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統合失調症患者のワーキングメモリ改善のために

 口頭による指示に従う能力は、日々の機能において重要であるが、統合失調症患者ではほとんど研究されていない。最近の研究によると、行動ベースのプロセスは、主にワーキングメモリに依存する指示に従う能力を促進する可能性が示唆されている。中国・Castle Peak HospitalのSimon S. Y. Lui氏らは、統合失調症患者が指示に従うことで行動ベースの利点を得るかを検証した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年5月22日号の報告。 臨床的に安定した統合失調症患者48例と背景およびIQの一致した対照群48例を対象に、さまざまなエンコードとリコール条件を伴う口頭による指示のスパン課題を実施した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、口頭による指示に従う能力が全体的に損なわれていたが、これはワーキングメモリの障害に起因する可能性が示唆された。・さらに重要な点として、統合失調症患者は、エンコードと修正ステージの両方において、対照群と同程度の行動ベースの利点を示した。・具体的には、対照群と統合失調症患者の両方において、行動を追加的に行うことで記憶能力が改善され、エンコードステージで単に口頭による指示を聞いていたほうと比較し、行動を実行した対象者で観察された。・修正ステージでは、口頭による指示の繰り返しと比較して、身体的な演習で指示を思い出すと記憶が改善された。 著者らは「本研究は、統合失調症患者における指示に従う能力の障害に関する初めての経験的なエビデンスである。エンコードおよび修正ステージで行動ベースのプロセスを行うことは、指示の記憶を容易にし、ワーキングメモリに利点を示すことが、統合失調症患者においても証明された。これらの知見は、統合失調症患者のための臨床的介入および認知機能の改善に有用な情報である」としている。■関連記事統合失調症の認知機能に関連する独立因子:産業医大安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか統合失調症の社会参加に影響する症状は何か

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高力価スタチンで糖尿病発症リスク2.6倍

 脂質降下薬が糖尿病発症に関連するかどうか調べるために、日本大学薬学部の大場 延浩氏らが、脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。BMJ open誌2017年6月30日号に掲載。 本研究は、大企業の日本人従業員とその扶養家族のうち、健康診断の臨床検査データから2005年1月1日~2011年3月31日に脂質異常症を発症した20~74歳が対象。脂質異常症の基準に当てはまった最初の日をindex dateと定義した。脂質降下薬を服用していた場合、またはindex date前6ヵ月間に糖尿病の診断や治療、糖尿病を示唆する検査結果(ヘモグロビンA1c≧6.5%もしくは空腹時血糖≧126mg/dL)が示されていた人は除外した。主要アウトカムは糖尿病の新規発症とした。 主な結果は以下のとおり。・脂質異常症6万8,620例が同定された。・平均追跡期間1.96年の間に、3,674例が脂質降下薬による治療を開始していた(低力価スタチン979例、高力価スタチン2,208例、フィブラート系薬487例)。・脂質降下薬の新規使用例3,674例のうち3,621例では、使用前にどの脂質降下薬も使用していない期間があった。・糖尿病の新規発症率は、スタチン非使用例の22.6例/1,000人年に対し、スタチン使用例では124.6例/1,000人年であった。・Cox比例ハザードモデルによる、交絡因子(健康診断での臨床データを含む)調整後のハザード比は、低力価スタチンで1.91(95%CI:1.38~2.64)、高力価スタチンで2.61(同:2.11~3.23)であった。

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BRCA1変異女性の乳がんリスク、80歳で72%/JAMA

 BRCA1またはBRCA2遺伝子変異の保因状況は、乳がん、卵巣がん、対側乳がんのリスクを予測し、リスク評価では家族歴および変異位置が重要となる可能性があることが、英国・ケンブリッジ大学のKaroline B. Kuchenbaecker氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年6月20日号に掲載された。これまでに行われた後ろ向き研究では、BRCA1変異保因女性が70歳までに乳がんを発症するリスクは40~87%、BRCA2変異保因女性は27~84%であり、卵巣がんのリスクはそれぞれ16~68%、11~30%と報告されている。このような大きなばらつきが生じる原因として、サンプリング法、対象集団や遺伝子変異の特性、分析法の違いなどが挙げられ、後ろ向き研究におけるバイアスの可能性が指摘されており、これらの問題を回避する前向き研究の実施が望まれてきた。変異保因者のリスクを前向きコホート研究で検証 研究グループは、BRCA1/BRCA2変異保因者における乳がん、卵巣がん、対側乳がんの年齢別のリスクを予測し、家族歴や変異位置のリスクへの影響を評価する前向きコホート研究を行った(英国がん研究所などの助成による)。 対象は、3つのコンソーシアム(International BRCA1/2 Carrier Cohort Study[IBCCS]、Breast Cancer Family Registry[BCFR]、Kathleen Cuningham Foundation Consortium for Research into Familial Breast Cancer[kConFab])の参加者(1997~2011年)から選出したBRCA1変異陽性女性6,036例、BRCA2変異陽性女性3,820例であった。 ベースライン時に、4,810例が乳がん、卵巣がんまたは双方に罹患しており、5,046例は罹患していなかった。フォローアップは2013年12月に終了し、フォローアップ期間中央値は5年だった。乳がん、卵巣がん、対側乳がんの年間発生率、標準化罹患比(SIR)、累積リスクの評価を行った。個別カウンセリングに家族歴と変異位置を含めるべき 乳がんの解析の対象となった女性は3,886例(年齢中央値:38歳、IQR:30~46歳)、卵巣がんは5,066例(38歳、31~47歳)、対側乳がんは2,213例(47歳、40~55歳)であった。フォローアップ期間中に、426例が乳がん、109例が卵巣がん、245例が対側乳がんと診断された。 80歳時の累積乳がんリスクは、BRCA1変異保因者が72%(95%信頼区間[CI]:65~79)、BRCA2変異保因者は69%(95%CI:61~77)であった。乳がん罹患率は、BRCA1変異保因者では30~40歳までに、BRCA2変異保因者では40~50歳までに急速に上昇し、いずれの保因者もその後80歳まで一定の割合(20~30/1,000人年)で徐々に増加し続けた。 80歳時の累積卵巣がんリスクは、BRCA1変異保因者が44%(95%CI:36~53)、BRCA2変異保因者は17%(95%CI:11~25)であった。 乳がん診断後20年時の累積対側乳がんリスクは、BRCA1変異保因者が40%(95%CI:35~45)と、BRCA2変異保因者の26%(95%CI:20~33)と比較して有意に高かった(ハザード比[HR]:0.62、95%CI:0.47~0.82、p=0.001)。 乳がんリスクは、第1~2度近親のBRCA1変異保因者0人に対する2人以上の場合のHRは1.99(95%CI:1.41~2.82、傾向検定:p<0.001)、同様にBRCA2変異のHRは1.91(1.08~3.37、p=0.02)であり、いずれも保因者数が多くなるほど有意に増加した。 また、乳がんリスクは、BRCA1変異では変異の位置がc.2282~c.4071の領域外にある場合に高く(HR:1.46、95%CI:1.11~1.93、p=0.007)、BRCA2変異ではc.2831~c.6401の領域外で高かった(HR:1.93、95%CI:1.36~2.74、p<0.001)。 著者は、「個別の患者のカウンセリングには、家族歴と変異位置を含めるべきと考えられる」としている。

