サイト内検索|page:1433

検索結果 合計:35665件 表示位置:28641 - 28660

28641.

「降圧薬服用患者が大幅に減る見通し、というより減らした」というほうが正確かもしれない:EBMは三位一体から四位一体へ(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(203)より-

今、世界の先進国は高齢化とともに医療費の膨張に頭を悩ませている。そのような中で、米国では2003年のJNC7から11年ぶりに2014年版ガイドラインが発表された。その中では、JNC7に比べて慢性腎臓病や糖尿病を合併高血圧、そして高齢者高血圧などの降圧目標基準が大幅に緩和された。 この10年の間には、このような疾患に対してより厳格な降圧が必要であるという大規模臨床試験の結果が相次いで発表されている。にもかかわらず、降圧目標値が緩和されたのはいかにも不自然である。当面の薬にかかる医療費を抑制しようとする国、あるいは企業の思惑があるのかもしれない。 本論文は、米国内ガイドラインにおける降圧目標緩和によって降圧薬服用者は60歳未満では20.3%から19.2%に減り、60歳以上では68.9%から61.2%への減少が見込めるといった試算をしている。降圧薬服用者が減少する見込みというよりも、減少させたと解釈するほうがよいかもしれない。 この降圧目標値の緩和でどのくらいの経済効果が出るかといった露骨な計算はさすがにしていないが、この変更が吉とでるか、凶とでるかは10年後にならなければわからない。一度、脳卒中や心筋梗塞になれば血栓溶解療法やステント治療、血管内視鏡、補助心臓といった高度医療で膨大な医療費がかかることまでは、この論文は見通してはいない。あるいは今回の基準値緩和は、脳卒中や心筋梗塞患者が増えることで、経済的に潤う米国の先端医療機器メーカーにとっては歓迎すべき試算なのかもしれない。むしろ、そちらからの圧力であることも否定できない。 Evidence-based Medicineは、臨床試験によるエビデンス、医師の裁量権、患者の臨床的背景の三位一体といわれているが、高齢化社会の到来で経済的効率が入りこむことで、四位一体の時代になったことをうかがわせる論文である。

28642.

38)「糖尿病にいい」という文句の健康食品にはまる人へのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者この間、友だちが糖尿病にいいっていうんで、健康食品を勧められて・・・医師どんなものですか?(すぐに否定せずに、興味を持って聞く)患者「ABC」という名前の健康食品です。医師あまり聞いたことがない名前ですね。患者そうなんですか。医師信じる者はどうなると思いますか?患者信じる者は救われる、ですか?医師いいえ、そうではありません。信じる者は(足を)すくわれるんです。患者ハハハ、確かにそうですね。●ポイントユーモアを用いて、健康食品に騙されないよう注意を促しましょう

28644.

1型糖尿病の約7割に皮膚疾患

 1型真性糖尿病患者の皮膚疾患に関するデータは十分ではない。インド・Postgraduate Institute of Medical Education and Research(PIMER)のSawatkar GU氏らは、同患者でみられる皮膚の症状の範囲を調べ、それらの症状と、罹病期間および長期血糖コントロールとの関連について検討した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年4月28日号の掲載報告。 検討は、2011年7月~2012年6月に、事前に同意を得た500例の1型糖尿病患者を対象に行われ、臨床症状や関連試験を行った。統計的検定は、SPSS 16を使用して行われた。 主な結果は以下のとおり。・さまざまな皮膚の症状がみられ、糖尿病の罹病期間との関連性がみられた。・被験者500例のうち、339例(67.8%)が1つ以上の皮膚の症状を有していた。・患者の平均年齢は、16.9±6.9歳(範囲:1~25歳)、糖尿病の平均罹病期間は4.43±4.4年であった。・インスリンと関連した有害反応としての皮膚の症状は、リポハイパートロフィー(41%)、炎症後色素沈着(3%)、リポアトロフィー(0.6%)、黒色表皮腫(0.4%)の頻度が最も高かった。・また、関節可動域の制限(16.8%)、皮膚の硬化(15.8%)、強皮症様の皮膚の変化(10%)などもみられた。・患者の罹病期間が長いほど(4.4年超)、リポハイパートロフィー(p=0.000)、関節可動域の制限(p=0.000)、強皮症様の皮膚の変化(p=0.000)、糖尿病性皮膚障害(p=0.000)、黒色表皮腫(p=0.005)、スキンタグ(p=0.002)が有意に多くみられる傾向があった。・リポハイパートロフィー、関節可動域の制限、強皮症様の皮膚の変化は、血糖値との有意な関連も示された。・本検討により、若いアジア人の1型糖尿病患者では、皮膚に変化がみられることが一般的であることが示された。・患者、保護者への情報提供、教育およびカウンセリングと、医師における認識が、これら皮膚疾患の予防および早期治療の基本となる。

28645.

統合失調症患者の睡眠状態を検証

 カナダ・Riviere-des-Prairies病院のFabian Guenole氏らは、睡眠期(dissociated stages of sleep:DSS)を定量化することで、統合失調症における睡眠の機能的不安定性を特徴づけること、およびそれら特徴と精神病理との相関性を調べる検討を行った。その結果、統合失調症とレム睡眠期にみられるニューロンコントロールメカニズムとに有意な相関が認められることを明らかにした。Schizophrenia Research誌2014年5月号(オンライン版2014年4月13日号)の掲載報告。  検討は、統合失調症の若年成人で投薬未治療の初発患者10例と、健常対照10例であった。睡眠紡錘波、急速眼球運動およびアトニーなどを測定した結果、基本的な4つのDSSが記録された。1)睡眠移行期であるEEG混合中間期(EMIS)2)急速眼球運動のみられないレム睡眠期(RSWR)3)アトニーのないレム睡眠期(RSWA)4)急速眼球運動がみられるノンレム睡眠期 EMISとRSWRスコアを合計した中間睡眠期(IS)スコアを算出し、レム睡眠期間のIS(IRSPIS)と、レム睡眠中にスコアしたIS(ISERS)の長さを測定した。患者は、記録時に簡易精神症状評価尺度(BPRS)で評価を受けた。総睡眠時間における各DSSの比率と、レム睡眠におけるIRSPISとISERSの割合を患者群と対照群で比較。また、DSSの変化とBPRSの総スコアとの関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・総DSSの割合は、患者群と対照群で変わらなかった。・DSSサブタイプ群において、アトニーのないレム睡眠期(RSWA)は患者群で比較群と比べて有意な増大が認められた。有意差は示されなかった。・睡眠全体およびレム睡眠期において、BPRSスコアとDSS、IS、RSWR、IRSPIS、ISERSの比率とには、有意な正の相関がみられた。・これらの結果は、統合失調症を有する若年成人の未治療初発患者では、レム睡眠の機能的不安定性を示すものであった。・それらは、レム睡眠行動障害を想起させるパターンを明らかにするものであった。・本検討により、統合失調症とレム睡眠期にみられるニューロンコントロールメカニズムには有意な相関があることが示された。関連医療ニュース 検証!統合失調症患者の睡眠状態とは 境界性パーソナリティ障害と睡眠障害は密接に関連 自殺と不眠は関連があるのか

28647.

