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医者になっても同期のつながりってあるの?【医学生お悩み相談ラヂオ】第21回

動画解説今回は、試験勉強や医師としての働き方ではなく、友人とのつながりに関するご相談。学生時代に仲良くなった同期生も、卒業すれば勤務地も別々となり離ればなれに。医師になって関係が切れてしまったら寂しいと医学部4年生の女性が訴えます。先輩医師の立場からのえど先生の回答に、みなさん、ほっとするのではないでしょうか。

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抗うつ薬治療抵抗性うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法~国内第II/III相ランダム化比較試験

 抗うつ薬への治療反応が不十分であることは、効果的なうつ病治療の妨げとなる。関西医科大学の加藤 正樹氏らは、抗うつ薬治療で効果不十分な日本人うつ病患者を対象に、ブレクスピプラゾール補助療法の投与量、有効性、安全性を評価するため、国内第II/III相ランダム化比較試験であるBLESS試験を実施した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2023年11月7日号の報告。 BLESS試験は、8週間の単盲検期間では抗うつ薬治療で効果不十分であった日本人治療抵抗性うつ病患者を対象としたプラセボ対照ランダム化多施設共同並行群間第II/III相試験である。SSRI/SNRI治療で効果不十分なうつ病患者を対象に、6週間のブレクスピプラゾール1mg、2mgまたはプラセボの補助療法を行う群にランダムに割り付けられた。治療抵抗性うつ病患者の定義は、1~3の抗うつ薬治療では、ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)合計スコア14以上と効果不十分であった患者とした。主要エンドポイントは、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)合計スコアのベースラインからの変化とした。副次的エンドポイントは、MADRSによる治療反応、寛解率、臨床全般印象度の改善度(CGI-I)スコアとした。安全性は、とくに抗精神病薬の有害事象に関して包括的に評価した。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニング対象患者1,194例中740例をランダム化した。・ベースライン時およびベースライン後のMADRS合計スコアは、1以上であった。・対象患者の内訳は、ブレクスピプラゾール1mg群248例、ブレクスピプラゾール2mg群245例、プラセボ群243例であった。・MMRM分析では、6週目のMADRS合計スコアのベースラインからのLSM(SE)変化は、ブレクスピプラゾール1mg群で-8.5±0.47(調整済み対プラセボ群変化量の差:-1.7、95%信頼区間[CI]:-3.0~-0.4、p=0.0089)、ブレクスピプラゾール2mg群で-8.2±0.47(同:-1.4、95%CI:-2.7~-0.1、p=0.0312)、プラセボ群で-6.7±0.47であった。・副次的有効性の結果は、主要エンドポイントを裏付けていた。・ブレクスピプラゾール補助療法の忍容性は、良好であった。 著者らは「抗うつ薬治療で効果不十分な日本人治療抵抗性うつ病患者に対するブレクスピプラゾール補助療法は、1mg/日および2mg/日のいずれも有用であり、忍容性も良好であり、ブレクスピプラゾール補助療法における開始用量は、1mg/日が適切であることが示唆された」としている。

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糖質制限or脂質制限、向いている食事療法を予測/京都医療センター

 米国糖尿病予防プログラム(DPP)やフィンランド糖尿病予防研究では低脂肪食が糖尿病に有効との報告がある一方で、糖質制限が減量に有効であるとの報告もある。それでは、目の前の患者さんにどのような食事療法を指導していけばいいのだろうか。 この問題を解決するために、坂根 直樹氏(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室)らの研究グループは、PwCグループが開発した膵臓・肝臓・脂肪など臓器間のネットワークを含めたシミュレーションモデル(機序計算モデル)を用いて、糖尿病の食事療法の個別化分析を行った。PLOS ONE誌2023年11月30日号の報告。112例の糖質と脂質の割合を変えたシミュレーションを実施 糖尿病予防のための戦略研究J-DOIT1(研究リーダー:葛谷 英嗣氏)の2,607例(中央値4.2年のフォローアップ期間)のデータを用いた。生活習慣介入を受けた介入群(1,240例)から最も結果が良かった者と悪かった者を抽出し、それに合わせたデータセットを対照群(1,367例)から抽出した(合計112例)。体重とHbA1cの時間的変化について機序計算モデルを用いてシミュレーションを行った。生理学的なパラメーター(インスリン感受性など)とライフスタイルのパラメーター(食事摂取など)との関連性を評価した。最後に、体重減少と血糖改善のための個別に最適化されたダイエットを予測するためにシミュレーションを行った。 主な結果は以下のとおり。・本モデルを用いることで、生活習慣介入による体重とHbA1cの時間的変化(4年間)を、それぞれ1.0±1.2kgと0.14%±0.18%の平均予測誤差で予測することができた。・最も改善された生体標識と最も改善されなかった生体標識を持つ個人間では、モデル推定のエネルギーバランスに有意な差はみられず、エネルギーバランスだけでは体重の予測をする良い因子とはなり得なかった。・糖質と脂質の割合を変えたシミュレーションを行うことで、個別に糖質制限が向いているか、低脂肪食が向いているかを予測することができた。たとえば、被験者41が減量に成功(5~7%減)するには、炭水化物の割合を10~20%程度減らすとよいと予測されたのに対し、被験者44では炭水化物の割合ではなく、脂質を10~20%制限する必要があると予測された。・さらに、被験者41が減量だけでなく、血糖も改善(HbA1c0.1~0.2%減)するには脂質の割合を±20%程度に留めておく必要があると予測された。 この結果から坂根氏は「従来、平均化されたエビデンスから平均的な医療が提供されることが多かった。本モデルを用いることで、この人には緩やかな糖質制限、この人には脂質制限と糖尿病食事療法というように個別化できるようになる。さらに、極端に糖質制限をしなくとも、減量と血糖改善は可能であり、脂質はいくらでも増やしてもいいわけではないことも説明できる。今後は、このモデルを用いた生活習慣介入試験を実施する必要がある」と展望を語っている。

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生後6ヵ月~4歳へのコロナワクチン、救急受診・入院予防に40%有効/CDC

 米国では2022年6月より、新型コロナウイルスの起源株に対する1価mRNAワクチンが、生後6ヵ月~4歳児に推奨となった。米国疾病予防管理センター(CDC)は、2022年7月~2023年9月における乳幼児への新型コロナワクチンの有効性を評価したところ、ワクチン未接種と比較すると、2回以上のコロナワクチン接種は、救急外来受診と入院の予防に40%有効であることが認められた。本結果はCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌2023年12月1日号に掲載された。 生後6ヵ月~4歳への新型コロナワクチンは、2022年6月に起源株対応1価ワクチン、2022年12月~2023年4月にオミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンが米国にて承認された。この年齢層におけるワクチン接種率は成人よりも著しく低く、2023年1月以降、幼児における新型コロナワクチンの1次接種完了の割合は米国で約5%となっている。なお、1次接種の回数は、ファイザー製では3回、モデルナ製では2回。 本研究では、7つの小児医療センターの急性呼吸器感染症(ARI)に関する集団ベースの前向きサーベイランスであるNew Vaccine Surveillance Network(NVSN)にて、2022年7月1日~2023年9月30日の期間に登録された6ヵ月~4歳の小児7,434例を対象とした。COVID-19によるARI患児の救急外来受診および入院を予防するワクチンの有効性(VE)を、ロジスティック回帰モデルを用いて推定し、ワクチン未接種者と1回または2回以上のワクチン接種を受けた者のオッズをSARS-CoV-2陽性患者とSARS-CoV-2陰性患者で比較した。 主な結果は以下のとおり。・試験期間中、救急外来または病院で登録されたARIを有する6ヵ月~4歳児7,434例のうち、387例(5.0%、年齢中央値15ヵ月)がSARS-CoV-2検査で陽性となり、7,047例(95.0%、22ヵ月)が陰性となった。・SARS-CoV-2陽性群の140例(36.2%)でほかの呼吸器ウイルスが検出され、ライノウイルス/エンテロウイルス(RV/EV)がその約50%、RSウイルスが21.4%を占めていた。一方、SARS-CoV-2陽性群(7,047例)では、RV/EVが全体の36.7%、RSウイルスが17.1%を占めていた。・ARIを発症した乳幼児の85.8%が新型コロナワクチンを接種していなかった。1回接種者は3.8%、2回以上接種者は10.4%であった。・2回目接種率は地域差および人種差が大きかった。地域差は各施設で3.9~27.9%、白人で19.0%、黒人/アフリカ系で2.5%だった。・ワクチンを2回以上接種した小児は、未接種の小児よりも年齢が高かった(年齢中央値 2回以上接種:27ヵ月vs.未接種:21ヵ月)。・未接種者と比較した場合、ワクチンを2回以上接種した乳幼児のワクチンの有効性(VE)は、COVID-19関連の救急外来受診および入院の予防に対して40%(95%信頼区間[CI]:8~60)であり、最終接種からの間隔の中央値は93日(IQR:51~172)であった。・COVID-19関連の救急外来受診および入院の予防に対するワクチン1回接種の有効性は31%(95%CI:-27~62)であったが、95%CIにnull値が含まれていた。 著者は本結果について、ARIで救急受診または入院した乳幼児において、ワクチン2回以上の接種率は10.4%と低いものの、SARS-CoV-2陽性も5%と低い割合であり、この年齢層が過去に軽度のCOVID-19を経験するなど、免疫防御を有する可能性を示唆している。乳幼児へのワクチンは有効だが、ワクチン接種率と医療行為を受けたCOVID-19発生率が低いため、ワクチン効果の推定値の精度は制限されていると述べている。

