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だれも教えてくれなかった ホルター心電図の読み方、使い方

はじめてでもデキる! 12誘導心電図にはない読み方が、ここにホルター心電図は24時間以上の日常における心臓の異常を記録することができ、リスクの高い不整脈や狭心症の診療上不可欠な検査となっている。しかし、膨大なデータから危険な心電図を鑑別することは容易ではない。本書では、発作の始まりから終わりまでの全貌を見渡すことができるホルター心電図の特性を活かした読み方、使い方を初心者にもわかりやすい内容で解説する。また、オーダー医にほめられること間違いなしのホルターレポートの「型」は、判読医必見である。「大量で長い心電図は苦手!」を、楽しいホルターライフへと変える道標となる本。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大するだれも教えてくれなかった ホルター心電図の読み方、使い方定価3,520円(税込)判型A5判頁数160頁(図数:24枚、カラー図数:70枚)発行2025年11月著者荻ノ沢 泰司ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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日本人小児におけるADHDサブタイプと肥満との関係

 福島県立医科大学の川崎 幸彦氏らは、日本人小児における注意欠如多動症(ADHD)サブタイプの特徴とBMI-SDスコアに基づく肥満との関連を明らかにするため、ADHDの小児患者を対象とした臨床調査を実施した。Brain & Development誌オンライン版2025年10月29日号の報告。 対象は、ADHDと診断された日本人小児115例。患者は、ADHDのサブタイプ別に次の3群に分類された。グループ1は不注意優勢型ADHD(ADHD-I)、グループ2は多動性・衝動性優勢型ADHD(ADHD-HI)、グループ3はこれらの複合サブタイプ(ADHD-C)。各群の臨床的特徴を分析した。 主な結果は以下のとおり。・最も多くみられたADHDサブタイプはADHD-C、次いでADHD-I、ADHD-HIであった。【ADHD-I】41例(35.7%)【ADHD-HI】6例(5.2%)【ADHD-C】68例(59.1%)・診断時および直近のフォローアップ調査では、ADHD-CのADHD評価尺度合計スコアは、ADHD-IおよびADHD-HIよりも高かった。・また、診断時のトラブルスコアおよびADHD治療薬を必要とした患者の割合はADHD-Cのほうがより高かった。・さらに、ADHD児のBMI-SDスコアは0.38±1.1と高かった。・BMI-SDスコアが2.0を超える患者の割合は、ADHD-Iで7.3%(3例)、ADHD-HIで16.7%(1例)、ADHD-Cで8.8%(6例)であり、全体で8.7%(10例)であった。 著者らは「ADHD-Cタイプの患者は、ADHD-IやADHD-HIよりも注意深いフォローアップが必要である。また、肥満を伴うADHD児の病状改善を目的として経過をモニタリングすることが重要であることが示唆された」と結論付けている。

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ほとんどのPPIが高血圧の発症と関連

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)と高血圧症の関連はまだ明確ではない。今回、名古屋大学のBasile Chretien氏らはこれらの関連やPPIのクラス効果、用量依存性があるかどうかを調査したところ、ランソプラゾール以外のPPIで高血圧症との関連が示唆され、用量反応傾向が認められた。BMJ Open誌2025年11月27日号に掲載。 著者らは、WHOの薬物監視データベースであるVigiBaseのリアルワールドデータを使用した。Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)V.26.1を用いて、1種類以上のPPI投与に関連する高血圧症の新規発症例を特定し、2024年10月28日まで系統的に収集した。多変量case/non-case研究デザインにおいて調整済み報告オッズ比(aROR)を算出し、PPI使用と高血圧症との医薬品安全性監視シグナル、およびPPI投与量と高血圧症の発症・悪化の用量依存性を分析した。 主な結果は以下のとおり。・データベースにはPPI関連高血圧症2万6,587件(2.3%)が報告され、女性(63.3%)に多く、45~64歳で最も頻度が高かった(41.4%)。薬剤別の件数はオメプラゾール9,935件、pantoprazole 8,276件、エソメプラゾール5,737件、ランソプラゾール3,430件、ラベプラゾール1,272件、dexlansoprazole 522件であった。・年齢、性別、併用降圧薬、高血圧誘発が知られている薬剤を調整後、ランソプラゾール(aROR:0.99、95%信頼区間:0.96~1.03)を除くPPIで有意なaRORが認められた。・用量反応関係を示唆する傾向が認められ、統計学的に有意ではないが、すべてのPPIにおいて中央値未満の用量では中央値超と比較して高血圧症のaRORが低い傾向があった。 本研究では、PPI使用と高血圧症との関連を示す顕著な医薬品安全性のシグナルを示した。潜在的な用量反応傾向が観察されたものの統計学的有意性が認められなかったことについて、「統計学的検出力の限界が要因と考えられる」と著者らは考察している。

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選択的アミリン受容体作動薬eloralintide、週1回投与で有意な減量効果/Lancet

