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蜂窩織炎、ST合剤追加は必要か/JAMA

 単純性蜂窩織炎の抗菌薬治療では、セファレキシンにスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合薬(ST合剤)を併用しても、臨床的治癒率は改善しないことが、米国・オリーブ・ビューUCLA医療センターのGregory J. Moran氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年5月23日号に掲載された。米国では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の出現に伴い、皮膚感染症による救急診療部への受診が増加しているという。排膿がみられない蜂窩織炎は、β溶血性レンサ球菌が主な病原菌と推定されるが、in vitroでMRSA活性を有する抗菌薬レジメンが、MRSA活性のない治療に比べ転帰の改善をもたらすかは不明とされる。ST合剤の上乗せ効果をプラセボ対照試験で評価 研究グループは、セファレキシン+ST合剤による治療が、セファレキシン単剤に比べ単純性蜂窩織炎の臨床的治癒率を改善するかを検討する多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した(米国国立アレルギー感染病研究所[NIAID]の助成による)。 対象は、年齢12歳以上で、単純性蜂窩織炎(膿瘍、排膿、創傷を伴わない紅斑[erythema]がみられ、感染性の病因が確認されている)と診断された患者であった。登録時に軟部組織の超音波検査が行われ、膿瘍を有する患者は除外された。 被験者は、セファレキシン(500mg、1日4回)+ST合剤(1,600/320mg、1日2回)またはセファレキシン+プラセボを投与する群にランダムに割り付けられ、7日間の治療が行われた。 主要評価項目は、per-protocol(PP)集団における臨床的治癒率とした。臨床的治癒は、フォローアップの受診時に以下の臨床的治療不成功の判定基準を満たさない場合と定義した。(1)第3~4日:発熱(感染症に起因すると考えられる)または紅斑の増大(>25%)、腫脹、圧痛の増悪、(2)第8~10日:発熱または紅斑、腫脹、圧痛の軽減がみられない、(3)第14~21日:発熱または紅斑、腫脹、圧痛が最低限度を超える。95%信頼区間(CI)の下限値が10%を超える場合に、併用群に優越性ありと判定することとした。 2009年4月~2012年6月に、米国の5つの救急診療部に500例が登録され、496例(99%)が修正intention-to-treat(mITT)解析、411例(82.2%)がPP解析の対象となった。PP解析で有意差なし、mITT解析では良好な傾向 PP集団(併用群:218例、プラセボ群:193例)の年齢中央値は40歳(範囲:15~78)、男性が58.4%で、糖尿病が10.9%、MRSA感染の既往が3.9%、登録の前の週の発熱の既往が19.7%にみられた。紅斑の長さと幅の中央値は13.0cm、10.0cmだった。 PP解析では、併用群の臨床的治癒率は83.5%(182/218例)であり、プラセボ群の85.5%(165/193例)と比較して有意な差を認めなかった(群間差:-2.0%、95%CI:-9.7~5.7、p=0.50)。 mITT解析による臨床的治癒率は、併用群が76.2%(189/248例)、プラセボ群は69.0%(171/248例)と、やはり両群間に有意差はみられなかったが、95%CIの範囲内に臨床的に重要な最小限の差(10%)が含まれた(群間差:7.3%、95%CI:-1.0~15.5、p=0.07)。 有害事象および副次評価項目(1泊入院、皮膚感染症の再発、家族との接触による同様の感染症の発症など)にも有意な差はなかった。 著者は、「mITT解析の知見には、併用群の臨床的治癒率が良好な傾向を示す、臨床的に重要な差を含む不正確性がみられたため、さらなる研究を要する可能性がある」と指摘している。

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HER2陽性乳がん1次治療、最適レジメン選考の結果は?/ASCO2017

 2017年6月2~5日、米国シカゴにて米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO 2017)が行われ、HER2陽性の転移を有する未治療の乳がん(MBC)に対する1次治療レジメンを評価した第III相試験であるMARIANNE試験の最終結果が発表された。 MARIANNE試験は、上記の患者に対し3つの抗HER2レジメンが評価された。比較されたレジメンは、トラスツズマブ+タキサン(HT)、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1単独)、トラスツズマブ エムタンシン+ペルツズマブ(T-DM1/P併用)。1,095例(HT群365例、T-DM1単独群367例、T-DM1/P併用群363例)の患者が登録され、これら3つのレジメンに無作為に割り付けられた。 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、安全性など。最初の中間解析において、T-DM1単独群のPFSはHT群に対して非劣性は証明できたものの、優越性は証明できなかった。OSについては各群で同等であった。今学会では、最終妥当性分析からのOSの結果を、ブラジルPUCRS School of MedicineのPorto Alegre氏が報告した。 2016年5月15日のデータカットオフ時点(追跡期間中央値54ヵ月)でのOS中央値は、HT群で50.9ヵ月、T-DM1単独群で53.7ヵ月、T-DM1/P併用群では51.8ヵ月であった。Grade3以上の有害事象はHT群では55.8%、T-DM1単独群では47.1%、T-DM1/P併用群では48.6%であった。T-DM1の安全性プロファイルは、長期間の観察においても当試験の初回解析や先行試験と一致していた。 本研究の結果では、3つのレジメン間でOSの差はみられなかったが、T-DM1単独群ではGrade3以上の有害事象の発現が低い。また、T-DM1単独群では発熱性好中球減少症はみられず、末梢神経障害、脱毛、下痢などの有害事象も他の3レジメンより少なかった。このことから、HER2陽性MBCにおいて、T-DM1単独治療はHTに代わる1次治療レジメンの選択肢の1つであると、発表者のAlegre氏は述べた。

