サイト内検索|page:1189

検索結果 合計:35184件 表示位置:23761 - 23780

23761.

コントロール不良の重症喘息にbenralizumabは有用/Lancet

 好酸球増多を伴うコントロール不良な重症喘息の治療において、benralizumabは患者アウトカムを改善する可能性があることが、米国・ウェイクフォレスト大学のEugene R Bleecker氏らが実施したSIROCCO試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年9月2日号に掲載された。重症喘息の増悪は生命を脅かし、QOLを低下させる。好酸球増多は、喘息の重症度の悪化や肺機能の低下をもたらし、喘息増悪の頻度を上昇させる。benralizumabは、インターロイキン(IL)-5受容体αに対するモノクローナル抗体であり、抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用(ADCC)によって好酸球を抑制するという。増悪を繰り返す重症例が対象のプラセボ対照無作為化試験 SIROCCO試験は、好酸球増多を伴うコントロール不良な重症喘息の治療におけるbenralizumabの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験(AstraZeneca社、Kyowa Hakko Kirin社の助成による)。 対象は、年齢12~75歳、体重40kg以上で、登録の1年以上前に、医師によって中/高用量の吸入コルチコステロイド(ICS)+長時間作用型β2刺激薬(LABA)を要する喘息と診断され、登録前の1年以内に、コルチコステロイドの全身療法または維持量の経口コルチコステロイドの一時的な増量を要する増悪を2回以上発症した患者であった。 被験者は、標準治療に加え、benralizumab 30mgを4週ごとに投与する群、同8週ごとに投与する群(最初の3回は4週ごとに投与)、プラセボを4週ごとに投与する群に無作為に割り付けられ、48週の治療が行われた。 主要評価項目は、血中好酸球数が300個/μL以上の患者における、プラセボ群と比較した増悪の年間発症率の率比とし、主な副次評価項目は、48週時の気管支拡張薬投与前の1秒量(FEV1)および喘息症状スコアとした。 2013年9月19日~2015年3月16日までに、17ヵ国374施設に1,204例が登録され、benralizumab 4週ごと投与群に399例、同8週ごと投与群に398例、プラセボ群には407例が割り付けられた。2つの投与法とも年間喘息増悪率が改善 ベースラインの平均年齢は、benralizumab 4週ごと投与群が50.1歳、同8週ごと投与群が47.6歳、プラセボ群は48.7歳で、女性がそれぞれ69%、63%、66%を占めた。血中好酸球数が300個/μL以上の患者は、275例、267例、267例であり、これらの患者が主要評価項目の解析の対象となった。 48週時の年間喘息増悪率は、プラセボ群に比べ4週ごと投与群(率比[RR]:0.55、95%信頼区間[CI]:0.42~0.71、p<0.0001)および8週ごと投与群(RR:0.49、0.37~0.64、p<0.0001)とも有意に低下した。 benralizumabの2つの投与レジメンは、いずれもプラセボ群に比し、48週時の気管支拡張薬投与前FEV1が有意に改善された(ベースラインからの最小二乗平均の差=4週ごと投与群:0.106L、95%CI:0.016~0.196、8週ごと投与群:0.159L、0.068~0.249)。 喘息症状は、プラセボ群に比べ8週ごと投与群(ベースラインからの最小二乗平均の差:-0.25、95%CI:-0.45~-0.06)は有意に改善したが、4週ごと投与群(同:-0.08、-0.27~0.12)では有意な差を認めなかった。 最も頻度の高い有害事象は、喘息増悪(benralizumab治療群:13%[105/797例] vs. プラセボ群:19%[78/407例])および鼻咽頭炎(12%[93/797例] vs. 12%[47/407例])であった。 著者は、「これらの知見は、benralizumabが、好酸球増多を伴うコントロール不良な重症喘息の新たな治療選択肢となることを支持するもの」と指摘している。

23762.

がん患者の損傷リスクは診断の全過程で予防対策を/BMJ

 がん患者では、医原性損傷(iatrogenic injuries)および非医原性損傷(non-iatrogenic injuries)のリスクが、診断後だけでなく、診断前から上昇しており、診断の全過程を通じて予防対策を講じる必要があることが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のQing Shen氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年8月31日号に掲載された。大腸がん、前立腺がん、乳がんの患者では、医原性損傷による死亡の増加を認め、がん患者における非医原性損傷のリスク上昇も知られている。これまでに、がんの診断後や治療後の損傷のリスクは検討されているが、診断前のリスクの評価は行われておらず、本試験はがんの診断的検査による医学的合併症の疾病負担を総合的に検討した初めての研究だという。診断期と前診断期の医原性・非医原性損傷の発生率を比較 研究グループは、がん診断の前後の期間における医原性・非医原性損傷の相対リスクの検討を行った(スウェーデンがん学会などの助成による)。 1991~2009年に、スウェーデンで新規にがんの診断を受けた72万901例のデータを解析した。剖検でがんと診断された症例は除外した。診断時の年齢中央値は69歳で、男性が51.7%であった。 医原性損傷は、医学的処置や薬物療法による合併症とし、非医原性損傷は、医学的介入や患者の健康追求行動に起因しない損傷とした。これらの分類は、退院時診断および損傷の外因に基づいて行った。 スウェーデンの患者登録から、1990~2010年に主要な退院時診断が医原性または非医原性の損傷であったがんの入院患者を同定した。 条件付きポアソン回帰モデルを用いて、診断期(診断の16週前~16週後)の損傷の発生率を、同じ患者の前診断期(診断の1年前の同様の32週)の損傷の発生率と比較した。非医原性損傷のリスクのピークは、診断の2週前に 診断期には、医原性損傷が7,306件(0.60/1,000人月)、非医原性損傷は8,331件(0.69/1,000人月)発生した。 すべてのがんの、診断期の前診断期に対する医原性損傷の発生率比(IRR)は7.0(95%信頼区間[CI]:6.6~7.4)であった。医原性損傷のリスク上昇は、がん診断の2週前に始まり、診断後2週目にピークに達していた(IRR:48.6、95%CI:37.3~63.5)。 すべてのがんの、診断期の前診断期に対する非医原性損傷のIRRは1.9(95%CI:1.8~2.0)であった。非医原性損傷のリスク上昇は、がん診断の4週前に始まり、診断の2週前にピークに達した(IRR:5.3、95%CI:4.6~6.1)。 診断期の医原性および非医原性損傷の双方のリスク上昇は、一般的ながん(前立腺、乳房、大腸、肺、リンパ節/造血器、中枢神経系など)のすべてで認められ、リスク上昇が最も小さかったのは、非メラノーマ性皮膚がんであった。 非医原性損傷のうち、非意図的損傷(unintentional injuries)のリスクの上昇は診断の前と後で同じであったのに対し、意図的損傷(intentional injuries)のリスク上昇は診断後のほうが顕著であり、それぞれ異なるメカニズムを基盤とする可能性が示唆された。 著者は、「がん患者は、診断前後の短い期間に、入院治療を要する医原性または非医原性損傷のリスクが高度に増大していた」とまとめ、「意図的および非意図的損傷の予防対策は、がんの診断後だけでなく、診断過程と初回治療の過程を通じて求められることが示唆される」と指摘している。

23763.

