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診察時の小冊子活用で、小児呼吸器感染症の受診および抗生物質処方を抑制できる

小児期の呼吸器感染症は、ほとんどが受診の必要がなく、ましてや抗生物質によるベネフィットはほとんどないにもかかわらず、再受診を含む受療率は高いままで、抗生物質も頻繁に処方されている。英国の公的医療保険であるNHSでは、小児の急性の咳だけで5,140万ドル以上の医療費が費やされており、その大半が、開業医の診察によるもので、ガイドラインも整備されているが改善の兆しはなく問題視されている。そこで、英国カーディフ大学医学部プライマリ・ケア/公衆衛生学部門のNick A Francis氏らは、小児呼吸器感染症に関する小冊子をプライマリ・ケア医に提供し、診察時に使うようトレーニングをすることで、再受診率や抗生物質の処方率が減るのではないかと、クラスター無作為化試験を行い検討した。BMJ誌2009年8月15日号(オンライン版2009年7月29日号)より。小冊子活用を訓練された開業医とそうでない開業医のもとでの再受診率等を調査本試験は、小冊子の使用が、ケアに対する患児の親の満足度を維持しつつ、同一疾患での再受診の低下、抗生物質使用の低下に結びつき、将来的な受診動向に影響をおよぼすことを立証することを目的に行われた。ウェールズとイングランドの開業医61人の協力のもと、急性の呼吸器感染症(7日以内)を訴え受診した小児(6ヵ月~14歳)558例を被験者として行われた。このうち、肺炎、喘息、重篤な随伴疾患、即時入院の必要性が疑われる小児は除外された。その結果、3例が除外され、また27例は追跡ができず解析から除外された。最終的に528例(94.6%)で評価が行われた。被験者は、介入群(受診した医師が小冊子の使用を訓練・指示されている)と対照群(特別な訓練を受けずいつも通りの診察が行われる)に無作為化された。主要転帰は、追跡期間2週間の間に同一疾患で対面診察を受けた小児の割合とした。副次転帰は、抗生物質の処方率、同消費量、将来的な受診動向、両親の満足度、安心度、理解度。抗生物質の処方は劇的に低下再受診率は、介入群は12.9%だったが、対照群は16.2%で、3.3%(95%信頼区間:-2.7%~9.3%、P=0.29)の絶対リスクの差が生じた。ただしクラスター形成を説明するための多平面モデリング(開業医と患者個々人レベルで)の結果からは、再受診率の違いは見られなかった(オッズ比:0.75、95%信頼区間:0.41~1.38)。抗生物質の処方率は、介入群では19.5%、一方対照群では40.8%で、21.3%(同:13.7~28.9、P

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【書籍紹介】市中感染症診療の考え方と進め方-IDATEN感染症セミナー

日常診療で誰もが遭遇する市中感染症だが、医師は目の前の患者をどう診断し、治療していったらよいのか? 日本における臨床感染症診療と教育の普及・確立・発展を目的として設立された「IDATEN(日本感染症教育研究会)」メンバーが、そのプロセスをわかりやすく解説する。 主な内容第1章 市中感染症へのアプローチ  感染症診療の基本原則(青木 眞)  初期治療に反応しない場合の評価と治療のストラテジー(大野博司) 第2章 臨床でよく出遭う市中感染症のマネジメント  1.肺炎のマネジメント(岩渕千太郎)  2.細菌性髄膜炎のマネジメント(笹原鉄平)  3.皮膚・軟部組織感染症のマネジメント(大曲貴夫)  4.骨・関節・軟部組織感染症のマネジメント(岩田健太郎)  5.感染性心内膜炎のマネジメント(大曲貴夫)  6.胆道系感染症のマネジメント(矢野晴美)  7.急性下痢症のマネジメント(土井朝子)  8.尿路感染症のマネジメント(藤田崇宏)  9.急性腹症のマネジメント(岩田健太郎)  10.STI・骨盤内炎症性疾患のマネジメント(本郷偉元)  11.敗血症のマネジメント(大野博司)  12.急性咽頭炎・急性副鼻腔炎のマネジメント(上田晃弘)  13.深頸部感染症のマネジメント(具 芳明)  14.腹腔内感染症・腸管穿孔のマネジメント(大野博司) 第3章 臨床で重要な微生物  Introduction  グラム陽性球菌(山本舜悟)  グラム陰性桿菌(山本舜悟)  嫌気性菌(岩渕千太郎) 第4章 臨床で重要な抗菌薬  ペニシリン系抗菌薬(大野博司)  セフェム系抗菌薬(大野博司)  マクロライド系抗菌薬(大野博司)  キノロン系抗菌薬(大野博司)  判型 B5 頁 216 発行 2009年08月 定価 3,675円 (本体3,500円+税5%) ISBN978-4-260-00869-3  詳細はこちらへhttp://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=63002

