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ジャンクフード店の近くに住むと太る【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第262回

ジャンクフード店の近くに住むと太る私はコンビニ飯がわりと好きで、セブンイレブン、ローソン、ファミマをぐるぐる回って新商品が出ていないかチェックすることもあります。「底上げ弁当」がまだまだ多いので不満はありますが、昔と比べて味はとにかく美味しくなりました。しかし、アクセスが良すぎるのも問題かもしれません。Pineda E, et al. Food environment and obesity: a systematic review and meta-analysis.BMJ Nutrition, Prevention & Health. 2024 Apr 22;7(1):204-211.イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンからの研究で、住宅からの食料品店や飲食店の距離と肥満について調べたシステマティックレビューとメタアナリシスです。仮説では、近くにジャンクな店があるほど、肥満度は高くなるというものです。大学時代、マンションに餃子の王将の無料券が投函され、歩いて30秒くらいのところに店舗があったので、当時の血肉の80%以上は餃子の王将でできていました。思えば、あのころから緩やかに体重が増えていったのではないか…ブツブツ。いや、もちろん餃子の王将は悪くないです。1946~2022年1月までに刊行された論文を紐解き、合計103論文を対象として、スーパーマーケット、青果店、ファストフード店、レストラン、コンビニなどの距離と肥満度が調べられました。結果、マルチレベルモデル解析または空間的要因について検討していた35論文のうち26件において、高脂肪、高糖質、高塩分の食品を販売する店舗と肥満度に有意な関連が観察されました。横断的研究89論文のうち59件、縦断的研究14論文のうち7件において、ファストフード店やコンビニなどのような「健康的とはいえない」店舗と肥満の関連性が確認されました。しかし、メタアナリシスによると、ファストフード店はたしかに肥満度の上昇リスクと有意に関連していましたが(オッズ比[OR]:1.15、95%信頼区間[CI]:1.02~1.30、p=0.02)、コンビニについてはとくに関連は観察されませんでした。反面、青果店の密度の高さや、スーパーマーケットとの距離は、肥満度の低下と有意に関連していました(OR:0.93、95%CI:0.90~0.96、p<0.001)(OR:0.90、95%CI:0.82~0.98、p=0.02)。 とりあえず、近くに「健康的」な店舗があることが重要ですね。

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第222回 未来の診療報酬、お手本は介護?~アウトカム評価のデータ化を実現

2024年診療報酬改定から施行時期が初めて6月に後ろ倒しされたのは周知のとおりだ。これまでの4月施行では医療機関、薬局、電子カルテ・レセコンのベンダーなどの負担が大きいための措置である。すでに施行から2ヵ月が経過したが、いまもバタバタしている医療機関や薬局は多いだろう。今回の改定では、▽医師の働き方改革、▽外来医療の機能分化、▽医療機能に応じた入院医療評価、さらには▽在宅医療の評価などが行われ、全体としては医療機関の機能分化と介護との連携に重点が置かれている印象がある。医師の働き方改革は、今改定での重点課題だったが、個人的にはむしろ医療機関の機能分化推進の補助的材料に使われたと感じている。そして気の早い人は、すでに2年後や4年後の改定、さらには6年後の介護報酬との同時改定も睨みつつあるだろう。それもこれも診療報酬改定が国の目指す医療体制実現のための誘導手段であり、ある種の目指す姿が実現するとより高い次元の医療体制実現のために診療報酬を付け替える「2階に上げて梯子を外す」かのようなことが繰り返されてきたからだと言える。その意味で昨今の診療報酬改定は、医療機関や薬局という“箱”が持つ機能、実施した対人業務に報酬や加算が付く出来高払いがかなり進行してきたが、私個人は次期同時改定までにこうした流れはかなり変化していくのではないかと考え始めている。その最大の理由は今回の診療報酬改定のもう1つのテーマだった医療DXの推進である。ご承知のように紙の保険証は今年12月の廃止が確定し、マイナンバーカードを利用したマイナ保険証へと一本化される。しかも、内閣府の医療DX推進本部は、オンライン資格確認等システムを拡充し、レセプト・特定健診情報、電子処方箋情報、電子カルテ情報などを網羅した「全国医療情報プラットフォーム」の2026年本格稼働を目指している。この中で電子カルテ情報の標準化はやや手間取るかもしれないが、次期同時改定の2030年には同プラットフォームはかなり目処が付いているだろう。そうなると、もはや医療は「どんな医療行為や業務を行ったか」に留まらず、その先のアウトカムまで白日の下にさらされる可能性が高まる。これを厚生労働省(以下、厚労省)が利用しないわけはない。つまり、いずれはアウトカム評価に基づく診療報酬体系が導入される可能性がある。私が「こうした流れはかなり変化していく」と前述したのは、こういうことだ。もっとも最近までこれは個人的な予想に過ぎなかったのだが、どうやら厚労省内部にも似たような考え方をしている御仁がいることを、7月に長崎市で開催された第17回日本在宅薬学会学術大会で知った。その御仁とは薬系技官で厚労省医薬局医薬品審査管理課長の中井 清人氏である。ちなみに日本在宅薬学会は主に在宅活動を行う薬剤師向けの学会で、中井氏はあくまで薬剤師向けとして講演していた。講演内で中井氏は突如、薬剤師業務と関係がない介護報酬の科学的介護情報システム(LIFE)を利用した通称LIFE関連加算を取り上げた。同加算は2021年度介護報酬改定で導入されたもので、事業所が利用者のADL、栄養状態、口腔機能を評価したデータをLIFEに入力することで算定できる。しかも、この仕組みでは厚労省が各事業者のLIFE入力値と全国平均値の比較などをフィードバックし、事業者はそれを基に改めてPDCAサイクルを回す。半ばアウトカム評価のような様相を呈しているのだ。そもそもLIFEの導入は、医療に比べてエビデンスが乏しい介護でのエビデンス構築の意味もある。この時の講演で中井氏は「医療のほうが介護より絶対電子化が早いと思っていたのにすげえなって。介護が来たんですよ。次にどういう時代が来るか、ぜひ皆さん考えてください」と語りつつ、「どういう時代」の結論は濁した。そのうえで中井氏が引き続き紹介したのが、米・オバマケアで実現した多職種連携でのケアを33の指標で評価し、その結果で医師を含むケア担当者らの報酬が変わる「ACOプログラム」だった。ここまで来れば、「次なる時代の診療報酬体系はアウトカム評価で」と言っているようなものだ。ちなみに中井氏はキャリア官僚としては珍しく私見丸出しの講演をする。時には自身のスライド内に「以下は私見の塊」と断っていたりもする。それゆえ今回の講演も「話半分で…」と言えるかもしれないが、口にしないだけで同じことを考えているキャリア官僚は必ずいるだろう。また、介護とは違い、医療はすでにかなりのエビデンスが集積している。要はデータと解析ツールさえあれば、一定のアウトカム分析とそれに基づく評価は今でも即時に可能と言ってもよい。そんなこんなで私個人は、今後の中央社会保険医療協議会(中医協)などでの医療DX議論もこのアウトカム評価導入の視点を注視していくつもりである。

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緩和ケアのポリドクター問題【非専門医のための緩和ケアTips】第81回