 米国・Endeavor HealthのLiana K. Billings氏らは、同国46施設で実施した第II相無作為化二重盲検プラセボ対照用量漸増試験において、肥満または過体重かつ肥満関連併存疾患を有する非2型糖尿病の成人に対する新規選択的アミリン受容体作動薬eloralintideが、48週間にわたり臨床的に意義のある用量依存的な体重減少をもたらし、忍容性は良好であったことを報告した。アミリンをベースとした治療法は、有望な肥満治療薬として注目を集めている。著者は、「eloralintideが肥満治療薬として有用である可能性を支持する結果である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年11月6日号掲載の報告。eloralintide各種用量の週1回投与の有効性と安全性を、プラセボと比較 研究グループは、18~75歳の非2型糖尿病で、BMI値30以上または27以上30未満かつ少なくとも1つの肥満関連併存疾患(高血圧、脂質異常症、心血管疾患、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、高尿酸血症または痛風、多嚢胞性卵巣症候群、尿失禁、変形性関節症、慢性腰痛または膝痛、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患[MASLD]または代謝機能障害関連脂肪肝炎[MASH]、慢性腎臓病[CKD])を有する患者を、プラセボ群またはeloralintide 1mg、3mg、6mg、9mg、6→9mgまたは3→6→9mg群に2対1対1対1対2対1対2の割合で無作為に割り付け、週1回、48週間皮下投与した。 主要エンドポイントは48週後のベースラインからの体重変化率で、無作為化された全患者を有効性の解析対象集団とした。また、無作為化され少なくとも1回治験薬を投与された全患者を対象に安全性を評価した。48週後の体重平均変化率はプラセボ群-0.4%、eloralintide群-9~-20% 2024年2月5日~2025年8月14日に263例が登録され、eloralintide(1mg群28例、3mg群24例、6mg群28例、9mg群54例、6→9mg群24例、および3→6→9mg群52例)またはプラセボ群(53例)に無作為に割り付けられた。患者背景は、平均年齢49.0歳(SE 12.6)、平均体重109.1kg(22.8)、BMI値39.1(6.8)、女性204例(78%)、白人205例(78%)であった。 有効性解析対象集団(263例)において、48週後のベースラインからの体重の平均変化率(効果推定値)は、プラセボ群-0.4%(95%信頼区間:-2.2~1.4)に対し、eloralintide群では1mg群-9%(-12.6~-6.3)、3mg群-12%(-14.9~-9.8)、6mg群-18%(-20.7~-14.5)、9mg群-20%(-22.7~-17.5)、6→9mg群-20%(-22.7~-17.0)、および3→6→9mg群-16%(-18.6~-14.1)であった。 eloralintide群の主な有害事象は、悪心(1mg群11%、3mg群13%、6mg群64%、9mg群33%、6→9mg群54%、3→6→9mg群25%、プラセボ群14%)および疲労(0%、13%、29%、43%、46%、21%、12%)であった。

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冠動脈CT血管造影の追加で初回冠動脈イベント予測は改善するか/JAMA

 冠動脈CT血管造影(CCTA)から得られる冠動脈硬化症に関する情報は、従来のリスク因子や冠動脈石灰化スコア(CACS)に追加することで、冠動脈イベントのリスク予測を若干改善し、1次予防が必要な個人の特定に役立つ可能性があることを、スウェーデン・ヨーテボリ大学のGoran Bergstrom氏らが観察コホート研究「Swedish Cardiopulmonary Bioimage Study:SCAPIS研究」の結果で報告した。冠動脈イベントの1次予防におけるリスク層別化戦略は、精度が不足していた。JAMA誌オンライン版2025年11月9日号掲載の報告。CCTAデータを追加したモデルと従来モデルで初回冠動脈イベントの予測を比較 研究グループは、2013~18年にスウェーデンの6地域(ヨーテボリ、リンシェーピング、マルメ/ルンド、ストックホルム、ウメオ、ウプサラ)において、50~64歳の一般住民から無作為に抽出した個人を包括的検査に招待し、研究への寄与に同意した3万154例が心肺画像検査、身体検査、通常の臨床検査、質問票、機能検査を受けた。 本解析には、心血管疾患の既往がなく、高画質のCCTA画像が得られた2万4,791例が組み込まれた。CCTA画像から、冠動脈硬化症の程度(segment involvement score:SIS)、非石灰化アテローム性動脈硬化症の存在、および閉塞性冠動脈疾患の有無(狭窄≧50%)の情報を使用した。 参加者を、CTおよびCCTA検査受診時から、イベント発生、死亡または追跡期間終了日(2024年9月30日)のいずれか早い時点まで追跡した。 主要アウトカムは、非致死的心筋梗塞の初発または冠動脈疾患による死亡の複合とした。CCTAから得られる冠動脈硬化症に関する情報を、動脈硬化性疾患のリスク予測モデル(pooled cohort equation:PCE)のリスクスコアとCACSによるモデルに追加し、初回冠動脈イベントの予測が改善されるかどうかを評価した。CCTAデータの追加でリスク判別能とリスク再分類が若干改善 追跡期間中央値7.8年において、304件の冠動脈イベントが発生した。「SISが3~4」「SISが4超」、ならびに「非石灰化アテローム性動脈硬化症の存在」は、冠動脈イベントの発生と関連していた。ハザード比はそれぞれ、2.71(95%信頼区間[CI]:1.34~5.44)、5.27(95%CI:2.50~11.07)、1.66(95%CI:1.23~2.22)であった。 PCEとCACSに基づくモデルにCCTAから得られたデータを追加すると、リスク判別能(C統計量)が0.764から0.779に改善し(p=0.004)、8年リスクの再分類も改善した(純再分類改善度:0.133、95%CI:0.031~0.165)。イベント発生者の14.2%が正確に高リスクに再分類され、誤って高リスクに分類されたイベント非発生者は1.6%であった。 コホートにおけるイベント発生率が低かったため、再分類は主にPCEで低リスク(<5%)に分類された集団で発生した。

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糖尿病を予防するにはランニングよりも筋トレの方が効果的?

