抗血小板薬2剤併用療法(アスピリンとクロピドグレルまたはチカグレロル)が施行された。 主要評価項目は、30日以内の全死因死亡または大出血(BARC出血基準3~5)の複合とし、intention-to-treat解析を行った。 2019年2月14日~2022年4月7日の期間に、計6,016例が無作為化された(bivalirudin群3,009例、未分画ヘパリン単独群3,007例)。カテーテル室への移動中に死亡した6例と冠動脈造影に適さないと判断された2例を除く6,008例のうち、5,593例(93.1%)で橈骨動脈アクセスが使用された。30日全死因死亡/大出血の複合イベントはbivalirudin群で31%有意に低下 主要評価項目のイベント発生は、未分画ヘパリン単独群(132例、4.39%)と比較しbivalirudin群(92例、3.06%)で少なく、群間差は1.33%(95%信頼区間[CI]:0.38~2.29)、ハザード比(HR)は0.69(95%CI:0.53~0.91、p=0.0070)であった。 30日以内の全死因死亡は、未分画ヘパリン単独群で118例(3.92%)、bivalirudin群で89例(2.96%)が報告され(HR:0.75、95%CI:0.57~0.99、p=0.0420)、大出血はそれぞれ24例(0.80%)および5例(0.17%)発生した(HR:0.21、95%CI:0.08~0.54、p=0.0014)。 30日以内の再梗塞/脳卒中/虚血による標的血管再血行再建の発生率は、両群間で有意差はなかった。また、30日以内のステント血栓症は、bivalirudin群で11例(0.37%)、未分画ヘパリン単独群で33例(1.10%)の発生が報告された(p=0.0015)。

9362.

乳がん内分泌療法中のホットフラッシュに有効な新規薬剤/Lancet

 新規非ホルモン性小分子化合物Q-122は、乳がん後に経口内分泌療法中の女性患者において、ホットフラッシュや発汗など血管運動神経症状の改善に有効で忍容性は良好であることが、オーストラリア・QUE OncologyのAmanda Vrselja氏らが、オーストラリア、ニュージーランド、米国の18施設で実施した第II相無作為化二重盲検プラセボ対照概念実証試験の結果、示された。血管運動神経症状は、経口内分泌療法中の乳がん女性の3分の2以上にみられるが、安全で有効な治療法はない。Q-122は、視床下部にあるエストロゲンに反応するKNDyニューロンの活性化を減少することにより、血管運動神経症状を抑制する可能性が示唆されていた。著者は、「今回の結果は、Q-122の大規模かつ長期的な試験の実施を支持するものであり、更年期のホルモン療法に代わる治療を必要としている閉経後女性にも使用できる可能性もある」とまとめている。Lancet誌2022年11月12日号掲載の報告。中等度~重度の血管運動神経症状に対するQ-122の有効性と安全性をプラセボと比較 研究グループは、乳がん後にタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬を30日以上服用しており、中等度~重度の血管運動神経症状(ホットフラッシュおよび発汗)が週50回以上発現している18~70歳の女性患者を、Q-122群(100mgを1日2回)またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け(BMI値[≦30または>30]、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、ガバペンチン、プレガバリンのいずれかの使用で層別化)、28日間経口投与した。 血管運動神経症状の重症度は、血管運動神経症状重症度スコア(VMS-SS、スコア1[軽度:発汗を伴わない熱感]、スコア2[中等度:発汗を伴う熱感があるが、活動を継続できる]、スコア3[重度:発汗を伴う熱感があり、活動が停止])で患者に評価してもらった。 主要評価項目は、中等度および重度VMS-SS(msVMS-SS)のベースラインから28日目までの平均変化率であった。msVMS-SSは、(2×中等度血管運動神経症状数)+(3×重度血管運動神経症状数)として算出した。 少なくとも1回試験薬を服用し、試験開始後に1回以上有効性の評価を行った修正intention-to-treat集団を有効性解析対象集団とし、少なくとも1回試験薬を服用した全患者を安全性解析対象集団とした。Q-122群でmsVMS-SSが有意に改善 2018年10月24日~2020年9月9日の期間に、243例がスクリーニングされ、そのうち131例が無作為化された(Q-122群65例、プラセボ群66例)。 msVMS-SSのベースラインから投与28日目までの平均変化率(最小二乗平均値)は、Q-122群が-39%(95%信頼区間[CI]:-46~-31)、プラセボ群が-26%(95%CI:-33~-18)であり、プラセボ群と比較してQ-122群で有意に低下した(p=0.018)。 試験薬投与下で発現した有害事象は多くが軽症から中等症であり、両群間で類似していた。治療関連有害事象の発現率は、Q-122群17%(11/65例)、プラセボ群14%(9/66例)で、重篤な有害事象はQ-122群ではみられず、プラセボ群でのみ2例に認められた。

9363.

