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悪性黒色腫〔malignant melanoma〕

1 疾患概要■ 概念・定義悪性黒色腫(メラノーマ:malignant melanoma)は、メラノサイト(メラニン色素産生細胞)ががん化して生じる悪性腫瘍である。表皮基底層部のメラノサイトが、がん化して皮膚に生じることが多いが、粘膜(口腔、鼻腔、肛門部など)や眼内(脈絡膜など)に生じることもある。■ 疫学人種によって発生頻度が大きく異なる。日本人では1~2/10万人年と見積もられている。白人では15~30/10万人年、黒人では0.5/10万人年程度の発生率である。■ 分類表皮に沿った悪性黒色腫細胞の組織学的増殖様式の特徴によって、以下の4型に分けるClark分類が用いられている(図1)1)。(1)表在拡大型: 白人の悪性黒色腫の70~80%を占める病型で、男性の背部や女性の下肢などに好発する(図1a)。日本人では全悪性黒色腫の20%程度を占め、近年増加している。(2)末端黒子型: 掌蹠や爪部を侵す病型であって(図1b)、日本人の悪性黒色腫の最多病型で50%程度を占める。(3)悪性黒子型: 高齢者の顔面に好発する病型で(図1c)、日本人、白人のいずれでも10%程度を占める。(4)結節型: 病変周囲に色素斑を伴わない病型で(図1d)、全身各所に生じうる。日本人の悪性黒色腫の15~20%を占める。なお最近、Bastianらによる新たな分類法が提案され、遺伝子変異を反映する分類として注目されている2)。■ 病因日光からの紫外線が主要発がん因子であり、表在拡大型は強い紫外線への間欠的曝露が、悪性黒子型は長年月にわたる慢性的な紫外線曝露が発生に関与するとされている。ただし、末端黒子型の発生には紫外線は関与せず、機械的刺激の関与が推定されている。■ 症状腫瘍細胞によるメラニン色素産生のために黒褐色調の病変としてみられることが多い1)。臨床的には濃淡不整な不規則形状の黒褐色斑として生じてくる。その後、一部に隆起性結節が生じ、さらに進行すれば潰瘍化を来す。■ 予後Tumor thickness(表皮顆粒層から最深部の悪性黒色腫細胞までの垂直距離をmm単位で表すもの)が最も重要な予後因子であり、T分類もこれによって規定される。AJCC(American Joint Committee on Cancer)の病期別の5年生存率は(同一病期でも亜病期によってかなり大きな差があるが)、病期Iが90%以上、病期IIが50~80%、病期IIIが25~60%程度、病期IVが10%程度である3)。後掲の表に各病期の概要を示した。なお、AJCCの予後予測ツールがネット上に公開されているので参考にされたい(http://www.melanomaprognosis.net/)。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 臨床診断悪性黒色腫の原発巣は、臨床的には大型で不整形状の黒褐色病変としてみられ、多くは色調に無秩序な濃淡差が認められる(図2a)。黒褐色調を呈する皮膚病変は悪性黒色腫以外にも多数存在するので、慎重に鑑別しなければならない1)。主要な鑑別診断と鑑別のポイントは、以下のとおりである。(1)色素細胞母斑: 径7mm程度までの小型の病変で、形状・色調に不規則、不整は目立たない(図2b)。ただし、先天性母斑は大きなことがある。(2)脂漏性角化症: 境界きわめて明瞭な隆起性結節としてみられ、表面が角化性で規則的な顆粒状凹凸を示すことが多い(図2c)。(3)基底細胞がん: 高齢者の頭頸部に好発し、青黒色調の局面、結節としてみられ、潰瘍化することも多い。周囲に色素斑を伴わないこと、病変表面が平滑で、透明感を呈することが特徴である(図2d)。■ ダーモスコピー診断近年、皮膚科診療に導入された診断法であり、乱反射を防止したうえで病変部に白色光を照射しながら10~20倍の拡大像を観察する。肉眼的に認識できないさまざまな所見を明瞭に観察することができ、とくに色素性皮膚病変の診断に有用である。その詳細は成書に譲るが4)、一点だけ日本人に多い掌蹠の悪性黒色腫の診断への有用性を記載する。掌蹠の悪性黒色腫は、ダーモスコピーにて早期段階から皮野(指紋)の隆起部(皮丘)に一致する色素沈着(parallel ridge pattern)を呈するのに対し、良性の母斑は皮野の溝(皮溝)に一致する色素沈着(parallel furrow pattern)を呈する(図3)。この所見の差異は両者の鑑別にきわめて有用であり、掌蹠の悪性黒色腫の早期検出と診断確定に役立つ4、5)。■ 病理組織診断臨床所見やダーモスコピー所見にて診断が確定できない場合は、生検して病理組織学的に診断を確定する。生検は可能ならば全摘生検が望ましい。生検することにより、もっとも重要な予後因子であるtumor thicknessを計測することもできる。悪性黒色腫は病理組織診断も難しいことが知られている。悪性黒色腫早期病変と良性のClark母斑の鑑別、結節型などの悪性黒色腫とSpitz母斑(良性の母斑の一種で、増殖するメラノサイトが顕著な核異型を示す)との鑑別がしばしば問題になる。疑わしい症例は、この方面のエキスパートにコンサルテーションすることが望ましい。■ 画像検査と病期の確定悪性黒色腫と診断されたら、AJCCの病期を決定する。原発巣のtumor thicknessを評価するとともに、理学的に所属リンパ節やその他の部位・臓器への転移がないかを検討する。必要に応じてCTやMRIなどの画像検査も施行する。PETも悪性黒色腫の転移の検出に、きわめて有用である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)AJCCの病期に対応して表のような治療を施行することが推奨されている。病期I、IIの段階ならば、原発巣の外科的切除を施行する。切除マージンはtumor thicknessによって規定されるが、早期病変は0.5~1cmのマージン、進行病変は2~3cmのマージンが推奨されている。症例によってはセンチネルリンパ節生検の実施を考慮する。病期IIIには原発巣の切除に加えて、所属リンパ節の郭清術を施行する。メラノーマは化学療法に抵抗性で、標準薬とされてきたダカルバジン(商品名:同)でも奏効率は15%程度に過ぎない。近年、分子標的薬が病期IVあるいは外科的根治術不能な病期IIICのメラノーマ患者に有効なことが明らかにされ、治療方針が激変した。病期IVにはMAPK経路の阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬が選択される6)。現在、わが国で保険適用となっているのは、MAPK阻害薬では変異BRAF阻害薬のベムラフェニブ(同:ゼルボラフ)、ダブラフェニブ(同:タフィンラー)とMEK阻害薬のトラメチニブ(同:メキニスト)である。免疫チェックポイント阻害薬ではニボルマブ(抗PD-1抗体、同:オプジーボ)、ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体、同:キイトルーダ)とイピリムマブ(抗CTLA-4抗体、同:ヤーボイ)である。いずれの薬剤も特有の強い有害反応を有するので、施設内で治療チームを設けて対応することが望ましい。薬剤の選択順位は、確定的な推奨ではないが、増殖スピードの速いメラノーマにはまずベムラフェニブ単独またはベムラフェニブとトラメチニブの併用療法を考える。増殖スピードの遅いメラノーマには当初から抗PD-1抗体(ニボルマブまたはペムブロリズマブ)あるいはイピリムマブを用いる。抗PD-1抗体はイピリムマブよりも奏効率、有害反応の点から臨床的意義が高い可能性がある。ただし、腫瘍細胞がPD-L1陰性の場合はイピリムマブを選択する。これらの治療に抵抗性となった高度進行例には、適切な緩和療法を施行する。4 今後の展望ニボルマブとイピリムマブの併用療法の治験が進んでいる。また、上記以外の分子標的薬も続々と開発され、わが国においても臨床治験が進められている。術後補助療法としてニボルマブとイピリムマブの有用性の比較やペムブロリズマブの有用性も治験が実施されている。5 主たる診療科皮膚科が主たる診療科であり、診断から治療まで一貫した対応ができる。病理組織診断には病理科が、切除後の外科的再建などには形成外科が対応することもある。分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬の使用にあたっては施設内に多職種診療チームを発足させることが望ましい。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本皮膚悪性腫瘍学会が作成した日本皮膚科学会皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン(ほぼ同じものがMindsと日本がん治療学会のホームページにも掲載されている)(医療従事者向けのまとまった情報)米国NCCNの診療ガイドライン(リスト中“Melanoma”の項を参照)(医療従事者向けの英文のまとまった情報)国立がん研究センターがん情報サービス:「悪性黒色腫」患者用解説冊子(一般利用者向けのまとまった情報)1)斎田俊明ほか編. 1冊でわかる皮膚がん. 文光堂;2011.p.220-237.2)Curtin JA, et al. N Engl J Med. 2005;353:2135-2147.3)Balch CM, et al. J Clin Oncol. 2009;27:6199-6206.4)斎田俊明編. ダーモスコピーのすべて 皮膚科の新しい診断法.南江堂;2012.5)Saida T, et al. J Dermatol. 2011;38:25-34.6)宇原 久. と化学療法. 2016;43:404-407.公開履歴初回2014年02月27日更新2017年02月21日