第81回 緩和ケアのポリドクター問題「ポリドクター」をご存じでしょうか? 「初めて聞いた」という方も多いかもしれません。患者さんが必要以上に多くの医師にかかってしまう状況を指した言葉で、一般的になってきた「ポリファーマシー(多剤併用問題)」とも密接な関係があります。患者さんと家族を支えるため、複数の医師が関わることはしばしばありますが、関係者が増えるが故の難しさもあります。今回の質問基幹病院の通院を続けながら、私のクリニックを外来受診する患者さん。オピオイドなどの薬剤調整や治療方針の確認のたびに、病院の主治医とのやりとりが発生します。主治医との連絡がつきにくいうえ、複数の診療科を受診しており、やりとりが煩雑です。自分の裁量でどこまでしてよいのか、悩むことも多いです。肺がん治療のために大学病院の呼吸器内科に定期通院しながら、併存疾患の糖尿病のために近隣のクリニックにも通院する……。皆さんもよく見る、ありふれた光景ではないでしょうか。1人の患者さんに複数の医師が関わることで、手厚い医療が受けられるメリットがある一方、「誰が主治医機能を提供するか」という問題が生じます。現実には、「どの医師も自分が主治医だと思っていなかった」という笑えないオチもあります。診療所でかかりつけ医として関わる立場であれば、基幹病院との連携でこうしたことは生じやすいでしょう。「連携」と簡単に言っても、その実務はとても手間がかかります。なかなか連絡が取れなかったり、確認事項が出るたびに診療情報提供書を作成したりするのも大変です。私は基幹病院と診療所勤務の両方の立場を経験しましたが、この状況は構造的な問題が生み出しているので、すぐに解決するのは難しいと感じます。とくに運営母体が別の医療機関で共通のシステム基盤がなく、電話やFAXなどで対応せざるを得ない場合、状況を大きく変えることは難しいでしょう。とはいえ、嘆いてばかりいても仕方ないので、実臨床家としてできることをやっていくしかありません。私の工夫は「定期的に診療情報提供書をやり取りする」「退院時共同指導などで直接あいさつする機会をつくる」ことです。基幹病院の医師は数年で入れ替わることが多く、すぐに効果が出るわけでもありませんが、こうした小さな積み重ねが重要だと考えています。医療が高度化し、高齢化する社会にあって、患者さんに必要な医療と生活を支える機能を単一の医療機関で提供することは難しくなっています。病診連携の難しさを述べてきましたが、地域で患者さんを支えるため、複数の医師で連携して診療に当たることは今後さらに重要になるでしょう。今回のTips今回のTips「ポリドクター」のデメリットを理解し、地域の医師と上手に連携しよう!

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こじれた風邪には…【漢方カンファレンス】第6回

こじれた風邪には…以下の症例で考えられる処方をお答えください。(経過の項の「???」にあてはまる漢方薬を考えてみましょう)【今回の症例】40代女性主訴咳嗽既往特記事項なし病歴10日前に38.2℃の発熱、咽頭痛、鼻汁、咳嗽が出現した。近医に受診してウイルス性上気道炎の診断で総合感冒薬の処方を受けた。その後も37.5℃前後の発熱が持続して、咳、痰が続き、夜も眠れなくなったため来院した。現症身長167cm、体重56kg。体温37.4℃、血圧120/75mmHg、脈拍70回/分整、呼吸数16回/分、酸素飽和度98%。咽頭発赤あり、扁桃肥大なし、後鼻漏なし、頸部リンパ節腫脹なし、呼吸音異常なし。体熱感あり。胸部X線で肺炎像・胸水なし。経過初診時「???」エキス3包+「???」エキス3包分3を処方。(解答は本ページ下部をチェック!)1週間後漢方薬を内服してから、よく眠れるようになった。徐々に咳が軽減し、3日後には改善した。問診・診察漢方医は以下に示す漢方診療のポイントに基づいて、今回の症例を以下のように考えます。【漢方診療のポイント】(1)病態は寒が主体(陰証)か、熱が主体(陽証)か?(冷えがあるか、温まると症状は改善するか、倦怠感は強いか、など)(2)虚実はどうか(症状の程度、脈・腹の力)(3)気血水の異常を考える(4)主症状や病名などのキーワードを手掛かりに絞り込む【問診】<冷えを確認>悪寒や体熱感がありますか?悪寒はなく、熱っぽい感じです。<軽度の悪寒を確認>(患者の首筋を紙であおぎながら)こうして風が吹いてもゾクゾクしませんか?ゾクゾクした感じはありません。<温冷刺激に対する反応を確認>のどは渇きませんか?今、温かい物と冷たい物のどちらが欲しいですか?のどは少し渇いていて、冷たい物が飲みたいです。<ほかの随伴症状を確認>のどの痛みは強いですか?頭痛はありませんか?のどの痛みは強いです。頭痛はありません。痰は多いですか?どのような痰ですか?食欲はどうですか?食べ物の味が変わっていませんか?痰は多くて、ねばっこくて黄色です。口のなかが苦い気がして、食べる量はいつもより少ないです。横になりたいほどの倦怠感はありませんか?横になりたいほどの倦怠感はありません。【診察】顔色は正常で、手足を触診しても冷えはなかった。また、脈診では、浮沈中間で、反発力は中等度(脈:浮沈間、強弱中間)であった。また、後頸部から背部を触診すると、汗を少しかいていた。また、舌をみると舌苔が厚く、腹診では腹力は中等度、両側季助部の抵抗を認めた。カンファレンス今回は、「感染後咳嗽」と診断されるようなこじれた風邪の症例ですね。外来でもしばしば経験します。今回のように肺炎などの合併も考えにくい場合には、現代医学的には対症療法を継続するくらいしか方法はありませんよね。今回の症例は、自他覚所見ともに冷えはなく、倦怠感も強くないので「陰証」とは考えにくいです。体熱感を自覚して冷たい水を好むという点からも「陽証」だと思います。病態の「陰陽」の判断が上手になりましたね。今回は「陽証」でよいですね。さらに陽証のなかでも、悪寒はないので太陽病(第4回「今回のポイント」の項参照)の時期は過ぎていると考えられます。その次は、闘病反応の程度を示す「虚実」の判定を行う必要があります。基本的に「虚実」は、脈診と腹診で反発力をみて判定するとよいよ。本症例では、脈診で、脈と腹の反発力は中等度となっていることから「虚実」は虚実中間くらいと考えてよいね。こじれている風邪や急性期を過ぎた風邪でも、冷えや倦怠感が目立つ場合は、陰証(少陰病[冷えが強く全身に及び、体力が衰えて、元気がないのが特徴]、第2回「今回のポイント」の項、第5回参照)で麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)の適応でないか、まず除外する必要があります。今回のように冷えが明らかでなく、微熱、咳嗽、咽頭痛が中心の場合には、少陽病期(本ページ下部の「今回のポイント」の項参照)であることが多いですね。本症例をまとめます。【漢方診療のポイント】(1)病態は寒が主体(陰証)か、熱が主体(陽証)か?悪寒・冷えなし、冷たい飲み物を好む、体熱感あり→熱が主体(陽証)さらに脈:浮沈間、口が苦い、厚い舌苔、胸脇苦満など→少陽病(2)虚実はどうか脈:強弱中間、腹力:中等度(3)気血水の異常を考える喀痰が多い→水毒(4)主症状や病名などのキーワードを手掛かりに絞り込む微熱、湿性咳嗽、強い咽頭痛本症例は、微熱、咳嗽、口が苦い、舌苔が厚い、胸脇苦満など、少陽病の特徴が揃っていますね(今回のポイント「少陽病」の解説参照)。小柴胡湯(しょうさいことう)で治療するとよいでしょうか?小柴胡湯の適応と考えてよいでしょう。しかし、本症例のように咳嗽が主訴の場合には、小柴胡湯に鎮咳作用のある漢方薬を併用した方がより治療効果が高いです。本症例では、喀痰が多い湿性咳嗽ですので半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と併用するとよいですね。喀痰の量が少ないか、乾性咳嗽の場合には麦門冬湯(ばくもんどうとう)を併用します。さらに小柴胡湯に桔梗(ききょう)と石膏(せっこう)を加えて鎮痛作用と抗炎症作用を強化した小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)という漢方薬があります。本症例のように咽頭痛が強く、咽頭発赤がある場合には小柴胡湯よりも、小柴胡湯加桔梗石膏を用いる方がよいです。解答・解説【解答】本症例は、少陽病・虚実間で、小柴胡湯加桔梗石膏と湿性咳嗽に用いる半夏厚朴湯を併用して治療しました。【解説】少陽病期の代表的な漢方薬が小柴胡湯です。小柴胡湯にはさまざまなバラエティのエキス製剤がありますので覚えておくと便利です(表1)。今回紹介した鎮痛作用や抗炎症作用を強化した小柴胡湯加桔梗石膏以外にも、小柴胡湯に半夏厚朴湯が組み合わされた柴朴湯(さいぼくとう)があります。こちらは1種類の漢方薬で済むのが利点です。長引く咳のため胸痛を伴うようになった場合には小柴胡湯と小陥胸湯(しょうかんきょうとう)が合わさった柴陥湯(さいかんとう)という漢方薬もあります。また、小柴胡湯と利水剤の代表である五苓散(ごれいさん)が含まれる柴苓湯(さいれいとう)は、ウイルス性腸炎で下痢が続いて、微熱がある場合などに使用可能です。また、小柴胡湯は抗炎症作用をもつ生薬「柴胡(さいこ)」が含まれるのが特徴です。柴胡が含まれる小柴胡湯と仲間の漢方薬を「柴胡剤(さいこざい)」とよびます。柴胡剤はそれぞれの特徴により、使い分けられます。そのなかでも柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)は、太陽病期の桂枝湯(けいしとう)と小柴胡湯を混ぜたような処方で、太陽病から少陽病への移行期から風邪の治り際まで適応範囲が広く、使いやすいのが特徴です。どの柴胡剤を使うべきか迷う場合には柴胡桂枝湯がよいともいわれます。今回のポイント「少陽病」の解説漢方では風邪をいくつかのステージに分類します。風邪のひき始めのように悪寒があって、脈が浮である時期を「太陽病」といいました。さらに発症からおよそ2~3日経過して、悪寒がなくなって、脈が浮でなくなってくる時期を「少陽病」とよびます(表2)。太陽病では体表面にあった闘病反応が、少陽病では、生体の内部(半表半裏)まで影響をし始めて、口が苦い、のどが乾く、ムカムカする嘔気、食欲不振などの症状が出現します。脈は表在性に触知できる浮からやや沈んだ状態に変化します。また太陽病では着目しなかった舌や腹部の所見も重要になります。舌では、舌苔が厚くなってきます(写真左)。腹診では両側季助部に指を差し込む(写真右)と抵抗感や患者の苦痛が出てきて、胸脇苦満(きょうきょうくまん)とよびます。太陽病では、発汗により治療をしましたが、少陽病では、その場で闘病反応(炎症)を鎮める治療に変わります。少陽病の代表的な漢方薬が小柴胡湯です。