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HER2陰性乳がん術前化学療法後のカペシタビン術後補助療法は生存率を改善する-CREATE-X(JBCRG-04)(解説:矢形 寛 氏)-698

 これは、サン・アントニオ乳がんシンポジウム2015で報告された日韓合同第III相臨床試験の結果が論文化されたものである(サン・アントニオ2015 レポート)。本学会時には、あまり大きな話題として取り上げられなかったように思われる。それは過去のカペシタビン追加の臨床試験でその有効性が示されてこなかったことと、アジア人のみの報告だったからであろうか。今回正式に論文化されたことで、より注目を浴びてくる可能性はある。 そもそも過去の報告とは根本的に異なる試験であり、適格基準が異なる、トリプルネガティブ乳がんの割合が30%と高い、タキサンなどとの同時併用ではなく逐次投与である、カペシタビンの標準投与量が使われ、6から8サイクルと十分量の投与が行われている、といったことが挙げられる。この結果は今までの標準治療を変えるものである。  問題点は2つ挙げられる。1つは、中間解析の結果から早期に試験が終了となったことである。そのため短期に再発し生存率に関わりやすいサブタイプにおける生存率への影響をみている可能性が高く、やや遅れて再発してくるものは十分に評価しきれていないだろう。 もう1つは、今後術前化学療法の適応を再考しなければならないということである。術前から化学療法の適応と考えられる場合には、できるだけ術前化学療法を行って効果を判定しないことには、その後のカペシタビン使用の是非を決定できないことになる。各施設で十分な議論が必要である。 有害事象も多く、かなりの率で減量や中止となっている例がみられる点からも、やみくもに使うというよりは、ある程度適応を考えたほうがよいだろう。サブ解析をみても明らかなように、全般的に治療効果は一定していることから、より予後不良な群に対して使う価値がある。1つの提案として、術前化学療法の効果が低い(かなりの腫瘍が残存している)、リンパ節転移が残存している、もともと増殖の速い高悪性度乳がん (再発も早いだろう)の非pCR(ごく少量のみの残存は除く)では積極的に行ったほうがよいのではないか。■「カペシタビン」関連記事カペシタビンによる術後補助化学療法でHER2陰性乳がんの予後を改善/NEJM

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日本脳炎に気を付けろッ! その1【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。今回は日本脳炎を取り上げたいと思います。「日本脳炎なんて昔の病気でしょうがよ。今さら取り上げる意味なんてないでしょうがよ」と思われた方…それは間違いですッ! 日本脳炎は再興感染症として今も日本、そして世界における脅威として我々の前に立ちはだかっているのですッ!「日本脳炎」とは何だ?なぜ「日本脳炎」は日本という名前が付いているのかッ? まさか日本だけで流行している感染症だと言うのかッ? いえ、そうではなく、これは最初にウイルスが分離されたのが日本だからです。1935年に、脳炎で亡くなった方から日本脳炎ウイルスが分離されています。そして、その後1950年代に日本国内における調査の結果、渡り鳥、コガタアカイエカ、ブタ、そして偶然宿主であるヒトという日本脳炎ウイルスの生活環が明らかとなったのですッ! まず、媒介蚊であるコガタアカイエカについてですが、特徴としては田舎の田んぼ、沼地、水たまりに産卵し、おもに夕方~夜間に刺咬する蚊です。都会に多く、日中に刺咬するヒトスジシマカ(デング熱、ジカウイルス感染症などを媒介)とはこの点で異なります。活動範囲(飛行距離)は、8km程度移動したという報告もありますが、おおむね2km前後とされています。図1は、私が「いらすとや」を駆使して作った「日本脳炎ウイルスの生活環」です。画像を拡大する日本脳炎ウイルスは、おもにブタや渉禽(ツル、サギなど)などの動物をリザーバーとしてサイクルしています。とくに豚舎などがある田舎では、ブタでウイルスが増幅されサイクルしており、人への感染リスクが高いのですッ! ブタ注意ッ! 人は偶然宿主かつ最終宿主であり、人から蚊を介して人に感染することはありません。ですので、デング熱などと異なり、患者が蚊に血を吸われることで流行が広がることはないというわけですね。日本脳炎の流行地域は日本だけではないッ!日本脳炎は日本で最初に分離されたウイルスですが、日本以外でも流行しています。それどころか、東南アジアや南アジアのほうが日本よりも断然多い感染者を出しているのです(図2)。画像を拡大するしたがって、これらの地域への渡航者のうち、長期間渡航する方、田園地帯にもいく予定の方、予定がまったく決まっていない方、などは日本脳炎ワクチンの接種が推奨されています。さて、日本での流行状況についてですが、近年は年間10例未満の報告に留まっております。第2次世界大戦後、日本国内では年間5,000例を超える症例が報告されていましたが、1954年からの日本脳炎ワクチン勧奨接種開始、1976年の平常時臨時接種、1989年の北京株導入などにより1990年代前半には報告数が年間10例未満にまで減っています。1994年には定期接種のワクチンにもなり、国内における日本脳炎対策は順調に進んでいました…しかしッ! 2005年、マウス脳由来の日本脳炎ワクチンとADEM(急性散在性脳脊髄炎)との因果関係が否定できないということで、積極的勧奨の差し控えの通知が出されました。「積極的勧奨の差し控え」と言われても何のことかよくわかりませんが、つまり「絶対打ったほうが良いってわけじゃありません」ということです。これでもわかりにくいですね。まあとにかく、これによって日本脳炎ワクチンの接種率は2005年以降、激下がりしています。当然、日本脳炎に対する免疫を持たない子供たちも増えたことになります。2010年には新しいVero細胞由来ワクチンによる積極的勧奨が再開され、接種率は改善しています。しかし、2005~10年までの間に本来接種すべきであった子供たちが接種できていないという問題があるため、この対策として厚生労働省は平成7年4月2日~平成19年4月1日生まれの人は、20歳未満までの間いつでもワクチン接種をキャッチアップできるという措置を取っています(詳細はこちらをご覧ください)。この「積極的勧奨の差し控え」によって、日本脳炎の症例が増加することが懸念されましたが、幸いなことに報告数の増加は見られず、現在も年間10例未満の報告数となっています。それでは日本脳炎ウイルスは国内からほとんど消えてしまっているのかッ? 日本の日本脳炎ワクチン接種スケジュールはこのままでいいのかッ!? そして、まさかのアフリカで日本脳炎ッ!?次回はその辺のことについてお話したいと思います。1)BUESCHER EL, et al. Am J Trop Med Hyg. 1959;8:719-722.

