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仕事の早期リタイアは認知症リスクを高める

 仕事を引退した年齢と認知症発症リスクは相関するのであろうか。フランス国立保健医学研究所(INSERM)のCarole Dufouil氏らは、フランスの元自営業者を対象に引退時の年齢と認知症リスクとの関連を検証した。European journal of epidemiology誌オンライン版2014年5月4日号の報告。 対象は、2010年12月31日現在で存命している、仕事を引退したフランスの元自営業者。認知症の定義は、アルツハイマー型認知症およびその他の認知症(ICDコードにおけるG30、F00、F01、F03)の診断、または抗認知症薬を処方された場合とした。分析には、潜在的な交絡因子を調整した後、Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・42万9,803人の対象者における、認知症の有病率は2.65%であった。・多変量解析の結果、認知症リスクは、引退時の年齢が上がるごとに減少していた(ハザード比 0.968[95%CI:0.962~0.973])。・引退後5年以内に認知症と診断された例を除外しても、結果は変わらず、非常に有意であった(p<0.0001)。・仕事を引退した年齢と認知症発症リスクには有意な関連性が認められた。・さらなる検証が必要ではあるものの、認知症を予防するためにも、現役および引退後の生活においても認知的および社会的な刺激が重要であると考えられる。関連医療ニュース 高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサイン 認知症発症リスクと心臓疾患との関係  担当者へのご意見箱はこちら

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特発性肺線維症患者へのアセチルシステインは本当に有用か/NEJM

 肺機能障害が軽度~中等度の特発性肺線維症患者について、努力性肺活量(FVC)の維持に関してアセチルシステイン(商品名:ムコフィリンほか)は、プラセボと比べて有意なベネフィットをもたらさなかったことが、Fernando J. Martinez氏らIdiopathic Pulmonary Fibrosis Clinical Research Networkによる無作為化試験の結果、明らかにされた。これまでアセチルシステインは特発性肺線維症の治療として有用であることが示唆されていたが、プラセボ対照の試験データが不足していた。NEJM誌2014年5月29日号(オンライン版2014年5月18日号)掲載の報告より。60週間のFVCの変化を主要アウトカムに、プラセボ群と比較 検討は二重盲検プラセボ対照試験にて、当初は肺機能障害が軽度~中等度の特発性肺線維症患者を、3剤併用治療(プレドニゾン+アザチオプリン+アセチルシステイン)群、アセチルシステイン単独治療群、プラセボ群の3群に無作為に割り付け60週間追跡するプランであった。しかし3剤併用群で安全性への懸念が生じたため試験を中断し、同群を除外して2群(アセチルシステインvs. プラセボ)で試験を続行した(その他の条件などは変更せず)。 主要アウトカムは、60週間のFVCの変化であった。FVCの変化、および死亡率、急性増悪についても有意差なし アセチルシステイン群には133例が、プラセボ群には131例が登録された。ベースライン時の両群の被験者特性は類似しており、平均年齢67歳、女性が22%、平均FVCは予測値の73%、一酸化炭素拡散能は予測値の45%などであった。 結果、60週時点でアセチルシステイン群とプラセボ群との間にFVCの変化について、有意な差はみられなかった(-0.18L vs.-0.19L 、p=0.77)。 また、死亡率(4.9%vs. 2.5%、log-rank検定p=0.30)、急性増悪(両群とも2.3%、p>0.99)についても有意差はみられなかった。

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H.pyloriの除菌治療、アジア人胃がん発生を低下/BMJ

