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医師が選んだ2014年の10大ニュース! 1位はやはり、あの騒動 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

1位 STAP細胞の発表論文に不正発覚 STAP細胞は、一度分化した細胞に外部刺激を加えることで再び分化能を獲得したという生物界の常識を覆す大発見であった。論文筆頭著者である小保方 晴子氏が若い女性であったこともあり、大きな注目を集めた。 しかし、世界中の研究者が追試をしてもSTAP細胞を作製できなかった。そのような中、論文の共著者である若山 照彦氏(山梨大教授)が、論文と理化学研究所(理研)発表文書の矛盾点や画像の誤りを発表し、論文の撤回を呼び掛けた。その後、理研の調査委員会が本論文に対する不正を認定、7月2日の論文撤回に至った。 その後、理研の検証チームおよび小保方氏独自の検証実験が行われたが、STAP細胞を再現できなかった。これにより、STAP細胞が存在しない可能性がさらに高まった。 2位 エボラウイルスの感染拡大 エボラ出血熱がギニア、シエラレオネ、リベリアなど、西アフリカで蔓延した。スペインやアメリカにおいても、この地域からの帰国者が感染していることが確認された。現在、エボラ出血熱に対する治療薬やワクチンが臨床試験中であり、WHO、国境なき医師団など、世界中から支援の手が差し伸べられている。 出典:国立感染症研究所 3位 消費税が5%から8%に 4月1日、消費税が5%から8%に引き上げられた。消費税引き上げは17年ぶり。当初、政府やエコノミストは、増税当初の経済活動はいったん落ち込むが夏場から回復すると見込んでいた。しかし、回復は遅れ、来年10月に予定されていた10%への引き上げは、17年4月に延期された。 4位 臨床試験の不正が相次ぎ発覚 製薬会社社員の関与、不適切な資金提供、データ捏造など、臨床試験の不正が相次いで明らかとなった。ディオバン問題では逮捕者も出て、日本発臨床研究の信頼が大きく揺らいだ。 5位 ノーベル物理学賞を日本人が受賞 ノーベル物理学賞を赤崎 勇(名城大教授)、天野 浩(名古屋大教授)、中村 修二(カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)の3氏が受賞した。授賞理由は、実用的青色発光ダイオード(LED)の開発。日本人のノーベル賞受賞は、22人となった。 6位 デング熱が日本で流行 7位 御嶽山が噴火 8位 ソチ五輪開幕 羽生選手が金メダル 9位 テニスの錦織選手が全米オープンで決勝進出 10位 朝日新聞が吉田調書と慰安婦問題で謝罪 #feature2014 dt{width:50px;}

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再発多発性骨髄腫へのカルフィルゾミブ上乗せ~第III相試験/NEJM

 多発性骨髄腫の再発例の治療において、カルフィルゾミブ(carfilzomib)を標準治療のレナリドミド+デキサメタゾン療法に加えると、無増悪生存期間(PFS)が9ヵ月近く延長することが、米国・メイヨー・クリニックのA Keith Stewart氏らが行ったASPIRE試験で示された。多発性骨髄腫患者の生存率は改善しているが、再発率は依然として高く、新たな治療アプローチが求められている。カルフィルゾミブは、構成型プロテアソームと免疫型プロテアソームに選択的かつ不可逆的に結合するエポキシケトン型プロテアソーム阻害薬であり、これら3剤の併用療法は第I/II相試験でその有効性が確認されている。NEJM誌オンライン版2014年12月6日号掲載の報告。上乗せによるPFS改善効果を無作為化試験で評価 ASPIRE試験は、再発多発性骨髄腫に対する標準治療へのカルフィルゾミブの上乗せ効果を評価する非盲検無作為化第III相試験(資金提供:Onyx Pharmaceuticals社)。対象は、1~3レジメンの前治療歴のある多発性骨髄腫患者で、一定の条件を満たせばボルテゾミブ治療歴やレナリドミド+デキサメタゾン療法歴のある患者の参加も許容された。 被験者は、カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法を行う群またはレナリドミド+デキサメタゾン療法を施行する群(対照群)に無作為に割り付けられた。治療は、患者の希望による中止、病勢進行または許容されない毒性が発現するまで継続することとした。 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、intention-to-treat解析が行われた。副次的評価項目には全生存期間(OS)、全体の奏効率(完全奏効[CR]+部分奏効[PR])、奏効期間などが含まれた。PFS中央値:26.3 vs. 17.6ヵ月、OS、奏効率、QOLも良好 2010年7月~2012年3月までに、北米、ヨーロッパ、中東から792例が登録され、カルフィルゾミブ群に396例、対照群にも396例が割り付けられた。全体の年齢中央値は64.0歳、前治療レジメン数中央値は2.0であり、ボルテゾミブ治療歴は65.8%、レナリドミド治療歴は19.8%に認められた。 PFS中央値は、カルフィルゾミブ群が26.3ヵ月であり、対照群の17.6ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.57~0.83、p=0.0001)。事前に規定されたサブグループのすべてで、PFS中央値に関するカルフィルゾミブ群のベネフィットが認められた。 中間解析時の2年OSは、カルフィルゾミブ群が73.3%、対照群は65.0%であり、OS中央値には両群とも到達していなかったが、カルフィルゾミブ群で良好な傾向がみられた(HR:0.79、95%CI:0.63~0.99、p=0.04)。この結果は、事前に規定された中間解析時のOSによる試験中止基準を満たさなかった。 全体の奏効率は、カルフィルゾミブ群が87.1%、対照群は66.7%であり、有意な差が認められた(p<0.001)。CR率はそれぞれ31.8%、9.3%と、カルフィルゾミブ群が有意に優れた(p<0.001)。奏効までの平均期間はそれぞれ1.6ヵ月、2.3ヵ月、奏効期間中央値は28.6ヵ月、21.2ヵ月であった。また、健康関連QOLもカルフィルゾミブ群で有意に改善した(p<0.001)。 カルフィルゾミブ群では、対照群よりも5%以上頻度の高い有害事象として、低カリウム血症、咳嗽、上気道感染症、下痢、発熱、高血圧、血小板減少、鼻咽頭炎、筋攣縮が認められた。Grade 3以上の有害事象の発症率は、カルフィルゾミブ群が83.7%、対照群は80.7%であり、重篤な有害事象の発症率はそれぞれ59.7%、53.7%であった。有害事象による治療中止は15.3%、17.7%に認められた。 とくに注目すべきGrade 3以上の有害事象として、呼吸困難(2.8 vs. 1.8%)、高血圧(4.3 vs. 1.8%)、急性腎不全(3.3 vs. 3.1%)、心不全(3.8 vs. 1.8%)、虚血性心疾患(3.3 vs. 2.1%)がみられた。治療関連死はそれぞれ6例、8例であった(心筋梗塞、心不全、敗血症など)。 著者は、「カルフィルゾミブの追加により病勢進行と死亡のリスクが31%低減し、PFS中央値が8.7ヵ月延長した」とまとめ、「移植を行わない場合のPFS中央値が、これに匹敵するレジメンはほかにない」と指摘している。

