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双極性障害や統合失調症のバイオマーカー検出の試み:理研BSI

 双極性障害と統合失調症の診断マーカーは必要とされている。バイオマーカーの発見の遅れは、薬物治療の効果を混乱させる。理化学研究所 脳科学総合研究センターの影山 祐紀氏らは、薬物治療を行っていない双極性障害と統合失調症患者における血清バイオマーカーを同定するため、メタボローム解析を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年9月27日号の報告。 2週間以上向精神薬による薬物治療を受けていない統合失調症患者17例、双極性障害患者9例、うつ病患者9例および健常対照者19例を対象に、キャピラリー電気泳動—飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)を用いて血漿代謝物を分析した。結果について、以前の報告と比較し、代替分析的アプローチを使用し、独立したサンプルセットで検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者において、健常対照者と比較し、低クレアチニンレベル(未補正p=0.016)と高2-ヒドロキシ酪酸レベル(未補正p=0.043)が観察された。これは、以前報告されたデータセットでは変化がみられなかった。・双極性障害患者において健常対照者と比較し、シトルリンの有意な減少が認められた(未補正p=0.043)。この知見は、薬物治療中の双極性障害患者の独立したサンプルセットにおいて、複製されなかった。・ドパミン代謝物であるN-methyl-norsalsolinolは、双極性障害の候補バイオマーカーとして示唆されたが、他の分析法では検出されなかった。・以前、統合失調症のバイオマーカーとして報告されたベタインは、現在のデータセットでも変化はなかった。 著者らは「本予備調査結果は、疾患や薬剤の持続時間のような交絡因子の影響を示唆しているため、プラズマバイオマーカーを検出する際には、慎重にコントロールする必要がある。精神疾患の強力なバイオマーカーを確立するために、さらなる研究が必要である」としている。関連医療ニュース 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大 統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー

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A群レンサ球菌咽頭炎に最良の抗菌薬は?

 咽頭スワブでのA群β溶血性レンサ球菌(GABHS)陽性者において、咽頭痛に対する抗菌薬のベネフィットは限られ、抗菌薬が適応となる場合にどの薬剤を選択するのが最良なのかは明らかになっていない。今回、オーストラリア・クイーンズランド大学のMieke L van Driel氏らが19件の無作為化二重盲検比較試験を評価し、GABHSによる扁桃咽頭炎の治療におけるセファロスポリンとマクロライドをペニシリンと比較したところ、症状消失には臨床関連の差が認められなかったことが示された。著者らは、「今回の結果から、コストの低さと耐性のなさを考慮すると、成人・小児ともにペニシリンがまだ第1選択とみなすことができる」と記している。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2016年9月11日号に掲載。 著者らは、症状(痛み・熱)の緩和、罹病期間の短縮、再発の予防、合併症(化膿性の合併症、急性リウマチ熱、レンサ球菌感染後糸球体腎炎)の予防における各抗菌薬の効果比較のエビデンスと、副作用発現率の比較およびレンサ球菌に対する抗菌薬治療のリスク・ベネフィットに関するエビデンスを評価した。 CENTRAL(2016年第3版)、MEDLINE Ovid(1946年~2016年3月第3週)、EMBASE Elsevier(1974年~2016年3月)、トムソン・ロイターのWeb of Science(2010年~2016年3月)、臨床試験登録を検索し、「臨床的治癒」「臨床的再発」「合併症または有害事象、もしくは両方」のうち1つ以上を報告している無作為化二重盲検比較試験を選択した。 主な結果は以下のとおり。・ペニシリンとセファロスポリン(7試験)、ペニシリンとマクロライド(6試験)、ペニシリンとカルバセフェム(3試験)、ペニシリンとスルホンアミドを比較した1試験、クリンダマイシンとアンピシリンを比較した1試験、アジスロマイシンとアモキシシリンを小児で比較した1試験の合計19試験(無作為化された参加者5,839例)を評価した。・すべての試験で臨床転帰が報告されていたが、無作為化、割り付けの隠蔽化、盲検化に関する報告は十分ではなかった。・GRADEシステムを用いて評価されたエビデンス全体の質は、intention-to-treat (ITT)分析における「症状消失」では低く、評価可能な参加者における「症状消失」と有害事象では非常に低かった。・症状消失には差があり、セファロスポリンがペニシリンより優れていた(評価可能な患者の症状消失なしのOR:0.51、95%CI:0.27~0.97;number needed to treat for benefit[NNTB] 20、N=5、n=1,660;非常に質の低いエビデンス)。しかし、ITT解析では統計学的に有意ではなかった(OR:0.79、95%CI:0.55~1.12;N=5、n=2,018;質の低いエビデンス)。・臨床的再発については、セファロスポリンがペニシリンと比べて少なかった(OR:0.55、95%CI 0.30~0.99;NNTB 50、N=4、n=1,386;質の低いエビデンス)が、これは成人だけで認められ(OR:0.42、95%CI:0.20~0.88;NNTB 33、N=2、n=770)、NNTBが高かった。・どのアウトカムにおいても、マクロライドとペニシリンに差はなかった。・小児における1件の未発表試験において、アモキシシリン10日間投与と比べて、アジスロマイシン単回投与のほうが高い治癒率を認めた(OR:0.29、95%CI:0.11~0.73;NNTB 18、N=1、n=482)が、ITT解析(OR:0.76、95%CI:0.55~1.05; N=1、n=673)や、長期フォローアップ(評価可能な患者の分析でのOR:0.88、95%CI :0.43~1.82、N=1、n=422)では差はなかった。・小児では、アジスロマイシンがアモキシシリンより有害事象が多かった(OR:2.67、95%CI:1.78~3.99;N=1、n=673)。・ペニシリンと比較してカルバセフェムの治療後の症状消失は、成人と小児全体(ITT解析でのOR:0.70、95%CI:0.49~0.99;NNTB 14、N=3、n=795)、および小児のサブグループ解析(OR:0.57、95%CI:0.33~0.99;NNTB 8、N=1、n=233)では優れていたが、成人のサブグループ解析(OR:0.75、95%CI:0.46~1.22、N=2、n=562)ではそうではなかった。・小児では、マクロライドがペニシリンより有害事象が多かった(OR:2.33、95%CI:1.06~5.15;N=1、n=489)。・長期合併症が報告されていなかったため、稀ではあるが重大な合併症を避けるために、どの抗菌薬が優れているのかは不明であった。