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ムーンライト【マイノリティ差別の解消には?】

今回のキーワードアイデンティティ印象形成のバイアスモラルパニック同調性べき思考ノーマライゼーション社会的インクルージョン多様化皆さんは、マイノリティ差別について考えたことはありますか? マイノリティは、医療の現場での障害者も含まれます。なぜ差別はあるのでしょうか? なぜマイノリティなのでしょうか? そして、どうすれば良いでしょうか? これらの疑問に、答えるために、今回は映画「ムーンライト」を取り上げます。この映画は、2017年のアカデミー賞作品賞の受賞作品でもあり、みなさんの中でもご存じの方が多いでしょう。主人公のシャロンは、アフリカ系アメリカ人で同性愛者。父親はいなくて、母親は薬物依存症の果てに売春をしています。貧困地区で生まれ育ち、経済的に貧しく、学校ではいじめられ、いつも独りぼっち。自尊心も自信もありません。そんな荒んだ世界で心の支えとなったのは、たまたま親代わりの存在になった麻薬ディーラーのフアンとテレサ。そして、唯一の友人でバイセクシャルのケヴィン。しかし、ケヴィンは、いじめ首謀者によって、シャロンのいじめに無理矢理に加担させられます。シャロンは、ケヴィンに裏切られたとの思いから、悲しみが怒りとなり、いじめ首謀者に仕返しの暴行をします。その後、彼は少年院を経て、フアンと同じ麻薬ディーラーになっていくのです。彼の少年期、思春期、成人期のそれぞれのエピソードを通して、ストーリー自体は大きな山場もなく進んでいきます。ハッピーエンドにも悲劇にもなりません。シャロンが彼なりに大人になる様、そしてマイノリティとして生きる現実を淡々と描いています。だからこそ、彼の一貫した悲しげな表情や切なくて純粋な思いが際立ち、見ている私たちを惹き付けていきます。それでは、これから、マイノリティの眼差し、マイノリティへのマジョリティ(社会)の眼差し、そしてマジョリティの陥りがちな心理を通して、マイノリティ差別の源やその解決策に迫っていきましょう。マイノリティであるシャロンやケヴィンの眼差しとは?シャロンは、大人になるまで、人種、ジェンダー、家庭環境、貧困など様々な葛藤を抱えています。そして、大人になり、反社会的な職業に就いています。ケヴィンも、大人になって、決して恵まれた暮らしをしていません。2人とも、マジョリティ(多数派)の生き方ではありません。そんなマイノリティの彼らにも、彼らなりの眼差しがあります。主に3つあげてみましょう。1)それでも受け入れる自分の生き方-アイデンティティ少年期、シャロンが自分の境遇に気付き、社会で受け入れられないことに葛藤します。そのことを察したフアンは、シャロンに「自分の道は自分で決めろ」「周りに決めさせるな」と告げ、人生の様々な教訓を教えます。フアンは、シャロンにとって良き理解者であり、強い男のロールモデルでした。思春期までのなよなよとした雰囲気から一転して、大人になったシャロンは、筋肉トレーニングにより屈強な肉体を持ち、ダイヤのピアスとゴールドの歯形を付けています。麻薬の取り引きでは、相手に言いがかりを付けて、威圧もしています。そんな様変わりしたシャロンの姿を10年ぶりに見たケヴィンは「予想外だよ」と言います。するとシャロンは、「どんな予想をしてたんだよ?」と言い返すのです。シャロンは生きる術を身に付け、これが自分なりの生き方だと納得しています。たとえどんなに恵まれていなくても、マイノリティであってもマジョリティであっても、それが自分の生き方だと受け入れていく心のあり方を私たちは教えられます(アイデンティティ)。2)それでも感じる幸せ-リフレーミング大人になったケヴィンは、ひょんなことから料理に目覚めて、コックになり、レストランを開きます。しかし、子どもをつくった女性とは別れ、車を買うお金もなく、生活状況は決して恵まれていません。そんなケヴィンにシャロンは「クソみたいな人生だな」と冗談を言います。しかし、ケヴィンは「その通りだな」と言い、幸せそうな表情を浮かべるのです。そして、幼い自分の子どもの写真を大切そうに見せるのです。ケヴィンは、自分の思い描いていた人生を歩んでいないですが、それでも自分の人生は幸せなものだと感じています。たとえどんな状況であっても、マイノリティであってもマジョリティであっても、その状況の何かに幸せを見いだす心のあり方を私たちは教えられます(リフレーミング)。3)それでも大切にし続ける何か-コミットメントケヴィンは、自分のレストランに訪ねてきてくれたシャロンのために、料理を丁寧につくります。そのことに喜びを感じています。その後に、ケヴィンのアパートで2人きりになったシャロンは「あの夜のことを今でもずっと覚えている」と告げます。それは、高校生だった2人が、ある夜、海辺で寄り添いキスをして、ケヴィンがシャロンに手淫をしたことでした。そして、シャロンは、「今までおれに触れた相手は1人しかいない」と打ち明けるのです。すると、ケヴィンはシャロンを優しく抱きしめます。かつてシャロンは、ケヴィンに裏切られた思いから、全てを忘れようと変わっていきました。しかし、ケヴィンとのその思い出は決して忘れられずに、ずっと一途に秘めたままにしていたのでした。それが、彼の心の支えでした。10年経っても、シャロンにとって、ケヴィンは大切な親友であり恋人のままだったのです。シャロンの見かけは変わりましたが、彼の思いや本質は変わっていなかったのです。たとえ大きなことではなくても、マイノリティであってもマジョリティであっても、何かを大切にし続ける心のあり方を私たちは教えられます(コミットメント)。マイノリティへのマジョリティの眼差しとは?シャロンの同級生たちは、シャロンがゲイであることや母親が売春をしていることで、いじめます。シャロンはマイノリティであっても彼なりの眼差しを持っている一方、マイノリティへのマジョリティ(社会)の眼差しは、残念ながら、否定的なものになりがちです。それが極端な場合は、差別に発展します。実際に、ある心理実験では、人の印象において、相手がマイノリティであるというだけでその相手への評価が否定的になるという結果が得られています(印象形成のバイアス)。「寄らば大樹の陰」ということわざは、これを分かりやすく言い表しています。それでは、そもそもなぜでしょうか?その答えを進化心理学的に考えることができます。原始の時代に、体と同じように、私たちの心(脳)も進化しました。当時に生存の確率を高めたのは、猛獣や飢餓の脅威から身を守るために、ヒトは協力し合って、1つの集団になることです。そのために、周り(集団)に調子を合わせ、マジョリティの考え(集団規範)に従う心理が進化しました(同調性)。さらには、そうしないメンバーはつながりを脅かす脅威となるため排除する心理も進化しました(排他性)。そうして生き残った種の子孫が、現在の私たちなのです。しかし、私たちが生きる現代の文明社会では、原始の時代のように同調性や排他性の心理を発揮しなくても、法や科学によって生存が守られるようになりました。しかし、この原始の時代の心理は残ったままなのでした。よって、この名残の心理によって、私たちは無意識のうちにマイノリティ差別に陥るおそれがあると言えるでしょう。ここで誤解がないようにしたいのは、同調性や排他性の心理が、進化の産物だからと言って、差別が肯定されるわけでは全くないです。例えば、私たちが甘いものをつい口にしてしまうのは原始の時代に生存のために進化した嗜好です。だからと言って、飽食の現代に甘いものを食べ過ぎて糖尿病になることを私たちは決して良しとはしないでしょう。ここで強調したいのは、原始の社会から環境が大きく変わってしまった現代の文明社会において、甘いものへの嗜好を知ることで糖尿病にならないようにするのと同じように、同調性や排他性の心理をよく知ることでマイノリティ差別に陥らないようにすることができるのではないかということです。 マジョリティの心理の危うさとは?同調性や排他性の心理をよく知るために、ここから、マジョリティの心理の危うさを掘り下げてみましょう。マジョリティとは、多数派、つまり社会そのものです。分かりやすく言うと、普通の人です。つまり、普通の人が普通であるために陥りがちなマジョリティの心理を主に3つあげてみましょう。1)体裁や世間体を気にしすぎる-他者配慮1つ目は、体裁や世間体を気にしすぎることです(他者配慮)。普通の人ほど、普通であるために、親や会社などの周りの目を気にして、普通の人が望む生き方に沿っていこうとします。例えば、それは、男性も女性も適齢期に結婚し、子どもをもうけること。父親となった男性は社会的地位や経済力が安定していること。母親となった女性は、家事や育児をきっちりこなし、美しいままであること。子どもは2人いて、有名私立の学校に通っていることです。