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自閉スペクトラム症の易怒性に対するメトホルミン補助療法の有用性

 糖尿病治療薬は、自閉スペクトラム症(ASD)の症状緩和に有効であることが示唆されている。しかし、メトホルミンがASDに伴う易怒性に及ぼす影響についての臨床研究は、不十分である。イラン・テヘラン医科大学のZahra Bazrafshan氏らは、小児ASD患者の易怒性に対するリスペリドン+メトホルミン補助療法の有効性および安全性を評価するため、10週間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2024年12月15日号の報告。 本研究は、2024年3〜5月にイラン・Roozbeh Hospitalの小児自閉症外来で実施した。対象患者は、リスペリドン+メトホルミン(500mg/日)群またはリスペリドン+プラセボ群にランダムに割り付けられた。主要アウトカムは、易怒性とした。aberrant behavior checklist-community scale(ABC-C)を用いて、ベースライン、5週目、10週目に評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・最終分析には、55例を含めた。・メトホルミン群は、プラセボ群と比較し、易怒性の有意な減少が認められた(p=0.008)。・ABC-Cの4つのサブスケールのうち、多動性/ノンコンプライアンススコアは、ベースラインから5週目までに有意な低下を示した(p=0.021)。・メトホルミン群は、プラセボ群と比較し、ベースラインから5週目までの不適切な発言スコアの有意な減少が認められた(p=0.045)。・無気力/社会的引きこもり、常同行動スコアについては、統計学的に有意な差は認められなかった。 著者らは「メトホルミン補助療法は、ASD患者の易怒性軽減に有効であり、この結果は以前の研究と一致していたが、実臨床で推奨するためには、さらなる研究が必要である」と結論付けている。

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ネグレクトは子どもの発達にダメージを与え得る

 ネグレクトは身体的虐待や性的虐待、感情的虐待と同様に子どもの社会的発達にダメージを与え得ることを示した研究結果が明らかになった。基本的な欲求が満たされない子どもは、友人関係や恋愛関係を築く能力が生涯にわたって損なわれる可能性があるという。米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校社会学分野のChristina Kamis氏と米ノートルダム大学社会学分野のMolly Copeland氏による研究で、詳細は「Child Abuse and Neglect」2024年12月号に掲載された。 Kamis氏らは、思春期の子どもの健康状態を成人期まで追跡調査している米連邦政府の長期研究(National Longitudinal Study of Adolescent to Adult Health;Add Health)調査参加者9,154人のデータを分析し、マルトリートメント(ネグレクトや虐待などの不適切な養育)が参加者の社会性や仲間からの人気度、社会と強固なつながりを築く能力に及ぼす影響について調べた。参加者は、7~12年生時(1994〜1995年)に初回の調査を受け、その後、第3次調査(2001〜2002年)および第4次調査(2008〜2009年)も受けていた。 参加者の40.86%が12歳あるいは6年生(12歳)になるまでに、身体的虐待や性的虐待など何らかのマルトリートメントを受けた経験があると報告していた。そのうちの10.29%は、養育者が住居、食事、衣服、教育、医療へのアクセスや精神的サポートを与えないことで子どもを危険な状態に置くことを意味する身体的ネグレクトであった。参加者には、在学時に実施した調査で、参加者に最も親しい男女の友人を5人まで挙げるよう求めた。社会性は当時の友人の数に基づき測定した。一方、人気度は、その参加者の名前を友人の1人として挙げた仲間の数に基づき測定した。社会的つながりの強さは友人グループのネットワークに基づき測定した。 子どもが友人として挙げた仲間の数は平均で4.49人であり、1人につき平均4.54人がその子どもを友人として挙げていた。しかし、虐待やネグレクトを経験した子どもは、友人として挙げる仲間の数や、その子どもを友人として挙げる仲間の数が統計学的に有意に少ないことが示された。また、種類にかかわらず、マルトリートメントは子どもの社会性の発達に有害な影響を与えることも示された。例えば、性的虐待の経験は子どもを仲間から孤立させやすくする。一方、感情的虐待や身体的虐待の経験は、子どもの人気度を低下させたり、社会的なつながりを弱めたりする可能性のあることが明らかになった。ただし、これら3つの要素の全てに支障をもたらすのは身体的ネグレクトのみであった。 Kamis氏は、「マルトリートメントを受けた子どもは、しばしば羞恥心を感じ、それが自尊心や帰属意識を低下させ、結果的に仲間から孤立しやすくなる可能性がある。また、そうした経験から、仲間から拒絶されたり危害を加えられたりするのではないかと考えるようになり、他者との関わりを持とうとしなくなる可能性も考えられる」とイリノイ大学のニュースリリースの中で述べている。 Kamis氏らは、ネグレクトの経験がある子どもを友人として挙げる仲間が少ないという事実は、同級生がそうした子どもを避けたがっていたことを示唆していると考察している。Kamis氏は、「マルトリートメントそのものが偏見の対象となり、その経験の痕跡が目に見える形で残っていたり仲間に知られたりすると、仲間はその子どもを避けるようになる可能性がある」と説明している。また同氏は、「マルトリートメントによって感情のコントロールが難しくなったり、攻撃性が増したり、社会性に乏しい行動が見られたりすることで、友人としての望ましさを損なう行動が多くなる可能性もある」と述べている。 こうしたことを踏まえてKamis氏は、医師や教師が子どもに虐待やネグレクトの兆候がないか注意を払い、子どもたちにサポートを提供する準備をしておくことを勧めている。同氏は、「こうした子どもにとって、学校は厳しい場所となっている可能性がある。子どもが友人関係を築き、仲間との間の壁を取り払うためには、さらなるサポートが必要であることを認識することが重要だ」と結論付けている。

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成人ADHDに対するさまざまな治療の有用性比較〜ネットワークメタ解析

