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英語で「難しい天秤です」は?【1分★医療英語】第93回

第93回 英語で「難しい天秤です」は?I wonder if we should stop anticoagulation given recent GI bleeding.(最近あった消化管出血を考えると、抗凝固薬をやめるべきなのか悩んでいます) It is a difficult balancing act between risks and benefits.(それはリスクとベネフィットの難しい天秤ですよね)《例文1》The decision to proceed with the surgery requires a careful balancing act.(手術に進むかの決断には注意深いバランスが必要です)《例文2》We need to think about a delicate balancing act between pain control and sedation.(疼痛コントロールと鎮静の間で繊細な天秤を考える必要があります)《解説》医療現場では、相反する2つの事実を天秤に掛け、バランスを取らなければならないことはしばしばです。治療の益と害、手術をすべきかどうか。そんなときに、「対立する2つの間でバランスを取らなければならない=難しい天秤に掛けなければならない」という状況に置かれます。そういった際、患者さんへの説明、あるいは医療者同士の議論の場で有用な表現が、この“balancing act”です。“balancing act”は、本来は「曲芸における綱渡り」を意味する言葉だそうです。綱渡りは、絶妙なバランスを取りながら綱の上を渡る曲芸。医療者にも医療上の絶妙なバランスを求められることがありますが、そのようなバランスを取って決断していくことを“balancing act”という言葉で表現し、「両立させること」「バランスを取ること」という意味を持ちます。たとえば、冒頭の会話のシチュエーションはこのような感じです。心房細動の既往があり、血栓症のリスクが高い患者に消化管出血が起こった。血栓のリスクも、出血のリスクも高く、今後の抗凝固薬をどうすべきか…。この血栓リスク、出血リスクの両者は難しい天秤だと思いますが、それらを慎重に測りながら、どこかに線引きをして決断をしなければなりません。そんなシチュエーションを表現するのに、この“It is a balancing act”は最適な表現です。一般英会話の教科書で見ることは少ないかもしれませんが、医療現場ではよく登場する表現ですので、そのまま覚えてしまうとよいでしょう。講師紹介

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12歳から使用可能な経口の円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル50mg」【下平博士のDIノート】第127回

12歳から使用可能な経口の円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル50mg」今回は、JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬「リトレシチニブ(商品名:リットフーロカプセル50mg、製造販売元:ファイザー)」を紹介します。本剤は、12歳以上の小児から使用できる円形脱毛症治療の経口薬であり、広い患者におけるQOL向上が期待されます。<効能・効果>円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)の適応で、2023年6月26日に製造販売承認を取得しました。本剤投与開始時に、頭部全体のおおむね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与します。<用法・用量>通常、成人および12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与しますなお、本剤による治療反応は、通常投与開始から48週までには得られるため、48週までに治療反応が得られない場合は投与中止を考慮します。<安全性>1%以上に認められた臨床検査値異常を含む副作用として、悪心、下痢、腹痛、疲労、気道感染、咽頭炎、毛包炎、尿路感染、頭痛、ざ瘡、蕁麻疹が報告されています。なお、重大な副作用として、感染症(帯状疱疹[0.9%]、口腔ヘルペス[0.8%]、単純ヘルペス[0.5%]、COVID-19[0.2%]、敗血症[0.1%]など)、リンパ球減少(1.6%)、血小板減少(0.3%)、ヘモグロビン減少(0.2%)、好中球減少(0.2%)、静脈血栓塞栓症(頻度不明)、肝機能障害(ALT上昇[0.9%]、AST上昇[0.5%])、出血(鼻出血[0.5%]、尿中血陽性[0.1%]、挫傷[0.1%]など)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脱毛の原因となる免疫関連の酵素の働きを抑えることで、円形脱毛症の症状を改善します。2.免疫を抑える作用があるため、発熱、寒気、体のだるさ、咳の継続などの一般的な感染症症状のほか、帯状疱疹や単純ヘルペスなどの症状に注意し、気になる症状が現れた場合は速やかにご相談ください。3.本剤を使用している間は、生ワクチン(BCG、麻疹・風疹混合/単独、水痘、おたふく風邪など)の接種ができないので、接種の必要がある場合は医師にご相談ください。4.妊婦または妊娠している可能性がある人はこの薬を使用することはできません。妊娠する可能性のある人は、この薬を使用している間および使用終了後1ヵ月間は、適切な避妊を行ってください。5.ふくらはぎの色の変化、痛み、腫れ、息苦しさなどの症状が現れた場合は、すぐに医師にご連絡ください。<Shimo's eyes>円形脱毛症は、ストレスや疲労、感染症などをきっかけとして、自己の免疫細胞が毛包を攻撃することで脱毛症状が起こる疾患です。急性期と症状固定期(脱毛症状が約半年超)に分けられ、急性期で脱毛斑が単発または少数の場合には発症後1年以内の回復が期待できます。一方、急性期後に自然再生が認められず、脱毛症状が継続する重症の円形脱毛症では回復率は低いとされ、診療ガイドラインには局所免疫療法や紫外線療法などの治療が記載されていますが、より簡便で効果的な治療法が求められていました。本剤は、JAK3および5種類のTECファミリーキナーゼを不可逆的に阻害する共有結合形成型の経口投与可能な低分子製剤です。円形脱毛症の病態に関与するIL-15、IL-21などの共通γ鎖受容体のシグナル伝達をJAK3阻害により強力に抑制し、CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞溶解能をTECファミリーキナーゼ阻害により抑制することで治療効果を発揮します。全頭型および汎発型を含む円形脱毛症を有する患者を対象とした国際共同治験(ALLEGRO-2b/3、ALLEGRO-LT)で、本剤投与群は、24週時のSALT≦20(頭部脱毛が20%以下)達成割合はプラセボと比較して統計的に有意な改善を示しました。なお、円形脱毛症に使用する経口JAK阻害薬として、すでにバリシチニブ(商品名:オルミエント)が2022年6月に適応追加になっています。バリシチニブは15歳以上が対象ですが、本剤は12歳以上の小児でも使用可能です。本剤はほかのJAK阻害薬と同様に、活動性結核、妊娠中、血球減少は禁忌となっています。また、感染症の発症、帯状疱疹やB型肝炎ウイルスの再活性化の懸念もあるため、症状の発現が認められた場合にはすぐに受診するよう患者さんに説明しましょう。円形脱毛症は、多くの場合は頭皮で脱毛しますが、ときには眉毛、まつ毛を含む頭部全体や全身に症状が出ることでQOLが著しく低下する疾患です。ストレスが多い現代社会で、ニーズの高い医薬品と言えます。

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薬の中止・開始理由、紹介先が安心する書き方【紹介状の傾向と対策】第7回