 糖尿病の発症予防のために運動をするなら、ランニングよりもウエートリフティングの方が適しているのかもしれない。その可能性を示唆する研究結果が、「Journal of Sport and Health Science」に10月30日掲載された。米バージニア工科大学運動医学研究センターのZhen Yan氏らが行った動物実験の結果であり、高脂肪食で飼育しながらランニングをさせたマウスよりもウエートリフティングをさせたマウスで、より好ましい影響が確認されたという。 論文の上席著者であるYan氏は、「私たちは誰でも長く健康な人生を送りたいと願っている。そして、運動を習慣的に続けることが、その願いの実現のためにメリットをもたらすことは誰もが知っている。ランニングなどの持久力をつける運動と、ウエートリフティングなどのレジスタンス運動(筋トレ)は、どちらもインスリン感受性を高めるというエビデンスが、ヒトを対象として行われた数多くの研究で示されてきている」と話す。 しかし、糖尿病の発症を防ぐという点で、それらの運動のどちらが優れているのかという疑問に対しては、まだ明確な答えが得られていない。そこでYan氏らは、これら二つのタイプの運動の効果を直接的に比較するため、マウスを用いた研究を行った。 ウエートリフティングをさせる1群は、餌の容器に蓋をして、その上に重りを載せたゲージ内で飼育した。この群のマウスが餌を食べるためには、肩の部分に取り付けられた小さな首輪を使って重りをどかす必要があり、その動作がヒトのウエートリフティングのトレーニングに相当するという仕組み。著者らによると、この方法はマウスにウエートリフティングをさせるために開発された初の手法だという。なお、研究期間中に蓋の重りを徐々に重くしていった。 別の1群は回転ホイールのあるゲージで飼育し、ランニングをさせる群とした。このほかに、特に運動をさせない1群も設けた。これら3群は、高脂肪食で飼育した。 8週間後、運動をさせた2群のマウスは、運動をさせなかった群に比較して、ともに脂肪量の増加が少なかった。ただし、ウエートリフティングをさせたマウスの方が、その抑制効果がより大きかった。また、ウエートリフティングをさせたマウスのインスリン抵抗性は、運動をさせなかったマウスよりも低く(インスリンの感受性が高く)、血糖値が高くなりにくい状態だった。これに対して、ランニングをさせたマウスのインスリン抵抗性は、運動をさせなかったマウスと同程度に高かった。 Yan氏は、「健康上のメリットを最大化するには、『できるだけ持久力を高める運動と筋トレの両方を行うべき』というのが、われわれの研究からの重要なメッセージだ」と述べている。また、「本研究の結果は、何らかの理由で持久力を高める運動ができない人にとって朗報と言える。筋トレは糖尿病予防という点で、持久力のための運動と同等、あるいはそれ以上の効果を期待できる」と付け加えている。

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雷雨の日には喘息関連の救急外来受診が増える

 雷雨の最中や直後に喘息症状が急増する現象は、雷雨喘息と呼ばれている。この現象について検討した新たな研究で、雷雨の日には、実際に喘息関連の救急外来(ED)受診が大幅に増加することが示された。米カンザス大学医療センターのDiala Merheb氏らによるこの研究結果は、米国アレルギー・喘息・免疫学会年次学術会議(ACAAI 2025、11月6〜10日、米オーランド)で発表された。Merheb氏は、「これらの結果は、米国においても、雷雨が喘息患者に深刻な健康リスクをもたらす可能性があることを裏付けている」と述べている。 Merheb氏らによると、雷雨喘息は世界的に広く報告されている現象であり、世界アレルギー機構も認めていると研究者らは背景説明の中で述べている。しかし、米国の花粉が多い地域における雷雨喘息に関する研究は限定的であり、米国人に対する脅威は十分に理解されていないという。 この研究では、2020年1月1日から2024年12月31日の間にカンザス州ウィチタの3カ所の病院で発生した4,439件の喘息関連のED症例を分析し、雷雨との関連を検討した。雷雨日は、米国立環境情報センターの気象データを用いて調べた。 研究対象期間中に発生した雷雨日は38日で、試験対象期間のわずか2%を占めるに過ぎなかったが、雷雨日には喘息関連ED受診の14.1%(627/4,439件)が発生していた。ED受診件数の平均は、雷雨の日で17.91件であり、雷雨ではない日(3.09件)と比較して有意に多かった。 Merheb氏は、「嵐は予測不可能なので、患者と医療提供者は、喘息の行動計画に雷雨に特化した予防措置を含める必要がある」とACAAIのニュースリリースで述べている。 米ハーバード大学医学大学院によると、気象現象の展開次第で雷雨によって喘息発作が起きやすくなる可能性があるという。そのメカニズムは次のように説明されている。まず、冷たい下降気流によって花粉やカビなどのアレルゲンが濃縮され、それが湿気を帯びた厚い雲の中に巻き上げられる。雷雨の際には、風、湿気、雷によりそれらの粒子が分解され、肺の奥深くまで簡単に吸い込まれるようになる。さらに、嵐の際に突風により小さな粒子が集められることで、大量吸入の可能性が高まる。 共同研究者であるカンザス大学医療システムのアレルギー専門医であるSelina Gierer氏は、「自分の子どもが喘息持ちである人は、花粉の飛散量が多い日や寒い天候に備えるのと同じように、雷雨にも注意を払うべきだろう。誘因を理解し、明確な行動計画を立てることで、ED受診を回避することができる」と話している。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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高齢化の進む米国社会、成人が考える老後の見通しとは?

 米国では高齢化が急速に進んでいる。米国国勢調査局によれば、65歳以上の成人が人口に占める割合は、2004年の12.4%から2024年には18%に急増した。こうした中、米ピュー研究所の研究者らが11月6日に発表した報告書によると、米国の65歳の高齢者は比較的前向きに年を重ねていると感じている一方、65歳未満の人では将来に不安を感じている人の方が多いことが明らかになった。 この調査は、2025年9月2日から8日にかけて米国の成人8,750人を対象に実施された。調査内容は、加齢に対する意識や65歳以上の成人の状況(健康、経済的状況、生活の質〔QOL〕など)についてであった。 その結果、65歳以上の成人では、ほぼ半数(49%)が、「非常にうまく年を重ねている」と回答したのに対し、65歳未満で「うまく年を重ねていけるだろう」と考えているのはわずか30%であることが明らかになった。 65歳未満の成人で、70代以降の生活について「時々でも考えることがある」と回答した人の中では、老後の生活が「楽しみだ」と答えた人より(51%)、「不安を感じている」と答えた人(67%)の方が多かった。不安の種として最も多かったのは「健康問題」で、次いで、「貯蓄が不十分なこと」「家族の負担になること」などであった。実際に、65歳未満の成人の45%が「退職後の生活に必要な収入・資産が足りるか不安」「退職できない可能性がある」と回答していた。 また、加齢に対する意識には所得が大きな影響を与えていることも示された。例えば、「非常にうまく年を重ねている」と回答した高齢者の割合は、高所得層では61%であったが、中所得層では51%、低所得層では39%であった。さらに、高所得層の高齢者は、身体的健康と精神的健康の自己評価が高く、趣味や友人との交流に多くの時間を費やし、地域団体の活動やクラブ活動に積極的に参加している傾向が認められた。 加齢に対するコントロール感に関しては、67%が身体の健康を、60%が移動能力を「大いに/それなりにコントロールできる」と回答した。しかし、認知能力や外見的な若々しさに対するコントロール感は、それぞれ47%、38%と低めだった。若く見せるために何か行った/検討すると答えた成人は半分以下であり、具体的な対策としては、「アンチエイジングに役立つサプリメントの摂取」(56%、実行済み21%、検討予定35%)、「白髪染め」(52%、実行済み27%、検討予定25%)が多かった。ボトックスや整形手術などの美容整形手術を行った/検討すると答える傾向は、男性よりも女性の方がはるかに高かった(ボトックス:33%対13%、美容整形:26%対10%)。 寿命に関する質問に対しては、76%が「少なくとも80歳まで」、29%は「100歳まで」生きたいと答えた。成人が希望する寿命の平均は91歳だった。

