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統合失調症の心血管リスク、その出現時期は

 統合失調症患者は、心血管疾患の罹患率および死亡率が高いことが確認されている。しかしながら、これまでに、疾患早期におけるリスクの状態やその調整・媒介変数などについては明らかではなかった。米国・ジャッカー・ヒルサイド病院のChristoph U. Correll氏らが、Recovery After an Initial Schizophrenia Episode(RAISE)試験参加者のデータを分析し、初回エピソード統合失調症スペクトラム障害(FES)患者では、心代謝のリスク因子および異常が疾患早期に出現しており、基礎疾患、不健康なライフスタイル、および抗精神病薬治療などが相互に関連していると思われることが明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「疾患早期の介入による予防と、低リスクの薬物療法とルーチンの副作用モニタリング、および禁煙指導といった介入が疾患早期から必要である」とまとめている。JAMA Psychiatry誌2014年12月1日号の掲載報告。 本検討では、FESにおける心代謝リスクを評価し、罹患期間、抗精神病薬治療の期間と種類、性別、人種/民族との関連を、RAISE試験のベースラインデータを用いて調べた。同データは、34の地域にあるメンタルヘルスクリニックから2010年7月22日~2012年7月5日に収集された。ベースライン前の抗精神病薬治療は、コミュニティ担当医や患者(またはその両方)の意思に基づき行われた。主要評価項目は、身体組成、空腹時の脂質値、血糖値およびインスリンパラメータであった。 主な結果は以下のとおり。・被験者は15~40歳、研究で確認されたFES診断を受けており、抗精神病薬による治療開始6ヵ月未満であった。・404例のうち394例の心代謝データが得られた。平均年齢は23.6(SD 5.0)歳、生涯抗精神病薬服用の平均値は47.3(同46.1)日であり、48.3%が肥満または過体重、喫煙者は50.8%、脂質異常症56.5%、高血圧前症39.9%、高血圧10.0%、メタボリックシンドローム13.2%であった。一方で、発現頻度が低かったのは、糖尿病前症(グルコースベースでは4.0%、HbA1cベースでは15.4%)、糖尿病(それぞれ3.0%、2.9%)であった。・全罹病期間と有意な相関を示したのは、高値のBMI、体脂肪量、体脂肪率、腹囲であった(すべてp<0.01)。高値の代謝変数とは関連していなかった(トリグリセライド(TG)/HDL-C比は除外、p=0.04)・一方で、抗精神病薬治療期間と有意な相関を示したのは、高値の非HDL-C値、TG、TG/HDL-C比、低値のHDL-C値および収縮期血圧値であった(すべてp≦0.01)。・多変量解析において、オランザピンは、高値のTG、インスリン、インスリン抵抗性と有意に関連していた。一方で、クエチアピンは、高値のTG/HDL-C比と有意に関連していた(すべてp≦0.02)。関連医療ニュース 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか 最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング 統合失調症患者の突然死、その主な原因は

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聴覚障害と精神疾患リスク、ドパミンとの関連は

 聴覚障害を有する人では精神疾患リスクの増大が観察されている。社会的挫折論(social defeat hypothesis)によれば、長期的に排除されるという経験が、脳内のドパミンシステムの活性や感受性の強化に結び付き、精神疾患リスクを増大するとされている。オランダ・アムステルダム大学のMartin Gevonden氏らは、その関連性を実証するため、重度聴覚障害の若年成人におけるドパミン放出と、前述の社会的挫折論との関連を調べた。JAMA Psychiatry誌2014年12月号の掲載報告。 検討では、重度聴覚障害を有する若年成人が、より強い社会的挫折を感じているかどうか、デキストロアンフェタミンへの反応としてより多くのドパミン放出がみられるか、また、同物質に対して正常聴覚成人よりもより強い主観的反応を示すのかについて調べた。また、ドパミン放出が、社会的排除感を訴えること、およびデキストロアンフェタミンにより誘発された精神疾患と関連しているかについても調べた。対象は、19例の患者と、喫煙・年齢・性別で適合した健常対照19例であった。被験者は、大学病院で硫酸デキストロアンフェタミン(0.3mg/kg)の静脈投与を受け、その前後にSPECT画像検査で評価を受けた。主要評価項目は、ベースラインのD2/3レセプター結合と内因性ドパミンの放出とした。 主な結果は以下のとおり。・患者群のほうが、より多くの社会的挫折感(U=109、z=-2.09、p=0.04)、孤独感(U=87.5、z=-2.72、p<0.001)を報告したが、ベースラインの精神症状に差はみられなかった(U=156.5、z=-0.70、p=0.48)。・ベースラインのD2/3レセプター結合に有意な差はみられなかった。・しかし、年齢(単位:月齢)、喫煙(同年間パック数)を共変数とした反復計測多変量解析の結果、健常群よりも患者群のほうが、アンフェタミンにより誘発された線条体のドパミン放出がより多いことが示された(F1,34=4.55、p=0.04)。・アンフェタミン投与後、患者群は健常群よりも変化が大きかったが、精神症状は増大しなかった。・同様に、社会的排除感の報告と精神症状の増大は、ドパミン放出とは関連していなかった。 結果を踏まえ著者らは、「以上のような所見が、聴覚障害者の社会的排除感におけるドパミン感受性のエビデンスとして示された。さらに、他の排除感を有するグループにおける検討で同様の所見が得られれば、今回の所見は精神障害の基礎を成す機序の理解において、またその予防に重大な意味を持つことになるだろう」とまとめている。関連医療ニュース アリピプラゾールの聴覚認知機能改善に対する影響は 認知症では味覚に関する機能も低下:東北大学 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か

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治療抵抗性の慢性咳嗽に対する新選択肢(AF-219)の有効性について(解説:小林 英夫 氏)-291

