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閉経前乳がん術後、卵巣機能抑制の上乗せ効果/NEJM

 閉経前の乳がん患者に対する内分泌療法では、タモキシフェン単独に比べ、タモキシフェン+卵巣機能抑制により、無病生存率と全生存率が改善することが示された。無病生存率はタモキシフェン単独に比べ、エキセメスタン+卵巣機能抑制でも改善が認められた。オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのPrudence A.Francis氏らが、閉経前乳がん患者への内分泌療法について行った2つの無作為化試験、SOFT試験とTEXT試験の最新の結果をまとめたもので、NEJM誌オンライン版2018年6月4日号で発表した。タモキシフェンとエキセメスタンの内分泌療法を5年間実施 SOFT試験では、閉経前乳がん患者を無作為に3群に分け、内分泌療法としてタモキシフェン、タモキシフェン+卵巣機能抑制、エキセメスタン+卵巣機能抑制をそれぞれ5年間実施した。また、TEXT試験では、閉経前乳がん患者を無作為に2群に分け、タモキシフェン+卵巣機能抑制とエキセメスタン+卵巣機能抑制をそれぞれ5年間実施した。無作為化については、化学療法の有無によって層別化した。 これまでに行われた両試験の分析では、タモキシフェン+卵巣機能抑制よりもエキセメスタン+卵巣機能抑制で、5年時の乳がん再発率が有意に低減したことが報告されている。今回Francis氏らは、2試験の最新の結果を報告した。8年無病生存率、タモキシフェン単独群78.9%、タモキシフェン+卵巣機能抑制群83.2% SOFT試験において8年無病生存率は、タモキシフェン単独群78.9%、タモキシフェン+卵巣機能抑制群83.2%、エキセメスタン+卵巣機能抑制群85.9%だった(タモキシフェン単独群対タモキシフェン+卵巣機能抑制群のp=0.009)。 8年全生存率は、タモキシフェン単独群91.5%、タモキシフェン+卵巣機能抑制群93.3%、エキセメスタン+卵巣機能抑制群92.1%だった(タモキシフェン単独群対タモキシフェン+卵巣機能抑制群のp=0.01)。また、化学療法後の閉経前乳がん患者の全生存率はそれぞれ85.1%、89.4%、87.2%だった。 化学療法を受けたHER2陰性患者の8年遠隔転移率は、エキセメスタン+卵巣機能抑制群がタモキシフェン+卵巣機能抑制群に比べ有意に低率だった(SOFT試験では7.0ポイント、TEXT試験では5.0ポイント)。 Grade3以上の有害事象は、タモキシフェン単独群で24.6%、タモキシフェン+卵巣機能抑制群で31.0%、エキセメスタン+卵巣機能抑制群で32.3%報告された。

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扁平上皮肺がん1次治療、アテゾリズマブ+化学療法でPFS延長。高PD-L1群で顕著(IMpower131)/ASCO2018

 Stage IV扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療に対するアテゾリズマブと化学療法の併用に関する第III相試験IMpower131の結果が、米国・シカゴにて開催された米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された。 IMpower131試験は、化学療法未治療のStage IVの扁平上皮NSCLCを対象とし、アテゾリズマブと化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセルまたはパクリタキセル)の併用と、化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)単独の有効性および安全性を比較検討する、オープンラベル多施設共同無作為化第III相試験である。本試験には、下記の3群に1:1:1に無作為に割り付けた1,021例が登録された。・対象患者:化学療法未治療のStage IVの扁平上皮NSCLC・試験薬群 ・A群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(Atezo+CP) ・B群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(Atezo+CnP)・対照群 ・C群(対照群):カルボプラチン+nab-パクリタキセル(CnP)・主要評価項目:B群対C群の治験担当医評価によるITT集団における無増悪生存(PFS)およびITT集団における全生存期間(OS)。今回はB群対C群のPFSの発表。 主な結果は以下のとおり。・PFS中央値は、Atezo+CnP群6.3ヵ月に対し、CnP群5.6ヵ月(HR:0.71、p=0.0001)、12ヵ月PFS率はそれぞれ24.7%と12.0%であった。・PD-L1サブグループによるPFS  PD-L1高発現(TC3またはIC3)では、Atezo+CnP群10.1ヵ月に対し、CnP群5.5ヵ月であった(HR:0.44)。  PD-L1低発現(TC1/2またはIC1/2)では、それぞれ6.0ヵ月と5.6ヵ月であった(HR:0.70)。  PD-L1発現陰性(TC0かつIC0)では、それぞれ5.7ヵ月と5.6ヵ月であった(HR:0.81)。・奏効率は、Atezo+CnP群49%に対し、CnP群41%であった。・奏効期間は、Atezo+CnP群7.2ヵ月に対し、CnP群5.2ヵ月であった。・全有害事象発現率は、Atezo+CnP群99%に対し、CnP群97%。各治療法における既知の事項と同様であった。 OSベネフィットは次回の中間解析で発表される。■参考ASCO2018 AbstractIMpower131試験(Clinical Trials.gov)■関連記事アテゾリズマブと化学療法の併用、扁平上皮肺がん1次治療でPFS延長(IMpower131)アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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進行肺がん1次治療へのアテゾリズマブ併用療法 、OSハザード比0.78(IMpower150)/ASCO2018

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、アテゾリズマブの第III相臨床試験IMpower150における全生存期間(OS)の中間解析結果を、フロリダ・ホスピタル・キャンサー・インスティテュートのMark A. Socinski氏が発表した。IMpower150は、Stage IV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)±ベバシズマブへのアテゾリズマブ併用療法の有効性と安全性を検討するオープンラベル無作為化多施設共同試験。 本試験では、1,202例の患者を以下の3群に1:1:1の割合で無作為に割り付け、各群の投与レジメンに従い3週に1回間隔で薬剤を投与した。A群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)B群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg)C群:カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg) 主要評価項目は、EGFRまたはALKの遺伝子変異陽性患者を除くITT解析集団(ITT-WT)ならびにT細胞活性調整因子(Teff)の遺伝子発現により層別化した集団におけるPFS、およびITT-WT におけるOS。 主な結果は以下のとおり。・A群に349例、B群に359例、C群に337例、ITT-WTの患者が組み入れられた。年齢中央値は63歳、62%が男性、85%が現在あるいは過去の喫煙者で、42%がECOG PS:0であった。・データカットオフ(2018年1月22日)の追跡期間中央値は約20.0ヵ月。・B群とC群の比較において、OS期間中央値は、B群が19.2ヵ月と、C群の14.7ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.64~0.96、p=0.0164)。 ・PD-L1高発現患者(TC3またはIC3;136例)のOSは、B群25.2ヵ月、C群15.0ヵ月 (HR:0.70)、低発現患者(TC1/2またはIC1/2;226例)のOSは、それぞれ 20.3ヵ月と16.4ヵ月(HR:0.80)、発現なし(339例)のOSは、それぞれ 17.1ヵ月と14.1ヵ月(HR:0.82)であった. ・EGFR/ALK遺伝子変異陽性患者(104例)のOSは、B群NE、C群 17.5ヵ月であった(HR:0.54)。 ・ITT-WT集団のうちベースライン時に肝転移のあった患者(94例)におけるOSは、 B群13.2ヵ月、C群9.1ヵ月であった(HR:0.54)。・A群とC群の比較において、OSは、A群が19.4ヵ月と、C群14.7ヵ月に比べ延長傾向が確認された(HR:0.88、95%CI:0.72~1.08、p=0.2041)。・全患者において、Grade3以上の治療関連有害事象発現率は、A群43%、B群57%、C群49%であった。 この結果は、同時にNew England Journal of Medicine誌に掲載された。■参考ASCO2018 AbstractSocinski MA, et al.N Engl J Med. 2018 Jun 4.[Epub ahead of print]■関連記事アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018抗PD-L1抗体アテゾリズマブ国内発売、肺がん治療に※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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胃がん術後化療、S-1+ドセタキセルがプラクティス変える?(JACCRO GC-07)/ASCO2018

