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言葉の由来がん(癌)は英語で“carcinoma”といいます。日本語ではしばしば「カルチノーマ」と呼ばれますが、英語では「カルスィノーマ」のような発音になります。“carcinoma”は上皮組織系由来のがん(癌)を指します。肉腫や造血器腫瘍など、上皮組織系由来ではないものを含んだ広い意味での「がん」を指す英語は“cancer”です。“carcinoma”の語源はギリシャ語で「カニ」を意味する“karkinos”と、腫瘍を意味する接尾辞である“-oma”から成り立っています。古代ギリシャの医師ヒポクラテスが、がんから指のように広がる腫瘍がカニの姿に見えることから、“karkinos”という言葉を使用したとされています。なお、肉腫を表す“sarcoma”の語源も同じくギリシャ語で、肉を意味する“sarks”と接尾辞の“-oma”を組み合わせてできた単語です。がんの歴史は古く、紀元前1,500年ごろのエジプトのパピルスに、乳がんの記述が見つかっており、これが現状では最古のがんの記録です。近代になるまで「がんの正体」は明らかになっていませんでしたが、解剖学や顕微鏡の発達によって、がんは細胞の異常増殖によって発生することが明らかになり、外科手術療法の確立などにつながりました。併せて覚えよう! 周辺単語腺がんadenocarcinoma扁平上皮がんsquamous cell carcinoma転移metastasis腫瘍学oncology生検biopsyこの病気、英語で説明できますか?Carcinoma is a type of cancer that begins in the epithelial cells, which are the layers of cells that cover the surfaces of the body, line internal organs and cavities, and form glands. Carcinomas can occur in many parts of the body, including the skin, lungs, breasts, pancreas, and other organs.講師紹介