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anorexia nervosa(神経性やせ症)【病名のルーツはどこから?英語で学ぶ医学用語】第11回

言葉の由来「神経性やせ症」は英語で“anorexia nervosa”といいます。この病名はギリシャ語の“anorexia”とラテン語の“nervosa”に由来します。“anorexia”は、「否定」を表す“an”と「食欲」を表す“orexia”をつなげた単語で、文字通り「食欲がない」ことを意味します。一方、“nervosa”はラテン語で神経を表す“nervus”に由来し、「神経性の」という意味です。“anorexia nervosa”という病名は、19世紀後半に英国のウィリアム・ガル医師によって付けられたとされています。彼は、「主に若い女性に発生する、極度の衰弱を特徴とする特異な病気」について複数の症例を報告し、精神的および神経的な要因が関与するとして、このような病名を付けました。“anorexia nervosa”に関連する医学用語として、“bulimia nervosa”(神経性大食症)があります。“bulimia”は“anorexia”と同じくギリシャ語です。“bulimia”は牛を意味する“bous”と、飢えを意味する“limos”を組み合わせた単語で、「牛のような飢え」、つまり「異常な食欲」を意味します。“bulimia nervosa”は“anorexia nervosa”が名付けられた約100年後の1970年代に、英国の精神科医ジェラルド・ラッセル医師が命名しました。当時は“anorexia nervosa”の疾患の一部と考えられていましたが、過食とそれに続く補償行動を特徴とする精神的な障害である“bulimia nervosa”は、“anorexia nervosa”とは異なる病気である、と定義したのです。併せて覚えよう! 周辺単語無月経amenorrhea徐脈bradycardia骨粗鬆症osteoporosis栄養失調malnutrition認知行動療法cognitive behavioral therapyこの病気、英語で説明できますか?Anorexia nervosa is an eating disorder characterized by an intense fear of gaining weight, a distorted body image, and extreme efforts to control weight, often through severe calorie restriction and excessive exercise. This can lead to dangerous health complications due to malnutrition.講師紹介

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daridorexantの日本人不眠症患者に対する第III相ランダム化二重盲検プラセボ対症試験

 久留米大学の内村 直尚氏らは、日本人不眠症患者を対象にdaridorexantの有効性および安全性を評価した国内第III相二重盲検プラセボ対症試験の結果を報告した。Sleep Medicine誌2024年10月号の報告。daridorexantは日本人不眠症患者に対して有意な改善 対象は、国内95施設より登録された不眠症患者490例。対象患者はdaridorexant 50mg群(163例)、daridorexant 25mg群(163例)、プラセボ群(164例)にランダムに割り付けられた。4週間の治療後、7日間プラセボを投与し、30日間の安全性フォローアップ調査を実施した。主要有効性エンドポイントは、プラセボ群と比較したdaridorexant 50mg群における4週目の主観的総睡眠時間(sTST)および主観的睡眠潜時(subjective latency to sleep onset:sLSO)のベースラインからの変化とした。副次的エンドポイントとして、プラセボ群と比較したdaridorexant 25mg群における4週目のsTSTおよびsLSOも評価した。安全性エンドポイントは、有害事象およびVAS(Visual Analog Scale)による翌朝の眠気を含めた。 日本人不眠症患者を対象にdaridorexantの有効性および安全性を評価した主な結果は以下のとおり。・daridorexant 50mg群は、プラセボ群と比較し、sTSTの有意な増加、sLSOの有意な減少を認めた。【sTST】最小二乗平均差(LSMD):20.3分、95%信頼区間(CI):11.4~29.2、p<0.001【sLSO】LSMD:−10.7分、95%CI:−15.8~−5.5、p<0.001・daridorexant 25mg群においても、プラセボ群と比較し、有意な改善が認められた。【sTST】LSMD:9.2分、95%CI:0.3~18.1、p=0.042【sLSO】LSMD:−7.2分、95%CI:−12.3~−2.0、p=0.006・全体的な有害事象の発生率は、群間で同様であり(50mg群:22%、25mg群:18%、プラセボ群:23%)、最も多い有害事象は眠気であり、用量依存性が認められた(50mg群:6.8%、25mg群:3.7%、プラセボ群:1.8%)。・しかし、daridorexant群は、翌朝の眠気のVAS値を増加させることはなかった。・治療中止後のリバウンドや離脱関連症状は認められなかった。 著者らは「日本人不眠症患者に対するdaridorexantは、忍容性が良好で、主観的な睡眠アウトカムの有意な改善を示した。また、残留効果は認められなかった」とまとめている。

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緑内障患者では皮膚カロテノイドレベルが認知機能と関連している

 強力な抗酸化作用を持つカロテノイドの体内レベルが低いことが、緑内障患者の認知機能低下と関連がある可能性を示すデータが報告された。島根大学医学部眼科学講座の谷戸正樹氏らが、皮膚で非侵襲的に測定したカロテノイドレベルと認知機能テストの結果との関連を解析した結果であり、詳細は「Current Issues in Molecular Biology」に7月3日掲載された。 緑内障は視神経の障害によって視野の不可逆的な異常が進行する疾患で、高齢化を背景に患者数が増加しており、国内の失明原因のトップを占めている。認知症も高齢化を背景に患者数が増加しており、両者ともに神経変性疾患であるという共通点があって、発症や進行に活性酸素の関与が想定されている。一方、野菜や果物に豊富に含まれているカロテノイドは強い抗酸化作用があり、これらの神経変性疾患に対して保護的に働く可能性が示唆されている。とはいえ、体内のカロテノイドの測定には採血が必要なこともあり、眼科領域での研究はあまり進んでいない。しかし近年、反射分光法を用いて体内のカロテノイドを皮膚レベルで測定する技術が確立され、新たな展開を迎えている。 谷戸氏らはこの測定法を用いて、緑内障患者のカロテノイドレベルと認知機能や眼科所見との関係性を検討した。解析対象は、同大学医学部附属病院眼科外来の緑内障患者406人(812眼)。緑内障以外の眼底疾患が併存している患者は除外されている。主な特徴は、平均年齢が79.5±7.6歳、男性56.2%で、病型は約6割(57.6%)が原発開放隅角緑内障であった。皮膚カロテノイド(SC)レベルは0~1,200au(任意単位)の間で評価され、研究参加者の平均は325.1±19.3auだった。 認知症のスクリーニングに用いられているMini-Cogというテストで、5点中2点以下の場合を「認知症の疑いあり(陽性)」と判定したところ、28人(6.9%)がこれに該当した。認知症の疑いの陽性群と陰性群を比較すると、年齢は陽性群が高く有意差が認められ(79.5±7.6対69.0±11.3歳、P<0.0001)、SCレベルも前者が低値という有意差が認められた(269.5±86.5対329.2±120.4au、P=0.01)。性別の分布やBMI、血圧、喫煙者率などには有意差がなかった。陽性群の眼科所見(56眼)を陰性群(756眼)と比較すると、陽性群は眼圧が高く、視力と視野感度は低く、有水晶体眼が少ない(白内障手術後が多い)という有意差が認められた。緑内障のタイプの分布は差がなかった。 次に、SCレベルを従属変数として混合回帰モデルで検討した結果、現喫煙、心拍数高値とともに、認知症の疑いが陽性であることが、SCレベルが低いことの独立した関連因子として特定された。反対に女性であることはSCレベルが高いことの独立した正の関連因子として特定された。年齢やBMI、血圧、視力、視野感度などは、SCレベルの独立した関連因子ではなかった。 続いて視野感度を従属変数とする検討を施行。その結果、眼圧高値、有水晶体眼、眼科手術の既往などとともに、認知症の疑いが陽性であることが、視野感度の独立した負の関連因子として特定された。年齢や性別、現喫煙、BMI、血圧、心拍数、およびSCレベルは、視野感度の独立した関連因子ではなかった。 著者らは本研究が横断的デザインで行われているという限界点を述べた上で、「緑内障患者において、Mini-Cogで評価した認知機能の低下がSCレベルの低下と関連していた。これは、認知機能低下抑制のため、カロテノイドレベルを維持するという戦略に潜在的なメリットがあることを示唆している」と総括している。一方、本研究ではカロテノイドの視野感度に対する保護的作用は示唆されなかったが、カロテノイドの神経保護作用の報告もあることから、「さらなる研究が求められる」としている。