 外来診療で、咳止めを処方してくださいという声をしばしば耳にされませんか。そんなときはどう対処されていますか。当然ですが、疾患を問わずすべての咳嗽を抑制できる夢の薬は存在していません。細菌性肺炎に鎮咳薬のみを投与しても効果は期待できないので、まず咳嗽の基盤病態の鑑別が医師の出発点ですが、受診者は余計な検査などせず咳止めを出してくれればそれでけっこうです、と主張することも少なくないと思います。 無理とは思いつつ、幅広い病態に有効な鎮咳処方箋はないかと願うこともあります。 新薬AF-219は、気道の迷走神経に発現し咳嗽感覚の過剰反応に関与するP2X3 受容体に対する低分子拮抗薬で、米国Afferent製薬により治験が進められている。同社ホームページによると、P2X3受容体は無髄の細径C神経線維に特異的で内臓、皮膚、関節にも存在し痛覚や臓器機能に関与している。その機序はATPをリガンドとして活性化されるチャンネルで、痛覚感作経路に発現する。英国で慢性咳嗽への治験(本論文)、米国で変形性関節炎による疼痛治療、さらに膀胱痛への治験中とのことである。本来の役割からも咳嗽よりも鎮痛効果を狙っている印象である。本薬を鎮咳に用いた根拠は、気道の迷走神経C線維にP2X3受容体が存在すること、モルモットではATPやヒスタミン吸入させるとP2X受容体を介した咳嗽反射が強まることなどであった。 本研究は、基礎疾患の明らかでない難治性(治療抵抗性)慢性咳嗽患者を対象とし、第II相二重盲検無作為化プラセボ対照試験、単一医療機関でのクロスオーバー法(2週間服薬、2週間wash out、2週間服薬)で実施された。結果は、咳嗽頻度は75%低下し期待できる鎮咳薬である、となっている。 臨床的に満足できる鎮咳薬が少ない実状を踏まえればAF-219に期待したい一方で、論文を読み込むとまだまだ未解決点がある。評価できる点として、primary endpointである鎮咳効果を音響学的自動咳嗽記録機(VitaloJAK)により計測し客観的量的評価がなされている。同時に主観的なvisual analogue scale (VAS)などもsecondary endpointとしているが、咳嗽回数を記録することの価値は大きい。 マイナス点としては対象集団の曖昧さがある。本論文に限らないが慢性咳嗽の研究では回避できない問題である。エントリー基準は、閉塞性障害、胃食道逆流、喫煙、感染、薬剤性咳嗽などを除外し、明らかな咳嗽の原因疾患を有さず、治療によっても8週間以上咳嗽が継続する症例、が選択されている。本邦で重視されるアトピー咳嗽の概念は導入されていない。また、呼吸機能は施行されているが胸部CTについては記載がなく、英国での試験なので未施行と推測される。さらに平均咳嗽罹病期間は9年間である。どのような病態が混在しているのかが不明瞭であろう。次の問題点は、24例中6例が有害事象により服薬中止となっている。重篤な副反応はみられないものの、全例で味覚障害が出現している点が用量変更で解決できるかどうかが大きな課題であろう。これは舌味蕾にP2X3が存在するためで、減量により味覚障害が回避できる可能性があると考察されている。 抗てんかん薬であるガバペンチン、徐放性モルヒネ、サリドマイド、リドカイン吸入などが最新の咳嗽研究対象薬であるが、いずれも十分な鎮咳効果は得られなかった。鎮咳薬という分野での選択肢が少ない、遅れているという現状からは、P2X3受容体拮抗薬の今後に期待したいが、実臨床への過程には今いっそうの検討を経なければならない。さらに有効疾患の絞り込みも望まれる。なお、本邦の咳嗽診療指針として日本呼吸器学会編集の「咳嗽に関するガイドライン第2版(PDF)」は無料ダウンロード可能なので参照をお薦めしたい。

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妊娠初期の肥満が乳児死亡リスクに/BMJ

 母体の過体重や肥満は、乳児死亡率の増大と関連していることが、スウェーデン住民ベースコホート研究の結果、明らかにされた。同国カロリンスカ大学病院のStefan Johansson氏らが1992~2010年の出生児データを分析して報告した。満期産での死亡率増大および早産の出現頻度の増大が、乳児死亡率増大に寄与していたという。著者は、「母体の過体重と肥満は、世界中の乳児死亡率の重大かつ予防可能なリスク因子と考えられる」と考察し、他国における同関連の調査の必要性を提言するとともに、今回の所見は、公衆衛生担当者が乳児の健康促進のために妊婦の肥満予防に取り組むのに十分なエビデンスを有するものだと述べている。BMJ誌オンライン版2014年12月2日号掲載の報告より。母体BMIと乳児期リスクとの関連を調査、スウェーデン1992~2010年 研究グループは、1992~2010年にスウェーデンで生まれた単体出生児185万7,822例について、母体の過体重および肥満と、死因別死亡を含む乳児死亡との関連を調べた。 主要評価項目は、妊娠初期の母体BMIと乳児期死亡との関連で、生後1ヵ月以内および生後1ヵ月~1歳未満時の死亡率との関連も調べた。また評価は全要因および在胎期間別や死因別で評価した。オッズ比は、母体年齢、出産歴、喫煙、教育、身長、母親の出生国、出産時の暦年で補正した。乳児死亡リスク、母体BMIが25.0~29.9群1.25倍、35以上群は2倍超 母体特性をみると、54.6%が標準体重(BMI:18.5~24.9)で、過体重(25.0~29.9)は20.8%、肥満グレード1(30.0~34.9)6.2%、グレード2(35.0~39.9)1.8%、グレード3(40.0以上)0.6%であった。年齢は25~29歳が最も多く33.2%、次いで30~34歳で32.0%、35歳以上が17.3%。出産歴は初回が43.2%、2回目が36.4%で、喫煙者は11.6%、80.9%の母親がスウェーデン生まれなどとなっていた。 研究期間中の全乳児死亡は5,428例、乳児死亡率は2.9/1,000出生児であった。母体BMI別にみると、乳児死亡率は標準体重群では2.4/1,000出生児であったが、肥満グレード3群では5.8/1,000出生児で、標準体重と比べて過体重、肥満グレードが高いほど死亡率の増大がみられた。 補正後オッズ比でみると、過体重群1.25(95%信頼区間[CI]:1.16~1.35)、肥満グレード1群1.37(同:1.22~1.53)、また肥満グレード2群は2.11(同1.79~2.49)、肥満グレード3群は2.44(同:1.88~3.17)であり、肥満グレード2、3群では2倍以上となっていた。 早産(22~31週または32~36週)および満期産(37週以上)で層別化した分析では、母体BMIと乳児死亡リスクとの関連は、主として満期産群で認められた。同群では、新生児仮死やその他新生児期の疾患による死亡リスクが、過体重および肥満で高かった。また、肥満グレード2、3群では、先天奇形、乳児突然死症候群による乳児死亡率増大もみられた。

