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1型糖尿病治療における基礎インスリン(解説:住谷 哲 氏)-280

 インスリン分泌の枯渇している1型糖尿病患者においては基礎インスリンと追加インスリンとの両者を補充する生理的インスリン補充法(physiological insulin replacement)が必須である。とりわけ必要十分量の基礎インスリンを補充することが良好な血糖管理のカギとなる。この点で、基礎インスリン補充量を自在に調節できるインスリンポンプはインスリン頻回注射法(multiple daily injection: MDI)に一日の長がある。持効型インスリンアナログ(デテミル、グラルギン)登場前は中間型インスリン(NPH、レンテ)のほかに選択肢はなく(ウルトラレンテもあったが薬効が安定せず、ほとんど使用した経験がない)、1日数回の注射を必要とした。筆者自身は中間型インスリン投与時には不可避であった重症低血糖が、持効型インスリンアナログ、とりわけグラルギンの登場により大幅に減少したように感じているが、本研究はこの点も含めて、中間型インスリンと持効型インスリンアナログとの有用性をメタ解析およびネットワークメタ解析を用いて比較検討したものである。 「ネットワークメタ解析」は聞き慣れない用語であるが、単純にいえば、介入Aと介入Bとを比較した研究と、介入Aと介入Cとを比較した研究とを統合して、介入Bと介入Cとを比較する統計手法である。メタ解析は「他人のふんどしで相撲を取る」と揶揄されることが多いが、それの進化形であるネットワークメタ解析もその点は同様である。しかし今後は本論文のように、単なる薬剤の有効性(efficacy)ではなく、実臨床における有用性(effectiveness)を比較する研究(Comparative effectiveness research: CER)が主流となっていくと考えられる。その点で、本論文のlast authorがSharon E Straus(Sackett の弟子で、EBMのバイブルであるEvidence-Based Medicine: How to Practice and Teach It. Churchill Livingstone; 4th ed. 2010の筆頭著者)である点は注意しておいてよい。 論文の結論は、持効型インスリンアナログは中間型インスリンに比較して、よりHbA1cを低下させ、体重増加が少なく、重症低血糖が少ない、とするものであった。これらの点はわれわれの日常診療での経験と一致していると思われる。2型糖尿病患者においてはHbA1c 1%の低下により糖尿病関連エンドポイントが21%減少することが報告されているが1)、本論文で明らかにされたHbA1c 0.3%低下の成人1型糖尿病患者における臨床的意義については明らかではない。1型糖尿病患者においては、過去に重症低血糖を経験した場合、心血管イベント後の死亡率が増加することが明らかにされている2)。したがって、HbA1cの低下よりも重症低血糖の減少を評価すべきかもしれない。さらに両者の費用対効果も検討されているが、欧米と日本とでは1型糖尿病患者の有病率も、インスリン療法にかかる費用も異なるため、参考程度に留まる。 1型糖尿病患者の血糖管理は難しい。裏を返せば、それだけ医師としての職人技(art)が必要な領域であろう。しかし本論文に記されたような客観的事実(science)を基礎にしてこそ、医師としての職人技だと思われる。

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第29回 外科手術に100%を求める裁判所の姿勢への疑問

