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腰椎分離症の新たな後方固定術、成績良好

 腰椎分離症に対する手術療法の成績は比較的良好であるが、現在の手術法には隣接椎間の変性、軟部組織の損傷、適応の制限などまだ多くの限界がある。中国・West China Hospital of Sichuan UniversityのXing Rong氏らは、wiltseアプローチを用いた分離部修復を伴うISOBAR TTLによる腰椎後方固定の有効性を後ろ向き研究で評価した。結果、すべり症の有無にかかわらず腰椎分離症における臨床成績は良好であった。著者は、「この新しい手術手技は幅広い症例に適応でき、技術的な限界を克服できる」とまとめている。Spine誌オンライン版2015年11月27日号の掲載報告。 対象は、2010年8月~13年1月に、腰椎分離症(軽微なすべり症の有無は問わない)で、wiltseアプローチを用いた分離部修復を伴うISOBAR TTLによる、腰椎後方固定を受けた患者13例であった。全例、24ヵ月以上にわたり、外来受診時または電話により追跡調査した。 術前および術後の放射線学評価は前後、側方および屈曲X線画像、3次元再構築CTおよびMRI画像により行った。評価項目は、手術時の失血、手術時間、視覚的アナログスケール(VAS)、オスウェストリー障害指数(ODI)など。 主な結果は以下のとおり。・被験者(13例)は、男性9例、女性4例、平均年齢28.2歳であった。・追跡期間中央値は、36ヵ月(範囲:24~53ヵ月)であった。・手術は合併症もなく全例で成功した(分離部骨融合は、術後2年時にCTで確認された)。・椎間板性疼痛、30歳超、重度の椎間板変性を有する患者を含む全例において、有意な疼痛改善が得られた(p<0.01)。

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過度のHbA1c検査が糖尿病治療の過剰化をもたらす/BMJ

 血糖コントロールが安定した2型糖尿病患者の多くでは、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の検査回数が多過ぎ、そのため血糖降下薬による治療が過剰となる可能性があることが、米国メイヨークリニックのRozalina G McCoy氏らの検討で示された。米国では、インスリン製剤を使用せずに血糖コントロールが達成、維持され、直近の糖尿病関連の急性合併症がみられない成人2型糖尿病患者(妊婦を除く)には、年に1~2回のHbA1c検査が推奨されている。一方、HbA1cの検査回数が多いと保健医療における冗長性(redundancy)や無駄が増えることが報告されているが、これらの試験は規模が小さいため、過剰なHbA1c検査が治療に及ぼす影響の評価は難しいという。BMJ誌オンライン版2015年12月8日号掲載の報告。HbA1c検査頻度別の治療変更への影響を後ろ向きに評価 研究グループは、2型糖尿病患者におけるHbA1c検査の実施状況およびその治療への影響を評価するために、地域住民ベースのレトロスペクティブな観察試験を行った(米国医療研究・品質調査機構[AHRQ]などの助成による)。 解析には、全米の8,600万人以上の民間保険加入者を対象とした診療報酬請求データベースであるOptum Labs Data Warehouseおよびメディケア・アドバンテージの2001~14年のデータを用いた。 対象は、年齢18歳以上、血糖コントロールが安定し(24ヵ月以内の2回の検査でいずれもHbA1c<7.0%)、インスリン製剤を使用しておらず、重症の低血糖や高血糖の既往がない2型糖尿病患者であり、妊婦は除外した。 HbA1c検査の頻度は、2回目を起点としてその後24ヵ月までの実施回数を数え、ガイドラインの推奨回数(0~2回/年)、高頻度(3~4回/年)、過剰(5回以上/年)に分類した。 治療レジメンの変更は、検査の3ヵ月後と3ヵ月前の薬剤の診療報酬請求を比較することで確認した。治療の強化は、血糖降下薬の薬剤数の増加およびインスリン製剤の追加と定義し、脱強化は1つ以上の薬剤を中止した場合とした。HbA1c検査は60%以上が推奨回数以上、過剰群は強化療法が1.35倍 解析の対象となった3万1,545例のベースラインの平均年齢は58±11歳、起点の検査時の平均HbA1cは6.2±0.4%であった。32.9%が血糖降下薬の投与を受けておらず、1剤が37.7%、2剤が21.3%、3剤以上は8.2%であった。 HbA1c検査の頻度は、過剰が5.8%(1,828例)、高頻度が54.5%(1万7,182例)、推奨回数は39.7%(1万2,535例)であった。再検査までの期間中央値は、それぞれ4週、12週、27週だった。 検査回数の多い患者は、年齢が高く、合併症罹患率が高く、糖尿病治療薬の数が多く、HbA1cが高値であった(いずれも、p<0.001)。 また、年間の医療提供者の数が、HbA1c検査頻度が推奨回数の患者に比べ過剰群(オッズ比[OR]:1.14、95%信頼区間[CI]:1.10~.1.18、p<0.001)および高頻度群(OR:1.05、95%CI:1.04~1.07、p<0.001)はともに有意に多かった。 起点のHbA1c検査後に、81.6%の患者は治療を変更しなかったが、血糖コントロールが推奨目標値を満たしたにもかかわらず、治療が強化された患者が8.4%認められた。その内訳は、過剰群が13%、高頻度群が9%、推奨回数群は7%だった(p<0.001)。 HbA1c検査頻度の過剰群は、推奨回数群に比べ強化療法が施行される可能性が有意に高かった(OR:1.35、95%CI:1.22~1.50)が、脱強化療法への移行には有意な差はなかった(同:1.08、0.97~1.20)。 過剰な検査の割合は、2001~08年には大きな変動はなかったが、09年以降は有意に減少した。11年の過剰検査率は、2001~02年に比べ46%低下した(OR:0.54、95%CI:0.46~0.64、p<0.001)。 著者は、「60%以上が推奨回数以上の検査を受けており、これが過剰な血糖降下薬治療をもたらす可能性がある」とまとめ、「過剰な検査は、保健医療における無駄を増やし、糖尿病管理における患者の負担を増大させる」としている。