 成人の注意欠如多動症(ADHD)に対する利用可能な介入のベネフィットとリスクの比較は、これまで十分に行われていなかった。英国・オックスフォード大学のEdoardo G. Ostinelli氏らは、これらの重要なギャップを解消し、将来のガイドライン作成に役立つ入手可能なエビデンスを包括的に統合するため、システマティックレビューおよびコンポーネントネットワークメタ解析(NMA)を実施した。The Lancet Psychiatry誌2025年1月号の報告。 2023年9月6日までに公表された、成人ADHDに対する薬理学的および非薬理学的介入を調査した発表済みおよび未発表のランダム化比較試験(RCT)を複数のデータベースより検索した。ADHDと診断された18歳以上の成人に対する症状改善を目的とした治療介入群と対照群またはその他の適格な積極的介入群を比較したRCTの集計データを含めた。薬理学的介入は、国際ガイドラインに従い最大計画投与量が適格であると判断された研究のみを対象とした。薬理学的介入は1週間以上、心理学的介入は4セッション以上、神経刺激的介入は適切とみなされる任意の期間であったRCTを分析に含めた。薬物療法、認知機能トレーニング、神経刺激単独療法のRCTについては、二重盲検RCTのみを対象に含めた。2人以上の研究者により、特定された研究を独立してスクリーニングし、適格なRCTよりデータを抽出した。主要アウトカムは、有効性(12週間に最も近い評価時点における自己評価および臨床医評価尺度によるADHDの中核症状の重症度変化)および受容性(すべての原因による治療中止)とした。介入を特定の治療要素に分解し、ペアワイズランダム効果およびコンポーネントNMAを使用して、標準化平均差(SMD)およびオッズ比(OR)を推定しました。研究および執筆には、成人ADHDの実体験を有する人が関与した。 主な結果は以下のとおり。・3万2,416件の研究のうち、113件のRCT、1万4,887例(女性:6,787例[45.6%]、男性:7,638例[51.3%]、性別不明:462例[3.1%])を分析対象に含めた。・113件のRCTには、薬理学的介入63件(55.8%、参加者:6,875例)、心理学的介入28件(24.8%、1,116例)、神経刺激的介入およびニューロフィードバック10件(8.8%、194例)、対照群97件(85.8%、5,770例)が含まれた。・12週時点でのADHD中核症状の軽減は、自己評価および臨床医評価の両方において、アトモキセチンと神経刺激薬が、プラセボよりも高い有効性を示した(NMAの信頼性[CINeMA]:非常に低い〜中程度)。【アトモキセチン】自己評価尺度SMD:−0.38(95%CI:−0.56〜−0.21)、臨床医評価尺度SMD:−0.51(95%CI:−0.64〜−0.37)【神経刺激薬】自己評価尺度SMD:−0.39(95%CI:−0.52〜−0.26)、臨床医評価尺度SMD:−0.61(95%CI:−0.71〜−0.51)・認知行動療法、認知機能改善療法、マインドフルネス認知療法、心理教育、経頭蓋直流電気刺激法は、臨床医評価尺度のみでプラセボよりも優れていた。【認知行動療法】臨床医評価尺度SMD:−0.76(95%CI:−1.26〜−0.26)【認知機能改善療法】臨床医評価尺度SMD:−1.35(95%CI:−2.42〜−0.27)【マインドフルネス認知療法】臨床医評価尺度SMD:−0.79(95%CI:−1.26〜−0.29)【心理教育】臨床医評価尺度SMD:−0.77(95%CI:−1.35〜−0.18)【経頭蓋直流電気刺激法】臨床医評価尺度SMD:−0.78(95%CI:−1.13〜−0.43)・許容性に関しては、アトモキセチンとグアンファシン以外は、プラセボと同等であった。【アトモキセチン】OR:1.43、95%CI:1.14〜1.80、CINeMA:中程度【グアンファシン】OR:3.70、95%CI:1.22〜11.19、CINeMA:高い・受容性は、プラセボよりも低かった。・自己評価によるADHD中核症状のベースライン重症度、公表年、男性の割合、ADHDと他の精神疾患を併発している患者の割合は、自己評価によるADHD中核症状の未調整非構成要素モデルで観察された異質性を説明できなかった。・治療期間の異質性には、ほとんど影響を及ぼさなかった。 著者らは「短期的に成人ADHD患者の中核症状を軽減する点で、神経刺激薬およびアトモキセチンによる薬理学的介入は、自己評価および臨床医評価の両方においてその有効性が裏付けられた。しかし、アトモキセチンは、プラセボよりも許容性が不良であった」とし「ADHD治療薬は、QOLなどの追加の関連アウトカムに対し効果が実証されておらず、長期的なエビデンスは不十分である。また、非薬理学的介入の効果は、評価者により一貫性が認められていない」としている。

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その3)【実はこれが医療保護入院を廃止できない諸悪の根源だったの!?(扶養義務)】Part 1

今回のキーワード家族の権利家族の義務保守政党扶養義務者扶養義務の呪縛扶養圧力前回(その2)は、医療保護入院制度の問題点を明らかにして、強制入院ビジネスの不都合な真実に迫りました。これだけ問題点が明らかなのですから、今後にこの制度の廃止は容易でしょうか? 現実は、まだ厳しいです。どういうことでしょうか?今回(その3)は、映画「クワイエットルームにようこそ」を通して、逆に医療保護入院が必要とされてしまう現実的な理由を明らかにします。そして、医療保護入院が廃止できない諸悪の根源を突き止めます。逆になんで医療保護入院制度は必要とされてしまうの?まず、医療保護入院が必要とされてしまう現実的な理由を、家族、社会、国の3つ立場から迫ってみましょう。(1)権利として必要だと家族が思っているからその2でも触れましたが、母親と絶縁していた明日香のように、関係が希薄になっている家族は増えています。一方で、関係が希薄になっていない家族はいまだに多いです。たとえば、「ブルジョア部屋」(一泊2万円)に5年間入院しているサエちゃんがそうでした。このような家族は、とくに親子関係において、子供は成人しても親の言うことを聞くべきであり、困ったら親を頼るべきであると考えます。つまり、親は子供を良くも悪くも、「子供扱い」し続けます。そして、その子供に問題が起きたら、親が解決すべきであると考えます。1つ目の理由は、家族(親)が自分に責任があり、権利として必要だと思っているからです。わかりやすく言うなら、子供は親の「体の一部」です。よって、強制入院させるかどうかを決めるのは親の権利である、だからこそ強制入院に家族の同意を得るのは当然と考えます。そして、入院費を支払うのも当然の義務と考えます。まるで、自分のことを決めるかのように、子供の強制入院に介入します。だから、退院についても、家族が慎重になれば、その意向が反映され、長期化してしまうのです。逆に、医療保護入院制度が廃止されたら、どうなるでしょうか? たとえば、映画に登場していた摂食障害の患者たちのほとんどは、入院できなくなります。入院するとしても、身体的な危機を脱するのが主な目的となり、欧米並みの短期間になるでしょう。すると、たいていは同居して、家族が家で抱え込むことになります。「子供は親の言うことを聞く」はずなのに、もちろん摂食については言うことを聞きません。親は、「手に負えない」と思い、結局家族が困るという事態を招きます。ちなみに、昨今は、成人したひきこもりの子供に手を焼いた親が、「引き出し屋」(民間救急会社)に依頼して、精神科病院に「発達障害」の診断で医療保護入院させるケースもあるようです1)。次のページへ >>

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その3)【実はこれが医療保護入院を廃止できない諸悪の根源だったの!?(扶養義務)】Part 2

