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抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか

 抗精神病薬のアドヒアランスは統合失調症の治療成績向上に寄与するが、アドヒアランス行動に最も影響している要因についてのコンセンサスはない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのKyra-Verena Sendt氏らは、その要因を特定すべくシステマティックレビューを行った。対象論文の選定は方法論的に難しく、多くの研究が小規模であり、アドヒアランス率も大きく異なっていたが、いくつかの要因について知見が得られた。著者らは、「この分野の研究では横断的デザインが広く用いられているが、臨床的に意義のある枠組みを提示するためには自然主義的で長期にわたる大規模な前向き研究を優先的に行うべきである」とまとめている。Psychiatry Research誌2015年1月号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症スペクトラム障害の薬物療法に対するアドヒアランスに関与する要因を特定する目的でアドヒアランス、抗精神病薬、統合失調症に関する論文を検索し、方法論的に厳密な研究を適格とした。計13件(6,235例)の観察研究データがレビューに組み込まれた。 主な結果は以下のとおり。・報告されたアドヒアランス率は、47.2~95%と大きく異なっていた。・薬物療法に積極的に取り組む姿勢および病識が、より良好なアドヒアランスと一貫して関連する唯一の要因であった。・社会人口統計学的特性、症状の重症度、副作用とアドヒアランスとの関連については、矛盾した結果が得られた。・個別の治療関係、若年者における社会的支援は、良好なアドヒアランスと関連していた。・抗精神病薬の種類や剤形、神経認知機能はアドヒアランスに影響しないことが示唆された。関連医療ニュース 調査:統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況 持効性注射剤のメリットは?アドヒアランスだけではなかった アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は  担当者へのご意見箱はこちら

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事例39 創傷処置の査定【斬らレセプト】

解説事例では、虫刺されによる腫脹に対する処置をJ000 創傷処置100cm2未満で算定したところ、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)にて査定となった。創傷処置とは、創や傷に対する処置であり、傷病名によって創や傷の存在が推定できる場合に算定できるとされている。創傷処置の留意事項には、「軟膏の塗布又はシップの貼付のみの処置では算定できない」とある。軟膏の塗布に対しては、J053皮膚科軟膏処置を算定することが定められている。事例の虫刺症と腫脹からは、創や傷の存在が推定できない。よって、創傷処置の算定基準から外れたとして査定となったものと思われる。もしも軟膏などの塗布が実施されたのであれば、皮膚科軟膏処置の算定が妥当であろう。しかし、皮膚科軟膏処置における処置範囲が100cm2以下の場合は、基本診療料に含まれて算定できない。創や傷の存在が不明瞭な病名で創傷処置を算定する場合には、掻き傷など明らかに創傷が存在することが審査機関に伝わるように病名や注記をあらかじめ記入することが必要となる。

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ブルーリボンキャラバン2015 in東京 ―もっと知ってほしい「大腸がん」のこと【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科、同院腫瘍センターとNPO法人キャンサーネットジャパンは、3月14日(土)に東京医科歯科大学M&Dタワー2階 鈴木章夫記念講堂にて、大腸がん啓発のための無料市民公開講座を開催する。一般市民だけではなく、専門以外の医師やメディカルスタッフにとって、大腸がんの診断・治療についての知識の整理・アップデートのよい機会になると思われる。ブースでは「内視鏡操作体験」「中心静脈ポートに針を刺す」などの体験もできる。総合司会は、フリーアナウンサーの中井 美穂 氏。また、今回はブルーを身に着けてきた来場者にプレゼントも用意されている。開催概要は以下のとおり。イベントの詳細はこちら【日時】2015年3月14日(土)    《セミナー》 10:00~16:15(※開場9:30~)    《展示ブース》 9:30~16:45【場所】東京医科歯科大学 M&Dタワー2階 鈴木章夫記念講堂    〒113-8510 文京区湯島1-5-45 (JR・東京メトロ 御茶ノ水駅近く)【参加費】無料(当日参加者には冊子のプレゼントあり)【定員】500名(定員になり次第締め切ります)【予定内容】10:00-10:05 開会挨拶 NPO法人キャンサーネットジャパン10:05-10:15 特別挨拶 増え続ける大腸を克服するために       (渡邉 聡明 先生 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科 教授/大腸研究会 ガイドライン委員長)10:15-10:30 体験談 口腔治療医が進行大腸に罹って       (山本 悦秀 先生 金沢大学 名誉教授/城南歯科医院 理事長)10:30-11:00 講演(1) 大腸がん/大腸ポリープの診断・検査の実際       (石黒 めぐみ 先生 東京医科歯科大学大学院 応用腫瘍学講座)11:00-11:30 講演(2) 大腸がんの外科的治療とその後の生活       (板橋 道朗 先生 東京女子医科大学 第二外科)11:30-12:00 講演(3) 大腸がんの薬物療法(抗がん剤・分子標的薬)       (篠崎 英司 先生 がん研有明病院 消化器センター消化器内科)12:00-12:10 案内 出展ブース紹介12:10-13:15 (昼休憩)13:15-13:20 挨拶 NPO法人キャンサーネットジャパン13:20-15:20 映画上映 『ぼくたちの家族』15:20-15:30 休憩15:30-16:00 パネルディスカッション       『がんになったらどうする? お金と情報のこと』16:00-16:10 情報提供 がん相談支援センター 活用のすすめ16:10-16:15 閉会挨拶 NPO法人キャンサーネットジャパン9:30~16:45 ホワイエ(ブース展示) ・大腸がんの検査・治療に使用する機器など、さまざまなブース展示を行います。 ・展示スペースはどなたでもご自由に観覧いただけますのでお気軽にお越しください。【申込み方法】①インターネットでの申し込みはこちら②メールでの申し込み 0314brc@cancernet.jp③FAXでの申し込み 03-5840-6073 「3月14日セミナー申込み」係宛④往復はがきでの申し込み(3月8日必着) 〒113-0034 東京都文京区湯島1-10-2 御茶の水K&Kビル2F キャンサーネットジャパン「3月14日セミナー申込み」係宛※②③④のいずれでかでお申し込みの際は、下記1~3をご記載ください。 1.名前(フリガナ) ※複数名でご参加の場合は、参加される方全員のお名前もご記載ください。 2.立場(患者・家族・医療従事者・学生・行政関係・ヘルスケア関連企業・メディアなど) 3.連絡先(①メール、②FAX、③電話、のいずれか)※お申し込みの前にイベントポリシーを必ずお読みください【共催】東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科/東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター/NPO法人キャンサーネットジャパン【協賛】メルクセローノ株式会社【後援】東京都/公益社団法人東京都医師会/一般社団法人日本治療学会大腸研究会/公益社団法人日本オストミー協会/NPO法人ブレイブサークル運営委員会