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急性中耳炎感染初期の抗菌薬投与、非投与に比べ再発リスクが20%高い

幼児で最も多い感染症の1つである急性中耳炎治療に関しては、感染初期は抗菌薬非投与による経過観察が推奨されているが、一方で、抗菌薬投与後の再発に関する研究報告は少ない。ユトレヒト大学メディカルセンター(オランダ)健康科学/プライマリ・ケア部門のNatalia Bezakova氏らは、6ヵ月~2歳の急性中耳炎の小児168例を対象に、二重盲検無作為化プラセボ対照試験にて、追跡調査3年にわたる前向き調査を行った。BMJ誌2009年7月11日号(オンライン版2009年6月30日号)より。投与群で63%が再発被験者は、オランダの一般診療所53ヵ所から集められ行われた。一方には、アモキシシリン(商品名:サワシリン、など)40mg/kg体重/日(3回に分けて服用)が、もう一方にはプラセボが投与され、急性中耳炎の再発、2次医療への紹介、耳鼻咽喉頭手術の各転帰について3年間追跡された。再発に至ったのは、アモキシシリン群は63%(47/75例)、プラセボ群は43%(37/86例)で、アモキシシリン群のほうが20%(95%信頼区間:5%~35%)リスクが高かった。2次医療への紹介に至ったのは、両群とも約30%(アモキシシリン群24/78例、プラセボ群27/89例)だった。耳鼻咽喉頭手術を受けたのは、アモキシシリン群は21%(16/78例)、プラセボ群は30%(27/90例)で、アモキシシリン群のほうが9%リスクが低かった(リスク差-9%、95%信頼区間:-23%~4%)。著者は、「急性中耳炎の再発は、アモキシシリンを投与された小児のほうがより多かった。このことは、抗菌薬を慎重に投与することの新たな根拠の1つであろう」と結論している。

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薬剤中絶後の抗菌薬投与義務化で重篤な感染症は減ったか?

全米880のヘルスセンターを統括するPPFA(Planned Parenthood Federation of America)によると、人工中絶は同連盟のおよそ300のセンターで行われており、2001年~2006年3月まではもっぱら、mifepristone経口投与後24~48時間にミソプロストール(商品名:サイトテック)を膣内投与する方法が行われていた。しかし、同療法による重篤な感染症への懸念から、PPFAは2006年初旬に、ミソプロストールの投与ルートを膣内ではなく経口とすること、さらにルーチンの抗菌薬投与か、普遍的なクラミジアのスクリーニングおよび治療のいずれかを行うことを義務付けた。2007年7月からは、すべての薬剤中絶でルーチンな抗菌薬投与を義務付けている。本報告は、PPFAのMary Fjerstad氏らによる一連の対策前後の感染症発生の変化を報告したもので、NEJM誌2009年7月9日号で掲載された。重篤な感染症は、対策導入後73%減少薬剤中絶後の重篤な感染症は、対策導入前までアメリカとカナダで4例の死亡例が報告されていた。しかしヨーロッパではそのような症例は報告されておらず、PPFAは両者の違いとして、ミソプロストールの投与ルートの違い(ヨーロッパでは経口投与がほとんど)、抗菌薬投与の有無(イギリスではルーチンだったがアメリカでは行われていなかった)に着目し、投薬ルートの変更等を勧告するに至った。調査は、ミソプロストールが膣内投与されていた2005年~2006年3月までを基線期間とし(Period 1)、経口投与に変更し抗菌薬投与などが義務化された同年4月以降2007年6月まで(Period 2)、さらに全例に抗菌薬投与を義務付けて以降(同年7~12月:Period 3、2008年1~6月:Period 4)の、感染症発生率を比較評価する後ろ向き調査として行われた。結果、基線のPeriod 1と比べて感染症減少対策を行ったPeriod 2とでは、重篤な感染症は有意に減少していた。発生率は両期間比較で73%減少、流産1,000例当たりで0.93例(Period 1)から0.25例(Period 2)へと(絶対的減少:0.67/1,000例、95%信頼区間:0.44~0.94、P

