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病院での手指衛生を向上させる介入とは? ―システマティックレビューとネットワークメタアナリシスによる解析―(解説:吉田 敦 氏)-400

 医療関連感染を少なくする最も有効な手段は、スタッフの手指衛生を向上させることである。しかしながら、それが遵守されていない病院は多い。WHOは2005年に、病院での手指衛生の向上を目的とした一連のキャンペーン「Clean Care is Safer Care 清潔なケアがより安全なケア」(WHO-5)を開始した1)。これは以下の5点、(1)組織変革、(2)トレーニング/教育、(3)評価とフィードバック、(4)作業場でのリマインダー、(5)組織的な安全風土、を骨子とし、それらを組み合わせたものである。今回、WHO-5が実際の手指衛生行動を変容させたかについて、システマティックレビューとメタアナリシスによる解析が行われ、BMJ誌に発表された。スタディ抽出とレビュー 1980年から2009年の間に、Medline、Embaseなどの文献ソースに蓄積されたスタディの中から、病院医療従事者の手指衛生のコンプライアンス向上に関する介入が行われ、かつ、一定の質的評価がなされたものを解析した。この中にはランダム化比較試験、非ランダム化比較試験、介入前後の比較試験、時系列解析が含まれる。さらに、介入と医療従事者に関して偏りなく均一であると考えられる報告の中で、手指衛生のコンプライアンスが直接観察できたものについてネットワークメタアナリシスを行った。さらなる介入により、行動変容が大きく 検索した3,639スタディのうち、41が解析対象としての基準を満足した(ランダム化比較試験6、時系列解析32、非ランダム化比較試験1、介入前後の比較試験2)。2つのランダム化比較試験を用いたメタアナリシスでは、WHO-5に「手指衛生に関するゴール設定」を加えると、コンプライアンスが向上することが判明した。同時に時系列解析を一対比較したところ、22個の比較解析のうち18解析で、介入後にコンプライアンスが向上したという結果を得た。 一方、ネットワークメタアナリシスでは、WHO-5の効果そのものには不確実な部分が存在するものの、「手指衛生に関するゴール設定」「報酬・インセンティブ」「アカウンタビリティ(個人・組織レベルでの責任)」を加えると、より向上が認められた。また19スタディでは臨床的な結果が得られていたが、手指衛生の向上後に感染率が減少したものの、それは微生物によって差があった(例:MRSAでは減少率が大きく、C. difficileはそれに比べ小さかった)。なお、介入にかかったコストは1,000ベッド・日当たり225ドルから4,669ドルであった。有効な介入とは?その評価は? 今回の解析では、WHO-5自体は手指衛生の向上に有効であったものの、実際上ゴール設定など、ほかの方策を組み合わせることが望ましい結果であった。この意味では、複合的かつ合目的な、そして個人の前向きな問題意識・責任感・行動変容を引き出すような戦略が求められているといえよう。一方で、介入の効果の評価にあたっては、必要なデータはまだまだ不足している。今後の蓄積と介入によって、新たな方向性が見えてくる可能性は十分ある。参考文献はこちら1)World Health Organization. WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care. In WHO Guidelines Approved by the Guidelines Review Committee. 2009. 新潟県立六日町病院から邦訳刊行あり。「世界保健機関 医療における手指衛生ガイドライン:要約 最初の世界的患者安全の挑戦 清潔なケアがより安全なケア」

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テリパラチド連日投与の市販後調査中間解析結果

 近畿大学医学部 奈良病院 整形外科・リウマチ科の宗圓 聰氏らは、骨折リスクが高い日本人骨粗鬆症患者における、テリパラチド連日投与の有効性および安全性を検討する観察研究Japan fracture observational study(JFOS)について、試験デザイン、患者背景および中間解析結果を報告した。その中で、日常診察下におけるテリパラチドの有効性プロファイルは臨床試験ならびに欧州・米国で行われた観察研究の結果と類似していることを提示した。Current Medical Research & Opinion誌オンライン版2015年7月20日号の掲載報告。 研究グループは、骨折の危険が高い骨粗鬆症患者(男性/女性)に1日1回テリパラチドを投与し、3、6および12ヵ月後に評価した。 本中間解析は、臨床骨折、骨密度(BMD)、I型プロコラーゲン-N-プロペプチド(P1NP)、腰背部痛、健康関連QOL(HRQOL)および有害事象についての予備的報告である。 主な結果は以下のとおり。・1,810例(女性90.1%)が登録された。・本研究の対象は、他の観察研究でテリパラチドが投与された骨粗鬆症患者と比較し、年齢は高いが骨粗鬆症のリスク因子は少なかった。・臨床骨折の発生率は、6ヵ月後2.9%、12ヵ月後3.7%であった。・12ヵ月後の平均BMDは、ベースラインと比較して腰椎で8.9%、大腿骨近位部で0.8%増加した。・6ヵ月後の血清P1NP濃度中央値は、ベースラインと比較して187.7%高値であった。・12ヵ月後の疼痛スコア(視覚アナログスケールによる評価)はベースラインより低下し、HRQOLスコアは上昇した。・新しい有害事象は観察されなかった。

