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第9回 意識がないように見えても聞こえていた【患者コミュニケーション塾】

意識がないように見えても聞こえていた私は27年前、25歳のときに卵巣がんを発症しました。手術の後、約1年半にわたって入退院を繰り返しながら抗がん剤治療を受けました。現在のように強力な制吐剤がなかった時代ですから、治療に伴う嘔吐の副作用は激しく、1度治療を受けると1週間で5kgも体重が減少したほどです。嘔吐以外にも、倦怠感や血尿、腎機能の低下など、さまざまな副作用に見舞われました。ある時、抗がん剤を投与された5日後に、激しい下痢が起こりました。するとすぐに視界が真っ暗になり、手足には電流が走ったような痺れを感じ、触覚がなくなりました。もちろん声を発することもできませんでした。それまでの5日間、まったく食事が摂れておらず、衰弱しきっていた状態で一気に大量の水様便が出たため、血圧がストンと下がってしまったようです。直前に異常を感じてトイレ内のナースコールだけは辛うじて押していたので、看護師が駆けつけ、何とか私を車椅子に乗せて病室に運んでくれました。看護師は私が意識を消失したと思ったようで、「山口さん、意識ありません!!」と叫んでいました。そして、病室に到着すると、「血圧測定不能です!!」とますます焦る看護師の声が聞こえました。一方で、私は妙に冷静に「血圧が下がってしまったのか…。測れないのか…」と受け止めていたことを記憶しています。しばらくすると「あ、ようやく上が60!」と看護師が言いました。そして、視界にうっすらと光が戻り、手足の感覚も戻ったのです。この時の経験から、周りの人には意識がないように見える状態でも、本人には聞こえていることがあるのだと確信しました。COML創始者の辻本好子が、がんの末期状態で、誤嚥性肺炎から昏睡状態になった時、その2日後は、約20年ぶりに発症した私の2回目の卵巣がんの手術日でした。手術をするのは別の病院でしたが、その時も、きっと聴覚は維持されていると信じていたので、手術までの2日間、辻本に寄り添い、語りかけ続けました。私の問いかけに対し、息を吐くタイミングで応えてくれたので、「会話が成り立っている」と感じました。いよいよ私の手術当日になり、電話で辻本に「今から手術室に向かいます。きっと元気に戻ってくるので、待っていてくださいね」と声をかけました。そばにいた辻本の息子さんが「スピーカー状態にしていたけど、しっかりと聞こえましたよ」と言ってくれたので安心して電話を切り、手術室に向かおうとしたところ、息子さんからメールが届きました。そこには辻本が指で「ピース」をしている写真が添付されていました。息子さんによると、電話の後、昏睡状態のはずの辻本の手が動き始めたので何だろうと見ていると、指が「ピース」になったというのです。私への最大のエールなのだと思い、涙が止まらなくなったのを覚えています。これらの経験から、「聴覚は最後まで維持されている」というのは事実だと思っています。しかし、患者の意識がないと、平気で枕元で、患者の死後のことや本人に失礼なことを話してしまう人が医療者の中にもいます。たとえ直接会話ができなくなった状態であっても、そこに存在する人間として接することを忘れないでいただきたいと思います。

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2017年がん罹患者は101万超、死亡は37万超/国立がん研究センター

 国立がん研究センターは2017年09月20日、「2017年のがん統計予測」として、本年のがん罹患数予測および死亡数予測の結果を公表した。 主な結果は以下のとおり。がん罹患数・2017年のがん罹患数予測は101万4,000例(男性57万5,900例、女性43万8,100例)。・2016年のがん統計予測(約101万200例)と比較すると、男女計で約3,800例増加。・罹患数上位、1位は大腸、以下は胃、肺、乳房(女性)、前立腺。・2016年のがん統計予測(大腸、胃、肺、前立腺、女性乳房)から、乳房(女性)と前立腺の順位が入れ替わる。がん死亡数・2017年のがん死亡数予測は、約37万8,000人(男性22万2,000人、女性15万6,000人)・2016年のがん統計予測と比較すると、約4,000人の増加。・死亡数上位、1位は肺、以下は大腸、胃、膵臓、肝臓。・2016年のがん統計予測(肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順)から順位の変更はなかった。■参考国立がん研究センター「2017年のがん統計予測」