まさに絵に描いたように全てが恵まれた理想の家族の風景です。しかし、果たしてそれは、自分が本当に望んでいる生き方でしょうか? そうなら良いのです。しかし、そうではないとしたら? 実は男性は、給料が少なくても自分のやりたい仕事をしたいとしたら? 女性はもっとばりばり仕事をしたいとしたら? 子どもには気の合う友達が多くて家に近い公立に行かせたいとしたら?つまり、マジョリティ(社会)がうらやましいとされる価値観に囚われて、世間体や体裁ばかりを気にして、中身がない状況です。そうなると、「自分はこうだ」「これが自分の生き方だ」というアイデンティティが一貫しなくなり、最終的に自分の生き方に満足や納得ができなくなるおそれがあります。2)比べてばかりで不安-比較癖2つ目は、周りと比べてばかりで不安になってしまうことです(比較癖)。普通の人ほど、普通であるために、自分が周りから「望ましい生き方」をしていると思われたいとの思いが強いです。例えば、それは、学校、職場、隣近所でちやほやされたり、うらやましがられることです。しかし、現実的には、自分だけでなく相手もそう思われたいとの思いがあります。よって、自分が相手よりも優位に立とうとお互いが「望ましい生き方」をしていると自慢し合うことになります。さらに、相手を自分よりも優位に立たせないために、相手の生き方を肯定しにくくなります。これは、他人の人生を肯定してしまうと、自分の人生を否定してしまう気分になるからです。こうして、水面下では勝ち負けの競争になっていきます。いわゆる「マウンティング」です。「勝ち組」「負け組」という表現はそれを端的に表しています。また、普通でありたいと思うことは、裏を返せば、普通ではなくなることに過剰に不安を感じやすくなることでもあります。例えば、もし父親がリストラされたら? 母親が姑と揉めたら? 子どもが不登校になったら? このように、現実的には、普通ではない状況になることはいくらでも起こりえます。それに耐えられなくなります。さらに、どんなに優位であっても、「上には上がいる」と思えば、気持ちは満たされなくなります。結果的に、「自分の人生はいつまでも満たされない」という否定的な決め付けをしてしまいがちになります(認知行動療法のスキーマ、交流分析の脚本)。このように、周りの目を絶対化して、いつも相手と比べて一喜一憂してしまい、疲れ果ててしまうのです。自分が幸せであると感じることよりも、周りから自分が幸せそうに見えていることの方が大事になってしまいます。そして、そのために誰かが不幸せであることをつい喜んでしまいます。これは、裏を返せば、先ほど触れたアイデンティティという絶対的な自分の生き方という眼差しを持っていないからでもあります。そもそも自分の生き方に納得していれば、そこに幸せを感じるので、周りの評価や周りの不幸せは必ずしも重要ではなくなるでしょう。3)こうあるべきと不寛容-べき思考3つ目は、自分も周りもこうあるべきとの思いが強くなることです(べき思考)。普通の人ほど、自分だけでなく自分の属する集団の他の人たちも「望ましい生き方」をしてほしい、するべきだとの思いが強くなります。例えば、それは家族から始まり、親戚、地域、そして国へと広がります。逆に、「望ましい生き方」をしていない人には、自分たちの集団のつながり(集団規範)が脅かされると感じやすくなります(モラルパニック)。これは先ほどに触れた同調性と排他性の心理です。しかし、現実的には、マイノリティがいます。マイノリティは、普通の人(マジョリティ)が考える「望ましい生き方」をしているわけではないです。ここに、差別の源があるのです。普通の人が、陥りがちな発想は、「差別は普通ではないことである」「差別する人は普通の人ではない」「私は普通の人だから差別をするはずがない」です。しかし、皮肉にも、「普通」の生き方をするべきと思う人(マジョリティ)ほど、「普通」とされる生き方をしない人(マイノリティ)に寛容ではなくなり、差別の意識が起きやすくなってしまうというわけです。この、べき思考が強すぎれば、相手の言い分に聞く耳を持たず、折り合いが見いだせなくなり、結果的に自分の言い分も相手に分かってもらえずに、相互理解が難しくなります。例えば、それがナショナリズムやヘイトスピーチです。そもそも自分の大切にしているものがはっきりしていて自分の生き方に自信を持っているのであれば、相手の大切にしているものも理解して相手の生き方も大切にできるでしょう。そして、生き方や幸せの形は、人それぞれと思えるでしょう。これまでのマイノリティ差別の解消への取り組みは?これまでの障害者をはじめとするマイノリティ差別の解消のために、バリアフリーやユニバーサルデザインなどのインフラの整備や経済的支援の整備がすでに進められてきました。これらは、マイノリティが、マジョリティと同じく普通の生活ができるようにするハード面の取り組みです(ノーマライゼーション)。ここで誤解がないようにしたいのは、ノーマライゼーションとは、マイノリティが、ノーマルな生活(マジョリティの普通の生活)を送れるようにするという意味であり、ノーマルな人にするという意味ではないです。そして、学校教育での合理的配慮や障害者枠による就労などの制度の整備やLGBT(性的少数者)の婚姻などの法の整備も進められようとしています。これらは、マイノリティが、マジョリティの教育や就労の制度に含まれて社会参加の機会を均等に得ることができるようにするソフト面の取り組みです(社会的インクルージョン)。このノーマライゼーションと社会的インクルージョンは、マイノリティ差別の解消への大きな前進です。ただ、これらだけでは限界があります。なぜなら、いくらマイノリティへのハード面やソフト面の取り組みがなされたとしても、先ほど紹介したマイノリティ差別の根っこであるマジョリティの心理の危うさがあるからです。それでは、どうすれば良いでしょうか? これからのマイノリティ差別の解消への私たちの心のあり方は?先ほどマイノリティ差別をしがちなマジョリティの心理として、体裁や世間体を気にしすぎる、比べてばかりで不安がる、こうあるべきと不寛容になりやすいという3つをあげました。ここから気付くマイノリティ差別の解消のための私たちの心のあり方があります。それは、逆に体裁を気にしすぎない、比べてばかりにならない、こうあるべきとならないことです。そして、そのために必要な心のあり方は、最初に紹介したシャロンやケヴィンの眼差しにあります。それは、マイノリティであってもマジョリティであっても、自分が納得した生き方をしていること、その生き方自体にすでに幸せを感じていること、そしてその生き方のために大切にし続ける何かがあることです。これらを踏まえると、ノーマライゼーション、社会的インクルージョンからさらに一歩進んだ発想が見えてきます。それは、社会の多様化だけでなく、個人の多様化です。例えば、私たちは、人生の中で様々な選択肢があり、自分なりの生き方ができます。決断によって人生を変えていくこともできます。一方で、私たちは生き続ければ間違いなくいずれ高齢者になります。たいてい認知症も発症します。精神疾患が5大疾病に入れられたように、ストレス社会でうつ病などの精神疾患にもなりやすくなっています。妊娠中や出産後は心身ともに困難が増えます。病気や事故ですぐに体が不自由になる可能性もあります。つまり、マジョリティがマジョリティであり続けるわけでは必ずしもないということに気付くことです。それは、マジョリティのマイノリティ化です。すると、もはや自分がマジョリティに入っているかどうかは重要ではなく、そもそもマジョリティかマイノリティかの区別も重要ではなくなるでしょう。これまでは、「インクルージョン(包摂)」という言葉が示すようにマイノリティをマジョリティ側に「入れてあげる」という発想でした。これからは、マジョリティがマイノリティ側に「広がっていく」という発想を持つことが重要ではないでしょうか? これが、差別の解消への私たちの心のあり方の最終的な答えです。月明かりのもとで輝くものは?少年期のシャロンは、フアンから「月明かり(ムーンライト)に照らされて、黒い肌が青く見えるんだ」と教えられます。これは、人生の様々な選択肢や岐路という「月明かり」によって、私たち自身が様々な「色」に輝くことができるという映画のメッセージでもあるように思われます。私たちがそれぞれに違った「色」であるために、マジョリティやマイノリティの区別なく、それぞれが一生懸命に生きることを受け止める社会であってほしいという願いでもあるでしょう。マイノリティというあえて目立たない部分に光りを当てたことに、この映画の醍醐味があります。そして、この映画が2017年にアカデミー賞作品賞に選ばれたことに、現代的な意味があると言えるでしょう。1)曽和信一:ノーマライゼーションと社会的・教育的インクルージョン、阿吽社、20102)本間美智子:集団行動の心理学、サイエンス社、2011年