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小児アトピー性皮膚炎へのアザチオプリンの安全性

 アザチオプリンは重度の小児アトピー性皮膚炎の治療に有効であることが知られているが、安全性に関するデータは不足していた。英国・Great Ormond Street Hospital for Children NHS Foundation Trust/St George's HospitalのNicholas R. Fuggle氏らは、臨床所見を後ろ向きに調査し、アザチオプリン経口投与を小児アトピー性皮膚炎の治療として用いた場合、重大な有害事象は少ないことを明らかにした。著者らは適切な血液モニタリングと用量調整を推奨している。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年1月号(オンライン版11月4日号)の掲載報告。 研究グループは、小児アトピー性皮膚炎患者におけるアザチオプリン投与中の血液モニタリングに関する提言をまとめるため、2010~2012年にアトピー性皮膚炎の治療でアザチオプリンが処方され前向きに血液が採取された小児82例について、有害事象などを後ろ向きに評価した。 主な結果は以下のとおり。・アザチオプリン治療の開始年齢は、平均8.3歳(標準誤差[SEM]0.4歳)であった。・アザチオプリンの最大投与量は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ(TPMT)活性正常例で平均2.4mg/kg(SEM 0.1mg)、低活性例で1.5mg/kg(SEM 0.1mg)であった。・治療開始から中央値0.4年後において、血液検査値異常を含む有害事象が82例中34例(41%)にみられた。18例(22%)は重大な血液検査値異常(肝トランスアミナーゼ上昇、リンパ球減少および好中球減少)で、うち2例が投与中止となった。・臨床的な有害事象は82例中16例(20%)にみられ、2例が投与中止となった。・多変量解析の結果、有害事象の発現は年齢、性別、TPMT活性および投与量と関連していなかった。

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血液透析患者は「肉・魚・野菜」をバランスよく

 血液透析患者の実際の食事パターンと臨床転帰との関連性については、ほとんど知られていない。九州大学の鶴屋 和彦氏らは、わが国の血液透析患者における食事パターンを特定し、臨床転帰との関連を調べた。その結果、肉・魚・野菜のバランスが悪い食事(肉・魚に比べて野菜の摂取量がかなり多い)は重大な臨床転帰と関連していた。この結果から著者らは「血液透析患者は食物摂取の制限だけではなく、この3群についてバランスのよい食事をするように努力すべきであることを示している」と指摘した。PLoS One誌2015年1月21日号に掲載。 著者らは、久山町研究(2007年)における一般集団の参加者3,080人のデータ、およびJapan Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study(JDOPPS、2005~2007年)における血液透析患者1,355人のデータを使用し検討した。食物摂取量は、簡易式自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いて測定した。食事パターンと有害な臨床転帰(心血管疾患による入院または全死亡)の関連性について、Cox回帰を用いて検討した。  主な結果は以下のとおり。・肉、魚、野菜の3つの食品群を同定し、これらを基に「バランスのよい食事」「バランスの悪い食事」「その他」の3つの食事パターンに分類した。・潜在的交絡因子の調整後、「バランスの悪い食事」と重大な臨床イベントとの間に関連性が認められた(ハザード比1.90、95%CI:1.19~3.04)。

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うつ病患者の疲労感を評価する新ツール

 疲労は、大うつ病性障害(MDD)における最も顕著な症状の1つである。米国・Evidera社のLouis S. Matza氏らは、MDD患者の疲労とその影響を評価する質問票「Fatigue Associated with Depression Questionnaire(FAsD)」およびその改訂版(FAsD-V2)の内容の妥当性を評価するため、検討を行った。その結果、概念を引き出すためのフォーカスグループ法、認知インタビューなどから、FAsDおよび FAsD-V2の内容の妥当性を支持する結果が得られたことを報告した。The Patient誌オンライン版2015年1月23日号の掲載報告。 研究グループは、MDD患者における疲労とその影響を評価するために開発されたFAsDおよびFAsDバージョン2(FAsD-V2)の妥当性について、質的研究を実施した。米国全土のクリニックから登録された患者を対象とした。質的研究は、3期で構成され、第I期では概念を引き出すためフォーカスグループ法を行い、続いて認知インタビューを実施。第II期では、より的を絞った対象で第I期と同様の方法で調査を行った。第III期では、第II期以降に加えられた細かい修正が質問票の包括性に変化をもたらすか否かを調査するため、認知インタビューを行った。概念抽出に際しては、患者の疲労とその影響に対する認識に焦点を当て、認知インタビューでは質問票における理解、明確性、妥当性、包括性に焦点を当てた。データは半構造的ディスカッションガイドを用いて収集。テーマ分析を行い、浸透度を検討した。 主な結果は以下のとおり。・MDD患者98例を対象とした。・第I期、第II期の概念抽出における患者の発言は、作成された項目とその内容を支持するものであった。・認知インタビューでは、的を絞った集団における質問票の妥当性が支持され、指示、項目、回答の選択肢、想起期間に対する患者の理解が良好であることが示された。・FAsD-V2に対する細かい指示の変更は質問票の解釈に影響しなかった。 ・今回の質的研究では、FAsDおよび FAsD-V2の内容の妥当性を支持する結果が示された。これまでの量的精神測定分析の結果を、さらに強めるものであった。関連医療ニュース うつ寛解のポイントは疲労感 うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題 うつ病診断は、DSM-5+リスク因子で精度向上  担当者へのご意見箱はこちら