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統合失調症再発予防、遠隔医療に改善の余地あり

 チェコ共和国・国立精神保健研究所のF. Spaniel氏らは、統合失調症患者に対する遠隔医療プログラムが入院回数を減らすかについて検討を行い、有効性は認められなかったことを報告した。著者らは「先行研究で、この予防的戦略の失敗は、精神科医と患者両者のアドヒアランス不良にあることが示唆されている。統合失調症の3次予防は大きな課題であり、患者と治療に当たる精神科医の両者のより積極的な参加の下、戦略を実施する必要がある」と指摘している。Journal of Psychiatric and Mental Health Nursing誌オンライン版2015年7月14日号の掲載報告。 研究グループが検討した遠隔医療プログラムは、統合失調症再発予防支援情報技術(ITAREPS:Information Technology Aided Relapse Prevention Programme in Schizophrenia)で、遠隔医療により統合失調症の週単位のモニタリングと治療を可能とするものである。同プログラムが入院回数を減らす効果があるのか、18ヵ月間にわたる多施設非盲検無作為化並行群間試験を行った。対象は、統合失調症または統合失調感情障害の外来患者で、プログラム介入群(74例)と対照群(72例)に無作為に割り付けて追跡した。介入群では、システムによって再発の前駆症状が通知された場合、治験責任医師が抗精神病薬の用量を増大した。 主な結果は以下のとおり。・intention to treat解析の結果、介入群と対照群間の無入院生存率の有意差はみられなかった(Kaplan-Meier法によるハザード比[HR]:1.21、95%信頼区間[CI]:0.56~2.61、p=0.6)。・多変量Cox比例ハザードモデルによる事後解析において、13の潜在的予測因子を除けば、ITAREPS関連変数のみが入院リスクを増大していることが示された(薬理学的介入のないアラート数のHR:1.38、p=0.042/ 患者のITAREPSアドヒアランス不良のHR:1.08、p=0.009)。・本研究では、精神科医のアドヒアランス不良が示されており、前駆症状の初期段階で薬理学的介入が欠如していたことが、再発リスクに影響したと考えられる。・今回および先行の遠隔医療プログラムITAREPS無作為化対照試験においても、統合失調症の再発予防における実質的な改善は、現状の臨床設定では困難であることが示唆された。・将来的な統合失調症の予防戦略には、従来の外来診療では検出不可能である潜在的な前駆症状の発生を捉えて、迅速に薬理学的介入を行うことが求められる。・ITAREPS試験では、再発予防遠隔医療システムと訪問看護サービスによるソリューションが、それらの要求に応えられる可能性が示唆された。関連医療ニュース 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 統合失調症患者の再発を予測することは可能か? 統合失調症の再発、コスト増加はどの程度  担当者へのご意見箱はこちら

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転移性前立腺がんのADT、ドセタキセル併用でOS延長/NEJM

 転移性前立腺がん治療について、アンドロゲン除去療法(ADT)単独よりも、ADT開始時にドセタキセルを6サイクル併用することで、全生存期間が有意に延長することが明らかにされた。米国ダナ・ファーバーがん研究所のChristopher J. Sweeney氏らが報告した。ADTは1940年代から転移性前立腺がんの治療の柱となっているが、患者への治療負荷の問題、また治療抵抗性が多く発生するなどの課題があり模索が続けられてきた。化学療法+ADT併用の先行研究では、有益性は示されなかったが、小規模の低腫瘍量患者を対象とした検討であったことから、今回研究グループは、高腫瘍量と低腫瘍量に層別化した前向きの検討を行い、ADT単独よりもADT+ドセタキセル併用のほうが、生存期間が延長するのかについて評価した。NEJM誌オンライン版2015年8月5日号掲載の報告より。患者790例を対象に、併用群の全生存期間延長が3割増しであるかを検証 検討は2006年7月~2012年12月に、総計790例の転移性ホルモン感受性前立腺がん患者を対象に行った。被験者を2群に無作為に割り付けて、ADT+ドセタキセル(75mg/m2体表面積を3週ごとに6サイクル投与)またはADT単独の投与を行った。 試験の主要目的は、単独群よりも併用群の患者の全生存期間中央値が33.3%延長するとの仮定を検証することであった。併用群の死亡に関するHRは0.61 被験者790例は、ADT単独群に393例、併用群に397例が無作為に割り付けられた。全体で、年齢中央値は63歳、約70%が腫瘍パフォーマンスステータスについてECOGスコア0、約65%が高腫瘍量、約60%がGleasonスコア(範囲:2~10、高値ほど増悪しており予後不良)8以上だった。追跡期間中央値は28.9ヵ月であった。 結果、全生存期間の中央値は、ADT単独群(44.0ヵ月)よりも併用群(57.6ヵ月)が有意に13.6ヵ月延長した。併用群の死亡に関するハザード比(HR)は0.61(95%信頼区間[CI]:0.47~0.80、p<0.001)。 生化学的、症状およびX線所見で確認した進行までの期間中央値は、併用群20.2ヵ月に対してADT単独群は11.7ヵ月であった(HR:0.61、95%CI:0.51~0.72、p<0.001)。 12ヵ月時点でPSA値0.2ng/mL未満であった患者は、併用群27.7%に対してADT単独群は16.8%だった(p<0.001)。 なお併用群でみられた有害事象として、グレード3/4の発熱性好中球減少症が6.2%、グレード3/4の好中球減少症を伴う感染症が2.3%、いずれもグレード3の感覚系神経障害および運動系神経障害が0.5%が報告されている。

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がんを疑う症状があっても気付きにくいのは?