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鉱質コルチコイド受容体拮抗薬(MRA)とSGLT2阻害薬の併用が慢性腎臓病(CKD)治療の基本となるか(解説:浦信行氏)

 CKDに対する腎保護効果に関して、従来はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使用が基本であった。また、一層の腎保護効果を期待してこの両者の併用も分析されたことがあったが、作用機序が近いこともあって相加効果は期待し難かった。 最近はMRAやSGLT2阻害薬の腎保護効果が次々と報告されるようになり、それぞれ複数の薬剤で有意な効果が報告されている。この両者の併用効果に関しては、2型糖尿病に伴うCKDを対象としたフィネレノンとエンパグリフロジン併用のCONFIDENCE試験が先行して行われ、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)で相加効果が確認されている。フィネレノンは従来のMRAとはMRへの結合の際の立体構造の変化が異なると報告され、その結果、高K血症の発症が少ないとされたが11.4%に認めた。エンパグリフロジンとの併用で9.3%に減少すると報告されたが、期待されたほど少なくはなかった。 このたびは、MRAのbalcinrenoneとSGLT2阻害薬のダパグリフロジン併用の腎保護効果を、2型糖尿病の有無にかかわらずUACR陽性のCKDで検討した(MIRO-CKD試験)。その結果は2025年11月27日配信のジャーナル四天王に概説されているが、ダパグリフロジン単独群より22.8~32.8%のUACRの有意な減少効果を示した。また、サブ解析では2型糖尿病の有無にかかわらず同等の効果を示し、腎機能障害の程度にかかわらず同等の効果を示している。問題は高K血症であるが6~7%にとどまり、ダパグリフロジン単独群の5%と大差がなく、対象324例で重症例はなかった。その機序は不明だが、尿中Na/K比に有意な変化はなかったことからbalcinrenoneによるK排泄の変動が大きくなかったと考えられるが、MRに対する他MRAとの相違の有無などの可能性は考察されていない。今後は、より多数例でより長期の試験が望まれ、ハードエンドポイントでの評価が望まれる。

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ファーストクラスに乗ろう!【Dr. 中島の 新・徒然草】(609)

六百九の段 ファーストクラスに乗ろう!今年の新語・流行語大賞は高市首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決定したのだとか。確かに、2025年の日本を一言で表すに相応しい流行語のように思います。さて、今回は夢のファーストクラスについて。実は私の弟が『60歳からの世界一周旅行』という本を出版したので、その紹介も兼ねて述べたいと思います。サラリーマンの弟は趣味が旅行で、ポイ活やマイル修行はもちろんのこと、あらゆる航空会社の料金体系を研究してきました。その結果、驚くべき発見をしたのです。この本によると、2025年某月某日の某航空会社で羽田からニューヨークまでファーストクラスに乗ると、正規料金が片道219万円と超高額なのですが、羽田~ニューヨークを含む東回り世界一周航空券のファーストクラス正規料金は何と114万円ちょっと!この世界一周は全部で4便に乗ることになるのですが、これを別々に購入すると約630万円になるそうです。でもこの4便をまとめると114万円ですよ。しかも羽田~ニューヨークの片道料金より安い!「何かの間違いなんでねえの?」と思ってしまいます。もちろん114万円でも高額には違いありませんが、ケアネット読者なら手が届く料金ではないでしょうか。弟が実際にファーストクラスに乗ってみると、至れり尽くせりで、正規料金を支払っていても申し訳なく感じるほどのホスピタリティだったのだとか。とはいえ、「世界一周航空券なんか買ってしまったら、何日もかけて無理に地球を一周させられるんじゃないのか」という疑問が起こってきます。が、航空会社によっては1年間有効で3分割可能になっているそうです。これにはたくさんの細かいルールがあり、「日本国内での途中降機は2回まで」「出発空港に戻るとゲームオーバー」など、いろいろなことを頭に入れておかなくてはなりません。もう一つの疑問は、こういった格安航空券を入手するためには、マイルを貯める必要があるのでは、ということ。先に述べたように、今回紹介した世界一周航空券は正規料金なので、とくにマイル修行は必要ないのだとか。弟のポイ活やマイル修行は、ホテルチェーンや航空会社のステイタスを維持するためのものなので、今回のファーストクラス旅行とは別目的のようです。その他、いろいろなノウハウがこの本には書かれていますが、あまりにも多いので、読んでいて頭が痛くなりました。また、航空会社の料金体系は絶えず変化しているので、常に最新の情報を知っておく必要があるそうです。最後にサラリーマンならではの注意点に触れておきましょう。それは「決して空港で上司に出くわしてはならない」というもの。うっかりファーストクラスから降りてきたところを上司に目撃されたら、その後にどんな扱いが待っているか、わかったものではありません。「中島くんには海外勤務が向いていそうだね」とか言われて、離島営業所への異動もありえます。このことはくれぐれも気を付けるよう、著者自らが語っていました。まさしく「あるある」ですね。ということで、私なりに『60歳からの世界一周旅行』を語りました。ザッと目を通しただけなので、理解が間違っている部分があるかもしれません。興味を持った読者がおられたら、実際に本を手にとっていただくようお願いいたします。最後に1句 年末や ファーストクラス 夢にみる書籍情報60歳からの世界一周旅行ファーストクラスなのに、想像よりずっと安い! 買い方を工夫すれば誰でも世界の空へ定価1,760円(税込)頁数184頁著者中島 準発売日2025年11月27日出版セルバ出版ご購入はこちらご購入はこちら

