サイト内検索|page:1417

検索結果 合計:35665件 表示位置:28321 - 28340

28321.

抗菌薬静脈内投与後のアナフィラキシーショックによる死亡

消化器最終判決平成16年9月7日 最高裁判所 判決概要S状結腸がんの開腹術後に縫合不全を来たした57歳男性。抗菌薬投与を中心とした保存的治療を行っていた。術後17日、ドレーン内溶液の培養結果から、抗菌薬を一部変更してミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)を静脈内投与したが、その直後にアナフィラキシーショックを発症して心肺停止状態となる。著しい喉頭浮腫のため気道確保は難航し、何とか気管内挿管に成功して救急蘇生を行ったが、発症から3時間半後に死亡した。詳細な経過患者情報平成2年7月19日 注腸造影検査などによりS状結腸がんと診断された57歳男性。初診時の問診票には、「異常体質過敏症、ショックなどの有無」欄の「抗菌薬剤(ペニシリン、ストマイなど)」の箇所に丸印を付けて提出した経過平成2(1990)年8月2日開腹手術目的で総合病院に入院。看護師に対し、風邪薬で蕁麻疹が出た経験があり、青魚、生魚で蕁麻疹が出ると申告。担当医師の問診でも、薬物アレルギーがあり、風邪薬で蕁麻疹が出たことがあると申告したが、担当医師は抗菌薬ではない市販の消炎鎮痛薬であろうと解釈し、具体的な薬品名など、薬物アレルギーの具体的内容、その詳細は把握しなかった。8月8日右半結腸切除術施行。手術後の感染予防目的として、セフォチアム(同:パンスポリン)およびセフチゾキシム(同:エポセリン)を投与(いずれも皮内反応は陰性)。8月16日(術後8日)腹部のドレーンから便汁様の排液が認められ、縫合不全と診断。保存的治療を行う。8月21日(術後13日)ドレーンからの分泌物を細菌培養検査に提出。8月23日(術後15日)38℃前後の発熱。8月25日(術後17日)解熱傾向がみられないため、抗菌薬をピペラシリン(同:ペントシリン)とセフメノキシム(同:ベストコール)に変更(いずれも皮内反応は陰性)。10:00ペントシリン® 2g、ベストコール® 1gを点滴静注。とくに異常は認められなかった。13:00細菌培養検査の結果が判明し、4種類の菌が確認された。ベストコール®は2種の菌に、ペントシリン®は3種の菌に感受性が認められたが、4種の菌すべてに感受性があるのはミノマイシン®であったため、ベストコール®をミノマイシン®に変更し、同日夜の投与分からペントシリン®とミノマイシン®の2剤併用で様子をみることにした。22:00看護師によりペントシリン® 2g、ミノマイシン® 100mgの点滴静注が開始された(主治医から看護師に対し、投与方法、投与後の経過観察などについて特別な指示なし)。ところが、点滴静注を開始して数分後に苦しくなってうめき声を上げ、付き添い中の妻がナースコール。22:10看護師が訪室。抗菌薬の点滴開始直後から気分が悪く体がピリピリした感じがするという言葉を聞き、各薬剤の投与を中止してドクターコール。22:15「オエッ」というような声を何回か発した後、心肺停止状態となる。数分後に医師が到着し、ただちにアンビューバッグによる人工呼吸、心臓マッサージを開始。22:30気管内挿管を試みたが、喉頭浮腫が強く挿管不能のため、喉頭穿刺を行う。22:40気管内挿管に成功するが心肺停止状態。アドレナリン(同:ボスミン)投与をはじめとした救急蘇生を続けるが、心肺は再開せず。8月26日(術後18日)01:28死亡確認。死因はいずれかの薬剤によるアナフィラキシーショックと考えられた。当事者の主張患者側(原告)の主張今回使用した抗菌薬には、アナフィラキシーショックなど重篤な副作用を生じる可能性があるのだから、もともと薬剤アレルギーの既往がある本件に抗菌薬を静脈内投与する場合、異常事態に備えて速やかに対応できるよう十分な監視体制を講じる注意義務があった。ところが、医師は看護師に特別な監視指示を与えることなく、漫然と抗菌薬投与を命じたため、アナフィラキシーショックの発見が遅れた。しかも、重篤な副作用に備えて救命措置を準備しておく注意義務があったにもかかわらず、気道確保や強心剤投与が遅れたため救命できなかった。病院側(被告)の主張本件で使用した抗菌薬は、従前から投与していた薬剤を一部変更しただけに過ぎず、薬物アレルギーの既往症があることは承知していたが、それまでに使用した抗菌薬では副作用はなかった。そのため、新たに投与した(皮内反応は不要とされている)ミノマイシン®投与後にアナフィラキシーショックを生じることは予見不可能であるし、そのような重篤な副作用を想定して医師または看護師が付き添ってまで経過観察をする義務はない。そして、容態急変後は速やかに当直医師が対応しており、救急蘇生に過誤があったということはできない。裁判所の判断高等裁判所の判断医師、看護師に過失なし(1億2,000万円の請求を棄却)。最高裁判所の判断(平成16年9月7日)原審(高等裁判所)の判断は以下の理由で是認できない。薬剤が静注により投与された場合に起きるアナフィラキシーショックは、ほとんどの場合、静脈内投与後5分以内に発症するものとされており、その病変の進行が急速であることから、アナフィラキシーショック症状を引き起こす可能性のある薬剤を投与する場合には、投与後の経過観察を十分に行い、その初期症状をいち早く察知することが肝要であり、発症した場合には、薬剤の投与をただちに中止するとともに、できるだけ早期に救急治療を行うことが重要である。とくに、アレルギー性疾患を有する患者の場合には、薬剤の投与によるアナフィラキシーショックの発症率が高いことから、格別の注意を払うことが必要とされている。本件では入院時の問診で薬物アレルギーの申告を受けていたのだから、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性のある抗菌薬を投与するに際しては、重篤な副作用の発症する可能性を予見し、その発症に備えてあらかじめ看護師に対し、投与後の経過観察を指示・連絡をする注意義務があった。担当看護師は抗菌薬を開始後すぐに病室から退出してしまい、その結果、心臓マッサージが開始されたのが発症から10分以上経過したあとで、気管内挿管が試みられたのが発症から20分以上、ボスミン®投与は発症後40分が経過したあとであり、救急措置が大幅に遅れた。これでは投与後5分以内に発症するというアナフィラキシーショックへの対応は明らかに不適切である。以上のように、担当医師や看護師が注意義務を怠った過失があるから、判決の結論に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるため、死亡との因果関係をさらに審理をつくさせるため、本件を高等裁判所に差し戻すこととする。考察またまた医師にとっては驚くべき裁判官の考え方が示されました。しかも、最高裁判所の担当判事4名が全員一致した判断というのですから、医師と法律専門家との考え方には、どうしようもなく深い溝があると思います。本症例は、S状結腸がんの開腹手術後8日目に縫合不全を来たし(これはやむを得ない合併症と考えられます)、術後17日でそれまで投与していた抗菌薬を変更、その後に報告された細菌培養の結果から、より効果の期待できるミノマイシン®を点滴投与したところ、その直後にアナフィラキシーショックを発症しました。ショック発現までの時間経過を振り返ると、22:00ミノマイシン®開始。