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〔CLEAR! ジャーナル四天王(81)〕 パーキンソン病にはより積極的な運動療法介入を

パーキンソン病は運動障害のほかにも、うつや無為、不眠、便秘などの非運動症状など、多様な症状を示す神経変性疾患で、薬物治療によっても進行を食い止めることができないのが現状である。  最近、運動療法が身体機能、筋力、平衡機能、歩行のスピードなどを改善することが指摘されている。著者らはParkFit programを開発し、32の施設より586人の活発な運動がみられないHoehn-Yahr 分類3以下の患者を対象に、2年間の追跡研究を行った。ParkFit programとは、月ごとにコーチがより活発なライフスタイルを個別指導し外来でフィードバックを行うものである。586人のパーキンソン病患者を、ParkFit群と一般的な機能訓練を行う群に二分して追跡した。  1次エンドポイントは、LASA physical activity questionnaire (LAPAQ) である。LAPAQは、患者が屋外での歩行、サイクリング、ガーデニング、家事、スポーツなどの活動を、1週間に何時間行ったかを記録させ追跡期間中の平均をみるもので、高いスコアほど身体活動をよく行ったことになる。  2次エンドポイントは、6分間の歩行テストによる身体の健康状態、QOLに関する質問による回答、患者による記録と加速度計による身体活動の評価である。 結果は、1次エンドポイントについては、ParkFit群と一般的な機能訓練との間で差はなかった。しかし、2次エンドポイントについては、ParkFit群で身体の身体活動性と健康状態が有意に改善した。ただし、QOLに関しては差がなかった。  LAPAQは広汎な日常活動を評価できるスケールで、著者らは以前、パーキンソン病は健常者に比べLAPAQスコアが29%低下していることを示した。今回の結果が示すところは、パーキンソン病の活動性を改善させるには、ParkFit program以上に強力な介入が必要であるということである。しかし、ParkFitで身体活動性と健康状態が有意に改善した点は評価できる。

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Dr.香坂の循環器診療 最前線

第4回「急性期の不整脈治療」第5回「動脈硬化の予防~血圧とコレステロール、数値の先にあるもの~」第6回「心内膜炎を身近に考える」 循環器領域の診断・治療法について、最新の研究結果をカバーしながら疾患概念の本質(コア)を押さえる本 シリーズ。第2巻では、急性期の不整脈治療や抗不整脈薬の考え方、心内膜炎の診断基準など、最新の知見を紹介。また動脈硬化を来たす疾患として高血圧や糖尿病について、循環器内科の立場から見たポイントをそれぞれ押さえていきます。豊富なエビデンスとリサーチをもとに、臨床の現場ですぐに役立つ情報を、実際の処方例や検査のアプローチの仕方を見直しながら、分かりやすく解説します。第4回「急性期の不整脈治療」不整脈は、患者さんにとっても 医師にとっても悩ましい疾患です。しかし、心電図上で派手な動きがあったとしても“ほとんど” の不整脈は恐れる必要はありません。そのボーダーはどこにあるのか?そして、どのように対処していけばいいのか?今回は、虚血性心疾患の急性期にターゲットを絞って展開します。第5回「動脈硬化の予防~血圧とコレステロール、数値の先にあるもの~」動脈硬化の因子でありパラメーターでもある血圧とコレステロールですが、 いずれも数値を追ってとにかく下げればよいというものではありません。循環器内科医の立場からすると、むしろ数値の「その先」を見据えた対応が必要です。何のために生活習慣病の対策を練り、どのような治療を行うことがベストなのでしょうか?派手に目を引くことはないものの、予防を越える治療はありません。これを機会に、もう一度原点に立ち返って考えてみませんか?第6回「心内膜炎を身近に考える」心内膜炎は総合力です。循環器や感染症の「知識」もさることながら、内科そのものに対する基本的な「バランス」が問われる疾患なのです。そのため臨床のカンファレンスなどでも多く扱われるわけですが、このセッションでは、循環器内科の立場からみた全体像を掴んでみましょう。疣贅を見落とさないコツは?Duke基準をどう使う?心内膜炎の予防に歯科手技はどのくらい影響するの?手術をするタイミングは?といったポイントなど、最新の知見をご紹介します。

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冠動脈石灰化スコア、2型糖尿病患者のリスク評価に有用/BMJ