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腎除神経術は有効か?/Lancet

 これまでの検討で、治療抵抗性高血圧患者に対する腎除神経術の降圧効果は相反する結果が報告されている。フランス・パリ第5大学のMichel Azizi氏らは多施設共同前向き非盲検無作為化対照試験DENERHTNを行い、同患者へは段階的降圧薬治療(SSAHT)単独よりも、腎除神経術を併用したほうが、降圧効果が有意に大きいとの結果が得られたこと(6ヵ月時点の評価)を報告した。しかし著者は、いまだ腎除神経術の有効性、安全性評価の確立や、同手術による降圧の予測因子を明確にする必要があることを指摘し、「腎除神経術による降圧効果が長期に持続することが判明すれば、今回示された降圧効果が心血管罹患率の低減に寄与する可能性はある」と考察している。Lancet誌オンライン版2015年1月25日号掲載の報告より。腎除神経術+SSAHT vs. SSAHT単独で比較 DENERHTNは、フランス国内15ヵ所の3次医療センターで行われた。対象は、18~75歳の治療抵抗性高血圧患者で、無作為化前の4週間、標準的な3剤併用降圧治療(インダパミド1.5mg/日、ラミプリル10mg[またはイルベサルタン300mg]/日、アムロジピン10mg/日)の下でABPM測定を行い(たとえば4剤併用治療中だった患者は同3剤に切り替え)、治療抵抗性が確認された患者を適格とした。 適格患者は1対1の割合で、腎除神経術+SSAHTを受ける群(腎除神経術群)またはSSAHT単独群(対照群)に無作為に割り付けられた。腎除神経術は無作為化後2~4週に米国メドトロニック社製のSymplicityを用いて行われた。各センターでの施術は1~2人の専門医により行われた。 無作為化後のSSAHTは、両群とも血圧値が135/85mmHg以上となった場合、2~5ヵ月の間に順次、スピロノラクトン25mg/日、ビソプロロール10mg/日、プラゾシン5mg/日、リルメニジン1mg/日が追加された。 主要エンドポイントは、ABPM評価による日中の収縮期血圧のベースラインから6ヵ月時の変化の平均値とした。分析は盲検的に行われた。また安全性のアウトカムは、腎除神経術に関する急性有害事象の発生率、およびベースラインから6ヵ月時の推定糸球体濾過量(eGFR)の変化であった。降圧効果は腎除神経術+SSAHT群が有意に大きい 2012年5月22日~2013年10月14日に、1,416例の患者が適格性の有無に関してスクリーニングを受け、そのうち106例が無作為に割り付けられた(各群53例:intention-to-treat集団)。分析は、エンドポイントが得られなかった患者を除く101例で行われた(腎除神経術群48例、対照群53例:修正intention-to-treat集団)。 結果、主要エンドポイントは、腎除神経術群-15.8mmHg(95%信頼区間[CI]:-19.7~-11.9)、対照群-9.9mmHg(同:-13.6~-6.2)、両群差はベースライン補正後-5.9mmHg(同:-11.3~-0.5)で、腎除神経術群のほうが対照群よりも有意に降圧が大きかった(p=0.0329)。 また、6ヵ月時点の両群の降圧薬の剤数(中央値:5、IQR:4~7、p=0.7005)およびアドヒアランス(腎除神経術群74.5%、対照群72.5%、p=0.7704)は、いずれも同等であった。 腎除神経術関連の有害事象は3例示されたが、いずれも軽度であった(腰痛2例、軽度の鼠径部血腫1例)。 ベースラインから6ヵ月時のeGFR値は、両群で同様に軽度な低下が観察された(腎除神経術群-4.0%、対照群-6.2%、p=0.7260)。