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最新の制吐療法、何が変わった?「制吐薬適正使用ガイドライン」改訂

 『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』が発刊された。本書は2015年10月【第2版】(Web最新版ver.2.2)を全面改訂したもので、書籍としては8年ぶりの改訂となる。悪心・嘔吐治療の基本は“過不足ない適切な発現予防を目指す”ことであることから、制吐薬適正使用ガイドライン第3版では、がん薬物療法の催吐性リスクに応じた適切な最新の制吐療法を提示するのはもちろん、有用性が明確ではないまま行われている非薬物療法のエビデンスに基づいた評価、患者サポートとして医療現場で行うべき制吐対応などにも焦点が当てられている。今回、ガイドライン改訂ワーキンググループ委員長の青儀 健二郎氏(四国がんセンター乳腺外科 臨床研究推進部長)に主な制吐薬適正使用ガイドライン改訂ポイントについて話を聞いた。制吐薬適正使用ガイドライン改訂で用法・用量を図式化 まず、『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』は8つの章で構成されている。第I章のガイドライン概要にはアルゴリズム、用法・用量を図式化したダイアグラムが明記され(p.18)、第II章の総論では各種抗がん薬の催吐性リスク分類を掲載(p.29~35)。これらを組み合わせれば、患者のレジメンに応じた制吐対策が誰でも確認可能なのが一つの特徴である。なお、悪心・嘔吐の発現時期や状態の定義は以下のとおり制吐薬適正使用ガイドライン前版からの変更はない。<悪心・嘔吐の定義>・急性期悪心・嘔吐:抗がん薬投与開始後24時間以内に発現する悪心・嘔吐・遅発期悪心・嘔吐:抗がん薬投与開始後24~120時間(2~5日目)程度持続する悪心・嘔吐・突出性悪心・嘔吐:制吐薬の予防的投与にもかかわらず発現する悪心・嘔吐・予期性悪心・嘔吐:抗がん薬のことを考えるだけで誘発される悪心・嘔吐*急性期と遅発期を合わせて全期間(抗がん薬投与開始から5日間程度)とする。*抗がん薬投与開始120時間後以降(6日目以降)も持続する超遅発期悪心・嘔吐(beyond delayed nausea and vomiting)も注目されている。制吐薬適正使用ガイドライン改訂にオランザピンの影響力強く 『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』第III~VII章には推奨やステートメントが盛り込まれており、Clinical Question(CQ)全12項目、Future Research Question(FQ)全3項目、Background Question(BQ)全13項目が設けられている。とくに、適応外使用されていた非定型抗精神病薬オランザピン(商品名:ジプレキサ ほか)が2017年に本邦でのみ「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」に対して保険適用となり、急性期・遅発期ともに有効な新たな制吐薬として使用可能になった点、予防的制吐療法としてオランザピン処方が開発された点が制吐薬適正使用ガイドライン改訂に大きな影響を与えている(CQ1、4、5参照)。また、遅発期のデキサメタゾン投与省略のエビデンスが示されたこと(CQ2、6参照)、中等度催吐性リスク抗がん薬に対するNK1受容体拮抗薬の予防的投与について新たなエビデンスが示された(CQ3)。 同氏は「オランザピン投与に際し、傾眠などの副作用を考慮して国内では1日の投与量を5mg(1日量は最大10mg)に設定している。また、糖尿病への投与について、海外では禁忌ではないため糖尿病患者にも注意したうえで処方がなされているが、“国内では禁忌”のため、本書ではオランザピン投与の推奨を国内版にアレンジしている」とし、「この点が国内でのオランザピン処方拡大の足かせになっている」と処方におけるジレンマについても語った。制吐薬適正使用ガイドライン改訂で非薬物療法も記載 続いて『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』第VI章では、第2版では取り上げなかった非薬物療法による制吐療法にも踏み込み、患者から希望を受けた際にどのような根拠を基に説明するべきか、文献のシステマティックレビューに基づいた具体的な内容が記載されている(CQ10、11参照)。非薬物療法に該当するものとして、以下が挙げられる。・ショウガ   ・鍼      ・経皮的電気刺激   ・指圧   ・運動    ・漸進的筋弛緩 ・ヨガ     ・アロマ       ・食事   ・音楽   ・呼吸     ・患者教育   ・オステオパシー   ・リフレクソロジー  ・マッサージ  ・セルフケア  ・ベッドサイドウェルネス 同氏は「悪心・嘔吐ならびに予期性悪心・嘔吐に対して非薬物療法を併施しないことを弱く推奨する、で合意に至った。これまでの治療の明確化のみならず手広く実臨床でニーズがあるものを拾い集めたうえで議論を重ねた」とコメントした。なお、技法全般を総括すると、鍼治療による悪心抑制(エビデンスの強さ:C[弱])、運動療法による悪心・嘔吐抑制(同:D[非常に弱い])、アロマ療法による悪心抑制(同D[非常に弱い])で有意な効果を認め、制吐薬適正使用ガイドラインにはランダム化比較試験が2編以上抽出された9つの技法について、システマティックレビューのまとめを記載している(p.120~141参照)。制吐薬適正使用ガイドラインの今後の課題は“超遅発期”対応 このほか『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』第VII章では制吐療法の評価と患者サポート、第VIII章では医療経済評価に触れている。患者サポートの例としては、昨今、世界的にも注目を集めている超遅発期への対応が該当する。超遅発期の悪心・嘔吐は退院後も尾を引き、自宅生活を送るなかで生じるため医療者の目に触れにくく、在宅療養中のためにエビデンス収集できていないのが現状である。「患者の声を受け取りしっかりフォローできるかどうか、看護師を中心にエビデンスを収集し方針を固めた。そして、超遅発期にも応用できる制吐療法を提言していきたい」と同氏は今後の課題にも触れた。一方で、医療経済面においては「日本治療学会で行ったアンケート調査によると、制吐療法を手厚く行う施設も散見されるため、ぜひ本書の催吐性リスク分類を参照にしたり、1サイクル目に悪心がなかった患者には2サイクル目から制吐薬を一部減らせるかなどを検討したりしてもよいのではないか」と説明した。 今後の動向として、「ガイドライン発刊前後での診療動向の変化を調査するため、改訂ワーキンググループ主導で本書の普及率に関するWebアンケート調査を行った。来年も調査を行い学会などで報告することで制吐療法の適正使用の啓発に努めていく」と締めくくった。

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治療歴のあるHER2+転移乳がん、アベルマブ追加でPFS改善(AVIATOR/TBCRC045)/SABCS2023