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高リスク抜管後患者への高流量酸素療法、NIVに非劣性/JAMA

 高リスクの抜管後患者に対する高流量鼻カニューレ酸素療法は、再挿管および呼吸不全の予防に関して非侵襲的人工呼吸器療法(NIV)に非劣性であることが、スペイン・Hospital Virgen de la SaludのGonzalo Hernandez氏らが行った3施設604例対象の多施設共同無作為化試験の結果、示された。両療法とも再挿管の必要性を減じるが、高流量鼻カニューレ酸素療法のほうが、快適性、利便性、低コスト、付加的な生理学的機構の面で優っていた。今回の結果を踏まえて著者は、「高リスクの抜管後患者には、高流量鼻カニューレ酸素療法のほうが有益のようだ」とまとめている。JAMA誌オンライン版2016年10月5日号掲載の報告。抜管後72時間以内の再挿管および呼吸不全を評価 試験は、スペインの3ヵ所のICUで2012年9月~2014年10月にかけて行われた。クリティカルな疾患を有し、計画的な抜管の準備ができており、以下のうち1つ以上の高リスク因子を有する患者を対象とした。すなわち、65歳以上、抜管日のAPACHE(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)スコアが12超、BMIが30超、分泌物の管理不十分、ウィーニング困難または遷延、1つ以上の併存疾患あり、人工呼吸器装着の主要指標としての心不全、中等症~重症のCOPD、気道開存に問題、長期人口呼吸器(PMV)であった。 患者は抜管後24時間以内に、高流量鼻カニューレ酸素療法またはNIVを受ける群に、無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、抜管後72時間以内の再挿管および呼吸不全の発生で、非劣性マージンは10%と定義された。副次アウトカムは、呼吸器感染症、敗血症、多臓器不全、ICU入室の長期化、死亡、有害事象および再挿管までの時間などであった。高流量酸素のNIVに対する非劣性を確認 604例(平均年齢65±16歳、男性64%)が無作為に、NIV群(314例)、高流量酸素群(209例)に割り付けられた。 結果、再挿管を必要としなかった患者は、高流量酸素群66例(22.8%)、NIV群60例(19.1%)であった(絶対差:-3.7%、95%信頼区間[CI]:-9.1~∞)。また、抜管後呼吸不全を呈した患者は、それぞれ78例(26.9%)、125例(39.8%)であった(リスク差:12.9%、95%CI:6.6~∞)。 再挿管までの時間中央値について、両群間で有意差は認められなかった。高流量酸素群26.5時間(IQR:14~39)、NIV群21.5時間(10~47)であった(絶対差:-5時間、95%CI:-34~24)。 無作為化後のICU入室期間中央値は、3日間(IQR:2~7) vs.4日間(2~9)で、高流量酸素群が短かった(p=0.48)。 割り付け療法の中断を要した有害事象の発生は、高流量酸素群では観察されなかったが、NIVでは42.9%観察された(p<0.001)。

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医師の燃え尽き症候群、既存の治療戦略は有効か/Lancet

 医師の燃え尽き症候群(burnout)の治療では、これまでに実施された個々人に焦点を当てた介入や組織的な介入によって、臨床的に意味のあるベネフィットが得られていることが、米国・メイヨークリニックのColin P West氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年9月28日号に掲載された。米国の研修医および開業医の全国的な調査では、医師の燃え尽き症候群は流行の域に達していることが示されている。その帰結として、患者ケア、専門家気質、医師自身のケアや安全性(精神的健康への懸念や交通事故を含む)、保健医療システムの存続性への悪影響が確認されているという。3つのアウトカムをメタ解析で評価 研究グループは、医師の燃え尽き症候群を予防、抑制するアプローチに関する文献の質およびアウトカムをよりよく理解するために、系統的レビューとメタ解析を行った(Arnold P Gold財団研究所の助成による)。 2016年1月15日までに医学データベース(MEDLINE、Embase、PsycINFO、Scopus、Web of Science、Education Resources Information Center)に登録された文献を検索した。 妥当性が検証された指標を用いて、医師の燃え尽き症候群への介入の効果を評価した試験を対象とし、介入の前後を比較した単群試験も含めた。医学生や医師以外の医療従事者に関する試験は除外した。抄録で適格性を判定し、標準化された書式を用いてデータを抽出した。 燃え尽き(overall burnout)、情緒的消耗感(emotional exhaustion)スコア、脱人格化(depersonalisation)スコアの変化をアウトカムとした。ランダム効果モデルを用いて、各アウトカムの変化の推定平均差を算出した。すべてのアウトカムと高値例の割合が改善 15件の無作為化試験に参加した医師716例、および37件のコホート試験に参加した医師2,914例が適格基準を満たした。 介入によって、燃え尽き(14試験)が54%から44%(平均差:10%、95%信頼区間[CI]:5~14、p<0.0001、I2=15%)へ、情緒的消耗感スコア(40試験)が23.82点から21.17点(平均差:2.65点、95%CI:1.67~3.64、p<0·0001、I2=82%)へ、脱人格化スコア(36試験)は9.05点から8.41点(平均差:0.64点、95%CI:0.15~1.14、p=0.01、I2=58%)へと、いずれも有意に改善した。 また、情緒的消耗感スコア高値の割合(21試験)は38%から24%(平均差:14%、95%CI:11~18、p<0.0001、I2=0%)へ、脱人格化スコア高値の割合(16試験)は38%から34%(平均差:4%、95%CI:0~8、p=0.04、I2=0%)へと、双方とも有意に低下した。 有効な個別的介入戦略には、マインドフルネスに基づくアプローチ、ストレス管理訓練、小集団カリキュラムがあり、有効な組織的介入戦略には、労働時間制限や、各施設で工夫された診療業務過程の改良が含まれた。 著者は、「特定の集団ではどの介入法が最も有効か、また個別的介入と組織的介入をどのように組み合わせれば、より高い効果が得られるかを解明するために、さらなる検討を進める必要がある」と指摘している。