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第8回 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)による治療のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第8回】α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)による治療のキホン―どのような患者さんに適しているのでしょうか。 α-GIは、空腹時血糖値は正常であるのに、HbA1cがやや高いなど、食後高血糖の是正が必要な2型糖尿病患者さんが良い適応となります。インスリン分泌を介さずに、食後高血糖を改善するため、単独で低血糖を起こしにくく、体重増加を来しにくい薬剤です。 糖尿病患者さんでは、食後のインスリンの遅延分泌などがあると、食後の血糖上昇とインスリンのタイミングが合わずに、食後高血糖を来します。α-GIは、α-グルコシダーゼの作用を阻害することで、小腸における2糖類から単糖類(ブドウ糖)への分解を阻害します。通常であれば小腸上部でそのほとんどが分解されてしまう2糖類は、α-GIによって分解を阻害されると、小腸下部までそのまま運ばれます。その結果、ブドウ糖の吸収が遅延し、食後の血糖上昇が緩やかになり、食後高血糖が改善されます。 同じ食後高血糖改善薬に「速効型インスリン分泌促進薬」がありますが、速効型インスリン分泌促進薬はインスリン分泌を促進させて食後高血糖を改善させます。肥満の患者さんの場合、インスリン抵抗性により、インスリンが効きにくくなっており、それを補って血糖値を下げようとして、多量のインスリンを分泌してしまう「高インスリン血症」になっていることがあります。高インスリン血症がある患者さんに速効型インスリン分泌促進薬を投与してしまうと、肥満や高血圧、心血管疾患のリスクになりうる高インスリン血症が助長されてしまいます。 実際に、耐糖能異常(IGT)例を対象に、α-GI(アカルボース)による2型糖尿病の新規発症抑制効果を検討したSTOP-NIDDM試験では、2型糖尿病の新規発症が抑制されただけでなく、心血管イベントの発症も抑制されました1,2)。それに対して、40ヵ国でIGT例を対象に、速効型インスリン分泌促進薬(ナテグリニド)とARB(バルサルタン)の有効性を検討した2×2のファクトリアル(要因)試験※のNAVIGATOR試験では、糖尿病の新規発症を抑制できず、さらに心血管イベントの発症も抑制できなかったという結果が示されました3)。 ※2つ以上の治療法を組み合わせて行う試験デザイン いずれも海外で行われた試験で、対象は肥満の患者さんでした。STOP-NIDDM試験では、α-GI投与群で、食後高血糖の改善に加え、体重減少および血圧低下が認められ、さらに食後高インスリン血症の改善も示唆されました。しかし、NAVIGATOR試験では、速効型インスリン分泌促進薬を投与された患者さんで体重増加がみられていることから、高インスリン血症の助長が、真逆の結果に至った原因の1つと考えられています。 食後高血糖を引き起こす病態として、食後のインスリンの遅延分泌があるため、食後高血糖を改善するためにインスリン分泌を促す治療は理にかなってはいるのですが、食後の高インスリン血症があると考えられる肥満の患者さんでは、インスリン分泌を介さず、逆にインスリン分泌を節約しながら食後の高血糖を改善できるα-GIを用いながら、遅れて出るインスリン分泌を前倒しにして、“健康な人と同じインスリン分泌パターン”に近づけるために速効型インスリン分泌促進薬を併用(もしくは速効型インスリン分泌促進薬/α-GIの配合薬※※)することも、より良く食後高血糖を改善する手段として有用です。 ※※配合薬を第1選択薬として用いることはできません。 なお、α-GIの中で「ボグリボース」のみ、糖尿病の前段階であるIGTにおける2型糖尿病の発症予防が確認されていることから、0.2mg錠に限ってIGTに対して保険適用となっています。―腹部膨満感の訴えが多く、困っています。腹部膨満感や放屁、下痢などの消化器症状の副作用を軽減するためにはどうすればよいでしょうか。 α-GIにより、小腸で単糖類に分類されず、吸収されなかった2糖類の一部がそのまま大腸まで運ばれてしまうことがあります。その場合、腸内細菌によって発酵されることで、腸内のガスの産生が亢進し、腹部膨満感や放屁、腹鳴、下痢などの消化器症状を引き起こすことがあり、α-GIの投与ではしばしば問題となります。 消化器症状は、投与初期に発現することが多く、その後徐々に軽減・消失する傾向がみられるため、その旨を患者さんにお伝えし、少量から開始するとよいでしょう。 現在、国内で使用できるα-GIにはアカルボース(商品名:グルコバイ)、ボグリボース(商品名:ベイスン)、ミグリトール(商品名:セイブル)の3つがあり、α-グルコシダーゼ以外の消化酵素を阻害する作用の有無や、薬剤自体が腸管でどの程度吸収されるかなどにより、消化器症状の程度は薬剤ごとに異なってきます。また、同じ薬剤でも患者さんによっても違う場合がありますので、どうしても副作用が我慢できないと患者さんが訴えてきたときには、α-GIの中でスイッチするのもよいでしょう。―腹部手術後の症例に使用してもよいのでしょうか。 α-GIは、「腸内ガス等の増加に、腸閉塞が発現するおそれがあるため、開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者」に対して慎重投与するとされていますので、注意して使用すれば投与可能です。 胃切除後の患者さんでは、食物が急激に小腸に流入して吸収されてしまうと、一時的に高血糖状態となり、そのためにインスリンが過剰に分泌されて食後2~3時間に低血糖を生じる「(後期)ダンピング症候群」が起こることがあります※。そのため、胃切除を行った患者さんでは、ゆっくりと少しずつ食物を小腸に送り出すように食事をする必要があります。糖の消化吸収を遅らせるα-GIは、食後の急激な血糖上昇を抑制するため、ダンピング症候群を惹起する食後の急激なインスリン分泌を抑制することができます。 なお、α-GIはダンピング症候群の適応はありませんが、胃切除をした糖尿病患者さんで、血糖低下を目的に使用することは可能です。 ※食物の流入により、食後30分に低血糖が生じるのは「前期ダンピング症候群」で、α-GIは前期ダンピング症候群には適さない。―内服は食直後では効果がないのでしょうか。食直前に内服を忘れた場合、食後に服用してもよいのでしょうか。 α-GIは、「1日3回“毎食直前”に経口投与する」とされていますが、これは各薬剤とも、治験において、食直前投与により明らかな血糖降下作用が得られることが示されたことから、「毎食直前投与」に設定されています。 一方で、ミグリトールにおいて、朝食直前投与群、朝食開始後15分投与群、朝食開始後30分投与群で血糖低下をみた試験において、血糖のAUC(Area Under the blood concentration-time Curve:血中濃度-時間曲線下面積)はいずれの群においても、ミグリトール非投与群に比べて明らかに低下したこと4)、さらに、ミグリトールを食直前に投与した群と食後に投与した群で血糖低下をみた試験で、投与3ヵ月後のHbA1cと1,5-AGの低下程度は、両群で同等の傾向を示したことが報告されています5)。―糖の吸収が緩やかになり、血糖変動が少なくなるのが良い、ということは理解できるのですが、結局は吸収されてしまうのであれば一緒ではないでしょうか。 現在、承認されているα-GIの用量では、「糖の吸収阻害」は起こらず、あくまでも「吸収遅延」のレベルですので、ご指摘のとおり、小腸から吸収される糖の全吸収量は変化しません。 食事をすると、摂取された炭水化物は、唾液や膵液中のα-アミラーゼによってショ糖などの2糖類に分解された後、小腸でα-グルコシダーゼにより、ブドウ糖などの単糖類に分解されて吸収され、血糖が上昇します。糖尿病では、食後のインスリン遅延分泌などがあると、“食後の血糖上昇とインスリンのタイミングが合わずに、食後に急激に血糖が上昇する食後高血糖”を来します。α-GIは、ブドウ糖などの単糖類に分解するα-グルコシダーゼの作用を阻害することで、小腸における2糖類から単糖類(ブドウ糖)への分解を阻害します。通常であれば小腸上部でそのほとんどが分解されてしまう2糖類は、小腸上部でα-GIによって分解を阻害されると、小腸下部までそのまま運ばれ、その結果、“ブドウ糖の吸収が遅延”することで、食後の血糖上昇を緩やかにします。最終的に糖の全吸収量は変わらないのですが、食後の血糖上昇が緩やかになることによって、血糖変動幅が小さくなるため、それが結果的にHbA1cの低下につながるのです。1)Chiasson JL et al. Lancet. 2002; 359: 2072-20772)Chiasson JL et al. JAMA. 2003; 290: 486-494. 3)Holman RR et al. NAVIGATOR Study Group. N Engl J Med. 2010; 362: 1463-1476.4)Aoki K. et al. Diabetes Res Clin Pract. 2007; 78: 30-33.5)Aoki K. et al. Diabetes Obes Metab. 2008; 10:970-972.