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国民病「腰痛」とロコモの関係

 2017年9月7日、日本整形外科学会は都内において、10月8日の「骨と関節の日」を前に記者説明会「ロコモティブシンドロームと運動器疼痛」を開催した。今月(10月)には、全国各地で講演会などのさまざまな関連行事が予定されている。予防にも力を入れる整形外科 はじめに理事長のあいさつとして、山崎 正志氏(筑波大学医学医療系整形外科 教授)が、学会の概要と整形外科領域の説明を行った。 わが国において整形外科医師が関わる疾患は幅広く、関節、脊髄、骨粗鬆症、外傷など運動器疾患全般を診療の範囲としている。近年では、運動器の障害から要介護となるリスクが高まることからロコモティブシンドローム(運動器症候群、略称:ロコモ)の概念を提唱し、2010年に「ロコモチャレンジ! 推進協議会」を設立、運動器障害の予防、健康寿命の延長を期している。また、この「ロコモ」の認知度の向上にも注力し、学会では2022年までに認知度80%(2017年現在46.8%)を目標として掲げている。 山崎氏は「今回の講演では、国民の有訴率で男女ともに上位にある『腰痛』を取り上げた。運動器疾患に伴う疼痛であり、愁訴も多いので理解を深めていただきたい」とあいさつを終えた。腰痛にもトリアージが肝心 続いて、山下 敏彦氏(札幌医科大学医学部整形外科学講座 教授)が「国民病・腰痛の“原因不明”の実際とは?  痛みに関する誤解と診断・治療の最新動向」をテーマに講演を行った。 まず、ロコモの要因となる疾患と痛みの関係について触れ、主な原因疾患として変形性膝関節症(患者数2,530万人)、腰部脊柱管狭窄症(同600万人)、骨粗鬆症(同1,070万人)を挙げ、これらは関節痛、下肢痛、腰背部痛を引き起こすと説明。筋骨格系の慢性痛有病率は15.4%で、およそ1,500万人が慢性痛を有し、とくに腰、頸、肩の順に多いという1)。 こうした慢性痛による運動困難は筋力低下をもたらし、これがさらに運動困難を誘引、脊椎・関節の変性を惹起して、さらなる痛みを生む。また、痛みがうつ状態を招き、引きこもりにより脳内鎮痛を低下させて痛みの除去を困難にするといった、悪循環に陥ると指摘する。 次に痛みの中でも「腰痛」に焦点を当て、その原因を探った。従来、腰痛の原因は、その85%が不明とされていたが、近年の研究では78%の原因が特定可能で、22%は非特異的腰痛だとする2)。特定できる腰痛の原因は椎間関節性、筋・筋膜性、椎間板性の順に多く、心因性腰痛はわずか0.3%にすぎないという。そして、腰痛診断ではトリアージが大切であり、重篤な順に、がんや化膿性脊椎炎などの重篤な疾患による腰痛(危険な腰痛)、腰椎椎間板ヘルニアや椎体骨折などの神経症状を伴う腰痛(神経にさわる腰痛)、深刻な原因のない腰痛(非特異的腰痛も含む)となる。とくに危険な腰痛の兆候として「安静にしても痛みがある」、「体重減少が顕著である」、「発熱がある」の3点を示し、これに神経症状(足のしびれ・痛み、麻痺)が加われば、早急に専門病院などでの受診が必要とされる。多彩な治療で痛みに対処 運動器慢性痛の治療は、現状では完全な除痛が難しい。痛みの緩和とQOL・ADLの改善をゴールとして、薬物療法、理学療法、手術療法、生活指導、心理療法(認知行動療法)が行われている。 薬物療法では、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、アセトアミノフェン、ステロイド、プレガバリン、抗うつ薬、オピオイドが使用されるが、個々の痛みの性質に応じた薬剤の選択が必要とされる。 理学療法では、温熱療法、電気療法のほかストレッチや筋力増強訓練などの運動療法があり、運動は廃用性障害による身体機能不全の改善となるだけでなく、脳内鎮痛が働くことで痛みの緩和も期待されている。 手術療法は、機能改善や痛みの軽減を目的として変形性膝関節症の人工関節置換術などが行われているが、近年では術後の痛みの少なさ、早期離床が可能、入院期間の短縮、早い職場復帰などのメリットから最小侵襲手術(MIS)が行われている。 心理療法(認知行動療法)では、運動、作業、日記療法などが行われ、「腰痛でできないことよりも、できることを探す」ことで痛みを和らげ、患者さんが願う生活が過ごせることを目指している。 腰痛の予防では、各年代に合ったバランスのとれた食事、体操、水泳、散歩などの適度な運動、正座や中腰を避けるなどの生活様式の工夫などが必要とされる。 最後に山下氏は「慢性痛では、民間療法で済ませている人が多い。しかし、先述の危険な兆候があれば早期に医療機関、整形外科への受診をお勧めする。また、痛みで仕事、家事、学業、趣味・スポーツができない、毎日が憂鬱であれば整形外科を受診し、痛みの治療をしてもらいたい」と語りレクチャーを終えた。

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統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大

 統合失調症患者の機能的アウトカムに認知機能障害は強く関連しているが、その病態生理はよくわかっていない。健常人および精神神経疾患患者の認知機能に対するω3脂肪酸の関与が注目されている。和歌山県立医科大学の里神 和美氏らは、統合失調症患者におけるω3脂肪酸と認知機能、社会的機能、精神症状との関連を調査した。Schizophrenia research誌2017年5月18日号の報告。 対象は、統合失調症または統合失調感情障害患者30例。精神症状、認知機能、社会機能は、それぞれPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)、BACS(統合失調症認知機能簡易評価尺度)、SFS(社会的機能尺度)を用いて評価した。血清ω3脂肪酸は、ガスクロマトグラフィーを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・BACS総スコアは、EPAおよびDHAレベルと有意な相関が認められた。・また、抗精神病薬の1日投与量は、DHAレベルおよびBACS総スコアと有意な負の相関が認められた。・ステップワイズ重回帰分析では、SFSスコアがBACS総スコアと有意に関連していることが示唆された。 著者らは「血清ω3脂肪酸の減少は、認知機能障害と関連しており、統合失調症における社会的機能アウトカムに影響を及ぼす」としている。■関連記事統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善統合失調症に対するメマンチン補助療法に関するメタ解析脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

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2型糖尿病へのエキセナチド徐放剤、心血管転帰への影響と安全性/NEJM

 2型糖尿病患者に対し、心血管疾患の病歴の有無を問わず、通常治療にエキセナチド徐放剤(商品名:ビデュリオン)を追加投与した試験において、安全性についてはプラセボに対して非劣性を示し、心血管イベントの発生リスクに対する有効性については統計上の有意差は示されなかった。英国・チャーチル病院のRury R. Holman氏らが、1万4,752例の2型糖尿病患者を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験「EXSCEL試験」の結果で、NEJM誌2017年9月14日号で発表された。35ヵ国、687ヵ所で試験 研究グループは35ヵ国、687ヵ所の医療機関を通じて、心血管疾患既往の有無を問わず、2型糖尿病患者1万4,752例を集めて無作為に2群に分け、一方にはエキセナチド徐放剤2mgを週1回皮下注射で投与し、もう一方にはプラセボを投与した。 主要アウトカムは、心血管死と非致死的心筋梗塞または非致死的脳卒中のいずれかの初回発生の複合であった。 エキセナチド週1回投与は、安全性に関してはプラセボに対し非劣性を、有効性に関しては優越性を示すとの主要仮説を立てて評価した。追跡期間中央値3.2年、複合アウトカム発生率は有意差なし 被験者1万4,752例中、心血管疾患既往者は73.1%に当たる1万782例、試験の追跡期間中央値は3.2年(四分位範囲:2.2~4.4)だった。 主要複合アウトカムの発生率は、エキセナチド群11.4%(7,356例中839例、3.7件/100人年)、プラセボ群12.2%(7,396例中905例、4.0件/100人年)と、両群で有意差はなかった(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.83~1.00)。 intention-to-treat解析の結果、エキセナチド週1回投与は、安全性に関してはプラセボに対して非劣性を示したが(p<0.001)、有効性に関する優越性は示されなかった(p=0.06)。 心血管死、致死的・非致死的心筋梗塞、致死的・非致死的脳卒中、心不全による入院、急性冠症候群による入院、急性膵炎、膵臓がん、甲状腺髄様がん、重篤な有害事象のいずれの発生率についても、両群で有意差は認められなかった。