 ヘリコバクター・ピロリ(以下、H.pylori)の除菌治療が、健康な無症候性感染者の胃がん発生を予防するのかについて検討した、英国・セントジェームズ大学病院のAlexander C Ford氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、アジア人については減少するという限定的で中程度のエビデンスが示されたことを報告した。理論上では、除菌治療により胃がんの発生率は低下するが、報告されているエビデンスは相反するものだった。BMJ誌オンライン版2014年5月20日号掲載の報告より。6試験をメタ解析 文献検索は、Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを介して2013年12月時点で行われ、また2001~2013年までの学会誌(手動検索にて)、さらに参考文献についても検索した。論文選定では言語は制限せず、H.pyloriが検査で陽性であった以外は健康な無症候性感染者の成人を対象とし、除菌治療を7日以上行いその後の胃がん発生について効果を調べた無作為化試験で、対照群にプラセボまたは未治療を設定しており、追跡期間が2年以上であった試験を適格とした。 主要アウトカムは、アプリオリに定義した、除菌治療のその後の胃がん発生への効果で、胃がん発生の相対的リスクを95%信頼区間(CI)とともに算出して評価した。 検索の結果1,560件の引用が特定された。そのうち適格条件を満たしたのは6件の無作為化対照試験だった。6本のうち4本は中国で、1本は日本で行われたもので、それ以外の地域で行われた試験は国民の胃がんリスクが高いコロンビアのもの1本だった。試験の追跡期間は、最長が14.7年、最短でも4年以上だった。胃がん発生相対リスクは0.66に、NNTは中国人男性で最も少なく15例 6試験の最終追跡時点データをプール解析した結果、胃がん発生例は、除菌治療を受けた健康な無症候性感染患者3,294例では51例(1.6%)であり、対照群3,203例では76例(2.4%)で、相対リスクは0.66(95%CI:0.46~0.95)だった。試験間の不均一性はみられなかった(I2=0%、p=0.60)。 同結果に基づく胃がん1例を予防するために必要な治療数(NNT)は、全体では124例(95%CI:78~843例)だったが、被験者の国別生涯リスクで検討した場合のNNTは、中国人男性で最も少なく15.1例、一方で最も多かったのは米国人女性で245.1例であった。なお日本人は男性15.3例、女性23.0例だった。 そのほか除菌治療の影響について、食道がん発生(評価が行われていたのは1試験のみ)が治療群0.2%(2/817例)、プラセボ群0.1%(1/813例)(p=0.57)であったこと、また、胃がんによる死亡に関しては3試験の評価で、治療群1.1%(24/2,242例)、プラセボ群1.6%(36/2,233例)であったこと、全死因死亡への影響については4試験の評価(各試験の追跡期間は6~14.7年)で、治療群7.3%(192/2,639例)、プラセボ・未治療群6.7%(175/2,614例)の発生であったことが報告されている。 有害事象についての報告は1試験のみ単独論文で報告をしていた。発疹を除外すれば、治療群3.1%、プラセボ群0.1%であり統計的な有意差は認められなかったという。

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アセチルシステインは特発性肺線維症に“効く”のか?(コメンテーター:倉原 優 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(209)より-

特発性肺線維症に対する治療薬としてピルフェニドンが登場するまで、ステロイド、免疫抑制剤、アセチルシステイン(N-アセチルシステイン:NAC)は世界的に広く用いられていた(現在も汎用されているが)。ただ、これらの薬剤もその効果は限定的であり、現時点で特発性肺線維症に対する使用を強く推奨しているガイドラインは存在しない。ただ、それでもなお「これらの薬剤が少なくとも悪影響は与えることはないだろう」という思いが臨床医の胸の内にあった。ステロイドや免疫抑制剤による日和見感染などの合併症があったとしても、炎症・線維化を抑制する効果はそれを上回るベネフィットがあると考える研究者も少なくなかった。 2011年の秋のことだった。PANTHER-IPF試験の中止が報道された。プレドニゾロン、アザチオプリン、アセチルシステインの3治療併用試験がプラセボと比較して死亡率が多かったため中止されたというのだ1)。アセチルシステイン単独は死亡率超過に寄与したわけではなかったため、PANTHER-IPF試験の後、アセチルシステインとプラセボの2治療群の比較は続けられた。その比較結果を報告したのが今回の論文である。 その結果、残念ながら60週時点におけるアセチルシステインの努力性肺活量、死亡率、急性増悪の頻度に対する効果はプラセボと同等であった。悪影響はなかったものの、プラセボと大きく差がないことが示された。 これらの結果に鑑みると、現時点でステロイド、免疫抑制剤、アセチルシステインの併用だけでなく各々の単独使用にも臨床的な利益がない可能性が高い。世界的に広く用いられているステロイドや免疫抑制剤の使用についてはまだ議論の余地があるだろうが、いずれにしても劇的な効果があるとは考えにくい。 ピルフェニドンやニンテダニブといった新しい薬剤が登場して治療選択肢は広がったが、現場の医師はまだ歯がゆさを感じていることだろう。特発性肺線維症の治療のさらなる発展を願いたい。