(2)家族の義務として必要だと社会が思っているから現代は、核家族化しており、子供は成人したら家を出て、親と別居することが多いです。それでも、その子供に何か問題が起きたら、職場やアパート管理会社などから緊急連絡先として親に連絡が行きます。このように、まず親が解決すべきであるとの社会からの圧力があります。この感覚から、子供に障害があれば、たとえ成人していても、親のせいにされます。つまり、社会的には、親も「親扱い」され続けます。2つ目の理由は、社会が家族(親)に責任があり、義務として必要だと思っているからです。強制入院させるかどうかを決めるのは、親の義務である、だからこそ強制入院に家族の同意を得るのは当然と考えます。そして、入院費を支払うのも当然の義務と考えます。逆に、医療保護入院制度が廃止されたら、どうなるでしょうか? たとえば、映画に登場していた摂食障害の患者たちが、入院せずに親と同居または別居している時、万が一死んでしまったら、家族がその責任を親族や世間から問われるでしょう。少なくとも、そう思い込んでいる家族は多いです。一方で、強制入院させていたら、より管理されているため、死亡リスクは低くなる上に、たとえ死亡したとしても、専門的な治療をしても難しかったと捉えられ、少なくとも家族の責任は免れます。そもそも、摂食障害で体重を減らすことは、アルコール依存症で飲酒をやめないこと、もっと言えば宗教上の理由で輸血拒否をすることと本質的には同じ、つまり本人の生き方(嗜癖)の問題です。 治したくないなら、本人の生き方として、死亡リスクも含めて、親ではなく本人がその責任を取るだけの話です。そして、その問題に向き合い、本人が治したいと決意するなら、任意入院すればいいだけの話です。そのはずなのに、それを家族や社会が放っておけないのです。ちなみに、有名人が問題を起こした時、その家族が謝罪会見をしたり、メディアがその家族の家にレポート取材をする風習は、日本独特です。世間に迷惑をかけたら、家族のせいにもされてしまう文化があります。(3)家族の義務として必要だという社会に国が合わせているから実は、2009年の民主党(当時)政権では、国連の障害者権利条約に批准するにあたって、家族(保護者)の同意による強制入院をなくすことが検討されていました。ところが、その後に自公政権が返り咲いたことで、家族の同意をなくすのではなく、逆にそれまでにあった同意する家族の優先順位をなくしてしまい、本人の強制入院に家族が誰でも同意できるように改悪をしてしまったのでした2)。そして、だからこそなおさら国連から改善勧告を受けるという始末になってしまったのでした。なぜ自公政権はそこまでしたのでしょうか?3つ目の理由は、家族の義務として必要だという社会に国が合わせているからです。自民党や公明党は、保守政党であるだけに、これまでの家族同意の権利や義務を重んじる保守的な民意を汲み取るでしょう。これは、介護や育児と同じく、なるべく家族に丸抱えさせようとする考え方です。もちろん、一大巨大産業である精神科病院が所属する団体のロビー活動の影響も大きいでしょう。逆に、医療保護入院制度が廃止されたら、どうなるでしょうか? 医療保護入院による医療費を大きく削減できるというメリットはあります。一方で、その分の入院患者がいなくなってダウンサイジングを余儀なくされる精神科病院とその患者を家で抱え込む家族は国に不満を抱くでしょう。また、その患者たちが戻ってきた地域社会では、治安が不安定になると懸念されるでしょう。少なくとも、そう思う保守的な人は多いでしょう。さらには、厚生労働省の天下り先の1つである強制入院ビジネスがなくなってしまうと懸念されている可能性も考えてしまいます。ちなみに、保守政党である自公政権だからこそ、国民の6割が賛成している選択的夫婦別姓の法整備にも積極的に動こうとしないこともわかります。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その3)【実はこれが医療保護入院を廃止できない諸悪の根源だったの!?(扶養義務)】Part 3

その義務感に絡まる諸悪の根源とは?医療保護入院が必要とされてしまう現実的な理由は、権利として必要だと家族が思っているから、家族の義務として必要だと社会が思っているから、そして家族の義務として必要だという社会に国が合わせているからであることがわかりました。さらに、この義務感に絡まる、ある決定的な「事情」があります。それは、明日香のように関係が希薄になっている家族をも巻き込みます。それは、扶養義務です。扶養義務とは、扶(たす)け養う務め、つまり、家族は、経済的に自立できない家族の一員を経済的に援助する義務が法的にあるということです。つまり、家族の誰かが精神障害者となり、入院などの治療をして経済的にも自立してくれなければ、最終的にはそのツケを家族が支払わなければならないことを意味します。家族は助け合わなければならないというモラルや社会的な圧力だけでなく、法的なお金の問題も絡んできます。それが薄々気になっているからこそ、家族の同意にとらわれてしまうのです。つまり、いくら医療保護入院制度を廃止しようとしても、結局扶養義務があるため、治療をしなかったら、そのしわ寄せが家族に来て、家族を追い詰めるだけになります。また本来、家族関係がもともと希薄なら、本人が問題を起こしていればいるほど、精神障害があってもなくても家族は関わりたくないはずです。しかし、扶養義務によって無理やり最終的な負担を強いられると思うために、逆説的にも家族は関わらずにはいられなくなるのです。この状況は、さらなる家族関係の悪化を招きます。これは、扶養義務の呪縛と言えます。実際に、2012年に人気お笑い芸人の母親が生活保護を受給していたことが明るみになり、「不正受給」バッシングが巻き起こりました。この世論から、2013年には生活保護法が改正され、扶養義務者に対する通知義務と報告請求の規定が新設され、国による家族への扶養圧力が強化されてしまいました。これは、「家族と絶縁」という形を取った明日香も逃れられないことをほのめかしています。このように、医療保護入院を廃止できない諸悪の根源が厳然と立ちはだかっているのです。1)「ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う」p.108:風間直樹、東洋経済、20222)「医療保護入院」p.4-p.5、p.41、p.57、p.80:精神医療、批評社、2020<< 前のページへ■関連記事映画「クワイエットルームにようこそ」(その2)【家族の同意だけでいいの?その問題点は?(強制入院ビジネス)】Part 1

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日本人の認知症予防に有効な緑茶やコーヒーの摂取量は

 緑茶やコーヒーには認知機能低下の予防効果があることが報告されているが、認知機能に対する長期的な影響は、よくわかっていない。慶應義塾大学の是木 明宏氏らは、中年期における緑茶やコーヒーの摂取が認知症予防に及ぼす影響を調査した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2025年1月8日号の報告。 JPHC佐久メンタルヘルスコホートには、1,155人(1995年時点の年齢:44〜66歳)の参加者が含まれた。参加者の緑茶およびコーヒーの摂取量は、1995年と2000年のアンケートにより評価した。認知機能レベルは、2014〜15年に神経心理学的評価を行った。有意な認知機能低下(マルチドメイン認知機能低下およびより重篤な状態と定義)を従属変数としてロジスティック回帰分析を行った。性別および年齢による層別化解析も行った。 主な結果は以下のとおり。・毎日2〜3杯の緑茶を摂取した人は、潜在的な交絡因子で調整した後、認知機能低下リスクの有意な減少が認められた(オッズ比[OR]:0.56、95%信頼区間[CI]:0.35〜0.91)。・4杯以上の緑茶の摂取により、統計学的に有意な差は消失した。・緑茶による認知機能保護効果は、とくに男性で確認された(OR:0.38、95%CI:0.19〜0.76)。・完全に調整された同モデルにおいて、高齢者(1995年時点の平均年齢:53歳以上)では、毎日1杯以上のコーヒー摂取により認知機能低下リスクの有意な減少が確認された(OR:0.54、95%CI:0.34〜0.84)。ただし、サンプル全体では、有意な差は認められなかった。 著者らは「中年期における適度な緑茶摂取は、とくに男性において、認知症予防に有効である可能性が示唆された。また、コーヒーによる認知症予防効果は、高齢者においてより有益であろう」と結論付けている。

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ブレクスピプラゾールは統合失調症患者の精神症状だけでなくQOLも改善