<あるある傾向>この薬の服用している理由がわからない。この薬を中止して良いかわからない。<対策>紹介するときは、できるだけ薬の開始理由、減量・中止の可否を明記する多忙な臨床業務の中で紹介状(診療情報提供書)の作成は負担の大きな業務の1つです。しかし、紹介状の不備は、依頼先(紹介先)の医師やスタッフに迷惑をかけるだけではなく、患者さんの不利益やトラブルにつながりかねません。このため、できる限り依頼先が困らない紹介状の作成を心がけたいものです。今回は「処方薬の継続要否、中止の可否は明記」についてお話したいと思います。【紹介状全般に共通する留意点】(1)相手の読みやすさが基本(2)冒頭に紹介する目的を明示する(3)プロブレムと既往歴は漏れなく記載(4)入院経過は過不足なく、かつ簡潔に記載(5)診断根拠・診断経緯は適宜詳述(6)処方薬は継続の要否、中止の可否を明記(7)検査データ、画像データもきちんと引き継ぐ筆者は患者さんが使用するすべての薬剤には、処方開始に至った症状や病名があると考えています。言い換えれば、紹介されてきた患者さんの処方内容は、紹介状の病名やプロブレム、既往歴から説明可能であるべきです。しかし、現実はそうではありません。しかし、患者さんが紹介されてきたとき、内服理由がわからないということは日常茶飯事です。しかも比較的に重要度の高い薬剤の服用理由がわからないこともあります。処方意図が不明なアスピリン先日、筆者に紹介されてきた70代後半の患者さんは、アスピリンを服用していました。しかし、冠動脈疾患の既往はなく、脳梗塞イベントや血管狭窄の既往も確認されませんでした。患者や家族に聴取しても服用理由はわかりませんでした。紹介元の病院にも問い合わせましたが、紹介元も処方理由は把握しておらず、アスピリンの服用が必要な既往歴は、確認できないとのことでした。血圧コントロールが良くない患者さんでしたので、そのままアスピリンを継続する際には、きちんとした血圧管理下で服用しなければ脳出血を助長する可能性も想定され、中止しても良いかどうかの判断に非常に困りました。このように処方理由がわからないことで、中止判断ができない薬剤もあります。紹介元やさらにその紹介元まで遡って問い合わせることは、多忙な医療現場では限界があるため、結局は、紹介されてきた患者さんの「薬をそのまま継続するのが無難」という判断になってしまうことが少なからずあります。その上、自身の病院で新たな処方をすることもあり、患者さんの使用薬剤が増えてしまう問題が生まれてしまいます。血圧に影響する薬、どれから減量するか…また、別の紹介患者さんのケースですが、心筋梗塞後の低心機能状態でした。紹介されてきたときから収縮期血圧は80台です。そして、ときどき70台にまで低下するようになりました。前医の処方には血圧降下に影響を与える薬剤5種類が処方されていたので、前医に問い合わせて、血圧を改善させるために減量や中止可能な薬剤と減量してほしくない薬剤を確認しました。このようなときも、すでに低血圧の状況を把握していた前医が、紹介状に薬剤の詳細を記載していれば、問い合わせは発生しなかったでしょう。その患者さんに生じうる状況を想定し、紹介状には「この状況のときは、この薬剤から中止・減量してください」と、薬剤に関する申し送りもきちんと書いておくことは、紹介された医師の負担軽減にとても有効だと考えます。ポリファーマーシーの問題が叫ばれるようになって久しいですが、本来は中止可能な薬剤を安心して中止できるようにするには、その薬剤が開始された経緯をわかっていることが一番重要です。そのためにも患者さんを他医に紹介し、その後の診療を依頼するときは、紹介状に薬剤の開始経緯と減量、中止の可否を明記し、その後に引き継いだ医師が適切な判断ができるように情報提供できることが望ましいです。

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第176回 バラなどの芳香と共に眠ることと記憶の改善が関連

バラなどの芳香と共に眠ることと記憶の改善が関連香りで嗅覚を刺激することで頭の働きがよくなることが先立つ試験で示されています。パーキンソン病患者70例が参加した試験では数種の香りを毎日しばし嗅ぐことで言語の流暢さが改善しました1)。50~84歳の成人91例の試験ではエッセンシャルオイル4種を毎日2回嗅ぐことで言語機能が改善し、うつ症状も緩和しました2)。認知機能低下の恐れがある高齢成人68例を募った試験では9つの香りを嗅ぐことと認知症症状の抑制の関連が示されています3)。認知症をすでに発症した患者の香りを豊かにすることも認知機能に有益なようです。認知症成人65例が参加した試験の結果、40種類の香りに毎日2回接することで記憶、うつ症状、注意、言語機能などが改善しました4)。早速実践に移せればよいですが、認知症の患者が平素に40種類の香りを毎日2回嗅ぐのはおそらく容易ではありません。認知症患者が40種類のボトルを毎日2回、すなわち80回も手にとって開け閉めして嗅ぐことはおよそ非現実的ですし、認知症でなくとも手に負えるものではなさそうです。そのような込み入った手段だと長続きしません。普段の生活の中で続けてもらうにはできるだけ容易な手段にする必要があります。そこで考え出されたのがよい香りと共に眠るというおよそ苦もなく実践できそうな手段です。香りの種類もせいぜい数種類に限定しました。それらの香りを1つずつ順繰りに毎晩寝るときに部屋に漂わせる効果を少人数の試験で検討したところ願ったりかなったりの結果が得られました。試験には記憶が損なわれていない60~85歳の男女43例が参加し、よい香りと共に眠る群とそうでない対照群に無作為に振り分けられました。よい香りと共に眠る群の20例は芳香油を2時間拡散させて眠ることを毎晩繰り返しました。同様の日課を対照群の23例は実質的に香りがしない蒸留水を使って繰り返しました。芳香は7種類で、バラ、オレンジ、ユーカリ、レモン、ペパーミント、ローズマリー、ラベンダーの芳香油が1つずつ毎晩順繰りに使われました。半年をそうして過ごしたところ、よい香りと共に眠る群では言語の学習や記憶の検査であるRey Auditory Verbal Learning Test(RAVLT)成績が向上しました5)。対照群のRAVLT成績は逆に悪化しました。また、老化やアルツハイマー病で支障を来す脳領域である鉤状束の機能の改善が画像検査で示されました。香りを豊かにすることは脳の調子を改善する効果的で手軽な方法となりうるようであり、より大人数の試験でその効果の検討が進むことを著者は望んでいます。どうやら香りの効果は多岐にわたり、高齢者や認知機能に限ったものではなさそうです。最近発表された試験結果ではペパーミント油の香りが心臓手術後の患者の痛みを和らげ、睡眠の質を改善したことが示されています6)。ペパーミント油の主成分であるカルボン、リモネン、メンソールが痛み緩和効果の多くを担うようであり、ペパーミントの香りを漂わせるアロマセラピーを手術後に施すことを著者は勧めています。さかのぼること20年ほど前に発表された試験結果では早産児の無呼吸を減らすバニラの香り(バニリン)の効果が認められています7)。参考1)Haehner A, et al. PLoS One. 2013;8:e61680.2)Birte-Antina W, et al. J Geriatr Psychiatry Neurol. 2017;33:212-220.3)Oleszkiewicz A, et al. Behav Neurosci. 2021;135:732-740.4)Cha H, et al. Geriatr Gerontol Int. 2022;22:5-11.5)Woo CC, et al. Front Neurosci. 2023;17:1200448.6)Maghami M, et al. BMJ Support Palliat Care. 2023 Aug 3. [Epub ahead of print] 7)Marlier L, et al. Pediatrics. 2005;115:83-88.

