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ビタミンDは高齢者の風邪を減らせるか、RCTで検証

 毎日のビタミンD補給がビタミンD欠乏症において急性呼吸器感染症のリスクを低下させたという報告がある一方で、異なる集団・条件下で行われた試験では無効という結果が報告されている。米国・ハーバード大学医科大学院のCarlos A. Camargo氏らは、ビタミンDとオメガ3脂肪酸の補給に関する無作為化二重盲検プラセボ対照試験(VITAL)のデータを用いて高齢者の上気道感染症リスクに対するビタミンD補給の影響を評価した。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2023年12月19日号への報告。 VITAL試験は、心血管疾患やがんなどの既往のない健康な男性(50歳以上)および女性(55歳以上)が対象。事前に指定された本分析では、ベースライン時における血清25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)値が利用可能な参加者1万5,804人(61%)を対象に、ビタミンD3補給群(2,000IU/日)とプラセボ群が比較された。主要アウトカムは1年の追跡調査時における自己報告による最近の上気道感染であった。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は68歳、51%が女性、76%が非ヒスパニック系白人、16%が黒人、8%がそのほかの人種/民族であった。・ベースライン時点で、平均血清25(OH)D値は31ng/mLであり、377人(2.4%)で<12ng/mLであった。・最近の上気道感染はビタミンD3補給群で816件(10.8%)、プラセボ群で858件(11.5%)報告され、ビタミンD補給の効果は有意ではなかった(オッズ比[OR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.86~1.06)。・最近の上気道感染のORは、血清25(OH)D値がベースラインで高かった集団(OR:0.92~1.00)と比較して<12ng/mLの集団(OR:0.64)では低かったが、その差は有意ではなかった(交互作用のp=0.30)。・事前に規定されたサブグループ(血清25[OH]D値<12ng/mLでビタミンD補給なし、255人)における最近の上気道感染のORは低かったが、有意な差はみられなかった(OR:0.60、95%CI:0.28~1.30)。・ほかのサブグループにおける効果修飾因子を評価するための統計学的検出力は限定的であった。 著者らは、「ビタミンD欠乏症の有無によって選別しない健康な高齢者全体において、ビタミンD補給は上気道感染症リスクを低下させなかった」とし、「効果がサブグループ間で異なるかどうかについては、さらなる研究が必要」としている。

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初発統合失調症の臨床症状改善とBMIとの関連

 統合失調症患者は、一般集団と比較し、肥満の有病率が高いことが知られている。これまでの研究では、統合失調症患者における体重増加は、抗精神病薬に対する治療反応と関連していることが報告されている。しかし、統合失調症患者のBMIと治療効果との関連は依然としてよくわかっていない。中国・北京大学のXiaofang Chen氏らは、初回エピソードおよび抗精神病薬未治療の統合失調症患者におけるベースライン時のBMIと抗精神病薬治療による臨床症状改善効果との関連を調査するため、本研究を実施した。その結果、統合失調症患者のベースライン時のBMIは、その後の陰性症状改善と関連している可能性が示唆された。Frontiers in Pharmacology誌2023年11月9日号の報告。 対象は、初回エピソードおよび抗精神病薬未治療の統合失調症患者241例。12週間のリスペリドン治療を実施した。症状重症度の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いた。BMIは、ベースライン時および12週間のフォローアップ時に測定した。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬治療により、初回エピソードおよび抗精神病薬未治療の統合失調症患者の体重は増加した。・12週間の抗精神病薬治療後、ベースライン時のBMIと陰性症状改善との間に負の相関が確認された(r=-0.14、p=0.03)。・線形回帰分析では、ベースライン時のBMIは、統合失調症の初期段階において抗精神病薬リスペリドンに対する治療反応の独立した予測因子であることが示唆された。

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妊娠高血圧腎症予防のCa補充、低用量vs.高用量/NEJM

 妊娠中のカルシウム補充について、低用量(500mg/日)は高用量(1,500mg/日)に対し、妊娠高血圧腎症のリスクに関して非劣性を示したことが、インドとタンザニアでそれぞれ行われた無作為化試験の結果で示された。また、早産のリスクに関して、インドの試験では非劣性であったが、タンザニアの試験では同様の所見は示されなかったという。インド・St. John's Research InstituteのPratibha Dwarkanath氏らが報告した。世界保健機関(WHO)は、妊娠高血圧腎症のリスク軽減のため、食事からのカルシウム摂取量が少ない住民集団の妊婦に対して、1日1,500~2,000mgのカルシウムを3回に分けて補充するよう推奨している。しかし、服薬アドヒアランスへの懸念と複雑な投与計画に伴う高コストのプログラムのために、現状では高用量カルシウム補充を実施している国は数ヵ国にとどまるという。NEJM誌2024年1月11日号掲載の報告。インド、タンザニアで各1.1万例を対象に無作為化試験 研究グループは、妊娠中の低用量カルシウム補充の有効性と安全性に関する先行研究(対高用量、対プラセボ)の結果を踏まえ、妊娠高血圧腎症と早産の発生率に関して、低用量補充と高用量補充の有効性は同等であるとの仮説を立て検証試験を行った。インドとタンザニアでそれぞれ独立した無作為化試験を行い、カルシウム補充500mg/日群の同1,500mg/日群に対する非劣性を評価した。 各試験の主要アウトカムは、妊娠高血圧腎症と早産で、相対リスクに関する非劣性マージンを妊娠高血圧腎症は1.54、早産は1.16とした。 インドの試験では、2018年11月~2022年2月に女性3万3,449例がスクリーニングを受け、妊婦1万1,000例(500mg/日群5,497例、1,500mg/日群5,503例)が登録された。タンザニアの試験では、2019年3月~2022年3月に女性4万5,186例がスクリーニングを受け、妊婦1万1,000例(5,503例、5,497例)が登録された。妊娠高血圧腎症について低用量群の非劣性を確認 妊娠高血圧腎症の累積発生率は、インドの試験では500mg/日群3.0%、1,500mg/日群3.6%(相対リスク:0.84、95%信頼区間[CI]:0.68~1.03)、タンザニアの試験では500mg/日群3.0%、1,500mg/日群2.7%(相対リスク:1.10、95%CI:0.88~1.36)であり、両試験で低用量群の非劣性が確認された。 早産の割合は、インドの試験では500mg/日群11.4%、1,500mg/日群12.8%(相対リスク:0.89、95%CI:0.80~0.98)で、非劣性のマージン(1.16)以内であったが、タンザニアの試験では500mg/日群10.4%、1,500mg/日群9.7%(相対リスク:1.07、95%CI:0.95~1.21)で、非劣性マージンを超えていた。