リウマチ専門医のうつ病診療はこれからどうすべきか

 カリフォルニア大学デービス校のErica Heiman氏らは、リウマチ専門医へアプローチし、日常診療におけるうつ病の認識を調査した。Journal of clinical rheumatology誌2016年9月号の報告。 カリフォルニア州のリウマチ診療医470人にアンケートを送付し、最終的に226件を分析した。回答者は、人口統計学的情報、診療特性、態度、認識、うつ病に関連する診療について回答した。リウマチ専門医の個人特性とうつ病関連診療特性を評価するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。リウマチ診療でうつ病は一般的だが診断システムが未確立 リウマチ専門医のうつ病に関連する診療についての調査の主な結果は以下のとおり。・リウマチ専門医の患者の半分以上がうつ病であったと回答した医師は、51%であった。・ほぼすべてにおいて(99%)、いくつかの診察で精神衛生上の問題に対処したと報告した。・リウマチ専門医の対処として、抗うつ薬を処方する、精神科医に紹介する、プライマリケア医へ逆紹介するが同程度に高く、約60%は多くの場合3つの戦略を適応すると回答した。・リウマチ専門医の効果的なうつ病管理の主な障壁として、精神的健康診断へのアクセスと患者の抵抗が特定された。・ロジスティック回帰分析では、毎週通院の患者、線維筋痛症患者、個人開業医では、抗うつ薬の高処方と関連が認められた(p<0.05)。 結果を踏まえ、著者らは「うつ病は、リウマチ診療で一般的であるが、診断、治療、患者紹介システムが確立されていない。精神健康保険サービスに対するリウマチ専門医の意識は高いが、うつ病患者のために一貫した効果的なケアを提供するための自信、時間、紹介ネットワークが十分でない。リウマチ患者のうつ病ケアを改善するためには、臨床医レベルの介入(たとえば、行動ヘルスケア研修の強化)と診療レベルの改革(たとえば、協調的ケア)の組み合わせが必要とされる」としている。

23764.

トルリシティ週1回注射で糖尿病患者の負担軽減

 8月31日、日本イーライリリー株式会社は、同社の持続性GLP-1受容体作動薬デュラグルチド(商品名:トルリシティ皮下注0.75mgアテオス)の投薬制限期間が、9月1日に解除されることから、「新しい治療オプションの登場による2型糖尿病治療強化への影響」をテーマにプレスセミナーを開催した。 セミナーでは、糖尿病治療への新しい選択肢を示すとともに、患者の注射に対する意識アンケート調査結果も公表された。トルリシティは簡単な操作で週1回の注射 じめに岩本 紀之氏(同社研究開発本部 糖尿病領域)が、トルリシティの製品概要について説明した。 GLP-1受容体作動薬は、膵β細胞膜上のGLP-1受容体に結合し、血糖依存的にインスリン分泌を促進する作用があり、グルカゴン分泌抑制作用も併せ持つ。胃内容物排出抑制作用があり、空腹時と食後血糖値の両方を低下させ、食欲抑制作用は体重を低下させる作用がある。また、単独使用では、低血糖を来す可能性は低いとされる。 トルリシティは、ヒトGLP-1由来の製剤で、血中濃度半減期は4.5日。1週間にわたり、安定した血中濃度を示すという。 26週の単独使用の国内第III相試験では、HbA1c推移はプラセボ(n=68)がベースラインから+0.14に対し、デュラグルチド(n=280)は-1.43であった。また、HbA1c 7.0未満の達成率(26週後)は、プラセボが5.9%だったのに対し、デュラグルチドは71.4%であった。また、副作用の発現率は29.7%(272/917例)で便秘、悪心、下痢の順で多く、重篤な副作用は報告されていない。低血糖症(夜間・重症含む)の発現は、プラセボ(n=70)で1例、デュラグルチド(n=280)で6例、リラグルチド(n=137)で2例だった。 なお、トルリシティのデバイスであるアテオスは、1回使い切りのデバイスで、わずか3つのステップで使用することができる。インスリンと異なり、針の付け替え、薬剤の混和、空打ちは不要で、訓練を要せずに簡単に使用できるという。 対象は2型糖尿病患者で、週1回、朝昼晩いつでも0.75mgを注射するだけで、優れた血糖低下を発揮する。DPP-4阻害薬はいい治療薬だけれど… セミナーでは、「新しい治療オプションの登場による2型糖尿病治療強化への影響~最新の研究結果から、注射に対する抵抗感の現状と未来を考える~」と題して、麻生 好正氏(獨協医科大学 内分泌代謝内科 教授)が、望まれる糖尿病治療薬の在り方と患者アンケートの概要について解説を行った。 糖尿病の概要と現状について、生活環境の変化(身体活動の低下)と食生活の変化(動物性脂肪の摂取の増加)などにより、患者数が50年前と比較し約38倍になっていること、そして、わが国では新しい血糖コントロール目標が2013年より導入され、個別化による目標血糖値に向けて治療が行われていることが説明された。 次に糖尿病の治療薬に望まれることとして、「低血糖を起さない」「治療に伴う体重増加がない」「血糖低下作用が十分ある」の3点を示すとともに、長期血糖コントロール維持と効果の持続性、膵β細胞機能低下抑制、障害のある腎・肝臓でも使用可能、心血管系に悪影響を及ぼさない、長期の安全性なども望まれると説明した。 現在、使用できる糖尿病治療薬の中でも、体重増加を避け、低血糖リスクの低い薬としては、「DPP-4阻害薬」「GLP-1受容体作動薬」「SGLT2阻害薬」の3種が挙げられる。とくにインクレチン関連薬の「DPP-4阻害薬」はアジア人に効果が高く、わが国でも広く使用されているが、最近増えている欧米型肥満の患者には効果に限界があり、また、経口血糖降下薬だけでは約6割の患者しかHbA1cを7.0%以下に下げることができず、次の治療オプションの模索がされているという。週1回注射のトルリシティは患者のアドヒアランスを向上 もう1つのインクレチン関連薬の「GLP-1受容体作動薬」は、注射薬のために臨床現場では使用へのハードルが高いものであった。しかし、GLP-1受容体作動薬は、DPP-4阻害薬の効果に加え、食欲低下、胃排出能の低下、体重減少効果もあり、抗動脈硬化作用1)も報告されている。他剤との併用では、基礎インスリンが一番効果を発揮し、基礎インスリンの良好な空腹時血糖コントロール、低血糖リスクが少ない、体重増加が少ない、肝糖新生抑制などの特性とGLP-1受容体作動薬の特性とが相まって効果を発揮することで、優れたHbA1cのコントロールをもたらすと期待されている。 先述のように注射というハードル故に、使用に二の足を踏まれていたGLP-1受容体作動薬について、患者へのアンケート調査(糖尿病治療薬[注射製剤]に関する患者調査2))で、次のようなことが明らかになった。 「患者が重視した薬剤属性」では、投与頻度(44.1%)、投与方法(26.3%)、吐き気の頻度(15.1%)、低血糖の頻度(7.4%)と回答が寄せられた。 「投与の度に注射が必要な糖尿病の治療薬を使用したいと思うか?」については、89.5%の患者が使用したくない/あまり使用したくないと回答し、とても使用してみたい/いくらか使用してみたいと回答した患者はわずか1.7%だった。 「トルリシティをどの程度使用してみたいか?」については、37.9%の患者が依然として使用したくない・あまり使用したくないと回答し、とても使用してみたい・いくらか使用してみたいと回答した患者は42.9%となり、上記の1.7%と比較して急伸した。 週1回の注射という患者のアドヒアランスを考慮したGLP-1受容体作動薬の出現は、アンケートにみられた注射への心理的ハードルを越え、たとえば忙しい社会人や在宅治療中の高齢者には、利便性が高く、経口薬だけではない治療の選択肢の幅が拡がるという。 最後に麻生氏は、「これから注射薬の早期導入がしやすくなることで、糖尿病患者の個別化治療の促進や予後の改善が期待される」とレクチャーを終えた。【訂正のお知らせ】本文内の表記を一部訂正いたしました(2016年9月21日)。■参考日本イーライリリー(糖尿病・内分泌系の病気)■関連記事ケアネットの特集「インクレチン関連薬 徹底比較!」