数分後に苦しくなりうめき声を上げたので家族がナースコール。22:10看護師が訪室、各薬剤の投与を中止してドクターコール。22:15心肺停止状態。数分後に医師が到着し、救急蘇生開始。22:30喉頭浮腫が強く挿管不能のため、喉頭穿刺を行う。22:40気管内挿管に成功するが心肺停止状態。となっています。今回の病院は約350床程度の規模で、上記の対応をみる限り、病院内の急変に対する体制としてはけっして不十分ではないと思います。最高裁判所の判事は、アナフィラキシーショックは5分以内の発見が大事である、という文献をもとに、もし看護師がミノマイシン®開始後ずっと付き添っていれば、もっと早く救急措置ができたであろう、という根拠で医師の過失と断じました。ところが当時の状況は、大腸がんの開腹手術後17日が経過し、すでに集中治療室から一般病室へ転室していると思われ、何とか縫合不全を保存的治療で治そうとしている状況でした。しかも、薬剤アレルギーの既往症が申告されていたとはいえ、それまでに使用したパンスポリン®、セフチゾキシム®、ベストコール®、ペントシリン®では何ら副作用の問題はなかったのですから、抗菌薬の一部変さらに際して看護師に特別な指示を出すべき積極的な理由はなかったと思います。ましてや、ミノマイシン®は皮内反応が不要とされている抗菌薬なので、裁判官のいうようにアナフィラキシーショックを予見して、22:00からのミノマイシン®開始に際して看護師をつきっきりで貼り付けておくことなど、けっして現実的ではないように思います。もし、看護師がベッドサイドでずっと付き添っていたとして、救命措置をどれくらい早く開始することができたでしょうか。側に付き添っていた家族が異変に気づいたのは、ミノマイシン®静脈注射開始後数分でしたから、おそらく22:05頃にドクターコールを行い、22:10くらいには院内の当直医が病室へ到着することができたと思われます(おそらく5~10分程度の短縮でしょう)。その時点から救急蘇生が開始されることになりますが、果たして22:15の心肺停止を5分間の措置で防ぎ得たでしょうか。しかもアナフィラキシーショックに関連した喉頭浮腫が急激に進行し、気道を確保することすらできず、やむなく喉頭穿刺まで行っていますので、けっして茫然自失として事態をやり過ごしたとか、注意義務を果たさなかったというような診療行為ではないと思います。つまり、本件のような激烈なアナフィラキシーショックの場合、医師が神業のような処置を行っても救命できないケースが存在するのは厳然とした事実です。にもかかわらず、医師や看護師がつきっきりでみていなかったのが悪い、救急措置をもう少し早くすれば助かったかもしれないなどという考え方は、病気のリスクを紙面でしか知り得ない裁判官の偏った考え方といえるのではないでしょうか。このように、医師にとっては防ぎようのないと思われる病態をも、医療ミスとして結果責任を問う声が非常に大きくなっていると思います。極論すると、個々の医療行為に対してすべてのリスクを説明し、それでもなお治療を受けると患者が同意しない限り、医師は結果責任を免れることはできません。すなわち本件でも、患者およびその家族へ、術後の縫合不全や感染症にはミノマイシン®が必要であることを十分に説明し、アレルギーがある患者ではミノマイシン®によってショックを起こして死亡することもありうるけれども、それでも注射してよいか、という同意を求めなければならない、ということですが、そのような説明をすることはきわめて不自然でしょう。本件は「医師や看護師の過失はない」と考えた高等裁判所へ差し戻されていますが、ぜひとも良識のある判断を期待したいと思います。一方、抗菌薬の取り扱いに関して、2004年10月に日本化学療法学会から「抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン」が発表されました。それによると、これまで慣習化していた抗菌薬投与前の皮内反応は、アナフィラキシー発現の予知として有用性に乏しいと結論付けています。具体的には、アレルギー歴のない不特定多数の症例には皮内反応の有用性はないとする一方で、病歴からアレルギーが疑われる患者に抗菌薬を投与せざるを得ない場合には、あらかじめ皮内反応を行った方がよいということになります。そして、抗菌薬静脈内投与に際して重要な基本的事項として、以下の3点が強調されました。事前に既往症について十分な問診を行い、抗菌薬などによるアレルギー歴は必ず確認すること投与に際しては必ずショックなどに対する救急処置のとれる準備をしておくこと投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。とくに、投与開始直後は注意深く観察することこのうち、本件のようなケースには第三項が重要となります。これまでは、抗菌薬静脈内注射後にはまれに重篤な副作用が現れることがあるので経過観察は大事ですよ、という一般的な認識はあっても、具体的にどのようにするのか、といった対策まで講じている施設は少ないのではないでしょうか。しかも、抗菌薬投与の患者全員に対し、「投与開始から投与終了後まで十分な観察を行う」ことは、実際の医療現場では事実上不可能ではないかと思われます。ところが、このようなガイドラインが発表されると、不幸にも抗菌薬によるアナフィラキシーショックを発症して死亡し紛争へ至った場合、この基本三原則に基づいて医師の過失を判断する可能性がきわめて高くなります。当時は急患で忙しかった、看護要員が足りずいかんともし難い、などというような個別の事情は、一切通用しなくなると思います。またガイドラインの記述は、「抗菌薬投与開始直後は注意深く観察すること」という漠然とした内容であり、ではどのようにしたらよいのか、バイタルサインをモニターするべきなのか、開始直後とは何分までなのか、といった対策までは提示されていません。ところが、このガイドラインのもとになった「日本化学療法学会臨床試験委員会・皮内反応検討特別部会の報告書(日本化学療法学会雑誌 Vol.51:497-506, 2003)」によると、「きわめて低頻度であるがアナフィラキシーショックが発現するので、事前に抗菌薬によるショックを含むアレルギー歴の問診を必ず行い、静脈内投与開始後20~30分における患者の観察とショック発現に対する対処の備えをしておくことが必要である」とされました。すなわち、ここではっきりと「20~30分」という具体的な基準が示されてしまいましたので、今後はこれがスタンダードとされる可能性が高いと思います。したがって、抗菌薬の初回静脈内投与では、全例において、点滴開始後少なくとも20分程度は誰かが付き添う、モニターをつけておく、などといった注意を払う必要があることになります。これを杓子定規に医療現場に当てはめると、かなりな混乱を招くことは十分に予測されますが、世の中の流れがこのようになっている以上、けっして見過ごすわけにはいかないと思います。今回の症例を参考にして、ぜひとも先生方の施設における方針を再確認して頂ければと思います。日本化学療法学会「抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン(2004年版)」日本化学療法学会「抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策について(2004年版概要)」日本化学療法学会臨床試験委員会・皮内反応検討特別部会報告書(日本化学療法学会雑誌 Vol.51:497-506, 2003)」消化器