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せき症状への抗生剤処方は無意味

カーディフ大学(イギリス・ウェールズ)プライマリ・ケア/公衆衛生部門のC C Butler氏らは、ヨーロッパ13ヵ国における外来患者への抗生剤処方について調査を行った。外来患者で最も多い主訴の1つ、せき症状に対する処方率・種類を調べ、回復との関連性を調べた。これまでもヨーロッパ各国間には、抗生剤処方に大きな違いがあること(下気道感染:オランダ27%、イギリス75%など)は知られていたが、そうした違いが、各国間の患者の回復に違いをもたらしているのかどうかは不明だった。結果は、BMJ誌2009年6月27日号(オンライン版2009年6月23日号)で掲載されている。13ヵ国3,400例のせき症状患者への抗生剤処方と回復状況を調査本研究は、13ヵ国14のプライマリ・ケア研究ネットワークを介して、臨床家(GP、ナース・プラクティショナー)の協力を得て行われた横断観察研究。ネットワークごとに臨床家を介して集約した、患者の症状および治療内容記録と、患者自身に記録してもらった症状日誌(毎日13項目について回復するまで、もしくは最長28日間記録)の情報を検討した。参加13ヵ国は、ベルギー、フィンランド、ドイツ、オランダ、ハンガリー、イタリア、ノルウェー、ポーランド、スロバキア、スペイン(2つのネットワーク)、スウェーデン、イギリス(ウェールズとイングランド)。試験適格患者とされたのは、新規もしくは増悪したせき症状、および下気道感染を示唆する臨床症状を呈した成人。2006年10、11月、2007年1~3月にわたって収集され、3,402例の参加を得た。回復率は、抗生剤処方がされた・されなかったとも同等3,402例の参加者のうち、臨床家からケースレポートが提供されたのは99%(3,368例)、患者日誌提出は80%(2,714例)だった。症状の重症度スコア(0~100点)の各国の平均点は、19点(スペインとイタリア)~38点(スウェーデン)の範囲だったが、抗生剤処方率は、ネットワーク間で20%(スペイン)~90%(スロバキア)と差が大きくあり(全体では53%)、処方された抗生剤の種類もさまざまだった。アモキシシリン(商品名:サワシリンなど)は概して最もよく処方されている抗生剤だったが、ノルウェーでの3%からイギリスでの83%までと違いが見られた。一方、フルオロキノロン(ニューキノロン、商品名:クラビッドなど)は、3つのネットワークでは最もよく処方されていたが(そのうちミラノが最も多く18%)、6つのネットワーク(イギリス・サウサンプストン、スペイン、ポーランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)では全く処方されていなかった。各国間の処方率の違いは、臨床症状および人口統計学的補正後も、ノルウェー(0.18)からスロバキア(11.2)まで、かなりの範囲にわたった。しかし回復率は、抗生剤処方がされた・されなかったとも同等だった(係数-0.01、P

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5年前の出生前B群溶連菌スクリーニング、10年前に比べ実施率1.8倍に

米国で、2003~2004年の出生前B群溶連菌スクリーニングの実施率が、1998~1999年に比べ、およそ1.8倍に増えてきていることがわかった。これは、2002年に米国の診療ガイドラインで、同スクリーニングの実施が勧告されたことによると考えられる。これに伴い、分娩時の抗生物質投与実施率も約5ポイント増加していた。米国疾病対策予防センター(CDC)のMelissa K. Van Dyke氏らの調べで明らかになったもので、NEJM誌2009年6月18日号で発表した。スクリーニング実施率は85.0%にDyke氏らは、米国10州で実施しているB群溶連菌感染に関する2003~2004年のサーベイランスをもとに、後ろ向きに調査を行い、生後7日以内に発症する早発型B群溶連菌感染254児と、感染の認められなかった7,437児について分析した。また、1998~1999年に行った類似の調査結果と、今回の結果を比較した。その結果、2003~2004年の出生前B群溶連菌スクリーニングの実施率は85.0%と、1989~99年の48.1%から大幅に増大していた。また、分娩時に抗生物質投与を受けた乳児の割合は、26.8%から31.7%に増えていた。出生前のB群溶連菌スクリーニングで陽性だった妊婦で正期産の場合、その87.0%が分娩時の化学的予防法を受けていた。一方、同スクリーニングで陽性で早期分娩の場合、分娩時の化学的予防法を受けたのは63.4%にとどまった。正期産早発型B群溶連菌感染の6割強が、母親へのスクリーニングでは陰性早発型B群溶連菌感染率は、1,000生児出生当たり0.32だった。早期分娩で生まれた乳児の同発症率は1,000生児出生当たり0.73と、正期産で生まれた乳児の1,000生児出生当たり0.26に比べ、有意に高率だった。ただし、早発型B群溶連菌感染の見られた乳児数では、正期産の乳児が74.4%(189/254例)を占めていた。なお、正期産で、母親が出生前のB群溶連菌スクリーニングを実施せず、早発型B群溶連菌感染の見られた乳児は34例と、感染児全体(254例)の13.4%を占めた。一方、正期産でスクリーニングでは陰性だったものの、乳児に早発型B群溶連菌感染が見られたのは、正期産感染児全体の61.4%にも上った。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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認知症患者のビデオを見せながらのIC