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新規第XI因子阻害薬、TKA後のVTEを予防/NEJM

 第XI因子阻害薬FXI-ASO(ISIS 416858)は、人工膝関節置換術(TKA)後の静脈血栓塞栓症(VTE)の予防に有効で、出血リスクに関しても良好な安全性を有することが、オランダ・アムステルダム大学のHarry R Buller氏らが行ったFXI-ASO TKA試験で示された。TKA後のVTEの予防には従来、外因系凝固因子である第Xa因子を阻害するエノキサパリン(ENO)などが使用されているが、これらの薬剤は有効ではあるものの出血のリスクを伴う。一方、内因系凝固因子である第XI因子を減少させると、出血を起こさずに血栓を抑制することが知られていた。FXI-ASOは、第2世代のアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、肝臓において第XI因子mRNAの発現を特異的に低下させる可能性がある。NEJM誌オンライン版2014年12月7日号掲載の報告。2種の用量と標準治療を無作為化第II相試験で評価 FXI-ASO TKA試験は、TKA後のVTEの予防における2種の用量のFXI-ASOとENOの有効性と安全性を比較する非盲検無作為化第II相試験(資金提供:Isis Pharmaceuticals社)。対象は、待機的初回片側TKAを施行された年齢18~80歳の患者であった。 被験者は、FXI-ASO 200mg/日、同300mg/日を皮下投与する群またはENO 40mg/日を皮下投与する群に無作為に割り付けられた。FXI-ASOの投与は手術の36日前(Day 1)に開始し、第1週目はDay 3、5に、その後は週1回、4週間(Day 8、15、22、29)投与した。手術日のDay 36には術後6時間に投与し、Day 39にも投与した。 有効性の主要評価項目はVTEの発症(静脈造影または症候性のイベントの報告で評価)とし、安全性の主要評価項目は大出血または大出血以外の臨床的に意義のある出血であった。有効性については、非劣性の評価を行い、非劣性が確認された場合は優越性の評価を実施した。200mg群27%、300mg群4%、ENO群30% 2013年7月~2014年3月までに5ヵ国19施設から300例が登録され、FXI-ASO 200mg群に147例(平均年齢63歳、女性82%)、同300mg群に78例(63歳、78%)、ENO群には75例(64歳、83%)が割り付けられた。有効性解析は274例(200mg群:134例、300mg群:71例、ENO群:69例)のper-protocol集団で行われ、安全性解析は293例(144例、77例、72例)で実施された。 Day 36~39のFXI-ASOの平均値(±標準誤差)は、FXI-ASO 200mg群が0.38±0.01U/mL、300mg群が0.20±0.01U/mL、ENO群は0.93±0.02U/mLであった。 per-protocol解析によるVTEの発症率は、FXI-ASO 200mg群が27%(36/134例)、300mg群が4%(3/71例)、ENO群は30%(21/69例)であった。ENO群との比較では、FXI-ASO 200mg群の非劣性および300mg群の優越性(p<0.001)が確認された。 大出血または大出血以外の臨床的に意義のある出血の発症率は、FXI-ASO 200mg群が3%(4/144例)、300mg群が3%(2/77例)、ENO群は8%(6/72例)であり、ENO群との比較で有意な差は認めなかった(それぞれ、p=0.09、p=0.16)。大出血はFXI-ASO 300mg群の1例のみに認められた。また、輸血はそれぞれ38%(55例)、29%(22例)、32%(23例)で行われた。 重篤な有害事象はFXI-ASO 200mg群の3例(一過性脳虚血発作、術後瘢痕部瘻孔形成、結紮部瘻孔形成)、300mg群の1例(人工膝関節周囲感染症)に、恒久的な治療中止の原因となった有害事象はそれぞれ1例(そう痒と既存の動脈性高血圧の増悪)、1例(手術部位の出血)にみられたが、ENO群ではいずれも認めなかった。注射部位関連有害事象(紅斑、疼痛、そう痒、腫脹、血腫)はそれぞれ32例、25例、2例にみられた。 著者は、「これらの知見は、第XI因子の術後VTEへの関与を示すもの」とし、「待機的初回片側TKA施行例における第XI因子の抑制は術後VTEの予防に有効であり、出血リスクに関する安全性も良好である」と結論している。