 冠動脈石灰化(CAC)スコア≧10の2型糖尿病患者は、<10の患者に比べ全死因死亡および心血管イベントの複合転帰の発生リスクが有意に高いことが、カナダ・マウントサイナイ病院(トロント市)のCaroline K Kramer氏らの検討で示された。一般人口を対象とした大規模な前向き試験により、CACスコアは心血管イベントの発生を予測し、リスクの再評価に有用なことが示されているが、これらの試験の多くは糖尿病患者を除外しているため、2型糖尿病患者におけるCACスコアの役割は不明であった。糖尿病患者の心血管リスクは広範にわたることから、CACスコアの転帰予測能の評価が求められていた。BMJ誌オンライン版2013年3月25日号掲載の報告。2型糖尿病におけるCACスコアの予測能をメタ解析で評価 研究グループは、2型糖尿病におけるCACスコアと全死因死亡、心血管イベントの関連の評価を目的に、観察試験の系統的レビューとメタ解析を行った。 データベースおよび米国糖尿病学会(ADA)、欧州糖尿病学会(EASD)、米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)の年次学術集会(2011年度、2012年度)の抄録を検索し、2型糖尿病患者のベースラインのCACスコアと全死因死亡、心血管イベント(致死的、非致死的)の評価を行った前向き試験を選出した。 2名の研究者が別個にデータの抽出を行い、ランダム効果モデルを用いてCACスコアの予測能を評価した。CACスコア≧10の患者でリスクが5倍以上に 2004~2012年に発表された8つの試験〔6,521例、802イベント(12.3%)、平均観察期間5.18年〕が解析の対象となった。ベースラインの男性の割合は46~63.3%、喫煙者は9~19%、高血圧は63.2~100%で、CACスコアの評価は7試験が電子ビームCT(走査時間100ms)、1試験がヘリカルCT(時間分解能500ms)で行っていた。 CACスコア≧10の2型糖尿病患者における複合転帰(全死因死亡、心血管イベントおよびその双方)の発生リスクは、CACスコア<10の患者の5倍以上に達した〔相対リスク:5.47、95%信頼区間(CI):2.59~11.53、I2=82.4%、p<0.001〕。 この複合転帰に関するCACスコア≧10の感度は高く(94%、95%CI:89~96)、特異度は低かった(34%、同:24~44)。陽性尤度比は1.41(同:1.20~1.66)、陰性尤度比は0.18(同:0.10~0.30)だった。 複合転帰の検査前確率は12.3%で、CACスコア≧10の2型糖尿病患者の検査後確率が約17%であったのに対し、<10の患者の検査後確率は約1.8%と、検査前確率に比べ約7分の1に低下した。 著者は、「2型糖尿病患者では、CACスコア≧10の場合に高い感度と低い特異度で全死因死亡、心血管イベントの発生が予測される」と結論し、「臨床的には、2型糖尿病という高リスク集団の中で、CACスコア<10の患者を相対的に低リスクの集団として層別化するのに有用と考えられる」と指摘している。

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双極性障害の治療アドヒアランスを改善するには?

 ブラジル・サンパウロ連邦大学のEmilie Leclerc氏らは、双極性障害の治療アドヒアランスに関連する因子を明らかにする包括的レビューを行った。その結果、非アドヒアランスには複数因子が関与しており、アドヒアランスを高める戦略には、治療同盟の強化、柔軟なトピック、早期介入、集団療法の設定、サイコエデュケーションなどを含む必要があることを報告した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2013年3月9日号の掲載報告。 本研究は、双極性障害の治療アドヒアランスと関連する因子を評価すること、および介入の結果が十分なアドヒアランスに結びついているのかを評価することを目的とした。PubMed、Scielo、LILACS、PsycINFOにて、「双極性障害」「因子」「アドヒアランス」「非アドヒアランス」「コンプライアンス」「介入」をキーワードに文献検索を行った。また、選択した論文の参考文献も検索の対象とした。 主な結果は、以下のとおり。・不良なアドヒアランスには、複数の因子が関係していた。・たとえば、患者関連因子(例:若い、男性、教育レベルが低い、アルコール・薬物依存症)、障害関連因子(例:発症時年齢が若い、双極性障害の重症度、病識、自覚症状の不足)、治療関連因子(例:薬の副作用、効果)などであった。・アドヒアランス改善に推奨されるのは主として、非アドヒアランスの根幹要因に焦点を合わせた個々にカスタマイズした介入、および治療同盟の強化、サイコエデュケーションをベースとしたさまざまな療法の提供であった。・なお本検討については、レビューに組み込んだ各文献におけるアドヒアランスの定義、測定が不均一で、得られた知見を普遍化するには限界がある。また、今後の研究において、双極性障害におけるアドヒアランスとその改善のための介入の因子を考慮した検討、とくにスティグマや家族といった社会的因子を考慮した検討が必要である。関連医療ニュース ・難治性双極性障害患者への併用療法は? ・双極性障害、再入院を減らすには専門外来での治療が必要 ・グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係

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アジスロマイシン、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の感染増悪を抑制/JAMA