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うつ病診断歴が双極性障害のアウトカムに及ぼす影響

 双極性障害は、うつ病エピソードから発症することが多く、初期にはうつ病と診断されることが少なくない。杏林大学の櫻井 準氏らは、双極性障害患者における過去のうつ病診断歴が臨床アウトカムに及ぼす影響を調査するため、本研究を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2024年7月2日号の報告。 2005年1月〜2020年10月のJMDCの医療保険請求データを用いて、日本で双極性障害と新たに診断された18〜64歳の患者データを分析した。双極性障害と診断された月を、インデックス月と定義した。過去のうつ病診断歴およびその期間(1年以上、1年未満)により層別化し、精神科入院、すべての原因による入院、死亡率を評価した。ハザード比(HR)、p値の推定には、Cox比例ハザードモデルを用い、潜在的な交絡因子で調整し、ログランク検定によりサポートした。 主な結果は以下のとおり。・分析対象患者5,595例のうち、うつ病診断歴を有していた患者は2,460例、うつ病診断期間1年以上は1,049例、1年未満は1,411例であった。・うつ病歴があった患者となかった患者の比較における、各HRは次のとおりであった。【精神科入院】HR:0.92、95%信頼区間[CI]:0.78〜1.08、p=0.30【すべての原因による入院】HR:0.87、95%CI:0.78〜0.98、p=0.017【死亡率】HR:0.61、95%CI:0.33〜1.12、p=0.11・うつ病歴が1年以上と1年未満の比較における、各HRは次のとおりであった。【精神科入院】HR:0.89、95%CI:0.67〜1.19、p=0.43【すべての原因による入院】HR:0.85、95%CI:0.71〜1.00、p=0.052【死亡率】HR:0.25、95%CI:0.07〜0.89、p=0.03 著者らは「うつ病診断歴およびその期間は、双極性障害診断後の精神科入院リスクを高めることはなく、入院率や死亡率の低下と相関している可能性が示唆された」としている。

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日本女性の平均寿命87.14歳は世界1位、男女とも前年より寿命延長/厚労省

 厚生労働省は、7月26日に令和5年の簡易生命表の概況を発表した。これによると男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.14歳となり、3年ぶりに前年を上回った。 前年と比較して男性は0.04年、女は0.05年上回ったほか、平均寿命の男女差は6.05年で前年より0.02年延長した。 65歳の死因別死亡確率(主要死因)について、男性では肺炎6.18%(前年6.13%)、老衰8.85%(前年8.31%)が前年に比べ死亡確率が上昇し、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患は前年に比べ低下した。女性では肺炎4.44%(前年4.34%)、老衰20.77%(前年19.79%)が前年に比べ死亡確率が上昇し、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患は前年に比べ低下した。【平均寿命の年次推移】( )内は男女差令和3年 男性81.47歳 女性87.57歳(6.10年)令和4年 男性81.05歳 女性87.09歳(6.03年)令和5年 男性81.09歳 女性87.14歳(6.05年)【死因別死亡確率(主要死因)上位3つ】・65歳 男性:悪性新生物[腫瘍](25.87%)、心疾患(14.24%)、老衰(8.85%) 女性:老衰(20.77%)、悪性新生物[腫瘍](17.53%)、心疾患(15.95%)・75歳 男性:悪性新生物[腫瘍](22.26%)、心疾患(14.41%)、老衰(10.36%) 女性:老衰(22.22%)、心疾患(16.38%)、悪性新生物[腫瘍](15.37%)・90歳 男性:老衰(17.91%)、心疾患(15.94%)、悪性新生物[腫瘍](14.43%) 女性:老衰(18.79%)、心疾患(15.86%)、悪性新生物[腫瘍](14.15%)【平均寿命の国際比較】※入手可能な資料より算出、〔 〕は最高と最低の差 男性の最高:スイス(82.3歳)/男性の最低:コンゴ民主共和国(56.5歳)〔25.8歳〕  女性の最高:日本(87.14歳)/女性の最低:コンゴ民主共和国(59.7歳)〔27.44歳〕

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免疫不全患者に対するCOVID-19の曝露前発症抑制、sipavibart承認申請/AZ