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梅毒に気を付けろッ! その3【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。第15回となる今回は梅毒の続きで、梅毒の診断と治療についてです。梅毒を見付けろッ!はじめは検査についてです。当然のことですが、梅毒の検査は、梅毒を疑ったときに行います。しかしながら、今も古き伝統にならって術前検査としてHIV抗体とかHBs抗原とかと一緒に梅毒の検査を行っている施設も多いのではないでしょうか。なかには「入院時セット」として測定されているところもあるという話です。ところが、実際のところ針刺し事故での梅毒感染事例は、きわめてまれであることがわかっており、今日的には梅毒を術前に検査する必要性はないとされます。しかし、実際にはまだ測定している施設が多いのではないでしょうか。感染症科的には、ときどき「術前検査で陽性なんですけど。どうしたらいいですか」というご相談をいただきます。たとえば術前検査で「RPR 0.9 TPHA 2048」という結果だったら、どう解釈すればよいでしょうか。梅毒の検査には、主に病原体であるTreponema pallidumを暗視野顕微鏡やPCRなどで証明する方法と、間接的に梅毒血清反応検査で診断する方法の2通りがありますが、検査の簡便さや保険収載の点から、現在の日本では大半が後者で診断されています。梅毒血清反応検査もさらに2つに分かれます。いわゆる非トレポネーマ検査(rapid plasma reagin:RPRやvenereal disease research laboratory:VDRL)と特異的トレポネーマ検査(Treponema pallidum hemagglutination assay:TPHAやFluorescent treponemal antibody-absorption test:FTA-ABS)です。簡単にいうと、非トレポネーマ検査は現在の活動性を意味し、特異的トレポネーマ検査は1度感染すると生涯陽性が続きます。非トレポネーマ検査は、現在、感染中かどうかの評価や治療効果の判定に用いることができますが、感染早期には偽陰性になることがある点や膠原病、妊娠、肝疾患などで生物学的偽陽性となることがある欠点を持っています。RPRの数値は、一般的には8より大きい場合には活動性があると考えて治療を行いますが、8未満であっても臨床症状でかなり疑わしい場合や特異的検査は陽性なのに、これまでに1度も治療を受けたことがない場合には治療を考慮します。RPRは従来「○倍」という表示で結果が示されていましたが、最近は自動化によって数値で表示されるようになりました。しかし、この数値もこれまでどおり「8以上であれば活動性があると考える」という原則は変わりません1)。特異的トレポネーマ検査が陽性であった場合は、まず間違いなく現在または過去の梅毒感染を意味しますが、活動性についてはわかりませんので、非トレポネーマ検査と組み合わせて解釈する必要があります。以上をまとめますと、表のようになります。先ほどの「術前検査で梅毒検査が陽性なんですけど…」っていう事例は、RPR陰性、TPHA陽性ですから、おそらく過去の感染でよいと思われますが、感染して間もない1期梅毒の可能性もあるので注意が必要です。画像を拡大する梅毒の治療では再感染に気を付けろッ!梅毒に活動性があるとわかったら抗菌薬治療を行います。神経梅毒と眼梅毒以外の梅毒の治療は、海外ではベンザチンペニシリンGの筋注一発でOKなのですが、日本では残念ながらありませんので、アモキシシリンに加えて、血中濃度を高めるためにプロベネシドを組み合わせるという治療が、伝統的に用いられていました。最近この治療の有効性が証明されましたので2)、どうぞ安心してお使いください。処方例は、アモキシシリン 3g分2~4、プロベネシド 1g分1~2という感じです。ただし、治療開始時にヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(JH反応)という「梅毒トレポネーマの最後っぺ」的な発熱が起こることがあるのと、治療開始から7~10日後くらいにアモキシシリンによる皮疹が出ることがありますので、その説明を事前にしておく必要があります。私はJH反応が起こったときのために、アセトアミノフェンを頓服で処方するのと、「皮疹が出たら病院に来てください」と説明しています。治療期間は1期梅毒・2期梅毒・早期潜伏期梅毒では14日間、後期潜伏期梅毒では適切な治療期間はまだ十分にわかっていませんが、4週以上治療されることが多いです3)。神経梅毒と眼梅毒は、一般的には髄液移行を考慮して点滴治療が推奨されます。処方例としては、ペニシリンG 300~400万単位 4時間ごと(または1,800~2,400万単位/日を持続投与)を10~14日間投与する、というレジメンがガイドラインでは推奨されています3)。治療効果の判定は非トレポネーマ検査を用いて行います。といっても、治療開始してすぐにRPRが低下するわけではなく、ゆ~っくり時間をかけて下がっていきます。治療から半年~1年以内(後期潜伏期梅毒では2年以内)に、治療開始時のRPRから4分の1以下になっていれば治療は成功ということになります。この期間を過ぎても4分の1以下に下がりきらない場合には、治療は失敗または再感染と判断し、再度治療を行うことになります。性感染症の患者さんは、しばしば再感染しますから、梅毒治療後のフォローアップは非常に重要です!感染拡大に気を付けろッ!性感染症を診たときに大事な2つのポイントがありましたよね。そう、梅毒以外の性感染症のスクリーニングとパートナーの検査です。たとえば梅毒を診たらHIV、B型肝炎、淋菌・クラミジアなど他の性感染症もスクリーニングしましょう。また、患者さんに特定のパートナーがいる場合は、その相手にも梅毒の検査を行い、陽性であれば治療を行います。ただし、診断の90日以内に患者と性交渉がある場合は、RPRなどの非トレポネーマ検査が陰性であっても偽陰性の可能性を考慮して、治療してしまうことが推奨されます3)。先日もパートナーの治療が遅れてしまったがために、再感染してしまった事例を経験してしまいました…。パートナーの検査・治療は、患者さん自身がパートナーに性感染症のことを知られたくないという思いから、なかなか難しいこともありますが、パートナーに重要性を根気強く説明し、何とか一緒に検査・治療を行いたいところです。というわけで、3回にわたってお送りいたしました梅毒の回もようやく終わりです。再興感染症である梅毒は、まだまだ見逃されているのではないかと思っています。しっかり診断・治療して梅毒の流行を終わらせましょう!次回は、今話題になっている蚊媒介感染症の「ジカ熱」ですッ! 今を逃したら他に紹介するタイミングがないくらい、ホットなタイミングですッ!!1)井戸田一朗. 感染症誌.2014;88:275-281.2)Tanizaki R, et al. Clin Infect Dis. 2015;61:177-183.3)Workowski KA,et al. MMWR Recomm Rep. 2015;64:1-137.

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双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴

 双極性障害と強迫症の併存は小児期・思春期および双極I型障害患者に多いことが、イタリア・パルマ大学のA. Amerio氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにされた。ただし、著者らは、本研究の限界として「ほとんどの研究は、真の自我異和的な強迫観念と抑うつ的な反芻の区別において感度の低い後ろ向き評価尺度を使用しているため、強迫症状の有病率を過大評価する方向へバイアスが生じている可能性がある」と述べている。Journal of Affective Disorders誌2015年11月1日号の掲載報告。 双極性障害と不安症の併発については最近、調査が行われたが、双極性障害と強迫症の併発に関する研究は不十分なままであった。双極性障害と強迫症の併存率と予測因子を明らかにすることは、疾病分類学においても臨床・治療のうえでも重要な意味を持つ。研究グループは、2015年3月30日までに発表された関連論文を、電子データベース(MEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Library)を用いて検索し、システマティックレビューならびにメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・論文46本が選択基準を満たした。・双極性障害における強迫症の有病率は17.0%(95%信頼区間[CI]:12.7~22.4%)、強迫症における双極性障害の有病率は18.35%(95%CI:13.2~24.8%)で、ほぼ同等であった。・双極性障害患者における強迫症の有病率が低いことの予測因子は平均年齢が高いことであった。・サブグループメタ解析において、双極性障害患者において強迫症の併存率が高かったのは、小児・思春期[24.2%(vs.成人13.5%)]、双極I型[24.6%(vs.混合状態13.6%)]、住民ベース研究[22.2%(vs.病院ベースの研究13.2%)]であった。関連医療ニュース うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 双極性障害患者の約半数が不安障害を併存 治療抵抗性強迫症に抗精神病薬の増強療法は有効か  担当者へのご意見箱はこちら