「ドーハの奇跡」に思う【Dr. 中島の 新・徒然草】(454)

四百五十四の段 「ドーハの奇跡」に思う2022年11月23日、日本がドイツに勝利!サッカーワールドカップのことです。このニュースを見るまで、そんな大会をしていることすら知りませんでした。われわれの世代にとって、ドイツといえば「皇帝」ベッケンバウアー率いるバイエルン・ミュンヘン!日本が逆立ちしても歯が立たないというイメージがあります。それだけに、今回の勝利はまさしく「ドーハの奇跡」でした。そして、ドイツの次はスペインに7-0とボコボコにされたコスタリカ。もはや日本の敵やないぞ、そもそもコスタリカってどこにあるねん!誰もがそう思っていたことでしょう。コスタリカはニカラグアとパナマに挟まれた人口約500万人の中米の国です。公用語はスペイン語ですが、英語も結構通用するのだとか。軍隊はないのですが、その分、やたら強力な警察があって有事に対応するそうです。中米諸国は小さな国の集まりなので、隣接するメキシコがスーパーパワー的存在になります。実は、甥っ子がUWCCRというコスタリカの高校を卒業しているので、私も多少は親近感を持っていました。が、実際に試合が始まってみると、思わず声をあげて日本を応援してしまいますね、やはり。でも、結果は1-0で日本の負け、悔しい!狂喜する相手チームの選手や観客を見ていると、余計に悔しくなってきます。こうなったらスペインを倒すしかありません。かかって来いや、スペイン!さて、今回のワールドカップでは、日本の代表選手たちがロッカールームを綺麗に掃除して帰ったことが話題になっています。これに対して、カジノで100億円負けて有名になった大王製紙元会長の井川 意高氏がツイッターで噛み付いていました。「気持ち悪いからやめろ。ただの自己満足だ。掃除人の仕事を奪っている」という趣旨の発言です。私なんか自分が掃除人だったら、「おっ、ラッキー!」と思いますね。このことについては、脳外科外来で患者さんから聞いた話が面白いものでした。息子さんがサッカー専門高校に入ったのですが、マナーや礼儀作法が無茶苦茶厳しいのだそうです。掃除、洗濯、服の畳み方まで、サッカーと同じくらい仕込まれるのだとか。いかに強豪校といえどもプロになれるのは10人に1人いるかいないか。たとえプロになれなくても、キチンとした躾はその人にとっての宝です。そう考えると、代表選手たちも体が勝手に動いて掃除してしまったのかもしれません。どこでもキチンと掃除されていたら気持ちいいですからね。自己満足で結構!私はそう思います。ということで、最後に1句灼熱の ドーハの街で 掃除する

9364.

12月1日 世界エイズ・デー【今日は何の日?】

【12月1日 世界エイズ・デー】〔由来〕世界レベルのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定。毎年12月1日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動を実施。関連コンテンツHIV感染症患者は新型コロナウイルスに罹りにくいのか?【新興再興感染症に気を付けろッ!】HIV感染と心血管疾患に関連はあるか/JAMA診療に役立つLGBTQsの基礎知識サル痘+コロナ+HIVのトリプル感染が初報告、臨床経過は?早く治療すれば怖くないHIV感染症

9369.

【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来~前編

【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来<前編>医師が行う”がん教育”、実際どのように授業を行っているのか?佐々木 治一郎氏(北里大学)、笠井 信輔氏(フリーアナウンサー)出演の特別インタビュー企画<前編>。

9370.

【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来~中編

【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来<中編>”がん教育”で実現できること、医師が携わることの意義とは?佐々木 治一郎氏(北里大学)、笠井 信輔氏(フリーアナウンサー)出演の特別インタビュー企画<中編>。

9374.