23765.

骨粗鬆症の治療終了はいつ?

【骨粗鬆症治療開始】骨折が治ったら、治療は終了ですか治骨次す粗はわ鬆よ症!を次へスタート【骨粗鬆症】かもた骨しうみ折ら大たも?丈い治夫ねっ。●骨折の治療終了は、骨粗鬆症のゴールではありません。●骨折が治ったら、次は骨粗鬆症の治療のスタートです!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

23766.

TwitterかFacebookのどちらで医学を学ぶ?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第75回

TwitterかFacebookのどちらで医学を学ぶ? >足成より使用 最近は、TwitterやFacebookで医学的な情報を流している医師が増えてきました。私はブログとFacebookページを運営しています。Twitterは医学とは関係のないアカウントを持っており、匿名でこっそりやっています。 Tunnecliff J, et al. Translating evidence to practice in the health professions: a randomized trial of Twitter vs Facebook. J Am Med Inform Assoc. 2016 Jun 29.[Epub ahead of print] この論文は、臨床家に対し腱障害のマネジメントに関する知見をTwitterあるいはFaceboookのどちらかで情報を提供し、その知識の向上について調べたランダム化比較試験です。登録されたのは494人で、回答のあった317人が解析の対象となりました。どちらの群に割り付けられた被験者も、その知識の向上と実臨床での有用性を評価していました。Twitter群とFacebook群を比較すると、知識の向上には差はみられず(p=0.728)、実臨床での有用性にも差はありませんでした(p=0.11)。そして、Twitterのほうが情報の拡散が速やかでシェアも多いという結果でした(p<0.001)。また、Facebookのほうが情報の消退が緩やかでした(p<0.001)。ただ現在、Twitterは140文字が上限とされており(部分的に撤廃が考慮されているようですが)、細かい医学的知見をシェアするには複数回の投稿が必要になります。そういった意味では、Facebookのほうが見やすいし理解しやすいと思います。確かにFacebookのレイアウトのほうが見やすいですが、大多数に拡散するのであればTwitterのほうが良いかなとも感じます。インデックスページへ戻る

23768.

車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は

 処方医薬品やOTC薬服用中の自動車運転に対する公衆衛生上の懸念は増大している。米国・ウエストバージニア大学のToni M Rudisill氏らは、特定の薬剤が車両衝突事故リスクの増加と関連しているかについてシステマティックレビューを行った。Accident; analysis and prevention誌オンライン版2016年8月25日号の報告。 事前包括基準は以下のとおり。(1)1960年1月1日以降に発表された文献、(2)15歳以上の運転免許取得、(3)査読出版物、修士論文、博士論文、学会発表、(4)無作為化比較試験、コホート研究、症例対照研究、症例対照に類似の研究、(5)特定の1剤以上でのアウトカム報告、(6)車両衝突のオッズまたはリスクのアウトカム報告。14のデータベースおよび手作業で検索を行った。文献、データの抽出は、独立した二重選定で行った。 主な結果は以下のとおり。・27件の研究より、53薬剤を調査した。・15薬剤(28.3%)が車両衝突事故リスクと関連していた。・15薬剤は、ブプレノルフィン、コデイン、ジヒドロコデイン、メサドン、トラマドール、レボセチリジン、ジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、temazepam、トリアゾラム、carisoprodol、ゾルピデム、ゾピクロンであった。 著者らは「いくつかの薬剤は、車両衝突事故リスク増加と関連し、運転能力を低下させた。特定の薬剤と車両衝突事故リスクや運転能力との関連は複雑である」としている。関連医療ニュース 睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか 精神疾患ドライバー、疾患による特徴の違い てんかん患者の自動車運転、世間の意識は:愛知医大

23769.