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洗濯バサミの効能【Dr. 中島の 新・徒然草】(020)

二十の段 洗濯バサミの効能先日、住んでいるマンションの管理組合総会に行ってきたときのこと。総会が終わり、靴を脱いで上がった集会所から帰るときに自分の靴がわからなくなってしまったのです。正確に言えば、「多分これだろうな」と思いながらも確信を持てないままに履いて帰った、というのが実際のところ。50人ほど集まったからとはいえ、なんとも情けない話です。私もそろそろ物忘れのお年頃なのかもしれません。そんな話を外来でしていたところ。80代の女性患者さんから面白い話を聞きました。患者「私はいつも洗濯バサミを持ち歩いているんですよ」中島「それで目印をつけるんですか?」患者「そうそう。大勢の人が靴を脱いであがるところなんか、帰りに自分のを探すのが大変でしょ?」中島「そうですね。私もついこないだ経験しました」患者「靴を脱いだときに洗濯バサミで挟んでおくと、すぐにみつけられるんです」中島「頭いい!」患者「それに、他の人が間違えて履いて帰ることもありませんし」中島「な~るほど」そういえば、大昔に勤めていた病院では、なぜかCT室に入るときに靴を脱ぐことになっていたのですが、常駐していた放射線科医の靴を高齢患者さんが間違えて履いて帰った事がありました。もちろん放射線科の先生は大弱り、周囲は大笑いしたものです。でも、今ではもう笑えなくなってしまいました。とはいえ、この洗濯バサミのような生活の知恵を患者さんとやり取りするのも、また面白いものです。物忘れは工夫で乗り切れ、といったところですね。

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チオトロピウム+オロダテロール配合剤がCOPD患者の呼吸機能を改善(ATS 2014)

※チオトロピウム+オロダテロール配合剤は開発中の新規化合物であり、その有効性と安全性は十分に確立されていません。ご留意ください。 ベーリンガーインゲルハイムは5月21日、チオトロピウム(LAMA)とオロダテロール(新規速効性LABA)配合剤の第3相試験(VIVACITO)の結果を発表した。  同試験結果より、1日1回投与のチオトロピウム+オロダテロール配合剤は、チオトロピウム単独投与、オロダテロール単独投与、またはプラセボ投与と比較して、24時間にわたりCOPD患者の呼吸機能(FEV1)を有意に改善することが明らかになった。また、同剤がチオトロピウムと同様の安全性プロファイルを有することが示された。 このインコンプリートクロスオーバーデザインの6週間にわたる試験は、中等症から重症のCOPD患者を対象に実施され、サンディエゴで開催された2014年度米国胸部学会(ATS)で発表された。 チオトロピウム+オロダテロール配合剤は、チオトロピウムとオロダテロールをレスピマットソフトミスト吸入器を用いて1日1回吸入するもの。

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Google検索は皮膚科診療に有用か

 複数の先行研究において、診断補助ツールとしてGoogle検索の有用性の評価がなされているが、相反する結果が示され論争の的となっている。サウジアラビアのキング・ファイサル大学のMontassar Amri氏らは、皮膚科疾患の診断における同検索の有用性を検討した結果、Google検索を活用したほうが適切な診断がつけられた割合が倍近かったことを報告した。結果を踏まえて著者は、「Google検索は興味深い(interesting)診断補助ツールのようである」と述べたうえで、「しかしながら、われわれは、診断は第一に臨床スキルと経験に基づく“art”であることを強調する」とまとめている。Informatics in Primary Care誌2014年5月号の掲載報告。 研究グループは、Google検索が皮膚科の適切な診断にどれぐらい有用かを調べるため、2名の5年生の医学生(A、B)と1名のデモンストレーター(C)に協力してもらい、検討を行った。 2005年3月~2009年11月にWebで発表されている医学雑誌の全皮膚科症例から、25例の診断がついた症例を選び、3名に診断をつけてもらった。 主要アウトカムは、3名の試験参加者が正しく診断をつけられた症例数で、Google検索ありの場合となしの場合で比較した。 主な結果は以下のとおり。・試験参加者Aが正しく診断をつけられた症例数は、Google検索なしでは9/25例(36%)、ありでは18/25例(72%)であった。・同様にBは、Google検索なしでは11/25例(44%)、ありでは19/25例(76%)であった。・Cは、Google検索なしでは12/25例(48%)、ありでは18/25例(72%)であった。・3名を合計すると、完全に正しく診断できたのは、Google検索なしでは32例(42.6%)、ありでは55例(73.3%)であった。・3名合計で分析した結果、正しく診断をつけられた総数について、Google検索ありとなしとでは統計的に有意な差が認められた(p=0.0002)。