患者が自ら選択した治療を尊重することは、人生の終末期の質を高める重要な鍵となる。その選択に際し医師は伝統的に、言葉だけでインフォームド・コンセント(IC)を行ってきた。米国マサチューセッツ総合病院内科のAngelo E Volandes氏らは、実際の末期患者を撮影したビデオを見せながらのICが、患者が望むケアの選択に寄与すると提唱する。ビデオを見せることが、患者が望むケア選択を形作ることができるのか。高齢者を対象に、認知症が進行した場合の治療選択について、ビデオを見せた群と口頭のみの群との選択肢の違いに関する無作為化試験を行った。BMJ誌2009年6月6日号(オンライン版2009年5月28日号)より。認知症患者のビデオを見せ、65歳以上高齢者200例の治療選択を検討試験は2007年9月1日~2008年5月30日の間に、ボストンにある4つの診療所(2つは老人医学専門、2つは成人医学)で、65歳以上200例が参加し行われた。被験者は、認知症になったときの健康ステータスを、口頭のみで説明を受け治療の選択肢を決める群(口頭IC群、106例)と、ビデオ(認知症が進んだ80歳女性が、2人の娘、看護師とともに自宅で撮影されているビデオ)も見て決める群(ビデオIC群、94例)に無作為化された。主要評価項目は、どのようなゴールのケアが選択されたか。すなわち、「延命ケア選択」(心肺蘇生、人工呼吸器装着)、「限定的ケア選択」(入院、抗生剤投与は受け入れるが心肺蘇生は望まない)、「安楽ケア選択」(緩和ケアのみ)のいずれであったかが検討された。また、6週間後にもう一度インタビューを行い、意思の変化も調べられた。ビデオIC群のほうが安楽ケアを選択、時間経過による意思のぶれも小さい結果、口頭のみIC群の選択は、安楽ケア選択68例(64%)、限定的ケア選択20例(19%)、延命ケア選択15例(14%)、不明3例(3%)だった。ビデオIC群はそれぞれ、81例(86%)、8例(9%)、4例(4%)、1例(1%)だった(χ2乗=13.0、df=3、P=0.003)。多変量解析で、口頭IC群よりもビデオIC群のほうが、安楽ケアをより選択する傾向であることが確認されている(補正オッズ比:3.9、95%信頼区間:1.8~8.6)。また全被験者の解析から、安楽ケアを選択する可能性がより大きくなる因子として、「学士(またはそれ以上の学位)を有した者」「健康状態が良好(またはそれ以上)」「健康に関する教養が高い」「白人」および無作為化によるバイアスが確認された。6週間後の再調査では、口頭IC群(94/106例、89%から回答)で意見を変えた人は27例(29%)に上ったが、ビデオIC群(84/94例、89%から回答)では5例(6%)だった(違いのP

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下気道感染症への不必要な抗生物質処方が低減、その対策とは?

一般医(GP)がC反応性蛋白(CRP)検査を行い、コミュニケーション技能を鍛錬すれば、下気道感染症への抗生物質の処方が低減することが、オランダMaastricht大学医療センター一般医療科のJochenWL Cals氏らが実施した無作為化試験で明らかにされた。下気道感染症による咳嗽は抗生物質処方の最も一般的な理由の一つだが、プライマリ・ケアではその多くが患者にベネフィットをもたらしていない。不必要な抗生物質処方の最大の要因は、診断の不確実性や患者の期待だという。BMJ誌2009年5月9日号(オンライン版2009年5月5日号)掲載の報告。2つのアプローチに関するファクトリアルデザインのクラスター無作為化試験研究グループは、GPによるCRP検査[疾患(disease)志向型アプローチ]およびコミュニケーション技能の鍛錬[病状(illness)志向型アプローチ]が、下気道感染症への抗生物質処方に及ぼす影響を評価するために、実践に即した2×2ファクトリアルデザインによるクラスター無作為化試験を行った。オランダの20のプライマリ・ケア施設の40名のGPから、下部気道感染症患者431例が登録された。20の施設を5施設ずつ、次の4つのクラスターに無作為化に割り付けた(1施設2名のGP)。CRP検査のみを行う群(110例)、コミュニケーション技能の訓練のみを行う群(84例)、両方を行う群(117例)、通常治療を行う群(120例)。両方のアプローチを実施した群で処方率が最も低いCRP検査を実施したGPが抗生物質を処方した患者の割合が31%であったのに対し、CRP非施行群のGPの抗生物質処方率は53%であり有意差を認めた(p=0.02)。コミュニケーション技能の訓練を実施したGPの抗生物質処方率が27%であったのに比べ、非訓練群のGPは54%と有意に高値を示した(p<0.01)。副次評価項目である28日間のフォローアップ期間中の抗生物質処方については、2つのアプローチはそれぞれ有意な抑制効果を示した。両方のアプローチを実施した群の抗生物質処方率は23%と最も低値であったが、相互作用は有意ではなかった。患者の回復状況および満足度は全群で同等であった。著者は、「GPがCRP検査を行い、コミュニケーション技能の向上を図ることで、患者の回復や満足度に支障を来さずに、プライマリ・ケアにおける下気道感染症への抗生物質の処方が低減した」と結論し、「このプライマリ・ケアの現場で一般的な病態への抗生物質の処方を最大限に低減するには、疾患志向型のアプローチと病状志向型のアプローチの統合が不可欠と考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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クラビット錠250mg/500mg・細粒10%の製造販売承認取得