ビタミンDと透析患者の抑うつ症状との関連

 うつ病は、末期腎不全(ESRD)患者において最も広く知られている心理的問題である。また、うつ病とビタミンD不足との関連が示唆されていた。中国・浙江大学のJisheng Zhang氏らは、透析患者における高感度C反応性蛋白(HsCRP)値、ビタミンD値とうつ病との関連を検討した。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年4月28日号の掲載報告。 本検討では、透析患者におけるHsCRP値、ビタミンD値とうつ病との関連を前向きに検討すること、またうつ病透析患者へのビタミンD3製剤カルシトリオール投与の効果を明らかにすることを目的とした。中国南部の2病院から透析患者を登録し、中国版ベックうつ病調査表(BDI)を用いてうつ病の評価を行った。被験者は全員、夏季におけるうつレベルの評価に関するBDI質問票に回答。研究グループは、カットオフ値を16点として、非うつ病群(グループ1)とうつ病群(グループ2)に分類したうえで、両群被験者に、0.5μg/日のカルシトリオールを1年間投与した。その後、再度BDIスコアを測定した。社会人口統計学的および臨床的データや血清ビタミン値のデータも集めて分析した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、18~60歳の透析患者484例(血液透析患者382例、腹膜透析患者102例)で、うち男性は247例(51.0%)であった。・抑うつ症状が認められたのは、213例(44.0%)であった。・ベースライン時のビタミンD値(D2とD3の合計)は、17.6±7.7nmol/Lであった。・抑うつ症状がみられた患者は対照群と比較して、血清HsCRP値が有意に高く、血清ビタミンD値は有意に低かった。・追跡調査1年後、0.5ug/日のカルシトリオールの投与は、平均血清HsCRP値の低下、血清ビタミンD値の改善にみられるように微小な炎症性の状態をわずかに改善したことは示されたが、抑うつ症状を有意に改善しなかった。・以上より著者は、「カルシトリオールは、透析患者の抑うつ症状を有意に改善しなかった。一方で、血清ビタミンD値が低い透析患者では抑うつ症状がより強かったことが明らかになった」と結論している。・そのうえで、「さらなる前向き無作為化試験を行い、ビタミンD値と抑うつ症状の程度との因果関係、あるいはビタミンD値と透析患者の特定のサブタイプとの関連を明らかにすることが必要である」とまとめている。関連医療ニュース うつ病治療にビタミンD投与は有用か うつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき アルツハイマー病にビタミンD不足が関連

28648.

未治療HCVへのABT-450+リトナビル+ダサブビル、第III相試験/NEJM

 未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型1型感染患者への治療として、リバビリンを用いないABT-450+リトナビル(ABT-450/r)+ダサブビルの12週治療が、高い持続性ウイルス学的著効(SVR)を達成したことが示された。オーストリア・ウィーン大学医学部のPeter Ferenci氏らが2件の第III相無作為化試験の結果、報告した。また、ウイルス学的失敗の割合は、リバビリンを用いるよりも用いなかったほうが、HCV遺伝型1a型感染患者では高かったが、1b型感染患者では示されなかったという。NEJM誌オンライン版2014年5月4日号掲載の報告より。遺伝子型1a型、1b型患者それぞれを対象に2つの第III相試験 先行研究により、リバビリンの有無にかかわらず、ABT-450/r+オムビタスビル+ダサブビルの非インターフェロン治療は、SVR達成など有効であることが第II相試験で示されている。 研究グループは、肝硬変のない未治療のHCV遺伝子1型感染患者を対象に、同レジメンの有効性と安全性を評価する2件の第III相試験「PEARL-III」「PEARL-IV」を行った。 PEARL-IIIは、遺伝子型1b型のHCV感染患者429例を対象とし、PEARL-IVでは同1a型患者305例を対象とし、それぞれABT-450/r+オムビタスビル(ABT-450 150mg、リトナビル100mg、オムビタスビル25mg)+ダサブビルと、リバビリンを投与または非投与(プラセボ)の群に無作為に割り付けて12週間の治療を行った。具体的には、1b型患者は、+リバビリン群210例、+プラセボ群209例、1a型患者はそれぞれ100例、205例に割り付けられた。 主要有効性エンドポイントは、治療終了後12週間のSVR(HCV RNA値25 IU/mL未満)の達成とした。SVR達成はいずれも高率、リバビリンを用いない1a型患者でSVRの失敗例が顕著 SVRの達成率は、いずれの遺伝子型患者群においても高率であった。1b型患者群では、+リバビリン群99.5%、+プラセボ群99.0%、1a型患者群では97.0%、90.2%であった。 また、1b型患者群では、治療後12週間のウイルス学的失敗は1例、2例についてはデータが入手できなかった。1a型患者では、リバビリンを用いないレジメンのほうが、ウイルス学的失敗が高率だった(7.8%vs. 2.0%)。 2試験ともに、ヘモグロビン値の減少が、リバビリンを受けている患者にいずれも顕著にみられた。2例の患者(0.3%)が有害事象のために試験薬を中断した。最も頻度が高かった有害事象は、疲労、頭痛、悪心であった。

28649.

