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ChatGPTの研修会【Dr. 中島の 新・徒然草】(516)

五百十六の段 ChatGPTの研修会寒い日々が続きますね。健康のために歩かなくては、と思っても外に出る気がしません。なので、もっぱら家の中での散歩。以前にも述べたように、台所↔リビング↔部屋で1周100歩ほどになるので、YouTubeを聴きながら歩いております。さて、先日は医師会で「生成AIの最新情報 及び 働き方改革に向けた活用方法」という研修会があったので出席してきました。第438話でも述べたように、すでにAIは医療現場に入り込んでいます。大阪医療センターでは胸部レントゲンの読影に使っており、皆に重宝されてきました。診断をつけるというよりも、私は「結節影や浸潤影を見逃さない」という形で使っています。今回の医師会の研修会ではもっぱら「ChatGPTをどう活用しているか」という話に終始しました。基調講演が終わると、初期研修医や大学病院助教ら3名がそれぞれの活用法を発表しました。最新の話題だけあって質疑応答が途切れることがありません。今回は講演内容と質疑応答について、私の理解できた範囲で軽く触れたいと思います。有料版であるChatGPT-4は、無料版であるChatGPT-3.5より賢い米国の司法試験を解かせてみると、前者は上位10%で合格点を取りましたが、後者は下位10%で不合格の点数しか取れなかったそうです。講演では、司法試験のほかに20以上の分野の試験での得点の比較がグラフ化されていましたが、3.5と4でほとんど差のないものから大きく差のついたものまでいろいろでした。ちなみにほとんど差のないものはAP Environmental Scienceで、これは環境科学になるのでしょうか。APというのはAdvanced Placementで「上級科目」という意味だそうです。逆に大きく差のついたものはAP Calculus BCで、微積分のようです。われわれに関係ありそうなAP Biologyつまり生物学は中間程度の差でした。ChatGPT-4に「AIのイメージ作って!」と入力すると画像生成もしてくれる発表で紹介されたのは写実的な擬人化されたAIの画像です。続けて「もっとかわいいの!」と入力するとキャラクター的なイラストになり、それも紹介されていました。ChatGPTの出力結果は専門家のほうが正誤の推測をしやすい何を尋ねてもChatGPTは何らかの答えを返してきますが、それが正しいのか否かを質問者が見極めることは困難そのもの。が、自分がまったく知らない分野よりは、ある程度知っている分野のほうが、その回答の整合性から正誤を推測することができます。ということは、まったくの素人がChatGPTを使って知らない分野の知識を得ようとするよりは、専門家が自分のアシスタントみたいな形でChatGPTを使うほうが現実的なのかもしれません。そのほか、いろいろな活用法が紹介されていましたが省略して、次は質疑応答の内容を紹介します。プロンプトと呼ばれる入力を日本語で行った時と英語で行った時に、出てくる結果の精度にどのくらいの違いがあるのか?そもそもChatGPTを開発したOpenAIが米国の会社なので、英語入力のほうが日本語入力より精度が高いのではないかという気がします。しかし、基調講演の講師によると、ほとんど差がないのではないかということでした。日本語入力でも結果が大きく変わらないのであれば、かなり楽に使えます。指導医はChatGPTの使い方をどのように研修医に教えるべきか?論文作成に生成AIを使う場合が要注意で、まったく受け付けないジャーナルから、どこにどのように使ったかを明記すれば使ってよい、というジャーナルまでいろいろあるのだそうです。また投稿論文の査読を頼まれた時に、生成AIにやらせるのはやめておいたほうが無難だとか。まだオープンになっていないデータが、どこにどのように拡散するかはわかりませんから。そのような潜在的な地雷を踏まないような指導が必要だと思います。私見ですが、皆が手探りで使い方の試行錯誤をしているところなので、研修医だろうが指導医だろうが、先行したユーザーが後から使い始めた人に手ほどきするというのが正しいのではないかと思います。というわけで、休日にもかかわらず盛り上がった研修会、出席した甲斐がありました。最後に1句AIを 学んで試す 如月にChatGPTを使ってこの句をイラストにしてみました。条件として、外の風景と人物は和風、室内は洋風としています。なんか不思議な画像が出来てしまいましたが、いかにも生成AIといった画像ですね。

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50年返済の住宅ローンが「アリ」となる条件とは【医師のためのお金の話】第77回

50年返済の住宅ローンが話題です。口火を切ったのは、住信SBIネット銀行が2023年8月から販売を開始した借入期間50年の住宅ローン。これまでも、住宅金融支援機構が民間機関と提携して実施しているフラット50や、一部の地方銀行で取り扱いがありました。しかし、フラット50の対象は長期優良住宅のみで、地方銀行は管轄エリア内の住宅にしか利用できませんでした。ところが、住信SBIネット銀行が取り扱いを始めたため、全国の住宅で借入期間50年の住宅ローンを利用できるようになったのです。折しも、2023年1~6月の東京23区内の新築分譲マンションの平均価格は1億2,962万円でした。ここまで物件価格が高騰してくると、医師といえども手を出しにくいでしょう。都内在住の医師にとって、マイホームは高嶺の花なのか…。毎月の支払い金額が高額過ぎて諦めていた物件であっても、50年返済なら何とか手の届く範囲になりそう。はたして、借入期間50年の住宅ローンは、高騰したマイホームを購入する救世主となるのでしょうか。住信SBIネット銀行の参入で50年住宅ローンの利用が可能に2023年8月4日、住信SBIネット銀行は借入期間50年の住宅ローンの取り扱いを開始しました。住信SBIネット銀行以外にも、全国各地の地方銀行や信用金庫が続々と50年の住宅ローンを投入しています。借入期間が50年に延長された住宅ローンには、従来の期間(35年)と比べていくつかの相違点があります。主なものは、完済時年齢が80歳未満にまで延長、金利は若干高めという点です。それ以外は、従来の住宅ローンと同じと考えてよいでしょう。地方銀行や信用金庫は取り扱い可能なエリアが限られているため、住信SBIネット銀行や住宅金融支援機構のフラット50が便利です。しかし、もし取り扱いエリア内であれば、融通が利きやすい地方銀行や信用金庫も選択肢に入るでしょう。50年の住宅ローンは危険という意見が多い鳴り物入りで登場した借入期間50年の住宅ローンですが、ネット上では否定的な意見が多いです。主な理由は、通常の住宅ローンよりも金利負担が大きいことと、建物の劣化による残債割れのリスクです。残債割れとは、途中でマイホームを売却した際に、売買金額よりも住宅ローンの残債金額のほうが多くなる状態です。50年もすると、建物は相当劣化してしまいます。このため、とくに建物部分の大きいマンションでは、残債割れリスクが顕在化してしまう傾向にあります。この2点以外にも、定年退職後も返済を続けなければいけない可能性があります。医師は一般の人よりも長く働ける可能性が高いです。それでも、70代後半になっても現役並みに働ける人は一握りではないでしょうか。50年の住宅ローンが「アリ」になる条件借入期間50年の住宅ローンはデメリットが大きいため、あまり利用する価値がないと思いがちです。しかし冒頭で述べたように、これほど不動産価格が高騰している状況では、やり方次第で有用なツールになる可能性があります。あくまでも私見ですが、50年の住宅ローンが「アリ」になる条件は、不動産価格が高騰し続ける状況だと思います。1990年代のバブル崩壊のような暴落が発生したとしても、50年という超長期でみると不動産価格は上昇する可能性が高いです。その理由は、不動産価格とはあくまでも現金に対する相対的な価値だからです。これだけ財政赤字が大きいと、日本円に対する信認が50年間も維持できるとは思えません。日本円の価値が落ちると、相対的に不動産価格が上昇するというロジックです。もちろん、日本円の価値が下落するスピードよりも、物件の資産価値が下落するスピードが速いと、残債割れが発生します。このため、借入期間50年の住宅ローンでは、従来の35年ローンよりもシビアに価値の落ちにくい物件を選ぶ必要があります。そして、住宅ローン控除が終了した時点で、返済額軽減型の繰り上げ返済を検討してもよいかもしれません。ここで返済期間短縮型ではなく返済額軽減型を選ぶ理由は、超長期で借り入れているメリットを享受するためです。不動産投資の観点では、50年の住宅ローンとは、日本円とマイホームの価値下落スピードの速さを競う賭けです。私は、超長期では日本円に弱気なので、借入期間が長いほどマイホーム(住宅ローン)の方が有利だと考えています。皆さんの考えはいかがでしょうか?