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医師が選んだ「今年の漢字」はコレ!【CareNet.com会員アンケート結果発表】

12月12日に日本漢字能力検定協会が発表した『今年の漢字』では、「税」が1位に選ばれたようです。今年の世相を表す漢字について、医師に聞いてみたらどんな結果になるのか?CareNet.com会員の医師を対象に募集したところ、1位に選ばれたのはやはり「税」でした。しかし、2位以下では、医師ならではの視点・事情が垣間見られる漢字が上位にランクインしています。※発表にあたってケアネットの達筆社員が筆を執りました。書を持つ5人もケアネット社員です。1位税日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」で1位に選ばれた「税」は、CareNet.com会員でも1位にランクインしました。アンケートを行った時期が解散総選挙前という事情もあったせいか、文字どおり、今年4月より8%に引き上げられた“消費税”を表しています。「税」を選んだ理由(コメント抜粋)今だけではなく未来の自分や子供らの生活に大きく関わるにもかかわらず、消費税8%だ10%だと財務省が勝手に決めているのはおかしいと思ってるから。今度の解散ではその辺りを検証した話を聞かせて欲しい。そうでないと、選びようがない...。(勤務医/内科 59歳)4月に消費税が8%に上がり、その後景気が悪化し、12月には来年10月からの10%への引き上げで論議を巻き起こし、衆議院解散にまで発展したため。(開業医/内科 55歳)増税ばかりで明らかに生活が苦しくなりました。我々勤務医程度の収入層が最もダメージが大きいと思います。低所得対策では景気改善は見込めず、むしろ低所得層はある程度見切り、中間層の消費を喚起する政策が必要と思います。(勤務医/臨床研修医 27歳)2位偽数々の「偽」が大騒動を巻き起こした2014年の日本の世相を、一文字で表現するにはぴったりの漢字。今年もさまざまな出来事がありましたが、そのなかでも「STAP細胞」と「ゴーストライター」の件は、衝撃的だったのではないでしょうか?「偽」を選んだ理由(コメント抜粋)「STAP細胞は、あります」・・・ワイドショーをにぎやかした一連の大騒動。研究発表の杜撰さがある一方で、それを追求するマスコミのピント外れのコメント・論拠・検証。すべてが、偽。 朝日新聞の捏造体質、兵庫県議の号泣会見、作曲家ゴーストライター騒動、相変わらずのマスコミの偏向報道。・・・ いつの世も「偽」「嘘」がはびこり、また支配するものではあるが、今年は久しぶりにSTAP細胞という、医学会の大騒ぎがあったので、之を推す。(勤務医/小児科 43歳)ゴーストライター、STAP細胞の問題、大臣や議員の政治資金に関する問題、朝日新聞の誤った報道記事、中国が行っている傷んだ鶏肉やサンゴの密漁など様々な問題などから。(開業医/泌尿器科 54歳)偽りの細胞、偽りの作曲家、偽りのPC遠隔操作疑惑冤罪者、そして偽りの景気回復………。(開業医/腎臓内科 45歳)3位災集中豪雨、地震、火山の噴火などの自然災害はもちろん、エボラ出血熱やデング熱の流行という医療界を震撼させる感染症のパンデミックも、「災」を選んだ先生方のコメントのほとんどに含まれていました。「災」を選んだ理由(コメント抜粋)長野県に住んでいます。今年は大雪、御岳山噴火、県北部での地震など天災が多かったので、災害の「災」を今年の一字に選びました。(勤務医/内科 46歳)福島原発問題もまだまだですし、御嶽山噴火、広島土石流などいろいろありましたので。(開業医/眼科 51歳)自然災害(地震、水害、火山、エボラ出血熱、デング熱流行など)、人災(イスラム国、違法サンゴ漁など)いろいろな災害や災いの多い1年だったから(開業医/耳鼻咽喉科 61歳)4位嘘2位の「偽」を選んだ理由とも共通する「嘘」の一文字。こちらも2014年の出来事といえばまず思い浮かべるであろう、「STAP細胞」と「ゴーストライター」が多く挙げられていました。「嘘」を選んだ理由(コメント抜粋)STAP細胞は仮説としては興味深いが、在ると証明できていない。嘘と言われてもやむを得ない。(勤務医/外科 59歳)STAP細胞と聴覚障害者のピアニスト。医学や医療と離れれば、政治と金の問題が多数。とりわけ号泣?謝罪会見はウケた。(開業医/精神科 45歳)政治の嘘は以前からだが、原発事故以降、なんでもありになってしまった。経済指標の数字を操作することも嘘に等しい。STAP細胞の論文の件も研究者が嘘をついてしまうことが横行していることが明るみになった。日本人は嘘をつかず、誠実であってほしいと思う。(勤務医/小児科 54歳)5位忍“耐え忍ぶ”という言葉がまさに当てはまる一文字。「忍」を選んだ先生方は何を思ったのでしょうか……?「忍」を選んだ理由(コメント抜粋)開業医です。ほそぼそと田舎で小児科を中心に仕事をしています。とにかく今は耐えるしかないと思います。どんなにがんばっても、医療費は削減され、医者が儲けているなどと、間違った報道が多い。いい加減にしてほしい。(開業医/小児科 60歳)世界的異常気象、天災、疾病、色々耐え忍び来年、次世代に安心な世の中を継承していきたい気持ちを込めて。(開業医/内科 51歳)保険査定も厳しい、医師不足も厳しい、医療訴訟も厳しい、あらゆる厳しさに耐え忍ぶ年だったと思います。(勤務医/消化器内科 45歳)★アンケート概要アンケート名『医師が選ぶ!今年の漢字』実施期間2014年12月2日~12月9日調査方法インターネット対象CareNet.com会員医師有効回答数3,570件

