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事例64 悪性腫瘍特異物質治療管理料(その他2項目)の査定【斬らレセプト】

解説事例では、胃がん、膵がんを疑い、D009腫瘍マーカー検査2項目を測定していたのでB001[3]悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定したところ、C事由(医学的理由による不適当)により査定となった。腫瘍マーカー検査そのものの復活は無く、静脈採血料が復活されていた。同管理料の留意事項には、「悪性腫瘍と既に確定診断された場合に腫瘍マーカー検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定できる」とある。事例では「疑い病名」のままで算定していたため同管理料の算定は不適当と判断された。また、レセプト上の検査などの実施状況から悪性腫瘍を強く疑った理由が読み取れないため、腫瘍マーカー検査の復活が認められなかったものと推測できる。再審査を考えるために、本来は悪性腫瘍が確定していたのではないかとカルテを確認したが、治療計画の記載など確定診断が読み取れる記載が確認できなかったため、再審査は行われなかった。同管理料と腫瘍マーカー検査は、査定例が多く、個別指導などでも指摘が多い項目である。算定要件に十分に留意して算定をお願いしたい。

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乳がん術後放射線、リンパ節領域照射の追加は有用か/NEJM

 早期乳がんの術後に行う放射線治療において、全乳房照射または胸壁照射に、リンパ節領域照射(胸骨傍・内側鎖骨上リンパ節照射)を追加しても、全生存への効果は僅差にみられる程度であることが示された。オランダ・ラドバウド大学医療センターのPhilip M Poortmans氏らが、無作為化試験の結果、報告した。これまで、リンパ節領域照射を追加した場合の生存への効果については不明であった。なお、無病生存率と遠隔無病生存率は改善し、乳がん死亡率は有意な低下がみられたという。NEJM誌2015年7月23日号掲載の報告。4,004例を対象に無作為化試験 検討は、腋窩リンパ節転移の有無を問わず原発巣が乳輪部または乳房内側に位置する女性、または原発巣が乳房外側に位置し腋窩リンパ節転移を認める女性を対象に行われた。 被験者を、全乳房照射または胸壁照射に加えてリンパ節照射を受ける(リンパ節照射)群と、全乳房照射または胸壁照射のみを受ける(対照)群に無作為に割り付け追跡評価した。 主要エンドポイントは全生存率とし、副次エンドポイントは、無病生存率、遠隔無病生存率、乳がん死亡などだった。 1996~2004年に13ヵ国46施設で合計4,004例の患者が登録され、2群に無作為に割り付けられた。両群の患者の特性は類似しており、年齢中央値は54歳、95.8%の患者の原発巣が5cm以下で、87.5%が腋窩リンパ節転移なしもしくは1~3個であった。また、患者の大半(76.1%)が乳房温存手術を受け、術後に放射線治療を受けた。そのうち85.1%の患者では原発巣へのブースト照射が行われた。 術後、胸壁照射を受けたのは、両群患者の73.4%であった。リンパ節転移陽性患者のほぼ全例(99.0%)とリンパ節転移陰性例では66.3%が、全身的補助療法を受けた。リンパ節領域照射群の全生存率HRは0.87、生存改善について統計的確認できず 追跡期間中央値10.9年で、811例の死亡が報告された。 10年時点の全生存率は、リンパ節照射群82.3%、対照群80.7%で、全生存率の改善傾向はみられたが、補正前log-rank検定による確認はできなかった(リンパ節照射群の対照群に対する死亡ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0.76~1.00、p=0.06)。 無病生存率は、それぞれ72.1%、69.1%であった(病勢進行または死亡HR:0.89、95%CI:0.80~1.00、p=0.04)、遠隔無病生存率は78.0% vs.75.0%(HR:0.86、95%CI:0.76~0.98、p=0.02)、乳がん死亡率は12.5% vs.14.4%であった(同:0.82、0.70~0.97、p=0.02)。 リンパ節領域照射による急性副作用は、わずかであった。

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新しいがん免疫療法、これまでと何が違う?~肺がん医療向上委員会