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周産期うつ病、家族要因を問わず死亡リスク増大/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のNaela Hagatulah氏らは、同国の全国規模の住民ベース適合コホート試験の結果、周産期うつ病と診断された女性では、家族的要因を考慮してもとくに診断直後の1年間の自殺による死亡リスクが増加していたことを報告した。周産期うつ病は、妊娠に伴い最もよくみられる合併症の1つで、出産前後の女性の罹患率は最大で20%と報告されている。産後精神障害(精神病性障害、感情障害、不安障害など)を有する女性は、それらの影響を受けなかった女性や一般の女性集団と比べて死亡リスクが高いことが報告されているが、産前を含む周産期うつ病との関連についてエビデンスは限定的であった。また、家族内で共有する要因が周産期うつ病や自殺による死亡リスクの増加に寄与する可能性も指摘されているが、検討された試験データはなかった。著者は今回の結果を踏まえて、「周産期うつの影響を受けた女性、その家族、医療従事者は、これら周産期うつ病後の重大な健康リスクを認識する必要がある」と提言している。BMJ誌2024年1月10日号掲載の報告。スウェーデンで行われた追跡期間18年間のコホート試験 研究グループは、周産期うつ病を発症した女性は、発症していない女性、および実の姉妹と比較して、死亡リスクの上昇が認められるかを調べるため、スウェーデンの全国規模の健康レジスターを活用して、国民ベースの適合コホート試験を行った。姉妹の比較のために共有する家族の交絡因子の調節も行った。 レジスターの対象期間は2001年1月1日~2018年12月31日。対象被験者は、出産時の年齢と暦年で適合し特定した初めて周産期うつ病と診断され、専門的ケアと抗うつ薬の投与を受けた女性8万6,551人と、周産期うつ病に罹患しなかった女性86万5,510人であった。家族の交絡因子を調節するため、対象期間中に1人以上の単児出産をした実の姉妹27万586人(周産期うつ病罹患女性2万4,473人、非罹患の実姉妹24万6,113人)との比較も行われた。 主要アウトカムは、あらゆる要因による死亡。副次アウトカムは、死因別の死亡(すなわち、不自然および自然な死因)とした。 多変量Cox回帰法を用いて、交絡因子を考慮し、周産期うつ病の罹患女性と非罹患女性および姉妹を比較した死亡ハザード比を推算。周産期うつ病の経時的パターン、周産期うつ病発症の産前と産後の違いも検討した。死亡リスクは2.11倍、産後うつ発症者でリスクが高い 最長18年間の追跡調査において、周産期うつ病と診断された女性522人の死亡(1,000人年当たり0.82人)が報告された(年齢中央値31.0歳[四分位範囲[IQR]:27.0~35.0])。 周産期うつ病を罹患した女性は、非罹患女性と比較して死亡リスクの増大と関連していた(補正後ハザード比[HR]:2.11(95%信頼区間[CI]:1.86~2.40)。同様の関連は、精神障害の既往ありの女性となしの女性の間でも報告された。また、死亡リスクは、うつ病発症が産後の場合のほうが、産前の場合よりも高かった(HR:2.71[95%CI:2.26~3.26] vs.1.62[1.34~1.94])。姉妹間の比較においても、周産期うつ病について同様の関連性が認められた(2.12[1.16~3.88])。 関連性は、周産期うつ病発症後1年以内に最も顕著であり、追跡調査開始後18年間にわたり継続していた。 周産期うつ病の女性において、死亡リスクの増加は、死因を問わず関連が認められ(不自然な死因のHR:4.28[95%CI:3.44~5.32] vs.自然な死因のHR:1.38[95%CI:1.16~1.64])、その中で自殺の件数は少なかったが(1,000人年当たり0.23)、関連性は最も強かった(6.34[4.62~8.71])。

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耳かきによる外耳道がん、利き手側に多い【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第249回

耳かきによる外耳道がん、利き手側に多いUnsplashより使用耳かきをし過ぎると、外耳道がんのリスクが上昇するということが知られています。右利きの人は、右耳を重点的に掃除しやすく、左利きの人は左耳を重点的に掃除しやすいそうです。確かに、利き腕側の穴のほうがきれいに掃除できる気がする…。ホジホジ。ということは、利き腕側に外耳道がんが発生しやすいということでしょうか。それを調べた研究を紹介しましょう。Tsunoda A, et al. Right dominance in the incidence of external auditory canal squamous cell carcinoma in the Japanese population: Does handedness affect carcinogenesis?Laryngoscope Investig Otolaryngol. 2017 Feb;2(1):19-22.この後ろ向き観察研究は、68例の外耳道がん(扁平上皮がん)を登録し、左右どちらの耳に発がんしたのかを観察した後ろ向き研究です。全体としては、52例が右側、16例が左側の外耳道がんだったのですが、利き腕と耳かきの習慣については、34例のみで情報収集可能でした。34例の利き手に関しては、29例が右利き、4例が左利き、1例が両利きという結果でした。右利き29例中27例および両利き1例では右側にがんが発生し、左利き3例では左側にがんが発生しました(表)。表. 外耳道がん発生の詳細(文献より引用)すなわち、ほとんどの症例が自分の利き手と同じ側に外耳道がんを発症しており、統計学的に有意差があったと記載されています。耳かきは、とくに日本でポピュラーな習慣ですが、実は今から3千年以上前の、河南省安陽の殷墟婦好墓から、耳かきが2本出土していることが耳かき界ではよく知られていることです。クセになって外耳道がんのリスクが上がるというのは困ったものですね。個人的には毎日やらないよう、注意しています。

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第194回 医師の善意が被災者の誤解に?~災害処方箋のケース