■今回のテーマのポイント1.整形外科疾患で一番訴訟が多い部位は「脊椎」である2.脊椎疾患に関する訴訟では、手術適応、手技ミス、術後管理、説明義務違反が主として争われている3.脊椎疾患に関する訴訟では、他の診療科の疾患に比し、手技ミスが容易に認められており、大きな問題である■事件のサマリ原告患者X被告Y病院争点手術手技上のミスによる債務不履行責任結果原告勝訴、1,260万円の損害賠償事件の概要55歳女性(X)。平成12年頃から、腰痛ならびに右下肢の痺れおよび疼痛が出現したことから、平成13年に近医受診したところ、第4腰椎と第5腰椎間に脊柱管の狭窄が認められ、腰部脊柱管狭窄症と診断されました。その後Xは、近医にて、理学療法を受けたり、鍼灸院に通院したりしたものの、症状が改善しなかったため、平成16年8月、Y大学附属病院を紹介受診しました。Y大学附属病院にて神経根ブロックを実施したところ、心拍数および血圧が急激に低下したため、Xに対する神経根ブロックは途中で中止となりました。検討の結果、今後も神経根ブロックを実施しないこと、Xに対し除圧手術を行うこととなりました。Xは、平成16年9月24日、除圧手術目的で入院となり、同月30日に内視鏡下で手術が行われました。執刀医であるA医師は、硬膜を露出させるために、エアドリルなどを用いて第4腰椎の椎弓を切除するとともに、ケリソン・ロンジュールなどを用いて、黄色靭帯の切除を開始しました。A医師が黄色靭帯の切除を続けるうちに、硬膜外腔の脂肪層が消滅し、黄色靭帯と硬膜とが広範囲にわたって癒着していることが明らかとなりました。そこで、A医師は、硬膜を直視下に確認できない状態のまま、剥離子を用いて硬膜と黄色靭帯とを剥離しながら、ケリソン・ロンジュールを用いて黄色靭帯を切除していきました。ところが、その後しばらくして、術野に髄液と思われる透明の液体が漏れ出してきました。A医師は、硬膜損傷の可能性を疑いましたが、硬膜を観察することはできなかったため、内視鏡下法から従来法に、術式を変更することとしました。A医師が硬膜を露出させたところ、露出した硬膜の左側において、硬膜およびクモ膜が円状(直径約1cm)に欠損しており、同欠損部分から馬尾が露出していました。また、欠損が生じていない部分についても、硬膜の菲薄化が進行していました。A医師は、狭窄箇所に対する除圧を十分に行った後、Xの傍脊柱筋から縦2cm × 横3cmの筋膜を採取し、上記欠損部分を覆うようにして、椎弓および軟部組織に上記筋膜を逢着し、手術を終了しました。 しかし、Xは、病室に戻った直後から、左下肢の痺れおよび疼痛を訴えるようになり、翌日以降には、左臀部、陰部の痺れおよび疼痛、ならびに膀胱機能障害が認められるようになりました。その後、加療したものの、症状の十分な改善はみられず、Xは、身体障害者福祉法施行規則別表第5号3級の「体幹の機能障害により歩行が困難なもの」に該当する障害と認定され、身体障害者手帳の交付を受けました。なお、Xが従前訴えていた右下肢の痺れ及び疼痛については、本件手術後、その大部分が消失しました。これに対し、Xは、手術手技上のミスなどがあったとして、Y大学附属病院に対し、約2,980万円の損害賠償請求を行いました。事件の判決A医師は、黄色靭帯と硬膜との剥離を開始する前の時点で、L4/5の硬膜外腔の脂肪層が消滅し、硬膜と黄色靭帯とが広範囲にわたって癒着していることを認識していたと認められる。ところで、証人の証言及び鑑定の結果によれば、黄色靭帯と馬尾を保護する硬膜とが癒着している場合、硬膜の菲薄化が進んでいることが多く、黄色靭帯の剥離に伴い、硬膜及び硬膜下に存在する薄いクモ膜に欠損が生じる可能性があることが認められる。また、前記で認定した事実及び鑑定の結果によれば、硬膜及びクモ膜に欠損が生じた場合、これらに保護された馬尾に損傷を生じる可能性があること、また、L4/5に存する馬尾に損傷が生じた場合、下肢の筋力低下、感覚障害並びに膀胱及び直腸の機能障害といった重篤な障害が生じ得ることが認められる。そうすると、A医師は、本件手術において、黄色靭帯を硬膜から剥離して除去する際、硬膜及びクモ膜に欠損を生じさせ、馬尾を損傷することのないよう、慎重に黄色靭帯の剥離を行い、剥離が完了した部分のみをケリソン・ロンジュール等を用いて除去すべき注意義務を負っていたというべきである。また、前記で認定した事実によれば、本件手術が従来法に比べて難易度の高い内視鏡下法により行われていたこと、内視鏡下法で開始された手術であっても、従来法に術式を変更することは比較的容易であることが認められるから、A医師の負っていた上記注意義務は、従来法により手術を実施した場合に比して軽減されるものではないというべきである。A医師は、硬膜を直視下に確認できない状態のまま、剥離子を用いて硬膜と黄色靭帯を剥離しながら、ケリソン・ロンジュールを用いて黄色靭帯を切除していった。その結果、原告の硬膜及びクモ膜に、直径約1cmの欠損を生じさせている。ところで、鑑定の結果によれば、本件手術に用いられたケリソン・ロンジュールは、1回の操作で数mmの組織しか切除することができないものであることが認められる。そうすると、A医師は、硬膜から剥離しきれていない黄色靭帯ないし硬膜そのものを、ケリソン・ロンジュールによって複数回にわたって切除したか、又は、これらをケリソン・ロンジュールによって把持した状態で牽引操作を加え、硬膜を引き裂いて原告の硬膜及びクモ膜に直径約1cmもの欠損を生じさせたと認めることができる。そして、このようなA医師の手技は、前記で判示した慎重に黄色靭帯の剥離を行い、確実に剥離された部分のみをケリソン・ロンジュール等を用いて除去すべき注意義務に反するものといわざるを得ない。したがって、A医師には手技を誤った過失があり、これは、被告の診療契約上の債務不履行に当たる。(*判決文中、下線は筆者による加筆)(鹿児島地判 平成24年4月11日)ポイント解説■整形外科疾患の訴訟の現状今回は整形外科疾患です。整形外科疾患で最も訴訟が多い部位が「脊椎」であり、ほぼ半数を占めています。次いで多い部位が下腿で、以下、大腿、股関節、手関節となっています(表1)。脊椎疾患は、疼痛や痺れなど症状はあるものの、従前、歩行していた患者が、突然、寝たきりとなってしまうことから、訴訟件数が多くなっています。このような背景からか、脊椎疾患に関する訴訟は、他の部位と比し、原告側の勝訴率も高く(76.9% 対 33.3%)、かつ、認容額も高く(1,888万円 対 1,154万円)なっています。 脊椎疾患に関する訴訟で最も多い疾患は、腰部脊柱管狭窄症で、次いで頸椎症性脊髄症となっています。そして、脊椎疾患に関する訴訟において主として争点となるのは、手術適応、手技ミス、術後管理(再手術決断の遅れを含む)、説明義務違反であり、裁判所が過失を認めた争点として最も多いのが術後管理(4/5件)であり、次いで説明義務違反(3/6件)となっています(表2)。画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大する■脊椎疾患における手技ミス脊椎疾患に関する訴訟において特徴的なのは、他の手術と比べ手技ミスが認められやすい(2/5件)点です。第18回でも解説したように、裁判所は、具体的な手術手技に著しい問題があった場合にのみ、手技上の過失を認めることが通常ですが、脊椎疾患については、手技上の過失を厳格に認める傾向があります。本事例においても、「A医師は、本件手術において、黄色靭帯を硬膜から剥離して除去する際、硬膜及びクモ膜に欠損を生じさせ、馬尾を損傷することのないよう、慎重に黄色靭帯の剥離を行い、剥離が完了した部分のみをケリソン・ロンジュール等を用いて除去すべき注意義務を負っていたというべきである。また、前記で認定した事実によれば、本件手術が従来法に比べて難易度の高い内視鏡下法により行われていたこと、内視鏡下法で開始された手術であっても、従来法に術式を変更することは比較的容易であることが認められるから、A医師の負っていた上記注意義務は、従来法により手術を実施した場合に比して軽減されるものではないというべきである」として、厳格に手技ミスを認めています。他の判例においても、「被控訴人が手術前四肢全体としては重度の障害があったというものの、術後は両下肢を全く動かすことができず手指もほとんど動かないといった質的に明らかに異なる四肢不全麻痺が出現していることに加え、前記頸椎後縦靱帯骨化巣の切除のためのエアトーム使用の際の危険性等に照らせば、乙医師が本件第1頸椎手術の際になんらかの原因で脊髄を損傷したものとみるのが自然かつ合理的であるから、控訴人の主張は採用することができない。そうすると、頸椎後縦靱帯骨化巣の前方からの切除術が難易度の高い手術であることを十分に考慮に入れても、上記損傷が不可避であった等の特段の事情について立証のない本件にあっては(なお、乙医師は、本件手術当時、500例を超える頸椎手術を経験していたこと、上記のとおり、本件手術に際しマイクロスコープを用いていたことのみでは上記特段の事情があると認めることはできない。また、損傷が不可避であるとすれば、このような手術方法を選択したこと自体の当否が問題とされるべきであろう)、乙医師が過誤によって脊髄を損傷したものであると推認すべきであって、乙医師は、上記〔1〕ないし〔3〕の際に、細心の注意を用い脊髄を損傷させないようにすべき注意義務があったにもかかわらず、これを怠った過失があるというべきである」(福岡高判平成20年2月15日)といったように損害が発生した以上は過失が推認され、病院側から特段の事情を主張立証する必要があるとするような判決まであります。いくら損害が重大であったとしても、このような裁判所の傾向は問題といえます。法律上、主張立証責任は原告が負っているのであり、原告から具体的な過失を提示されない限り、病院側は防御のしようがありません。あまつさえ、何も問題がなかったことを病院側で立証しろといった悪魔の証明を課すことは、およそ許されることではありません。2000年代に生じた医療バッシングの残骸(可哀想だから金を払え)が、脊椎疾患に関する訴訟に残っているように思われます。医療側は、批判を受け反省し、脊椎内視鏡手術については、現在、認定を受けた脊椎外科医のみが執刀できるようにしています。それでも残念ながら合併症がなくなることはありません。このような過酷な判断が繰り返され、萎縮医療が進むようなことがあれば、結局、不利益を受けるのは国民です。医療の現実を直視し、裁判所は冷静な判断をするよう切望します。(*判決文中、下線は筆者による加筆)※資料作成 森 亘平氏(浜松医科大学医学部医学科2年)裁判例のリンク鹿児島地判平成24年4月11日福岡高判平成20年2月15日本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