 Stage II/IIIの治癒切除胃がんに対する標準治療として、本邦ではS-1による術後補助化学療法が用いられるが、Stage IIIにおけるアウトカムは十分とはいえない。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、名古屋大学医学部附属病院の小寺 泰弘氏が、Stage III の上記患者に対するS-1/ドセタキセル併用療法とS-1単独療法を比較したJACCRO GC-07(START-2)試験の結果を発表した。S-1/ドセタキセル併用の術後補助化学療法は安全で管理可能な治療法 同試験は、本邦の138施設が参加した第III相ランダム化比較試験。対象はD2リンパ節切除症例のうちR0手術後のStage III治癒切除胃がん患者で、施設、Stage(IIIA、IIIB、またはIIIC)および組織型(分化または未分化)によって層別化され、S-1/ドセタキセル併用療法群(併用群)とS-1単独療法群(対照群)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、併用群における3年無再発生存期間(RFS)の7%増加(ハザード比[HR]:0.78、2-sidedα=0.05、β=0.2)で、その検出に必要な症例数は1,100例とされた。副次評価項目は、全生存期間(OS)、治療成功期間(TTF)、および安全性であった。 両群のレジメンは以下のとおり。・S-1/ドセタキセル併用群 サイクル1(3週間):S-1(80mg/m2)を1日2回、14日間連続投与し、7日間休薬 サイクル2~7(3週間ずつ):ドセタキセル(40mg/m2)を各サイクル初日に投与 し、S-1(80mg/m2)を1日2回、14日間連続投与し、7日間休薬 サイクル8以降(6週間ずつ):S-1(80mg/m2)を1日2回、28日間連日投与し、 14日間休薬 → 手術1年後まで繰り返す・S-1 単独療法群 S-1(80mg/m2)を1日2回、28日間連続投与し、14日間休薬を1サイクル (6週間)として手術1年後まで繰り返す 2017年4月に実施された、あらかじめ計画されていた2回目の中間解析の時点で、S-1/ドセタキセル併用群456例、対照群459例が本試験に組み入れられた。中間解析の結果、S-1/ドセタキセル併用群の3年RFSは対照群と比較して有意に良好であった(HR:0.632、95%信頼区間[CI]:0.400~0.998、p=0.0007)。そのため、独立の効果安全性評価委員会により、試験の有効中止が勧告された。S-1/ドセタキセル併用群では対照群と比較して、血行性、リンパ性および播種性を含むすべてのタイプで再発を抑制した。 Grade3以上の有害事象は、白血球減少症と好中球減少症、発熱性好中球減少症について併用群で頻度が高かったが、全体として、S-1/ドセタキセル併用の術後補助化学療法は安全で管理可能な治療法といえる。※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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肺がん1次治療、PD-L1低発現でもペムブロリズマブ単剤?(KEYNOTE-042)/ASCO2018

 非扁平上皮および扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤の1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された。 KEYNOTE-042は、局所進行または転移を有するPD-L1陽性のNSCLC患者において、標準治療のプラチナベース化学療法とペムブロリズマブ単剤治療を比較する国際無作為化オープンラベル第III相試験。対象患者:PD-L1発現1%以上の局所進行または転移を有するNSCLC患者(いずれの組織型も含む)試験薬:ペムブロリズマブ3週ごと35サイクル対照薬:カルボプラチン+パクリタキセルまたはペメトレキセド3週ごと6サイクル評価項目:主要評価項目は全生存期間(OS)(TPS50%以上、20%以上、1%以上で評価)。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)と奏効率(ORR)(TPS50%以上、20%以上、1%以上で評価)、安全性(TPS1%以上) 主な結果は以下のとおり。・1,274例の患者が、ペムブロリズマブの単剤治療またはプラチナベース化学療法に1:1で無作為に割り付けられた。・2年OS率は、TPS50%以上では、ペムブロリズマブ群44.7%に対して化学療法群30.1%(HR:0.69、p=0.0003)、20%以上では40.5%対29.6%(HR:0.77、p=0.0020)、1%以上では39.3%対28.0%であった(HR:0.81、p=0.0018)。・探索的研究での、TPS1~49%の2年OS率は、ペムブロリズマブ群34.6%に対して化学療法群26.5%であった(HR:0.92)。・2年PFS率はTPS50%以上では、ペムブロリズマブ群37.4%に対して化学療法群27.3(HR:0.81、p=0.017)、20%以上では32.4%対28.8%(HR:094)、1%以上では28.0%対26.6%であった(HR:1.07)。・ORRは、TPS50%以上では、ペムブロリズマブ群39.5%に対して化学療法群32.0%、20%以上では33.4%対28.9%、1%以上では、27.3%対26.5%であった。・治療関連有害事象発現は、ペムブロリズマブ群62.7%に対して化学療法群89.9%、免疫関連有害事象発現は、27.8%対7.2%であった。 ペムブロリズマブ単剤治療群は、PD-L1発現NSCLCの1次治療において、PD-L1の発現の程度にかかわらず、化学療法群に比べOSを有意に改善した。■参考ASCO2018 AbstractKEYNOTE-042試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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Stage III 肺がん、化学放射線療法+免疫療法が期待される理由