8年間で小児糖尿病が20~30%増加:米国/JAMA

 2001~2009年の間で、米国の0~19歳の青少年における1型および2型糖尿病患者の有病率が上昇していたことが、米国・コロラド大学公衆衛生大学院のDana Dabelea氏らによる調査の結果、判明した。著者は、「さらなる検討を行い、上昇した原因について明らかにする必要がある」と述べている。JAMA誌2014年5月7日号掲載の報告より。全米4地域1集団の0~19歳を対象に、2001~2009年の有病率の変化を調査 米国では1型および2型糖尿病に関して人種を問わず“蔓延している”との懸念があるが、これまで有病率の傾向に関するデータは限定的なものしかなかった。 研究グループは、青少年の有病率の変化について、性別、年齢、人種/民族別に調べるため、4地域と1つのマネジド医療プランを対象に2001~2009年の症例患者について調べた。 主要評価項目は、1型と医師に診断された0~19歳の有病率(1,000人当たり)、同じく2型と医師に診断された10~19歳の有病率だった。1型糖尿病は21.1%増、2型糖尿病は30.5%増 結果、1型糖尿病患者は、2001年は調査対象(0~19歳)330万人のうち4,958例で、有病率(/1,000人)は1.48(95%信頼区間[CI]:1.44~1.52)だった。2009年には340万人のうち6,666例、有病率1.93(同:1.88~1.97)となっていた。2009年に最も有病率が高かったのは、人種別(白人、黒人、ヒスパニック、アジア系、ネイティブ)でみると白人の未成年者で有病率は2.55(同:2.48~2.62)だった。最も低かったのはネイティブ未成年者で0.35(同:0.26~0.47)だった。また年齢別(0~4、5~9、10~14、15~19歳)ではそれぞれ15~19歳群が最も高く3.22であり、0~4歳群が最も低く0.29だった。 しかし、人種別、年齢別また性別でみた有病率はいずれも、最も低かった群(0~4歳、ネイティブ)も含めて2001年と比べて2009年のほうが高くなっていた。完全補正後、8年間の1型糖尿病患者の増大は21.1%(95%CI:15.6~27.0%)だった。 2型糖尿病患者は、2001年は調査対象(10~19歳)170万人のうち588例、有病率は0.34(同:0.31~0.37)だった。2009年には180万人のうち819例で0.46(同:0.43~0.49)となっていた。2009年において、人種別で最も有病率が高かったのはネイティブ青少年で1.20(同:0.96~1.51)、次いで黒人1.06、ヒスパニック0.79、アジア系0.34と続き、白人青少年が0.17(同:0.15~0.20)と最も低かった。年齢別(10~14、15~19歳)では、15~19歳群が高かった(0.23 vs. 0.68)。 2型糖尿病については、性別、両年齢群でみた場合はいずれも、2001年と比べて2009年の有病率は有意に上昇していた。有意な変化がみられなかったのは、アジア系(0.01減少)およびネイティブ(有病率は最も高かったが0.01減少)だった。完全補正後、8年間の2型糖尿病患者の増大は30.5%(95%CI:17.3~45.1%)だった。

28650.

参考になるメタ解析~乳がん術後リンパ節転移への放射線療法(コメンテーター:藤原 康弘 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(202)より-

過去にも実績を有するグループにより、方法論的に丁寧に検討がなされたうえで実施されたメタアナリシスである。 今回の解析により、乳房切除、および少なくともLevel II以上の腋窩郭清を受け、リンパ節転移が陽性例の術後に胸壁、腋窩、鎖骨上、および内胸動静脈の領域に放射線治療を行うことで、放射線治療を受けない場合と比較して、有意に乳がんに関連した死亡を抑制した。また、放射線治療は、局所再発だけでなく、遠隔転移を含めた初回再発も抑制していた。 腋窩リンパ節転移状況について、転移個数が1~3個、および4個以上に分けて解析したところ、放射線治療は、両者ともに、局所再発、初回再発、および乳がん関連死亡を有意に抑制していた。 また、薬物療法(いわゆる全身治療)を受けた症例においても、放射線治療は、局所再発、初回再発、および乳がん関連死亡を有意に抑制していた。 解析対象となった試験が実施された時代(1964~86年)と現在において、1)放射線治療の技術が進歩し(照射野、および照射線量の管理など)、より安全性が高くなっていると考えられること、2)乳がん術後の全身治療が進歩し(今回の解析対象では、化学療法の大半はCMF、内分泌療法の大半はtamoxifen)、術後薬物療法により治療成績が向上していること、を念頭に置き、今回の解析結果を解釈し、実際の症例における術後放射線治療の適応を決めるべきと考える。 局所再発などの解析はデータの取り扱いに難しい所があり、どのような解析方法を取ったのかを確認したうえで結果を解釈するほうが望ましい。 本論文に関しては、解析にあたってどのような考え方に基づきデータを取り扱ったかがappendixに記されており、厳密に結果を解釈したい場合にそれを参照できるようになっている。appendix pp7-9に提示されている内容は、本論文の解釈だけでなく、同様のエンドポイントを用いた他の研究論文を読み解くうえでも参考になるものである。過去にEBCTCGのメタアナリシス論文を読んだことのある方であっても、あらためて目を通されることをお勧めする。

28651.