第22回 電話・FAX・郵送が必要なコロナ治療薬「アナログ処方」の不可解

エンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)を使うタイミングは?世間では「ゾコーバすげぇぜ!」みたいな報道が多いですが、有効性については少し落ち着いてみてほしいと思います。新型コロナの診断がついた途端「よっしゃ、ゾコーバや!」というのは適切とは言えません。「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第15版」(2022年11月22日)では、以下のように記載されています1)。一般に、重症化リスク因子のない軽症例の多くは自然に改善することを念頭に、対症療法で経過を見ることができることから、エンシトレルビル等、重症化リスク因子のない軽症~中等症の患者に投与可能な症状を軽減する効果のある抗ウイルス薬については、症状を考慮した上で投与を判断すべきである。また、重症化リスク因子のある軽症~中等症の患者に投与する抗ウイルス薬は、重症化予防に効果が確認されているレムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル/リトナビルによる治療を検討すべきである。重症化リスクがある軽症者には、その他の抗ウイルス薬がよいとされており、重症化リスクがない軽症者にはそもそも治療が必要なのかどうかという議論になります。とはいえ、いろいろなエビデンスが今後出てくるかもしれませんので、全然ダメじゃんとバッサリ切ってしまうのではなく、もう少し長い目線で見ていくほうがよさそうに思います。抗ウイルス薬処方の手間が多すぎるそれにしても、モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)、ニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッドパック)を使い始めた頃から、新型コロナの抗ウイルス薬の処方手続きが煩雑過ぎる問題が解決していません。本当に煩雑で、「処方させたくないのかな」と思うくらいです。ゾコーバも、これまでと同じように登録センターに医療機関と調剤薬局が登録する必要があります。また、処方に際して同意書を書いてもらって、調剤薬局に電話で一報を入れて、その後適格性情報チェックリストと処方箋をFAXして、原本を郵送するという「例の手順」になっています(図1)。画像を拡大する図1. ゾコーバの処方手順(参考資料2より筆者作成)変異ウイルス東京都の変異ウイルスモニタリングを見ていると、BA.5がまだ主流ではあるものの、BQ.1.1、BN.1、BF.7などの変異ウイルスが増えています(図2)。チキサゲビマブ/シルガビマブ(商品名:エバシェルド)はまだ効果を残していますが、変異ウイルスが出回るとこれも推奨されなくなるかもしれません。図2. 東京都の変異ウイルス(参考資料3より引用)抗体薬の位置付けが下がって、抗ウイルス薬への期待が相対的に高まっているからこそ、エビデンスに基づいてベストな選択肢を選ぶようにしたいものです。参考文献・参考サイト1)日本感染症学会 COVID-19に対する薬物治療の考え方 第15版2)厚生労働省 新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬(ゾコーバ錠125mg)の医療機関及び薬局への配分について3)東京都 モニタリング項目の分析(令和4年11月24日公表)

9375.

ストレスや睡眠反応性が不眠症状に影響を及ぼすまでの期間

 米国・アリゾナ大学のJiah Yoo氏らは、ストレス曝露後の睡眠障害(睡眠反応性)と睡眠障害後のストレス反応(ストレス反応性)を自然主義的に毎日測定し、これらの反応性と不眠症との関連をレトロスペクティブに調査した。その結果、ベースライン時のストレス反応性と睡眠反応性は、11ヵ月後の不眠症状の悪化をそれぞれ独立して予測するだけでなく、相互に関連し予測していることが明らかとなった。著者らは、本調査結果は不眠症のストレス因子モデルの根底にあるプロセスを可視化し、睡眠とストレス反応性の長期的かつ自然主義的な測定の有用性を示唆していると述べている。Sleep誌オンライン版2022年10月27日号の報告。 対象は、看護師329人。睡眠およびストレスは、毎日の日誌およびアクチグラフィを用いて14日間測定し、評価を行った。不眠症状は、14日、6ヵ月、11ヵ月後に自己報告で収集した。 主な結果は以下のとおり。・マルチレベルモデリングでは、負の固定効果として総睡眠時間の短さ、睡眠効率の低下がストレス増大と関連し、その逆の関連も認められた。また、有意なランダム効果として睡眠反応性とストレス反応性の個人差も観察された。・潜在的スコアの変化モデリングでは、ベースライン時のより大きな睡眠反応性(より大きなストレスによる睡眠効率の低下)および、より大きなストレス反応性(総睡眠時間の短さによるストレス増大)は、11ヵ月後の不眠症状の悪化と関連していることが示唆された(各々、b=10.34、p=0.026、b=7.83、p=0.03)。・睡眠反応性およびストレス反応性は相互に作用し、不眠症状を予測していた。ストレス反応性が高い(+1SD)場合、睡眠反応性は不眠症状と関連していたが(b=17.23、p=0.001)、ストレス反応性が低い(-1SD)場合には、この関連は認められなかった(b=5.16、p=0.315)。

9376.