 社会経済的地位(SES)が低い人々では、がんが後期のステージで診断されるリスクが高い。これに対してはさまざまに解釈されているが、最近注目されているのは、がんが疑われる症状に関する患者の知識の低さであり、これが治療の遅れにつながるという。英国・サリー大学のKatriina L Whitaker氏らは、実際にがんの典型的な症状を経験している人々における「がんを疑うこと」の差を調査した。その結果、今回対象とされた集団では、全体的にがんを疑うレベルが低かったが、なかでも低学歴の人々でより低かった。このことから著者らは、初期症状の見逃しが診断時のステージの差につながっている可能性があるとしている。European journal of cancer誌オンライン版2015年8月8日号に掲載。 50歳以上のがんと診断されていない9,771人に、長引く咳や嗄声など、がんを疑う症状10項目を含む症状のリストと共に健康調査票を送付した。回答者に、過去3ヵ月間にいずれかの症状を経験したかどうかを尋ね、もし経験していた場合には「何がそれを引き起こしたと思うか?」と尋ねた。回答として、がんを挙げた場合には「がんを疑った」として点を付けた。SESは学歴により分類した。 主な結果は以下のとおり。・半数近くの回答者(3,756人中1,790人)ががんを疑う症状を経験していたが、考えられる原因として、がんを挙げたのは1,790人中63人(3.5%)だけであった。・学歴の低さは、「がんを疑うこと」の低さと関連していた。考えられる原因としてがんを挙げたのは、大学教育を受けた回答者で7.3%、大学未満の回答者では2.6%であった。・多変量解析によると、低学歴は「がんを疑うこと」の低さと関連する、独立した唯一の人口統計学的変数であった(オッズ比0.34、信頼区間:0.20~0.59)。

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やはり優れたワルファリン!(解説:後藤 信哉 氏)-399

 BMJ誌は、NEJM誌、JAMA誌とは別の方向の研究を掲載する傾向がある。 本研究は新薬でもなく、仮説検証研究でもない。「Get With The Guidelines (GWTG)-Stroke program」という、文字通りガイドライン遵守率を上げようとする病院群における観察研究の結果である。 筆者はこのGWTGを直接知らないが、米国の健康維持機構(HMO:health management organization)の1つと理解している。筆者は米国に4年住んでいたので、国民皆保険により患者の医療機関選択が自由な日本と、「医療もビジネス」と考え、保険があっても自由に医療機関を選択できない米国の差異を体感していた。 自由主義経済の米国では、保険会社も医療機関を選択する。診療ガイドラインを遵守する医療機関の治療成績が良いのであれば、多くの保険会社が医療コストがトータルで低くなるガイドラインを遵守する病院と契約を結ぶ国が米国である。ガイドライン遵守を売り文句にした医療機関は「われわれのグループはガイドラインを遵守するので、医療コストが低いです。ぜひ、われわれと契約してください」と、保険会社と折衝することになる。そのときに、保険会社を説得するデータとして、本論文のようなデータベースを蓄積することが病院には得になる。 日本の医療は明らかにpublic sectorであるが、米国の医療は基本競争原理の働くprivate sectorである。private sectorゆえにevidence basedの世界に通用するevidence集積のインセンティブが各医療機関に働く。金持ち優遇と批判を受けながら米国の医療システムが分厚く崩れないのは、fairな競争原理に支えられているゆえであろう。 脳卒中のため入院した心房細動症例の脳卒中リスクは高い。ワルファリンが使用されていない心房細動にて、脳卒中で入院した1万2 ,552例を対象とした研究というデザインも面白い。「ガイドラインを遵守する」ことを売り物にしている病院でも、このリスクの高い症例群の12%には、退院時になんらかの理由によりワルファリンを使えなかった。脳卒中を発症するまでワルファリンを使用していなかった心房細動例でも、初回発症後はワルファリンを使用した群において在宅可能期間が長く、心血管イベントの発症率も低かった。 本研究は米国の保険医療データベースである。基本、自由診療の米国ではメディケアを受け、Get With The Guidelines (GWTG)-Stroke programに参加した病院は、米国すべてではない。日本の保険診療は国民皆保険である。日本で保険病名として、「心房細動」があり、「脳梗塞」の病名にて入院した症例のうち、退院時に「ワルファリン」が処方された症例と処方されていない症例の、その後の2年間の「入院」の有無を調べるのは、レセコンデータをみるだけで簡単にできる。 医療がpublic sectorで、保険システムの宣伝をしなくても皆が保険料を払ってくれる国民皆保険制度は、システムとしては素晴らしいが、米国人から見れば「fairではない」、「科学的根拠がない」などと言われる隙がある。TPPなどにより「非関税障壁」が取り払われる前に、世界の人が理解できる科学の論理により、医療を構築できると良いと筆者は考える。

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事例66 創傷処理(筋肉、臓器に達しない)(5cm以上)の査定【斬らレセプト】

解説事例では、時間外に左下腿挫創に縫合を行いK000創傷処理(筋肉、臓器に達しない)(5cm以上10cm未満)を算定したところ、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす: 過剰)にて「5cm未満の区分」に査定となった。創傷処理の注には、近接した複数の創傷処理に対して、それらの長さ・範囲を合計して1つの創傷として取り扱うとある。創の大きさは、実際にカルテに記載された大きさを医療機関で判定している。傷病名からみて区分の縮小査定に疑問を感じ、レセプトを確認した。創傷処理に麻酔薬の使用がない。経験上から、麻酔薬の使用がない創傷処理などの手術は、処置で査定となることが多い。レセプトの審査員は、レセプトに記載の生理食塩液1L使用に着目し、麻酔を使用しない程度のデブリドマンを実施したことを類推、創傷処理は認めるが、麻酔薬の使用がないため最小の区分で算定するとされたものであろう。医師には、麻酔を使用しないで創傷処理などの手術を実施した場合には、あらかじめレセプトに麻酔を必要としなかった医学的理由のコメントを残すようお願いした。