出血性ショックに対する輸血方法が不適切と判断されたケース

救急医療最終判決判例タイムズ 834号181-199頁概要大型トラックに右腰部を轢過された38歳女性。来院当初、意識は清明で血圧120/60mmHg、骨盤骨折の診断で入院となった。ところが、救急搬入されてから1時間15分後に血圧測定不能となり、大量の輸液・代用血漿を投与したが血圧を維持できず、腹腔内出血の診断で緊急手術となった。合計2,800mLの輸血を行うが効果はなく、受傷から9時間後に死亡した。詳細な経過患者情報とくに既往症のない38歳女性経過1982年9月2日13:50自転車に乗って交差点を直進中、左折しようとしていた大型トラックのバンパーと接触・転倒し、トラックの左前輪に右腰部を轢過された。14:00救急病院に到着。意識は清明で、轢かれた部分の痛みを訴えていた。血圧120/60mmHg、脈拍72/分。14:10X線室に移動し、腰部を中心としたX線撮影施行。X線室で測定した血圧は初診時と変化なし。14:25整形外科診察室前まで移動。14:35別患者のギプス巻きをしていた整形外科担当医が診察室の中でX線写真を読影。右仙腸関節・右恥骨上下枝(マルゲーヌ骨折)・左腸骨・左腸骨下枝・尾骨の骨折を確認し、直接本人を診察しないまま家族に以下の状況を説明した。骨盤が6箇所折れている膀胱か輸尿管がやられているかもしれない内臓損傷はX線では写らず検査が必要なので即時入院とする15:004階の入院病棟に到着。担当医の指示でハンモックベッドを用いた骨盤垂直牽引を行おうとしたが、ハンモックベッドの組立作業がうまくできなかった。15:15やむなく普通ベッドに寝かせバイタルサインをチェックしたところ、血圧測定不能。ただちに担当医師に連絡し、血管確保、輸液・代用血漿の急速注入を行うとともに、輸血用血液10単位を指示。15:20Hb 9.7g/dL、Ht 31%腹腔内出血による出血性ショックを疑い、外科医師の応援を要請、腹腔穿刺を行ったが出血はなく、後腹膜腔内の出血と診断した。15:35約20分間で輸液500mL、代用血漿2,000mL、昇圧剤の投与などを行ったがショック状態からの離脱できなかったので、開腹手術をすることにし、家族に説明した。15:45手術室入室。15:50輸血10単位が到着(輸血要請から35分後:この病院には輸血を常備しておらず、必要に応じて近くの輸血センターから取り寄せていた)、ただちに輸血の交差試験を行った。16:15輸血開始。16:20~18:30手術開始。単純X線写真では診断できなかった右仙腸関節一帯の粉砕骨折、下大静脈から左総腸骨静脈の分岐部に20mmの亀裂が確認された。腹腔内の大量の血腫を除去すると、腸管膜が一部裂けていたが新たな出血はなく、静脈亀裂部を縫合・結紮して手術を終了した。総出血量は3,210mL。手術中の輸血量1,800mL、輸液200mL、代用血漿1,500mLを併用するとともに、昇圧剤も使用したが、血圧上昇は得られなかった。19:00病室に戻るが、すでに瞳孔散大状態。さらに1,000mLの輸血が追加された。23:04各種治療の効果なく死亡確認。当事者の主張患者側(原告)の主張1.救急車で来院した患者をまったく診察せず1時間も放置し、診断が遅れた2.輸血の手配とその開始時間が遅れ、しかも輸血速度が遅すぎたために致命的となった3.手術中の止血措置がまずかった病院側(被告)の主張1.救急車で来院後、バイタルサインのチェック、X線撮影などをきちんと行っていて、患者を放置したなどということはない。来院当時担当医師は別患者のギプス巻きを行っていたので、それを放棄してまで(容態急変前の)患者につき沿うのは無理である。容態急変後はただちに血液の手配をしている。そして、地域の特殊性から血液はすべて予約注文制であり、院内には常備できないという事情がった(実際に輸血20単位注文したにもかかわらず、入手できたのは14単位であった)2.また輸血前には輸液1,000mLと代用血漿2,000mLの急速注入を行っているため、さらに失血した血液量と等量の急速輸血は循環血液量を過剰に増大させ、うっ血性心不全を起こしたり出血を助長したりする危険があるので、当時の判断は適切である3.手術所見では左総腸静脈の亀裂部、骨盤静脈叢および仙骨静脈叢からの湧き出すような多発性出血であり、血腫を除去すると新たな出血はみられなかったため、静脈縫合後は血腫によるタンポナーデ効果を期待するほかはなかった。このような多発性骨盤腔内出血の確実な止血方法は発見されていない裁判所の判断1.診断の遅れX線写真を読影して骨盤骨折が確認された時点で、きちんと患者を診察して直ぐに腹腔穿刺をしていれば、腹腔内出血と診断して直ぐに手術の準備ができたはずである(注:14:00救急来院、14:35X線読影、この時点で意識は清明で血圧120/60→このような状況で腹腔穿刺をするはずがない!!しかものちに行われた腹腔内穿刺では出血は確認されていない)2.血圧測定不能時の輸血速度は、30分間に2,000mLという基準があるのに、30分間に500mLしか輸血しなかったのは一般的な臨床水準を下回る医療行為である以上、早期診断義務違反、輸血速度確保義務違反によって死亡した可能性が高く、交通事故9割、医療過誤1割による死亡である(手術方法については臨床医学水準に背くものとはいえない)。原告側6,590万円の請求に対し、1,225万円の判決考察この事件は、腰部を大型トラックに轢過された骨盤骨折の患者さんが、来院直後は(腹腔内出血量が少なかったので)意識清明であったのに、次第に出血量が増えたため来院から1時間15分後にショック状態となり、さまざまな処置を講じたけれども救命できなかった、という概要です。担当医師はその場その場で適切な指示を出しているのがわかりますし、総腸骨静脈が裂けていたり、骨盤内には粉砕骨折があって完璧な止血はきわめて困難であったと思われますので、たとえどのような処置を講じていようとも救命は不可能であった可能性が高いと思います。本来であれば、交通事故の加害者に重大な責任があるというものなのに、ご遺族の不満がなぜ病院側に向いてしまったのか、非常に理解に苦しみます。「病院に行きさえすればどのような怪我でも治してくれるはずだ」、という過度の期待が背景にあるのかもしれません。そして、何よりも憤りを感じるのが、裁判官がまったく的外れの判決文を書いてしまっている点です。経過をご覧になった先生はすでにおわかりかと思いますが、もう一度この事件を時系列的に振り返ってみると、14:00救急病院に到着。意識清明、血圧120/60mmHg、脈拍72/分。14:10X線室に移動。撮影終了後の血圧は初診時と変化なし。14:25整形外科診察室前まで移動。14:35担当医師が読影し、家族に入院の説明。15:004階の入院病棟に到着(意識清明)。15:15血圧測定不能。15:20腹腔穿刺で出血は確認できず。後腹膜腔内の出血と判断。となっています。つまりこの裁判官は、意識障害のない、血圧低下のない、14:35の(=X線写真で骨盤骨折が確認された)状況からすぐさま、「骨盤骨折があるのならばただちに腹腔穿刺をするべきだ。そうすれば腹腔内出血と診断できるはずだ!」という判断を下しているのです。おそらく、法学部出身の優秀な法律家が、断片的な情報をつぎたして、医療現場の実態を知らずに空想の世界で作文をしてしまった、ということなのでしょう(この事件は控訴されていますので、このミスジャッジはぜひとも修正されなければなりません)。ただ医師側も反省すべきなのは、担当医師は患者を診察することなくX線写真だけで診断し、取り急ぎ家族へは入院の説明をしただけで病棟へ移送してしまったという点です。この時担当医師は、別患者のギプス巻きをわざわざ中断してまで、救急患者のフィルム読影と家族への説明を行ったという状況を考えれば、超多忙な外来業務中(それ以外にも数人のギプス巻き患者がいた)でやむを得なかったという見方もできます。しかし、裁判へと発展した理由の一つに「患者の診察もしないでX線だけで判断した」という家族の不満が背景にあります。そして、もしかすると、初期の段階で患者との会話、顔色や皮膚の様子、骨折部の視診などにより、ショックの前兆を捉えることができたのかもしれません(この約45分後に血圧測定不能となっている)。したがって、多忙ななかでも救急車で運ばれた重症患者はきちんと診察するという姿勢が大事だと思います。次に問題となるのが輸血速度です。このケースの来院から死亡するまでの出血や水分量を計算すると、 手術前手術中14:1014:10輸液500mL2,000mL1,000mL3,500mL代用血漿2,000mL1,500mL500mL4,000mL輸血 1,800mL1,000mL2,800mL出血量 3,210mL57mL3,267mLとなっています。この裁判で医療過誤と認定されたのは、輸血がセンターから到着してからの投与方法でした。輸血を開始したのは手術室に入室してから30分後、執刀の5分前であり、おそらく輸血の点滴ラインを全開にして急速輸血が行われていたと思います。そして、結果的には、約30分間の間に500mL(2.5パック)入りましたので、このくらいでよいだろう、十分ではないか、と多くの先生方がお考えになると思います。ところが資料にもあるように、出血性ショックに対する輸血速度としては、「血圧測定不能時=2,000mLを30分以内に急速輸血」と記載した文献があります。本件のような出血性ショックの緊急時には、血圧を維持するように50mLの注射器を用いてpumpingするケースもあると思いますが、その際にはとにかく早く輸血をするという意識が先に働くため、30分以内に2,000mL(10単位分)を輸血する、という明確な目標を設定するのは難しいのではないでしょうか。しかも緊急の開腹手術を行っている最中であり、輸血以外にもさまざまな配慮が必要ですから、あれもこれもというわけにはいかないと思います。しかし、裁判官が判決文を書く際の臨床医学水準というのは、論文や医学書に記載された内容を最優先しますので、本件のように出血性ショックで血圧測定不能例には30分に2,000mLの輸血をするという目安があるにもかかわらず、500mLの輸血しか行われていないことがわかると、「教科書通りにやっていないのでけしからん」という判断につながるのです。この点について病院側の、「輸血前には輸液500mLと代用血漿2,000mLの急速注入を行っているため、さらに失血した血液量と等量の急速輸血は循環血液量を過剰に増大させ、うっ血性心不全を起こしたり終結を助長したりする危険があるので、当時の判断は適切である」という論理展開は至極ごもっともなのですが、「あらゆる危険を考えて意図的に少な目の輸血をした」というのならなだしも、「輸血速度に配慮せず結果的に少量となった」というのでは、「大事な輸血という治療において配慮が足りないではないか」ということにつながります。この輸血速度や輸血量については、どの施設でも各担当医師によってまちまちであり、輸血後に問題が生じることさえなければ紛争には発展しません。ところがひとたび予測しない事態になると、あとから輸血に対する科学的根拠(なぜ輸血するのか、輸血量を決定した際の根拠、HbやHtなど輸血後に目標とする数値など)を求められる可能性が、かなり高くなりました。そこで輸血にあたっては、なるべく輸血ガイドラインを再確認しておくとともに、輸血という治療行為の根拠をしっかりとカルテに記載しておく必要があると思います。救急医療