 治療歴のあるHER2+転移乳がんに対して、標準治療である化学療法+トラスツズマブに、抗PD-L1抗体であるアベルマブを追加することで無増悪生存期間(PFS)が有意に改善することが示された。一方、化学療法+トラスツズマブ+アベルマブに、4-1BBアゴニストであるutomilumabを追加してもPFSの改善はみられなかった。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAdrienne G. Waks氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023)で発表した。 本試験は、HER2+転移乳がんに対して、化学療法+トラスツズマブにアベルマブおよびutomilumabを併用した場合の有効性と安全性を検討した無作為化第II相試験である。・対象:トラスツズマブ/ペルツズマブ/T-DM1の治療歴がある進行HER2+乳がん(ビノレルビン/免疫チェックポイント阻害薬の治療歴がある患者は除外)100例・試験方法:ビノレルビン+トラスツズマブ(NH)群、ビノレルビン+トラスツズマブ+アベルマブ(NHA)群、ビノレルビン+トラスツズマブ+アベルマブ+utomilumab(NHAU)群に1:2:2で無作為に割り付け・評価項目:[主要評価項目]PFS[副次評価項目]全奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性/忍容性※当初、NHA群とNH群、NHAU群とNHA群で比較予定だったが、2021年utomilumabの開発が中止され、中間無益性解析でNHAU群のNHA群に対するPFSのハザード比(HR)が1.14(p=0.32)であったことからNHAU群を終了した。 主な結果は以下のとおり。・NHA群(45例)は NH群(18例)に比べて PFS を有意に改善し(HR:0.56、90%信頼区間[CI]:0.31~0.91、片側log rank検定p=0.025)、中央値はNH群2.0ヵ月、NHA群3.8ヵ月だった。・ORRは、NH群11.1%に対してNHA群20.0%、DOR中央値は、NH群が評価不能、NHA群が15.8ヵ月だった。・患者全体において、治療前の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が10%以上の患者では10%未満の患者よりPFSが良好な傾向を示した(HR:0.55、90%CI:0.29~1.04)。一方、PD-L1 CPSが1以上と1未満でPFSに差はみられなかった(HR:0.77、90%CI:0.43~1.36)。・Grade3/4の試験治療下における有害事象(TEAE)は、NH群61.1%、NHA群62.2%とほぼ同等だった。NHA群でGrade3の免疫関連有害事象が2例発現した(副腎機能不全、AST上昇)。予期しないTEAEは認められなかった。 Waks氏は「治療歴のあるHER2+転移乳がんに対する免疫チェックポイント阻害のさらなる研究が必要」と述べた。

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急性中毒疑いの昏睡患者、非侵襲的気道管理は有効か/JAMA

 急性中毒が疑われる昏睡状態の患者では、気管挿管を行わない保存的な治療は通常治療と比較して、院内死亡、集中治療室(ICU)入室期間、入院期間の複合エンドポイントに関してより大きな臨床的有益性をもたらし、挿管に伴う有害事象や肺炎も少ないことが、フランス・ソルボンヌ大学のYonathan Freund氏らが実施した「NICO試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年11月29日号に掲載された。フランス21施設の非盲検無作為化臨床試験 NICO試験は、フランスの20の救急診療部と1つのICUが参加した非盲検無作為化臨床試験であり、2021年5月~2023年4月に患者の無作為化を行った(フランス保健省の助成を受けた)。 急性中毒が疑われ、グラスゴー昏睡尺度(GCS)のスコアが9点未満の昏睡状態にある患者225例(平均年齢33歳、女性38%)を登録し、気管挿管を行わない保存的な気道管理を受ける群(介入群)に116例、通常治療を受ける群(対照群)に109例を無作為に割り付けた。 介入群では、緊急挿管基準を満たす場合を除き挿管を行わず、対照群では、挿管の可否の決定は治療を行う救急医の裁量とした。 主要エンドポイントは、院内死亡、ICU入室期間、入院期間の複合とし、副次エンドポイントは、挿管に起因する有害事象、48時間以内の肺炎の発症などであった。主要エンドポイントは介入群で優れる ベースラインの全体のGCSスコア中央値は6点(四分位範囲[IQR]:3~7)で、主な毒素はアルコール(67%)であった。挿管を受けた患者は、介入群が19例(16.4%)、対照群は63例(57.8%)だった。 両群とも入院中に死亡した患者はいなかった。ICU入室期間中央値は、対照群の24.0時間(IQR:0~57.0)と比較して、介入群は0時間(0~18.5)と短かった(率比[RR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.24~0.66)。また、入院期間中央値は、対照群が37.0時間であったのに対し、介入群は21.5時間だった(RR:0.74、95%CI:0.53~1.03)。 これらのデータに基づき、主要エンドポイントに関する臨床的有益性は、介入群で有意に優れることが示された(勝利比[win ratio]:1.85、95%CI:1.33~2.58)。不必要な挿管を回避できる可能性 介入群では、機械換気を受けた患者の割合が低く(18.1% vs.59.6%、絶対群間リスク差:-42.5%、95%CI:-54.1~-30.9)、挿管による有害事象の発生率も低かった(6.0 % vs.14.7%、絶対群間リスク差:-8.6%、95%CI:-16.6~-0.7)。 また、挿管後の肺炎も、介入群で発生頻度が低かった(6.9% vs.14.7%、絶対群間リスク差:-7.8%、95%CI:-15.9~0.3)。 著者は、「これらの知見は、実臨床において重要な意味を持つ。保存的治療を用いれば、急性中毒で昏睡状態にある患者において不必要な挿管を回避し、有害事象のリスク低下につながる可能性がある」とし、「この試験は盲検化されていなかったため、ホーソン効果(Hawthorne effect)により、医師の行動と挿管の決定に影響を及ぼした可能性がある」と指摘している。

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第174回 2024年度診療報酬改定の基本方針、医療DXと人材確保が焦点に/厚労省