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妊婦の禁煙支援に報奨が有効/BMJ

 妊婦の禁煙支援として、通常ケアに加え金銭的な報奨の付与が有効であることが、英国・グラスゴー大学のDavid Tappin氏らが行ったCPIT試験で示された。米国では妊婦の禁煙支援に金銭的な報奨を導入した小規模な臨床試験がいくつか行われており、英国立医療技術評価機構(NICE)はその費用対効果を検証する研究の実施を呼びかけている。英国の世論調査のデータを使用した離散選択実験(discrete choice experiment)では、報奨は月額20~80ポンドであれば許容されることが示唆されていた。BMJ誌オンライン版2015年1月27日号掲載の報告。報奨の有無別の禁煙達成を評価する無作為化第II相試験 CPIT試験は、妊婦の禁煙支援における通常ケアと、これに報奨(商品券)を加えた場合の有効性を比較する探索的な無作為化第II相試験。対象は、自己申告による妊娠中の喫煙者で、年齢16歳以上、妊娠24週未満、呼気一酸化炭素濃度7ppm以上を満たす女性とした。 対照群への通常ケアでは、NHSの禁煙サービスの専門家が、禁煙相談に参加して禁煙日を設定した妊婦に10週間のニコチン代替療法を行い、週1回の電話による禁煙支援を4週にわたり実施した。 介入群には、通常ケアに加え、最高で400ポンドの商品券が付与された。禁煙日設定の面談時に50ポンド、禁煙日から4週後に呼気一酸化炭素濃度測定検査で禁煙が確認された場合に50ポンド、12週後の同検査で禁煙の継続が確認された場合はさらに100ポンド、妊娠34~38週に実施された最後の検査でも禁煙を継続していた場合には200ポンドの商品券が贈られた。 主要評価項目は、妊娠34~38週におけるニコチン代謝産物であるコチニンの唾液中濃度<14.2ng/mLまたは尿中濃度<44.7ng/mLとした。副次評価項目には、禁煙相談への参加、4週後の禁煙、産後6ヵ月時の禁煙、出生児体重、死産、流産、早産などが含まれた。妊娠後期禁煙率:22.5 vs. 8.6%、NNT:7.2人 2011年12月~2013年2月にグラスゴー市に居住する妊婦612例が登録され、介入群に306例、対照群にも306例が割り付けられた。割り付け後に同意を取り消した対照群の3例を除く609例が解析の対象となった。フォローアップは2013年9月まで行われた。 出産予定日の年齢は、介入群が28.27歳、対照群は27.66歳、登録時の妊娠週数はそれぞれ12.27週、12.62週であった。背景因子は、対照群でニコチン依存度がわずかに高かったこと(Fagerstromスコア:4.85 vs. 5.32、≧5でニコチン依存と判定)を除き、両群でバランスが取れていた。 妊娠34~38週時の禁煙率は、介入群が22.5%(69例)であり、対照群の8.6%(26例)に比べ有意に良好であった(相対リスク:2.63、95%信頼区間[CI]:1.73~4.01、p<0.001)。絶対リスクの差は14.0%(95%CI:8.2~19.7)であり、治療必要数(NNT、1人の妊婦で妊娠後期に禁煙を達成するのに要する報奨拠出の人数)は7.2人(95%CI:5.1~12.2)であった。 4週後の禁煙(43 vs. 21%、p<0.001)および産後6ヵ月時の禁煙(15 vs. 4%、p<0.001)は、介入群で有意に優れていた。禁煙相談への参加(p=0.37)、出生児体重(p=0.67)、死産/流産(p=0.29)、早産(p=0.09)には差はみられなかった。また、報奨による弊害はなく、賭け事的感覚での参加もほとんどなかった。 著者は、「妊婦の禁煙促進における報奨の有効性に関する実質的なエビデンスが得られた」と結論し、「本試験は単施設での試験であるため、報奨については個々の妊婦禁煙サービスの形態や地域で検討すべきである。今後、一般化可能性や費用対効果の評価を行う多施設共同研究を進めるための方法論が確立された」と指摘している。

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SORT OUT VI試験:薬剤溶出性ステント留置は成熟した標準治療となった!(解説:平山 篤志 氏)-308

 冠動脈疾患の治療として薬剤溶出性ステント留置は、すでに標準治療となっている。第1世代のCypherやTaxusなどで多く認められた合併症は、ステントプラットフォームの工夫やポリマーの改良、そして薬剤選択などにより減少している。 今回の試験は、ステントを被覆するポリマーが残存するもの(Durable)と、生体で分解される消失するもの(Biodegradable)を対比している。12ヵ月時点で評価した複合エンドポイントで、差はなかった。ステント血栓症は、生体分解性ポリマーで少ない傾向であったが、1~12ヵ月での晩期血栓症に差がないことから、ポリマーによる差でないと推測される。 薬剤溶出性ステントは、材質の工夫、プラットフォームの改良、ポリマー成分の検討、薬剤の選択などによりイベントの発症率が低下しているため、ステント間での差を検出することが困難である。このことは、薬剤溶出性ステント留置が器具としても技術としても成熟したことの反映であると考えられる。

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アリスミアのツボ Q21

Q21アブレーションか、はたまた抗不整脈薬か?患者に任せましょう。ただし、ときどきは背中を押してあげることも……。病院内での経験が言葉を強くする……心房細動に対する抗不整脈薬の限界を知り、それよりずっとカテーテルアブレーションが有効であることを、病院内で毎日経験していると、心房細動をみたら「カテーテルアブレーションを行えば治りますよ。どうですか?」と患者にいいたくなります。これはこれで、私も一医師としてよく納得できます。患者の立場に立てば……しかし、私の外来には、そのようなつもりで話した医師の意図とはうらはらに、「どうしてもカテーテルアブレーションを行わなければならないのでしょうか?」といって納得できない患者がたびたび訪れてきます。話をよく聞いてみると、医師はそれほど強くカテーテルアブレーションを勧めていないのですが、患者にはそう伝わってしまったようです。医師として話す立場と、患者として聞く立場では、同じ言葉であっても異なるように聞こえてしまうようです。患者に任せる……「いつでもその気になったらしてあげますよ」私自身は、こんなとき「ゆっくり考えましょう。いつでもその気になったらできるのですから。これはがんの根治手術などとは違うので焦って決める必要はありません」ということをまず理解してもらうようにしています。そして、抗不整脈薬ではいずれ効果がなくなること、カテーテルアブレーションは現時点ではQOLを向上させる治療であること(生命予後向上効果は十分に示されていないこと)、慢性化して1 年以内であれば発作性心房細動と同等の治療効果が望めること……そんなことを伝えます。そして、2、3回の外来で時間をおいても、ずっと逡巡しているようならそっと背中を押してあげることもあります。

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76)気をつけたいSGLT2阻害薬の有害事象を説明する【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師この新しい薬(SGLT2阻害薬)の副作用として、尿路感染症になるリスクが高まることが、報告されています。患者それは心配です。どうしたらいいですか?医師いくつかのポイントがあります。まずは、身体を清潔にしてください。ほとんどの尿路感染は、腸内細菌が尿道の先から入っていきますので・・・。患者なるほど。医師夜中にトイレにいく回数が多くなるのが心配で、水分をあまりとらない人がいます。患者それ、私です。医師尿がたくさんでると、細菌を洗い流します。水分は日中は大目に、夕方から控えられるといいですね。患者なるほど、わかりました。●ポイント尿路感染症を予防する項目を、わかりやすく説明できるといいですね●資料尿路感染症にかからないための10ヵ条1.下着を毎日、取り換える2.トイレを我慢しない3.水分は日中は多めに、夕方から控える4.適度な運動をする5.アルコールは控えめに6.陰部を清潔に保つ(排便時は前から後ろにふく)7.下半身を冷やさない8.疲れを残さない9.身体の抵抗力をつける10.うがい・手洗いをする