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幸せだと長生きするとは本当か?/Lancet

 幸福であることで寿命が伸びたり、ストレスによる苦痛が死亡を早めることはないとの研究結果が、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のBette Liu氏らにより報告された。幸福や、精神的負担感(ストレス)が少ない、落ち着いて、くつろぎ感(リラックス)のある生活は、死亡率を低下させることが示唆されている。一方、不幸は、喫煙、アルコールの過剰摂取、肥満、運動不足など、疾患の危険のある生活様式をもたらす可能性があるが、むしろ不健康が不幸の原因となる逆因果関係の重要性が指摘されており、これらの交絡因子で補正すると、不幸は死亡率の上昇とは関連しないとする研究もあり、統一的な見解は得られていないという。Lancet誌オンライン版2015年12月9日号掲載の報告。約72万人の女性で幸福が死亡に及ぼす影響を評価 研究グループは、Million Women Studyのデータを用いて、幸福やそれに関連する健康的な生活の主観的指標(ストレスが少ない、落ち着き、リラックス)が、逆因果関係や交絡因子を適切に考慮しても、直接的に死亡を低減するかとの疑問に答えるための検討を行った。 Million Women Study(http://www.millionwomenstudy.org/introduction/)は、女性のさまざまな健康問題の解決を目的とする英国の全国調査である。1996年5月1日~2001年12月31日に、イングランドおよびスコットランドの50~69歳の女性約130万人が登録され、電子記録により原因別の死亡の追跡調査が行われた。 被験者には、登録から3年後にベースラインの質問票が送付され、社会人口学的因子や生活様式のほか、健康状態、幸福、ストレス、落ち着き、リラックスに関する質問に、自己評価で回答するよう求められた。 ベースラインの質問票への回答時に心疾患、脳卒中、COPD、がんが認められなかった女性において、2012年1月1日までの死亡(全死因、虚血性心疾患、がん)について解析を行った。 Cox回帰を用いてベースラインの自己評価による健康状態と生活様式の因子で補正したうえで、「不幸」(幸福を感じる頻度が「ときどき」「ほとんど/まったくない」)と回答した女性の死亡率を、「ほとんどいつも幸福」と答えた女性と比較し、死亡の率比(RR)を算出した。 71万9,671例(年齢中央値:59歳、四分位範囲:55~63)が解析の対象となり、平均9.6年(SD 1.9)の追跡期間中に4%(3万1,531人)が死亡した。不健康は不幸をもたらすが、不幸で死亡率は上昇しない 「ほとんどいつも幸福」と答えた女性が39%(28万2,619人)、「たいていは幸福」が44%(31万5,874人)であり、「不幸」との回答は17%(12万1,178人)だった。 ベースライン時に自己評価による健康状態が「不良」または「普通」と答えた女性では、「不幸」と強い関連が認められた(補正RR:0.298、99%信頼区間[CI]:0.293~0.303)。 年齢、自己評価による健康状態、高血圧・糖尿病・喘息・関節炎・うつ状態・不安の治療、社会人口学的因子や生活様式因子(喫煙、窮乏、BMIなど)で補正すると、「不幸」は全死因死亡(「ほとんどいつも幸福」に対する「不幸」の補正RR:0.98、95%CI:0.94~1.01)、虚血性心疾患死(補正RR:0.97、95%CI:0.87~1.10)、がん死(補正RR:0.98、95%CI:0.93~1.02)とは関連しなかった。 ベースライン時に健康状態が「良好」「きわめて良好」と答えた女性では、「不幸」は虚血性心疾患死およびがん死とは関連がなかった。 また、健康状態が「良好」「きわめて良好」と答えた女性では、「ストレスがある」「リラックスできない」「落ち着かない」のいずれの場合でも、全死因死亡率が上昇することはなかった。 著者は、「中年女性では、不健康が不幸の原因となる可能性はある。これを考慮したうえで交絡因子で補正すると、幸福やストレスは、死亡に対し直接的に重大な影響は及ぼさない」と結論している。

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大腸がんスクリーニングの受診率を高めるには/Lancet

 英国・ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのJane Wardle氏らは、NHS大腸がんスクリーニングプログラム(ASCEND)の受診に関する、社会経済的格差低減のための戦略を明らかにするため、4つのエビデンスのある受診勧奨の介入(小冊子配布など)について検討を行った。その結果、効果が認められたのは、スクリーニングの申し込みを再度促すバナー付きリマインダーレター送付の介入であったという。英国では国家的な大腸がんスクリーニングプログラムが行われているが、受診状況は社会経済的状況によってばらつきがあるという。研究グループは、スクリーニングの健康ベネフィットを改善するため、この格差を低減するための4つの介入について検討を行った。Lancet誌オンライン版2015年12月8日号掲載の報告。4試験で、補足的介入の効果を比較 検討は、イングランドのスクリーニング適格者(60~74歳男女)を、4つのクラスター無作為化試験に包含して行われた。無作為化は受診招待日に基づいて実施。対象者の自宅住所に基づきMultiple Deprivation scoreを用いて社会経済的状況(貧困度)を定義した。 4試験ではそれぞれ、標準的な情報提供と、標準的な情報提供+補足的介入を行い比較した。 補足的介入はいずれもエビデンスのあるもので、試験1(2012年11月実施)では、読み書き、演算の能力が乏しい人でも理解しやすいとされている、キーとなるスクリーニング情報の骨子をまとめた小冊子を配布。試験2(2012年3月)では、読み書き能力に乏しい人との効果的なコミュニケーションと認知されているナラティブインフォメーションを活用した小冊子を配布した。具体的には、スクリーニング体験者の実経験に基づき創作した、検査結果やポリープ切除、スクリーニングで大腸がんを発見といったスクリーニングのアウトカムについての物語。試験3(2013年6月)では、かかりつけ医によるプログラム参加推奨の招待状を配布した。この介入は、家庭医の介入により社会経済的状況が低い群でスクリーニング受診が改善したという国際的エビデンスに基づく。試験4(2013年7~8月)は、スクリーニングの申し込みを再度促すバナー付きリマインダーレターの送付であった。リマインダーレター送付が効果あり、冊子配布や医師の推奨レターは格差を解消せず 4試験はスクリーニングプログラムに組み込まれていたため、ほぼ全員のフォローアップが可能であった(追跡不可0.5%未満)。 結果、試験1(16万3,525例)と試験2(15万417例)は、受診改善の効果が全体的にも、社会経済的格差に対しても認められなかった。 試験3(26万5,434例)では、社会経済的格差に対する効果はみられなかったが、全体的な受診の改善は認められた(補正後オッズ比[OR]:1.07、95%信頼[CI]:1.04~1.10、p<0.0001)。 試験4(16万8,480例)では、有意な相互作用が社会経済的格差において認められ(p=0.005)、最低五分位の貧困度群(補正後OR:1.00、95%CI:0.94~1.06、p=0.98)よりも、最高五分位の貧困度群(1.11、1.04~1.20、p=0.003)で効果が強かった。なお、全体的な受診も有意に増大した(1.07、1.03~1.11、p=0.001)。 結果を踏まえて著者は、「4つのエビデンスのある介入のうち、リマインダーレターが、スクリーニングの社会経済的格差を低減することが示された。しかし、さらなる格差の改善がレター送付だけで図れるのかは、チャレンジングなことだろう」と述べている。