令和6年能登半島地震の発生からすでに2週間以上が経過した。しかし、現地は今も混乱が続いていることは、多くの人がニュースで知っていることだろう。実は私はこの1週間、金沢市に滞在していた。被災地である能登半島での取材を考えて現地入りしたのだが、これほど苦労する現場はほかになかったと言ってもよい。結論から言うと、能登半島そのものに入ることはあたわずだった。とにかく足場が悪すぎたのである。金沢にいてもそれなりに情報が入る。それによると主要幹線道路である国道249号線は今も道路状況が悪い。いわんや、その周辺道路となるとさらに不安定だ。「余震の時に急停止したら脇の丘から軽い土砂崩れが起きた」とか「一夜明けたら昨日にはなかった倒木が道路を遮っていた」などの話はよく耳にした。この状況下でペーパードライバーである私が運転をするのはリスクが高過ぎる。たまたま県外から現地入りしていた友人が、レンタカーを調達できれば、代わりに運転して輪島市や珠洲市まで連れて行くと申し出てくれたが、そもそも彼の予定が取れる日に金沢市内はおろか石川県内全域、富山県高岡市まで含め、調達できるレンタカーは皆無だった。また、この間に現地支援に入っている知人がいる志賀町の拠点に入れれば、そこからは車で随行できる可能性も生まれた。ただ、公共交通機関が使えるのはその20km手前まで。友人が出発する早朝に間に合わせるためには公共交通機関の最終便で向かい、そこから夜通し歩くしかなかった。ちなみに「徒歩20kmは無理だろう」という人がいるかもしれないが、私の普段の万歩計の歩数は、ジムでのトレッドミルの利用も含め2万歩強(14km強)である。東日本大震災時は1日合計で徒歩15kmなどは日常的だった。さらに言えば、将来起こるとされている東海地震(いわば南海トラフ地震)発生を念頭に、2003年に都内から徒歩で取材に向かう想定で静岡駅まで歩いたことがある(当時は30代)。都内の自宅を朝6時に出て、朝と昼はカロリーメイトを歩いて食べながら、3日後の午後7時過ぎに静岡駅に着いた(今はこれよりは明らかに時間がかかるだろう)。しかし、今回は天候も悪過ぎた。ここ1週間の石川県内が晴れたのはたった2日間のみ。それ以外は冷たい雨か吹雪に見舞われた。普段は真冬でも都内では素肌の上にTシャツ、スリーシーズン用ジャケットの私でも耐え難い寒さだった(ちなみに冬期の札幌への短期出張程度なら同じ格好で赴く)。もちろんこれに備えてダウンジャケットは持参(着用はしていない)していたが、それでも悪天候、低気温、悪路、街灯も少ないところを不眠不休で徒歩移動した後の取材はリスクが高い。これも断念せざるを得なかった。その意味で今回の取材は能登半島入りという点では完敗だった。ただ、一見しただけならばいつもの金沢市内も、よく見ていると、さまざまなところで地震の影響が見て取れた。まず、当初は2泊3日のホテル予約で現地入りしたが、その後は空室の確保に苦労した。石川県による2次避難者向けのホテル・旅館の確保が始まったうえに、復興作業関係者の金沢入りも本格化し、急激に空室が減っていったからである。金沢駅を中心に明らかに復興・支援関係者と思われる装備をした人をよく見かけた。そんな彼らに何気なくかつさりげなく(相手がそう思っているかはわからない)話しかけたり、閉庁直前に行政にコンタクトを取ったりすると、多様な情報が一定程度は入ってくる。それらの情報は医療関連以外のものもかなり多いのだが、医療に関する情報で「ああ、その点はね」と思うものがあった。何かというと、「災害処方箋」のことだ。ほとんどの医療従事者は知識として災害処方箋のことは知っていると思う。災害救助法に基づくもので、DMATなど医療チームが避難所の救護所や巡回診療など、保険医療機関以外で薬剤を処方する際に交付される処方箋である。これに基づく調剤は救護所、近隣で機能している保険薬局、あるいは日本薬剤師会が今回現地へ派遣したモバイルファーマシーなどで行われる。災害処方箋に伴う調剤・薬剤費用は全額自治体が負担する。あくまで災害時の一時避難的措置のため、保険診療による通常の処方箋発行が全面的に機能するまでの繋ぎである。ちょうど今の能登半島の被災地は、まさに災害処方箋から保険診療の処方箋への移行時期、端的に言って両者が混在する時期である。こうなるとややドタバタが起こる。たとえば、今回の被災地域は高齢者が多い。国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の地域別将来推計人口」(2023年推計)によると、能登半島の4市5町の2020年の高齢化率(65歳以上人口率)は、最低の中能登町ですら37.2%。最大は災害関連死も含め死者が最も多い珠洲市の51.4%である。しかも、避難所の環境はあまり良いとは言えない。現地入りした支援関係者によると、日中に暖房を使用していても、一部の被災者が寒さを感じ、常に毛布をまとっている避難所もあるという。そうなると危惧されるのが、災害関連死である。2016年の熊本地震では、地震による直接死の4倍超の災害関連死が発生したこともあり、この点は報道も含め盛んに警鐘が鳴らされている。石川県の発表によると、1月17日午後2時現在までに確認された死者232人のうち、自治体が災害関連死と判断した事例は14人。当然、医療者も警戒レベルを上げる。このため災害関連死リスクが高い基礎疾患を有する高齢者に対しては、なるべく基礎疾患のコントロールを安定化させようと、原則は1週間処方とされる災害処方箋で、医師が慢性疾患治療薬を30日を超えて処方するケースも散見されるという。これは何とも言い難い事例と言える。しかも、現在の石川県の場合、災害関連死を防ごうと、県が能登半島内の1次避難所にいる被災者を半島外の金沢市などにある1.5次避難所や2次避難所への移送を進めている。1次避難所で診察する医師は、移送先の避難所の状況が必ずしもわからないため、善意でこうした処方が増えがちになる。しかしながら、災害処方箋の本来の目的や医療の正常化の面から考えると、こうした処方はやや逸脱したものだ。しかも、災害処方箋による処方・調剤料金を全額負担する自治体側は、なるべく災害処方箋での処方そのものを最小化したいはずである。薬局側も現在も続く医薬品不足下では、保険診療の処方箋でも30日超の処方は、時に在庫の取り揃えに悩まされる。さらにいえば災害処方箋による調剤の場合、薬局は通常の技術料は請求できず、県市町村との取り決めによる手数料が支払われるが、これは平時の平均的な技術料と比べると安価。経営的にも悩ましい。一方、災害処方箋に基づく処方の場合、被災者は一切の自己負担が要らない。このため、過去の自然災害では被災者の一部が「病院が復旧していても、避難所で薬をもらえばタダになる」と誤解し、避難所にいる医師に長期処方をお願いするケースもあったことを私は耳にしている。誤解と書いたのは、ここでは釈迦に説法だが、災害救助法適用地域では時限的に保険診療も自己負担が生じないからである。そしてこうした誤解は、今回の能登地域でもごく一部であるらしい。避難所内は口コミ情報の浸透度が早く、たとえ公的通知が掲示されていたとしても、一度広がった誤解を解くには時間を要する。このように災害処方箋1つとっても、県、市町村、現地医療機関・薬局、支援医療チーム、被災者の思惑と法制度、さらに現状が複雑に絡み合い、悩ましい事態が起こり得る。そもそも災害による被災状況に定型があるとは言えない以上、こうしたことが発生してしまうのはやむを得ない。これをすっきり解決する公式もない。能登半島入りを果たせなかった以上に、こうした何とも言えない状況によるモヤモヤに支配されたまま、私は金沢を後にしたのである。

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肺がんと悪液質、8,000例超の後ろ向き研究と悪液質合併肺がんの前向き研究【肺がんインタビュー】 第98回

第98回 肺がんと悪液質、8,000例超の後ろ向き研究と悪液質合併肺がんの前向き研究8,000例超の進行肺がんにおける悪液質の疫学、発症危険因子、また悪液質が治療経過におよぼす影響を調べた肺登録合同委員会の調査結果が発表された。さらに、悪液質を合併した未治療の非小細胞肺がん患者における、治療レジメンごとの食欲、体重、QOLへの影響を調査した前向き試験の結果が発表された。この2つの臨床研究について、順天堂大学附属順天堂医院の宿谷 威仁氏が解説する。

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日本人双極性障害外来患者における離婚の予測因子

 双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返すことを特徴とする精神疾患であり、社会的障害を引き起こすことが知られている。さらに、双極性障害は、離婚や家族のサポートを失うリスクを高め、予後を悪化させる可能性が明らかとなっている。しかし、リアルワールドにおける双極性障害患者の離婚の予測因子に関するエビデンスは限られている。獨協医科大学の徳満 敬大氏らは、日本人双極性障害患者における離婚の予測因子を特定するため、調査を行った。その結果から、日本人双極性障害患者における離婚の予測因子として、ベースライン時の年齢が若い、BMIが低いことが特定された。Annals of General Psychiatry誌2023年12月12日号の報告。 日本精神神経科診療所協会の会員クリニック176施設の精神科医を対象に、観察アプローチ研究を実施した。医療記録のレトロスペクティブレビューを実施し、双極性障害と診断された患者に焦点を当てたアンケート調査を行った。2017年9月~10月に、ベースライン時の患者の特徴に関するデータを収集した。さらに、ベースラインから2019年9月~10月までの2年間の離婚率を調査した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は、双極性障害外来患者1,071例。・2年間の離婚率は、2.8%(1,071例中30例)であった。・双極性障害患者の離婚率は、一般的な日本人の離婚率よりも非常に高かった。・二項ロジスティック回帰分析では、すべての対象患者における離婚の予測因子は、ベースライン時の年齢が若い、BMIが低いことが統計学的に有意であると確認された。・離婚の予測因子について性別ごとに評価したところ、男性患者における統計学的に有意な離婚の予測因子は、ベースライン時の年齢が若い、双極II型障害よりも双極I型障害である点であった。・女性患者における有意な離婚の予測因子は、BMIが低い、抗不安薬の使用であった。 著者らは「双極性障害患者における離婚の予測因子は、男女間で大きく異なることが明らかとなった。本発見は、実臨床現場における双極性障害患者に対する社会的サポートを検討する際、家族の観点から重要なポイントを提供するものである」とまとめている。