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1日1時間のウオーキングで認知症リスク低下:東北大

 認知症の1次予防において、成人期の身体活動の長期的変化の影響は、これまで検討されていなかった。東北大学の遠又 靖丈氏らは、中年期以降の歩行時間の変化と高齢者の認知症との関連について検討を行った。Age and ageing誌オンライン版2017年5月5日号の報告。 大崎市在住の65歳以上で障害のない日本人6,909例を対象に、コホート研究を行った。1994年と2006年に自己報告アンケートを用いて、1日当たりの歩行時間を個別に評価した(0.5時間未満、0.5~1時間、1時間以上)。この2時点における3つのカテゴリを基に、対象者は歩行時間の変化に応じて9群に分類された。認知症に関するデータは、対象者を5.7年間追跡調査(2007年4月~2012年11月)した公的な長期介護保険(LTCI)データベースより検索した。認知症の多変量調整後のハザード比(HR)を推定するため、Coxモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・5.7年間の認知症発症率は、9.2%であった。・歩行時間が最も短い群(1994年と2006年の2時点ともに0.5時間未満)と比較して、最も長い群(2時点ともに1時間以上)は、認知症発症リスクが有意に低く、多変量調整後のHRは0.72(95%CI:0.53~0.97)であった。 著者らは「これらの結果は、中年期以降の高レベルな身体活動を維持することが、高齢期における認知症予防のための重要な戦略であることを示唆している」としている。■関連記事 認知症にならず長生きするために 認知症になりやすい職業は 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン

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肺塞栓症診断の新アルゴリズム、CTPA施行数を低減/Lancet

 YEARSと呼ばれる新たな肺塞栓症疑い例の診断アルゴリズムは、肺塞栓症を安全に除外し、年齢を問わず、さまざまなサブグループに一貫してCT肺アンギオグラフィ(CTPA)の施行数を減少させることが、オランダ・ライデン大学医療センターのTom van der Hulle氏らが行ったYEARS試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年5月23日号に掲載された。妥当性が確認されている肺塞栓症疑い例の診断アルゴリズムは、正確に使用されないことが多く、便益は一部の患者に限られるため、CTPAの濫用を招いているという。YEARSの、発症時の鑑別的なDダイマーのカットオフ値が組み込まれた臨床的意思決定基準は、迅速性や実地臨床への適合性を有し、あらゆる年齢でCTPA施行数を減少させるために開発された。3項目とDダイマー値から成る簡便なアルゴリズム 本研究は、新たに開発された急性肺塞栓症疑い例の簡便な診断アルゴリズムであるYEARSを前向きに評価する多施設共同コホート試験であり、オランダの12施設の参加の下、2013年10月5日~2015年7月9日に実施された(各参加施設の助成を受けた)。 YEARSの臨床的意思決定基準は、3つの項目(深部静脈血栓症の臨床徴候、喀血、肺塞栓症が最も可能性の高い診断名)とDダイマー値から成り、肺塞栓症疑い例はこれらの同時評価によって管理された。3項目が1つも当てはまらずDダイマー値<1,000ng/mLの患者と、3項目のうち1つ以上が確認されDダイマー値<500ng/mLの患者は、肺塞栓症の診断から除外した。これ以外の患者はCTPAの適用と判定した。 主要評価項目は、診断戦略の安全性に関するもので、肺塞栓症除外から3ヵ月間に発生した静脈血栓塞栓症のイベント数とし、per-protocol解析を行った。副次評価項目は診断戦略の有効性に関するもので、Wells診断アルゴリズムと比較した必要なCTPAの施行数とし、intention-to-diagnose解析を行った。CTPA数が14%減少、より簡便で効果的な診断管理 肺塞栓症疑いの3,465例(平均年齢53[SD 18]歳、女性62%、外来患者86%)がYEARSアルゴリズムによる管理を受けた。ベースライン時に456例(13%)で肺塞栓症が検出された(3項目が1つもなかった1,743例のうち55例[3.2%]、1つ以上を認めた1,722例のうち401例[23%])。 ベースライン時に肺塞栓症が除外され、治療が行われなかった2,946例(85%)のうち、3ヵ月間に18例(0.61%、95%信頼区間[CI]:0.36~0.96)が症候性静脈血栓塞栓症と診断され、このうち6例(0.20%、0.07~0.44)が致死的肺塞栓症であった。 CTPA非適用例の割合は、YEARSアルゴリズムが48%(1,651例)であり、Wells基準とDダイマー値の固定閾値<500ng/mLを用いた標準的診断アルゴリズムを用いた場合の34%(1,174例)に比べ、14%(95%CI:12~16)の差があった。 YEARSアルゴリズムによるCTPA非適用例(1,629例)のうち、3ヵ月間に7例(0.43%、95%CI:0.17~0.88)が静脈血栓塞栓症を発症し、このうち2例(0.12%、0.01~0.44)が致死的肺塞栓症であった。また、YEARSアルゴリズムでCTPA適用と判定され、CTPAで肺塞栓症が除外された1,317例では、3ヵ月間に11例(0.84、0.47~1.5)が症候性静脈血栓塞栓症を発症し、4例(0.30%、0.12~0.78)が致死的肺塞栓症であった。 著者は、「全年齢を通じたCTPA施行数の14%の減少は、肺塞栓症疑い例の不要な放射線被曝の回避における大きな前進である。また、YEARSは、標準的な診断アルゴリズム(Christopher Studyアルゴリズムなど)に比べ、診断管理がより簡便で効果的なアルゴリズムであることが示された」としている。

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冠動脈CTAによる検死で病理解剖の回避可能か/Lancet