 アストラゼネカは、2024年7月26日付のプレスリリースで、免疫不全患者に対するCOVID-19の曝露前発症抑制を目的として開発を進めている長時間作用型モノクローナル抗体sipavibartについて、製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。 本申請は、第III相SUPERNOVA試験の結果に基づく。SUPERNOVA試験は、COVID-19の発症抑制を目的としてsipavibartの安全性および有効性を対照(チキサゲビマブ/シルガビマブまたはプラセボ)と比較評価する大規模な第III相、国際共同、無作為化、二重盲検比較試験であり、免疫不全患者を対象にCOVID-19に対する有効性データを提供する唯一の試験である。本試験は、SARS-CoV-2のすべての変異株によって引き起こされる症候性COVID-19発症の相対リスクの減少、F456L変異を有さないSARS-CoV-2変異株によって引き起こされる症候性COVID-19発症の相対リスクの減少の2つの主要評価項目を達成した。また、本試験では、試験期間中に感染者において複数の異なるSARS-CoV-2変異株が確認されるという、変異株が進化し続ける状況において、sipavibartの潜在的な有用性が示された。 SUPERNOVA試験の対象となった免疫不全患者集団には、血液がん患者、臓器移植レシピエント、透析を要する末期腎不全患者、B細胞枯渇療法を受けてから1年以内の患者、免疫抑制薬を使用中の患者が含まれている。

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ニボルマブ承認から10年、がん治療はどう変わったか/小野・BMS

 本邦初の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)ニボルマブ。2014年7月4日に製造販売承認を取得してから、早くも10年が経過した。ICIによるがん免疫療法は、どれだけ社会に認知されているのだろうか。また、ICIはがん治療においてどのようなインパクトを与えたのだろうか。小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、これらの疑問に答えるべく「免疫チェックポイント阻害薬によるがん免疫療法のいまとこれから」と題し、2024年7月24日にメディアセミナーを実施した。ICIは医師には定着も、患者さんへのさらなる情報発信が必要 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、がん免疫療法に対する医師・患者さんの現状評価を把握することを目的として、がん治療に関わる医師100人とがん患者さん900人を対象にアンケート調査を実施した。本調査の結果について、高井 信治氏(小野薬品工業 メディカルアフェアーズ統括部長)が紹介した。 アンケート調査の結果、医師の90.0%は「ICIはがん治療の選択肢としての地位を築いた」と回答し、ICIによるがん免疫療法が実臨床に定着したことが示された。また、87.0%が「さらなる発展を期待したい治療法である」と回答し、ICIへの期待の高さがうかがわれた。 しかし、ICIによる治療を受けたことがないがん患者さんでは「複数のがん免疫療法を知っている」と回答したのは2.9%、「知っているがん免疫療法がある」と回答したのは9.6%に留まり、「名前を聞いたことがある」と回答した50.6%を含めても、がん免疫療法の認知率は63.0%であった。また、この集団(がん免疫療法を認知しているICI未経験の患者さん)に対し、がん免疫療法について知っていることを聞いたところ、「医学的に効果が認められているがん免疫療法には、抗がん剤治療などとは異なる副作用がある」と回答した割合は26.3%に留まり、免疫関連有害事象(irAE)に関する認知や理解が低いことが示唆された。このことから、がん患者さんや一般生活者の方々への正しいがん免疫療法の認知、理解促進に向けてさらなる情報発信が必要であると考えられた。 がん免疫療法の正しい理解促進に向けて、小野薬品工業では患者さん向けの啓発サイト「ONO ONCOLOGY」の充実を図るほか、ブリストル・マイヤーズ スクイブと共同で、臨床試験結果の論文を平易な言葉で要約する「プレーン・ランゲージ・サマリー」を公表している。【アンケート調査の概要】<調査実施期間>2024年6月21~28日<調査対象>医師:ICI適応がん腫いずれかに関連する診療科で全身化学療法によるがん治療経験のある医師(病床数200床以上)100人患者さん:(1)20~70代のICIによるがん治療を受けたことのある200人、(2)20~70代のICI適応のがん腫ではあるがICIによる治療は受けたことのない700人ICIの登場により患者さんへの説明は大きく変わった 続いて「免疫チェックポイント阻害薬ががん治療に与えたインパクト」というテーマで林 秀敏氏(近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授)がICI登場後のがん治療の変化を紹介した。 林氏が専門とする肺がんの場合、ICIの登場前は進行期の患者さんの5年生存率は5%未満であったが、ICIの登場後は20%程度に改善していると述べた。ICIの登場前は、進行期の患者さんへ「長生きするチャンスはありますが、治るというのは難しいです」と伝えていたという。ところが、ICIの登場後は治癒に近い形で長期生存が得られる患者さんも存在するようになり、「高い効果がみられるのは2割程度です」との前置きは必要としつつも、患者さんへ大きな希望を持たせることができるようになったと語った。 また、ICIの登場により希少がんの治療薬開発状況も変化している。ICIの登場前は、希少がんに対する治療薬の開発は非常に困難であった。しかし、ICIの登場により希少がんや原発不明がんに対する治療薬の開発が可能となった。実際に、林氏らの研究チームは、原発不明がんに対するニボルマブの有効性を検討する医師主導治験(NivoCUP試験)を実施し、その結果をもとにニボルマブは原発不明がんに対する適応を取得している。この反響は非常に大きかったという。「本試験の結果がYahoo!ニュースのトップに掲載され、近畿大学に行けばICIによる治療を受けられるのかという電話が数多くかかってきたことを覚えています。原発不明がんの患者さんは日本中にいて、治療薬の開発を求めていたことを実感しました」と林氏は述べた。なお、原発不明がんに対してICIの保険適用が得られているのは、日本におけるニボルマブのみである。irAEの伝え方は? アンケート調査結果では、がん免疫療法を認知していてもICIによる治療を受けたことのない患者さんでは、irAEに関する理解が不十分であることが示唆された。そこでセミナー終了後、ICIによる治療を実施する際の患者さんへの説明方法を林氏へ聞いた。 アンケート調査結果を踏まえて、irAEをどう伝えるべきかを聞いたところ、林氏は「irAEは頻度が少ないのに種類が多いため、患者さんへの教育にも限界があります。では、どこまで伝えるのが適切かというのはすごく難しいと感じます。患者さんによって理解度は異なりますし、複雑な伝え方をしてしまうと理解できず、びっくりさせて不安を与えるだけになってしまいます」と話した。そこで、実際にどのように伝えているかを聞いたところ「私はシンプルに伝えています。38℃以上の熱があったらとりあえず連絡をください、下痢が止まらなかったら連絡をくださいという形で、できるだけシンプルに伝えています。100%の説明にならなくてもよいと思います。100%で説明して理解されないよりも、50%で伝えて理解できるほうがよいと思っています」と述べた。ただし、この伝え方が必ずしも正解とは限らないとも述べ、患者さんへの説明用アプリなどの開発とその活用への期待も語った。

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中等~重症の潰瘍性大腸炎、リサンキズマブの導入・維持療法が有効/JAMA