 7月27日(月)、都内で第8回肺がん医療向上委員会※が開催された。その中で、委員長である中西 洋一氏(九州大学大学院医学研究院臨床医学部門内科学講座呼吸器内科学 教授)が、注目を集める新しいがん免疫療法について、これまでの免疫療法との違い、抗PD-1抗体薬の試験成績と今後の課題について講演した。これまでの免疫療法との違い 免疫療法は、患者の免疫応答と関係なく、一定期間経過すると消失する「受動免疫療法」と、患者の免疫応答を誘導する「能動免疫療法」に分けられる。また、この分類とは別に、特定のがん抗原に対する免疫を強化する「特異的免疫療法」と、免疫機能全般を強化する「非特異的免疫療法」に分けられる。 中西氏によると、非特異的免疫療法の中には、免疫力全般を高め、ある程度の有効性が示されている免疫グロブリンやピシバニールのほか、プロポリスやアガリクス、丸山ワクチンなど有効性に関しては“怪しい”と言わざるを得ないものが含まれる。これらはまったく効果がないわけではなく、免疫力を若干高めるというもので、そのもの自体が怪しいわけではない。しかしながら、それらを「免疫を高めるから、がんに効く」と紹介したり、宣伝したりすることで“怪しい”ものになってしまっているという。 がんの免疫療法としては、受動免疫療法においては、がんを標的とした抗体や細胞療法、また、能動免疫療法には、がんワクチン、サイトカイン(IL、TNFα、GM-CSF)、T細胞活性化メディエーターがある。現在注目されている新たな免疫療法は、このT細胞活性化メディエーターである。これまで開発されてきた免疫療法の多くは特異的免疫療法であるが、T細胞活性化メディエーターは非特異的免疫療法である、と中西氏は強調した。また、T細胞活性化メディエーターには、アクセルである共刺激経路と、大きな注目を集めている、免疫のブレーキである免疫チェックポイント(免疫抑制経路)がある。 現在、肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬として期待されているものとして、抗PD-1抗体(ニボルマブやペムブロリズマブなど)と抗CTLA-4抗体(イピリムマブなど)がある(肺がんに対しては現在、国内未承認)。その違いについて中西氏は次のように説明した。CTLA-4はリンパ組織における抗原提示を制御し免疫系全体を抑制するのに対し、PD-1は不特定多数のがん特異的免疫を抑制する。よって、抗CTLA-4抗体のほうが、抗PD-1抗体より効果が強いが副作用も多い可能性がある。ニボルマブの肺がんにおける試験成績と今後の課題 ニボルマブの扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対するCheckMate017試験、非扁平上皮NSCLCに対するCheckMate057試験は、どちらも進行期肺がんのセカンドラインにおけるドセタキセルとの比較で、全生存期間(OS)を主要評価項目として実施された第III相試験である。これらの試験のOSのハザード比は、扁平上皮がんで0.59、非扁平上皮がんで0.73と、どちらも驚くべき結果が認められ、肺がんに対する免疫療法で初めて科学的に有効性を証明した。さらに、安全性にも期待が持てる結果であった。 一方、これらの試験では、ニボルマブ群とドセタキセル群の生存曲線の交差と、PD-L1発現とニボルマブの効果の相関という2つの点において、検討すべき結果が示されている。非扁平上皮がんではニボルマブ群とドセタキセル群の生存曲線が交差しており、ニボルマブにまったく効果のない例が存在する可能性があるという。また、非扁平上皮がんではPD-L1の発現割合の多い症例でニボルマブ群が優れており、PD-L1発現とニボルマブの効果に相関がみられたが、扁平上皮がんにおいてはPD-L1の発現の有無にかかわらず、ニボルマブ群が優れていた。 中西氏はこれらの結果をまとめ、抗PD-1抗体ニボルマブは既治療のNSCLC(扁平上皮がん、非扁平上皮がん)に対して、従来の抗がん剤に比べ、明らかに優れた結果が示されたと述べた。しかしながら、ニボルマブの効果を予測するバイオマーカーについて、PD-L1は関連がある場合とない場合があるため不十分であるとし、また、治療開始の早い段階で効果のない症例を見極めて次の治療を考えることが必要であると強調した。 最後に、中西氏は、肺がんに対する薬物療法において、これまでの化学療法と分子標的療法に加え、免疫療法というもう1つの武器が手に入ったが、今後、どのように使い分けていくか、どのように併用するかを、安全性の点を含めてしっかりと検討する必要がある、と結んだ。※肺がん医療向上委員会特定非営利活動法人日本肺学会が、肺がん患者とその家族に正しい情報を提供するとともに、正しい診断と治療がなされる環境を目指し、学術団体、がん領域に関わる患者支援団体、臨床試験グループ、製薬・臨床検査関連企業など、肺がん医療に関わるすべての関係者との連携の下、2013年11月に設置。

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日本人治療抵抗性うつ病患者へのCBT併用試験とは:FLATT Project

 うつ病は、QOLへの影響が最も大きい消耗性疾患の1つであるが、うつ病患者のうち、適切な抗うつ薬治療により寛解を達成できるのは半分以下である。うつ病治療における、その他の有望な治療オプションに認知行動療法(CBT)がある。しかし、CBTの実施には、経験豊富なセラピストや多くの施行時間を要するため、普及は容易ではない。国立精神・神経医療センターの渡辺 範雄氏らは、薬物療法のみで反応不十分なうつ病患者に対し、抗うつ薬切り替えと同時にスマートフォンを用いたCBTプログラムを併用した際の有効性を検討するための研究(FLATT Project)を開始した。Trials誌2015年7月7日号の報告。 主な研究デザインは以下のとおり。・2014年9月より、多施設無作為化試験を実施。・スマートフォンを用いたCBTプログラムは、うつ病のための「こころアプリ」という名で開発され、その実行可能性は、先行のオープン試験で確認されている。・プログラムは、イントロダクション、6つのセッション、エピローグから構成され、患者が自身で9週間以内に完了できるよう設計されている。・対象患者は、DSM-5でうつ病と診断され、4週間以上の適切な抗うつ薬治療を行ったが無反応または部分反応であった164例。「こころアプリ」を抗うつ薬切り替えに併用した群(アプリ併用群)と切り替えのみを行った群(切り替え群)に割り付ける。・切り替え群では、9週間後に「こころアプリ」の全コンポーネントを受け取る。・主要評価項目は、評価者盲検にて電話評価で行う、9週間(第0、1、5、9週)を通じたPatient Health Questinnaire-9 (PHQ-9)の合計スコアの変化とした。・副次評価項目は、Beck Depression Inventory-IIの合計スコアの変化、Frequency, Intensity, and Burden of Side Effects Ratings (FIBSER)で評価した副作用の変化、および治療満足度とした。関連医療ニュース うつ病治療、行動療法の意義はどの程度か:京都大学 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 これからのうつ病治療はWebベース介入で変わるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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脳卒中は認知症を誘発するのみならず、認知症の進行を促進する(解説:内山 真一郎 氏)-391