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ビタミンEとセレニウムは喫煙者の前立腺がんリスクを下げるか

 ビタミンEとセレニウムの疫学研究において、これら抗酸化物質が前立腺がんリスクを下げるとの仮説があるが、明確なベネフィットは示されていない。また、喫煙がこれらの効果に影響する可能性も示唆されている。米国・エモリー大学のYeunjung Kim氏らはメタ解析により、ビタミンEおよびセレニウムの摂取と前立腺がんリスクとの関連性を非喫煙者と喫煙経験者(現喫煙者/元喫煙者)について比較検討した。Anticancer research誌2015年9月号の掲載報告。 メタ解析の対象は、適格基準に合致した21件の研究であった。著者らはランダム効果モデルを用い、全体および階層別メタリスク比(meta-RRs)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・ビタミンE摂取と関連する前立腺がんのmeta-RRsは、非喫煙者で1.03(95%CI:0.95~1.11)、喫煙経験者で0.98(0.90~1.07)であった。・セレニウムについては、非喫煙者で1.09(0.78~1.52)、喫煙経験者で0.76(0.60~0.96)であった。しかし、現喫煙者における関連性は、元喫煙者におけるよりも弱かった。・異なる曝露の評価法とアウトカム定義に則ったサブ解析により、各層全体で類似した結果が出た。 以上の結果から、著者らは「ビタミンEと前立腺がんの関連性は、喫煙により変わらない。セレニウムの摂取は、喫煙経験者において前立腺がんリスクの低下と関連しているが、現喫煙者における関連性はないことから、本知見は注意深く解釈すべきである」としている。

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FDAが初のPCSK9阻害薬alirocumabを承認

 FDAは2015年7月24日、サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害薬alicocumab(商品名:Praluent、Sanofi-Aventis/Regeneron)注射薬を承認した。 alirocumabは成人のヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(HeFH)または心発作や脳卒中といったアテローム動脈硬化性心血管疾患を有しLDL-C低下の追加治療が必要な患者に対し、食事療法と最大耐用量のスタチン療法への追加治療として承認された。 alirocumabは5つのプラセボ対象試験(被験者数2,476例)において、36~59%のLDL-Cの低下が認められている。FDAのプレスリリースはこちら。

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双極性障害の自殺、どの程度わかっているのか

 双極性障害患者の自殺企図や自殺死には多くの要因が影響を及ぼしている。国際双極性障害学会(ISBD)では、こうした要因の存在やその影響度に関する文献をまとめた自殺に関するタスクフォース報告書を発表した。筆頭著者であるカナダ・トロント大学のAyal Schaffer氏らは、「研究の対象やデザインが不均一性であるため、これら要因の影響度を再検討し確定するさらなる研究が必要である。このことが最終的には、双極性障害患者のリスク層別化の改善につながる」と述べている。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年7月14日号の掲載報告。 ISBDは、「双極性障害」と「自殺企図または自殺」をキーワードに1980年1月1日から2014年5月30日までに発表された論文を対象として、システマティックレビューを行った。双極性障害患者の自殺企図や自殺死に関連すると思われる要因について、すべての報告を調査した。要因を、(1)社会人口統計学的、(2)双極性障害の臨床的特徴、(3)併存疾患、(4)その他の臨床変数、の4つに分類し分析した。 主な結果は以下のとおり。・20の特異的要因が自殺企図や自殺死にどのように影響するかを調査した141件の研究を特定した。・要因については、それぞれのエビデンスのレベルや一致の程度にばらつきがあった。・その中で少なくとも1件の研究で、以下の要因について影響があることが認められた。性別、年齢、人種、婚姻状況、宗教、発症年齢、罹患期間、双極性障害のサブタイプ、初回エピソードの極性、現在/最近のエピソードの極性、優位極性、気分エピソードの特徴、精神病、精神疾患の併存、パーソナリティ特性、性的機能不全、自殺や気分障害の一親等家族歴、自殺企図歴、若年期のトラウマ、心理社会的要因。関連医療ニュース 双極性障害、退院後の自殺リスクが高いタイプは 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか うつ病と双極性障害を見分けるポイントは  担当者へのご意見箱はこちら