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肺がん診断後も禁煙メリット有

肺がん診断後でも禁煙したほうが生存率は高まります5年生存率(65歳以上のデータ)禁煙しましょう!80%70%早期非小細胞肺がん60%早期限局小細胞肺がん70%63%50%40%30%20%33% 29%10%0%診断後も喫煙を継続した患者診断後禁煙した患者A Parsons, et al. BMJ. 2010; 340: b5569.Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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禁煙で心血管疾患リスク低下

禁煙によって心疾患リスクは、低下します今からでも遅くない!心筋梗塞または脳卒中による死亡率(喫煙者の禁煙期間は8年未満)25%22%20%15%17%10%14%5%0%非喫煙者元ライト元ヘビースモーカー スモーカー禁煙期間が8年未満の人でも、ライトスモーカー※の場合、非喫煙者と同等まで心疾患死亡率が低下することがわかりました。※ライトスモーカー:喫煙量が32箱年未満の人(32箱年:1日1箱未満の場合、30年間喫煙した量に相当)Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.Ali Ahmed, et al. AHA 2013.

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【医療ニュース トップ100】2014年、最も読まれた「押さえておくべき」医学論文は?

今年も、4大医学誌の論文を日本語で紹介する『ジャーナル四天王』をはじめ、1,000本以上の論文をニュース形式で紹介してきました。その中で、会員の先生方の関心の高かった論文は何だったのでしょう? ここでは、アクセス数の多いものから100本を紹介します。 1位 日本男性の勃起硬度はアレと関連していた (2014/11/13) 2位 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 (2014/1/7) 3位 子供はよく遊ばせておいたほうがよい (2014/3/28) 4位 思春期の精神障害、多くは20代前半で消失/Lancet (2014/1/27) 5位 なぜコーヒーでがんリスクが低下? (2014/7/31) 6位 メロンでかゆくなる主要アレルゲンを確認 (2014/4/15) 7位 新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet (2014/6/9) 8位 体幹を鍛える腹部ブレーシング、腰痛に効果 (2014/5/7) 9位 コーヒーを多く飲む人は顔のシミが少ない (2014/8/7) 10位 スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet (2014/10/9) 11位 スルピリドをいま一度評価する (2014/5/16) 12位 米国の高血圧ガイドライン(JNC8)のインパクト/JAMA (2014/4/16) 13位 インフルエンザワクチン接種、無針注射器の時代に?/Lancet (2014/6/16) 14位 新規経口抗凝固薬4種vs.ワルファリン-心房細動患者のメタ解析-/Lancet (2013/12/25) 15位 アルコール依存症、薬物治療の減酒効果は?/JAMA (2014/5/29) 16位 SGLT2阻害薬「トホグリフロジン」の日本人への効果 (2014/2/28) 17位 大人のリンゴ病 4つの主要パターン (2014/7/29) 18位 脳動脈瘤、コイルvs. クリッピング、10年転帰/Lancet (2014/11/12) 19位 ACE阻害薬を超える心不全治療薬/NEJM (2014/9/8) 20位 アルツハイマーに有用な生薬はコレ (2014/11/14) 21位 塩分摂取と死亡リスクの関係はJカーブ/NEJM (2014/8/25) 22位 スタチン投与対象者はガイドラインごとに大きく異なる/JAMA (2014/4/14) 23位 食後血糖によい食事パターンは?(低脂肪vs低炭水化物vs地中海式) (2014/3/27) 24位 成人ADHDをどう見極める (2014/5/21) 25位 各種ダイエット法の減量効果/JAMA (2014/9/16) 26位 牛乳1日3杯以上で全死亡リスクが2倍/BMJ (2014/11/13) 27位 腰痛持ち女性、望ましい性交体位は? (2014/11/21) 28位 ロマンチックな恋愛は幸せか (2014/3/26) 29位 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 (2014/5/8) 30位 下肢静脈瘤、ベストな治療法は?/NEJM (2014/10/10) 31位 せん妄管理における各抗精神病薬の違いは (2014/9/18) 32位 降圧薬投与量の自己調整の有用性/JAMA (2014/9/11) 33位 深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ (2014/3/20) 34位 StageII/III大腸がんでのD3郭清切除術「腹腔鏡下」vs「開腹」:ランダム化比較試験での短期成績(JCOG 0404) (2014/2/26) 35位 たった1つの質問で慢性腰痛患者のうつを評価できる (2014/2/21) 36位 スタチン時代にHDL上昇薬は必要か/BMJ (2014/8/7) 37位 就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大 (2014/8/29) 38位 認知症のBPSD改善に耳ツボ指圧が効果的 (2014/10/28) 39位 統合失調症患者の突然死、その主な原因は (2014/4/18) 40位 うつ病と殺虫剤、その関連が明らかに (2014/7/9) 41位 帯状疱疹のリスク増大要因が判明、若年ほど要注意/BMJ (2014/5/26) 42位 慢性のかゆみ、治療改善に有用な因子とは? (2014/7/1) 43位 女性の顔の肝斑、なぜ起きる? (2014/5/8) 44位 DES1年後のDAPT:継続か?中断か?/Lancet (2014/7/30) 45位 駆出率が保持された心不全での抗アルドステロン薬の効果は?/NEJM (2014/4/23) 46位 レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は (2014/10/30) 47位 アトピー性皮膚炎患者が避けるべきスキンケア用品 (2014/2/6) 48位 タバコの煙を吸い込む喫煙者の肺がんリスクは3.3倍:わが国の大規模症例対照研究 (2014/6/18) 49位 世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見 (2014/10/17) 50位 円形脱毛症とビタミンDに深い関連あり (2014/4/10) 51位 不眠の薬物療法を減らすには (2014/7/23) 52位 オメプラゾールのメラニン阻害効果を確認 (2014/11/6) 53位 タバコ規制から50年で平均寿命が20年延長/JAMA (2014/1/16) 54位 ICUでの栄養療法、静脈と経腸は同等/NEJM (2014/10/15) 55位 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット (2014/3/17) 56位 COPDにマクロライド系抗菌薬の長期療法は有効か (2014/1/13) 57位 座りきりの生活は心にどのような影響を及ぼすか (2014/5/12) 58位 PSA検診は有用か:13年後の比較/Lancet (2014/8/22) 59位 気道感染症への抗菌薬治療 待機的処方 vs 即時処方/BMJ (2014/3/17) 60位 血圧と12の心血管疾患の関連が明らかに~最新の研究より/Lancet (2014/6/19) 61位 マンモグラフィ検診は乳がん死を抑制しない/BMJ (2014/2/21) 62位 機能性便秘へのプロバイオティクスの効果 (2014/8/14) 63位 超高齢の大腸がん患者に手術は有用か:国内での検討 (2014/2/14) 64位 糖尿病予防には歩くよりヨガ (2014/8/4) 65位 乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet (2014/3/31) 66位 75歳以上でのマンモグラフィ検診は有効か (2014/8/11) 67位 大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA (2014/1/23) 68位 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサインかも (2014/5/13) 69位 食事由来の脂肪酸の摂取状況、国によって大きなばらつき/BMJ (2014/4/28) 70位 心房細動合併の心不全、β遮断薬で予後改善せず/Lancet (2014/9/19) 71位 薬剤溶出ステントの直接比較、1年と5年では異なる結果に/Lancet (2014/3/24) 72位 ピロリ除菌、糖尿病だと失敗リスク2倍超 (2014/8/21) 73位 認知症にスタチンは有用か (2014/7/25) 74位 RA系阻害薬服用高齢者、ST合剤併用で突然死リスク1.38倍/BMJ (2014/11/20) 75位 腰痛へのアセトアミノフェンの効果に疑問/Lancet (2014/8/6) 76位 食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究 (2014/9/12) 77位 うつになったら、休むべきか働き続けるべきか (2014/9/16) 78位 英プライマリケアの抗菌治療失敗が増加/BMJ (2014/10/1) 79位 総胆管結石疑い 術前精査は必要?/JAMA (2014/7/21) 80位 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン (2014/10/8) 81位 前立腺がん、全摘vs.放射線療法/BMJ (2014/3/10) 82位 緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究 (2014/6/3) 83位 高力価スタチンが糖尿病発症リスクを増大させる/BMJ (2014/6/16) 84位 乳がんの病理学的完全奏効は代替エンドポイントとして不適/Lancet (2014/2/27) 85位 Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM (2014/8/28) 86位 抗グルタミン酸受容体抗体が神経疾患に重大関与か (2014/8/15) 87位 歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下/Lancet (2014/1/8) 88位 肩こりは頚椎X線で“みえる”のか (2014/3/19) 89位 地中海式ダイエットと糖尿病予防 (2014/4/7) 90位 閉塞性睡眠時無呼吸、CPAP vs. 夜間酸素補給/NEJM (2014/6/26) 91位 揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ (2014/4/3) 92位 6.5時間未満の睡眠で糖尿病リスク上昇 (2014/9/4) 93位 セロトニン症候群の発現メカニズムが判明 (2014/3/14) 94位 日本発!牛乳・乳製品を多く摂るほど認知症リスクが低下:久山町研究 (2014/6/20) 95位 肥満→腰痛のメカニズムの一部が明らかに (2014/8/8) 96位 低炭水化物食 vs 低脂肪食 (2014/8/7) 97位 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは (2014/3/21) 98位 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか (2014/7/2) 99位 血糖降下強化療法の評価―ACCORD試験続報/Lancet (2014/8/20) 100位 小児BCG接種、結核感染を2割予防/BMJ (2014/8/21) #feature2014 .dl_yy dt{width: 50px;} #feature2014 dl div{width: 600px;}