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115)健康的な朝食で糖尿病を予防【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先日、通天閣がブルーになっていましたけど、あれは何ですか?医師あれは、年に1回の「世界糖尿病デー」です。日本だけでなく、全世界でブルーサークルで糖尿病を予防しようという取り組みです。患者なるほど!?医師今年のテーマは朝食でブルーを実行しよう(Go Blue For Breakfast)です。健康的な朝食をとることは糖尿病の予防につながりますからね。患者確かに。医師朝食は和食ですか? それとも洋食ですか?患者パンとコーヒーだけのことが多いです。たまに、寝坊して忘れることもあるんですが・・・。医師そうですか。健康的な朝食にするには何が加わるといいですか?患者卵焼きとサラダですかね。それに、牛乳と果物かな。医師朝食は1日の始めですので、豪華なものでも大丈夫です。患者はい。わかりました。●ポイント世界糖尿病デー関連づけ、健康的な朝食について患者さんと一緒に考えます。 1) Reutrakul S, et al. Chronobiol Int. 2014; 31: 64-71. 2) 香川靖雄. 科学が証明する朝食のすすめ. 女子栄養大学出版部: 2002.

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糖尿病患者へのインフルエンザ予防接種、HbA1c値は抗体保有に影響するのか

 インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンは、1回の接種で、糖尿病患者の免疫力を十分なレベルまで高めることができ、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが、大阪市立大学の江川 裕美氏らによる研究で明らかになった。ただし、高齢者やBMIが低い患者では、免疫応答が低下する可能性があるという。Human vaccines & immunotherapeutics誌2014年5月号の報告。 糖尿病患者は、インフルエンザの感染やインフルエンザに関連する合併症のリスクが高いと考えられている。そのため、著者らは、糖尿病患者におけるインフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンの免疫原性を評価するために、前向きコホート研究を行った。 糖尿病患者49例にインフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンを接種し、ベースライン時と接種後3週後に赤血球凝集抑制抗体価を測定した。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン接種による重篤な有害事象は認められなかった。・感染症が疑われた1例を除き、48例について分析を行った。・赤血球凝集抑制抗体価は、ワクチン接種により、幾何平均抗体価の約9倍上昇した。・抗体応答割合は79%であった。・抗体保有割合は73%であった。・免疫応答は、より高齢の患者、BMIがより低値の患者ほど低い傾向を示した。・多変量解析の結果、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが示された。

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疼痛を伴うMSにデュロキセチンが有効

 米国・コロラド大学ヘルスサイエンスセンターのTimothy L. Vollmer氏らは、神経障害性疼痛をしばしば有する多発性硬化症(NP-MS)患者における疼痛処置としてのデュロキセチン(商品名:サインバルタ)の有効性と忍容性を評価する無作為化二重盲検試験を行った。その結果、NP-MS患者に対してデュロキセチンは有効であることを報告した。安全性プロファイルも他の患者集団で報告されたものと一致していた。NP-MS患者へのデュロキセチン治療は適応承認されていない。Pain Practice誌2014年11月号の掲載報告。 検討は、239例のNP-MS患者を対象に行われた。まず、被験者を、デュロキセチン60mg/日投与群またはプラセボを投与する群に無作為に割り付け、1日1回投与の6週間にわたる急性期治療フェーズの検討を行った(デュロキセチン投与群は30mgを1週間、60mgを5週間投与された)。その後、12週間の非盲検延長フェーズ(デュロキセチン30~120mg/日投与)の検討を行った。 被験者は、無作為化以前に、MSを有して1年以上、1日の平均疼痛(API)評価スコアが4以上の日が7日間のうち4日以上あった。なお患者の毎日のAPI評価は、電子日記において11ポイント制(0[疼痛なし]~10[最大級の痛み])で行われた。 主要有効性評価は週ごとのAPI評価の変化で、ミックスモデル反復測定分析により分析が行われた。治療完了や治療中断理由、治療関連有害事象の発生は、Fisher's 正確確率検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・デュロキセチン群は118例、プラセボ群は121例であった。・6週時点で、デュロキセチン群の患者はプラセボ群の患者と比較して、API評価における統計的改善が有意に大きかった(-1.83 vs. -1.07、p=0.001)。・治療完了について、群間で有意な差は認められなかった。・有害事象による中断は、デュロキセチン群がプラセボ群よりも統計的に有意に多かった(13.6% vs. 4.1%、p=0.012)。・食欲減退の報告頻度が、デュロキセチン治療患者で有意に高かった(5.9% vs. 0%、p=0.007)。