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インスタグラムを使っている学会はあるか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第57回

インスタグラムを使っている学会はあるか? FREEIMAGESより使用 インスタグラム(instagram)という言葉をご存じでしょうか。私はスマホデビューしたのが最近ということもあって、LINEやインスタグラムという言葉は最近知ったくらいです。 Wikipediaによれば、「Instagram(インスタグラム)は、無料の画像共有アプリケーションソフトウェアである。デジタル画像を撮影し、画像編集(フィルター)をし、同サービスあるいは、Facebook、Twitter、foursquare、Tumblr、Flickr、ポスタラスといった他のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で共有する」と書かれています。要は、写真をSNSで共有するアプリということですね。ふむふむ。 紹介するのはインスタグラムにまつわる、ある報告。 Karimkhani C, et al. Dermatology on instagram. Dermatol Online J. 2014;20. この論文では、皮膚科に関連する学会や団体でインスタグラムを使用しているところがあるかどうか調べたものです。別にチャチャを入れるワケではありませんが、わざわざそれを論文にしたのはなぜだろう…。この報告によれば、インスタグラム上で皮膚科に関連するキーワードや団体名を検索しましたが、ほとんど引っかからなかったそうです。唯一 Melanoma Research Foundationという悪性黒色腫の団体だけがインスタグラムを使用していたという結果でした。皮膚科や病理のように写真がきわめて重要な情報源となる学会や団体では、TwitterやFacebookよりもインスタグラムの普及のほうが望ましいのかもしれませんね。欧米では学会のホームページにSNSのリンクが貼ってあったりしますが、日本ではなかなかそうしたリンクはみられませんよね。たとえばJAMAなんかではFacebook、Twitter、Linked in、Google+、Pinterestなどのリンクが貼られています。しかし日本の学会でここまでSNSに積極的なウェブサイトを私はみたことがありません。願わくは、日本の学会も時代の波に乗ってもらいたいと切に願っております。インデックスページへ戻る

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中枢神経刺激薬の睡眠に対する影響を検証

 注意欠如・多動症(ADHD)の治療で用いられる中枢神経刺激薬が、若者の睡眠の変化にどのような影響を及ぼすかを、米国・ネブラスカ大学リンカーン校のKatherine M Kidwell氏らが検討した。Pediatrics誌2015年12月号の報告。 2015年3月までに公表された研究を、CINAHL、PsycINFO、PubMedより収集し、検討を行った。適格基準は、ADHDを有する小児および青年の研究、中枢神経刺激薬への無作為化割り付け、および客観的な睡眠指標を用いた試験とした。重要な変数に関連する情報が含まれない研究は除外した。研究レベル、小児レベル、睡眠データは独立した2人の担当者により抽出した。エフェクトサイズは、ランダム効果モデルを用い算出した。潜在的モデレータは、混合効果モデルを用い算出した。 主な結果は以下のとおり。・9本、246症例が抽出された。・睡眠潜時の調整後エフェクトサイズ(0.54)は有意であり、中枢神経刺激薬による睡眠潜時の延長が示された。1日当たりの投与量が、有意なモデレータであった。・睡眠効率については、調整後のエフェクトサイズ(-0.32)は有意であった。有意なモデレータは薬物治療期間の長さ、睡眠評価(夜間)の日数、睡眠ポリグラム/アクチグラフィー、性別が含まれていた。具体的には、薬物治療期間が長くなると、薬物治療効果は表れにくくなっていた。・総睡眠時間のエフェクトサイズ(-0.59)は有意であり、中枢神経刺激薬の服用が睡眠時間の減少につながっていた。 結果を踏まえ、著者らは「本知見は、対象試験が少なく、方法論的なばらつきや未発表試験の不足などの限界がある」としたうえで「中枢神経刺激薬は、睡眠潜時の延長、睡眠効率の悪化、睡眠時間の減少を引き起こしており、全体的に若者における睡眠の悪化が認められた。このことから、小児科医は、睡眠に関わる問題を慎重に監視し、最適な睡眠を促進する治療を検討することが求められる」とまとめている。関連医療ニュース 2つのADHD治療薬、安全性の違いは 不眠症併存患者に対する非薬物療法の有効性 2つの新規不眠症治療薬、効果の違いは  担当者へのご意見箱はこちら

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予定帝王切開児は喘息や死亡リスクがわずかに高い/JAMA