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抗菌薬と小児喘息は本当に関連するのか/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のAnne K Ortqvist氏らは、従前、指摘されている「胎児期や出生後間もない抗菌薬曝露は小児喘息と関連している」という知見について、交絡因子による補正後も認められるのかを同国住民ベースのコホート研究で調べた。交絡因子として家族因子を用いた兄弟姉妹間比較や、抗菌薬の治療目的別の違いなどを検討した結果、家族因子は同関連を支持するものではなく、また呼吸器感染症の治療目的使用が尿路感染症や皮膚感染症と比べて関連が強いことなどを明らかにした。著者は、「家族因子や呼吸器感染症によって、同関連は示唆されたり否定されたりすることが判明した」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年11月28日号掲載の報告より。スウェーデン、2006~2010年の出生児49万3,785例について分析 検討は、スウェーデンの人口統計および健康レジスターから、2006~2010年の出生児49万3,785例を特定して行われた。そのうち適格条件を満たした18万894例については兄弟姉妹分析も行った。 喘息の診断歴および喘息薬の処方歴で喘息児を特定。抗菌薬曝露と喘息の関連を、Cox比例ハザード回帰法を用いて全コホートにおいて分析した。また兄弟姉妹群の層別化比例ハザードモデルを用いて、家族内共有因子で補正した分析も行った。さらに、特異的抗菌薬投与群と喘息との関連を評価し、呼吸感染症が交絡因子であるかについても調べた。家族因子、治療目的の感染症因子でリスクが増減 全コホート分析の結果、胎児期の抗菌薬投与と小児喘息リスク増大との関連が認められた(ハザード比:1.28、95%信頼区間[CI]:1.25~1.32)。しかし、同関連は兄弟姉妹分析ではみられなかった(同:0.99、0.92~1.07)。 また、全コホート分析で、小児期の呼吸器感染症治療目的での抗菌薬使用が(HR:4.12、95%CI:3.78~4.50)、尿路感染症および皮膚感染症治療目的での抗菌薬使用よりも(同:1.54、1.24~1.92)、小児喘息リスクが顕著に高かった。 しかし兄弟姉妹分析では、呼吸器感染症使用目的曝露後のリスクは全コホート分析時よりも低く(HR:2.36、95%CI:1.78~3.13)、尿路感染症および皮膚感染症使用目的曝露後ではリスクの増大は認められなかった(同:0.85、0.47~1.55)。

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事例32 薬剤使用に対する病名もれでの査定【斬らレセプト】

解説事例では処置に使用した薬剤が査定となった。主に病名もれを指摘するA事由(医学的に適応と認められないもの)であったためにカルテを確認した。カルテには蜂巣炎が一部潰瘍化し、プロスタンディン®を塗布して処置を行なったことが記入されており、レセプト通りの内容であった。同薬剤の添付文書を確認すると、効能・効果には「褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)」と記載されており、潰瘍に対して使用される薬剤であった。蜂巣炎の症状が重い場合には潰瘍形成もあり得るが、レセプトには左下腿蜂巣炎のみであり、潰瘍形成の有無が読みとれない。したがって、レセプトから潰瘍形成が認められないのに潰瘍治療薬を使用しているとしてA査定となったものであろう。病名に状態が含まれる場合であっても、その状態が必然的に伴うものでない限り、病名の追加またはコメント記載が必要なのである。事例では、院外処方せんで処方した軟膏に対してもA事由で調剤薬局報酬分との相殺通知が届いた。

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ポリフェノールは皮膚疾患の新たな治療選択肢

 米国・カリフォルニア大学デービス校のWilliam Tuong氏らは、皮膚疾患の新たな治療選択肢としてのポリフェノールベース治療について、システマティックレビューによる検討を行った。その結果、特定の皮膚疾患の治療に有効でありうると質的に結論づけられると述べ、臨床医に、エビデンスに基づく知識(有効性、適応症、副作用)が必要であると示唆した。同時に、さらなる厳格な臨床試験を行う必要性、有効性の評価が不可欠であることにも言及した。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2014年11月26日号の掲載報告。 植物由来のポリフェノール物質は、in vitroおよびin vivoでバイオロジカルな特性があることを示し、特定の皮膚疾患の新たな治療の開発につながっている。本検討で研究グループは、臨床医にポリフェノールベースの治療法の有効性を評価している臨床試験の概要を提供すること、および、新たな治療として、使用を裏づけるエビデンスがあることを強調するのが目的であった。 システマティックレビューは、PubMed、Embaseのデータベースを介して、2014年7月4日時点で文献検索を行った。2人の独立レビュワーが、要約をレビューし包含。関連スタディについて参考文献の検索も手動で行った。 データの抽出は、適格条件を満たした試験から個別に行い、矛盾点についてはコンセンサスによって包含判定を下した。 主な結果は以下のとおり。・検索により、356の特色のある要約が得られた。そのうち17試験が包含および除外基準を満たした。・ポリフェノールは、外用および経口の形態で用いられていた。・緑茶ポリフェノールが肛門性器疣贅の治療に効果がある可能性を示唆する質の高いエビデンスが認められた。・ポリフェノールが脱毛症、にきび、真菌感染症、シミや日焼けした皮膚の治療として効果がある可能性を示唆する、限定的だが有用なエビデンスも認められた。・著者は、「皮膚科領域でのポリフェノールベース治療の臨床使用増大とともに、その有効性、適応症、副作用に関するエビデンスベースの知識が必要となる」と述べている。

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【医療ニュース トップ100】2014年、最も読まれた「押さえておくべき」医学論文は?