 REGARDS(Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)に登録された米国住民から、認知障害のない45歳以上の2万3,572例を抽出し、平均6年間追跡調査したところ、515例が脳卒中を発症した。各種認知機能検査の変化を脳卒中発症群と非発症群で比較したところ、脳卒中発症群では非発症群と比較して、急性の認知機能低下と6年間の認知機能低下の促進と持続的低下が生じていた。 認知症には、アルツハイマー病のような変性疾患による認知症と、脳卒中に伴う血管性認知症とがあり、脳卒中後に生じる認知症は脳卒中後認知症と呼ばれている。しかしながら、アルツハイマー病でも脳卒中が合併すると認知機能が急速に悪化したり、認知症の進行が促進したりすることが知られている。そもそも、脳卒中の危険因子のほとんどはアルツハイマー病の危険因子でもあり、アルツハイマー病の発症機序や進行過程に、脳微小循環や血液脳関門の破綻を含む脳血管障害が密接に関与することが知られるようになった。脳卒中は、神経変性疾患を誘発または悪化させ、神経変性疾患は脳卒中後の脳損傷や認知障害を増幅するであろう。血管性危険因子は脳血管損傷を進行させ、炎症や酸化ストレスを促すと考えられる。 脳卒中と認知症は介護の対象となる2大疾患であり、健康寿命を短くする最大の原因となっている。この2大疾患の危険因子はほとんどが共通しているので、これらの危険因子を適切に管理することが脳卒中と認知症を同時に予防することになる。今年の世界脳卒中デーの標語は「脳卒中と認知症は予防できる」である。世界脳卒中機構(WSO)は、世界保健機関(WHO)に協力して血管性危険因子を管理することにより、脳卒中と認知症を予防するための一大キャンペーンを展開する予定である。

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クリプトコッカス・ガッティにガチで気を付けろッ!【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。 本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」(まあ誰も呼んでないんですけどね)は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そしてときにまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。今回はクリプトコッカス・ガッティのガチな気を付け方について考えたいと思います。海外渡航歴がなくても感染する時代へ!そもそもガッティという名前を聞いたことのない方もいらっしゃるかと思います。クリプトコッカスといえばCryptococcus neoformansですよね。現に日本でみられるクリプトコッカス症のほとんどがCryptococcus neoformansによるものです。Cryptococcus gattii(C. gattii)は、1999年にカナダのブリティッシュコロンビア州で最初の感染事例が報告されました1)。この地域では、その後も200例以上の患者が報告されており、現在も流行地域となっております。また、アメリカ合衆国でカナダに接するワシントン州とその隣のオレゴン州でもC. gattii感染症が報告されています。しかし、これらの地域以外にも、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南アフリカ、オーストラリアで報告されています2)。C. gattii感染症は世界中でみられているのですッ!それでは日本ではどうなのかといいますと……けっして他人ごとではありませんッ!!これまで日本では、オーストラリアで感染したと考えられる事例が報告されていました3)。しかし近年、なんと海外渡航歴のないC. gattii感染症の事例が報告されているのですッ4, 5)!! テラヤバス!!今のところ報告数は限られているため、基本的に国内での感染はまれとは考えられますが、海外渡航歴がなくてもC. gattiiに感染しうるということは覚えておいても良いかもしれません。では、いったいどのようにしてC. gattiiに感染するのかが気になるところでありますが、今のところ木々などの環境中に存在するC. gattiiをヒトが肺に吸い込むことで、感染すると考えられています(図)。ですので、ヒト-ヒト感染はありません。クリプトコッカス・ガッティを疑ったらC. gattiiの臨床的特徴についてですが、やはり同じクリプトコッカスであるC. neoformans感染症と似た臨床像をつくります。発熱、悪寒、頭痛などがみられ、感染臓器は肺、脳、あるいはその両方であることが多いです。感染して発症するまでの期間は、まだよくわかっていません。C. gattiiに特徴的といえるのが、肺や脳に腫瘤をつくりやすい点です。これまでの日本での報告例もすべて脳内にクリプトコッカス腫(Cryptococcoma)がみられています。C. gattiiは、C. neoformansと比較して病原性が強いといわれていますが、実際にC. neoformans感染症よりも予後が悪いのかというと、まだ検証が十分ではありません。診断は、C. neoformansによるクリプトコッカス症と同様に、髄液培養や髄液中のクリプトコッカス抗原によりますが、クリプトコッカス抗原での診断ではクリプトコッカスであることはわかっても菌種まではわかりませんので、C. gattii感染症と診断するためには、培養で同定する必要があります。「これはただのクリプトコッカスじゃない……ガチ(C. gattii)なヤツだ!」と思ったら、積極的に培養検査で菌種を同定しにいきましょう! ちなみにC. gattiiの同定は簡単ではなく、L-canavanine glycine bromothymol blue(CGB)培地という特殊な培地や分子生物学的同定法が必要になります。「流行地域への渡航歴がある」「クリプトコッカス腫がある」などC. gattii感染症が疑わしいと思った場合は、まずは細菌検査技師さんに相談してみましょう。なお、治療は基本的には通常のクリプトコッカス症に準じるのが一般的です。これについては米国感染症学会(IDSA)のガイドライン6)などをご参考ください。さて、次回は今年も国内例が出るのか注目が集まる「デング熱」について取り上げたいと思います。締め切りに遅れまくっている私の原稿が先か、2015年度の国内例の初報告が先か、勝負であります!1)MacDougall L, et al. Emerg Infect Dis. 2007;13:42-50.2)Springer DJ,et al. Emerg Infect Dis. 2010;16:14-20.3)Tsunemi T,et al. Intern Med. 2001;40:1241-1244.4)Okamoto K, et al. Emerg Infect Dis. 2010;16:1155-1157.5)堀内一宏, ほか. 臨床神経. 2012;52:166-171.6)Perfect JR, et al. Clin Infect Dis. 2010;50:291-322.