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米国でのCEA・CASの実施率とアウトカムの推移/JAMA

 米国で1999~2014年にかけて、頸動脈内膜剥離術(CEA)の実施率は継続的に減少した一方、頸動脈ステント留置術(CAS)の実施率は、1999~2006年にかけていったん増加し、その後2007~14年にかけて減少していたことが明らかにされた。術後アウトカムについては、血管リスク因子が増加したにもかかわらず、いずれも改善が認められた。米国・イェール大学のJudith H. Lichtman氏らが、同国のメディケア受給者の動向について調べた結果で、JAMA誌2017年9月19日号で発表した。 血行再建率、入院死亡率、30日脳卒中などを評価 研究グループは1999~2014年の65歳以上のメディケア出来高払いプラン受給者について、メディケア入院・共通特性ファイルを用いて連続的横断分析を行い、頸動脈内膜剥離術と頸動脈ステント留置術施行の全米の傾向について調査した。 年齢・性別・人種を補正した混合モデルを用いて、各郡特異的リスク標準化血行再建率を算出した。混合モデルにより、人口統計学的属性や併存疾患、症状の状態について補正後のアウトカムの傾向の評価を行った。 主要評価項目は、出来高払い受給者10万人年(以下、10万人年)ごとの血行再建率、入院死亡率、30日脳卒中・死亡、30日脳卒中・心筋梗塞・死亡、30日総死亡、1年脳卒中のいずれも発生率だった。術後30日虚血性脳卒中・死亡率は頸動脈内膜剥離術で年率2.90%減少 試験期間中、頸動脈内膜剥離術を受けたのは93万7,111例で、平均年齢は75.8歳、うち女性は43%だった。一方、頸動脈ステント留置術を受けたのは23万1,077人で、平均年齢は75.4歳、うち女性は49%だった。 1999年に頸動脈内膜剥離術を受けたのは8万1,306例だったのに対し、2014年は3万6,325例で、同実施率は1999~2000年の298/10万人年から2013~14年の128/10万人年へと有意に減少した(p<0.001)。 一方、頸動脈ステント留置術を受けたのは、1999年の1万416例から2006年の2万2,865例と、同実施率は1999~2000年の40/10万人年から2005~06年の75/10万人年へと有意に増加した(p<0.001)。しかし、その後2014年までに、同実施率は38/10万人年へと有意に減少した(p<0.001)。 また、頸動脈内膜剥離術や頸動脈ステント留置術を行った患者の高血圧罹患率が、それぞれ67%から81%、61から70%に増加するなど、血管リスク因子が増加し、さらに症候性の患者の割合が増えていたが、アウトカムについては改善が認められた。 頸動脈内膜剥離術の術後30日以内の虚血性脳卒中発症率または死亡率の補正後年間減少率は、2.90%(95%信頼区間[CI]:2.63~3.18)、頸動脈ステント留置術の同減少率は1.13%(同:0.71~1.54)だった。1999~2014年にかけて、頸動脈内膜剥離術について同発症率の絶対的減少が認められたものの、頸動脈ステント留置術では認められなかった。 術後1年の虚血性脳卒中発症率も減少し、頸動脈内膜剥離術では補正後年間減少率は2.17%(95%CI:2.00~2.34)、頸動脈ステント留置術では1.86%(同:1.45~2.26)だった。院内死亡率や術後30日脳卒中・心筋梗塞・死亡率、30日総死亡率などについても、改善が認められた。

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炭水化物過剰摂取は全死亡を増やすが心血管病発症に影響せず(解説:島田俊夫氏)-740