ドキソルビシン、乳がん併用療法での休薬期間短縮可能に/サンドファーマ

 サンドファーマ株式会社は2022年11月24日、ドキソルビシン(一般名:アドリアシン注用10、同注用50)について、乳(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍薬との併用療法の場合、シクロホスファミド水和物との併用において、用法及び用量の医薬品製造販売承認事項一部変更承認を受けたことを発表した。<製品概要>・販売名:アドリアシン注用10アドリアシン注用50・一般名:ドキソルビシン塩酸塩・効能・効果:変更なし・用法及び用量:<乳(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法>シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/m2(体表面積)を日局注射用水又は日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与後、13日間又は20日間休薬する。この方法を1クールとし、4クール繰り返す。なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。・用法及び用量に関連する注意:<乳(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法>本剤の投与スケジュールの選択、G-CSF製剤の使用等について、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。・承認取得日:2022年11月24日

9377.

isCGMは低血糖予防に有効/京都医療センターほか

 低血糖予防教育に間歇スキャン式持続血糖測定器(intermittently scanned continuous glucose monitoring:isCGM)を用いることで低血糖時間や重症低血糖リスクが低減されることが、村田 敬氏(京都医療センター臨床栄養科)、坂根 直樹氏(同センター臨床研究センター 予防医学研究室長)らの19施設の糖尿病専門医と臨床研究専門家の共同研究により明らかとなった。詳細はDiabetes Research and Clinical Practice誌に11月13日掲載された。isCGMは低血糖予防に役立つツールか 低血糖は、1型糖尿病を持つ人の生活の質を悪化させ、労働生産性を損なうだけでなく、最悪の場合、重大な事故や突然死の原因となることはよく知られていた。しかし、血糖自己測定(SMBG)だけでは、低血糖を予防するには十分ではなかった。村田氏は「isCGMではグルコース値を表示するだけでなく、画面で表すトレンド矢印により血糖変動速度を表示することができる。このトレンド矢印をみて早めに対処することで低血糖時間や重症低血糖リスクが低減したのではないか」と示唆している。 村田氏らのISCHIA研究はインスリンの頻回注射を行っている成人1型糖尿病患者104例を対象に、従来の指先で測る血糖測定器で血糖マネジメントする期間(84日間)とisCGMで血糖マネジメントする期間(84日間)にランダムに割り付けるクロスオーバー試験で行われた。isCGMを使用する患者は、1日10回以上、センサーの表示を確認し、下向きの矢印が出ていて急速に血糖値が低下している状況では、実際に低血糖の症状が出現する前に補食するなどの予防対処をするよう、教育された。isCGMは低血糖リスクを有意に減少 試験を終了した93例のデータが解析され、主要評価項目である低血糖時間(70mg/dL未満)が従来の指先で測る血糖測定器と比べて1日あたり3.1時間(12.9%)から2.4時間(10.1%)に有意に減少することが立証された。また、低血糖指数(LBGI)が5以上の重症低血糖リスクの割合が23.7%から8.6%に減少することがわかった。 本研究について、坂根氏は「isCGMをどの程度活用できたかには個人差があり、センサーのスキャン回数に及ぼす要因やisCGMの費用対効果について検討する必要がある」と述べている。

9378.