 予定帝王切開分娩児は、経腟分娩児と比べて、5歳時点における入院またはサルブタモール吸入薬(商品名:サルタノールインヘラーほか)投与を要する喘息の絶対リスク、およびフォローアップ期間中(21歳時点)の全死因死亡の絶対リスクがわずかだが高いことが、英国・アバディーン大学のMairead Black氏らによる検討の結果、明らかにされた。予定帝王切開分娩は世界的に顕著な割合を占めており、予定・予定外を合わせると50%に達する国・地域もあることが報告されている。観察研究で、帝王切開分娩児は小児期の疾病リスクが高いことが示唆されているが、それらはキーとなる交絡因子が考慮されておらず、また予定帝王切開分娩児の、新生児期以降の死亡リスクに関する報告はなかったという。JAMA誌2015年12月1日号掲載の報告。スコットランド32万1,287例、予定帝王切開 vs.予定外帝王切開、経膣分娩で比較 研究グループは、1993~2007年にスコットランドで生まれた第1子単体児32万1,287例を対象に、2015年2月までフォローアップを行い、予定帝王切開分娩と小児期の健康問題や死亡との関連を調べた。初回妊娠の予定帝王切開分娩と、予定外帝王切開分娩および経膣分娩を比較した。 主要アウトカムは、入院を要した喘息とした。副次アウトカムは、5歳時点のサルブタモール吸入薬処方、5歳時点の肥満、フォローアップ中の炎症性腸疾患(IBD)、1型糖尿病、がん、死亡などであった。予定 vs.予定外は同等、vs.経膣の喘息1.13~1.22倍、死亡1.41倍 本解析における対象の内訳は、予定帝王切開分娩児1万2,355例(3.8%)、予定外帝王切開分娩児5万6,015例(17.4%)、経膣分娩児25万2,917例(78.7%)であった。 予定外帝王切開分娩児との比較で、予定帝王切開分娩児に、入院を要した喘息、5歳時点のサルブタモール吸入薬処方、5歳時点の肥満、IBD、がん、死亡のリスクの有意差はみられなかった。しかし、1型糖尿病リスクの増大がみられた(0.66% vs.0.44%、差:0.22%、95%信頼区間[CI]:0.13~0.31%、補正後ハザード比[HR]:1.35、95%CI:1.05~1.75)。 経膣分娩児との比較では、予定帝王切開分娩児に、入院を要した喘息(3.73% vs.3.41%、差:0.32%、95%CI:0.21~0.42%、補正後HR:1.22、95%CI:1.11~1.34)、5歳時点のサルブタモール吸入薬処方(10.34% vs.9.62%、差:0.72%、95%CI:0.36~1.07%、補正後HR:1.13、95%CI:1.01~1.26)、死亡(0.40% vs.0.32%、差:0.08%、95%CI:0.02~1.00%、補正後HR:1.41、95%CI:1.05~1.90)のリスク増大がみられた。5歳時点の肥満、IBD、1型糖尿病、がんのリスクについて有意差はみられなかった。 これらの結果について著者は、「さらなる調査を行い、観察された関連の因果関係を明らかにする必要がある」と述べている。

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若年性皮膚筋炎、プレドニゾン+MTXが有益/Lancet

 新規発症の若年性皮膚筋炎に対し、プレドニゾン+シクロスポリン併用またはプレドニゾン+メトトレキサート(MTX)併用は、いずれもプレドニゾン単剤と比較して有効であるが、安全性プロファイル、ステロイド節約効果においてプレドニゾン+MTX併用が支持されることが明らかにされた。イタリア・Istituto Giannina GasliniのNicolino Ruperto氏らが、22ヵ国54施設が参加した無作為化試験の結果、報告した。これまで皮膚筋炎および若年性皮膚筋炎の治療に関するデータは、大半が散発的で非無作為化によるケースシリーズ報告しかなかった。Lancet誌オンライン版2015年11月27日号掲載の報告より。プレドニゾンの単独と併用を比較 試験には、18歳以下で新規に若年性皮膚筋炎を発症し、未治療であり、皮膚または消化器系潰瘍のない患者を登録して行われた。 2006年5月31日~10年11月12日に、139例をプレドニゾン単独(47例)、プレドニゾン+シクロスポリン併用(46例)、プレドニゾン+MTX併用(46例)に無作為に割り付けて追跡評価した。患者、研究者は治療割り付けをマスキングされなかった。 主要アウトカムは、PRINTO20改善(6ヵ月時点で6つのコア指標のうち3指標で20%改善)に達した患者の割合、臨床的寛解までまたは治療不成功までの期間とした。 3治療群をKruskal-Wallis検定、Friedman's検定で比較し、生存分析はKaplan-Meier曲線とlog-rank検定にて行った。分析はintention to treat法による。 試験は、導入期(2ヵ月間)、維持期(22ヵ月間)、拡張期(3年以上)の3期にわたって行われ、本論では導入期と維持期2年以上を経過した結果を報告。追跡期間中央値は35.5ヵ月であった。臨床的寛解が観察されたのはMTX併用群のみ 6ヵ月時点でPRINTO20改善に達したのは、単独群24例(51%)、シクロスポリン併用群32例(70%)、MTX併用群33例(72%)であった(p=0.0228)。 臨床的寛解までの期間中央値は、MTX併用群41.9ヵ月であったが、他の2群では観察できなかった(MTX併用群の増大比2.45倍、95%信頼区間[CI]:1.2~5.0、p=0.012)。 治療不成功までの期間中央値は、単独群16.7ヵ月、シクロスポリン併用群53.3ヵ月、MTX併用群は観察できなかった(単独群の増大比1.95倍、95%CI:1.20~3.15、p=0.009)。 プレドニゾン中断までの期間は、単独群35.8ヵ月に対し、併用群は29.4~29.7ヵ月であった(p=0.002)。 有害事象の発現頻度は、シクロスポリン併用群で有意に多く、皮膚や皮下組織障害、消化器系システム障害、一般・全身障害がみられた。 感染症、寄生虫感染症はシクロスポリン併用およびMTX併用群で多くみられた。なお試験期間中の死亡例は報告されていない。

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世界初の治療が行われている難病

 12月8日、都内において「『命を考える』~患者さまのためにわたしたちができること 知られざる難病 脂肪萎縮症」と題して、塩野義製薬株式会社はメディアセミナーを開催した。「脂肪萎縮症」は、100万人に1人に発生する難病で、根治療法はなく、患者の生命予後も不良の難病である。罹患率100万人に1人の難病 セミナーでは、本症の診療ガイドラインの作成委員長である中尾 一和氏(京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーションセンター 特任教授)が、「脂肪萎縮症の診断と治療を取り巻く環境」をテーマに、疾患の概要を説明した。 脂肪萎縮症は、「種々の原因により、全身性、部分性、あるいは限局性に脂肪組織が萎縮する疾患」であり、難治性の糖尿病や高中性脂肪血症、脂肪肝などの合併症を呈する。本症の原因はいまだ解明されていないが、脂肪細胞の発生分化・増殖・機能に関わる遺伝子異常、感染症、自己免疫疾患、薬剤、注射など機械的な圧迫、除神経などにより生じると考えられている。本症は脂肪組織が萎縮する疾患のため、摂取エネルギーを過剰にしても、体内に蓄積されず、かえって合併症を悪化させるという。本症は、遺伝性要因によるものか、非遺伝性要因によるものかで大別され、さらに脂肪萎縮が全身性、部分性、あるいは限局性に認められるかによって細分類される。 疫学では、世界的にみて罹患率は100万人に1人であり、わが国では36人の患者が報告されている。脂肪萎縮症の診断と治療 本症の診断では、脂肪細胞の萎縮、アディポカインの減少・欠乏、糖脂質代謝異常などの所見で診断するほか、MRIのT1強調所見での確認も有効であるという。また、本症では血中レプチン濃度も低下することから、この数値の動きも診断の助けとなる。 治療に関しては、特効薬が確立されていなかったこともあり、対症療法の有効性は限定的で、予後についても患者が30歳を過ぎると糖尿病合併症、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肥大型心筋症などの疾患により、亡くなる場合が多かった。 こうした中、当初、米国で肥満症治療薬として研究が進められていたレプチンについて、本症治療への有効性が認められ、レプチン補充療法が開発された。そして、2013年に世界で初めて、わが国において薬事承認されたものである。 レプチン補充療法は、1日1回皮下注射で投与する。全身性・部分性脂肪萎縮症、小児・成人の区別なく施行できる。 効果としては、投与開始後1~2週間で空腹時血糖、中性脂肪濃度は有意に改善する。また、5年間のレプチン補充療法の効果としては、空腹時血糖、HbA1c、中性脂肪、肝臓容積がいずれも低下または基準値内を示しており、有効性と安全性も確認されている1)。 この治療法により、患者に健康な人並みの生命予後が実現されること、さらにiPS細胞などの応用により将来、脂肪細胞の再生ができるようになることを期待すると、レクチャーを終えた。疾患ネットワーク作りが急務 続いて、小児科領域から横谷 進氏(国立成育医療研究センター病院 副院長)を迎え、「脂肪萎縮症の診断、治療を促進するために~環境整備・患者支援を考える」と題し、中尾氏と対談が行われた。 対談では、難病の新医療補助制度により、本症が指定難病に指定されたこと、また、小児期に発症すれば、小児慢性特定疾病として指定難病と同じく治療費などの補助が受けられるようになったことを受けて、全年齢期に応じた治療環境が整ったことへの評価が語られた。 また、実臨床では、医師同士、専門医同士のネットワーク作りが重要であるとの意見が交わされた。たとえば、ある勉強会で報告された事例として、糖尿病が急激に発症・進行した患者を専門医に紹介したことで、本症への診断へとつながった例などが挙げられ、専門医に紹介や問い合わせが行われることが必要だとした。最後に中尾氏が、「今後、日本ホルモンステーションへの症例の集約や、内分泌学会で進めている診療ガイドラインの作成により、正しい診断を期したい」と結んだ。(ケアネット 稲川 進)関連コンテンツケアネット・ドットコム 希少疾病ライブラリ 脂肪萎縮症はこちら。参考文献1)Ebihara K, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2007;92:532-541.