 非嚢胞性線維症性(non-CF)の気管支拡張症の維持療法として、マクロライド系抗菌薬であるアジスロマイシン(商品名:ジスロマック)の12ヵ月間毎日投与法が有用なことが、オランダ・アルクマール医療センターのJosje Altenburg氏らが実施したBAT試験で示された。気管支拡張症では、小~中径の気管支にX線画像上特徴的な病的拡張と粘膜肥厚を認め、気管支壁の構造的異常により下気道クリアランスが低下して慢性的な細菌感染や炎症を来すという悪循環を呈する。マクロライド系抗菌薬は嚢胞性線維症やびまん性汎細気管支炎に対する効果が示されているが、non-CF気管支拡張症にも有効な可能性が示唆されている。JAMA誌2013年3月27日号掲載の報告。マクロライド系抗菌薬維持療法の有効性を無作為化試験で評価 BAT(Bronchiectasis and Long-term Azithromycin Treatment)試験は、成人のnon-CF気管支拡張症に対するマクロライド系抗菌薬による維持療法の有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験。 対象は、前年に下気道感染症に3回以上罹患し抗菌薬治療を受けた18歳以上のnon-CF気管支拡張症の外来患者とした。これらの患者が、アジスロマイシン250mg/日を投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、12ヵ月の治療が行われた。 1次エンドポイントは12ヵ月の治療期間中に感染増悪を来した患者数とし、2次エンドポイントは肺機能、喀痰培養、炎症マーカー、有害事象、QOLなどであった。治療期間中の感染増悪率:46 vs 80% 2008年4月~2010年9月までにオランダの14施設から83例が登録され、アジスロマイシン群に43例(平均年齢59.9歳、女性63%)、プラセボ群には40例(64.6歳、65%)が割り付けられた。 治療終了時に感染増悪を認めた患者数中央値はアジスロマイシン群が0例、プラセボ群は2例であった(p<0.001)。治療期間中に1回以上の感染増悪を来した患者数中央値はアジスロマイシン群が20例(46%)、プラセボ群は32例(80%)であった[ハザード比(HR):0.29、95%信頼区間(CI):0.16~0.51]。 混合モデル解析では、予測値に対する1秒量の経時的な変化に両群間で差を認め、アジスロマイシン群では3ヵ月ごとに1.03%ずつ上昇したのに対し、プラセボ群は0.10%ずつ低下した(p=0.047)。 消化管の有害事象の発生率はアジスロマイシン群が40%と、プラセボ群の5%に比べ高頻度であり、腹痛の相対リスクが7.44(95%CI:0.97~56.88)、下痢の相対リスクは8.36(95%CI:1.10~63.15)であったが、治療の中止を要する患者はいなかった。 薬剤感受性試験では、アジスロマイシン群(20例)のマクロライド系抗菌薬耐性率は88%(53/60例)と、プラセボ群(22例)の26%(29/112例)に比べ有意に高かった(p<0.001)。 治療終了時のQOLはアジスロマイシン群がプラセボ群に比べ有意に良好であった(p=0.046)。 著者は、「non-CF気管支拡張症の成人患者に対するアジスロマイシン12ヵ月投与はプラセボに比べ感染増悪率が良好であった」とまとめ、「感染増悪の抑制がQOLの改善をもたらした可能性があり、生存への良好な影響も期待されるが、薬剤耐性の影響を考慮する必要がある」と指摘している。

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整形外科医によるインプラントや器具の選択に影響するものは何か?

 整形外科領域のインプラントや器具の製造メーカーは、整形外科医がそれらを選択する際の意思決定に影響を与えるべく多くの資金をかけて資材を制作しているが、オンライン調査の結果、整形外科医はそのような資材より独立して査読された情報源を好むことがわかった。本調査を行ったドイツ・リューベック大学のArndt P. Schulz氏らは、マーケット活動に人員を割くより、論文審査の対象となる研究プロジェクトに資金を向けたほうがはるかに効果的ではないかとまとめている。BMC Musculoskeletal Disorders誌2013年3月14日の掲載報告。 Schulz氏らは、新しいインプラントまたは器具を導入する際に、整形外科医が選択の根拠とする情報源の主観的な有用性および利用について評価することを目的とした。 オンライン調査を行い、世界中の整形外科医1,174名(うち305名はその部門の責任者)から回答を得た。 アンケートは34項目からなり、質問形式は回答が一つのクローズ質問、または回答が複数あるセミオープン質問であった。回答期間は2週間で、1回のみ回答可とした。質問には回答者の背景として国、経験レベル、整形外科の専門分野が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・治療の決定に最も影響を与えたのは、独立した科学的証拠であった。・一方、最も影響が少なかったのは、ニュースレター、白書あるいはワークショップなどメーカー主導の活動であった。・回答が多かった3ヵ国(ドイツ、イギリス、アメリカ)を比較すると、いくつかの大きな違いが認められた。・科学論文や学会は、すべての国の整形外科医が非常に重要視していた。なかでもアメリカでは、英国やドイツに比べ有意に重視する傾向が示された。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(80)〕 カフェインドリンクの飲用は交通事故を減らす