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クリゾチニブ、ALK陽性NSCLCの1次治療薬へ/NEJM

 治療歴のないALK遺伝子陽性非小細胞肺がん(以下、ALK陽性NSCLC)に対し、ALKチロシンキナーゼ阻害薬クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)は、標準的な化学療法よりも優れた有用性を持つことが、オーストラリア・メルボルンのPeter MacCallum Cancer CentreのBenjamin J Solomon氏らの研究で示された。 ALK陽性(ALK遺伝子の再配列)は、NSCLCの3~5%にみられ、若年者、非(軽度)喫煙者、腺がんに多くみられることが特徴である。一方、クリゾチニブはALK、ROS1、METを標的とするチロシンキナーゼ阻害薬である。すでにALK陽性NSCLCの2次治療に対する第III相試験(PROFILE 1007)では、単剤の化学療法に比べたクリゾチニブの有意な効果が示されている。しかしながら、同疾患の1次治療における標準化学療法(プラチナダブレット)との比較はなかった。NEJM誌2014年12月4日号掲載の報告より。オープンラベル無作為化試験で標準化学療法と比較 著者らは、進行性ALK陽性NSCLCの1次治療におけるクリゾチニブの有用性を標準化学療法と比較する、多施設国際オープンラベル無作為化比較第III相試験「PROFILE 1014」を開始した。対象は、全身療法治療歴のない進行性ALK陽性NSCLCであった。これらの患者は無作為にクリゾチニブ群(250mgx2/日投与)と標準的化学療法群(ペメトレキセド500mg/m2+シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUC5~6)に割り付けられ、3週毎6サイクルの治療を受けた。病勢進行(PD)した化学療法群患者については、クリゾチニブへのクロスオーバーが許容された。主要評価項目は、放射線学的評価によるPFS(無増悪生存期間)であった。PFS中央値は10ヵ月以上に延長、肺がん症状、QOLも改善 2011年1月~2013年7月に343例が登録され、クリゾチニブ群172例、化学療法群171例に割り付けられた。両群間の患者背景に差はなく、被験者にはアジア人も含まれた(クリゾチニブ群45%、化学療法群47%)。PFS中央値は、クリゾチニブ群で10.9ヵ月と化学療法群の7.0ヵ月に比べ有意に延長した(HR:0.45、95%CI:0.35~0.60、p<0.001)。この傾向は、プラチナ製剤の種類、患者のPS、人種、脳転移の有無といったすべてのサブグループで同様であった。奏効率は、クリゾチニブ群で74%(95%CI:67~81)と化学療法群の45%(95%CI:37~53)に比べ有意に良好であった(p<0.001)。生存期間中央値は被験者の約7割がPFS評価時に追跡中であったことから、両群とも到達していない。1年生存率はクリゾチニブ群で84%(95%CI:77~89)、化学療法群では79%(95%CI:71~84)である。また、化学療法群の被験者の70%がクリゾチニブにクロスオーバーしている。 有害事象は、クリゾチニブへのクロスオーバーの影響で、両群の投与期間中央値に差がある状態で集計している(クリゾチニブ群10.9ヵ月、化学療法群4.1ヵ月)。両群の有害事象の大部分は、グレード1~2であった。クリゾチニブ群で多く報告された有害事象は、視覚障害(71%)、下痢(61%)、浮腫(49%)など。化学療法群で多く報告された有害事象は、疲労感(38%)、貧血(32%)、好中球減少(30%)などであった。2群間で同程度の発現率を示した事象は、嘔気(クリゾチニブ56%、化学療法59%)、食欲減退(クリゾチニブ30%、化学療法34%)などであった。グレード3~4のアミノトランスフェラーゼ上昇がクリゾチニブ群の14%(化学療法群では2%)に認められたものの、投薬中断または減量によって管理可能であった。グレード3~4の好中球減少症は、クリゾチニブ群11%、化学療法群15%で認められた。研究者の評価による治療関連死は認められていない。 患者のQOLは、クリゾチニブ群で有意に改善し(p<0.001)、患者の自己申告による肺がん症状(咳嗽、呼吸困難、胸痛など)もクリゾチニブ群で有意に減少している(p<0.001)。 著者は、「クリゾチニブの1次治療は、NSCLCの標準化学療法(ペメトレキセド+プラチナレジメン)に比べ、ALK陽性NSCLCのPFSを有意に改善した。この1次治療の成績は、既報の2次治療の成績よりも優れている。1次治療としてクリゾチニブを投与することでALK陽性NSCLC患者の治療ベネフィットを最大にできる可能性がある」と指摘している。

