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エキスパートに聞く!「花粉症」Q&A part1

CareNet.comでは1月の花粉症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生より花粉症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、後藤 穣先生にご回答いただきました。2回に分けて掲載します。非専門医が外来診療でできる有用な問診や検査法を教えてください。また、どの段階から耳鼻科にまかせたほうがよいでしょうか? 内科でも確定診断のうえ積極的に介入したほうがよいのでしょうか?問診では、症状がくしゃみ・鼻漏主体なのか、鼻閉主体なのか必ず聞き取るべきです。とくに小児では、鼻閉の訴えが乏しく、専門医でも正確に把握することが困難なケースもあるので注意が必要です。皮膚テストは結果が早く出るメリットはありますが、検査手技に慣れていない看護師では難しいと思いますので、血液検査でIgE抗体検査を行うのが最も標準的だと思います。また最近、ごく少量の血液を用いて、8種類のIgE抗体を20分で診断できる検査キットも発売されています。中等症の場合には、第2世代抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬の併用を行うケースが多いですが、それでも効果が不十分の場合には、耳鼻科で鼻内の検査を受けるべきだと思います。アレルギー性鼻炎は、喘息など、他疾患の増悪因子ですので、内科の先生方の治療介入は必要なことだと考えています。通年性のアレルギー性鼻炎で治療中の患者さんが花粉症を合併している場合、花粉症の時期の治療はどうすればよいでしょうか? 薬剤を増量または他剤を併用してもよいのでしょうか?花粉症の重症化を防ぐ意味でも、通年性アレルギー性鼻炎の治療は重要です。花粉症の時期に何らかの症状が悪化するのであれば、「くしゃみ・鼻漏」なら第2世代抗ヒスタミン薬、「鼻閉」なら抗ロイコトリエン薬か抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬を追加します。鼻噴霧用ステロイド薬を頓用として使用しているケースが見受けられますが、これは定期的に使用すべき薬剤ですので、通年性アレルギー性鼻炎・花粉症を問わず、定期的に使用して症状を安定させるべきです。第2世代抗ヒスタミン薬の有効性の違い、使い分け、副作用やその対処法について教えてください。第2世代抗ヒスタミン薬の有効率は、治験時のデータをみるとほぼ同等です。しかし、脳内ヒスタミン受容体の占拠率や実験的な検討からは、副作用発現率や即効性に差があるという報告もあります。このような薬剤の特性だけでなく、個人差によっても、有効性、副作用発現に違いが生じる可能性もあります。明確な基準はありませんが、抗ヒスタミン薬を変更することによって症状が改善することも経験します。副作用で問題になりやすいのは眠気ですが、脳内に移行しないという薬剤でも眠いという訴えが聞かれることもあります。この場合には、抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬のようなまったく眠気の生じない薬剤・製剤への変更を試みます。常用量の抗ヒスタミン薬を処方しても、アレルギー症状がコントロール不十分の患者に対し、薬剤を増量することは有効でしょうか? また抗ヒスタミン薬の併用による効果についても教えてください。第2世代抗ヒスタミン薬のなかには重症のケースで倍量処方できるものもあり、増量も一案だと考えます。しかし、このようなケースでは抗ヒスタミン薬だけではコントロールできない病態も存在するはずですので、他剤を併用するほうがより効果的だと思います。抗ヒスタミン薬どうしの併用は、同じ理由により効果がそれほど期待できないと考えます。鼻噴霧用ステロイド薬における違い、使い分け、副作用やその対処法について教えてください。近年、鼻噴霧用ステロイド薬はバイオアベイラビリティの低い、すなわち副作用が起こりにくい製剤が、次々に発売されました。1日1回投与、液剤、パウダー製剤などの選択肢があります。液剤よりもパウダー製剤のほうが刺激も少なく、アドヒアランスがよいという報告がある一方、患者によっては、液剤が使い慣れていてよいという声も聞きます。大切なのは、いずれの薬剤でも頓用使用ではなく、定期的に毎日使用することです。内服薬は毎日使用しても、点鼻薬はひどい時だけ使用すればよいと患者は勘違いしがちです。副作用として多いのは鼻出血ですが、鼻中隔弯曲症があるとデバイスの先端が鼻中隔に当たってしまい、その刺激で出血を起こすケースが多くあります。鼻中隔弯曲症がある側に点鼻する時は、先端を外側に向けて噴霧するように指導しています。鼻噴霧用ステロイド薬を第一選択薬として使用し、それで十分だと感じていますが、抗ヒスタミン薬は必要でしょうか? ご指摘の処方の仕方は、海外のガイドラインでは推奨されている方法です。それで十分な症例には、鼻噴霧用ステロイド薬単独で治療可能と思います。