28322.

飲酒と死亡率~約40万人の大規模前向き研究

 国際がん研究機関(IARC、本部:フランス)のPietro Ferrari氏らは、「欧州がんと栄養前向き調査」(EPIC)により、飲酒と死亡率の関連を調節する因子の役割を調べ、死亡の絶対リスクを推定した。この欧州大規模コホートの結果、飲酒は、全死亡率、飲酒関連がんによる死亡、暴力による死傷と明らかな関連がみられたが、CVD/CHD死亡との関連はわずかであった。また、EPICにおける死亡の絶対リスクから、飲酒が全死亡率の重要な決定因子であることが示唆された。BMJ open誌2014年7月号の掲載報告。 本試験は、欧州10ヵ国23施設で実施した。登録時にがん・糖尿病・心臓発作・脳卒中に罹患していなかった38万395人の男女を平均12.6年間追跡したところ、2万453人に致死的イベントが発生した。そのうち、飲酒がリスク増加と関連するがん(上部気道消化管がん・肝臓がん・大腸がん・乳がんなど)による死亡は2,053人、心血管疾患(CVD)または冠動脈疾患(CHD)による死亡は4,187人、暴力による死傷は856人であった。生涯における平均飲酒量は、登録時の自己申告に基づいて評価した。 主な結果は以下のとおり。・適度な量の飲酒者(0.1〜4.9g/日)に対する多量飲酒者(女性で30g/日以上、男性で60g/日以上)の全死亡ハザード比は、 女性で1.27(95%CI:1.13~1.43)、男性で1.53(同:1.39~1.68)であった。・飲酒量と飲酒関連がんの死亡率は強い関連がみられ、とくに男性で関連が強かった。また、暴力による死傷との関連は男性のみでみられた。・飲酒者において飲酒量とCVD/CHD死亡率に関連はみられず、非飲酒者のほうが適度な飲酒者に比べてハザード比が高かった。・全死亡率は、とくに男性で、ワインよりもビールに強く関連しているようであった。・30g/日以上飲酒している60歳女性の10年全死亡リスクは、非喫煙者で5%、現喫煙者で7%であった。また、60g/日以上飲酒している60歳男性の10年全死亡リスクは、非喫煙者で11%、現喫煙者で18%であった。・競合リスク分析では、男性ではCVD/CHDの死亡率は飲酒関連がんの死亡率より顕著であった。一方、女性ではCVD/CHDと飲酒関連がんの死亡率は同等であった。

28323.

オランザピンによる急性期治療、心血管系に影響

 オランザピンの急性治療は、平均動脈圧、静脈緊張および心収縮能を低下することが、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJoanne Y.T. Leung氏らによるラット試験の結果、明らかにされた。抗精神病薬による治療は、有害な心血管作用(たとえば起立性低血圧や不整脈)と関連している。また、統合失調症患者は心血管系合併症の有病率が高いが、抗精神病薬の血管緊張や心収縮への作用については、これまでほとんど注意が払われていなかった。Vascular Pharmacology誌オンライン版2014年6月23日号の掲載報告。 研究グループは本検討において、抗精神病薬の心血管作用を明らかにするため、非定型抗精神病薬オランザピンが心血管機能を変化しうるかどうかを、ラットを用いたin vivo試験で評価した。検討に用いられたのは雄のSprague-Dawleyラットで、留置カテーテルで調節した。手術から回復4時間後、オランザピン[3または15mg/kgを腹腔内投与(i.p.)]または溶媒の単回投与後60分のベースライン時点で、意識があり拘束をされていない状態のラットにおいて平均動脈圧(MAP)、循環系平均充満圧(MCFP;体静脈緊張の指数)、心拍数、左室最大収縮期圧(LVP)、心収縮能(+/-dP/dt)を測定した。 主な結果は、以下のとおり。・溶媒投与群は、測定を行ったいずれの時点においても心血管測定値に変化はみられなかった。・オランザピンの心拍数への影響はみられなかったが、投与後30分の最大効果到達時点において、用量依存性でMAP、MCFP、LVP、心収縮能の減少が認められた。・ラットにおける急性期オランザピン治療は、MAP、静脈緊張および心収縮能を低下した。・静脈緊張は、抗精神病薬治療の初期において患者にみられる起立性低血圧に寄与している可能性が示唆された。関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 統合失調症患者の突然死、その主な原因は  担当者へのご意見箱はこちら

28324.

睡眠と疼痛の関連には有意な個人差あり

 慢性疼痛と睡眠障害はしばしば共存していることが知られる。米国・クリーブランドクリニックのSara Davin氏らは、学際的な慢性疼痛リハビリテーションプログラム(ICPRP)を受けている患者を対象に、疼痛と睡眠の変化について同時に評価する検討を行った。結果、総睡眠時間と翌日の疼痛との関連には個人差が大きいことが明らかになったという。著者は「今回の結果は、ICPRP患者に対して、睡眠問題に注目することの有益性を示すものであり、疼痛と睡眠問題を有する患者において睡眠をターゲットとした治療に利点があることを強調するものであった」とまとめている。Pain Medicine誌2014年6月号(オンライン版2014年4月9日号)の掲載報告。 研究グループは、ICPRPに参加している患者のうち、非がん性慢性疼痛を有する50例を対象に、毎日の総睡眠時間(TST)と疼痛強度を調査し、その変化をマルチレベルモデリング分析によって評価した。 主な結果は以下のとおり。・TSTの増加は、翌治療日の疼痛強度が低いことの予測因子であった。・しかし、毎日の疼痛強度は、その夜のTSTの予測因子ではなかった。・年齢、性別、不安、抑うつを調整後も、治療時間はTSTおよび疼痛軽減の有意な予測因子であった。・TSTと翌日の疼痛強度との関係には、有意な個人差があることが認められた。 ・前夜のTSTと翌日の疼痛の関連が強い患者において、全体的に最も大きな治療効果が得られた。

28325.

【JSMO見どころまとめ(3)】国内で開発された大腸がん治療薬

 2014年7月17日(木)から3日間にわたり、福岡国際会議場ほかにて開催される、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会に先立ち、先月6月27日、東京都中央区にて日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催された。そこで行われた、馬場 英司氏(九州大学大学院医学研究院 九州連携臨床腫瘍学講座)による講演「消化器がん」を簡潔にまとめる。【まとめ】・本学術集会での重要なテーマの1つは、国内で開発された新規抗がん薬TAS-102である。TAS-102は、全生存期間を延長させると報告された大腸がん治療薬であり、大変注目度が高い。・大腸がんを中心に抗EGFR抗体薬、および抗VEGF抗体薬の開発が盛んに行われてきたが、はたして、より効果のある治療法はどちらなのか? KRAS野生型例に対し、FOLFIRIにセツキシマブもしくはベバシズマブを併用したFIRE-3試験などの結果についても検討が必要だ。 本学術集会でも議論を行っていく。< 大腸がんに関する注目演題 >■プレナリーセッションテーマ:“結腸・直腸におけるTAS-102臨床試験”日 時:2014年7月18日(金) 13:40~15:40  会 場:Room1(福岡サンパレス2F「大ホール」)■インターナショナルセッション7テーマ:“Future perspective of therapeutic strategy for metastatic colorectal cancer”日 時:2014年7月17日(木) 15:50~17:50  会 場:Room1(福岡サンパレス2F「大ホール」)【第12回日本臨床腫瘍学会学術集会】■会 期:2014年7月17日(木)~19日(土)■会 場:福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センター■会 長:田村 和夫氏(福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学 教授)■テーマ:包括的にがん医療を考える~橋渡し研究、がん薬物療法からサバイバーシップまで~第12回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページ

28326.