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プライマリケア医に糖尿病診療マニュアルは有用か

  国立国際医療研究センター病院では、一般診療所・クリニック向けに診療の最適化と病診連携の観点から「糖尿病標準診療マニュアル」を作成・配布し、糖尿病診療の均てん化などを図っている。 本診療マニュアルは、インターネットで一般無料公開されており、内容は半年ごとに改訂され、検査の頻度や選択薬剤の優先度を明記するとともに、エビデンスの系統的な批評・査定による推奨を記載し、専門医・拠点病院への紹介の適応とタイミングも述べられている。 今回、本診療マニュアルの有用性がランダム化試験で研究され、その結果、糖尿病合併症に関して、診療の質を改善することが能登 洋氏(聖路加国際病院内分泌代謝科)によって示唆された。また、血糖コントロール・合併症罹患率・病診連携などに関する長期試験での更なる検証も重要としている。Journal of Diabetes Investigation誌に掲載(Accepted manuscript online:2015年12月12日)。 エビデンスに基づいた多数の診療ガイドラインや診療マニュアルの有効性が、わが国では検証されていないことに鑑み、本研究では、「糖尿病標準診療マニュアル」が、地域のかかりつけ医に通院する2型糖尿病患者の診療の質(Quality Indicator:QI)を改善するかどうかを検証した。 本研究は、かかりつけ医を対象に、「糖尿病治療ガイド」に加えて「糖尿病標準診療マニュアル」を配布する群(介入群)と前者のみを配布する群(対照群)の2群に割り付け、QIを比較するクラスター・ランダム化比較試験とした。参加かかりつけ医には評価項目をマスクし、主要評価QIとして診療達成目標遵守割合(糖尿病網膜症評価[1回/年]遵守率・尿中微量アルブミン測定[1回/6ヵ月]遵守率・血中クレアチニン[1回/6ヵ月]遵守率)を指標とした。また、副次評価QIとしてHbA1c測定[1回/3ヵ月]遵守率・血圧測定[1回/3ヵ月]遵守率・総コレステロール(またはLDLコレステロール)測定[1回/3ヵ月]遵守率の診療達成目標遵守割合とHbA1c値を指標とした。 主な結果は以下のとおり。・8地区42人の一般医が参加し、計416人の糖尿病患者が登録された。・介入群(n=234)・対照群(n=182)のベースライン平均HbA1c値はそれぞれ7.1%、 7.0%(p=0.76)であり、各QIにも有意差はなかった。・介入後1年間で、尿中微量アルブミン測定の実施率は、「糖尿病標準診療マニュアル」により有意に向上した(17.9% vs.5.3%、p=0.016)が、他のQIには両群間で有意な変化はなかった。・介入後の平均HbA1c値にも両群間で有意差はなかった(7.1% vs.7.1%、p=0.90)。  詳しい論文内容については、こちら『糖尿病標準診療マニュアル』の入手は、こちら関連コンテンツ診療よろず相談TV 「糖尿病」はこちら

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長生きは本当に幸せか(解説:岡村 毅 氏)-462

 英国の地域在住高齢者のコホート研究(CFAS I ・CFAS II)を使って、1991年から2011年の間に平均余命が伸びたうち、主観的健康な期間、認知機能が保たれている期間、そして日常生活の障害がない期間は、どのくらいかということを調べたものである。 認知機能が障害されている期間は短くなっていた。これは、近年同じコホートから報告されているように、英国で認知症の有病率が低下していることとも対応しているだろう。生活習慣病の減少や教育の向上が関連するとされる1)。 主観的に健康な期間も伸びている。 一方で、残念ながら、生活障害を持つ期間は増えている。これは肥満が増加したことと関連する可能性が示唆されている。 われわれは、長生きはいいことだとアプリオリに考える。「だが本当にそうだろうか?」…、そんなことを公共の場で言ったら「不謹慎」と思われてしまうかもしれない。しかし、社会全体が長寿を目指すのであれば(政策とするのであれば)、本当は考えておかねばならないことだ。 本研究は、寿命が延びたのはいいが、不健康で認知症の時期が増えたのでは、という懐疑に答えを出すものだ。答えは「否」であった。浅薄な発言かもしれぬが、長寿を目指すこと(政策)のエビデンスが得られたといえる。 研究者の端くれとしては、本当は「幸せに生きた期間」は増えたのか、という疑問があったに違いないと思う。同時にその困難さも想像に難くない。幸せや生活の質といわれるものは常に主観的なものであり、尺度化の難しさは身に染みている。たとえば、今回の研究に即していえば、障害があっても他人に頼って生きるようになり、むしろ他人とのつながりを回復し、こころの安定が得られるというケースもあろう(もちろん私は障害を促進しているわけではないので誤解なきよう)。 この論文は、読者の探究心を激しく呼び覚ますものだ。さすがロックやヒュームを生んだ国である、というと言い過ぎであろうか。当然、「私たちの社会ではどうだろうか?」「実証的に検討する材料はあるのだろうか?」と考えなければなるまい。