 統合失調症治療では、感情的、身体的、社会的、認知機能的な領域にわたる健康的な生活への関与と関連する因子の向上が重要である。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、統合失調症患者の健康的な生活への関与に対するブレクスピプラゾールの短期的および長期的な影響を評価するため、臨床試験データの事後分析を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2025年1月3日号の報告。 成人統合失調症患者に対するブレクスピプラゾールの有効性および安全性を評価した臨床試験のデータを分析した。臨床試験には、6週間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験3件(1,385例)、52週間の非盲検延長試験2件(408例)を含めた。患者の生活への関与は、妥当性が証明されている陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の14のサブセットを用いて測定した(スコア範囲:最高14〜最低98)。平均スコアの変化および治療反応率(臨床的に重要な最小差異推定値5ポイント以上および10ポイント以上)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインから6週目までの患者の生活への関与において、ブレクスピプラゾール群(2〜4mg/日)は、プラセボ群と比較し、より大きな改善が認められた(95%信頼区間:−3.57〜−1.58、p<0.001、エフェクトサイズCohen's d:0.28)。【ブレクスピプラゾール群】最小二乗平均差変化:−8.3±0.3(868例)【プラセボ群】最小二乗平均差変化:−5.7±0.4(517例)・これらの改善は、ブレクスピプラゾール1〜4mg/日の58週間投与においても、維持された(399例)。・6週目における治療反応率は、5ポイント以上の改善ではブレクスピプラゾール群71.6%、プラセボ群58.0%(p<0.001)、10ポイント以上の改善ではブレクスピプラゾール群43.5%、プラセボ群32.8%(p<0.001)であった。・58週目(179例)におけるブレクスピプラゾール群の治療反応率は、5ポイント以上の改善で90.5%、10ポイント以上の改善で78.2%であった。 著者らは「統合失調症に対するブレクスピプラゾール治療は、精神症状の改善だけでなく、重要なアウトカムである患者の生活への関与を改善する可能性を秘めていることが明らかとなった」と結論付けている。

769.

自閉スペクトラム症の世界的状況、20歳未満の健康負担のトップ10にランク

 自閉スペクトラム症(ASD)の疫学や健康ニーズに関する高品質の推定は、サービス計画者やリソース配分者にとって必要である。米国・Global Burden of Disease Study 2021 Autism Spectrum Collaboratorsは、疫学データと負担推定方法改善後の世界疾病負担研究(GBD)2021より、ASDの世界的な有病率および健康負担を報告した。The Lancet Psychiatry誌オンライン版2024年12月19日号の報告。 GBD 2021では、PubMed、Embase、PsycINFO、Global Health Data Exchangeより検索し、専門家との協議を含むシステマティック文献レビューにより、ASDの疫学に関するデータを特定した。適格データより有病率を推定するため、ベイズメタ回帰ツール(DisMod-MR 2.1)を用いた。モデル化された有病率および障害の重み付けを用いて、致死的でない健康負担(障害生存年数[YLD])および全体的な健康負担(障害調整生存年数[DALY])を推定した。民族別のデータは入手できなかった。本研究のデザイン、準備、解釈、執筆には、ASDの経験を有する人が関わった。 主な結果は以下のとおり。・2021年のASD推定患者数は、世界で6,180万人(95%不確実性区間:52.1〜72.2)、127人に1人であると推定された。・世界の年齢標準化有病率は、全体で10万人当たり788.3人(663.8〜927.2)、男性で10万人当たり1,064.7人(898.5〜1,245.7)、女性で10万人当たり508.1人(424.6〜604.3)。・ASDのDALY率は、1,150万DALY(7.8〜16.3)を占め、世界で10万人(年齢標準化)当たり147.6DALY(100.2〜208.2)相当であった。・地域レベルでの年齢標準化DALY率は、東南アジア、東アジア、オセアニアの10万人当たり126.5(86.0〜178.0)から高所得地域の204.1(140.7〜284.7)の範囲であった。・DALYは生涯を通じて明らかであり、5歳未満でみられ、年齢の増加に伴い減少した。【5歳未満】10万人当たり169.2DALY(115.0〜237.4)【20歳未満】10万人当たり163.4DALY(110.6〜229.8)【20歳以上】10万人当たり137.7DALY(93.9〜194.5)・ASDは、20歳未満の致死的でない健康負担のトップ10にランク付けされた。 著者らは「20歳未満におけるASDの有病率および致死的でない健康負担の高さは、世界におけるASDの早期発見および支援の重要性を強調している。地理的変動をより正確に把握できるよう、疫学データのカバー範囲をより広範囲にすることから始める必要がある。本結果は、今後の研究活動やASD患者のニーズにより適切に対応する医療サービスの決定指針に役立つ可能性がある」としている。

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自分の飲酒量は仲間次第で変わる?

 飲酒量は仲間次第で変化するという研究結果が報告された。お酒をたくさん飲む人が身近にいる場合は自分が飲む量も多くなり、飲まない人がそばにいる場合は少なくなるという。 この研究は、アムステルダム大学(オランダ)のMaarten van den Ende氏らによるもので、結果の詳細は「Alcohol: Clinical and Experimental Research」に1月1日掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「われわれの研究結果は、年齢にかかわりなく、周囲の人のつながりが個人の飲酒行動の形成に、極めて重要な役割を果たしていることを浮き彫りにしている」と話している。 個人の飲酒行動は社会的な環境と相互に複雑な作用を及ぼしていると考えられているが、この関連の詳細はこれまでのところ明らかにされていない。この研究では、第二次世界大戦後にスタートし現在も継続中の疫学調査である「フラミンガム研究」のデータが用いられた。フラミンガム研究で把握されている、飲酒や喫煙習慣、職業上の威信、家族や友人などとのつながり(社会的な環境)の情報が解析に使われた。 グラフィカル自己回帰(GVAR)パネルネットワークモデリングという統計学的手法により、自己申告に基づく飲酒・喫煙習慣、職業上の威信(Treimanスコア)、および、周囲の人とのつながりと飲酒行動の関連を解析。その結果、年齢にかかわらず、個人の飲酒行動は周囲の人の飲酒行動の影響を受ける傾向のあることが示された。また、個人とその周囲の人との間に「フィードバックループ」と呼ばれる関係が存在することも明らかになった。これを著者らは、「個人の飲酒行動は、周囲の社会的環境から影響を受け、かつ、周囲の社会的環境の形成に貢献している」と表現している。 このほかにも、飲み仲間が増えた人は、時間の経過とともに飲酒量が増えていく傾向が認められ、反対に飲酒をしない仲間が増えた人は、時間の経過とともに飲酒量が減る傾向が認められた。さらに、喫煙者の場合、通常よりも飲酒量が多い時には喫煙本数が増加する傾向があり、その逆の関連も認められた。 一方、本研究では、長期的に見た場合、職業上の威信や喫煙習慣と飲酒量との間には明確な関連性が見られなかった。結論として著者らは、「飲酒行動の変化に影響を及ぼす因子としては、喫煙習慣や社会経済的ステータスよりも、周囲の人とのつながりという社会的な環境の方がより強い影響力を持つ因子であることが示唆された」と総括している。