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鼻噴霧用ステロイド薬による花粉症初期療法の検討~日本アレルギー学会秋季学術大会

花粉症の初期療法に使用する薬剤として、「鼻アレルギー診療ガイドライン」では以下の5種類の薬剤が推奨されており、鼻噴霧用ステロイド薬は含まれていない。1) 第2世代抗ヒスタミン薬2) ケミカルメディエーター遊離抑制薬3) Th2サイトカイン阻害薬4) 抗ロイコトリエン薬5) 抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬しかしながら、海外の花粉症では鼻噴霧用ステロイド薬による季節前投与の有用性が報告され、スギ花粉症においてもプラセボ対照無作為化比較試験によるエビデンスの蓄積が待たれている。このような背景のもと、2012年11月29日~12月1日に開催された第62回日本アレルギー学会秋季学術大会では、鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性を検討した複数のプラセボ対照無作為化比較試験のデータが報告された。スギ花粉飛散開始前または翌日から鼻噴霧用ステロイド薬を投与し、有用性を検討山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科の増山敬祐氏は、スギ花粉症に対する鼻噴霧用ステロイド薬(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)の初期療法の有用性を検討したプラセボ対照無作為化比較試験を報告した。増山氏らは、2011年の花粉症シーズンにおいて、適格性の評価を受けたスギ花粉症患者150例(うち妊娠と抗ヒスタミン薬使用の2例除外)を鼻噴霧用ステロイド薬群(75例)とプラセボ群(73例)の2群に無作為に割り付け、症状自覚時またはスギ花粉飛散開始翌日から投与を開始した。その結果、総鼻症状は、スギ花粉飛散開始後第2、第3、第4、第5週に、鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に増悪が抑制され、くしゃみ、鼻漏、鼻閉の各症状についても同様であった。総眼症状は、第3、第4、第5週に鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に増悪が抑制された。レスキュー薬の使用については、抗ヒスタミン薬の使用は鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に少なかったが、点眼薬の使用は両群間で有意差はなかった。QOLスコアは、飛散ピーク時とシーズン後半に、鼻噴霧用ステロイド薬群で有意にスコアの悪化が抑制された。一方、副作用は両群とも軽微であり、有意差が認められなかった。これらの結果から、増山氏は、スギ花粉症に対する鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性が示唆されると結んだ。スギ花粉飛散3週間前から鼻噴霧用ステロイド薬を投与し、有用性を検討岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学の岡野光博氏は、鼻噴霧用ステロイド薬を花粉飛散前から投与する群とプラセボ群の2群間における無作為化二重盲検比較試験と、鼻噴霧用ステロイド薬を花粉飛散前から投与開始する群、花粉飛散後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替える群、プラセボ群の3群間による無作為化二重盲検比較試験を報告した。2群間における無作為化二重盲検比較試験は、スギ・ヒノキ花粉症患者50例を鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾンフランカルボン酸エステル)群(25例)とプラセボ群(25例)の2群に無作為に割り付け、スギ花粉飛散前(2010年2月1日)から投与開始し、スギ・ヒノキ花粉飛散期における有効性と安全性を検討した。なお、2010年のスギ花粉の本格飛散開始日は2月22日であったことから、スギ花粉飛散開始3週間前に投与を開始したことになる。その結果、鼻噴霧用ステロイド薬投与群では、鼻症状スコア、眼症状スコア、総鼻眼症状スコアにおいて抑制が認められた。QOLスコアも、スギ花粉飛散開始後、プラセボ群に比べて有意に良好であり、有害事象はプラセボ群と同等であった。この結果から、岡野氏は、鼻噴霧用ステロイド薬はスギ・ヒノキ花粉症に対する初期治療薬として有効かつ安全であることが示唆される、と述べた。次に、鼻噴霧用ステロイド薬による初期治療の開始時期を検討するために、スギ・ヒノキ花粉症患者75例を、鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾンフランカルボン酸エステル)をスギ花粉飛散前から投与開始する群(以下、飛散前投与開始群、25例)、スギ花粉飛散後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替えた群(以下、飛散後投与開始群、25例)、プラセボ群(25例)の3群に無作為に割り付けた。3群ともスギ花粉飛散前(2011年2月1日)から投与開始し、飛散後投与開始群はその4週後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替えた。2011年のスギ花粉の本格飛散開始日は2月23日であったことから、飛散前投与開始群では飛散開始のほぼ3週間前に投与開始、飛散後投与開始群では飛散開始からほぼ1週間後に投与開始したことになる。この結果、飛散前投与開始群、飛散後投与開始群ともにプラセボ群に比べて、スギ・ヒノキ花粉飛散期の鼻症状の増悪を有意に抑制した。眼症状については、スギ・ヒノキ花粉飛散期に、飛散前投与開始群がプラセボ群に比べ有意に増悪を抑制したが、飛散後投与開始群では有意な効果はみられなかった。総鼻眼症状は、スギ花粉飛散期に、飛散後投与開始群に比べて飛散前投与開始群が有意に増悪を抑制し、くしゃみと眼掻痒感について顕著であった。これらの結果から、岡野氏は、鼻噴霧用ステロイド薬によるスギ・ヒノキ花粉症に対する初期療法は、花粉飛散後より花粉飛散前に投与開始するほうが、より高い症状緩和効果が得られることが示唆されると述べた。