<先週の動き>1.2024年度診療報酬改定の基本方針、医療DXと人材確保が焦点に/厚労省2.1%の薬価引き下げで医療費抑制と処遇改善へ、製薬産業が犠牲に/厚労省3.健康保険証廃止、マイナ保険証への移行は予定通りの2024年秋か/政府4.特許切れの先発品を希望した患者の自己負担増、来年度から/厚労省5.急増する高齢者対策、2025年夏から介護保険利用料の2割負担を拡大へ/厚労省6.カテーテル治療後の死亡事例、さらに10例を追加調査へ/神戸徳洲会病院1.2024年度診療報酬改定の基本方針、医療DXと人材確保が焦点に/厚労省 厚生労働省は、12月8日に社会保障審議会の医療部会と医療保険部会で「2024年度の診療報酬改定に関する基本方針案」を提示し、大筋で了承された。今回の改定の主な柱は、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)、物価高騰を考慮した賃金上昇、人材確保、医師らの働き方改革であり、これらに取り組むとしている。改定の重点課題としては、人材確保と働き方改革の推進が挙げられ、医療従事者の賃上げを促す方向性が打ち出された。とくに「コメディカル」の賃金格差の解消と人材流出の防止を目指す。また、地域包括ケアシステムの推進や医療機能の分化・強化、連携の推進といった従来の取り組みも強化する。基本方針案では、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけにデジタル化の遅延が明らかになったことを受け、マイナ保険証や電子カルテの活用による医療機能の強化を明記された。また、医療従事者の長時間労働といった厳しい勤務環境の改善も強調されている。医療部会では、医療従事者の処遇改善、医療DXの推進、高齢者の救急医療の充実などに関する意見が出されたほか、医療保険制度の持続可能性を向上させるために効率化・適正化も議論された。今後、この基本方針をもとに、来年度の当初予算案を閣僚間で最終調整する「大臣折衝」を経て、改定幅が年内に最終決定される。参考1)令和6年度診療報酬改定の基本方針(厚労省)2)診療報酬改定の基本方針案、大筋了承 社保審部会 医療DX、人材確保強化(産経新聞)3)24年度診療報酬改定の基本方針案を了承 社保審の2部会、重点課題は1つに(CB News)2. 1%の薬価引き下げで医療費抑制と処遇改善へ、製薬産業が犠牲に/厚労省厚生労働省は、2024年度の診療報酬改定において、医薬品の公定価格の「薬価」を市場取引価格に近付けるため、約1.0%程度の引き下げを検討している。この措置により、医療費の約4千億円が抑制され、国費1千億円程度の圧縮が見込まれている。さらに厚労省は医療従事者、とくに看護補助者らの賃上げを実施した医療機関に対して、報酬を加算する仕組みの導入を検討している。この賃上げの加算は、実績に応じて報酬を増やす仕組みであり、厚労省と財務省が対象職種や加算金額を協議している。診療報酬は、薬価部分と医師や医療従事者らの人件費に当たる「本体」部分から成り立っており、今後の本体部分の改定率が焦点となる。日本医師会は賃上げの実現に向けて増額を訴えているが、財務省は診療所の利益が多いとして引き下げを主張している。厚労省は、看護職員処遇改善評価料を超える幅広い職種の賃上げにつなげるための仕組みを中央社会保険医療協議会(中医協)の分科会で検討する方針だが、具体的な処遇改善策は年明けに示される予定で、看護職員に限らず医療現場で働く全職種の賃上げが必要とされている。一方、わが国の製薬業界は、薬価の過度な抑圧により、構造的デフレ産業に陥るリスクが指摘されている。新薬開発の成功率が低く、とくにわが国の薬価制度では革新的な医薬品の価格が低く抑えられる傾向にあり、日本市場の魅力が失われたため、新薬の発売が米国や欧州市場よりも遅れる「ドラッグ・ラグ」や、まったく発売されない「ドラッグ・ロス」が問題となっている。今年4月、日本製薬工業協会(JPMA)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)からなる日米欧製薬3団体は来年度の改定にあたって、薬価制度改革への提言を行い、患者の新薬へのアクセスを確保し、企業が次世代の治療法やワクチンに再投資できるようにするために、新薬を開発する企業のイノベーションを推進するような薬価制度への移行を求めていた。なお、今年の11月に開催された中医協の薬価専門部会では、ドラッグ・ロスに陥っている医薬品86品目のうち39品目が「わが国にはその病気に対する既存薬がない」と報告されていた。参考1)「薬価」1%引き下げを検討 診療報酬改定、賃上げで加算も(共同通信)2)薬価1%引き下げ検討 診療報酬、賃上げで加算も 6年度改定、厚労省(産経新聞)3)診療報酬の処遇改善策、年明けに具体案 中医協の分科会で枠組み検討へ(CB News)4)2024年度(令和6年度)薬価制度改革への提言(製薬協)5)「薬のないニッポン」 薬価抑圧が招いた危機(日経新聞)6)薬価下落、製薬業は「構造的デフレ」 制度見直し求め自民議連が提言(朝日新聞)3.健康保険証廃止、マイナ保険証への移行は予定通りの2024年秋か/政府政府は、現行の紙の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針を明らかにしている。岸田 文雄首相が12日に開催予定の「マイナンバー情報総点検本部」で、予定通り2024年秋に廃止の方針を表明する見通しという報道があった。これに対して武見 敬三厚生労働大臣は、12月8日の記者会見で「決定した事実はない」と述べ、国民の不安を払拭する発言を行った。政府は、マイナンバーカードのトラブルを受けて総点検を行い、その結果を踏まえて最終判断を下す意向。政府関係者によると、マイナ保険証への移行には問題がないと判断されている。これまでデジタル庁の「マイナンバー情報総点検本部」による点検では、マイナ保険証や障害者手帳のひも付けに関する誤りが確認されたが、政府は再発防止策を整え、国民の理解を得る方針。来秋の保険証廃止後も、最長1年間は現行の保険証が利用でき、マイナ保険証を取得していない人には「資格確認書」が発行される予定。厚生労働省は「医療DX令和ビジョン2030」の実現に向けて、マイナンバーカードの普及、さらに利活用推進を進めており、医療・介護の情報共有化に向けて「医療DXの推進に関する工程表」を公開している。医療・介護業界はさらに情報連携のためにIT投資を求められる見込み。参考1)医療DXについて(厚労省)2)医療DXの推進、マイナ保険証の利用及び電子処方箋の導入に関する状況について(同)3)健康保険証の廃止時期「方向性決定の事実ない」武見敬三厚労相(産経新聞)4)現行の健康保険証の廃止、予定通り来年秋…マイナ保険証への移行に問題なしと判断(読売新聞)5)保険証「来秋」廃止方針を維持 12日にも首相表明 政府(時事通信)4.特許切れの先発品を希望した患者の自己負担増、来年度から/厚労省厚生労働省は、12月8日に開かれた「社会保障審議会医療保険部会」で、2024年度中にも後発薬(ジェネリック医薬品)がある先発薬を希望した患者の窓口負担の金額を引き上げる方針を示した。具体的には、発売から5年以上経過した先発品を対象に、ジェネリック医薬品との価格差の一部を患者が全額自己負担する案が提案されている。たとえば、先発品が500円、ジェネリックが250円の場合、窓口負担が3割の患者では、現在150円を支払っているものが200円から250円に増える計算。厚労省は、後発薬との差額の4分の1(25%)を患者の負担に上乗せする案を中心に検討している。この方針により、国費で100~250億円の財政効果が見込まれ、創薬力強化や後発薬の安定供給策に活用される予定。また、医師が先発薬の処方を必要と判断した場合は対象外となる。病気によっては診療ガイドライン上で薬の変更が望ましくないものもあり、これらの状況には配慮されることになっている。この方針に対して、患者の追加負担に関するさまざまな意見が出されており、患者は負担増に敏感であるため、負担は広く薄くすることが望ましいとの声もある。また、薬局など現場での混乱を防ぐため、処方箋様式の見直しについても検討が進められている。参考1)第172回 社会保障審議会医療保険部会(厚労省)2)先発医薬品希望する患者 窓口負担引き上げの方針 厚労省(NHK)3)後発品のある先発薬利用、差額の一部自己負担 厚労省検討 来年度にも、25%程度(日経新聞)4)24年度予算編成作業本格化 長期収載品の選定療養 財政効果は「400億~1000億円」 自民党医療委(ミクスオンライン)5.急増する高齢者対策、2025年夏から介護保険利用料の2割負担を拡大へ/厚労省厚生労働省は、12月7日に「社会保障審議会介護保険部会」を開き、介護保険サービスの利用料について、2割負担の対象拡大を早ければ2025年8月から実施する方針を示した。現在、介護保険の利用者は1割負担が基本で、一定以上の所得者は2割、現役並み所得者は3割負担となっている。政府が少子化対策の財源確保と社会保障制度の持続可能性を高めるために、負担割合の見直しを2024年度に実施する計画を立てていたが、システム改修や利用者への周知に時間が必要とされるため、実施時期が遅れることになった。厚労省では、2割負担の対象者を拡大するために、年収基準の引き下げなどを提案しているが、この提案に対して、介護サービスの利用控えや生活への影響を懸念する声が多く、審議会では慎重な判断を求める意見が出された。政府は、介護保険の制度改革は、保険制度を維持するために必要とされ、高齢者人口の増加と介護給付費の増大に対応するため不可欠であり、介護保険の1号被保険者(65歳以上)が支払う保険料の見直しや、介護医療院などの室料負担の変更も検討している。また、政府は、物価高によって生じている介護事業者の経営環境の悪化を踏まえ、介護報酬の引き上げと利用者負担の見直しを併せて議論を続け、来年度の介護報酬の改定幅を年末までに決める方針。参考1)介護保険利用料、2割負担拡大 来年度の導入を事実上断念 厚労省(朝日新聞)2)介護2割負担の範囲拡大、早ければ25年8月施行 年収基準引き下げで9類型提示、厚労省(CB News)3)介護2割負担拡大、年内決定へ 年収190万円以上で試算(日経新聞)4)第109回 社会保障審議会介護保険部会(厚労省)6.カテーテル治療後の死亡事例、さらに10例を追加調査へ/神戸徳洲会病院神戸徳洲会病院で、今年1月以降にカテーテル治療を受けた複数の患者が死亡した問題が今年の7月に発覚していたが、具体的な死亡事例の数は11件に上ることがわかった。一連の死亡事例は、循環器内科医によるカテーテル処置に関連しているとされ、神戸市保健所は今年8月に、病院の医療安全管理体制に問題があったとして行政指導を実施した。病院側は、これまで2件の死亡事例について国の医療事故調査制度に基づいて調査を進めていたが、新たに10件の死亡や合併症の事例が調査対象に追加された。病院のホームページによると、男性医師によるカテーテル処置150件のうち、11件が死亡例であったことを明らかにされた。現在、病院側は、死亡と処置の関連について外部の専門家を交えた検証を進めており、病院は当初の2例と新たな10例の結論は2024年3月末を目途に結論を出すとしている。カテーテル治療後の患者死亡を巡っては、今年の9月に被害者救済の弁護団が設立されており、民事訴訟など今後予想されている。参考1)【第2報】当院循環器内科におけるカテーテル治療・検査に関する経過報告について(神戸徳洲会病院)2)カテーテル手術で患者死亡、10件追加調査 神戸徳洲会病院(産経新聞)3)被害者支援へ弁護団を結成 神戸徳洲会病院の患者死亡(同)4)カテーテル治療後に複数死亡、神戸徳洲会病院が別の10例も調査 外部専門家ら、来年3月末をめどに結論(神戸新聞)