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新しいセンサー式血糖測定器、血糖コントロールを悪化させずに低血糖を減少(解説:小川 大輔 氏)-601

 糖尿病合併症の発症、進展の阻止には良好な血糖コントロールの維持と同時に低血糖の回避が重要である。とくに1型糖尿病の場合は、血糖管理のために頻回に指先を穿刺し血糖値を測定することが多いが、新しいセンサー式血糖測定器は1型糖尿病患者の福音となるかもしれない。そのような研究結果が最近Lancet誌に報告された。 この試験は、2014年9月4日から2015年2月12日にかけて欧州23ヵ所の糖尿病治療施設において、血糖コントロール良好(HbA1c値7.5%以下)の成人1型糖尿病患者を対象に実施された。328例の参加者にまず2週間センサーを装着し、50%以上血糖値の読み取りができた241例を、無作為にセンサー式血糖測定器を装着する群(介入群120例)と、通常の穿刺による血糖測定を行う群(対照群121例)の2群に分けて血糖のモニタリングを行った。主要評価項目は試験開始時から6ヵ月後までの、1日の低血糖症(70mg/dL未満)となった時間の変化であった。結果は、1日の低血糖症時間は対照群では試験開始時3.44時間/日から6ヵ月後3.27時間/日へと変化し、補正後の平均変化時間は-0.14時間/日であった。それに対し介入群では試験開始時3.38時間/日から6ヵ月後2.03時間/日へと変化し、補正後の平均変化時間は-1.39時間/日(低血糖症時間は38%減少)であった。そして介入群と対照群の変化時間の差は-1.24時間/日で有意差が認められた(p<0.0001)が、HbA1c値は両群で差がなかった。有害事象については、センサーの装着に伴いアレルギー、かゆみ、発疹などが報告されたが、低血糖症の増加や安全面に関連したイベント発生は報告されなかった。また、重篤な有害事象の報告は9例10件(各群5件ずつ)であったが、機器に関連するものはなかった。 これらの結果により、コントロール良好な1型糖尿病患者において、新規のセンサー式血糖測定モニタリング(flash glucose monitoring)システムは、通常の自己血糖測定と比較し有意に低血糖症時間を短縮することが明らかとなった。このシステム(Freestyle Libre)は、欧州ではすでに自由診療で販売されており、日本では米Abbott Labolatories社が医療機器としての承認を厚生労働省に申請中である(2016年10月現在)。一度装着すると2週間使用できるため、血糖測定のための頻回の穿刺に伴う苦痛が軽減され、さらに低血糖の頻度が減少することがメリットと考えられる。今後、コントロール不良の1型糖尿病患者や若年者、さらに2型糖尿病患者を対象とした試験が必要であろう。

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禁煙にも正しい知識と理解を!

禁煙がうまくいかないときのチェックポイント確認しよう 5つの E③ EDUCATION(教育)正しい教育(Education)を! ちまたに溢れる情報には有害なものもあります。 正しい教育を受けて、正確な知識を身に付けましょう。・青少年が接するメディアの情報を正しく選別するのは大人の役目です。・タバコ産業による喫煙を続けさせるための“教育”には注意を!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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第33回 医療事故調査制度スタートから1年が経過して