第一三共株式会社は22日、広範囲経口抗菌製剤「クラビット錠250mg/500mg・細粒10%」(一般名:レボフロキサシン水和物)の製造販売承認を取得したと発表した。クラビットは、1993年12月に発売以来、これまでに各種感染症に対して43の適応症と32の適応菌種を取得し、今なお優れた治療効果を維持し高い安全性が評価されている。クラビット500mg 1日1回投与法は、PK-PD理論に基づき開発され、従来の100mg 1日3回投与法と比較して最高血中濃度を上げることにより、殺菌作用が増強されると共に耐性菌の出現を抑制することが期待できることから、抗菌薬の適正使用にのっとった投与法。この投与法は、すでに海外においては120以上の国または地域で承認されており、世界の標準的用法・用量になっているという。詳細はプレスリリースへhttp://www.daiichisankyo.co.jp/4less/cgi-bin/cs4view_obj.php/b_newsrelease_n1/895/20090422_クラビット500承認リリース(日)final.pdf

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結核に対するモキシフロキサシン追加の有効性を確認

結核の初期治療として、標準治療へのモキシフロキサシン(国内商品名:アベロックス)の追加投与はエタンブトール(同:エブトール、エサンブトール)の併用に比べ有効性が高く、治療期間の短縮も期待できることが、ブラジルRio de Janeiro連邦大学のMarcus B Conde氏らが実施した第II相試験で確認された。結核の治癒を目指す治療薬の開発では、治療期間の短縮と薬剤耐性菌に対する有効性が求められている。フルオロキノロン系抗菌薬であるモキシフロキサシンは、既存の抗結核薬との併用で相加効果を示すとして有望視されていたという。Lancet誌2009年4月4日号掲載の報告。単一施設における二重盲検ダブルダミー無作為化対照比較第II相試験研究グループは、Rio de Janeiro市の単一施設において、喀痰塗抹陽性の結核患者に対する初期治療としてのモキシフロキサシンの有効性と安全性を評価するための二重盲検ダブルダミー無作為化対照比較第II相試験を実施した。標準用量の標準治療〔イソニアジド(同:イスコチン、アイナーなど)、リファンピシン(同:リマクタン、リファジンなど)、ピラジナミド(ピラマイドなど)〕を受けた170例が、モキシフロキサシン400mg+プラセボを追加投与する群(85例)あるいはエタンブトール15~20mg+プラセボ投与群(85例)に無作為に割り付けられ、5日/週の治療を8週間にわたって施行された。主要評価項目は8週間以内に喀痰培養が陰性化した症例の割合とし、解析はintention-to-treat変法にて行った。ベースライン時に喀痰培養陰性の例、培養に失敗した例、薬剤耐性結核菌が検出された例は解析から除外した。8週間の治療結果が得られない場合は治療不成功とした。喀痰培養陰性化率は、モキシフロキサシン群80%、エタンブトール群63%モキシフロキサシン群の74例、エタンブトール群の72例が解析の対象となった。8週間の治療データは125例(モキシフロキサシン群:64例、エタンブトール群:61例)で得られた。データが得られなかったおもな理由は培養の失敗であった。治療8週の時点で、喀痰培養が陰性化した症例はエタンブトール群が72例中45例(63%)であったのに対し、モキシフロキサシン群は74 例中59例(80%)と有意に優れていた(群間差:17.2%、p=0.03)。薬剤関連の有害事象は、エタンブトール群でgrade 3の皮膚反応が1例に見られたのみであった。著者は、「モキシフロキサシンは結核の初期治療として喀痰塗抹培養の結核菌陰性化効果を改善する」と結論したうえで、「今回の知見は、モキシフロキサシン併用による治療期間短縮の可能性を評価するための臨床試験の実施を正当化するもの」としている。(菅野守:医学ライター)

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1回飲みきり型の経口抗菌薬 ジスロマックSRが4月新発売