18歳までに発症のネフローゼ症候群、リツキシマブで再発抑制/Lancet

 小児期発症の難治性頻回再発型ネフローゼ症候群(FRNS)、ステロイド依存性ネフローゼ症候群(SDNS)に対する、リツキシマブ(商品名:リツキサン)の有効性および安全性が実証された。神戸大学大学院小児科学分野教授の飯島 一誠氏らが、48例の患者を対象に行った多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、リツキシマブ投与により、無再発期間は2倍以上延長したことが報告された。Lancet誌オンライン版2014年6月23日号掲載の報告より。リツキシマブ週1回投与を4週間、1年間追跡 飯島氏らは2008年11月13日~2010年5月19日にかけて、日本国内9病院で、FRNSまたはSDNSの2歳以上の患者を対象に試験を行った。被験者は、当初1~18歳時にネフローゼ症候群との診断を受けており、またスクリーニング時に再発の寛解後であった患者を適格とした。 年齢、治療施設、治療歴、これまでの再発までの3期間について補正後、被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはリツキシマブ(375mg/m2)週1回を4週間、もう一方の群にはプラセボをそれぞれ投与した。患者、保護者、ケア担当者、担当医、アウトカム評価者は割り付けを知らされなかった。 試験開始スクリーニング時点で、被験者全員に、再発の治療として標準的ステロイド治療を行った。試験開始169日後に、免疫抑制薬の投与を中止した。 追跡期間は1年で、主要評価項目は無再発期間だった。安全性のエンドポイントは、有害事象の頻度と重症度で評価した。無再発期間中央値はリツキシマブ群267日、プラセボ群101日 無作為化は52例が受け、48例が割り付けられた治療を受けた(リツキシマブ群24例、プラセボ群24例)。 結果、無再発期間の中央値は、プラセボ群で101日(95%信頼区間:70~155)だったのに対し、リツキシマブ群では267日(同:223~374)と、大幅な延長が認められた(ハザード比:0.27、同:0.14~0.53、p<0.0001)。 1つ以上の重篤な有害事象が認められたのは、リツキシマブ群10例(42%)、プラセボ群6例(25%)で、両群に有意差はみられなかった(p=0.36)。 結果を踏まえて著者は、「リツキシマブは、小児期発症のFRNSまたはSDNSに対して有効かつ安全な治療である」と結論している。

28327.

原因不明の脳卒中後の心房細動検出、携帯型心電図で5倍以上改善/NEJM

 原因不明の脳卒中後の心房細動検出について、30日イベントレコーダー付き携帯型心電計によるモニタリングが、従来の24時間ホルター心電図によるモニタリングより有効であることが示された。検出率は5倍以上有意に改善し、抗凝固療法の施行率はほぼ2倍上昇したという。カナダ・トロント大学のDavid J. Gladstone氏らが、前向き無作為化比較試験を行い報告した。NEJM誌2014年6月26日号掲載の報告より。原因不明の脳梗塞またはTIA発症患者を2群に分け評価 試験は、6ヵ月以内に原因不明の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)を発症した、心房細動歴のない55歳以上の患者572例を対象に行われた。なおTIA発症の被験者は、24時間心電図など標準的な検査を行ったが、その原因は不明だった患者を適格とした。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群(280例)には、非侵襲的な30日イベントレコーダー付き携帯型心電計による心電図モニタリングを、もう一方の対照群(277例)には、従来の24時間ホルター心電図検査によるモニタリングを行った。 主要評価項目は、試験開始後90日以内に新たに検出された30秒以上持続する心房細動だった。副次評価項目には、2.5分以上持続する心房細動や、90日時点における抗凝固療法の有無などが含まれた。30秒以上の心房細動検出率、携帯型心電図群はホルター心電図群より約13%上昇 結果、30秒以上持続する心房細動の検出は、携帯型心電図群は280例中45例(16.1%)であったのに対し、対照群では277例中9例(3.2%)の検出にとどまった(絶対差:12.9ポイント、95%信頼区間[CI]:8.0~17.6、p<0.001)。1例検出に必要なスクリーニング患者数は8例だった。 また、副次評価項目の2.5分以上持続する心房細動については、携帯型心電図群では284例中28例(9.9%)に認められたのに対し、対照群では277例中7例(2.5%)であった(同:7.4ポイント、3.4~11.3、p<0.001)。 試験開始後90日までに経口抗凝固薬の処方を受けた人は、対照群で279例中31例(11.1%)だったのに対し、携帯型心電図群は280例中52例(18.6%)と有意に高率だった(絶対差:7.5ポイント、同:1.6~13.3、p=0.01)。

28328.

人工喉頭プロヴォックスVega、日本国内で販売開始

 アトスメディカル名優は7月1日、人工喉頭「Provox Vega(プロヴォックスVega)」を日本国内にて販売開始した。 プロヴォックスVegaは、同社従来品に比べ空気流量特性が向上しており、気流の最適化により発声にかかる呼気圧が低減、声質向上が見込まれるという。 初回留置に必要な器具をすべてそろえたオールインワンセット「プロヴォックスVegaパンクチャーセット」、準備の工程を減らしより簡単に交換できる「プロヴォックス Vega(スマートインサーター付き)」の2種類を販売する。また、患者の気管食道壁の厚さに合わせるため、6サイズから選択できる。【製品問い合わせ先】アトスメディカル名優株式会社〒104-0033 東京都中央区新川1-3-17 新川三幸ビル2F電話 03-4589-2830(代表)/ FAX 03-5540-0890

28329.

EBMがもたらした、究極の“心血管イベント抑制”薬ポリピルは、実現するか(解説:石上 友章 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(224)より-

Lawらは、2009年BMJ誌に、冠動脈疾患、脳卒中の発症の予防に対する異なるクラスの降圧薬の効果を定量的に決定するとともに、降圧薬治療の適切な対象を検討する目的で、5種類の主要降圧薬群(チアジド系薬剤、β遮断薬、ACE阻害薬、ARB、Ca拮抗薬)を対象にした、1966年~2007年の間の臨床試験、全147試験のメタ解析を行った結果を報告した1)。 そのなかで、コホートデータと短期間の介入研究のデータから、降圧薬の効果は、年齢、治療前血圧、降圧薬服薬数にかかわらず、降圧(収縮期、拡張期)の程度に依存していることを明らかにするとともに、3種類の降圧薬を各標準用量の半量で併用すれば、同じ対象集団にいずれかの降圧薬を単剤標準用量にて投与した場合に比べ、冠動脈疾患・脳卒中のリスクはより低下するだろうと予測している。著者らはこの結果から、個々に血圧を測定し適応患者のみを治療するのではなく、一定の年齢を超えたらすべての人を対象に血圧を下げることを提案している。 同時期のLancet誌には、固定用量配合剤(Polypill)を用いた、The Indian Polycap Study(TIPS)の結果が報告されている2)。TIPSの観察値は、Law and Waldらの理論値と、必ずしも一致していないが、両論文によって生活習慣病に対する“populational approach”による、心血管病リスク抑制の戦略の正当性が、一部証明されたといえる。 ニュージーランドで行われた、Selakらの研究は、Polypillをプライマリ・ケアの現場で行った最新の研究の結果を報告している3)。アドヒアランスの改善はもたらされているものの、リスク因子のコントロール、心血管イベントの抑制には差がない。Polypill群で、37%が投与を中断しており、副作用による中断が72%であった。 Polypillは、公衆衛生的な効果をもたらしても、個人衛生には直結しないことを、あらためて示唆している。当分の間は、生活習慣病に対する医師の個々の裁量は、尊重されるのだろうか。

28331.