 成人の突然の自然死の死因究明では、冠動脈CTアンギオグラフィ(CTA)による検死(PMCTA)が、侵襲的な病理解剖(invasive autopsy)の回避をもたらす可能性があることが、英国・レスター大学のGuy N. Rutty氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年5月24日号に掲載された。病理解剖は、死因究明のゴールドスタンダードとして確立されているが、文化的、宗教的、経済的な問題などがあり、侵襲性の高い要素を死後CT(PMCT)で代替することで、これらの状況が改善される可能性があるという。一方、PMCTは成人の突然死の主要原因である冠動脈疾患の診断精度が低いという課題があり、解決策として冠動脈または全身のPMCTAの併用への取り組みが続けられてきた。単施設でPMCTAの診断精度を前向きに評価 研究グループは、初回検死技術としてのPMCTAの診断精度を評価する単施設前向き対照比較試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]の助成による)。 対象は、侵襲的な病理解剖が委託された自然死および異状死疑い例であった。18歳未満、感染症(結核、HIV、C型肝炎など)、体重125kg以上(CT装置の体重制限)の例は除外した。PMCTA施行後に病理解剖を行った。病理医には、潜在的なリスクが明らかでない限り、PMCTA所見がマスクされた。 病理解剖で同定された死因とその所見が、所定の条件を満たす場合、病理解剖所見のゴールドスタンダードと定義し、PMCTA、病理解剖の所見との比較を行った。病理解剖所見のゴールドスタンダードと2つの検死所見との乖離がある場合は、大(major)、小(minor)、極小(trivial)に分類した。 主要エンドポイントは、病理解剖所見のゴールドスタンダードとの比較におけるPMCTAによる死因の診断精度とした。病理解剖所見のゴールドスタンダードは、PMCTAで疑問の余地のない付加的所見が同定された場合に限り修正された。 2010年1月20日~2012年9月13日に、241例(平均年齢66[SD 19]歳、女性34%)が選出され、このうち204例(85%)でPMCTAが成功した。外傷、職業性肺疾患、届出対象疾患を見落とさずに92%の死因を特定 解析時に病理解剖データがなかった4例、非マスク(PMCTA施行チームが病理解剖も行った)の3例、検死前に外傷性の死因が明らかであった24例を除く210例(平均年齢69[SD 16]歳、女性37%、死亡からPMCTA施行までの平均期間45[SD 27]時間、PMCTAの翌日に病理解剖が行われた例が193例[92%])が診断精度解析の対象となった。 PMCTAにより、193例(92%)で死因が特定された。また、死因に関してゴールドスタンダードとの乖離が大であったのはPMCTAが12例(6%)、病理解剖は9例(5%)で、乖離が小であったのはそれぞれ21例(11%)、13例(7%)であり、いずれもPMCTAがわずかに多かったが有意な差は認めなかった(乖離が大:p=0.65、乖離が小:p=0.21)。 PMCTAによって検出された死因については、臨床的に重要な外傷、職業性肺疾患、届出対象疾患の見落としはなく、死因の全体的な人口統計データにも有意な影響を及ぼさなかった(p≧0.31)。 PMCTAは病理解剖に比べ外傷や出血(p=0.008)の同定が良好で、呼吸器疾患の乖離が小の例が多かったのに対し、病理解剖はPMCTAよりも肺血栓塞栓症(p=0.004)の同定に優れていた。 著者は、「2つの検死アプローチは、ゴールドスタンダードとの乖離に差はなく、同定した死因のタイプには違いがみられた」とまとめ、「より高度な立証が求められる場合は、検死のゴールドスタンダードにPMCTAと侵襲的な病理解剖の双方を含めるべきである」としている。

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足白癬

【皮膚疾患】足白癬◆症状次の3タイプに大きく分かれますが、複数のタイプが混在することもあります。また、かゆみがないこともあります。趾間型:足の趾の間の浸軟やびらん、紅斑、水ぶくれ小水疱型:足底~足趾の水ぶくれと細かい皮むけ角質増殖型:足底の角質の増殖と皮膚の落屑◆原因白癬菌による感染で起きます。診療では検査で菌の存在を証明してから治療するのが望ましいです。◆治療と予防・抗真菌薬の外用薬で治療します。角質増殖型では内服薬で治療することもあります。・中途半端な治療では再発するので、徹底的に治療する必要があります。家庭内での感染に注意しましょう。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.袋 秀平氏

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陰茎に弾丸を入れた男性【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第92回

陰茎に弾丸を入れた男性 ぱくたそより使用 珍しいところに珍しい異物を入れると、「こりゃ珍しい」と担当医に症例報告にされてしまうのが異物医学の世界。とくに、陰茎や肛門などはその対象になることが多いようです。陰茎に関しては、当連載でも「第85回:尿道に安全ピンを安全には入れられない」や「第63回:パン切りナイフで性器を切断した男性」で、誠に痛そうな症例報告を紹介しました。というわけで、今回も陰茎にからんだ論文を紹介しましょう。うーん、しかしなんか悪趣味なコラムニストみたいでイヤだな…。 Gunasekaran K, et al.Unusual metallic penile foreign body.BMJ Case Rep. 2017 Mar 27.pii:bcr2017219377.この論文は、陰茎に、ある異物を入れてしまった男性の話。主人公は、重度の認知症のある85歳の男性です。血尿がひどいということで、妻に連れられて救急部を受診しました。担当した医師が腹部の診察を行うと、腹部はやや膨満しており、どうも陰茎の辺りに硬い腫瘤を触れる…。というか、陰茎の中に何か入っている…。さっそくCTを撮影しました。すると、陰茎に弾丸が入っているではありませんか! 発砲される前の薬きょうごと挿入されていたのです。イタタタ!弾丸は泌尿器科医によって無事に除去されました。妻いわく、「家に銃はあるけど、弾丸を彼がどこに持っているのか知らなかった」とのこと。いやはや、自分に向けて発砲しなくてよかったですよ、ほんと。今回は認知症が原因でしたが、性的倒錯や精神科疾患も陰部異物のリスク因子とされています1)。そのため、異物を挿入した人が救急外来を受診した場合は、基礎疾患の検索が極めて重要です。1)Bedi N, et al. JRSM Short Rep. 2010;1:18.インデックスページへ戻る

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未就学児への不適切な抗菌薬処方、小児科以外で多い

 未就学児の上気道感染症(URI)への抗菌薬処方に関する、全国の診療報酬請求データベースを用いた京都大学の吉田 都美氏らの後ろ向き研究から、非細菌性URIへの不適切な抗菌薬処方が、年齢の上昇、男児、施設の特性、小児科以外の診療科、時間外診療に関連することがわかった。Journal of public health誌オンライン版2017年4月27日号に掲載。 著者らは、わが国における2005年1月~2014年9月の診療報酬請求データベースから、外来での抗菌薬処方を特定し、各被験者の出生時から6歳までの処方パターンを調べた。また、ロジスティック回帰分析により、不適切な抗菌薬処方に関連する因子のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・データベースにおいて小児が15万5,556人、うち男児が51.6%、女児が48.4%であった。・コホートの66.4%に抗菌薬が処方されており、第3世代セファロスポリンが最も多く(38.3%)、次いでマクロライド系(25.8%)、ペニシリン系(16.0%)であった。・非細菌性URIへの抗菌薬処方は、男児(OR:1.06、95%CI:1.05~1.07)、施設規模、小児科以外の診療科(OR:2.11、95%CI:2.08~2.14)、時間外診療(OR:1.64、95%CI:1.61~1.68)と関連していた。

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日本のてんかんセンター、術後精神疾患に対する強みと課題:愛知医大