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Dr.林の笑劇的救急問答7

第1回「見逃し厳禁 ! 低血糖」第2回「あんなところにこんなもの: 異物救急」特別収録「落としアナいっぱい ! アナフィラキシーショック」 第1回「見逃し厳禁 ! 低血糖」意識障害や麻痺で救急搬送されてきた患者は「まず低血糖を疑え」といわれるくらいよくある症状ですが、見逃すと死亡する事もあるので要注意。さまざまな年代や原因から引き起こされる低血糖に対応するため多彩な血糖補正術を身につけましょう!【症例1】17歳男性。高校からの帰宅が遅いと家族から連絡を受けた保健医が部室で意識障害を起こしているのを発見し来院。サッカー部の部活動中にゴールポストに頭をぶつけたという受傷機転から研修医は脳震盪を疑うが、看護師に低血糖を指摘され…。【症例2】80歳男性。意識障害で搬送されてきた。バイタルチェックは安定している。現病歴:糖尿病。研修医は低血糖を疑いブドウ糖を用いた補正を実施。患者の様態が良くなったので帰宅させたが4時間後に再度救急搬送される。第2回「あんなところにこんなもの: 異物救急」小児などに多い、鼻や耳へ異物が入ってしまったという症例。夜間当直などで大騒ぎして来院する事も珍しくありませんので落ち着いて対処できるようになっておきたいものです。耳鼻科にコンサルトするのも勿論ひとつの手ですが、ちょっとしたコツや「使える薬剤」を知っておくと簡単に取ることが出来ますのでこの機会に是非習得してください。【症例1】1歳女児。鼻にビーズが詰まって取れなくなった。研修医は「すぐに取れる」と宣言して処置を開始するが子どもの激しい抵抗にあってうまく行かない。そこにDr.林がやって来て「魔法のキス」を提案する。【症例2】35歳男性。深夜、耳に何か虫のようなものが入ったようだと駆け込んできた。耳鏡で確認するとゴキブリであった。夜間当直の研修医たちは殺虫剤をかけたり大騒ぎをするが、全く取れないうえに患者の容態も悪くなってくる。特別収録「落としアナいっぱい ! アナフィラキシーショック」※本番組は、2005年に収録した第1シーズン第3回「落としアナいっぱい ! アナフィラキシーショック」と同番組です。「ACLS」のガイドライン変更に伴い、DVD「Dr.林の笑劇的救急問答1」の販売を終了したため、「アナフィラキシーショック」を本DVDに収載しました。蜂刺されでアナフィラキシーショックを起こした患者さんをみたら、どう治療しますか? 抗ヒスタミンを投与、あるいはエピネフリンを注射して容態が安定したらすぐに帰宅させてはいませんか? 中にはもしかすると、後で重篤なことになる症例が潜んでいるかもしれません。心肺停止に至ることも意外と多いアナフィラキシーショックに対する適切な戦い方を実践的に学びましょう!【症例1】28歳男性。仕事中に蜂に刺されて救急室に駆け込む。血圧100/60、脈90。【症例2】48歳男性。蜂に刺されて来院。意識混濁し、つらそう。血圧80/60、脈120。