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うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

 うつ病治療に用いられる薬剤に関連する相対的な罹患率および死亡率を測定し、重大なアウトカムに関連する特定の臨床的影響について、米国・カリフォルニア大学のJ Craig Nelson氏らが検討を行った。The American journal of psychiatry誌オンライン版2017年1月31日号の報告。 米国、プエルトリコ、ワシントンD.C.に拠点を置く中毒センターから報告を受けた全米中毒情報データシステム(National Poison Data System)より、2000~14年の12歳以上に対する1回の薬剤曝露情報を照会した。薬剤は、抗うつ薬、非定型抗精神病薬、抗痙攣薬、リチウム、およびうつ病治療に用いられるその他の薬剤であった。主要アウトカムは、罹患率(1,000曝露当たりの重大なアウトカム数)、死亡率(1万曝露当たりの死亡アウトカム数)とした。 主な結果は以下のとおり。・15年間で、調査した48薬剤の単一薬剤曝露は、96万2,222件であった。・重大なアウトカムは15年間で2.26倍に線形に増加した。・三環系抗うつ薬やMAO阻害薬による薬物療法は、高い罹患率および死亡率と関連していたが、他の新規薬剤のいくつかは、危険な可能性があった。・リチウム、クエチアピン、オランザピン、bupropion、カルバマゼピンは、高い罹患率指標と関連していた。・リチウム、ベンラファキシン、bupropion、クエチアピン、オランザピン、ziprasidone、バルプロ酸、カルバマゼピン、citalopramは、より高い死亡率指数と関連していた。 著者らは「うつ病治療に用いられる薬剤に対する過量服薬や意図しない曝露による重大なアウトカムは、過去15年間で劇的に上昇した。現在のデータでは、罹患および死亡リスクが、薬剤間で異なることを示唆している。この違いは、うつ病患者、とくに自殺リスクの高い患者における治療法を選択する際に重要となる」としている。関連医療ニュース うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法 ADHD治療薬は将来のうつ病発症に影響するか

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乾癬とアトピー性皮膚炎、EDリスクとの関連は?