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睡眠指導でADHDの症状が改善/BMJ

 注意欠如・多動症(ADHD)の小児に対する簡易な睡眠衛生指導と行動療法的治療により、ADHDの症状が改善され、QOLや日常機能にも良好な効果がもたらされることが、オーストラリア・メルボルン大学のHarriet Hiscock氏らの検討で示された。ADHDの子供には睡眠行動障害がみられることが多く、その家族への影響が指摘されている。ADHD患児の睡眠への介入が、ADHDの症状や家族に及ぼす影響を無作為化試験で評価した研究はこれまでなかったという。BMJ誌オンライン版2015年1月20日号掲載の報告。症状や睡眠、親の精神的健康に及ぼす影響を評価 研究グループは、子供の睡眠障害に対する行動療法的治療による、ADHD患児の症状、行動、日常機能、作業記憶および保護者の精神的健康などの改善効果を検証する無作為化対照比較試験を実施した(Australian National Health and Medical Research Council[NHMRC]の助成による)。 被験者は、介入群または対照群(通常の治療を行う群)に無作為に割り付けられた。介入群は2週に1回の診察時(計2回)に、臨床心理士あるいは小児科医による睡眠衛生指導と標準化された行動療法的治療が行われた後、電話によるフォローアップが行われた。2010年8月~2012年6月に、ビクトリア州の21の一般小児病院の小児科医50人から、5~12歳の244例のADHD患児が登録された。 割り付け後3ヵ月と6ヵ月時に、ADHDの重症度(主要評価項目、保護者および教師によるADHD評価スケールIV)、睡眠障害、行動、QOL、日常機能、作業記憶および保護者の精神的健康(うつ・不安・ストレス評価スケール[DASS])、就業状況などの評価を行った。プライマリケアでの施行に適するアプローチ 介入群に122例(平均年齢:10.3歳、男児:84%、メチルフェニデート投与:76%)、対照群にも122例(9.9歳、86%、74%)が割り付けられた。3ヵ月時のフォローアップはそれぞれ86例、89例で行われ、6ヵ月時は106例、98例が完遂した。 3ヵ月、6ヵ月の両時点で、介入群は対照群に比べADHDの症状が有意に抑制された。症状の重症度変化の補正後平均差が、3ヵ月時は-2.9(95%信頼区間[CI]:-5.5~-0.3、p=0.03)、6ヵ月時は-3.7(95%CI:-6.1~-1.2、p=0.004)であった。 また、介入群では、不注意も3ヵ月時(p=0.01)、6ヵ月時(p=0.001)共に有意に改善し、多動/衝動的行動は3ヵ月時(p=0.13)には差はなかったものの、6ヵ月時(p=0.04)は有意な改善効果が認められた。 一方、介入群は対照群に比べ、中等度~高度の睡眠障害の頻度が3ヵ月の時点で有意に低く(30 vs. 56%、補正オッズ比[OR]:0.30、95%CI:0.16~0.59、p<0.001)、6ヵ月時も少ない傾向が認められた(34 vs. 46%、補正OR:0.58、95%CI:0.32~1.0、p=0.07)。3ヵ月時の介入群の絶対リスクの減少率は25.7%であり、治療必要数(NNT)は3.9であった。また、6ヵ月時の絶対リスク減少率は12.8%、NNTは7.8だった。 ADHD患児の症状に対する介入のベネフィットのうち、3ヵ月時の約2分の1、6ヵ月時の約3分の1は睡眠障害の改善によってもたらされた。また、介入群では、他のすべての患児のアウトカム、および精神的健康を除く保護者のアウトカムが改善される傾向がみられた。教師による評価では、患児の多動が3ヵ月および6ヵ月共に改善され、3ヵ月時には有意な改善効果が認められた(p=0.02)。 6ヵ月時の作業記憶は、対照群に比べ介入群の患児で良好であった。また、アクチグラフィによる睡眠時間の評価では、3ヵ月(平均差:10.9分、95%CI:-19.0〜40.8)および6ヵ月(平均差:9.9分、-16.3〜36.1)共に介入群で長い傾向がみられたものの有意な差はなく、いずれもサンプル数(3ヵ月時:54例、6ヵ月時:37例)が少なかったため補正解析は行われなかった。 著者は、「睡眠への簡易な行動療法的介入により、その多くが中枢神経刺激薬を処方されているADHD患児の症状が一定程度改善され、睡眠や行動、QOL、日常機能の改善効果も得られた。これらのベネフィットのほとんどは6ヵ月後も保持された」とまとめ、「このような介入法はプライマリケアでの使用に好適な可能性がある」と指摘している。