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国試対策はいつから始めればよいのでしょうか【医学生お悩み相談ラヂオ】第4回

動画解説第4回は、医学部4年の女性からの「国試対策」に関するお悩み。医学生全体的に国試対策を始める時期が早まっていると感じ、いつから始めればよいのか、焦ってしまうとのこと。長年にわたり医学生を見てきた民谷先生が思う、国試対策を始める時期とは?

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統合失調症におけるブレクスピプラゾール切り替えが成功しやすい患者の特徴

 高用量の抗精神病薬で治療中の統合失調症患者に対するドパミンパーシャルアゴニスト作用を有するアリピプラゾールへの切り替えは、とくに急速な切り替えを行う場合、切り替え失敗や精神症状の悪化リスクが高まる可能性があると、いくつかの研究において報告されている。このような切り替え失敗には、ドパミン過感受性状態が関連していると推測される。アリピプラゾールと同様にドパミンパーシャルアゴニスト作用を有するブレクスピプラゾールへの切り替えのリスクについては、これまで報告されていない。 千葉大学の山崎 史暁氏らは、ブレクスピプラゾールへの切り替えの成功または失敗と関連する因子を特定するため、日本人統合失調症患者106例をレトロスペクティブに分析した。その結果、統合失調症患者における切り替えは、アリピプラゾールと比較し、ブレクスピプラゾールがより安全である可能性が示唆された。ただし、著者らは、治療抵抗性統合失調症患者では、失敗リスクが高まるため、難治性の患者にブレクスピプラゾール治療を開始する際には十分なモニタリングが必要である、としている。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2023年7月3日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・ドパミン過感受性の統合失調症患者44例とそうでない患者62例を比較したところ、6週間後の切り替え失敗に有意差は認められなかった。・切り替えが成功した患者80例と失敗した患者26例を比較したところ、治療抵抗性統合失調症患者では失敗する可能性が有意に高かった。・ロジスティック回帰分析では、過去にアリピプラゾールへの切り替えに失敗した患者では、ブレクスピプラゾールへの切り替えが成功する可能性が高かった。・ブレクスピプラゾールへの切り替えに成功した患者の2年間のフォローアップで、一時的ではあるが、機能の全体的評価尺度(GAF)および臨床全般印象度の重症度(CGI-S)スコアのいくつかの改善がみられた。

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転移乳がんへのT-DXd、有効性に関わる因子はあるか(DAISY)

 HER2発現レベルに従って転移乳がん患者におけるT-DXdの有効性を評価し、複数時点での腫瘍検体のバイオマーカー分析を通じて治療反応と治療耐性に関わる因子を調査することを目的とした第II相DAISY試験の結果を、フランス・Gustave RoussyのFernanda Mosele氏らがNature Medicine誌オンライン版2023年7月24日号に報告した。 参加者はベースライン時のバイオプシー結果に基づき、HER2高発現群(IHC 3+またはISH+、72例)、HER2低発現群(IHC 2+/ISH-またはIHC 1+、74例)、およびHER2陰性群(IHC 0、40例)に割り付けられた。 主要評価項目は奏効率(ORR)で、副次評価項目には安全性などが含まれた。その他探索的解析として、HER2発現パターンと治療反応、T-DXdの作用機序および耐性機序が調べられた。 主な結果は以下のとおり。・ORRはHER2高発現群では70.6%(95%信頼区間[CI]:58.3~81)、HER2低発現群では 37.5%(95%CI:26.4~49.7)、HER2陰性群では29.7%(95%CI:15.9~47)だった。・HER2陰性群の患者において、ERBB2発現が中央値未満であった患者(14例中5例[35.7%]、95%CI:12.8~64.9)は、ERBB2発現が中央値を上回っていた患者(10例中3例[30%]、95%CI:6.7~65.2)と比較して奏効率に差はみられなかった。 またベースライン検体を外部の病理学者が検査した結果、15例(48%)でHER2発現が確認された。・治療中、HER2発現腫瘍(4例)では強いT-DXd反応が示された一方、HER2陰性腫瘍(3例)ではT-DXd反応がまったくまたはほとんど示されなかった(ピアソン相関係数r=0.75、p=0.053)。・ベースライン検体におけるドライバー変異には耐性と有意に関連しているものはなかった(FDR補正p>0.54)。ただし、ベースライン時の89例中6例(7%)にERBB2ヘミ接合型欠失が検出され、うち4例はT-DXdに反応がなかった。・T-DXd耐性となった検体の21例中3例(14%)にSLX4変異が検出された。・新たな安全性シグナルは確認されていない。 著者らは、HER2発現レベルはT-DXdの有効性の決定要因と言えるが、本研究ではそれ以外のメカニズムも関与している可能性が示唆されたとまとめている。

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コロナ急性期、葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏の症状消失までの期間は?/東北大

 コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期症状を有する患者に、対症療法に加えて葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を投与した結果、有意差はなかったもののすべての症状の消失までの期間は対照群よりも早い傾向にあり、息切れの消失は補足的評価において有意に早かったことを、東北大学の高山 真氏らが明らかにした。Journal of Infection and Chemotherapy誌オンライン版2023年7月26日号の報告。コロナ患者に葛根湯2.5g+小柴胡湯加桔梗石膏2.5gを1日3回投与 高山氏らが2021年2月22日~2022年2月16日にかけて実施した多施設共同ランダム化比較試験1)において、葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏の併用により、軽症~中等症I患者の発熱が早期に緩和され、とくに中等症I患者では呼吸不全への悪化が抑制傾向にあったことが報告されている。コロナウイルス感染症の症状や病状悪化のリスクはワクチン接種の有無によって異なる可能性があるため、今回はこのランダム化比較試験のデータを用いて、ワクチン接種の有無も加味した症状の消失に焦点を当てた事後分析を行った。 研究グループは、20歳以上で軽症~中等症Iのコロナウイルス感染症患者を対象に、通常の対症療法(解熱薬、鎮咳薬、去痰薬投与)を行うグループ(対照群)と、対症療法に加えて葛根湯2.5g+小柴胡湯加桔梗石膏2.5gを1日3回14日間経口投与するグループ(漢方群)の風邪様症状(発熱、咳、痰、倦怠感、息切れ)が消失するまでの日数を解析した。 コロナウイルス感染症患者に対症療法に加えて葛根湯2.5g+小柴胡湯加桔梗石膏2.5gを1日3回14日間経口投与した主な結果は以下のとおり。・解析には、漢方群73例(男性64.4%、年齢中央値35.0歳)、対照群75例(65.3%、36.0歳)が含まれた。そのうち、コロナワクチン接種者は、漢方群7例(9.6%)、対照群8例(10.7%)であった。初回診察時のリスク因子や重症度は両群で同等であった。・少なくとも1つ以上の症状が消失した割合は、漢方群84.9%、対照群84.0%であった。消失までに要した日数の中央値は漢方群2日(90%信頼区間[CI]:2.0~3.0)、対照群3日(90%CI:3.0~4.0)で、有意差は認められなかったものの漢方群のほうが短い傾向にあった(ハザード比[HR]:1.28、90%CI:0.95~1.72、p=0.0603)。コロナワクチン接種の有無別では、ワクチン未接種の漢方群のHRは1.31(90%CI:0.96~1.79、p=0.0538)でほぼ同等であった。・すべての症状が消失した割合は、漢方群47.1%、対照群9.1%であった。消失までに要した日数の中央値は、漢方群9日(6.0~NA)、対照群NAで、同様に漢方群のほうが短い傾向にあった(HR:3.73、95%CI:0.46~29.98、p=0.1763)。コロナワクチン未接種の漢方群のHRは4.17(95%CI:0.52~33.64、p=0.1368)であった。・競合リスクを考慮した共変量調整後の補足的評価において、息切れの消失は漢方群のほうが対照群よりも有意に早かった(HR:1.92、95%CI:1.07~3.42、p=0.0278)。コロナワクチン未接種の漢方群では、発熱(HR:1.68、95%CI:1.00~2.83、p=0.0498)および息切れ(HR:2.15、95%CI:1.17~3.96、p=0.0141)の消失が有意に早かった。 これらの結果より、研究グループは「軽症~中等症Iのコロナウイルス感染症患者に対する漢方治療の分析において、すべての症状の評価においても各症状の評価においても、対照群よりも漢方群のほうが早く症状が消失していた。これらの結果は、急性期のコロナウイルス感染症患者に対する漢方治療の利点を示すものである」とまとめた。

