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CAD-Man試験:冠動脈CT(CTCA)は虚血性心疾患診療適正化のゲートキーパーになれるか?(解説:中野 明彦 氏)-614

【はじめに】 CTCAは冠動脈狭窄の評価に加え、positive remodelingに隠されたプラークの検出(内腔のみを判定する冠動脈造影[CAG]では冠動脈硬化症の重症度が過小評価になってしまう)、胸痛を呈する非冠動脈疾患(肺梗塞・大動脈解離・心膜炎・肺炎胸膜炎・食道裂肛ヘルニアなど)の鑑別を非侵襲的に行える利点を有する。有意狭窄判定の感度・特異度は報告によりばらつきがあるが、陰性適中率については100%近い精度を示し虚血性心疾患のルールアウトに有用というのが共通認識となっている。これらの利点により、CTCAはすでに日本の津々浦々の循環器専門病院やクリニックで導入されているが、臨床現場でどう使っていくかについてのスタンスは施設ごとにまちまちであり、これからの課題と考えられる。 その指標となる本邦での直近の指針「冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン(JCS 2009)1)」を整理してみると、以下のようになる。(UAP;不安定狭心症、NSTEMI;非 ST上昇型急性心筋梗塞、STEMI;ST上昇型急性心筋梗塞) *:安定狭心症のリスク層別化は検査前有病予測を意味し、胸痛の性状や臨床所見から推測する急性冠症候群の短期リスク評価とは異なる。胸痛の特徴(1.胸骨後部に手のひらで押されたような圧迫感,重苦しさ、2.労作に伴って出現、3.安静により治まる)を満たす項目数により典型的狭心症・非典型的狭心症・非狭心症性胸痛に分類し、年齢・性別を加味して層別化するが、非典型的狭心症の大半と非狭心症性胸痛で男性(>40歳)/高齢女性(>60歳)が中リスク群に分類される2)。検査前有病予測ではDuke clinical score2)がよく知られている。 【CAD-Man試験について】 ドイツから報告された CAD-Man(Coronary Artery Disease Management)試験は、特定のクリニカルシナリオ(30歳以上の非典型的狭心症および非狭心症性胸痛;2つ以上の負荷試験陽性例を除く)を対象としたCTCAとCAGとの無作為比較試験である。中リスクが多い対象群であり、上記「IIa 安定狭心症」に重なる。 詳細は、別項(本ページ上部:オリジナルニュース)に譲るが、要約すると、CTCAを選択しても放射線被曝量・3年間の心血管イベントの発生頻度は変わらず、QOL(入院期間・満足度)が高かった。CTCA群で最終診断ツールであるCAGが実施された割合は14%であり、当然のことながらその正診率(75%)は高く、CAG群の5倍だった。さらに、一連の検査・治療による大合併症(1次エンドポイント)は不変、小合併症は有意に抑制された。 わずか329例、single centerでの研究がBMJ誌に掲載されたことに驚かされたが、これまでCTCAとCAGとの直接比較が少なかったことや、特定のシナリオを設定しその有用性を示した点が評価されたのだろう。 本研究への疑問点・課題をいくつか提示しておきたい。 まずは、有病率の低さ(CTCA群11%、CAG群15%)である。トロポニンI/T値や心電図変化を対象外とせず、したがって急性冠症候群(UAP/NSTEMI)を許容する一方、全症例の平均年齢は60歳、半数が女性で糖尿病合併率は20%未満、虚血性心疾患の既往症例は除外された。さらに非典型的狭心症も半数以下だったことから、実際にはCTCA・CAGの適応とならない低リスク群が多数含まれていたと推察される。Duke clinical scoreから34.3%と予測した筆者らにとっても誤算だったであろうが、対象症例の有病率の低さは、検査に伴う合併症や長期予後の点に関してCTCA群に有利に働いた可能性があるし、被曝の観点からも問題である。 次に、血行再建術適応基準が示されていない点が挙げられる。CTCA群のみMRIでの当該領域心筋バイアビリティー≧50%が次のステップ(CAG)に進む条件となっているが、血行再建術の適応はCAG所見のみで決定されている。負荷試験の洗礼を受けない対象症例達は生理的・機能的評価なしに解剖学的要件のみで“虚血”と判断されたことになり、一部overindicationになっている可能性がある。 さらに、研究施設の日常臨床の延長線上で行われた本研究では、CTCAはすべて入院下で施行された。この点は、外来で施行されることが多い本邦の現状とは異なる。同様の試験を日本で行えば、入院期間やコスト面で、CTCA群での有効性にさらなる上積みが期待される。【冠動脈診療の適正化とCTCA】 高齢化社会の到来や天井知らずに膨らみ続ける医療経済的観点から、諸外国では医療の標準化・適正化(appropriateness)が叫ばれて久しい。虚血性心疾患診療の分野でも、治療のみならず診断の段階から appropriateness criteriaが提示されている3)。翻って、日本はどうだろうか。循環器疾患診療実態調査報告書(2015年度実施・公表) 4)から2010年と2014年のデータを比較すると、CTCAが34.6万件から42.4万件へと増加しているのに対し、CAGはいずれも49.8万件であった。待機的PCI数やCABG数があまり変化していないことを考え合わせれば、CTCAを有効かつ適正には活用できていないことになる。 CAD-Man試験は、CTCAが“不要な”CAGを減少させる可能性を示し、また反面教師として、 症例選択の重要性も示唆した。一方、血行再建症例の適応基準が課題として残っている。 多少横道にそれるが、新時代を切り開く技術としてFFRCTが注目されている。FFRCT法は CTCAのボリュームデータを使い、数値流体力学に基づいて血行動態をシミュレーションし FFRを推定する方法で、解剖学的判定と生理的・機能的評価を非侵襲的に行うことができる理想的なモダリティーである。実臨床に普及するには多くのハードルがあるが、昨年Duke大学から報告された「FFRCT版CAD-Man試験」ともいうべきPLATFORM試験5)6)では、臨床転帰を変えることなくCAGの正診率向上やコスト低減・QOL改善効果が示された。  日本でもappropriatenessの議論が始まっていると聞くが、CAD-Man試験が示したように現在のCTCAにはまだまだ課題が多い。適切な症例選択とFFRCT、これが融合すればCTCAが真のゲートキーパーとなる、と確信する。参考文献1)循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2007―2008年度合同研究班報告)―冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン(PDF)2)Pryor DB, et al. Ann Intern Med. 1993;118:81-90.3)Hendel RC, et al. J Am Coll Cardiol. 2006;48:1475-1497.4)循環器疾患診療実態調査報告書 (2015年度実施・公表)(PDF)5)Douglas PS, et al. Eur Heart J. 2015;36:3359-3367.6)Douglas PS, et al. J Am Coll Cardiol. 2016;68:435-445.