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Dr.岡田のアレルギー疾患大原則

第4回「鼻炎」第5回「副鼻腔炎」第6回「薬物(前編)」第7回「薬物(後編)」 第4回「鼻炎」鼻炎治療は、基本治療の3段階(抗ヒスタミン薬→点鼻ステロイド→短期経口ステロイド)と2つの補助療法(点鼻抗アレルギー薬と鼻閉改善薬)をしっかりつかめば単純化されます。第4回は図表と国際的なガイドラインを用いて解説します。もちろん、くしゃみの数を数えたりする必要はありません。そこで患者さんによって違う鼻炎の主症状に応じた薬剤の選択が一目でわかる表にしました。これは必見です! また、実際の症例を用いて、種類の多い抗ヒスタミン・アレルギー薬、点鼻ステロイドを特徴に応じて使い分け、第1選択薬を例示します。ステロイドは点鼻でもちょっと…という方のために、強力ではないものの副作用の心配が少ないインタールなどの効果を最大限に引き出す工夫も紹介します。第5回「副鼻腔炎」第5回は、外来で問題となることが多い遷延性の咳嗽を、アレルギーのほかにも副鼻腔炎、胃食道逆流症、上気道感染後の気道反応性の亢進、百日咳、喘息、咳喘息、Vocal cord dysfunctionなどの鑑別診断から治療まで、症例に基づいて解説します。 また、急性細菌性副鼻腔炎の診断に役立つ、画像を使わない診断基準などを紹介。治療法の確立していない慢性副鼻腔炎に関しても、代表的な診断と治療の選択肢をそれぞれの特徴を含めて示します。 そして最後に、最近話題の自然免疫と獲得免疫に関して、単純明快な図を使用して解説。ストレスや睡眠の影響などの最新知見を含めたミニレクチャーもあります。第6回「薬物(前編)」薬物アレルギーは臨床医なら誰でも避けて通れない問題ですが、なかなか系統的に勉強する機会がないのではないでしょうか。岡田先生の著書『アレルギー疾患診療マニュアル』では薬物アレルギーについて84ページも割いています。第6回と第7回はこの中から、本当に必要なエッセンスを解説します。 前編は、アレルギーの基本である、アレルギーだった場合のの鑑別はもとより、薬物アレルギーの危険因子、抗生物質アレルギーの交差反応、再投与してよいアレルギー反応と再投与が絶対禁忌の反応について解説します。そして、局所麻酔薬アレルギーやアスピリン・NSAIDアレルギーなどのよくあるアレルギーから、稀ではあるが重篤なスティーブンス・ジョンソン症候群やDIHS(薬剤性過敏症症候群)まで、広く深く網羅してます。第7回「薬物(後編)」後編も、具体的な症例をもとに、ペニシリン系抗菌薬とセフェム系/カルバペネム系抗菌薬の交差反応、β-ラクタム系抗生物質経口減感作プロトコール、ST合剤過敏症とその脱感作療法スケジュール、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死剥離症(TEN)の分類/薬剤別頻度、アスピリン喘息、COX-1とCOX-2の働き、局所麻酔薬アレルギーの検査法まで解説します。

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「眠気の強さ」=「効果の強さ」!?

平成23年9月28日、東京・大手町にて、NPO法人「皮膚の健康研究機構」理事・東京女子医科大学皮膚科学教授川島眞氏、東京大学大学院医学系研究科医学部皮膚科学教授佐藤伸一氏により、大規模比較検討試験「ACROSS Trial」の結果が発表された。「ACROSS Trial」の背景と目的じんましんやアトピー性皮膚炎の治療薬である抗ヒスタミン薬は、副作用として眠気をきたすことがある。80年代から眠気が少ない非鎮静性抗ヒスタミン薬(ほとんどが第2世代)が登場してきたが、眠気が強い第1世代抗ヒスタミン薬のシェアは、2008年に56%、2009年に52%、2010年に49%と依然高いままである1)。その理由として、約半数の臨床医と患者は「眠気の強さ」=「効果の強さ」と考えていることがわかっている 2)。この考えは正しいかどうかを検証するため、NPO法人「皮膚の健康研究機構」は2010年1月~10月にかけて、比較検討試験「ACROSS Trial(Antihistamine CROSSover Trial)」を実施した。ACROSS Trialはアトピー性皮膚炎および慢性じんましん患者502例を対象として行った多施設無作為化オープンラベルクロスオーバー比較試験である。非鎮静性抗ヒスタミン薬としてベポタスチンベシル酸塩を1回10mg、1日2回経口投与、鎮静性抗ヒスタミン薬としてd-クロルフェニラミンを1回2mg、1日3回経口投与、もしくはケトチフェンを1回1mg、1日2回経口投与した 3)。「眠気の強さ」≠「効果の強さ」本試験の結果をみると、鎮静性抗ヒスタミン薬において、投与前後に眠気の程度が悪化したのに対し、非鎮静性抗ヒスタミン薬では眠気の程度に変化がなく、薬剤間で統計学的に有意差が認められた。一方、かゆみの抑制効果について、非鎮静性抗ヒスタミン薬は、鎮静性抗ヒスタミン薬と同程度の抑制効果を示し、両薬剤間に有意差は認められなかった。また、眠気以外の有害事象は、鎮静性抗ヒスタミン薬が8例9件(口渇2件、倦怠感5件、下痢1件、ふらつき感1件)がみられ、非鎮静性抗ヒスタミン薬であるベポタスチンベシル酸塩には1件も認められなかった。まとめ非鎮静性抗ヒスタミン薬であるベポタスチンベシル酸塩は、眠気の程度に影響を与えない一方、鎮静性抗ヒスタミン薬と同等の有効性を有することから、佐藤氏らは「眠気の強さと効果の強さは相関しない」と結論付けた。さらに、安全性の観点から、蕁麻疹診療ガイドライン(日本皮膚科学会ガイドライン)に基づき、鎮静性の低い第2世代抗ヒスタミン薬を第一選択薬として扱うべきと強調した 4)。 出典:1) 株式会社医療情報総合研究所(JMIRI)の調査より2) 川島眞 監修. 抗ヒスタミン薬の真・事実. じほうヴィゴラス, 2011.  3) 川島眞 ほか. J Clin Therap Med. 2011; 27: 563-573.4) 秀道広 ほか. 日本皮膚科学会雑誌. 2011; 121: 1339-1388.(ケアネット 呉 晨)