性行為は認知機能を上げる? 50歳以上の男女

 健康な50歳以上の男女において、性行為は認知機能向上との関連が認められることが、英国・コヴェントリー大学のHayley Wright氏らの研究で明らかになった。過去12ヵ月で性行為を行った男性は実行機能と記憶機能、女性は記憶機能が、行わなかった人と比べて有意に高かった。この関連のメカニズムとしては、現在、神経伝達物質がメディエーターとして働いている可能性が議論されている。50歳以上の人に対して、医療現場での性カウンセリングを促進することで、認知機能のささやかな向上が見込めるかもしれない。Age and ageing誌2016年3月号の報告。 現在、健康な高齢者の性行為と認知機能との関連について研究が進んでいる。 本研究では、English Longitudinal Study of Ageing(ELSA)Wave6のデータ(1万601人、50~89歳)のうち、“過去12ヵ月で性行為を行ったか?”という質問に回答した6,833人(男性3,060人、女性3,773人)のデータを用いて、性行為と認知機能の関連について検討した。認知機能は、実行機能に関わる「数値配列」と記憶に関わる「単語想起」の2種類のテスト結果から評価した。 主な結果は以下のとおり。・過去12ヵ月で性行為を行ったと回答した人は4,497人(男性2,349人、女性2,148人)、行わなかったと回答した人は2,336人(男性711人、女性1,625人)であった。・年齢、教育、富、身体活動、うつ病、共同生活の有無、健康状態の自己評価、孤独感、QOLで調整後、男性の過去12ヵ月の性行為と数値配列スコアおよび単語想起スコアとの間に有意な関連が認められた。・一方、女性は過去12ヵ月の性行為と単語想起スコアとの間のみ、有意な関連を認めた。・以上の結果より、過去12ヵ月で性行為を行った男性は実行機能と記憶機能、女性は記憶機能が行っていない人と比べて有意に高いことが示された。

23770.

非ST上昇型急性冠症候群への早期侵襲的治療、15年追跡結果/Lancet

 非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)に対する早期侵襲的治療は、非侵襲的治療と比較して死亡または心筋梗塞の発生を平均18ヵ月、虚血性心疾患による再入院を37ヵ月延長させた。NSTE-ACSへの早期侵襲的治療は死亡または心筋梗塞の発生率を減少させることがFRISC-II試験で初めて示されたが、今回、スウェーデン・ウプサラ大学のLars Wallentin氏らは、早期侵襲的治療の長期的な有益性について評価すべく、残存寿命の観点からFRISC-II試験の15年間の追跡調査におけるすべての心血管イベントについて解析した。結果を踏まえて著者は、「ほとんどのNSTE-ACS患者において、早期侵襲的治療は優先すべき治療選択肢であることが裏付けられた」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年8月25日号掲載の報告。NSTE-ACS患者約2,400例で早期侵襲的治療と非侵襲的治療を比較 FRISC-II試験は、スウェーデン・デンマーク・ノルウェーの58施設で実施された多施設前向き無作為化試験である。1996年6月17日~1998年8月28日にNSTE-ACS患者2,457例が登録され、7日以内の冠動脈造影で70%以上狭窄を認めた場合は血行再建を行う早期侵襲的治療群(侵襲群)と、至適薬物療法を行うも不応性または症状再発あるいは退院前の症候限界性運動負荷試験で重度の虚血が確認された場合に冠動脈造影を行う非侵襲的治療群(非侵襲群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。割り付け時にバイオマーカー分析のため血漿を採取。長期転帰は全国医療登録のデータで確認した。 主要評価項目は、死亡または心筋梗塞の複合エンドポイントであった。追跡期間中の致死的イベント発生はKaplan-Meier法にて推算し、平均累積イベント曲線間の面積として算出した2次性イベント(再発を含む)延期期間を比較した(intention-to-treat解析)。15年間で、早期侵襲的治療は致死的イベントの発生を平均1年半延長 最低15年間追跡した2014年12月31日時点において、2,457例中2,421例(99%)で生存に関するデータが、2,182例(82%)で2年後の他のイベントに関するデータが得られた。 追跡期間中、非侵襲群と比較して侵襲群では死亡または2次性の心筋梗塞の発生が平均549日間遅延した(95%CI:204~888、p=0.0020)。この効果は、非喫煙患者(平均809日、95%CI:402~1,175、交互作用のp=0.0182)、トロポニンT値上昇を伴う患者(平均778日、95%CI:357~1,165、交互作用のp=0.0241)、増殖分化因子-15(GDF-15)濃度上昇を伴う患者(平均1,356日、95%CI:507~1,650、交互作用のp=0.0210)でより大きく、両群の差は主に新たな心筋梗塞の発生遅延によるものであった。 一方、死亡率のみでは最初の3~4年間に差がみられたものの、これは心臓死の差によるもので、時間とともに差は認められなくなった。侵襲群では、死亡または虚血性心疾患による2次性の再入院を平均1,128日(95%CI:830~1,366)遅らせ、これは全サブグループで一貫していた(p<0.0001)。

23771.

妊娠前の飲酒、週14杯未満までは受胎能に影響しない?/BMJ

 週14杯未満のアルコール摂取は、受胎能に明らかな影響はないようである。ビールとワインで受胎確率に差はないことも確認された。デンマーク・オーフス大学病院のEllen M Mikkelsen氏らが、どの程度のアルコール摂取が女性の受胎確率に影響を及ぼすかを検証した前向きコホート研究の結果を報告した。これまでは、少量~中等量のアルコール摂取は受胎能低下と関連することが報告されており、妊娠を希望する女性はアルコール摂取を控えるよう推奨されていた。ただし今回の結果について著者は、「受胎後、最初の数週間、胎児はアルコールに対してとくに脆弱であるため、妊娠を積極的に望む女性は、妊娠が否定されるまで妊娠可能期間のアルコール摂取は控えるべきである」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年8月31日号掲載の報告。妊娠前の女性約6,000例を、前向きに12ヵ月追跡したインターネット調査 本研究は、“Snart-Gravid”およびその後継の“SnartForaeldre”研究の一部として、ウェブサイトおよびEメールを介して登録とデータ収集が行われた。参加者は、登録時および月2回、12ヵ月間または妊娠までアンケートに回答した。登録基準は、男性パートナーと安定した関係にあり、妊娠を望みかつ不妊治療を受けていない21~45歳のデンマーク在住女性であった。 2007年6月1日~2016年1月5日に登録され選択基準を満たした6,120例が解析対象となった。アルコール摂取量は、ビール330mL、赤/白ワイン120mL、デザートワイン50mL、蒸留酒20mLを1杯分とし、1週間の平均摂取量(0、1~3、4~7、8~13、≧14杯)で層別解析した。 エンドポイントは、妊娠成立(転帰を問わない)で、比例回帰モデルを用い受胎確率比を算出した。週14杯以上では受胎確率が18%減少 追跡期間中、4,210例(69%)が妊娠した。アルコール摂取量中央値は2.0杯/週であった(四分位範囲:0~3.5)。アルコール非摂取と比較すると各アルコール摂取量(1~3、4~7、8~13、14杯以上/週)での調整受胎確率比は、それぞれ0.97(95%CI:0.91~1.03)、1.01(0.93~1.10)、1.01(0.87~1.16)、0.82(0.60~1.12)であった。また、ワインのみ(≧3杯)、ビールのみ(≧3杯)または蒸留酒のみ(≧2杯)を摂取する女性の非摂取に対する調整受胎確率比は、それぞれ1.05(0.91~1.21)、0.92(0.65~1.29)、0.85(0.61~1.17)であった。 なお、今回のデータは、通常飲酒と短時間での大量飲酒の区別はしていない。妊娠可能期間中に大量のアルコールを摂取した場合は、この区別が重要となる可能性がある。そのほか著者は研究の限界として、対象者が妊娠成立前という選択バイアス、男性パートナーのアルコール摂取に関する情報不足、アルコール摂取量は自己報告、などを挙げている。

23772.