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押さえておきたい「合理的配慮」のポイント【実践!産業医のしごと】

押さえておきたい「合理的配慮」のポイント2016(平成28)年4月より、改正障害者雇用促進法が施行され、雇用分野における「合理的配慮」の提供が義務とされました。合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と同じように保障されるとともに、教育や就業、その他社会生活において平等に参加できるように周囲が配慮することを指します。現在、すでに法の施行から8年が経過していますが、合理的配慮は職場において十分に浸透したとはいえない状況にあります。合理的配慮への対応が不十分な職場がある一方で、合理的配慮の求めにどこまでも対応しようとして苦慮する職場もあるようです。産業医は合理的配慮に直接関わる立場ではないものの、仕事と人を適合させることが役割です。働く人の専門家の立場として意見を述べ、必要に応じて主治医との連携、職場や人事等も含めた、関係者間の調整的なハブの立場として関わることが求められています。今回は、合理的配慮について解説していきます。職場における合理的配慮は、仕事に支障となる障壁を解消する措置である合理的配慮の概念は米国の発祥で、障害を理由とする差別を禁止した連邦法である「障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act:ADA)」の制定を機に広まります。法学者の長谷川 珠子氏によると、ADAにおける合理的配慮は、「障害」を持ち、かつ当該職務に対して「適格性」を有する人を適用(保護)の対象としています1)。「適格性」とは、合理的配慮があれば(あるいはなくとも)「職務の本質的機能」の遂行ができる人を指し、合理的配慮があっても「当該職務の本質的機能」を遂行できない人は、障害者であっても保護の対象とはならない、とされています。ジョブ型の雇用である米国らしい法律ともいえますが、合理的配慮とは、仕事をするために障壁となっている事柄に関して必要かつ適切な調整を行うこと、と捉えるのが基本です。日本で厚生労働省が制定した「合理的配慮指針」2)では、合理的配慮の説明として「障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき…(中略)…措置」と記載されています。基本的な考え方は米国と大きく変わらず、合理的配慮とは働くために必要な合理性がある配慮であり、障壁のために本来のパフォーマンスを発揮できない場合には調整を行う必要がある、という考え方です。実際にあった職場における合理的配慮の申し出合理的配慮の申し出があった場合に、企業はどのように合意を形成していくのが望ましいのでしょうか。下記は、私が担当する企業で、精神障害を持つ方から合理的配慮の申し出があったケースです。過集中の傾向があり、業務中に疲労がたまったときは、自由に休憩させてほしい。不安が高まるため、納期のない自分のペースでできる仕事を担当したい。過去のトラウマを思い出すため、仕事でミスをしても厳しく指導しないでほしい。合理的配慮を進める際に、カギとなるのは対話です。何が障壁となるかは、当事者である本人にしかわかりません。精神障害の場合、さらに個別性は高く、画一的な配慮はまったく意味をなさないこともあります。また、すべての要求に応じようとすると、職場に負担がかかり、公正性の観点からも問題が生じることがあります。結局のところ、必要なステップを踏みながら、関係者の間で建設的に対話をする以外の方法はありません。合意形成のステップ配慮する事柄を決めるための合意形成のステップを示します。以下の流れで進めていきます。1)当事者からの意思表明(申し出)2)希望や理由を聞き取りながら職場と本人で話し合いを行う3)過度な負担(設備、費用等)とならない範囲で対応を検討する4)職場で対応できる内容を本人に伝え、理由も説明する5)お互いに合意した配慮を実施する6)定期的にその内容や程度について見直し・改善をする対話を通じて、職場と当事者の理解を深め、双方に納得感がある合意が得られることが重要です。また配慮が困難な場合でも、対話を尽くし、代替案が取れないか等、互いに納得できるプロセスを経るように意識しましょう。先ほどの例で挙げたケースは対話の結果、以下の内容で合意を得ました。  合理的配慮の例画像を拡大する「合理的配慮」は記録に残して、定期的に見直す合理的配慮の内容に合意した際は、確認書として記録に残すことが重要です。その際に必要なのは以下の4点です。1)従業員側の希望する配慮とその理由2)企業側が実施できない配慮とその理由3)対話によって決定した合意的配慮の事柄4)本人および企業側の署名合理的配慮は、上司の異動や組織変更などがあっても継続するように留意します。また、環境や業務の変化によって必要とする配慮が変わることもあるため、定期的に見直すようにしましょう。合理的配慮が浸透している職場は、すべての人が働きやすい合理的配慮が浸透している職場は、障害の有無にかかわらず、すべての労働者にとって働きやすい職場であるはずです。働く人の障壁を排除することによって能力を発揮でき、仕事のパフォーマンスが向上します。合理的配慮とは個別性への対応であり、産業医はときに組織の潤滑油となり、労働者と企業側の間に立つ専門家としての機能が求められています。合理的配慮を理解し、安心して働ける職場を支援しましょう。参考文献・参考サイト1)アメリカにおける「合理的配慮」について/日本学術振興会 長谷川珠子 2)合理的配慮指針(平成27年厚生労働省告示第117号)/厚生労働省

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日本の実臨床における統合失調症に対するアセナピンの治療継続予測因子