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毎日どのくらい歩くとうつ病予防に効果的か〜メタ解析

 1日の歩行は、心血管イベントや全死亡リスクを低下させ、保護的に作用することが、近年のエビデンスで報告されている。しかし、歩数に基づく健康アウトカムには、追加の推奨事項が含まれる可能性がある。スペイン・Universidad de Castilla-La ManchaのBruno Bizzozero-Peroni氏らは、一般成人における1日の歩数とうつ病との関連を総合的に評価した。JAMA Network Open誌2024年12月2日号の報告。 2024年5月18日までに公表された研究をPubMed、PsycINFO、Scopus、SPORTDiscus、Web of Scienceデータベースをシステマティックに検索し、メタ解析を実施した。対象研究には、身体活動、1日の歩数、うつ病などに関連するキーワードで検索した観察研究を含めた。補足的な検索方法も適用した。研究データには、客観的に測定された1日の歩数、うつ病に関するデータを含めた。PRISMA、MOOSEガイドラインに従い、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。独立した2人のレビューアーにより、データを抽出した。プールされたエフェクトサイズ(相関係数、標準化平均差[SMD]、リスク比[RR])、95%信頼区間(CI)の推定には、Sidik-Jonkmanランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・18歳以上の成人9万6,173例(平均年齢の範囲:18.6±0.6〜91.2±1.6歳)を対象とした33件の研究(横断研究:27件、パネル研究:3件、プロスペクティブコホート研究:3件)をメタ解析に含めた。・横断研究およびパネル研究において、1日の歩数とうつ病との逆相関が認められた。・横断研究のSMDでは、1日5,000歩未満と比較し、5,000歩以上でうつ病リスクの有意な減少が認められた。【1日1万歩以上】SMD:−0.26、95%CI:−0.38〜−0.14【1日7,500〜9,999万歩】SMD:−0.27、95%CI:−0.43〜−0.11【1日5,000〜7,499万歩】SMD:−0.17、95%CI:−0.30〜−0.04・プロスペクティブコホート研究の統合推定値では、1日7,000歩以上は、7,000歩未満と比較し、うつ病リスクが低いことが示唆された(RR:0.69、95%CI:0.62〜0.77)。・1日の歩数が1,000歩増加することは、うつ病リスク低下と関連していた(RR:0.91、95%CI:0.87〜0.94)。 著者らは「本メタ解析により、1日の歩数が多いほど抑うつ症状が少ないことが示唆された。成人のうつ病リスクを軽減するための日常的な歩行の潜在的な保護的役割を明らかにするためには、さらなるプロスペクティブコホート研究が必要とされる」と結論付けている。

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「ストレスチェック」、集団分析結果の実践的な進め方【実践!産業医のしごと】

ストレスチェック制度、これはストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを集計・分析することです。2015年から、従業員が50人以上いる事業所では、毎年1回この検査をすべての労働者に対して実施することが義務付けられました。ストレスチェック制度において産業医に求められる役割は、制度のスタート当初は高ストレス者を面接して改善に導くことでした。それが、制度が根付くにつれ、実効性のある職場環境改善にコミットすることが期待されるようになっています。今回は、ストレスチェックの集団分析結果を活用し、職場環境改善を進めるための具体的な方法をお伝えします。1. 集団分析結果の読み方とポイントまずは、集団分析結果(仕事のストレス判定図)を適切に読むことからスタートです。ストレスチェックの項目は、1)職場のストレス要因、2)心身のストレス反応、3)周囲のサポート状況の3つに大きく分けられ、職場環境の改善には「職場のストレス要因」の結果が大きく関わってきます。1)職場のストレス要因には「仕事の量的負担」や「仕事のコントロール感」といった項目がありますが、これらの数値の比較だけでなく、職場の特徴を踏まえた解釈が大切です。たとえば「仕事の量的負担」が高い部署でも、その原因はさまざまでしょう。営業部門であれば繁忙期の対応や顧客からの急な要望が影響している、事務部門であれば特定の時期に業務が集中している、といった可能性があります。また、全社平均との比較だけでなく、同じような業務を行う部署間での比較も重要です。たとえば、複数ある営業所で大きな差がある場合は、業務の進め方や人員配置に課題があるのかもしれません。また、経時的な変化の分析も重要です。突発的な数値の悪化は、一時的な繁忙期であった可能性がありますが、部署の再編成や人員不足など、長期化する問題が発生している可能性もあります。残業時間の増加や休暇取得率の低下といった客観的なデータと照らし合わせることで、より正確に状況を把握することができます。「仕事のコントロール感」の数値の悪化は、上司のマネジメントの変化や組織文化の変質など、より構造的な問題を示唆している場合があります。3)周囲のサポート状況の「上司の支援」や「同僚の支援」の項目は、職場のコミュニケーションの状態を反映しています。これらの項目が低い場合は、日常的な声掛けや相談のしやすさを見直すよう働き掛けます。在宅勤務やハイブリッドワークが増えている昨今では、対面でのコミュニケーション機会の減少が影響している可能性もあります。2. 職場全体での取り組みのために職場環境改善の成功のカギは、現場で働く従業員の主体的な参加にあります。日々の業務で感じている課題や改善のアイデアは、実際に働いている人たちが一番よく知っているからです。職場の問題は職場に解決策があり、「この作業手順は非効率だと感じる」「もっとこうすれば働きやすくなるはず」といった具体的で実践的な意見は、会議で数多く出てきます。このような現場の声を引き出すには、まず従業員が安心して意見を言える雰囲気づくりが大切です。普段からのコミュニケーションを通じて、「改善提案は歓迎」「どんな小さな意見でも聞かせてほしい」という上層部からのメッセージを伝え続けることで、前向きな意見が集まってきます。こうした現場主体の改善活動を支える役割として、管理職の存在があります。管理職には、従業員から出された改善案の実現をサポートすることが求められます。また、人事部門は、現場の改善活動を制度面からバックアップする重要なパートナーとなります。このように、職場環境改善は現場のボトムアップを基本としながら、管理職や人事部門がそれをしっかりとサポートする体制で進めていくことが効果的です。現場の声を大切にしながら、組織全体で改善の取り組みを支えていく。そんな風土づくりが、より良い職場環境への近道となるのです。3. 具体的な改善活動の進め方職場環境改善は、一度にすべてを行うことは難しいため、「優先順位」を決めて進めることが重要です(表参照)。まずは、多くの人が困っている課題、容易に実施可能な課題、改善の効果が見えやすい課題などから取り組むとよいでしょう。また、職場環境改善は、すでに多くの手法が開発されています。厚生労働省委託事業として開設されたメンタルヘルスに関するポータルサイト「こころの耳」では、多くの職場改善ツールが紹介されています1)。たとえば、労働者健康安全機構制作の「これからはじめる職場環境改善~スタートのための手引~研修の教材」2)は、改善活動の進め方や、講義用パワーポイントの教材などを提供しています。また、最も効果があるとされる「参加型職場環境改善」のための手引きで、アクションチェックリスト収録の「いきいき職場づくりのための参加型職場環境改善の手引き」3)も紹介されています。表:職場環境改善の優先順位付け職場環境改善は、一度の取り組みで完了するものではありません。毎年、PDCAを回しながら継続的な活動として位置付け、地道に取り組んでいくことが大切です。産業医は職場環境改善をリードすることで、従業員の健康と組織の活力を高める大切な役割を担うことができるのです。参考1)「職場環境改善ツール」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』)2)「これからはじめる職場環境改善~スタートのための手引~研修の教材」(労働者健康安全機構)3)「いきいき職場づくりのための参加型職場環境改善の手引き 改訂版」