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重症患者の連日クロルヘキシジン清拭は無効?/JAMA

 連日のクロルヘキシジン(商品名:ヒビテンほか)清拭は、重症患者の医療関連感染(health care-associated infection)を予防しないことが、米国・ヴァンダービルト大学のMichael J Noto氏らの検討で確認された。入院中の院内感染(医療関連感染)は、入院期間の延長や死亡率の上昇、医療費の増大をもたらす。入院患者の皮膚は病原菌の貯蔵庫であり、医療関連感染の機序には皮膚微生物叢の浸潤が関連すると考えられている。クロルヘキシジンは広域スペクトルの局所抗菌薬であり、清拭に使用すると皮膚の細菌量が減少し、感染が抑制される可能性が示唆されている。AMA誌2015年1月27日号掲載の報告。予防効果をクラスター無作為化クロスオーバー試験で評価 研究グループは、連日クロルヘキシジン清拭による、重症患者における医療関連感染の予防効果を検証するために、実臨床に即したクラスター無作為化クロスオーバー試験を行った。対象は、2012年7月~2013年7月までに、テネシー州ナッシュビル市にある3次医療機関の5つの専門機能別ICU(心血管ICU、メディカルICUなど)に入室した9,340例の患者であった。 5つのICUは、毎日1回、使い捨ての2%クロルヘキシジン含浸タオルを用いて清拭する群(2施設)または抗菌薬を含まないタオルで清拭する群(対照、3施設)に無作為に割り付けられた。これを10週行ったのち、2週の休止期間(この間は抗菌薬非含浸使い捨てタオルで清拭)を置き、含浸タオルと非含浸タオルをクロスオーバーしてさらに10週の清拭治療を実施した。 主要評価項目は、中心静脈ライン関連血流感染(CLABSI)、カテーテル関連尿路感染(CAUTI)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、クロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)感染の複合エンドポイントとした。副次評価項目には、多剤耐性菌、血液培養、医療関連血流感染の陽性率などが含まれた。医療費の損失や耐性菌の増加を招く可能性も クロルヘキシジン群に4,488例(年齢中央値:56.0歳、男性:57.6%)、対照群には4,852例(57.0歳、57.8%)が割り付けられた。医療関連感染は、クロルヘキシジン清拭期に55例(CLABSI:4例、CAUTI:21例、VAP:17例、C.ディフィシル感染:13例)、抗菌薬非含浸清拭期には60例(4例、32例、8例、16例、)に認められた。 主要評価項目の発生率は、クロルヘキシジン清拭期が1,000人日当たり2.86、抗菌薬非含浸清拭期は同2.90であり、両群間に有意な差は認められなかった(発生率の差:-0.04、95%信頼区間[CI]:-1.10~1.01、p=0.95)。ベースラインの変量で補正後も、主要評価項目に関して両群間に有意差はみられなかった。 また、院内血流感染、血液培養、多剤耐性菌などの副次評価項目の発生率にも、クロルヘキシジン清拭による変化は認めなかった。さらに、事前に規定されたサブグループ解析では、各ICU別の主要評価項目の発生率にも有意な差はなかった。 著者は、「連日クロルヘキシジン清拭は、CLABSI、CAUTI、VAP、C.ディフィシルによる医療関連感染を予防せず、重症患者に対する連日クロルヘキシジン清拭は支持されない」とまとめ、「クロルヘキシジン清拭はいくつかの専門ガイドラインに組み込まれているが、医療費の損失やクロルヘキシジン耐性菌の増加を招いている可能性がある」と指摘している。

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抗精神病薬の有害事象との関連因子は

 抗精神病薬は統合失調症およびその他の精神障害に広く処方されているが、一方で有害事象およびアドヒアランスへのネガティブな影響が共通して認められる。しかしこれまで、有害事象の発現率やマネジメントに注目した検討はほとんど行われていなかった。英国・エディンバラ大学のSu Ling Young氏らは、抗精神病薬の有害事象の発現率およびマネジメントについて系統的レビューを行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2014年12月16日号の掲載報告。 研究グループは本検討で、抗精神病薬の9種の臨床的に重要な有害事象の発現率とマネジメントについてレビューした。9種は、錐体外路症状、鎮静作用、体重増加、2型糖尿病、高プロラクチン血症、メタボリックシンドローム、脂質異常症、性機能障害、心血管への影響であった。事前に検索基準を特定し、3つのデータベースの検索と引用・参考文献の手動検索でシステマティックレビューを行った。2人の研究者が要約または全文をレビュー後、包含基準について合意を得た。包含した論文の質的評価は、事前に同意確認した基準を用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・合計53試験が、包含基準を満たした。・有害事象の発現頻度の増大は、抗精神病薬の多剤投与と関連していた。・投与期間の長さは、有害事象の重症化(例:BMI値が高値)と関連していた。・クロザピンは、3試験におけるその他抗精神病薬との比較において、代謝障害との関連がより強かった。・オランザピンは、3試験で体重増加と最も関連していた。・高プロラクチン血症は、男性よりも女性で一般的であった。・性機能障害は男性が50%に対し女性は25~50%であった。・臨床ガイドラインの推奨にもかかわらず、脂質および血糖値のベースラインでの検査率は低率であった。・7試験で有害事象のマネジメント戦略が述べられていたが、その有効性について調べていたのは2試験のみであった。そのうち1試験は、非投薬の集団療法により体重の有意な減少を、もう1試験はスタチン療法により脂質異常の有意な減少を認めた。・総括すると、抗精神病薬の有害事象は多様でしばしばみられる。しかし、系統的評価は多くない。・有害事象マネジメントに関する科学的研究を、さらに行う必要性がある。関連医療ニュース 最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか  担当者へのご意見箱はこちら

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夫の喫煙で乳がんリスクが増大~高山スタディ

 乳がんに対する喫煙の影響はいまだ不明である。岐阜大学の和田 恵子氏らは、日本における集団ベースの前向き研究(高山スタディ)において、本人または夫の喫煙状況と乳がん発症率の関連を検討した。その結果、夫からの受動喫煙が乳がんの潜在的な危険因子であることが示唆された。Cancer science誌オンライン版2015年1月23日号に掲載。 著者らは、1992年9月から2008年3月まで、35歳以上の女性1万5,719人を追跡した。乳がん発症率は、主に地域の集団ベースのがん登録で確認した。喫煙状況などのライフスタイルは自記式質問票で、またアルコール消費量は食物摂取頻度調査票(FFQ)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、BMI、飲酒、身体活動、教育、初潮年齢、初産年齢、閉経状態、子供の人数、ホルモン補充療法の既往について多変量調整したところ、本人の喫煙と乳がんリスクとの関連はみられなかった。・非喫煙者の女性については、夫も非喫煙者である女性に比べ、1日21本以上喫煙している夫を持つ女性の乳がんリスクは1.98倍(95%CI:1.03~3.84)であった。・喫煙者の夫を持つ女性の乳がんリスクの増加は、飲酒習慣がない女性で顕著であった。受動喫煙による乳がんリスク増大に対する飲酒の影響については、今後さらなる研究が必要である。