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Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 Part1

生活習慣病の治療の継続のためには、患者さんがその気になることが大切ですが、そのためには記憶に残る説明や指導が重要となります。本シリーズでは、坂根直樹氏(京都医療センター)が作成された糖尿病や高血圧、脂質異常症に関する患者指導を毎週1枚ずつお届けします。ユーモアのあるイラストが付いた、わかりやすい指導画をダウンロードして、ぜひ診療にご利用ください。坂根直樹氏からのメッセージ現代は健康に関する情報が氾濫しています。一方的な難しい説明だけでは、患者さんには病態や治療方針を理解できていないことが多くあります。患者さんの心に残るような「説明力」をぜひ磨きたいものです。本シリーズでは、1枚のイラストや図を用いて患者さんの視覚に訴え、伝えたいことを「見える化」しています。イラストや図は、患者さんに気づきや驚き(サプライズ)を起こさせるように色々工夫してあります。難しいことをわかりやすく、時にはユーモアを用いて、患者さんと上手に言葉のキャッチボールができるようになることで、患者さんの満足度も高まることと思います。〔説明力を鍛えるポイント〕難しいことをわかりやすくわかりやすいイラストや図を用いる言葉のキャッチボールを行う時には、ユーモアを交えるDr.坂根のすぐ使える患者指導画集 Part2 のコンテンツは一覧はこちらページTOPへページTOPへ

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101)OKサインでできる食事指導【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師○○さんは、どんなおやつが好きですか?患者ケーキはあまり食べないんですけど、あんこ系のお饅頭が大好きです。医師なるほど。それでは、右手でOKサインをしてみてください。患者(右手でOKサインをする)医師このくらいの大きさの小さなお饅頭が、女茶碗半分のご飯と同じくらいのカロリー(50g=80kcal)になります。患者そんなにあるんですか!(驚きの顔)医師そうなんです。野菜は低カロリーなので、小さなお饅頭ときゅうり7本が同じくらいのカロリーになります。患者えっ、そうなんですか。野菜はカロリーが少ないんですね(気づきの言葉)。医師そうですね。トマト(中)なら3個分、もやしなら2袋分と同じカロリーになります。患者これから頑張って野菜を食べるようにします。●ポイント好きなおやつと野菜のカロリーを手ばかりを使って説明することで、理解度が深まります1)小西すず. いきいき栄養学―おいしく楽しくダイエット. 2010; 診断と治療社.

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砂糖入り飲料、肥満に関係なく糖尿病リスク増加/BMJ

 砂糖入りの飲料を習慣的に飲用すると、肥満の有無とは無関係に2型糖尿病のリスクが上昇することが、英国・ケンブリッジ大学の今村 文昭氏らの調査で明らかとなった。砂糖入り飲料は肥満や2型糖尿病を増加させる可能性があり、人工甘味料入り飲料や果物ジュースによる代替が検討されているが、これらの飲料と2型糖尿病との関連は確立されていない。また、砂糖入り飲料の摂取に起因する2型糖尿病の発症状況も不明だという。BMJ誌オンライン版2015年7月21日号掲載の報告。前向きコホート試験のメタ解析、英米の人口寄与割合を評価 研究グループは、砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料および果物ジュースの摂取と2型糖尿病のプロスペクティブな関連を評価するために、文献を系統的レビューし、メタ解析を行った(Medical Research Council Epidemiology Unit Core Supportの助成による)。 砂糖入り飲料は甘味を加えたあらゆる飲料とし、砂糖入りの果物ジュースも含めたが、ダイエット用やカロリーゼロの飲料は除外した。人工甘味料入り飲料は、各試験で報告された低カロリーの清涼飲料とした。また、果物ジュースは果汁100%の飲料とし、果汁含有飲料とは区別した。 4つの医学文献データベースを用いて、2014年2月までに発表された非糖尿病の成人を対象とした前向き試験を検索した。ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った。 さらに、米国の2009~2010年の全国調査から、20歳以上の非糖尿病者1億8,910万例を代表するサンプルとして4,729例のデータを用いて人口寄与割合を算出した。また、英国の2008~2012年の全国調査から、4,470万例を代表する1,932例のデータを用いて、同様の検討を行った。砂糖入り飲料1サービング/日で、肥満と独立にリスクが13%上昇 日本の3つのコホートを含む17コホート(3万8,253例、1,012万6,754人年)から、事前に規定された情報のデータを抽出した。 砂糖入り飲料の1サービング/日の増加ごとに、肥満で補正前の2型糖尿病発症の相対リスクが18%(95%信頼区間[CI]:9~28、異質性検定:I2=89%)上昇した。肥満で補正すると相対リスクの上昇は13%(95%CI:6~21、I2=79%)に低下した。 人工甘味料入り飲料では、1サービング/日ごとの相対リスク上昇率は、肥満で補正する前は25%(95%CI:18~33、I2=70%)であり、補正後は8%(95%CI:2~15、I2=64%)まで低下した。一方、果物ジュースでは、補正前の相対リスク上昇は5%(95%CI:-1~11、I2=58%)であったのに対し、補正後は7%(95%CI:1~14、I2=51%)へと上昇した。 砂糖入り飲料に関しては、異質性やバイアスの明確な潜在的原因は確認されなかった。一方、人工甘味料入り飲料では、出版バイアスや残余交絡が示された。また、果物ジュースと2型糖尿病の正の相関が確認されたのは患者の自己申告による試験のみで、診療記録や血糖値、HbA1c値で客観的に確かめた試験では有意な関連は認めなかった(相対リスク上昇率:8%、95%CI:-3~20、異質性検定:p=0.008)。 2010年からの10年間における、肥満とは関連しない砂糖入り飲料による2型糖尿病の絶対イベント発生率は、米国が11.0%(2,090万件)、英国は5.8%(260万件)と推定された。人口寄与割合は、米国が8.7%(180万件、95%CI:3.9~12.9)、英国は3.6%(7万9,000件、95%CI:1.7~5.6)であった。また、両国とも、砂糖入り飲料の摂取量および2型糖尿病の人口寄与割合は、高齢者よりも若年者、女性よりも男性で高値を示した。 著者は、「砂糖入り飲料の習慣的な摂取は、肥満とは独立して2型糖尿病の発症に寄与する。人工甘味料入り飲料や果物ジュースにも正の関連が認められたが、バイアスの関与の可能性が示唆された」とまとめ、「砂糖入り飲料の摂取量を少なくすることで2型糖尿病の新規発症が抑制される可能性があるが、砂糖入り飲料の代わりに人工甘味料入り飲料や果物ジュースを飲用しても、2型糖尿病の予防にはつながらないと考えられる」と指摘している。