言えない! 女性の過活動膀胱をめぐる悩み、その現状と対策

 生命に直結する疾患とまではいかないものの、日常生活の中で著しくQOLを低下させる症状、それが過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)である。男女ともに中高年層から年齢に正比例して増えているが、解剖学的性差により、女性のほうが悩ましさを抱えているという。 先月、このOABをテーマにしたプレスセミナーをファイザー株式会社が開催し、専門医2氏が講演した。このうち、日本排尿機能学会理事長の横山 修氏(福井大学医学部 泌尿器科学 教授)は、「患者さんに恥ずかしがらずに相談してもらえるよう、医療者側からの働きかけが必要」と述べた。過活動膀胱の尿意切迫感、イメージは「いきなり赤信号」 OABは尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、診断のポイントとしては、頻尿(睡眠時の夜間頻尿も含む)を伴う一方、切迫性尿失禁は多くのケースで併発しているものの、必須ではない。横山氏によると、主症状である尿意切迫感は、抑えられない尿意が急に起こることを意味し(病的膀胱知覚)、一般的に明確な尿意を感じる膀胱の蓄尿量が300mL程度に満たなくても、トイレまで我慢できないほどの差し迫った尿意を感じるという。 OABをめぐっては、2002年に全国の40歳以上の男女約1万人を対象に行った大規模疫学調査をベースに2012年時点の人口構成から推計すると、患者数は約1,040万人に上り、有症状率は全体の14.1%、つまり7人に1人の割合でOABの自覚症状があるとみられている。ところが、潜在的にこれほど多数の患者が見込まれるにもかかわらず、積極的な治療を行っていない人が多いのがこの疾患の特徴である。 OAB自体が生命に直結する疾患ではないものの、外出時や長時間かかる会議や移動などの際、常にトイレの心配が付きまとうため、日常生活への影響は大きい。ファイザーが今年3月、OABで医療機関を受診経験のある50歳以上の女性265人を対象に行ったインターネット調査によると、回答者の実に92.5%が切迫性尿失禁を経験していることがわかった。 また、「外出時で、常にトイレの場所を気にしないといけない」(78.1%)、「症状に対して、気分的に落ち込む・滅入ってしまう」(50.9%)といった日常生活への精神的な負担感の訴えや、「旅行や外出を控えてしまう」(60.0%)、「友人・知人との付き合いを控える」(40.0%)など、日常生活や社会活動を制限されている実情も浮き彫りになった。 横山氏によると、OABによるQOL低下の度合いは、糖尿病患者のそれに匹敵するとしたうえで、「症状の特異性により、うまく相談できない患者さんが多い可能性がある。視診や台上診なども不要なので、恥ずかしがらずに相談してもらえるよう医療者側からの働きかけが必要」と述べた。「トイレが近い」という何気ない訴えにもヒントが 続いて、「女性における過活動膀胱相談の実際」と題して、巴 ひかる氏(東京女子医科大学 東医療センター 骨盤底機能再建診療部泌尿器科 教授)が講演した。 それによると、OABをめぐる治療事情には性差があり、男性の受診率が30%超であるのに対し、女性はわずか7.7%に留まっているという。この理由として巴氏は、男性は高年齢層になるに従い前立腺肥大を理由に受診する人が多く、その際にOABの症状についても診断されるケースが多い一方、女性の場合は、症状への恥ずかしさや年齢的に仕方がないという思い込みから、かかりつけ医にも打ち明けるのをためらう人が多いためではないか、という見解を示した。  しかしOABは治療が見込める疾患であり、診断がつけば、抗コリン薬やβ3アドレナリン受容体作動薬などによる薬物療法をはじめ、膀胱訓練や骨盤底筋訓練などの行動療法、電気刺激療法などの神経変調療法により症状の改善が期待できる。巴氏は、「OABは自覚症状症候群なので、問診や調査票でも診断が可能である。患者さんの『最近トイレが近い』という何気ない訴えの中にもOAB診断のヒントがあるので、注意深く問診をして、患者さんのQOL向上につなげてほしい」と述べた。

23773.

試験前の自信と試験後の落胆(解説:後藤 信哉 氏)-593

 クロピドグレルは、ランダム化比較試験の結果に基づいて世界にて広く使用された。使用の拡大後にクロピドグレルの作用メカニズムが解明された。メカニズムに基づいて個別最適化を目指した用量調節を行えば、クロピドグレルの有効性、安全性はさらに増加すると信じている人もいた。 本論文の責任著者であるフランスのMontalescot氏は、パリ市内のPCIをSteg氏と二分するカテーテル治療の専門家である。クロピドグレルを開発したサノフィ社がフランスの会社なので、抗血小板療法についても臨床的専門家の1人とされている。 筆者は「いわゆる血小板機能検査によるクロピドグレルの個別的薬効調節には意味がない。なぜなら、急性冠症候群の発症と直結する血小板の機能が未知であるからである」と話したところ、Montalescot氏が数年前に「ランダム化比較試験を行えば、個別用量調節を行ったほうが必ず結果がよい」と強い自信を持っておられた。EBMの論理体系を理解した論理的フランス人なので、今は「血小板機能検査の結果に基づいた個別的用量調節はできない」ことに同意されるようになった。 P2Y12 ADP受容体阻害薬の至適用量については、議論が継続している。筆者は、血小板凝集機能、VerifyNowなどの血小板機能検査ではP2Y12 ADP受容体の至適用量の探索はできないとのスタンスに一貫している。薬効は、P2Y12 ADP受容体阻害による。ならば、P2Y12 ADP受容体阻害率による用量調節を行うべきである。Montalescot氏の試験開始前の自信が強烈であったので、論文の結論として「Platelet function monitoring with treatment adjustment did not improve the clinical outcome of elderly patients treated with coronary stenting for an acute coronary syndrome.」と書くときの落胆は大きかったと想像する。 ランダム化比較試験は、臨床的仮説の検証には有用である。しかし、仮説の設定には専門家のアドバイスが役立つ。P2Y12 ADP受容体阻害薬の血小板機能検査による用量調節をめぐる壮大な無駄は、事前の仮説設定を慎重に行えば避けることができたと筆者は今でも思っている。

23774.

