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ナイアシン/laropiprant併用の忍容性に疑問符。導入期間を含めおよそ1万5千例が脱落:HPS2-THRIVE試験

8月26日の「クリニカルトライアル&レジストリ・アップデート I」セッションでは、HPS2-THRIVE試験の安全性中間解析が報告された。今回の発表は主に安全性に関する中間解析報告であり、忍容性に疑問を投げかけるものとなった。オックスフォード大学(英国)のJane Armitage氏が報告した。本試験は、ナイアシンによる動脈硬化性イベント抑制効果を検討する試験である。「LDL-C低下療法+ナイアシン」による心血管系イベント抑制作用は、昨年のAHAで報告された二重盲検試験AIM-HIGH (Atherothrombosis Intervention in Metabolic Syndrome with Low HDL/High Triglycerides and Impact on Global Health Outcomes)で、すでに否定されている。しかしAIM-HIGHの試験規模は登録数3,424例であり、HPS2-THRIVEに比べると小さい。またナイアシンによる顔面潮紅で二重盲検化が破られぬよう、対照群にも低用量のナイアシンを服用させていた。一方、HPS2-THRIVEは、laropiprant(ナイアシンによる顔面潮紅抑制剤)で潮紅抑制を図っているため、プラセボ群はナイアシンを全く服用していない。AIM-HIGHと異なり、純粋な「ナイアシン vs プラセボ」の比較が企図されている。HPS2-THRIVE試験の対象は、心筋梗塞、脳卒中、PVDあるいは冠動脈疾患合併糖尿病例である。ナイアシン/laropiprant(2g/日)群とプラセボ群に無作為化された。HDLコレステロール(HDL-C)を増加させるナイアシンが血管系イベントを抑制させるか、現在も二重盲検法で追跡中である(ただし全例、シンバスタチン 40mg/日(±エゼチミブ 10mg/日)によるLDLコレステロール(LDL-C)低下療法を受けている)。本試験では無作為化前、適格となった38,369例に、導入期間として8週間ナイアシン療法(ナイアシン/laropiprant)を行った。その結果、33.1%にあたる12,696例が脱落(服用中止)していた。うち76.9%(9,762例)は、薬剤が脱落の原因とされた。脱落理由として明らかな症状は、皮膚症状、消化管症状、筋症状などである。上記を経て、最終的に25,673例が無作為化された。42.6%は中国からの登録である。平均年齢は64.4歳、83%が男性だった。78%に冠動脈疾患、32%に脳血管障害、13%に末梢動脈疾患を認め、33%が糖尿病例(重複あり)だった。今回、「中間安全性解析」として報告されたのは、無作為化後平均3.4年間における試験薬服用中止例の割合とその理由である。ナイアシン療法群では、無作為化後さらに、24.0%(3,084例)が新たに脱落していた(15.7%が服用薬関連)。プラセボ群は15.4%である(服用薬関連は7.5%)。群間差の検定なし。ナイアシン療法群で発現率の高かった有害事象は、「皮膚症状」(5.1%)、「消化器症状」(3.6%)、「骨格筋症状」(1.6%)、「糖尿病関連」(0.9%)、「肝障害」(0.7%)である。いずれもプラセボ群よりも高い数値だった。ただし「肝障害」には一過性のものが含まれている。そのため重篤な肝障害に限れば、ナイアシン療法群、プラセボ群とも発現率は0.1%となった。また、ナイアシン療法群では「筋障害」発現率が0.54%と、プラセボ群の0.09%に比べ有意に高かった(リスク比:5.8、95%信頼区間:3.1~10.7)。この「筋障害」の増加は、主として中国人におけるリスク増加の結果だった(ナイアシン療法群:1.13% vs プラセボ群:0.18%)。Armitage氏によれば、2013年には臨床転帰を含む最終報告が行われるという。来年の結果報告が待たれる。関連リンク

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糖尿病例の高リスク病変に対するPCI──、DES時代でもCABGに対する非劣性は証明できず:CARDia試験延長5年間追跡