今年も、4大医学誌の論文を日本語で紹介する『ジャーナル四天王』をはじめ、1,000本以上の論文をニュース形式で紹介してきました。その中で、会員の先生方の関心の高かった論文は何だったのでしょう? ここでは、アクセス数の多いものから100本を紹介します。 1位 日本男性の勃起硬度はアレと関連していた (2014/11/13) 2位 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 (2014/1/7) 3位 子供はよく遊ばせておいたほうがよい (2014/3/28) 4位 思春期の精神障害、多くは20代前半で消失/Lancet (2014/1/27) 5位 なぜコーヒーでがんリスクが低下? (2014/7/31) 6位 メロンでかゆくなる主要アレルゲンを確認 (2014/4/15) 7位 新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet (2014/6/9) 8位 体幹を鍛える腹部ブレーシング、腰痛に効果 (2014/5/7) 9位 コーヒーを多く飲む人は顔のシミが少ない (2014/8/7) 10位 スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet (2014/10/9) 11位 スルピリドをいま一度評価する (2014/5/16) 12位 米国の高血圧ガイドライン(JNC8)のインパクト/JAMA (2014/4/16) 13位 インフルエンザワクチン接種、無針注射器の時代に?/Lancet (2014/6/16) 14位 新規経口抗凝固薬4種vs.ワルファリン-心房細動患者のメタ解析-/Lancet (2013/12/25) 15位 アルコール依存症、薬物治療の減酒効果は?/JAMA (2014/5/29) 16位 SGLT2阻害薬「トホグリフロジン」の日本人への効果 (2014/2/28) 17位 大人のリンゴ病 4つの主要パターン (2014/7/29) 18位 脳動脈瘤、コイルvs. クリッピング、10年転帰/Lancet (2014/11/12) 19位 ACE阻害薬を超える心不全治療薬/NEJM (2014/9/8) 20位 アルツハイマーに有用な生薬はコレ (2014/11/14) 21位 塩分摂取と死亡リスクの関係はJカーブ/NEJM (2014/8/25) 22位 スタチン投与対象者はガイドラインごとに大きく異なる/JAMA (2014/4/14) 23位 食後血糖によい食事パターンは?(低脂肪vs低炭水化物vs地中海式) (2014/3/27) 24位 成人ADHDをどう見極める (2014/5/21) 25位 各種ダイエット法の減量効果/JAMA (2014/9/16) 26位 牛乳1日3杯以上で全死亡リスクが2倍/BMJ (2014/11/13) 27位 腰痛持ち女性、望ましい性交体位は? (2014/11/21) 28位 ロマンチックな恋愛は幸せか (2014/3/26) 29位 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 (2014/5/8) 30位 下肢静脈瘤、ベストな治療法は?/NEJM (2014/10/10) 31位 せん妄管理における各抗精神病薬の違いは (2014/9/18) 32位 降圧薬投与量の自己調整の有用性/JAMA (2014/9/11) 33位 深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ (2014/3/20) 34位 StageII/III大腸がんでのD3郭清切除術「腹腔鏡下」vs「開腹」:ランダム化比較試験での短期成績(JCOG 0404) (2014/2/26) 35位 たった1つの質問で慢性腰痛患者のうつを評価できる (2014/2/21) 36位 スタチン時代にHDL上昇薬は必要か/BMJ (2014/8/7) 37位 就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大 (2014/8/29) 38位 認知症のBPSD改善に耳ツボ指圧が効果的 (2014/10/28) 39位 統合失調症患者の突然死、その主な原因は (2014/4/18) 40位 うつ病と殺虫剤、その関連が明らかに (2014/7/9) 41位 帯状疱疹のリスク増大要因が判明、若年ほど要注意/BMJ (2014/5/26) 42位 慢性のかゆみ、治療改善に有用な因子とは? (2014/7/1) 43位 女性の顔の肝斑、なぜ起きる? (2014/5/8) 44位 DES1年後のDAPT:継続か?中断か?/Lancet (2014/7/30) 45位 駆出率が保持された心不全での抗アルドステロン薬の効果は?/NEJM (2014/4/23) 46位 レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は (2014/10/30) 47位 アトピー性皮膚炎患者が避けるべきスキンケア用品 (2014/2/6) 48位 タバコの煙を吸い込む喫煙者の肺がんリスクは3.3倍:わが国の大規模症例対照研究 (2014/6/18) 49位 世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見 (2014/10/17) 50位 円形脱毛症とビタミンDに深い関連あり (2014/4/10) 51位 不眠の薬物療法を減らすには (2014/7/23) 52位 オメプラゾールのメラニン阻害効果を確認 (2014/11/6) 53位 タバコ規制から50年で平均寿命が20年延長/JAMA (2014/1/16) 54位 ICUでの栄養療法、静脈と経腸は同等/NEJM (2014/10/15) 55位 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット (2014/3/17) 56位 COPDにマクロライド系抗菌薬の長期療法は有効か (2014/1/13) 57位 座りきりの生活は心にどのような影響を及ぼすか (2014/5/12) 58位 PSA検診は有用か:13年後の比較/Lancet (2014/8/22) 59位 気道感染症への抗菌薬治療 待機的処方 vs 即時処方/BMJ (2014/3/17) 60位 血圧と12の心血管疾患の関連が明らかに~最新の研究より/Lancet (2014/6/19) 61位 マンモグラフィ検診は乳がん死を抑制しない/BMJ (2014/2/21) 62位 機能性便秘へのプロバイオティクスの効果 (2014/8/14) 63位 超高齢の大腸がん患者に手術は有用か:国内での検討 (2014/2/14) 64位 糖尿病予防には歩くよりヨガ (2014/8/4) 65位 乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet (2014/3/31) 66位 75歳以上でのマンモグラフィ検診は有効か (2014/8/11) 67位 大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA (2014/1/23) 68位 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサインかも (2014/5/13) 69位 食事由来の脂肪酸の摂取状況、国によって大きなばらつき/BMJ (2014/4/28) 70位 心房細動合併の心不全、β遮断薬で予後改善せず/Lancet (2014/9/19) 71位 薬剤溶出ステントの直接比較、1年と5年では異なる結果に/Lancet (2014/3/24) 72位 ピロリ除菌、糖尿病だと失敗リスク2倍超 (2014/8/21) 73位 認知症にスタチンは有用か (2014/7/25) 74位 RA系阻害薬服用高齢者、ST合剤併用で突然死リスク1.38倍/BMJ (2014/11/20) 75位 腰痛へのアセトアミノフェンの効果に疑問/Lancet (2014/8/6) 76位 食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究 (2014/9/12) 77位 うつになったら、休むべきか働き続けるべきか (2014/9/16) 78位 英プライマリケアの抗菌治療失敗が増加/BMJ (2014/10/1) 79位 総胆管結石疑い 術前精査は必要?/JAMA (2014/7/21) 80位 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン (2014/10/8) 81位 前立腺がん、全摘vs.放射線療法/BMJ (2014/3/10) 82位 緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究 (2014/6/3) 83位 高力価スタチンが糖尿病発症リスクを増大させる/BMJ (2014/6/16) 84位 乳がんの病理学的完全奏効は代替エンドポイントとして不適/Lancet (2014/2/27) 85位 Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM (2014/8/28) 86位 抗グルタミン酸受容体抗体が神経疾患に重大関与か (2014/8/15) 87位 歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下/Lancet (2014/1/8) 88位 肩こりは頚椎X線で“みえる”のか (2014/3/19) 89位 地中海式ダイエットと糖尿病予防 (2014/4/7) 90位 閉塞性睡眠時無呼吸、CPAP vs. 夜間酸素補給/NEJM (2014/6/26) 91位 揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ (2014/4/3) 92位 6.5時間未満の睡眠で糖尿病リスク上昇 (2014/9/4) 93位 セロトニン症候群の発現メカニズムが判明 (2014/3/14) 94位 日本発!牛乳・乳製品を多く摂るほど認知症リスクが低下:久山町研究 (2014/6/20) 95位 肥満→腰痛のメカニズムの一部が明らかに (2014/8/8) 96位 低炭水化物食 vs 低脂肪食 (2014/8/7) 97位 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは (2014/3/21) 98位 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか (2014/7/2) 99位 血糖降下強化療法の評価―ACCORD試験続報/Lancet (2014/8/20) 100位 小児BCG接種、結核感染を2割予防/BMJ (2014/8/21) #feature2014 .dl_yy dt{width: 50px;} #feature2014 dl div{width: 600px;}