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低線量CT肺がん検診の費用対効果/NEJM

 低線量CTによる肺がん検診の増分費用対効果(ICER)について調べたところ、獲得生存年1年当たり5万2,000ドル、1QALY当たり8万1,000ドルと推定されることが示された。一方で、サブグループ分析や感度分析では、そのICERに大幅なばらつきが認められたという。米国・Geisel School of Medicine at DartmouthのWilliam C. Black氏らが、全米肺スクリーニング試験(NLST)のデータを基に検討し明らかにした。NLSTの結果からは、低線量CTによる肺がん検診は、胸部X線検診に比べて、肺がん死亡率を低下することが示されている。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。低線量CT肺がん検診、胸部X線肺がん検診、検診なしを比較 Black氏らはNLSTのデータから、低線量CTによる肺がん検診、胸部X線による肺がん検診、肺がん検診なしの3群について、生存年数、質調整生存年(QALY)、1人当たり費用、ICERのそれぞれについて、予測平均値を算定し評価を行った。 QALYについては、生存年は試験期間中の死亡数と試験終了時生存者の予測生存年を基に推定した。質調整値は、サブグループに対しQOL調査を行い推定した。費用は、医療サービス利用率やメディケアの償還額から割り出した。 また得られた結果については、年齢や性別、喫煙歴、肺がんリスクによるサブグループ分析や、数種類の仮定別の感度分析を行った。低線量CT肺がん検診、検診なしと比べ追加費用は1人1,631ドル 分析の結果、肺がん検診をしない場合と比べて低線量CT肺がん検診の、1人当たり追加費用は1,631ドル(95%信頼区間:1,557~1,709)であった。また、生存年を1人当たり0.0316年(同:0.0154~0.0478)、1人当たりQALYは0.0201年(同:0.0088~0.0314)それぞれ延長した。 ICERについては、獲得生存年1年当たり5万2,000ドル(同:3万4,000~10万6,000)、1QALY当たり8万1,000ドル(同:5万2,000~18万6,000)だった。ただしICERは、サブグループ分析や感度分析により、大幅なばらつきが認められた。

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肺がんの組織型の説明に

肺がんは、小細胞がんと非小細胞がんの2つに大きく分けられます肺がんの分類(組織型)組織分類多く発生する場所はいや腺癌非小細胞肺がん肺野部扁平上皮癌大細胞癌小細胞肺がん小細胞癌はいもん特徴女性の肺がんで多い、症状が出にくい肺門部喫煙との関連が大きい肺野部増殖が速い肺門部喫煙との関連が大きい、転移しやすい独立行政法人国立がん研究センター がん情報サービスCopyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.非小細胞肺がん小細胞がんではない肺がんの総称で、肺がんの約80~85%を占めています。腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなど、多くの異なる組織型があり、発生しやすい部位、進行形式と速度、症状などはそれぞれ異なります。いずれの場合も化学療法や放射線治療で効果が得られにくく、手術を中心とした治療が行われます。小細胞肺がん肺がんの約15~20%を占め、増殖が速く、脳・リンパ節・肝臓・副腎・骨などに転移しやすく悪性度の高いがんです。しかし、非小細胞肺がんよりも抗がん剤や放射線治療の効果が得られやすいと言われています。Copyright SCICUS K.K. All rights Reserved. @2003独立行政法人国立がん研究センターがん情報サービスCopyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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肺がん手術の合併症の説明に

手術の合併症と予防・対策の例合併症の例傷口やつなぎ合わせた場所(縫合部)に細感染 菌などによる感染が起こることがあります。予防と対策急激な寒気、発熱やだるさがあるときには、すぐに医師や看護師に伝えてください。必要に応じて血液検査と、抗生物質による感染予防・治療が行われます。手術の間、体の向きを長時間変えられなかった、あるいは痛みがあって動けなかっ無気肺 た、などのために、痰や滲出液で空気の通り道(気道、気管支)がふさがれ、肺がうまくふくらまなくなることがあります。息苦しさを感じたときは、すぐに医師や看護師に伝えてください。予防法としては、手術前に痰の出し方や呼吸法の練習をしておき、手術後は意識的に実践するようにするとよいでしょう。手術後の傷口から出血することがまれにあ出血 ります。医師や看護師が、体の表面の傷口や体の内部の出血の状態を、ドレーンからの滲出液の状態(色や量の変化など)などから確認しています。麻酔ガスや麻酔の影響で痰が増え、詰まりやすくなっていることや、手術の後は体の抵抗力が落ちていることもあって、肺炎を肺炎 起こすことがあります。喫煙していた人は痰の量が多くなることがあるため、特に注意が必要です。手術前に練習した痰の出し方で痰を出すように心掛けましょう。また、深呼吸をする、早くベッドから起き上がって体を動かすようにすることも大切です。※あまり神経質になることはありませんが、気になる症状があれば医師や看護師に伝えることが大切です。国立がん研究センター がん情報サービスCopyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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日本男性の勃起硬度はアレと関連していた