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高齢になるほど肺炎既往歴はその後の心血管疾患発症リスクに大きな影響を与える(解説:島田 俊夫 氏)-307

 高齢化の進んだわが国においては、肺炎による死亡が今や死因の第3位を占めるに至っている。周知のごとく、1位は悪性腫瘍、2位は心疾患である。 最近、JAMA誌(2015年1月20日号)に掲載された年齢構成の異なる(高齢と中高年)2地域住民コホートに基づいたカナダ・オタワ大学のVincente F. Corrales-Medina氏による研究成果によると、肺炎罹患入院歴を有する群は肺炎罹患入院歴のない対照群よりも、肺炎罹患後の経過中に高率に心血管疾患を発症すると報告されている。 これまで、一般的に肺炎罹患入院後の心血管疾患発症リスクに関する理解は十分とは言えない。本研究の目的は、肺炎入院歴が心血管疾患発症の短期および長期のリスクを高めるか否かを、平均年齢の異なる2地域住民コホートの観察を通して明らかにすることである。 その対象研究の1つがCardiovascular Health Study(CHS;研究参加者数は5,888人、参加者登録時年齢は65歳以上、動員期間は1989~1994年)と、もう一方がAtherosclerosis Risk in Communities Study(ARIC;研究参加者数は1万5,792人、参加者登録時年齢は45~64歳、動員期間は1987~1989年)である。 研究参加者は2010年12月31日まで経過観察が行われた。いずれの研究においても、最初の15年間に肺炎で入院した症例ごとに背景のマッチした2人の対照を選択し、対照群を設けた。肺炎症例と対照群をマッチさせた後10年間にわたり、種々の時間間隔で心血管疾患発症に関して経過観察が行われた。人口構成、心血管危険因子、潜在する心血管病、合併症、身体機能状態等を調整後に心血管疾患発症ハザード比を算出した。 本研究での曝露因子は肺炎であり、主要評価項目は心血管疾患イベント(心筋梗塞、脳卒中および致命的冠動脈疾患)である。その結果、CHSの591人の肺炎症例中206人(34.9%)が肺炎で入院後、10年間にわたる経過観察中に心血管疾患に罹患した。対照群と比較すると、肺炎症例での心血管疾患発症リスクは肺炎入院後1年の期間が最も発症リスクが高く、10年間にわたる経過観察期間を通じて対照群よりも有意に高い心血管発症リスクを示した。 もう一方のARIC研究では、680人の肺炎症例中112人(16.5%)が肺炎入院後10年間にわたる経過観察中に心血管イベントを引き起こした。肺炎入院後2年目以降では、肺炎症例の心血管発症リスクは対照群のそれと比較して有意差を認めなかった。高齢群では心血管疾患発症リスクが明らかに高く、影響の持続も長い傾向を認めた。 要するに、高齢者肺炎による入院は短期および長期の心血管発症リスクの増加に関係しており、この事実は肺炎が心血管疾患発症の独立した危険因子であることを示唆する。 この論文は、2つの年齢構成の異なる疫学研究解析情報に基づいて結論が導かれている。原因についてはこの研究デザインのみで明らかにすることは難しいが、肺炎による感染症を契機に、炎症の遷延化、潜在する動脈硬化巣(プラーク)の不安定化、炎症に基づく凝固活性の亢進、加齢等の因子が複雑に交絡することにより心血管疾患発症が易誘発されることを示唆している。 このことを踏まえて、とくに高齢者肺炎罹患後のアフターケアに関して上記のリスク因子の関与軽減に取り組むことで、心血管発症リスク抑制につながる可能性が考えられる。

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花粉を避けるためのヒント

花粉を避けるために外出時の注意飛散の多い時の外出を控えるマスク、メガネを着用する帽子をかぶる(つばの広いもの)髪を束ねたほうがよいスカーフで首筋をガードするけばだった毛織物などの衣類は避けるコンタクトレンズ使用者は花粉飛散期だけでもメガネに替えたほうがよい監修:日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学分野 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.大久保 公裕氏花粉を避けるために帰宅時の注意玄関で衣服や髪をよく払ってから入室する洗顔・うがい・手洗いを行い、鼻をかむ監修:日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学分野 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.大久保 公裕氏花粉を避けるために家の中での注意飛散が多い時は窓・戸を閉めておく飛散が多い時は洗濯物・布団を外に干さない掃除を励行する(とくに窓際を念入りに)■掃除の仕方 掃除機をかけた後、空気清浄機で舞い上がった花粉を取る フローリング・畳の部屋は掃除機をかけた後、雑巾で水拭き■空気清浄機の置き場所 顔の高さに空気清浄機を置く 寝るときは、ベッドや布団の近くに監修:日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学分野 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.大久保 公裕氏花粉を避けるためにその他の注意タバコは避ける(粘膜が傷つく)規則正しい生活を送り、ストレスをためない監修:日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学分野 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.大久保 公裕氏

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花粉を避けるマスクの選び方

マスクの選び方顔の形に合うマスクを使用することが最も大切呼吸がしやすく、頬や鼻とマスクの間の隙間が少ないもの使い捨てが基本、高価なマスクを購入する必要はない花粉が多く飛散するときは、湿ったガーゼを層の間に挟むのも花粉捕集に有用監修:日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学分野 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.大久保 公裕氏