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第2世代アンチセンス薬、リポ蛋白(a)を選択的に抑制/Lancet

 第2世代のアンチセンス薬ISIS-APO(a)Rxは、血漿リポ蛋白(a)(Lp(a))濃度を選択的かつ用量依存性に減少させ、安全性や忍容性も良好であることが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のSotirios Tsimikas氏らの検討で示された。Lp(a)はアポリポ蛋白(a)(apo(a))がアポリポ蛋白B-100(apoB)と共有結合した分子で、心血管疾患や石灰化大動脈弁狭窄の独立のリスク因子とされる。apo(a)は肝細胞によって合成され、新たに合成されたapoBと共有結合してLp(a)を形成する。ISIS-APO(a)Rxは、肝におけるapo(a)の合成を減少させ、その結果として血漿Lp(a)濃度が低下するようデザインされている。Lancet誌オンライン版2015年7月22日号掲載の報告より。単回と複数回投与を評価する第I相試験 研究グループは、ISIS-APO(a)Rxの安全性と薬物動態、薬理学的効果を検討する二重盲検プラセボ対照無作為化第I相試験を実施した(Isis Pharmaceuticals社の助成による)。対象は、年齢18~65歳、BMI<32、Lp(a)≧100mg/Lの健常成人であった。 被験者は、単回投与試験では4種の用量(50mg、100mg、200mg、400mg)またはプラセボを皮下注射する群に、複数回投与試験では3種の用量(100mg、200mg、300mg)またはプラセボを6回皮下注射(第1、3、5、8、15、22日)する群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、単回投与試験が30日時、複数回投与試験は36日時の空腹時血漿Lp(a)濃度のベースラインからの変化率とした。安全性および忍容性の評価は投与終了後1週時に行い、単回投与試験は最大30日まで、複数回投与試験では12週まで継続した。 2013年2月27日~7月15日の間に47例が登録された。このうち単回投与試験は16例で、50mg群、100mg群、200mg群、400mg群にそれぞれ3例ずつが、プラセボ群には4例が割り付けられた。また、複数回投与試験は31例で、100mg群に8例、200mg群に9例、300mg群に8例が、プラセボ群には6例が割り付けられた。投与中止は2例、複数回投与で効果を確認 全体として、重篤および重度の有害事象は認めず、最も頻度の高い有害事象は軽度の注射部位反応だった。ISIS-APO(a)Rx投与群の37例のうち1例(3%、複数回投与試験の200mg群)が注射部位の有害事象で、1例(3%、同300mg群)はインフルエンザ様症候群で投与を中止したが、症状は長期化せず自然に回復した。 ISIS-APO(a)Rx投与群の10%以上に発現した他の有害事象として頭痛と疲労が認められたが、プラセボ群との間に有意な差はなかった。また、ISIS-APO(a)Rx投与群の間に、肝機能検査やその他の安全性評価にも有意な変化はみられなかった。 単回投与試験では、いずれの用量群も、ベースラインから30日時のLp(a)濃度が、プラセボ群と比較して減少しなかった。また、apoB上の酸化型リン脂質成分(OxPL-apoB)、OxPL-apo(a)、アポリポ蛋白AI(apoAI)上のOxPL(OxPL-apoAI)、プラスミノーゲン上のOxPL(OxPL-PLG)およびプラスミノーゲンにも有意な変化は認めなかった。 これに対し、複数回投与試験では、3種の用量群のいずれにおいてもベースラインから36日時の血漿Lp(a)濃度がプラセボ群よりも有意に低下した。すなわち、100mg群はプラセボ群に比べ39.6%減少し(p=0.005)、200mg群は59.0%(p=0.001)、300mg群では77.8%(p=0.001)低下した。3群とも、106日の時点(最終投与後84日)で、Lp(a)濃度がベースラインよりも低かった。 36日時のOxPL-apoBは、3種の用量群ともプラセボ群に比べ有意に減少し(100mg群:26.1%、p=0.020、200mg群:55.1%、p<0.001、300mg群:61.3%、p=0.008)、OxPL-apo(a)は2種の用量群で有意に低下した(200mg群:38.1%、p<0.020、300mg群:84.2%、p=0.001)。 著者は、「ISIS-APO(a)Rxの複数回投与は選択的かつ用量依存性に血漿Lp(a)濃度を減少させ、安全性や忍容性も良好であったことから、Lp(a)値上昇がみられる心血管疾患や石灰化大動脈弁狭窄の治療薬として開発の継続が支持される」と結論し、「本薬により、他のリポ蛋白に影響を及ぼさずにLp(a)を低下させることで治療効果がもたらされるとの仮説の検証が可能になるだろう」と指摘している。