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第84回 SNSで流行する病「インプレゾンビ」

収益を求めてさまようインプレゾンビ現在SNSには、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTok、Threadsなどいろいろな種類が登場しています。最近Xで感染症のように流行している現象があります。それが「インプレゾンビ」です。皆さんはXの「インプレッション」というものをご存じでしょうか。要は、自分の投稿をどれくらいの人が見てくれたかを表しているものですが、2023年夏から自分の投稿に表示される広告から収益の一部を受け取れる「クリエイター広告収益化プログラム」が始まりました。つまり、インプレッションの数が多いほど、収益が多くなります。全員が収益化できるわけではなく、条件はいくつかあります。①Xのアカウントで「X Premium(旧Twitter Blue)」に課金する必要があること(1ヵ月最低980円/8米ドル)②フォロワー500人以上③直近3ヶ月のインプレッションが500万以上をクリアしなければいけません。つまり、インプレッションをたくさん稼いで、月980円以上の利益が出なければ、課金した意味がなくなるということです。「インプレゾンビ」というのは、このインプレッションを稼ぐために集まるゴーストアカウントのことです。ミュートやブロックをしても、別の投稿にゾンビのように群がることから、このような名前がついています。有料アカウントのインフルエンサーにリプライを送ることで、まったく内容のない投稿でもインプレッションが集まる仕組みを利用しているわけです。インプレゾンビが問題視されたのは、能登半島地震がきっかけです。「生き埋めになっています、助けてください、拡散希望」という投稿が、大量に投下されたのです。文章をコピーされて複数のアカウントから投稿されました。これもあってか、インプレゾンビは許されないという論調に火がつきました。Bluesky開放イーロン・マスクがこの現象を放置していることや、インプレゾンビ問題を好機とみたのか、これまで招待制だった「Bluesky」というSNSが2月6日に一般ユーザーへ大々的に開放されました。見た目はほとんど旧Twitterと同じですが、これはBlueskyの開発を始めたジャック・ドーシーが、旧Twitterの共同創業者だったからです。Blueskyは1つの企業が独占的に管理するSNSではなく、多数の個人やグループがサーバーを運営する分散型SNSという特徴があります。使い勝手としては、昔のTwitterそのまま、といったところです。現状、Threadsは思うようにアクティブユーザーを獲得できていないように思われます。そのため、現在Xはまだ一強の状態です。Bluesky自体は現時点では、広告もなく収益を生む仕組みもまだありません。その分、企業にとっての旨味が少ないことから、すぐに下火になってしまう可能性もあります。今後、Blueskyがどう食い込んでくるか注目です。

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新型コロナワクチンの国内での有効性評価、VERSUS研究の成果と意義

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンの有効性を評価するため、VERSUSグループは国内の13都府県の医療機関24施設で2021年7月から継続的に「VERSUS研究」1)を行っている。本研究は、新型コロナワクチンの国内での有効性を評価し、リアルタイムにそのデータを社会に還元することを目的としている。今後はCOVID-19のみならず、新たな病原体やワクチンを見据えたネットワークを整備・維持していく方針だ。VERSUS研究のこれまでの成果と意義について、2024年1月20日にウェブセミナーが開催された。長崎大学熱帯医学研究所呼吸器ワクチン疫学分野の森本 浩之輔氏と前田 遥氏らが発表した。なお、BA.5流行期のワクチン有効性の結果は、Expert Review of Vaccines誌2024年1~12月号に論文掲載された2)。 VERSUS研究では、COVID-19を疑う症状があり病院を受診した16歳以上の患者、または呼吸器感染症を疑う症状で入院した16歳以上の患者において、新型コロナウイルス検査陽性者を症例群、検査陰性者を対照群とした検査陰性デザイン(test-negative design)を用いた症例対照研究を行い、ワクチン効果(vaccine effectiveness)を推定している。研究におけるアウトカムは、COVID-19の発症予防および入院予防とした。今回の発表では、2021年7月~9月のデルタ株流行期、2022年1月~6月のオミクロン株BA.1/BA.2流行期、2022年7月~11月のオミクロン株BA.5流行期、2022年後半~2023年前半BA.5/BQ.1流行期(オミクロン株対応2価ワクチン開始)、2023年オミクロン株XBB/EG.5.1流行期を通して、ワクチンの未接種者と比較した新型コロナワクチンの有効性が、前田氏によりまとめられた。 主な結果は以下のとおり。・デルタ株流行期では、2回接種により発症予防に対してワクチンの高い有効性が認められた。・オミクロン株BA.1/BA.2流行期では、2回接種による有効性は十分ではなく、3回接種が必要であった。16~64歳において、2回接種から180日以上の人での発症予防に対してワクチンの有効性が33.6%に対し、3回接種から90日以内の人では68.7%だった。65歳以上でも同様の傾向で、2回接種の有効性は31.2%に対し、3回接種では76.5%だった。・オミクロン株BA.5流行期では、ブースター接種(3回目または4回目)により、発症予防におけるワクチンの有効性は上昇したが、時間経過により有効性の低下が認められた。16~59歳において、2回接種から181日以上の人での発症予防に対してワクチンの有効性が26.1%に対し、3回目接種から90日以内の人では58.5%と再度上昇した。60歳以上でも、3回目接種181日以上の人では16.5%まで低下したが、4回目接種から90日以内では44.0%まで上昇した。・BA.5流行期の60歳以上におけるワクチンの入院予防効果について、ブースター接種の高い有効性が認められた。呼吸状態の悪い患者など、重症な患者に限定した解析でも同様に高い有効性が認められた。・BA.5/BQ.1流行期では、オミクロン株対応2価ワクチンは、発症予防に中程度の有効性が認められたが、XBB/EG.5.1流行期以降は効果が十分ではなかった。16~64歳において、BA.5/BQ.1流行期では、接種から90日以内で発症予防における2価ワクチンの有効性は56.1%だったが、XBB/EG.5.1流行期では、接種から90日以内では12.3%だった。・BA.5/BQ.1流行期およびXBB/EG.5.1流行期では、65歳以上でも、発症予防については16~64歳と同様の傾向が認められたが、入院予防ではいずれの期間でも高い有効性が認められた。2価ワクチン接種90日以内の入院予防の有効性は、BA.5/BQ.1流行期で72.6%に対し、XBB/EG.5.1流行期では69.1%だった。・いずれの期間においても、ファイザー製とモデルナ製の両mRNAワクチンで有効性の差はみられなかった。・今後XBB.1.5対応ワクチンの評価も行われる予定。 本セミナーの後半では、横浜市立大学データサイエンス研究科/東京大学大学院薬学系研究科の五十嵐 中氏が、国内でのワクチンの定期接種化に向けた費用対効果の評価を行う際、日本とは医療環境の異なる海外でのデータに依拠するだけでは不十分で、国内でのデータを評価することの重要性を強調した。VERSUS研究によって、国内の有効性データの迅速推計の基盤が整備され、費用対効果やQOL評価に役立つデータの創出に貢献し、さらに、今回築かれた基盤は、今後、他のワクチンの政策決定においても継続的な情報提供が可能になるとまとめた。