STEMIの治療開始までの時間と院内死亡率、直近4年で増加/JAMA

 米国・Lindner Center for Research and EducationのJames G. Jollis氏らが、2018~21年のST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者11万例超を対象に行った横断研究の結果、治療開始までの時間(中央値)は2018年第2四半期86分、2021年第1四半期91分、院内死亡率はそれぞれ5.6%および8.7%で、いずれも統計学的に有意に増加していた。そのほか、来院形態にかかわらず、治療開始までの時間が目標を達成した場合に院内死亡率が低いなど、2018~21年の期間におけるSTEMI治療の経過と転帰に関する解析結果を報告している。JAMA誌2022年11月22日号掲載の報告。STEMI患者約11万5千例について解析 研究グループは、GWTG-CADレジストリに参加している648施設において、2018年第2四半期~2021年第3四半期の間に登録された急性冠症候群患者のうち、心電図でSTEMIまたはSTEMI同等の心電図波形を呈した患者を対象に、治療開始までの時間、院内死亡率、システム目標の順守(最初の医療従事者の接触[first medical contact:FMC]から、経皮的冠動脈インターベンション[PCI]施行施設への直接来院では90分以内、PCI非施行施設からの施設間搬送の場合は120分以内に、75%の患者を治療)について解析した。 登録患者28万4,792例のうち解析対象は11万4,871例で、年齢中央値は63歳(四分位範囲[IQR]:54~72)、男性71%、女性29%であった。治療開始までの時間目標達成で、院内死亡率が低い 症状発現からPCIまでの時間中央値は、救急搬送症例集団で148分(IQR:111~226)、独歩来院症例集団で195分(IQR:127~349)、施設間搬送症例集団で240分(IQR:166~402)であった。 補正後院内死亡率は、目標時間内に治療を受けた患者のほうが、目標時間を超えて治療された患者より低かった。 すなわち、救急搬送症例集団での院内死亡率は、救急隊員による最初の評価から心臓カテーテル室起動までの時間≦20分の目標達成3.6% vs.非達成9.2%(補正後オッズ比[aOR]:0.54、95%信頼区間[CI]:0.48~0.60)、病院到着からPCI開始までの時間≦90分の目標達成3.3% vs.非達成12.1%(0.40、0.36~0.44)であり、独歩来院症例集団では病院到着からPCI開始までの時間≦90分の目標達成1.8% vs.非達成4.7%(0.47、0.40~0.55)、施設間搬送症例集団では最初の病院到着から出発までの時間<30分の目標達成2.9% vs.非達成6.4%(0.51、0.32~0.78)、最初の病院到着からPCI開始までの時間≦120分の目標達成4.3% vs.非達成14.2%(0.44、0.26~0.71)であった。 来院形態にかかわらずほとんどの四半期でシステム目標を達成できておらず、施設間搬送症例では最初の病院到着から120分以内にPCIを受けた患者の割合は、わずか17%であった。

9379.

軽症のコロナ入院患者、ARB上乗せは無益/BMJ

 軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者において、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)(主にテルミサルタン40mg/日)による治療は疾患重症度に対する有益性がないことが、オーストラリア・シドニー大学のMeg J. Jardine氏らがインドとオーストラリアの17施設で実施したプラグマティックなアダプティブデザインの無作為化比較試験「CLARITY試験(Controlled evaLuation of Angiotensin Receptor blockers for covid-19 respIraTorY disease)」の結果、示された。これまで、ARB未治療の患者を対象とした5件の無作為化臨床試験において、レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の主要評価項目に対する中立的効果が報告され、1件では副次評価項目である死亡に対し高用量テルミサルタン(80mgを1日2回14日間投与)の有益性が報告されていた。著者は本試験の結果について、「対象のほとんどがベースラインで酸素吸入を必要としない患者であったため」と述べたうえで、「現在進行中の試験では、より重症患者におけるARBの効果を評価できる可能性があり、ベイジアン・アダプティブ・デザインを用いることで、臨床診療に役立つ確定的かつ効率的な回答が得られる」と述べている。BMJ誌2022年11月16日号掲載の報告。標準治療+ARB(主にテルミサルタン)vs.標準治療のみ(±プラセボ) 研究グループは、ARBによる治療歴がなく、検査による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の確定診断を受け、COVID-19の管理のために入院した18歳以上の患者を、標準治療に加えてARBまたは対照薬を投与する群に1対1の割合で無作為に割り付け、1日1回28日間経口投与した。なお、ARBは、インドではテルミサルタン(開始用量40mg/日)、オーストラリアでは担当医の選択とし、対照薬はインドではプラセボ(二重盲検試験)、オーストラリアでは標準治療のみ(非盲検試験)であった。 主要評価項目は、14日目における修正WHO臨床進行スケール(WHO-CPS)(1:退院・活動制限なし~7:死亡)によるCOVID-19の疾患重症度、副次評価項目は28日目のWHO-CPS、死亡率、集中治療室入室、呼吸不全であった。14日目の疾患重症度は両群で同じ 2020年5月3日~2021年11月13日の期間に、2,930例がスクリーニングを受け、787例がARB群(393例、うち388例[98.7%]はテルミサルタン40mg/日)または対照群(394例)に無作為に割り付けられた。787例中、778例(98.9%)がインドから、9例(1.1%)がオーストラリアからの参加であった。 主要評価項目である14日目のWHO-CPS中央値は、ARB群(384例)で1(四分位範囲[IQR]:1~1)、プラセボ群(382例)で1(1~1)であった(補正後オッズ比[OR]:1.51、95%信用区間[CrI]:1.02~2.23、オッズ比>1の確率〔Pr[OR>1]〕:0.98)。 28日目のWHO-CPSは、両群間でほとんど差は認められなかった(補正後OR:1.02、95%CrI:0.55~1.87、Pr[OR>1]:0.53)。 本試験は、事前に設定された無益性の基準を満たし中止となった。