 2018年5月25日、第11回アストラゼネカ・オンコロジーサイエンス・メディアセミナー「肺がんの早期治療における免疫治療への期待」が開催された。山本 信之氏(和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 教授)、髙山 浩一氏(京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 教授)が登壇し、Stage III切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)治療における課題と免疫療法による可能性、およびこれまでほとんど明らかにされてこなかった、Stage III肺がん患者の心理的負担感をテーマに講演した。化学放射線療法と免疫療法の併用による可能性 はじめに山本氏は、NSCLC患者の約2割を占めるStage IIIの患者に対する治療では、根治を目指し、化学療法と根治的胸部放射線療法の併用が標準治療として推奨されていることを説明。第2世代レジメン(MVP)から、第3世代レジメン(カルボプラチン+パクリタキセル、シスプラチン+ドセタキセル等)へと新しい抗がん剤が登場しているものの、放射線と併用したときの生存期間延長という意味では、約20年間ほぼ治療の進歩がないことを指摘した。 一方、標準治療が化学療法のみとなるStage IVでは、分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬による治療の進歩が著しい。このうち分子標的治療薬については、「放射線との併用でベネフィットがある可能性はゼロではないが、薬剤性肺炎のリスクがあることから、大規模な臨床試験を実施してその効果を確かめることは難しい」と山本氏は語った。 そこで期待されるのが、免疫チェックポイント阻害薬だ。山本氏は、Stage IV肺がん患者対象の複数の試験で、腫瘍のPD-L1発現率が高いほど免疫チェックポイント阻害薬の奏効率が高いと確認されていること(KEYNOTE-0011)、CheckMate017/0572))、マウスによる実験段階ではあるが、放射線治療によりPD-L1発現が高まり、抗PD-L1抗体と放射線療法を併用すると、各単独療法よりも生存期間が延長すると示唆されていること3)から、「放射線療法が免疫療法の効果を高める可能性がある」と話した。 続いて山本氏は、放射線療法と免疫療法の併用により、放射線照射部位のみでなく、遠方の転移巣においても抗腫瘍免疫反応が活性化される“アブスコパル効果”について言及。悪性黒色腫に対する試験では、イピリムマブ+放射線療法によるアブスコパル効果が確認され、放射線を照射していない部位でも腫瘍縮小効果が確認されている4)という。免疫療法そのものの効果も、早期でより高い? 「腫瘍量が少ないほど免疫療法による治療効果が高いと示唆されていることも5)、Stage IIIでの免疫療法に期待ができる理由の1つ」と山本氏。より早期でより腫瘍量の少ない、手術適応の肺がん患者に対し、術前に免疫チェックポイント阻害薬を投与した結果、ほぼ全例で腫瘍縮小効果が確認されたデータ6)を紹介し、「早期の腫瘍量の少ない病変や微小転移に対し、免疫療法の効果はStage IVよりもさらに高いのではないかと期待される」と話した。心理的な不安感、進行期よりもStage IIIの患者でより強い傾向 続いて髙山氏は、インターネットによる患者調査の結果7)を基に、Stage III肺がん患者における心理的負担感について講演した。「進行期であるStage IVの患者さん対象の調査は行われてきたが、Stage IIIの患者さんの心理的負担感についてはほとんどわかっていなかった」と髙山氏。本調査では、心理的ストレスを数値化するための尺度として、HADS質問票を使用。この質問票は、不安7項目、抑うつ7項目の計14項目からなり、それぞれの状態を点数化して評価する。 調査の結果、化学放射線療法を受けた肺がん患者は、薬物療法を受けた肺がん患者と比較してHADSスコアが高くなる傾向がみられ、特に不安の度合いが高いことが確認された。なかでも、“だんだんと不安が大きくなっていくように感じた”という項目で化学放射線療法を受けた患者の負担感が高かったことに髙山氏は着目。「分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬が使われるStage IVよりも、従来の抗がん剤が使われるStage IIIの治療でより副作用による負担が大きい場合があること、また放射線療法後半における、食事摂取への影響などが背景にあるのではないか」と推察した。 さらに、「Stage IIIでは、初回治療後に無治療で経過観察をする期間が続く。いつ再発するかという不安を抱えながら、“何もしない”ことは大変なストレスだろう」と話し、「免疫療法を含め、このタイミングで何らかの治療の選択肢が生まれれば、心理面でも大きなプラスなのではないか。そしてもちろん、生存期間延長につながる治療法の登場が、病気と治療に直面する患者さんたちにとって、何よりの励みになると期待している」と結んだ。■参考1)Garon EB, et al. N Engl J Med.2015;372;2018-2028.2)Felip E, et al. ESMO 2017.3)Dovedi SJ, et al. Cancer Res.2014;74:5458-5468.4)Postow MA, et al. N Engl J Med.2012;366;925-931.5)Huang AC, et al. Nature.2017;545;60-65.6)Forde PM, et al. N Engl J Med. 2018;378;1976-1986.7)アストラゼネカ株式会社プレスリリース

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、高腫瘍変異負荷肺がん1次治療でPFS延長/NEJM

 ニボルマブとイピリムマブは、第I相CheckMate-012試験で非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に有効性を示し、また腫瘍変異負荷(TMB)はバイオマーカーとして注目されている。そのような中、ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベルマルチパート第III相CheckMate-227試験から、TMB高レベル患者(1メガベースあたりの変異が10個以上)における、ニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法群を比較したPart1の結果が、NEJM誌2018年4月16日号とAACR2018で同時に発表された。・試験対象:PD-L1発現1%以上および1%未満のStageIVまたは再発NSCLCの初回治療患者・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ群     ニボルマブ単独群(TPS1%以上)     ニボルマブ+化学療法群(TPS1%未満)・対照群:化学療法・評価項目:[複合主要評価項目]高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法群のPFS、PD-L1発現(≧1%)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法群の全生存期間(OS)、[副次評価項目]高TMB(≧13/メガベース)かつPD-L1発現(≧1%)患者におけるニボルマブ単独群対化学療法群のPFS、高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法群のOS。そのほか、奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・有効なTBMデータを有した1,004例のうち、高TMB(≧10変異/メガベース)患者は444例であった・上記の444例は、無作為にイピリムマブ+ニボルマブ群139例、化学療法群160例に割り付けられた・高TMB(≧10/メガベース)患者の1年PFS率は、ニボルマブ+イピリムマブ群42.6%、化学療法群13.2%。PFS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群7.2ヵ月(95%CI:5.5〜13.2)、化学療法群5.5ヵ月(95%CI:4.4~5.8)と、化学療法に比べ、ニボルマブ+イピリムマブ群で有意に長かった(HR:0.58、97.5%CI:0.41~0.81、p<0.001)・PFSサブグループ解析では、PD-L1発現(≧1%、<1%)、また組織型(扁平上皮、非扁平上皮)にかかわらず、ニボルマブ+イピリムマブ群で良好であった・ORRは、ニボルマブ+イピリムマブ群で45.3%、化学療法群で26.9%であった・Grade3/4の治療関連有害事象はニボルマブ+イピリムマブ群31.2%、化学療法36.1%であった  この結果は、高TMBのNSCLC患者における、ニボルマブ・イピリムマブ併用の利点と、患者選択のバイオマーカーとしての腫瘍変異負荷の役割を立証している。■参考CheckMate-227試験(ClinicalTrials.gov)CheckMate-227試験(AACR2018ニュースリリース)

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エピシルが化学療法や放射線療法の口内炎の口腔内疼痛を緩和/Meiji Seikaファルマ

 Meiji Seikaファルマ株式会社は2018年5月16日、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材エピシル口腔用液(以下、エピシル)の販売を開始した。 エピシルは口腔内病変の被覆および保護を目的とする非吸収性の液状機器。口腔粘膜にエピシル適量を適用すると数分以内に口腔粘膜の水分を吸収してゲル状になり、物理的バリアを形成することにより、化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛を管理および緩和する。エピシルの販売・流通およびプロモーションを行うMeiji エピシルはスウェーデンのCamurus ABにより創製され、2009年に欧州で最初に上市、現在世界10ヵ国で販売されている。日本ではソレイジア・ファーマ株式会社が2017年7月に医療機器製造販売承認を取得し、2018年4月に保険収載された。2016年12月に締結したソレイジア社との契約に基づき、Meijiは日本国内でのエピシルの販売・流通およびプロモーションを行う。販売名:エピシル口腔用液製造販売承認日:2017年7月6日保険収載日:2018年4月1日発売日:2018年5月16日償還価格:752円/mL形状・構造及び原理:口腔内病変の被覆及び保護を目的とする非吸収性の液状機器である。口腔粘膜に適量を適用すると数分以内に口腔粘膜の水分を吸収してゲル状になり、物理的バリアを形成することにより、口内炎で生じる口腔内疼痛を管理及び緩和する。専用の容器に充填されている。使用目的又は効果:化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和を物理的作用により行う。製造販売元:ソレイジア・ファーマ株式会社販売元:Meiji Seika ファルマ株式会社

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、TMB高レベルNSCLCの1次治療でPFS改善(CheckMate-227)/AACR2018