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寄せられた疑問に答える、脂質異常症診療ガイド2023発刊/日本動脈硬化学会

 『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』が6月30日に発刊された。動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイドは2018年版から5年ぶりの改訂となり、塚本 和久氏(帝京大学大学院医学研究科長、内科学講座 教授)が改訂点や本書の新たな取り組みについて、日本動脈硬化学会主催のプレスセミナーで解説した。動脈硬化関連の各種ガイドライン・指針に準拠 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイドは脂質異常症に特化し、非専門医が困ったときに参考となる情報をコンパクトに記載したものである。日本動脈硬化学会では『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022度版』をはじめ、『スタチン不耐に関する診療指針2018』『PCSK9阻害薬の継続使用に関する指針』などのさまざまなガイドラインや指針を発刊しており、『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』はそれらの内容を網羅するかたちで作成されている。そのため、主な改訂点も『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022度版』に準じたものになっている。<脂質異常症診療ガイド2023の主な改訂内容>1.随時(非空腹時)のトリグリセライド(TG、中性脂肪)基準値(175mg/dL以上)を設定。2.脂質管理目標値設定のための動脈硬化性疾患の絶対リスク評価手法として、冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞を合わせた動脈硬化性疾患をエンドポイントとした久山町研究のスコアを採用。3.糖尿病がある場合のLDLコレステロールの管理目標値について、合併症がある場合の1次予防は100mg/dL未満、2次予防は70mg/dL未満に設定。4.2次予防の対象疾患として冠動脈疾患に加えてアテローム血栓性脳梗塞も追加。5.薬物療法において、スタチン不耐と判断する際の注意点を記載。6.原発性脂質異常症の項を拡充。 上記の『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』改訂内容1について、塚本氏は「脂質異常症の診断基準は“動脈硬化発症リスクを判断するためのスクリーニング値であり、治療開始のための基準値ではない”ことは、ぜひ理解しておいていただきたい」と述べ、改訂内容5については「スタチンは費用対効果も高く不必要な中止を避けたい。また、スタチン不耐と判断される患者の半数以上がスタチン不耐ではないとの報告1)もある。それゆえ、ノセボ効果には注意し、患者の筋関連症状とスタチンとの関連性をしっかり確認してほしい」と強調した。脂質異常症診療ガイド改訂でQ&Aを拡充 今回の動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド改訂では本文の内容の充実はもちろんのこと、Q&Aを拡充し、項目数を47から61に増やしている。この中には、予防ガイドラインでは詳述されなかったポイントや比較的よく質問される疑問点、そして日本動脈硬化学会広報啓発委員会が会員ページに掲載している症例(日常臨床で診断・治療に難渋する症例)を参考に作成したケースを取り上げている。たとえば、上述の『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』改訂内容2に関連する質問が寄せられ、それに対する回答が記載されている。―――Q25久山町スコアでは40歳未満の方は対象にはなりませんが、多くの危険因子を持つ若年の脂質異常症患者さんにはどのように対応すればよいでしょうか?A久山町スコアのアプリでは、絶対リスクとともに相対リスクも表示される。久山町スコアは40歳以上を対象としたものなので正確とは言えないが、40歳未満の対象者であっても年齢以外の因子を入力後、年齢の項を40歳と入力すれば、同世代の危険因子のない方と比べての相対リスクがわかるので、患者指導に用いると良い。――― このほかにもよく質問される疑問点として「Q21 吹田スコアで高リスクだった患者さんが久山町スコアでは中リスクとなりました。どのように対応すればよいでしょうか?」「Q22 管理目標値設定のフローチャートに記載されている『その他の脳梗塞』はどのような脳梗塞でしょうか? 心原性脳梗塞やラクナ梗塞も含まれるのでしょうか?」などが寄せられている。また、広報啓発委員会作成の会員マイページに掲載されている症例を参考とした症例としては「Q55 LDL-C 260mg/dLでアキレス腱肥厚もあったので、FHと考えスタチンで治療を始めましたが、LDL-C値はほとんど下がりません。どのように対応すればよいでしょうか?」(シトステロール血症の鑑別が必要)のようなQ&Aが作成されている。ぜひ『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』のQ&Aをご一読いただきたい。遺伝子検査項目の増加、指定難病の診断に 2022年4月に原発性脂質異常症の遺伝子検査項目が5つに増えた(家族性高コレステロール血症、原発性高カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、家族性低βリポタンパク血症1[ホモ接合体]、タンジール病)。これを受けて、『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』では低HDLコレステロール低値の際のフローチャートを追加し、解説疾患を増やすなど、原発性脂質異常症の項を拡充。遺伝子検査項目が増えるメリットには「指定難病の確定診断がつけば、患者の登録が進み、患者のbenefitにつながる」と述べた。脂質異常症診療ガイド2023にICT導入 今回の発刊に際し情報通信技術(ICT)を積極的に導入しており、『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版』を購入した方はデジタルブックでも閲覧できる。また、掲載されているQRコードを読み込むことで代表的な臨床比較試験、診療指針、専門医リストなどが確認できるため、web検索する手間が省ける仕組みになっている。 最後に同氏は「以上の改訂点を踏まえ、医師や管理栄養士、臨床検査技師などをはじめとする多くの医療者に活用していただきたい」とコメントした。

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腎細胞がん術後補助療法、エベロリムスは無再発生存期間を改善せず(EVEREST)/Lancet