 統合失調症における薬物療法の継続率は、薬剤の種類や年齢、罹病期間などの患者関連因子により影響を受け、変動する。関西医科大学の嶽北 佳輝氏らは、特殊な製剤特性を有するアセナピン舌下錠における治療継続率の予測因子を明らかにするため、リアルワールドデータを用いた分析を行った。Annals of General Psychiatry誌2024年8月2日号の報告。 日本におけるアセナピンの市販後調査で収集した3,236件のリアルワールドデータを用いて、分析を行った。多変量ロジスティック回帰分析を用いて、主要アウトカムである薬物治療継続率に関連する患者関連因子を特定した後、さらに生存分析を用いて評価した。副次的アウトカムは、有害事象の発生とした。 主な結果は以下のとおり。・多変量ロジスティック回帰分析では、アセナピンの治療継続に対する有意な予測因子が特定された。・とくに、クロルプロマジン(CP)換算量が600mg/日超、罹病期間が25年以上であることなどが、患者関連因子に含まれた。・継続率は、全体で40.6%であったが、CP換算量が600mg/日超の場合は46.3%、罹病期間が25年以上の場合は47.9%であった。・注目すべきは、両方の因子を有する患者では、アセナピン継続率は52.5%と最も高かった。 著者らは「アセナピン舌下錠の治療継続を予測する患者関連因子は、他の抗精神病薬とは異なり、薬剤の特性により治療継続に関連する因子に違いがあることが示唆された。さまざまな抗精神病薬の治療継続に関連する予測因子を解明することは、統合失調症治療においてきわめて重要であり、患者個々の特性に合わせた治療介入の実現に役立つであろう」とまとめている。

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幻覚成分シロシビンの抑うつ作用を抗うつ薬と比較/BMJ

 抑うつ症状に対するサイケデリックス薬による介入のうち、高用量のシロシビンの投与を受けた患者は、抗うつ薬(エスシタロプラム)の試験においてプラセボを投与された患者と比較して、抑うつ症状の改善において良好な反応を示すものの効果量は小さいことが、台湾・義守大学のTien-Wei Hsu氏らの調査で示された。研究の詳細はBMJ誌2024年8月21日号に掲載された。5剤の経口単剤療法のベイズ流ネットワークメタ解析 研究グループは、抑うつ症状を有する患者において、4つのサイケデリックス薬またはエスシタロプラム(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いた経口単剤療法の有効性と受容性を、盲検化の失敗による効果の過大評価の可能性を考慮して比較することを目的に、文献の系統的レビューとベイズ流ネットワークメタ解析を行った(台湾国家科学技術委員会[NSTC]の助成を受けた)。 2023年10月12日の時点で医学関連データベースに登録された文献を検索した。対象は、抑うつ症状を有する成人患者を対象としたサイケデリックス薬またはエスシタロプラムに関する無作為化対照比較試験とした。サイケデリックス薬は、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、シロシビン、アヤワスカのいずれかで、抗うつ薬を併用しない経口単剤療法とした。 主要アウトカムは、17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)で評価した抑うつ状態の変化であった。推定バイアスを回避するために、プラセボ反応をサイケデリックス薬と抗うつ薬の試験で区別した。プラセボ反応はサイケデリックス薬の試験で低い サイケデリックス薬の試験におけるプラセボ反応は、エスシタロプラムを用いた抗うつ薬の試験におけるプラセボ反応に比べて低かった(平均差:-3.90、95%信用区間[CrI]:-7.10~-0.96)。 サイケデリックス薬の試験の多くでは、プラセボに比べサイケデリックス薬で抑うつ症状の改善効果が高かったが、エスシタロプラムを用いた抗うつ薬の試験のプラセボと比較して効果が優れたのは高用量シロシビンのみだった(平均差:6.45、95%CrI:3.19~9.41)。 一方、参照群をサイケデリックス薬の試験のプラセボ反応から抗うつ薬の試験に変更すると、高用量シロシビンの効果量(標準化平均差)は「大きい(0.88)」から「小さい(0.31)」へ低下した。高用量シロシビンの効果は2つの用量の抗うつ薬より高い 高用量シロシビンの相対的な効果は、エスシタロプラム10mg(平均差:4.66、95%CrI:1.36~7.74、標準化平均差:0.22)および同20mg(4.69、1.64~7.54、0.24)のいずれよりも高かった。 プラセボに比べて、サイケデリックス薬やエスシタロプラムで投与中止や重度有害事象の頻度が高かった介入(高用量、低用量、超低用量など)はなかった。 著者は、「高用量シロシビンは、抑うつ症状の治療に有効である可能性があるが、本研究のデザインはサイケデリックス薬の有効性を過大評価していると考えられる」と述べるとともに、「高用量シロシビンの標準化平均差は、現在の抗うつ薬と同程度であり、効果量は小さいことが示唆される」としている。

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メマンチン+ドネペジル併用療法の有害事象プロファイル~FDAデータ解析

 中等度~高度な認知症に対し、ドネペジルとメマンチンの併用療法は、臨床的に広く用いられている。しかし、ドネペジルとメマンチン併用による長期安全性に関するデータは、不十分であり、報告にばらつきがある。中国・福建中医薬大学のYihan Yang氏らは、米国FDAの有害事象報告システム(FAERS)のデータを用いて、ドネペジルとメマンチンの併用による有害事象を分析し、併用療法の安全性モニタリングに関するエビデンスの作成を目指した。Frontiers in Pharmacology誌2024年7月17日号の報告。 2004~23年に報告されたドネペジルとメマンチンの併用に関連する有害事象をFAERSデータベースより抽出し、レトロスペクティブに分析した。併用療法と有害事象との関連性を評価するため、4つの不均衡分析法(報告オッズ比、比例報告比、BCPNN[Bayesian confidence propagation neural network]、MGPS[multi-item gamma Poisson shrinker])を用いた。潜在的な安全性をさらに評価するため、性別による発生時期と発生率の違い、年齢による発生率の違いも分析した。 主な結果は以下のとおり。・ドネペジルとメマンチンの併用が原因である可能性が疑われた有害反応報告は2,400例で、女性が54.96%、65歳以上が79.08%であった。・めまいや心電図PR延長( PR prolongation)などの一般的な有害事象を含む100例の有害事象を網羅した22の器官別分類が特定された。転倒、Pisa症候群、ミオクローヌスは添付文書に記載されていない有害事象であった。・有害事象は男性で88例、女性では100例の報告があり、眠気は男女共に一般的な有害事象で、とくに女性に多く認められ、男性ではPisa症候群が多かった。・年齢別では、18歳未満12例、18~65歳16例、66歳以上113例の有害事象を分析した。3群間で異なる有害事象が認められたが、嗜眠はすべての群に共通してみられた。・有害事象発生までの期間の中央値は、全例で19日であった。・男女共に、多くの有害事象はドネペジルとメマンチンの併用療法開始1ヵ月以内に発生しており、1年間の治療後も継続する有害事象もあった。 著者らは「ドネペジルとメマンチンの併用療法による潜在的および新規の有害事象が特定された。また、一部の有害事象は、年齢や性別による違いも確認された。本研究結果が、実臨床においてドネペジルとメマンチンの併用療法を行う際、より安全に使用するための一助となることが期待される」としている。

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ペイシェントハラスメントが起きたきっかけは?/医師1,000人アンケート