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抗精神病薬注射剤を患者は望んでいるのか

 持効性注射剤(LAI)の抗精神病薬は統合失調症の治療アウトカムを改善するが、患者の注射への恐怖心や、アドヒアランスが得られないことから、しばしばその処方を見合わせるケースがある。複数の研究で、処方における文化や人種の差が示されている。米国・カリフォルニア大学のSteven G. Potkin氏らは、LAIの抗精神病薬に対する統合失調症患者の認識について、文化および人種差の観点から検討を行った。その結果、LAIに対して好意的な反応を示した患者は少なく、残りは「中立的/消極的」あるいは「不向き」との懸念を示した患者が同数を占めた。ヨーロッパ系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人それぞれ40例のデータを解析したが、サンプルサイズに限界があり文化や人種に特化した結論は得られなかった。Clinical Schizophrenia & Related Psychoses誌オンライン版2014年5月20日号の掲載報告。 本パイロット研究では、患者のLAIに対する認識について、患者の文化および人種差を検討した。文化/人種サブグループの代表として選択されたLAI処方患者120例(ヨーロッパ系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人各40例)の会話を、諸外国語に精通した者が解析し、LAIに対する概念および心構えの類似性と相違を検討した。 主な結果は以下のとおり。・LAI未治療でLAIsを提示された患者35例のうち、好意的な反応を示した患者は9%(3例)、中立的/消極的が46%(16例)、不向きとの懸念を示した患者は46%(16例)であった。・好意的または中立的/消極的な反応を示したヨーロッパ系アメリカ人は50%(7/14例)、アフリカ系アメリカ人は63%(10/16例)、ラテン系アメリカ人では40%(2/5例)であった。・35例中20例(57%)と大半がLAI処方を受け入れた。当初、中立的/消極的または拒否した患者は53%(17/32例)であった(ヨーロッパ系アメリカ人42%[5/12例]、アフリカ系アメリカ人53%[8/15例]、ラテン系アメリカ人80%[4/5例])。・治療のゴールを示した患者は57%(68/120例)であった。・陽性/陰性症状のコントロールをゴールとした者は、LAIに対する前向きな心構えと関連していた。一方、不安および不眠症のコントロールをゴールとした者は、LAIに対する心構えがネガティブな傾向にあった。・治療のゴールを示したラテン系アメリカ人は、不快感のコントロールに焦点をあてる傾向にあった(67%[12/18例])。ヨーロッパ系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人のゴールの分布はより均等であった。・なお、サンプルサイズに限界があるため、文化/人種に特化した結論には至っていない。関連医療ニュース どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与 統合失調症への抗精神病薬、第一世代vs. 第二世代の注射製剤の効果は 長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与  担当者へのご意見箱はこちら