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脳梗塞後の心房細動患者でのワルファリンの有用性/BMJ

 虚血性脳卒中を呈した心房細動患者に対するワルファリン投与は、長期臨床的アウトカムや自宅生活の期間を改善することが明らかにされた。米国・デューク臨床研究所のYing Xian氏らが、観察研究の結果、報告した。ワルファリンは、心房細動患者の血栓塞栓症予防のために使用が推奨されている。その根拠は、選択された患者集団での臨床試験に基づくものであり、試験設定以外(リアルワールド)の心房細動については、ワルファリンの投与および臨床的な有益性は確認されておらず、とくに、虚血性脳卒中を呈した高齢者において不明であった。BMJ誌オンライン版2015年7月31日号掲載の報告。虚血性脳卒中で入院したワルファリン未治療心房細動患者1万2,552例を追跡 研究グループは、心房細動患者で虚血性脳卒中後のワルファリン治療と長期アウトカムの関連を、地域医療ベースで評価した。検討は、2009~2011年にGet With The Guidelines (GWTG)-Strokeプログラムに参加した米国内1,487病院の協力を得て、虚血性脳卒中で入院したワルファリン未治療の心房細動患者1万2,552例の参加を得て行われた。 退院時にワルファリンを処方された患者と、あらゆる経口抗凝固薬が未処方であった患者を比較し、メディケア報酬支払記録とリンクして長期的アウトカムを評価した。 アウトカムは患者評価をベースとし、退院後継続的ケアを受けることなく暮らした総日数と定義して、主要有害心イベント(MACE)と自宅で暮らした期間を評価した。 治療群間で観察された特性のあらゆる差について、傾向スコア逆確率加重法を用いて検証した。退院時ワルファリン治療群のほうがMACEリスク低下、自宅生活期間が長期 1万2,552例のうち、退院時ワルファリン治療群は1万1,039例(88%)、経口抗凝固薬未治療患者は1,513例であった。 ワルファリン治療群のほうが、年齢はわずかに若く(平均80.1 vs.83.1歳)、脳卒中(14.8 vs.20.6%)や冠動脈疾患(30.8 vs.37.1%)の既往が少ないように思われたが、National Institutes of Health Stroke Scale評価の脳卒中の重症度は同程度であった(中央値6 vs.5)。 経口抗凝固薬未治療患者と比較して、ワルファリン治療群は、退院後2年間の自宅で暮らしている期間(施設ケアとの対比による)が有意に長期間であった。平均期間は治療群468.3日 vs.未治療群389.0日で、補正後の差は47.6日(99%信頼区間[CI]:26.9~68.2日、p<0.001)であった。 また、ワルファリン治療群は、MACEの発生リスク(補正後ハザード比:0.87、99%CI:0.78~0.98、p=0.003)、全死因死亡(同:0.72、0.63~0.84)、虚血性脳卒中の再発(同:0.63、0.48~0.83)についても有意な低下が認められた。 これらの差は、年齢、性別、脳卒中の重症度、冠動脈疾患と脳卒中の既往歴の別でみた臨床的に意義のあるサブグループでも一貫してみられた。

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PADIS-PE試験:ワルファリンをいつ中止するのが良いのか?~特発性肺血栓塞栓症の初発患者の場合(解説:西垣 和彦 氏)-398

 ワルファリンは、いわば“両刃の剣”である。深部静脈血栓症(DVT)を含めた静脈血栓塞栓症(VTE)による肺血栓塞栓症(PE)予防の有効性は顕著であるが、抗血栓薬自体の宿命でもある出血も、しばしば致命的となる症例も少なくない。したがって、メリットとデメリットを十分に勘案し、最大限の効果が得られる抗凝固療法継続期間を求めることには必然性がある。 PEの抗凝固療法継続期間に関して、昨年出された欧州心臓病学会(ESC)のガイドラインでは、次のように記載されている。1)PEの患者には少なくとも3ヵ月は抗凝固療法を行うこと。2)抗凝固療法中止後のPE再発の危険性は、抗凝固薬を6ヵ月ないし12ヵ月で中止しても、3ヵ月で中止した場合と同程度である。3)無制限の抗凝固療法は、再発性VTEのリスクを約90%減少させるが、大出血の発症リスクを年1%以上上昇させ、メリットを部分的に相殺する。 一方、リスクのない特発性PEに関しては、抗凝固療法中止後の再発率が高いため、出血のリスクを勘案したうえでより長期間の継続が望ましいと記載されているだけで、具体的にいつまで継続するかに関して記載がなく、担当医の判断とされている。 今回PADIS-PE試験は、この特発性PEに関して、建設的な見解を出した。それは、(1)抗凝固療法を3~6ヵ月で中止すると、手術などの一時的なリスクにより起因するVTEよりも再発リスクが高くなる、(2)さらに3~6ヵ月延長すると、治療継続中は再発リスクが抑制される結果から、より長期の抗凝固療法が求められたことである。 そもそも、未知の凝固線溶系異常患者を含み、人種差も大きい凝固線溶系であるからこそ、PADIS-PE試験で組み入れた特発性PEの観察対象者自体がすでに異質であり、この結果をそのまま受諾するのは、いささか早計ではある。しかし、PEの再発防止目的でより長期の抗凝固療法を行うことは、賛同できる結果ではないだろうか。 重要なことは、(1)PT-INRをより適切な治療域に保つ努力を怠らないこと、(2)ワルファリンの特質を、医師と患者の双方が十分に理解し、密な相互の関係を築くことである。そのうえで、再発率が高い下肢静脈近位側にDVTが残存している症例や、抗凝固療法中止1ヵ月後のDダイマーが高値である症例などに関しては、無期限の抗凝固療法も視野に入れた、より長期間の抗凝固療法継続を行うべきと考えられる。