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第68回 ROC解析で算出したカットオフ値【統計のそこが知りたい!】

第68回 ROC解析で算出したカットオフ値カットオフ値(Cutoff value)とは、定量データを区切るために用いる基準の値のことです。医療分野に絞って言えば、ある検査の陽性、陰性を分ける値のことで「病態識別値」とも呼ばれます。検査結果によって、特定の疾患に罹患した患者と罹患していない患者を分ける境界値のことです。前回第67回では、2×2分割表のクラメール連関係数で算出するカットオフ値について紹介しましたが、今回はROC解析で算出するカットオフ値について解説します。■ROC解析ROC解析について解説します。ROC曲線は第2次世界大戦中にレーダーの性能評価をするために開発されました。現在では、工業、医療などさまざまな分野で利用されています。ROCは“Receiver operating characteristic”の略です。ROC解析は、カットオフ値を連続的に変化(例題では表1 BMI30~21)させたときの、感度と100%から特異度を引いた値(1-特異度)を用います。縦軸(y軸)を感度とし、横軸(x軸)を1-特異度とするグラフ上に、感度および1-特異度をプロットして、グラフを作成します。こうして描かれた曲線が「ROC曲線」です。本事例におけるROC曲線のグラフを示します(表1、図1)。表1 感度、1-特異度図1 感度と1-特異度のROC曲線ROC曲線を用いて、最適なカットオフ値の求め方を示しますが、それには2つの方法があります。【方法(1)】グラフの左上隅の起点座標(0%、100%)から点までの距離が最小の検査結果が最適なカットオフ値です。例題では、横軸7.1%、縦軸83.3%の点まで距離が18.1%で最小です。そのBMIは26です。よって最適なカットオフ値は26です(表2、図2)。表2 起点から点までの距離(横:x、縦:y)図2 感度と1-特異度のROC曲線【方法(2)】点座標(0%、0%)と点座標(100%、100%)を結ぶ直線を引きます。点から直線までの距離を求めます。距離が最大の検査結果が最適なカットオフ値です。例題では、横軸7.1%、縦軸83.3%の点から直線まで距離が53.9%で最大です。そのBMIは26です。よって最適なカットオフ値は26です(表3、図3)。表3 点から斜線までの距離(横:x、縦:y)図3 感度と1-特異度のROC曲線用いる方法によっては、求めた最適なカットオフ値が異なることがあります。どれを選ぶかは分析者の判断に委ねられます。■検査の有用性を調べる方法について検査は、どれくらい有用性があるのかを調べる方法を説明するために、2つのケースを示します。【ケース1】表4のBMI26以上の10人は全員が陽性、BMI26未満の10人は全員が陰性です。検査陽性者(BMI検査で陽性と判定された患者)は全員疾患(疾病有無で陽性の患者)があり、検査陰性者は全員疾患がないと判定できる検査です。クラメール連関数の最大は1.000で当然ながらカットオフ値は26となります。表4 ケース1の検査結果画像を拡大するケース1のROC曲線を描きました(図4)。曲線で囲まれる面積は1(100%)となります。陽性と陰性を完璧に分ける理想的な検査の面積は100%となります。図4 ケース1のROC曲線【ケース2】表5のように疾患の有無で陰性10人のBMI検査は21~30です。陽性10人のBMI検査も21~30で、どのカットオフ値も陽性と陰性を判別することができていません。表5 ケース2の検査結果画像を拡大する図5にROC曲線を描いてみました。曲線で囲まれる面積は0.5(50%)となります。陽性と陰性をまったく判別できない検査における面積は、このように50%となります。図5 ケース2のROC曲線■AUCAUC(Area Under the Curve)とは、ROC曲線の下側の面積のことです。AUCはある検査が、どれくらい有用性があるのかを調べる指標です。先述の例からわかるように、陽性と陰性をまったく判別できない検査のときにAUCが0.50(50%)になり、陽性と陰性をきちんと判別できる検査のときにAUCは1(100%)になります。表1のAUCを図6に示します。AUCは92.3%で100%に近く有用性のある検査といえます。図6 表1のROC曲線この検査が母集団についても有用性があるかは1群母比率検定で調べることができます。帰無仮説:AUCは0.5(50%)である。対立仮説:AUCは0.5(50%)より大きい(片側検定)。p値はExcel関数で求めることができます。=1-NORMSDIST(検定統計量)→0.0001「p値<0.05より、BMI検査は有用な検査である」といえる結果となります。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第50回 クラメール連関係数とは?第51回 期待度数がわかれば簡単! クラメール連関係数の計算法特別編 カットオフ値とROC解析

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外傷の処置(6)外傷へのトラネキサム酸【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q96

外傷の処置(6)外傷へのトラネキサム酸Q96前回、鼻出血に対するトラネキサム酸の使用について触れた。今回は外傷への使用を取り上げる。出血リスクのある外傷患者に対して、どれぐらい早くトラネキサム酸を投与するべきだろうか。

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事例037 鼻腔・咽頭拭い液採取の算定漏れ【斬らレセプト シーズン3】

解説新型コロナウイルス感染症が5類に変更されてから、インフルエンザや他のウイルス感染症が目立って報告されるようになりました。症状から各種の感染症の鑑別をするために、鼻腔や咽頭に長いスワブ綿棒を挿入して直接に体液を拭った検体を使用した定性検査が行われています。検査料の漏れはほとんど認められなかったのですが、長いスワブを適切な所定位置まで挿入して、検体を拭い採取する技術に認められている「D419 6 鼻腔・咽頭拭い液採取」が漏れている医療機関を複数確認しました。医療機関では、簡単な拭いだけなので診察料に含まれると考えられていました。採取料は1日に1回のみ算定できることを伝えて、手元の早見表などに採取を忘れないよう採取料を加えていただくように伝えました。鼻腔・咽頭拭い液採取の算定対象となる検査は、次の通り留意事項にて例示されています。採取料が含まれるとされる場合を除いて算定漏れの無いようにご参照ください。「クラミジア・トラコマチス抗原定性、ヒトメタニューモウイルス抗原定性、マイコプラズマ抗原定性(免疫クロマト法)、アデノウイルス抗原定性(糞便を除く)、RSウイルス抗原定性、細菌培養同定(口腔)、A群β溶連菌迅速試験定性、インフルエンザウイルス抗原定性、[SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出定性、その他鼻腔・咽頭粘液拭い液を検体とする検査)] 」※[ ] 内、筆者追加。