 顧客からの暴言・暴力などの迷惑行為が大きく報じられ、鉄道・航空会社や大手百貨店などが対処方針を公表するなど社会問題になっている。CareNet.comでは、医療業界における迷惑行為の実態を調査するため、会員医師1,026人を対象に患者(家族・知人含む)からの迷惑行為(ペイシェントハラスメント)に関するアンケートを実施した。その結果、非常に多くの医師がペイシェントハラスメントを経験し、さまざまな予防や対策を講じていることが明らかになった(2024年7月29日実施)。ペイシェントハラスメントを経験した医師は約70% Q1では、過去にペイシェントハラスメントを受けた経験があるかどうかを聞いた(単一回答)。その結果、「ある」と回答した医師は69.5%、「ない」と回答した医師は30.5%であった。年代別の「ある」と回答した割合は、20代が67.6%、30代が70.7%、40代が77.6%、50代が70.1%、60代が62.8%、70歳以上は58.7%であった。「暴言」が圧倒的だが「暴力」も多い Q2では、上記Q1で「ある」と回答した場合、どのようなペイシェントハラスメントであったかを聞いた(複数回答)。多いものから暴言、脅迫・過剰なサービスの要求、診療費の不払い、業務妨害・不退去(居座り)、暴力、器物破損・建造物破損、セクハラ・ストーカーであった。 フリーコメントでは、「生活費がないから入院させてくれと言った生活保護患者の要求を断ったら殴られた」「縫合が必要な挫創を縫合せずに治せと言われた。できないことを何度も説明した。やがて患者があきらめた」「最近は泥酔者が頻繁に救急車で搬送され、喚くわ暴れるわで手を焼いている」「反社の方のパートナーが過換気症候群になって救急外来に運びこまれた際、胸ぐらをつかまれてちゃんと直さないと殺すと言われた」などの経験が寄せられた。ペイシェントハラスメントのきっかけは? Q3では、ペイシェントハラスメントのきっかけについて聞いた(複数回答)。その結果、「患者の誤解・思い込み・意見の相違」が最も多く、治療方針・内容、待ち時間・診察時間、医師・医療者・事務スタッフの言動、診断・診察結果、薬剤のこだわり、診察費などが続いた。 フリーコメントでは、第1位であった「患者の誤解・思い込み・意見の相違」に端を発するペイシェントハラスメントの予防と考えられる「積極的なコミュニケーション」「わかりやすい説明」を心がけているというコメントがとくに目立った。しかし、「挨拶が悪い」ことからハラスメントに至ったという理不尽な事例もあった。マニュアルがあるのは23.1% Q4では、勤務/経営医療機関にペイシェントハラスメント対策のためのマニュアル(対応指針)があるかどうかを聞いた。全体では、「ある」が23.1%、「ない」が39.1%、わからないが37.8%であった。病床数別では、20床以上の施設の「ある」が25.9%、「ない」が33.0%、「わからない」が41.0%であった一方、19床以下施設ではそれぞれ12.9%、60.7%、26.3%で、クリニックではマニュアル整備が十分ではないことが明らかになった。 フリーコメントでもマニュアルの整備や複数人で対応するなどの仕組みが重要という回答が多く寄せられたが、「マニュアルがあっても、実際の現場ではあまり役に立っていないと感じる」「マニュアルがあっても、実際の現場では対応がままならず、怖い思いをしたことが何度もあります」という回答も寄せられた。 Q5ではフリーコメントとして、ペイシェントハラスメントの予防方法、ご経験やその際の対応方法などを聞いた。予防に関するご意見・なるべく患者、家族と日々しっかりコミュニケーションを取るようにしている。・普段から相手の話を聞いて患者側の主張をうまく否定しないような診療を心がけています。・最初に傾聴する時間を多くとり、どんな人となりかある程度把握できると、対応しやすくなることが多いと感じる。・わかりやすい言葉で論理立てて丁寧に説明している。・まずは患者との信頼関係の確立が重要。・問題を起こしそうな患者さんこそ丁寧に対応する。・要注意患者のリストを作りあらかじめ職員に周知させておくことが重要。・院内での提示などで患者に注意を促す。対応に関するご意見・医療機関にも毅然とした態度が必要であると思うし、そのように努力している。・どんなときも毅然とした対応で警察への通報も躊躇すべきではない。・警察OBの職員を呼ぶ。・医師個人ではなくて、医療機関全体で対応する必要があると考えます。病院として、毅然とした対応がとれる枠組みが必要だと感じています。・とにかく我慢せずに、上司や事務方も巻き込んで、システマティックに対応することが大切。・悪質な場合は、応召義務の除外規定に該当するので、診療をお断りする。・何が気に入らないのか、何を求めて苛立っているのか話を聞く姿勢を見せれば冷静になってもらえることがある。・不当な要求や他患者の診療に影響が出るほどの暴言、クレームなどを行った患者は基本的に次回から出禁にして受付できないようにしています(応召義務に反しない範囲で)。・セクハラ行為については拒絶的態度をはっきりさせる。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。ペイシェントハラスメントを受けたことがある医師は何割?/医師1,000人アンケート

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寛解期の双極症I型患者の性機能は~横断的研究

 双極症(BD)は、生涯を通じた性機能低下などのいくつかの課題を伴う慢性的な精神疾患である。BD患者において、QOL、機能性、服薬順守は重要であるにもかかわらず、これまであまり調査されていなかった。ブラジル・バイーア連邦大学のJuliana Socorro Casqueiro氏らは、寛解期の双極症I型(BD-I)患者の性機能について、健康対照群と比較を行い、BD-I患者の性機能に関連する臨床的および社会人口統計学的特徴を調査した。また、性機能障害の有無によるQOLへの影響も併せて調査した。Trends in Psychiatry and Psychotherapy誌オンライン版2024年7月31日号掲載の報告。 寛解期BD-I患者132例および外来クリニックにおける健康対照群61例を対象に、横断的研究を実施した。性機能の評価にはArizona Sexual Scale(ASEX)、QOLの評価にはWHOQoL-BREFを用いた。BD-I群と健康対照群の比較を行った。BD-I群は、性機能障害の有無により2群に分類した。 主な結果は以下のとおり。・BD-I群の性機能障害有病率は、健康対照群よりも高かった(42.4% vs.16.4%、オッズ比:3.67、95%信頼区間:1.55~8.67、p=0.003)。・BD-I患者の性機能障害と関連していた因子は、女性(p=0.001)、高齢(p=0.003)、未治療期間の長さ(p=0.010)であった。・性機能障害を有するBD-I患者は、そうでない患者と比較し、QOLスコアが不良であった。 著者らは「BD-I患者は、性機能障害の有病率が高く、これがさまざまなQOLスコアの低下と関連していることが示唆された」とまとめている。