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アルツハイマー病に関する臨床試験、その進行状況は

 現在、アルツハイマー病(AD)に対する薬理学的推奨薬は、コリンエステラーゼ阻害薬とNMDA型受容体アンタゴニストであるメマンチンがある。これらの薬剤は、AD症状を管理するだけで、Aβプラークや神経原線維変化を標的としていない。そのため、AD病変を直接的に標的とし、AD進行経過を変化させる効果的かつ安全な治療法を開発する必要がある。カナダ・トロント大学のMyuri Ruthirakuhan氏らは、AD治療薬について進行中の第II/III相の臨床試験を評価した。Expert opinion on pharmacotherapy誌2016年12月号の報告。 本レビューでは、過去5年間に完了または公表された試験を含む、進行中の第II/III相の臨床試験を評価した。レビュー研究は、clinicaltrials.gov、alzforum.org/therapeutics、PubMedより抽出した。キーワードおよび選択基準は、アルツハイマー病、軽度認知障害に関する第II/III相の試験、アミロイドβ、タウとした。なお、ADに対する免疫療法を、本レビューの範囲外とした。 主な結果は以下のとおり。・アミロイドβ、タウを標的とした試験数が多かった。・しかし、これらの試験の多くは、治療期間が比較的短く、バイオマーカーと臨床アウトカムの総合評価が含まれていなかった。・今後の調査では、疾患の緩和効果を確立するために最低限の治療期間である18ヵ月にわたり、バイオマーカーの評価と臨床転帰を含んだ試験が推奨される。関連医療ニュース 世界的に今後の認知症研究はどう進んでいくか 認知症の世界的トレンドはどうなっているか 認知症のための学部医療教育強化