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問11(その2)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問11 多変量解析とは何か?(その2)質問11(その1)今回は、多変量解析で取り扱うデータや、解析の種類および解析手法名についてご説明していきます。■多変量解析におけるデータ「わからないこと」を解決するための第一歩は、現在手元にあるいろいろなデータを整理・統合することです。データがないときは、アンケート調査や実験を行い、データを収集します。多変量解析はこうして収集されたデータを分析するもので、データがなければどんなに多変量解析が素晴らしくても、何の結論も導くことはできません。また、データがあっても、その内容が悪かったり、測定数が少なかったりすると、正確な結論は導けません。ですから、収集したデータがどんなデータであるかを知っておくことも大切です。データについて知るべきことは2つです。(1)原因となるデータと結果となるデータ(2)データのタイプ以下に詳しくみてみましょう。(1)原因となるデータと結果となるデータデータには原因を表すものと結果を表すものがあることを知っておいてください。表1に前回取り上げた3つのテーマをまとめました。どのデータが原因、結果なのか調べてみましょう。表1 事例のテーマ、原因、結果(2)データのタイプ質問9(その2)でデータタイプについて説明しました。表1で示した解決したいテーマのデータタイプを調べてみます(表2)。表2 事例のデータタイプ■目的変数のある場合・目的変数がない場合の多変量解析取り上げた3つのテーマを再度みてみましょう。テーマ1の例は、結果となる売上額と、原因にあたる広告費や店員数との関係を分析しています。テーマ2の例も同様に、結果となるがんであるかないかという事実と、原因となる問診票の質問項目との関係を分析しています。どちらも「結果」と「原因」との関係を分析し、関係式を作成します。これに対しテーマ3の例では、原因となるテスト成績だけを分析し、結果としてあとから文系能力や理系能力を明らかにしています。多変量解析では「結果」のことを「目的変数(従属変数)」、「原因」のことを「説明変数(独立変数)」といいます。テーマ1と2は「結果データ」と「原因データ」との分析、すなわち目的変数と説明変数との分析なので「目的変数のある場合の多変量解析」といいます。これに対し、テーマ3は「原因データ」についての分析、すなわち説明変数だけの分析なので、「目的変数がない場合の多変量解析」といいます。目的変数のある場合の多変量解析は、「健康診断からがん判別の予測」など、予測に活用されています。目的変数のある場合の多変量解析は、「予測のための多変量解析」とも言われています。これに対し、目的変数がない場合の多変量解析は、一例として「性格アンケートのデータから、外向的性格-内向的性格の軸、陽的性格-陰的性格の軸を見いだし、この軸で人々を得点化して分類」を行う場合に活用されています。目的変数がない場合の多変量解析は、「類似化・分類のための多変量解析」とも言われています。■多変量解析の種類と解析手法名多変量解析にはたくさんの解析手法がありますが、どの手法も「目的変数のある場合の多変量解析」(表3)と「目的変数がない場合の多変量解析」(表4)のどちらかに分類することができます。多変量解析の解析手法はデータのタイプによって決まります。表3 目的変数のある場合の多変量解析(予測するための解析手法)表4 目的変数がない場合の多変量解析(類似化・分類のための解析手法)このように多変量解析の手法はたくさんありますが、本シリーズでは、医学統計で用いることの多い、重回帰分析、ロジスティック回帰分析について解説していきます。次回、質問12では、「重回帰分析」について説明します。今回のポイント1)多変量解析では「結果」のことを目的変数(従属変数)、「原因」のことを説明変数(独立変数)という!2)「結果データ」と「原因データ」との分析、すなわち目的変数と説明変数との分析は「目的変数のある場合の多変量解析」(予測のための多変量解析)という!3)説明変数だけの分析は、「目的変数がない場合の多変量解析」(類似化・分類のための多変量解析)という!4)多変量解析の解析手法はデータのタイプによって決まる!インデックスページへ戻る