生活習慣病と食習慣 生活習慣病は文字通り生活の悪習が原因で発症する病気で、発症を抑えるためには生活習慣の改善が必要不可欠である。生活習慣の基本は食および運動習慣の改善に尽きる。その中でも、食習慣は健康維持に最も重要である。食に関しては多くの論文報告があるが、その多くが欧米のデータに基づいており、食習慣の異なる国・地域に対して、これまでの成果を短絡的に敷衍できるか不明な点も多い。とくに、欧米に比べて全食事カロリーに占める炭水化物の比率が高いアジア諸国の人々に対して、これまでの成果を適用しうるか否かは疑問の多いところである。Lancet誌の2017年8月29日号で、カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国の全死亡・心血管疾患への食の影響を検討した大規模前向きコホート研究(PURE)の成果を報告した。本論文は幅広い国・地域集団をカバーするデータ解析に基づく興味深い論文であり、私見をコメントする。糖質制限食(低炭水化物食)と肥満 近年、日本人に多い2型糖尿病の治療として糖質制限食の治療効果に関する適否について、議論が高まっている1)。欧米人では日本人に比べ食事の総カロリーに占める糖質の割合が少なく、その分、脂質・タンパク質からのカロリー摂取が増える。これまでの欧米のデータに基づく解析結果によれば糖質の過剰摂取は肥満を招き、糖質制限の肥満治療に対する有効性は周知されている2)。PURE研究と解析結果 PURE研究の対象は5大陸18ヵ国(欧米、アジア、南米を含む)の35~70歳の男女で、13万5,335人を登録のうえ、食事摂取量を食事摂取頻度調査票を用いて調査後、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した。主要アウトカムは、全死亡と主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死とした。 炭水化物、脂質、タンパク質の摂取量をエネルギー比に基づき5分位群に分類のうえ、多変量Cox frailtyモデルを用いて摂取量と各評価項目の関連を解析した。 炭水化物摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群に対する最高5分位群のHRは1.28(95%信頼区間:1.12~1.46、傾向p=0.0001)、一方でCVDまたはCVD死との関連性は認められなかった。また、脂質の種類に関係なく脂質摂取量が多いほど全死亡リスクは低く、脂質の種類を問わず脂質摂取量は心筋梗塞、CVD死リスクには関連性を認めなかった。一方で飽和脂肪酸の摂取量が多いほど、脳卒中のリスクは有意に低かった(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向p=0.0498)。コメント 糖質の摂り過ぎは全死亡リスクを上昇させるがCVDまたはCVD死との関連性を認めず、一方で脂質摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。短絡的に言えば、糖質制限食+高脂肪食の併用が全死亡を引き下げ、飽和脂肪酸による脂肪摂取増加に配慮すれば脳卒中死を減らせる可能性をほのめかしており、2型糖尿病治療への糖質制限食の敷衍性に期待を抱かせる内容である。しかし、糖質制限食はリスク因子改善のエビデンスはあるが、長期の生命予後改善のヒトでのエビデンスを欠く点が大きな問題として残っている。

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抗PD-L1抗体アベルマブ、メルケル細胞がんに国内承認

 メルクセローノ株式会社(代表取締役社長:レオ・リー)とファイザー株式会社(代表取締役社長:梅田一郎)は2017年9月27日、両社が共同開発を行っている抗PD-L1抗体アベルマブ(商品名:バベンチオ点滴静注200mg)について、「根治切除不能なメルケル細胞」の効能・効果で厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表。 メルケル細胞がん(MCC)は、治療選択肢が限られている悪性度の高い皮膚がんの一種で、日本における患者数は100人に満たないと推定される希少ながんである。非常に進行が早く、予後が良くないがんであり、有効な治療法の開発が期待されていた。 アベルマブは、MCCに対する日本で初めて承認された唯一の治療薬であり、日本初のヒト型抗PD-L1抗体薬でもある。2016年12月に、MCCに対する希少疾病用医薬品指定を受けている。同オーファン指定およびこの度の承認取得は、日本も参加した転移性MCC患者を対象とした多施設共同第II相非盲検試験JAVELIN Merkel 200の結果に基づいている。国外では、米国における転移性MCC治療薬および化学療法歴のある局所進行性・転移性尿路上皮がん治療薬、スイスにおける化学療法歴のある転移性MCC治療薬、欧州連合(EU)に加盟する28ヵ国およびノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドにおける成人の転移性MCCに対する治療薬として、承認を取得している。■参考ファイザー株式会社プレスリリース

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ニボルマブ、進行・再発胃がんに国内承認

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズスクイブ社(NYSE:BMY)は2017年9月22日、抗PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃」に対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。 ニボルマブは、標準治療に不応又は不耐の切除不能な進行又は再発胃がん(食道胃接合部がんを含む)患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(ONO-4538-12/ATTRACTION-2試験)において、世界で初めて全生存期間(OS)の延長を示した。同試験の主要評価項目であるOS(中央値)は、オプジーボ群で5.26ヵ月(4.60~6.37)と、プラセボ群の4.14ヵ月(3.42~4.86)に対して統計学的に有意な延長を示した(HR:0.63、95%CI:0.51~0.78、p<0.0001)。12ヵ月OS率は、オプジーボ群で26.2%、プラセボ群で10.9%であった。Grade3以上の薬剤に関連有害事象(AE)は、オプジーボ群11.5%、プラセボ群5.6%で発現した。薬剤に関連AE(グレードを問わず)により、オプジーボ群2.7%、プラセボ群2.5%で治験薬の投与が中止された。■参考小野薬品工業株式会社ニュースリリースONO-4538-12/ATTRACTION-2試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ニボルマブ 標準治療不応の胃がんに良好な効果(ONO-4538-12 試験)/ASCO-GI 2017

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痩せるだけでうつは軽減する

 肥満者のうつ病有病率は、正常体重者の2倍であると報告されている。肥満とうつ病には、潜在的に双方向の関連がある。いくつかの研究において、うつ病が体重増加や肥満を引き起こすことが示唆されており、他の研究においては、肥満者がその後うつ病を発症する可能性が高いことが示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のN. R. Fuller氏らは、12ヵ月間の研究において、うつ症状と体重変化との関連性を調査した。Clinical obesity誌オンライン版2017年8月11日号の報告。 対象者70例に対し、3ヵ月間のライフスタイル(食事、運動)の体重減量介入を行い、12ヵ月間のフォローアップを行った。対象者はベック抑うつ質問票(BDI-II)を完了し、研究の期間中、体重測定を行った。ベースライン時における対象者は、BMI 31.1±3.9kg/m2、体重89.4±16.1kg、年齢45.4±11.1歳、女性63%であった。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインから3ヵ月までの平均体重変化は-5.2±4.3%、ベースラインから12ヵ月までの平均体重変化は-4.2±6.1%であった。・12ヵ月間の調査において、BDI-IIスコアは有意に低下し、BDI-IIスコアの1単位減少は、体重の-0.4%減少と関連していた。 著者らは「現在の研究では、非臨床的うつ病肥満患者における体重減少は気分改善と関連しており、これらの改善は3~12ヵ月間のフォローアップ期間中も持続することが示唆された」としている。■関連記事うつ病になりやすいのは、太っている人、痩せている人?たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病患者の多い診療科はどこ?