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認知症リスクを高める修正可能な因子、2つが追加

 新たな研究により、認知症発症のリスクを高める修正可能なリスク因子のリストに、視力喪失と高コレステロールの2つが加えられた。研究グループは、いずれの因子も予防が可能であるとし、その具体的な方法もアドバイスしている。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のGill Livingston氏らが中心となって、認知症の予防や介入、ケアに関する最新の研究や取り組みを取りまとめた、今回で3報目となるこの報告書は、「Dementia prevention, intervention, and care 2024」として、「The Lancet」に7月31日掲載された。 Livingston氏は、「本研究は、認知症リスクを抑制するためにできることやするべきことは、まだたくさんあることを明らかにした。行動を起こすのに早過ぎることも遅過ぎることもない。人生に影響を与えるチャンスは常にある」とUCLのニュースリリースで述べている。さらに同氏は、「リスクにさらされる時間が長ければ長いほど、その影響は大きくなること、また、リスクは脆弱な人においてより強く作用するということに関するさらに強力なエビデンスが得られた。だからこそ、予防を最も必要とする人に対して、予防の努力を倍加させることが不可欠なのだ」と主張している。 前回の2020年の報告書では、認知症のリスク因子として12因子が特定されていた。それらは、教育不足、頭部外傷、運動不足、喫煙、過度の飲酒、高血圧、肥満、糖尿病、難聴、うつ病、社会的孤立、大気汚染である。今回は、最新のエビデンスに基づき、これらの12因子に新たに40代頃からの高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値と視力喪失が追加された。 今回の研究では、世界中で認知症発症との関連が最も強いのは難聴と高LDLコレステロール値であり、これらの因子を予防することで、それぞれ認知症の発症を7%ずつ予防できるものと推定された。次いで関連が強かったのは、人生早期における教育不足と社会的孤立で、それぞれ認知症の発症を5%ずつ予防できると推定された。 Livingston氏は、「定期的な運動、禁煙、中年期の認知活動(正式な教育以外も含む)、過度の飲酒を避けるなどの健康的なライフスタイルは、認知症リスクを低下させるだけでなく、認知症の発症を遅らせる可能性がある。つまり、いつか認知症を発症するにしても、認知症患者として生きる年数を短くできる可能性が高いということだ。このことは、個人の生活の質(QOL)に対して大きな影響を及ぼすだけでなく、社会的に見ても大幅なコスト削減につながる」と話す。 一方、新たに加わった2つのリスク因子について研究グループは、医師に対し、中年期以降にコレステロール値が上昇する人を見つけ出して治療することを促すとともに、視力低下のスクリーニングと治療をより身近なものにするよう求めている。 大気汚染が認知症のリスク因子であることはあまり知られていないが、2023年に発表された研究では、米国で毎年18万8,000件近くの認知症が大気汚染によって引き起こされている可能性があると推定されている。さらに、山火事の煙に曝露すると認知症の診断リスクが高まる可能性があるとする研究結果も、米フィラデルフィアで開催されたアルツハイマー病協会年次総会で発表されている。この研究を率いた米ペンシルバニア大学神経学分野のHolly Elser氏は、「山火事は日常生活を大混乱に陥れるため、そのストレスや不安、日常生活の崩壊が、未診断の認知症を露わにすることがあるのではないか」とCBSニュースに対して語っている。

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アートやクラフトの制作は心の健康に良い影響を与える

 絵画や彫刻、陶芸のような創造的・創作的な趣味は、心の健康を維持するという点では仕事と同等以上の効果を持つ可能性のあることが、英国の新たな研究で明らかになった。論文の筆頭著者である英アングリア・ラスキン大学のHelen Keyes氏は、「クラフト制作やアーティスティックな活動は、人々の人生に対する価値観を予測する上で有意に影響することが示された」と述べている。この研究の詳細は、「Frontiers in Public Health」に8月16日掲載された。 この研究では、英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省が毎年実施している調査「Taking Part Survey」への2019〜2020年の参加者7,182人のデータが解析された。調査参加者は年齢、性別、居住地の郵便番号(重複剥奪指標〔IMD〕を調べるため)、健康状態、雇用状況などのほか、過去12カ月間に絵画やドローイング、彫刻、写真撮影、刺繍、パソコンでの音楽やアートの制作、陶芸などのアートやクラフトの制作(creating arts and crafting;CAC)を行ったか否かを尋ねられていた。また、4つの質問で構成された評価尺度により主観的なウェルビーイング(人生に対する満足度・価値観、幸福感、不安)、1項目の質問により孤独感の評価が行われていた。 対象者の37.4%が過去12カ月の間にCACを1種類以上行っていた。解析の結果、過去12カ月間におけるCACの実施、健康状態、年齢増加、居住地域の豊かさは人生に対する満足度を予測する重要な因子であり、中でもCACは居住地域の豊かさよりも強く影響することが明らかになった。また、CACは人生に対する価値観や幸福感にも有意な影響を与え、人生に対する価値観に対しては雇用状況と同等以上の影響を及ぼすことが示された。一方で、CACは孤独感や不安には有意な影響を与えていなかった。 Keyes氏はこれらの結果について、「CACが主観的ウェルビーイングにもたらす影響は、雇用状況や貧困レベルなどを考慮した後でも確認された。つまりCACは、雇用状況などの他の側面を超えて、幸福感にプラスの影響を与える可能性がある」と「Frontiers in Public Health」誌のニュースリリースの中で述べている。また同氏は、「CACの影響は雇用状況が与える影響よりも強かった。これは、CACが達成感をもたらすだけでなく、自己表現への有意義な手段でもあるためだろう。仕事は、必ずしも自己表現の手段となるわけではない」と述べている。 ただし、本研究は関連性を示すことのみを目的として設計されているため、CACと主観的ウェルビーイングの因果関係が証明されたわけではない。 Keyes氏は、自身の生活の中でも熱心にアート制作やDIYを行っているとし、「自分の仕事の成果が目の前に現れるのは、確かに大きな満足感をもたらす。一つの作業に集中し、創造的に頭を働かせるのは素晴らしい体験だ」と話す。そして、「本研究の結果を受け、政府や国の保健サービスは、ウェルビーイングとメンタルヘルスの促進と予防のアプローチの一環として、クラフト活動への資金提供とその促進、あるいはリスクのある人々へのこうした活動の社会的処方を検討するかもしれない」と話している。

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アポを取るべし【Dr. 中島の 新・徒然草】(544)