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12月11日 胃腸の日【今日は何の日?】

【12月11日 胃腸の日】〔由来〕「いに(12)いい(11)」(胃にいい)の語呂合わせから日本大衆薬工業協会(現:日本OTC医薬品協会)が2002年に制定。師走に1年間を振り返り、大切な胃腸に負担をかけてきたことを思い、胃腸へのいたわりの気持ちを持ってもらうのが目的。胃腸薬の正しい使い方や、胃腸の健康管理の大切さなどをアピールしている。関連コンテンツ最新の便秘診療の知識【診療よろず相談TV】運動意欲を腸内細菌が支える【バイオの火曜日】短腸症候群【希少疾病ライブラリ】ESMO2023 レポート 消化器がんベジタリアン食で、胃がん罹患リスク6割減

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統合失調症患者に対する心血管リスク最適化プログラム

 心血管疾患は、統合失調症患者の早期死亡の主な原因の1つである。関連する修正可能なリスク因子には、不健全なライフスタイル、薬剤性副作用、身体的併存疾患などが含まれる。スペイン・ビック大学のNuria Riera-Molist氏らは、統合失調症患者の心血管リスク(CVR)低下のための6ヵ月間にわたる多因子CVR介入の有効性を評価する目的で本研究を実施した。その結果、患者中心の多因子CVR介入は統合失調症患者の6ヵ月後のCVRを改善し、それは主に脂質プロファイルの改善によりもたらされていたという。Journal of Psychiatric Practice誌2023年11月1日号の報告。 地域の精神保健センターにおいて、2群間並行ランダム化臨床試験を実施した。1つ以上のCVR因子(高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙)のマネジメントが不十分な統合失調症患者46例を、介入群または対照群にランダムに割り付けた。介入群では、健康的なライフスタイルの促進、CVR因子の薬理学的管理、向精神薬の最適化、動機付けフォローアップなどの患者中心のアプローチ(心血管リスク最適化プログラム[Programa d'optimitzacio del RISc CArdiovascular:PRISCA])を行った。主要アウトカムは、両群のベースライン時と比較した6ヵ月後のCVRの変化とし、Framingham-REGICOR関数を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、介入群23例、対照群23例にランダムに割り付けられた。・ベースライン時に最も高頻度で認められたCVR因子は、高コレステロール血症(84.8%)であり、次いで喫煙(39.1%)であった。・介入群では、6ヵ月後のREGICORスコアの有意な低下が認められたが(相対リスクの低減率:20.9%)、対照群では有意な変化が認められなかった。 【介入群】REGICORスコア:-0.96%、95%信頼区間(CI):-1.60~-0.32、p=0.011 【対象群】REGICORスコア:0.21%、95%CI:-0.47~0.89、p=0.706・介入群では、LDLコレステロールの有意な低下も確認された(-27.14mg/dL、95%CI:-46.28~-8.00、p=0.008)。

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オンコマインDx、METエクソン14スキッピング非小細胞肺がんに対するテポチニブのコンパニオン診断として追加申請/サーモフィッシャー

 サーモフィッシャーサイエンティフィックは、次世代シーケンシング(NGS)技術を用いたコンパニオン診断システム「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステム(以下、オンコマインDx)」について、「テポチニブ塩酸塩水和物」のMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺に対するコンパニオン診断システムとして、2023年12月4日付で厚生労働省に医療機器製造販売承認事項一部変更申請を行ったことを発表した。 上記の一部変更が承認されると、オンコマインDxの判定補助対象は、非小細胞肺がんの7ドライバー遺伝子(BRAF、EGFR、HER2、ALK、ROS1、RET、MET)、甲状腺がんの1ドライバー遺伝子(RET)、甲状腺髄様がんの1ドライバー遺伝子(RET)となる。

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投与時間短縮のペルツズマブ・トラスツズマブ配合皮下注、患者・医療者の使用感は/中外

 抗HER2ヒト化モノクローナル抗体のペルツズマブおよびトラスツズマブの配合皮下注製剤「フェスゴ配合皮下注IN(初回投与量)、同MA(維持投与量)」が11月22日に発売された。これを受けて11月30日、中外製薬は新製品発売説明会を開催。林 直輝氏(昭和大学医学部 乳腺外科)が登壇し、HER2陽性乳がん患者に対して実施された2つの臨床試験結果と現場での活用の可能性について講演した。 フェスゴはペルツズマブとトラスツズマブをそれぞれ固定用量で配合し、薬液の浸透吸収促進を目的としてボルヒアルロニダーゼアルファを配合した皮下注製剤。従来の静注製剤を続けて投与する場合、初回が約150分、2回目以降が60~150分かかるのに対し、フェスゴは初回が8分以上、2回目以降が5分以上に投与時間を短縮できる。 現在、国内ガイドラインでペルツズマブとトラスツズマブの併用療法が推奨されているのは、HER2陽性の乳がん(術前/術後療法と進行・再発乳がん1次治療)およびがん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんとなっている。従来の静注製剤と同等の血中濃度が保たれていることを確認 フェスゴと従来の静注製剤を比較した臨床試験としては、HER2陽性早期乳がん患者の術前・術後療法としてフェスゴと化学療法を併用した場合の薬物動態、有効性・安全性を検討した国際共同第III相FeDeriCa試験(日本も参加)、および患者選好度と皮下投与の満足度を評価した第II相PHranceSCa試験がある。 FeDeriCa試験における主要評価項目(サイクル7でのペルツズマブ血清中トラフ濃度[Ctrough])は、静脈注射群に対するフェスゴ群の幾何平均値の比(GMR)が1.22(90%信頼区間[Cl]:1.14~1.31)と信頼区間の下限値が非劣性マージンの0.8を上回り、非劣性が示されている。また副次評価項目である全病理学的完全奏効率(tpCR率)は、フェスゴ群59.7%(95%CI:53.3~65.8)に対し静脈注射群59.5%(95%CI:53.2~65.6)と同等の結果が得られた。 主な有害事象の発現状況はおおむね同様で、注入に伴う反応が静脈注射群13.9%に対しフェスゴ群3.6%と少なく、注射部位反応は静脈注射群0.8%に対しフェスゴ群12.9%と多くみられた。投与中止に至った有害事象は、静脈注射群10.3%、フェスゴ群6.9%であった。クロスオーバー試験で患者満足度を比較・検証 PHranceSCa試験は、HER2陽性早期乳がん患者の術後療法としてフェスゴおよび静脈注射をクロスオーバーで3サイクルずつ投与し、その後どちらかの治療を選択するデザインで実施された。主要評価項目のフェスゴに対する患者選考度について、フェスゴを選好した患者は85.0%、静脈注射を選好したのは13.8%であった。林氏は、「5~8分以上の皮下投与と聞くとはじめは不安に感じる患者さんもいるかもしれないが、臨床試験に参加した患者さんの選好度の高さから、実際行ってみて多くの人が問題ないと感じたことがうかがえる」とした。また、看護師や薬剤師などの医療従事者に、利便性のほか時間や設備といった医療資源の利用状況について聞いた質問では、いずれもおよそ8割以上がフェスゴ群を選好した。 なお、投与準備時間のサイクルごとの中央値はフェスゴ群5分に対し静脈注射群15~20分、投与時間のサイクルごとの中央値はフェスゴ群7~8分に対し静脈注射群60~150分であった。 「働きながら、あるいは育児や介護をしながら治療を続ける乳がん患者さんが多い中で、投与時間を短縮できることは生活の質の向上に大きく寄与する可能性がある」と林氏。医療者側にとっても、外来化学療法室が非常に混雑していることを挙げ、初回投与は全体で約4時間~4時間半、2回目以降は約2時間~2時間半短縮できることは医療資源・人的資源の面でメリットが非常に大きいとしたうえで、「それぞれの患者さんの状態や希望に応じて、個別に最適な剤型を選択していくことが重要」とまとめた。 なお、医療者側の注意点としては、皮下注での投与中同じ体勢を保つ必要があるため、ベッドまたは投与者自身の膝に肘を固定するなど投与しやすい方法を事前に確認し、体勢を保持できるようにすることが必要だろうと話した。

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HER2+転移乳がんへのtucatinib+T-DM1がPFS改善、脳転移例にも有望(HER2CLIMB-02)/SABCS2023