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加齢黄斑変性の発症に新たな知見

 加齢黄斑変性(AMD)患者の血漿中代謝物プロファイルは、非AMD患者と異なっており、多くの重大な代謝物がグリセロリン脂質経路に認められることを、米国・ハーバード大学医学大学院のInes Lains氏らが、質量分析法を用いたメタボローム解析により明らかにした。著者らは、「今回得られた知見は、AMDの発症原因に関する理解を深め、AMDの血漿中代謝バイオマーカーの開発を支援し、新しい治療ターゲットを特定できる可能性を示唆するものであった」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年8月31日号掲載の報告。 研究グループは、AMD患者における血漿中代謝物質のプロファイルを、質量分析により特徴づける横断観察研究を行った。AMD患者と網膜硝子体疾患のない50歳超の対照者を前向きに集めて登録。全被験者についてカラー眼底写真撮影を行い、Age-Related Eye Disease Study分類法に従ってAMDの診断と分類を行った。また、空腹時に血液を採取し、Metabolon社(ノースカロライナ州ダーラム)で超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)および高解像度質量分析計を用い血漿を分析した。 潜在的交絡因子を調整した主成分分析と多変量回帰分析により、AMD患者と対照者のメタボロームプロファイルの違いを評価するとともに、生物学的解釈に関し、MetaboAnalystを用いた重要な代謝物のパスウェイエンリッチメント解析を行った。 主要アウトカムは、血漿中代謝物濃度のAMD患者と対照者との比較、ならびにAMDのステージ分類別の比較であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、AMD患者90例(初期AMD 30例、中期AMD 30例、後期AMD 30例)と、対照30例であった。・UPLCおよび質量分析により、878個の生化学物質が確認された。・多変量ロジスティック回帰分析の結果、AMD患者と対照者の間で血漿中濃度に有意差を認めた87個の代謝物を同定した。・これら代謝物の多く(87個のうち72個、82.8%)は、重要な代謝物であり、脂質経路に属するものであった。・代謝物87個のうち48個(55.2%)は、AMDの各ステージ間でも有意に異なっていた。・これらの代謝物に関してとくに重要な経路として、グリセロリン脂質経路が同定された(p=4.7×10-9)。

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センチネルリンパ節転移乳がんへのALND、支持されず/JAMA

 T1/T2の原発浸潤性乳がんで、腋窩リンパ節腫脹なし、1~2個のセンチネルリンパ節転移を認める女性において、センチネルリンパ節郭清のみを受けた群は、腋窩リンパ節郭清群に対して、10年全生存率が非劣性であった。米国・シダーズ・サイナイ医療センターのArmando E. Giuliano氏らが、第III相無作為化試験「American College of Surgeons Oncology Group Z0011(ACOSOG Z0011)」の長期フォローアップの結果を報告した。ACOSOG Z0011の最初の結果は、2005年に追跡期間中央値6.3年時点で報告されているが、被験者の大部分がエストロゲン受容体陽性で長期的な再発が懸念されることから、フォローアップの延長が行われた。JAMA誌2017年9月12日号掲載の報告。センチネルリンパ節郭清のみ vs.腋窩リンパ節郭清を長期にわたり追跡 ACOSOG Z0011は、115施設(大学または地域の医療センター)で1999年5月~2004年12月に患者を登録し、センチネルリンパ節転移を有する患者において、乳房温存およびセンチネルリンパ節郭清(SLND)のみを受けた群が、腋窩リンパ節郭清(ALND)を受けた群に対して非劣性であるかを検討した。 研究グループは、10年全生存率の非劣性を調べるため、2015年9月29日時点のフォローアップデータを解析した。適格患者は、clinical T1またはT2浸潤性乳がんで、腋窩リンパ節腫脹なし、1~2個のセンチネルリンパ節転移を認める女性であった。全患者とも乳腺腫瘤摘出と術後の接線全乳房照射およびアジュバント療法が予定されていた。 主要アウトカムは全生存率(OS)で、ハザード比(HR)の非劣性のマージンは1.3であった。10年OSは86.3% vs.83.6%、10年無病生存率、10年領域再発率も有意差なし 891例(年齢中央値55歳)が無作為化を受け(SLNDのみ群446例、ALND群445例)、試験を完遂したのは856例(96%)であった。 追跡期間中央値9.3年(四分位範囲:6.93~10.34)において、10年OSは、SLNDのみ群86.3%、ALND群83.6%であった(HR:0.85[片側95%信頼区間[CI]:0~1.16]、非劣性のp=0.02)。また10年無病生存率は、SLNDのみ群80.2%、ALND群78.2%であった(HR:0.85[95%CI:0.62~1.17]、p=0.32)。 5~10年の間に、領域再発がSLNDのみ群で報告されたが1例であった(ALND群なし)。10年領域再発率について、2群間で有意な差はなかった。 著者は、「10年アウトカムをベースとする集団において、腋窩リンパ節郭清をルーチン行うことは支持されない所見が示された」とまとめている。

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第10回 査定・返戻を日々の診療に活かす2つのポイント【医師が知っておきたいレセプトの話】