 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で発表されたニボルマブとイピリムマブの第Ⅲ相臨床試験CheckMate-227の結果によると、高腫瘍変異負荷(TMB、>10変異/Mb)の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において、標準化学療法と比較して、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法が有意に無再発生存率(PFS)を改善した。 CheckMate-227は、未治療のStageIVまたは再発NSCLCの1次治療における大規模オープンラベル無作為化比較試験。試験群はニボルマブ単独、ニボルマブ+イピリムマブまたはニボルマブ+プラチナ・ダブレット化学療法の3種、対照群はプラチナ・ダブレット化学療法単独である。同総会で発表された初の評価項目は、高TMB患者におけるPFSであった。高TMB患者299例のうち139例がニボルマブ+イピリムマブ群に、160例が化学療法PT-DC単独群に割り付けられた。 最低11.5ヵ月以上のフォローアップの結果、ニボルマブ+イピリムマブ群は、プラチナ・ダブレット化学療法単独群と比較して、PFSリスクが42%改善。1年PFS率は43%対13%となった。奏効率はニボルマブ+イピリムマブ群45.3%、PT-DC群では26.9%であった。 ニボルマブ+イピリムマブは良好な忍容性を示し、安全性プロファイルは同レジメンの以前の報告と同様であった。Grade3/4の治療関連有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群の31%に対して、プラチナ・ダブレット化学療法単独群では36%であった。全生存率(OS)データは未達成。 この研究は、New England Journal of Medicineに同時に掲載された。■参考AACR2018ニュースリリースCheckMate227試験(N Engl J Med)CheckMate227試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用、TMB高レベルNSCLCの1次治療でPFS優越性示す(CheckMate227)

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オラパリブ、BRCA変異陽性乳がんにおける全生存期間の最新データを発表/AACR2018

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース)は、2018年4月15日、米国がん研究会議年次集会(AACR2018)において、転移を有する乳がんにおけるオラパリブ(商品名:リムパーザ)の最終全生存期間(OS)の結果を示す第III相OlympiAD試験のデータを発表した。 本試験は生殖細胞系列BRCA変異陽性(gBRCAm)HER2陰性転移乳がんにおいてオラパリブと化学療法(医師の選択によりカペシタビン、エリブリンまたはビノレルビンのいずれかを使用)を比較検討し、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成した。 AACRで発表された結果には、副次評価項目である全生存期間(OS)の最新結果が含まれている。本試験により統計学的に有意な差異を示していないが、OS中央値はオラパリブ治療群の19.3ヵ月に対し化学療法治療群は17.1ヵ月であった(HR:0.90、95%CI:0.66~1.23、p=0.513)。最終OSデータカットオフ時点において(64%maturity)、約13%の患者はオラパリブによる治療を継続していたが、化学療法を継続している患者はいなかった。 事前に定義されたサブグループ解析の結果は、治療群間の統計学的有意差を示さなかった全体解析の結果と一貫していた。最大の差は化学療法を受けなかった転移患者に見られ、OS中央値の差はオラパリブ群において7.9ヵ月であった(HR:0.51、95%CI:0.29~0.90、名目p=0.02、中央値22.6ヵ月対14.7ヵ月)。 オラパリブの安全性プロファイルは初回の解析時と一貫しており、治療期間の延長に伴う関連蓄積毒性は見られなかった。重篤な有害事象(Grade3以上)は、オラパリブ投与群患者の38%において報告されたのに対し、化学療法投与群では49.5%で報告された。

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NSCLC 1次治療、ペムブロリズマブ併用でOS延長:第III相試験/NEJM

 EGFR/ALK変異のない転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者に対し、ペメトレキセド+プラチナ製剤ベースの標準化学療法にペムブロリズマブを追加することで、化学療法単独よりも、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが示された。米国・ニューヨーク大学のLeena Gandhi氏らが、616例の患者を対象に行った第III相二重盲検無作為化試験の結果で、NEJM誌2018年4月16日号で発表した。変異を伴わない進行NSCLC治療の第1選択は、プラチナ製剤ベースの化学療法である。免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブは第2選択薬として承認されているが、PD-L1の発現が50%以上の患者では、化学療法に代わって第1選択とすることが認められている。化学療法へのペムブロリズマブの追加について第II相試験では、化学療法単独よりも有意に高い奏効率と、PFSの有意な延長が認められていた。化学療法+ペムブロリズマブ200mgをプラセボと比較 研究グループは、EGFR/ALK変異のない転移を有する非扁平上皮NSCLCの未治療患者616例を対象に検討を行った。 無作為に2対1に分け、ペメトレキセド+プラチナ製剤ベースの化学療法に加え、一方の群にはペムブロリズマブ200mgを、もう一方にはプラセボを、それぞれ3週ごと4サイクル投与し、その後ペムブロリズマブまたはプラセボとペメトレキセドによる維持療法を合計35サイクルとなるまで行った。 プラセボ群に割り付けられた被験者で病勢進行が認められた場合は、ペムブロリズマブ単剤療法へのクロスオーバーを行った。 主要エンドポイントはOSとPFSで、盲検化された独立画像中央判定によって評価された。12ヵ月時点の推定全生存率、ペムブロリズマブ併用群69.2%、プラセボ群49.4% 追跡期間の中央値は、10.5ヵ月だった。12ヵ月時点の推定全生存率は、化学療法+ペムブロリズマブ群69.2%(95%信頼区間[CI]:64.1~73.8)に対し、化学療法+プラセボ群は49.4%(同:42.1~56.2)だった(ペムブロリズマブ群の死亡に関するハザード比[HR]:0.49、95%CI:0.38~0.64、p<0.001)。 また、PD-L1陽性細胞の割合で分類したいずれのカテゴリーにおいても、全生存率の改善が認められた。 PFSの中央値は、プラセボ群4.9ヵ月(95%CI:4.7~5.5)だったのに対し、ペムブロリズマブ群は8.8ヵ月(95%CI:7.6~9.2)で、ペムブロリズマブ群の病勢進行または死亡に関するHRは0.52だった(同:0.43~0.64、p<0.001)。 Grade3以上の有害事象の発現頻度は、ペムブロリズマブ群67.2%、プラセボ群65.8%だった。