 中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者において、IL-23p19阻害薬リサンキズマブは寛解導入療法および維持療法として、プラセボと比較し臨床的寛解率を改善することが示された。ベルギー・リエージュ大学病院のEdouard Louis氏らINSPIRE and COMMAND Study Groupが、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「INSPIRE試験」および「COMMAND試験」の結果を報告した。JAMA誌オンライン版2024年7月22日号掲載の報告。導入療法、2用量の皮下投与による維持療法の有効性と安全性をプラセボと比較 導入療法試験「INSPIRE試験」は、2020年11月5日~2022年8月4日(最終追跡日2023年5月16日)に41ヵ国261施設で実施された。 中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎を有し、1種類以上の従来の治療、先進治療、またはその両方に不耐容または効果不十分で、リサンキズマブの前治療歴がない患者977例を、リサンキズマブ(1,200mg)群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、0週、4週および8週に静脈内投与した。 主要アウトカムは、12週時の臨床的寛解(Adapted Mayoスコアの排便回数サブスコアが1以下でベースラインを超えない、血便スコアが0、内視鏡所見サブスコアが1以下で易出血性の所見がない)であった。 維持療法試験「COMMAND試験」は、2018年8月28日~2022年3月30日(最終追跡日2023年4月11日)に37ヵ国238施設で実施された。 維持療法試験では、導入療法試験において12週時に臨床的改善(Adapted Mayoスコアがベースラインから2ポイント以上かつ30%以上低下し、さらに血便スコアが1以下または1以上低下)を達成した適格患者584例を、リサンキズマブ180mg群、360mg群またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、8週ごとに52週にわたり皮下投与した。 維持療法試験の主要アウトカムは、52週時の臨床的寛解であった。リサンキズマブ群の臨床的寛解率は導入療法で20.3%、維持療法で37.6~40.2% 導入療法試験の解析対象は975例(年齢42.1[SD 13.8]歳、973例中586例[60.1%]が男性、677例[69.6%]が白人)で、12週時の臨床的寛解率はリサンキズマブ群20.3%(132/650例)、プラセボ群6.2%(20/325例)であった(補正後群間差:14.0%、95%信頼区間[CI]:10.0~18.0、p<0.001)。 維持療法試験の解析対象は548例(年齢40.9[SD 14.0 ]歳、男性313例[57.1%]、白人407例[74.3%])で、52週時の臨床的寛解率は、リサンキズマブ180mg群40.2%(72/179例)、リサンキズマブ360mg群37.6%(70/186例)、プラセボ群25.1%(46/183例)であった。リサンキズマブ180mg群とプラセボ群の補正後群間差は16.3%(97.5%CI:6.1~26.6、p<0.001)、リサンキズマブ360mg群とプラセボ群の補正後群間差は14.2%(4.0~24.5、p=0.002)であった。 導入療法試験における主な有害事象は、リサンキズマブ群がCOVID-19(4.8%)、貧血(3.4%)、プラセボ群が潰瘍性大腸炎(10.2%)、貧血(6.5%)で、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ2.3%および10.2%であった。 維持療法試験における主な有害事象は、潰瘍性大腸炎(リサンキズマブ180mg群13.0%、360mg群13.8%、プラセボ群14.8%)およびCOVID-19(180mg群8.8%、360mg群13.3%、プラセボ群11.7%)で、重篤な有害事象の発現は180mg群5.2%、360mg群5.1%、プラセボ群8.2%であった。 著者は、追跡期間が短期であったことから、「52週間の追跡期間を超えた有益性を確認するためには、さらなる研究が必要である」とまとめている。

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公共の場でのマスク着用、呼吸器感染症の発症予防効果は/BMJ

 14日間にわたり公共の場でサージカルフェイスマスクを着用した場合、着用しない場合と比較して、自己申告に基づく呼吸器感染症の症状発症リスクが有意に減少した。ノルウェー・公衆衛生研究所のRunar Barstad Solberg氏らが実用的無作為化優越性試験の結果を報告した。感染予防策としてのサージカルフェイスマスクの有効性は定かではなく、観察研究でフェイスマスクの着用が呼吸器感染症のリスクを減少させることが示唆されているが、これまでの無作為化試験は検出力不足など方法論的に限界があった。著者は、「本研究は多くの先行試験と異なり、十分な検出力を有している。フェイスマスクの着用は、負担の少ない比較的低コストで簡単な、呼吸器感染症の流行を抑えるために検討する価値があると考えられるいくつかの公衆衛生および社会的対策の1つである」とまとめている。BMJ誌2024年7月24日号掲載の報告。14日間公共の場でのマスク着用群vs.非着用群、自己申告の呼吸器症状を比較 研究グループは、ノルウェーの全国ネットのテレビ、ラジオなどを含むさまざまなメディアとデータ収集会社を通じて18歳以上の参加者を募集し、同意(オンライン同意書)が得られた参加者を、介入群および対照群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 介入群には、サージカルフェイスマスク(EN14683規格のタイプII/IIR)を無料で提供し、14日間にわたり不特定多数の人と接する公共の場(ショッピングセンター、街中、公共交通機関など)ではマスクを着用してもらった(自宅や職場でのマスク着用については言及されなかった)。対照群では、公共の場ではサージカルフェイスマスクを着用しないよう指示された。 主要アウトカムは自己申告による呼吸器感染症に伴う呼吸器症状、副次アウトカムは、自己申告による新型コロナウイルス検査陽性、ノルウェー感染症サーベイランスシステムに登録された新型コロナウイルス検査陽性などで、評価者盲検で評価した。呼吸器症状の報告は8.9% vs.12.2%、マスク着用により発生が有意に減少 本試験は、北欧の通常のインフルエンザシーズンである2023年2月10日~2023年4月27日に実施された。 同意書が渡された5,086例中4,647例が同意書を提出し無作為化された。このうち同意撤回、18歳未満などを除外した4,575例(介入群2,313例、対照群2,262例)がITT解析の対象集団に組み込まれた。4,575例のうち女性は2,788例(60.9%)、全体の平均年齢は51.0歳(SD 15.0)であった。 呼吸器症状を報告した参加者は、介入群では163例(8.9%)、対照群では239例(12.2%)、限界オッズ比(OR)は0.71(95%信頼区間[CI]:0.58~0.87、p=0.001)、絶対リスク差は-3.2%(95%CI:-5.2~-1.3、p<0.001)であり、介入群で有意に減少した。 自己申告による新型コロナウイルス検査陽性(限界OR:1.07、95%CI:0.58~1.98、p=0.82)、登録された新型コロナウイルス検査陽性(介入群でのイベントがないため、効果推定値と95%CIは算出不可)には統計学的な有意差は確認されなかった。

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適切な糖尿病情報にアクセスする方法(Dr.坂根のすぐ使える患者指導画集)

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2023 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者医師患者医師患者医師患者医師患者医師患者医師患者最近、血糖値が高くて合併症にならないかと心配で…。まずは治療を中断しないことが大切です。はい、それはわかっています。よろしくお願いしますね。現在、糖尿病の飲み薬は9種類ありますので、患者さんに合わせて薬の選択と調整は私の方でできますが、食事と運動療法がポイントですね。薬を飲んでいるだけではだめということですね。そうです。食事についてはいかがですか?栄養士さんに糖尿病の食事療法については話を聞いたのですが、なかなか…。なるほど。運動についてはいかがですか?運動については自己流でやっています。そうですか。そういった情報はどこから得ていますか?テレビやYou Tubeからですかね。なるほど。糖尿病のリスクを知り、対策を立てることは大切ですね。適切な情報にアクセスできるための、検索のキーワードがあります。そのキーワードを教えて頂けますか。画 いわみせいじポイント適切な糖尿病情報にアクセスし、患者に寄り添ったアドバイスをもらえる専門家を持つようにアドバイスします。Copyright© 2023 CareNet,Inc. All rights reserved.