コーチングで多職種のチーム医療が高まった

「仁愛の精神のもとに、皆さまと共に考える医療をめざします」を病院理念に掲げ、神奈川県県央地域約34万人の急性期医療を担う海老名総合病院。病院長の内山喜一郎氏が就任後に行った、経営面でのバランスト・スコアカードの導入、その仕組みを支えるスタッフ間のコミュニケーション強化のためのコーチング導入など、さまざまな改革が功を奏し、安定した病院運営を行っている。今回は、コミュニケーションの活性化に向けてコーチングを導入したことで、病院がどのように変化したか、導入・推進の立役者である内山喜一郎氏、恩田美紀氏(看護副部長)に話を聞いた。■病院長就任時に与えられた課題達成のために--海老名総合病院の特色や抱えている課題についてお聞かせください内山氏当院は、海老名市を中心に県央約34万人の生命を守る急性期の総合病院です。2次救急ですが、心臓血管外科・循環器科・脳神経外科は3次救急まで対応できるのが特色です。100名を超える医師を中心に、総勢950名のスタッフの「総合力」で日々の診療に取り組んでいます。この「総合力」こそが、質の高い医療に必要とされる「チームの力」と考えています。私が、病院長就任時に与えられた課題が「全国レベルで名の通った病院にする」というものでした。2010年には今後の病院経営の核となる中長期(5ヵ年)計画を作り、「経営の可視化」と「人材育成」を最重要課題に据えました。経営については、戦略実行ツールとしてバランスト・スコアカード(BSC)*を導入しました。*バランスト・スコアカード組織のビジョンと戦略を、財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つ視点から具体 的なアクションへと変換して計画・管理し、戦略の立案、支援を行う経営ツールもう1つの課題である人材育成では、研修医を含めた全職種参加型の新入職員研修を毎年実施し、平成25年には法人本部と共同で、次世代を担う若手リーダー研修を開始しました。--導入のきっかけについてお聞かせください内山氏当院の血液内科は、東海大学医学部血液腫瘍内科から医師の派遣をしていただいています。その関係で教授の安藤潔氏に以前「コーチング」のことを教えていただいたことがあります。BSCを進めていくと、コミュニケーションの重要性がわかってきました。しかし、2011年に院内の職員満足度調査をしたところ、結果が芳しくなく、スタッフ間、特に上司・部下間のコミュニケーション問題が顕在化してきました。その時に安藤氏から聞いていた「コーチング」が頭に浮かんだのが、導入へとつながります。最初は、「まずは私自身が変わろう」と思い、自費でコーチングを1年間受けました。自分自身で体験した結果、コミュニケーションを円滑にし、患者さんやスタッフの満足度を高めるためには、コーチングは有効な手段だと思い、院内会議で提案し、了承後に病院全体でプロジェクトとして導入することになりました。■本当の自分をさらけ出す勇気--コーチング・トレーニング導入への準備や導入中の変化についてお聞かせください内山氏はじめに、病院の理念や「あしたの幸せをあなたと創る」という価値観をもとに、コーチングを院内プロジェクトとして進めるにあたり、病院側の主軸メンバー(事務局)とコーチ・エィのスタッフとで、何時間もかけてゴール設定について議論しました。そして、病院としてのゴールを、「職種の垣根を越えて、誰とでも安心して話せる、お互いに認め合って、職員と患者さんの幸せのために進んでいく病院」と定めました。前述の当院の「理念」の中には、「皆さまと共に」という言葉があります。これは、「チーム医療」を込めた思いであり、患者さんもチームに入ってもらうという思想があります。そのため、チーム医療で障害となる壁を作らないために院長就任時に「呼称変更」を実施し、当院では全員「さん」づけで呼ぶようにしています。恩田氏コーチング・トレーニングでは、職種の垣根を越えて、ステークホルダー(トレーニング参加中に、自分でコーチする人)を5人選ぶ必要があります。当院では、職種連携やチーム医療の質を高めるという目的があったので、自分と業務上接点のある人が選定基準となり、部署内から3人、部署外から2人選びました。この5人のステークホルダーとの対話の中で、初めて耳にする他部署(他職種)の事情や目標、課題意識が多くあり、「何て今まで自分は他部署を知らないでいたのか」と気付き、視野を広く持つことを心がけるようになりました。また、トレーニングの過程において、さまざまなタイミングや場所で、いろいろな人と話をすることで、対話の風土ができていきました。私自身も質問とフィードバックの対話を通じて、個々の人に注目し、関心を寄せるようになりました。逆にステークホルダーからのフィードバックでは、自分がどんな風に見られているのか、何を期待されているのかを知るのが楽しみでした。内山氏最初にコーチングを受ける際に少し抵抗があったのが、「360度フィードバック」でした。ステークホルダーからもフィードバックがあるということで、自分が周りからどう見られているのかを目の当たりにするのは、本当はちょっと複雑な気分でした。ですが、周りの人とは、落語にでてくる八五郎(八っつあん)と熊五郎(くまさん)のように、お互い底のところで相手を思いやる関係ができているからこそできる、遠慮のない言い合いが院内でもできたらいいなと思い、踏み切りました。今だから言えることは、先に素のままの自分を出してしまった方が、後で気持ちが楽ということです。ただ一歩踏み出すまでは、勇気が必要でした。■コーチングは専門の垣根を越えた共通言語を作る--コーチング導入後の効果や取組みについて、お聞かせください内山氏コーチングを学んだ職員はまだまだ多いとは言えませんが、導入の効果としては、院内のコミュニケーションが良くなり、スタッフの満足度が上がったのはもちろん、日常会話でもコーチングに関する話が増えるようになりました。例えば、部下のタイプを4つに分類する作業がありますが、これが面白くて結構当たっているので話題になったり、新しい取り組みとしては、『コーチングタイムズ』(年3回発行)という職員向けの広報誌を制作し、スタッフ全員に興味を持ってもらえるように、配布したりしました。また、コーチング・ミーティングをイベント化したり、慰労会も増えたような気がします。大きな成果としては、コーチングが院内に浸透していくことで、その評価が高まり、法人グループ全体に導入へ向けて裾野が拡がっていることでしょうか。もともと病院の戦略目標を達成するためのツールとしてBSCを導入し、業務改善に伴うアクションプランを可視化することはできていました。しかし、根底を流れるコミュニケーションが円滑でない限り、アクションプランの可視化はできても、中身が上手く回りません。そこで、コーチングが必要でした。円滑なコミュニケーションは、BSCを実働・加速させ、それが最終的には理念浸透と収益向上に繋がると感じています。BSCと業務改善とコーチングは、当院の経営の3本の柱とも言えるでしょう。--今後の展望や抱負についてお聞かせください恩田氏病院にはいろいろな専門職がいて、患者さんに医療を提供するのですが、コーチングのトレーニングを受けたリーダーが多くいれば、職種や部門の壁を越えて共有できる意識やマネジメントが多くなり、共通言語を用いたコミュニケーションがとれるようになります。そうすると、各部署のリーダー間のコミュニケーションもとりやすくなり、部下への接し方にも共通項ができて、チーム医療がよりよく進んでいくと思います。今後も部署や職種の壁を越えて、周りの人たちと対話する文化を作りながら、自分の変化も相手の変化も楽しく受け入れて、病院全体を変えていきたいと思います。内山氏個人的にコーチングを受けていてよかったことは、頭の中の混沌とした思考が具体的になり、整理できるようになったことです。また、リーダーは常に孤独ですから、思考が行き詰ったら自分のコーチに相談できることが素晴らしいと思います。これからもBSCとコーチングで実績を出し、これを法人グループ全体に展開していけたらと考えています。グル―プ各施設は所在地が離れていても、同じ意識や共通言語でつながっているということは、これからのマネジメントでは必要なことだと思います。病院の利用者の声も、以前よりも病院が「よくなった」というものが多くなりました。将来的には、コーチングを管理職のキャリアパスの中に取り入れたいと思っています。●病院概要名称社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院病院長内山喜一郎診療科目27科5センター病床数469床  入院基本料看護基準 7対1職員数950名その他地域医療支援病院取得、日本医療機能評価機構認定病院インデックスページへ戻る

28332.