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統合失調症患者の脳ゲノムを解析:新潟大学

 細胞ゲノム変異と染色体異常は脳疾患の神経病理と関係している。新潟大学の坂井 美和子氏らは、統合失調症患者の脳ゲノムDNAを用いて遺伝子量変化を分析し、細胞ゲノム不安定性と統合失調症との関連について検討した。その結果、疾患に関連する遺伝子コピー数多型(CNV)の候補領域を同定したことを報告した。Molecular Cytogenetics誌オンライン版2015年7月1日号の掲載報告。 統合失調症患者死後脳48例および非精神疾患罹患者死後脳48例の線条体からDNAを抽出し、2色法マイクロアレイ分析を用いて相対的DNA量の変化を認めるCNV候補領域を検索した。さらに、シグナル強度や変化の大きなCNV候補領域を選択しPCRで検証した。 主な結果は以下のとおり。・100万個のプローブで、CNV候補領域を85領域検出した。・このうち26領域は、アジア人集団でみられる一般的なCNVと一致しておらず、統合失調症もしくは他の精神疾患と関連がある遺伝子(ANTXRL、CHST9、DNM3、NDST3、SDK1、STRC、SKYなど)が含まれていた。・このCNV候補領域の大部分は、統計学的にリスク因子である可能性が高いことが示されたが、遺伝子量のシグナル強度の差は1.5倍未満であった。・CNV候補領域10領域を選択し定量的PCR法にて解析した結果、2つの遺伝子座(1p36.21、1p13.3)で遺伝子量の消失、他の2つの遺伝子座(11p15.4、13p21.1)でコピー数配列の全体的な変化が確認された。・しかし、これらの遺伝子座は、他の脳領域においても同じ体細胞CNVパターンを示した。関連医療ニュース 統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子を示唆:名古屋大学 統合失調症の慢性化に関連する遺伝子か 統合失調症の発症に、大きく関与する遺伝子変異を特定  担当者へのご意見箱はこちら

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ニボルマブ、BRAF遺伝子変異の有無にかかわらず有用

 ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は進行期メラノーマの患者において、その有効性と安全性はBRAF遺伝子変異の有無にかかわらず認められ、また、BRAF阻害薬およびイピリムマブの前治療歴による影響もみられなかったことが、英国王立マースデン病院のJames Larkin氏らにより報告された。JAMA Oncology誌2015年7月1日号掲載の報告。 ニボルマブは進行期メラノーマ患者において臨床効果を示しているが、大規模なデータセットにおいてBRAF野生型患者とBRAF V600変異陽性患者のサブグループでの比較は、これまで十分に行われていなかった。そこで、Larkin氏らは、BRAF野生型患者およびBRAF変異陽性の転移性メラノーマ患者における抗PD-1抗体ニボルマブの有用性と安全性の解析を行った。 本統合解析には4件のニボルマブの臨床試験が用いられ、後ろ向きに解析を行った。対象は切除不能なステージIII、IVの成人メラノーマ患者440例で、いずれかの臨床試験への参加時にBRAF遺伝子変異の有無を検査した。 ニボルマブは2週ごとに0.1、0.3、1.0、3.0、10.0mg/kg(83%の患者が3.0mg/kgであった)を60分以上かけて静脈内に投与し、増悪、有害事象による中止、脱落、または試験終了時まで続けられた。 主な結果は以下のとおり。・440例中BRAF野生型の患者は334例、BRAF V600変異陽性の患者は106例で、そのうち評価可能であった患者は、それぞれ217例、74例であった。・BRAF阻害薬による前治療歴を除けば、患者背景は2群間で差は見られなかった。・BRAF野生型群の客観的奏効率は34.6%(95%信頼区間:28.3~41.3)、BRAF変異陽性群の客観的奏効率は、29.7%(95%信頼区間:19.7~41.5)であった。・客観的奏効率は、BRAF阻害薬による前治療歴、イピリムマブによる前治療歴、腫瘍のPD-L1発現状況による差は見られなかった。・奏効期間中央値は、BRAF野生型群14.8ヵ月(95%信頼区間:11.1~24.0ヵ月)、BRAF変異陽性群11.2ヵ月(95%信頼区間:7.3~22.9ヵ月)であった。・奏効に至る期間の中央値は、両群とも2.2ヵ月であった。・治療に関連する全グレードの有害事象の発現率は、BRAF野生型群68.3%、BRAF変異陽性群58.5%であった。そのうち、グレード3/4の有害事象はBRAF野生型群11.7%、BRAF変異陽性群2.8%であった。両群で5%以上みられた有害事象は疲労、掻痒、発疹、および下痢であった。

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成人市中肺炎の原因微生物(解説:小金丸 博 氏)-390