28652.

電子お薬手帳アプリ「おくすり PASS」公開、実証実験へ アイセイ薬局

 株式会社アイセイ薬局(代表取締役社長 岡村 幸彦)は、“服薬状況を可視化する”機能を備えた電子お薬手帳アプリ「おくすりPASS」の実証実験を2014年5月12日(月)より、同社日本橋室町店で開始する。 「おくすりPASS」は、処方された薬の記録管理、服薬カレンダー、服用時間をアラームで知らせる服薬リマインダーなど、薬の服用をサポートするさまざまな機能がある。 なかでも、大きな特長として、患者の服薬記録を蓄積し、見える化する「服薬達成率」、「飲み忘れ薬価」、「服用グラフ」の 3 つの機能がある。 また、アプリのホーム画面には、服薬達成率と服薬忘れによる無駄な薬代が表示される。これは、服薬へのモチベーションが維持できるよう、サポートするのが狙いである。 処方薬の飲み忘れ・飲み残しによる医療費の無駄は年間500億円とも言われている。調剤薬局利用者へのインターネット調査によると、20 歳以上の成人男女の約 3 割が複数の調剤薬局を利用している実態があり、とくに30~40代の女性では家族の分の受け取り率も4割超と高く、利用薬局数が多い傾向があった。 本アプリは、薬局から提供される薬情報の QR コードを読み込むことで、アイセイ薬局以外の薬局のデータも一元管理できる。また、1 台のスマホで最大 8 名まで登録できるため、家族の分のデータ管理も可能。さらに、処方箋を撮影して 薬局にFAX送信する機能も備えている。現段階では、本アプリのサービス対応薬局は同薬局の日本橋室町店のみだが、秋頃には全国展開を予定している。・価格:無料・アプリ公開日:2014年5月12日・対応 OS:iOS、Android・サービス対応薬局:5月12日よりアイセイ薬局日本橋室町店で実証実験を開始。全国展開は秋頃を予定

28653.