ファイザー株式会社は、4月6日に15員環マクロライド系抗生物質製剤であるジスロマック(一般名:アジスロマイシン水和物)の新効能・新剤形・新用量医薬品として、経口懸濁液用徐放性製剤「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」を発売すると発表した。ジスロマックSRは、耐性菌防止と服薬遵守の観点から、抗菌薬は十分量を使用し、短期間使用の実行を遂行することを目的に開発された1回飲みきり型の経口抗菌薬。咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などの急性呼吸器感染症、淋菌・クラミジアによる性感染症をはじめ、皮膚感染症や歯性感染症など成人の急性感染症に広く適応を有する。今回新発売されるジスロマックSRは、海外では2005年6月以降、56ヵ国で承認されている。日本においては、2008年1月に厚生労働省へ承認申請を行い、2009年1月に製造販売承認を取得後、同年3月13日に薬価収載される予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_03_12.html

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北米で抗菌薬シプロフロキサシンの耐性菌が広がっている?

グラム陽性菌はもとよりグラム陰性菌に対しても強い抗菌力を発揮し頻繁に用いられるフルオロキノロン系抗菌薬シプロフロキサシンの耐性菌が、北米で初めて出現したことが報告された。NEJM誌2009年2月26日号でEpidemic Intelligence Service Programに参画するHenry M. Wu氏らの疫学調査の短報が掲載されている。より広範な調査が求められる耐性菌が確認された症例はノースダコタから1例、ミネソタから2例の計3例で、いずれも同じB群株に由来する耐性菌だった。報告されたのは2007年1月~2008年1月の間で、同期間中に報告された髄膜炎死亡症例(33例)の9%を占める。ノースダコタの症例は2006年8月、同州東部にある保育所職員が髄膜炎菌性疾患と見込まれる症状で死亡したもの。髄液培養検査結果は無菌だったが、耐性髄膜炎菌はPCR陽性だった。シプロフロキサシンが同患者および同僚に投与され、子どもたちにはリファンピシンが投与された。二次症例は起きなかったが、患者1例が2007年1月に確認され、入院後セフトリアキソン治療で回復している。2008年1月にさらに2例が確認された。ミネソタの症例は、同州西部の成人死亡例と、セフトリアキソン治療で回復した同じく西部居住の大学生の例。3例には疫学的な関連はなく、またいずれも海外旅行の経験はなかった。一方、耐性菌の保因を調べるため、咽頭保因サーベイを行い、1例の無症候性保菌者からの耐性菌株を分離。耐性菌が遺伝子の突然変異によって起きたことが確認された。また同様の耐性菌は、2007年1月~2008年1月の間に報告された症例のうちカリフォルニアの症例で同定されている。Wu氏は、「耐性髄膜炎菌の感受性試験は、米国ではルーチンに行われていないが、今回のこの報告がより広範にわたるものなのかどうかわからず、まずはより広範な調査を行う必要がある」と提言している。(武藤まき:医療ライター)

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創傷感染予防としての抗生剤塗布は局所でなければ意味がない

簡単な皮膚科手術後の創傷感染予防として行う抗生剤クロラムフェニコール軟膏(商品名:クロロマイセチン軟膏)単回塗布の有効性を証明することを目的に、ジェームズ・クック大学(オーストラリア・クイーンズランド)Mackay Base病院のClare F Heal氏らによって行われた、前向き無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果が、BMJ誌2009年1月24日号(オンライン版2009年1月15日号)に掲載されている。イギリス、オーストラリアでは塗布は一般的だが、アメリカではほとんど行われていないことを踏まえての試験。プライマリ・ケアで小外科手術を受けた972例対象試験対象となったのは、クイーンズランドの3つのプライマリ・ケアセンターで小外科手術を受けた972例。リスクの高い縫合部位に、介入群(488例、平均年齢59.5歳)には手術後クロラムフェニコール軟膏が単回塗布され、対照群(484例、59.0歳)にはパラフィン軟膏が単回塗布された。両群の基線での大きな違いは、非黒色腫皮膚がんあるいは日光性角化症患者の割合で、介入群は71.7%、対照群は65.1%だった。感染発生の低下は証明できたが…主要評価項目とした感染症発生率は、介入群6.6%(95%信頼区間:4.9~8.8)、対照群11.0%(7.9~15.1)で、介入群のほうが有意に低かった(P=0.010)。介入群に対し対照群の創傷感染リスクは1.7倍(95%信頼区間:1.1~2.5)だった。感染症リスクの絶対減少率は4.4%、相対的減少率は40%だったが、著者は「予想より低かった(臨床的妥当値として絶対減少率5%を予想していた)」と述べている。また、介入群の治療必要数は22.8(488/21.4)だったが、「過去の同コホートの試験結果を見ると、対照群の感染発生が11.0%というのは高すぎる。局所塗布という条件設定でなければ、介入群の治療必要患者数はもっと増えるかもしれない」とも考察しており、本試験の結果について「感染発生の低下を証明することはできたが、臨床的意味がある試験結果ではない」と結論している。