 乾癬は心血管疾患のリスクを高めるが、アトピー性皮膚炎については明確になっていない。一方、冠動脈疾患のリスクマーカーとして、勃起障害(ED)を使用できることは確立されている。そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らは、乾癬、あるいはアトピー性皮膚炎を有する男性におけるEDの罹患率、有病率とリスクを調べた。その結果、乾癬を有する男性においてEDの有病率およびリスクの増加が認められた一方、アトピー性皮膚炎の男性では、EDリスクは一般集団と同等(あるいはわずかに低い程度)であった。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2017年1月18日号掲載の報告。 研究グループは、30歳以上のデンマークの全男性を対象に調査を行った。アトピー性皮膚炎あるいは乾癬を有する場合、全身治療の有無に基づき重症度を判定した。 横断研究として2008年1月1日に、ロジスティック回帰法を用いてEDの有病率およびオッズ比を推定するとともに、コホート研究として2008年1月1日~2012年12月31日まで追跡調査を行い、Cox回帰モデルにより、新規ED発症の補正ハザード比を推定した(年齢、社会経済学的状態、医療サービス消費量、喫煙、アルコール、糖尿病および脂質異常症薬の使用など、潜在的な交絡因子)。なお、新規ED発症とは、ED治療のための薬物療法の開始とした。 主な結果は以下のとおり。・デンマーク人の男性(30~100歳)175万6,679例のうち、アトピー性皮膚炎有病者は2,373例(軽度1,072例、重度1,301例)、乾癬有病者は2万6,536例(軽度2万1,775例、重度4,761例)で、平均年齢(±SD)は一般集団53.0±14.6歳、アトピー性皮膚炎有病者46.7±12.0歳、乾癬有病者56.3±13.8歳であった。・EDの有病率は、一般集団8.7%、アトピー性皮膚炎有病者6.7%、乾癬有病者12.8%であった。・EDの補正オッズ比は、アトピー性皮膚炎有病者で低下したが(0.68、0.57~0.80)、乾癬有病者では増加した(1.15、1.11~1.20)。・重症度別にみた補正オッズ比は、アトピー性皮膚炎有病者で軽度0.63(0.48~0.82)、重度0.72(0.58~0.88)、乾癬有病者で軽度1.16(1.11~1.21)、重度1.13(1.03~1.23)であった。・新規ED発症の補正ハザード比は、アトピー性皮膚炎有病者で0.92(0.76~1.11)、乾癬有病者で1.14(1.08~1.20)であった。・EDリスクは、軽度アトピー性皮膚炎(0.85、0.63~1.14)あるいは重度アトピー性皮膚炎(0.97、0.76~1.24)の男性では増加は認められなかったが、軽度乾癬(1.13、1.09~1.20)および重度乾癬(1.17、1.04~1.32)の男性では顕著な増大がみられた。

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胆汁性胆管炎の皮膚そう痒、画期的新薬が有望/Lancet

 原発性胆汁性胆管炎では、患者の最大70%に皮膚そう痒が発現する。開発中の回腸型胆汁酸トランスポータ(IBAT)阻害薬GSK2330672は、皮膚そう痒の重症度を軽減し、重篤な有害事象の発現もなく耐用可能との研究結果が、Lancet誌オンライン版2017年2月7日号に掲載された。報告を行った英国・ニューカッスル大学のVinod S Hegade氏らの研究グループは、「本薬は原発性胆汁性胆管炎患者の皮膚そう痒の治療における画期的新薬(first-in-class)であり、新たな重要な進歩となる可能性があるが、下痢の頻度が高いため、長期投与には限界があるかもしれない」と指摘している。安全性と皮膚そう痒を無作為化クロスオーバー試験で評価 本研究は、皮膚そう痒を伴う原発性胆汁性胆管炎患者における、ヒトIBATの選択的阻害薬GSK2330672の有効性と安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化クロスオーバー第IIa相試験(BAT117213試験、GlaxoSmithKline社などの助成による)。 年齢18~75歳の患者が、非盲検下にプラセボを投与する2週間の導入期間の後、GSK2330672またはプラセボを1日2回経口投与する群に無作為に割り付けられ、2週間の治療が行われた。引き続き、ウオッシュアウト期間を置かずに薬剤をクロスオーバーして2週間の治療が行われ、さらに単盲検下にプラセボを投与する2週間のフォローアップが実施された。 主要評価項目は、臨床検査値に基づく安全性および消化器症状評価尺度(Gastrointestinal Symptom Rating Scale:GSRS)による耐用性とした。副次評価項目には、そう痒スコア、原発性胆汁性胆管炎-40(PBC-40)のかゆみスコア、5-Dかゆみスケールのほか、血清総胆汁酸、胆汁酸合成のマーカーである7α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン(C4)などが含まれた。 2014年3月10日~2015年10月7日に22例が登録された。被験薬→プラセボに11例、プラセボ→被験薬にも11例が割り付けられ、後者の1例が治療開始前に脱落した。1例が、プラセボによるフォローアップを受けなかったが、最終解析に含めた。3つの患者報告によるそう痒尺度が改善 ベースラインの全体の平均年齢は52.9(SD 10.6)歳、女性が19例(86%)を占めた。平均罹患期間は5(SD 4.8)年だった。 有害事象の発現率は被験薬、プラセボとも81%であった。22例の14日の治療で、被験薬による重篤な有害事象は発現しなかった。 最も頻度の高い有害事象は、被験薬が下痢(7例、プラセボは1例)、プラセボは頭痛(7例、被験薬は6例)であった。被験薬による下痢は軽度であり、最長で4日持続したが、日常生活にはほとんど影響はなく、治療中止や減量も認めなかった。 被験薬の皮膚そう痒に関する評価項目のベースラインからの変化率は、そう痒スコアが-57%(95%信頼区間[CI]:-73~-42、p<0.0001)、PBC-40かゆみスコアが-30%(-42~-20、p<0.0001)、5-Dかゆみスケールは-35%(-45~-25、p<0.0001)であった。これらは、いずれもプラセボに比べ有意に良好であった(そう痒スコア:-23%[p=0.0374]、PBC-40かゆみスコア:-14%[p=0.0335]、5-Dかゆみスケール:-20%[p=0.0045])。 被験薬では、血清総胆汁酸濃度がベースラインの30μMから15μMへと50%低下した(95%CI:-37~-61、p<0.0001)のに対し、プラセボでは12%上昇した(-12~42、p=0.3540)。被験薬の投与を中止すると、血清総胆汁酸濃度は2週間以内にほぼベースライン値に戻った。また、血清C4濃度は、ベースラインの7.9ng/mLから24.7ng/mLへと3.1倍(95%CI:2.4~4.0、p<0.0001)に上昇した。

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尿路上皮がんにニボルマブ承認:FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月2日、プラチナベースの化学療法中および後、あるいは白金含有化学療法によるネオアジュバントまたはアジュバント療法12ヵ月以内に増悪した局所進行・転移性尿路上皮がん患者の治療に、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)を迅速承認した。 この承認は、上記の尿路上皮がん患者270例を対象にしたシングルアーム試験の結果に基づく。患者は、疾患進行が認められるか忍認できない毒性が認められるまで、2週間ごとにニボルマブ3mg/kgの投与を受けた。RECIST1.1評価基準を用いた独立した放射線学的レビュー委員会によって確認された客観的奏効率は、19.6%(270例中53例、95%CI:15.1~24.9)であった。 7例の患者がCRを示し、46例がPRを示した。カットオフ時の推定奏効期間中央値は10.3ヵ月であった。 多く見られた副作用(20%以上)は、疲労、筋骨格痛、悪心、および食欲低下であった。 ニボルマブに起因する肺炎や心血管障害で死亡した4例の患者を含め、14例の患者が疾患進行以外の原因で死亡した。副作用は患者の17%において用量の中断をもたらした。 FDAは、このニボルマブの申請にブレークスルーセラピー指定と優先審査資格を与え、目標日の約1ヵ月前に承認に至った。ニボルマブは昨年のatezolizumabに続き、尿路上皮がんにおいてFDAの承認を受けた2つ目の免疫チェックポイント阻害薬となった。米国食品医薬品局(FDA)Approved Drugs

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155)魚の効用で患者を引き付ける【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者魚って健康にいいんですか?医師いいですよ。中性脂肪を下げる効果が期待されています。患者魚を食べると、認知症予防になるって聞いたんですが、本当ですか?医師そうですね。…もっといい方法があるんですよ(少し間を置いてから)。患者それは何ですか?(興味津々)医師自分で魚を買いにいくことです。どんな魚を食べようかなと考えながら、買い物することで頭を使うでしょ。患者確かに! 買い物にいくのも運動になりますしね。医師それに、ちょっと凝った魚料理をすることで、さらに頭を使うので認知症予防につながりますよ。患者わかりました。実践してみます(納得した顔)。●ポイント魚を食べるだけでなく、買い物や調理などへの話に展開します1) Eslick GD, et al. Int J Cardiol. 2009;136:4-16.