 日本人男性7,710人を対象としたWEBベースの断面全国調査において、1日2箱以上の喫煙、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病の既往は、勃起の硬さスケール(EHS: Erection Hardness Score)※の低さと有意な関連を認めることが、東邦大学の木村 将貴氏らによる研究で明らかになった。EHSは、加齢、性行為、性的自信、勃起不全(ED)関連のリスク因子などさまざまな要素と相関が認められた。また、EHSは、EDのモニタリングや治療において有益であり、男性とそのパートナーの性生活の質を改善するための貴重なツールとなりうると考えられる。Sexual medicine誌2013年12月号の報告。 勃起の硬さは、男性の性生活の質を測る要素の一つであり、EHSによって簡単に測定することができる。しかし、日本においては、EHSに関することや、EHSと老化、男性の性的行動、性的自信、リスク因子との関連についての報告は少ない。 そのため、本研究では、日本人におけるEHSと老化、性行動、性的自信、リスク因子との関連について、2009年3~5月にWEBベースの断面全国調査を行った。主要評価項目は、EHS、ライフスタイル因子、併存疾患、健康状態、性的自信、性行為の頻度、EDの治療に対する姿勢であった。 主な結果は以下のとおり。・男性7,710人(平均39.3±13.0歳)が調査に参加した。・ホスホジエステラーゼ5阻害薬を使用していたのは6,528人であった。・EHS 3以下は3,540人(54.2%)、2以下は1,196人(18.3%)であった。・EHS、性的満足、性行為の頻度の減少は、年齢依存性の有意な関連を認めた。・性的な自信は、EHSの高さと強い関連を認めただけでなく、より高齢のグループ、子孫の存在、健康に対する意識がより高いこと、性行為がより高頻度であることとも関連していた。・多変量ロジスティック回帰分析の結果、年齢で調整後のEHS 2以下のリスク因子は、1日2箱以上の喫煙(オッズ比1.7)、メタボリックシンドローム(オッズ比1.4)、高血圧(オッズ比1.2)、糖尿病(オッズ比 1.4)の既往であった。 ※勃起の硬さスケール(EHS):患者自身がED を簡単にチェックできる評価スケール(EHSの結果だけではEDの診断はできない)グレード0:陰茎は大きくならない。グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない。グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない。グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない。グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している。

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16歳までの自傷経験者、18歳でうつが2~4倍/BMJ

 16歳の時点で自傷行為を行ったことのある人は、その後にメンタルヘルス面の問題やアルコールなどの物質の有害使用、および自傷行為のリスク増大と関連していることが明らかにされた。こうした関連は、とくに自殺念慮がある自傷行為経験者で強かったという。英国・ブリストル大学のBecky Mars氏らが、4,799例を対象とした追跡試験の結果、報告したもので、これまで青少年期の自傷行為と長期の臨床的・社会的アウトカムとの関連については明らかにされていなかった。BMJ誌オンライン版2014年10月21日号掲載の報告より。1991~1992年出生コホートのうち16歳時アンケート回答者4,799例を追跡 Mars氏らは、英国住民ベース出生コホート試験「The Avon Longitudinal Study of Parents and Children」(ALSPAC)を基に、約1万4,000人の1991~1992年出生コホートを対象とした試験を行った。同コホートのうち、16歳時点で自傷行為に関する詳細な質問票に回答した4,799例について追跡試験を行った。 主要評価項目は、18歳時に行われたコンピュータによるClinical Interview Schedule Revised(CIS-R)を用いた、うつ病性障害や不安障害などのメンタルヘルス面での問題の有無。合わせて、アルコールや大麻、喫煙などの使用に関する自己申告による調査結果だった。さらに学業成績(16歳と19歳時)、仕事上の成果(19歳時)、自傷行為(21歳時)に関する評価も行った。自殺念慮があり自傷行為をした16歳、18歳でうつ状態が約4倍に 結果、16歳の時点で、自殺念慮の有無にかかわらず自傷行為を行った人は、将来的なメンタルヘルス面での問題、自傷行為、薬物乱用のリスクが増大した。 その中でも、自殺念慮があり自傷行為を行った人では、そうした関連がより強く認められた。具体的には、16歳の時点で自殺念慮がなく自傷行為を行った人の自傷行為のない人に対する、18歳時点でのうつ状態オッズ比は、2.21(95%信頼区間:1.55~3.15)だったのに対し、自殺念慮があり自傷行為を行った人は、3.94(同:2.67~5.83)だった。 また、自殺念慮あり自傷行為は、学業や仕事の成果の低さとも関連していることが認められた。 著者は、「所見は、青少年期の自傷行為者を早期に見いだし、治療を行うことの必要性を強調するものだった」とまとめている。

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2型糖尿病患者におけるエンパワーメントと治療意思決定支援ツール(decision aids)(解説:住谷 哲 氏)-271