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日本のプライマリケアにおけるベンゾジアゼピン適切処方化への取り組み

 日本において、プライマリケアにおける質の向上(QI)に対する取り組みは、まだまだ十分とはいえない。QIにおいて重要な領域の1つとして、ベンゾジアゼピンの適切な処方が挙げられており、高齢化人口の増加が顕著なわが国においてとくに重要である。地域医療振興協会の西村 正大氏らは、日本のプライマリケアクリニックにおけるベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRAs)の処方中止に対する医療提供者へのQIイニシアチブの実現可能性について検討を行った。BMC Primary Care誌2024年1月24日号の報告。 調査対象は、2020~21年にBZRAs処方中止イニシアチブに参加した日本の準公立クリニック11施設および医療提供者13人。クリニック規模に応じて層別化し、参加施設を診療監査のみまたは診療監査とコーチングの実施の2群にランダムに割り付けた。診療監査のため、2つのBZRAs関連指標を参加施設に提示した。QIの活動をサポートするため、毎月コーチングミーティングをWebベースで実施した。9ヵ月間の実施後、半構造化インタビューにより、内容分析を用いてテーマを特定した。特定されたテーマを整理し、実装研究のための統合フレームワーク-CFIR-を用いて、主要な要素を評価した。 主な結果は以下のとおり。・診療監査とコーチングの組み合わせは、診療監査のみの場合よりも価値があると認識されていた。・参加者は、施設外のリソースとしてQIイニシアチブについての知的好奇心を示した。・しかし、小規模クリニックにおいてチームによるQIアプローチを採用することは困難であると認識されており、効果的なQIを達成するためには、指標の選択が重要であることが示唆された。 著者らは「クリニックの規模が潜在的な障壁のなる可能性があるものの、学術的な好奇心を高めることにより、日本のプライマリケアにおけるQIへの取り組みを促進できる可能性が示唆された」とし「長期的なQIの可能性を評価するためには、より多様な指標を用いたさらなる実証試験が必要である」としている。

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「医学部等における労働法教育を考えるシンポジウム」開催/厚労省

 2024年3月8日(金)、「医学部等における労働法教育を考えるシンポジウム」が会場+オンライン(Zoom ウェビナー)のハイブリット方式で開催される。2024年4月より医師に対する時間外労働の上限規制が適用開始となり、医学生や若手医師に、医師の働き方の実情、医師の働き方改革の内容と趣旨・目的、関係する法令などを周知することが重要となっている。本シンポジウムでは、実際に医学部設置大学において講義を行った医師による講義実例の紹介や、弁護士・大学教員・医学生とのパネルディスカッションが行われ、医師の働き方改革の趣旨などを医学生や若手医師に伝える意義、その効果的な方法について考える。 開催概要は以下のとおり。開催日時:2024年3月8日(金)16:00~18:00開催:ハイブリッド方式(会場+オンライン)会場:KFC Hall&Rooms Room101・102(東京都墨田区横網一丁目6番1号国際ファッションセンタービル)定員:会場100名、オンライン500名(※事前申し込み制)参加費:無料申し込み締切:2024年3月1日(金)■参加申し込みはこちら【プログラム】◎ モデル・コア・カリキュラム改定と教育・研究時間の確保について堀岡 伸彦氏(文部科学省高等教育局医学教育課 企画官)◎ 講義実例木戸 道子氏(日本赤十字社医療センター第一産婦人科部長)前川 宙貴氏(弁護士法人天満法律事務所 弁護士)◎ パネルディスカッション神村 裕子氏(日本医師会常任理事)木戸 道子氏(同上)河野 恵美子氏(大阪医科薬科大学一般・消化器外科助教)前川 宙貴氏(同上)亀田 義人氏(順天堂大学)種村 文孝氏(京都大学医学教育・国際化推進センター)石橋 蓮氏(順天堂大学医学部学生)松本 彩絵氏(順天堂大学医学部学生)【お問い合わせ先】厚生労働省委託事業事務局 ランゲート株式会社〒604-8141 京都市中京区泉正寺町328西川ビル4階TEL:075-741-7862(平日9:00~17:00)

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小児・思春期の2価コロナワクチン、有効性は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する2価mRNAワクチンについて、小児・思春期(5~17歳)へのSARS-CoV-2感染および症候性COVID-19に対する保護効果が認められることが示された。米国疾病予防管理センター(CDC)のLeora R. Feldstein氏らが、3つの前向きコホート試験に参加した約3,000例のデータを解析し報告した。米国では12歳以上については2022年9月1日から、5~11歳児については同年10月12日から、COVID-19に対する2価mRNAワクチンの接種を推奨しているが、その有効性を示す試験結果は限られていた。著者は、「今回示されたデータは、小児・思春期へのCOVID-19ワクチンの有益性を示すものである。対象となるすべての小児・思春期は、推奨される最新のCOVID-19ワクチン接種状況を維持する必要がある」と述べている。JAMA誌2024年2月6日号掲載の報告。米国計6ヵ所で集めたデータを統合し解析 研究グループは、米国で行った3つの前向きコホート試験(計6ヵ所で実施)の2022年9月4日~2023年1月31日のデータを統合し、5~17歳の小児・思春期におけるCOVID-19に対する2価mRNAワクチンの有効性を推定した。被験者総数は2,959例で、定期的サーベイ(人口統計学的・世帯特性、慢性疾患、COVID-19症状を調査)を行った。サーベイでは、症状の有無にかかわらず自己採取した鼻腔ぬぐい液スワブを毎週提出してもらい、また症状がある場合には追加の同スワブを提出してもらった。 ワクチン接種の状況は定期的サーベイで集め、州の予防接種情報システムや電子カルテで補完した。 採取したスワブを用いてRT-PCR検査でSARS-CoV-2ウイルスの有無を調べ、症状の有無にかかわらず陽性はSARS-CoV-2感染と定義した。検体採取から7日以内に2つ以上のCOVID-19症状がある検査陽性例を、症候性COVID-19と定義した。 COVID-19 2価mRNAワクチン接種者と、非接種者または単価ワクチンのみ接種者について、Cox比例ハザードモデルを用いてSARS-CoV-2感染や症候性COVID-19のハザード比を算出。年齢や性別、人種、民族、健康状態、SARS-CoV-2感染歴、試験地別の流行型の割合、地域ウイルス感染率などで補正を行い評価した。感染率は2価ワクチン群0.84/1,000人日、非2価ワクチン群1.38/1,000人日 被験者2,959例のうち、女子は47.8%、年齢中央値は10.6歳(四分位範囲[IQR]:8.0~13.2)、非ヒスパニック系白人は64.6%だった。COVID-19 2価mRNAワクチンを1回以上接種したのは、25.4%だった。 試験期間中、SARS-CoV-2感染が確認されたのは426例(14.4%)だった。このうち184例(43.2%)が症候性COVID-19を有した。426例の感染者のうち、383例(89.9%)はワクチン未接種または単価ワクチンのみ接種者で(SARS-CoV-2感染率1.38/1,000人日)、43例(10.1%)が2価mRNAワクチン接種者だった(同感染率0.84/1,000人日)。 SARS-CoV-2感染に対する2価mRNAワクチンの有効性は、54.0%(95%信頼区間:36.6~69.1)で、症候性COVID-19に対する同有効性は49.4%(22.2~70.7)だった。 ワクチン接種後の観察期間中央値は、単価ワクチンのみ接種者は276日(IQR:142~350)だったのに対し、2価mRNAワクチン接種者は50日(27~74)であった。