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第2回 患者の理解を妨げている要因【患者コミュニケーション塾】

なぜあなたの話は患者に伝わらないのか?情報化の時代を迎えた1990年代半ば、いわゆる「がん告知」が当たり前になり、今では余命も含めてすべての情報を患者に伝える時代へと変化しました。患者は病状や治療法について詳しい説明を受け、その内容を理解する努力をしたうえで、どのような治療を受けるかを選ばなければなりません。しかし、「患者」と一言にいっても全員を一括りにできるわけではなく、元々持っている情報や知識、理解力などは人によってさまざまです。「誰でも一律に理解、選択ができるわけではない」ということを踏まえて、医師をはじめとする医療者の皆さんには、患者が理解するためのサポートをしていただきたいと思っています。では、医療現場でよくみられる、患者の理解を妨げている要因とは何なのでしょうか。以前からよく挙げられる患者の苦情として、「最近の先生はパソコンばかり見て、患者の目を見ない」というものがあります。電話相談でも「私は担当医の真正面の顔を見たことがないので、横顔しか知りません」という声が届いたこともあるくらいです。私はこの苦情を医師の態度に対する不満だとずっと考えていました。ところがある高齢の方から「高齢になると耳から入ってきた言葉が頭の中で繫がるのに時間がかかる。それなのに、あらぬ方向(パソコン)を見て説明されると、自分の問題だという認識すらできず、理解のスタートラインにすら立てない」という話を聞いたのです。きちんと目を見て話してくれないというのは、単に態度への不満というだけではなく、理解を妨げている要因の1つなのだと教えられました。長時間かけて説明すればよいのかまた、最近は病状の説明や治療方針を決定する際に、1時間以上の長時間をかけて説明してくれる医師も増えています。しかし、患者はシビアな病状であることを聞いたり、ショックを受けたりすると、途中で頭の中が真っ白になってしまい、いくら医師が一生懸命説明しても、内容がまったく頭に入って来なくなってしまうのです。即結論を出さなくてもよい状況であれば、たとえば話を2回に分けて、最初は概要を10分ほどで伝え、患者が精神的に落ち着いたところで、後日残りの50分かけてじっくりと細かい説明をする、といった工夫をすることで、より理解が深まることもあると思います。医師と患者には情報の非対称性があるばかりでなく、一般的な日本語に対してもイメージの乖離が起こりがちです。それだけに、できるだけ早い段階で情報の共有を図っていないと理解には至りません。この点については次回で詳しくお伝えしようと思います。また、説明の際、わかりやすくたとえ話をして下さる医師がいます。本当にわかりやすいたとえ話は助けになりますが、マニアックと思えるようなたとえ話をしてしまうと逆効果になってしまうこともあるので注意が必要です。“うなずき”は理解の証拠とは限らない一方、患者の側の問題として、理解できていないのにうなずいてしまう方が結構多くいます。「高齢だから理解できないと思われたくない」「何だかよくわからないけれど、うなずいていないと前へ進まない」という思いからうなずいている患者が少なからずいます。それだけに、うなずいただけで「理解しているんだ」と受け止めるのは危険だと私は思っています。患者が本当に理解したかどうか確認するために、どのように理解したのか、患者自身に言語化してもらうなどといった理解度の確認は不可欠なのではないでしょうか。

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認知症予防へのビタミンDや日光曝露、さらなる研究が求められる

 日光曝露や高ビタミンD状態は、認知症発症を予防するといわれている。オーストリア・クレムス継続教育大学のIsolde Sommer氏らは、経時的な日光曝露の欠如やビタミンD欠乏症が認知症と関連しているかを検討した。BMC geriatrics誌オンライン版2017年1月13日号の報告。 MEDLINE(PubMed経由)、Cochrane Library、EMBASE、SCOPUS、Web of Science、ICONDAおよび1990~2015年10月までの適切なレビュー記事のリファレンスリストをシステマティックに検索した。認知症リスクのサロゲートマーカーとしての日光曝露またはビタミンDの影響を評価するために、パブリッシュおよびノンパブリッシュデータのランダム効果メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・日光曝露と認知症リスクとの関連性を調査した単一研究は特定できなかった。・認知症リスクに対する血清ビタミンD濃度の影響に関するデータには、6件のコホート研究があった。・5件の研究のメタ解析では、重篤なビタミンD欠乏症患者(25nmol/L未満または7~28nmol/L)は、十分なビタミンDの供給を有する者(50nmol/L以上または54~159nmol/L)と比較し認知症リスクが高いことが示された(ポイント推定:1.54、95%CI:1.19~1.99、I2=20%)。・重篤なビタミンD欠乏症は、認知症発症リスクが高いと考えられるが、研究に含まれた観察研究の性質と残存または重要な交絡因子調整の欠如(例えば、ApoEε4遺伝子型)、ならびに日光曝露の代わりとなるビタミンD濃度と認知症リスクとの間接的な関係が含まれる。 著者らは「本レビューから、低ビタミンD濃度が認知症発症に影響すると考えられる。日光曝露と認知症リスクとの直接的および間接的関係を調査するための、さらなる研究が必要である。このような研究には、ビタミンD濃度または日光曝露と認知症アウトカムの均質で反復的な評価を伴う大規模コホート研究が必要である」としている。関連医療ニュース 魚を食べると認知症は予防できるのか 歩くのが遅いと認知症リスク大 米国の認知症有病率が低下、その要因は

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アスピリン使用と膵がんリスク低下の関連性

 喫煙や肥満を避けること以外に、膵がんを予防するための方法はほとんど明らかになっていない。また、アスピリン使用と膵がんリスクとの関連性について、これまでの研究では一致した結果が得られていない。米国・イェール大学公衆衛生大学院のHarvey A. Risch氏らの研究で、アスピリンの定期的使用が膵がんリスクを低下させる可能性が示唆された。Cancer Epidemiology,Biomarkers&Prevention誌2017年1月号掲載の報告。 研究グループは、中国・上海で2006~11年に膵がん患者761人と性別・年齢が一致する対象群794人を抽出し、住民対象研究を実施。対象者には、アスピリンの定期的使用の有無、使用頻度(毎日あるいは毎週)、使用開始年齢と使用を中止した年齢について質問した。データは、年齢、性別、教育水準、体格指数(BMI)、喫煙年数、1日当たりの喫煙量、CagA陽性H. pylori、ABO血液型および糖尿病歴の調整を伴う無条件ロジスティック回帰分析を行った。また、文献調査にはメタ回帰分析が用いられた。 主な結果は以下のとおり。・アスピリンの定期的使用は膵がんリスクの低下と関連した(OR:0.54、95%CI:0.40~0.73、p=10-4.2)。・アスピリン使用1年ごとに膵がんリスクは8%低下(OR trend:0.92、95%CI:0.87~0.97、p=0.0034)。・本研究とすでに発表されている18の研究によるデータの横断分析の結果、アスピリンの定期的使用による膵がんリスクのオッズ比は、各研究期間の後半になるにつれて、アスピリンの種類(p-trend=10-5.1)、用量(低用量アスピリンでp-trend=0.0014)にかかわらず減少傾向が強くなった。 この研究から、アスピリンの定期的使用は、膵がんのリスクを約50%低下させる可能性が示唆された。 心血管疾患と特定のがん予防について二重の利益をもたらす一方で、アスピリンの長期使用には出血性合併症のリスクが伴うため、個々の服用についての決定には今後リスク・ベネフィット分析が必要となる。