 てんかん手術後の精神医学的課題は、大きな問題として知られているが、てんかんセンターによるこれら課題の実際の認識は、まだ明らかにされていない。愛知医科大学の郷治 洋子氏らは、日本全国のてんかんセンターによる精神医学的評価と介入の使用に関して調査した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年4月12日号の報告。 2016年初めに、てんかん手術前後の精神医学的評価、手術後の精神医学的介入、てんかん手術に関連する精神医学的課題に対処するための今後の計画に関するアンケートを、全国てんかんセンター協議会(JEPICA)の全メンバーに郵送した。アンケートは、24項目で構成した。日本のほとんどの主要なてんかんセンターは、JEPICAに含まれており、2016年に31センターを擁していた。そのうち24センター(77%)がアンケートに回答した。 主な結果は以下のとおり。・精神科医がてんかん手術ユニットの一部に組み込まれていると回答したのは、17センター(70.8%)であった。・この17センターは手術前に精神医学的評価を行っており、評価者が精神科医であったのは8センター(33.3%)、心理士11センター(45.8%)であった。・少なくとも感受性の高い患者に対して、手術後の精神疾患発症リスクを手術前に日常的に説明していたのは23センター(95.8%)であった。・手術後の精神疾患例は16センター(66.7%)で認められ、最も一般的だったのがうつ病(41.7%)であり、次いで不安(33.3%)、精神障害(25.0%)、心因性非てんかん発作(8.3%)であった。 著者らは「日本のてんかんセンターの強みは、ほぼすべてのJEPICAメンバーが手術後の精神疾患に対し深刻な懸念を抱いており、患者に対し精神的有害事象リスクを事前に説明していることである。一方、いくつかのてんかんセンターは小規模で、てんかんユニットを担当する精神科医の意欲に対する依存はもとより、精神症状評価のための標準化された方法が欠如している。てんかん手術に関連する精神医学的課題に関して、てんかんセンター間における、診断および治療上の有意なギャップにつながったと考えられる」としている。■関連記事 てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化 てんかん患者の自動車運転、世間の意識は:愛知医大 世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

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COPD急性増悪、HOT+在宅NIVで予後改善/JAMA

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪後に高炭酸ガス血症が持続する患者において、在宅酸素療法(HOT)に加え在宅非侵襲的換気療法(NIV)を併用することにより、12ヵ月以内の再入院または死亡までの期間が延長した。英国・セント・トーマス病院のPatrick B. Murphy氏らが、多施設共同無作為化非盲検並行群間比較第III相試験の結果を報告した。NIVを必要とするようなCOPD急性増悪後の転帰は悪く、再入院や死亡を予防するための治療はほとんどなかった。JAMA誌オンライン版2017年5月21日号掲載の報告。HOT+在宅NIVの有効性、12ヵ月以内の再入院・死亡までの期間で評価 研究グループは、2010~2015年に英国13施設において、呼吸性アシデミア(非代償性アシドーシス、動脈血pH>7.30)改善後の病状が安定した2~4週に高炭酸ガス血症が持続する患者(PaCO2>53mmHg)を登録し、HOT単独群とHOT+在宅NIV群に1対1の割合で無作為に割り付けた。肥満(BMI>35)、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、他原因の呼吸不全などの患者は除外した。スクリーニングされた患者2,021例中適格症例は124例で、このうち116例が無作為化された。 主要評価項目は、これまでのCOPDによる入院回数、長期酸素療法の使用歴、年齢、BMIを補正した12ヵ月以内の再入院または死亡までの期間とした。統計解析には、Cox比例ハザード回帰モデルを使用した。再入院・死亡までの期間はHOT+在宅NIV療法で延長、死亡率に有意差なし 116例の患者背景は、平均(±SD)年齢67±10歳、女性53%、平均BMIが21.6(IQR:18.2~26.1)、平均1秒量0.6±0.2L、平均室内気吸入下PaCO2が59±7mmHgであった。HOT単独群59例(酸素流量中央値1.0L/分[IQR:0.5~2.0L/分])、HOT+在宅NIV群57例(酸素流量中央値1.0L/分[IQR:0.5~1.5L/分])で、12ヵ月間の試験を完遂したのは合計64例(HOT単独群28例、HOT+在宅NIV群36例)であった。在宅での換気設定中央値は、吸気気道陽圧24(IQR:22~26)cmH2O、呼気気道陽圧4(IQR:4~5)cmH2O、バックアップ換気回数14(IQR:14~16)回/分であった。 再入院または死亡までの期間中央値は、HOT+在宅NIV群4.3ヵ月(IQR:1.3~13.8ヵ月)に対し、HOT単独群は1.4ヵ月(IQR:0.5~3.9ヵ月)で、補正ハザード比は0.49(95%信頼区間[CI]:0.31~0.77、p=0.002)であった。12ヵ月間の再入院または死亡リスクは、HOT+在宅NIV群63.4%に対し、HOT単独群は80.4%、絶対リスク減少率は17.0%(95%CI:0.1~34.0)であった。12ヵ月時点での死亡は、HOT+在宅NIV群16例、HOT単独群19例であった。 なお、著者は、二重盲検デザインではないことや、HOT単独群に割り付けられた患者が主要評価項目に達した場合は在宅NIVを追加した実用的試験であることなどを研究の限界として挙げている。

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下気道感染症の抗菌薬処方戦略/BMJ

 合併症のない下気道感染症の若年および成人患者において、抗菌薬を即時処方してもその後の入院または死亡は減少しない。もともと、このような入院や死亡はまれである。英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らが、異なる抗菌薬処方戦略による有害転帰への影響を評価する前向きコホート研究(Cough Complication Cohort:3C)の結果を報告した。英国のGeneral Practice Research Database(GPRD)を用いた2つの試験では、抗菌薬の処方により肺炎リスクが減少する可能性が示唆されている。しかし、どちらの試験も、入院や死亡といった有害転帰への影響は記録されておらず、交絡因子も調整されていなかった。著者は、「医師が抗菌薬の処方を検討しているなら、病状悪化による再診の減少が認められた延期処方のほうが望ましい」と結論づけている。BMJ誌2017年5月22日号掲載の報告。抗菌薬処方戦略別に再診、入院/死亡を追跡調査 研究グループは、英国の一般診療クリニックを受診した16歳以上の下気道感染症患者2万8,883例を登録し、初回診察時に患者の症状や所見、抗菌薬処方戦略(処方なし、即時処方、延期処方)について記録した。初回診察時にX線検査で肺炎と診断された患者や、当日入院した患者、他の原因による急性の咳嗽、免疫不全患者などは除外した。 主要評価項目は、初回診察後30日以内の下気道感染症症状による再診、入院、死亡である。抗菌薬の処方傾向に関連する因子および医師のクラスタリングについて調整し、多変量解析を行った。延期処方で入院/死亡は19%、再診は36%減少、即時処方ではどちらも減少せず 登録された2万8,883例中、初回診察日にX線検査や入院目的で他院へ紹介、またはがんで入院した104例(0.4%)を除く2万8,779例が解析対象となった。2万8,779例において、初回診察日以降に入院または死亡した患者の割合は、抗菌薬処方なし群が0.3%(26/7,332例)、即時処方群が0.9%(156/1万7,628例)、延期処方群(延期日数中央値3日、四分位範囲:2~3日)が0.4%(14/3,819例)であった。 多変量解析の結果、延期処方群では統計学的に有意ではなかったものの入院および死亡が減少したが(多変量リスク比:0.81、95%信頼区間[CI]:0.41~1.64、p=0.61)、即時処方群では減少しなかった(多変量リスク比:1.06、95%CI:0.63~1.81、p=0.84)。新たな症状による再診(1,443/7,332例[19.7%])、症状悪化による再診(4,455/1万7,628例[25.3%])、症状が改善しないことによる再診(538/3,819例[14.1%])はよくみられ、これらは延期処方群で有意に減少したが(多変量リスク比:0.64、95%CI:0.57~0.72、p<0.001)、即時処方群では減少しなかった(多変量リスク比:0.98、95%CI:0.90~1.07、p=0.66)。