五百四十四の段 アポを取るべし台風の季節になりました。まだ遠くの海上にいても、何かと影響があるのでしょうか。大阪でも突然の激しい夕立に見舞われたりします。進路も気まぐれで、いつ来るかわかったもんじゃありません。困ったものです。さて、先日の総合診療科外来にやってきた男性。年齢は75歳くらいだったかな。3ヵ月ごとの通院患者さんです。患者「気がついたら首を吊っていて」中島「でも……生きてますよね」患者「紐が切れましてん」これはご本人に原因を語ってもらう必要がありそうです。中島「何でまた首なんか吊るんですか?」患者「どうも人と喋ることがないんで」この方は独居です。患者「誰かと喋るのは3ヵ月に1回、中島先生の外来に来たときだけですねん」そうでしたか。患者「それでワシは施設に入ったほうが、ええのとちゃうやろか」中島「……」患者「担当者に中島先生から電話してくれまへんか?」中島「電話ですか。担当者のお名前は何と仰るのでしょうか」そうすると何やら黄色いカードが出てきました。ケースワーカー○○と書いてあります。「この○○さんが担当で、電話番号はこれこれ」××区福祉課とあります。中島「なるほど」患者「ほな、電話してくれまっか?」中島「いやいや、電話はご本人がしたほうがいいですね」患者「ワシがやるんでっか」中島「そうです。ご自分で○○さんに電話して、何月何日何時に会うという約束をするんですよ」本当は「アポを取る」と言うべきなんでしょうけど、この患者さんに通じるかどうかわからないので、わかりやすく言いました。患者「いつも『忙しい、忙しい』と言われるからなあ」中島「そりゃあ忙しいでしょう。○○さんは、たぶん100人も200人も担当しているはずだし」患者「そんなにでっか!」中島「当たり前じゃないですか。だから電話した時には『15分で済みます』と言ってください。じゃないと、会ってくれないかもしれませんよ」患者「それで、この前に首を吊って、中島先生に『人と喋らなあかん』と言われた、と言ったらええんでっか?」中島「『首を吊った』とか『中島先生に言われた』とかは、やめておいたほうがいいですね」そんな話を○○さんが聞かされて「そりゃ大変だ!」となるとは思えません。それよりも端的に「人と話す機会が欲しい」と言うべきでしょう。中島「それと『施設に入れてくれ』というよりも、今の家に住んだままで参加できるような活動のほうがいいと思いますけど」患者「サークルとかそんなものでっか?」中島「そうそう、サークルみたいなのがあったら一番いいと思いますよ」患者「サークルかあ」この人、誰かと会うときはアポを取るという社会人としての振る舞いを、学ぶ機会がなかったのかもしれません。でも、そういった機会がなかったのなら、この場で学んだらいいことです。たとえ75歳であったとしても。とにかく、ケースワーカーの○○さんに相談する場合、電話でアポを取ること手短に用件を言って話を15分で終わらせること提案してもらった事には積極的に挑戦することを繰り返し強調しました。その上で、もし中島が支援することができるとしたら、○○さんが中島に連絡してきたら状況を説明する診断書など必要な書類があれば作成するということも説明しました。実際、私との会話を通じて、多少は前向きになってくれるのか、ちゃんと言われたことを実行したのか。それは次回に確認したいと思います。最後に1句台風と ともに学ぼう アポ取りを

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BPSD治療における第2世代抗精神病薬5剤の比較~ネットワークメタ解析

 認知症患者で頻繁にみられる認知症の行動・心理症状(BPSD)の治療において、第2世代抗精神病薬がよく用いられるが、その相対的な有効性および忍容性は明らかになっていない。中国・四川大学のWenqi Lu氏らは、BPSDに対する5つの第2世代抗精神病薬の有効性、許容性、忍容性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。BMJ Mental Health誌2024年7月30日号の報告。BPSD治療で第2世代抗精神病薬のブレクスピプラゾールが優れた有効性 標準平均差(SMD)を用いて、連続アウトカムの固定効果をプールした。カテゴリ変数に対応したオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。有効性の定義は、標準化された尺度によるスコア改善とした。許容性は、すべての原因による脱落率とし、忍容性は、有害事象による中止率と定義した。相対的な治療順位は、SUCRAにより評価した。有害事象アウトカムには、死亡率、脳血管有害事象、転倒、過鎮静、錐体外路症状、排尿症状を含めた。 BPSD治療における第2世代抗精神病薬の有効性を比較した主な結果は以下のとおり。・ネットワークメタ解析には、介入期間が6~36週で5つの第2世代抗精神病薬(クエチアピン、オランザピン、リスペリドン、ブレクスピプラゾール、アリピプラゾール)について検討を行ったランダム化比較試験20件、6,374例を含めた。・有効性アウトカムは、プラセボと比較し、ブレクスピプラゾールのほうが高かった(OR:−1.77、95%CI:−2.80~−0.74)。また、ブレクスピプラゾールは、クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールよりも優れていた。・許容性に関しては、アリピプラゾールのみがプラセボよりも良好であり(OR:0.72、95%CI:0.54~0.96)、アリピプラゾールはブレクスピプラゾールよりも優れていた(OR:0.61、95%CI:0.37~0.99)。・忍容性に関しては、オランザピンはプラセボ(OR:6.02、95%CI:2.87~12.66)、リスペリドン(OR:3.67、95%CI:1.66~8.11)、クエチアピン(OR:3.71、95%CI:1.46~9.42)よりも不良であり、アリピプラゾールはオランザピンよりも優れていた(OR:0.25、95%CI:0.08~0.78)。・クエチアピンは、脳血管有害事象について良好な安全性が示唆された。・ブレクスピプラゾールは、転倒についてより安全性が高く、過鎮静についても同様の安全性が示唆された。 著者らは「ブレクスピプラゾールは、BPSD治療において優れた有効性を示し、アリピプラゾールは最も許容性が高く、オランザピンは最も忍容性が低いことが示された。本結果は、意思決定の指針として利用可能であると考えられる」とまとめている。

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医師の自殺率は高い?男女で違いは?/BMJ

 オーストリア・ウィーン医科大学のClaudia Zimmermann氏らは、医師の自殺による死亡を一般集団と比較した研究について、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、男性医師と女性医師の年齢調整自殺率比は時間の経過と共に減少したが、女性医師では高い水準のままであったことを報告した。著者は、「メタ解析に組み込まれた研究は主に欧州、米国、オーストラリア・ニュージーランドで行われたもので、これら以外の地域での研究が乏しいという限界はあるが、今回の結果は、とくに女性医師および高リスク群における、自殺による医師死亡の研究と予防について継続的な努力が求められることを示唆している」とまとめている。BMJ誌2024年8月21日号掲載の報告。1960年から2024年3月31日までに発表された研究をレビュー 研究グループは、Embase、Medline、PsycINFOを用い、1960年から2024年3月31日までに発表された研究を、言語を問わず検索した。 研究の適格基準は、医師の自殺による死亡の直接法または間接法による年齢調整死亡率比、医師および一般集団に類似した参照集団の10万人年当たりの自殺率、または自殺による医師死亡に関する死亡率比の計算に適した抽出可能なデータがある観察研究とした。選択された研究については引用および被引用文献のスクリーニングを行った。 2人の独立した評価者がデータを抽出し、有病率研究のためのJoanna Briggs Instituteチェックリスト改変版を用いてバイアスリスクを評価した。 男性医師と女性医師の平均効果推定値をランダム効果モデルに基づき算出し、地理的地域によるサブグループ解析および他の専門職との比較による医師の自殺による死亡の2次解析を行った。年齢調整自殺率比は男性医師1.05、女性医師1.76 最初の文献検索で得られた2万3,458件の研究から、重複の削除、タイトルと抄録のスクリーニングにより786件を選出し、このうち75件が適格基準を満たした。さらに、引用文献とレジストリの検索により、適格基準を満たした22件の研究が特定された。全文スクリーニングの結果、男性医師については38件、女性医師については26件の研究が解析対象となり、それぞれ42および27のデータセットをメタ解析に用いた。 男性医師の自殺は計3,303件、女性医師の自殺は合計587件であった(観察期間はそれぞれ1935~2020年、1960~2020年)。メタ解析の結果、自殺による死亡の平均効果推定値は男性医師で1.05(95%信頼区間[CI]:0.90~1.22)、女性医師で1.76(1.40~2.21)であり、女性医師は一般集団と比べて有意に高かった。 異質性はいずれの解析でも高く、メタ回帰分析の結果、研究観察期間の中間点が有意に影響しており、時間の経過と共に効果量は減少していることが示された。 他の専門職と比較した場合、男性医師の自殺による死亡の平均効果推定値は1.81(95%CI:1.55~2.12)であった。女性医師に関しては、適格研究が少なくランダム効果メタ解析は実施できなかった。