 肺炎は、今でも入院や死亡原因となる重要な感染症である。肺炎球菌ワクチンが普及し、微生物検査が進歩した現代において、市中肺炎の発生率と原因微生物を調査するためにCDC(米国疾病管理予防センター)がactive population-based studyを実施した。 本研究では、シカゴとナッシュビルの5病院に市中肺炎で入院した18歳以上の成人を対象とし、28日以内の入院歴のある患者や免疫不全患者(気管切開や胃瘻が造設されている患者、臓器移植後、嚢胞線維症、CD4数200/μl未満のHIV感染症患者など)は除外された。肺炎は、発熱などの急性感染症状があること、咳などの急性呼吸器症状があること、胸部X線で肺炎像があることと定義した。病原体診断は、細菌培養(血液、胸水、良質な喀痰、気管吸引物)、遺伝子検査(喀痰、胸水、鼻咽頭・口腔咽頭スワブ)、尿中抗原検査、ペア血清による抗体検査で行った。 2010年1月~2012年6月の調査期間で、2,320例が胸部X線で肺炎像を確認された。そのうち498例(21%)が集中治療を必要とし、52例(2%)が死亡した。入院が必要な肺炎の発生件数は、年間1万人当たり24.8(95%信頼区間:23.5~26.1)だった。年齢ごとにみると、18~49歳の発生率が6.7(同:6.1~7.3)、50~64歳が26.3(同:24.1~28.7)、65~79歳が63.0(同:56.4~70.3)、80歳以上が164.3(同:141.9~189.3)であり、高齢になるほど高い傾向がみられた。 2,259例で細菌検査とウイルス検査の両方が実施され、853例(38%)で病原体が検出された。ウイルスのみが530例(23%)、細菌のみが247例(11%)、ウイルスと細菌を同時検出したのが59例(3%)、真菌あるいは抗酸菌が17例(1%)だった。検出された病原体は、多い順にヒトライノウイルス(9%)、インフルエンザウイルス(6%)、肺炎球菌(5%)だった。 本研究では、過去の研究よりも検出感度の高い微生物検査を用いたにもかかわらず、肺炎患者から病原体を検出できたのは38%のみだった。その理由としては、下気道検体を採取できなかったこと、検体採取前の抗菌薬投与の影響、非感染性疾患の可能性などが挙げられる。肺炎の原因微生物を決定することは、現在の微生物検査のレベルをもってしても困難であることを知っておくべきだろう。 肺炎像を呈している患者から最も多く検出された病原体は、“かぜ”の原因微生物として知られるヒトライノウイルスだった。このウイルスが肺炎の原因微生物になっているのかは疑問の余地があるが、無症候コントロール群ではまれにしか検出されておらず、成人の市中肺炎発症に関与している可能性は十分考えられる。 原因微生物として、インフルエンザウイルスや肺炎球菌が多いことも示された。これらに対してはワクチンが存在するため、さらなるワクチンの普及、啓発が重要であると考える。

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なぜ骨粗鬆症になるのか?

骨粗鬆症の原因となるものは、何ですか?【骨粗鬆症】生活習慣病高血圧心臓病糖尿病薬による続発性骨粗鬆症ステロイド薬●骨粗鬆症の原因(危険因子)として、女性、加齢、喫煙、飲酒、生活習慣病、ステロイド薬使用などがあります!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.

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抗うつ薬とNSAIDs併用、頭蓋内出血リスク1.6倍/BMJ

 抗うつ薬と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の併用開始30日間において、頭蓋内出血リスクの増大が認められることを、韓国・医薬品安全・リスクマネジメント研究所(Institute of Drug Safety and Risk Management)のJu-Young Shin氏らが、2009~2013年の韓国健康保険データを後ろ向きに分析し報告した。NSAIDs非併用群と比較して1.6倍高かったという。BMJ誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。5年間の韓国健康保険データを後ろ向きに分析 検討は、傾向スコア適合コホート研究にて行われた。2009年1月1日~2013年12月31日の韓国健康保険データベースから、前年に抗うつ薬処方歴がなく、同じく前年に脳血管障害の診断歴のない初回抗うつ薬投与患者を対象とし、NSADs併用開始後30日以内の頭蓋内出血による入院を調べた。 適合Cox回帰モデルを用いて、傾向スコアで1対1に適合後、抗うつ薬治療患者の頭蓋内出血リスクについて、NSAIDs併用 vs.非併用を比較した。抗うつ薬のクラスによる有意なリスクの差はみられず 傾向スコア評価・適合後、分析コホートには414万5,226例が組み込まれた。 結果、全試験期間中の30日頭蓋内出血リスクは、NSAIDs非併用群よりも併用群が有意に高率であった(補正後ハザード比:1.6、95%信頼区間:1.32~1.85、p<0.001)。 同リスクについて、各クラスの抗うつ薬についてそれ以外の抗うつ薬群と比較し検討したが、統計的に有意な差はみられなかった。

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ウィルムス腫瘍の術後補助療法、DOXは省略可/Lancet

 ステージII~IIIで中等度リスクのウィルムス腫瘍の標準的術後化学療法に関して、ドキソルビシン(商品名:アドリアシンほか)をレジメンに含む必要はないことが実証された。英国・ロンドン大学小児保健研究所のKathy Pritchard-Jones氏らが小児患者583例を対象に行った、国際多施設共同の第III相非盲検非劣性無作為化対照試験「SIOP WT 2001」の結果、示された。ドキソルビシンは標準レジメンに含まれているが、研究グループは、「ドキソルビシンの心毒性作用の回避が、術後予後が良好であった患児の長期アウトカム改善のために重要である」として、ドキソルビシンがレジメンから省略可能か検討を行った。Lancet誌オンライン版2015年7月8日号掲載の報告より。ドキソルビシンを省略可能か2年時点の無再発生存率で評価 SIOP WT 2001は、26ヵ国251病院から原発性腎腫瘍と診断された小児(生後6ヵ月~18歳)を集めて行われた。患児は、ビンクリスチン(商品名:オンコビン)とアクチノマイシンD(同:コスメゲン)による4週間の術前化学療法を受けていた。 待機的腎切除後の評価でステージII~III中等度リスクのウィルムス腫瘍と判定された患児を、最小化法を用いて、ビンクリスチン1.5mg/m2(1~8、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27週時)+アクチノマイシンD 45μg/kg(2週目から3週間に1回)とドキソルビシン50mg/m2を5回(2週目から6週間に1回)投与する(標準治療)群またはドキソルビシン非投与(実験的治療)群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、2年時点の無再発生存率の非劣性についてで、intention to treatにて解析を行い規定マージンは10%であった。 また、安全性と有害事象について評価(肝毒性と心毒性を系統的にモニタリング)した。両群差4.4%で、省略群の非劣性が認められる 2001年11月1日~2009年12月16日の間に、583例の患児(ステージIIが341例、ステージIIIが242例)が集まり、ドキソルビシンを含む標準治療群に291例を、ドキソルビシンを省略した実験的治療群に292例を無作為に割り付けた。追跡期間中央値は60.8ヵ月(IQR:40.8~79.8)であった。 2年時点の無再発生存率は、標準治療群92.6%(95%信頼区間[CI]:89.6~95.7)、実験的治療群88.2%(同:84.5~92.1)で、両群差は4.4%(同:0.4~9.3)であり事前規定のマージン10%を超えなかった。 5年全生存率は、標準治療群96.5%(同:94.3~98.8)、実験的治療群95.8%(93.3~98.4)であった。 治療関連の毒性作用による死亡の報告は4例。標準治療群の死亡は1例(<1%)で敗血症によるものであった。残る3例が実験的治療群(1%)で、水痘、代謝性の発作、再発治療中の敗血症で死亡した。 また、17例の患児(3%)で肝静脈閉塞性疾患が、心毒性作用の報告は、標準治療群291例のうち15例(5%)であった。 腫瘍が再発し死亡に至ったのは、標準治療群12例、実験的治療群10例であった。