何度もCOPD増悪を起こす患者にアジスロマイシンの維持療法は有効か

 アジスロマイシンによる維持療法はプラセボと比べて有意にCOPD増悪の頻度を減少させることから、増悪を頻繁に起こしやすい患者や標準治療では治りにくい患者への使用は考慮されるべきであることが、オランダのAmphia Ziekenhuis病院のSevim Uzun氏らにより報告された。The Lancet Respiratory Medicine誌 2014年5月号(オンライン版 4月15日号)の掲載より。 現在、マクロライド耐性が問題視されているため、COPD患者に対するマクロライドの維持療法については意見が分かれるところである。そこで、過去1年で3回以上の増悪を経験し、標準治療を行っているCOPD患者に対し、アジスロマイシンを追加した維持療法を行うことで、増悪の頻度が減少するかを調べた。 本研究は、2010年5月19日から2013年6月18日にオランダで実施された単施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。過去1年に3回以上の増悪を経験し、現在、標準治療を行っている18歳以上のCOPD患者を、コンピューターによりランダムに割り当て、それぞれ500mgのアジスロマイシン、またはプラセボを週3回、12ヵ月間に渡って投与した。ランダム化は長期間、低用量(≦10mg/日)のプレドニゾロン使用により階層化した。患者と研究者は、各群の割り当て状況はマスクされていた。プライマリーエンドポイントは、治療導入後1年間における増悪頻度である。分析はIntention-to-treatにより行った。  主な結果は以下のとおり。・92例の患者をアジスロマイシン投与群(47例)、プラセボ投与群45例にランダムに割り当てた。アジスロマイシン投与群では41例(87%)、プラセボ投与群では36例(80%)が試験を終了していた。・アジスロマイシン投与群では84回、プラセボ投与群では129回の増悪が認められ、調整前の増悪頻度はアジスロマイシン投与群では1.94回/年(95%Cl:1.50~2.52)、プラセボ投与群では、3.22回/年(95%Cl:2.62~3.97)であった。・調整後のアジスロマイシン投与群はプラセボ投与群と比べて、有意に増悪頻度が減少していた(0.58回/年の減少、95%Cl:0.42~0.79)。・アジスロマイシン投与群の内3例(6%)、プラセボ投与群の内5例(11%)で重大な有害事象が認められ、最も多かった有害事象はアジスロマイシン投与群における下痢であった〔アジスロマイシン投与群の内9例(19%)、プラセボ投与群の内1例(2%)〕。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

28654.

軟部肉腫診療の現在と課題 

 2014年5月12日(月)、グラクソ・スミスクライン株式会社は、軟部肉腫に関する診療、今後の展望に関するプレスセミナーを開催した。これは同社の悪性軟部腫瘍治療薬パゾパニブ(商品名: ヴォトリエント)の発売から1年半が経過したことから、より一層の疾患の周知に向けて開催されたものである。■まだよく知られていない軟部肉腫 最初に森岡 秀夫氏(慶應義塾大学医学部整形外科 専任講師)より、「軟部肉腫 診療の実際」と題して、疾患の概要と診療、そして今後の課題について、レクチャーが行われた。 軟部肉腫とは、がんの中でも非上皮細胞または間質細胞から形成される腫瘍であり、「全身の軟部組織から発生する悪性腫瘍の総称」とされている。全身の軟部組織(たとえば頭頚部、背中、後腹膜、上腕、大腿部、臀部など)から発生するため、診療科も多岐にわたる。  最近の診療状況の調査では、整形外科、内科、外科、産婦人科、皮膚科の順で受療患者数が多く、また診療科により本症の呼称が異なるため、臨床現場では混乱が見られるようである。 さらに森岡氏は、軟部肉腫の特徴として、 1)まれであること(患者は全国で約3,000人) 2)分類の種類が多いこと(数十の組織型に分かれる) 3)専門医による治療が必要であること(外科治療、化学療法、放射線治療の施行) 4)進行した場合、治療が限定されてしまうこと(遠隔転移を来すと予後不良)の4つのポイントを示すとともに、各ポイントについて解説を行った。 とくに本症自体は、患者、医師の間でまだ認知度が低く、患者さんも診療科が不明であるが故に診療の際に困っていること、治療方法によっては再発の可能性も高く、治療には専門的な知識が必要とされることなどがレクチャーされた(参考までに日本整形外科学会登録の本症の専門医は約300人)。■今後必要な取り組み 現在、日本整形外科学会が主体となって、本症の啓発を行うとともに、医療機関からの専門窓口を学会内に置き、国も希少がんへの取り組みに専門センターを設置するなど、新しい取り組みが増えてきている。 森岡氏は、今後の課題として「より一層の本症認知の向上と専門医へのスムーズなアクセス、そして横断的なチーム医療の策定が急がれるとともに、新しい治療薬の研究開発はもちろん、既存薬の適応拡大も早急に望まれる」と述べ、レクチャーを締めくくった。■腫瘍内科医が果たす希少がん治療における役割 次に勝俣 範之氏(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授)が、「希少がん(軟部肉腫) 治療の現状と今後 ~腫瘍内科医の立場から~」と題し、希少がんというさらに広い視点からレクチャーを行った。 はじめに、「腫瘍内科を専門とする医師(2013年8月時点で874人)は、わが国では約10年の歴史であり(米国では1970年代に誕生、2012年時点で1万3,409人)、まだ医師の間でもその役割や内容はよく理解されていない」と現状が説明された。 腫瘍内科医は、一言でいえば「がんを全体的に取り扱う内科医」だが、勝俣氏は「抗がん剤の治療を専門とするだけでなく、終末期も見据えた、がん治療全般のコーディネートを行う医師であることを理解してもらいたい」と述べた。 続いて、腫瘍内科医の立場から軟部肉腫の治療について、発生部位により予後が異なることを説明し、とくに目に見えない後腹膜などは、患者さんや医師がその異常に気がつきにくい場所であり、外科手術ができない場合も多く、治療の際は診療科横断的な連携が重要であると解説した。また、診断に関しても、わが国では軟部肉腫の悪性診断がつく病理医の絶対数が少なく、診断が間違っていると効果のない抗がん剤治療が行われることも考えられるため、早急な医師の育成、教育が必要と問題を指摘した。■希少がんは集約化して治療 さらに、希少がん治療の今後について、2006年に制定された国の「がん対策基本法」を紹介し、この中で定められている「がん対策基本計画」に沿って国のがん対策が行われること、また、2012年の第2期の同計画では、「希少がん」も盛り込まれ、一般のがんが全国どこでも同じ水準で診療が行われる均点化が図られているのに対し、希少がんは集約化、センター化が新しい方向性として打ち出されていることが紹介された。 最後に、勝俣氏は「軟部肉腫は、“忘れられたがん”から、“知ってもらいたいがん”になればと思う」と一言述べ、レクチャーを終了した。参考サイト希少疾病ライブラリ 悪性軟部腫瘍(軟部肉腫) 

28655.