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乳がん検診、異型検出後の罹患リスクは?/BMJ

 乳がん検診で異型を伴う病変が検出された場合、その後の短期間において、マンモグラフィ検査を毎年行うことは有益ではないことが、英国・ウォーリック大学のKaroline Freeman氏らによる検討で示された。悪性か否かが不明の異型を伴う乳房病変が検出された場合、乳がんの長期リスクが3~4倍増加する可能性が示されている。英国、欧州、米国のガイドラインでは、異型部位を吸引式乳房組織生検(VAB)または手術で切除し、画像サーベイランスを行うことが推奨されている。しかし、画像サーベイランスを5年間にわたり毎年行うことについてはエビデンスがなく、期間、頻度、妥当性が議論の的となっていた。なお、今回の結果について著者は、「長期的リスクについてさらなるエビデンスが必要である」と述べている。BMJ誌2024年2月1日号掲載の報告。上皮異型が診断された女性3,238例のその後の乳がん例数・種類を調査 研究グループは、検診での異型検出後の乳がん発症例数と種類について調べるため、英国で3年に1回の検診での検出が予測される例数(女性1,000人当たり11.3例)と比較した。 イングランドのSloane Atypia Projectの前向きコホートを対象とした観察研究を実施した。同コホートには、英国の国民保健サービス(NHS)乳がん検診プログラムで診断された異型が含まれており、English Cancer RegistryおよびMortality and Birth Information Systemとリンクしていることから、その後の乳がんおよび死亡に関する情報を得ることができる。 解析には、2003年4月1日~2018年6月30日に上皮異型と診断された女性3,238例が含まれた。 主要アウトカムは、異型診断後1年、3年、6年後に検出された浸潤性乳がんの例数と種類で、異型の種類、年齢、診断暦年別に解析した。マンモと生検の技術的変化で、異型のリスク特定が可能に? 異型検出は、2010年の119例から、デジタルマンモグラフィ導入後の2015年には502例と4倍に増加していた。 2018年12月までの追跡期間中(異型診断後の1万9,088人年)に、女性141例が乳がんを発症した。異型が検出された女性1,000人当たりの浸潤性乳がんの累積発症率は、異型検出後1年時点で0.95(95%信頼区間[CI]:0.28~2.69)、3年時点で14.2(10.3~19.1)、6年時点で45.0(36.3~55.1)だった。異型検出がより直近の時期だった女性ほど、その後3年以内にがんが検出された割合は低かった。 浸潤性乳がん検出(女性1,000人当たり)は、2013~18年は6.0(95%CI:3.1~10.9)であったのに対し、2003~07年は24.3(13.7~40.1)、2008~12年は24.6(14.9~38.3)だった。浸潤性乳がんのグレード、大きさ、リンパ節転移は、一般の検診集団で検出されたがんと同等(同側および対側がんの例数も同等)だった。 結果を踏まえて著者は、「多くの異型はリスク因子ではあるが、短期的には、手術が必要となる浸潤性乳がんの前兆ではないと思われた」とし、「異型検出がより直近の女性ほど、その後にがんが検出される割合が低かったのは、過剰診断に相当する可能性が高い異型を検出するマンモグラフィや生検の技術的変化と関連していると思われる」と述べている。

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2023年12月期 決算説明

2023年度実績及び2024年度予想について   :代表取締役社長 COO 藤井勝博中期計画2025の評価及び今後の方向性について:代表取締役会長 CEO 大野元泰※IRページは こちら からお戻りいただけます※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。※IRページは こちら からお戻りいただけます.banAdGroup{display:none;}

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2月14日 予防接種記念日【今日は何の日?】

【2月14日 予防接種記念日】〔由来〕1790(寛政2)年の今日、秋月藩(福岡県朝倉市)の藩医・緒方春朔が、初めて天然痘の人痘種痘を行い成功させたことから、「予防接種は秋月藩から始まった」キャンペーン推進協議会が制定した。関連コンテンツインフルエンザ【今、知っておきたいワクチンの話】肺炎球菌ワクチン【今、知っておきたいワクチンの話】インフルエンザワクチン(1)鶏卵アレルギー【一目でわかる診療ビフォーアフター】コロナワクチン、2024年度より65歳以上に年1回の定期接種へ/厚労省新型コロナワクチン、午前に打つと効果が高い?

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第199回 脳神経外科の度重なる医療過誤を黙殺してきた京都第一赤十字病院、背後にまたまたあの医大の影(前編)