これまでは、レセプトの概要やルールについて一緒に確認してきました。今回は査定、返戻を日々の診療に活かす2つのポイントについて確認していきましょう。自身の診療を見つめ直すチャンス第4回で確認したとおり、レセプトは標準的なルールに基づいた、コンピュータによるチェックに続いて、同業者である医師が担当する審査員による審査が行われます。都道府県別の特色はあるものの、その審査は標準的な診療基準に基づいて実施されています。患者さんによっては病状が重かったり、複雑であったりと標準的でない診療が必要になることもあり、査定や返戻の対象となることはある程度仕方のないことかもしれません。しかし、定期的に対象となっている場合は、先生方が現在の標準的な診療基準と異なった診察を行っている可能性を否定できません。査定や返戻は心情的には不本意だと思いますが、一度この機会をご自身の診療作法をアップデートする良いチャンスと考えてみてはいかがでしょうか? 先生方はお忙しく、日常の中で「学ぶ」機会が少なくなっている方も、少なからずおられると思います。だからこそ、査定や返戻の機会を通じて、検査の回数や処方内容などをガイドラインで見直したり、薬の処方回数や禁忌などは添付文書で確認したりするなど、そのときにご自身で振り返る機会を設けて、効率的にアップデートされることをお勧めします。多職種とのコミュニケーションのチャンス査定、返戻に関しては、医事部門の職員から先生方に情報がもたらされることが多いと思います。彼らは日常的にレセプトに関わり、査定や返戻に関しても多くの情報を握っているといっても過言ではありません。普段、先生方から医事部門の職員に対してコミュニケーションを取りにいくことは、そう多くないと思います。実は、医事部門だけでなく、多くの事務職員は、先生方から話しかけられたり、頼りにされていると感じたりすることで非常にモチベーションが上がるものです。査定や返戻が発生した際には、これを良い機会と捉え、彼らとコミュニケーションを取り、情報を共有し、レセプトの対策を一緒に立ててみてはいかがでしょうか? 事務職員のモチベーションがグッと上がること間違いなしです。また、薬剤の情報であれば薬剤師、検査の情報であれば臨床検査技師、医療機器や診療材料の情報は購買部門やME(臨床工学技士)の方々のほうが、最新かつ詳細な情報を持っているはずです。査定や返戻で感じた疑問が解消できるだけでなく、院内のさまざまな職種の方とコミュニケーションを取ることができる良い機会ともいえます。医師から積極的に他職種と接する時間をつくることで、院内コミュニケーションはどんどんと活発になっていくのです。来年、平成30年は2年に1度行われる診療報酬の改定が控えており、今改定は医療計画、介護報酬改定の同時改定となっています。今回の改定では、非常に大きな荒波がやってくるといわれています。定期的に他職種の方々とコミュニケーションを取ることで、チームの力を結集し、来るべき大きな荒波を乗り切っていきましょう。

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セリチニブ、ALK陽性肺がん1次治療に国内適応拡大

 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場一成)は2017年9月22日、セリチニブ(商品名:ジカディア)について、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表。 今回の承認は、多施設共同無作為化オープンラベル国際第III相臨床試験(A2301試験)の結果に基づいている。化学療法歴のないALK陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC患者376例(うち日本人患者12例)を対象としたこの試験では、主要評価項目である独立中央画像評価機関の判定に基づく無増悪生存期間(中央値)は、セリチニブ群で16.6カ月(95%CI:12.6~27.2)であったのに対し、化学療法群では8.1カ月(95%CI:5.8~11.1)であり、化学療法と比べてセリチニブ群において有意な延長が認められた(HR=0.55、95%CI:0.42~0.73、p<0.0001)。 さらに、測定可能な脳転移を有する患者における頭蓋内病変の奏効率は、セリチニブ群で72.7%(95%CI:49.8~89.3)であったのに対し、化学療法群では27.3%(95%CI:10.7~50.2)であり、脳転移に対する効果も認められた。 A2301試験における主な副作用は、下痢、悪心、ALT(GPT)上昇、嘔吐、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇などで、安全性のプロファイルにおいて、新たなリスクは特定されなかった。 なお、セリチニブのコンパニオン診断薬として、ロシュ・ダイアグノスティックス社の体外診断用医薬品ベンタナ OptiView ALK(D5F3)が、2017年8月に承認されている。■参考ノバルティスファーマ株式会社ニュースリリースA2301試験(Clinical Trials.gov)■関連記事セリチニブALK陽性肺がんの1次治療に適応拡大:FDA

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不眠症への指圧効果

 不眠症に対する低コストの代替治療法としての可能性を有する「自分自身による指圧」。中国・香港理工大学のWing-Fai Yeung氏らは、不眠症緩和を目的とした「自分自身による指圧」の短期的効果を評価するため、パイロット無作為化比較試験を行った。Journal of sleep research誌オンライン版2017年9月8日号の報告。 対象は、不眠症患者31例(平均年齢53.2歳、女性77.4%)。対象者は、「自分自身による指圧」(指圧群)または睡眠衛生教育(比較群)のいずれかのレッスンを受講するようランダム化された。指圧群の15例は、4週間毎日、自分自身で指圧をするよう指示された。比較群の16例は、睡眠衛生教育に従うよう指示された。主要アウトカムは、不眠重症度指数(ISI)とした。また、睡眠日誌、HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)、SF-6D(Short-form Six-Dimension)についても評価した。 主な結果は以下のとおり。・8週目において、指圧群は比較群よりも、ISIスコアが有意に低かった(エフェクトサイズ:0.56、p=0.03)。・しかし、この有意差は、Bonferroni法で調整後、統計学的に有意なレベルに達しなかった。・副次的アウトカムに関しては、睡眠日誌に基づいた睡眠潜時および中途覚醒において中程度の群間エフェクトサイズの差が認められたが、統計学的に有意ではなかった。・指圧群のアドヒアランスは良好であり、92.3%の患者は、レッスン終了後も8週目まで指圧を実践していた。 著者らは「短期トレーニングによる[自分自身による指圧]は、不眠症を改善するために実現可能なアプローチの可能性がある。この効果は、より検出力のある試験で確認する必要がある」としている。■関連記事不眠症になりやすい食事の傾向音楽療法が不眠症に有用睡眠不足だと認知症になりやすいのか