 腎摘除術後の再発リスクが高い腎細胞がん患者において、術後補助療法としての哺乳類ラパマイシン標的タンパク質エベロリムスはプラセボと比較して、無再発生存期間を改善せず、Grade3/4の有害事象の頻度が高かったことが、米国・オレゴン健康科学大学Knightがん研究所のChristopher W. Ryan氏らが実施した「EVEREST試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2023年7月28日号で報告された。米国の無作為化プラセボ対照第III相試験 EVEREST試験は、米国の398の大学および地域の研究センターで実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2011年4月~2016年9月の期間に患者の無作為化が行われた(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成を受けた)。 年齢18歳以上の腎細胞がんで、腎臓の外科的完全切除術を受け、切除断端陰性の患者を、エベロリムス10mgまたはプラセボの1日1回経口投与を54週間施行する群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、無再発生存期間(無作為化の日から最初の再発または全死因死亡の日までの期間)であった。 1,499例を登録し、エベロリムス群に755例(年齢中央値58歳、男性69%、白人91%、超高リスク例55%)、プラセボ群に744例(58歳、70%、90%、55%)を割り付けた。全体の90%が根治的腎摘除術を、残りの10%が腎部分切除術を受け、17%が非淡明細胞がんであった。超高リスク群では、無再発生存期間が有意に良好 フォローアップ期間中央値76ヵ月(四分位範囲[IQR]:61~92)の時点で、両群とも無再発生存期間中央値には到達しなかった。5年無再発生存率は、エベロリムス群が67%(95%信頼区間[CI]:63~70)、プラセボ群は63%(60~67)であり、層別log-rank検定でp値は0.050であったが、ハザード比(HR)は0.85(95%CI:0.72~1.00、p=0.051)と、事前に規定された有意差の閾値(p=0.044)を満たさなかった。最も頻度の高い再発部位は肺で、次いでリンパ節だった。 また、超高リスク群では、エベロリムス群で無再発生存期間の有益性が認められた(HR:0.79、95%CI:0.65~0.97、p=0.022)が、中~高リスク群では有益性はなかった(0.99、0.73~1.35、p=0.96)。 両群とも全生存期間中央値には到達せず、有意な差はなかった(層別HR:0.90、95%CI:0.71~1.13、p=0.36)。5年全生存率は、エベロリムス群が87%(95%CI:84~89)、プラセボ群は85%(82~87)だった。 Grade3以上の有害事象は、プラセボ群が11%(79/723例)で発現したのに対し、エベロリムス群は46%(343/740例)と頻度が高かった。エベロリムス群で高頻度の有害事象として、口内炎(64%)、倦怠感(56%)、下痢(33%)、斑状丘疹状皮疹(31%)が、検査値異常として、高トリグリセリド血症(53%)、高コレステロール血症(49%)、貧血(42%)、高血糖(35%)がみられ、同群で高頻度のGrade3以上の有害事象は、口内炎(14%)、高トリグリセリド血症(11%)、高血糖(5%)であり、治療関連死は認めなかった。 著者は、「全生存期間への影響を判断するには、より長期の調査を要する。本試験の結果は、術後補助療法としてのエベロリムスの使用を支持しないが、超高リスク例で示唆された無再発生存期間の有益性は、この患者群においてエベロリムスのさらなる研究を進めるべきかの検討を正当化する」としている。

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C型肝炎にDAA治療成功も死亡率高い、その理由は/BMJ

 インターフェロンを使用せず直接作用型抗ウイルス薬(DAA)で治療に成功したC型肝炎患者では、一般集団と比較して死亡率が高く、この過剰な死亡の主な要因は薬物や肝臓関連死であることが、英国・グラスゴー・カレドニアン大学のVictoria Hamill氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年8月2日号に掲載された。カナダと英国の3地域のコホート研究 本研究は、ブリティッシュコロンビア州(カナダ)、スコットランド(英国)、イングランド(英国)の3つの地域のデータを用いた住民ベースのコホート研究である(研究資金は主に、責任著者のHamish Innes氏[グラスゴー・カレドニアン大学]が英国のMedical Research Foundationから受けたウイルス性肝炎フェローシップの報奨金が充てられた)。 対象は、インターフェロンフリーの抗ウイルス薬治療の時期(2014~19年)に、C型肝炎の治療に成功(ウイルス学的著効[SVR]を達成)した2万1,790例であった。 これらの参加者を肝疾患の重症度で、肝硬変なし(肝硬変前)、代償性肝硬変、末期肝疾患(ESLD)の3つの群に分けた(イングランドは肝硬変とESLDのみ)。追跡調査は、抗ウイルス薬治療の終了後12週の時点から開始し、死亡日または2019年12月31日に終了した。 主要アウトカムは、粗死亡率と年齢・性別標準化死亡率、および標準化死亡率比であり、年齢、性別、年度で調整した一般集団と比較した。ポアソン回帰分析で、全死因死亡率と関連する因子を同定した。3地域とも、肝疾患の重症度の上昇と共に死亡率増加 追跡期間中に1,572例(7%)が死亡した。主な死因は、薬物関連死(383例、24%)、肝不全(286例、18%)、肝がん(250例、16%)だった。 粗全死因死亡率(1,000人年当たりの死亡数)は、ブリティッシュコロンビア州が31.4(95%信頼区間[CI]:29.3~33.7)、スコットランドが22.7(20.7~25.0)、イングランドが39.6(35.4~44.3)であった。また、標準化死亡率はそれぞれ31.4(95%CI:29.3~33.7)、28.6(24.7~32.5)、38.5(34.1~42.9)だった。 全死因死亡率は、各コホートおよびすべての重症度の群において、一般集団に比べC型肝炎治療成功者でかなり高かった。たとえば、ブリティッシュコロンビア州の全死因死亡率は、肝硬変のない集団では一般集団の約3倍(標準化死亡率比:2.96、95%CI:2.71~3.23、p<0.001)、肝硬変の集団では約4倍(3.96、3.26~4.82、p<0.001)、ESLDの集団では10倍以上(13.61、11.94~15.49、p<0.001)であった。 また、スコットランドとイングランドでも同様に、疾患の重症度が上がるに従って全死因死亡率の標準化死亡率比が高くなり、いずれも有意な差が認められた(すべてのp<0.001)。 回帰分析では、高齢、最近の薬物乱用による入院、アルコール乱用による入院、併存疾患が死亡率の上昇と関連していた。 著者は、「これらの知見は、直接作用型抗ウイルス薬の効果を最大限に発揮させるためには、C型肝炎の治療が成功した後も、継続的な支援と追跡調査が必要であることを強調するものである」としている。

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2023年12月期第2四半期 決算説明

2023年12月期第2四半期実績発表 :代表取締役社長 COO 藤井勝博現状及び今後の業界動向について:代表取締役会長 CEO 大野元泰※IRページは こちら からお戻りいただけます※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。※IRページは こちら からお戻りいただけます.banAdGroup{display:none;}.bottomNotice{display:none;}