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自閉スペクトラム症と統合失調症の鑑別に有用な評価尺度は

 統合失調症と自閉スペクトラム症(ASD)は、別々の疾患として認識されているが、症状の類似性により鑑別診断が困難な場合が少なくない。昭和大学の中村 暖氏らは、統合失調症とASDの症状について類似点と相違点の特定、より有用で客観的な鑑別診断法の確立、統合失調症患者におけるASD特性を明らかにすることを目的に、本研究を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2024年12月18日号の報告。 対象は統合失調症患者40例(女性:13例、平均年齢:34±11歳)およびASD患者50例(女性:15例、平均年齢:34±8歳)。自閉症診断観察尺度第2版(ADOS-2)およびその他の臨床尺度を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・ADOS-2モジュール4および改訂版では、統合失調症とASDの鑑別は困難であったが、A7、A10、B1、B6、B8、B9を組み合わせた予測モデルは、両疾患を鑑別するうえで、優れた精度を示した。・ADOS-2は統合失調症の偽陽性率が高く、統合失調症患者においてADOS-2すべてのドメインおよび合計スコアと陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の陰性症状スコアとの間に正の相関が認められた。・ADOS-2アルゴリズムにおいて、自閉スペクトラム症のカットオフ値が陽性の患者は、陰性の患者よりも、PANSS陰性症状スコアが有意に高かった。・ロジスティック回帰分析では、ADOS-2アルゴリズム尺度の陽性度は、PANSS陰性症状スコアのみを使用して予測可能なことが明らかとなった。 著者らは「ASDと統合失調症の鑑別には、ADOS-2と複数の項目を組み合わせることにより実現可能であることが示唆された」とし「本知見は、ASDと統合失調症の治療戦略の開発に役立つ可能性がある」と結論付けている。

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その2)【家族の同意だけでいいの?その問題点は?(強制入院ビジネス)】Part 1

今回のキーワード障害者権利条約医療保護入院制度法律の抜け穴判断基準入院費精神医療審査会家族調整市町村長同意前回(その1)は、強制入院の1つである医療保護入院について詳しく説明しました。実は、この医療保護入院は、もはや世界で日本だけにしかなく、障害者権利条約に従っていないと国連から改善勧告がなされています1)。また、精神科医が所属する基幹学会(日本精神神経学会)からは、すでに医療保護入院を廃止すべきであるとの見解が示されています2)。つまり、日本ならではの医療保護入院という制度が障害者への人権侵害を招いており、しかもそれに私たちがあまり気付いていないという衝撃の事実です。どういうことでしょうか?今回(その2)は、映画「クワイエットルームにようこそ」を通して、医療保護入院制度の問題点を明らかにして、強制入院ビジネスの不都合な真実に迫ります。医療保護入院制度の問題点とは?まず、医療保護入院制度の問題点を、病院、家族、地域の3つの立場からそれぞれ明らかにしてみましょう。(1)強制入院の裁量権が病院に独占明日香が強制入院させられた精神科病院は、民間病院でした。実際に、精神科病院の8割以上は民間病院です。よくよく考えると、本来、行動制限のような人権侵害ができるのは警察などの公権力に限られています。しかし、精神障害に限っては、私人(民間病院)がほぼ独断ですることが可能になっています。1つ目の問題点は、強制入院の裁量権が精神科病院に独占されていることです。それを可能にする「法律の抜け穴」を、大きく3つ挙げてみましょう。a.医療保護入院の判断基準が曖昧明日香が入院していた女子病棟には、さまざまな人が入院していました。たとえば、おそらく統合失調症で、何らかの妄想によって自分の髪の毛を燃やしたり暴れる人です。この場合は、措置入院の要件にもなっている「自傷他害のおそれ」があるため、強制入院が必要であると多くの人が納得できます。一方、摂食障害で、食事を食べない、食べても吐くために、超低体重になっている人も何人かいました。確かに、摂食という点では自立不全ではありますが、程度の問題になるため、自傷他害ほど白黒つけられません。また、判断能力が保たれている場合は、本人の意思で体重を減らしていることになります。本人の意思でお酒を飲み続けるアルコール依存症と、「本人の意思」という生き方の問題(嗜癖)としては同じです。ちなみに、アルコール依存症だけではさすがに強制入院の対象になりません。なお、摂食障害が嗜癖である理由については、関連記事1をご覧ください。1つ目の「法律の抜け穴」は、医療保護入院の判断基準が曖昧であることです。その1でも説明しましたが、強制入院の要件は、自傷、他害、自立不全によって「自他への不利益が差し迫っている」ことです。自傷と他害は明確ですが、自立不全は程度の問題になるため、明確ではありません。そもそも、根拠となる精神保健福祉法では「医療及び保護のため」としか記載されていません。つまり、入院が必要と精神科医(精神保健指定医)が独断し、家族が同意すれば、誰でも強制入院させることができます。これは、実はとんでもない権力です。しかも、現在では入院したあとに家族が同意を撤回しても、医療保護入院は継続できるという行政解釈がなされてしまいました3)。ますますとんでもない状況になっています。次のページへ >>

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その2)【家族の同意だけでいいの?その問題点は?(強制入院ビジネス)】Part 2

b.医療保護入院の入院費が収入源担当看護師は、明日香に「料金は一括で払っていただいていますから」と伝えていました。ここからわかることは、当たり前と言えば当たり前ですが、民間の精神科病院は、営利組織でもあります。2つ目の「法律の抜け穴」は、医療保護入院の入院費が精神科病院の収入源になってしまっていることです。収入を確保するためには、なるべく多くの患者を強制入院させて、改善してもすぐに退院させないようにする必要があります。経営方針の最適解は、医療保護入院の判断基準が曖昧であることを利用して、常に満床、なるべく空きベッドを出さないことです。一方で、任意入院や外来通院では、この経営戦略は使えません。わかりやすく言うなら、犯人が捕まらなくても警察署はつぶれないですが、患者が捕まらないと精神科病院はつぶれてしまうということです。このような精神科病院で働く精神科医や看護師にも職業倫理や人権意識があることにはあります。しかし、当然のことながら、雇われている立場であり、経営方針に従わないと嫌がらせをされたり、別の理由をつけられて職を追われます。それを見越しているため、忖度したり渋々従っていることも想像できるでしょう。また、精神保健指定医は国家資格で、更新のために定期的に研修会に参加する必要があります。しかし、これを開催する団体に限っては、主に民間の精神科病院が所属する学会や協会です。国家資格でありながら、国が直接開催するという形をとっていません。申し込みの時に、あえてこれらの団体の名前を表示させて、選ばせる仕組みになっています。いくら便宜的とは言え、このように国家資格の更新に民間の精神科病院の団体の息がかかっているように見えるため、精神科医は資格を無事に更新するため、やはり精神科病院の経営方針に忖度せざるを得ないでしょう。また、この研修会では、国連の勧告によって「精神障害者の権利の擁護」という言葉が精神保健福祉法に新たに盛り込まれたという事実は説明されるのですが、精神科医(精神保健指定医)はどう具体的に「権利擁護」をするべきかについては、いっさい触れられません。これは、利害関係を考えれば当然と言えば当然です。精神科医たちに本気で人権擁護に取り組まれてしまっては、より多くの患者をより長く入院させられなくなり、精神科病院が赤字経営に陥ってしまうからです。そしてそれは結局、精神科医たちの職場を失ってしまうことになるからです。このような構造的な問題は、精神科病院にとって世の中にあまり知られたくない不都合な真実です。さらにおかしな点は、入院費の支払いを患者本人に請求している点です。入院費は保険診療ではありますが、自己負担があります。映画では、差額ベッド代が1泊2万円の「ブルジョア部屋」に5年間入院している患者がいました。本人が支払うことは、入院中で物理的にも経済的にも不可能です。心理的にも絶対に払いたくないでしょう。そうなると、扶養義務があって、入院に同意した家族が代わりに支払うことになるわけです。しかも、先ほどにも触れましたが、家族が同意を撤回しても医療保護入院は継続可能であるため、支払い義務は続きます。これは、治療契約として明らかに破綻しており、やはりおかしな状況になっています。ちなみに、もう1つの強制入院である措置入院は、行政命令であるため、警察に留置されているのと同じ扱いで、入院費は完全に公費で、支払い義務はないです。実際の統計(2023年)では、日本の精神科病院における医療保護入院患者は約13万人で、措置入院患者数は約1,600人です。この2つを合わせた強制入院率は、欧州諸国の約15倍と、断トツに多いです1)。欧州諸国には医療保護入院がないことから、単純に考えて、もしも日本も医療保護入院がなくなれば、欧州諸国と同じ低い水準の強制入院率になることが推測できます。しかも、2002年から、もともと増え続けていた任意入院が減り、逆に医療保護入院が増え始め、2023年には倍になっています。このわけは、2002年から診療報酬の高い精神科救急病棟(スーパー救急)が国家的に推進され、その認定要件に強制入院の患者がより多く(その病院の入院患者の6割以上)いることとされてしまったからであることが考えられています。つまり、任意入院になるはずの患者をあえて医療保護入院にしていることが推測できます。このことからも、医療保護入院がいかに都合よく利用されているかがわかります。そして、この状況は、さすがに国としても想定外だったようです。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その2)【家族の同意だけでいいの?その問題点は?(強制入院ビジネス)】Part 3