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精神科病棟への長期入院の予測因子は

 老年精神科の病床数は限られている。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、高齢者の精神科病院の入院期間の予測因子を明らかにするため検討を行った。その結果、入院期間は概して入院時の臨床特性により予測されることが明らかになった。長期入院の予測因子は、無能力、陽性症状が認められることであり、認知症は長期入院の予測因子ではなかったという。International Psychogeriatrics誌オンライン版2014年10月21日号の掲載報告。 研究グループは、2005~2010年における大都市の精神科病院の入院および退院データをレトロスペクティブに分析した。人口統計学的および臨床情報(入院72時間以内)を集約し、resident assessment instrument - mental health(RAI-MH)を用いて評価し、認知症と非認知症の高齢患者の比較を行った。なお入院期間の予測因子は、一連の一般線形モデルを用いて確認した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、認知症高齢患者169例、非認知症高齢患者308例であった。・本検討集団において、認知症の診断は長期入院の予測因子ではなかった。・内科併存疾患が複数あることは、入院期間と逆相関の関連性を示した。すなわち、併存疾患が多いほど入院期間は短く、また非認知症高齢者よりも認知症高齢者のほうが短かった。・認知症の有無にかかわらず、無能力および陽性症状は、長期入院の予測因子であった。・一方、入院時の疼痛は、短期入院の予測因子であった。関連医療ニュース 入院期間の長い認知症患者の特徴は?:大阪大学 日本の統合失調症入院患者は低栄養状態:新潟大学 統合失調症入院高齢患者、アジアでの多剤併用率は50%以上  担当者へのご意見箱はこちら

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ホスピスが入院や医療コストを抑制/JAMA

 米国の終末期がん患者のうちホスピスケアの利用者は非利用者に比べ、入院やICU入室、侵襲的手技の施行が少なく、医療コストも抑制されることが、ブリガム&ウィメンズ病院のZiad Obermeyer氏らの調査で示された。近年、米国ではがん患者のホスピス利用が増えている一方、ホスピス外でのケアの増加や入所期間が短縮しているが、ホスピスが保健医療の活用に及ぼす影響や、医療コストがホスピス利用に与える影響は明らかにされていなかった。JAMA誌2014年11月12日号掲載の報告。約3万6,000例の予後不良がん患者をホスピス利用の有無別に比較 研究グループは、終末期がん患者における保健医療の利用状況や医療コストを、ホスピスケア利用の有無別に検討した。対象は、1次診断で予後不良と判定されたがん(肺、膵、脳など)や転移性悪性腫瘍、再発・非寛解血液腫瘍などの患者であった。 解析には、2011年に死亡した出来高払制(fee-for-service)メディケア受給者の20%に相当する患者データを使用した。死亡前にホスピスに登録した患者と、ホスピスに入所せずに死亡した患者の背景因子(年齢、性別、地域、診断から死亡までの期間など)をマッチさせ、ホスピスケア開始前後の入院や処置などの医療サービスの利用、死亡場所、医療コストなどの評価を行った。 予後不良がん患者8万6,851例の診断から死亡までの期間中央値は13ヵ月(四分位範囲:3~34ヵ月)であり、このうち5万1,924例(60%)が死亡前にホスピスを利用した。 背景因子をマッチさせたホスピス利用者と非利用者、それぞれ1万8,165例を比較した。平均年齢は非ホスピス群、ホスピス群とも80歳、男性が48%ずつで、予後不良がんの診断から死亡までの期間中央値は213日、210日、固形がんが88.2%、91%であった。最後の1年間の医療コストが約8,700ドル安価に ホスピスケア開始後にがん治療を受けた患者は、ホスピス群が1%、同時期の非ホスピス群は11%であった。ホスピスケア期間中央値は11日であった。6ヵ月以上の利用患者は6%。 入院率は非ホスピス群が65.1%、ホスピス群は42.3%(リスク比[RR]:1.5、95%信頼区間[CI]:1.5~1.6)、ICU入室率はそれぞれ35.8%、14.8%(RR:2.4、95%CI:2.3~2.5)であり、いずれもホスピスケアを利用した患者で有意に低かった。 医療サービスの利用は非ホスピス群がホスピス群よりも多く、ほとんどががんとは直接に関連しない急性疾患の治療であった。侵襲的手技(動・静脈カテーテル、気管内挿管、輸血など)の施行率は非ホスピス群が51.0%、ホスピス群は26.7%(RR:1.9、95%CI:1.9~2.0)であり、長期療養型病院等での死亡率はそれぞれ74.1%、14.0%(RR:5.3、95%CI:5.1~5.5)と、いずれも大きな差が認められた。 ホスピスケア開始前1年間の1日平均医療コストは、ホスピス群が145ドル、非ホスピス群は148ドルであった。また、開始前1週間のホスピス群の1日平均医療コストは802ドルに達し、非ホスピス群よりも146ドル高額であった。これに対し、ホスピスケア開始以降、ホスピス群の医療コストは急激に減少し、死亡までの最後の1週間の1日平均医療コストはホスピス群の556ドルに比べ、非ホスピス群は1,760ドルに達し、その差は1,203ドルだった。 死亡までの最後の1年間のホスピス群の平均総医療コストは6万2,819ドルであり、非ホスピス群の7万1,517ドルよりも8,697ドル(95%CI:7,560~9,835)安価であった。 著者は、「非ホスピス群の患者の多くが、ホスピス群と同時期にがんとは直接関連しない急性疾患で入院またはICUへ入室していたが、その治療は患者の望むところではない可能性が高い」とし、「今回の知見は、終末期医療の現実について医師と患者間で率直に話し合うことの重要性を浮き彫りにするもの」と指摘している。