超人一家【Dr. 中島の 新・徒然草】(025)

二十五の段 超人一家世の中、元気な高齢者はたくさんいますが、外来患者さんではこの人が1番かも。79歳女性、主訴不明。もともと何かの不調があったのだと思いますが、私もよく覚えていません。いつ頃からか、娘さんとともに3ヵ月毎に通院しておられます。趣味は野球、河原でお孫さんを鍛えてやっているのだとか。お孫さんは21歳で大学野球の選手です。中島「ホントに79歳で野球をしているんですか?」患者「ええ、私は元ソフトボール部でしたから」中島「すごい、すごすぎる」患者「寝る前にね、鉄アレイで投球練習をしているんですよ」中島「ええーっ!」患者「たった15回なんですけどね、朝起きるときに足がふらつかなくなりました」中島「それはいいですね。他の患者さんにもお勧めしようかな」私、よくやってるんです。ある患者さんから聞いた健康増進法を他の患者さんに伝授するってこと。中島「ちなみに一体、何キロの鉄アレイなんですか」娘さん「1キロです。でも鉄アレイは手が滑ると危ないから、やるんだったらペットボトルくらいにしといた方がいいですよ」患者「この前の日曜日は娘と孫と3人で野球をしました」中島「娘さんも野球をするんですか?」娘さん「私も昔ソフトボールをしていたんです。でも四十肩があるんで、なかなか思うように投げられません」中島「なんちゅう超人一家や!」患者さんによれば、投球練習といっても腕だけで投げるのではなく、全身を使って足を踏ん張るので、それがバランスをとる訓練になるんじゃないかということです。言われてみれば一理ありますね。ちょっと引っ掛かったのは娘さんの仰る四十肩です。79歳の娘で、21歳の母親ということは、その中間くらいの年齢になりますよね、普通。79足す21を2で割ると五十肩になるんじゃないでしょうか。つい突っ込みを入れたくなりますが・・・やめておきましょう。

28334.

うつ病と脳卒中リスクの関連、男性のほうが強い

 うつ病と脳卒中リスク増加との関連に人口統計学的および社会経済的要因が影響するかどうかについて、島根大学プロジェクト研究推進機構の濱野 強氏らが検討した。その結果、うつ病の脳卒中に対する影響は男性のほうが大きいことが示され、著者らは「男女における根本的なメカニズムを調べるためにさらなる研究が必要」としている。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌オンライン版2014年6月26日号に掲載。 この研究は、スウェーデンの一次医療センターの全国における症例のうち、30歳以上の男性13万7,305人と女性18万8,924人の追跡研究である。著者らは、追跡期間(2005~2007年)に、初発脳卒中4,718人(男性2,217人、女性2,501人)を同定した。うつ病と脳卒中との関連が人口統計学的または社会経済的要因によって異なるかどうかを評価するために、マルチレベルロジスティック回帰モデルを用いてオッズ比(OR)の計算と相互作用の検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・潜在的な交絡因子の調整後、うつ病は脳卒中リスクと有意に関連していた(OR 1.22、95%CI:1.08~1.38)。・うつ病の脳卒中に対する影響は女性より男性で大きいことが、相互作用試験により示された(男女間のORの差 1.30、95%CI:1.01~1.68)。すなわち、うつ病と脳卒中との関連は性別によって異なっていた。

28335.

3D乳がん検診で要精検率減少、浸潤がん検出率上昇/JAMA

 デジタル・マンモグラフィに3次元撮影技術のトモシンセシスを併用した乳がん検診の導入で、要精検率が減少し、がん検出率は上昇したことが、米国・アドヴォケイトルーザラン総合病院のSarah M. Friedewald氏らにより報告された。先行研究の単施設研究において、トモシンセシスの併用で、がん検出率が上昇し偽陽性率が低下したことが報告されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「さらなる検討で、臨床アウトカムとの関連を評価することが必要だ」と述べている。JAMA誌2014年6月25日号掲載の報告より。トモシンセシス併用導入前と導入後、13施設の検診成績を評価 研究グループは、マンモグラフィとトモシンセシスの組み合わせが、米国の乳がん検診プログラムの成績改善に関連しているかを調べた。 大学/非大学乳がんセンター13施設の検診成績を、施設に関する補正を行ったミックスモデルを用いて、トモシンセシス導入前(デジタル・マンモ単独)と導入後(デジタル・マンモ+トモシンセシス併用)について後ろ向きに分析した。トモシンセシスの導入時期は2011年3月~2012年10月で、それ以前の1年間(2010年3月~2011年10月)を導入前、以降の2012年12月31日までを導入後として検討した。 主要評価項目は、要精検率(画像診断の再検)、がん検出率、精検および生検の陽性適中率だった。浸潤がん検出は1,000検診当たり2.9から4.1に増大 評価検診数は、総計45万4,850例(マンモ単独群28万1,187例、トモシンセシス併用群17万3,663例)であった。 単独群では2万9,726例が要精検となり、生検5,056例においてがんと診断されたのは1,207例(浸潤がん815例、非浸潤がん392例)だった。一方併用群では、1万5,541例が要精検となり、生検3,285例においてがんと診断されたのは950例(浸潤がん707例、非浸潤がん243例)であった。 モデル補正後1,000検診当たりでみた要精検率は、単独群107(95%信頼区間[CI]:89~124)vs. 併用群91(同:73~108)であった(差:-16、95%CI:-18~-14、p<0.001)。同じく生検率は、単独群18.1(同:15.4~20.8)vs. 併用群19.3(同:16.6~22.1)(差:1.3、0.4~2.1、p=0.004)、がん検出率は、単独群4.2(同:3.8~4.7)vs. 併用群5.4(同:4.9~6.0)(差:1.2、0.8~1.6、p<0.001)であった。 また、浸潤がん検出率は1,000検診当たり単独群2.9(同:2.5~3.2)vs. 併用群4.1(同:3.7~4.5)(差:1.2、0.8~1.6、p<0.001)であったが、非浸潤がん検出率は両群とも1.4(95%CI:1.2~1.6)だった(差:0.0、-0.2~0.2、p=0.95)。 トモシンセシスを加えたことで、精検での陽性適中率は4.3%から6.4%に上昇し(差:2.1%、95%CI:1.7~2.5%、p<0.001)、生検の陽性適中率は24.2%から29.2%に上昇した(同:5.0%、3.0~7.0%、p<0.001)。

28336.