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第159回 新型コロナ感染拡大時の注意喚起に、4つの指標を作成/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナ感染拡大時の注意喚起に、4つの指標を作成/厚労省2.コロナワクチン接種、定期接種移行の議論に着手/厚労省3.ポストコロナで動き出す病院再編、地域住民が抗議相次ぐ/厚労省4.子宮頸がん検診の指針見直し、5年毎のHPV検査の導入も検討/厚労省5.医療資源を活用する「紹介受診重点医療機関」を初公表/厚労省6.地域に根ざした医師会活動プロジェクトを始動/日医1.新型コロナ感染拡大時の注意喚起に、4つの指標を作成/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大時の都道府県の注意喚起のための指標を示し、全国の自治体などに通知した。これによると、医療機関の外来が逼迫している割合が25%を超えたり、病床使用率が50%を超えたりした場合に注意喚起が行われることとなる。また、感染者数については、最近のオミクロン型感染拡大で外来の逼迫状況がピークとなる2週間前の感染者数を基準としている。さらに、感染拡大の際、医療機関の受診者数などを報告するシステムが外来逼迫割合が25%を超えるなどの指標に達した場合、各都道府県は住民に対して注意喚起や医療提供体制の強化を行うよう求めている。すでに都道府県で独自の基準を設けているところもあり、国の目安を使用するかどうかは、自治体が地域の医療提供体制や特性を踏まえて判断することになる。これらの指標は、新型コロナウイルス感染拡大の進行による医療逼迫に備えるための措置であり、今後、変更される可能性がある。各都道府県はこうした指標を参考にし、適切な注意喚起や対策を実施していくことが求められている。参考1)新型コロナウイルス感染症に関する住民への注意喚起等の目安について(厚労省)2)コロナ感染拡大時の注意喚起に目安 厚労省、医療逼迫で判断(日経新聞)3)コロナ感染拡大時“注意喚起の目安”4指標作成 厚生労働省(NHK)2.コロナワクチン接種、定期接種移行の議論に着手/厚労省厚生労働省は、8月9日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催し、新型コロナウイルスワクチン接種に関する議論を行った。新型コロナウイルスのワクチン接種は、オミクロン株の流行と重症化率の低下から、定期接種化を検討しているが、現在の公費負担による臨時接種であり、今後は自己負担が発生する定期接種への移行を視野に入れ、年内に結論を出す予定。9月20日から行われるオミクロン株の派生型に対応したワクチン接種は、生後6ヵ月以上のすべての人を対象に無料で来年3月まで行うことが承認されたが、積極的な勧奨は高齢者や重症化リスクの高い人に限定して行う。来年度以降の接種について厚労省は、WHOの新指針に基づき、定期的な追加接種を推奨せず、努力義務や接種勧奨は重症化リスクの高い人にのみ適用する。なお、定期接種化は2024年度からの実施を検討しており、今年中に部会で対象者や費用負担について結論を出す予定。参考1)第49回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(厚労省)2)今後の新型コロナワクチン接種について(その7)(同)3)コロナワクチン、来年度以降のあり方議論始まる 定期接種化も視野に(朝日新聞)4)新型コロナワクチン 秋接種、高齢者や重症化リスクのみ勧奨(毎日新聞)3.ポストコロナで動き出す病院再編、地域住民が抗議相次ぐ/厚労省厚生労働省が、新型コロナウイルス感染拡大前から取り組んでいる、「地域医療構想に基づいた病院再編・統合の方針」に対して、地域住民から地域医療の充実を求める意見が相次いでいる。岩手県の県立病院の再編、新潟県では上越市の新潟労災病院の閉院に伴う再編など、人口減少に伴う地域の医療機関の再編はコロナ対策でも必要とする行政側の方針に対して、地域住民からは医療態勢の確保と充実が求める声があげられている。今後、行政では地域のニーズに即した対応が求められている。参考1)県立病院の縮小・統合に反対 署名1万8千筆を県に提出 いわて労連など(デーリー東北)2)上越の病院再編 安心できる将来像確実に(新潟日報)3)三田市民病院の存続求める 市民団体が神戸市長に申し入れ(サンテレビ)4)病院の再編って必要なの? 感染症・高齢化対応で重要に(日経新聞)4.子宮頸がん検診の指針見直し、5年毎のHPV検査の導入も検討/厚労省厚生労働省はがん検診のあり方に関する検討会を開き、子宮頸がんの早期発見を促すため、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染を調べる検査を公的検診に導入するため、指針を改正する方針を決定した。厚労省は、30歳以上の女性に対しては2年毎の細胞診と5年おきのHPV検査のどちらかを選ぶことができるように提案。これにより、検診間隔が長くなり、受診者の負担が軽減される一方で、精度管理体制の整備が必要となる。新たな指針は2023年度中に見直され、24年度から導入される見通し。ただし、細胞診とHPV検査は異なるアプローチで、受診者の特定と負担軽減を図るための選択肢として提供される。新たな検診方法では、がんの発症前に高リスクな人を特定し、受診者の負担を軽減する上でのメリットがある。ただし、導入には自治体ごとの準備期間や陽性者のフォローが必要であり、実際の導入は限定的となる可能性がある。HPV検査導入については、自治体が従来の細胞診とHPV検査のどちらかを選択できる形で実施する予定。また、従来通りHPV感染を防ぐワクチンの定期接種も行われる。参考1)HPV検査導入へ指針改正、子宮頸がん早期発見に期待 厚労省検討会(産経新聞)2)指針での子宮頸がん検診、30歳以上にHPV検査も可 各自治体が判断、年度内に指針見直し(CB news)3)子宮頸がん検診、「2年毎の細胞診単独法」のほか、体制整った市町村では「5年毎のHPV検査単独法」も可能に-がん検診あり方検討会(Gem Med)4)第39回がん検診のあり方に関する検討会[資料](厚労省)5.医療資源を活用する「紹介受診重点医療機関」を初公表/厚労省東京都は、医療資源を重点的に活用するための外来施設である「紹介受診重点医療機関」83ヵ所を初めて公表した。この制度は、外来機能報告をもとに地域ごとの「協議の場」で承認されており、病院や診療所の医療実績データを使って医療関係者の協議を通じて決定される。紹介受診重点医療機関は、外来での特定の領域に特化した医療を提供する施設で、病院の外来診療の役割分担と連携を進め、患者の受診をスムーズにし、医療従事者の負担を軽減することを目指している。区中央部では大規模病院が多く、一方、医療資源の少ない地域では施設数は限られている。紹介受診重点医療機関の明示によって、東京都は医療資源の集中と均衡を促進し、地域医療の充実を図りたい考え、また、紹介受診重点医療機関では、病院の外来患者の待ち時間の短縮や勤務医の外来負担の軽減等の効果を見込んでいる。東京都以外の各道府県でも公表を進めており、厚生労働省はこれらをまとめた一覧を掲載している。参考1)紹介受診重点医療機関を都が初公表、計83カ所 1日時点(CB news)2)紹介受診重点医療機関について(厚労省)3)都道府県紹介受診重点医療機関リスト(同)4)紹介受診重点医療機関になると何が変わるのか?(PRRISM)6.地域に根ざした医師会活動プロジェクトを始動/日本医師会日本医師会は「地域に根ざした医師会活動プロジェクト」を発表し、市民への理解を深めることを目指すことを明らかにした。プロジェクトはシンポジウム形式で、実地とWebのハイブリッド開催を予定している。第1回のテーマは「有事の医師会活動」で、大規模災害時の対応や新型コロナウイルス感染症の対策などを取り上げる。シンポジウムはアーカイブ動画や電子パンフレットで提供され、多くの市民が参加できるようにする。プロジェクトを通して、医師会の活動の周知と理解を促進し、地域医療の充実に寄与する目的を持つ。渡辺 弘司常任理事は、地域の時間外や災害時の医療対応など、医師会の多様な活動を通じて地域を支える重要性を語った。また、地域医師会と専門基幹病院の連携事例も紹介され、全国の医師会の活動を通じて地域の医療を支える取り組みを広く知らしめる狙いがある。参考1)日医、市民への新規プロジェクトを開始(時事通信)2)地域に根ざした医師会活動プロジェクトについて(日本医師会)

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自分のお金を使わずにぜいたくするアイデアを探せ!【医師のためのお金の話】第71回