 既治療のHER2陽性局所進行/転移乳がん患者に対する経口チロシンキナーゼ阻害薬tucatinibとトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)の併用が、T-DM1単独療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。米国・フレッド・ハッチンソンがん研究センターのSara A. Hurvitz氏が第III相HER2CLIMB-02試験の結果を、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023、12月5~9日)で報告した。・対象:トラスツズマブとタキサンによる治療後に進行したHER2陽性局所進行/転移乳がん患者(ECOG PS≦1)。既治療で安定状態、あるいは即時の局所治療を必要としない活動性または未治療の脳転移を有する患者も対象とされた。・試験群:tucatinib(1日2回300mg、経口投与)+T-DM1(3週間間隔で3.6mg/kg、静脈内投与) 228例・対照群:プラセボ+T-DM1 235例・評価項目:[主要評価項目]RECIST v1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[主要副次評価項目]全生存期間(OS)、脳転移を有する患者におけるPFSおよびOS、RECIST v1.1に基づく確定奏効率(cORR) 主な結果は以下のとおり。・ベースラインにおける年齢中央値はtucatinib群55(26~83)歳vs.プラセボ群53(27~82)歳、ホルモン受容体陽性は60.1% vs.59.6%、脳転移を有する患者は43.4% vs.44.7%(活動性の脳転移:21.9% vs.24.3%)であった。進行がんに対する前治療歴は1ラインの患者が64.0% vs.63.8%、ペルツズマブ治療歴のある患者が88.6% vs.91.1%を占めた。・追跡期間中央値24.4ヵ月(データカットオフ:2023年6月29日)におけるPFS中央値は、tucatinib群9.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.4~10.9)vs.プラセボ群7.4ヵ月(95%CI:5.6~8.1)となりtucatinib群で有意に改善した(HR:0.76、95%CI:0.61~0.95、p=0.0163)。・脳転移を有する患者におけるPFS中央値は、tucatinib群7.8ヵ月(95%CI:6.7~10.0)vs.プラセボ群5.7ヵ月(95%CI:4.6~7.5)であった(HR:0.64、95%CI:0.46~0.89)。・cORRはtucatinib群42.0%(完全奏効[CR]:4.3%)vs.プラセボ群36.1%(CR:4.2%)であった。・両群で約8割の患者が1ライン以上の後治療を受けており、約5割がT-DXd、約4割が化学療法を受けていた。・OSの暫定結果は、必要なイベント数253件中134件(53%)が起きた段階のデータで、事前に規定された有意水準を満たさなかった。・Grade3以上の治療下での有害事象(TEAE)は、tucatinib群68.8%、プラセボ群41.2%で発現した。tucatinib群で多くみられたのはALT上昇、AST上昇(ともに16.5%)、疲労(6.1%)、下痢(4.8%)などであった。 Hurvitz氏は、「トラスツズマブとカペシタビンにtucatinibを追加することの有効性を示したHER2CLIMB試験に続いて、今回の結果はtucatinibをベースとしたレジメンが既治療のHER2陽性局所進行/転移乳がん患者において病勢進行を遅らせることを示した」としている。

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再発/転移上咽頭がんの1次治療、toripalimab併用でPFS延長/JAMA

 再発または転移のある上咽頭がん(RM-NPC)の1次治療において、プログラム細胞死1(PD-1)を標的とするヒト化IgG4Kモノクローナル抗体であるtoripalimabと標準化学療法の併用は、標準化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の延長をもたらし、安全性プロファイルも管理可能であることが、中国・中山大学がんセンターのHai-Qiang Mai氏らが実施した「JUPITER-02試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2023年11月28日号に掲載された。アジアの国際的な無作為化プラセボ対照第III相試験 JUPITER-02試験は、中国本土、台湾、シンガポールのNPCの発生頻度が高い地域で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2018年11月~2019年10月に35の施設で患者を登録した(Shanghai Junshi BiosciencesとCoherus Biosciencesの助成を受けた)。 全身化学療法による治療歴のないRM-NPC患者289例を、toripalimab+標準化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)の投与を受ける群に146例(年齢中央値46歳[四分位範囲[IQR]:38~53]、男性85%)、プラセボ+標準化学療法の投与を受ける群に143例(51歳[43~57]、81%)を無作為に割り付けた。 試験薬の投与は3週ごとに最大6サイクル行い、引き続きtoripalimabまたはプラセボによる維持療法を、病勢進行、許容できない毒性、2年間の治療の終了のいずれかに至るまで施行した。 主要評価項目は、盲検下独立中央判定によるPFSとした。PFSが13.2ヵ月延長、奏効率、奏効期間も改善 PFS中央値は、プラセボ群が8.2ヵ月であったのに対し、toripalimab群は21.4ヵ月と13.2ヵ月の延長をもたらし、有意な差を認めた(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.37~0.73、名目p<0.001)。1年PFS率は、toripalimab群59.0%、プラセボ群32.9%、2年PFS率は、それぞれ44.8%、25.4%だった。 追跡期間中央値36.0ヵ月の時点で、OS中央値は、プラセボ群が33.7ヵ月であったのに対し、toripalimab群は未到達であったが有意に優れた(HR:0.63、95%CI:0.45~0.89、両側p=0.008)。プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の高発現および低発現のサブグループの双方において、toripalimab群で一貫して良好なOSに関する有効性が観察された。 奏効率(78.8% vs.67.1%、群間差:11.4%、95%CI:1.7~21.2、p=0.02)および奏効期間中央値(18.0ヵ月vs.6.0ヵ月、HR:0.49、95%CI:0.33~0.72、p<0.001)は、いずれもtoripalimab群で有意に優れた。完全奏効の割合はtoripalimab群がプラセボ群のほぼ2倍だった(26.7% vs.13.3%)。免疫関連有害事象はtoripalimab群で高頻度 全有害事象(100% vs.100%)、Grade3以上の有害事象(89.7% vs.90.2%)、致死的有害事象(3.4% vs.2.8%)、重篤な有害事象(43.8% vs.43.4%)の頻度は両群で同程度であった。一方、試験薬の投与中止の原因となった有害事象(11.6% vs.4.9%)、免疫関連有害事象(54.1% vs.21.7%)、Grade3以上の免疫関連有害事象(9.6% vs.1.4%)の頻度は、いずれもtoripalimab群で高かった。 最も頻度の高いGrade3以上の有害事象は、白血球減少(toripalimab群61.6% vs.プラセボ群58.7%)、好中球減少(58.9% vs.63.6%)、貧血(49.3% vs.40.6%)、血小板減少(33.6% vs.28.7%)であり、化学療法によって誘発された毒性が主であった。 著者は、「これらの知見は、この患者集団における新たな標準治療としてのtoripalimab+ゲムシタビン+シスプラチン療法を支持するものである」としている。また、「潜在性のエプスタイン・バールウイルス(EBV)感染はNPCの発症において重要で、本試験ではtoripalimab群でEBV DNAコピー数が検出不能な値まで減少した患者が有意に多く(p=0.004)、リバウンドを経験した患者は有意に少なかった(p=0.002)。さらに、EBV DNAコピー数のリバウンドは、病勢進行に中央値で1.9ヵ月先行していたことから、病勢進行の予測に活用できる可能性が示唆された」と指摘している。