大腿骨頚部骨折手術、局所麻酔vs. 全身麻酔/JAMA

 大腿骨頚部骨折手術時の局所麻酔は全身麻酔と比較して、30日死亡を低下せず、入院期間の短縮はわずかであることが、米国・ペンシルベニア大学のMark D. Neuman氏らによる後ろ向き適合コホート研究の結果、示された。最近の診療ガイドラインでは、局所麻酔の使用が提唱されている。著者は「今回の分析では、局所麻酔について死亡に対する有益性があることは裏付けられなかった」と結論している。JAMA誌2014年6月25日号掲載の報告より。30日死亡率と入院期間について評価 研究グループは、大腿骨頚部骨折後の30日死亡率と入院期間を、手術時の局所麻酔(脊髄くも膜下または硬膜外麻酔など)vs. 全身麻酔で評価した。2004年7月1日~2011年12月31日に、ニューヨークの急性期治療を担う総合病院で同手術を受けた50歳以上の患者を対象とした。 主要分析は、遠近(near-far)操作変数マッチング法を用いて、局所麻酔が盛んに行われていると特定された病院近くに居住する患者と、同じく局所麻酔が回避され全身麻酔が行われていると特定された病院近くに居住する患者について評価した。 副次分析は、同一病院内および全病院の中で局所麻酔または全身麻酔を受けた患者をマッチさせて検討した。局所麻酔群、30日死亡率の有意な低下みられず、入院期間は有意だが0.6日の短縮 被験者は5万6,729例であり、1万5,904例(28%)が局所麻酔を、4万825例(72%)が全身麻酔を受けていた。全体で死亡は3,032例(5.3%)、入院期間のM推定値(M estimate)は6.2日(95%信頼区間[CI]:6.2~6.2)であった。 主要分析(対象患者計2万1,514例)では、麻酔法の違いによる30日死亡率の有意差はみられなかった。局所麻酔病院群に分類された患者1万757例における死亡は583例(5.4%)、全身麻酔病院群に分類された患者1万757例における死亡は629例(5.8%)で、操作変数推定リスク差は-1.1%(95%信頼区間[CI]:-2.8~0.5、p=0.20)だった。 30日死亡率について、副次分析でも同様の所見がみられた(病院内分析:5.2%vs. 5.3%、全病院分析:5.3%vs. 5.8%)。 入院期間は、主要分析では全身麻酔病院群よりも局所麻酔病院群で、0.6日(95%CI:-0.8~-0.4、p<0.001)の短縮がみられた。副次分析でも局所麻酔群の入院期間短縮がみられたが、その関連性は主要分析よりもわずかであった。

28337.

サノフィ 前立腺がん治療薬「ジェブタナ」(カバジタキセル)が製造販売承認取得

 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェズ・モールディング)は、7月4日、前立腺の効能・効果で「ジェブタナ点滴静注60mg(以下ジェブタナ)」(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)の製造販売承認を取得したと発表。 ジェブタナは、細胞内の微小管に作用して細胞増殖を阻害する抗がん剤。海外の第III相試験(TROPIC試験, NCT00417079)において、全生存期間の有意な延長を示した1)(ミトキサントロン併用群12.7ヵ月vs カバジタキセル群15.1ヵ月、HR=0.70、95%CI:0.59-0.83、P

28338.

ダーモスコピーによる黒色腫の診断感度、最も高いのは?

 ダーモスコピーによる黒色腫の診断は、ABCDルールとCASHアルゴリズムの感度が最も高いことが示された。トルコ・Zekai Tahir Burak Women's Health教育研究病院のEzgi Unlu氏らが、ABCDルール、7ポイントチェックリスト、3ポイントチェックリスト、CASHアルゴリズムによる診断感度と特異度、診断精度を比較して報告した。ダーモスコピーの診断アルゴリズムを比較した検討は今回初めて行われたという。Journal of Dermatology誌7月号(オンライン版2014年5月8日号)の掲載報告。 研究グループは、有毛部皮膚の色素細胞性病変の診断とダーモスコピー評価において、ABCDルール、7ポイントチェックリスト、3ポイントチェックリスト、CASHアルゴリズムの感度、特異度、診断精度を比較する検討を行った。 115例の患者の色素細胞性病変115例を、ダーモスコピーで後ろ向きに調べ、病理細胞診断と比較した。全病変に対して4つのアルゴリズムすべてを適用して検討した。 主な結果は以下のとおり。・ABCDルールは、感度91.6%、特異度60.4%、診断精度66.9%であった。・7ポイントチェックリストは、感度87.5%、特異度65.9%、診断精度70.4%。・3ポイントチェックリストは、感度79.1%、特異度62.6%、診断精度66%。・CASHアルゴリズムは、感度91.6%、特異度64.8%、診断精度70.4%であった。・上記のように、黒色腫診断において、ABCDルールとCASHアルゴリズムの感度が最も高かった。・先行研究論文では、CASHアルゴリズムを用いた色素細胞性病変の評価はあまりみられないという。

28339.

認知症の不眠にはメラトニンが有用

 認知症で不眠症を有する人には標準治療に徐放性メラトニン(prolonged-release melatonin:PRM)を追加投与することで、認知機能と睡眠維持にポジティブな効果をもたらすことが示された。英国・CPS Research社のAlan G Wade氏らが無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。最近の報告で、眠りが浅い熟眠障害とアルツハイマー病(AD)との関連が示されていた。研究グループは、ADの前臨床期においてすでに内因性メラトニン値が低下していることから、メラトニンの補充がADに有益となるのか、またその効果が睡眠障害に影響を及ぼすのかを調べた。Clinical Interventions in Aging誌オンライン版2014年6月18日号の掲載報告。 認知機能と睡眠についての標準治療へのPRM(2mg)の上乗せ効果を検討した試験は、6ヵ月間にわたって多施設共同二重盲検並行群比較にて行われた。被験者はプラセボ投与を2週間受けた後、PRMを毎夜2mgまたはプラセボを受ける群に割り付けられ24週間投与された。その後プラセボを2週間投与された。認知機能の評価は、AD評価尺度・認知機能検査(AD Assessment Scale-Cognition:ADAS-Cog)、手段的日常生活動作(IADL)、Mini-Mental State Examination(MMSE)にて、睡眠の評価についてはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、睡眠日記により行われた。また安全性についても評価した。 主な結果は、以下のとおり。・被験者は80例であった。男性50.7%、平均年齢75.3歳(範囲:52~85歳)、軽度~中等度ADの診断を受けており、不眠症あり・なし、標準治療(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬単独またはメマンチンを併用)を受けていた。・結果、PRM 24週治療群は、IADL(p=0.004)、MMSE(p=0.044)の評価において、プラセボ群と比べて認知機能の有意な改善が認められた。平均ADAS-Cogについては両群に差はみられなかった。・PSQIの4項目で評価した睡眠効率についても、PRM群が良好であることが示された(p=0.017)。・睡眠障害(PSQI≧6)を有する患者の分析では、PRM治療はプラセボと比べて、有意かつ臨床的に意義のある効果に結び付くことが、平均IADL(p=0.032)、MMSEスコア(+1.5ポイントvs. -3ポイント、p=0.0177)、睡眠効率(p=0.04)の評価において示された。ADAS-Cog中央値の評価において、PRM群は有意に良好であった(-3.5ポイントvs. +3ポイント、p=0.045)。・両群間の有意差は、治療期間が長期であるほど顕著であった。・PRMは忍容性も良好で、有害事象のプロファイルは、プラセボと類似していた。・今回の結果について著者は、「とくに不眠症を有するAD患者において、PRMはプラセボと比べて認知機能および睡眠維持にポジティブな効果があることが示された」と結論したうえで、「今回の結果から、熟眠障害と認知機能の低下には因果関係があることが示唆される」と述べている。関連医療ニュース 睡眠薬、長期使用でも効果は持続 自殺と不眠は関連があるのか 期待の新規不眠症治療薬、1年間の有効性・安全性は

28340.