診察室あるある会話【Dr. 中島の 新・徒然草】(136)

百三十六の段 診察室あるある会話ケース1:70代女性、未破裂脳動脈瘤術後患者「新しい薬に替えたら何食べてもええんやてなあ」中島「そうなんですよ」患者「でも月に2万円かかるんやろ」中島「生きているうちにお金を使ったほうがいいんじゃないですか」患者「いやや。使わへん」中島「あの世に持っていくつもりですか」患者「たぶん私のほうが先やからな」中島「向こうに行くのがですか?」患者「先に行って先生が来るのを待っとくわ」中島「それは……どうも」ケース2:80代女性、脳梗塞(老人ホーム入居中)患者「息子が大阪に2人いるんですけどね」中島「ええ」患者「近くのほうがええと思って神戸から大阪にやって来たのに」中島「はあ」患者「あの子ら、年に2回ぐらいしか来よらへん」中島「まあ、男の子ってのはそんなもんですよ」患者「女の子を産んでおいたら良かった」中島「それ無茶苦茶や!」ケース3:70代女性、未破裂脳動脈瘤の紹介患者中島「まだ小さいので、しばらくは手術せずに様子を見ましょうか」患者「でもこのまま置いてたら、いつ破裂するかわからないんですよね」中島「心配するのも最初のうちだけですよ」患者「そうなんですか?」中島「何年かしたら、皆さんすっかり動脈瘤の事は忘れてしまってね」患者「ええ」中島「1年に1回の外来でおっしゃることは、眠れないとか、ふらつくとか、腰が痛いとか」患者「はあ」中島「耳鳴りとか、物覚えが悪くなったとか、トイレが近くなったとか」患者「今でも心当たりがあります。実は最近になってからですけど」中島「いかん! 誘発してしまった」番外:エレベーターに乗ろうとする高齢女性患者さん患者「乗せて、乗せてー!」中島「ドアを押さえておきますから、落ち着いて」こんな時、いくらこちらが急いでいても、表情に出してはなりません。患者「ああ、間に合った」中島「良かったですね」患者「なんや、上行きかいな!」中島「ぐぬぬ」ということで最後に1句愚痴聞けど 笑いに変えて 涙拭け

23775.

双極性障害とうつ病の鑑別診断への試み:奈良県立医大

 躁状態歴が明確にわからない患者では、双極性障害とうつ病を区別することが困難である。鑑別診断のために、客観的なバイオマーカーが必要とされている。奈良県立医科大学の松岡 究氏らは、拡散テンソル画像を用いて、双極性障害患者とうつ病患者の脳白質の微細構造の違いを検討した。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2016年8月30日号の報告。 対象は、DSM-IV-TR基準に基づき抑うつまたは躁うつ寛解状態の双極性障害患者16例、大うつ病患者23例および健常対照者23例。双極性障害とうつ病患者における異方性比率の有意差を検出するために、全脳ボクセルベース・モルフォメトリー解析を用いた。本研究は、2011年8月~2015年7月に実施された。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者では、うつ病患者と比較し、脳梁前部の異方性比率値の有意な減少が認められ(p<0.001)、これは患者の感情状態に依存しなかった。・この減少は、放射拡散係数値の増加と関連が認められた(p<0.05)。また、健常対象者と比較した場合も有意な減少が認められた(p<0.05)。・異方性比率値を用いて双極性障害とうつ病のすべての患者を予測したところ、正確な分類率は76.9%であった。 著者らは「抑うつまたは躁うつ寛解状態の双極性障害患者は、脳梁における微細構造の異常が明らかであり、これは大脳半球間の感情的な情報交換を悪化させ、感情調節不全を来すと考えられる。そして、分類診断ツールとして、拡散テンソル画像使用の可能性が示唆された」としている。関連医療ニュース うつ病と双極性障害、脳の感情調節メカニズムが異なる うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 双極性障害I型とII型、その違いを分析

23776.

可愛い孫は、肺炎を持ってくる

孫の世話に疲れる高齢者 大都市の待機児童の問題にみられるように、保育園や幼稚園に入所できず、祖父母に子供を預ける共働き世帯も多い。また、地方では、2世帯同居が珍しくなく、日中、孫の育児を祖父母がみるという家庭も多い。そんななか、預かった孫の世話に追われ、体力的にも精神的にも疲れてしまう「孫疲れ」という現象が、最近顕在化しているという。晩婚化のため祖父母が高齢化し、体力的に衰えてきているところに、孫の育児をすることで、身体が追いついていかないことが原因ともいわれている。家庭内で感染する感染症 そして、孫に疲れた高齢者に家庭内、とくに孫から祖父母へうつる感染症が問題となっている。子供は、よく感染症を外からもらってくる。風邪、インフルエンザをはじめとして、アデノウイルス、ノロウイルス、帯状疱疹など種々の細菌、ウイルスが子供への感染をきっかけに家庭内に持ち込まれ、両親、兄弟、祖父母へと感染を拡大させる。 日頃孫の面倒をみていない祖父母でも、お盆や年末、大型連休などの帰省シーズンに帰ってきた孫との接触で感染することも十分考えられ、連休明けに高齢者の風邪や肺炎患者が外来で増えているなと感じている医療者も多いのではないだろうか1)。ワクチンで予防できる肺炎 なかでも高齢者が、注意しなくてはいけないのが「肺炎」である。肺炎は、厚生労働省の「人口動態統計(2013年)」によれば、がん、心疾患についで死亡原因の第3位であり、近年も徐々に上昇しつつある。また、肺炎による死亡者の96.8%を65歳以上の高齢者が占めることから肺炎にかからない対策が望まれる。 日常生活でできる肺炎予防としては、口腔・上下気道のクリーニング、嚥下障害・誤嚥の予防、栄養の保持、加湿器使用などでの環境整備、ワクチン接種が推奨されている。とくにワクチン接種については、高齢者の市中肺炎の原因菌の約4分の1が肺炎球菌と報告2)されていることから、2014年よりわが国の施策として、高齢者を対象に肺炎球菌ワクチンが定期接種となり、実施されている。 定期接種では、65歳以上の高齢者に23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(商品名:ニューモバックスNP)の接種が行われ、平成30年度まで経過措置として65歳から5歳刻みで区切った年齢の該当者に接種が行われる。定期接種の注意点と効果を上げるコツ 定期接種の際に気を付けたいことは、経過措置の期間中に接種年齢に該当する高齢者が接種を受けなかった場合、以後は補助が受けられず自己負担となってしまうことである(自治体によっては、独自の補助などもある)。また、過去にこのワクチンの任意接種を受けた人も、定期接種の対象からは外れてしまうので注意が必要となる。 そして、ワクチンの効果は約5年とされ、以後は継続して任意で接種を受けることが望ましいとされている。 このほか高齢者においては肺炎球菌ワクチンだけでなく、同時にインフルエンザワクチンも接種することで、発症リスクを減らすことが期待できるとされる3,4)。低年齢の子供へのインフルエンザワクチンの接種により、高齢者のインフルエンザ感染が減少したという報告5)と同様に肺炎球菌ワクチンでも同じような報告6)があり、今後のワクチン接種の展開が期待されている。 普段からの孫との同居や預かり、連休の帰省時の接触など、年間を通じて何かと幼い子供と接する機会の多い高齢者が、健康寿命を長く保つためにも、高齢者と子供が同時にワクチンを接種するなどの医療政策の推進が、現在求められている。 この秋から冬の流行シーズンを控え、今から万全の対策が望まれる。(ケアネット 稲川 進)参考文献 1)Walter ND, et al. N Engl J Med. 2009;361:2584-2585. 2)日本呼吸器学会. 成人市中肺炎診療ガイドライン. 2007;15. 3)Maruyama T, et al. BMJ. 2010;340:c1004. 4)Kawakami K, et al. Vaccine. 2010;28:7063-7069. 5)Reichert TA, et al. N Engl J Med. 2001;344:889-896. 6)Pilishvili T, et al. J Infect Dis. 2010;201:32-41.参考サイト ケアネット・ドットコム 特集 肺炎 厚生労働省 肺炎球菌感染症(高齢者):定期接種のお知らせ 肺炎予防.JP