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お酒はうつ病リスク増加にも関連

 うつ病の発症率に対するリスクファクターの変化による影響を調査した研究はほとんどない。カナダ・マギル大学のXiangfei Meng氏らは、大規模縦断的集団ベース研究におけるうつ病の心理社会的リスクファクターおよびうつ病発症に対するリスクファクター改善による影響を定量化するため検討を行った。BMJ open誌2017年6月10日号の報告。 Montreal Longitudinal Catchment Area studyからのデータを使用した(2,433例)。相対リスク(RR)の推定には、多変量ポアソン回帰を用いた。うつ病発症に対するリスクファクター改善による潜在的な影響を推定するため、人口寄与割合(Population attributable fraction)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・うつ病の累積発症率は、2年間のフォローアップで4.8%、4年間のフォローアップで6.6%であった。・うつ病発症リスクの上昇と関連していたのは、より若い年齢、女性、未亡人、別居または離婚、白人、貧困、時々の飲酒、精神保健問題の家族歴、教育の不足、失業率の高い地域および白人以外の率が高い地域での居住、より文化的なコミュニティセンターやコミュニティ組織であった。・2年間のフォローアップ時、時々の飲酒(対禁酒)に起因する可能性があったうつ病発症は5.1%のみであったが、4年間のフォローアップ時には倍増した。・集団における飲酒率を10%低下させると、半分は発症を予防できる可能性があることが示唆された。 著者らは「個人および社会の両方で改善可能なリスクファクターは、公的うつ病予防プログラムのターゲットとなる可能性がある。これらのプログラムは、男女異なるリスクファクターが特定されているため、性別固有のものでなければならない。個人レベルでの予防に関しては、うつ病の約5~10%が関連する時々の飲酒のより良い管理に焦点を当てることができる。近隣の特性もまた、公的予防プログラムの対象となる可能性があるが、非常に困難かもしれない。これらは、さまざまな予防努力のコスト効果分析により正当化されている」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大うつ病、男女間で異なる特徴とは

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屈曲病変の通過性を向上させた新型DES発売/日本メドトロニック

 日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:トニー セメド)は2017年7月3日、薬剤溶出性ステントResolute Onyx(リゾリュートオニキス)コロナリーステントシステム(医療機器承認番号:22900BZX00186000)が7月1日付で本邦の保険適用となった旨を発表。製品販売開始は、7月10日を予定。Resolute Onyxは既存製品のResolute Integrityと比較して優れた通過性向上が期待できるという。 Resolute Onyxに新しく搭載されたCore Wire Technologyは、金属密度が高く放射線不透過性に優れたコア(プラチナ-イリジウム)をコバルト合金ワイヤーと組み合わせることで、屈曲病変における通過性の改善、優れた血管追従性、視認性の向上を実現させている。また、この技術により、ストラット厚が薄くなると共に、ラジアル強度維持にも成功している。Resolute Integrityより引き継がれたContinuous Sinusoid Technology (連続正弦波形状技術)は、1本のコバルト合金ワイヤーをらせん状に巻きつけることでステントを形成させるメドトロニック独自のステント製造技術で、連続した可動域が実現し、柔軟で優れた血管追従性や良好なステント圧着を可能する。 ステント径は2.25mmから4.0mm、長さは8mmから38mmまでの計52製品がそろい、2.5~2.75mm径のロングサイズ(34mmと38mm)が追加されるなど、豊富なサイズ展開が治療選択肢を広げ、複雑病変治療をサポートする。

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うつ病に対するtDCS療法 vs.薬物療法/NEJM

 うつ病治療として、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct-current stimulation:tDCS)療法の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)エスシタロプラム(商品名:レクサプロ)に対する非劣性は示されず、有害事象はより多かったことが、ブラジル・サンパウロ大学のAndre R. Brunoni氏らによる単施設の二重盲検無作為化非劣性試験の結果、報告された。大うつ病障害治療としての電気刺激療法は、2009年に経頭蓋磁気刺激(TMS)が米国FDAに承認され、さまざまな試験で異なる結果が報告されている。TMSは、けいれんリスクは小さいがコスト高であり、より安価で安全な手法としてtDCSが開発されたが、これまでに同法と薬物療法を直接比較する試験は行われていなかった。NEJM誌2017年6月29日号掲載の報告。tDCS療法 vs.エスシタロプラム vs.プラセボで直接比較 研究グループは、サンパウロ大学関連施設にて2013年10月~2016年7月に、単極性うつ病の成人患者を集めて試験を行った。被験者を3群に3対3対2の割合で無作為に割り付けて、それぞれtDCS療法+プラセボ経口薬(tDCS群)、シャムtDCS療法+エスシタロプラム(エスシタロプラム群)、シャムtDCS療法+プラセボ経口薬(プラセボ群)を投与した。 tDCS療法は、前頭葉前部に2mAの直流電気刺激を1日30分(1セッション)、計22セッション行うというもので、最初の15セッションは週末を除く平日に連続実施し、その後7セッションは週に1回のペースで行った。エスシタロプラムは、10mg/日を3週間投与し、その後は20mg/日の用量で投与した。 主要評価項目は、17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HDRS-17)スコア(範囲0~52:高スコアほどうつ病がより重度であることを示す)の変化とした。測定はベースライン、3週、6週、8週、10週時点で行った。 tDCSのエスシタロプラムに対する非劣性は、スコア低下の差に関する信頼区間(CI)の下限値で判定。同値が、プラセボ群とエスシタロプラム群の差の50%以上の値で示されることとした。tDCSのエスシタロプラムに対する非劣性は示されず 計245例が無作為に割り付けられた(tDCS群94例、エスシタロプラム群91例、プラセボ群60例)。 intention-to-treat解析において、ベースラインから低下したスコアの平均(±SD)点は、tDCS群9.0±7.1点、エスシタロプラム群11.3±6.5点、プラセボ群5.8±7.9点であった。 スコア低下のプラセボ群とエスシタロプラム群の差は-5.5点であった。tDCS群とエスシタロプラム群の差は-2.3点(95%CI:-4.3~-0.4、p=0.69)であり、CI下限値(-4.3)が事前規定の非劣性マージン(-5.5点の50%値:-2.75)よりも低く、tDCSのエスシタロプラムに対する非劣性は示されなかった。 なお、tDCS群とエスシタロプラム群の対プラセボ群の差は、それぞれ3.2点(95%CI:0.7~5.5、p=0.01)、5.5点(同:3.1~7.8、p<0.001)で、いずれもプラセボ群に対する優越性は示された。 有害事象は、皮膚の発赤、耳鳴り、神経過敏の発現率がtDCS群で他の2群よりも高かった。また、tDCS群でのみ躁病の新規発症が2例報告された。エスシタロプラム群では眠気と便秘が他の2群よりも多く認められた。