長距離ドライバーの居眠りによる交通事故が大惨事を引き起こしたことはわが国でも記憶に新しい。オーストラリアという広大な国では、長距離ドライバーの居眠り事故対策は大きな課題であろう。 本研究は、オーストラリアで200km以上運行する12トン以上の商業用トラック(バスは除く)を運転するドライバーへの聞き取り調査から、カフェイン飲料の摂取と交通事故との関連について調査したものである。 過去の事故歴の有無によって2群に分けた聞き取り調査からのケースコントロール試験である点は、コホート前向き試験と比べるとエビデンスレベルとしては低くなってしまうが、交通事故歴のない長距離自動車のドライバーは事故歴のあるドライバーよりも、カフェイン飲料飲用者が有意に多いという調査結果である。事故歴のない例では肥満が多い、アルコール愛飲者が多いなどの意外な結果も含まれており、睡眠時無呼吸症候群の観点からの分析も必要に思える。 また、カフェイン飲料の摂取量や摂取回数からの分析ができていないことは大きな限界であるが、参考にはなる一つの調査結果ではある。

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18~50歳成人の脳卒中後20年累積死亡率、一般成人の予測死亡率の2.6~3.9倍/JAMA

 18~50歳成人の脳卒中後20年間の累積死亡率は、一般成人の予測死亡率よりもかなり高いことが明らかになった。オランダ・ナイメーヘン・ラットバウト大学医療センターのLoes C. A. Rutten-Jacobs氏らが報告した。これまで同年代成人の初発脳卒中後の死亡率についての報告は不十分で、一般的には脳梗塞に限られたものであったという。脳卒中は主に高齢者で発生するが、約10%は50歳未満の若・中年者で発生している。JAMA誌2013年3月20日号掲載の報告より。脳卒中後の連続生存患者959例の20年累積死亡率と、適合一般集団の予測死亡率を比較 研究グループは、18~50歳成人の急性脳卒中後の長期の死亡率および死因を調べ、年齢・性でマッチさせた全国死亡率と比較することを目的とした。 1980年1月1日~2010年11月1日のFollow -Up of Transient Ischemic Attack and Stroke Patients and Unelucidated Risk Factor Evaluation(FUTURE)研究[一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞、脳出血後の予後の前向き研究]の参加者で、ナイメーヘン・ラットバウト大学医療センターに入院した18~50歳成人を対象とし、連続生存患者959例(TIA群262例、脳梗塞群606例、脳出血群91例)について、2012年11月1日に評価した。同患者群で観察された死亡率を、年齢・性・暦年特性で適合させた一般集団から算出した予測死亡率と比較した。 主要評価項目は、脳卒中後30日生存者における20年間の累積死亡率であった。TIA群2.6倍、脳梗塞群、脳出血群はいずれも3.9倍 平均追跡期間は11.1(SD 8.7)年(中央値8.3、範囲:4.0~17.4)であり、同期間中の患者群の死亡は192例だった。 脳卒中後30日生存者における20年累積死亡リスクは、TIA群24.9%[95%信頼区間(CI):16.0~33.7]、脳梗塞群26.8%(同:21.9~31.8)、脳出血群13.7%(同:3.6~23.9)であった。 観察された死亡率は、いずれも予測死亡率と比べて有意に高かった(p<0.001)。両死亡率を比較した標準化死亡比(SMR)は、TIA群では2.6倍、脳梗塞群、脳出血群はいずれも3.9倍であった。 脳梗塞群では、男性が女性よりも有意に死亡率が高かった[33.7%(95%CI:26.1~41.3)対19.8%(同:13.8~25.9)、p=0.03]。SMRについては、女性は4.3倍、男性は3.6倍だった。 また脳梗塞群において、病型サブタイプ別にみた場合も観察された死亡率はすべて、予測死亡率を有意に上回っていた(病型別のSMRは2.2倍から9.2倍にわたった)。 著者は、「18~50歳成人における急性脳卒中後の20年累積死亡率は、予測死亡率よりもかなり高かった。本知見は、これらの患者における2次予防戦略評価のさらなる検討を支持するものとなるだろう」と結論している。