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社会を支える力【Dr. 中島の 新・徒然草】(098)

九十八の段 社会を支える力読者の皆さんの中にも、以前は他の業界で働いていたけれども、医学部に入り直して卒業し、医師になった人も沢山おられることと思います。たまたま、他科のレジデントとそのような話になりました。中島「先生は以前、サラリーマンをやってたとか聞いたんやけど」レジ「以前、〇〇株式会社にいました」中島「えらい畑違いやな。向こうの業界と医療界とはまた違うところもあるわけ?」レジ「『同業者の悪口を言ってはならない』というルールが医療界にあるというのが驚きでした」中島「悪口なんか言ったらアカンがな。ルール以前の問題やろ」レジ「僕がいた会社だけかもしれないんですけどね。まず他社の製品の悪口を言うところから営業が始まるんですよ」中島「おいおい」レジ「『お客さん、ようこんなひどい製品使ってはりまんなあ!』とまず一発かましてから自分とこの製品の宣伝をするんです」中島「仰天した!」レジ「そやから、この仕事を始めてから、他所の悪口を言わないのでびっくりしたんですよ」中島「こっちの方が驚いてもたで」正確には「患者さんの前で同業者の診療行為にケチをつけてはならない」というのが業界ルールですね。「後医は前医をそしるべからず」として知られているのは読者の皆さんご存じのところ。そもそも、患者さんの転送を頼み込むこともあるし、ひょっとしたら自分が事故で担ぎ込まれるかもしれないのに、他の医療機関の悪口なんか言えるわけもありません。そんなある日のこと。脳外科外来に通院中の患者さんから私の書いた診断書のコピーを見せられました。患者「先生に書いてもらった診断書のことで」中島「かなり以前に書いたものですね」患者「お蔭で申請が通ったのはいいんですけど、〇〇診療所の先生が『ちょっと見せてみい』というからお見せしたら」中島「ええ」患者「『ひどい診断書やなあ。ようこんなんで申請が通ったなあ』って言われたんですよ」中島「あらまあ」患者「〇〇診療所の先生には『今度、更新の診断書を役所に提出する時に、顔役に頼んだろ』と言われました」中島「口利きしてもらうとうまくいくんですか?」患者「いや私にはよくわからないんです」中島「私にもよくわかりませんが、〇〇先生には世の中がそのように見えているのかなあ」患者「中島先生に言うと気を悪くするかな、とも思ったんですけど。すみません」医療界にも色々な先生がおられるようです。患者「やっぱりコネとかそういうこともあるんでしょうか?」中島「役所でコネが通ったとかいうのは一度も見たことがありませんよ、少なくとも私は」患者「ホントですか!」あくまでも医学的判断の話ですから、情実がからむようではいけません。中島「そもそも顔役がどうとか、コネがどうとか。そんなモンがまかり通ったら、嫌じゃないですか?」患者「そうですね。そんなことあってほしくないです」中島「やっぱり日本という国にはキチンとしていてほしいと思いますよね」患者「ええ」中島「だったらコネが必要だと思う必要はありません。今回もちゃんとした理由で申請が通ったんですよ」患者「はい!」こころなしか患者さんの表情が明るくなりました。患者「実は私の入っている△△同好会がコンテストに出場しましてね」中島「ええ」患者「私の後輩が個人優勝したんです」中島「凄いですね」患者「そのコンテストの審査委員長をやっていたのが私達の師匠でして、メチャクチャ厳しい人なんです」中島「へえーっ」患者「でもね、後輩の優勝が決まったときに師匠が言ったんです。『お前は俺の弟子やからな、ちょっと採点が辛めになったかもしれん。それでもお前がダントツやった。優勝おめでとう!』って」中島「いい師匠ですねえ」患者「そうなんですよ。すごい人です」中島「とにかく明るく前向きに、そして堂々と、これからも頑張りましょう!」患者「ぜひお願いします」なんだか予想外の展開になってしまいましたが、それにしても他人様の悪口は言わないほうが無難ですね。最後に1句フェアプレー 日本を支える 底力

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ハイリスクIgA腎症への免疫抑制療法の効果は?/NEJM

 ハイリスクIgA腎症の患者に対し、積極的支持療法に加え免疫抑制療法を併用しても、臨床的完全寛解率に有意差はみられなかった。また、推定糸球体濾過量(eGFR)の低下率についても有意差はみられず、一方で、併用群では有害事象の発生が多く観察された。ドイツ・アーヘン工科大学のThomas Rauen氏らが3年にわたる多施設共同の非盲検無作為化比較試験の結果、報告した。IgA腎症患者について、支持療法に免疫抑制療法を併用した場合のアウトカムについては、これまで明らかにされていなかった。NEJM誌2015年12月3日号掲載の報告。単独支持療法または免疫抑制療法併用で3年間治療 試験の対象は、1日の尿蛋白排泄量が0.75g以上の持続性蛋白尿の患者337例。当初6ヵ月は導入期間として、蛋白尿の程度に基づきレニン・アンジオテンシン系阻害薬の投与量などについて調整を行い、支持療法を行った。その後、被験者を無作為に2群に分け、一方には支持療法のみを(支持療法群)、もう一方には支持療法と免疫抑制療法を併用し(併用群)、いずれも3年間継続した。 主要エンドポイントは階層法で順序付けをした2つで、試験終了時の臨床的完全寛解(蛋白とクレアチニンをグラム測定した際の尿蛋白・クレアチニン比が0.2未満、eGFRのベースラインからの低下幅が5mL/分/1.73m2体表面積未満)と、eGFRの15mL/分/1.73m2体表面積以上の低下だった。臨床的完全寛解、eGFR低下率とも両群間の有意差はみられず 被験者のうち、導入期間を終了したのは309例。そのうち1日の尿蛋白排泄量が0.75g未満に減少したのは94例だった。 残る患者のうち、最終的に162例について無作為化を行い、80例を支持療法群、82例を併用群に割り付けた。 結果、試験終了後に臨床的完全寛解が認められたのは、支持療法群4/80例(5%)に対し、併用群は14/82例(17%)で、両群間の有意差は認められなかった(p=0.01)。 また、eGFRの15mL/分/1.73m2以上低下についても、達成患者は支持療法群22例(28%)、併用群21例(26%)で、両群間の有意差はみられなかった(p=0.75)。eGFRの年間低下率についても、有意差はみられなかった。 一方、有害事象は、重度感染症、糖代謝異常、当初1年間の5kg以上の体重増加が、いずれも併用群で支持療法群よりも高率に認められた。また併用群1例で敗血症による死亡が報告された。

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第1子と第2子妊娠間の体重増、死産・新生児死亡リスク増大/Lancet