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パッチ式インフルエンザワクチンは有用か/Lancet

 溶解型マイクロニードルパッチを活用したインフルエンザワクチン接種は、忍容性に優れ確固たる免疫獲得をもたらすことが報告された。米国・エモリー大学のNadine G. Rouphael氏らによる検討で、Lancet誌オンライン版2017年6月27日号で発表された。報告は、従来の注射器に代わる予防接種法の検討として初となる、第I相の無作為化プラセボ対照試験「TIV-MNP 2015」の結果である。パッチ vs.筋注 vs.プラセボ vs.被験者自身がパッチ貼付の4群で検討 TIV-MNP 2015試験は、エモリー大学で2015年6月23日~9月25日に、2014-15インフルエンザワクチン未接種で、あらゆる重大皮膚病を有していない、妊婦を除く18~49歳の免疫適格成人を登録して行われた。 被験者を4群(1対1対1対1の割合)に無作為に割り付け、1群には不活化インフルエンザワクチン(fluvirin:HA含量はH1N1型18μg、H3N2型17μg、B型15μg)の単回投与をマイクロニードルパッチで貼付接種、2群には同ワクチンを筋肉注射で接種、3群にはプラセボをマイクロニードルパッチで貼付接種(1~3群は非盲検の医療従事者により投与)、そして4群は、被験者自身がマイクロニードルパッチを貼付して接種する方法で不活化インフルエンザワクチンを単回投与した。 主要安全性評価項目は、パッチ貼付接種に関連した180日以内の重大有害事象の発生、28日以内のGrade3または自発的に報告された(unsolicited)有害事象の発生、接種当日~7日までに発生した副反応(報告が定められていた注射部位および全身性の反応)であった。また、副次的安全性評価項目として、180日以内の慢性疾患の新規発症、28日以内の自発的報告の有害事象などを評価した。すべての解析は、intention to treat法にて行った。 探索的に免疫原性アウトカムも評価した。評価項目は、28日時点の抗体価、セロコンバージョンおよびセロプロテクションの割合で、赤血球凝集抑制抗体分析にて確認した。被験者自身によるパッチ貼付接種も安全かつ有効 計100例が登録・無作為化を受けた(4群いずれも25例)。処置に関連した重大有害事象、自発的報告によるGrade3以上の有害事象、慢性疾患の新規発症は、いずれもみられなかった。 ワクチン投与群(非盲検の医療従事者によるパッチ貼付または筋注による接種群、被験者自身によるパッチ貼付接種群)において、報告が定められていた有害事象の全発生(各群89例、73例、73例)と、自発的報告の有害事象の発生(18例、12例、14例)は、いずれも同程度であった。 副反応は軽度で一過性のものであり、最も頻度の高い報告は、筋注後の圧痛(15/25例[60%]、95%信頼区間[CI]:39~79)および疼痛(11/25例[44%]、95%CI:24~65)、また、パッチ貼付後の圧痛(33/50例[66%]、95%CI:51~79)、紅斑(20/50例[40%]、95%CI:26~55)、そう痒(41/50例[82%]、95%CI:69~91)であった。 28日時点の幾何平均抗体価(GMT)は、医療従事者によるパッチ接種群と筋注接種群の間で差はみられなかった。H1N1型は1,197(95%CI:855~1,675) vs.997(703~1,415)(p=0.5)、H3N2型は287(192~430) vs.223(160~312)(p=0.4)、B型は126(86~184) vs.94(73~122)(p=0.06)であり、同程度のGMTは被験者自身によるパッチ貼付投与群でもみられた(すべてのp>0.05)。 28日時点のセロコンバージョンの割合は、プラセボ群と比較してすべてのパッチ接種群で有意に高率であり(すべてのp<0.0001)、筋注接種群と同程度であった(すべてのp>0.01)。

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褥瘡(床ずれ)

褥瘡(床ずれ)【皮膚疾患】◆病状主に寝具があたる腰、かかとなどの皮膚が壊死して潰瘍となる疾患です。寝たきりの高齢者に多く、できた傷の深さや色合いなどでさまざまに分類されます。◆原因長時間の同じ姿勢による外力(圧迫やずれなど)による血流障害が原因です。とくに高齢者では、低栄養状態も原因となります。◆治療と予防・状況に応じて外用治療、切開、外科的治療を選択します。・リスクアセスメントを行い、体圧分散マットの使用や家族・介護者による早期発見が重要です。●一言アドバイス褥瘡治療は長期戦です。ご家族も含めて、ケアのチームを作りましょう。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.袋 秀平氏

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マスクをつけると魅力が低下する【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第94回

マスクをつけると魅力が低下する いらすとやより使用 「マスク美人」なんていう言葉があるくらいですから、マスクをつけると基本的には女性は美しく見えると考えられているはずです。しかし、装着しているほうが顔のパーツが見えにくくなり魅力を損なう可能性があるのではという意見もあり、「マスク美人」論争には長らく決着がついていませんでした。 Miyazaki Y, et al.The Sanitary-Mask Effect on Perceived Facial Attractiveness.Japanese Psychological Research. 2016;58:261-272.この論文は、中京大学心理学部心理学科の宮崎由樹助教(当時)と北海道大学大学院文学研究科の河原純一郎特任准教授が共同で、マスクの装着が魅力に与える効果を調べたものです。白いマスクをつけた20~30歳の顔写真(男女合計132人)をコンピュータ画面上に1枚ずつ呈示して、18歳以上の男女合計210人の評価者が画像1枚ごとに外見的魅力・健康さを100点満点で評価しました。その結果、マスクをつけた人物の性別や評価者の性別とは関係なく、マスクをつけている顔のほうがマスクをつけていない顔よりも外見的な魅力が低く評価されたのです。マスク美人、ここに敗れたり!とくにこのマスクによる影響は、もともと魅力の高い顔の場合に強くみられたそうです。つまり、美男美女はマスクをつけるとダメだよ、ということです。マスク美人なんてのはなかったのか…、と思う人もいるかもしれませんが、実際にマスクを装着している人を見ると美男美女に見える効果は、私はあると思っています。これは病院職員という特殊性もあるのかもしれませんが。この論文で完全にマスク美人説が論破されたわけではありません。これからのマスク美人論文の登場を待ちましょう。