自分のお金を使わずにぜいたくする!?多くの人にとって突拍子もない考えかもしれませんね。ぜいたくするという言葉には、無駄遣いや浪費のイメージがつきものです。しかし、節約だけの人生なんて面白くありません。せっかくですからぜいたくも楽しみたいものです。アリとキリギリスの話ではありませんが、ぜいたくし続けるとロクなことがないのは自明の理でしょう。しかし、それはあくまでも自分のお金で浪費した場合です。もし他人のお金でぜいたくするのならどうでしょうか?そんなことできるわけないだろうと思いがちですが、実は自分のお金を使わずにぜいたくすることは可能なのです。多くの医師にとってイメージしやすいのは、製薬会社主催の研究会でしょう。コロナ禍で途絶えていましたが、情報交換会では豪華な食事やお弁当が出ます。もちろん、そんなことは序の口です。世の中には、多くの資産家が実践している賢い方法やアイデアがたくさんあります。資産形成も! ぜいたくも! という欲張りなあなたのために、自分のお金を使わずにぜいたくする新たな視点を提供しましょう。タワマンや高級車購入はぜいたくの定番タワーマンションや高級車の購入は、医師の憧れの的ではないでしょうか。タワマンの一室から夜景を見てお酒を飲みたい…。高級な住まいや自動車は、ステータスやぜいたくな生活を象徴するものとして魅力的に映るかもしれません。タワマンや高級車は、一見すると豪華な暮らしや優越感を提供してくれるように思えます。しかし、ローン返済やクルマの維持費など、高額な出費が待ち受けていることを忘れてはいけません。何も考えずに購入すると、浪費のわなに陥る可能性が高まります。普通の医師は、自分のライフスタイルや将来的な人生設計をある程度考えながら、タワマンや高級車の購入を検討します。決して衝動買いではありません。しかし、購入を決断した後には、ローン返済や維持費で家計が厳しくなる人が多いのは紛れもない事実です。地方においては、タワマンは新築戸建に置き換えられます。広い庭で子供が遊ぶ姿を眺めたり、バーベキューを楽しんだりするのは人生の至福の時間でしょう。しかし、そのために犠牲にしなければいけないのは、人生の自由度かもしれません。自分のお金を使わずにぜいたくすることは可能なのか?ぜいたくし過ぎると自由を奪われてしまいますが、節約だけの人生なんて面白くありません。私もぜいたくな暮らしが決して嫌いなほうではありません。何とかしてお得にぜいたくしたい。豪華な生活を送っている周囲のお金持ちを観察すると、意外な点に気付きました。自分のお金を使わずにぜいたくな暮らしをしている人が珍しくないのです。たとえば、取引先の不動産会社社長は、文教地区に鎮座するびっくりするぐらい大きな邸宅を購入しました。建物自体は古いですが、とにかくボリューム感があって人目を引きます。広い庭でバーベキューを楽しむ姿を再々見かけました。やはりお金持ちだなと思っていたら、数年するとマンションに建て替わりました。地価がどんどん上がったため巨額の売却益を得たとのことです。結果的には豪邸にタダで住んだうえに大きな利益まで得たのです。かくいう私も、旧自宅は月極駐車場からの収益で住宅ローンを返済していました。文教地区にある80坪ほどある大きな土地ですが、タダで住み続けたことになります。自動車は中古のランドクルーザーですが、減価償却で節税したうえに、売却すると利益が出る予定です。これ以外にも、お中元やお歳暮は所有物件のテナントで購入するので、使ったお金は実質的には交際費になります。さらに、株式投資では食品系の株主優待銘柄を大量に所有しているため、地酒だけで年間百本以上送られてきます。とても1人では飲み切れません。他人の財布で浪費を楽しもう!ここまで見てきたように、浪費しているように見えても実際には自分の財布は使っていないケースが世の中には山のようにあります。自分の稼いだお金で全額賄うか、他人が負担してくれるかでは、天と地の差といえるでしょう。知人の成功している不動産投資家は、都心のタワマンに住んでいるケースが多いです。彼らが好立地のタワマンにこだわるのは、常に売却を見据えているからです。つまり自宅というよりも、商品としてタワマンを捉えているのです。自分が住んでいる間は、所有法人のオフィス兼自宅なので経費化が可能です。そしてタワマンに飽きてきたら、売却して大きな利益を得る。お金をもらいながらタワマンに住んでいる人と、住宅ローンを抱えて自分の給料で支払っている人の差は大きいですね。一見すると両方とも同じ浪費に見えますが、実際には資産形成の手段になっている人も世の中には存在するのです。ポイントは、自分ではなく他人に払ってもらうことを考え抜くことでしょう。ここまで見てきたように、ちょっとした工夫とアイデアを組み合わせることで、浪費が資産形成に変わるケースが少なくありません。ぜいたくしながら資産形成することは可能です。あなたも、自分のお金を使わずにぜいたくする方法を考えてはいかがでしょうか。

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第64回 ロジスティック回帰分析とは?【統計のそこが知りたい!】

第64回 ロジスティック回帰分析とは?医学統計において、多変量解析で用いられる統計手法の1つに「ロジスティック回帰分析(Logistic regression analysis)」があります。ロジスティック回帰分析は、いくつかの要因(説明変数)から、「2値の結果(目的変数)」が起こる確率を予測する解析手法であり、目的変数は2群のカテゴリーデータ、説明変数は数量データで判別分析と類似した解析手法です。ロジスティック回帰分析は図の回帰式を用いて、次の2点を明らかにする解析手法です。(1)サンプルごとに目的変数が起こる確率(予測値)の算出(2)回帰式に用いた説明変数の目的変数に対する影響度図1 ロジスティック回帰分析の回帰式では、実際に表1のデータでBさんが「がん」かどうかの確率を回帰式を用いて求めてみましょう。表1図2ロジスティック回帰分析で求められた回帰式に説明変数のデータを代入し、確率(判別得点という)を算出します。確率は0~100%の間の値をとります。では、Bさんが「がん」である確率を求めてみましょう。Bさんは、嗜好歴として飲酒日数=15日/1ヵ月間、喫煙本数=20本/1日があります。回帰式にその値を代入して計算します。図3結果、Bさんが「がん」である確率は68%となりました。確率が50%以上あれば「がん」であると判定します。ロジスティック回帰分析で求められた回帰式のモデルの適合度を表す指標としては、AIC(赤池情報量基準)、c統計量(AUC)、判別的中率、決定係数、Hosmer-Lemeshowの適合度などがあります。この事例の場合の判別的中率を表2でみてみましょう。表210人中9人が的中(90%的中)しており、判別的中率が目安とする基準75%を上回っているので、予測に使えると判断します。また、先の回帰式で算出された確率と実測値との相関比0.5以上でも予測に使えると判断します。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決!一問一答質問18 ロジスティック回帰分析とは?質問21 ロジスティック回帰分析の説明変数の選び方は?質問22 ロジスティック回帰分析の事例

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外傷の処置(1)鶏眼(うおのめ)【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q79

外傷の処置(1)鶏眼(うおのめ)Q79夜間外来もある当直バイト中、糖尿病性腎症によるCKD既往の80代男性が右母趾先端の鶏眼(うおのめ)の処置希望で受診してきた。鶏眼処置なんて研修医ぶりだと思いながら、鶏眼の大きさに合わせてスピール膏®(サリチル酸)を貼付し、同外用薬を1シート処方した。適宜貼り替えて1週間後に日中外来を受診するよう指示し、鶏眼の処置は雑菌が入るため、自分では処置をしないことを念押しした。上記対応の誤りは?