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POEMS(クロウ-深瀬)症候群

1 疾患概要■ 概念・定義POEMS症候群の名称は、polyneuropathy、organomegaly、endocrinopathy、M-protein、skin changeの頭文字に由来する。「クロウ-深瀬症候群」、「高月病」とも呼ばれる。名称のとおり、多発ニューロパチーを中核症状とし、肝脾腫などの臓器腫大、内分泌異常、皮膚変化(色素沈着、剛毛、血管腫など)という多彩な症状を呈し、M蛋白を伴う全身性の疾患である。症状は多彩であるが、その病態基盤は形質細胞異常(plasma cell dyscrasia)とサイトカインである血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の上昇であると考えられている。多発ニューロパチーが中核症状となることが多い一方で、plasma cell dyscrasia由来の疾患でもあり、神経内科または血液内科で診療することが多い。2015年1月に、新規に指定難病の1つとなった。■ 疫学わが国で行われた2003年の全国調査に基づく推定有病率は、10万人当たり0.3人であり、いわゆる希少疾病である。しかし、その多彩な症状ゆえに、診断が困難な例も少なくなく、実際の有病率はもう少し高い可能性がある。平均発症年齢は50代であるが、30代の発症もまれではない。男性に多い。■ 病因上述のごとく、POEMS症候群の病態の中心はplasma cell dyscrasiaとVEGFの上昇であると推定されている。VEGFは血管新生作用以外に強い血管透過性亢進作用を持ち、本症候群で特徴的に認められる浮腫、胸腹水などの所見とよく合致する。しかし、plasma cell dyscrasiaとVEGF上昇がどのように関連するかについては、現時点では不明である。また、多発ニューロパチー、内分泌異常、皮膚異常などの症状が生じるメカニズムについても明確になっていない。VEGF上昇とともに、TNFα、IL6、IL-12を含む複数の炎症性サイトカインの上昇も確認されており、複雑な病態に関与している可能性が高い。■ 症状POEMS症候群で認められる臨床症状として頻度が高いのは、多発ニューロパチー、浮腫、皮膚変化、リンパ節腫脹、女性化乳房である。典型的な多発ニューロパチーは、下肢優位の四肢遠位のしびれと筋力低下を呈する。重症度は症例により異なり、アキレス腱反射の低下のみの症例から重度の四肢麻痺の症例まで存在する。また、数ヵ月の経過で、歩行に介助が必要になるまで進行する例が多い。通常、浮腫は下腿以遠に目立つ。進行例では、明確な圧痕を残すほど顕著となり、腹部、上肢、顔面にも浮腫が出現する。皮膚変化は、色素沈着、剛毛の頻度が高い。色素沈着は独特のやや赤味を帯びた褐色を呈する(図)。剛毛は前腕や下腿に目立つ。画像を拡大する■ 予後POEMS症候群の機能・生命予後は、適切な治療が行われない場合、不良である。機能予後は、多発ニューロパチーの重症度に依存する。無治療では過半数の症例が、発症1年以内に杖歩行となる。また、1980年代は適切な治療が行われなかったため、平均生存期間は33ヵ月と報告されている。近年、疾患の認知度向上による診断技術の向上、ならびに骨髄腫治療の本症候群への応用による治療の進歩で、予後は大幅に改善しつつある。しかし、急速な悪化を認めうる疾患であり、また多臓器障害が生じることも少なくないので、治療方針検討や経過観察には、慎重を期す必要がある。低アルブミン血症、初回治療への反応性不良、高齢(50歳以上)、肺高血圧、胸水、腎機能障害などが、予後不良因子として挙げられている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)POEMS症候群の診断は診断基準に基づいて行われる。しかし、類似の診断基準が複数あり、いずれも感度・特異度について検討されていないのが、現在の問題点である。国際的に最も代表的な基準は、2012年のCochrane database systematic reviewで採用されているものである。しかし、わが国では、下表の診断基準が指定難病の認定に使用されている。本診断基準の特徴は、単クローン性形質細胞増殖が検出できない例であっても、積極的に診断できる点において優れている。そのため、日常診療で運用する上では、下表の診断基準を用いる方が、診断感度も高く、利便性にも優れる。表 POEMS症候群の診断基準●大基準多発ニューロパチー血清VEGF上昇(1,000 pg/mL以上)M蛋白(血清または尿中M蛋白陽性 [免疫固定法により確認] )●小基準骨硬化性病変、キャッスルマン病、臓器腫大、浮腫、胸水、腹水、心嚢水、内分泌異常*(副腎、甲状腺、下垂体、性腺、副甲状腺、膵臓機能)、皮膚異常(色素沈着、剛毛、血管腫、チアノーゼ、爪床蒼白)、乳頭浮腫、血小板増多(1)Definite:大基準3つ+小基準 少なくとも1つ(2)Probable:大基準2つ+小基準 少なくとも1つ*糖尿病と甲状腺機能異常は有病率が高いため、これのみでは本基準を満たさない。引用: Misawa S, et al. Clin Exp Neuroimmunol. 2013;4:318-325.以下に、検査、診断に際しての注意点を列記する。1)多発ニューロパチー明確な自覚症状を認めない場合もあり、神経伝導検査によるニューロパチーの有無の検索と性状の確認は必須である。原則は、本症候群のニューロパチーの性状は脱髄と二次的軸索変性である。非常に軽症例では、ごくわずかの異常しか認められない場合もある。2)単クローン性の形質細胞増殖血液・尿のM蛋白のスクリーニングにより、大部分の症例では検出可能である。しかし、POEMS症候群ではM蛋白の量は非常に微量のため、免疫固定法による確認が必須である。M蛋白のサブクラスの多くはIgGまたはIgAのλ型である。3)VEGF外注検査会社で測定可能である。VEGF値の測定は、診断確定、治療効果判定に非常に有用であるが、現時点では保険適用にないことが大きな問題点である。血清・血漿のいずれで測定すべきかの結論は出ていない。しかし、指定難病の認定は血清で行われている。外注検査会社に「血清で測定」の指示にて依頼する。4)骨病変硬化性変化が一般的である。しかし、溶骨性変化や混合性変化を認めることもある。胸腹水の検索目的で施行した胸腹骨盤部のCT検査の骨条件で胸骨、椎体、骨盤などの硬化性病変をスクリーニングすることが可能である。さらに精査を進める際には、PET検査が有用である。5)内分泌障害性腺機能異常、甲状腺機能異常、耐糖能異常、副腎機能異常などの頻度が高い。スクリーニング検査として、LH・FSH・E2(エストラジオール)・テストステロン・TSH・FT3・FT4・血糖・インスリン・ACTH・コルチゾールなどの検査を行う。鑑別診断として問題となりやすいのは、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy:CIDP)、ALアミロイドーシスである。POEMS症候群の進行例では、浮腫・皮膚障害をはじめ、多彩な典型的症状を伴うため、鑑別が問題となることは少ない。しかし、発症初期で臨床症状や検査所見が揃わない場合には、ニューロパチーの臨床および神経伝導検査所見を詳細に比較することにより、鑑別が可能となる。CIDPの典型例の臨床症状は、左右対称性のしびれと近位筋を含む筋力低下であり、四肢遠位優位のしびれと筋力低下を呈するPOEMS症候群とは臨床症状が異なる。しかし、CIDP、POEMS症候群とも、神経伝導検査は脱髄所見を示すこと、CIDPのほうが有病率・認知度ともに高いことが影響し、POEMS症候群がCIDPと初期診断される確率は高い。典型的CIDPの多くの症例では、ステロイド、免疫グロブリン、血漿交換などの治療に反応する。したがって、治療抵抗例では診断の再考が必要な場合がある。ALアミロイドーシスは、POEMS症候群と同様、四肢遠位優位のしびれと筋力低下を呈する。しかし、神経伝導検査では軸索変性所見を呈するため、POEMS症候群とは異なる。その他、大量の胸水や腹水単独で発症する例もあり、原因が特定できない場合には、本症候群を鑑別疾患の1つとして挙げることも考慮する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)POEMS症候群の症状は多彩であるが、治療のターゲットはplasma cell dyscrasiaである。そのため、近年は骨髄腫の治療法が本症候群に応用されている。治療方針の原則は、若年者では自家移植、高齢者では免疫調整薬が第1選択とされてきた。移植適応年齢の上限は、65歳から70歳へと、近年引き上げられつつある。自家移植に伴う関連死や再発のリスクが明確になりつつあることを考慮すると、若年軽症例、とくに30代の患者では、リスクとベネフィットおよび長期にわたる疾患コントロールの観点から、移植が第1選択とは必ずしもいい切れなくなってきている。そのような症例では、免疫調整薬が第1選択となる可能性がある。以下に、現在有効であると考えられている治療法について概説する。しかし、いずれも保険適用がないのが、問題点となっている。■ 自己末梢血幹細胞を伴う高用量化学療法通常、骨髄腫とほぼ同様の方法で行われている。自己末梢血幹細胞採取は、顆粒球コロニー刺激因子単独またはシクロホスファミド(商品名:エンドキサン)併用で行われる。続いて、高用量のメルファラン(同:アルケラン)による前処置後に幹細胞移植が行われる。最近では、移植前にサリドマイド(同:サレド)、レナリドミド(同:レブラミド)やボルテゾミブ(同:ベルケイド)などの前治療を行い、病勢をコントロールしてから、自家移植へ進むこともある。移植後、VEGF値は約1~3ヵ月で速やかに低下し、引き続き臨床症状全般の改善が生じる。移植後の再発に関する報告も増えつつあり、無増悪生存率は1年で98%、5年で75%とされる。再発後の治療の選択肢としては再移植、サリドマイドなどの免疫調整薬などが選択されることが多い。■ 免疫調整薬現時点における免疫調整薬の選択肢は、サリドマイド、レナリドミドである。サリドマイド、レナリドミドとも、やはり骨髄腫と同様の用法・用量で使用されており、デキサメタゾン(同:レナデックス、デカドロンなど)が通常併用される。ポマリドミド(同:ポマリスト)は、レナリドミドの次に開発された免疫調整薬であるが、本症候群への使用の報告はまだない。サリドマイドは、本症候群における有効性が、プラセボ対照二重盲検ランダム化群間比較試験で、唯一示されている薬剤である。前記試験は、わが国において医師主導治験として実施されており、適用取得に向けて準備中である。レナリドミドについても、単群オープン試験が報告されており、やはり有効性が示されている。副作用として、サリドマイドでは徐脈、末梢神経障害などに、レナリドミドでは骨髄抑制に、とくに注意が必要である。若年軽症例では、現時点では自家移植ではなく免疫調整薬を選択しても、将来的には自家移植の適応となる可能性がある。その際には、レナリドミドの長期使用により、幹細胞採取が困難となる可能性があるため、長期的な展望の下に、薬剤の選択と治療期間の検討を行う必要がある。■ プロテアソーム阻害薬骨髄腫治療薬として主要な位置付けとなっているプロテアソーム阻害薬も、POEMS症候群に有効な可能性がある。本症候群においては、ボルテゾミブの有効性についての症例報告が集積されつつある。臨床試験の報告はない。カルフィルゾミブ(同:カイプロリス)については、1例の報告のみで、神経症状の安定化が認められたとされる。イキサゾミブ(同:ニンラーロ)については、現在、米国で臨床試験が進行中である。用法・用量は、骨髄腫と同様に使用されることが多い。しかし、プロテアソーム阻害薬の注意すべき副作用として、末梢神経障害がある。そのため、投与中は末梢神経障害の発現に注意しつつ、投与間隔の延長や治療の中断を考慮する。ボルテゾミブに関しての報告が最も多く、効果の発現が免疫調整薬と比較し、速やかな可能性がある。亜急性進行を示す例において、選択肢の1つとなる可能性がある。4 今後の展望現在、骨髄腫治療薬は、早いスピードで開発が進んでいる。これまでの免疫調整薬・プロテアソーム阻害薬の本症候群における有効性を鑑みると、新規薬もおそらく有効である可能性が高い。そのため、本症候群に応用できる選択肢が、今後も引き続き増加することが予測される。現時点では、本症候群における新規治療の試みは、希少かつ重篤な疾患であるがゆえに、1~数例の報告が主体である。しかし、サリドマイドの本症候群への適応拡大のために行われたランダム化群間比較試験のように、今後は適切な臨床試験を可能な限り行い、エビデンスを積み重ね、治療戦略を構築する試みを継続すべきである。治療の進歩に伴い、本症候群の認知度は確実に向上しており、早期診断・治療の加速により、予後は明らかに改善しつつある。また、稀少疾病の新規治療開発を加速させる手段の1つとして、本症候群の症例登録システムも構築されている。全国に散在している症例の情報を集積し、新規治療の有効性や予後について明らかにすることが目的である。さらに、未来の新規治療薬の臨床試験においては、適応となりうる患者に迅速に情報を届けることも、もう1つの主要な目的である。一方で、診断・病勢のマーカーとなるVEGF測定や有効とされる新規治療が、いまだ1つも保険適用とされていないことが、すべての患者さんが、いずれの医療機関でも標準的な診療を受けることへの大きな障壁となっている。このような問題点に関しても、今後の解決が期待される。5 主たる診療科神経内科または血液内科 ※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター クロウ・深瀬症候群(一般利用者と医療者向けのまとまった情報)千葉大学大学院医学研究院 神経内科学 J-POST trial(医療者向けのまとまった情報)千葉大学大学院医学研究院 神経内科学 患者登録システム(一般利用者と医療者向けの症例登録の窓口)患者会情報POEMS症候群 サポートグループ(本症の患者および家族の会)1)Kuwabara S, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2012;6:CD006828.2)Misawa S, et al. Clin Exp Neuroimmunol. 2013;4:318-325.3)Dispenzieri A. Am J Hematol. 2014;89:214-223.4)Misawa S, et al. Lancet Neurol. 2016;15:1129-1137.5)Jaccard A. Hematol Oncol Clin North Am. 2018;32:141-151.6)Nozza A, et al. Br J Haematol. 2017;179:748-755.7)Mitsutake A, et al. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2018.[Epub ahead of print]公開履歴初回2015年07月28日更新2018年04月24日