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迅速分子検査法、超多剤耐性結核菌を検出可能か/NEJM

 試薬カートリッジを用いて喀痰検体から直接、薬剤耐性結核菌の同定が可能な自動分子検査法について、研究開発中の試薬カートリッジを臨床評価した結果、イソニアジド、フルオロキノロン系薬、アミノグリコシド系薬への耐性と関連する結核菌の変異を、正確に検出可能であることが確認された。米国・国立アレルギー・感染症研究所のYingda L. Xie氏らが、NEJM誌2017年9月14日号で報告した。同検査法については、試薬カートリッジXpert MTB/RIFと解析器GeneXpertを用いたシステムが、2時間で結核菌群およびリファンピシン耐性遺伝子を検出可能であり、世界中の結核プログラムで使用されている。一方、フルオロキノロン系薬と注射二次薬は、多剤耐性結核の治療の柱であるが、これらに耐性を示す場合は超多剤耐性結核と定義される。開発中の試薬カートリッジは、そうした患者の迅速な検出や、リファンピシン耐性患者の適切な抗菌薬選択に有用なものと期待されていた。表現型薬剤感受性試験、DNAシーケンスと比較検証 研究グループは、中国の鄭州と韓国のソウルで結核症状を呈する成人を登録し、開発中の試薬カートリッジ(GeneXpertで分析)アッセイと、表現型薬剤感受性試験およびDNAシーケンスを比較する、前向き診断精度研究を行った。 各参加者の喀痰検体を用いて、まず、ダイレクトに開発中アッセイおよびXpert MTB/RIFアッセイを行い、さらに、喀痰検体を前処理後に塗抹法、液体培養、固体培養を行った。結核菌分離株を用いて、表現型薬剤感受性試験と、katG、gyrA、gyrB、rrsの各遺伝子と、eis、inhAのプロモーター領域のDNA塩基配列決定を行った。迅速ポイントオブケア検査としての将来性は十分 2014年6月~2015年6月に、総計405例が登録され、401例が試験適格基準を満たした。このうち、結核菌培養陽性であった308例が、主要解析集団に包含された。 308例において、表現型薬剤感受性試験を参照基準とした場合、開発中アッセイの表現型耐性検出の感度は、イソニアジドが83.3%(95%信頼区間[CI]:77.1~88.5)、オフロキサシンは88.4%(95%CI:80.2~94.1)、モキシフロキサシン(限界濃度0.5μg/mL)87.6%(95%CI:79.0~93.7)、モキシフロキサシン(限界濃度2.0μg/mL)は96.2%(95%CI:87.0~99.5)、カナマイシン71.4%(95%CI:56.7~83.4)、アミカシン70.7%(95%CI:54.5~83.9)であった。 また、表現型耐性検出の特異度は、モキシフロキサシン(限界濃度2.0μg/mL)については84.0%(95%CI:78.9~88.3)であったが、それ以外のすべての薬剤については94.3%以上であった。 DNA塩基配列決定を参照基準とした場合、開発中アッセイの耐性関連変異検出感度は、イソニアジド98.1%(95%CI:94.4~99.6)、フルオロキノロン系薬が95.8%(95%CI:89.6~98.8)、カナマイシン92.7%(95%CI:80.1~98.5)、アミカシンは96.8%(95%CI:83.3~99.9)であった。特異度はすべての薬剤について99.6%(95%CI:97.9~100)以上であった。 今回の結果を踏まえて著者は、「開発中のアッセイは、結核患者の治療決定をガイドするための、迅速ポイントオブケア検査としての将来性が確信される」とまとめている。

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米国で経鼻弱毒生インフルエンザワクチンが非推奨へ変更された理由(解説:小金丸博氏)-739

 米国では2003年より、経鼻タイプの弱毒生インフルエンザワクチンが導入された。経鼻弱毒生ワクチンは一般的な不活化ワクチンと比べて予防効果が高いとされ、とくに小児領域で高い評価を受けてきた。日本でも2016年に承認申請が出され、国内での流通開始が待ち望まれていたワクチンだったが、米国予防接種諮問委員会(ACIP)は一転「2016-17年シーズンの弱毒生インフルエンザワクチンの接種を推奨しない」と勧告した。本論文を読むことで、経鼻弱毒生ワクチンが非推奨へ変わった理由を知ることができる。 本研究は、米国における2015-16年シーズンのインフルエンザワクチンの有効性をtest-negative designを用いて評価した症例対照研究である。急性呼吸器疾患で受診した生後6ヵ月以上の患者を対象とし、鼻咽頭スワブ検体のRT-PCR陽性をもって確定診断とした。その結果、あらゆるインフルエンザ疾患に対するインフルエンザワクチンの効果は48%(95%信頼区間:41~55、p<0.001)だった。2~17歳の小児における効果をワクチンのタイプ別にみてみると、不活化ワクチンの効果は60%だったが、弱毒生ワクチンは5%と効果を確認できなかった。とくに、インフルエンザA(H1N1)pdm09に対して弱毒生ワクチンは予防効果を示さなかった。 本試験で用いられたtest-negative designは、診断陰性例を対照(コントロール)としてワクチン効果を判定する方法である。毎年、各国から報告されるインフルエンザワクチンの効果判定の多くはtest-negative designを用いて行われており、世界的には広く浸透している手法である。 2013-14年シーズンから弱毒生インフルエンザワクチンの効果が落ちていることが報告されはじめた。その傾向が2014-15年シーズン、2015-16年シーズンと続き、米国では経鼻弱毒生インフルエンザワクチンが推奨から外れることにつながった。日本での導入にも少なからず影響が出ると思われる。これらのシーズンでは不活化ワクチンは有効性を示しており、ワクチン株と流行株が不一致だったわけではない。弱毒生ワクチンの効果が低くなってしまった理由として、ワクチン株の耐熱性やワクチンに含まれるウイルス間の干渉などが指摘されているが、明確な理由は判明しておらず、今後の原因究明を期待したい。

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epacadostat・ペムブロリズマブ併用で進行性メラノーマのPFSが12ヵ月に(ECHO-202試験)/ESMO2017