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腫瘍溶解ウイルス、ペムブロリズマブとの併用で医師主導治験へ

 オンコリスバイオファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:浦田泰生)は2017年06月27日、国立がん研究センター東病院より腫瘍溶解ウイルス テロメライシン(OBP-301)と他の治療法との併用による効果検討に関する医師主導治験実施申請が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出された旨を発表した。 本試験では、進行性または転移性固形がん患者を対象とし、テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用投与した際の安全性・忍容性などの評価検討を行う。今後は、PMDAによる治験申請受理後、試験実施施設である国立がん研究センター東病院において、投与開始に向けた準備が進められていく予定。本試験は、世界で初めての、テロメライシンと抗PD-1抗体併用の医師主導治験となる。 同社では、これまでの研究で、テロメライシンの腫瘍溶解作用がCTL活性(細胞傷害性T細胞活性)を誘導することによる腫瘍免疫増強効果を検討してきた。また、テロメライシンは、現在米国でメラノーマ第Ⅱ相臨床試験の一例目投与準備が進められているほか、台湾・韓国での肝細胞がん第Ⅰ/Ⅱ相試験では、単剤での最大投与量までの安全性が確認されている。国内では、日本初のテロメライシン企業治験となる放射線併用での食道がん第Ⅰ相臨床試験の一例目投与準備が進められている。■参考オンコリスバイオファーマ株式会社ニュースリリース

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小児ADHDの合併症有病率と治療成績

 ADHDの合併症は広く研究されているが、いくつもの問題点が解決していない。イタリア・IRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのLaura Reale氏らは、新規に診断された未治療の小児の臨床サンプル(ADHDの有無にかかわらず)における併存精神疾患を調査し、合併症のタイプに基づいて治療有効性を比較するため、多施設共同研究を行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年5月19日号の報告。 2011~16年にADHDセンター18施設より登録されたADHDレジストリデータベースを用い、特定した患者の医療記録を分析した。 主な結果は以下のとおり。・ADHDの診断基準を満たした患者は2,861例中1,919例(67%)であった。そのうちADHD単独の患者は650例(34%)、併存精神疾患を有する患者は1,269例(66%)であった(学習障害:56%、睡眠障害:23%、反抗挑発症[ODD]:20%、不安障害:12%)。・複合型で重度の障害(CGI-S:5以上)を有するADHD患者は、併存疾患を呈しやすかった。・724例中382例(53%)は、治療1年後改善が認められた。・合併症を伴うADHDは、併用療法またはメチルフェニデート単独で治療することにより、より大きな改善を示した。・具体的には、併用療法は、学習障害を伴うADHD(ES:0.66)およびODDを伴うADHD(ES:0.98)に対し有意な優位性を示し、睡眠障害または不安障害を伴うADHDでは優位性が低かった。・トレーニング介入のみでは、ADHDおよび学習障害に対し中程度の有効性しか得られなかった(ES:0.50)。 著者らは「本研究は、イタリアにおけるADHDと併存精神疾患との関連を検討した最初の研究であり、複数の臨床現場において、ADHDが複雑な疾患であることが確認された。適正かつ均一なADHDの管理を幅広く行うためには、診断や治療、サービス制度が非常に重要である」としている。■関連記事自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのかADHDに対する集中治療プログラムの効果:久留米大

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皮下膿瘍、切開排膿に抗菌薬併用が有効/NEJM

 5cm以下の単純性皮下膿瘍について、切開排膿単独と比較し、切開排膿にクリンダマイシンまたはトリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP-SMX)を併用することで、短期アウトカムは改善することが示された。米国・シカゴ大学病院のRobert S. Daum氏らが、成人および小児外来患者を対象とした、多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。ただし著者は、「この治療のベネフィットとこれら抗菌薬の既知の副作用プロファイルを、比較検討する必要がある」とまとめている。合併症のない皮下膿瘍はよくみられるが、市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の時代における適切な治療は明らかになっていない。NEJM誌2017年6月29日号掲載の報告。クリンダマイシン vs. TMP-SMX vs.プラセボ、10日間投与の治癒率を評価 研究グループは2009年5月~2015年1月に、6施設にて直径5cm以下の単一の皮下膿瘍を有する成人および小児患者(ただし、6~11ヵ月児は3cm以下、1~8歳児は4cm以下)を登録した。外科的に排膿可能な膿瘍の存在、膿瘍の大きさ、皮膚感染部位の数、非化膿性蜂窩織炎の有無で患者を層別化し、膿瘍の切開排膿後に、ブロックランダム化法によりクリンダマイシン群、TMP-SMX群およびプラセボ群に1対1対1の割合で割り付け、試験薬を10日間投与した。 主要評価項目は、治療終了後7~10日時点での臨床的治癒とした。 登録された患者は計786例で、うち成人505例(64.2%)、小児281例(35.8%)であった。また、男性は448例(57.0%)であった。黄色ブドウ球菌(S. aureus)は527例(67.0%)から、MRSAは388例(49.4%)から分離された。治癒率は、プラセボ69%に対し、抗菌薬で82~83%に改善 治療後10日時点のintention-to-treat集団における治癒率は、クリンダマイシン群83.1%(221/266例)、TMP-SMX群81.7%(215/263例)で、実薬群は類似しており(p=0.73)、いずれもプラセボ群の68.9%(177/257例)より高率であった(両群ともp<0.001)。評価可能集団(試験薬を10日間服用し、治療終了後7~10日時点の評価を完遂した患者)における結果も同様であった。なお、この有益な効果は、黄色ブドウ球菌感染者に限定された。 治癒例における追跡1ヵ月後の新規感染率は、クリンダマイシン群(6.8%:15/221例)が、TMP-SMX群(13.5%:29/215例、p=0.03)またはプラセボ群(12.4%:22/177例、p=0.06)より低かった。 有害事象の発現率は、クリンダマイシン群(21.9%:58/265例)が、TMP-SMX群(11.1%:29/261例)およびプラセボ群(12.5%:32/255例)より高かった。主な有害事象は下痢と悪心で、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症は確認されなかった。重篤な有害事象を8例、過敏反応(発熱、発疹、血小板減少症、肝炎)をTMP-SMX群の1例で認めたが、すべての有害事象は後遺症なく消失した。