9380.

コロナワクチン追加接種後も重篤なCOVID-19となる患者の特徴(解説:寺田教彦氏)

 2022年11月末、新型コロナウイルス患者は増加傾向となり、「第8波」への対応が問題となっている。「第1波や第2波」の頃と比較すると、新型コロナワクチンの普及や、重症化リスクの高いCOVID-19患者への抗ウイルス薬処方が可能になるなど治療の選択肢が増えており、これらの適切な活用が求められている。 本論文の執筆者であるUtkarsh Agrawal氏は、過去に新型コロナワクチン初回接種完了後も重症化する患者(COVID-19関連入院またはCOVID-19関連死)についてスコットランドで検討しており、高齢(80歳以上)、5つ以上の併存疾患、過去4週間以内の入院歴、新型コロナウイルスに接触するリスクの高い職業、行動(10回以上の検査歴)、介護施設入居者、社会的弱者、男性、前喫煙者でリスクが高いことを報告していた(Agrawal U, et al. Lancet Respir Med. 2021;9:1439-1449.)。 当時と今回の論文で異なる点は、流行株がアルファ株からオミクロン株に変化した点と、新型コロナワクチンの接種回数が以前の研究では2回接種者を対象としていたが、本研究ではワクチン2回接種後に追加接種をした患者を対象としている点である。 「第8波」を迎える本邦の環境としても、流行株はオミクロン株と考えられ、ワクチンの接種も3回目以降の追加接種済みの患者が増えていることから、この論文を参考にしやすい状況と考えられる。 本論文の概要は「ブースター接種後もコロナ重症化リスクが高い人は?/Lancet」にまとめられており、ブースター接種後も高リスク患者の特徴は、高齢者(aRR:3.60[95%信頼区間[CI]:3.45~3.75])、5つ以上の併存疾患(aRR:9.51[95%CI:9.07~9.97])、免疫抑制状態(aRR:5.80[95%CI:5.53~6.09])、慢性腎臓病(aRR:3.71[95%CI:2.90~4.74])等である。※aRR:人口統計学的、臨床的因子と重症COVID-19との関連についてワクチン接種後の時間で調整した率比 本研究の結果を参考にできる臨床場面の1つは、執筆者の指摘どおり、抗コロナ薬の処方の判断がある。以前オミクロン株流行中のニルマトレルビルによるCOVID-19の重症化予防に関する報告がされていた(オミクロン株流行中のニルマトレルビルによるCOVID-19の重症化転帰(解説:寺田 教彦 氏)-1570)。本研究で特定された、ブースター接種後もCOVID-19重症化リスクの高い患者層に対して、ニルマトレルビル等の抗ウイルス薬の処方をすることでCOVID-19重症化リスクが低下するか否かのエビデンスは今後の報告を待つ必要はあるが、現時点でのエビデンスとしては、これらの患者に対して抗ウイルス薬の処方を検討することは妥当だろう。 また、筆者は、重症化リスクの高い人々には、2回目接種以降のブースター接種を優先的に行うことも提案している。新型コロナウイルスワクチンのブースター接種により重症化率等の低下は認められており、本邦においてもブースター接種が未実施の場合は適切なタイミングでの接種が望ましいだろう。 ただし、ワクチンのブースター接種の実施に関しては、メリット(感染予防効果、重症化予防効果、集団免疫効果など)とデメリット(費用、副反応など)は継続して考えていく必要がある。本論文のように、新型コロナウイルスワクチン接種後もCOVID-19が重症化するリスクの高い患者層を特定するとともに、健康成人や重症化リスクの高い患者層それぞれに対して、ワクチンを追加接種する適切なタイミングを考察するための研究も望まれる。

検索結果 合計:35160件 表示位置:9361 - 9380