制度開始から1年間を振り返って■医療事故報告件数は妥当か医療事故調査制度が動き出してから、早1年が経ちました。本制度が成立するまでにさまざまな混乱がありましたが、現在のところ、穏やかな動き出しとなっています。まず、医療事故報告件数ですが、医療事故調査・支援センターである日本医療安全調査機構の発表資料によると、11ヵ月で計357件、1ヵ月平均32.5件となっています(資料1)。制度設計時に試算された年間発生件数が1,300~2,000件/年であったことからか、一部のメディアでは、医療事故報告件数が少ないと騒ぎ立て、あたかも病院が報告を差し控えているかのように報道されていますが、それは誤りです。この件に関しては、塩崎恭久厚生労働大臣が平成28年4月12日の会見で下記のとおり適切な回答をしています。「今、当初の予想よりも案件数が少ないという御指摘がございましたが、当初の予想は医療事故情報等収集事業を前提としたときの数字でございまして、今回の制度の対象範囲が決定される前に、大学病院とか、国立病院機構の病院、つまり、ハイリスクの高度医療をやっていらっしゃる所の事故について報告を受ける、前の報告制度の死亡事故数を基に試算したものでございました。それが1,300~2,000件という予想であったわけで、医療事故調査制度が対象とする、管理者が予期しなかった死亡以外も含まれていたわけです。かつては、医療に起因する事故ということと、予期しなかったということのどちらかに引っかかったら、カウントしました。しかし、今度の制度は、両方を満たす場合のケースということになりますので、オアとアンドで、かなり狭くなっているということが言えるということが一つと、今申し上げたように、全ての病院ではなくて、ハイリスクな病院を対象としていたということがございました(※下線は筆者による)。(http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000121129.html)」画像を拡大するすなわち、「本制度の対象となる医療事故」は医療起因性があり、かつ、予期しなかったもののみが対象となっていて、「試算が対象とした医療事故」とは異なります(資料2)。したがって、そもそも異なったものですので、比較自体に意味がないのです。画像を拡大する■院内事故調査件数→相当数の取り下げが次に、院内調査結果報告件数ですが、現在まで計157件となっています。直近6ヵ月では、17.8件/月となっており、同期間の医療事故報告件数の36.2件/月(全期間の平均は先に挙げたように32.5件/月)の半分弱(49.2%)となっています。医療事故報告から院内事故調査委員会開催、センター報告までの期間は、大学病院では平均約2.5ヵ月という報告もあります。人員の乏しい中小病院ではさらに時間がかかると予測されることから正確にはいえませんが、事故報告はしたものの、院内事故調査の結果、やはり「本制度の対象となる医療事故」ではなかったとして、取り下げた事案が相当数あったものと思われます。■相談件数→弁護士による指示の影響か?本制度は、制定までにさまざまな利害関係者が、自身の業界利益を求めて制度設計の議論に介入してきた結果、混乱を極めました。その結果、医療事故の定義に代表されるように、複雑な制度となっています。そのような背景からか、センターへの相談件数は月平均145.5件となっています(資料3)。全国の医療機関が悩みながら本制度の運用をしているというのは事実ですが、実はセンターに相談をしているのは医療機関だけではありません。本年8月のセンターへの相談件数は、154件ありましたが、このうち医療機関からの相談は81件(52.6%)、遺族などからの相談が57件(37.0%)、その他・不明が16件(10.4%)でした。つまり、約半数(47.4%)が医療機関外からの相談となっているのです。画像を拡大するそして、遺族などからの相談の63.2%は医療事故該当性判断についてである(医療機関からの相談は22.2%)ことを考えると、モデル事業や産科補償制度と同様に、弁護士からの指示を受けて鑑定意見書作成目的でセンターに相談している遺族が相当数いることが予想されます。実際に、本制度開始に伴い、医療訴訟を生業とする弁護士らのグループが、医療事故調査制度に関する無料電話相談窓口を設置するなど、業界利益獲得のため必死になっています。本制度がスタートして1年が経過しました。医療機関は悩みながら制度に向き合っているという状況かと思われますが、一方で、制度設計時から課題となっていた医療安全以外の目的、すなわち紛争解決目的で本制度を利用しようとしている者もいることから、医療機関としては、注意深い運用が求められるといえます。本制度を適切に運営していくために■科学としての医療安全の推進本制度は、「医療安全」が目的の制度です。そして、医療安全という結果を得るためには科学的手法を用いることが求められます。わが国では、これまでマスコミに大々的に報道された個別事件に対し、現場で最終行為を行った若い医療従事者を「犯人」として誹謗中傷を浴びせ、犯罪者扱いをしておしまいとしていました。その結果、医療現場はまったく安全にならず、同種の事故が繰り返されるという負のループをうんでいます。これらの魔女狩り的活動に対する反省から、近年、ようやく各施設で医療安全に対する前向きな取り組みが行われるようになり、同時に、個々の事例に振り回されるのではなく、事例を集積し、データベース化したうえで検討する必要性が認識されるようになりました(資料4)。そのような背景を踏まえ、科学として医療安全に取り組むために医療事故調査制度がスタートすることとなったのです。大切なことは、たくさん報告書を書くことではなく、アウトカムとしての医療安全を得ることなのです。画像を拡大する■医療安全のための調査の基本は「秘匿性」と「非懲罰性」医療安全のための調査を行う場合において最も重要なことは、秘匿性と非懲罰性です。『WHOドラフトガイドライン2005』を持ち出すまでもなく、医療安全を目的として行われた調査記録や調査結果が調査対象者自身の処分や訴追資料として利用されるとなれば、誰も正直に話せなくなりますし、そもそも調査側がその旨を説明すらせず調査することは、調査対象者を騙す行為であり、非倫理的でおよそ許されることではありません(たとえば臨床試験に置き換えれば許されないことは明白です)。そこで、省令や通知において、適切な医療事故調査を行うにあたって守るべきこと、具体的には、非識別化(たとえば単にA医師とするのではなく、他の情報との照合によっても識別できないようにする)や再発防止策の記載に対する注意(非懲罰性)、それに加え、手続保障についての規定も盛り込まれています。弁護士をはじめ、紛争目的で本制度を利用しようとしている者たちから、現場医療従事者を保護し、医療安全を推進していくためには、まず科学としての医療安全とその手法を学習することが重要です。■お知らせ-医療安全とその手法を学習する本年から筆者が事務局となり、医療安全管理者養成講習会を開催することとなりました。最先端の科学としての医療安全の知識を学習すると同時に、現場医療従事者を保護するための方策を習得することを目指しております。日程の合う方はぜひ受講してください。日時 平成28年12月12日(月)~17日(土)会場 日本医療法人協会(東京都千代田区富士見2-6-12 AMビル4階)詳しくは、http://ajhc.or.jp/info/seminer/201612.pdf関連リンク日本医療安全調査機構塩崎恭久厚生労働大臣会見概要(平成28年4月12日)医療安全管理者養成講習会

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統合失調症の性機能障害改善のための補助療法:名古屋大学

 補助的アリピプラゾール療法は、高プロラクチン血症を改善することは知られているが、性機能障害に対する効果についての十分なエビデンスが得られていない。名古屋大学の藤生氏らは、性機能障害を有する統合失調症患者に対する補助的アリピプラゾール両方の有用性を評価した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2016年9月22日号の報告。 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、性機能障害を有する日本人統合失調症患者22例を登録し、19例が試験を完遂した。アリピプラゾールは、各医師の判断に応じ、フレキシブルタイトレーションスケジュールにて投与し、24週間追跡を行った。血漿プロラクチン、CGI-S、名古屋式性機能アンケート(NSFQ)を、ベースライン時および4、8、12、24週目で測定した。 主な結果は以下のとおり。・4週目以降のプロラクチン値は、ベースライン時よりも有意に低かった。・ベースライン時と比較すると、8週目以降のNSFQによって測定された総性機能障害の有意な改善が認められた。・男性では、24週目に勃起不全が有意に減少した。・女性では、24週目に月経不順、乳汁分泌が有意に減少した。・CGI-Sの有意な変化は認められなかった。関連医療ニュース 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学