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ペムブロリズマブの胃がん適応拡大に優先審査:FDA

 Merck社は2017年5月23日、米国食品医薬品局(FDA)が2ライン以上の化学療法を受けた再発・進行の胃および胃食道接合腺がんに対するペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の承認を求める生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表。FDAの決定日は2017年9月22日。 FDAに提出された申請は、既治療患者に対してペムブロリズマブ200mgの3週間ごと単独投与の承認を求めたもの。2つ以上の化学療法後に進行し、重度の治療が行われた上記患者を対象とした第II相試験KEYNOTE-059のコホートデータに基づいている。 このKEYNOTE-059のコホートデータは、第53回米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO 2017)で発表される。■参考MERCK(米国本社)ニュースリリースKEYNOTE-059試験(Clinical Trials.gov)

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だからといって在宅NIVが進むだろうか(解説:倉原 優 氏)-684

 本研究は、急性呼吸性アシドーシスから回復したもののPaCO2が53mmHgを超えるII型呼吸不全の状態で在宅療養を余儀なくされたCOPD患者さんに、在宅酸素療法だけでなく非侵襲的換気(NIV)を併用することでその後のCOPD増悪による入院や死亡を減らせるかどうか検証したものである。日本ではNIVと表記するのはまだ一般的でなく、非侵襲的陽圧換気(NPPV)と表記されることが多いが、文献に合わせて以下NIVと表記させていただく。 本研究では、ランダム化から12ヵ月後の再入院・死亡はNIV併用で有意に少ないというポジティブな結果が得られた(17.0%のリスク減少)。NIVはHarmony2あるいはVPAP III ST-Aが用いられた。大きな機器ではなく、在宅でも十分使用可能なサイズだ。最終的に、ランダム化から12ヵ月後の時点でNIVにおけるNIV使用は夜間7時間以上に及んでおり、寝ているときはほぼNIVを使用していることになる。 これを読むと、「II型呼吸不全のCOPD患者さんはNIVを併用したほうが良いのか、よし明日にでも勧めよう」と思い立つかもしれないが、事態はそんな単純ではない。そもそも在宅酸素療法ですらホイホイと導入できるものではなく、本人がいささかの抵抗感を持ちつつ、周囲の協力を得て実現できるものである。簡単に導入できると豪語できる医療従事者は、患者の社会生活を一度顧みていただきたい。どれだけ酸素療法によって経済的負担が増えるのか即答できないのなら、安易な酸素処方をすべきではない。酸素療法は、私たちがスマホのアプリをダウンロードするのとは訳が違う。ましてや、在宅NIVとなるとさらにハードルは上がる。今でこそ軽量化した機器がたくさん登場し、在宅NIVが比較的簡便になったが、それでも「自分が装着するメカ」を家に持って帰るのに抵抗がない患者さんなどいない。 この研究結果が示すリスク減少の効果は、実臨床にインパクトを与えるほど大きい。そのため、この理想の在宅酸素療法に少しでも近付けるため、われわれ医療従事者は在宅NIVが将来のリスク減少にどれほど寄与するか、患者・患者家族に効果的に説明する必要がある。そして到来する超高齢化社会のCOPD増悪に、現在与えられた治療選択肢でどう立ち向かうのか、熟考しなければならない。

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肝細胞がんに対するニボルマブの優先審査を受理:FDA

 ブリストル・マイヤーズスクイブ社は2017年5月24日、米国食品医薬品局(FDA)が、ソラフェニブ治療歴のある肝細胞がん(HCC)を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)の適応拡大を求める生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表した。FDAは、以前にHCC治療薬としてニボルマブを希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定しており、今回、本申請を優先審査の対象として受理した。FDAによる審査完了期日は、2017年9月24日である。 この申請は、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルス感染および非感染進行HCC患者に対するニボルマブの第I/II相試験CheckMate-040の結果に基づいている。この試験データは、Lancet誌に最近掲載され、本年(2017年)の米国臨床腫瘍学会(ASCO)総会ポスターディスカッションセッションで発表される。■参考 ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社ニュースリリース El-Khoueiry AB, et al. Lancet. 2017 Apr 20. [Epub ahead of print] Checkmate-040試験(Clinical Trials.gov)

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「ザ・ゴール」シリーズ【Dr. 中島の 新・徒然草】(172)

百七十二の段 「ザ・ゴール」シリーズ最近、「ザ・ゴール」(ダイヤモンド社)シリーズを読み直しています。シリーズ第1作目の「ザ・ゴール-企業の究極の目的とは何か」はイスラエルの物理学者、エリヤフ・ゴールドラット博士が、工場の生産性を上げるにはどうしたらいいのか、というテーマについて独自の理論を分かりやすく語った小説です。小説なので、理不尽な上司や自己主張の強い妻が登場して、主人公のアレックス・ロゴ所長(工場の責任者)を苦しめます。しかし、アレックスはTOC(Theory of Constraints 制約条件の理論)を活用して、たった3ヵ月で見事に工場を立て直し、上司にも妻にも賞賛されたのです。ここで出てくる制約条件というのは難しい言葉ですが、ボトルネック(ビンのクビ)と言い換えると誰でも分かると思います。たとえば、ビンを逆さまにして中の水を注ぐ時のことを想像してみてください。水を注ぐスピードはビン全体の大きさではなくボトルネックのサイズに関係することは直観的に理解できるかと思います。次に直列した多工程からなる作業の生産性を上げることを考えます。小説で強調されているのは、ボトルネックになっている工程を見つけ出し、この工程を徹底活用することが、生産性アップになるということです。つまりボトルネックの詰まりをとったり直径を拡げたりすれば全体の作業が効率化して生産性が良くなるのです。非ボトルネック工程をいくら改善しても全体の生産性は全く変わりません。言葉を変えると、「部分最適化ではなく全体最適化をはかれ」ということになります。これはよく耳にするスローガンですが、「じゃあどうすれば全体最適化をはかれるのか?」という具体的方法をみつけるのが難しいのです。この難題に対し「ザ・ゴール」は、工場の生産性アップを例にして、全体最適化の具体的方法を明確に示しています。全部で7~8冊ある「ザ・ゴール」シリーズは小説の形を借りてボトルネック以外にも色々な手法を紹介しているので、ストーリーを楽しみつつ全体最適化の方法を学ぶことができます。もちろん理不尽な上司や妻に加えて、無能な部下とか聞き分けのない子供とかもちゃんと出てくるので御安心ください。「ザ・ゴール」シリーズで紹介されている手法を医療にどう応用するかについては、これから思いつくままに述べて行きたいと思います。最後に1句TOC ブレイクスルーは 得意技

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高齢者にスタチンの1次予防効果はあるか~ALLHAT-LLT事後解析