8月27日の「クリニカルトライアル&レジストリ・アップデート II」セッションにおいて、CARDia(Coronary Artery Revascularisation in Diabetes)試験の延長5年間の追跡成績が報告された。当試験は、糖尿病例の高リスク冠動脈病変に対する予後改善作用を、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)の間で比較した無作為化試験である。当初予定した1年間の追跡で、CABGに対するPCIの非劣性が証明されなかったため追跡期間を延長し(中央値:5.1年間)、今回の報告に至った。しかし、PCI群の約7割が薬物溶出ステント(DES)を用いていたにもかかわらず、CABGに対するPCIの非劣性は確認できなかった。そのため、DES登場前のBARI試験において示唆された「糖尿病例多枝病変ではCABGのほうが良好」との知見を覆すには至らなかった。イースト・アングリア大学(英国)のRoger Hall氏が報告した。CARDia試験の対象は、多枝病変、あるいは左前下行枝に複雑病変を認め、血行再建の適応があった糖尿病510例である。平均年齢は64歳、男性が74%を占めた。糖尿病罹患期間は10年。3枝病変は62%に認めた。これら510例は、CABG群(254例)とPCI群(256例)に無作為に割り付けられた。CABG群では、平均2.9枝に対しバイパスが行われた。グラフトの94%は左内胸動脈だった。一方PCI群では、平均3.6本のステントが留置された。うち69%はDES(シロリムス溶出)であった。第一評価項目は「死亡、初発の心筋梗塞および脳卒中」で、CABGに対するPCIの「非劣性」証明が目的とされた。しかし、結果としてCABGに対するPCIの「非劣性」は認められず、CABG群に比べPCI群では、一次評価項目のハザード比が増加傾向を示した(ハザード比:1.34、95%信頼区間:0.94~1.93)。有意差に至らなかったのは「検出力不足のため」とHall氏は説明している。事実、この症例数でも「十分な検出力を有する」(原著論文)とされた評価項目「一次評価項目+血行再建術再施行」のリスクは、PCI群で有意かつ著明に高かった(ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.14~2.14)。また「非致死的心筋梗塞」リスクも、PCI群で有意に高かった。以上よりHall氏は、「多枝病変を認める糖尿病患者に対する、ルーチンなPCIを支持する明確なエビデンスは得られなかった」と述べた。一方、本試験では前出BARI試験と異なりPCI群における死亡の有意増加は認めなかったため、明らかにPCIが適している病変では考慮してもよいとの考えを示した。関連リンク

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抗凝固療法下の抗血小板療法DAPTよりもクロピドグレル単剤が出血リスクが低い:WOEST試験

心房細動(AF)など、抗凝固療法が必要な患者にステント留置を行う場合、抗血小板療法はアスピリン・クロピドグレル併用(DAPT)よりもクロピドグレル単剤のほうが、心血管系イベントを増加させることなく出血性合併症を有意に抑制することを、WOEST (What is Optimal antiplatelet and anticoagulant therapy in patients with oralanticoagulation and coronary stenting) 試験が明らかにした。この点を検討した初の無作為化試験である。8月28日の「ホットラインIII」セッションにて、聖アントニオ病院(オランダ)のWillem Dewilde氏が報告した。WOEST試験の対象は、抗凝固療法を1年以上継続し、無作為化後すぐに経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が予定されていた18歳以上の563例である。重篤な出血既往例は除外されている。平均年齢は70歳、約8割が男性だった。抗凝固療法を必要とする疾患の70%近くをAFが占めた。また抗凝固薬は7割がワルファリンだった。PCIの内訳は、薬物溶出ステントDES(ベアメタルステント [BMS]との併用含む )が70%弱、BMS単独が30%となっていた。これら563例は抗凝固療法を継続のうえ、DAPT群(284例)とクロピドグレル単剤群(279例)に無作為に割り付けられた。DAPT群ではアスピリン80mg/日+クロピドグレル75mg/日、クロピドグレル単剤群では75mg/日を服用した。抗血小板薬の服用期間は、BMS留置例では最低1ヵ月間(最大でも1年間)、DES留置例では最低1年間とした。その結果、一次評価項目である「1年間の全TIMI出血」は、DAPT群:44.9%に対しクロピドグレル単剤群では19.5%と有意に低値となっていた(ハザード比:0.36、95%信頼区間:0.26~0.50;p

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安定冠動脈疾患に対するFFRガイド下のPCI、薬物療法を上回る予後改善作用:無作為化試験FAME 2