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腎移植後のBKウイルス尿症、キノロンで予防できるか/JAMA

 腎移植後レシピエントの重大合併症であるBKウイルス感染症に対して、移植後早期開始のレボフロキサシン(商品名:クラビットほか)療法(3ヵ月間投与)は、BKウイルス尿症発症を予防しなかったことが、カナダ・オタワ大学のGreg A. Knoll氏らによる、前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、判明した。BKウイルスの一般集団保有率は60~80%であり、移植後免疫療法は同ウイルスを再活性化することが知られる。ウイルス尿症に始まり、ウイルス血症、最終的にウイルス腎症に至る感染症の進行は、レシピエントの移植失敗に結びつくこと(10~100%)から問題視されている。今のところ同感染症に対する有効な治療戦略はないが、後ろ向き検討において、キノロン系抗菌薬の抗ウイルス効果が示されたことから、前向き試験による予防的投与の効果を検討する本試験が行われた。JAMA誌2014年11月26日号掲載の報告。移植後5日以内に3ヵ月間投与、プラセボ群と比較 試験は、2011年12月~2013年6月にカナダの7つの移植医療施設で行われた。被験者は、死体または生体腎移植を受けた154例で、移植後5日以内に開始する3ヵ月間のレボフロキサシン投与(500mg/日、76例)を受ける群と、プラセボ群(78例)に無作為に割り付けられ追跡を受けた。 主要アウトカムは、移植後1年以内のBKウイルス尿症発症(定量リアルタイムPCR法で検出)までの期間。副次アウトカムは、BKウイルス血症の発生率、ウイルス量最大値、拒絶反応、患者死亡率および移植片生着失敗率などであった。BKウイルス尿症発生のハザード比0.91で有意差なし、むしろ耐性菌リスク増大 本試験は、被験者154例のうち38例が追跡予定期間(12ヵ月)を完遂できなかった。38例のうち11例はウイルス尿症を発症したため、また27例はリスクが認められ、試験を早期に終了した(全被験者が完了した追跡期間は8ヵ月間)。全体の平均追跡期間は、レボフロキサシン群46.5週、プラセボ群46.3週であった。 BKウイルス尿症の発生は、レボフロキサシン群22例(29%)、プラセボ群26例(33.3%)で、両群に有意差は認められなかった(ハザード比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.51~1.63、p=0.58)。また、各副次エンドポイントについても、両群間で有意差はみられなかった。 一方で、レボフロキサシン群でキノロン耐性菌感染症のリスク増大が認められた(58.3%vs. 33.3%、リスク比:1.75、95%CI:1.01~2.98)。また、有意ではなかったが腱炎リスクの増大も認められた(7.9%vs. 1.3%、リスク比:6.16、95%CI:0.76~49.95)。 試験期間中の腎機能は両群で同等であった。