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少関節型若年性特発性関節炎、MTX追加で寛解期間が延長/Lancet

 少関節型若年性特発性関節炎の治療において、副腎皮質ステロイド関節内注射に経口メトトレキサート(MTX)を追加すると、寛解率はほとんど変わらないものの、再燃までの期間が延長し、毒性はさほど増加しないことが、イタリア・Istituto Giannina GasliniのAngelo Ravelli氏らイタリア小児リウマチ性疾患研究グループの検討で示された。研究の成果は、Lancetオンライン版2017年2月2日号に掲載された。若年性特発性関節炎は、国際リウマチ連盟(ILAR)によって、「16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の関節炎」と定義され、このうち少関節型は「6ヵ月間の罹患関節が1~4ヵ所の場合」とされる。本症の治療指針となるエビデンスに基づく情報はほとんどないという。MTX追加の効果を無作為化試験で評価 研究グループは、少関節型若年性特発性関節炎患者への経口MTXの追加が、副腎皮質ステロイド関節内注射の効果を増強するかを検討する非盲検無作為化試験を実施した(Italian Agency of Drug Evaluationの助成による)。 年齢18歳未満の患者が、副腎皮質ステロイド関節内注射単独または経口MTX(15mg/m2、最大20mg、週1回)+副腎皮質ステロイド関節内注射を施行する群に無作為に割り付けられた。副腎皮質ステロイドは、トリアムシノロンヘキサセトニド(肩・肘・手首・膝関節、脛距関節)またはメチルプレドニゾロン酢酸エステル(距骨下関節、足根関節)を用いた。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における治療開始から12ヵ月後の、治療対象となった全関節の寛解率とした。 2009年7月7日~2013年3月31日に、イタリアの10施設に207例が登録され、関節内注射単独群に102例、MTX併用群には105例が割り付けられた。再燃までの期間が約4ヵ月延長 ベースラインの年齢中央値は、関節内注射単独群が4.5(IQR:2.2~10.4)歳、MTX併用群は4.1(2.4~8.9)歳、女児がそれぞれ72%、80%を占めた。発症時年齢中央値はそれぞれ2.8(1.6~6.0)歳、2.5(1.7~4.7)歳、罹患期間中央値は6.7(2.8~19.5)ヵ月、6.9(3~22.0)ヵ月だった。 注射が行われた関節が1ヵ所のみの患者は23%(48例)、2ヵ所以上の患者は77%(159例)であった。全部で490の関節に注射が行われ、膝関節と足関節が多くを占めた。 12ヵ月時の全関節寛解率は、関節内注射単独群が34%(35例)、MTX併用群は39%(41例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(p=0.48)。 再燃の頻度が最も高かった関節は、関節内注射単独群が中手指節関節(60%)、肘関節(50%)、距骨下関節(48%)、足関節(41%)であり、MTX併用群は距骨下関節(41%)、足関節(26%)、肘関節(25%)、中手指節関節(10%)であった。膝関節の非寛解率は、それぞれ20%(23/113)、12%(13/106)だった。 再燃までの期間中央値は、関節内注射単独群の6.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.6~8.2)に比べ、MTX併用群は10.1ヵ月(7.6~>16)と有意に延長した(ハザード比[HR]:0.67、95%CI:0.46~0.97、log-rank検定のp=0.0321)。 MTX併用群の17%(20例)に有害事象が発現し、消化管不快感(悪心、嘔吐、便秘:14例)、肝トランスアミナーゼ上昇(8例)、疲労(2例)、易刺激性(2例)、脱毛(1例)、白血球減少(1例)が含まれた。恒久的な治療中止が2例(消化管不快感、肝トランスアミナーゼ上昇が1例ずつ)に認められた。重篤な有害事象はみられなかった。 著者は、「今後、関節炎の拡大を予防する治療介入の可能性の評価を目的とする臨床試験を行う必要がある」としている。

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同じGPでの診療継続は、不要な入院を減らす/BMJ

 プライマリケアの継続性を促進することで、不必要な入院を回避し、とくに受診頻度の高い患者で医療費の抑制効果を改善する可能性があることが、英国・The Health FoundationのIsaac Barker氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年2月1日号に掲載された。予定外の入院を回避するために、多くのヘルスケアシステムが、プライマリケアへのアクセスの迅速性と公正性の改善に重点的に取り組んでいる。英国では、ケアの継続性が損なわれつつあるとされ、これはケアへのアクセスの促進と継続性はトレード・オフの関係にあるためと考えられている。また、ケアの継続性は、患者および医師の満足度と関連することが知られているが、入院との関連は不明だという。ケアの継続性とACSCによる入院の関連を横断的に評価 研究グループは、高齢患者を対象に、一般医(GP)によるケアの継続性と、「プライマリケアでの適切な処置により不必要な入院が回避可能な病態(ambulatory care sensitive conditions:ACSC)」に起因する入院との関連を評価するために、横断的研究を行った(研究助成は受けていない)。 解析には、英国の臨床試験研究データベース(Clinical Practice Research Datalink)に参加する200のGP施設のプライマリケアおよびセカンダリケアの記録を用いた。 ACSCには、喘息など質の高いケアで再燃エピソードを予防すべき長期的な病態や、壊疽など適切な時期に効果的なケアで発症を阻止すべき急性の病態、インフルエンザや肺炎などワクチン接種で予防可能な病態などが含まれた。 ケアの継続性は、最も受診回数の多いGPへの受診頻度(usual provider of care index)のスコアで評価した。たとえば、1例の患者がGPを10回受診し、そのうち6回が同一のGPの場合、継続性スコアは0.6(6/10)となる。 2011年4月~2013年3月の2年間に、GP施設を2回以上受診した年齢62~82歳の患者23万472例のデータが解析の対象となった。主要評価項目は、ACSCによる入院回数とした。受診頻度が高い患者は、ケアの継続性が低く、不必要な入院が多い ベースラインの全体の平均年齢は71.43(SD 5.88)歳、女性が53.63%を占めた。2年間で、1例がGPを受診した平均回数は11.40(SD 9.40)回、専門医への平均紹介数は0.45(SD 0.89)回、ACSCによる平均入院回数は0.16(SD 1.01)回であった。ACSCによる入院は0が89.57%、1回が7.70%、2回以上は2.73%だった。 ケアの継続性スコアの平均値は0.61であった。所属GPの多い大規模施設(常勤換算GP数≧7人)は、小規模施設(同:1~3人)よりもケアの継続性が低い傾向がみられた(平均継続性スコア:0.59 vs.0.70)。 年齢が高い患者ほど、専門医への紹介が多く、疾患が長期に及び、ACSCによる入院でGPを受診する頻度が高かった。また、ACSCによる入院の頻度は、女性が男性に比べて低く、社会経済的貧困度が高度の集団ほど高かった。 さらに、ケアの継続性が高い患者ほど、ACSCによる入院が少なかった。すなわち、ケアの継続性が中等度の群(継続性スコア:0.4~0.7)は低い群(同:0~0.4)に比べACSCによる入院が8.96%減少し(p<0.001)、高い群(同:0.7~1.0)は、低い群よりも12.49%(p<0.001)、中等度の群よりも3.87%(p=0.03)低下した。 人口統計学的特性と患者の臨床的背景因子で調整したモデルによる解析では、ケアの継続性スコアが0.2上昇すると、ACSCによる入院が6.22%(95%信頼区間[CI]:4.87~7.55、p<0.001)低下した。 プライマリケアの受診頻度が最も高い患者(GP受診回数≧18回/2年)は、最も低い患者(同:2~4回/2年)に比べ、ケアの継続性が低く(継続性スコア:0.56 vs.0.69)、ACSCによる入院は多い傾向がみられた(入院回数:0.36 vs.0.04)。 著者は、「GPによるケアの継続性を改善する戦略は、とくに受診頻度が最も高い患者においてセカンダリケアの医療費を抑制するとともに、患者および医療者の負担を軽減する可能性がある」とまとめ、「介入法については注意深い評価が求められる」と指摘している。