c.医療保護入院への審査が形骸化明日香は、強制入院中のため、締め切りのある原稿を書くことも送ることもできないなか、面会に来たコモノ(放送作家である鉄雄の弟子)から「代わりに書きました」と聞かされます。しかし、その内容があまりにも突飛であったため、そのショックから持病の蕁麻疹が全身に出てしまい、コモノが叫び声を上げてしまいます。それを聞きつけた担当看護師は、他の看護師たちに「(明日香用の)クワイエット(ルーム)の手配を」と速やかに指示を出すのです。しかし、明日香もひるみません。すぐに上半身裸になり、蕁麻疹の様子をコモノに携帯で撮らせて、「この病院は、患者がこんな体(蕁麻疹)になっているのに、治療もせずに監禁しようとしているってインターネットに写真をアップしますよ」と反論するのです。明日香はこうするしか、「クワイエット行き」(隔離拘束)を免れる方法がなかったのでした。なお、厳密には、隔離拘束の最終的な判断は精神保健指定医が行います。3つ目の「法律の抜け穴」は、医療保護入院への審査が形骸化されていることです。審査とは、都道府県が設置した精神医療審査会のことです。ここに、患者は強制入院中の不当な扱いに対して処遇改善請求や退院請求をする権利があります。しかし、実際にそれが認められるのは数%にすぎません1)。ちなみに、先ほど医療保護入院への同意を家族が撤回できないと説明しましたが、その代わりに家族が退院請求をすることができるとの行政からの説明があります。しかし、結局これも認定される可能性は、かなり低いわけです。なお、退院支援相談員は、2014年の精神保健福祉法の改正で導入されましたが、結局この役職も「当該医療機関内に配置」と明記され、その精神科病院に勤務する精神保健福祉士になってしまうため、支援ではあっても、審査の役割はありません。わざわざ明記されているのは、外部の目を入れさせないようにするためではないかと邪推してしまいます。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その2)【家族の同意だけでいいの?その問題点は?(強制入院ビジネス)】Part 4

(2)強制入院の裁量権が家族にも明日香の主治医は、担当看護師に「(強制入院)と言っても、旦那が出せって言ったら、こっちはそんな強制力ないですから」「旦那のオッケーさえあれば、出るの早いんじゃない」と言っていました。先ほどにも触れましたが、現在では「旦那が出せ」と行っても、病院はそれ突っぱねることができるようになりました。ただ、このセリフは、とても開けっ広げですが、医療保護入院制度の問題の本質を突いています。2つ目の問題点は、強制入院の裁量権が家族にもあることです。「出せ」って言われて出すわけではなくなりましたが、反対に「出さないで」と言われたら、なかなか退院させられないことになります。病院としては、空きベッドができてしまうのは避けたいのですが、入院の長期化(3ヵ月以上)で診療報酬が減算されていくのも避けたいです。理想的にはぴったり3ヵ月で退院させて、次の患者を入れ替わりで入院させたいという思惑があります。ホテル経営と発想は同じです。しかし、家族が「今は家で受け入れる余裕がない」などと言えば、主治医も配慮はします。家族が本人の入院を厄介払いに思っていれば、なおさら手こずります。これは、退院するかどうかは、主治医と家族が相談して決める、そして家族の意向にある程度合わせる、いわゆる「家族調整」です。家族が退院後の受け入れを渋れば、病状とは無関係に入院が継続されます。つまり、入院する段階だけでなく、退院する段階にも家族には裁量権があることになります。病状が安定すれば強制入院を速やかに解除するという人権擁護の取り組みは、明らかに後回しであることがわかります。2014年の精神保健福祉法の改定前は、まだ同意する家族の優先順位があり、それが同等の場合は裁判所で同意者の選任の審判を受けるという手続きがありました。これは、司法の目が強制入院に少しでも向けられていることを意味しました。しかし、現在は、家族なら誰でも同意できることになり、司法の目はなくなりました。また、2023年の改正では、同意する家族等から除外される者が「身体に対する暴力を行った配偶者(DV加害者)等」とされましたが、これから行うリスクのある者や精神的な暴力(モラルハラスメント)は含まれていません。よくよく考えると、本来夫婦は対等であるはずなのに、一方が精神障害であるためにもう一方に強制入院に同意する権限(裁量権)を与えることで、力関係を生み出します。たとえば、「言うこと聞かないとまた入院させるよ」と言うなど、医療保護入院による家族同意自体がモラルハラスメントのリスクをはらんでいることになります。ちなみに、もしも明日香の「旦那」(家族)が、逆に入院に同意しなかったり、そもそも家族がいなかったらどうなっていたでしょうか? いくら救急病院に空きベッドがないからと言って、いきなり精神科病院に転院させられることはなくなります。別の救急病院に転院して、意識が戻ったところでその救急病院の医師(多くは併診する精神科医)が判断能力を評価するわけです。または、その医師が専門外で評価できない場合、警察通報にて警察保護の上、措置診察(措置入院の判断のための診察)が行われます。ただし、どちらにせよ、以下の点で、かかりつけの心療内科への通院は勧められますが、まず強制入院(措置入院)にはならないでしょう。酒に酔った勢いで間違えて薬を多く飲んだと主張している点希死念慮は酩酊中の発言であり、現在は見られない点謝罪や反省の弁を述べて、判断能力が保たれている点その直前まで職業適応しており、もともと問題行動を認めていない点雑誌の原稿の締め切りをとても気にしており、今後も社会適応が見込める点<< 前のページへ | 次のページへ >>

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映画「クワイエットルームにようこそ」(その2)【家族の同意だけでいいの?その問題点は?(強制入院ビジネス)】Part 5