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LDL-C低下に関与する遺伝子変異、糖尿病リスクと関連/JAMA

 NPC1L1など低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の低下に関与する遺伝子変異が、2型糖尿病のリスク増加と関連していることが確認された。英国・ケンブリッジ大学のLuca A. Lotta氏らが、脂質低下薬の標的分子であるNPC1L1などの遺伝子変異と、2型糖尿病や冠動脈疾患との関連性を評価するメタ解析を行い報告した。著者は、「所見は、LDL-C低下療法による有害な影響の可能性について洞察を促すものである」と結論している。エゼチミブおよびスタチンの標的分子であるNPC1L1やHMGCR近傍の対立遺伝子はLDL-C低下と関連しており、これら脂質低下薬の有効性の検討で代理指標として用いられている。一方で、臨床試験においてスタチン治療による糖尿病新規発症の頻度増加が示されており、HMGCR近傍の対立遺伝子は2型糖尿病のリスク増加とも関連していることが知られていた。しかし、NPC1L1近傍の対立遺伝子と2型糖尿病との関連は不明であった。JAMA誌2016年10月4日号掲載の報告。LDL-C低下に関与する5つの遺伝子変異についてメタ解析で検討 研究グループは、1991~2016年に欧州および米国で実施された3つの遺伝子関連研究、European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC-InterAct試験)、UK Biobank試験、DIAbetes Genetics Replication And Meta-analysis(DIAGRAM)からデータを収集し、LDL-C低下に関連する遺伝子変異と、2型糖尿病および冠動脈疾患との関連をメタ解析で調査した。解析には、2型糖尿病患者5万775例とその対照群27万269例、冠動脈疾患患者6万801例とその対照群12万3,504例が組み込まれた。 主要評価項目は、LDL-C低下と関連するNPC1L1、HMGCR、PCSK9、ABCG5/G8、LDLR近傍の対立遺伝子による2型糖尿病および冠動脈疾患に関するオッズ比(OR)であった。NPC1L1遺伝子変異は2型糖尿病と関連あり LDL-C低下に関連するNPC1L1遺伝子変異は、冠動脈疾患と逆相関を示した(遺伝子学的に予測されるLDL-C 1-mmol/L[38.7mg/dL]低下当たりのOR:0.61、95%信頼区間[CI]:0.42~0.88、p=0.008)。一方、2型糖尿病とは正の相関を示した(同OR:2.42、1.70~3.43、p<0.001)。 全体として、LDL-C低下に関連する遺伝子変異は、冠動脈疾患リスクについては、いずれも同程度の減少がみられた(遺伝的関連の異質性I2=0%、p=0.93)。しかしながら、2型糖尿病との関連はばらつきがみられ(I2=77.2%、p=0.002)、LDL-C低下の代謝リスクに関連する特異的な対立遺伝子の存在が示唆された。 PCSK9遺伝子変異の場合、2型糖尿病に関する同ORは1.19であった(95%CI:1.02~1.38、p=0.03)。

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CYP2D6阻害SSRI、タモキシフェンの有効性を低下せず/BMJ

 タモキシフェンと選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の併用において、CYP2D6を強力に阻害するSSRIのパロキセチンまたはfluoxetineは、他のSSRIと比較し死亡リスクを増加させないことが確認された。米国ハーバード・メディカル・スクールのMacarius M Donneyong氏らが、5つの国内医療保険データベースを用いたコホート研究の結果、明らかにした。乳がん女性の半数近くはうつ病や不安症を抱えており、タモキシフェンを使用している女性の約4分の1はSSRI薬を服用しているという。タモキシフェンはCYP2D6によって代謝され活性型となるため、CYP2D6の強力な阻害作用を持つSSRI薬との併用は、理論上、活性代謝物が減少し有効性が低下する可能性が示唆されていた。BMJ誌2016年9月30日号掲載の報告。CYP2D6阻害作用を有するSSRI vs.その他SSRIの死亡率を比較 研究グループは、米国の個人または公的な健康保険プログラム5つのデータベースを用い、1995~2013年のデータを解析した。 対象は、タモキシフェン服用中にSSRI内服を開始した女性(コホート1)、およびタモキシフェン開始時すでにSSRIを内服していた女性(コホート2)。各コホートの全死因死亡率を、CYP2D6阻害作用を有するSSRI(パロキセチン、fluoxetine)使用者と、他のSSRI薬(シタロプラム、エスシタロプラム、フルボキサミン、セルトラリン)使用者とで比較した。CYP2D6阻害SSRI内服例と他のSSRI内服例で死亡率に差はなし タモキシフェン新規使用者は、コホート1が6,067例、コホート2が8,465例で、全体の平均年齢は55歳であった。 コホート1では、追跡期間中央値2.2年(四分位範囲0.9~4.5)で死亡991例(死亡率64.3/1,000人年)、コホート2では同2.0年(0.8~3.9)で死亡1,014例(死亡率53.3/1,000人年)であった。 コホート1と2を合わせた全死亡率は、CYP2D6阻害SSRI内服例で58.6/1,000人年、他のSSRI内服例で57.9/1,000人年であり、他のSSRI併用に対するCYP2D6阻害SSRI併用全例の死亡ハザード比は0.96であった(95%信頼区間:0.88~1.06)。感度解析においても結果は一貫していた。 なお、著者は研究の限界として、死因に関する情報不足、喫煙や肥満といった潜在的な交絡因子を除外できないこと、平均追跡期間が短いこと、処方箋どおりに内服されていたかは不明であることなどを挙げている。

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心房細動は心筋症の原因か、結果か?