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デング熱に気を付けろッ! その1【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気をつけろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そしてときにまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。今回はついに、この「気を付けろッ!」の大本命、デング熱の気を付け方について考えたいと思います。総まくりデングウイルスの基礎知識デング熱といえば、ご存じのとおり昨年日本でも大流行を起こした感染症であります。2014年は、日本国内で感染したと考えられるデング熱患者が162人も診断されました1)。デング熱は、基本的に自然に治癒する感染症ですので、すべての患者が病院を受診しているとは限りません。診断されていない症例はもっといるだろうと想像されます。熱帯・亜熱帯地域でデング熱を媒介しているのは主にネッタイシマカAedes aegyptiですが、日本では成田空港で見つかったことがあるのみです。したがって、今回のアウトブレイクの原因となった媒介蚊はヒトスジシマカAedes albopictusであり、日本の広い地域に分布しています。温暖化の影響により、ヒトスジシマカの分布域は北上しており、現在では本州(青森県以南)から 四国、九州、沖縄まで広く分布していることが確認されています(図)。画像を拡大する昨年の流行は、代々木公園(東京都渋谷区)から始まりました。最終的には代々木公園以外の場所で感染したと推定される患者さんも報告されましたが、大半は代々木公園で感染したと推定される症例ばかりでした。最初にデングウイルスを日本に持ち込んだのが、日本人旅行者であったのか、外国人旅行者であったのかはわかりませんが、とにかく海外でデングウイルスに感染した人が日本で発症し、代々木公園でヒトスジシマカに刺されたことによって、代々木公園のヒトスジシマカがデングウイルスを持つようになったのだと考えられます。このヒトスジシマカが代々木公園を訪れた人々を刺すことによって、海外渡航歴のない人もデングウイルスに感染し、デング熱を発症することになったのです。デングウイルスの爆発的な広がり具合からして、おそらく最初に持ち込んだ人は、代々木公園で一度ではなく何度も蚊に刺されたのだろうと想像します。今年の代々木公園は大丈夫か?「なぜ流行の起点が、代々木公園であったのか?」というと「たまたま代々木公園だった」ともいえますが、やはりいくつかの理由があると考えられます。1つは人と蚊が密集している場所であるということです。デング熱は、蚊を介して人から人にうつっていく感染症ですが、代々木公園はこの「人→蚊→人」のサイクルが作られやすい環境にある公園といえます。都会の中心に位置するため、連日多くの人々が集まりますし、多くの木々や水たまりは蚊の発生しやすい環境です。また、代々木公園では、毎週のように週末にはイベントが催されています。表は、アウトブレイク前夜に代々木公園で行われていたイベントの一覧です。画像を拡大するブラジルフェスティバルだの、タイフェアだの、デング熱が流行している国をフィーチャリングしたイベントの開催があったことが、おわかりいただけたかと思います。これは1つの可能性に過ぎませんが、もしかしたらこれらの国からイベントに参加した人が、デングウイルスを持ち込んだ可能性もあるのかもしれません。ちなみに最近の調査によりますと、東京都の蚊への対策のかいもあって、今年の代々木公園は蚊が昨年よりもかなり少ないと聞いております。しかし、代々木公園の蚊は減っているとはいえ、今年もデング熱の国内流行が起こる可能性は十分にありますッ! 昨年の大流行からさらにさかのぼること1年前、2013年に日本で、デング熱に感染したと考えられるドイツ人女性が、報告されたのを覚えていらっしゃいますでしょーか3)。すでに2013年には、日本国内にデングウイルスを持った蚊はいたと考えられます。また、昨年の162例の感染例のうち熱海市で報告された1例は、その他の症例とは起源の異なる株であることもわかっています。つまり、この2年間に日本国内には、3つのデングウイルスが侵入していたことになるのですッ!! 蚊は、日本では越冬できないためデングウイルスも冬にはいなくなると考えられていますが、今シーズンもデングウイルスが日本国内に持ち込まれる可能性は、十分にありますッ!さて、それでは次回は、どのようなときにデング熱を疑えば良いのか、また治療はどうするのかについて考えたいと思います。1)Kutsuna S, et al. Emerg Infect Dis. 2015;21:517-520.2)厚生労働省.デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き 地方公共団体向け(第1版).3)Schmidt-Chanasit J, et al. Euro Surveill. 2014;19:20681.

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103)患者さんの野菜摂取を増やす解決法【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師1日に野菜を、何皿くらい食べていますか?患者そうですね。夜に1皿か2皿くらいですかね。医師なるほど。将来の健康のことを考えた場合、1日に5皿(350g)の摂取が大きな目標となります。患者5皿ですか。全然、足りないですね。医師もし、野菜を1皿(70g)増やすとしたら、朝昼晩のいつに増やされますか?患者そうですね。朝はご飯に味噌汁なので、具だくさんの味噌汁にしています。医師それはいいアイデアですね。お昼なら、どんなアイデアがありますか?患者お昼はコンビニで菓子パンやカップスープを買うことが多いんですが……サンドイッチにしても野菜はあまり入っていないし……。医師なるほど。たしかに、お昼に野菜を入れるのは難しいですね。ところで、コンビニに野菜は売っていますか?患者はい。カット野菜やきざんだ野菜を売っています。医師では、カップスープにそれらの野菜を入れると、具だくさんになりますよ。患者それはいいですね。早速、やってみます(うれしそうな顔)。●ポイント患者さんの食環境に配慮し、野菜の摂取量を増やす方法を一緒に探します