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リバーロキサバン、PCI施行心房細動患者の出血減らす:バイエル

 Bayer AGは2016年11月14日、第III相試験PIONEER AF-PCIの結果から、経口Xa阻害薬リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)の2つの治療戦略が、冠動脈ステントを留置した心房細動患者の出血リスクを、ビタミンK拮抗薬(以下、VKA:Vitamin K Antagonist)に比べ有意に減少させたと発表した。とくに、リバーロキサバン15mg/日と抗血小板薬剤の併用は、VKAと抗血小板2剤療法(以下、DAPT:Dual AntiPlatelet Therapy)の併用に比べ、臨床上著明な出血を41%減少させた。また、リバーロキサバン2.5mg×2/日とDAPTの併用は、VKAとDAPTの併用に比べ、臨床的に著明な出血を37%減少させた。これらの結果は、いずれも統計学的に有意であった。同様の結果が効果評価項目(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、ステント血栓症)でもみられたが、この試験は統計学的に有意を示すにはパワー不足であった。 この米国で初めてのNOACとVKAとの無作為化比較試験であるPIONEER AF-PCIの結果は、2016年米国心臓学会議(AHA)学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションで発表され、同時にThe New England Journal of Medicine誌に掲載された。PIONEER AF-PCI試験について PCIによる冠動脈ステント留置を行った非弁膜症性心房細動患者2,124例を対象に、リバーロキサバンとVKAの効果と安全性を評価した世界26ヵ国による非盲検無作為化比較試験。主要評価項目は臨床的に著明な出血(TIMI major bleeding)。被験者は以下の3群に割り付けられた。・リバーロキサバン15mg/日+クロピドグレル(またはプラスグレル、チカグレロル)12ヵ月投与・リバーロキサバン2.5mg×2/日+DAPT(主治医の判断により1ヵ月、6ヵ月または12ヵ月)の後、リバーロキサバン15mg/日+低用量アスピリン投与、計12ヵ月・VKA+DAPT(主治医の判断により1ヵ月、6ヵ月または12ヵ月)の後、VKA+低用量アスピリン投与、計12ヵ月(ケアネット 細田 雅之)参考バイエル社(ドイツ):ニュースリリースPIONEER AF-PCI試験(ClinicalTrials.gov)原著論文Gibson CM, et al. N Engl J Med. 2016 Nov 14.[Epub ahead of print]

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正職員のままで医師のキャリアを継続できる 「短時間正職員制度」を導入:三井記念病院