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変形性股関節症への理学療法、害あって利なし/JAMA

 痛みを伴う変形性股関節症成人患者への理学療法は、痛みや機能性の改善には結びつかないことがオーストラリア・メルボルン大学のKim L. Bennell氏らが行った無作為化試験の結果、示された。また軽度ではあったが有害事象の頻度が高く、著者は、「同患者に対する理学療法プログラムの有益性について疑問を呈する結果となった」とまとめている。症候性変形性股関節症に対してガイドラインでは、薬物治療ではなく理学療法を用いる保存治療が推奨されている。しかし理学療法は、コストがかかることに加えて有効性のエビデンスがそれほど確立されておらず限定的だった。JAMA誌2014年5月21日号掲載の報告より。102例を無作為化し、12週の理学療法介入とシャム介入を行い追跡 変形性股関節症患者への痛みと身体機能に関する理学療法の有効性を評価する無作為化プラセボ対照試験(参加者、評価者ともに盲検化)は、股関節に痛み(100mm視覚アナログスケールで40mm超)を有し、またX線画像診断で股関節の変形が確認された102例の地域住民ボランティアが参加して行われた。 2010年5月~2013年2月に、49例が12週間の介入を受けその後24週間の追跡を受けた。53例は同様にシャム(プラセボ)介入を受けた。被験者は、12週間にわたって10の治療セッションに参加した。介入群には、教育、アドバイス、徒手的理学療法、自宅療法、該当者には歩行補助杖利用などが行われ、シャム群には非活動的な超音波療法とゲル薬の塗布が行われた。 治療後24週時点で、介入群は非管理下での自宅療法が続けられていた。一方シャム群は、週3回のゲル薬の自己塗布が行われていた。 主要アウトカムは、13週時点の平均疼痛度(0mmは痛みなし、100mmは最大級の痛みの可能性と定義し測定)、身体的機能(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index[WOMAC]で0[制限なし]~68[最大級の制限]と定義し測定)だった。副次アウトカムは、同36週時点の測定値、また13週および36週時点の身体的状態、全体的な変化、心理的状態、QOLについても評価した。痛み、身体的機能改善に有意差みられず、軽度だが有害事象報告は介入群が有意 13週時点の測定評価を完了したのは96例(94%)、36週時点については83例(81%)だった。 結果、両群間に痛みの改善について有意な差はみられなかった。介入群の視覚アナログスケールスコアの平均値(SD)は、ベースライン時58.8mm(13.3)、13週時点は40.1mm(24.6)だった。シャム群はそれぞれ58.0mm(11.6)、35.2mm(21.4)であり、平均差をみると、シャム群のほうが良好であった(6.9mm、95%信頼区間[CI]:-3.9~17.7)。 身体的機能のスコアも、両群間で有意な差はみられなかった。介入群のWOMACスコア(SD)は、ベースライン時32.3(9.2)、13週時点27.5(12.9)であり、シャム群はそれぞれ32.4(8.4)、26.4(11.3)であり、平均差はシャム群のほうが良好であった(1.4、95%CI:-3.8から6.5)。 副次アウトカムについても、バランスステップについて13週時点の改善が介入群で大きかったことを除き、両群間で差はみられなかった。 介入群46例のうち19例(41%)が、26件の軽度の有害事象を報告した。一方、シャム群は49例のうち7例(14%)が9件の同事象を報告した(p=0.003)。

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特発性肺線維症へのニンテダニブ、有効性、安全性を確認/NEJM

 特発性肺線維症患者においてニンテダニブ(BIBF 1120)は、努力性肺活量(FVC)の低下を有意に抑制することが、英国・サウサンプトン大学病院のLuca Richeldi氏らが行った2件の再現性無作為化二重盲検第III相試験(INPULSIS-1、INPULSIS-2)の結果、報告された。同低下の抑制は、疾患進行抑制と一致していることも示された。安全性に関しては、下痢と関連する頻度が高かったが、試験薬の投与中止となった割合は5%未満であったという。ニンテダニブは複数のチロシンキナーゼを標的とする細胞内阻害薬で、第II相試験では、特発性肺線維症患者に対し150mgを1日2回投与が肺機能低下と急性増悪を抑制することが示されていた。NEJM誌2014年5月29日号(オンライン版2014年5月18日号)の掲載報告。ニンテダニブ150mgの1日2回投与の有効性と安全性を対プラセボで調査 研究グループは、特発性肺線維症患者に対するニンテダニブ150mgの1日2回投与の有効性と安全性を調べるため、プラセボと比較する52週間の2試験(INPULSIS-1、INPULSIS-2)を行った。試験は24ヵ国205地点で被験者を募り行われた。 主要評価項目は、FVCの年間低下率だった。また主な副次評価項目として、急性増悪の初回発生までの期間、St George's 呼吸器質問票総スコアのベースライン時からの変化などの評価が行われた。FVCの年間低下率が有意に抑制、急性増悪初回発生までも1試験で有意に延長 2試験で計1,066例が3対の2の割合で無作為化を受け、ニンテダニブまたはプラセボを投与された。 補正後FVCの年間低下率は、INPULSIS-1ではニンテダニブ群(309例)は-114.7mL、プラセボ群(204例)は-239.9mLで、両群差は125.3mL/年(95%信頼区間[CI]:77.7~172.8、p<0.001)だった。またINPULSIS-2でも、ニンテダニブ群(329例)は-113.6mL、プラセボ群(219例)は-207.3mLで、両群差は93.7mL/年(同:44.8~142.7、p<0.001)とニンテダニブ群の有意な低下抑制が認められた。 主な副次評価項目のうち、急性増悪の初回発生までの期間について、INPULSIS-1ではニンテダニブ群とプラセボ群との間に有意差は認められなかったが(ニンテダニブ群のハザード比:1.15、95%CI:0.54~2.42、p=0.67)、INPULSIS-2ではニンテダニブ群のベネフィットが有意であることが示された(同:0.38、0.19~0.77、p=0.005)。 ニンテダニブ群で最も頻度が高かった有害事象は下痢であった。発生率は、INPULSIS-1では61.5%、INPULSIS-2では63.2%で、プラセボ群は各試験で18.6%、18.3%だった。