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早期経鼻栄養、感染症・死亡リスク低下せず/NEJM

 急性膵炎で合併症リスクの高い患者に対し、早期に経鼻栄養チューブによる経腸栄養を始めても、救急受診から72時間後に経口摂取を始め必要に応じて経管栄養を行う場合と比べ、主要な感染症や死亡リスクの低下に結び付かないことが示された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのO.J.Bakker氏らが、208例の患者について行った多施設共同無作為化試験の結果、報告した。重症急性膵炎の患者に対しては、腸管からの感染症予防を目的として、早期に経鼻腸管栄養を開始することが多い。しかし、この戦略を支持するエビデンスは限定的だった。NEJM誌2014年11月20日号掲載の報告より。急性膵炎で合併症リスクの高い患者を対象に、早期経鼻vs. オンデマンド 研究グループは、オランダ19ヵ所の病院を通じて、急性膵炎で合併症リスクの高い患者208例について試験を行った。被験者の合併症は、重症患者における臨床的重症度の指標であるAcute Physiology and Chronic Health Evaluation II(APACHE II)スコアが8以上で、Imrie/修正グラスゴースコアが3以上、または血清CRP値が150mg/L超だった場合とした。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には無作為化後24時間以内に経鼻腸管栄養を開始し(早期群)、もう一方には受診から72時間後に経口摂取を始め、経口摂取に忍容性がない場合には経管栄養を行った(オンデマンド群)。 主要エンドポイントは、6ヵ月の追跡期間中の主要な感染症(感染性膵壊死、菌血症、肺炎)または死亡の、複合イベントの発生とした。感染症、死亡リスクともに両群で同等 結果、主要エンドポイントの発生率について両群で有意差はなかった。早期群は101例中30例(30%)、オンデマンド群は104例中28例(27%)の発生だった(リスク比:1.07、95%信頼区間:0.79~1.44、p=0.76)。 同様に、主要感染症の発生率についても、早期群25%に対しオンデマンド群26%であり、両群で同等だった(p=0.87)。死亡率についても同等だった(11%vs. 7%、p=0.33)。 また、オンデマンド群では、72例(69%)が経口摂取に忍容性を示し経管栄養は不要だった。

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【GET!ザ・トレンド】Dr岩田が提言 エボラ、医療者が知っておくべきポイント

かつてないアウトブレイクで加熱するエボラ報道。伝えられている情報はどこまで正しいのか?岩田健太郎氏が緊急出演、いま医療者が正しく知っておくべきポイントを3分で解説いただいた。エボラ出血熱の正しい情報をNew England Journal of Medicine /EBLA OUTBREAKhttp://www.nejm.org/page/ebola-outbreakThe New York Timeshttp://www.nytimes.comCDC( Centers for Disease Control and Prevention )/Ebola Updatehttp://www.cdc.gov/vhf/ebola/index.htmlWHOhttp://www.who.int/en/The Lancet /Ebola Resource Centrehttp://ebola.thelancet.com/より詳しい情報はCareNeTVライブ アーカイブへ「岩田健太郎が緊急提言!エボラ出血熱にこう備えよ!」(2014年11月27日OA)https://www.carenet.com/report/series/asf/cnlive/37.html

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C型肝炎は内服でほぼ全例が治癒する時代へ

 C型肝炎ウイルスに対する治療は、2011年の直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals;DAA)の登場で大きく変換した。現在、効果のより高い薬剤・レジメンの開発が続いている。2014年11月26日、都内で開催されたC型肝炎プレスセミナー(主催:アッヴィ合同会社)にて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がC型肝炎治療の進歩と著効率の変遷を解説、さらに開発中のレジメンを紹介し、「来年にはC型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と予測した。■日本人で多いのは「ジェノタイプ1b型・高ウイルス量」 C型肝炎ウイルスの遺伝子型は民族によって異なり、日本人ではジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者が多く、5割以上を占める。しかしながら、1992年に承認されたインターフェロン(IFN)単独療法では、このジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者に対して、虎の門病院における著効率は11.7%と低く、全体でも著効率は3割と、つらい治療にもかかわらず7割が無効であったという。また、次に承認されたペグ-IFN+リバビリン(RBV)併用療法でも、2004年~2011年における、ジェノタイプ1b型・高ウイルス量の患者の著効率は48.8%と5割に満たなかった。しかし、2011年にDAAが登場し、IFN+RBV+プロテアーゼ阻害剤併用療法により、ジェノタイプ1型のSVR率は、初回治療例ではテラプレビルで73%、シメプレビルで88%、バニプレビルで84%と高い効果を示した。しかし、前治療無効例に対しては、順に34%、50%、61%と徐々に増えているものの低いことが課題であった。■IFNフリーの経口剤が登場 日本人のC型肝炎患者の特徴として、高齢者が多いこと、副作用(とくにIFN)に敏感なこと、高齢化のために欧米より肝がんの発生頻度が高いことが挙げられる。そのため、高齢者・うつ病・IFNが使えない患者にも使える、IFNフリーの経口剤治療が求められていると熊田氏は述べた。このような状況から、IFNフリーの経口治療薬であるダクラタスビル(NS5A阻害剤)+アスナプレビル(NS3阻害剤)併用療法が開発され、今年9月に両薬剤が発売された。 これら2剤の併用療法における第III相試験での著効率は、ジェノタイプ1b型のIFN治療に不適格の未治療または不耐容の患者で87.4%、IFN治療無効の患者で80.5%と、高い有効性が示された。また、この有効性には、性別、年齢、開始時HCV-RNA量、肝硬変などの背景因子の影響はみられなかった。有害事象については、鼻咽頭炎、頭痛、ALT増加、AST増加、発熱が多く、有害事象による投与中止例は5%であったと熊田氏は紹介した。■「前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株あり」は著効率が低い この2剤併用経口療法の登場により、厚生労働省「科学的根拠に基づくウイルス性肝炎治療ガイドラインの構築に関する研究班 C型肝炎ガイドライン」が今年9月に改訂された。このガイドラインの治療選択肢の患者群ごとのSVR率をみると、・IFN適格の初回・再燃例:88%(IFN+RBV+シメプレビル3剤併用療法)・IFN不適格の未治療/不耐容例:89%(ダクラタスビル+アスナプレビル2剤併用療法)・前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株ありの患者:43%(IFN+RBV+シメプレビル3剤併用療法)・前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株なしの患者:85%(ダクラタスビル+アスナプレビル2剤併用療法)となる。 熊田氏は、前治療無効でNS5A・NS3耐性変異株ありの患者では43%と低いのが問題であると指摘した。■内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来 最後に熊田氏は、わが国で経口剤のみの臨床試験がすでに実施されているレジメンとして以下を紹介し、このうち、ギリアド、アッヴィ、ブリストルの薬剤は来年には発売されるという見通しを語った。・NS5B阻害剤+NS5A阻害剤(ギリアド・サイエンシズ、2014年9月申請)・NS5A阻害剤+NS3阻害剤(アッヴィ、Phase3)・NS5A阻害剤+NS5B阻害剤+NS3阻害剤(ブリストル・マイヤーズ、Phase3)・NS5A阻害剤+NS3阻害剤(MSD、Phase2~3) これらレジメンの治療期間は12週と短くなっている。熊田氏は、これらの著効率が海外で95~100%、日本でもギリアドのNS5B阻害剤+NS5A阻害剤が99%(Phase3)、アッヴィのNS5A阻害剤+NS3阻害剤が95%(Phase2)と高いことから、「C型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と述べた。