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経口そう痒症改善剤「レミッチ カプセル2.5μg」新発売

東レ株式会社と日本たばこ産業株式会社および鳥居薬品株式会社は、3社で共同開発し、東レが2009年1月21日に国内における製造販売承認を取得した血液透析患者における経口そう痒症改善剤「レミッチカプセル2.5μg」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)について、3月24日より鳥居薬品が販売を開始すると発表した。血液透析患者におけるそう痒症は炎症などを伴わない全身性の強い痒みで、はっきりとした原因は不明。従来の止痒薬(抗ヒスタミン薬など)では十分に抑えられないこともあった。「レミッチカプセル2.5μg」は、血液透析患者の既存治療抵抗性の痒みを抑える世界初の選択的オピオイドκ(カッパ)受容体作動薬となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.torii.co.jp/release/2009/090323.html

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睡眠ポリグラフィで「ジフェンヒドラミン塩酸塩」の睡眠への影響を確認

エスエス製薬株式会社は9日、ジフェンヒドラミン塩酸塩の睡眠構築と、翌日のQOL(Quality of Life:生活の質)に及ぼす影響を確認したと発表した。ジフェンヒドラミン塩酸塩とは、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン剤)の中でも、とくに催眠鎮静作用の強いことが知られている。欧米でも睡眠導入を目的としたOTC医薬品として利用されている。試験は、睡眠中に脳波、眼球運動、筋電位などを測定する睡眠ポリグラフィによって行われた。結果、ジフェンヒドラミン塩酸塩は徐波睡眠(Stage3+4)及びREM睡眠の出現量を抑制せず、Stage2を有意に増加させることがわかり、また、実睡眠時間(就寝時間-覚醒時間)および睡眠効率(実睡眠時間/観察時間×100)を有意に改善することで、翌日の身体的疲労及び集中力をも改善し、日中のQOLの改善にも有用であることが示唆されたという。なお、今回の研究成果は日本薬学会・第129年会(平成21年3月26日~28日、京都)にて発表される予定。詳細はプレスリリースへhttp://www.ssp.co.jp/news/2009/090209.html

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花粉症に対するステロイド薬と抗アレルギー薬の併用はどのくらい効くのか

グラクソ・スミスクライン(GSK)は、2007年1-5月にかけて花粉症など季節性アレルギー性鼻炎の患者(約2000人)を対象に行った、鼻噴霧用ステロイド薬「フルナーゼ」(フルチカゾンプロピオン酸エステル)と第2世代抗ヒスタミン薬「ジルテック」(セチリジン塩酸塩)の併用治療における安全性・有効性および日常生活の支障度に関する調査結果を発表した。それによると、鼻症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)のいずれにおいても有意な改善効果が示されました。また、併用療法開始前に「中等症」「重症」「最重症」だった患者の83%が、観察期間終了時(4週間後もしくは併用療法中止時)には「軽症」または「無症状」に改善した。観察期間終了時に「無症状」となった患者は全体の32%に達した。一方、副作用の発現頻度は3.4%で、主な副作用は傾眠だった。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000454.html

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