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LGBTQ患者の診療、困った経験は?/医師1,000人アンケート

 わが国にはLGBTQの人は3~10%程度いるとされている。「患者のほとんどが高齢者のためLGBTQは関係ない」と思われるかもしれないが、高齢者にもLGBTQの人は存在し、日常接している患者さんの中にも少なからずLGBTQ患者がいると考えられる。CareNet.comでは、会員医師1,029人を対象に、LGBTQ患者の診療経験に関するアンケートを実施した。その結果、多くの医師が今後の対応の必要性を認識しているものの、現状では診療体制が不十分であることが多く、今後の診療に影響が生じかねないケースもあったことが明らかになった(2023年12月25日実施)。過去にLGBTQ患者を診療した経験がある医師は43.9% Q1では、過去にLGBTQ患者を診療した経験があるかどうかを聞いた(単一回答)。その結果、「ない」と回答した医師は44.2%で最も多く、「ある」が43.9%、「わからない」が11.9%であった。 通常の診療では目の前の患者さんがLGBTQ患者かどうか意識しないことが多いと考えられるため、「わからない」が最も多いのではないかと予想していたが、はっきりと「ない」と回答した医師が多いのは意外であった。LGBTQ患者とわかった理由は「自己申告」が最多 Q2では、上記Q1で「ある」と回答した場合、LGBTQ患者だとどうやってわかったかを聞いた(複数回答)。多いものから自己申告、雰囲気や外見からの推測、問診表、保険証に記載されている名前や性別、治療・投薬内容、他の人からの伝聞などであった。 フリーコメントでは、「やはり自己申告をしていただかないといかんともしがたい」「本当にLGBTQかどうか確かめる方法がないのが困る」「本人がカミングアウトしていないが、保険証の性別や外見などからLGBTQとわかった場合の対応が難しい」などの声が寄せられた。LGBTQ患者の診療で困った医師は少数 Q3では、LGBTQ患者の診療で困ったことはあるかどうかを聞いた(単一回答)。その結果「ある」が16.3%、「ない」が83.7%と大差が付いた。 フリーコメントでは、困ったこととして「男性と申告した患者の腹部CTの際、放射線科の読影で子宮を腫瘍と読影され精査を追加した」「使用しているホルモン剤の影響を判断できる情報がない」「紹介先がわからない」など、今後の診療に影響しうる内容も多かった。LGBTQ患者を診察する際の不安は「プライバシーの保護」 Q4ではLGBTQ患者を診察する際の不安や懸念について聞いた(複数回答)。最も多かったのは「プライバシーの保護」であった。次いで、使用するトイレや入院時の病棟の決め方、LGBTQ患者に特有の治療(ホルモン剤や性別適合手術後のケアなど)、患者とのコミュニケーション、パートナーによる手術の同意/看取りの立ち合い/病状説明/面会の可否、患者がカミングアウトした場合の受け止め方、などが続いた。 フリーコメントではトイレや更衣室、入院病棟に関するコメントが圧倒的に多く、「共通トイレがなく困った」「トイレ使用に関してクレームがきた。やはり化粧はしていても髭の生えた人が女性トイレに入れば問題になる」「外来はプライバシーが守られたらよいと思うが、入院となると大部屋は悩ましいなと思う」など、ほかの患者さんとの関係を危惧するコメントが多く寄せられた。 Q5ではフリーコメントとして、LGBTQ患者の診療で困った経験、行っている取り組み、あるとよいと思う制度や仕組み、聞きたいことなどを聞いた。診察や治療に関するご意見・あまり最初から身構えずに、カルテの性別を基本にとして対応しています。・もちろん時に特別なことも必要かもしれませんが、通常はほかの患者さんとまったく同様の手順と気持ちで普通に診察できるようになるべきだと思います。・直接関わりがない部分はあまりむやみに聴取しないほうがよいと思ってはいるが、逆に遠慮して正しい診断に至らない可能性もあり、そもそもLGBTQなのか、どこまで聞いてよいのかなどほかの診療でどうやっているのか聞きたい。・妊娠の有無は教えてほしい。・医療に関しては遺伝子での性別に限定してほしい。施設に関するご意見・トイレが最大の問題だと思います。・施設利用(とくにトイレの使用)における法的な解釈や社会共通のコンセンサスがほしい。・トイレなどの施設的な問題はすぐには改善できないことが不安。・大部屋に入院させるときの対応について、ほかの施設の経験を知りたい。・当院での診療対応はできないのが実際。院内ルール、法整備に関するご意見・公文書の性別が男女の2択になっている現状を変えてほしい。・病院としての指針を作っておいてほしいです。・どこまで配慮すべきなのか基準が知りたい。・パートナーの同意で医療行為を行ってよい法的補償。・法規制の隙間に入ることが多いので、社会的な保護と義務について対応できる窓口がほしい。その他のご意見・今のところ診察したことないですが、これからのことを考えると対策を早急に考えるべきですね。・専門性があるので、ある程度、専門医療機関での診療に統合したほうがよいと思います。・患者側への啓発をする医療団体があればよいと思う。・もっと病気を周知してほしいです。・周囲のスタッフ間で情報の共有が難しい。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。https://www.carenet.com/enquete/drsvoice/cg004543_index.html

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外科手技に着想を得たレシピ集公開/ゲティンゲ

 ゲティンゲは1月11日付のプレスリリースにて、外科手技に着想を得た「The Heart Surgeon's Cookbook―心臓血管外科医のレシピ集―」の公開を発表した。この料理本は心臓血管外科・胸部外科医のNirav Patel氏とニューヨークのミシュラン二つ星レストランAskaの創設オーナーFredrik Berselius氏のコラボレーションによるもので、本書を通じ、心臓血管外科医のスキルの高さに焦点を当て、心臓血管外科における人材育成の課題を啓発することを目的としている。 料理本に含まれる9つのレシピでは、外科医の手技やメンタルコントロールの向上効果を狙った手術室外で取り組める意外性と遊び心のある訓練法が提案されている。各レシピは、精緻な切開、狭い箇所への注入、縫合、解剖、反復など、繊細な手先の動きと集中力を試す内容となっている。

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口腔健康状態が誤嚥性肺炎の入院期間に影響/東京医科歯科大