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グラゾプレビル+エルバスビル、8週vs. 12週/Lancet

 肝硬変なし未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型単独感染患者およびHIV/HCV重複感染患者に対し、グラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法はリバビリン併用の有無を問わず、8週投与よりも12週投与が有効であることが判明した。米国・ジョンズホプキンス大学のMark Sulkowski氏らが第II相無作為化試験C-WORTHYの結果から報告した。グラゾプレビル+エルバスビル併用療法に関する検討はすでに、より大規模な第III相試験が行われている。著者は、「われわれの検討結果は、第III相試験の継続を支持するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。肝硬変なし未治療のHCV単独感染またはHIV/HCV重複感染患者について評価 C-WORTHYは、HCV患者に対するグラゾプレビル(1日100mg)+エルバスビル(1日20または50mg)併用療法について、リバビリン投与あり/なしで検討した第II相の国際多施設非盲検無作為化並行群間比較試験である。 研究グループは、肝硬変なし未治療のHCV遺伝子型1型単独感染またはHIV/HCV重複感染についての検討所見を報告した。被験者の適格条件は、18歳以上、末梢血HCV RNA値1万IU/mL以上の未治療HCV遺伝子型1型感染症患者であった。 検討では、パートAにおいて、HCV単独感染患者に対する併用療法+リバビリンあり/なしの12週投与を行った。被験者は遺伝子型1a、1b群で層別化され、次の各群に無作為化された。A1群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(20mg)+リバビリン、A2群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリン、A3群(1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)。 パートBでは、HCV単独感染患者に対する8週投与と12週投与の検討、およびHIV/HCV重複感染患者に対する併用療法+リバビリンあり/なし12週投与の検討を行った。被験者は遺伝子型1a、1b群で層別化され、次の各群に無作為化された。B1群(1a):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリンを8週投与、B2群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリンを12週投与、B3群(1a):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)、重複感染患者についてはB12群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)+リバビリン、B13群(1a+1b):グラゾプレビル+エルバスビル(50mg)でいずれも12週投与。 主要エンドポイントは、ウイルス学的著効(SVR)について、各治療終了後12週時点でのHCV RNA値25 IU/mL未満達成患者の割合で評価した(SVR12)。12週投与群のSVR12、HCV単独感染群93~98%、HIV/HCV重複感染群87~97% 試験に登録されたのは、HCV単独感染患者159例、HIV/HCV重複感染患者59例の計218例であった。 結果、12週投与リバビリンあり/なしのSVR12達成率は、HCV単独感染群が93~98%、HIV/HCV重複感染群は87~97%であった。このうちリバビリン投与なし群についてみると、HCV単独感染群は98%(95%信頼区間[CI]:88~100%、43/44例)、HIV/HCV重複感染群87%(同:69~96%、26/30例)であった。リバビリン投与群については、HCV単独感染群は93%(同:85~97%、79/85例)、HIV/HCV重複感染群97%(同:82~100%、28/29例)であった。 一方、HCV(遺伝子型1a)単独感染患者に対する8週投与のSVR12は、80%(95%CI:61~92%、24/30例)であった。 ウイルス学的失敗以外の理由で早期に治療中止となった被験者は6例いたが、そのうち5例は、試験最終測定時でHCV RNA値25 IU/mL未満を示していた。 12週治療群のウイルス学的失敗例は7例(7/188例、4%)で、薬剤関連耐性変異によるものであった。 安全性プロファイル(グラゾプレビル+エルバスビル併用療法+リバビリン投与あり/なし)は、HCV単独感染群、HIV/HCV重複感染群で類似していた。有害事象や検査値異常による治療中断例はなかった。最も頻度が高かった有害事象は、疲労(51例、23%)、頭痛(44例、20%)、悪心(32例、15%)、下痢(21例、10%)であった。

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