京都市が京都第一赤十字病院に対して改善を求める行政指導こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は久しぶりに奥多摩に行って来ました。真冬のちょうどこの時期、度々訪れている六ツ石山(1,479m)です。昨年は頂上でも積雪がほとんどなく地球温暖化を嘆いたのですが、今年は、先週月曜日に降った大雪のお陰で、麓から雪がたっぷり残っており、快適な冬山登山を楽しむことができました。今週から一気に暖かくなるそうですが、春が来る前に、もう1回くらい冬型の気圧配置の下、南岸低気圧が通過しないかと期待しています。さて、今回は、患者に対する手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だったとして京都市保健所が京都第一赤十字病院(京都市東山区、池田 栄人院長)に対して改善を求める行政指導を行ったというニュースを取り上げます。患者の死亡例も含む不適切とされた複数の事例は最近のものではなく、3年近く前に起こったものです。なぜ今ごろになって表沙汰になり、京都市が動く事態となったのでしょうか。調べてみると、同病院や日本赤十字社の医療過誤や医療事故を隠蔽しようとする体質が浮かび上がってきました。不適切とされた事例はいずれも同病院の脳神経外科で確認1月19日付の京都新聞、NHK等の報道によれば、患者に対する手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だったとして、京都市(京都市保健所は京都市が設置)が18日までに、京都第一赤十字病院(以下、第一日赤)に対し、改善を求める行政指導をしていたことがわかったとのことです。これらの報道によれば、不適切とされた事例はいずれも同病院の脳神経外科で確認されたものです。2020年に行われた脳腫瘍の手術では、その後、予定外の再手術となった理由について、患者や家族に説明した記録が見つかりませんでした。さらに同年、手術後に死亡した別の患者の死亡診断書には「手術なし」と事実と異なる記載をしていました。また、2021年には、研修医の医療処置を受けた患者が死亡していますが、遺族には処置を施した説明をしていませんでした。こうした事例の中には、病院の医療安全管理委員会に適切に報告されず、事後の検証も十分行われていなかったケースもあるとのことです。以上の3件のほか、2019~21年に手術後などに9人が死亡し、他にも3人の患者で不適切な対応があったとの情報が市には寄せられており、京都市は同病院に対し、3月18日までに再検証した上、改めて報告するよう求めたとのことです。診療録の記載方法、治療法などについての患者への説明方法、患者の遺族に対する診療経過の説明方法などを指導各紙報道から約1週間後の1月24日、第一日赤は同病院のWebサイトに、「京都市保健所による行政指導について」というタイトルのお詫び文を掲載しました1)。それによれば、京都市保健所が同病院に対し指導および再検証を求める通知を行ったのは1月17日でした。指導内容は、診療録の記載方法、治療法などについての患者への説明方法、患者の遺族に対する診療経過の説明方法、死亡診断書の記載方法、医療安全管理委員会の運用方法などに関する指導などで、医療機関としては当然行っているべき基本的な事柄ばかりです。逆に言えば、それらのことがいかに杜撰に行われていたかがうかがい知れます。また、医療安全部門での把握や医療事故対応、管理者報告・院内共有、再発防止等について再検証を求めたのは、再検証し保健所に報告するものが12件、再検証のみ求められたものが49件もありました。「月刊Hanada」が3号連続で第一日赤の医療過誤の実態をスクープ京都市が外部からの情報提供を基に、第一日赤に医療法25条による立ち入り検査に入ったのは昨年10月で、計3回行われました。いったい立ち入り検査のきっかけは何だったのでしょうか。実は、2023年9月26日発売の「月刊Hanada」(飛鳥新社)の11月号に、「告発スクープ!正常脳を切除、禁忌の処置で死亡 医療事故を放置 日本赤十字社の闇」と題する記事が掲載されています。ジャーナリストの長谷川 学氏によるこの記事は、事故当時、第一日赤に在籍していた医師や患者家族等への取材に加え、患者家族が京都地方裁判所を通じて同病院に診療情報の開示請求を行って取得した証拠などを基に執筆されています。同記事には、京都市が「手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だった」と問題視したいくつかの事例について、その詳細が書かれています。脳腫瘍ではない正常脳の一部を摘出、脳圧が高まっている患者では禁忌の腰椎穿刺を研修医が単独で実施同記事によれば、2020年に行われた70代女性に対する脳腫瘍摘出手術では、一度目の手術で執刀医は箇所を間違えて開頭、脳腫瘍ではない正常な脳の一部を摘出していました。しかし医師たちはそのミスを患者、家族には伝えず、「もう一つ怪しいものがある」と再度手術を行い、腫瘍の摘出を行っていました。患者は今も後遺症に悩まされ続けているとのことです。2021年に起きた研修医の医療処置を受けた患者が死亡した事例は、静脈洞血栓症が疑われる20代女性に対し、脳圧が高まっている状態では禁忌とされる腰椎穿刺を行ってしまったというものです。脳圧亢進時は脳ヘルニアを起こす危険性があり禁忌とされていることを知らなかった研修医が、独断かつ単独で腰椎穿刺を行い、患者を死に至らしめていました。しかし、家族には「脳の細胞がやられているので助からない」と伝えられたのみで、腰椎穿刺を行ったことは伏せられていました。院内の安全対策委員会でも事故の調査委員会は設置されなかったとのことです。完全な隠蔽と言えます。「月刊Hanada」は続く12月号で「告発キャンペーン第2弾 京都府立医大の深い闇 正常脳を誤って摘出 第一日赤脳外科部長が謝罪」の記事を、さらに2023年1月号では「告発キャンペーン第3弾 正常脳を引っ掻き回し切除 凄まじい手術ビデオ 第一日赤に立入検査」の記事を掲載しています。同じく長谷川氏による執筆で、1月号に最初の告発記事を掲載してからの第一日赤の動き(正常脳摘出の患者・家族には謝罪するも、腰椎穿刺死亡の家族には報告・謝罪なし)や、その他の腰椎穿刺死亡例の存在、京都市が立ち入り検査に至った経緯、医療事故調査制度の限界などについて報じています。脳神経外科が2つ併存の異常さ、京都府立医大系列の第二脳神経外科で事故多発「月刊Hanada」の一連の記事を読んで驚いたのは、第一日赤で事故が多発していた当時、同病院には脳神経外科が2つあったという事実です(現在は1つ)。第一脳神経外科、第二脳神経外科と名付けられ、それぞれに部長、医局員がおり手術が行われていたとのことです。そして、事故が多発していたのは京都府立医大の脳神経外科からの派遣で構成された第二脳神経外科でした。府立医大系列ではない第一脳神経外科の部長(当時)は、事故が頻発していることに危機感を持ち、同病院の経営陣や日本赤十字社本社、さらには京都府立医大の脳神経外科などに幾度も注意喚起を行い、改善を求めたものの、事態は一向に改善されなかったのだそうです。「月刊Hanada」の記事によれば、今回の京都市の立ち入り検査は、この元部長が、同誌11月号の報道をきっかけとして、10月に市に公益通報を行ったことによるものだそうです。同誌の報道だけでは第一日赤は動こうとせず、京都市に対する公益通報が行われ、立ち入り検査が入って初めて、一部の事故は表沙汰になり、患者にも事実が伝えられたわけです。過誤や事故の原因を究明しようともせず、ただ隠蔽していた第一日赤現行の医療事故調査制度は、すべての医療機関に対して、医療事故で患者が死亡した場合、第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告することや、原因を調査することなどを義務付けています。しかし、報告や調査を行うケースに該当するかどうかは医療機関の院長等の判断に任されています。そうした、医師に”甘い”とも言える運用ルールが、過誤や事故の隠蔽につながっていることが最近問題視されています。一連の報道を読むと、過誤や事故の原因を究明しようともせず、ただ隠蔽していた第一日赤の悪質さは度を越しているように感じます。それにしても、一昨年、大津市民病院の医師大量退職事件に関連して京都府立医大のジッツ戦略についてはこの連載でも幾度か取り上げましたが(「第121回 大量退職の市立大津市民病院その後、今まことしやかに噂されるもう一つの“真相”」、ほか)、今回の第一日赤の件でも同大が絡んでいる点が、なかなか興味深いところです(この項続く)。参考1)京都市保健所による行政指導について/京都第一赤十字病院

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日本の大学で医学部長や病院長になる人の特徴は?

 日本の医療機関における重要なリーダーである医学部長と大学病院長について、性別、出身大学、専門領域などの傾向を調べるため、島根大学およびミシガン大学の和足 孝之氏らの研究グループが調査を実施した。その結果、日本の82大学の医学部長と病院長はすべて男性で、日本の医学部を卒業し、博士号を取得していることなどが示された。JAMA Network Open誌2024年1月11日号Research Letterでの報告。 本調査では、2022年6月1日時点で文部科学省に認可されている全国82校の国公私立大学について、医学部長および病院長を特定し、性別、医学部卒業からの年数、出身大学、専門領域、研究分野、博士号の取得歴などについて記述統計による解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・82大学の医学部長82人および病院長82人の計164人はすべて男性で、日本の医学部を卒業していた。・全員が博士号を取得し、そのうち98.8%が基礎医学研究であった。・卒後年数の中央値は38年(IQR 36~40)で、年齢は約63~64歳に相当する。・医学部長および病院長の専門は内科が最も多く(37人[22.6%])、次いで外科(30人[18.3%])、基礎医学(14人[8.5%])、泌尿器科(10人[6.1%])であった。・医学部長では基礎医学・病理学の教員であることが最も多く(22人[26.8%])、病院長では外科の教員であることが最も多かった(51人[62.2%])。・旧帝国大学7校および上位17校と、そのほかの大学を比較すると、医学部長や病院長は、現在の所属校の卒業生であることが多く、かつ旧帝国大学の卒業生であることが多かった。・国公立校と私立校を比較した場合にも、OBや旧帝国大学出身者の割合が高いことが示された。 著者らは本結果について、「日本の大学医学部および大学病院には女性のリーダーが不在であり、リーダーの多様性が欠如していることが明らかになった。これは日本に限ったことではなく、米国では女性の医学部長が11~13%である。本結果は医学学会の会長の年功序列とジェンダーバイアスを示す先行研究と一致している。さらに、社会医学(経営学、公衆衛生学、医学教育、医療の質、患者の安全など)の学位を持つ高位のリーダーが少ないことも反省すべき点である。こうした顕著な傾向は、専門知識や教育法などの社会への普及を制限する可能性があることから、改善に取り組まなければならない」とまとめている。

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グラム陰性菌血症への抗菌薬、早期経口スイッチの効果は?