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HCV経口レジメン、グラゾプレビル+エルバスビル第II相試験/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症へのグラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法は、リバビリンの追加併用を問わず、未治療の肝硬変併存患者、ペグインターフェロン+リバビリン(PR-null)既治療が有効であった肝硬変併存患者または非併存患者において、12週投与、18週投与ともに高い効果を示したことが、米国・テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らによる第II相非盲検無作為化試験の結果、報告された。Lawitz氏は、「結果は第III相の試験実施を裏付けるものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。グラゾプレビル+エルバスビル、リバビリンありなしを検討 HCV治療については、インターフェロンを用いず、経口投与のみの短期間治療のニーズが高まっている。加えて、その治療対象患者は多岐にわたること(肝硬変が伴う患者、ペグインターフェロンやPR-nullが既治療の患者を含む)も求められている。 本検討では、ベースライン特性不良のHCV遺伝子型1型感染症の患者について、グラゾプレビル+エルバスビル併用療法、リバビリンあり・なしでの有効性、安全性を評価する「C-WORTHY」試験を行った。 本報告では、2つの試験集団について得られた所見を報告している。コホート1は、肝硬変を伴う未治療患者集団(123例)であり、コホート2は、PR-null既治療が有効だった患者(肝硬変のありなし問わず、130例)であった。 被験者の適格条件は、18歳以上の血中HCV RNA値は1万IU/mL以上のHCV遺伝子型1型感染症患者とした。 被験者は無作為に、グラゾプレビル(1日100mg)+エルバスビル(1日50mg)、リバビリン追加併用ありなしの12週投与または18週投与群に割り付けられ追跡を受けた。 具体的にコホート1では、60例が12週投与群に割り付けられ(リバビリンあり31例、なし29例)、63例が18週投与群に割り付けられた(同:32例、31例)。コホート2は、65例が12週投与群に(同:32例、33例)、65例が18週投与群(33例、32例)に割り付けられた。 主要エンドポイントは、12週治療後12週時点でのHCV RNA値が25 IU/mL未満を達成していた(SVR12)患者の割合とした。多様な患者集団でSVR12達成割合が90~100% SVR12の達成率は、リバビリン併用ありなし、治療期間の長さに関与しておらず、90%(コホート1の12週投与リバビリン併用、28/31例、95%信頼区間[CI]:74~98)から100%(コホート2の18週投与リバビリン併用あり、33/33例、同:89~100)と高率を示した。 12週投与のリバビリン併用なし群は、コホート1では97%(95%CI:82~100、28/29例)、コホート2では91%(同:76~98、30/33例)であった。 10%以上の報告があった有害事象は、疲労感(66例、26%)、頭痛(58例、23%)、無力症(35例、14%)であった。

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事例29 ツロブテロール(商品名: ホクナリン テープ)1mgの査定【斬らレセプト】

解説事例では、熱発にて初診を行なった7歳の患者に対して処方したツロブテロール(ホクナリン®)テープ1mgが、A事由(医学的に適応と認められないもの)を理由に査定となった。医師から、コメントで「咳が激しい」と訴えたが査定となった。その理由は何かと問い合わせがあり、調べてみた。レセプトを確認すると、傷病名欄には急性上気道炎のみの記載であった。他には急性上気道炎に対する薬剤が処方されているのみであった。急性上気道炎に対してホクナリン®テープの適応があるかどうか添付文書を精査した。添付文書の効能・効果には、「気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解に適応する」とある。したがって、レセプトに記載された急性上気道炎のみでは医学的に適用が認められないとしてA事由にて査定となったものであろう。経験則では、インフルエンザなどの医学的に気管支炎を伴う疾病が記載されていれば、急性気管支炎などの適用病名を記載しなくても査定となっていない。しかし、査定が増えている薬剤であるので、留意して算定をお願いしたい。

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統合失調症の治療目標、急性期と維持期で変更を:京都大学

 抗精神病薬は、統合失調症の治療の柱であり、その効果は数百件の無作為化臨床試験によって確立されたものである。しかしながら、ベースライン時の症状の重症度を問わず有効なのか、どれぐらい効果があるのかは解明されていない。京都大学の古川 壽亮氏らは、統合失調症の初期重症度と抗精神病薬の有効性についてメタ解析にて検討した。その結果、抗精神病薬の効果は、急性期およびより陰性症状が主体となっている統合失調症の、全スペクトラムにおいて期待できるとの示唆が得られたことを報告した。所見を踏まえて著者は、「医師は、スペクトラムで軽症に向かっている患者については、症状改善の効果が減少している一方で有害作用のリスクが高まっていることに気付かなくてはならない。同時に、寛解期の患者の再発予防を見据えた抗精神病薬の使用に配慮する必要があり、この点が本検討の主眼であった」と述べている。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号掲載の報告より。 研究グループは、統合失調症のベースライン時の重症度の違いにより抗精神病薬の効果が異なるのかを調べた。検討は、3件の急性期統合失調症患者が参加した試験(611例)と3件の陰性症状が主体となっている統合失調症患者が参加した試験(475例)の患者データをメタ解析し行われた。治療介入は、オランザピンまたはリスペリドンvs.プラセボ、アミスルピリドvs.プラセボであった。主要評価項目は、試験開始から6週時点までの、陽性陰性症状評価尺度(PANSS、スコア範囲:30~210)と、陰性症状評価尺度(SANS、スコア範囲:0~125)のスコアの変化であった。試験薬群およびプラセボ群の、ベースライン時からのスコア変化の関連性を8つの競合ミックス効果モデルで反復評価した。 主な結果は以下のとおり。・最適モデルでは、両タイプの患者において、ベースライン時の症状重症度と治療の相互作用は統計的に有意であった(p<0.01)。・ベースライン時の症状が重症であるほど、実薬群とプラセボ群の群間差は大きかった。・急性期の治療において、PANSSスコア変化の差の平均値は、ベースライン時の精神疾患が軽度の患者では9.5ポイント(ベースライン時のPANSSスコア58)、中等度では13.7ポイント(同75)、顕著では18.8ポイント(同95)、重度では24.0ポイント(同116)であった。・陰性症状が主体となっている患者の治療では、SANSスコア変化の差の平均値は、ベースライン時の精神疾患が中等度の患者では1.7(ベースライン時のSANSスコア55)、中等度では5.7(同70)、重度では9.7(同85)であった。関連医療ニュース 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か 急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学 アリピプラゾール経口剤⇒注射剤への切り替え、その安全性は  担当者へのご意見箱はこちら