 社会福祉法人 三井記念病院は11月22日、短時間勤務を希望するすべての同院医師正職員を対象に、「短時間正職員制度」を開始したと発表した。 同院がこの制度を導入したきっかけは、職員の声だったという。他の世代に比べて30代の離職率が高く、院内でその理由を調査したところ、出産や育児をきっかけに退職を選択していることが明らかになり、また、少子高齢化社会を迎えた昨今では、家族の介護が必要になる職員が今後増えることも予想できることから、医師にも短時間正職員として働くことができるフレキシブルな制度が必要であると判断し、導入したとのこと。 同院の「短時間正職員制度」は、個々の事情に合わせてフレキシブルに設定することができるという。フルタイム正職員の医師の標準勤務時間は、午前8時30分から午後5時(休憩1時間を除く)までの7時間30分と、土曜日月1回程度(午前8時30分から午後12時30分の4時間)および祝日数日の勤務になる。しかし、短時間正職員の場合は、7時間30分勤務を6時間勤務にして1日当たりの勤務時間を短縮する、週5日勤務を週4日勤務にして休日を増やすなど、時間・日数を調整することが可能となっている。 同制度は院内で働くすべての医師正職員を対象としており、男女どちらでも利用することができる。理由も、育児や介護に限らず、どのような内容であっても利用可能とのこと。また、短時間正職員のまま働き続けることも、制度が不要になった場合はフルタイムの正職員に戻ることも、個人の状況に合わせて適宜選択できるという。詳細はプレスリリースへ

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クランベリーカプセルで高齢女性の細菌尿と膿尿を予防できるか?(解説:小金丸 博 氏)-613

 尿路感染症(UTI)は介護施設における代表的な感染症であり、UTIを繰り返す高齢者は多い。そのUTIの非抗菌的な予防法として期待されているのがクランベリーである。クランベリーに含まれるプロアントシアニジンには、大腸菌が尿路上皮に接着するのを阻害する働きが示されており、クランベリージュースがUTIの予防法として数多く検討されてきたが、有効性に関するエビデンスは一致していなかった。クランベリージュースの有効性が得られなかった研究では、その理由として、ジュースでは飲みにくくアドヒアランスが不良となり、十分量のプロアントシアニジンを摂取できなかったことが挙げられた。 本研究は、介護施設に入所している65歳以上の高齢女性を対象に、クランベリーカプセルによる細菌尿+膿尿の発症予防効果を検討した二重盲検プラセボ対象ランダム化比較試験である。観察期間1年間での細菌尿+膿尿の発生率は、クランベリー投与群で25.5%、プラセボ投与群で29.5%であり、欠損データや背景因子を補正した後の解析では両群間で有意差は認めなかった(29.1% vs.29.0%、95%信頼区間:0.61~1.66、p=0.98)。また、セカンダリアウトカムである症候性UTIの発生数、死亡数、入院数、耐性菌による細菌尿、抗菌薬使用日数などにも差を認めなかった。 本研究では、介護施設に入所している高齢女性に対してクランベリーカプセルを投与しても、細菌尿、膿尿の発生を予防することができなかった。高齢女性に一律に投与しても十分な予防効果は期待できないのかもしれない。本研究では、尿道カテーテル留置者は対象から除外されているが、過去には、長期尿道カテーテル留置、糖尿病、UTIの既往といったUTIのハイリスク患者に対するクランベリーカプセルの有効性を示した報告もあり、クランベリーカプセルが有効な患者背景が今後同定される可能性は残されている。 本研究でクランベリーカプセルの有効性を示せなかった理由の1つに、ジュースでは得られるハイドレーション効果がカプセルでは得られないことが挙げられている。クランベリーカプセルを用いた研究では十分な飲水量を設定することで、予防効果が上がる可能性はあると考える。