スルピリドをいま一度評価する

 スルピリドは、有害事象の頻度が低く、統合失調症の陰性症状に有効とされる比較的古い抗精神病薬である。相対的に安価でもあるスルピリドは、いくつかの新規非定型抗精神病薬と神経薬理学的プロファイルが類似する。中国・上海交通大学医学院のJijun Wang氏らは、統合失調症に対するスルピリドの有用性をプラセボと比較評価するメタ解析を行った。その結果、プラセボに対する優越性を示すエビデンスはきわめて限られており、著者は、「良好なエビデンスが得られるまでは、臨床試験ではなく実臨床のデータを参考として使用すべきであろう」と報告している。Cochrane Database of Systematic Reviewsオンライン版2014年4月11月号の掲載報告。スルピリドの精神疾患に対する効果をプラセボと比較 本研究は、統合失調症および重大なその他の精神疾患に対するスルピリドの効果をプラセボと比較評価することを目的として行われた。Cochrane Schizophrenia Group Trials Register(2008年9月)、ならびに引用から特定されたすべての試験のreferenceを検索した。製薬企業や著者と連絡をとり追加情報も得た。検索は、2012年11月7日時点でアップデートし、統合失調症および統合失調症様の精神疾患を対象としたスルピリドとプラセボの無作為化比較試験(RCT)すべてを検索対象とした。主要アウトカムは、全般的状態の臨床的に有意な改善とした。文献と抄録を独自に詳細に調査して文献を入手し、再調査してそれらの質を評価した。データはIMOとJWを用いて抽出。ランダム効果リスク比(RR)を用いて二分法のデータを解析し、95%信頼区間(CI)を算出した。連続変数データが含まれている場合は、ランダム効果平均差(MD)を95%CIとともに解析した。スルピリドの優越性を示すエビデンスはきわめて限られていた スルピリドの効果をプラセボと比較した主な結果は以下のとおり。 ・2012年の検索において、新しい試験は含まれていなかった。・レビューしたところ、スルピリドとプラセボの短期比較を行った2件の試験(計113例)が含まれていた。・いずれの試験においても、主要アウトカム(全般的状態:臨床的に有意な改善)および副次アウトカム(QOL・重篤な有害事象・安全性評価)に関する報告はなかった。・精神状態に関しては、陽性症状、陰性症状とも2群間で明らかな差はみられなかった。・Manchester scaleで測定した陽性症状は分布に偏りがあったため、メタ解析には含めなかった(18例、RCT 1件、エビデンスの質:きわめて低い)。・Manchester scaleで測定した陰性症状もまた明らかな差は示されなかった(18例、RCT 1件、MD:-3.0、95%CI:-1.66~1.06、エビデンスの質:きわめて低い)。・試験を3ヵ月間継続していた者はほとんどいなかった(113例、RCT 2件、RR:1.00、95%CI:0.25~4.00)。・Current Behaviour Schedule(CBS)により、プラセボ群における1つのサブスコアで、社会的行動の有意な改善が認められた(18例、RCT 1件、MD:-2.90、95%CI:-5.60~-0.20)。・全般的アウトカム、サービスの使用、有害事象など多くの重要なアウトカムに関するデータはまったく報告されていなかった。・以上、スルピリドは効果的な抗精神病薬であるものの、無作為化比較試験によるプラセボに対する優越性を示すエビデンスはきわめて限られていた。

28656.

53歳時の身体能力でも長生きできるかを識別可能/BMJ

 身体能力テストの結果がよい人は全死因死亡率が低いことが、地域の高齢者を対象とした試験においては一貫して示されている。英国・ロンドン大学のRachel Cooper氏らは、それより若い世代でも、同様の関連が認められるかを検討した。53歳時の身体能力を3つのテストで調べ、13年間追跡した結果、ベースライン時の身体能力が低かったり、テストを受けられなかった人では、死亡率がより高かったことを報告した。結果を踏まえて著者は、「この若い世代でも同様のテストで、健康長寿を達成できそうな人と、できそうもない人を特定できるようだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。53歳時の身体能力結果と、その後13年間の死亡率との関連を分析 検討は、イングランド、スコットランド、ウェールズにて行われたコホート研究「MRC National Survey of Health and Development」の参加者を対象に行われた。53歳時に行われた3つの共通した身体能力テスト(握力、いすからの立ち上がり動作速度、立位バランス時間)の各スコアおよび複合スコアと、全死因死亡との関連を調べることが目的だった。また、それらのテストを受けられなかった人の死亡率との関連が認められるかについても調べた。 主要評価項目は、53歳時(1999年)~66歳時(2012年)の間の全死因死亡とした。複合スコア最低位群の全死因死亡率は、最高位群の3.68倍 被験者は、53歳時の身体能力データがあり、国民保健サービス(NHS)の死亡通知登録にリンクしていた男性1,355例、女性1,411例だった。 追跡13年間の死亡は、177例(がん死亡88例、心血管疾患死亡47例、その他42例)、5.1例/1,000人年だった。 分析の結果、53歳時に3テストを受けられなかった人およびスコアが五分位範囲の最低位群だった人は、同最高位群の人と比べて死亡率が高いことが示された。たとえば、複合スコアでみた場合、最低位群の人の全死因死亡率は最高位群の3.68倍(95%信頼区間[CI]:2.03~6.68)だった。さらに、3テストをいずれも受けられなかった人は、すべてを受けた人と比べて同8.40倍(同:4.35~16.23)だった。 一連の異なるテストの組み合わせモデルを尤度比検定により比較した結果、全3つのテストを行うことがモデル適合を改善し、予測能を最も高めること(Harrell's C統計値:0.71、95%CI:0.65~0.77)が判明した。 また、3テストの中では、立位バランス時間が、その他2つの測定値よりもより強く死亡率と関連するというエビデンスが見つかった。

28657.