 孤立性心房細動(AF)は隠れた心筋症を反映しており、洞調律復帰しても残存する心筋症によりAFが再発するのではないか―。この仮説を検証するため、英国・オックスフォード大学の研究グループが、左室に関与する病態を有しない孤立性AF患者において、カテーテルアブレーション後の洞調律復帰が左室の機能およびエナジェティクスに及ぼす影響を調べた。この研究では、アブレーション前後の左房および左室の容量と機能の評価にMRIを用いた。また、心筋症のマーカーとしてエネルギー代謝が有用なことから、エナジェティクスの評価にはPhosphorus-31 MRスペクトロスコピー(31P-MRS)を使用した。Circulation誌オンライン版9月14日号掲載の報告。孤立性AFでアブレーションを受けた53例と健康成人25例を対照評価 研究では、症候性の発作性もしくは持続性AFを有し、かつ弁膜症、コントロール不良の高血圧、冠動脈疾患、甲状腺疾患、全身性の炎症性疾患および糖尿病を有しない孤立性AFで、アブレーション治療を受けた53例を対象とした。対照群として、年齢と性別をマッチさせた洞調律の健康成人25例も組み込まれた。MRIで左室の駆出率(LVEF)、収縮期ピークにおける円周ストレイン(PSCS)、左房の容量と機能を定量的に評価した。エナジェティクスについては、31P-MRSを用いて評価した(phosphocreatineとadenosine triphosphate の比率 [PCr/ATP])。AFの頻度の評価にはアブレーション前後に行われた1週間のHolterを用い、症状を伴わないAFの再発を検知するために心電図イベントモニターが用いられた。アブレーション前の左室機能およびエナジェティクスはAF患者で低下 アブレーション前は、左室の機能とエナジェティクスはコントロール群に比べてAF群で有意に低下していた。(LVEF:AF群 61% [四分位範囲:52~65%] vs.コントロール群 71% [四分位範囲:69~73%]、 p<0.001、PSCS:AF群-15% [四分位範囲:-11~-18%] vs.コントロール群 -18% [四分位範囲:-17~-19%]、p=0.002、PCr/ATP:AF群 1.81±0.35 vs.コントロール群 2.05±0.29、p=0.004)。また、AF群はコントロール群に比べ、左房は拡大し、機能は低下していた。 アブレーション後、早期(1~4日)の段階では、AFから洞調律へ復帰した患者ではLVEF、PSCSともに改善が認められたが(LVEF:+7.0±10%、p=0.005、PSCS:-3.5±4.3%、p=0.001)、アブレーション前後ともに洞調律であった患者ではLVEF、PSCSに変化が認められなかった。 アブレーション後、6~9ヵ月の段階では、AFは有意に減少した(54%から0%、p<0.001)。しかしながら、それ以後の改善はLVEF、PSCSともに認められず、コントロール群に比較しても低いレベルのままでとどまった。同様に、心房の機能もアブレーション前と比べても改善はみられず(p=NS)、コントロール群に比べて低いままであった(p<0.001)。 アブレーション前のPCr/ATPはコントロール群より低く、アブレーション後の洞調律への復帰(p=0.006)やAFの無再発(p=0.002)が有意であったにもかかわらず、PCr/ATPはコントロール群より低い値のままであった(p=0.57)。 孤立性AFは、エナジェティクスが障害されると同時に左室機能も低下しており、それはアブレーション後においても改善しない。これらの知見は、AFが隠れた心筋症の結果(原因ではなく)であり、その心筋症はアブレーションによるAFの頻度の減少にもかかわらず、存在し続けることを示唆している。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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非小細胞肺がん脳転移に対する全脳照射追加の意義

 著者らは、非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の脳転移において、生存率とQOLへ悪影響を及ぼすことなく全脳照射(以下、WBRT)が省略できるかを評価するために、QUARTZ(The Quality of Life after Treatment of Brain Metastases)研究を実施した。Paula Mulvenna氏らによるLancet誌オンライン版9月4日号の掲載の報告。 同試験は非劣性、第III相無作為化比較試験。手術切除または定位放射線照射不適応の脳転移NSCLC患者を無作為にWBRT+デキサメタゾン含む最適サポーティブ・ケア(Optimal Supportive Care、以下OSC)群とOSC単独群に割り付けた。主要評価項目は質調整生存年(QALY:quality adjusted life-years)である。OSC群の非劣性は、WBRT群から7QALY日以内の短縮とした。副次的評価項目は全生存期間(OS)およびQOL。 主な結果は以下のとおり。・538例の患者が登録され、WBRT+OSC群269例、OSC単独群269例に無作為に割り付けられた。・QALYはWBRT+OSC群で平均46.3日、OSC単独群41.7日、差は4.7日であった。・OSはWBRT+OSC群9.2週、OSC単独群8.5週(HR:1.06、95%CI:0.90~1.26、p=0.8084)。・QOLは4、8、12週の評価で両群に有意な差はみられなかった。・眠気、脱毛、嘔気、頭皮の乾燥と掻痒がWBRT+OSC群で報告された。 主要評価項目は事前に設定した非劣性マージン内であり、WBRTの追加による臨床的ベネフィットは証明されなかった。

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LDL-コレステロール低下による心血管イベント抑制はスタチンだけではない!(解説:平山 篤志 氏)-600