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ソーシャルメディアの使用、健康に及ぼす影響とは/BMJ

 ソーシャルメディアの利用は、若年層において、好ましくない健康リスク行動と関連しており、なかでも健康リスク行動を表示する情報内容は、不健康な食生活やアルコール摂取と強く関連することが、英国・グラスゴー大学のAmrit Kaur Purba氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年11月29日号で報告された。10~19歳を対象としたメタ解析 研究グループは、年齢10~19歳の青少年におけるソーシャルメディアの利用と健康リスク行動との関連を評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(英国医学研究審議会[MRC]などの助成を受けた)。 1997年1月1日~2022年6月6日に医学関連データベースに登録された文献を検索した。健康リスク行動は、アルコール・薬物・タバコ・電子式ニコチン供給システム(いわゆる電子タバコ)の使用、不健康な食生活、不十分な身体活動、ギャンブル、反社会的行動、性的リスクのある行動、複数のリスク行動と定義した。 解析の対象とした論文は、ソーシャルメディア変数(利用時間[1日当たりの時間など]、使用頻度[日/週当たり、日常的に使用など]、健康リスク行動の内容を含む情報[例:Facebook上のアルコールの広告など]への曝露、その他のソーシャルメディア活動[オンラインプレゼンスの管理や方策など])および1つ以上の関連アウトカムを報告している研究とした。 126編の論文についてレビューし、73編をメタ解析に含めた。最終的に143万1,534人(平均年齢15.0歳)の青少年を解析の対象とした。使用頻度が高いと、多くの健康リスク行動と関連 メタ解析を含まない統合解析では、63.6%の研究がソーシャルメディアと不十分な身体活動には有益な関連を認めたと報告していたが、これを除いた場合、ほとんどの研究でソーシャルメディアと健康リスク行動には有害な関連があることが示された。 ソーシャルメディアの使用頻度が低い場合と比較して、高い場合に増加していた有害な健康リスク行動として、アルコール摂取(オッズ比[OR]:1.48、95%信頼区間[CI]:1.35~1.62、解析対象者数38万3,068人)、薬物使用(1.28、1.05~1.56、11万7,646人)、喫煙(1.85、1.49~2.30、42万4,326人)、性的リスク行動(1.77、1.48~2.12、4万7,280人)、反社会的行動(1.73、1.44~2.06、5万4,993人)、複数のリスク行動(1.75、1.30~2.35、4万3,571人)、ギャンブル(2.84、2.04~3.97、2万6,537人)が挙げられた。 ソーシャルメディア上で健康リスク行動を見せる情報内容への曝露がない場合と比較して、このような曝露がある場合にオッズが上昇していた有害な健康リスク行動として、電子式ニコチン供給システムの使用(OR:1.73、95%CI:1.34~2.23、解析対象者数72万1,322人)、不健康な食生活(2.48、2.08~2.97、9,892人)、アルコール摂取(2.43、1.25~4.71、1万4,731人)を認めた。利用者作成の情報、2時間以上の利用で、アルコール摂取が増加 アルコール摂取については、マーケティング担当者が作成したソーシャルメディアの情報内容(OR:2.12、95%CI:1.06~4.24)と比較して、利用者が作成した情報内容(3.21、2.37~4.33)に曝露した場合に、より強力な関連が確認された。 また、ソーシャルメディアの利用時間については、1日2時間未満の場合と比較して、2時間以上ではアルコール摂取のオッズが高かった(OR:2.12、95%CI:1.53~2.95、解析対象者数1万2,390人)。 GRADEによるエビデンスの確実性の解析では、不健康な食生活は「中」、アルコール摂取は「低」、その他のアウトカムは「非常に低」であった。 著者は、「今後は、因果関係を立証し、健康格差への影響を解明し、ソーシャルメディアのどの側面が最も有害かを明らかにするために、さらに質の高い研究を進める必要がある」とし、「本研究の知見は、主に横断研究に基づくもので、ソーシャルメディアの利用に関する自己報告による測定値を使用しており、未調整の多くの交絡因子による交絡が残存している可能性がある」と指摘している。

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第189回 診療報酬プラス改定に一筋の光明か、政府の相次ぐ不祥事発覚で

久々に“亡霊”が息を吹き返した。12月4日、日本医師会(日医)大講堂で開催された国民医療推進協議会主催の『国民医療を守るための総決起大会』のニュースが専門紙(誌)を賑わしている。もっとも医療関係者の中でも“国民医療推進協議会って何?”と思う人もいるかもしれない。国民医療推進協議会とは2004年 10 月、「国民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療・介護・保健および福祉行政の拡充強化をめざし、積極的に諸活動を推進すること」を目的に、日本医師会が各医療関係者団体等に呼びかけて発足させた組織だ。現在、医師関連団体のみならず、いわゆるコ・メディカル団体や患者団体まで含め42団体が参加している。同協議会会長は日医会長が兼任し、現時点は日医の松本 吉郎氏が兼務している。前述の目的を記したカギカッコ内はお堅いことを書いているが、端的に言えば、同協議会は日医+αの“世論”を結集する、ある種の圧力団体と言っても過言ではない。どうしてこの団体が組織されたのか? それは設立時期を見ると、人によっては「ああそういうことか」と思うかもしれない。当時の首相は変人とあだ名された小泉 純一郎氏である。小泉氏の掲げた「聖域なき構造改革」というと、郵政三事業民営化を思い浮かべる人が多いだろうが、彼がそれと並んで切り込んだのが医療である。診療報酬本体の改定率が史上初のマイナスになったのは小泉政権期の2002年。2004年9月の第2次小泉改造内閣発足時の所信表明演説では、日医がもっとも嫌悪する政策の1つ「混合診療解禁」を盛り込み、事実上の首相の政策決定機関とも言える経済財政諮問会議でも小泉氏自身が「年内に解禁の方向で結論を」と発言したほどだ。この直前には現在の規制改革推進会議の前身・規制改革会議の中間報告でもこの方針は盛り込まれたが、これも小泉氏の強い要望だったとされる。この混合診療解禁を阻止するために当時の日医会長の植松 治雄氏(故人)が発足させたのが同協議会である。実際、この時は同協議会の力で600万人分の反対署名を集め、その結果、混合診療解禁は見送られた。しかし、この時の“遺恨”は2006年の診療報酬改定時の本体マイナス1.36%という史上最大の下げ幅で返された格好となった。さて、同協議会はそれ以降も存続し、秋の総会と年末年始の総決起大会が開催されているが、半ば形骸化している。その意味では専門紙で取り上げられる同協議会の総決起大会の記事の文量や本数が多くなったのは久しぶりとも言える。日医にとって、それだけ今回の改定への危機感が強いということなのだろう。先日、立ち話をしたある国会議員も「今回の財務省は驚くほど固い」と漏らすほどだ。この点は2018年の同時改定の際にギリギリまで本体マイナス改定を狙いながら、当時の首相である安倍 晋三氏、財務相だった麻生 太郎氏、日医会長の横倉 義武氏の鉄のトライアングルにひっくり返された財務省の遺恨も影響しているだろう。では最終的にどう決着するのか? 本当にこればかりは予想がつかない。この世界に身を置いて約30年になるが「診療報酬改定 一寸先は闇」という印象は今もまったく変わらない。この時期の診療報酬改定を巡る動きを、落ち物パズルゲーム「テトリス」に例えると、決まった種類のブロックが高速度で落ちてくる時にも似ている。だが、診療報酬改定議論とテトリスが異なるのは、前者では時にまったく見たこともない形のブロックが突如目にも止まらぬ速さで落ちてきて、政治決断という名のゲームオーバーになることである。その意味では、ひとえに首相の岸田 文雄氏の胸の内次第ということになる。岸田氏は自民党内の母体が旧大蔵・財務官僚出身者が多い宏池会であること、義弟が元財務省理財局長の可部 哲生氏であることなどから財務省寄りと言われがち。しかし、財源未定のまま「こども未来戦略方針」をぶち上げた点では、相当な財務官僚泣かせとも言える。そして仮にこの財務省の立場に立った場合、ここにきて彼らが考える診療報酬本体マイナス改定に向けてプラス要素とマイナス要素が入り乱れる格好になっている。プラス要素とは突如降って湧いた「2025年度から3人以上の子どもがいる多子世帯で大学授業料などを無償化」との方針である。財務省からすれば、まさに見たこともないブロックが頭上に落ちてきた格好で悩ましいことではあるが、スタートが2025年度とはいえ、さらなる財源を確保しなければならなくなる以上、社会保障費適正化の大義名分にはなる。逆にマイナス要素とは何か? これは昨今ニュースを賑わしている自民党の政治献金パーティー売上の裏金問題と岸田氏が自民党政調会長時代に旧統一教会系団体幹部と面会していた事実の発覚である。すでに11月時点の内閣支持率が30%以下という危険水域に入っている中で、この2件の発覚はダメージが大きい。となると、自民党の有力支持団体である日医の意向を無視しきれなくなる。いずれにせよ、ここに来て診療報酬改定の行方は、より混迷を深めたと言えるかもしれない。

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