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循環器内科 米国臨床留学記 第1回

第1回:米国における専門医教育事情今回、ケアネットから寄稿をする貴重な機会をいただきました河田 宏と申します。私は2003年に大学を卒業後、日本で循環器専門医を取得し、不整脈のトレーニングを経た後、卒後7年目の2010年より米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)で、不整脈(Cardiac Electrophysiology:EP)の臨床留学(クリニカルフェロー)を開始しました。当初は不整脈のトレーニングを修了後に帰国する予定でしたが、米国に残り臨床医としてのトレーニングを続けることに決めました。カリフォルニア大学 アーバイン校米国で不整脈専門医となるには、内科、循環器の専門医の取得が条件となっており、2013年からはオハイオ州シンシナティーに移り、内科のレジデンシーを開始しました。内科レジデンシーを修了し、本年度からカリフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine)に移り循環器のフェローを開始しました。米国の循環器フェローシップを経験された日本人医師の多くは、日本での循環器のトレーニングを経ずに米国に渡り、内科のレジデンシーから開始しておられます。ご存じのように日本で循環器専門医を取得するのも卒後6~7年かかります。同じ科目の研修を日本と米国で2回繰り返すということは時間の無駄になりますし、臨床留学を卒後6~7年からやり直すという人もあまりいませんので、私のように日本で循環器専門医を取得した後、米国に渡るというのはまれなケースだと思われます。米国で臨床留学していると聞くと「米国の臨床医学よりに偏向した意見の持ち主か」と思われるかもしれません。私は今でも日本の医療システムのほうが優れている点が多いと思っていますし、成果主義、金儲け主義的な米国の医療には渡米5年経った今でも違和感を覚えます。ただ、医学教育に関しては米国に一日の長があるように感じます。日本の研修医制度が始まって10年が経過し、ようやく専門医制度の改革が動き出したところで、日本の専門医教育(フェローシップ)はこれから大きく変わっていくと思います。米国の専門医教育は自分の学びたいことに集中できる環境が整っており、そこが米国臨床留学の醍醐味だと思いますし、日本が見習うべき点もあると思います。日本の専門医教育も日本の良さを残しつつ、米国の良いところのみを取り込んで、素晴らしいものになってほしいと思っております。今回のコラムでは、循環器を中心に、日本と米国の医療、専門医、教育の違いについて、できるだけ客観的に比較しながら伝えていきたいと思います。循環器医になるまでに何年かかる?最初に米国で循環器内科医となる過程をみてみたいと思います。米国で循環器専門医となるには医学部卒業後、最低6年間が必要です。3年間の内科のレジデンシーを修了後、3年間の循環器のフェローシップを修了して、専門医試験への資格を得ることができます。さらに、冠動脈インターベンション、EP、心不全などのサブ-スペシャルティートレーニングを1~2年間行うことも可能です。画像を拡大するたとえば、EPの場合、すべてのトレーニングを終えるのに内科レジデンシー終了後最低5年はかかります。他の内科のトレーニングは2年か3年で終わるものが多いので、循環器のトレーニングは他の内科のトレーニングより時間がかかります。EPや冠動脈インターベンションの専門医になるのは順調にいっても34歳ごろとなってしまいます。内科レジデンシー終了後、借金を返すために内科医として数年間働いたり、リサーチやチーフレジデントを行ってからフェローに応募することも多いため、トレーニング修了時で40歳ぐらいになってしまう人も珍しくはありません。狭き門? 循環器フェローへのマッチング内科の3年目の夏に循環器、消化器など内科のサブスペシャルティーのマッチングへの応募が始まります。12月のマッチデイ(マッチングの発表)まで、全米各地にインタビューに回ります。マッチする人で平均8個前後のインタビューを受けますし、飛行機を使うことも多いですから、5,000ドル程度の出費は覚悟しなければなりません。マッチングに関しては詳しいデータが公にされています。循環器は最近、給料が下がっている影響か少し人気が下がっています。ポジションに対する応募者の割合は、2011年から2013年までは倍率が1.5倍でしたが2014年~2015年は1.4倍に下がりました。具体的に、今年は835のポジションに対して1,142の応募があり、マッチ率が73%、つまり27%はマッチできなかったということになります。人口を考えると米国の循環器専門医の認定数は日本より少ないと思います。米国ではトレーニングの質を保つため、ACGMEというトレーニングを管轄する団体が病院の規模、ベッド数、手技の数、指導教官数、外来・入院患者数、カンファレンスの数などに応じてフェローの定員を決めています。このため、各病院の自由裁量では人数を増やせず、結果として上限が決まってきます。UC San DiegoやUC Irvineと言った大学病院ですら1学年の定員は5人です。米国人に有利なマッチング米国の医学部を卒業した米国人にとって、循環器のフェローシップを得ること自体はそれほど難しくなく、2011年のデータによると86%がマッチしています。一方、外国の医学部を卒業した外国人には狭き門であり、47%、半分以上が循環器フェローになれなかったということになります。優秀な候補者はどこでもいいというわけではありません。MayoやClevelandのような有名プログラムは競争も激しく、一つのポジションに対して50人を超える応募がくるようです。米国は学歴社会です。卒業した医学部に加えてどこで研修をしているかが非常に重要視されます。ホームページなどで確認できますが、有名プログラムの循環器フェローは殆どが有名なレジデントプログラムの出身です。また、住みやすいと言われる大きな都市のプログラムも倍率が高くなります。内科のレジデンシーを行った病院に循環器フェローシップがあれば、評価の高いレジデントは内部進学ができます。内部といっても競争が激しく、同期のレジデントに競り勝つ必要があります。内科を3年終えた後にチーフレジデントをやると、ほぼ確実に希望するフェローシップにいくことができるプログラムが多いため、最初からそれを目的としてチーフレジデントになる人もいます。日本のチーフレジデントとは違って実利があるのです。最近、一番人気の高いサブスペシャリティーは消化器内科でマッチ率は64%、それに呼吸器・集中治療、循環器、血液/腫瘍が続いています。逆に老年科、腎臓内科、感染症科は人気が低く、倍率は1倍以下になっています。科別の平均年収と人気の科には相関があるようで、この辺りがアメリカっぽいところでしょう。次回以降、具体的に日米のトレーニングの差についても触れていきたいと思います。