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ニンテダニブは福音となりうるか?(コメンテーター:倉原 優 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(208)より-

ご存じのとおり特発性肺線維症は予後不良の進行性疾患であり、年単位、早い患者であれば、月単位で肺の線維化が進行する。これに対してこれまで数々の治療が試みられてきたが、実臨床でその効果を実感できるほどの治療薬が21世紀に入ってもまだ登場していないのが現状である。 この論文は特発性肺線維症に対するニンテダニブの効果を示した報告であり、ピルフェニドン(商品名:ピレスパ)に次いで実臨床にインパクトを与える内容である。 ニンテダニブ(以前のBIBF1120)は血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)を標的とするトリプル・キナーゼ阻害剤で、プラセボと比較して努力性肺活量の年間低下率を抑制できた第II相試験であるTOMORROW試験1)が記憶に新しい。これは432例の患者をニンテダニブ50mg1日1回、50mg1日2回、100mg1日2回、150mg1日2回、プラセボにランダムに割り付けたものである。ニンテダニブ150mg1日2回投与群において、プラセボ投与群と比較してFVC低下を68.4%抑制することができた。 この結果をもって、今回のINPULSIS-1およびINPULSIS-2試験が実施された。今回の論文によれば、プライマリエンドポイントである努力性肺活量の年間低下率はニンテダニブ群で有意に抑制された(INPULSIS-1試験:-114.7 vs.-239.9mL/年、INPULSIS-2試験:-113.6 vs.-207.3mL/年)。  腫瘍学に明るい読者は、当該治療薬が呼吸機能の低下の抑制というエンドポイントのみを達成するだけで全生存期間を改善していないことに、パワー不足を感じられるかもしれない。 しかしながら、特発性肺線維症のような合併症が多い予後不良疾患に対して、慢性的に使用する薬剤が生存期間や死亡率といったアウトカムに有意な効果をもたらすことを証明することはきわめて難しく、そういった第III相試験の実施には多大なコストとサンプルサイズを要する2) 。 現在、実臨床において頻繁に使用されているステロイド、免疫抑制剤といった多くの薬剤は特発性肺線維症の臨床試験においてその効果を証 明することができていない。その中でこういった新しい機序の薬剤は患者にとって希望の光となるかもしれない。

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40)DPP-4阻害薬の副作用の上手な説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者この薬(DPP-4阻害薬)の副作用は何ですか? 医師他の糖尿病薬に比べると、低血糖、体重増加、むくみ、消化器症状などは少ないといわれています。 患者それでしたら、心配ないですね。 医師ただ、はっきりとはしていないんですが、この薬で膵炎になる人が増えることが、報告されています。 患者膵炎ですか? 医師そうですね。一般的に、膵炎になりやすい人は、お酒をよく飲む人です。 患者それは私ですね。 医師副作用が出ないように、お酒の量には注意してくださいね。 患者わかりました。(納得した顔)●ポイント薬の副作用を説明しながら、節酒指導も行います 1) Faillie JL, et al. Acta Diabetol. 2013 [Epub ahead of print] 2) Boland CL, et al. Ann Pharmacother. 2013; 47: 490-505.