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事例029 新医薬品エパデールEMの査定【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では脂質異常症に対して同月内2回の来院それぞれに処方を行ったイコサペント酸エチル(商品名:エパデールEM、以下同)カプセル2gが査定となりました。査定事由は、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)でした。投与日数も当月内28日であり、病名なども添付文書に沿っています。査定の原因をつかむために調べてみました。カルテには、同月1回目の再診時に7日分処方、同月2回目の再診時に21日分処方の合計28日分が入力されていました。調べている途中で、エパデールEMは発売後1年経っていない新医薬品であり、2023年8月末までは、1回の処方に14日分限度の制限がかかっていることに気付きました。医師に尋ねると14日処方限度の新医薬品であることをご存知でした。1回目再診時に7日分を処方したのち、2回目に次回来院までに薬が不足しないよう、同月内1回処方当たりの投与日数内であれば認められるであろうと処方をされていました。現在のレセプトは、投与薬剤にも日付を紐付けて電子請求されます。そのデータを基にコンピュータ審査が行われます。表面上は算定要件を保っているようでも、日付ごとの審査が行われるために、事例のような査定が発生します。医師にはその仕組みを説明し、処方入力システムに処方制限が表示されるよう改修して査定対策としました。なお、年末年始などの長期休診の場合は、その日数を限度として1回当たりの処方日数を増やすことが可能です。ただし、総投与日数が30日を超えると認められないようですのでご留意ください。

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花粉症患者が豆乳でアレルギー症状、今後避けるべきは豆腐?納豆?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第7回

花粉症患者が豆乳でアレルギー症状、今後避けるべきは豆腐?納豆?講師福井赤十字病院 耳鼻咽喉科 主任部長 大澤 陽子 氏【今回の症例】41歳女性。10年ほど前から2月~5月に花粉症を自覚している。かかりつけ医での血液検査では、スギ5+、ヒノキ3+、ハンノキ3+、シラカンバ2+、カモガヤ1+であった。花粉症を自覚したころから、モモやリンゴを食べた時に口の中がかゆくなっていたが、すぐに改善するため放置していた。豆乳を久しぶりに飲んだ時に口唇の腫れと両眼瞼の腫脹が出現し、その後声が出しにくくなったため、救急外来を受診した。後日、外来受診でモモ、リンゴ、大豆の食物アレルギーを疑いプリックテストと血液検査を実施し、モモとリンゴのプリックテストは陽性であったが、大豆のプリックテストは陰性であった。血液検査では、モモ3+、リンゴ1+、大豆0、Gly m 4 2+であった。今後の生活指導として適切なものはどれか?1.納豆や味噌は食べてもよい2.豆腐やモヤシは食べてもよい3.すべての大豆加工製品は避けたほうがよい

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穴あきれんげはラーメンの味や満腹感を損なわずに減塩可能か?

 日本人の1日当たりの食塩摂取量は、令和元年(2019年)に実施された国民健康・栄養調査結果よると平均10.1g(男性10.9g、女性9.3g)と報告されており1)、世界保健機関(WHO)の推奨量(5g/日未満)の約2倍となっている。そこで、熊本県立大学の杉本 真依子氏らは、ラーメンを穴あきれんげを用いて食べた場合と、通常のれんげを用いて食べた場合に、食塩摂取量や味、満腹感が変わるか検討した。その結果、穴あきれんげを用いた場合、食塩摂取量は減少したが、味や満腹感に変化がなかったことが示された。本研究結果は、Nutrients誌2023年6月27日号で報告された。 男子大学生36人を対象に、無作為化クロスオーバー試験を実施した。試験食として、日本人の消費量が多く、食塩を多く含有するラーメンを選択し、箸と穴あきれんげを用いて食べた場合と、箸と通常のれんげを用いて食べた場合のスープの摂取量、おいしさ、食後の満腹感などを比較した。 主な結果は以下のとおり。・食塩摂取量の中央値は、穴あきれんげを用いた場合1.8g、通常のれんげを用いた場合2.4gであり、穴あきれんげを用いた場合に有意な減少が認められた(p=0.019)。・おいしさの評価について、用いるれんげによって差は認められなかった。・同様に、用いるれんげによって、食後の満腹感にも差は認められなかった。・5人(14%)はいずれのれんげを用いた場合でも、スープを飲み干した。 著者らは、「穴あきれんげによる減塩効果について、女性やほかの年齢層における研究が必要である」と述べつつ、「本研究結果から、れんげの形状の変更は、健康に無関心な人などの食塩摂取量を減らすための対策の1つとなる可能性がある」とまとめた。

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認知症を香りで予防? 睡眠中のアロマセラピーが高齢者の記憶を200%超改善

 高齢者が睡眠中にエッセンシャルオイルの香りに曝露することで、記憶力が大幅に改善したという研究結果が報告された。高齢者の認知機能低下は重要な社会問題であり、安価かつ簡便に家庭内で実施可能な対処法が求められていることから、本研究の手法は非常に有用と考えられた。本研究結果は、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のCynthia C. Woo氏らによって、Frontiers in Neuroscience誌2023年7月24日号で報告された。香りの違いで記憶機能に226%の有意な改善が認められた 認知機能障害や認知症のない60~85歳の男女43人を対象とした。睡眠時にエッセンシャルオイルの香りに曝露する群(嗅覚刺激群)、微量の匂い物質の香りに曝露する群(対照群)に1対1の割合で無作為に割り付け、6ヵ月間嗅覚刺激を実施した。嗅覚刺激群は、7種類のエッセンシャルオイルを用いて、毎晩1種類ずつ2時間曝露した。対照群は、同様に微量の匂い物質の香りに曝露した。ベースライン時と6ヵ月後において、神経心理学的評価と機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた脳機能の解析を行った。記憶機能は、Rey Auditory Verbal Learning Test(RAVLT)を用いて評価した。また、Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd edition(WAIS-III)を用いた知能検査も実施した。 睡眠時にエッセンシャルオイルの香りに曝露して記憶機能を評価した主な結果は以下のとおり。・6ヵ月後におけるベースライン時からのRAVLTスコア(第5試行)の変化量(標準偏差)は、微量の匂い物質の香りに曝露した対照群が-0.73点(1.74)であったのに対し、エッセンシャルオイルの香りに曝露した嗅覚刺激群は0.92点(1.31)であり、嗅覚刺激群は対照群と比較して226%の有意な改善が認められた(p=0.02)。・知能検査については、両群間に有意差は認められなかった。・嗅覚刺激群は対照群と比較して、左鉤状束※の平均拡散能(mean diffusivity)が有意に増加した(p=0.02)。・ベースライン時の14日間の平均睡眠時間と6ヵ月後における14日間の平均睡眠時間を比較した結果、微量の匂い物質の香りの対照群は3分減少したのに対し、エッセンシャルオイルの香りの嗅覚刺激群は22分増加した。※ 鉤状束はエピソード記憶、言語、社会的感情処理などの機能を担っていることが示唆されており、加齢やアルツハイマー病によって機能が低下するとされている。

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