心筋血流予備量比(FFR)を用いて心筋虚血を確認できれば、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の予後改善作用は薬物治療単独を著明かつ有意に上回ることが、無作為化試験FAME 2の結果、明らかになった。8月28日の「ホットライン III」セッションにてOLVクリニック(ベルギー)のBernard De Bruyne氏が報告した。COURAGE試験以来、疑問視されてきた「安定冠動脈疾患に対するPCIの有用性」だが、面目を一新した形だ。FFRは、冠動脈狭窄に起因する心筋虚血の良い指標である。FFRガイドを加えたPCIはすでに、従来の冠動脈造影に基づき行うPCIに比べ、急性虚血性心疾患亜急性期からの虚血性心イベントを有意に抑制することが報告されている(FAME試験)。FAME 2試験に登録されたのは、冠動脈造影所見から薬物溶出ステント(DES)の適応と考えられた安定冠動脈疾患1,220例(1~3枝病変)である。うち、FFR(≦ 0.80)にて心筋虚血が確認された888例が、「薬物治療+PCI」群(PCI群:447例)と「薬物治療」単独群(441例)に無作為に割り付けられた。なお、FFR>0.80の332例は、薬物治療のみで観察した(非虚血薬物治療群)。本試験はPCI群における早期の優位性が明らかになったため、早期中止となった。追跡期間平均値は各群ともおよそ200日だった。まず一次評価項目である「死亡、心筋梗塞、緊急冠血行再建術施行」 だが、PCI群で薬物治療単独群に比べ相対的に68%有意に減少した(ハザード比 [HR]:0.32、95%信頼区間 [CI]:0.19 ~0.53;p

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震災後の心血管系イベント発症、疾患によりタイムコースが異なる:東日本大震災

2011年3月11日、未曾有の大地震と津波がわが国を襲った。東日本大震災の被災地では、医療従事者、消防など関係者は激務の中であっても、詳細な記録を残すことを厭わなかった。その結果、震災・津波という大きなストレス後の、各種疾患の発症パターンは必ずしも一様ではないことが明らかになった。28日の「ホットライン III」セッションにて、東北大学循環器内科教授の下川宏明氏が報告した。これまでも、大地震後の突然死,心筋梗塞や肺炎の発症増加を観察した報告は存在する。しかし、今回下川氏らが企図したのは、「より大規模」、「より長期の経過観察」、「より幅広い心血管系疾患を対象」とする調査である。同氏らは、宮城県医師会とともに、2008年~2011年の2月11日~6月30日(15週間)における疾患発症情報を集めるため、県下12の広域消防本部から救急搬送に関するデータの提供を受けた。調査対象とした疾患は「心血管系全般」とし、「心不全」、「急性冠症候群(ACS)」、「脳卒中」、「心肺停止」が挙げられた。加えて、「肺炎」についても調査した。まず、上記疾患はいずれも、大震災後,著明な発症増加が認められた。下川氏は、今後同様の大ストレス下では、上記疾患全てに、医療従事者は備える必要があると述べた。また肺炎を除き、発症リスクに対し、年齢(75歳以上、75歳未満)、性別(男、女)、居住地(内陸部、海岸部)で有意な差は認められなかった。肺炎発症リスクは、海岸部で有意に増加していた。津波の影響が原因と、下川氏は考察している。興味深いのは、震災後急増したこれら疾患発症率が、正常に戻るパターンである。3つの類型が観察された。すなわち、1)速やかに発症数が低下する(ACS)、2)速やかに発症数が減少するも,余震に反応して再び増加する(脳卒中、心肺停止)、3)発症数増加が遷延し、長期にわたり発症が減少しない(心不全、肺炎)──の3つである。特にACSは震災発生3ヶ月後、震災前3年間の同時期に比べても発症率は著明に低くなっていた。震災によりACS発症が前倒しになった可能性があると、下川氏は指摘している。記者会見において、脳卒中とACSのパターンが異なる理由について質問が出た。同じくアテローム血栓症を基礎にするのであれば、同様の正常化パターンが予測されるためである。これに対し下川氏は、機序については今後の課題であると述べている。当初同氏らは、震災後に脳卒中が増加したのは、ストレスによる昇圧が脳出血を増やしたためだろうと考えていた。しかしデータを解析すると、地震に反応して増加していたのはもっぱら脳梗塞であり、脳出血の増加は認められなかった。ストレスによる凝固能亢進が示唆される。最後に下川氏は、宮城県の医師会、消防本部,そして日本循環器学会に謝意を示し発表を終えた。指定討論者であるルードイッヒ・マキシミリアン・ミュンヘン大学(ドイツ)のGerhard Steinbeck氏は、東日本大震災のようなストレスが心血管系疾患に及ぼす影響が、発生直後の数日間のみならず、数週間、数ヵ月持続する点に大いに注目していた。関連リンク