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肥満の重度精神障害者の減量に行動的介入が有効/NEJM

 過体重または肥満の重度精神障害者の減量法として、行動的減量介入が有効なことが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のGail L Daumit氏らが実施したACHIEVE試験で示された。欧米では、統合失調症、双極性障害、大うつ病などの重度精神障害者は一般人口に比べ死亡率が2~3倍以上高く、主な死因は心血管疾患だという。肥満の割合も一般人口の約2倍に達しており、ライフスタイル介入が必要とされる。一方、重度精神障害者は記憶や実行機能の障害および精神症状により新たな行動の学習や実践が困難なことが多いため、一般人口を対象とするライフスタイル介入試験からは通常除外され、これまでに行われた数少ない重度精神障害者限定の試験は、試験期間が短い、症例数が少ないなどの限界を抱える。NEJM誌オンライン版2013年3月21日号掲載の報告。行動的減量介入の有用性を無作為化試験で評価 ACHIEVE(Achieving Healthy Lifestyles in Psychiatric Rehabilitation)試験は、重度精神障害患者における行動的減量介入の有用性を評価する無作為化試験。 米国メリーランド州の10地域の精神科リハビリテーション通院プログラムに参加する18歳以上の過体重および肥満者を対象とした。これらの患者が、介入群または対照群に無作為に割り付けられた。 介入群には、各患者に合わせた体重管理指導がグループおよび個別に行われ、グループでの運動指導が実施された。対照群には、ベースライン時に標準的な栄養管理と身体活動に関する情報が提供され、3ヵ月ごとに体重とは無関係の健康教室への参加機会が与えられた。主要評価項目は6ヵ月後と18ヵ月後の体重の変化とし、6ヵ月、12ヵ月、18ヵ月後に体重測定が行われた。対照群に比べ介入群で3.2kg有意に減量 2009年1月~2011年2月までに291例が登録された。統合失調症または統合失調感情障害が58.1%、双極性障害が22.0%、大うつ病が12.0%であり、服用中の向精神薬数の平均値は3.1剤であった。 介入群に144例[平均年齢46.6歳、男性48.6%、平均体重101.3kg、平均体格指数(BMI)36.0kg/m2]、対照群には147例(44.1歳、51.0%、104.0kg、36.5kg/m2)が割り付けられた。18ヵ月後の時点で279例(介入群137例、対照群142例)から体重の測定データが得られた。 介入群では18ヵ月にわたり徐々に体重減少が進み、3回の測定時のいずれにおいても、体重がベースライン以下であった患者の割合が対照群よりも有意に高かった(6ヵ月:62.6 vs 51.1%、p=0.05、12ヵ月:73.0 vs 53.4%、p=0.001、18ヵ月:63.9 vs 49.2%、p=0.02)。 ベースラインからの減量の平均値は各測定点において介入群で優れ、両群間の減量の差[(介入群)−(対照群)]にはいずれの測定点でも有意差を認めた[6ヵ月:−1.5kg、p=0.007、12ヵ月:−2.5kg、p=0.004、18ヵ月:−3.2kg、p=0.002]。 18ヵ月後の5%以上の減量の達成率は介入群が37.8%と、対照群の22.7%に比べ有意に優れ(p=0.009)、10%以上の減量達成率も介入群(18.5%)が対照群(7.0%)よりも有意に良好だった(p=0.007)。 試験期間中に介入群の2例、対照群の3例が死亡し、心血管イベントがそれぞれ6件および8件認められたが、試験に関連するものはなかった。精神科への入院が介入群の14.8%、対照群の20.6%から報告されたが、有害事象の発現については両群間に差はみられなかった。 著者は、「過体重または肥満の重度精神障害者に対する18ヵ月間の行動的減量介入により、治療期間を通じて有意な減量効果が得られた」と結論づけ、「この知見は、重度精神障害者に肥満や体重関連疾患が多くみられる場合には、これら高リスク群を対象に行動的減量介入を行うことを支持するもの」と指摘している。

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疥癬治療、局所イベルメクチンがマラチオン0.5%ローションより優れる

 疥癬治療の有効性について、局所イベルメクチン*とマラチオン0.5%ローションを比較した結果、2週時点では同様の効果があることが示され、治療を繰り返して追跡した4週時点ではイベルメクチンのほうが優れていたことが示された。イタリア・ローマ大学のMohamad Goldust氏らが340例の疥癬患者を対象とした無作為化試験の結果、報告した。疥癬治療については種々の薬物療法があるが、治療選択については依然として議論の的となっている。Goldust氏らは本検討において、局所イベルメクチンとマラチオン0.5%ローションの有効性を比較することを目的とした。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2013年3月8日号の掲載報告。 研究グループは、疥癬患者340例を登録し、無作為に2群に割り付けた。第1群にはイベルメクチン1%局所塗布となる治療を、第2群にはマラチオン0.5%ローションの治療を行った。各被験者は、同治療を1週間隔で2回行うよう伝えられた。 治療の評価は、2週時点と4週時点で行われた。2週時点で治療が奏功しなかった場合は再度の治療が行われた。 主な結果は以下のとおり。・局所イベルメクチンの2回塗布(2週時点)の治癒率は、67.6%であった。再治療後の4週時点の治癒率は、85.2%まで上昇した。・マラチオン0.5%ローションの2回塗布(2週時点)は、44.1%の患者で有効であった。再治療後の4週時点は、67.6%であった。・2週時点において、局所イベルメクチンの2回塗布は、マラチオン0.5%ローション単回治療と同様の効果が認められた。・再治療後の4週時点では、局所イベルメクチン治療がマラチオン0.5%ローション治療より優れていた。*商品名:ストロメクトール。本邦では錠剤のみ承認販売

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(79)〕 非緊急PCI:心臓外科がなくてもアウトカムは劣らない(マサチューセッツ州の場合)