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美容皮膚科、有害事象発生は1%未満

 米国・ノースウェスタン大学のMurad Alam氏らによる多施設共同前向きコホート研究の結果、レーザーや毒素、皮膚充填剤を用いた処置などの非侵襲性~微小侵襲性の美容皮膚科的な処置は、経験豊かな認定皮膚科医が行う限り安全であることを報告した。「有害事象が起きるのは患者の1%未満であり、発生例も大半は軽症または一過性のものであった」とまとめている。これまでも同手技については広く安全であると信じられており、有害事象の発生率は低いと報告されていた。しかし、信頼性の高い有害事象発生率のデータはほとんどないという。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年11月5日号の掲載報告。 本調査研究は、2011年3月28日~12月30日に、レーザーおよびエネルギーデバイスを用いた処置、毒素注射療法、皮膚軟部組織を用いたシミ・しわとり再生医療処置を行った外来・美容皮膚科専門のクリニック8施設で行われた。施設は全米各地に点在する民間医療機関で、計23人の皮膚科医から調査の協力を得られた(2万399手技)。 データの収集は、施設ごとに3ヵ月(13週)間にわたり、季節変動を考慮して施設ごとの開始日をずらして行われた。データの収集は各施設で毎日Webベースに入力する形で行われ、実施した処置についてカテゴリー別・サブタイプ別に記録がされた。 有害事象は次のように検出された。(1)関与している医師またはスタッフによる初期の観察で検出、(2)術後に自己報告することを奨励されていた患者からのアクティブな申告で検出、(3)スタッフから患者に行われた術後フォローアップの電話により検出、であった。有害事象は医師により観察されなかったが疑われた場合は、フォローアップ訪問が24時間以内になされ、その特徴付けが行われた。各有害事象に関する詳細な情報は、オンラインフォームに記録された。 主要アウトカムは、手技関連有害事象の全発生率(全実施手技÷全有害事象)。有害事象の発生は臨床検査と照合して確認が行われた。 主な結果は以下のとおり。・有害事象は48件、発生率は0.24%(95%信頼区間[CI]:0.18~0.31%)であった。・概して、手技36件で1件の有害事象が起き、発生率にして0.18%(95%CI:0.13~0.25%)であった。・重篤な有害事象は報告されなかった。・有害事象と既知のリスク因子との関連はまれなものであった。

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NASHへのオベチコール酸、組織所見は改善するが…/Lancet

 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療において、オベチコール酸による組織所見の改善率はプラセボの約2倍に達するが、その効果はNASH診断例を減少させるには十分でないことが、米国セントルイス大学のBrent A Neuschwander-Tetri氏らNASH Clinical Research Networkが行ったFLINT試験で示された。ファルネソイドX受容体は肝臓の脂肪や線維化を抑制することが、脂肪性肝疾患の動物モデルで確認されている。胆汁酸誘導体で、ファルネソイドX受容体のリガンドである6-エチルケノデオキシコール酸(オベチコール酸)は、この受容体のアクチベータである可能性が示唆されている。Lancet誌オンライン版2014年11月7日号掲載の報告。72週投与の有効性を無作為化試験で評価 FLINT試験は、NASHに対するオベチコール酸の有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験。対象は、年齢18歳以上、肝硬変がなく、肝生検で組織学的にNASHが確認され、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の活動性の3項目(脂肪化:0~3点、肝細胞風船様腫大:0~2点、肝葉炎症:0~3点)のスコアがいずれも1点以上で総スコアが4点以上の患者であった。 被験者は、オベチコール酸25mg/日を経口投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、72週の治療が行われた。主要評価項目は、線維化の増悪のない、NAFLD活動性スコアのベースラインから治療終了時までの2点以上の減少(組織学的改善)とし、中央判定が行われた。 2011年3月16日~2012年12月3日までに、米国の8施設に283例が登録され、オベチコール酸群に141例、プラセボ群には142例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢はオベチコール酸群が52歳、プラセボ群は51歳、男性がそれぞれ30%、37%で、BMI値は35、34であり、脂質異常症が62%、61%、高血圧が62%、60%、糖尿病が53%、52%、脂肪性肝炎が81%、79%に認められ、総NAFLD活動性スコアは5.3点、5.1点であった。組織学的改善率:45 vs. 21%、NASH消散率:22 vs. 13% 治療終了時の肝生検が不適と判定された64例を除く219例(オベチコール酸群:110例、プラセボ群109例)がITT解析の対象となった。この中には、生検の適応と判定されたが施行されなかった19例(8例、11例)が非改善例として含まれた。 肝の組織学的改善率は、オベチコール酸群が45%(50/110例)であり、プラセボ群の21%(23/109例)に比べ有意に高かった(相対リスク[RR]:1.9、95%信頼区間[CI]:1.3~2.8、p=0.0002)。 また、治療終了時に肝生検が行われた200例(102例、98例)では、線維化(35 vs. 19%、p=0.004)、肝細胞風船様腫大(46 vs. 31%、p=0.03)、脂肪化(61 vs. 38%、p=0.001)、肝葉炎症(53 vs. 35%、p=0.006)の改善率は、いずれもオベチコール酸群が有意に優れていた。 一方、NASH消散(治療終了時の肝生検で非NAFLDまたはNAFLDだが非NASH)と判定された患者の割合は、オベチコール酸群が22%(22/102例)、プラセボ群は13%(13/98例)であり、有意差はみられなかった(RR:1.5、95%CI:0.9~2.6、p=0.08)。 オベチコール酸群の検査所見(プラセボ群との比較)として、ALT(p<0.0001)、AST(p=0.0001)、γ-GTP(p<0.0001)、総ビリルビン(p=0.002)が有意に低下し、ALP(p<0.0001)が有意に上昇した。また、総コレステロール(p=0.0009)、LDLコレステロール(p<0.0001)が有意に上昇し、HDLコレステロール(p=0.01)が有意に低下した。さらに、インスリン(p=0.02)、HOMA-IR(p=0.01)が有意に上昇し、体重(p=0.008)が有意に減少した。 オベチコール酸群で、そう痒感の頻度が有意に高かった(23 vs. 6%、p<0.0001)が、他の有害事象の発現状況は両群で類似しており、全般に軽度~中等度であった。 著者は、「線維化などNASHの主要所見の改善がみられたものの、NASH診断例数を減らすには十分ではなかった」とし、「NASHに対するオベチコール酸のベネフィットを確証し、ファルネソイドX受容体リガンドによって誘導される血中脂質の変化の臨床的関連を確定するには、さらに長期の試験を要する」としている。