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中国人における糖尿病、前症含めると約5割に/JAMA

 先行研究で中国の糖尿病有病率の上昇が示されていたが、同国は今や世界最大の糖尿病蔓延国であることが明らかになった。2013年時点で、中国本土の成人における糖尿病有病率は10.9%、糖尿病前症有病率は35.7%と推定されたという。中国疾病予防管理センターのLumin Wang氏らが、3年ごとに実施している慢性疾患とリスク因子サーベイランス調査(China Chronic Disease and Risk Factors Surveillance study)の2013年の結果を報告したもので、JAMA誌2017年6月27日号で発表した。なお、同調査では、糖尿病および糖尿病前症の推定有病率は、中国の民族によって異なることも明らかにされている。これまで、中国の少数民族の糖尿病有病率を調べた疫学研究はほとんどなかった。約17万例が参加、全員に血液検査とブドウ糖負荷試験を実施し、有病率を分析 研究グループは、2013年の全国的な横断研究に参加した18歳以上の成人17万287例を対象に、参加者全員の空腹時血糖値およびHbA1c値を測定するとともに、経口ブドウ糖負荷試験(2時間値)を実施した。 主要評価項目は、2010年の米国糖尿病学会基準に基づく糖尿病および糖尿病前症(HbA1c 5.7~6.4%、空腹時血糖値100~125mg/dLまたはブドウ糖負荷試験140~199mg/dL)の総計とした。糖尿病治療中の参加者では、HbA1cが7.0%未満を血糖コントロール良好と判定した。また、参加者が1,000例以上の少数民族(チベット族、チワン族、満州族、ウイグル族、回族)について、漢族と比較した。糖尿病総有病率は10.9%、ただしチベット族や回族は漢族より有意に低い 中国の成人人口全体における糖尿病(未診断の糖尿病[空腹時血糖値126mg/dL以上、ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、HbA1c 6.5%以上]を含む総計)の標準化有病率は10.9%(95%信頼区間[CI]:10.4~11.5%)、糖尿病前症は35.7%(95%CI:34.1~37.4%)と推定された。糖尿病と確定診断されていたのは4.0%(95%CI:3.6~4.3%)で、診断結果を認識していた患者は36.5%(95%CI:34.3~38.6%)、治療を受けていた患者は32.2%(95%CI:30.1~34.2%)であった。治療を受けていた患者のうち、49.2%は血糖コントロールが良好であった。 民族別の糖尿病有病率は、チベット族4.3%、回族10.6%、チワン族12.0%、ウイグル族12.2%、満州族15.0%で、漢族の14.7%(95%CI:14.6~14.9%)と比較し満州族を除いていずれも有意に低かった(チベット族、回族、チワン族:p<0.001、ウイグル族:p=0.002)。多変量ロジスティックモデルによる解析の結果、漢族と比較した補正後オッズ比は、チベット族で糖尿病0.42(95%CI:0.35~0.50)、糖尿病前症0.77(95%CI:0.71~0.84)、回族で糖尿病0.73(95%CI:0.63~0.85)、糖尿病前症0.78(95%CI:0.71~0.86)であった。

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DEVOTE 試験の臨床的意義

 2型糖尿病治療、とくにインスリン治療において低血糖管理は重要な問題だ。重症低血糖は心血管イベントリスク増加に関与し、患者さんの心理的負担も大きい。臨床でも、低血糖リスクの低いインスリン製剤を選択することが重要となる。これに関して今後の薬剤選択に影響を与えるデータが先日、ADAで発表された。心血管系リスクの高い2型糖尿病患者を対象にしたDEVOTE試験である。 DEVOTE試験の発表を受け、2017年7月4日都内にて、「インスリン治療の最新動向と今後の展望~第77回米国糖尿病学会の最新報告より~」と題するセミナーが開かれた(主催:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)。演者は、門脇 孝氏 (東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授)。 以下、セミナーの内容を記載する。二重盲検CVOT試験であるDEVOTE 試験 DEVOTE試験は、基礎インスリンのインスリン デグルデクとインスリン グラルギンU100の2製剤を比較した二重盲検CVOT(心血管アウトカム)試験である。インスリン注射の臨床試験はオープンラベルで行われるものが多いが、本試験はバイアルを用いた二重盲検試験だ。この点について、門脇氏は「グラルギンかデグルデクか医療者側もわからない、という点は試験結果を評価するうえでも重要な点だ」とコメントした。 試験対象は、心血管リスクが高い2型糖尿病の成人患者7,637例(デグルデク群3,818例、グラルギン群3,819例)で、1日1回夕食~就寝の間に、デグルデク群またはグラルギン群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。デグルデク群はグラルギン群に対して、MACEで非劣性を示した 主要評価項目として、3-point MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)が設定された。その結果、デグルデクのグラルギンに対する非劣性が検証され(ハザード比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.78~1.06、非劣性のp<0.001)、デグルデクはグラルギンと比較して心血管リスクを増加させないことが示された。 24ヵ月時点での2群の平均HbA1c値に有意差はなく、平均空腹時血糖値は、デグルデク群がグラルギン群よりも有意に低下していた(128±56 vs.136±57mg/dL、p<0.001)。重大な低血糖発現では、デグルデク群が優越性を示した 副次評価項目である重大な低血糖の発現件数に関しては、デグルデク群が優越性を示した(率比:0.60、95%信頼区間[CI]:0.48~0.76、優越性のp<0.001)。さらに、デグルデク群は夜間の重大な低血糖の発現件数を53%有意に低下させた。その他の有害事象の発生については、両群で差はなかった。 今回のDEVOTE試験では、心血管系リスクの高い2型糖尿病患者においてデグルデクが対照薬よりも重大な低血糖リスクが低いことが示された。これはデグルデクの他の臨床試験(BEGIN、SWITCH2)とも一貫性のある結果であった。「低血糖の心配がなければ、もっと積極的に治療する」と考える医師は多い インスリン治療において低血糖管理は重要な問題である。インスリン療法に対する医師の考えを調査した結果によると、「低血糖の心配がなければもっと積極的に治療する」との回答が7割を占めるという。医学的アウトカムも重要だが、低血糖への懸念が払拭され、患者さんのQOLが保たれるという、心理的アウトカムも同時に達成されることは、インスリン治療では重要といえるだろう。 門脇氏は、この点を踏まえ「DEVOTE試験で、デグルデクのMACEに関する非劣性と重大な低血糖リスクの有意な減少が検証されたことは、今後の治療選択においても意義深い結果である」と述べ、講演を終えた。