 抗菌薬は多様な疾患に処方されており、経口投与は点滴投与と比較して医療者・患者負担が少ないが、その効果に違いはあるのか。合併症のないグラム陰性菌血症の患者を対象に、抗菌薬を早期に経口投与に切り替えた場合と静脈内投与を継続した場合の90日死亡リスクを比較した研究結果が発表された。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のSandra Tingsgard氏らによる本研究は、JAMA Network Open誌2024年1月23日号に掲載された。 本試験は、対象試験エミュレーションの枠組みを用いて実施されたコホート研究で、2018年~21年、デンマーク・コペンハーゲンの4病院で診療を受けた合併症のないグラム陰性菌血症の成人の観察データを対象とした。追跡期間は90日間で、初回血液培養後4日以内に経口抗菌薬に切り替えた場合と、5日以上静脈内投与を継続した場合の90日全死因死亡率を比較した。絶対リスク、リスク差(RD)、リスク比(RR)推定のため、プールロジスティック回帰を用いてintention-to-treat解析およびper-protocol解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・計914例(年齢中央値74.5歳、男性56.0%)が組み入れられ、433例(47.4%)が早期切り替え群、481例(52.6%)が長期静脈内治療群に割り付けられた。99例(10.8%)が追跡期間中に死亡した。・長期静脈内治療群は、早期切り替え群と比較して年齢が高く、菌血症の進行がより重篤で、合併症の負担が大きかった。ベースライン時にこれらの差を調整し、per-protocol解析ではベースライン時の交絡因子と時間変動交絡因子の両方を調整し、割り当てられた治療戦略からの逸脱例は除外した。・死亡率は、長期静脈内治療群のほうが高かった(69例[14.3%]対30例[6.9%])。intention-to-treat解析では、90日全死因死亡率は早期切り替え群で9.1%(95%信頼区間[CI]:6.7~11.6)、長期静脈内治療群で11.7%(95%CI:9.6~13.8)であり、RDはー2.5%(95%CI:ー5.7~0.7)、RRは0.78(95%CI:0.60~1.10)であった。per-protocol解析では、RDはー0.1%(95%CI:-3.4~3.1)、RRは0.99(95%CI:0.70~1.40)と、両群に差はなかった。 研究者らは「4日以内の早期に経口抗菌薬へ切り替えた場合の90日全死因死亡率は、静脈内治療を継続した場合と同程度であり、早期の経口投与切り替えが効果的な代替手段となる可能性を示唆している」としている。

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肺がんコンパクトパネル、細胞診検体の精度は?

 2023年1月26日に遺伝子パネル検査「肺がん コンパクトパネルDxマルチコンパニオン診断システム」(肺がんコンパクトパネル)の一部変更申請が承認された。従来、4遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、MET)のマルチコンパニオン診断検査として用いられていたが、今回の承認により3遺伝子(BRAF、KRAS、RET)が追加され、7遺伝子が対象となった。その肺がんコンパクトパネルについて、細胞診検体(液体検体)を用いた遺伝子検査の精度を検討した結果が、國政 啓氏(大阪国際がんセンター 呼吸器内科)らによって、Lung Cancer誌オンライン版2月3日号で報告された。本研究において、気管支生検鉗子洗浄液の検体では、組織検体で検出された遺伝子変異との一致率が94.9%と高率であった。 本研究は、StageIVの非小細胞肺がん患者を対象とした。液体検体として、気管支生検鉗子洗浄液(鉗子洗浄コホート:79例)、胸水(胸水コホート:8例)、髄液(髄液コホート:9例)を用いて、肺がんコンパクトパネルによる遺伝子検査を実施した。組織検体についても遺伝子検査を実施し(オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステムまたはAmoyDx肺マルチ遺伝子PCRパネルを使用)、鉗子洗浄コホートの液体検体の結果と比較した。 主な結果は以下のとおり。・鉗子洗浄コホートでは、組織検体で検出された変異との一致率は94.9%(75/79例)であった。・鉗子洗浄コホートの組織検体と液体検体でみられた相違は以下のとおり(下線部は相違点)。症例1:組織(EGFR L861Q、MET exon14スキッピング)、液体(EGFR L861Q)症例2:組織(KRAS Q61H)、液体(検出なし)症例3:組織(EGFR L858R)、液体(EGFR L858R、KRAS G12C)症例4:組織(EGFR L858R)、液体(EGFR L858R、EGFR A859D)・胸水コホートでは、GM管で8週間冷蔵保存した後でもDNA・RNAの質や量は低下しなかった。・髄液コホートでは、9例中8例で組織検体にドライバー遺伝子変異が認められた。髄液中に腫瘍細胞が認められた患者全例で、髄液検体で認められた変異と組織検体で認められた変異が一致していた。 本研究結果について、著者らは「組織検体の採取が困難な場合、治療につながるドライバー遺伝子変異の検索や治療抵抗性の解析に、細胞診検体を用いた肺がんコンパクトパネルによる遺伝子検査が利用可能と考えられる」とまとめた。

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アルコール依存症の治療期間に応じた薬物療法の有用性~ネットワークメタ解析

 アルコール依存症やアルコール使用障害では、再発が多くみられることから、減酒治療をできるだけ長期間にわたり実施する必要がある。しかし、これまでのレビューでは治療期間が考慮されておらず、減酒治療が適切に評価されていない可能性がある。岡山済生会総合病院の小武 和正氏らは、アルコール依存症またはアルコール使用障害の患者における減酒薬物療法の有効性と安全性を治療期間に応じて評価するため、本研究を実施した。Addiction (Abingdon, England)誌オンライン版2024年1月3日号の報告。 15種類の薬剤を評価したランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。2021年5月までに公表された研究をMEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Central Register of Controlled Trials、ClinicalTrials.gov、ICTRPより検索した。アウトカムは、多量飲酒日(HDD)、総アルコール摂取量(TAC)、有害事象、禁酒日数とした。 主な結果は以下のとおり。・分析には、55件(8,891例)のRCTを含めた。・ナルメフェンは、長期にわたるHDD(標準化平均差[SMD]:-0.28、95%信頼区間[CI]:-0.37~-0.18)およびTAC(SMD:-0.25、95%CI:-0.35~-0.16)の減少において、プラセボよりも優れていたが、短期間では効果が十分ではなかった。・トピラマートは、短期的にHDD(SMD:-0.35、95%CI:-0.59~-0.12)および禁酒日数(SMD:0.46、95%CI:0.11~0.82)の減少において、プラセボよりも優れていた。・バクロフェンは、短期的にTAC(SMD:-0.70、95%CI:-0.29~-0.11)の減少においてプラセボよりも優れていた。・有害事象の頻度は、プラセボよりもナルメフェン、トピラマートのほうが有意に高かった。 著者らは、「ナルメフェン、トピラマート、バクロフェンは減酒の薬物療法として有効である可能性が示唆されたが、長期的な有効性が実証されている薬剤はナルメフェンのみである」とまとめている。

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遺伝性血管性浮腫、CRISPR-Cas9ベースの生体内遺伝子編集治療が有望/NEJM

 遺伝性血管性浮腫の治療において、NTLA-2002の単回投与は、血漿中の総カリクレイン濃度を強固に、用量依存性で恒久的に減少させ、重度の有害事象は観察されないことが、ニュージーランド・Auckland City HospitalのHilary J. Longhurst氏らによる検討で示された。遺伝性血管性浮腫はまれな遺伝性疾患で、予測不能な重度の浮腫発作を引き起こす。NTLA-2002は、CRISPR-Cas9に基づく生体内遺伝子編集治療で、カリクレインB1をコードする遺伝子(KLKB1)を標的とする。研究の成果は、NEJM誌2024年2月1日号で報告された。3ヵ国3施設の第I相用量漸増試験 本研究は、遺伝性血管性浮腫の治療におけるNTLA-2002の有用性を評価する第I/II相試験の第I相用量漸増試験であり、2021年12月~2022年8月に、ニュージーランド、オランダ、英国の3施設で患者を登録した(Intellia Therapeuticsの助成を受けた)。 年齢18歳以上、1型または2型の遺伝性血管性浮腫と診断され、スクリーニング前の90日間に少なくとも3回の発作を認めた患者10例(年齢中央値51歳[範囲:26~73]、男性6例、1型6例、2型4例)を登録し、NTLA-2002 25mgを単回投与する群に3例、同50mg投与群に4例、同75mg投与群に3例を割り付けた。 主要エンドポイントは、NTLA-2002治療の安全性と副作用のプロファイルであった。用量制限毒性、臨床的に重要な臨床検査所見はみられず 全体で最も頻度の高い有害事象として、注入に伴う反応を7例(70%、NTLA-2002 25mg群2例、同50mg群2例、同75mg群3例)、倦怠感を6例(60%、1例、3例、2例)で認めた。注入に伴う反応の症状の多くはGrade1で、投与日中に消退し、続発症はみられなかった。 また、NTLA-2002投与後に、用量制限毒性、重篤な有害事象、Grade3以上の有害事象、臨床的に重要な臨床検査所見の発現はなかった。 ベースラインと直近の評価では、この間に血漿中の総カリクレイン濃度の用量依存性の低下を認め、平均変化率は、NTLA-2002 25mg群が-67%、同50mg群が-84%、75mg群は-95%であった。1ヵ月当たりの発作数がベースラインから95%減少 ベースラインから1~16週までの、1ヵ月当たりの遺伝性血管性浮腫発作数の平均変化率は、NTLA-2002 25mg群が-91%、同50mg群が-97%、同75mg群は-80%であった。また、全例におけるベースラインから直近の評価までの、1ヵ月当たりの発作数の平均変化率は-95%だった。 著者は、「これらの結果は、遺伝性血管性浮腫に対する新たな治療法として、NTLA-2002によるCRISPR-Cas9ベースの生体内遺伝子編集治療の検討を継続することを支持するものである」としている。