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肺炎球菌ワクチン導入で直接および間接的な効果/NEJM

 南アフリカ共和国では、2009年に小児への7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)定期接種が導入され、2011年からはPCV7に代わりPCV13の定期接種が行われている。同国National Health Laboratory Service(NHLS)のAnne von Gottberg氏らは、ワクチン定期接種導入前後の侵襲性肺炎球菌感染症発症の変化を調べた。その結果、2歳未満児と22~45歳の年齢群での効果が最も大きく、それぞれPCV7タイプの肺炎球菌髄膜炎の減少は89%、57%であったことなどを報告した。NEJM誌2014年11月13日号(オンライン版2014年11月11日号)掲載の報告より。ワクチン導入前と導入後の侵襲性肺炎球菌感染症の発生の変化を調査 2009年に導入された同国PCV7、PCV13の接種スケジュールは3回タイプのもの(生後6週、14週、36週時)で、2012年において1歳児の接種率(3回接種を完了)は推定81%であったという。 研究グループは、全国規模の検査施設ベースのサーベイランスを行い、ワクチン定期接種導入前(2005~2008年、ベースライン)から導入後2011年および2012年への疾患発生の変化を、同国ハイリスク年齢群(2歳未満、25~44歳)に焦点を当てて調べた。全年齢の侵襲性肺炎球菌感染症の発生は40%減少 8年間(2005~2012年)のサーベイランスで、3万5,192例の侵襲性肺炎球菌感染症症例を特定した。このうち70%で分離株を入手できた。年齢が不明な症例は5%であった。 全年齢における侵襲性肺炎球菌感染症の発生は10万人年当たり、ベースライン9.4例から2012年は5.7例へと相対比で40%減少していた。 減少率が最も大きかったのは2歳未満児群と25~44歳群であった。 2歳未満児群の発生は、54.8例から17.0例へと69%減少していた。このうちPCV7に含まれる血清型の発生例だけをみると32.1例から3.4例へと89%(95%信頼区間[CI]:-92~-86%)減少していた。 HIV非感染小児におけるPCV7血清型疾患の発生は、85%(95%CI:-89~-79%)の減少であった。一方で、同群ではワクチンに含まれていない血清型の発症例が33%(同:15~48%)増大していた。 25~44歳の成人では、疾患発生は3.7例から1.6例へと57%(同:-63~-50%)減少していた。 結果を踏まえて著者は、「小児と成人においてみられたPCV7血清型の侵襲性肺炎球菌感染症発生の減少は、ワクチン接種の直接的効果と間接的効果が反映された結果だと思われる」とまとめている。

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脳卒中急性期の高血圧管理は、効果がない? ~無数のCQに、臨床試験は応えられるのか -ENOS試験の教訓~(解説:石上 友章 氏)-279

 臨床試験は、臨床現場の葛藤に回答を与えてくれることが期待されている。結果の不確実な選択肢に対して、丁半博打のような行為を繰り返す愚を回避するための、有力で科学的な解決策である。しかし、臨床現場のクリニカル・クエスチョン(CQ)は、有限個であるとはいっても、無数に存在する。1つのCQに、1つの臨床試験が確度の高い回答を与えてくれるとは限らない。CQを解決するつもりで行った臨床試験が、未知のCQを発掘することもある。また、臨床試験にかかるコストは、費用だけではない。人的なコスト、時間的なコストも莫大にかかるので、こうしたコストに見合った結果が得られるのかは、重大な関心事であろう。 ENOS試験の結果、脳卒中急性期の高血圧を有する患者の90日後のmodified Rankin Scoreで評価する脳卒中後のperformanceについて、ニトログリセリン貼付剤の有効性は証明されなかった。一方、ニトログリセリン貼付剤による降圧効果は、有意に認められた。同時に、降圧薬を内服中だった対象について、降圧薬のon/offを比較したデザインの試験も実施したが、こちらも有意差がなかった。しかしながら、後者については、Barthel Index、 t-MMSE score、 TICS-M scoreには有意差がついており、発症前の降圧療法の継続は正当化される可能性がある。 脳卒中急性期の血圧上昇は、病態を修正する生理学的な適応なのか、あるいは出血を拡大する病態なのか、脳血流の維持をもたらす前者のような現象であれば、降圧療法は正当化されない可能性があるし、後者のような病態であれば、降圧療法は正当化されるであろう。ENOS試験では、急性期のニトログリセリン貼付剤による降圧は正当化されなかった。しかし、他の降圧薬の使用による降圧の有効性について、疑問を解決してはいない、新たな臨床試験が必要であろう。一方、ベースラインの降圧療法の継続は、正当化されそうである。 ENOS試験の結果は、脳卒中診療における重要なCQに回答を与える。しかし、本研究が、約12年にわたる(2001年7月20日~2013年10月14日)エントリー期間をかけていることは、少なからず驚愕に値する。本研究では、脳卒中急性期の誤嚥を意識して、経口薬ではなく貼付剤を選択している。研究に関わる資金源は、各国の公的な資金を元にしており、COIについても、中立性が高い。これほどの長期間にわたるサポートがなされたことは、敬意に値する。しかし12年の間に、脳卒中診療も激変しているだろう。どこまで時宜に即している研究か、一定の基準に基づいたEBMの定性的な評価も必要であろう。

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65)腎機能低下患者さんへの日常生活でのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、腎機能の検査結果はどうですか? 医師前回とほぼ同じくらいの値です。 患者腎機能が悪くなっていないか心配で・・・。 医師確かに、そうですね。腎臓に関しては、どんなことに、気をつけておられますか? 患者減塩にはかなり気をつけています。それに、なるべくたんぱく質はとらないようにしているんですが、なかなかできない時もあって・・・。 医師そうですか。減塩の方はきちんとできているようですね。あと、気をつけて欲しいのは、生活リズムの改善です。 患者生活リズムの改善!? 医師そうです。十分な睡眠時間をとってください。特に、5時間未満は寝不足です。もちろん、9時間以上の寝過ぎも良くないのですが・・・。 患者はい。わかりました。早めに寝て、睡眠時間を確保するようにします。●ポイント減塩やたんぱく質制限に加え、生活リズムの改善をわかりやすく説明します 1) Ohkuma T, et al. Plos One. 2013; 8: e78968.