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マグネシウム摂取と脳内NMDA受容体の関与が明らかに

 これまで、うつ病の一因としてマグネシウム(Mg2+)の1日摂取量の減少が示唆されており、前臨床試験において食事性マグネシウム摂取の制限(MgR)により、うつ病様行動を増強させることが実証されていた。オーストリア・ウィーン大学医学部のMaryam Ghafari氏らは、マウス実験の結果、MgRは脳内のGluN1を含むNMDA受容体複合体を変化させることを報告した。Brain Structure and Function誌オンライン版2014年5月8日号の掲載報告。 Mg2+はNMDA受容体の活性を抑制することが示されていたが、食事で摂取するMg2+が、脳内のNMDA受容体複合体に影響を及ぼすのかについては明らかになっていなかった。研究グループはマウスを用いて、食事性MgRが、脳内のNMDA受容体サブユニット構造体の変化を誘発し、NMDA受容体調節機能を変化するかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・MgRは、GluN1を含むNMDA複合体の扁桃体-視床下部タンパク質量の減少と関連していることが示され、うつ病様行動強化を誘発したことが明らかになった。・食事で摂取するMg2+の減少によるGluN1 mRNA値の変化はみられず、転写後の変化は認められなかった。・タンパク質同士の相互作用の可能性を明らかにするために、GluN1の免疫沈降法およびPLA(proximity ligation assays)を行った。予想されたGluN1サブユニットとGluN2A、GluN2Bの関連が明らかになり、また既知の下流シグナルタンパク質に加えて新たにGluA1、GluA2との相互作用も明らかになった。・MgRマウスへのパロキセチン長期投与は、強化されたうつ病様行動を正常化したが、GluN1を含むNMDA受容体量は変化せず、NMDA受容体の下流にターゲットがあることが示された。・現時点のデータから、食事性MgRは脳のGluN1ほかGluN2A、GluN2B、AMPA受容体GluA1、GluA2といくつかのプロテインキナーゼなどを含むNMDA受容体複合体量を変化させたことが示された。・これらのデータは、食事性Mg2+摂取の調節が、MgRにより誘発・強化されたうつ病様行動との関与を示す受容体複合体の機能とシグナルを変化しうることを示すものであった。関連医療ニュース 若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき 小児ADHD、食事パターンで予防可能か NMDA拮抗薬メマンチンによる再発低血糖症の拮抗ホルモン減弱のメカニズム  担当者へのご意見箱はこちら

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抗TSLP抗体薬、アレルゲン誘発性喘息に有望/NEJM

 新規開発中の喘息治療薬AMG157について、軽症アレルギー性喘息患者に対する、抗アレルゲン誘発性喘息反応が確認された。カナダ・マックマスター大学のGail M. Gauvreau氏らが実証検証試験として行った二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。AMG157は、アレルギー性炎症にかかわる重大なサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し、受容体との相互作用を妨げる抗ヒトTSLPモノクローナル免疫グロブリンG2λとして開発中である。今回の結果について著者は「アレルギー性喘息患者における、アレルゲン誘発性の気道反応および持続性気道炎症に、TSLPが重要な役割を果たしていることが確認された。抗TSLP抗体薬が臨床的価値を有するかは確認できなかったが、所見は、さらなる検討を行い、喘息コントロール不良の患者へのAMG157の作用機序と有益性調査の実施を支持するものである」とまとめている。NEJM誌2014年5月29日号(オンライン版2014年5月20日号)掲載の報告より。軽症アレルギー性喘息患者31例を対象に二重盲検プラセボ対照試験 本試験は、AMG157が軽症アレルギー性喘息患者の、アレルゲン誘発性喘息反応を減弱するとの仮説を確認することを目的に、患者31例を対象に行われた。被験者を無作為に、AMG157(700mg)を月1回、計3回静注投与を受ける群(16例)と、プラセボ投与群(15例)に割り付け、また、AMG157の1秒量(FEV1)の最大低下率の抑制効果を評価するために、42日目と84日目にアレルゲンを投与しアレルゲン誘発性喘息反応を評価した。また、呼気一酸化窒素(FeNO)濃度、血中および喀痰中好酸球数、気道過敏性についても測定した。 主要エンドポイントは、アレルゲン投与後3~7時間に測定した遅発型喘息反応だった。即時型および遅発型の喘息反応に関するほとんどの測定値が減少 結果、AMG157投与群では、アレルゲン誘発性の即時型および遅発型の喘息反応に関するほとんどの測定値が減少した。 アレルゲン投与試験の結果は、AMG157群のほうが42日目(p=0.09)、84日目(p=0.02)ともプラセボ群よりも有意にFEV1の最大低下率の抑制効果が大きかった。各時点のFEV1の最大低下率は、42日目はAMG157群のほうがプラセボ群よりも34.0%小さく、84日目は同45.9%小さかった。さらにAMG投与群では、アレルゲン投与前後における血中および喀痰中好酸球数、FeNO濃度が有意に低下した。 有害事象は、AMG157群は15件、プラセボ群では12件だったが、重大有害事象はなかった。