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非難の標的、チートル長官【Dr. 中島の 新・徒然草】(540)

五百四十の段 非難の標的、チートル長官暑いですねえ。大阪の町でも片手に日傘、反対側に手持ち扇風機で歩いている人ばかり。冷房の効いた建物から出て屋外の駐車場まで歩いていくだけでも、暑すぎて「勘弁してくれー!」と言いたくなります。今はまだギリギリ耐えられるけど、5年先や10年先は一体どうなってしまうのでしょうか。さて、YouTubeのショート動画を見ていると、よく出てくるのがシークレットサービスのキンバリー・チートル長官。2024年7月13日のドナルド・トランプ暗殺未遂事件の警護責任者として、米下院公聴会で下院議員たちに散々罵倒されている動画です。彼女は1995年にシークレットサービスに加わり警護スタッフとして働いてきたのですが、2019年に民間会社に移りました。そしてバイデン大統領に任命されて、長官としてシークレットサービスに返り咲きます。おそらく、バイデンが副大統領時代に警護担当をしていた関係で引き上げられたのでしょう。言うまでもなく女性として初のシークレット・サービス長官です。が、このたびのトランプ暗殺未遂事件を未然に防げなかったことから、ありとあらゆる非難を浴びることになりました。「貴女はこの9日間、1回でも銃撃現場に行ってみたのか?」「身を挺して大統領を守ったスタッフたちに労いの電話をかけたのか!」「貴女が長官であるかぎり、われわれ下院議員は全員が身の危険を感じざるを得ない」などなど。そんなもん、全米を飛び回っているトランプの警護は続くし、その一方で暗殺未遂事件の調査もしないといけないし、銃撃現場に行っている暇なんかおまへんがな。シークレットサービスのスタッフ達だって、勤務中に長官からいきなり電話がかかってきたら迷惑でしょう。第一、キンバリー長官自身が公聴会に呼ばれているわけだから、その準備だけで精一杯です。結局、公聴会の翌日に彼女は辞めてしまいました。後からなら何とでも言えます。狙撃場所となった倉庫の屋根に人が近づかないようにしておくべきだった、とか。「屋根に上った人がいるぞ」という目撃者の報告に対処しておくべきだった、とか。YouTubeのコメント欄も「こんな無能な奴は辞めさせろ」とか「長官に刑事責任を取らせろ」とか、大荒れです。でも、こういうのは典型的なhindsight bias(後知恵バイアス)ですね。私は別にチートル長官を庇うわけではありませんが、下院議員たちもそんなに偉そうに言わなくてもいいんじゃないか、と思います。もっと冷静に、原因究明や再発防止を議論するべきなのでは?でも、彼らも自分の選挙区の有権者たちにアピールする必要があります。だから、こういった非難合戦になってしまうのかもしれません。われわれも医師という立場上、何かあったら非難される側になってしまいます。そういったことも想定しつつ、診療したりカルテを書いたり。大変な世の中になってしまいましたが、それも仕事の一環だと思うべきなのでしょう。ということで最後に1句猛暑の日 流す冷や汗 動画見て

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8月1日 肺の日【今日は何の日?】

【8月1日 肺の日】〔由来〕「は(8)い(1)」(肺)と読む語呂合わせから、肺の健康についての理解を深め、呼吸器疾患の早期発見と予防についての知識を普及・啓発することを目的に日本呼吸器学会が1999年に制定し、翌2000年から実施。学会では、肺の病気・治療について全国で一般市民を対象にした講座会や医療相談会を行っている。関連コンテンツCOPD患者の飛行機旅行【日常診療アップグレード】呼吸しづらいときの症状チェック【患者説明用スライド】咳・痰が続くときの症状チェック【患者説明用スライド】診療科別2024年上半期注目論文5選(呼吸器内科編)スパイロなしでも胸部X線画像で呼吸機能が予測可能!?

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第107回 「学会熱中症」にご注意を

学会スーツは夏用を昨年、夏季にある学会に参加したのですが、会場内で熱中症の発症がありました。参加者が医療従事者ばかりだったので、控室で休んで軽快しておられましたが、「学会スーツ」って結構怖いです。現代の地球温暖化が進む中で、スーツのフォーマルな服装としての地位を変える必要があると感じますが、現実には学会ではスーツが主流です。とくに、シンポジストや座長などの演者はスーツが必須です。経験上、多くの医師はスーツに対して特別なこだわりを持っていません。日常業務では白衣を着用し、スーツを着る機会が限られているため、夏冬兼用のスーツを使用することが一般的です。しかし、猛暑の中でのこの選択はリスキーかもしれません。私自身も若手医師の頃は夏冬兼用スーツを使用していましたが、年を重ねるにつれて学会での発表機会が増え、通気性に優れた夏用スーツを着用するようになりました。背抜き仕様の裏地を持つ夏用スーツは、背中が汗でびしょ濡れになることを防ぎます。現在、夏用スーツの購入を迷っている医師の方々には、将来的に必要になることを考慮し、ぜひ購入をお勧めします。ちなみに、海外の学会では、ドレスコードもなくラフな格好で参加している人が多いと思います。日本の研究会風の形式とは異なり、海外の学会はエンターテインメント性が高いからかもしれません。歴史的な暑さ今年は海面の水温が高くなるエルニーニョ現象がなくなり、水温が低くなるラニーニャ現象に切り替わっています。その結果、地上では最高気温の記録更新が観察されており、再び各地の気温が記録を塗り替える可能性があります。地球上の過去最高の気温といえば、デスバレーにおける56.7度です。今から100年以上前、1913年に記録されました。現在、猛暑のためカリフォルニア州では20件を超える山火事が発生し、次第に延焼面積が拡大しています。余談ですが、デスバレーのような高温地域で救急医療が必要な場合、ヘリコプターの出動が増えます。しかし、気温が高すぎるとヘリコプターの離着陸が困難になります。一般的に46度以上の気温では安全性が保証されず、物理的に十分な揚力が得られなくなるためです。

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重度のBPSDに対する抗精神病薬の投与量の軌跡

 抗精神病薬は、認知症の行動・心理症状(BPSD)に対し、適応外で使用されることが多いが、これら薬剤の重要な副作用は懸念となる。杏林大学の多田 照生氏らは、重度のBPSDを有する認知症入院患者における抗精神病薬の長期使用状況、時間の経過とともに使用状況がどのように変化するかを調査した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2024年6月25日号の報告。 2012年10月〜2021年9月の山梨県・日下部記念病院のカルテデータをレトロスペクティブにレビューした。この研究では、認知症診断後、BPSDのために入院し、入院3ヵ月時点で抗精神病薬を使用していた患者を対象とした。抗精神病薬の投与量は、クロルプロマジン等価換算に基づき高用量群(300mg/日以上)、中用量群(100〜300mg/日)、低用量群(100mg/日未満)に分類し、入院15ヵ月までフォローアップを行った。3〜6ヵ月目における投与量の減量と関連する因子を特定するため、二項ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は188例、平均年齢は81.2歳、アルツハイマー型認知症の割合は67%であった。・3ヵ月時点での抗精神病薬の投与量は、高用量群15.4%、中用量群44.1%、低用量群40.4%であった。・平均投与量は3ヵ月目で最高に達し、その後は時間の経過とともに減少していた。・12ヵ月目までにすべての群において、20〜30%の患者は、抗精神病薬の使用が中止されていた。・投与量減少に対する重要な因子は、最初の投与量が高い(オッズ比[OR]:1.003、95%信頼区間[CI]:1.001〜1.006、p=0.01)、男性(OR:2.481、95%CI:1.251〜4.918、p=0.009)であった。 著者らは「重度のBPSDを有する認知症入院患者における抗精神病薬の投与量の軌跡は、これまで報告されていなかった。今回の研究により、脆弱な患者群に対する長期薬物療法のマネジメントにおいて、個別化した治療戦略の必要性が明らかとなった」としている。