 動脈硬化の原因として、LDL-コレステロールの関与は実験的、疫学的にも20世紀初頭から明らかにされ、コレステロール低下によるイベント抑制試験も行われてきた。しかし、1994年に4S試験で全死亡をはじめとした心血管死、心筋梗塞の発症の抑制が示されたことを契機として、数多くのスタチンによる大規模臨床試験が発表されるようになった。 スタチンの時代の到来を予見して、Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboratorsが4S以降あらかじめ発表されたプロトコルを基に前向きに登録した試験を集め解析をするようになった。2005年には、スタチンによるLDL-コレステロール低下の程度がイベント抑制と直線関係にあることが示され、コレステロール低下療法の意義が示された。 ところが、2010年のメタ解析で、より強力なスタチンの使用によりイベントが低下すること、さらにはその効果が治療前のLCL-コレステロール値にかかわらないことが示された。 その結果を受け、2013年にAHA/ACCガイドラインでは、LDL-コレステロールの目標値が設定されず、強力なスタチンの使用を推奨する“Fire and Forget”の考えが記載された。しかし、2015年にIMPROVE-ITが発表され、非スタチン製剤のエゼチミブのLDL-コレステロール低下による心血管イベント抑制効果が示された。さらに、LDL-コレステロール受容体の分解を促進するPCSK9を阻害する薬剤での前向き観察研究によるイベント低下効果も示され、非スタチン製剤によるデータも蓄積されつつある。そこで、本論文ではこれまでの非スタチンによる薬物、非薬物療法を合わせた8つの試験とスタチンによる臨床試験さらにPCSK9阻害薬による心血管イベント効果抑制を加えたメタ解析を行い、LDL-コレステロール低下と心血管イベント抑制効果に直線関係が認められることを示した。 “The Lower, The Better”が示されたことになり、スタチンでなくともLDL-コレステロール低下療法によりイベント低下を証明する論文ではある。ただ、あくまでもPCSK9阻害薬の効果は観察研究であり、今後発表されるRCTの結果を待って判断されるべきである。

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こんな事まで!【Dr. 中島の 新・徒然草】(140)

百四十の段 こんな事まで!先日、若い先生と話をしていた時のことです。若者「当直をしていると、こんな事まで、と思うような電話がかかってくるんです」中島「たとえば?」若者「CTの検査が明日あるんですけど、食事をして行ってもいいのか、とかですね」中島「それは先生が知らないので答えられないのか、『こんな簡単な事に答えるのまで俺の仕事かよ』というのか、どっちかな?」若者「後のほうです」中島「そうか……」思わず、自分の若い頃を思い出しました。中島「そういう時こそ爽やかに返事するのが大切なんや」若者「爽やかに、ですか」中島「『単純CTだったら食事をしてきてもらっていいですよ。気をつけてお越しくださいね』とか、そんな風に答えるんや」若者「はあ」中島「先生の電話の受け答えは、周囲の職員も聞いていることが多いからな」若者「ええ」中島「意識してナイス・ガイを演じることが大切なんや」若者「そうなんですか」中島「生きる死ぬの問題と違うんやろ。簡単な質問に爽やかに答えるだけの話やないか。それだけの事で患者さんにも周囲の人たちにもナイス・ガイと思ってもらえるんやったら、そんなコスト・パフォーマンスのいいことは他にないで」若者「わかりました」私が医学部卒業以来、何十年もかけて体得したノウハウの重さを、この若者は果たしてわかってくれたのでしょうか。せめて読者の皆様には共感していただきたく、ここに書き留めておく次第です。医師たるもの、いくら疲れていても反射的にナイス・ガイを演ずることができるくらい、自らを鍛えるべきですね。最後に1句簡単な 質問にこそ 爽やかに

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抗うつ薬の有害事象、学術論文を鵜呑みにしてよいのか

 これまでの研究によると、抗うつ薬の有効性は、報告バイアスにより誇張されていることが示唆されている。オランダ・フローニンゲン大学のYmkje Anna de Vries氏らは、抗うつ薬の安全性についても影響があるかを検討した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年9月19日号の報告。 解析には、FDAのレビューから得られたうつ病または不安障害に対する第2世代抗うつ薬の試験133件(3万1,296例)を用いた。全中断、有害事象および重篤な有害事象による中断に関するデータを抽出した。重篤な有害事象は質的に比較しながら、FDAレビューとマッチした学術論文との中止率を比較するため、メタアナリシスを用いた。 主な結果は以下のとおり。・全中断のオッズ比は、プラセボと比較し1.0であったが、有害事象による中断のオッズ比は、2.4であった。・97件中77件(79%)の学術論文は、情報提供が不完全であり、61件(63%)は、すべての重篤な有害事象について言及していなかった。・FDAと比較可能な21件の論文のうち、6件(29%)は、矛盾のない完全な報告であった。・9件(43%)は、重篤な有害事象数が矛盾する報告であった。・自殺企図のような重要な重篤な有害事象についての記述がない、または矛盾した記述であった論文は6件(29%)であった。 結果を踏まえ、著者らは「報告バイアスは、試験の平均中止率に対し影響を及ぼしていない。しかし、重篤な有害事象の報告は、半数以上の論文で非常に劣っているだけでなく、一般的にFDAレビューと異なっており、多くの場合、プラセボと比較しより良好な報告であった。これらの知見より、学術論文による抗うつ薬試験の重篤な有害事象データは、鵜呑みにできないことが示唆された」としている。関連医療ニュース 抗うつ薬治療患者に対するベンゾジアゼピン投与の安全性は:藤田保健衛生大 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 日本人うつ病患者、抗うつ薬維持量に影響する因子:静岡県立大