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リバーロキサバンCAD、PAD患者のイベントを抑制

 ドイツ・バイエル社とヤンセン リサーチ&ディベロップメント社は2017年2月8日、冠動脈疾患(CAD)または末梢動脈疾患(PAD)を有する患者における心血管死、心筋梗塞、脳卒中を含む主要心血管イベント(MACE)の抑制に関し、リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)の有効性と安全性を評価する第III相臨床試験COMPASSにおいて、主要評価項目を早期に達成したと発表。計画された中間解析を独立データモニタリング委員会(DMC)が実施したところ、主要評価項目であるMACEにおいて、事前に規定した優越性の基準が満たされたことから、DMC は治験を早期に中止することを推奨した。このことから、バイエル社、ヤンセン社およびポピュレーション・ヘルス・リサーチ・インスティチュート(PHRI)は、非盲検継続投与試験において被験者にリバーロキサバンを提供する予定である。COMPASS 試験は、リバーロキサバンではこれまでで最大規模の臨床試験。 第III相臨床試験COMPASSは、PHRIと共同で実施した試験であり、これまでに世界30ヵ国以上の600を超える施設から、2万7,402人が参加した。被験者はリバーロキサバン2.5mg×2/日とアスピリン 100mg×1/日の併用群、リバーロキサバン5mg×2/日単独投与群、または、アスピリン100mg×1/日単独投与群のいずれかに無作為割付された。本試験から得られたデータの詳細な解析結果は、2017年の医学学会で発表の予定。 CADによる死亡は、世界中で年間約730万人。患者数は増加しており、高所得国の中年男性・女性の3分の1から2分の1は生涯の間にCADを起こすリスクがあるという。PADは多くの場合、診断未確定であるものの、欧州と北米では2,700万人以上が罹患しており、世界的なスクリーニング調査では55歳以上の約20%にPADの兆候があることが示唆されている。バイエル薬品株式会社のプレスリリースこちら

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しもやけ(凍瘡)

しもやけ(凍瘡)【皮膚疾患】◆症状冬の時季に手足や耳たぶなどが、腫れて、赤くなります。あたたまると、痒みを伴います。小児に多くみられます。◆原因寒さ(外気温約5℃くらい)により発症し、とくに寒暖の差の大きいところを行き来すると発症しやすいです。◆治療と予防・患部の保温と内服のお薬、外用薬で治療します。・予防では、肌の保温が大切です。●一言アドバイスとくに成人では、膠原病や動脈硬化による皮膚病変との鑑別が必要です。監修:浅井皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.浅井 俊弥氏

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尿道に安全ピンを安全には入れられない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第85回

尿道に安全ピンを安全には入れられない FREEIMAGESより使用 世界にあまたある「異物論文」から1つご紹介しましょう。14歳の少年の話です。 Thummar HG, et al.An Unusual Case of a Metallic Foreign Body per Urethra.Pol J Radiol. 2016 Nov 1;81:519-521.14歳の少年が、会陰部の痛みと排尿困難を訴えて来院しました。彼によくよく話を聞いてみると、「尿道に安全ピンを入れたんだ」ということがわかりました。いやいや、いくら安全と名が付いていても、これをよく尿道に入れようと思いつきますね……。尿道異物の動機のほぼ100%が、性的興奮によるものとされています。彼もまた例に漏れず、安全ピンを入れることで性的に興奮していたのです。尿検査では当然血尿がみられ、レントゲン写真では、尿道の中にピンが外れた状態で細長く安全ピンが横たわっていました。幸い奥のほうまで陥入していなかったので、内視鏡的に摘出することができました(図)。これはやはり、一旦伸ばしてから安全ピンを入れたんでしょうね。奥のほうまで入れて楽しんでいたのでしょうか。(図)Copyright © Pol J Radiol, 2016安全ピンという名前ですが、決して安全ではありません。ましてや、自分の尿道に入れようなんて思わないように!インデックスページへ戻る

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統合失調症、服薬アドヒアランス研究の課題とは

 生涯に1,000人中およそ7人が罹患すると推定される統合失調症患者のうち、約50%が自殺を試みるといわれている。しかし研究において、統合失調症患者の服薬アドヒアランスを測定することは困難であり、現時点では標準的な手法が存在していない。統合失調症患者におけるノンアドヒアランスを評価するための信頼性の高い手法がなければ、アドヒアランス改善戦略の研究は進まない。米国・サウスカロライナ医科大学のCordellia E Bright氏は、統合失調症患者の服薬アドヒアランスを測定するための既存の機器について、妥当性、信頼性、エビデンスレベルを評価した。Archives of psychiatric nursing誌2017年2月号の報告。 本統合レビューでは、評価、測定、服薬アドヒアランス、統合失調症、薬物ノンアドヒアランス、妥当性、信頼性、対策の検索用語を使用した。CINAHL、PubMed、PsycINFO、Scopusのデータベースを検索した。対象期間は2000~16年とした。6件の研究より14の機器が抽出された。 主な結果は以下のとおり。・検討したすべての機器は、妥当性と信頼性が弱く、エビデンスレベルの低さと関連していた。・3種類の機器(うち2種類は極めて新しい)は、より良い妥当性、信頼性、感度を有していたが、広範かつ多様なサンプルで評価されていないため、一般的かは不明である。 著者らは「統合失調症患者の服薬アドヒアランスに関する研究を行うためには、さまざまな患者の特性に対し、適切な妥当性、信頼性、感度を有する機器の開発が必要である」としている。関連医療ニュース 錠剤埋め込み型服薬管理システムは、安全なのか 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 双極性障害青年、ちゃんと薬を飲んでいるか