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疱疹状皮膚炎〔dermatitis herpetiformis〕/ジューリング疱疹状皮膚炎〔dermatitis herpetiformis Duhring〕

1 疾患概念■ 定義自己免疫性水疱症は、皮膚の自己抗原に対する自己抗体により全身の皮膚や粘膜に水疱性の皮膚病変を生じる難病で、多数の疾患に分類される1)。疱疹状皮膚炎(dermatitis herpetiformis:DH)/ジューリング疱疹状皮膚炎(dermatitis herpetiformis [Duhring])は自己免疫性水疱症の一型で、皮膚難病の1つである。公的な研究班としては、以前、厚生労働省難病研究班「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班(橋本班)」で研究されていたが、現在は中止している。また、厚労省難病研究班「稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究(秋山班)」では各種の自己免疫性水疱症の研究を行っているが、疱疹状皮膚炎は含まれていない。臨床的に主に水疱・紅斑・湿疹様病変を示し、病変生検皮膚の組織学的検査で真皮乳頭部の好中球性微小膿瘍と表皮下水疱を示し、蛍光抗体直接法検査で表皮基底膜部の下部にIgAの顆粒状沈着を認める。治療としてはジアフェニルスルホン(DDS)/ダプソン(商品名:レクチゾール)の内服が著効する。■ 疫学あらゆる年齢に発症するが、30~40歳に多い。欧米の白人、とくに北欧諸国、フィンランドで多くみられるが、アジア人や黒人ではまれである。わが国では非常に少なく、今までに100例程度しか報告がない2,3)。これは遺伝的背景があり、疱疹状皮膚炎に関連するHLA(HLA-B8、HLA-DR4、HLA-DQ2、HLA-DQ8など)がわが国には非常に少ないことが原因と考えられる。欧米では、疱疹状皮膚炎はグルテン過敏性腸炎を示すセリアック病の皮膚症状と考えられているが、わが国ではセリアック病の合併がほとんどない2,3)。わが国では蛍光抗体直接法で顆粒状のIgA沈着に加えて、細線維状のIgA沈着を示す症例が多いことも特徴である。■ 病因欧米ではセリアック病との関連が考えられているが、わが国では疱疹状皮膚炎とセリアック病の合併はほとんどないので、セリアック病やグルテン過敏性腸炎との関連は否定的である。表皮トランスグルタミナーゼ/トランスグルタミナーゼ3(TG3)に対するIgA自己抗体が、何らかの機序で表皮基底膜部に顆粒状に沈着することが原因である可能性がある。表皮細胞が産生するTG3が何らかの機序で、表皮下に移動し、そこで抗原抗体反応が生じる可能性が示唆されている。■ 症状全身、とくに肘、膝、臀部に、周辺に小水疱を環状に配列する浮腫性紅斑を認める(図1)。掻痒感が非常に強いため、掻破により湿疹様病変を生じる。粘膜疹は認めない。全身症状はない。欧米では、グルテン過敏性腸炎を示すが、わが国では認めない。図1 疱疹状皮膚炎の皮膚病変の臨床所見全身に、周辺に小水疱を環状に配列する浮腫性紅斑を認める。画像を拡大する■ 分類とくに細分類はない。しかし、蛍光抗体直接法で、顆粒状と細線維状のIgAの沈着を示す二型がある。臨床的にはその二型に差異はない。■ 予後非常に難治性で、長期にわたり、時には生涯にわたって、皮疹の出没を繰り返す。生命的予後は良い。2 診断 (検査、鑑別診断を含む)特徴的な皮疹の臨床症状に加えて、病変生検皮膚の組織学的検査で、表皮直下の真皮乳頭部に好中球性の微小膿瘍を示し、時に好酸球の浸潤も認める(図2)。それが進行したときは表皮下水疱を形成する。図2 疱疹状皮膚炎の病理組織所見表皮直下の真皮乳頭部に好中球性の微小膿瘍を認める。画像を拡大する蛍光抗体直接法で、表皮基底膜部の直下に顆粒状あるいは細線維状のIgAの沈着を示す(図3)。C3の沈着を認めることもあるが、他の免疫グロブリンや他の補体成分の沈着はない。皮膚切片を基質とした蛍光抗体間接法では、血中の自己抗体は検出されない。図3 疱疹状皮膚炎のIgAの蛍光抗体直接法所見表皮基底膜部直下に顆粒状のIgAの沈着を示す。画像を拡大する蛍光抗体間接法以外の各種血清検査で、さまざまな疱疹状皮膚炎特異的IgA抗体を検出する。欧米では、セリアック病に関連するIgA抗組織トランスグルタミナーゼ/トランスグルタミナーゼ2(TG2)自己抗体と、疱疹状皮膚炎に特異的なIgA抗表皮トランスグルタミナーゼ/TG3自己抗体が高率に検出される。しかし、わが国では、これらのIgA自己抗体が検出されないことが多い。欧米では、ほかにグリアジン、レチクリン、エンドミシウムに対するIgA自己抗体が検出され、診断に有用である。3 治療ジアフェニルスルホン(DDS)/ダプソン(商品名:レクチゾール)25~75mg/日内服が著効する。DDS使用時は、肝障害、薬剤性過敏症症候群、溶血性貧血などの副作用に注意が必要である。副作用などでDDSが使用できないときは、サラゾスルファピリジンやテトラサイクリン系抗菌薬の使用も考慮される。欧米ではグルテン除去食による治療が行われるが、わが国では、セリアック病の合併がないので、グルテン除去は行わない。4 今後の展望(治験中・研究中の診断法や治療薬剤など)欧米とわが国の疱疹状皮膚炎には、臨床的・免疫学的に大きな差異があるため、この違いの原因に関する研究が模索されている。現在、新しい治療薬の臨床試験・治験などは行われていない。5 主たる診療科皮膚科。グルテン過敏性腸炎を示すセリアック病を合併したときは消化器内科も併診する。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考となるサイト(公的助成情報、患者会情報、主要な研究グループ、その他の参考となるサイト)疱疹状皮膚炎に関連する公的な研究班は、以下に示す橋本班と秋山班がある。しかし、橋本班は、以前、疱疹状皮膚炎の研究を行っていたが、現在は中止している。また、秋山班では、いろいろな自己免疫性水疱症の研究を行っているが、疱疹状皮膚炎は含まれていない。診療、研究に関する情報厚生労働省の難治性疾患克服事業(難治性疾患政策研究事業)皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班(研究代表者:橋本 隆[大阪公立大学大学院医学系研究科皮膚病態学 特任教授])厚生労働省の難治性疾患克服事業(難治性疾患政策研究事業)稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究(研究代表者:秋山真志[国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 教授])(医療従事者向けのまとまった情報)疱疹状皮膚炎を含めた各種の自己免疫性水疱症の診断検査は、現在、久留米大学医学部皮膚科と大阪公立大学大学院医学系研究科皮膚病態学(AIBDラボ)に依頼できる。また、現在、わが国には疱疹状皮膚炎の患者会はない。1)Hashimoto T, et al. Br J Dermatol. 2016;175:953-965.2)Ohata C, et al. Br J Dermatol. 2016;174:180-183.3)Ohata C, et al. Clin Dev Immunol. 2012;2012:562168.公開履歴初回2025年12月4日