 心血管疾患の1次予防としてスタチン治療が心血管疾患発症を減少させることが示唆されているが、全死亡率については知見が一致していない。また、75歳以上の高齢者に1次予防でのスタチン使用に関するエビデンスはほとんどない。今回、ALLHAT-LLTの事後解析の結果、中等症の高脂血症と高血圧症を有する高齢者での心血管疾患の1次予防として、プラバスタチンのベネフィットは認められず、また75歳以上では、有意ではないがプラバスタチン群で全死亡率が高い傾向があったことが報告された。JAMA internal medicine誌オンライン版2017年5月22日号に掲載。 本研究は、ALLHAT-LLT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)のLipid-Lowering Trial(LLT)における、65~74歳と75歳以上に対する心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用に関する研究で、アテローム性冠動脈疾患を有さなかった65歳以上の参加者について事後解析を実施した。ベースライン時にアテローム性冠動脈疾患を有さない高血圧症の外来患者2,867例について、プラバスタチン(40mg/日)群と通常治療群に分けて比較した。なお、ALLHAT-LLTは1994年2月~2002年3月に513施設で実施された。ALLHAT-LLTの主要アウトカムは全死亡率、副次アウトカムは原因別死亡率、非致死性心筋梗塞と致死的冠動脈疾患の複合(冠動脈疾患イベント)であった。 主な結果は以下のとおり。・プラバスタチン群は1,467例で、平均年齢(SD)は71.3(5.2)歳、女性が704例(48.0%)、通常治療群は1,400例で平均年齢は71.2(5.2)歳、女性が711例(50.8%)であった。・ベースライン時の平均LDLコレステロール値(SD)は、プラバスタチン群では147.7(19.8)mg/dL、通常治療群で147.6(19.4)mg/dLであり、6年後はプラバスタチン群で109.1(35.4)mg/dL、通常治療群で128.8(27.5)mg/dLであった。・6年後、プラバスタチン群で253例中42例(16.6%)が、また通常治療群で71.0%がどのスタチンも服用していなかった。・通常治療群に対するプラバスタチン群の全死亡のハザード比は、全体(65歳以上)で1.18(95%CI:0.97~1.42、p=0.09)、65~74歳で1.08(同:0.85~1.37、p=0.55)、75歳以上で1.34(同:0.98~1.84、p=0.07)であった。・冠動脈疾患の発症率については2群間で有意差はなかった。多変量回帰分析でも有意ではなく、治療群と年齢との間に有意な交互作用はなかった。

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医薬品広告や講演会はどうあるべきか~J-CLEAR春季セミナー

 NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR/理事長 桑島 巖氏)は、2017年5月13日、都内において春季セミナーを開催した。 第1部では、飯山 幸雄氏(国民健康保険中央会 常務理事)を講師に迎え、「保健医療分野におけるICT活用」と題した講演が行われた。続く第2部のシンポジウム「医薬品広告、講演会などの適正な在り方について」では、4名の各専門家が意見を交わした。保険事務からスタートするICTの活用 はじめに、政府が推進する「保健医療分野におけるICT活用」について、飯山氏が計画の概要、現在の進捗状況と問題点、今後の展望について説明した。 医療分野におけるICTの活用はマイナンバー制度のインフラを活用したものであり、情報流出などのリスクを避けるために分散管理方式で行われる。各機関や組織、団体が保管している個々の情報資産に対し独自符号を付け、この符号のやり取りで各間の情報の紐付けや利用を行うことが予定されている。 保健医療分野では主に保険事務で活用され、各医療機関と健康保険組合などで発行されたIDによる情報連携を可能にする、仕組み作りが行われようとしている。また、将来的には、収集されたビッグデータを活用することで、遠隔医療や地域間のネットワーク、健康サポート、救急災害医療、医療のイノベーションなどに応用し、国民にとって価値あるデータを増やしていく予定であると説明した。医師会、製薬協、さまざまな取り組み 第2部では、シンポジウム「医薬品広告、講演会などの適正な在り方について」が行われた。 はじめに基調講演として、羽鳥 裕氏(日本医師会 常任理事)が「医師会からみた医療情報提供の在り方」をテーマに、医師会の「臨床研究」への取り組み、会員医師へ向けた適正研究への啓発活動の実施などを報告した。医薬品に関する情報では、医師会発信の情報提供を行う一方で、後発医薬品の情報は個々の会員医師が自発的に入手することでカバーしているが、副作用などの情報がとくに後発医薬品製薬企業から不足していると、現下の問題を指摘した。 次に中垣 友宏氏(日本製薬工業協会製品情報概要審査会)から、「適正広告に対する製薬企業の取り組み」について語られた。製薬企業では適正使用の情報を提供するために、法律はもちろん、協会制定のプロモーションコードなどに沿った作成要綱が定められ、それらは製品パンフレットや配布資料、講演会資料、WEBサイトで順守されていること、また、日常的に審査会レポートの発行や会員企業への問題事項のフィードバック、eラーニングなどを行うことで、適正な広告の普及に努めていることを同氏は説明した。 続いて、和田 成雄氏(京都糖尿病医会)が「スポンサーなしの研究会、講演会の試み」として、企業主導ではない研究会の開催法について述べた。 研究会の目的は薬剤の効果を知ることだけではなく、ネガティブな内容も知ることが重要であるとしている。また、地元医師会や大学と共催することで会場費や事務費を節約しながら、内容においてはディベートやカンファレンスの実施など、製薬企業が行わないセッションを実施している。自主運営のメリットとしてテーマ・講師の選択が適正で自由であることを挙げ、本音が聞かれる反面、運営が煩雑であり、参加者に十分な配慮ができないこともあるが利点は大きいと、その経験を披露した。今後の広告適正化の在り方 最後に、座長の桑島氏と羽鳥氏の進行の下、医師と製薬企業との関係をどのように保つべきか総合討論が行われた。 一例として、製薬企業のスポンサーのない医師向けの講演会も多数開催されている例や、製薬企業主導であってもケースによっては、時間配分ですみ分けを行い、製品のファクトが聞ける講演会などを実現できることも報告された。 また、製薬企業のプロモーション媒体については、最近、医学誌などで増えている記事広告に触れ、総説記事の広告化が起きていること、海外では専門のエージェンシーがすでに多数存在することが報告された。さらに、WEB媒体の内容チェック体制への問題提起を受け、製薬企業や企業関係サイトの内容はパンフレットなどと同様に、自主規制や関係法令に即した運用の対象となることが説明された。■参考NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)■関連記事 CLEAR! ジャーナル四天王

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双極性障害、リチウムは最良の選択か

 双極性障害の治療ではリチウムが頻繁に使用されており、最も確立された長期治療法と考えられる。実際に、リチウムは再発リスクを最小限にとどめ、エピソード間の症状を改善するための治療の基本である。イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のGabriele Sani氏らは、双極性障害治療におけるリチウムの入手可能なエビデンスを検討した。それには、効能、限界、潜在的な利点や、別の製剤を考慮した有効性も含まれた。また、双極性障害患者への抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬の長期的代替使用に関する、顕著な比較をオーバーレビューした。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年5月5日号の報告。双極性障害患者の多くに初期治療としてリチウムを使用すべき 双極性障害治療におけるリチウムの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・入手可能なエビデンスによると、双極性障害患者は主としてリチウムで治療し、いくつかのケース(とくに急性期治療)では抗精神病薬と組み合わせ、リチウム不耐性または無効例では抗てんかん薬を用いるべきであると考えられる。・補助的な抗うつ薬の使用は、ブレークスルーうつ病エピソードに限定されるべきである。・自殺念慮や自殺行為に、リチウムの長期的な利点と潜在的な副作用についての十分な情報を有している場合には、双極性障害患者の多くに初期治療としてリチウムを使用すべきである。・疾患または抗精神病薬の経過を悪化させる、重大で長期的な副作用を引き起こす可能性があるなどの抗うつ薬との併用を行うことなく、多くの患者でリチウムは許容可能である。■関連記事双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は、自殺リスク要因か双極性障害の再発リスク、1年目で4割超双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

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