23777.

心房細動はすべての心血管リスク増大と関連/BMJ

 心房細動は、死亡リスクを増大し、心血管および腎疾患のリスク増大と関連することが、104のコホート試験、被験者総数約970万人を対象にしたメタ解析により、明らかにされた。英国・オックスフォード大学のAyodele Odutayo氏らが行い、BMJ誌オンライン版2016年9月6日号で発表した。これまでの試験結果から、心房細動は全死因死亡や脳卒中リスクを増大することは知られていたが、脳卒中に限らず、広く心血管イベントのリスクを増大するかは不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「心房細動患者では、脳卒中に限らず広範なアウトカムを減じる介入が必要であることが示された」とまとめている。心房細動患者約59万人を含むコホート試験を分析 研究グループは、Medline、Embaseをデータソースとして、システマティック・レビューとメタ解析を行い、心房細動と全死因死亡、心血管死、重大心血管イベント、脳卒中、心臓突然死などのリスクについて分析した。 システマティック・レビューで特定された104のコホート試験、被験者総数968万6,513例(うち心房細動の患者58万7,867例)について、逆分散法変量効果メタ解析により、統合推定値を算定した。心不全リスクは約5倍に その結果、心房細動は、全死因死亡、心血管死のリスクを、それぞれ約1.5倍、2.0倍増大した(それぞれ、相対リスク:1.46[95%信頼区間[CI]:1.39~1.54]、同:2.03[1.79~2.30])。 重大心血管イベントリスクの相対リスクは1.96(95%CI:1.53~2.51)、脳卒中は2.42(2.17~2.71)、虚血性脳卒中は2.33(1.84~2.94)、虚血性心疾患は1.61(1.38~1.87)、心臓突然死は1.88(1.36~2.60)、また、心不全は4.99(3.04~8.22)、慢性腎不全は1.64(1.41~1.91)、末梢動脈疾患は1.31(1.19~1.45)と、いずれも有意に増大した。 一方、出血性脳卒中リスクには有意な増大は認められなかった(相対リスク:2.00、同:0.67~5.96)。 調査したアウトカムの中で、絶対リスクが最も高値であったのは、心不全だった。また、これらアウトカムと心房細動との関連性は、サブグループ解析や感度解析でもほとんど変わらなかった。

23778.

新規抗好酸球抗体薬、重症喘息を約6割まで減少/Lancet

 血中好酸球数が300/μL以上で、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を併用(ICS+LABA)投与してもコントロール不良な重度喘息の患者に対し、開発中の抗好酸球モノクローナル抗体benralizumab(抗IL-5受容体抗体)は、喘息増悪の年間発生リスクを約6割に減少することが報告された。米国・Wake Forest School of MedicineのJ. Mark FitzGerald氏らが行った第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験「CALIMA」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年9月5日号で発表された。benralizumabを4・8週間ごとに30mg投与 CALIMA試験は2013年8月~2015年3月にかけて、11ヵ国、303ヵ所の医療機関を通じて行われた。被験者は、中~高用量のICS+LABA投与でコントロール不良な重度喘息で、前年に2回以上の増悪が認められた12~75歳の患者1,306例だった。 研究グループは被験者を無作為に3群に割り付け、benralizumabを4週間ごとに30mg、8週間ごとに30mg(初回4回は4週間ごと投与)、プラセボをそれぞれ皮下注投与した。 主要評価項目は、高用量ICS+LABA投与でベースライン時血中好酸球数が300/μL以上の被験者の、喘息増悪の年間発生に関する率比だった。また、主な副次評価項目は、気管支拡張薬投与前のFEV1と、総喘息スコアだった。気管支拡張薬投与前のFEV1値も改善 被験者のうち、benralizumab投与4週ごと群は425例、8週ごと群は441例、プラセボ群は440例だった。 そのうち主要解析には728例(241例、239例、248例)が含まれた。解析の結果、同集団において、benralizumab投与4週ごと群の喘息増悪年間発生率は0.60、8週ごと群の発生率は0.66、プラセボ群の発生率は0.93だった。プラセボと比較した発生率比は、4週ごと群0.64(95%信頼区間:0.49~0.85、p=0.0018)、8週ごと群は0.72(同:0.54~0.95、p=0.0188)で、いずれも有意に低率だった。 また、気管支拡張薬投与前FEV1はbenralizumab投与4・8週ごと群ともに、総喘息スコアについては8週ごと群のみであったが、いずれも有意な改善が認められた。 忍容性も概して良好であった。最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎(4週ごと群90例[21%]、8週ごと群79例[18%]、プラセボ群92例[21%])、喘息増悪(各群61例[14%]、47例[11%]、68例[15%])だった。 著者は、「今回の試験データは、benralizumab治療の恩恵を最大限受けられる患者集団を精錬するものとなった」とまとめている。

23779.