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前治療歴のあるC型慢性肝炎に対するsofosbuvir、velpatasvir、およびvoxilaprevir療法の検討(解説:中村 郁夫 氏)-697

 本論文は、direct-acting antiviral agents(DAA)を含む治療を受けたことのあるC型慢性肝炎の患者を対象として行った2種類の第III相試験(POLARIS-1、POLARIS-4)の結果の報告である。POLARIS-4では、NS5A阻害薬を含まない治療を受けたことのある、遺伝子型1型、2型、3型のHCV患者を対象とし、sofosbuvir(核酸型ポリメラーゼ阻害薬)・velpatasvir(NS5A阻害薬)・voxilaprevir(プロテアーゼ阻害薬)の3剤併用群とsofosbuvir・velpatasvirの2剤併用群に、無作為に1:1に割り付けたうえで、遺伝子型4型の19例を3剤併用群に加えた。その結果、sustained virologic response(SVR)を達成した率は3剤併用群では98%、2剤併用群では90%であった。 日本においても、前治療無効例に対するDAA併用療法の効果が、薬剤耐性変異との関連性を含めて検討されている。また、本論文で用いられた3剤のうちのsofosbuvir、velpatasvirの2剤にribavirinを加えた併用療法の治験が現在進められている。日本では、有害事象の観点からDAAの2剤併用が主流であったが、現在では、3剤併用療法も用いられ始めている。また、従来のDAA併用療法は、1種類の遺伝子型のHCVに対するものであったが、今後は、本研究でのsofosbuvir・velpatasvir・voxilaprevirの3剤併用療法のように、いわゆる「pangenomic」:複数のHCV遺伝子型に効果のある治療法が日本においても登場する予定であり、その候補のひとつとして、pibrentasvirとglecaprevirの併用療法がある。この観点からも、本研究は興味深いものであると考える。

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救急エコー最速RUSH!

第1回 ショックの鑑別にはエコー! 第2回 ダッシュで“RUSH”をモノにする 第3回 PUMP 第4回 TANK① 第5回 TANK② 第6回 PIPES ショック患者が来たときにどう対応しますか?採血、心電図、X線、CT・・・・。CT室に運んでいるときに患者の容態が悪化・・・そんな経験はありませんか。ショックの原因をベッドサイドでルールイン、ルールアウトできるのがエコーです。そんな救急エコーのプロトコルの中でも、最も早く、最も広範囲をカバーする「RUSH Exam.」。わずか2分でショックの原因検索ができます。このDVDで、RUSHをモノにして、ショックに立ち向かいましょう!第1回 ショックの鑑別にはエコー!ショックは原因によって対応や処置が異なり、とくに素早い診断が重要となります。そこで、エコー!X線よりも、CTよりも早く、確実にショックを鑑別します。今回は、ショックの原因検索にエコーがいかに有用かを解説します。第2回 ダッシュで“RUSH”をモノにする 最速エコーテクニック「RUSH Exam.」の概要について解説します。RUSHの基本は、PUMP、TANK、PIPESの3つのコンポーネントをそれぞれ、3ステップの計9ステップで見ていくことです。まずは、ショック患者が来たとき、どのような手順で、何をどう見ていくのか確認しましょう。第3回 PUMP RUSH Exam.の3つのコンポーネントのうちの1つ「PUMP」を見ていきます。PUMPで見るべきビューとそれぞれの施行ポイント、そしてその所見の取りかたをお教えします。実際のエコー映像もたっぷり。原因がわかったらすぐに処置・治療につなげられるのも、エコーならでは!まずはPUMPをマスターしましょう!第4回 TANK① PUMPに続いて、TANKについてみていきます。TANKのメインは、“FAST”。体腔内に液体貯留がないかどうかの検索を行います。でも、もちろん、ただのFASTではなく、Step Beyond FAST!TANKの見るべきビューとそれぞれの施行ポイント、そしてその所見の取りかたをしっかりとマスターしましょう!第5回 TANK② 今回は前回のTANKの続きです。最後のビューポイント前胸部についてみていきます。前胸部では主に「気胸」を診断、あるいは否定をしていきます。X線での気胸の感度は50%程度、それに対して、超音波では90%以上!それでも、X線を使いますか?さあ、エコーを使いこなして、迅速な診断と治療につなげましょう!第6回 PIPES 最後のコンポーネントPIPESです。PIPESでは、腹部、胸部大動脈瘤、解離とDVT(肺塞栓)について診断、除外をおこないます。見るべきビューは6つ。しっかりとマスターしましょう。これで、RUSH Exam.すべてのコンポーネントが揃いました!さあ、RUSHをモノにして、ショックに立ち向かいましょう!

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