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うつ病患者への外来ケアサービスの試み

 うつ病入院患者は、退院後、外来ケアの非継続や有害事象のリスクが高い。米国・ミシガン大学のPaul N Pfeiffer氏らは、病院のモニタリングとうつ病のために強化された支援プログラムについてパイロット研究を行った。Social psychiatry and psychiatric epidemiology誌オンライン版2016年10月25日号の報告。 うつ病に関連した入院後のVeterans Affairs Medical Centerの患者48例は、家族・友人(19例)または認定ピアサポートスペシャリスト(29例)のいずれかを選択し、毎週の訪問または電話を6ヵ月間受けた。対象者は、抑うつ症状と抗うつ薬の服薬アドヒアランスを評価するため週1回の自動電話モニタリングを行った。 主な結果は以下のとおり。・90%以上の患者が、本ケアサービスに満足していた。・うつ症状のベースラインから6ヵ月の平均変化量は、家族・友人によるサポートを受けた患者では、患者の健康に関するアンケートで-7.9(p<0.05)、BDI-IIベック抑うつ質問票で-11.2(p<0.05)であった。ピアスペシャリストのサポートを受けた患者では、それぞれ-3.5(p<0.05)、-1.7(p>0.10)であった。 著者らは「精神科入院後の自動電話モニタリングと連携し、選択したサポートメンバーによるコンタクトの増加は、うつ病患者に受け入れられるサービスである。とくに家族・友人によるサポートを受けた患者では、うつ症状の減少が認められた」としている。関連医療ニュース 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 うつ病再発予防へ、インターネット介入の可能性は 近未来のうつ病治療に、会話システム「Help4Mood」

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うつ病治療歴があると早期乳がんの予後が悪い?

 デンマークの全国登録ベースのコホート研究より、うつ病治療歴のある初発早期乳がん女性では、ガイドラインで推奨されるアジュバント治療を受けないリスクがあり、それが全生存率および乳がん特異的生存率の低下につながっている可能性があることをデンマークがん協会研究センターのNis P. Suppli氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2016年11月14日号に掲載。 本研究は、1998~2011年にデンマークで早期乳がんと診断された女性4万5,325例を調査した。そのうち、744例(2%)は病院でのうつ病治療歴(入院もしくは外来)があり、6,068例(13%)は病院での治療歴はないが抗うつ薬による治療歴があった。著者らは、うつ病治療歴と、ガイドラインによるがん治療を受けないリスクとの関連を多変量ロジスティック回帰分析で評価し、全生存率・乳がん特異的生存率・自殺リスクについて乳がん発症前のうつ病治療の有無別に多変量Cox回帰分析で比較した。 主な結果は以下のとおり。・腫瘍のStageからは、うつ病治療歴のある女性における乳がん診断の遅れは示されなかった。・乳がん発症前に病院での治療歴がないが抗うつ薬による治療歴のある女性は、ガイドラインによるがん治療を受けないリスクが有意に増加し(オッズ比:1.14、95%CI:1.03~1.27)、全生存率(ハザード比:1.21、95%CI:1.14~1.28)と乳がん特異的生存率(ハザード比:1.11、95%CI:1.03~1.20)が有意に悪化した。病院でのうつ病治療歴のある女性においても、これらのリスクが有意ではないが増加した。・サブグループ解析では、必要とされるアジュバント療法を受けなかった女性で、とくにうつ病と生存率低下の関連が強かった。

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JAK阻害薬のトファシチニブ軟膏、乾癬への効果は?