若年性認知症の診断、どうあるべき―医師、患者の観点から

 高齢化と結び付けて考えられるのが“常識”となっている認知症。はたして本当にそうなのだろうか。先月、都内で日本イーライリリー株式会社がプレスセミナーを開催し、専門医による認知症の診断や治療をめぐる現状と課題についての講演と、若年性認知症の診断を受けた当事者が、診断を取り巻く環境や自身の体験について語るディスカッションが行われた。 登壇した日本認知症予防学会理事長の浦上 克哉氏(鳥取大学医学部 保健学科生体制御学講座・環境保健学分野教授)は講演の中で、「認知症は早期発見が非常に重要。とくに正常から認知症に至る手前の移行状態である軽度認知障害の段階で、いかに効果的に介入できるかがポイントである」と述べた。認知症は“ありふれた疾患” 今や65歳以上の4人に1人が認知症およびその予備軍と推計されている本国。具体的には、462万人(推計値)が認知症とみられ、その半数以上が未診断状態というのが現状であり、講演に立った浦上氏は「認知症はこれだけの数の予備軍が見込まれる点で、“ありふれた疾患”といえる。早期発見はもとより、いかに早期の治療とケアに結び付けていくかが重要である」と強調した。 ただ、認知症の臨床像はきわめて複雑であり、認知症の原因となる疾患は100近くあるうえ、変性疾患(アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症)や脳血管性認知症などの鑑別の難しさがある。また認知症症状を来しても、甲状腺機能低下症やうつ病、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫などは、早期発見により治療が見込める場合があるので、より慎重な診断が求められる。45歳で診断、「それでも生きていく」 講演に続いて行われたディスカッションでは、自ら若年性認知症の診断を受け、日本認知症ワーキンググループ共同代表や若年性認知症問題にとりくむ会・クローバー副理事長を務める藤田 和子氏が浦上氏と対談した。藤田氏は浦上氏が外来で担当する患者の1人である。 藤田氏は、45歳のときに若年性アルツハイマー病と診断された。看護師の経験や、自らが診断を受ける以前には認知症の義母の介護も経験していたため、ある程度の知識はあったものの、当時の年齢と認知症は結び付かなかったという。ただ、自分でやったことを忘れたり(朝、子供を学校に送り出したことを覚えていないなど)、それまで普通にできていたことがもたもたと時間がかかるようになったりするなど「明らかに健康な45歳が起こすことじゃない」日常の違和感を自覚したのが病院を訪れるきっかけになった。そして告知されたのが先の病名である。 藤田氏は、「苦しみの原因がわかり、ほっとした。病名の告知による不安や悲しみはもちろんあったが、それを上回るものを得られた」と当時を振り返った。一方、担当医として浦上氏にたどり着くまでには紆余曲折があり、なかには診断ができても治らないという思い込みが医師側にあり、つらい診療も経験したという。 診断から9年。社会と積極的に関わり、当事者として認知症を取り巻く環境や制度の改善を国に働きかける活動を続けている一方、当たり前と思われがちな家事を毎日こなすことは「日々、立ち向かっている感覚」だという。藤田氏は、「認知症になったとしても、それでも私たちは生きていかなければならない。診断によってすべての人生が終わるわけではなく、その後も豊かな人生はあるのだと知ってほしい」と切実な思いを訴えた。そのうえで、「まずは、異変に気付いた本人自身が病院へ行くことをためらわないでほしい。そして医療者側には認知症に対する思い込みを捨て、適切な臨床診断を行っていただけることを望んでいる」と述べた。診断の精度向上が期待されるアミロイドPET検査 本セミナーでは、認知症の早期診断の精度向上が期待される新技術「アミロイドPET検査」について、千田 道雄氏(公益財団法人先端医療振興財団 先端医療センター研究所 副所長・分子イメージング研究グループリーダー)による解説も行われた。 アルツハイマー病患者の脳には、アミロイドベータプラーク(老人斑)が沈着している。アミロイドPET検査では、このアミロイドベータに付着する放射性薬剤を注射してPETカメラで放射性同位元素の分布を撮影し、画像診断を行う。がん治療の領域ではすでにPET検査は用いられているが、認知症診断においても臨床症状や発症年齢が非定型的な認知症疑いの患者に対する診断への有用性が期待されているという。 PET検査をめぐっては放射線被曝が懸念されるところだが、千田氏によると、本検査による実効線量は、投与されたPET薬剤による内部被曝と、付随するX線CTによる外部被曝(PET/CT装置の場合)とを合わせて、約6ミリシーベルト程度であり、病院で扱う放射線検査では中程度とのことである。

23780.

専門家のプライドか、普遍的なお金か?(解説:後藤 信哉 氏)-592

 BMJ誌は面白い論文を掲載する。英国の医療システムは、国民皆保険の日本と類似している。車産業、ファッション産業と異なり、医薬品産業は公共的費用の配分である。 税金の配分において、役人が「私は、この工事を請け負う特定の業者から教育講演を依頼されて謝金を受け取ったり、その業者が業界内の教育に用いるパンフレットの作成を依頼されて謝金を受け取っても税金の使途をその特定業者に振り向けることはありません」と言っても、多くの人は癒着と受け止めるであろう。 医師はきわめて専門的な職種であり、個々の医師のプライドはきわめて高いので、「特定の業者から教育講演を依頼されて謝金を受け取ったり、その業者が業界内の教育に用いるパンフレットの作成を依頼されて謝金を受け取ってもその特定業者の薬を処方することはありません」との信頼感が日本の社会には残っている(いた?)。しかし、プライドの高い医師といっても普遍的価値である「お金」の前では弱い。「お金」の普遍性から考えれば、医師のみに高いプライドに基づいた独立性を期待すること自体に無理があるともいえる。 役人の汚職は犯罪であり、社会から嫌悪される。公的性格の高い医療コストを特定業者に振り向けるリスクのある「お金」については、真剣に考える時期が来た。医師と企業の関係は、専門家としての医師のアドバイスによる薬剤の開発など産学連携としての価値もある。普遍性のある「お金」故に、相手企業のために働いたら、その対価を受け取ることは正当な場合も多い。しかし、本論文は、講演料、教育コストとされても「汚職」に近い結果をもたらす場合を示した。 医師が企業から受け取る謝金を公開する透明性ガイドラインは制定された。企業から個別の医師への講演料、大学の教室への奨学寄付金なども公開されている。しかし、製薬企業などが営業活動に費やす費用公開の議論は進んでいない。NEJM誌の編集者であったマーシャ エンジェル博士は、製薬企業の開発コストは総支出の20%程度で、営業、マーケット、管理費用をかけすぎていると「ビックファーマ」に記載している。医療費は巨額である。製薬企業といえど、自動車、ファッション業界同様マーケット活動をする自由があっても、公共性の高い医療費を使う製薬、医療デバイス産業には、一般の企業以上の支出の透明化が必須であると筆者は考える。

検索結果 合計:35184件 表示位置:23761 - 23780