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統合失調症患者の家庭での暴力行為に関する調査:東京大学

 精神疾患患者の脱施設化を目指す日本において、家庭内暴力は重要な問題である。東京大学の蔭山 正子氏らは、統合失調症患者を対象に、家庭内暴力の割合や患者の性別、患者との関係性における違いを明らかにすべく、検討を行った。Asia-Pacific journal of public health誌オンライン版2015年7月16日号の報告。 研究グループは、精神障害者家族の世帯に質問状を配布し、回答を募った。 主な結果は以下のとおり。・350世帯から回答が得られ、302件のデータを分析した。・いずれかの家族に対し暴力行為が認められた割合は、生涯で60.9%、過去1年間で27.2%であった。・生涯で暴力を受けた対象を血縁関係ごとにみたところ、母親が51.0%と最も高く、続いて父親(47.0%)、妹(30.7%)、配偶者(23.8%)、弟(19.5%)、姉(18.2%)、兄(17.1%)の順であり、子供に対しては認められなかった。・妹は他の兄弟姉妹と比較し、被害に遭う傾向が高かった。・患者が男性の場合、父親や兄が被害に遭いやすい傾向が認められた。関連医療ニュース 日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大 統合失調症の社会参加に影響する症状は何か 統合失調症患者の自殺企図、家族でも気づかない:東邦大学  担当者へのご意見箱はこちら

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唐辛子をほぼ毎日食べると死亡リスク低下/BMJ

 香辛料入り食品を習慣的に摂取すると、あまり食べない集団に比べ、全死因死亡のほか、がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡が減少することが、China Kadoorie Biobank collaborative groupのJun Lv氏らの調査で示された。香辛料は、世界の食文化に不可欠の要素であり、食品の味や風味付け、彩り、保存食のほか医療用としても長い歴史を持つ。最近は、とくに味付けのための使用が増加しており、中国では全国的に唐辛子の消費量が多いという。一方、カプサイシンなど、香辛料の主要な生理活性成分は、種々の慢性疾患において有益な役割を果たすことが、実験的研究や地域住民研究で報告されている。BMJ誌オンライン版2015年8月4日掲載の報告より。約49万人を約350万人年追跡した前向きコホート研究 研究グループは、香辛料入り食品の習慣的な摂取状況と、全死因および原因別の死亡との関連を評価する地域住民ベースの前向きコホート研究を実施した(National Natural Science Foundation of Chinaの助成による)。 2004~2008年に、中国の地理的に多様な10地域で50万人以上の参加者の登録を行ったChina Kadoorie Biobankのデータを用いた。ベースライン時にがん、心疾患、脳卒中に罹患していた参加者を除く、30~79歳の48万7,375人(男性19万9,293人、女性28万8,082人)が解析の対象となった。 ベースライン時に、参加者は「前月に、香辛料入り食品をどのくらい食べましたか」と質問され、「まったくあるいはほとんど食べない」「数日のみ」「週に1~2日」「週に3~5日」「週に6~7日」の中から1つを選んで回答した。 「週に1~2日」「週に3~5日」「週に6~7日」と答えた者は、さらに「あなたが食べた香辛料入り食品に使用された香辛料の主な原料は何ですか」との質問に対し、「生唐辛子」「乾燥唐辛子」「唐辛子ソース」「唐辛子油」「その他」「不明」の中から回答した(重複回答可)。 香辛料入り食品をほぼ毎日(週6~7日)摂取している集団は、それ以外の集団に比べ、農村地域居住者や喫煙者、アルコール摂取者が多く、赤身肉や野菜、果物の摂取頻度が高かった。また、全体で最も摂取頻度の高い香辛料のタイプは生唐辛子(約8割)であり、次いで乾燥唐辛子(約6割)であった。 フォローアップは2004~2013年に行われ、フォローアップ期間中央値は7.2年(350万4人年)であった。この間に、男性1万1,820人、女性8,404人が死亡した。ほぼ毎日食べると全死因死亡のリスクが14%減少 香辛料入り食品の摂取頻度別の絶対死亡率は、週1日未満の群が1,000人年当たり6.1であり、週1~2日の群が4.4/1,000人年、週3~5日の群が4.3/1,000人年、週6~7日の群は5.8/1,000人年であった。 既知のリスク因子や可能性のあるリスク因子で補正後の全死因死亡率は、男女ともに摂取頻度と強い逆相関の関係を示した。全体では、週1日未満と比較した死亡の補正ハザード比(HR)は、週1~2日が0.90(95%信頼区間[CI]:0.84~0.96)、週3~5日が0.86(95%CI:0.80~0.92)、週6~7日は0.86(95%CI:0.82~0.90)であった。 香辛料入りの食品を週に6~7日食べる集団は、週に1日も食べない集団に比べ、全死因死亡の相対的リスクが14%減少した。 また、全体では、香辛料入り食品を週に6~7日食べる集団は、週1回未満の集団に比べ、がん死、虚血性心疾患死、呼吸器疾患死のリスクが有意に低かったが、脳血管疾患死や糖尿病死、感染症死には差がなかった。感染症死は、女性では週に6~7回食べる集団で有意にリスクが抑制されていた。 週に6~7日食べる集団で、生唐辛子とそれ以外(乾燥唐辛子、唐辛子ソース、唐辛子油、その他の香辛料)に分けてリスクを比較したところ、生唐辛子で有意なリスク抑制効果がみられ、それ以外では有意差のない項目として、がん死、虚血性心疾患死、糖尿病死が挙げられた。全死因死亡と呼吸器疾患死は、生唐辛子とそれ以外の香辛料ともに、リスク抑制効果が有意だった。 摂取頻度と全死因死亡の逆相関の関係は、アルコール摂取者よりも非摂取者で、より強力であった(交互作用検定:p=0.033)。 著者は、「観察研究であるため、因果関係は確定できない。これらの知見の一般化可能性を示すには、別の集団においてさらなる前向き試験を行う必要がある」とし、「エビデンスが蓄積されれば、推奨食品に加えられたり、ハーブ系の補助食品などの機能性食品の開発につながる可能性がある」と指摘している。

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