 乾癬患者の多くは軽度から中等度の症状を有しており、一般的に局所療法が行われることが多い。しかしながらステロイドやビタミンDなどの局所治療薬の有効性は限局的であり、長期使用に伴い副作用も発現する。そこで局所療法のために、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であるトファシチニブ(商品名:ゼルヤンツ、慢性尋常性乾癬に対しては未承認)軟膏の効果が検討された。 今回、BMC Dermatology誌 2016年10月号に掲載されたトファシチニブ軟膏(2%および1%)の12週間、無作為化二重盲検平行群間対照第IIb相試験の結果を紹介する。<試験方法> 無作為に割り付けられた軽度から中等度の成人尋常性乾癬患者435例のうち、除外基準に該当しなかった430例にトファシチニブ軟膏(2%および1%)を1日1回または1日2回塗布し、有効性を検討した。主要評価項目、副次評価項目は以下のとおり。主要評価項目: 8週時または12週時における医師総合評価(PGAスコア)が0(寛解)または1(ほぼ寛解)の達成率とベースラインから2段階以上の改善率。副次評価項目: PGAスコア0または1の達成率、乾癬重症度スコア75(PASI75)を達成した患者の割合、PASIおよび体表面積のベースラインからの変化率、かゆみの重症度項目(ISI)のベースラインからの変化。 有害事象を観察し、臨床検査パラメーターを測定した。<主な試験結果>・8週時において、PGAスコア0または1を達成し、ベースラインから2段階以上の改善が認められた患者の割合は、2%1日1回群18.6%(80%信頼区間:3.8~18.2%)、2%1日2回群22.5%(80%信頼区間:3.1~18.5%)であった。対照群においては、1日1回群8.1%、1日2回群11.3%であった。 1日1回群、2回群ともに対照群と比較して達成率、改善率は有意に高かった。・12週時では、2%および1%軟膏において、どちらのレジメンでも対照群と比較して有意差は認められなかった。・PGAスコア0または1の達成率は、8週時点で2%1日1回群35.9%、2%1日2回群41.8%、1%1日1回群23.4%で、対照群(1日1回群13.9%、1日2回群25.2%)と比較して有意に高かった。 また、12週時点では2%1日2回群39.7%と1日2回対照群27.3%と比較して有意に高かった。・かゆみは、2%および1%1日2回群では塗布2日目から、2%1日2回群においては塗布3日目から、対照群と比較して有意な低下が認められた。・対象者の44.2%に有害事象が発現した。そのうちの8.1%が塗布部位への発現で、重篤な有害事象の発現は2.3%であった。 また、副作用が高頻度にみられたのは、1日1回対照群であった。 以上の結果より、8週時の2%1日1回群または2%1日2回群は、対照群と比較して、高い有効性を示したことがわかった。 また両レジメンにおいて、治療12週までの安全性および局所許容性プロファイルが確認された。

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虚血コンディショニングの臨床的アウトカムへの影響は?/BMJ

 侵襲的手術に伴い施行する虚血コンディショニングは、総じて死亡リスクには影響しないことが、オーストラリア・シドニー大学のLouisa Sukkar氏らが、無作為化試験の被験者データを臨床設定を問わずに包含して評価したシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。また、脳卒中と急性腎障害(AKI)への影響については、発生を低下する可能性が示唆されたが、エビデンスの質が低かった。虚血コンディショニングの役割については多くの臨床試験で検討されているが、アウトカムに及ぼす影響については不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「虚血コンディショニングの採用は、質が高く統計的検出力が良好なエビデンスの下で有益性があることが示されない限り、ルーティンに用いることは推奨できない」と述べている。BMJ誌2016年11月7日号掲載の報告。システマティックレビューとメタ解析で検討 検討は、Medline、Embase、Cochrane databases、International Clinical Trials Registryを検索(発行開始~2015年10月時点まで)して行われた。虚血コンディショニングの臨床的アウトカムへの影響を比較検討していたすべての無作為化試験を適格とし、2人の論文執筆研究者がそれぞれ、各試験報告からデータ(被験者のベースライン特性、試験特性、アウトカム)を抽出した。複数介入の報告は、それぞれ異なる試験とみなした。 ランダム効果モデルを用いて、全死因死亡とその他の事前規定の特異的臨床的アウトカム(心筋梗塞・脳卒中・心血管死の複合など複合心血管イベント、心筋梗塞、脳卒中、新規の不整脈、AKIなど)の発生率を算出。全死因死亡と副次的アウトカム(p<0.1)について、GRADE評価ツールを用いて試験の質を調べ、事前規定の被験者特性をメタ回帰法とCochran C検定法にて調べ、Copenhagen Trial Unit法にて試験の逐次解析を行った。全死因死亡への影響は認められず、脳卒中とAKIについては抑制効果あり? 検索の結果、85本の報告、無作為化試験89件、被験者1万3,800例のデータが特定できた。被験者の年齢中央値は80歳(四分位範囲:60~149)、フォローアップの計画期間は1ヵ月(範囲:1日~72ヵ月)であった。 結果、虚血コンディショニングは、臨床設定や被験者介入関連の特性を問わず全死因死亡への影響は認められなかった(68比較、424イベント、被験者1万1,619例、リスク比[RR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.80~1.16、p=0.68、エビデンスの質中程度)。 一方、副次的アウトカムのうち、脳卒中(18試験、5,995例、149イベント、RR:0.72、95%CI:0.52~1.00、p=0.048、エビデンスの質は非常に低い)、AKI(36試験、8,493例、1,443イベント、RR:0.83、95%CI:0.71~0.97、p=0.02)については、虚血コンディショニングによって発生が有意に減少する可能性が示唆された。しかし、そのベネフィットは、非外科的な設定に限定され、AKIについては軽度のエピソードに限られるようであった。