(3)強制入院の裁量権が地域社会にも広がるおそれ映画では、明日香の内縁の夫が、医療保護入院の同意者になっていましたが、実際には法的な夫か血縁関係のある家族である必要があるため、無効であるとその1で説明しました。明日香の父はすでに他界しており、兄弟はなく、唯一の家族である母とは、絶縁状態でした。家族がいないだけでなく、明日香のように家族がいても疎遠で「かかわりたくない」との理由で同意も反対もせずに意思表示を示さない場合も、2024年の精神保健福祉法の改正によって、市町村長が同意の可否を判断できるようになりました。これは一見すると、公的な立場が関わるので、入院の要件が措置入院と同じように、より厳正になるのではないかと思われるかもしれません。しかし、「市町村長同意事務処理要領」4)を確認する限り、「人権擁護」には触れていませんでした。つまり、市町村長同意は、家族同意の形式的な代行にすぎず、むしろ病院の言いなりになってしまうおそれがあります。市町村は、患者の権利擁護をする立場(アドボケーター)にはなっていないということです1)。しかも、それだけではありません。3つ目の問題点は、強制入院の裁量権が地域社会にも広がるおそれがあることです。核家族化した現代社会では、明日香のように家族と疎遠な人たちがますます増えており、今後に医療保護入院について意思表示を示さない家族がますます増えるでしょう。この状況は、実質的には市町村同意の権限拡大です。そうなると、まず懸念されるのは、ホームレスです。ホームレスは、生活保護をあえて選ばない、または選ぶことができないくらい判断能力が低いながら、生活能力がぎりぎり保たれているグレーゾーンの人たちです。ホームレスは、家族がいたとしても、すでにホームレスであることから、基本的に家族とは疎遠です。つまり、逆説的にも、今までのホームレスは、生活に自由はあまりなさそうですが、家族がいても同意も反対もしないために強制入院はさせられないという「自由」がありました。しかし、その同意か反対かを問う必要がなくなったため、地域住人の要望を受けた市町村がホームレスを地域で取り締まり、精神科病院に連れていくことができます。これは、強制入院についての、地域社会の参入です。精神科病院としては、衛生的には抵抗があるかもしれません。ただ、実際に認知機能が低下しているという病状があり、入院費は生活保護により公費扱いになるため、断らないでしょう。ただし、それはホームレスにとってはたして幸せでしょうか? 私たちの価値観からしてみれば、保護されて衣食住が満たされているから、幸せだろうと思うかもしれません。しかし、保護の名のもと「収容」されて、彼らにとっての「自由」がなくなるわけです。本人が望んでいないことを良かれと思って強いるのは、ただの偽善になってしまいます。地域社会の保安という思想が優先されており、そこに人権意識はありません。なお、ホームレスの自由権の詳細については、関連記事2をご覧ください。もっと言えば、地域社会に都合が悪い人は、ホームレスだけではありません。ゴミ屋敷の住人、新興宗教を普及しようとする人、さらには行政や政府を批判して抗議活動をする人です。彼らは社会で望ましいとされる生き方(主流秩序)から逸脱しているため、「ゴミ収集がやめられない強迫症」、「特定の宗教の教義へのこだわりがある発達障害」、そして「行政や政府への被害妄想がある妄想症」という診断のもと、強制入院の対象にされるおそれがあります。つまり、彼らにまで、強制入院の対象が拡大するおそれがあります。明日香が入院していた精神科病院の「クワイエット行き」(隔離拘束をする保護室)が、地域社会で繰り広げられるわけです。本来、人権侵害のリスクのある権力は厳しく監視するべきなのに、「抜け穴」をさらにつくってしまっては、公安警察がいた戦前に逆戻りです。強制入院ビジネスの不都合な真実とは?医療保護入院制度の問題点は、強制入院の裁量権が、病院に独占されていること、家族にもあること、今後に地域社会にも広がるおそれがあるということでした。そして、これを可能にしているのが、医療保護入院の判断基準が曖昧で、入院費が収入源になってしまい、審査が形骸化しているという「法律の抜け穴」や、不合理な行政解釈、さらには市町村同意の権限拡大でした。人権擁護が尊ばれる時代の流れに明らかに逆行しています。このような医療保護入院制度のおかげで、精神科病院は、一大巨大産業であり続けています。これは、関係者たちが世の中に知られたくない、不都合な真実です。名付けるなら「強制入院ビジネス」です。そして、強制入院させられる障害者が、人権侵害という、そのビジネスのツケを払わされ続けているということです。1)「医療保護入院」p.4-P5、p.41、p.57、p.80:精神医療、批評社、20202)「精神保健福祉法改正に関する学会見解」P2:日本精神神経学会、20223)「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行 に伴うQ&A」P9:厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部精神・障害保健課、20164)「市町村長同意事務処理要領」:厚生労働省、2023「不都合な真実」ビジネスの関連記事障害年金ビジネス万引き家族(後編)【年金の財源を食いつぶす!?「障害年金ビジネス」とは?どうすればいいの?】Part 1カウンセリングビジネスM-1グランプリ(続編・その2)【ツッコミから学ぶこれからのセラピーとは?】Part 2教育ビジネスドラマ「ドラゴン桜」(前編)【なんでそんなに東大に入りたいの? 学歴ブランド化の不都合な真実とは?(教育ビジネス)】Part 1幼児教育ビジネス伝記「ヘレン・ケラー」(後編)【ということは特別なことをしたからといって変わらない!?(幼児教育ビジネス)】Part 1生殖ビジネスキッズ・オールライト(その2)【そのツケは誰が払うの? その「不都合な真実」とは?(生殖ビジネス)】Part 1<< 前のページへ■関連記事映画「心のカルテ」(後編)【なんでやせ過ぎてるってわからないの?(エピジェネティックス)】Part 1映画「路上のソリスト」(その2)【「不幸」になる権利はあるの?私たちはどうすればいいの?(ホームレスの自由権)】Part 1

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25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析

 オーストリア・ウィーン医科大学のJohan Saelens氏らは、治療抵抗性うつ病に対するさまざまな抗うつ薬治療を比較し、エビデンスに基づく治療選択を促進するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Neuropsychopharmacology誌オンライン版2024年12月30日号の報告。 2つ以上の抗うつ薬試験で治療反応が認められなかった成人うつ病を対象に実施されたランダム化比較試験(RCT)を対象研究とした。2023年4月13日までに公表された研究をPubMed、Cochrane Library、Embaseより検索した。すべてのRCTは、研究群が10例以上で構成され、双極性うつ病または精神病性うつ病患者は除外された。研究の質の評価には、Cochrane Risk of Bias Tool-2を用いた。主要アウトカムは、治療反応率とした。ランダム効果ネットワークメタ解析を用いてオッズ比(OR)を算出した。 主な内容は以下のとおり。・8,234件のうち69件のRCTを分析に含めた。・対象患者数は1万285例(女性:5,662例、男性:4,623例)、25種類の治療法が含まれた。・25種類の治療法のうちプラセボまたは対照治療よりも高い治療反応を示した治療法は、電気けいれん療法(ECT)、ミノサイクリン、シータバースト刺激(TBS)、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法、ケタミン、アリピプラゾールのみであった。・ORの範囲は、アリピプラゾールの1.9(95%信頼区間[CI]:1.25〜2.91)からECTの12.86(95%CI:4.07〜40.63)であった。・中程度の異質性が認められた(I2:47.3%、95%CI:26.8〜62.0)。・対象研究のうち、バイアスリスクが高い研究は12.5%、低い研究は28.13%、懸念のある研究は59.38%と評価された。 著者らは「治療抵抗性うつ病の治療法の中には、さまざまなアウトカムに対し強力な治療効果を示すもの(ECT、TBS、rTMS、ケタミン)もあれば、一部のアウトカムに有用なアウトカムを示すもの(ミノサイクリン、アリピプラゾール)もある」とし「これらの知見は、治療抵抗性うつ病に対するエビデンスに基づく治療選択の指針となる可能性がある」としている。

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