 誤嚥性肺炎などでは、転帰に患者の口腔健康状態が関係することがよく知られている。それでは、その影響がさらにどのように作用するのであろうか。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野の山口 浩平氏らの研究グループは、誤嚥性肺炎高齢患者の入院時口腔健康状態が院内転帰に及ぼす影響を前向きコホート研究で実施し、結果を報告した。口腔健康状態の悪い患者の入院期間は長くなる可能性があるというものだった。European Geriatric Medicine誌オンライン版2024年1月12日号の報告。誤嚥性肺炎では口腔内の健康状態も重要 高齢の誤嚥性肺炎患者で、入院時の口腔衛生状態が入院中の転帰に及ぼす影響と、入院中に口腔衛生状態がどのように変化するかを調査した。 対象は、誤嚥性肺炎と診断され急性期病院に入院した65歳以上の患者であった。患者の基本的健康情報、入院期間(LOS)、口腔健康評価ツール(OHAT)、機能的口腔摂取尺度(FOIS)、肺炎重症度指数および臨床的虚弱度尺度スコアを記録した。患者をOHATスコアの中央値に基づいて2群に分け、群間変化を時間関数として解析し、LOS、退院時のFOISスコア、入院時のOHATスコアの関係を重回帰分析にて検討した。 主な結果は以下のとおり。・89例(52例が男性、平均年齢84.8±7.9歳)のうち75例が退院した。・口腔衛生状態はOHATによる初回評価後3週間にわたり毎週測定され、スコアの中央値は7点で、有意な群間差が認められた。・OHATスコアは両群とも入院期間を通じて改善した。・入院時のOHATスコアは、LOSと独立して関連していた(B=5.51、p=0.009)。 山口氏は「入院時の口腔衛生状態の不良は入院期間の延長と関連していた。高OHAT群と低OHAT群の両方でOHATスコアの改善が認められた。口腔健康状態は、誤嚥性肺炎の発症予防および治療において重要」と結論付けている。

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ATTR心アミロイドーシス、acoramidisが予後を改善/NEJM

 トランスサイレチン型(ATTR)心アミロイドーシス患者において、acoramidisの投与により、全死因死亡、心血管関連入院および心機能と身体機能の要素を含む4段階の階層的主要アウトカムがプラセボより有意に改善し、有害事象は両群で類似していた。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのJulian D. Gillmore氏らが、第III相無作為化二重盲検比較試験「Efficacy and Safety of AG10 in Subjects with Transthyretin Amyloid Cardiomyopathy:ATTRibute-CM試験」の結果を報告した。ATTR心アミロイドーシスは、単量体がミスフォールドされたトランスサイレチン(TTR)の心臓への蓄積が特徴である。acoramidisは四量体TTRの解離を阻害する高親和性TTR安定化薬で、ex vivoでは異なる投与間隔の全体で90%以上の安定化をもたらし、第II相試験で有効性が確認されていた。NEJM誌2024年1月11日号掲載の報告。4つのアウトカムを階層的に解析しacoramidisとプラセボを比較 研究グループは、ATTR心アミロイドーシスと確定され臨床的心不全を有する18歳以上90歳未満の患者を、acoramidis群(acoramidis hydrochloride 800mgを1日2回投与)またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、30ヵ月間投与した。 主要有効性解析対象集団は、推定糸球体濾過量(eGFR)30mL/分/1.73m2以上の患者。4段階の階層的主要アウトカムは、全死因死亡、心血管関連入院、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値のベースラインからの変化量、6分間歩行距離のベースラインからの変化量とし、Finkelstein-Schoenfeld法を用いて階層的に解析を行い、各層内のすべての患者をペアワイズ法により比較した。重要な副次アウトカムは、全死因死亡、6分間歩行距離、カンザスシティ心筋症質問票の全体サマリーのスコア、血清TTR値とした。acoramidis群で、全死亡、心血管関連入院、NT-proBNP、6分間歩行距離が有意に改善 2019年4月~2020年10月に、計632例が無作為化され(acoramidis群421例、プラセボ群211例)、主要有効性解析対象集団は611例(それぞれ409例、202例)であった。 主要アウトカムは、4段階の階層的解析においてacoramidis群がプラセボ群よりも有意に良好であることが示された(p<0.001、Finkelstein-Schoenfeld検定)。ペアワイズ比較の63.7%がacoramidisを支持、35.9%がプラセボを支持し、win比は1.8(95%信頼区間[CI]:1.4~2.2)であった。 全死因死亡と心血管関連入院を合わせると、勝ち負けの半分以上(全ペアワイズ比較の58.0%)が勝率に寄与し、4つの項目のうちNT-proBNPのペアワイズ比較でwin/loss比が最も高かった(23.3% vs.7.0%)。 すべての有害事象の発現率はacoramidis群98.1%、プラセボ群97.6%で類似しており、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ54.6%および64.9%であった。

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公平な再入院を達成している病院の特徴は?/JAMA

 公平性は医療の質の本質的な領域である。米国・コロンビア大学のKatherine A. Nash氏らは、米国のメディケア・メディケイドの運営主体Centers for Medicare & Medicaid Services(CMS)が開発した臨床アウトカムの公平性を評価する2つのDisparity Methodsを用いた研究を行い、公平な再入院を達成している病院は少数派であり、公平な再入院が行われていない病院とは明らかに異なる特徴が認められることを明らかにした。具体的には、公平な再入院が行われている病院では黒人患者の数が少なかったという。著者は、「従来型のアウトカム評価では、黒人患者の受け入れが少ない病院に報酬を与える可能性があり、病院レベルでの不公平さが構造的人種差別の役割を強化する可能性がある」とし、「公平な再入院を実現するには、リスクのある患者の病院間の分布に、ばらつきがあることを考慮しなければならない」と述べ、不公平を助長しない慎重な政策設計の必要性を提言している。JAMA誌2024年1月9日号掲載の報告。CMS Disparity Methodsを使用し再入院の公平性を保険および人種に関して評価 研究グループは2018年7月~2019年6月に、メディケアデータを用いて、CMS Hospital-Wide Readmission指標が適格な米国の病院を対象に横断研究を実施した。 まず、CMS Disparity Methodsを用い、公平な再入院を実施している病院を特定した。CMS Disparity Methodsは、格差リスクのある集団のアウトカムを病院間で比較する全病院法と、病院の患者集団内でのケアの格差を比較する単一病院内法の2つの方法で病院を評価するもの。本研究では保険(メディケイドとメディケアの二重適格受給者vs.非二重適格受給者)、ならびに人種(黒人vs.白人)に関する再入院率を比較し、それぞれの方法で閾値を満たした病院を公平な再入院を実施している病院とした。 次に、公平な再入院を実施している病院と実施していない病院について、病院の特徴ならびに病院の実績に関する3つの外部指標である質、コスト、価値を比較した。Hospital Care Compareの評価が4または5を「質が高い」、受給者1人当たりのCMSメディケア支出スコアが全病院中下位5分の1である場合を「低コスト」、高品質と低コストの両方の基準を満たした場合に「高価値」と定義した。公平な再入院が実施されている施設は黒人患者の割合が低い CMS Disparity Methodsの評価対象病院4,638施設のうち、保険に関するDisparity Methodsの対象(十分な数の二重適格受給者を診療している)は3,414施設(74%)、人種に関するDisparity Methodsの対象(十分な数の黒人患者を診療している)は1,962施設(42%)であった。 公平な再入院を実施している病院に分類されたのは、3,414施設中592施設(17%)、および1,962施設中596施設(30%)であった。 保険または人種に関して公平な再入院を実施している病院は、公平でない病院と比較し、黒人患者の割合が低く(保険別:中央値1.9%[四分位範囲[IQR]:0.2~8.8]vs.3.3%[0.7~10.8]、p<0.01、人種別:7.6%[3.2~16.6]vs.9.3%[4.0~19.0]、p=0.01)、そのほか複数の領域で差がみられた(非教育施設の割合が高く、都会の病院が多く、病床数が0~99床の割合が高い、いずれもp<0.01)。 また、低コストの病院は、二重適格受給者に対して公平な再入院を提供する可能性が高く(オッズ比[OR]:1.57、95%信頼区間[CI]:1.38~1.77)、質が高い病院は黒人に対して公平な再入院を提供する可能性が高かった(OR:1.14、95%CI:1.03~1.26)。