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喘息患者へのビタミンD3、治療失敗や増悪を改善しない/JAMA

 成人喘息患者に対するビタミンD3の投与は、ステップ1の吸入ステロイド薬治療の失敗や増悪を改善しなかったことが、米国・ワシントン大学のMario Castro氏らが行った無作為化試験VIDAの結果、示された。著者は「症候性の喘息患者に対するビタミンD3投与の治療戦略について、裏づけは得られなかった」とまとめている。喘息などの疾患において、ビタミンD不足と有害転帰との関連が示唆されている。しかし、経口ビタミンD3の摂取により、吸入ステロイド薬治療を受けているビタミンD不足の喘息患者のアウトカムが改善するかについては、明らかではなかった。JAMA誌2014年5月28日号掲載の報告より。全米9施設で、プラセボ対照試験 VIDA(Vitamin D Add-on Therapy Enhances Corticosteroid Responsiveness in Asthma)試験は、症候性喘息で、血清25ヒドロキシビタミンD値が30ng/mL未満であった成人患者を対象に、全米9施設[米国国立心肺血液研究所(NHLBI)喘息ネット関連の大学病院]で行われた無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照試験。2011年4月から被験者の登録を開始し、吸入ステロイド薬など現行治療に関するrun-in期間後、408例が無作為化を受け、フォローアップは2014年1月に完了した。 無作為化された被験者は、吸入ステロイド薬のシクレソニド(商品名:オルベスコ)(320mg/日)+経口ビタミンD3(10万IUを1回、その後4,000 IU/日を28週間投与、201例)またはプラセボ(207例)の投与を受けた。 試験開始から12週時点で喘息コントロールを達成した患者は、シクレソニドを160mg/日とし8週間、その後もコントロールが維持された場合は80mg/日8週間に漸減した。 主要アウトカムは、喘息治療失敗初発までの期間で、肺機能低下、β2刺激薬や全身性ステロイド薬の投与、救急受診や入院で判定した。また、副次アウトカムには、増悪ほか14のアウトカムが事前に規定されていた。初回治療失敗率のハザード比は0.9、増悪は0.7 結果、28週間のビタミンD3治療は、初回治療失敗率を改善しなかった。ビタミンD3群28%(95%信頼区間[CI]:21~34%)、プラセボ群29%(同:23~35%)で、補正後ハザード比(HR)は0.9(同:0.6~1.3、p=0.54)であった。 副次アウトカムは9つの指標について分析した。そのうち増悪について、有意差はみられなかった(13%vs. 19%、HR:0.7、95%CI:0.4~1.2、p=0.21)。 唯一統計的有意差がみられたのは、コントロール維持のためのシクレソニドの全体投与量についてであり、ビタミンD3群111.3mg/日(95%CI:102.2~120.4mg/日)、プラセボ群126.2mg/日(同:117.2~135.3mg/日)で、両群差は14.9mg/日(同:2.1~27.7mg/日)とわずかであった。

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