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アリスミアのツボ Q15

Q15新規抗凝固薬が3種類もあるのですが、同じでしょうか? 異なるならどのような考え方で臨めばよいのでしょうか?私は、「同じではない。異なる」と思っています。※当該質問は2014年8月にいただいたものです。現在の状況とは異なりますのでご了承ください。添付文書をみても大きく異なるARBなどのように「クラス」といわれる薬物があります。小さな違いはあるにせよ、大きな違いがないからそのように呼ばれるのでしょう。新規抗凝固薬は「NOAC」と呼ばれるので、あたかもクラスのようです。しかし、それぞれの添付文書をみてみましょう。禁忌も異なれば、用法用量も異なれば、用量選択も異なれば、慎重投与対象や薬物相互作用も異なっています。各新規抗凝固薬を用いた大規模臨床試験の結果も異質性があるのですが、そんなことを考えなくても添付文書がこれらの薬物は明らかに大きく異なることを教えてくれています。大規模臨床試験の結果をつぶさにみても迷路にはまる異なるのであれば、どれがベストの薬かと考えたくなり、臨床効果を検討した大規模臨床試験の成績をみて、対照薬であるワルファリン群との優越性や非劣性に注目したくなります。私もそのような時期がありましたが、結局迷路にはまるだけでした。ワルファリン群というのが曲者で、それぞれの試験で微妙に目標となるPT-INRが異なったり、コントロールの質が異なったり・・・。ワルファリン群というと1つの群のようですが実に種々雑多なものの寄せ集めです。寄せ集めを標準として、間接的にNOAC同士を比較してもナンセンスでしょう。そもそも、ベストなNOACというものはないのですから・・・。重要なのは「価値観」と「薬物の強み」それ以来開き直りました。患者が何を望んでいるか、自分が患者に何をしてあげたいかから出発することにしました。それが価値観です。患者によって異なるはずですが、NOACを用いる際の価値観は、「脳梗塞をできるだけ少なくしたい」、「大出血をできるだけ少なくしたい」、「薬物アドヒアランスをできるだけ上げたい」、「患者が支払う窓口コストをできるだけ下げたい」の4つぐらいでしょう。そして、この4つをすべて満たす薬物はないのですから、どれが最も重要かという点で、患者と医師が価値観の共有をすべきだと思います。患者が「先生にお任せします」という場合は、自分が最も重要だと思うところを伝え共有してもらうのです。価値観が決まれば薬の選択は容易もちろん、患者の背景因子(たとえば腎機能)によって、使える薬が限定されてしまう場合がありますが、そのときはそれを使うしかありません。しかし、そのような限定条件がないのであれば・・・、価値観が薬物を決定してくれると思います。「脳梗塞をできるだけ少なく・・・」ダビガトラン 150 mg 1日2回「大出血をできるだけ少なく・・・」腎機能低下例ではアピキサバン(用量は添付文書に沿う)腎機能良好例では ダビガトラン 110 mg1日2回「服薬アドヒアランスをできるだけ高く・・・」リバーロキサバン(用量は添付文書に沿う)「窓口コストをできるだけ低く・・・」ワルファリン異論や反論はもちろんあるでしょう。あくまでも、私はこう考え、こうしているということを紹介しました。そして、このように考えるようになってから、患者の価値観は実に人によってさまざまであるということも知りました。

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2つのNMDA受容体拮抗薬、臨床像はなぜ異なるのか

 メマンチンとケタミンは、いずれも臨床的にNMDA受容体のオープンチャンネル阻害により著明な薬理学的効果を示すが、臨床像は明確に異なる。米国・ワシントン大学のChristine M. Emnett氏らは、NMDA受容体チャンネル阻害と陽性アロステリック修飾物質(positive allosteric modulators:PAM)の相互作用について検討した。著者らは、以前の検討においてこの両者の違いを明らかにしNMDAの重要性を明確にしたが、PAMが薬理学的な阻害活性や阻害の違いに影響を与えているのかどうかについては不明なままであった。British Journal of Pharmacology誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。 研究グループは、2つの異なるPAMであるSGE-201(内因性オキシステロール24S-hydroxycholesterol)とPS(pregnenolone sulfate)について検討した。チャンネル機能の陽性修飾により、単細胞内またはネットワーク内のメマンチンおよびケタミン下の行動が変わるのかどうかを調べた。 主な所見は以下のとおり。・SGE-201とPSは、チャンネルブロッカーの定常状態阻害や電位依存性に影響していなかった。・一方でPAMは、メマンチンとケタミンのphasic EPSCへの活性をいずれも増大した。薬理学的な差は現れなかった。・SGE-201は、電圧上昇の間に、遮断薬の再平衡化を加速した。・また、SGE-201は、神経ネットワークにおける阻害効果の違いも明らかにした。多電極アレイによる活性抑制の測定、および、軽度の興奮毒性発作に対する神経保護作用の測定によって明らかにできた。・NMDA受容体を強化する一方で、基礎活性レベルの維持またはNMDAR機能を強化しない活性/脱分極の増大は、ネットワーク機能抑制や神経保護における薬理学的な阻害効果の違いを明らかにするのに十分であった。関連医療ニュース 抗グルタミン酸受容体抗体が神経疾患に重大関与か マグネシウム摂取と脳内NMDA受容体の関与が明らかに 精神疾患におけるグルタミン酸受容体の役割が明らかに:理化学研究所  担当者へのご意見箱はこちら

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