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コミュニケーションを通じて希望を支える【非専門医のための緩和ケアTips】第113回

コミュニケーションを通じて希望を支える「希望」は誰にとっても大切なものですよね。希望があるからこそ、大変なことも頑張ることができます。ただ、われわれが医療現場でケアを提供する患者さんは難しい状況にある方も多く、希望を持つことを支える難しさがあるのも事実です。今回の質問がん拠点病院と当院に通っている患者さんと話をしていた時のことです。がん拠点病院の主治医より「がんが進行して、もうできることはありません」と説明されたことが、非常につらかったと話していました。がんに対する治療効果がもう期待できないのは事実であっても、もう少し希望を支えるような伝え方が望ましいのではないでしょうか?緩和ケアの臨床では、患者さんに治療継続が難しいことや、思ったような治療効果が得られなかったことを伝えなければならない場面が多くあります。患者さんにとって非常につらい場面ですが、伝える医療者側もつらいものです。とくに時間をかけて共に治療に取り組んできた患者さんになると、医療者側も簡単に割り切ることが難しいでしょう。そういった場面で希望を支えるためのコミュニケーションとは、どのようなものでしょうか?こうした場面で意識したいのは、「できないこと」に目を向けるのではなく、「これまでと変わらず提供することや保証できること」を合わせて伝えることです。「できないこと」だけを伝えるのが、今回の質問にある「もうできることはありません」という説明でしょう。多くの場合、この強烈な言葉の後に「なので、緩和ケア病棟に紹介します」という言葉が続きます。患者は非常に強い衝撃を受け、「見捨てられた」という感覚に陥ります。主治医とのそれまでの関係が深ければ、なおさらでしょう。そして、その文脈で提案される緩和ケア病棟は、「治療ができないから仕方なく行く場所」というイメージを抱かせます。これが緩和ケア病棟や在宅で支えるスタッフとの関係構築を難しくさせる一因です。では、どのようにコミュニケーションをとればよいのでしょうか?たとえば、先ほどの説明を以下のように変えてみたらどうでしょうか。「病状を考えると、今やっている治療は中止したほうがよいと思います。ただ、これからも引き続き症状を和らげる治療や、過ごしたい場所で過ごせるようにサポートは取り組んでいきますから。ただ、外来への通院が負担になってきていると思うので、必要なときは訪問診療や症状を和らげる専門の病棟である緩和ケア病棟に、より手厚くサポートしてもらうようにも相談できます。引き続き、ベストを尽くしていきますからね」少し在宅医療や緩和ケア病棟への期待を盛り過ぎかもしれませんが、この領域で臨床をしてきた私としては、冒頭の「残念ですが、緩和ケア病棟に行ってください」という説明よりは、ずっとその後の対応がしやすくなると考えます。患者さんに近い看護師や薬剤師などを交え、こうした説明方法を多職種で議論する機会を持つことも有効かもしれません。今回のTips今回のTips状況が厳しい患者さんへの説明、できないことだけでなく、できることや続けることを一緒に伝えましょう。

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第39回 「不整脈ならカフェインは禁止」の常識が覆る?コーヒー愛好家に朗報