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アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018

 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で、アテゾリズマブの第III相臨床試験IMpower-150の主要なサブグループの解析結果が発表され、非扁平上皮非小細胞肺がん(NCSLC)の1次治療において、アテゾリズマブの化学療法への追加によって、PD-L1発現、EGFR、ALKステータスに関わらないPFSの改善が示された。 IMpower-150試験はオープンラベル無作為化多施設共同試験・対象:転移を有する非扁平上皮NSCLC 1次治療患者(EGFR変異・ALK再構成陽性=EGFR+/ALK+含む)・試験群 A群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(Atezo+CP)→アテゾリズマブ B群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(Atezo+CP+Bev)→アテゾリズマブ+ベバシズマブ・C群(コントロール):カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(CP+Bev)→ベバシズマブ・評価項目:複合主要評価項目は治験担当医によるPFSおよびOS(ともにEGFR/ALK野生型のITT解析対象患者)、副次評価項目は治験担当医評価によるPFS(全ITT解析対象患者)、独立評価機関(IRF)評価によるPFS、その他ORR、DOR、安全性であった。 ESMO Immuno Oncology 2017おいて、EGFR/ALK野生型のITT解析対象(692例)でのPFSデータが報告され、Atezo+CP+Bev群の8.3ヵ月に対しCP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.62、p<0.0001)という結果であった。今回はAtezo+CP+Bev群対CP+Bev群における、PD-L1発現、エフェクターT細胞の関連遺伝子(Teff)発現、EGFR変異・ALK再構成、肝転移の有無といった主要なサブ解析の結果が発表された。 主な結果は以下のとおり。・PD-L1高発現患者(TC3またはIC3)のPFSは、Atezo+CP+Bev群12.6ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.39)、低発現患者(TC1/2またはIC1/2)のPFSは、それぞれ8.3ヵ月と6.6ヵ月(HR:0.56)、発現なしのPFSは、それぞれ7.1ヵ月と6.9ヵ月(HR:0.77)であった・Teff高発現患者のPFSは、Atezo+CP+Bev群11.3ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.51)、低発現患者のPFSは、それぞれ7.3ヵ月と7.0ヵ月(HR:0.76)であった・EGFR+/ALK+患者を含むITT解析対象全体(800例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群8.3ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.61)であった・EGFR+/ALK+患者のみ(108例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群9.7ヵ月、CP+Bev群6.1ヵ月(HR:0.59)であった・肝転移陽性(110例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群8.2ヵ月、CP+Bev群5.4ヵ月(HR:0.40)であった。肝転移陰性(690例)のPFSは、それぞれ、8.3ヵ月と7.0ヵ月(HR:0.64)であった 一方、本年(2018年)3月にEGFR/ALK野生型におけるOSの改善が公表されたが、今回の会議では、具体的な数値は明らかにされなかった。■参考IMpower150試験(Clinical Trials.gov)■関連記事atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017