心疾患への自家骨髄幹細胞治療、効果のバラツキはなぜ?/BMJ

 心機能を大幅に改善すると報告されている心疾患患者への自家骨髄幹細胞治療の試験報告について、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAlexandra N Nowbar氏らは、試験間でみられる効果量のばらつきについて、なぜそのような状況が起きているのかを調べた。49試験について論文に事実と異なる矛盾点がないかを調べた結果、試験デザインや方法論、結果などにおいて多くの矛盾点が検出され、その数が多いほど治療効果が大きく示されるという有意な関連があることを報告した。著者は、「論文の不備を回避することは難しいが、その数と効果の大きさが関連していることから重大である」と述べている。また、矛盾点が検出されなかった5試験では効果がゼロであったと報告されていることから、判明していない同治療のメカニズムについて、今後の試験で調べることが必要だと指摘している。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。試験報告の矛盾点をカウントし、効果量との関連を分析 研究グループは、心疾患への自家骨髄幹細胞治療を評価した無作為化比較試験について、事実と異なる矛盾点を特定し、その数を調べ、各試験で報告されている左室駆出率増加への効果量との関連を調べた。 矛盾点として調べたのは、1)試験デザインにおける矛盾点(例:無作為化されたと記載されているが事実か)、2)方法論とベースライン時特性の矛盾点(例:サンプルサイズやサブグループサイズが患者数と合っていない)、3)結果における矛盾点(例:表と図との不一致やありえない数値が示されている)だった。 PubMedとEmbaseを使用し2013年4月時点で検索を行い、対象試験49本を特定してメタ解析にて分析した。矛盾点の数と効果量とに正の関連、矛盾点のない試験では効果量ゼロと報告 49試験からの報告133件において、604ヵ所の矛盾点が検出された。安全性についての報告では44ヵ所の矛盾点が特定された。矛盾のタイプはさまざまだった。また主要エンドポイントの報告においても矛盾点の検出は例外ではなく、矛盾点が試験アーム群の有意差に影響を与えていることがみてとれたという。 矛盾点の数と、自家骨髄幹細胞治療を受けた患者の左室駆出率(EF)増大量とには、有意な関連が認められた(Spearman’s r=0.4、p=0.005)。 矛盾点がなかった試験は5試験と少数派で、これらの試験の平均EF効果量は、-0.4%と示された。一方で、矛盾点が1~10ヵ所あった24試験では2.1%、11~20ヵ所あった12試験では3.0%、21~30ヵ所あった3試験では5.7%であり、さらに不備が多くみられた試験群(5試験)では7.7%と示された。

28658.

そもそもこの患者さんの病気って…【Dr. 中島の 新・徒然草】(017)

十七の段 そもそもこの患者さんの病気って…長い間フォローしている患者さんのなかには認知症を合併する方も数多くおられ、いつしか本来の病気そっちのけの状況になってしまいます。患者「お友達と約束していても忘れてしまって」娘さん「母はカレンダーにメモしてるんですけど、行き先だけしか書いていなくて、『誰と何時に何処で待ち合わせ』というのが抜けてしまっているんです」中島「メモを取るときは文章で書きましょう」患者「この前もすっぽかしてしもた」中島「そもそも何を忘れるかの予測がつかないので、とりあえず全部メモしておくといいですよ」実は、「文章で書く」「何でもメモする」というのは、私自身が心掛けていることなんですけどね。娘さん「最近、母の症状が進んだのか、前より部屋が散らかりまして」中島「物を捨てないといけませんねえ」娘さん「定位置に片付けることができなくなったみたいです」中島「片付けるより捨てるべきですな」患者「でも私らの世代は『もったいない』という考え方が身にしみついているから、ちょっと毛糸が残っても『まだ使えるかもしれへん』と思ってとっておくんです」中島「それがアカン。全部捨てなさい」患者「でも、捨てられへん」中島「とりあえず置いておくってのは単なる先延ばしにすぎません。物がスッキリなくなったらね、きっと記憶力も良くなりますよ」患者「それホンマ?」高齢の患者さんはそれぞれに脳トレとか百マス計算とかやって頑張っておられますが、私は皆さんに片付けをお勧めしています。自分の経験として、部屋を片付けると記憶力が良くなるような気がします。患者「まず写真を捨てたらエエんかな」中島「ちょっと!写真は置いときましょう」患者「ほな昔の日記かな」中島「日記も捨てたらあきません。御本人の大切な物は置いといて、ほかに捨てるもんが沢山あるでしょ」患者「何やろ」中島「古新聞とか古雑誌とか服とか。それこそ余った毛糸とか。そのへんを真っ先に捨てるべきです」娘さん「お母ちゃん。先生もあないに言うてはるし、いっぱい溜め込んでいるものを捨てないと。お友達から借りたものも何処にいったか、さっぱりわからへんでしょ」中島「とにかくね、日記と写真は置いといて、他は全部捨てること!」患者「はい」中島「カルテに書いておきますからね。次回の診察はいろいろ捨てて頭も心もスッキリして来てくださいね」患者「ええ、そないします」中島「それでは、お大事に」娘さんと2人がかりで説得したものの、本来の病気は何だったのか。私も物忘れがひどくなったようです。

28660.

日本発!家族性パーキンソン病患者におけるGBA遺伝子変異研究

 グルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子変異がレビー小体形成を促進し、その結果、より重篤な家族性パーキンソン病もしくはレビー小体型認知症を引き起こす可能性があることが、順天堂大学のYuanzhe Li 氏らによって明らかとなった。Neurobiology of aging誌2014年4月号掲載の報告。 パーキンソン病(PD)患者において、GBA遺伝子が危険因子であることが知られている。本研究では、日本人の144家族のうち147例の家族性パーキンソン病患者と対照被験者100例のデータから、GBA遺伝子のエクソン配列とエクソン/イントロンの境界配列を決定した。 主な結果は以下のとおり。・家族のなかで初めて罹患したPD患者144例のうち27例(18.8%)で、ゴーシェ病変異として知られるGBA遺伝子のヘテロ接合変異が認められ、GBA遺伝子のヘテロ接合変異が強く家族性パーキンソン病と関連していることが示唆された。(オッズ比: 22.9、95%信頼区間: 3.1~171.2)・関連する頻度は、常染色体劣性PDに比べて常染色体優性PD(ADPD)で有意に高かった。・臨床的評価によると、GBA遺伝子変異を有するPD患者では、精神医学的な問題および/または認知機能低下を伴うL-ドパ反応性パーキンソニズムのようなPDもしくはレビー小体型認知症(DLB)の典型的な症状を示した。・興味深いことに、GBA遺伝子変異を有するPD患者では、心筋I-123-メタヨードベンジルグアニジン取り込みが減少していた。・今回の知見では、GBA遺伝子のヘテロ接合変異が、とくに常染色体優性PDの家族性PDにおいて強い危険因子であることがわかった。・GBA遺伝子のヘテロ接合変異をもつ患者のなかには、DLBの臨床症状を示す患者もいた。

検索結果 合計:35665件 表示位置:28641 - 28660