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胎児発育不全を検出する子宮底長測定の国際基準を作成/BMJ

 英国・オックスフォード大学のAris T Papageorghiou氏らはINTERGROWTH-21stプロジェクトの胎児発育追跡研究から、妊娠健診において定期的に行う子宮底長(symphysis-fundal height:SFH)計測値の国際基準を作成する検討を行った。重大な合併症がなく先天奇形のない児を出産した妊婦の計測記録データについて分析を行い、臨床使用できる在胎齢(週)に比した子宮底長値(cmをパーセンタイル値で提示)を明らかにした。BMJ誌2016年11月7日号掲載の報告。8ヵ国で妊娠14週以降、標準化した方法で5週ごとに測定を実施 子宮底長計測は、妊娠期間中に胎児発育不全のスクリーニングとしてルーチンに行われている。これまでに3件のシステマティックレビューで、子宮底長計測の発育不全児の検出感度が評価されたが、観察コホート研究で示された感度は17%から93%に大きくばらついていた。研究グループは、このばらつきの原因として、測定法や記録が標準化されていないことなどを指摘し、国際標準を作成するため本検討を行った。 INTERGROWTH-21stは、多施設多人種集団ベースのプロジェクトで、妊娠初期(14週未満)から出生児(2歳まで)の発育・健康・栄養・神経発達の研究を目的に、2009~2014年に8ヵ国(ブラジル、中国、インド、イタリア、ケニア、オマーン、英国、米国)で進められた。プロジェクトの1つ、胎児発育追跡研究は、健康で栄養状態良好な妊娠9~14週の妊婦を登録し、出産まで前向きに追跡調査した研究であった。 参加者は、妊娠14週から出産まで、5週間(前後1週間の範囲内可能)ごとにフォローアップ受診を求められ、その都度、標準化された方法で子宮底長を測定された。計測は、訓練を受けた専任スタッフが、数値が見えないように工夫された巻き尺を用いて、超音波測定の前に実施した。正常出産した妊婦の計測データを基に子宮底長のパーセンタイル表を提示 妊娠初期にスクリーニングを受けた女性は1万3,108例、そのうち4,607例(35.1%)が適格基準を満たし登録された。 このうち、4,321例(93.8%)が、重大な合併症を有さず、先天異常のない児を出産した。これら妊婦の子宮底長測定回数の中央値は5.0回(範囲:1~7)で、3,976例(92.0%)が4回以上の計測を受けていた。 計測データを基に散布図を作成し、臨床に使用できる、在胎齢に比した子宮底長のパーセンタイル値(3rd、5th、10th、50th、90th、95th、97th)を示した表を作成した。 子宮底長は、在胎齢に比してほぼ線形に増大することが示され、3rd、50th、97thの線形カーブを検証した結果、観察された値と良好に一致することが認められた。 結果を踏まえて著者は、「本検討は、胎児発育不全のファーストレベルのスクリーニングツールとして、子宮底長測定のための国際基準を提示するものである」とまとめている。