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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、新たな遺伝子サブグループを同定/NEJM

 米国・国立衛生研究所のRoland Schmitzらは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の腫瘍組織の遺伝子解析を行い、遺伝子型、エピジェネティックおよび臨床像の異なる4つの遺伝子サブタイプを同定した。著者は、「DLBCLのプレシジョン・メディシンを可能にする疾病分類を提供するものである」とまとめている。DLBCLは、表現型的にも遺伝学的にも不均一であるが、遺伝子発現プロファイリングにより、化学療法や分子標的薬への反応の違いに関わる起始細胞に基づくサブグループ(活性型B細胞型[ABC]、胚中心B細胞型[GCB]、未分類)が同定されている。研究グループは、共通する遺伝子異常に基づく遺伝子サブタイプを同定することで、腫瘍遺伝学に基づいたDLBCLの治療脆弱性を明らかにすることを試みた。NEJM誌2018年4月12日号掲載の報告。ハイブリッド手法を用いて遺伝子変異の特徴を解析 研究グループは、574例のDLBCL新鮮凍結検体(生検検体、96.5%は治療前)について、エクソームシークエンス解析、トランスクリプトームシークエンス解析、マイクロアレイによるDNAコピー数解析、372遺伝子のアンプリコンディープリシークエンス解析を行い、同時発生の遺伝子変化に基づき遺伝子サブタイプを発見するアルゴリズムを開発し検証した。MCD、BN2、N1、EZBの4つの遺伝子サブタイプを同定 解析の結果、DLBCLに顕著な遺伝子サブタイプ4つが同定され、MCD(MYD88L265P変異とCD79B変異)、BN2(BCL6融合とNOTCH2変異)、N1(NOTCH1変異)、EZB(EZH2変異とBCL2転座)と名付けられた。これらは、複数の遺伝子に異常が発生している点で、他のDLBCLと異なっている。また、これらは、遺伝子発現特性と免疫化学療法への反応の違いによって表現型が異なり、BN2とEZBは生存が良好で、MCDとN1は予後不良であった。 遺伝子経路の解析により、MCDとBN2は、阻害薬に反応しやすい「慢性活動性」のB細胞受容体シグナル伝達に依存することが示唆された。 著者は、「今回の解析には臨床データを使用しておらず、これら4つの遺伝子サブタイプと治療反応の関連性を評価することが重要である」と述べている。

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高齢者への抗がん剤治療は有効か

 4月4日(水)、都内で日本肺癌学会主催の第19回 肺がん医療向上委員会が開催された。「高齢者肺がんへの抗がん剤治療は有効か? 無効か?」をテーマに津端 由佳里氏(島根大学医学部 内科学講座)が登壇し、全国に先んじて高齢化が進む島根県での診療の現状を踏まえ、高齢肺がん患者における抗がん剤治療について講演した。「肺がん診療ガイドライン」での推奨は? 初めに津端氏は、本講演では高齢者の定義を後期高齢者に当たる75歳以上として進めることを説明したうえで、「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2017年版」(日本肺癌学会編)で“75歳以上”との記載がある2つのクリニカルクエスチョン(CQ)を紹介した。 まず遺伝子変異陽性例については、75歳以上においてもEGFR、ALK、ROS1、BRAFといったそれぞれの遺伝子を標的とした分子標的治療薬が「GRADE 1」として強く推奨されている(CQ20)。同氏はゲフィチニブ1)やエルロチニブ2)の臨床試験結果も踏まえ、「分子標的薬の有効性・安全性は高齢者であっても期待できる」と述べた。 次に遺伝子変異陰性例(PD-L1<50%、もしくは不明)で全身状態が良好(PS 0-1)な場合については、ガイドラインでは細胞障害性抗がん剤単剤が、年齢によらず「GRADE 1」として推奨されている(CQ38)。ただし、カルボプラチン併用療法については「GRADE 2」と弱い推奨(提案)レベルに留まっており、「細胞障害性抗がん剤も高齢者に対してある程度効果は期待できるが、カルボプラチン併用療法については治療関連死が4.4%と高かったという報告3)があり、治療内容と副作用に十分注意しながら進める必要がある」と話した。 また、免疫チェックポイント阻害薬については、ガイドラインでは現状言及されていない。サブグループ解析を除き、結果が発表されている大規模臨床試験はCheckMate 1714)のみで、この試験では高齢者(70歳以上)に対するニボルマブ投与の安全性・有効性が70歳未満と比較して同等であることが確認されている。しかし、「エビデンスが蓄積されていないこと、欧米と日本における高齢者の定義(年齢)が異なることから、今後も国内でのデータを蓄積し、有効性について検討していく必要がある」とまとめた。治療し過ぎ、手控え過ぎをいかに避けるか 続いて同氏は、身体・生理機能の差が必ずしも年齢に依存しない高齢者では、治療法の選択は個々に行う必要があり、一律には判断できないことに言及。NCCNガイドラインでは高齢がん患者における治療方針決定フローが示されており、病状理解・治療目標の設定・化学療法のリスク評価という各段階において、高齢者機能評価(GA)実施の重要性が述べられていることを紹介した。しかし実際には、GAの実施には時間を要するほか、複数の手法が提案されているため、どのGAをどのタイミングで使用するかが決まっていない、という問題点を指摘。「とはいえ、何らかの形で機能評価を実施していかなくてはいけない」と話し、島根大学医学部附属病院での実践例として、電子カルテにGAを組み込んだ独自のシステムを紹介した。本システムは、決められた項目に沿って入力していくと評価できるもので、メディカルスタッフでも慣れれば3分、慣れなくても10分ほどで評価ができ、同院では75歳以上の肺がん患者にいずれかのタイミングで必ず実施するようにしているという。 最後に津端氏は医療費の問題にも言及。2018年3月の米国大統領諮問委員会によるがん治療薬の「経済的毒性」についての報告書5)によると、米国でのがん患者1人当たりの薬剤費が、1995年の5万4,100ドルから2013年には20万7,000ドルと約4倍に増加しているという。一方で同報告書では、がんによる死亡率がこの間に25%減少し、3人中2人は5年生存が可能になったというデータも報告されていることを紹介した。 同氏は、「価値に基づく価格設定の推進など、医療費の問題には医療者だけでなく社会全体で取り組んでいく必要がある。医師としては、目の前の患者一人ひとりにとって最善の医療を提供するために、患者ごとに異なる状況を適切に評価することはもちろん、希望に沿った治療選択のための十分な説明と情報提供を行う力を、日々高めていかなければならないと考えている」とまとめた。■参考1)Maemondo M, et al. J Thorac Oncol.2012;7(9);1417-1422.2)Goto K, et al.Lung Cancer.2013;82(1):109-114.3)Quoix E, et al.Lancet.2011;378(9796);1079-1088.4)Checkmate 171試験(Clinical Trials.gov)5)Promoting Value, Affordability, and Innovation in Cancer Drug Treatment (A Report to the President of the United States from the President’s Cancer Panel),2018

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ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)