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花粉症の薬物治療での注意点

花粉症の薬物治療にあたって初期療法で処方された薬剤をシーズンが終わるまで、きちんと服用してください。症状が出ない、症状が出たといって服用をやめると、かえって強い症状が出ます。眠気やだるさなどがあれば医師に相談してください。薬剤を服用していても、飛散が多いときは症状が出ることもあります。薬剤を継続しても効果が薄れることはありません。効果には個人差があります。監修:日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器学分野 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.大久保 公裕氏

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【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(1)

「中枢神経系はいったん発達が終われば再生しない」、それが定説であった。ところが、近年の研究で、ヒトの脳にも“神経幹細胞”が存在し、新たな神経細胞を作っていることが証明された。さらに、この研究結果を応用した、神経疾患に対する再生医療も現実化しつつある。今回は、神経再生医療の世界的権威であり、世界で初めて神経幹細胞を発見した、慶應義塾大学 医学部 生理学教室 教授 岡野栄之氏に聞いた。神経細胞再生についての定説が覆る中枢神経系はいったん発達が終われば再生しない。それが定説であった。しかし、胎生期においては、ヒトの脳で新たな神経細胞が活発に生み出されている。実際には、神経細胞の元となる神経幹細胞が存在し、それが活発に分裂することで、新たな神経細胞とグリア細胞を生産している。この分裂能力は成体では消失し、脳では新たな神経細胞は生み出されないと考えられてきた。ところが、ここ十数年の研究で、成体の脳にも神経幹細胞は存在し、新たな神経細胞を作る能力があることがわかってきた。神経幹細胞マーカーMusashiの発見岡野氏は最先端の神経発生の研究の中、神経幹細胞のマーカーMusashiを発見する。Musashiは神経幹細胞に強く発現するRNA結合蛋白質であり、種を超えて存在する。そのMusashiを用いたマウスの神経発生の研究の結果、胎生期のマウスにはMusashiを発現する神経幹細胞が豊富に存在しており、そのMusashi陽性細胞は生後も脳室周囲に存在することが明らかになった。そこで、ヒト成人の脳にもMusashi陽性の神経幹細胞があるのではないか?と考え、岡野氏は、米国コーネル大学教授(当時)Steven Goldman氏と共同研究を開始する。「Musashi」とはショウジョウバエの神経発生遺伝子として発見された。岡野氏らは、この遺伝子が種を超えて中枢神経系の前駆細胞に広く発現することから、その産生蛋白質が神経系発生マーカーとしての役割を果たすことを解明した。Musashiの名称は、その遺伝子変異によりハエの1つの毛穴から2本の毛が生える異常がみられたことから、宮本武蔵の二刀流になぞらえたもの。ヒト成人の脳にも再生能力がある共同研究の結果、てんかん患者の剖検脳の脳室周囲にMusashi陽性細胞が存在することが明らかになる。そして、Musashi陽性細胞は培養液中で分裂し、新たな神経細胞を作ることも明らかになった。つまり神経幹細胞である。このことから、ヒト成人の脳にも神経幹細胞は存在することが、世界で初めて証明された。1998年のことである。(Pincus DW, et al. Ann Neurol. 1998; 43:576-585.)。一方、増殖細胞の検出ツールBrdU*を用いた、米国とスウェーデンのがん増殖に関する共同研究で、新たに分裂した神経細胞がヒトの脳内(海馬)に存在することが、ほぼ同時期に明らかになった。この2つの研究を相補的に考えると、ヒト成人の脳には神経幹細胞が存在し、何らかのプロセスを経て、脳内で新たな神経細胞が生み出されていることがわかった。*BrdU(bromodeoxyuridine):チミジンアナログ。新たに合成されたDNAに取り込まれる。標識することで増殖細胞の検出ツールとなる。ヒト成人の脳でも神経幹細胞は存在し、梗塞部位に神経細胞が再生するメカニズムを岡野氏が解説する。(岡野栄之氏解説:4’24”)日本発の神経細胞再生医薬品への発展しかし、その再生効率はきわめて低い。神経系を効率よく再生させるためには、内在性の神経幹細胞をより活性化させることが必要だという。そのためには、薬剤で活性化を促すか、不足する神経幹細胞を外部から移植することが根本であるとわかり、2000年代半ばから、神経幹細胞を用いた再生医療の研究が進み出す。その1つとして、岡野氏が顧問を務めるサンバイオ社が再生医薬品SB623を開発している。SB623は骨髄間質細胞に、ある遺伝子を導入し、再生能力を高めた神経再生細胞である。脳梗塞巣に移植することで、脳内のさまざまな栄養因子を出すなど、間接的に再生能力を高め、脳梗塞によって失われた機能を回復させる。すでに米国では動物実験で効果が確認され、スタンフォード大学、ピッツバーグ大学でのPhaseI/IIaが実施されている。その結果は良好で、米国では次のステージへ向け進行しているという。一方、本邦においても2014年の薬事法改正で、"再生医療等製品の条件及び期限付き承認制度"が導入された。ある程度の安全性と有効性が確認されると、条件付きで承認が得られるというものである。この改正で再生医薬品の承認までの時間が短縮されるといわれている。そのため、多くの企業などによる、さまざまな再生医薬品の開発が繰り広げられると考えられる。そのような中、SB623については、すでに米国での治験実績があり、本邦でも同じスキームで開発が進められると期待できると岡野氏は言う。その有用性が証明されれば、日本発の再生医薬品は予想以上に早く臨床に登場するかもしれない。もはや夢物語ではない神経疾患の再生医療岡野栄之氏からのメッセージ:1’04”岡野氏は最後に、「再生医療の研究により、今まで治らなかった神経疾患に対し、さまざまな治療法が開発されている。実際、多くの臨床試験が次々に始まっており、日常診療においても再生医療は夢物語ではない」と述べた。

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