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両側乳房切除と乳がん死亡率/JAMA Oncol

 片側乳がん患者に対する両側乳房切除の乳がん死亡率におけるベネフィットは示されていない。今回、カナダ・Women's College HospitalのVasily Giannakeas氏らによるコホート研究において、両側乳房切除で対側乳がんリスクは有意に低下したが乳がん死亡率は低下しなかったことが報告された。JAMA Oncology誌オンライン版2024年7月25日号に掲載。 このコホート研究では、SEERプログラムの登録データベースから、2000~19年に診断されたStage0~III片側乳がん(浸潤性乳がんおよび非浸潤性乳がん)の女性を同定し、手術の種類(乳房部分切除、片側乳房切除、両側乳房切除)によりマッチングを行い、対側乳がんおよび乳がん死亡率を20年間追跡した。 主な結果は以下のとおり。・研究サンプルは、片側乳がん女性66万1,270例(平均年齢:58.7歳)で、マッチング後、3つの治療群はそれぞれ3万6,028例であった。・20年間の追跡期間中、対側乳がんが認められたのは乳房部分切除群で766例、片側乳房切除群で728例、両側乳房切除群で97例だった。20年対側乳がんリスクは、乳房部分切除群・片側乳房切除群で6.9%(95%信頼区間[CI]:6.1~7.9)であった。・累積乳がん死亡率は、対側乳がん発症後15年で32.1%、対側乳がんを発症しなかった患者では14.5%であった(ハザード比:4.00、95%CI:3.52~4.54)。・乳がん死亡は、乳房部分切除群で3,077例(8.54%)、片側乳房切除群で3,269例(9.07%)、両側乳房切除群で3,062例(8.50%)であった。 この研究は、対側乳がんを発症すると乳がん死亡リスクが大幅に増加することを示している。一方、両側乳房切除を受けた患者は対側乳がんのリスクが大幅に減少したが、乳房部分切除または片側乳房切除を受けた患者と乳がん死亡率が同程度だった。

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熱中症診療ガイドラインの分類に最重症群「IV度」を追加

 7月25日、日本救急医学会の熱中症および低体温症に関する委員会が『熱中症診療ガイドライン2024』を公表した。本ガイドラインの改訂は10年ぶり。熱中症診療ガイドライン2024では熱中症の診療と予防の全般をカバーし、定義・重症度・診断、予防・リスク、冷却法、冷却法以外の治療(補液、DIC治療薬)、小児関連の5分野より24個のClinical Question(CQ)が設定されている。熱中症診療ガイドラインの重症度分類、最重症群がIII度からIV度へ これまで熱中症診療ガイドライン2015年版でIII度としてきた重症群の分類の中にさらに注意を要する最重症群が含まれていたが、改訂版である熱中症診療ガイドライン2024年版ではこの最重症群を「IV度」と同定し、Active Coolingを含めた集学的治療を早急に開始するよう提唱している。これにより、IV度は膀胱温や直腸温などの深部体温を用いて「深部体温40.0℃以上かつGCS≦8」*と定義し、Bouchama基準の重症が2024年版の分類でIV度に該当することになる。熱中症診療ガイドライン2024でのIII度の分類は「IV度に該当しないIII度(2015)」となった。 さらに、IV度の可能性がある患者を現場や搬送中、あるいは来院直後に把握する基準としてqIV度(quick IV度)「表面体温40.0℃以上(もしくは皮膚に明らかな熱感あり)かつGCS≦8(もしくはJCS≧100)**【深部体温の測定不要】」を設け、併せて提唱している。もし、表面体温にてqIV度と考えた場合は、深部体温測定を行い、速やかに重症度を判断する。深部体温が40.0℃以上でIV度と判断された場合には、早急にActive Coolingを含めた集学的治療を実施する。*Glasgow Coma Scale  **Japan Coma Scale熱中症診療ガイドライン2024では用語統一にも注意 熱中症診療ガイドライン2024ではActive Coolingについて、何らかの方法で熱中症患者の身体を冷却することと定義し、熱中症診療ガイドライン2015にて「体温管理」「体内冷却」「体外冷却」「血管内冷却」「従来の冷却法(氷嚢、蒸散冷却、水式ブランケット)」「ゲルパッド法」「ラップ法」などと記載していた方法をActive Coolingとして包括的な記載に統一されている。ただし、2015版で記載されていた「冷所での安静」はPassive Cooling(冷蔵庫に保管していた輸液製剤を投与することや、クーラーや日陰の涼しい部屋で休憩すること)とし、これに該当するものはActive Coolingに含まない(CQ3-01、CQ3-02、BQ4-01、CQ4-02、FRQ4-03、CQ5-02)。また、Active Coolingと“集中治療、呼吸管理、循環管理、DIC治療”はActive Coolingを含めた集学的治療と表現される。なお、冷蔵庫に保管していた輸液製剤を投与することは、薬剤メーカーが推奨する投与方法ではなく、重症熱中症患者への有効性を示すエビデンスはないと示している(p.5)。熱中症診療ガイドライン2024の分類における診断基準と治療方法 熱中症診療ガイドライン2024での熱中症の診断基準は「暑熱環境に居る、あるいは居た後」の症状として、以下のように分類され、推奨される治療方法が記載されている(p.7、実際はアルゴリズムとして明記)。I度 めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)があるも意識障害を認めないもの。通常は現場で対応可能と判断する。Passive Coolingを行い、不十分であればActive Cooling、経口的に水分と電解質の補給を行う。II度 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下(JCS1)を認める。医療機関での診察を必要とし、Passive Cooling、不十分ならActive Cooling、十分な水分と電解質の補給(経口摂取が困難なときは点滴)を行う。III度 (1)中枢神経症状(意識障害JCS2、小脳症状、痙攣発作)、(2)肝・腎機能障害(入院経過観察、入院加療が必要な程度の肝または腎障害)、(3)血液凝固異常(急性DIC診断基準[日本救急医学会]にてDICと診断)の3つのうちいずれかを含む場合、入院治療の上、Active Coolingを含めた集学的治療を考慮する。IV度 深部体温40.0℃以上かつGCS≦8の場合、Active Coolingを含めた集学的治療を行う。 重症例(III~IV度)の治療法としては、Active Coolingを含めた集学的治療を行うことを推奨しているが、Active Cooling の中の個別の冷却方法を推奨はしない。一方、軽症例(I~II度)は、クーラーや日陰の涼しい部屋で休憩するPassive Coolingと水分・電解質の補給で症状が軽快しうるが、改善に乏しい場合は、深部体温を測定したうえで、Active Coolingを行うべきである、と記されている。 検討課題として、経口補水液、DIC治療薬、暑熱順化については十分な研究成果が得られていない点も記されている(p.5)。熱中症の疫学的特徴 厚生労働省の人口動態統計(確定数)によると、熱中症の死亡者数は毎年1,000例を超え、全国の熱中症搬送者数は9万1,467例に上る。年齢区分別では、高齢者(満65歳以上)が最も多く、次いで成人(満18歳以上満65歳未満)、少年(満7歳以上満18歳未満)、乳幼児(生後28日以上満7歳未満)の順となっており、発生場所は住居が最も多く、次いで道路、公衆(屋外)、仕事場(道路工事現場、工場、作業所など)の順となっている。他方で、全国の救命救急センターの入院症例を対象とした日本救急医学会の熱中症の調査Heatstroke STUDY(HsS)2020-21では、65歳以上が60%強、男性が70%弱、屋外発生が50%(日常生活が60%、労働が30%、スポーツが10%)、マスク着用は少数(不明例が多数)であった。  最後に同委員会担当理事の横堀 將司氏(日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 教授)ならびに委員長の神田 潤氏(帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター)らは、「HsSによると、IV度におけるActive Cooling実施率は90%以上であるにもかかわらず、院内死亡率が20%以上と重篤な状況にある。さらにIV度の可能性が高いqIV度のなかでも、深部体温の不明・未測定例が25%に上り、その不明・未測定例でのActive Coolingの実施状況は60%程度で、院内死亡率は37.0%であった。この状況を踏まえ、最重症であるIV度の熱中症が重篤である点、重症化が懸念されるqIV度での深部体温測定とActive Coolingの徹底が重要」としている。