1977年Gruentzigが世界で初めて臨床応用して以来、経カテーテル冠動脈インターベンション(PCI)の進歩は留まるところを知らないように見える。しかしながら、いわゆる「質の保証(Quality assurance)」の観点から、本治療法の急速な普及と適応拡大には、懸念を示す論議も少なくない。PCIには一定の技術的修練が必要なこと、その合併症が直ちに生命を危うくしうること、そして緊急に外科的処置を行う必要がありうることが、術者や施設のあり方についての議論の根底にある。 本論文は「心臓外科部門の有無」と「非緊急PCIの予後」の関係について検証しようとする前向き無作為化非劣性試験である。主たる結果は「心臓外科部門のない施設における非緊急PCIの1年までの予後は、同部門を有する施設に対して劣らない」とするものである。こうしたメッセージはさらなるPCI施設の広がりに繋がるようにも見えるが、本邦への外挿については困難が多い。つまり、こうした「医療手順」の比較試験では、1) 極端な患者組み入れバイアスが生じやすいこと、2) 実施地域の「医療システム」から大きく影響を受けること、に注意すべきである。この要素の理解のためには、Supplementary Appendix(本論文の電子版では28ページにおよぶ)をも通読する必要があるかも知れない。 本試験の期間中、心臓外科部門のない施設で6,694例がスクリーニングされ、5,392例が組み入れ基準を満たしていたが、実際にランダム化されたのは3,691例である。組み入れ可能症例の31.5%にあたる1,701例がランダム化されなかったわけだが、彼らがどのように扱われ、どういった転帰であったか、本論文は語っていない。「行間に除外基準がある」ことは、本試験結果の解釈を曖昧にし、現場適用を難しくするだろう。 本論文は「施設」の差異とPCIのアウトカムの関係にフォーカスしているわけだが、「術者」の状況は本邦とかなり異なっている。この試験には経験に富んだ68人の「術者」が参加しているが、そのうち34人は外科のある施設のみでPCIを行ない、残りの34名は両方のタイプの施設でPCIすると記載されている。つまり外科のない施設のみでPCIをしている「術者」は1人もいないことになる。通常、「施設」と「術者」が一体である本邦では、本論文の結果を「外科のない施設でもPCIは大丈夫」などと単純に解釈出来ないことは自明であろう。 上述のごとく、いくつかの試験デザイン上の限界があり、またマサチューセッツ州以外のエリアへの外挿の困難さはあるにしても、こうした「医療手順」の適切性を検討するという、いわば「高い視点」の論文が出版される意義は大きい。本論文では施設間の治療成績のばらつきを指摘し、モニタリングやベンチマークの重要性にも言及している。残念ながら本邦では、医療の質を担保するための、医師個人や施設の資格について記載した診療ガイドラインは殆どない。

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脳梗塞再発予防のための卵円孔開存閉鎖術vs.薬物療法/NEJM

 これまで有効性が明らかとなっていなかった、原因不明の脳梗塞を起こした成人患者に対する再発予防目的の卵円孔開存閉鎖術について、薬物療法と比較した無作為化試験の結果が報告された。intention-to-treat解析では閉鎖術の有意なベネフィットは認められなかったが、事前に規定したper-protocolコホートなどでは有意差が認められたという。米国・コロラド・デンバー大学/コロラド大学病院のJohn D. Carroll氏らが、980例を対象とした前向き多施設共同無作為化オープンラベル試験の結果、報告した。NEJM誌2013年3月21日号掲載の報告より。25件の主要エンドポイントが確認された時点で解析 研究グループは、18~60歳の患者において、脳梗塞の再発および早期死亡の予防を目的とした卵円孔開存閉鎖術が、薬物療法単独よりも優れているか評価することを目的とした。 2003年8月23日~2011年12月28日の間に、米国・カナダの医療施設69ヵ所で被験者が登録され、1対1の割合で卵円孔開存閉鎖術群または薬物療法単独群に無作為に割り付けられた。 主要有効性エンドポイントは、非致死的脳梗塞の再発・致死的脳梗塞・早期死亡の複合であった。 主要解析は、25件の主要エンドポイントのイベントが確認された時点で行われた。主要intention-to-treatコホートでは、閉鎖術群の有意な有効性は認められず 試験には980例(平均年齢は45.9歳)が登録された。閉鎖術群に499例、薬物療法群に481例が割り付けられ、薬物療法群の被験者には、1種類以上の抗血小板薬服(74.8%)またはワルファリン(25.2%)が投与された。 追跡期間中央値は2.1年であった。本検討では薬物療法群の途中脱落率が高く、治療曝露は閉鎖術群1,375患者・年、薬物療法群1,184患者・年と2群間に格差があった(p=0.009)。 発生が確認された25件の主要エンドポイントは、すべて非致死的脳梗塞再発であった。intention-to-treatコホート解析において、脳梗塞再発例は、閉鎖術群9例、薬物療法群16例であったが有意差は認められなかった[閉鎖術群のハザード比(HR):0.49、95%信頼区間(CI):0.22~1.11、p=0.08)。 脳梗塞再発率の両群間の差は、事前に規定したper-protocolコホート(6例対14例、HR:0.37、95%CI:0.14~0.96、p=0.03)、as-treatedコホート(5例対16例、HR:0.27、95%CI:0.10~0.75、p=0.007)では有意であった。 一方で、重大有害事象の発生率は、閉鎖術群23.0%、薬物療法群21.6%であった(p=0.65)。閉鎖術群における手術関連あるいはデバイス関連の重大有害事業は21/499例(4.2%)の発生であり、心房細動やデバイス塞栓症の発生はなかった。 以上を踏まえて著者は、「主要intention-to-treatコホートにおいて、卵円孔開存閉鎖術の有意な有効性は認められなかった。しかしながら、2つの事前規定したper-protocolコホートとas-treatedコホートでは優越性が認められた。施術に関連したリスクも低率であった」とまとめている。