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うつ病や双極症、季節性と日光曝露は初回使用の診断や薬剤使用量に影響するのか

 うつ病や双極症の季節性は、ICD-10/11やDSM-Vにおいても認識されている。デンマーク・Mental Health Services Capital RegionのCarlo Volf氏らは、デンマーク国内におけるうつ病および双極症の診断や抗うつ薬の初回処方パターンに対する季節性の影響を評価した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2024年7月24日号の報告。 デンマーク患者登録(Danish National Patient Registry)より、1999~2019年にうつ病または双極症と初めて診断された患者の日付と年を検索した。疾患の定義には、うつ病はICD-10 F32-F33、双極症はF30またはF31を用いた。1999~2021年の抗うつ薬処方(ATC分類:N06A)の初めての購入の日付と年は、1995年以降に薬局で調剤されたすべての処方薬に関する情報を含む処方登録(Danish National Prescription Registry)から収集した。2012~21年の日照時間に関するデータは、デンマーク気象研究所より入手した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病および双極症の診断発生率と薬剤処方は、月および季節により違いが認められた。・月ごとの変動は、抗うつ薬で最も大きく、双極症で最も小さかった。・多重線形回帰分析では、うつ病または双極症の初回診断数は、季節と相関しないことが示唆された。・抗うつ薬の初回処方は、冬季と比較し、夏季のほうが有意に少なかった。 著者らは「抗うつ薬の初回処方に関して、季節変動性が明らかとなった。うつ病重症度、双極症の症状やタイプ、日照時間、年間光周期の特定については、さらに調査する必要性がある」とまとめている。

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ナロキソン併用で、オピオイド使用障害妊婦と新生児の転帰改善の可能性/JAMA

 米国では過去20年間に、一般市民におけるオピオイド使用障害の増加に伴い、妊婦での本疾患の発生も著明に増えているが、併用薬の周産期の安全性データが不十分であるためブプレノルフィンの単独投与が推奨されている。米国・ハーバード大学医学大学院のLoreen Straub氏らは、妊娠初期のブプレノルフィン単剤投与と比較してブプレノルフィンとナロキソンの併用投与は、新生児および母体の転帰が同程度か、場合によってはより良好であり、オピオイド使用障害の安全な治療選択肢であることを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年8月12日号に掲載された。米国のコホート研究 研究グループは、出産前のブプレノルフィンとナロキソン併用投与による周産期の転帰の評価を目的に、人口ベースのコホート研究を行った(米国国立薬物乱用研究所[NIDA]の助成を受けた)。 解析には、2000~18年の米国のメディケイド受給者の医療利用データを用いた。妊娠第1三半期に、ブプレノルフィン+ナロキソンの併用投与を受けた妊婦3,369例(平均年齢28.8[SD 4.6]歳)と、ブプレノルフィン単剤または併用からブプレノルフィン単剤投与に切り替えた妊婦5,326例(28.3[4.5]歳)を対象とした。 新生児では、13の主な臓器特異的先天奇形(腹壁、中枢神経系、眼、耳、消化器、生殖器、四肢など)と心奇形のほか、低出生体重、新生児薬物離脱症候群、新生児集中治療室入室、早産、呼吸器症状、在胎不当過小について評価し、母体の転帰として帝王切開による分娩と重度の疾患(分娩後30日以内の急性心不全、急性腎不全、急性肝疾患、急性心筋梗塞、急性呼吸窮迫症候群/呼吸不全、播種性血管内凝固/凝固障害、昏睡、せん妄、産褥期脳血管障害など)への罹患を検討した。新生児薬物離脱症候群のリスクが低い、母体の重度疾患は同程度 ブプレノルフィン+ナロキソン併用群はブプレノルフィン単剤群に比べ、新生児薬物離脱症候群(絶対リスク:37.4% vs.55.8%、重み付け相対リスク:0.77[95%信頼区間[CI]:0.70~0.84])のリスクが低く、新生児集中治療室入室(30.6% vs.34.9%、0.91[0.85~0.98])および在胎不当過小(10.0% vs.12.4%、0.86[0.75~0.98])のリスクはわずかだが低かった。 母体の重度疾患の発生率は両群で同程度だった(絶対リスク:2.6% vs.2.9%、重み付け相対リスク:0.90[95%CI:0.68~1.19])。主な先天奇形や心奇形、帝王切開のリスクには差はない 主な先天奇形(絶対リスク:5.2% vs.5.1%、重み付け相対リスク:0.95[95%CI:0.73~1.25])、心奇形(1.4% vs.1.3%、1.06[0.62~1.82])、低出生体重(8.5% vs.7.6%、1.07[0.91~1.25])、早産(14.9% vs.13.1%、1.06[0.94~1.19])、呼吸器症状(12.7% vs.11.4%、1.04[0.91~1.18])、および帝王切開(35.0% vs.32.7%、1.05[0.98~1.12])のリスクには両群間に差を認めなかった。 著者は、「これらの知見は、両薬剤とも妊娠中のオピオイド使用障害治療の妥当な選択肢であるとの見解を支持し、併用治療における意思決定の柔軟性を肯定するものである」としている。

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食育プログラムが子どもと大人の孤独を改善

 地域における多世代を対象とした食育プログラムを実施した結果、参加した子どもと大人の孤独感に対して肯定的な影響が認められ、食育が孤独を改善する手段として有効である可能性が示唆された。昭和女子大学大学院生活機構研究科の黒谷佳代氏らが行った研究の成果であり、「Nutrients」に5月28日掲載された。 孤独対策では、人と人との「つながり」を実感できる地域作りが重要である。つながりを感じられる場所を確保する手段の一つとして、日本では食育が推進されている。例えば、子ども食堂は地域の子どもたちと大人が一緒に食事をすることができ、多世代が集うコミュニケーションの場所となっている。しかし、地域における多世代を対象とした食育について、その効果をまとめた研究報告は少ない。 そこで著者らは、多世代を対象に、孤独感の緩和を目的とした1日完結型の食育プログラムを実施する単群介入研究を行った。プログラムは東京都調布市において、2022年12月、2023年7月と8月に実施した。参加者の数は全体で、小学生の子どもが21人、保護者が16人、大学生が3人、高齢者が6人だった。無料のパン作り体験としてプログラムを設計し、発酵の時間にはバター作りやシャーベット作りを行い、自作のパンの試食会を行った。世代の異なる参加者とペアになってもらい、参加者同士が会話を楽しめるようにスタッフがサポートした。 小学生の子ども21人の特徴は、低学年が多く(1~2年生10人、3~4年生7人)、女子の割合が66.7%で、パン作りの経験割合は71.4%だった。大人25人の年齢範囲は20歳から84歳で、女性の割合が88.0%だった。 「さみしさを感じる」など5項目の質問からなる「子ども用孤独感尺度(Five-LSC)」を用いて、子どもの孤独感を評価したところ、介入前後で合計得点が有意に低下し、孤独感が軽減していることが示唆された。項目それぞれの得点の変化については有意ではなかった。 大人については、孤独を感じることが「決してない」と回答した人の割合が、介入前の12.5%から介入後は20.8%へと有意に上昇した。しかし、3項目からなる「UCLA孤独感尺度」の合計得点による評価では、有意な変化はなかった。各項目のうち、仲間付き合いがないといつも感じている人は減少した一方で、疎外されていると時々感じる人は増加していた。また、ソーシャルキャピタルのうち、地域の人が他の人の役に立とうとすると思うことや地域への愛着について、大人において評価が向上した。 参加後に知り合いや友人を作ることができた人の割合は、大人が70%、子どもが43%で、参加者全員がプログラムを楽しんだと回答した。楽しんだ人の割合が高かった内容は、バター作り(子ども88.9%、大人93.3%)、シャーベット作り(子ども77.8%、大人80.0%)、自分で焼いたパンを食べる(子ども77.8%、大人73.3%)、世代間交流(子ども55.6%、大人93.3%)だった。 今回の結果から著者らは、「日本では、多世代を対象とする食育プログラムが子どもの孤独感に肯定的な影響を及ぼし、大人の孤独感には部分的に肯定的な影響を及ぼすことが示唆された」と結論付けている。また、今後はさらに、長期的影響について対照群を設定したサンプル数の多い介入研究により検討する必要性を指摘している。