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ジスロマックSRの製造販売承認を取得

ファイザー株式会社は21日、15員環マクロライド系抗生物質製剤であるジスロマック(一般名:アジスロマイシン)の新効能・新剤形・新用量として、経口懸濁液用の徐放性製剤「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」の製造販売承認を取得したことを発表した。ジスロマックSRは、水で溶かして服用する1回飲みきり型の経口抗菌薬。咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などの急性呼吸器感染症、淋菌・クラミジアによる性感染症をはじめ、皮膚感染症や歯性感染症など成人の急性感染症に広く適応を有する。同剤は、ジスロマックの現行製剤500mg(1日1回3日間投与)と比較して、投与後24時間のAUC(Area under the curve:薬物濃度-時間曲線下面積)は約3倍、最高血中濃度は約2倍と、投与初期により高い薬剤濃度が得られることにより、早い効果発現が期待できるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_01_21_02.html

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処方薬が余ってしまう… 飲みきれない人が7割以上も

ファイザー株式会社が実施した、処方薬に対する認識と服用状況に関する調査によると、処方された薬を飲み切らずに余らせてしまう人が73%、処方どおりに正しく服用できていない実態が明らかになった。この調査は、2008年11月30日に全国47都道府県の20歳以上の男女9,400人(各都道府県 男女 20代、30代、40代、50代以上/各25人、計200人)を対象に、インターネットで行われた。処方薬の飲み忘れは73%の人が経験。最も多いのは「昼」の飲み忘れであった。また、60%以上の人が薬の服用を途中でやめており、4人に1人は処方薬の用量を自分の判断で調節していることもわかった。誤った薬の服用は、薬の本来の効果が十分に発揮されず、症状の悪化や治療の長期化の一因となるため、患者が医師の指示通りに薬を服用することは治療上きわめて重要になる。特に、抗生物質抗菌薬の服用中断は、昨今問題となっている耐性菌の発生リスクを伴う。それにも関わらず、日本は中国に次いで世界で2番目に経口抗菌薬の服用が遵守されていない国であることが、過去の調査によって明らかになっている。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_01_20.html

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テラバンシン、FDA諮問委が承認推奨

アステラス製薬は20日、米テラバンス社(カリフォルニア州)から導入し、米FDA(食品医薬品局)に承認申請中の注射用抗生物質テラバンシン(一般名)が、現地時間19日に開催されたFDA諮問委員会で承認推奨が採択されたと発表した。テラバンシンは、脂質化グリコペプチド系抗生物質。米国においては、テラバンス社が「グラム陽性菌に起因する複雑性皮膚・軟部組織感染症(cSSSI)」を目標適応症としてFDAに承認申請している。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/fda.html

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プラセボ処方は日常的:米国の内科医、リウマチ医対象調査

アメリカの臨床現場ではプラセボ処方は日常的に行われており、処方する医師は倫理的に特に問題はないと考えている実態が、NIHのJon C Tilburt氏らによって報告された。内科医およびリウマチ医各600人ずつ計1,200人を対象に、プラセボ処方の状況と、処方する医師の意識、態度について、メールアンケートで行われた調査の結果による。BMJ誌2008年11月8日号(オンライン版2008年10月23日号)より。回答者のうち、約半数が定期的に処方しており、62%が倫理的に許されると回答調査は、プラセボ処方を行っている、もしくは推奨している医師がどれくらいいるのか、プラセボ処方を行うことについての倫理的な判断、患者に対してどのように説明しているか、に主眼が置かれ行われた。メールアンケートが行われたのは2007年6月。回答を寄せたのは679人(57%、平均年齢51歳、81%が白人)だった。そのうち、「線維筋痛症に対して偽薬糖衣錠を処方する可能性はどれぐらいあるか」との回答に「かなりある」「ある」の項に回答したのが58%(残りは「ない」「未回答」)、またプラセボ処方の頻度について「週1回以下」「月2~3回」と回答したのが46%(残りは「しない」「月1回以下」)と回答し、約半数が定期的にプラセボ処方を行っていることが明らかとなった。また、大半の医師(399人、62%)がプラセボ処方は倫理的に許されることと回答した。処方が多いのはOTC鎮痛薬41%、ビタミン38%プラセボの内訳については、食塩水(3%)、偽薬糖衣錠(2%)などはごく少数で、一般的に、OTC鎮痛薬(41%)、ビタミン(38%)が処方されていた。また少数だが顕著なのが、抗生物質(13%)、鎮痛薬(sedatives)(13%)との回答があったことだと著者らは指摘している。さらにまた、プラセボを処方している医師の68%が患者に対してプラセボを処方する際、「普通は使わないけれどあなたにとって有益があるかもしれないので」と説明すると回答した。「プラセボです」と説明すると回答したのは5%に過ぎなかった。Tilburt氏は「医師は患者に対してプラセボを使うことについて十分な説明をしていないようだ。またプラセボを薦めることに複雑な心境があるようだ」としている。