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むち打ち関連障害(外傷性頸部症候群)の治療、活動への恐怖心軽減が重要

 外傷性頸部症候群(whiplash-associated disorders:WAD)では、活動への恐怖と回避が障害を助長する一因となる可能性がある。米国・ワシントン大学のJames P. Robinson氏らは、WAD患者を対象に恐怖の役割について検討し、恐怖を軽減させることが治療効果に影響を及ぼすことを明らかにした。Pain誌2013年3月号(オンライン版2012年12月1日)の掲載報告。 Robinson氏らは、WAD後の恐怖の役割を検討するため、3つの治療法の有効性を評価した。 対象は約3ヵ月間症状を有するグレードI~IIのWAD患者191例で、次の3群のいずれかに無作為に割り付け、Neck Disability Index(NDI)等の質問票を用いて評価した。 IB群:WADおよび活動再開の重要性を解説している小冊子の提供 DD群:小冊子提供+医師による説明 ET群:小冊子提供+恐れている活動に対する想像および直接的な曝露療法 (DD群およびET群の患者は2時間の治療を3回受けた) 主な結果は以下のとおり。・NDIスコアの改善は予想どおりET群が最も大きかった(絶対値:ET群14.7、DD群11.9、IB群9.9)。・治療後の疼痛スコアは、ET群がIB群ならびにDD群と比較して有意に低かった(ET群vs IB群:1.5 vs 2.3、p<0.001/ET群vs DD群:1.5 vs 2.0、p=0.039)。・NDIスコアの改善における最も重要な予測因子は、恐怖心の軽減(β=0.30、p<0.001)で、次いで痛みの軽減(β=0.20、p=0.003)、うつ症状軽減(β=0.18、p=0.004)であった。・以上から、亜急性期の外傷性頸部症候群においては、曝露療法や教育的介入による恐怖への対処が重要であることが示唆された。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート

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抗TNF療法は帯状疱疹リスクを増大しない/JAMA

 先行研究において、関節リウマチ(RA)やその他の炎症性疾患に対する生物学的製剤は、結核などの感染リスクを増大することが知られる。一方、同療法の帯状疱疹リスクに与える影響については相反する試験結果が示され、これまで明らかではなかった。米国・オレゴン健康科学大学のKevin L. Winthrop氏らは、Safety Assessment of Biologic Therapyの一環として、抗TNF療法が帯状疱疹リスクを増大するのか、米国の4つの大規模データベースの集約コホートにて後ろ向き研究を行った。その結果、抗TNF療法群は非生物学的抗リウマチ薬(DMARDs)療法群と比べて帯状疱疹リスクが高くはなかったことを報告した。JAMA誌2013年3月6日号掲載の報告より。抗TNF療法群とDMARDs療法群の帯状疱疹発症率を比較 研究グループは、米国の4つの組織(Kaiser Permanente Northern California、Pharmaceutical Assistance Contract for the Elderly、テネシー州メディケイド、国のメディケイド/メディケア・プログラム)からのデータ(1998~2007年)を集約した大規模コホートを組み立て、炎症性疾患[RA、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎]を有した患者コホートにおける、抗TNF療法の新規導入患者の特定を行った。その上で、抗TNF療法群(総計3万3,324例)とDMARDs療法群(同2万5,742例)の帯状疱疹発症率を比較した。また一方で、ベースラインでのコルチコステロイド使用量の違い(非使用、0~<5、5~<10、≧10mg/日)による比較も行った。被験者の最終追跡調査日は2007年12月31日であった。補正後罹患率、抗TNF療法群とDMARDs療法群で同程度 結果、抗TNF療法群における帯状疱疹の発症は、3万3,324例のうち310例であった。同群粗罹患率は、RA患者では1,000患者・年当たり12.1[95%信頼区間(CI):10.7~13.6]、IBD患者で同11.3(同:7.7~16.7)、乾癬・乾癬性関節炎または強直性脊椎炎患者で同4.4(同:2.8~7.0)だった。 RA患者における解析で、補正後罹患率は抗TNF療法群とDMARDs療法群で同程度[補正ハザード比(HR):1.00、95%CI:0.77~1.29]であった。IBD患者(補正HR:0.79)、乾癬・乾癬性関節炎または強直性脊椎炎患者(同:0.63)についても同様で、全疾患対象の補正HRは1.09(95%CI:0.88~1.36)だった。 一方、ベースラインでのコルチコステロイド使用量でみた比較では、全疾患対象の解析において、コルチコステロイド使用≧10mg/日群が非使用群と比較して、リスクが有意に高かった(補正HR:2.13、95%CI:1.64~2.75)。