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コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスク~メタ解析

 コーヒー、紅茶、カフェイン摂取と認知症およびアルツハイマー病リスクとの関連性は、限定的で相反する結果が示されている。中国・汕頭大学のFengjuan Li氏らは、これらの関連性を明らかにするため、潜在的な用量反応関係を定量化することを目指し、メタ解析を実施した。Food & Function誌2024年8月12日号の報告。 2024年6月11日までの公表されたコホート研究を、PubMed、EMBASE、Web of Scienceより検索した。ランダム効果モデルを用いて、プールされた相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。用量反応関係の評価には、制限付き3次スプラインを用いた。バイアスリスクの評価には、GRADE(Grading of Recommendations Assessment Development and Evaluation)ツールを用いた。 主な結果は以下のとおり。・38件のコホート研究より、合計75万1,824人(認知症:1万3,017人、アルツハイマー病:1万7,341人)の対象者が抽出された。・認知症の場合、紅茶、コーヒー、カフェイン摂取の最低群と比較した最高群のプールされたRRは、次のとおりであった。【紅茶】RR:0.84、95%CI:0.74~0.96、6件、確実性:低い【コーヒー】RR:0.95、95%CI:0.87~1.02、9件、確実性:低い【カフェイン】RR:0.94、95%CI:0.70~1.25、5件、確実性:低い・同様に、アルツハイマー病のプールされたRRは、次のとおりであった。【紅茶】RR:0.93、95%CI:0.87~1.00、6件、確実性:低い【コーヒー】RR:1.01、95%CI:0.90~1.12、10件、確実性:低い【カフェイン】RR:1.34、95%CI:1.04~1.74、2件、確実性:非常に低い・用量反応分析では、コーヒー摂取量と認知症リスクとの間に、非線形関係が認められ(Poverall=0.04、Pnonlinear=0.01)、1日当たり1~3杯のコーヒー摂取と認知症リスクとの保護的な関連が示唆された。・紅茶の摂取量と認知症リスクとの間には、線形関係が認められ、紅茶の摂取量が1日1杯増加するごとに認知症リスクの有意な低下が認められた(RR:0.96、95%CI:0.94~0.99、Poverall=0.01、Pnonlinear=0.68)。 著者らは「紅茶の摂取量増加は、認知症およびアルツハイマー病リスクの低下と関連しており、コーヒーでは非線形の関連が認められた。これは、認知症予防に関する公衆衛生の推奨事項を裏付けている」とまとめている。

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医師の患者と目線を合わせたコミュニケーションは患者満足度を向上させる

 医師といえば威厳に満ちた印象かもしれないが、新たなレビュー研究によると、患者は、あまり威圧感を感じさせない医師に対しての方が安心感を抱きやすいようだ。医師が、患者と目線を合わせるためにベッドサイドに座ったりしゃがんだりして診断やケアについて話すことで、患者の信頼感や満足度が向上する可能性のあることが明らかになった。米ミシガン大学医学部の Nathan Houchens氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of General Internal Medicine」に7月17日掲載された。Houchens氏は、「この研究により、医師が座ることの重要性に対する認識と、医師のそのような態度を患者が評価しているということが広まることを期待している」と話している。 この研究では、論文データベースから抽出した、入院患者と対話する際の医師の姿勢に関する14件の研究結果の分析が行われた。14件のうちの6件はランダム化比較試験、4件は準実験的研究、残る4件は観察研究だった。 その結果、医師の姿勢に関する患者の好みを報告していた4件の研究のうちの1件では、座っている医師と話す方が良いと考えている患者の割合は50.6%に上ったのに対し、立っている医師と話す方が良いと考えている患者の割合は17.3%にとどまることが報告されていた。また、白人と黒人/ヒスパニックの患者を対象にした研究でも、医師と話をする際に、医師が立っているよりも座っている方が良いと答えた患者の割合は、それぞれ60%、58%と半数を超えていた。 別の研究では、患者と一緒に座っている医療従事者は、立っている医療従事者よりも好印象を与えることが報告されていた。例えば、勤務開始時に看護師が患者のベッドサイドに3~5分間座るという実践を3年間実施することで、患者と看護師間のコミュニケーションに関する評価のスコアが大幅に上昇することが示されていた。同様に、座って患者とコミュニケーションを取る医師に対しては、「担当医は自分の話を注意深く聞き、分かりやすく説明してくれる」という設問に対して「常に当てはまる」と評価する患者が多かった。 研究グループは、「患者は、臨床医と話す際には医師が自分と同じレベルに立ってくれることを期待し、またそれを望んでいるものと考えられる。コミュニケーションを取る際に医師が患者に目線の高さを合わせることは、ヒエラルキーを均等にするための方法の一つだ」と述べている。 さらに研究グループは、「このような力の共有は、入院時のようなストレスと緊急性の高い時期に、患者にとって特に重要になるだろう」と推測する。しかし、残念なことに、患者とのコミュニケーションを改善するためのこのシンプルな方法でも、医療従事者にとっては実践が難しい場合もあるようだ。研究グループの説明によると、多くの研究で、医師が患者との同席を定められていても、必ずしもそれが守られているわけではなく、特に、病室に専用の座席がない場合にはその傾向が顕著であることが示されているのだという。 研究グループは、医師の姿勢が患者の信頼感に与える影響についての理解を深めるためには、さらなる研究が必要であると述べている。なお、最近開始されたミシガン大学の研究では、病院を患者の治癒にとってより有益な環境とするための要因の一つとして医師の姿勢に着目し、研究を進めている。この研究では、医師が患者のベッドサイドに座ること、患者を診察室へ温かく迎え入れること、会話中に患者の優先事項や背景について質問することが奨励されている。研究グループは、入院期間、再入院、患者の満足度などに違いがあるかどうかを調べる予定であるという。

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