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心房細動例においてワルファリンを上回るアピキサバンの有用性──、腎機能低下例でも維持される;ARISTOTLEサブ解析

新規Xa阻害薬アピキサバンは心房細動(AF)例において、腎機能の高低にかかわらず「脳卒中・全身性塞栓症」をワルファリンよりも抑制し、ワルファリンと比較した「大出血」リスクは、腎機能が低下するほど減少する可能性が示された。28日の「クリニカルトライアル&レジストリー・アップデートIII」セッションにて、J.W.ゲーテ大学(ドイツ)のStefan H. Hohnloser氏が、大規模試験ARISTOTLEのサブ解析として報告した。ARISTOTLE試験の対象は、脳卒中リスク因子を有する心房細動患者18,201例である。「血清クレアチニン(Cr)値>2.5mg/dL」あるいは「クレアチニン・クリアランス<25mL/分」の腎機能低下例は除外されている。これら18,201例は アピキサバン群(9,120例)とワルファリン群(9,081例)に無作為化され、二重盲検法で追跡された。アピキサバンの用量は5.0mg×2/日を基本としたが、「血清クレアチニン(Cr)値≧1.5mg/dL+他危険因子」などの出血高リスク例では、2.5mg×2/日に減量した。ワルファリン群の目標INRは、一律「2~3」である。今回の解析では、腎機能の高低別にアピキサバンの有効性と安全性が評価された。腎機能の評価には推算糸球体濾過率(eGFR)を用い、「50 (mL/分/1.73m2)以下」、「50~80 (mL/分/1.73m2)」、「80 (mL/分/1.73m2)超」の3群に分けて比較した。まず有効性として、一次評価項目である「脳卒中・全身性塞栓症」リスクを検討した。全例での検討ではワルファリン群に比べ相対的に21%、アピキサバン群で有意な減少が認められたイベントである。その結果、Cockroft-Gault式、CKD-EPI式、シスタチンCから推算したいずれのeGFRで評価しても、腎機能の高低はアピキサバンによる「脳卒中・全身性塞栓症」作用に有意な影響を及ぼしていなかった。「総死亡」で検討しても同様だった。一方、安全性については、腎機能低下例でアピキサバンがより優れる可能性が示された。Cockroft-Gault式、CKD-EPI式いずれのeGFRで評価しても、アピキサバン群における「大出血」リスクはeGFRが低値となるほど、ワルファリン群に比べ減少する有意な傾向が認められた。そこでCockroft-Gault式、CKD-EPI式で求めた「eGFR」と「大出血リスク」をそれぞれ連続変数としてプロットしてみると、いずれのeGFRも、低下に伴う大出血リスクの増加傾向は、アピキサバン群に比べワルファリン群で有意に大きかった。ただし、シスタチンCから推算したeGFRの高低は、アピキサバン群における大出血リスクに有意な影響を与えなかった。アピキサバン群ではeGFRの高低にかかわらず一貫して、ワルファリン群に比べ有意なリスク減少が観察された。Hohnloser氏は「腎機能の低下したAF例に対し、アピキサバンはワルファリンよりも有効かつ安全かもしれない」と結んだ。関連リンク

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高齢者サブグループにおいて心血管イベント発症リスクが39%減少 JUPITER試験解析結果より

英国アストラゼネカ社は、スペイン・バルセロナで開催された欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)で8月31日(現地時間)、JUPITER(ジュピター)試験の新たな解析結果を発表した。昨年11月に発表されたJUPITER試験は、LDL-Cは正常か低値であるものの、炎症マーカーとして知られる高感度CRPが高値である男女を対象にクレストール(ロスバスタチン)の心血管イベント一次予防効果を検討したもの。その結果、クレストール20mg/日投与群はプラセボ投与群に比べて、心血管イベント発症リスクを44%(p

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アリスキレン、肥満の高血圧患者において利尿剤よりも有意な降圧効果を示す

ノバルティス ファーマ株式会社は、新しいクラスの直接的レニン阻害剤(Direct Renin Inhibitor:DRI)アリスキレン(製品名:米国ではTekturna、それ以外ではRasilez)が、肥満の高血圧患者において、利尿剤ヒドロクロロチアジド(HCT)単独よりも有意に血圧を低下させることが確認されたと発表した。2008年度欧州心臓病学会(ESC: European Society of Cardiology)で発表された事後解析では、アリスキレン300mgを単独で使用した場合、座位収縮期血圧が平均で16.7mmHg低下したということが示された。これに対し、HCTによる座位収縮期血圧の低下は平均で12.2mmHgだった。また、拡張期血圧の低下については、HCTの9.1mmHgに対してアリスキレンは12.3mmHgだった(p