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登録に手間取ったEXCEL試験からLMT病変の治療戦略を深読みする(解説:中川 義久 氏)-612

 左冠動脈主幹部(LMT)疾患と3枝疾患の治療おいては、冠動脈バイパス術(CABG)が標準的治療として推奨されてきた。冠動脈インターベンション(PCI)とCABGの2つの血行再建法を適切に使い分けるために、欧米を中心に多くの臨床研究が実施されてきた。 この領域でエポックメーキングであったのは、SYNTAX試験である1)。LMT疾患および3枝疾患を、心臓外科医とPCI施行医がどちらの治療法でも施行可能と判断すれば、PCIかCABGにランダマイズし比較した歴史的な研究である。この試験でPCIは、第1世代のパクリタクセル溶出性ステントであるTAXUS を用いている。この主論文の結果は、「再血行再建も含めた主要エンドポイントについてTAXUSを用いたPCIは、CABGに対して非劣性を達成することができなかった」である。この公式見解とは別にサブ解析ではあるが、従来はCABGの牙城とされていたLMT疾患の中でも、PCIで治療可能な領域が存在することを示した点では画期的な研究であった。 ランダマイズ試験の弱点の1つは、研究の計画から結果を得るまでに時間を要することである。結果を得たときには陳腐なものとなってしまう。SYNTAX試験で用いられたTAXUSステントは、すでに日常臨床のアリーナから退場している。より成績の勝る新世代の薬物溶出性ステントが席巻している。優れた治療成績を示すエベロリムス溶出性ステント(EES)を用いるPCIとCABGを比較するEXCEL試験の結果が待たれていた。SYNTAXスコアが≦32、つまり冠動脈病変複雑性が中程度までのLMT疾患において、最先端の血行再建手技で比較を試みたのがEXCEL試験である。EES使用だけでなく、PCI群の77.2%はIVUSガイドであり、CABG群では29.4%はオフポンプ手術であった。EXCEL試験の主要エンドポイントは、全死亡・脳卒中・心筋梗塞の複合エンドポイントである。3年時点で主要エンドポイント発生率は、PCI群15.4%、CABG群14.7%で両群差は0.7%(非劣性p=0.02)で、PCI群の非劣性が示されたという結論である。 このEXCEL試験の結果は、ワシントンで開催されたTCT2016で報告され同日にNEJM誌に結果が掲載された。その論文内にも記載されているが、この臨床試験では進行に遅れが生じた。当初の計画では、PCI群とCABG群各1,300例ずつ計2,600例のランダマイズ登録を予定していたが、登録が進捗しないことから研究のパワーを90%から80%に低下させることを受容して、計1,900例のランダマイズ研究にサイズダウンしたのである。経過をもう少し詳しく紹介する。ランダマイズ患者の登録は、最初が2010年9月で、最終は2014年3月となっている。2013年時点のEXCEL試験の進捗状況の報告では2,600例の登録を目指すとしている。このころから登録のスピードに陰りが生じ、2014年に1,905例で閉じることになったのである。自分は、試験の終盤になり登録が進捗しなくなった点に強いメッセージを察知する。PCIとCABGの両治療法共に施行可能と判断される患者を、ランダマイズ研究に登録することに困難が増した理由は何であろうか?…患者本人が試験参加ではなくPCIによる治療を希望する場合か、研究者本人も両治療が可能な患者をランダマイズに委ねることを躊躇したのか、と深読みしてしまうのである。 データ解析の結果を公式に解釈するならばPCIの非劣性だが、この登録の遅れという情報を勘案すれば、SYNTAXスコア≦32までのLMT疾患治療においてPCIは選択肢として現場で容認されている可能性がある。 FFRなどの機能的指標を用いてPCIの適応を判断することによって予後を改善させる可能性が報告されている。このEXCEL試験のPCI群のFFR評価実施は9.0%にとどまっている。その面では、EXCEL試験の結果も陳腐なものであろうか。

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