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医療安全講習会「護身術/危機管理」【Dr. 中島の 新・徒然草】(512)

五百十二の段 医療安全講習会「護身術/危機管理」1月といえば徐々に日が長くなる一方、寒さがますます厳しくなる時期です。私は毎朝のように車のフロントガラスの凍結に苦しめられていますが、全国的にみれば大阪はまだマシなほうなんでしょうね。さて、先日の大阪医療センターでの医療安全講習会は「護身術/危機管理」というものでした。なんと、私がときどき見ているYouTubeチャンネル「ガチタマTV」の田村 忠嗣氏(元 警察機動戦術部隊RATS)と長田 賢治氏(元 陸上自衛隊特殊作戦群)のお2人が講師でした。任意研修でありながら、有名なユーチューバーを生で見れるチャンスということで、大勢の職員が集まりました。さて、講習会での講師からのメッセージはたった1つ。「危ない奴がいたらとにかく逃げろ、隠れろ、戦うな!」あらゆる格闘技に通じているお2人ですが、知らないオッサンが道で誰かに殴られていても介入しないそうです。「相手が何人いてどんな凶器を持っているかわからないですから」というのがその理由。確かに刃物を持っている相手に素手で立ち向かうのは無謀というものです。素知らぬ顔で警察に通報するのが一番得策なのでしょう。が、時にはどうしても戦わざるを得ない状況になることもありえます。そんな場合にはどうしたら良いのか。数えきれないほどいろいろな手段が紹介されていましたが、これは実用的だと記憶に残っているのが2つありました。1つはフラッシュライトです。普段は通常のライトとして使えるのですが、ボタンの押し方によっては強力な光が点滅して一時的に相手の視力を奪うことができるというもの。そもそも単なるライトなので、ポケットに入れていても診察室の机の上に置いてあっても、何の違和感もありません。もう1つはベルト。単なる衣服の一部ですが、うまく使うと強力な武器になるそうです。講習会ではムチのように振ってキックミットを打つところが実演されましたが、恐ろしい音がしました。まともに食らうと骨が折れることもあるのだとか。危ないですね。ということで、誰がどういう経緯で招いたのか、ユーチューバーを囲んでの医療安全講習会。思いがけず盛況の1時間半でした。最後に1句新春や ライトとベルトで 盛り上がり

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「GLP-1受容体作動薬ダイエット」に興味を持った患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第43回

■外来NGワード「あなたには使えません」(保険適用について説明せず)「この薬を使えば、痩せますよ!」(食事と運動療法について説明せず)■解説最近、「GLP-1ダイエット」という言葉が注目を集めています。SNSでは、単品ダイエット、脂肪燃焼スープ、食事時間制限、レモンコーヒーなどとともに、「GLP-1ダイエット」というワードが頻繁に検索されています。GLP-1受容体作動薬は、血糖依存的にインスリン分泌を促進し、グルカゴン抑制や胃内容物排出遅延を介して血糖改善作用を発揮するだけでなく、食欲抑制を通じて減量効果も期待されます。肥満症を対象とした「セマグルチド(商品名:ウゴービ皮下注)」の適応は、高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病を有し、かつ食事療法や運動療法が不十分な場合、かつBMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害がある、またはBMIが35以上の患者に限定されています。ところが、「GLP-1ダイエット」では、「初診からオンラインで診察可能、自宅で手軽に実施でき、食事制限や運動不要で、太りにくい体質になる」などといった宣伝文句が並んでいます。一部には自己調整可能な投与量を強調するものも見受けられます。そのうえ、自由診療であるので価格が高額である一方で、副作用については詳細な説明が不足しています。その結果、副作用が発生した場合には、保険診療の医療機関を受診する必要が生じます。そして、自由診療においてGLP-1受容体作動薬が処方されることで、本来必要な糖尿病患者への供給が追いつかないとの指摘もあります。また、自由診療で処方された患者は、適切なライフスタイルの改善方法について充分な説明がなされていないため、薬を中止した際のリバウンドを心配しています。こうした「GLP-1ダイエット」の問題点について適切に理解し、説明することが重要です。■患者さんとの会話でロールプレイ患者この間、SNSを検索していたら、「GLP-1ダイエット」というのがでてきたのですが、どうですか?(糖尿病がない肥満者)医師最近、美容の世界や個人輸入している人もいるそうですね。患者痩せるんですか?医師正しく使えばね。ただし、自己流は禁物です。患者副作用はありますか?医師もちろん。薬ですから、副作用はありますよ。吐き気や嘔吐、胃腸障害など…。あと、専門家の指導のもとで薬の量を調整しないと、低血糖などで救急搬送された例もあるそうですよ。患者えっ、それ怖いですね。医師それに、薬を止めたら、体重がリバウンドするかもしれませんからね。患者確かに、ただ単に薬を飲むだけじゃ、痩せないということですね。医師そうです。こういった肥満症治療薬は食事療法と運動療法の補助として使います。そうすることがリバウンド予防になります。患者食事と運動はどんなことに気を付けたらいいですか?(興味深々)■医師へのお勧めの言葉「ただ、薬を飲むだけでは痩せることはできませんし、止めたらリバウンドは必至です。肥満症治療薬は食事療法と運動療法の補助として使います。その方が、最小限の薬になって副作用も少ないですし、薬を止めた際にもリバウンド予防につながります」 1)Ansari H UI H, et al. Endocr Pract. 2023:23;758-759.Endocr Pract. 2023 Nov 27.[Epub ahead of print]2)日本肥満学会、肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント3)最適使用推進ガイドラインセマグルチド(遺伝子組換え)

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睡眠で認知症予防、良質な睡眠を誘う音楽とは?【外来で役立つ!認知症Topics】第13回