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欧州心臓病学会にて大規模臨床試験「TRANSCEND」発表される

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、欧州心臓病学会(European Society of Cardiology: ESC)において高血圧治療薬ミカルディス(テルミサルタン)のアウトカム試験TRANSCENDの結果が報告され、ミカルディス群はプラセボ群と比較して、心血管イベント高リスク患者での心血管死、心筋梗塞、脳卒中発症リスクの抑制効果が13%高いことが証明されたと発表した。TRANSCEND(Telmisartan Randomised AssessmeNt Study in ACE-iNtolerant subjects with cardiovascular Disease)は、ONTARGET試験に並行して実施された試験で、ACE阻害薬に忍容性の認められない心血管イベント高リスク患者5,926人(40ヵ国)を対象に、ミカルディス群のプラセボ群に対する心血管イベント抑制効果および忍容性を検討したもの。抗血小板薬、スタチンなどの標準的治療が施された上に、ミカルディスまたはプラセボ群ともにRAS抑制薬以外の降圧薬の併用が認められていたことも、試験の特徴として挙げられる。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/08_0902.html

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高リスク糖尿病患者に対する積極的降圧療法の有用性が示される:ADVANCE試験

心血管系高リスクあるいは既往を認める糖尿病患者では、血圧に関わりなくACE阻害薬+利尿薬を用いた降圧により血管系イベントが減少することが、 Lancet誌9月8日号に掲載されたADVANCE試験の結果より明らかになった。本研究は論文掲載に先立ち、欧州心臓病学会(ESC)において報告されている。高リスク糖尿病を対象、血圧は不問本試験の対象は55歳以上の2型糖尿病患者11,140例だが、心血管系イベント既往あるいは心血管系リスクを有する「心血管系高リスク」患者だった。心血管系リスクとされたのは「細小血管症」、「糖尿病性眼症」、「喫煙」、「脂質異常症」、「微量アルブミン尿」、「糖尿病歴10年以上」か「65歳以上」 ──である。試験参加に関し、血圧値は問われなかった。これら11,140例はACE阻害薬ペリンドプリルと利尿薬インダパミドの合剤を服用する「降圧薬群」(5,569例)と「プラセボ群」(5,571群)に無作為割り付けされ、二重盲検法で追跡された。試験開始時の背景因子は、平均年齢66歳、2型糖尿病発症平均年齢が58歳、32%に心血管系イベント既往を認めた。また降圧治療を受けていたのは69%、血圧平均値は145/81mmHgだった。1次評価項目は9%有意に減少4.3年間の平均追跡期間の血圧平均値は、「降圧薬群」で5.6/2.2mmHg有意に低かった。特に収縮期血圧は「降圧薬群」では試験開始6ヵ月後以降135mmHg前後が保たれていたのに対し、プラセボ群では常に140mmHg前後だった。その結果、1次評価項目である「大血管症(心血管系イベント)+細小血管症」の発生率は「プラセボ群」16.8%に対し「降圧薬群」では15.5%で、相対的に9%の有意な減少となった(95%信頼区間:0-17%、p=0.041)。年齢、試験開始時高血圧の有無や血管症既往の有無などで分けて検討しても、「降圧薬群」で1次評価項目が増加傾向を示すサブグループはなかった。また1次評価項目を大血管症と細小血管症に分けて比較すると「降圧薬群」における減少は有意差ではなくなるが、「主要冠動脈イベント」と「その他の冠動脈イベント(血行再建術施行や無症候性心筋虚血、不安定狭心症による入院)」を併せた「全冠動脈イベント」のリスクは相対的に14%、「降圧薬群」で有意に低下していた。同様に、「微量アルブミン尿出現」も「降圧薬群」において相対的に21%、有意にリスクが低下していた。これらより報告者らは、「ペリンドプリルとインダパミド合剤は、血圧の高低にかかわらず2型糖尿病患者の大血管症+細小血管症を減少させるだろう」と結論している。なお同号に掲載された「論評」ではUniversity of Texas(米国)のNorman M. Kaplan氏が、プラセボ群の83%が何らかの降圧薬(55%はペリンドプリル)を服用していたにもかかわらず5.6/2.2mmHgの血圧差があった点など、いくつか考慮すべきポイントを指摘している。(宇津貴史:医学レポーター)

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