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MCIから初期アルツハイマー病を予測、その精度は

 軽度認知障害(MCI)は、正常な老化からアルツハイマー型認知症(AD)への過渡期である。そのため、安定状態からAD進展高リスクMCI高齢者を抽出するために使用可能な基準を開発することはきわめて重要である。米国・The Nathan S. Kline Institute for Psychiatric ResearchのBabak A Ardekani氏らは、構造的MRIスキャンにより海馬体積インテグリティ(HVI)の新規測定値を計測するための自動アルゴリズムを開発した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2016年9月20日号の報告。 安定状態と進展状態のMCI患者分類におけるHVIの有用性を決定するため、ランダムフォレスト分類アルゴリズムを用いた。将来のAD進展に基づきMCI患者164例は、2群に分類した(安定状態:78例、進展状態86例)。ベースラインとフォロアップ1年間の構造的MRI、認知テスト、遺伝情報、患者背景情報、バイラテラルHVIを含む16次元特徴空間(feature space)を使用した。 主な結果は以下のとおり。・分類の全体的な精度は、82.3%(感度:86.0%、特異性:78.2%)であった。・女性の精度(89.1%)は、男性(78.9%)と比較し高かった。・女性の予測精度達成は、これまでの機械的学習アプリケーションの報告の中で最も高かった。 著者らは「本論文の方法は、安定したMCI患者から初期段階のAD患者を分離するために使用可能である。女性において、男性と比較し、精度の高い指標であると考えられる」としている。関連医療ニュース MCIからAD、DLBへの進行を予測するには:順天堂大 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 アルツハイマー病、進行前の早期発見が可能となるか

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ショック未発症の重症敗血症にヒドロコルチゾンは有用か/JAMA

 ショックを発症していない重症敗血症患者に対し、ヒドロコルチゾンを用いた補助療法を行っても、2週間以内の敗血症性ショック発症リスクは減少しないことが示された。集中治療室(ICU)内および院内死亡リスクや、180日時点の死亡リスクについても減少しなかった。ドイツ・シャリテ大学のDidier Keh氏らが、380例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、明らかにしたもので、「検討の結果は、ショック未発症の重症敗血症患者に対するヒドロコルチゾン補助療法の適用を支持しないものだった」とまとめている。同療法は「Surviving Sepsis Campaign」において、難治性敗血症性ショックに対してのみ推奨されており、ショック未発症の重症敗血症に対する同療法については議論の的となっていた。JAMA誌オンライン版2016年10月3日号掲載の報告。14日以内の敗血症性ショックを比較 研究グループは、2009年1月13日~2013年8月27日にかけて、ドイツ国内34ヵ所の医療機関を通じて、重症敗血症で敗血症性ショック未発症の成人380例について、無作為化二重盲検試験を開始した。追跡期間は180日間で、2014年2月23日まで行った。 同グループは被験者を無作為に2群に分け、一方の群(190例)にはヒドロコルチゾン200mgを5日間注入し、11日目までに徐々に減量・中止し、もう一方の群(190例)にはプラセボを投与した。 主要評価項目は、14日以内の敗血症性ショック。副次的評価項目は、同ショック発症までの期間、ICU内または院内の死亡率、180日死亡率、2次感染症発症率、ウィーニング失敗、筋力低下の発生率、高血糖症(血糖値>150mg/dL)発症率などだった。敗血症ショック発症率は、いずれの群も21~23% ITT(intention-to-treat)解析対象者は353例。平均年齢65.0歳、男性が64.9%だった。 敗血症性ショックの発症率は、ヒドロコルチゾン群が21.2%(36/170例)で、プラセボ群が22.9%(39/170例)と、両群で同等だった(群間差:-1.8%、95%信頼区間[CI]:-10.7~7.2、p=0.70)。 敗血症性ショック発症までの期間やICU内・院内死亡率も、有意差はみられなかった。28日死亡率は、ヒドロコルチゾン群8.8%、プラセボ群8.2%(差:0.5%、95%CI:-5.6~6.7、p=0.86)、90日死亡率はそれぞれ19.9%と16.7%(3.2%、-5.1~11.4、p=0.44)、180日死亡率は26.8%と22.2%(4.6%、-4.6~13.7、p=0.32)と、いずれも同等だった。 2次感染の発症率は、ヒドロコルチゾン群21.5% vs.プラセボ群16.9%、ウィーニング失敗は8.6% vs.8.5%、筋力低下30.7% vs.23.8%、高血糖症90.9% vs.81.5%だった。

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心筋梗塞後の平均余命、病院パフォーマンスで格差/NEJM

 急性心筋梗塞の入院30日死亡率が低い(高パフォーマンス)病院に入院した患者は、同死亡率が高い(低パフォーマンス)病院に入院した患者に比べ、平均余命が0.74~1.14年長いことが明らかにされた。米国・ボストン小児病院のEmily M. Bucholz氏らが、患者約12万例を17年間追跡したデータを分析し明らかにしたもので、NEJM誌2016年10月6日号で発表した。病院の質を評価する際に、心筋梗塞入院患者の30日リスク標準化死亡率が用いられるが、今回の検討により、同指標が患者の長期生存率にも関連することが示された。病院を混在患者症例の重症度に応じ5群に分類 検討は、メディケア受給者で1994~96年に急性心筋梗塞の入院歴があり、17年間のフォローアップデータが入手できた「共同心血管プロジェクト(Cooperative Cardiovascular Project)」の参加者データを解析して行われた。 病院を、混在する患者症例の重症度に基づいて5群(1:より健康な患者が多い~5:より重症患者が多い)に分類。各群内で、高パフォーマンス病院に入院していた患者と低パフォーマンス病院に入院していた患者とで余命を比較。病院パフォーマンスは、リスク標準化30日死亡率で定義し、Cox比例ハザードモデルを用いて余命を算出した。生存曲線は30日までに分離、その後は平行線 試験対象となったのは、1,824ヵ所の病院に急性心筋梗塞で入院した患者計11万9,735例だった。 患者の推定平均余命は、病院のパフォーマンスが低くなるほど短かった。患者の生存曲線は、病院のパフォーマンスの高低により入院から30日までに分離がみられ、そのままの平行状態が、その後17年の追跡期間中、維持されていた。平均余命は、5群間の病院リスク標準化死亡率の増大とともに低下がみられた。 平均すると、高パフォーマンス病院で治療を受けた患者の余命は、低パフォーマンス病院で治療を受けた患者に比べ、混在症例でみた場合は0.74~1.14年長かった。なお、入院30日時点で生存していた患者のみについて比較すると、病院のパフォーマンスに応じた患者の余命には、ほとんど有意差はみられなかった。

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