 第1子妊娠から第2子妊娠の間に母親の体重が増加すると、死産や新生児死亡リスクが増大することが確認された。とくに死産リスクについては、体重増と線形増加の関連性が認められた。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のSven Cnattingius氏らが、約46万人の女性を対象に行った住民ベースのコホート試験の結果、明らかにした。著者は、「今回示された結果は、健康で過体重の女性について妊娠前の体重増を防止する必要があること、過体重女性では減量の促進が必要であることを強調するものである」と指摘している。Lancet誌オンライン版2015年12月2日号掲載の報告。第1子・第2子妊娠初期BMIと出生児死亡リスクについて分析 研究グループは、1992年1月1日~2012年12月31日に第1子と第2子を出産し、いずれも単産だった女性を対象にコホート試験を行った。 母親の第1子・第2子妊娠それぞれ初期のBMIと、死産(在胎28週後に限定)や乳児(在胎22週以上で出生後28日未満)・後期乳児(同28日以上)・新生児(同1歳未満)死亡の発生を調べた。二項回帰分析を行い、妊娠間のBMI変化と各死亡率について相対リスク(RR)を算出し評価した。第1子と第2子妊娠間にBMI値4以上増加で死産リスク1.55倍 試験期間中に第1子、第2子を出産した女性58万7,710人のうち、完全な情報が得られた45万6,711人(77.7%)について分析を行った。 その結果、第1子妊娠期BMI値と第2子妊娠期BMI値との変化が-1~1と安定していた母親と比べ、4以上増加した母親では、死産RRは1.55(95%信頼区間:1.23~1.96)、新生児死亡RRは1.29(同:1.00~1.67)といずれも増大がみられた。 死産リスクについては、BMI増加に対して線形増加の有意な関連が認められた(傾向のp<0.0001)。 第2子新生児死亡リスクは、第1子妊娠期BMIが25未満と標準だった母親のみで、BMI増加に伴いリスクの増大がみられた。BMIが2~4増加したときの補正後新生児死亡RRは1.27(同:1.01~1.59)、4以上増加では1.60(同:1.16~2.22)だった。 第1子妊娠初期BMIが25以上の過体重の母親については、BMI減により乳児死亡リスクの低下がみられた(RR:0.49、95%CI:0.27~0.88)。

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子供の眼底出血は予防接種とは無関係、虐待を見抜く重要な所見

 米国では、予防接種が小児における眼底出血の原因ではないかとの説が流布しているという。フィラデルフィア小児病院のGil Binenbaum氏らは、「予防接種が眼底出血を引き起こすならその頻度は高く、予防接種との時間的関連が認められるはず」として、眼科外来における乳幼児の眼底出血有病率と原因を調べた。その結果、2歳未満児の有病率は0.17%とまれであり、ワクチンの速効性および遅効性の両方の作用を考慮しても、予防接種と眼底出血との時間的関連は認められなかった。著者は、「予防接種を小児における眼底出血の原因と考えるべきではなく、臨床診療および訴訟においてこの根拠のない説を受け入れてはならない」と強調したうえで、「眼科医は、外来患者の診察において偶発的な眼底出血に注意し、その他の既知の眼疾患または内科的疾患がない場合は、小児虐待の評価を考えなければならない」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌2015年11月号の掲載報告。 眼底出血は、命の危険にさらされた虐待の頭部損傷症例において重要な防御戦略を示す所見の1つである。もし、予防接種が眼底出血を引き起こしているのなら、小児虐待の評価に影響を及ぼすことが考えられる。 そこで研究グループは、フィラデルフィア小児病院眼科外来において2009年6月1日~12年8月30日の間に、理由のいかんを問わず散瞳下眼底検査を受けた生後1~23ヵ月の乳幼児5,177例について後ろ向きに分析した。眼内手術歴または進行性網膜血管新生を有する小児は除外した。 主要評価項目は、眼底出血の有病率と原因、検査および眼底出血前の7、14、21日以内の予防接種との時間的関連であった。 主な結果は以下のとおり。・外来で眼底検査を受けた患児5,177例における眼底出血の有病率は、9例(0.17%、95%信頼区間[CI]:0.09~0.33%)であった。・9例全例が、非眼球所見にて虐待による頭部損傷と診断可能であった。・完全な予防接種の記録があったのは2,210例(眼底検査は計3,425件)であった。・そのうち163例が予防接種後7日以内、323例が14日以内、494例が21日以内に検査が行われており、眼底出血が認められたのは予防接種後7日以内0、14日以内1例、21日以内0であった。・予防接種と眼底出血との間の時間的関連は、7日(p>0.99)、14日(p=0.33)および21日(p=0.46)のいずれにおいても認められなかった。

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道路交通騒音でうつ病リスク増大

 交通騒音は、とくに都市部にて多くの人々に影響を与える。騒音はストレスやいらいらの原因となるが、騒音とうつ病との関連はあまり知られていない。ドイツ・エッセン大学病院のEster Orban氏らは、住宅道路の交通騒音と抑うつ症状の関連を調べるため、ドイツ住民ベース研究から5年間の追跡調査データを用い、検討を行った。その結果、住宅道路の交通騒音は抑うつリスクを増大させることが示唆された。Environmental health perspectives誌オンライン版2015年11月25日号の報告。 著者らは、Heinz Nixdorf Recall 研究の参加者で、ベースライン時(2000~03年)に抑うつ症状のない3,300人(45~75歳)のデータを分析した。抑うつ症状は、CES-D質問票の15項目(合計スコア17点以上)、抗うつ薬の投与に基づいて定義した。道路交通騒音は、European Parliament/Council Directive 2002/49/ECをモデルにした。騒音の高曝露は、1年間の24時間平均騒音レベルが55dB以上(A)と定義した。ロバスト推定ポアソン回帰は、相対リスク(RR)を推定するために使用した。潜在的な交絡因子調整のため、1)年齢、性別、社会的地位(SES)、自宅周辺のSESレベル、交通近接性、さらに2)BMIと喫煙、3)潜在的な交絡/中間因子である併存疾患と不眠症、で調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・全体参加者の35.7%が、高いレベルの住宅交通騒音にさらされていた。・フォローアップ時(ベースラインから平均5.1年)、302人の参加者が高い抑うつ症状を有していた。曝露騒音レベル55未満に対する55超の調整後RRは1.29(95%CI:1.03~1.62、モデル1)であった。・潜在的な交絡/中間因子による調整は、結果を実質的に変化させなかった。・関連性は、ベースライン時に不眠を訴えた人で強く[RR 1.62(1.10~2.59) vs.1.21(0.94~1.57)]、教育年数13年以下の人においてのみ現れた[RR 1.43(1.10~1.85)vs.0.92(0.56~1.53):13年超]。関連医療ニュース 性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大 魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大 パートナーがうつ病だと伝染するのか  担当者へのご意見箱はこちら

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