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統合失調症の発症に、大きく関与する遺伝子変異を特定

 ゲノムワイド関連解析(GWAS)により、統合失調症と強く関連する頻度の高い多型(common variants)が同定されているが、それらが個々の患者における統合失調症発症に及ぼす影響は小さい。現在、頻度は低いが発症への影響が大きい多型(rare variants)が注目されている。理化学研究所脳科学総合研究センター・分子精神科学研究チームの高田篤氏らは、統合失調症の発症に、より大きな影響をもって関与する遺伝子変異の同定を試みた。その結果、NMDA型グルタミン酸受容体のサブユニットをコードするGRIN3A遺伝子中のR480G変異が、統合失調症の発症により大きく関与することを報告した。Biological Psychiatry誌2013年3月号(オンライン版2012年12月11日号)の掲載報告。 1,000件のゲノムプロジェクトのデータから、1)頻度が低い(マイナーアレル頻度が5%未満)、2)アジア人に特異的である、3)障害が予測されるミスセンス変異、ノンセンス変異またはスプライスサイトの変異、4)統合失調症および双極性障害の候補遺伝子に位置する、という4つの条件を満たす47の候補一塩基多様性(SNVs)を抽出した。日本人ケースコントロールコホート(統合失調症患者2,012例、健常対照2,781例)において、これらと統合失調症との関連を検討した。さらに、漢民族ケースコントロールコホート(統合失調症患者333例、健常対照369例)および家系(トリオ家系9家系 、クアドロ家系284家系)の独立したサンプルのジェノタイピングデータを用いて、メタ解析を行った。 主な結果は、以下のとおり。・NMDA型グルタミン酸受容体のサブユニットをコードするGRIN3A遺伝子中に、疾患と関連するミスセンス変異を同定した[p.R480G、rs149729514、p=0.00042、オッズ比(OR):1.58]。これは、研究全体において統計学的に有意であった(閾値p=0.0012)。・メタ解析においても、GRIN3A遺伝子中の変異と統合失調症との関連を支持するデータが確認された(統合p=3.3×10-5、OR:1.61)。・FAAH、DNMT1、MYO18BおよびCFBの各遺伝子中にミスセンス変異が認められる場合、疾患発症リスクが1.41~2.35倍高まることが示され、有意な関連が認められた。・SNVsの中でもとくにGRIN3A R480G変異は、今後の再現性確認試験および機能評価におけるよい候補になると思われた。・本結果から、頻度の低いSNVsに着目した研究は、疾患発症への影響がより大きな多型を発見するうえで有望な方法であることが示唆された。関連医療ニュース ・グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係 ・統合失調症患者の体重増加、遺伝子との関連を検証! ・統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(78)〕 大規模臨床試験で試される新規抗血小板薬はわが国で必要か?

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行において、ステントを使用することが標準となった現在では、急性期および亜急性期の血栓性閉塞を予防するために、アスピリンとADP受容体阻害薬であるチエノピリジン系の抗血小板薬の2剤併用(Dual Antiplatelet Therapy:DAPT)の使用が標準とされ、後者の標準薬としてはクロピドグレルが使用されている。 しかし、クロピドグレルはプロドラッグで、肝臓で代謝されて初めて効果が発現するため早期の抗血小板抑制作用が弱いこと、さらに、CYP2C19の遺伝子多型による代謝が遅延する症例があることが欠点とされていた。 この点を補うべく、経静脈的に投与可能で、直接血小板のADP受容体を阻害する薬剤であるカングレロールが、早期のイベント予防に役立つであろうと期待され、CHAMPION PHOENIX試験が計画された。 カングレロールを使用することで、48時間以内の死亡、心筋梗塞、ステント血栓症が、通常のクロピドグレル使用群に比べ有意に減少したことが示された(クロピドグレル群5.9% vs. カングレロール群4.7%: 補正後オッズ比:0.78、95%信頼区間:0.66~0.93、p=0.0005)。また、出血を含めた安全性にも差はなかった。 この結果からカングレロールが優れているように思われるが、ほとんどのイベントがPCI施行後2時間に発生しており、その頻度もクロピドグレル群で5.9%と、わが国では考えられないほどの高率である。心筋梗塞が4.7%、ステント血栓症1.4%であり、心筋梗塞はCPKの3倍の上昇と定義されているために高率となっている可能性もあるが、ステント血栓症の1.4%はわが国では非現実的な値である。本邦で施行された安定型狭心症を対象としたJ-SAP研究はもとより、急性心筋梗塞が対象でも本邦での急性期イベント発症は1%未満である。 本試験が急性冠症候群を対象にしているのでなく、50%以上が待機症例であること、しかもカングレロールが非急性冠症候群で有効であることを考えれば、PCI後高率に血管イベントが発症している本試験のデータをそのままわが国に適応して、カングレロールがクロピドグレルに代わることはないであろう。ただ、可逆的であることは、緊急的なCABGに移行した場合に出血リスクを減少させることは利点であり、今後の検討が必要である。

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