エキスパートに聞く! 「SGLT2阻害薬」 パート2

日常診療で抱く疑問に、専門医がわかりやすく、コンパクトに回答するコーナーです。今回は「糖尿病診療」の中で今旬の話題である「SGLT2阻害薬」について、会員医師からの疑問にご回答いただきました。明日の診療から使えるコツをお届けします。体重を3kg程度減らすとされていますが、その現象がなぜ1年ほどで止まってしまうのか、ご教示ください。SGLT2阻害薬は、尿糖排泄を促進することによりエネルギー収支を負に傾け、体重を減少させます。その体重減少効果はおおむね6ヵ月で底値(平均約3kg減少)に達し、観察期間2年の報告では、その後有意な増加はなく維持されています。しかし、質問にありますように、投与後6ヵ月以降ではさらなる体重減少は認めにくいようです。観察期間2年の報告を見ても経過中の尿糖排泄量に変化はないようです。理論的には、一定の食事と運動を継続する限り、体重はどこかで安定すると考えられます。しかし、体重減少作用減弱の原因として摂食量の増加や糖の消費に伴うエネルギー消費効率の低下もある程度寄与する可能性は否定できません。SGLT2阻害薬投与マウスやSGLT2ノックアウトマウスでは、コントロール群と比較し観察期間を通して摂餌量が増加し、SGLT1、2ノックアウトマウスではさらに摂餌量が増加します。また、SGLT2阻害薬投与後のエネルギー消費を確認したヒトや動物での研究はまだ少ないですが、体重減少効果が減弱した時期に酸素消費量や呼吸商を検討した報告では、コントロール群とSGLT2阻害薬群で差はないとされています。(保険診療外において)糖尿病ではない患者に対し、体重減少を目的として使用した場合、その効果は期待できるのかどうか、ご教示ください。健常者にSGLT2阻害薬を投与した場合においても、尿糖排泄が増加します。通常使用量では25~60g/日の尿糖排泄が確認されており、100~240kcal/日のエネルギー喪失となるため、非糖尿病肥満者でも体重減少効果が認められると考えます。しかし、安易な使用は、中止後の体重のリバウンドや、尿糖排泄に伴う尿路・性器系感染症のリスクといった問題点を引き起こしかねず、非糖尿病者での使用は厳に慎むべきです。SGLT2阻害薬と併用薬による改善効果の違いはどの程度でしょうか、ご教示ください。SGLT2阻害薬は、既存の糖尿病治療薬とまったく異なる作用機序を有する薬剤であり、すべての糖尿病治療薬で併用効果があります。日本人2型糖尿病患者対象の、既存糖尿病治療薬との52週間併用試験の結果では、スルホニル尿素(SU)薬:-0.63~0.84%、グリニド薬:-0.59~0.76%、DPP-4阻害薬:-0.52~0.81%、ビグアナイド薬:-0.61~0.95%、チアゾリジン薬:-0.6~0.86%、α-グルコシダーゼ阻害薬:-0.68~0.84%と、既存薬間での違いは見られません。観察期間中の低血糖発現率は、SU薬:3.0~14.7%、グリニド薬:0~6.1%で、その他の薬剤:3%未満で、SU薬やインスリン製剤と併用する場合にはとくに低血糖に注意が必要です。体重減少効果は、SU薬とチアゾリジン薬で乏しい傾向ですが、52週時点でもSGLT2阻害薬投与前と比較し体重減少は少なく、SU薬とチアゾリジン薬のデメリットを低減すると考えます。その他既存薬との併用では-2.5~3.0kgの体重減少効果があります。腎機能が低下しつつある患者さんにも効果が期待できるでしょうか、ご教示ください。SGLT2阻害薬非投与時の2型糖尿病患者の尿糖排泄量(平均±標準偏差)は、腎機能低下に伴い、正常腎機能6.71±8.77g/日、軽度腎機能障害8.80±17.0g/日、中等度腎機能障害2.00±3.76g/日、重度腎機能障害0.553±0.247g/日と減少します(トホグリフロジン添付文書)。また、SGLT2阻害薬自体も腎機能低下に伴い、糸球体濾過量が減少します。このように、腎機能低下例では、糖およびSGLT2阻害薬の糸球体での濾過量が減少するため、SGLT2阻害薬投与時の2型糖尿病患者の24時間尿糖排泄量は、正常腎機能70~90g/日、軽度50~70g/日、中等度20~40g/日、重度腎機能障害10g/日と、腎機能低下とともに減少します。このような理由から、中等度腎機能低下例(30≦eGFR≦59mL/min/1.73 m2)のHbA1c改善度は-0.1~0.3%程度と減弱します。しかし、興味深いことに、腎機能正常例と比較し体重減少効果の減弱は認められず、その原因は現時点では不明です。また、高度腎機能低下または透析中の末期腎不全例では、効果がないことや副作用発現リスクを考慮し投与しないことになっています。副作用の発現時に、すぐに休薬すべきか、しばらく様子をみるかどうか、また、休薬時のポイントをご教示ください。●低血糖とくにインスリン製剤やスルホニル尿素(SU)薬と併用する場合に留意する必要があります。インスリン製剤やSU薬は血糖管理不良例で使用されていることが多いですが、SGLT2阻害薬の血糖低下作用は血糖管理不良例ほど大きく、インスリン製剤やSU薬と併用する場合には予期せぬ低血糖が起こる場合があり、低血糖リスク軽減のためインスリンやSU薬の減量を考慮する必要があります。ただし、インスリン製剤やSU薬使用例はインスリン分泌能低下例も多く、早めの受診を促し病態悪化阻止に努めるべきです。低血糖出現時には糖質摂取を促し、インスリンやSU薬を減量してください。●脱水投与早期(とくに1ヵ月以内)に多く、とくに、高齢者、利尿剤投与例、血糖コントロール不良例で注意が必要です。SGLT2阻害薬による尿量増加は200~600mL/日とされており、予防として500mL/日程度の飲水を促し、脱水を認めた場合は休薬と補液を考慮ください。●尿路/性器感染症とくに既往を有する例で注意が必要です。清潔を保持することで多くは予防可能ですが、症状出現時には速やかに受診するよう事前指導し、感染症治療を行うとともに、症状に応じて休薬を考慮ください。●ケトン体増加インスリン作用不足に起因する場合にはインスリン補充が必要であり、糖尿病性ケトアシドーシスの場合には、とくに速やかな対応が必要です。糖尿病性ケトアシドーシスでは3-ヒドロキシ酪酸が顕著に増加しますが、尿ケトン体定性検査は3-ヒドロキシ酪酸を検出できないため、過小評価となる危険性があるので注意してください。●休薬時の対応SGLT2阻害薬の休薬時には、病態に応じて薬剤の変更や追加が必要です。※エキスパートに聞く!「糖尿病」Q&A Part1はこちら

検索結果 合計:35665件 表示位置:28321 - 28340