 メルク社は2018年4月9日、非扁平上皮、扁平上皮を含む非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤での1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験で、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成したと発表。独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析で、PD-L発現1%以上の患者において、ペムブロリズマブの単剤治療が、プラチナベースの化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比べ、OSの有意な改善を示した。この試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、進行NSCLC患者の単独療法試験で以前に報告されたものと一致していた。 KEYNOTE-042は、局所進行または転移性のPD-L1陽性(TPS≧1%)のNSCLC患者における標準治療のプラチナベース化学療法に対し、ペムブロリズマブ単独療法を評価する国際無作為化オープンラベル第III相試験。主要評価項目はOSで、TPS50%以上、20%以上、および1%以上で順次評価される。副次評価項目は、PFSおよび奏効率(ORR)。1,274例の患者が、ペムブロリズマブの単独療法または治験担当医の裁量で選択されたプラチナベース化学療法に1:1で無作為化された。DMCの勧告に基づき、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の評価も継続する。※TPS:Tumor Proportion Score 腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合 メルク社のニュースリリースのなかで、香港中文大学のTony Mok氏は、「OSの改善は、進行肺がんの治療における究極の目的である。KEYNOTE-042は、PD-L1陽性NSCLCの1次治療に対し免疫療法単剤で、OSを主要評価項目とし、さらに有意な効果を示した、初めての無作為化第III相試験である」と述べている。 メルク社のプレスリリースでは、具体的な数値は明らかにされておらず、今後の医学学会で発表される予定だという。■参考KEYNOTE-042試験(Clinical Trials.gov)

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アテゾリズマブと化学療法の併用、扁平上皮肺がん1次治療でPFS延長(IMpower131)

 ロシュ社は2018年3月20日、第III相臨床試験であるIMpower131試験において、2つの主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)について、アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)と化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)の併用療法により、化学療法単独と比較して、進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療における病勢進行または死亡リスクが低下(PFS延長)したことを発表した。アテゾリズマブと化学療法の併用における安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のシグナルは確認されなかった。今回の中間解析の時点では、統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長は観察されておらず、試験は計画どおり継続する。これらの成績は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。 IMpower131試験は、化学療法未実施のStage IVの扁平上皮NSCLCを対象とし、アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセル、またはアテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用療法と、化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用)単独の有効性および安全性を比較検討するオープンラベル多施設共同無作為化第III相臨床試験である。本試験には、下記の3群に1:1:1に無作為割り付けた1,021例が登録された。・A群:アテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用・B群:アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用・C群(対照群):カルボプラチン+nab-パクリタキセル2つの主要評価項目は、治験参加医師がRECIST v1.1を用いて評価したITT集団におけるPFS(B群対C群)およびITT集団におけるOS(B群対C群)である。 IMpower131試験の統計解析計画では、C群(カルボプラチン+nab-パクリタキセルの)に対するB群(アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用)の統計学的に有意なOSの延長が認められた場合に、C群に対するA群(アテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用)の解析(PFSおよびOS)を実施することがあらかじめ計画されている。 現在、ロシュ社はアテゾリズマブ単独または他剤との併用において、肺がんを対象とした8つの第III相臨床試験を実施しており、そのうちの5つの試験成績について本年発表する予定である。■参考IMpower131試験(Clinical Trials.gov)■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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StageIII大腸がんの術後補助化学療法、短縮は可能か?/NEJM

 StageIII大腸がん患者において、FOLFOX療法またはCAPOX療法による術後補助化学療法の3ヵ月投与は、全体集団では6ヵ月投与に対する非劣性が確認されなかったものの、サブグループ解析の結果、CAPOX療法を受けた、とくに低リスク症例において、3ヵ月投与は6ヵ月投与と同程度に有効であることが示された。米国・メイヨー・クリニックのAxel Grothery氏らが、StageIII大腸がん患者を対象とした術後補助化学療法の無作為化第III相試験6件を前向きに統合解析する、International Duration Evaluation of Adjuvant Therapy(IDEA)collaborationの結果を報告した。2004年以降、StageIII大腸がんに対する術後補助化学療法は、オキサリプラチンとフルオロピリミジン系薬を6ヵ月間併用するレジメンが標準治療となっている。しかし、オキサリプラチンは神経毒性の蓄積と関連があるため、治療期間の短縮による毒性や医療費の軽減が期待されていた。NEJM誌2018年3月29日号掲載の報告。6試験を統合し術後補助化学療法の期間短縮について検討 研究グループは、FOLFOX療法(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)、またはCAPOX療法(カペシタビン、オキサリプラチン)による術後補助化学療法の、6ヵ月投与に対する3ヵ月投与の非劣性を検証する目的で、同時に行った6件の無作為化第III相試験について、事前に計画された前向き統合解析を実施した。 6件の無作為化第III相試験の主要評価項目は無病生存期間(DFS)であり、本統合解析では3年DFSのハザード比(HR)の両側95%信頼区間(CI)の上限が1.12を超えない場合に、3ヵ月群の6ヵ月群に対する非劣性が示されたとした。CAPOX療法では、3ヵ月群が6ヵ月群に対し非劣性 解析対象は計1万2,834例で、疾患の再発/死亡が3,263件報告された。 観察期間中央値41.8ヵ月において、3ヵ月群の6ヵ月群に対する非劣性は、全集団では確認されなかったが(HR:1.07、95%CI:1.00~1.15)、レジメン別ではCAPOX療法(HR:0.95、95%CI:0.85~1.06)で非劣性が示され、FOLFOX療法(HR:1.16、95%CI:1.06~1.26)では示されなかった。 両レジメンを統合した探索的解析の結果、低リスク患者(TNM分類でT1、T2、T3かつN1)において、3ヵ月群の6ヵ月群に対する非劣性が示された(3年DFS:83.1% vs.83.3%、HR:1.01、95%CI:0.90~1.12)。一方、高リスク患者(T4、N2、T4N2)においては、6ヵ月群が3ヵ月群より優れていた(3年DFS:64.4% vs.62.7%、HR:1.12、95%CI:1.03~1.23、優越性のp=0.01)。 なお、著者は、6件の臨床試験が異なる国のさまざまな集団で実施されており、多様性についての補正なしにサブグループ解析が実施されていることなどを、研究の限界として挙げている。

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ペムブロリズマブ、臓器横断的な腫瘍に国内申請

 MSD株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ヤニー・ウェストハイゼン)は2018年3月30日、局所進行性又は転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)がんに対する効能・効果について、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。 高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)とは、遺伝子の修復機能異常を示すバイオマーカー。細胞は、細胞分裂にともなう遺伝情報の複製においてDNAの複製ミスが発生した場合、修復機構が働いてそのミスを修復している。マイクロサテライト不安定性(MSI)は、この修復機構の機能低下によって、DNAの繰り返し配列(マイクロサテライト)が正常な細胞と異なる状態。 MSI-Highを示す腫瘍は、大腸がん、胃がんや膵臓がんなどの消化器系のがん、子宮内膜がんで最もよくみられる。また、頻度は低いものの乳がん、前立腺がん、膀胱がん、甲状腺がんなどでもみられる。転移性大腸がんでは、患者の約3~5%にMSI-Highを示す腫瘍がみられる。 臓器非特異的な、さまざまながんの共通のバイオマーカーでの適応で承認されたがん治療薬は、国内においてはまだない。 ペムブロリズマブは、2017年2月15日に国内で販売を開始。これまでに「根治切除不能な悪性黒色腫」「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」の効能・効果承認を取得している。■関連記事ペムブロリズマブ、臓器横断的ながんの適応取得:FDA

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