高血糖、高血圧、高コレステロール血症、喫煙のすべてに介入する多因子介入治療(multifactorial approach)が2型糖尿病治療において重要であることは論を俟たない1)。 しかし、この治療が成功するか否かは、患者自身が治療の意義を理解し、多くの治療介入に積極的に参加することに依存している。われわれ医療従事者が患者と向き合うのは診察室におけるごく短時間のみであり、その他の時間はすべて患者の自己管理下にある。この患者の自己管理能力を向上させることで治療を成功に導こうとする考えがエンパワーメント(適切な日本語訳がない)である。 ここでの自己管理能力とは、医療従事者の指示に従うだけではなく、医療従事者との対話を通じて、治療法そのものを自己決定する(shared decision making)ことをも含む広い概念である。本論文は治療意思決定支援ツール(decision aids)が、2型糖尿病患者のエンパワーメントに及ぼす影響を検討したものである。 方法はオランダ北部の18のプライマリケアクリニックに通院中の344例の2型糖尿病患者を通常診療群と治療意思決定支援ツール提供群に無作為に振り分け、1次エンドポイントとしては、治療ゴール達成への意思決定およびゴール達成に対する患者のエンパワーメントの程度をエンパワーメントスコアにより評価した。2次エンドポイントは経過を通じての高血糖、高血圧、高脂血症およびアルブミン尿に対する処方強化および禁煙とした。治療意思決定支援ツールは4つの領域(血糖、血圧、コレステロール、喫煙)から構成されており、それぞれHbA1c<7.0%、収縮期血圧<140mmHg、LDLコレステロール<2.5mmol/L(100mg/dL)、禁煙がゴールに設定されていた。さらに個々の患者のリスクをUKPDS risk engine2)を用いて計算し、たとえば「あなたと同じ年齢、性別の2型糖尿病患者さん100人の中で、16人が今後5年間に心筋梗塞になり、84人は心筋梗塞になりません。しかし、現時点ではあなたが、そのどちらに属しているかはわれわれにはわかりません。」のような説明が提供された。 さらに、4つの領域のいずれがゴール未達成であるか、それに対する治療を受けることによるbenefit およびharm、さらに治療の有効性に関する不確実性についても説明された。探索的検討として、情報提供がパソコンの画面上で提供される群と印刷された紙媒体で提供される群、および詳細情報がすべて提供される群と簡略化された情報が提供される群が2x2要因デザインを用いて比較された。 結果は1次エンドポイントには両群に差を認めなかった。2次エンドポイントについても、紙媒体を用いた治療意思決定支援ツール提供群において高脂血症薬の投与が強化されたのみであった。これらの結果は、2型糖尿病患者に、通常の診療に加えて治療意思決定支援ツールを追加してもエンパワーメントには結びつかないこと示している。しかし、治療意思決定支援ツールによる介入を実際に受けたのが同ツール提供群の46%に過ぎず、結果の解釈には慎重を要する。 世界中で最も多数の患者からの相談を受けている医療従事者はGoogleである、と皮肉まじりにいわれるように医療においてインターネットは必要不可欠になりつつある。もし今回の検討で用いられた治療意思決定支援ツールが有効であったならば、インターネットを通じてすべての2型糖尿病患者に情報が提供され、われわれの日常診療も大きな影響を受けたかもしれない。その点で、今回の結果はわれわれの日常診療の継続に少しの安心感を与えるといえよう。 さらに、論文の主旨とは離れるが、欧米におけるエンパワーメントとわが国のそれとの違いが浮き彫りにされている点も注目してよい。わが国でのエンパワーメントは、「いかにして患者のやる気を引き出すか?」のように情緒的な点に比重が置かれており、具体的な治療目標(HbA1c<7.0%のような数値目標)と、それを達成することによるアウトカム改善のエビデンスとを医療従事者と患者との間で共有したうえでのshared decision makingが行われているとはいい難い状況にある。エンパワーメントもEBMから無縁ではないことを再認識する必要があるだろう。

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重症乾癬患者は血圧コントロールに注意

 高血圧患者において、乾癬罹患と血圧コントロールの不十分さは関連があり、その関連は乾癬の重症度が上がるほど増大することが、ペンシルベニア大学 医学大学院の竹下氏らにより報告された。 これまで、乾癬患者では高血圧症はよくみられたが、乾癬の重症度と血圧コントロールについては不明であった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年10月15日掲載報告。調査の目的 高血圧と診断された患者において、乾癬の重症度と血圧コントロールの関連を明らかにするため調査を行った。 なお、コントロール不十分の高血圧症は、乾癬の評価を行った直近の記録において収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義した。方法 英国の電子カルテの医療記録データベースであるThe Health Improvement Network(THIN)を用いて、人口ベースの前向き横断的研究。対象 THINに医療記録があり、健康アウトカムと乾癬イベントの前向きコホートに登録していて、乾癬を発症している25~64歳の高血圧患者1,322例を無作為に抽出した。乾癬の診断と重症度の判断は、かかりつけの開業医によって行われた。 対照群として、年齢、治療歴で適合させた乾癬の既往のない高血圧患者(1万1,977例)が抽出された。結果 コントロール不十分な高血圧と、罹患部位の面積で評価した乾癬の重症度には、明らかな関連がみられた。 この関連は年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒歴、合併症、高血圧治療薬・NSAIDsの服用による補正の有無に関わらず示された。・軽度乾癬患者の調整後オッズ比[aOR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.82~1.14・中等度乾癬患者のaOR:1.20、95%CI:0.99~1.45・重症乾癬患者のaOR:1.48、95%CI:1.08~2.04・それぞれp=0.01 なお、乾癬患者全体では血圧コントロール不十分は増えたものの、有意差は示されなかった(aOR:1.10、95%CI:0.98~1.24)。結論 高血圧患者が乾癬を罹患している場合、乾癬が重症となるほど血圧コントロールが不十分となりやすい。本調査の結果より、重症の乾癬患者では、より効果的な血圧コントロールが必要となることが示された。