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高用量インフルエンザワクチンで65歳以上の免疫反応が増加

 サノフィ・アベンティス株式会社は11月5日、仏サノフィパスツール社が、標準的なインフルエンザワクチンと比較して、臨床試験中の高用量インフルエンザワクチンにより、65歳以上の成人で免疫反応が増加したと発表したと伝えた。 この試験は、65歳以上の高齢者約4,000名を対象にした第III相試験で、高用量インフルエンザワクチンを2006~2007年の流行期用に製造された標準的な深津かインフルエンザワクチンと比較したもの。 主な結果としては、標準ワクチンと比較して、新しい高用量ワクチンにより、試験対象集団で3種類のインフルエンザウイルス株すべてに対する免疫反応が増加し、さらに、毎年インフルエンザワクチンの接種前に体内の防御抗体が測定可能なレベルに達していない潜在的に脆弱な参加者のサブグループでも、免疫反応の増加が観察されたという。 試験の結果は、第48回抗菌薬および化学療法に関する国際会議(ICAAC)/米国感染症学会(IDSA)の第46回年次会議で報告された。

839.

抗生物質テラバンシン 欧州で申請取下げ

アステラス製薬株式会社は10月24日、米国テラバンス社より導入し、欧州医薬品審査庁(EMEA)に承認申請していた抗生物質「テラバンシン(一般名)」について、申請を取下たことを発表した。テラバンシンは、同社の欧州子会社であるアステラス ファーマ ヨーロッパ B.V.が「複雑性皮膚・軟部組織感染症」を目標適応症として2007年4月27日(現地時間)にEMEAへ承認申請していた。その後の審査過程において、提出したデータでは申請適応症に対するテラバンシンの有効性と安全性のバランスについて肯定的な結論を出すことはできないとのEMEAの医薬品委員会(CHMP)の見解を受け、このたび当該申請を取下げたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-33.html

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前期破水妊婦に対する抗生物質投与は子どもへの影響はない:ORACLE Children I試験

前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさないことが、イギリスLeicester大学生殖科学のS Kenyon氏らが実施したORACLE Children I試験で明らかとなった。ORACLE試験は妊婦への抗生物質投与が早産児に及ぼす影響を検討するもの。早産児は脳性麻痺など重大な障害のリスクが高く、妊娠期間が短くなるほどリスクは増大する。障害のない早産児でも、後年、多くが行動障害や学習困難をきたすという。Lancet誌2008年10月11日号(オンライン版2008年9月17日号)掲載の報告。ORACLE I試験を終了した妊婦の子どもを7年間フォローアップORACLE I試験は、臨床的に顕性感染の徴候がない前期破水妊婦において、エリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸カリウム複合薬(co-amoxiclav)、両薬剤の併用、プラセボの4群の有用性の比較を目的に実施された。今回は、ORACLE Children I試験として、ORACLE I試験を終了した4,148例の女性の子どもが7歳となった時点における健康状態について評価した。フォローアップ対象の選択には、子どもの健康状態に関する両親への質問票を用いた。mark III Multi-Attribute Health Status分類に基づいて、機能障害を重篤、中等度、軽度に分けた。学習能力は、イギリス在住の子どもを対象とした全国的なカリキュラムテストの結果で評価した。機能障害、行動障害、学習困難に有意な差はない選択基準を満たした小児は3,298人(75%)であった。エリスロマイシンを含む群の妊婦の子どもにおける機能障害の頻度(38.3%、594/1,551例)は、エリスロマイシン非投与群の頻度(40.4%、655/1,620例)と有意な差は見られなかった(オッズ比:0.91、95%信頼区間:0.79~1.05)。co-amoxiclavを含む群の小児における機能障害の頻度(40.6%、645/1,587例)は、co-amoxiclav非投与群の頻度(38.1%、604/1,584例)と有意差を認めなかった(オッズ比:1.11、95%信頼区間:0.96~1.28)。特定の薬剤投与状況が行動障害のレベルに有意な影響を及ぼすことはなかった。また、読み書き、算数について一定のレベルを達成した小児の割合にも有意な差は見られなかった。研究グループは、「前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさない」と結論している。また、早期自然陣痛妊婦の子どもを対象としたORACLE Children II試験の結果を踏まえたうえで、「前期破水妊婦における感染の意義、および周産期における抗生物質の役割やより広範な効果に関する理解をいっそう深める必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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