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検診以外で発見の非浸潤性乳管がん、浸潤性病変・乳がん死の長期リスク高い/BMJ

 検診以外で発見された非浸潤性乳管がん(DCIS)の女性は、診断後少なくとも25年間は、一般集団の女性と比較して浸潤性乳がんや乳がん死のリスクが高く、検診でDCISが検出された女性に比べ長期的なリスクも高いことが、英国・オックスフォード大学のGurdeep S. Mannu氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2024年1月24日号に掲載された。長期リスクを評価するイングランドのコホート研究 本研究は、検診以外で検出されたDCISにおける浸潤性乳がんと乳がん死の長期的なリスクの評価を目的に、一般集団の女性と検診でDCISと診断された女性を比較する住民ベースのコホート研究である(Cancer Research UKなどの助成を受けた)。 1990~2018年に、英国国民保健サービス(NHS)の乳房検診プログラム以外でDCISと診断されたイングランドの女性2万7,543例を解析に含めた。浸潤性乳がん、乳がん死の実測値は予測値より高い 2018年12月31日の時点で、検診以外でDCISと診断された女性のうち3,651例が浸潤性乳がんを発症した。これは、全国的ながん罹患率から予測される値の4倍以上であった(実測値/予測値の比:4.21、95%信頼区間[CI]:4.07~4.35)。また、浸潤性乳がん発症の実測値/予測値の比は、追跡期間を通じて高いままであった。DCIS診断時年齢別の、浸潤性乳がんの25年間の累積リスクは、45歳未満で27.3%、45~49歳で25.2%、50~59歳で21.7%、60~70歳で20.8%だった。 乳がんで死亡した女性は全体で908例。これは、一般集団の乳がん死亡率から予測される値のほぼ4倍(実測値/予測値の比:3.83[95%CI:3.59~4.09])であった。また、乳がんに起因する死亡の実測値/予測値の比は、追跡期間を通じて高値を維持していた。DCIS診断時年齢別の、乳がん死の25年間の累積リスクは、45歳未満で7.6%、45~49歳で5.8%、50~59歳で5.9%、60~70歳で6.2%であった。乳房切除術は浸潤性乳がんを低減、乳がん死には影響せず 50~64歳(NHS乳房検診の対象年齢)の女性では、検診でDCISが検出された女性に対する、検診以外でDCISが検出された女性の、浸潤性乳がん発症の実測値/予測値の比は1.26(95%CI:1.17~1.35)、同じく乳がん死亡率の実測値/予測値の比は1.37(1.17~1.60)であった。 手術を受けた片側DCIS女性2万2,753例では、乳房温存術に比べ乳房切除術で、同側浸潤性乳がんの25年累積リスクが低かった(乳房切除術8.2%[95%CI:7.0~9.4]、乳房温存術+放射線治療:19.8%[16.2~23.4]、乳房温存術単独:20.6%[18.7~22.4])。 一方、乳がん死の25年累積リスクは、乳房切除術と乳房温存術(±放射線治療)で同程度であった(乳房切除術:6.5%[95%CI:4.9~10.9]、乳房温存術+放射線治療8.6%[5.9~15.5]、乳房温存術単独7.8%[6.3~11.5])。 著者は、「DCIS女性では、浸潤性乳がんと乳がん死のリスク増加が少なくとも25年間続いたことから、DCIS生存者は少なくとも30年間は、サーベイランスの恩恵を受ける可能性があると示唆された」としている。

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抗肥満薬アライ、内臓脂肪をどのくらい減らす? 【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第125回

要指導医薬品として承認された抗肥満薬「アライ」を覚えていますでしょうか。承認されたのはちょうど1年前の2023年2月で、その審査に4年もかかったこと、また久しぶりのダイレクトOTCであることも話題になりました。公式ブランドサイトには「今春発売予定」とあり、2024年3月4日の世界肥満デーに合わせて、アライの発売を記念した記者発表会を開催するようです。なんだかいよいよという感じがしてきましたね。「アライ」は、大正製薬によって申請された日本初となる内臓脂肪・腹囲減少薬で、成分名はオルリスタットです。「成人(18歳以上)」「腹囲が男性85cm以上/女性90cm以上」「生活習慣改善の取り組みを行っている」人の内臓脂肪および腹囲の減少が期待できるOTC医薬品です。「腹囲が男性85cm以上/女性90cm以上」というのは、いわゆるメタボリックシンドロームの基準と同じなので、本剤の必要のない人が過度なダイエットのために使用することはできません。なお、要指導医薬品ですのでオンラインでは販売できず、再審査期間が8年設定されます。このアライの気になる作用機序は、消化管の中でリパーゼを不活性化し、食事に含まれる脂質の体内吸収を抑制することで、減量効果を得ようとするものです。臨床試験において、投与開始から24週の内臓脂肪面積の変化率はプラセボ群-5.78% vs.アライ群-14.10%、腹囲変化量は-1.63cm vs.-2.49cmで、いずれもプラセボ群に対して有意に減少していました(p<0.05)。副作用としては、作用メカニズムに由来する油の漏れ、便を伴う放屁、脂肪便や下痢などですが、肝障害にも注意が必要です。注目すべきは、長期投与試験で「油の漏れ」が30%超、「便を伴う放屁」が20%超に発生しているという点です。軽微な副作用とはいえ、これらがQOLに及ぼす影響は大きいと考えられ、服薬継続に影響を及ぼしそうな気がします。本剤の販売には、腹囲などの基準や食事・運動習慣の確認だけでなく、1ヵ月間の生活習慣記録の確認も必要です。それらを薬剤師が確認し、アライを適切に服用することで肥満が改善したという報告が1年後に聞かれることを期待したいと思います。なお、この記者発表会では、日本肥満学会の理事長の講演やアライの情報提供だけでなく、購入フローのデモンストレーションや製品の配布(薬剤師の確認のうえ、本剤の対象者のみ)も行われるようです。いよいよ発売が近くなり、患者さんから聞かれる機会も増えると思うので、参考になれば幸いです。

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「進行がんだから仕方がない」は使わない ~外来通院の進行がん患者へのリハビリテーション~【Oncologyインタビュー】第45回