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抗PD-1抗体キイトルーダ発売:悪性黒色腫とNSCLCに

 根治切除不能な悪性黒色腫およびPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で承認を取得している抗PD-1抗体ペムブロリズマブの発売が2017年2月15日、MSD株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ヤニー・ウェストハイゼン)から発表された。商品名はキイトルーダ点滴静注20mgおよびキイトルーダ点滴静注100mg。 この販売開始に伴い、MSDが薬価基準収載までの期間に限り実施していたペムブロリズマブの無償提供は終了する。肺がんにおけるペムブロリズマブ PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の未治療非小細胞肺がん患者を対象とした国際共同第III相臨床試験(KEYNOTE-024試験)および既治療非小細胞肺がん患者を対象とした国際共同第II/III相臨床試験(KEYNOTE-010試験)において、有効性および安全性が示された。PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する初回治療(PD-L1高発現)患者および既治療(PD-L1発現)患者に使用可能な抗PD-1抗体となる。悪性黒色腫におけるペムブロリズマブ 根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした海外第II相試験(KEYNOTE-002試験)、海外第III相試験(KEYNOTE-006試験)および国内第I相試験(KEYNOTE-041試験)において、有効性および安全性が示された。 また、ペムブロリズマブの治療対象となる非小細胞肺がんのPD-L1高発現(TPS※≧50%)の未治療患者、および治療歴のあるPD-L1発現(TPS≧1%)患者を特定するコンパニオン診断薬 PD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」は、2016年11月25日に本邦での承認を取得している。※TPS:Tumor Proportion Score 腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合 ペムブロリズマブは、米国を含む50ヵ国以上で承認を取得しており、世界では30を超えるがん種に対し約400の臨床試験が進行中。本邦では、2015年10月27日に、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果について、厚生労働省から先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。2016年12月22日には、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する効能・効果について製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。さらに、膀胱がん、乳がん、胃がん、頭頸部がん、肝がん、多発性骨髄腫、食道がん、腎細胞がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中である。MSD株式会社のニュースリリースはこちら

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骨髄異形成症候群の予後層別化、遺伝子変異解析で可能に/NEJM

 骨髄異形成症候群(MDS)患者に同種造血幹細胞移植を行う際は、遺伝子変異を解析することで、予後を層別化するとともに、骨髄破壊的または非破壊的前処置のどちらが有用かを特定することが可能なことを、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのR Coleman Lindsley氏らが、遺伝子プロファイリングによる研究の結果、明らかにした。同種造血幹細胞移植はMDSに対する唯一の根治療法であるが、再発後の死亡や移植関連合併症による移植後死亡率が高く、どのような患者が最も移植の恩恵を受けるかを予測することは重要な課題である。遺伝子変異はMDS発症の一因であり臨床表現型と密接に関連していることから、遺伝子変異によって同種造血幹細胞移植後の臨床転帰を予測できる可能性が示唆されていた。NEJM誌2017年2月9日号掲載の報告。MDS患者約1,500例の血液検体から129の遺伝子を解析 研究グループは、2005~14年に国際造血細胞移植研究機構(CIBMTR)に登録されたMDS患者1,514例の移植前に採取された血液検体を用い、骨髄性がんや骨髄不全症候群の病因であることが既知または疑われる129の遺伝子について標的変異解析を実施し、全生存期間、再発および無再発死亡など移植後転帰と遺伝子変異との関連を検証した。TP53変異患者の移植後予後は不良 TP53変異が19%の患者で確認され、変異なしと比較して年齢などの重要な臨床変数を補正しても生存期間および再発までの期間が有意に短いことが示された(いずれもp<0.001)。TP53変異のない40歳以上の患者においては、RASシグナル伝達経路の遺伝子変異ありで変異なしと比較し、再発のために生存期間が短く(p=0.004)、JAK2変異ありは無再発死亡のため生存期間が短かった(p=0.001)。 TP53変異による予後への有害な影響は、骨髄非破壊的前処置を受けた患者と骨髄破壊的前処置を受けた患者で類似していた。一方、RAS経路変異による再発への有害な影響は、骨髄非破壊的前処置を受けた患者のみ、RAS経路変異なしと比較して顕著であった。また、若年成人においては、4%の患者がTP53変異とともにシュワッハマン・ダイアモンド症候群関連遺伝子SBDSの複合ヘテロ接合体変異を有しており、予後不良と関連していた。 P53調節因子PPM1D変異は、原発性MDS患者(3%)と比較して、治療関連MDS患者(15%)で高率に認められた(p<0.001)。

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米の入院患者の死亡率、海外出身医師のほうが低い/BMJ

 米国の病院に入院した高齢のメディケア受給患者のデータから、海外医学部出身医師の治療を受けた患者の死亡率は、米国内の医学部出身医師が治療した患者より低いことが明らかとなった。ハーバード公衆衛生大学院の津川 友介氏らが、治療した一般内科医が海外医学部卒業生か米国内医学部卒業生かで患者のアウトカムに違いがあるかどうかを観察研究で検証し、報告した。これまで、小規模な検討ではさまざまな結果が示されていたが、全国的なデータを用いた研究はなかった。BMJ誌2017年2月3日号掲載の報告。65歳以上の入院患者約122万人とその担当医約4万人のデータを解析 研究グループは、Medicare Inpatient Files、Medicare Carrier Files、米国病院協会年次調査、およびDoximity(医師専用SNS)によって収集された医師データベースの4つのデータベースを用い、2011年1月1日~2014年12月31日に内科疾患で急性期病院に入院した65歳以上のメディケア出来高払い受給者121万5,490人、ならびにその患者を治療した医師4万4,227人のデータを解析した。 主要評価項目は、患者の30日死亡率、退院後30日再入院率、および入院当たりの治療費用であった。患者特性(年齢、性別、人種、主要診断、重症度など)、医師特性(年齢、性別、治療した患者数など)、ならびに病院を固定効果(同一病院内の医師同士を比較)として補正した。また、感度解析として、入院患者の治療に特化した総合診療医(ホスピタリスト:主に交代制で働き、勤務予定に基づいて見かけ上無作為に患者を診療する)に絞った解析も行った。米国外医学部出身医師が治療した患者の死亡率が有意に低い 海外医学部出身医師が治療した患者は、米国内医学部出身医師が治療した患者と比較して、わずかに慢性疾患が多く、入院当たりの治療費(補正後)がわずかに高かった(1,145 vs.1,098ドル、差:47ドル、95%信頼区間[CI]:39~55ドル、p<0.001)、しかし、補正後30日死亡率は低かった(11.2 vs.11.6%、補正後オッズ比:0.95、95%CI:0.93~0.96、p<0.001)。再入院率は両群間で差はなかった。 患者アウトカムの違いは、ホスピタリストに限ってみた場合も同様であることが確認された。死亡率の差は、在院期間、支出費用、転院/退院先の場所の違いでは説明されなかった。 なお、著者は、米国外で出生した海外医学部卒業生と海外医学部に留学した米国市民を区別できなかったことや、30日死亡率と再入院率が必ずしも包括的に治療の質を評価できるわけではないことを研究の限界として挙げている。

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