認知症予防の睡眠で注目される「グリンパティック系」多くの病気の予防因子として共通するのが、運動、栄養、休養である。認知症の場合は、これに知的刺激や社会交流が加わる。具体的な予防法に注目すると、運動なら有酸素運動やデュアルタスク、栄養なら地中海食など具体的な目玉項目がある。しかし休養ではそれがなかった印象がある。「そもそも休養とは何か?」も難しいのだが、これは睡眠のことと考えていいだろう。とはいえ、「認知症予防の睡眠とは?」となるとこれというものはなく、いまひとつであった。そこに現れたのが、「グリンパティック系」である。筆者が学生の頃には、代謝過程の老廃物の処分を担うリンパ系器官が脳にはないと教わった。確かに脳には解剖学的にリンパ系はないが、実は同じ役割を担うものがあると判明した。それがグリンパティック系である1)。これは血管周囲の星状膠細胞により形成されたトンネル様構造で、中枢神経系の廃棄物を脳脊髄液と共に除去する系である。アルツハイマー病等の変性疾患に関連する異常蓄積蛋白もこの系で除去される。そして除去は睡眠中に行われることがわかったことが重要だ。だから睡眠不足は悪者蛋白の除去効率を下げることになる。さて疫学的に睡眠時間と認知症発症の関係は注目され、7時間睡眠が最も発症に防御的だとした大規模メタアナリシスも報告されている。ところが、日本人は世界的にみて最も睡眠時間が短く、平均6時間程度とされる。このこともあってか、近年アルツハイマー病予防に関連して、グリンパティック系を軸にした睡眠に注目が集まりつつある。睡眠関連障害と認知症の関係ところで睡眠障害は不眠ばかりでない。たとえばレム睡眠行動障害、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群(RLS)などいくつもの病気がある。こうしたさまざまな睡眠関連障害と認知症発症の関係もまた研究され、すでにメタアナリシスもある2)。そしてこれらの睡眠関連障害の多くが認知症発症に関係することが示されている。認知機能低下に関連する要因として代表的なものが、レム睡眠行動障害(リスク比[RR]=1.90、95%信頼区間[CI]=1.23~2.91、I2=0%)、睡眠時無呼吸症候群(RR=1.29、95%CI=1.12~1.48、I2=40%)、ベッドで長時間過ごすこと(RR=1.15、95%CI=1.02~1.30、I2=22%)である。なおレストレスレッグス症候群とは無関係であった。逆に認知症に防御的と思われるものもある。習慣的昼寝(high trend:RR=0.46、95%CI=0.21~1.01、I2=45%)については、有意に効果的な傾向が報告されている。良質な睡眠を誘う音楽さて認知症者における睡眠障害はありふれたものである。たとえば、睡眠の不連続性(中途覚醒)、日中の眠気、睡眠効率の悪さ(寝ている時間/ベッドにいる時間)がアルツハイマー病でみられやすい睡眠障害だとされる。そして症状の進行とともに睡眠・覚醒リズムが乱れ、昼夜逆転パターンに至る例が多い。それだけに睡眠の質を良くするという課題は、認知症当事者と家族、また医療者、ケアスタッフにとっても大切である。普通いわれるのは、就床に先立つ運動や入浴、寝室温度をいくらか低めに設定、適切な明るさの設定などである。これまであまり知られていないが、音楽によるスムーズな入眠への効果も検討されており、効果的だとしたメタアナリシスもある。ところが、「どのような音楽をどのように聴いたら、スムーズな入眠効果が生まれるのか?」はほとんど検討されておらず、エビデンスが乏しい3)。しかし経験論的には以下がポイントだとされる。耳に心地よい音楽歌詞のない音楽自然の音のヒーリングミュージック長調の音楽である。音楽の内容は、クラシックや歌謡曲などではない。チルアウト系、アンビエント・ミュージックなどが代表だが、波の音、雨音など自然で単調なものがいい人もいる。筆者の場合、炭がぱちぱちと燃える音を聴いていると自然に眠りに落ちやすい。さて就床してから睡眠への移行における自律神経の活動ぶりは、スムーズな入眠にとっておそらく生理学的な鍵だろう。ところが確立された所見は、意外なほど少ない。ただ副交感神経の働きが優位になることが重要なのは確かなようだ。睡眠と自律神経という観点から考えたとき、音楽的な規則性と不規則性の調和を意味する「1/fのゆらぎ」の音楽が注目され、これが心地よさを生み出すといわれる。そしてこの種の音楽が副交感神経活動を優位にするとの報告もある。マインドフルネス瞑想も認知症者の睡眠の質を向上させる一方で、現代社会で、ストレスを軽減する方法として、マインドフルネスなど自律神経に注目したものが有名である。つまり副交感神経の働きを高め、交感神経の働きを低下させることで、心身の安定を得ることが基本になる。マインドフルネスのみならず、ヨガ、瞑想、また座禅にも同様の効果があるとされる。これらに共通するのは、ペースド・ブリージング(paced breathing)と呼ばれる「1分間あたり10回以下」のゆったりとした呼吸方法である。この呼吸法によって、横隔膜に至る迷走神経が刺激を受けて、副交感神経の働きが高まるとされる。知的に正常の人はもとより、軽度認知障害や認知症の人でも、この方法は有効だとの報告がある。睡眠に関しては、マインドフルネス瞑想で睡眠の質が向上すると報告したメタアナリシスもある。こうした知見から、呼吸法、副交感神経という観点から、認知症者の不眠改善につながる音楽を追求するのも、これからの治療法になるかと思われる。参考1)Lohela TJ, et al. The glymphatic system: implications for drugs for central nervous system diseases. Nat Rev Drug Discov. 2022;21:763-779.2)Xu W, et al. Sleep problems and risk of all-cause cognitive decline or dementia: an updated systematic review and meta-analysis. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2020;91:236-244.3)Jespersen KV, et al. Music for insomnia in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2015;2015:CD010459.

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第80回 外来で増えた「私も抗MDA5抗体ですか?」

Unaplashより使用八代 亜紀さんが、抗MDA5抗体陽性の間質性肺炎増悪のため逝去されました。東日本大震災のときに被災地に行って歌っていたのが印象的でした。彼女が亡くなってからというもの、膠原病関連間質性肺疾患で通院している患者さんから「私も八代 亜紀さんのように肺炎が急速に悪化しないでしょうか?」「私も抗MDA5抗体陽性でしょうか?」という質問が増えました。確かに心配になりますよね。ただ、現在通院している人が実は抗MDA5抗体陽性でした、ということは今の日本の診療ではほとんどないと思います。たぶん。抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎は通称、CADM(Clinically amyopathic dermatomyositis:筋症状のない皮膚筋炎)と呼ばれていますが、その他の膠原病と比較して重症の間質性肺炎を起こしやすい特徴があります。この抗体が陽性になった場合、「スイッチが入る」と表現する医師が多いです。同抗体が測定されないと診断しようがないのは事実ですが、皮膚筋炎をみたときにはチェックしておきたいですし、手の潰瘍やGottron徴候・逆Gottron徴候があるのに抗核抗体が陰性ならば疑う必要があります1)。そして、この疾患を診療していくうえで、とにかく重要なのはフェリチンと考えられます。抗MDA5抗体陽性例では、フェリチン高値(≧500ng/mL)は死亡リスクが高くなり、高いほど予後不良になっていきます2)。「同じ病気」で死去したとされるのが美空 ひばりさんです。Wikipediaによると、最後の1年では「脚の激痛と息苦しさで、歌う時はほとんど動かないままの歌唱であった。この頃すでに、ひばりの直接的な死因となった『間質性肺炎』の症状が出始めていたとされており、立っているだけでも限界であったひばりは、歌を歌い終わるたびに椅子に腰掛け、息を整えていたという。」と記載されています。当時は抗MDA5抗体なんて知る由もなかった時代ですし、膠原病関連間質性肺疾患でさえ存在があまり知られていなかったと思われます。ただ、彼女は肝硬変やCOPDも合併していましたし、亡くなる数年前から症状が出ていることから、「同じ病気」とは断定できないと思っております。参考文献・参考サイト1)Chen F, et al. Anti-MDA5 antibody is associated with A/SIP and decreased T cells in peripheral blood and predicts poor prognosis of ILD in Chinese patients with dermatomyositis. Rheumatology international. 2012;32:3909-3915.2)Goto T, et al. Clinical manifestation and prognostic factor in anti-melanoma differentiation-associated gene 5 antibody-associated interstitial lung disease as a complication of dermatomyositis. Rheumatology. 2010 Sep;49(9):1713-1719.