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シス女性のHIV曝露前予防、レナカパビル年2回投与が有効/NEJM

 レナカパビル年2回皮下投与によりHIV感染の発生は認められず、バックグラウンドおよびエムトリシタビン/テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF)と比較してHIV感染の発生率を100%低下させることが、南アフリカ・ケープタウン大学のLinda-Gail Bekker氏らPURPOSE 1 Study Teamによる第III相無作為化二重盲検実薬対照比較試験「PURPOSE 1試験」において示された。シスジェンダー女性におけるHIV曝露前予防は、予防薬の服薬、服薬アドヒアランスおよび服薬継続に限界があり、新たな選択肢の開発が望まれていた。NEJM誌オンライン版2024年7月24日号掲載の報告。16~25歳のシス女性5,368例をレナカパビル群、F/TAF群、F/TDF群に無作為化 PURPOSE 1試験は、最近の試験で曝露前予防(PrEP)を受けていない思春期および若年女性のHIV罹患率が100人年当たり3.5以上である南アフリカおよびウガンダで実施された。 研究グループは、PrEPを用いておらず、HIV感染状況が不明で過去3ヵ月以内にHIV検査を受けていない16~25歳のシスジェンダー女性をスクリーニングし、中央検査にてHIV陰性が確認された女性を、レナカパビル群(927mgを26週間ごとに2回皮下投与、プラセボ経口投与)、F/TAF群(エムトリシタビン200mgとテノホビル・アラフェナミド25mgを1日1回経口投与、プラセボ皮下投与)、F/TDF群(エムトリシタビン200mgとTDF 300mgを1日1回経口投与、プラセボ皮下投与)に、2対2対1の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、HIV感染の発生であった。有効性の主要解析は、スクリーニングでHIV陽性が確認された女性集団に基づくHIV感染発生率をバックグラウンドHIV感染発生率として、レナカパビル群およびF/TAF群のHIV感染発生率と比較した。また、有効性の副次解析として、レナカパビル群およびF/TAF群のHIV感染発生率をF/TDF群と比較した。 2021年8月30日~2023年8月31日に、8,402例がスクリーニングを受け、中央検査を実施した8,094例中504例(6.2%)がHIV感染と診断され、うち92例(18.3%)が最近の感染であった。8,094例におけるバックグラウンドHIV感染発生率は、100人年当たり2.41(95%信頼区間[CI]:1.82~3.19)であった。 8,094例のうちHIV陰性で適格基準を満たした5,368例が無作為化された。このうち試験薬が少なくとも1回投与され、無作為化日にHIV感染が判明した症例を除く5,338例が有効性の解析対象となった(レナカパビル群2,134例、F/TAF群2,136例、F/TDF群1,068例)。レナカパビル群でHIV感染の発生はゼロ、F/TDF群よりHIV予防効果が有意に高い 解析対象5,338例のうち、55例のHIV感染の発生が観察された。レナカパビル群は0例(発生率:0/100人年、95%CI:0.00~0.19)、F/TAF群は39例(2.02/100人年、1.44~2.76)、F/TDF群は16例(1.69/100人年、0.96~2.74)であった。 レナカパビル群のHIV感染発生率は、バックグラウンド(発生率比:0.00、95%CI:0.00~0.04、p<0.001)およびF/TDF群(0.00、0.00~0.10、p<0.001)と比較して100%減少した。 F/TAF群のHIV感染発生率は、バックグラウンドと有意差はなく(発生率比:0.84、95%CI:0.55~1.28、p=0.21)、F/TDF群との間でHIV感染発生率に意味のある差は確認されなかった(発生率比:1.20、95%CI:0.67~2.14)。F/TAFとF/TDFの服薬アドヒアランスは低かった。 安全性に関する懸念は認められなかった。注射部位反応はレナカパビル群(68.8%)でF/TAF群およびF/TDF群のプラセボ投与(併合で34.9%)より多く発現した。レナカパビル群では4例(0.2%)が注射部位反応により投与を中止した。

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院外心停止者の血管アクセス、骨髄路vs.静脈路/BMJ

 非外傷性院外心停止成人患者において、骨髄路確保は静脈路確保と比較して、生存退院、病院到着前自己心拍再開、持続的自己心拍再開、良好な神経学的アウトカムのいずれについても差はなかった。台湾・国立台湾大学病院のYing-Chih Ko氏らが、クラスター無作為化比較試験「Venous Injection Compared To intraOsseous injection during Resuscitation of patients with out-of-hospital cardiac arrest trial:VICTOR試験」の結果を報告した。蘇生に関するガイドラインでは、院外心停止時の薬物投与には静脈路を優先し、静脈路が確保できない場合は骨髄路を使用することが推奨されているが、これまでの後ろ向き研究には限界があった。著者は、今回の前向き試験の結果に基づき、「骨髄路確保は、静脈路確保の代替ではなく第1選択として考慮しうるもので、患者や救急医療システムのさまざまな特徴に基づいた血管アクセスの最適な意思決定プロセスを検討する必要がある」とまとめている。BMJ誌2024年7月23日号掲載の報告。4つの高度救命救急チームを隔週で骨髄路群または静脈路群に無作為化 VICTOR試験は、2020年7月6日~2023年6月30日に、台北市消防局に所属する4つの高度救命救急チームが参加し、台北市内のすべての救急責任病院で実施された(2021年5月20日~2021年7月31日はCOVID-19流行のため一時中断)。 研究グループは、非外傷性院外心停止成人患者(20~80歳)を対象とし、4つの高度救命救急チームをそれぞれ2週ごとに骨髄路群または静脈路群に割り付け(クラスター比率は1対2)、骨髄路群の患者には機械的骨髄内穿刺、静脈路群の患者には上肢の静脈内穿刺が行われた。両群とも血管アクセスが確保された後、アドレナリン(エピネフリン)1mg、続いて生理食塩水10mLを急速注入した。 主要アウトカムは生存退院、副次アウトカムは病院到着前自己心拍再開、持続的自己心拍再開(2時間以上)、退院時の良好な神経学的アウトカム(脳機能カテゴリースコア≦2の生存)などであった。骨髄路群と静脈路群で、生存退院、病院到着前自己心拍再開などに有意差なし 適格基準を満たした1,771例が登録され、主要アウトカムのデータが得られた1,732例(骨髄路群741例、静脈路群991例)が解析対象となった。患者は、年齢中央値65.0歳、男性1,234例(71.2%)であった。 生存退院は、骨髄路群では79例(10.7%)であったのに対し、静脈路群では102例(10.3%)であった(オッズ比[OR]:1.04、95%信頼区間[CI]:0.76~1.42、p=0.81)。 副次アウトカムについても、病院到着前自己心拍再開(OR:1.23、95%CI:0.89~1.69、p=0.21)、持続的自己心拍再開(0.92、0.75~1.13、p=0.44)、良好な神経学的アウトカム(1.17、0.82~1.66、p=0.39)のいずれも、両群間に有意差は認められなかった。

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