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名誉の負傷【Dr. 中島の 新・徒然草】(078)

七十八の段 名誉の負傷診察室にやって来たのは70代と40代の母娘。 中島 「3年前に交通事故にあったわけですか」 母 「そうなんですよ。自転車に乗っていたら車にはねられて」 中島 「あらら」 母 「ひどい事故だったんで、もう死んだと思いました」 現在はリハビリに通っていますが、高次脳機能障害が疑われるため、脳外科外来にも来院されたのです。 母 「リハビリに行ってもね、見た目が元気だからスタッフと間違えられるんですよ」 娘 「『ちょっと、ネエちゃん』って、声をかけられるんです」 母 「でも、この子は自分も患者だということをうまく言えないんです」 中島 「それは困ったな」 高次脳機能障害の患者さんにありがちなパターンです。頭がうまく働いていなくても、見かけが普通なので障害が見えにくく、周囲に理解してもらえないわけです。 中島 「その傷は気管切開ですか?」 ふと娘さんの喉の傷に気が付きました。 母 「そうです」 娘 「この傷、知らない間にできていて、恥ずかしいんです」 中島 「何をおっしゃるんですか。名誉の負傷ですよ!」 気管切開までする必要があったわけですから、大事故だったに違いありません。患者さんも生死の境をさまよったと思いますが、治療する方も大変だったことでしょう。 中島 「病院のエレベーターでもね、時々、気管切開の痕のある人が乗り合わせることがありますけどね。『重病だったんだな。よく生きられたな』と、私なんかは思いますよ」 母 「ウチの娘も死んでいてもおかしくない事故でした」 中島 「御本人もお医者さんも頑張ったんですね」 母 「ホントにその通りです。若い先生だったけど一生懸命に治療してくれて。いつのまにか異動していかれたんで、ちゃんと御礼も言えないままになっているんです」 当時のことを思い出したのか、お母さんは涙ぐんでおられました。 中島 「ですから気管切開の痕を恥ずかしいなんて言う必要ないですよ」 母娘 「そうですね」 中島 「スタッフと間違えられたら、気管切開のところを黙って指差ししたらどうですか。あの世に行きかけた証拠ですから、何よりも説得力がありますよ」 母娘 「ホントだ! 今度からそうします」 喉の傷を見て「気管切開だ!」とわかってもらえるのは相手が医療関係者の時くらいでしょうが、それでも口で説明するより余程簡単です。それにしても医療現場というのは色々なドラマがあるものだ、と改めて思わされました。最後に1句気切した 命の恩人 今いずこ

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高齢者への1次予防ICD移植は有用か/BMJ

 心不全やその他急性の併存疾患で入院した高齢者に対し、1次予防として植込み型除細動器(ICD)移植を行っても、長期の全死因死亡や心臓突然死のリスク低減にはつながらないことが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院/ハーバード・メディカル・スクールのChih-Ying Chen氏らが、2万例超の高齢者について、後ろ向きコホート試験を行った結果、明らかにされた。BMJ誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。メディケア・メディケイドやACCレジストリなどのデータを分析 研究グループは、2004~2009年の米国公的医療保険メディケア・メディケイドの運営主体「CMS」の請求データや、米国心臓病学会(ACC)の全米心血管データレジストリ(NCDR)などを基に、心不全やその他急性併存疾患で入院し、1次予防ICD移植の適応である66歳以上高齢者2万3,111例について、後ろ向きコホート試験を行った。 1次予防ICDの有効性について分析し、主要評価項目は、全死因死亡と心臓突然死とした。補正後の全死因死亡、心臓突然死リスクともに両群で同等 結果、3年補正前死亡率は、入院中にICD移植を受けなかった人が60%に対し、ICD移植を受けた人は40%と低率だった。しかし、高次元傾向スコアで調整後は、移植後180日の全死因死亡リスク、心臓突然死リスクともにICD移植によるリスク低下は認められなかった(それぞれ、補正後ハザード比:0.91、同:0.82~1.00、同ハザード比:0.95、同:0.78~1.17)。この傾向は、移植後365日についても同様だった。 なお、ICD移植により総死亡や心臓突然死リスクを低減する可能性があるグループとして、心筋梗塞を40日以上前に発症した人や、左脚ブロック、血中B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)低濃度が認められる人にそうした傾向がみられたものの、いずれも有意差には至らなかった。 著者は結果を踏まえて、「今回の結果は、高齢者においてどのようなグループが、ICD移植のメリットを得られるのか、さらなる検討を行うべき根拠を示すものであった」と述べている。また、「それら非代償性心不全や非心臓性併存疾患のリスク因子がある患者の認識が、より良好なICD施術に結び付き、デバイスが最大の有益性をもたらし、有意義な生存延長をもたらすことになるだろう」とまとめている。

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