出演:関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座 勝島 詩恵氏「進行がんだから仕方がない」。がん医療の現場で何げなく使ってしまう言葉ではないだろうか。この言葉を考え直す時期が来ているようだ。外来通院の進行がん患者へのリハビリテーション介入という新たな挑戦が始まっている。関西医科大学の勝島 詩恵氏に聞いた。進行がん患者治療の課題に立ち向かう外来通院がん患者は増加している。その反面、治療に適応するための対策は追いついていないという。外来通院ができるがん患者は、基本的に全身状態(PS)良好で身体機能が維持されているはずだが、実際は問題を抱えているケースが多い。外来通院が可能な状態であっても、進行がん患者である以上、薬物だけで治療は成立しない。患者の栄養状態、身体機能、精神面の安定があってこそ、より良いがん診療ができる。外来通院がん患者に対して、これから始まる、あるいは現在行っている治療に適合させるための介入(リハビリテーション)が必要だと考え、2020年、関西医科大学附属病院は「フレイル外来」を立ち上げた。多職種が連携した介入を実現大学病院などのハイボリュームセンターでは、連日100人を超える外来化学療法患者が受診する施設も珍しくない。そのため、主治医の診察から治療(点滴)開始まで、長い待ち時間が生じ、患者の大きな負担となっている。フレイル外来は、その待ち時間を有効利用する。患者は化学療法外来主治医の診療終了後、フレイル外来を受診する。化学療法レジメンに合わせて、月1~2回の通院が通常である。関西医科大学附属病院のフレイル外来では、腫瘍内科医(勝島氏)が診察を行い、患者の治療内容、副作用や経過などの理解を深める。それ以外にも、食欲不振や体重減少が強い患者には、栄養士への栄養指導の依頼や治療薬に関する主治医への相談を行う。介護保険申請を行っている患者や通院が困難となってきた患者には、デイケアや訪問リハビリテーションの紹介、精神的ケアや症状緩和が必要な患者には緩和ケア科と連携したサポートを行う。フレイル外来には、立ち上げからの3年間で360人の患者が紹介されている。外来の認知度と共に患者は増え、現在は月100人の患者がフレイル外来を受診する。呼吸器、消化器、乳腺などが主体であったが、最近は血液内科から造血幹細胞移植後の患者の紹介も多い。「外来の認知度が上がるにつれ、紹介が増えており、確実なニーズの増加を実感している」と勝島氏は述べる。病勢進行していなくても、半数以上が悪液質を合併していた勝島氏らは、フレイル外来を受診する進行再発肺がん患者の調査を実施した。定期的に外来通院にて化学療法を受ける肺患者は基本的にPS良好で、病勢もコントロールされているはずの外来患者だが、フレイル外来初診時、過半数(55.2%)が悪液質を合併していた1)。また、化学療法を受ける進行再発がん患者の悪液質は、低栄養状態、低身体活動が悪液質の臨床的特徴、もしくは、悪液質の特徴として独立した因子として抽出された。低身体活動については、10分以上続けて行う身体活動を評価する「IPAQ*」で評価できたが、従来のPSでは拾い上げられなかった1)。「医師が判断するPSは実際の活動量と乖離している可能性があるため、PSだけで判断すると危険」と勝島氏は言う。*IPAQ(International Physical Activity Questionnaire、国際標準化身体活動質問票):1週間における高強度および中等度の身体活動を行う日数および時間を質問する。治療成績向上、鍵は治療開始までの期間と悪液質の早期予防また、勝島らは、近年肺診療において、病期診断、病理診断に一定の時間を要し、その間に身体機能が落ちる患者がいることに着目して調査を行った。初診から治療開始までの期間が長いほど悪液質発症が高まる傾向が明らかになった。初診から治療開始までが45日以上の群では、治療開始までに悪液質発症が増加したが(初診時37%→治療開始時87%)、45日未満の群では増加しなかった(61%→61%)。悪液質の存在は化学療法の効果に悪影響を及ぼすことも示されている。悪液がない患者では、初回化学療法の病勢コントロール率(DCR)は100%、初回治療完遂率も100%であった。一方、悪液質がある患者での初回化学療法のDCRは66.7%、初回治療完遂率は58.7%と、有意差はないものの、悪液質がない患者よりも悪い傾向であった。しかし、悪液質の合併については、医療者も患者も危機意識は低い。勝島氏によれば、がんの確定診断を受けながら、治療開始までの待機期間にPSが悪化し、抗がん剤治療が受けられなくなってしまったケースも少なくないという。悪液質は決してがん終末期の病態ではなく、がん治療の早期にも現れ、抗がん剤治療に悪影響を及ぼす。迅速な診断と介入で、いかに悪液質がない状態で化学療法を実施できるかが、がん治療成功の鍵を握るといえる。これらの研究結果について勝島氏は、「多くの医療者が何となく気付いていたこと。少し全貌が明らかになった」と言う。がんリハビリテーションの質的なメリット進行再発がんリハビリテーションの真のエンドポイントは定まっていない。治療を行ったとしても最終的には病勢が進行する。そのため、体重や身体機能などの量的なエンドポイントは、いずれ達成できなくなってしまう。一方、フレイル外来通院患者の中には、病勢が進行しても受診を希望する患者も多い。そのため、進行再発がん患者へのリハビリテーションは、量的な効果だけでなく、質的な効果を持つのではないかという仮説を立てた。そして、フレイル外来通院患者に、リハビリテーションでの経験について、半構造化面接法によるインタビューを行った。その結果、がんリハビリテーションに取り組むことで、フレイル外来通院患者は「身体機能改善に対する期待感」「変化を客観的に把握できる安心感」「自分の存在意義の再確認」といったポジティブな経験をし、根治不能な進行がんとの付き合い方を見いだしていることがわかった2)。現時点でできることとはいえ、すべての施設で関西医科大学のような取り組みができるわけではない。そのような中、医療者ができることは何だろうか。まず、悪液質に対する危機意識を高めるべきだと勝島氏は強調する。また、医療者と共に患者の理解も重要だ。治療医の言葉は患者に大きな影響を与える。治療医から患者への「どれだけ動けて、痩せずに治療を受けられるか、で抗がん剤の効果も変わってくる」などの一言で、患者の理解も深まるという。多職種連携の最初の一石は医師しか投じられない。モチベーションが高い理学療法士や看護師は多いが、医師からの紹介がないと動くことはできないことも多い。勝島氏は「治療医から発信するがん悪液質診療を形作るべき」と述べる。前向き試験の取り組み前述の先行試験から、悪液質は初回治療前からでも存在し得ること、治療に悪影響を及ぼすことが明らかとなった。勝島氏らは、次の段階として前向き試験を実施し、初回治療前からの運動・栄養療法が進行再発がんにおける悪液質の発症を抑制し、がん治療に良い効果を生み出すか否かを検証する予定である。今回の試験は治療前から介入するため、少なくとも化学療法の影響を受けない。交絡因子として化学療法の影響を受けないことから、がんリハビリテーションの効果をより純粋に評価できる可能性があるという。外来がんリハビリテーションの診療報酬獲得に結び付ける現在は、患者も医療者も、治療中の体重減少や身体機能低下の重要性について認識不足で、介入も遅れがちである。実際、フレイル外来には、痩せきって身体機能が落ちてから紹介されるケースも少なくないという。早期からのリハビリテーションの重要性を医療者が認識することで、治療効果が乏しくなる前に介入できる。勝島氏は、「痩せて筋力もない患者が、化学療法という大きな剣を無理やり持たされている状況が悪液質。それに対し、早期から多職種が介入して、身体機能や栄養状態、精神面を維持してもらうことで、大きな剣をしっかり振りかざすことができる」とし、「われわれの研究によって、運動療法・栄養療法という低コストの介入が、進行がん治療に寄与することが証明できれば、最終的には外来がんリハビリテーションの診療報酬獲得に結び付くかもしれない」と述べた。画像を拡大する画像を拡大する(ケアネット 細田 雅之)参考1)Katsushima U, et al. Jpn J Clin Oncol. 2024 Jan 11. [Epub ahead of print]2)勝島 詩恵ほか. Palliative Care Research.2022;17:127-134.

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