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朝食摂取とうつ病との関係

 うつ病は、食生活、社会的因子、生活習慣といった多くの要因と関連しており、重大かつ患者数が多い、世界的な公衆衛生上の問題である。中国・吉林大学のFengdan Wang氏らは、朝食の摂取、食事性炎症指数(DII)とうつ病との関連を評価し、朝食の摂取がうつ病に及ぼす影響に対しDIIがどのように関与しているかを調査した。Journal of Affective Disorders誌2024年3月号の報告。 対象は、2007~18年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した2万1,865人。朝食の摂取、DII、うつ病との関連の分析には、二項ロジスティック回帰分析と媒介効果分析を用いた。食事による炎症は、DIIに従い炎症誘発性食と抗炎症性食に分類した。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は47.24±0.28歳であった。・2回の回想法で、2回とも朝食摂取を報告した参加者(A群)は77.6%、1回でのみ朝食摂取を報告した参加者(B群)は16.3%、朝食摂取を報告しなかった参加者(C群)は6.1%であった。・炎症誘発性食、朝食抜きは、うつ病のリスク因子であった。・共変量で調整した後、B群はA群と比較し、うつ病のオッズ比が高かった(オッズ比:1.54、95%信頼区間:1.20~1.98)。・心血管疾患(CVD)および糖尿病でない参加者を対象とした層別化および感度分析においても、これらの関連は強固であった。・DIIは朝食摂取とうつ病との関連を仲介しており、B群の26.15%、C群の26.67%において認められた。 著者らは、研究の限界として、因果関係を明らかにしているわけではなく、データが限られているため薬物使用に関する交絡因子を考慮していない点を挙げたうえで、「朝食を抜くとDIIが上昇し、うつ病リスクが高まる可能性がある」とし、「本結果は、うつ病リスクの軽減には定期的な朝食、抗炎症性食の摂取が重要であることを裏付けるものである」とまとめている。

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新型コロナJN.1が世界の主流株に、高い伝播力と免疫回避能/東大医科研

 2023年12月時点で、オミクロン株BA.2.86の子孫株であるオミクロン株JN.1が世界各地で流行を拡大し、JN.1は世界保健機関(WHO)により「注目すべき変異株(VOI)」に分類されている。東京大学医科学研究所の佐藤 佳氏らによる研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan(G2P-Japan)」の研究で、JN.1は、これまで主流の1つだったXBB系統のEG.5.1より高い伝播力(実効再生産数)を有し、自然感染やワクチン接種により誘導される中和抗体に対しても高い回避能を有していることが認められた1)。本結果は、The Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2024年1月3日号に掲載された。 2023年11月時点で、BA.2.86の子孫株であるJN.1(別名:BA.2.86.1.1)の感染が世界中で急速に拡大している。JN.1はBA.2.86と比較して、スパイクタンパク質の455番目のアミノ酸がロイシン(L)からセリン(S)に置換された変異(S:L455S変異)を有しており、JN.1の持つS:L455S変異が流行の拡大に重要であると考えられている。なお、11月30日~12月31日のデータによると、世界で検出された変異株のうちJN.1が占める割合は32.85%となり、世界の主流株になっている2)。 本研究ではJN.1の流行拡大のリスク、およびウイルス学的特性を明らかにするため、ウイルスゲノム疫学調査情報を基に、ヒト集団内におけるJN.1の実効再生産数を推定し、次に、培養細胞におけるウイルスの感染性を評価した。また、SARS-CoV-2感染によって誘導される中和抗体や、XBB.1.5対応ワクチンによって誘導される中和抗体に対しての抵抗性も検証した。 主な結果は以下のとおり。・フランス、英国、スペインのゲノム監視データを基にした調査において、JN.1の実効再生産数は、それまで主流だったEG.5.1やHK.3よりも高いことが確認された。・JN.1は親株のBA.2.86と比較して、S:L455S変異という1つのアミノ酸の違いしかないにもかかわらず、BA.2.86より高い感染価を示した。・XBB系統XBB.1.5およびEG.5.1のブレークスルー感染によって誘導される中和抗体の中和活性について検証したところ、JN.1はいずれの中和抗体に対しても、BA.2.86よりも3.8倍高い中和抵抗性を示した。・JN.1は、EG.5.1の子孫株であるHK.3に比べ、XBB.1.5ブレークスルー感染による中和抗体に対して2.6倍(p=0.0016)、EG.5.1ブレークスルー感染による中和抗体に対して3.1倍高い(p<0.0001)中和抵抗性を示した。・XBB.1.5対応1価ワクチンにより誘導される中和抗体に対して、JN.1は、XBB系統非感染の場合ではBA.2.86よりも3.6倍高い(p=0.016)、XBB系統感染の場合ではBA.2.86よりも4.5倍高い(p=0.0020)中和抵抗性を示した。

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HR+HER2-進行乳がん、パルボシクリブ+タモキシフェンが治療選択肢に/ファイザー

 ファイザーは1月15日付のプレスリリースにて、パルボシクリブの添付文書が改訂されたことを発表した。ホルモン受容体(HR)陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)の進行または転移乳がん患者へのパルボシクリブとタモキシフェン併用投与の有効性と安全性を検討した第III相試験(PATHWAY試験)の結果に基づくもので、これにより、パルボシクリブとタモキシフェンとの併用が新たな治療選択肢となる。 パルボシクリブはこれまで、レトロゾールまたはフルベストラントとの併用投与の成績に基づいて承認されており、タモキシフェンとの併用における有効性や安全性は確立されていなかった。またアジア地域では欧米に比べ、全乳がんのうち閉経前乳がんの占める割合が多く、治療選択肢が十分でない状況があった。 PATHWAY試験は、HR+/HER2-の閉経前・閉経後の進行または転移乳がん患者を対象に、パルボシクリブとタモキシフェンの併用投与と、プラセボとタモキシフェンの併用投与を比較した国際多施設共同無作為化二重盲検試験で、国立がん研究センター中央病院が主導した医師主導治験。日本(12施設)、韓国(6施設)、台湾(3施設)、シンガポール(2施設)の4ヵ国が参加した。 本試験において、パルボシクリブとタモキシフェンの併用投与は、プラセボとタモキシフェンの併用投与と比較し、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示し、試験の主要目的を達成した。

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