 2017年9月9日Incyte CorporationとMerck & Co., Inc.,は、スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)における、選択的IDO1阻害薬epacadostatと、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の進行性悪性黒色腫に対する併用療法を検討する第I/II相臨床試験ECHO-202(KEYNOTE-037)の最新データを発表した。 未治療および治療歴のあるすべての進行性悪性黒色腫患者のうち、epacadostatおよびペムブロリズマブによる併用療法を受けた患者の奏効率は56%(63例中35例)、CRは9例(14%)、PRは26例(41%)であった。SDは10例(16%)で、病勢コントロール率は71%(63例中45例)であった。無増悪生存期間(PFS)中央値は12.4ヵ月、6ヵ月PFS率は65%、12ヵ月PFS率は52%、18ヵ月PFS率は49%であった。奏効が認められた35例のうち、30例が解析時に奏効を持続しており、奏効期間中央値は45週(1〜121週)であった。■参考MERCK(米国本社)プレスリリースECHO-202/KEYNOTE-037試験(Clinical Trials.gov)

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認知症になりにくい性格は

 「誠実さ」が認知症に対して保護的に働くことが、複数の研究で示唆されている。米国・フロリダ州立大学のA. R. Sutin氏らは、「誠実さ」の特定の因子が認知機能障害に対し最も保護的であるか、これらの関連が患者背景的因子や遺伝的リスクにより緩和されるかについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年9月6日号の報告。 Health and Retirement Studyより、「誠実さ」の因子測定を完了しており、ベースライン時の評価で正常な範囲の認知機能を有している、最大6年間のフォローアップ期間中に1回以上の認知機能測定を実施した1万1,181例を、分析のために抽出した。認知症発症リスクおよび認知症でない認知機能障害(CIND:cognitive impairment not dementia)発症リスクの分析には、Cox回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中における、認知症発症は278例、CIND発症は2,186例であった。・認知症リスクと最も強く、最も一貫した関連が認められたのは「責任感」であり、認知症リスクの約35%減少が認められた。「自制心」、「勤勉さ」も保護的な因子であった。・この関連は、臨床的、行動的、遺伝的リスク因子でコントロールした際、一般的に類似していた。・「責任感」、「自制心」、「勤勉さ」は、CINDリスク減少の独立した予測因子でもあった。 著者らは「責任感のある人、自分の行動をコントロールできる人、ハードワークな人では、CINDや認知症を発症する可能性が低く、臨床的、行動的、遺伝的リスク因子で調整後も、これらの関連に変化はないことが示唆された」としている。■関連記事認知症になりやすい職業はスマホ依存症になりやすい性格タイプ統合失調症患者の性格で予後を予測

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閉経後ホルモン補充療法、長期死亡への影響は?/JAMA

 閉経後女性に対するホルモン補充療法の、長期死亡への影響は認められないことが報告された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJoAnn E. Manson氏らが、1990年代に行われた2つの閉経後ホルモン補充療法に関する無作為化試験(Women's Health Initiative Estrogen Plus Progestin and Estrogen-Alone Trials)の参加者を18年間追跡した結果で、全死因死亡、心血管疾患死、がん死いずれにおいても関連性は認められなかった。これまでに同試験から健康アウトカムの解析は報告されているが、概して全死因および疾患特異的死亡に注視した論文はなかったという。JAMA誌2017年9月12日号掲載の報告。CEE+MPA vs.プラセボ、CEE単独 vs.プラセボを解析 研究グループは、ホルモン補充療法試験の介入中および介入後の長期フォローアップ中における、全死亡および原因別死亡の累積発生率を調べた。 1993~1998年に、米国居住の民族的に多様な50~79歳の閉経後女性2万7,347例が2つの無作為化試験に登録され、2014年12月31日まで観察フォローアップを受けた。被験者は、結合型エストロゲン製剤(CEE)0.625mg/日+酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)2.5mg/日 vs.プラセボを受ける介入を、またはCEE単独 vs.プラセボを受ける介入を受けた。前者のCEE+MPA vs.プラセボ試験(8,506例 vs.8,102例)の介入期間は中央値5.6年、後者のCEE単独 vs.プラセボ試験(5,310例 vs.5,429例)は同7.2年であった。 研究グループは、2つの試験のプールデータおよび各試験データにおける、全死因死亡(主要アウトカム)、原因別死亡(心血管疾患死、がん死、その他主要な死因によるもの)を調べ、事前に規定した、無作為時の年齢をベースにした10歳階級群別で解析を行った。介入中および18年累積の全死因および原因別死亡ともプラセボ群と有意差なし 無作為化を受けた2万7,347例のベースライン時の平均年齢(SD)は63.4歳(7.2)、白人80.6%であった。死亡に関するフォローアップデータは、98%超で入手できた。 累積18年のフォローアップ中における死亡は7,489例であった(介入試験中1,088例、介入後フォローアップ中6,401例)。 全プールコホートの解析で、全死因死亡率はホルモン補充療法群27.1%、プラセボ群27.6%であった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.94~1.03)。CEE+MPAのプラセボに対するHRは1.02(95%CI:0.96~1.08)、CEE単独の同HRは0.94 (同:0.88~1.01)であった。 心血管疾患死のプール解析では、ホルモン補充療法群(8.9%) vs.プラセボ群(9.0%)のHRは1.00(95%CI:0.92~1.08)、また全がん死のプール解析では、ホルモン補充療法群(8.2%) vs.プラセボ群(8.0%)のHRは1.03(95%CI:0.95~1.12)、その他の主要な死因による死亡のプール解析では、ホルモン補充療法群(10.0%) vs.プラセボ群(10.7%)のHRは0.95(95%CI:0.88~1.02)であった。 全プールコホートにおいて、10歳階級群別の分析に基づき若い年齢(50~59歳)群と高齢(70~79歳)群を比較した結果、全死因死亡の名目HR比は、介入期間中が0.61(95%CI:0.43~0.87)、累積18年のフォローアップ中は0.87(95%CI:0.76~1.00)であった(試験間の有意な不均一性なし)。

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