心臓に持病があるから、あるいは動悸が気になるからコーヒーを控えているという方も多いかもしれません。しかし、2025年11月にJAMA誌に掲載された最新の臨床試験「DECAF試験」1)が、その「常識」に大きな疑問を投げかけました。コーヒーを飲むことが、むしろ心房細動の再発予防につながるかもしれないというデータが報告されたのです。今回は、長年の医学的通説を覆す可能性のあるこの研究について、具体的なデータを交えながら解説していきます。「コーヒーは心臓に悪い」は迷信?「コーヒー(カフェイン)は不整脈の引き金になる」。これは長い間、医療現場でも患者さんの間でも広く信じられてきた通説でした。医師から「不整脈を抑えるために、コーヒーやお茶は控えましょう」と指導された経験がある方もいるかもしれません。実際に、この研究の参加者スクリーニングの段階でも、多くの患者さんが「コーヒーは発作の原因になる」と信じて参加を辞退したり、医師からのアドバイスで既にコーヒーを断っていたりしました。しかし、近年の観察研究(人々の生活習慣と病気の関連を観察する研究)では、コーヒーを飲む習慣がある人の方が、むしろ心房細動のリスクが低い、あるいは変わらないという結果が相次いで報告されていました。はたして、コーヒーは心臓にとって「毒なのか、薬なのか」。この矛盾に決着をつけるべく行われたのが、今回のランダム化比較試験「DECAF試験」です。これは、実際に患者さんをくじ引きで「コーヒーを飲むグループ」と「断つグループ」に分け、その後の経過を比較するという、コーヒーの影響を検証するのに信頼性のより高い研究手法です。200例の患者で検証、「飲む」vs.「断つ」の直接対決研究チームは、持続性の心房細動(または心房細動の既往がある心房粗動)を持ち、電気的除細動(電気ショックで心臓のリズムを正常に戻す治療)を受ける予定の患者200例を対象に調査を行いました。参加者はランダムに以下の2つのグループに分けられました。カフェイン摂取グループ(100例)1日1杯以上のカフェイン入りコーヒーを飲むことを推奨。カフェイン断ちグループ(100例)コーヒー(カフェインレス含む)やその他のカフェイン製品を完全に断つことを推奨。試験開始前の時点では、両グループとも平均して週に7杯(1日1杯程度)のコーヒーを飲んでいました。試験期間中、摂取グループはそのままの習慣を続け、カフェイン断ちグループは摂取量をゼロに近づけました。そして、電気ショックの治療によって正常なリズムを取り戻した後、6ヵ月間でどれだけの人が再び心房細動(または心房粗動)を起こすかを追跡しました。なんと、コーヒーを飲んだ方が再発しなかったその結果は、従来の「常識」とは正反対のものでした。6ヵ月の追跡期間中に不整脈が再発した人の割合は、以下のとおりでした。カフェイン断ちグループ:64%カフェイン摂取グループ:47%なんと、コーヒーを飲んでいたグループのほうが、再発率が明らかに低かったのです。統計的に分析すると、コーヒー摂取グループは断ちグループに比べて、再発のリスクが39%も低いという結果になりました。さらに、心房細動の再発だけでなく、入院や救急外来の受診といった有害事象についても比較が行われましたが、コーヒー摂取グループで悪影響が増えることはありませんでした。むしろ、不整脈に関連した入院の数は、コーヒー摂取グループのほうが少ない傾向さえ見られました。この結果は、「心房細動の再発防止のためにコーヒーはやめたほうがいい」という従来の指導が、必ずしも正しくない可能性を強く示唆しています。なぜカフェインが「心臓の保護」につながるのか?なぜ、刺激物であるはずのカフェインが、逆に不整脈を抑える結果となったのでしょうか。研究者たちはいくつかのメカニズムを推測しています。一つは、カフェインが「アデノシン受容体」をブロックするためです。アデノシンという物質は、心房細動を引き起こしやすくする作用があることが知られています。カフェインはこのアデノシンの働きを邪魔することで、結果的に不整脈の発生を抑えている可能性があります。また、コーヒーには抗炎症作用や抗酸化作用を持つ成分も含まれています。全身の炎症は心房細動のリスク因子の一つであるため、コーヒーが炎症を抑えることで心臓を守っている可能性も考えられます。さらに、興味深い視点として「運動量」の影響も挙げられています。過去の研究では、コーヒーを飲む人は1日の歩数が多い傾向にあることが示されています。適度な運動は心房細動の予防に有効であるため、コーヒーを飲むことで活動的になり、それが間接的に再発予防につながったのかもしれません。コーヒー好きは無理に我慢しなくてもいい?今回の研究は、心房細動の患者さん、とくにコーヒー好きの方にとっては朗報と言えるでしょう。これまでは再発を恐れて好きなコーヒーを我慢していたかもしれませんが、少なくとも1日1杯程度の適度な摂取であれば、我慢する必要がないばかりか、むしろ有益である可能性が出てきたからです。ただし、この結果を生活に取り入れる際にはいくつか注意点もあります。まず、この研究で推奨されたのは「1日1杯程度のコーヒー」であり、カフェインの過剰摂取や、エナジードリンクのような高濃度のカフェイン製品を推奨するものではありません。エナジードリンクには他の成分も含まれており、同様の効果があるかは不明です。また、この研究は電気的除細動を受けた後の患者さんを対象としています。すべてのタイプの不整脈患者さんに当てはまるかどうかは、まださらなる検証が必要です。しかし、少なくとも「不整脈と診断されたら一律にコーヒー禁止」という画一的な指導は見直されるべき時期に来ているようです。香り高いコーヒーを楽しむリラックスタイムが、実は心臓のリズムを整える助けになるかもしれない。私のようなコーヒー好きには、そんなうれしいニュースの大きな第一歩となる研究だったかもしれません。参考文献 参考文献・参考サイト 1) Wong CX, et al. Caffeinated Coffee Consumption or Abstinence to Reduce Atrial Fibrillation: The DECAF Randomized Clinical Trial. JAMA. 2025 Nov 9. [Epub ahead of print]

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中年期の高感度トロポニンI高値が認知症と関連/Eur Heart J

 中年期の高感度心筋トロポニンI(hs-cTnI)高値は、その後の認知症発症リスクの上昇、認知機能低下の加速、脳容積の減少と関連していたことが示された。本結果は、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのYuntao Chen氏らが実施した前向きコホート研究「Whitehall II研究」で示され、European Heart Journal誌オンライン版2025年11月6日号で報告された。 研究グループは、Whitehall II研究の参加者のうち、ベースライン時(1997~99年)に45~69歳で、認知症および心血管疾患の既往がなく、hs-cTnI値が得られた5,985例を対象として解析を行った。hs-cTnI値に基づき、参加者を4群(2.5ng/L未満[定量下限未満:参照群]、2.5~3.4ng/L、3.5~5.2ng/L、5.2ng/L超)に分類した。主要評価項目は認知症の発症とした。認知機能の推移および脳MRI画像指標(2012~16年のサブ解析:641例)についても評価した。また、認知症発症例と非発症例(年齢、性別、教育歴でマッチング)を1:4の割合でマッチングさせたコホート内症例対照研究により、認知症診断前のhs-cTnI値の長期的推移を検討した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の参加者の平均年齢は56歳であった。・追跡期間中央値24.8年時点において、606例(10.1%)が認知症を発症した。・年齢、性別、心血管リスク因子などを調整したCox比例ハザードモデルを用いた解析において、ベースライン時のhs-cTnI値(log2変換値)が2倍になるごとに、認知症発症リスクが10%上昇した(ハザード比[HR]:1.10、95%信頼区間[CI]:1.03~1.17)。・hs-cTnI値別に解析した結果、高値(5.2ng/L超)群は、低値(2.5ng/L未満)群と比較して、認知症発症リスクが有意に高かった(HR:1.38、95%CI:1.09~1.74)。・ベースライン時のhs-cTnI値が高いほど、加齢に伴う認知機能低下が速い傾向にあった。・90歳時点において、hs-cTnI高値(5.2ng/L超)群は、低値(2.5ng/L未満)群と比較して、標準化された全体的認知機能スコアが低く(群間差:-0.19、95%CI:-0.35~-0.03)、これは約2年の加齢に相当する低下であった。・コホート内症例対照研究では、認知症診断の25年前から7年前にかけて、認知症発症群は非発症群よりhs-cTnI値が一貫して高い値で推移していた。・MRIサブ解析(ベースラインから平均15年後に測定)において、hs-cTnI高値(5.2ng/L超)群は低値(2.5ng/L未満)群と比較して、灰白質容積が小さく(群間差:-0.64%、95%CI:-1.05~-0.24)、海馬萎縮スコアが高かった(スコア比:1.18、95%CI:1.00~1.40)。これらはそれぞれ2.7年および3.0年の加齢の影響に相当した。なお、白質高信号域(white matter hyperintensities)との有意な関連は認められなかった。 本研究結果について、著者らは「中年期における無症候性心筋障害(hs-cTnI高値)は、晩年の認知症リスク上昇と関連していた。中年期にhs-cTnIを測定することは、認知機能低下や認知症のリスクがある集団を早期に特定するために有用である可能性がある」とまとめている。