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子宮移植による生児出産、世界初の成功例/Lancet

 先天的に無子宮の35歳の女性に、61歳の女性の子宮を移植し生児出産に成功したとの報告が、Lancet誌オンライン版2014年10月5日号に掲載された。報告を行ったのはスウェーデン・イェーテボリ大学のMats Brannstrom氏らのチームで、子宮移植後の生児出産としては初めての成功例だという。子宮移植は、無子宮または非機能性子宮に起因する絶対的な不妊の第一選の治療法で、これまでに世界で11件のヒト子宮移植が試みられている。ロキタンスキー症候群女性に閉経後女性の子宮を移植 子宮移植を受けたのは、ロキタンスキー症候群によるミュラー管無発生のため先天的に子宮を欠いた35歳の女性。移植術は、子宮を原因とする絶対的不妊の女性9例を対象とする臨床試験の一環として2013年、イェーテボリ市のSahlgrenska大学病院で行われた。 子宮のドナーは2度の経産歴(26および29歳時に経膣分娩)のある61歳の生存女性(非喫煙者、BMI 20、約7年前に閉経)で、レシピエントとは家族ぐるみの友人であった。 移植に先立って、レシピエントとパートナーによる体外受精が実施され、11個の受精卵(胚)が凍結保存された。 レシピエントとドナーは、移植術後、実質的に無事に回復した。レシピエントは、術後43日目に最初の月経に至り、その後は規則正しい周期(中央値32日、26~36日)で継続した。妊娠31週5日目、妊娠高血圧腎症にて帝王切開 レシピエントは、術後1年目に最初の胚移植(1個の受精卵)を受け妊娠した。免疫抑制薬3剤(タクロリムス、アザチオプリン、コルチコステロイド)の投与が開始され、妊娠期間を通じて継続投与された。子宮頸部生検で、3回の軽度拒絶反応(9日、2ヵ月28日、6ヵ月24日、すべて臨床症状なし)が認められたが、いずれもコルチコステロイド投与で回復した。 胎児発育パラメータ(大腿骨長、児頭大横径、腹部径、体重など)や、子宮動脈および臍帯動脈の血流は、妊娠期間を通じて正常であった。妊娠31週5日目、妊婦は妊娠高血圧腎症[血圧180/120mmHg、軽度頭痛、蛋白尿(尿中アルブミン18mg/L)、血小板数の低下(96×109/L)]を来し同病院産科に入院となった。 入院後10時間頃から陣痛回数が増加し始め、分娩監視装置(cardiotocography)で胎児心拍と陣痛の異常が認められた。その後、異常パターンが繰り返されたため、入院から16時間の時点で帝王切開を行った。 体重1,775g(在胎週数の正常体重)、アプガースコア正常(9、9、10点)の男児が誕生した。新生児の状態は良好で、光線治療のみでroom airにて管理が行われた。母親の状態も良好であり、血圧は自然に正常化しそれ以上の治療を必要としなかった。帝王切開後3日目に退院し、その後は外来通院でフォローアップを行っている。 著者は、「今回の初めての生児出産例は、子宮が原因の絶対的不妊の若い女性に対する治療としての、子宮移植の可能性を世界に向けて開くもの」とする一方で、「不妊治療としての子宮移植の有効性は確立されておらず、この女性も参加した進行中の臨床試験が光明を投じる可能性はあるが、医学的および心理学的なリスクがあることも事実である」と指摘している。

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統合失調症と利き手に関するメタ解析

 統合失調症は右利きでない例が多いことを特徴とするという概念は、統合失調症が異常な脳側性化により発症、そして遺伝的に関連しているという理論の基礎となっている。レビューおよびメタ解析により、統合失調症患者では右利きでない者が高率であることが報告されている。ただし、これらの結果は、性別の問題あるいは自己報告に基づく利き手に関する質問票に潜むバイアスによるものではないかとの指摘があった。 ノルウェー・ベルゲン大学のMarco Hirnstein氏らは、統合失調症では右利き以外の患者が多いという概念を検証するメタ解析を行った。その結果、性別および質問票にかかわらず、右利きではない患者が多かったことを報告した。結果を踏まえて著者は、「所見は真の意味で経験的な知見であり、統合失調症と脳側方化との遺伝的な関連を実際に反映している可能性がある」とまとめている。British Journal of Psychiatry誌2014年10月号の掲載報告。 研究グループは、性別を問わず右利きでない患者が高率にみられるのか、そして行動的評価における利き手が右利きではない頻度を明らかにすることを目的に、メタ解析を行った。電子データベースを用い、(a)統合失調症における男女別の右利き以外の頻度を対照と比較した研究、(b)統合失調症患者の利き手を行動的に評価した際の右利き以外の頻度(性別を問わず)を検討した研究、以上を検索した。  主な結果は以下のとおり。・女性におけるオッズ比(OR)は1.63(患者621例、対照3,747例)、男性におけるORは1.50(患者1,213例、対照3,800例)であった。1.0超の有意な差を認め、男女ともに対照と比べて右利き以外の例が多いことが示唆された。・さらに、行動的に利き手を評価した結果、ORは1.84(患者1,255例、対照6,260例)であり、統合失調症患者では右利き以外の例が多かった。・性別と行動的利き手評価を同時補正後も、右利き以外の例が多いという結果が確認された。・以上より、統合失調症患者において右利き以外が多いことは、性別の問題あるいは利き手質問票のバイアスによるものではないことが明らかとなった。関連医療ニュース 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか 6分間歩行で統合失調症患者の身体評価 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター  担当者へのご意見箱はこちら

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喫煙が低EPA/AA比と関連:日本の2型糖尿病患者

 喫煙は、50歳以上の日本人2型糖尿病患者において、EPA/AA比(エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比)に影響を与える可能性があることが、自治医科大学の岡田 健太氏らによる研究で明らかになった。2型糖尿病患者に禁煙を促すことが、心血管疾患発症の抑制につながるかもしれない。Diabetology & metabolic syndrome誌2014年8月13日号の報告。 低EPA/AA比は、心血管疾患のリスク因子であると考えられている。また、喫煙は、高齢者においてもなお心血管疾患のリスク因子となる。そのため、本研究では、高齢の2型糖尿病患者において、EPA/AA比と喫煙状況との関連を調査した。 対象は、EPAやAAを含有する薬物治療を行っていない50歳以上の2型糖尿病188例(男性114例、女性74例/ 平均65.0±7.5歳)。喫煙状況、糖尿病の状態、EPAおよびAAを含む血液データの観点から検討した。 主な結果は以下のとおり。・喫煙者は49例(男性43例、女性6例/ 平均62.4±7.3歳)、非喫煙者は139例(男性71例、女性68例/平均65.9±7.4歳)であった。・喫煙者は、高血圧、神経障害、HbA1c高値、HDLコレステロール低値の割合が、非喫煙者と比較して有意に高かった。・AA値、DHA値、EPA値は、喫煙者と非喫煙者で有意差は認められなかった。・喫煙者は非喫煙者と比較して、EPA/AA比が有意に低かった(平均0.29 vs 0.39、p<0.01)。この関連は多変数(年齢、性別、BMI、高血圧、HbA1c値、インスリン療法、合併症、脂質、スタチン治療)で調整後も有意なままであった。

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