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夕食時間が蛋白尿に影響、時間帯や患者特性は?

 蛋白尿や微量アルブミン尿は、心血管疾患および全死亡リスク上昇との関連が報告されている。また、いくつかの研究で、夕食時間の遅さと蛋白尿との関連が報告されているが、患者特性などは明らかにされていない。そこで今回、りんくう総合医療センター腎臓内科の村津 淳氏らは、夕食時間の遅さが蛋白尿を来すことを明らかにし、とくに低BMIの男性で強く関連することを示唆した。本研究結果はFront Endocrinol誌2025年11月10日号に掲載された。 研究者らは、夕食時間の遅さと蛋白尿の出現との関連を評価するため、りんくう総合医療センターの健康診断データを用い、推定糸球体濾過量(eGFR)60mL/分/1.73m2以上で腎疾患の既往のない2,127人(男性1,028人、女性1,099人)を対象に横断研究を実施。週3日以上、就寝前2時間以内に夕食を取った参加者を夕食時間が遅い群と定義した。夕食時間による蛋白尿の影響は、臨床的関連因子(年齢、性別、喫煙歴、飲酒歴、既往歴など)を調整したロジスティック回帰モデルを用いて評価した。また、これまでに報告された横断研究では、蛋白尿の有病率はBMI(kg/m2)とJ字型関係を示していることから、今回、男女別でBMIと腹囲を各3群に区分。BMIは、男性では22.3未満、22.3~24.9、24.9以上に分け、女性では20.3未満、20.3~23.0、23.0以上と分けた。腹囲(cm)は、男性は83.0未満、83.0~90.1、90.1以上、女性は75.0未満、75.0~83.5、83.5以上として評価した。 なお、「蛋白尿陽性」は尿試験紙法で蛋白尿±以上と定義した。その理由として、尿蛋白±が微量アルブミン尿に相当し、糸球体障害の早期段階や心血管リスクの上昇を反映することから、早期腎障害も評価に含めるためとしている。 主な結果は以下のとおり。・夕食時間が遅かったのは、男性297人(28.9%)、女性176人(16.0%)であった。・多変量調整後のロジスティック回帰分析の結果、夕食時間の遅さは男性の蛋白尿の出現率に有意に関連し、臨床的関連因子調整後も低BMI(BMI24.9kg/m2未満)の男性で有意であった(調整オッズ比は、それぞれ3.57[1.34~9.48]、3.15[1.22~8.13])。・BMI、腹囲が共に低いほど蛋白尿と有意な関係を認めた。・BMIが24.9kg/m2以上の高BMIではこの関連は認められなかった。

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ガイドライン順守率が精神疾患の長期アウトカムに及ぼす影響〜統合失調症とうつ病におけるEGUIDEプロジェクト

 精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)は、精神科医に対してガイドラインの教育の講習を行い、統合失調症およびうつ病のガイドライン順守治療を促進することを目的として、日本で開始されたプロジェクトである。参加医師への短期的な効果は、すでに報告されていたが、長期的および施設全体への効果は依然として不明であった。国立精神・神経医療研究センターの長谷川 尚美氏らは、ガイドライン順守による治療が、施設間で時間の経過とともに改善するかどうかを評価した。その結果、潜在的な拡散効果またはスピルオーバー効果が示唆された。Neuropsychopharmacology Reports誌2025年12月号の報告。 2016〜23年に、精神科施設298件を対象としたプロスペクティブ観察研究を実施した。統合失調症患者1万9,623例とうつ病患者9,805例の退院時処方箋および治療データを収集した。ガイドライン順守は、11の統合失調症品質指標(QI-S)と7つのうつ病品質指標(QI-D)を用いて評価した。年齢、性別、施設で調整した後、多重比較ではBonferroni補正を用いたロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症については、11のQI-Sのうち7つにおいて、前年比で有意な改善が認められた。改善された項目には、治療抵抗性統合失調症の診断評価(42.2%→62.5%)、修正型電気けいれん療法(mECT)の使用(6.1%→11.8%)、抗コリン薬を使用しない(70.7%→81.7%)などが挙げられた。・うつ病については、7つのQI-Dのうち3つにおいて、前年比で有意な改善が認められた。改善された項目には、重症度診断の評価(51.2%→77.0%)、mECTの使用(12.8%→26.6%)などが挙げられた。・とくに、認知行動療法(CBT)の実施が減少した。・これらの知見は、すべての施設において、参加していない臨床医に対しても長期的な行動変化が及んでいることを示唆している。 著者らは「EGUIDE講習を受けた精神科医が施設内にいることで、施設レベルのガイドラインを順守した治療の持続的な改善が認められた。これらの結果は、個々の教育的利益だけでなく、実践文化の浸透、すなわちスピルオーバー効果によって精神科医療の質が向上することを示唆している。このことから、治療実践を大規模に改善するには、継続的な教育努力が不可欠である」と結論付けている。

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